JP2017002590A - 跳ね防止ユニット - Google Patents

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【課題】溜水面のみならず洗浄面における跳ねを防止する跳ね防止ユニットを提供する。【課題を解決するための手段】便器本体5のリム部13に跳ね防止ユニット1が載置される。この跳ね防止ユニット1の筐体19は、リム部13よりも内側に開口37が開設されている。この筐体19には、開口37を挟んで前後に設けられた一対の回転軸21,23と、回転軸の一方21に巻き取られたメッシュシート25とが納められている。便座7が上げられたときに、メッシュシート25は回転軸の一方21から引き出されて、開口37の全体に広がってセットされる。使用者は、この開口37目掛けて小便をするので、小便はメッシュシート25により勢いが減衰され、細分化される。このため、洗浄面75に着地した小便の跳ねをも防止することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、水洗式の洋風便器において、小便や洗浄水の跳ねを防止するユニットに関する。
従来から、立ったまま小便をしたときに、洋風便器の溜水面で跳ねた洗浄水や小便が、便器本体のリム部上面や床に飛散して汚してしまうといった問題がある。このような問題に対して、特許文献1には、小便が通過する便器本体の内部空間に網を設けた例が記載されている。この網は、直径が0.5mmの線材を5mmの間隔で編み込んで形成されており、便座の上げ下げに連動して溜水面の上方に出没する。便座を上げたときには、網は溜水面の上方に出た状態で保持される。この網に小便がかかると、小便の勢いが減衰されて、溜水面での跳ねが低減される。便座を下げたときには、網は便器本体の内壁面に沿って溜水面下に没した状態で保持される。このため、大便の流れを阻害しない。
特許文献1によると溜水面で生じる跳ねは防止できるが、便器本体内で生ずる跳ねは溜水面のみではない。例えば、小便の勢いは終始一定ではないので、便器本体の内部空間を前後して、洗浄面に小便が当たる場合がある。また、溜水面を目掛けて小便をする者もいれば、便器本体の洗浄面を目掛けて小便をする者もいる。このような場合には、洗浄面で小便が跳ねてしまい、飛散した小便で床が汚れてしまう。
実開平03−046575号公報
本発明は、溜水面のみならず洗浄面における跳ねを防止する跳ね防止ユニットを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、洋風便器の便器本体に載置され、該便器本体の内部空間に通じる開口が該便器本体のリム部よりも内側に開設されている筐体と、前記筐体に設けられ、前記洋風便器の便座が上げられたときに前記開口の全体に広がるメッシュシートと、を備えたことを特徴とする。
また、前記開口を挟んで互いに平行に配置される一対の回転軸と、前記一対の回転軸を同一方向に回転駆動する駆動手段と、を備え、前記メッシュシートは、前記便座が上げられたときに前記一対の回転軸の間に架け渡され、前記便座が下げられたときに前記回転軸の一方に巻き取られてもよい。
さらに、前記便座の上げ下げを検知するセンサ部と、前記センサ部の出力を取得して、前記便座が上げられたときに前記駆動手段を駆動して前記一対の回転軸の間に架け渡し、前記便座が下げられたときに前記駆動手段を駆動して前記回転軸の一方に前記メッシュシートを巻き取る制御手段と、を備えても良い。
本発明に係る跳ね防止ユニットは、便器本体に載置された筐体の開口が便器本体の内部空間に通じている。使用者は、この開口を目掛けて小便をする。開口にはメッシュシートが設けられており、メッシュシートにかかった小便の勢いが減衰される。このメッシュシートは小便が通過する開口の全体に広がって設けられているので、便器本体において溜水面のみならず洗浄面における跳ねを防止することができる。
跳ね防止ユニットを取り付けた洋風便器の側面の一部断面図である。 天板部および庇部を透明視した跳ね防止ユニットの上面図である。 跳ね防止ユニットのA'−A断面図である。 メッシュシートの上面図である。 跳ね防止ユニットのブロック図である。 軸支部材を示す断面図である。
本発明の実施形態に係る跳ね防止ユニットを図面に基づいて説明する。なお、各図にわたって示される同じ符号は、同一または同様のものを示す。
図1および図2に示すように、跳ね防止ユニット1は水洗式の洋風便器3に用いられる。洋風便器3は、便器本体5と、便座7と、便蓋9と、を備えた構成である。便器本体5は、便鉢部11、及び便鉢部11の上縁に形成されている環状のリム部13を有しており、リム部13から排出された洗浄水が便鉢部11の底部に溜まることにより溜水面15が形成される。便座7および便蓋9は、リム部13の後方に設けられたヒンジ部17に取り付けられており、リム部13に対して開閉自在に設けられている。なお、本実施形態において便座7を上げるとは、便座7がリム部13に対して開かれることをいい、便座7を下げるとは、便座7がリム部13に対して閉じられることをいう。
跳ね防止ユニット1は、便器本体5と下げられた便座7の間に設けられており、図2〜図6に示すように、筐体19と、この筐体19に納められた一対の回転軸21,23と、メッシュシート25と、駆動手段と、制御手段と、を備えている。
図2及び図3に示すように、筐体19は、便器本体5のリム部13に載置され、不図示の螺子が螺子孔85を通して便器本体5に螺合されることにより便器本体5に固定される。この筐体19は、リム部13の上面に沿って環状に延在している底板部27、底板部27の外周から上方に突出している外壁部29、底板部27の内周から上方に突出している内壁部31、外壁部29と内壁部31の上端から底板部27に対向するように延出している天板部33、及び内壁部31の上端から天板部33とは逆側に(便鉢部11の内部空間中央に向かって)延出している庇部35を有している。この庇部35は、後述する一対の回転軸21,23の間に架け渡されたメッシュシート25の両サイド、及び一対の回転軸21,23を覆うように延出している。このように筐体19は、庇部35の先端を縁とする開口37が形成されており、この開口37は便鉢部11(便器本体5)の内部空間に通じている。また、筐体19は、代表的には、ABS樹脂などの材料が用いられ、上下に別々に成型される。
一対の回転軸21,23は、開口37よりも後方に設けられている後方回転軸21、及び開口37よりも前方に設けられている前方回転軸23であり、互いに平行に設けられている。各回転軸21,23は、その両端部が内壁部31に取り付けられた軸支部材39のすべり軸受83(図6)に挿通されて、軸支されている。このような回転軸21,23は、ステンレスなど水や尿に濡れても腐食しない耐腐食性を有する材料が好ましい。
メッシュシート25は、開口37の広がりよりもサイズの大きな矩形のシートであり、複数の細線が縦横に交差して7〜24メッシュ程度の複数の微細孔が形成されている。このようなメッシュシート25は、代表的には、ポリエチレンから成り、径が0.3mm〜1mm程度の細線を縦横に織り込んで形成される。このメッシュシート25は、取付部材41を介して後方回転軸21および前方回転軸23に取り付けられている。各回転軸21,23に取り付けられたメッシュシート25は、便座7が上げられているとき、すなわち立ったまま小便するときには、図2に示すように、開口37の全体に広がるように引き出されている。一方、便座7が下ろされているとき、すなわち座って小便や大便をするときには、図3に示すように、後方回転軸21に巻き取られ、開口37にはメッシュシート25がない状態となる。
取付部材41は、代表的にはポリエチレンから成り、図4に示すように、枠部43および架渡部45を有している。枠部43は、メッシュシート25の周縁部に対してホットプレスされることにより溶着されている。メッシュシート25後縁の枠部43aには螺子孔87が形成されており、不図示の螺子がこの螺子孔87を通じて後方回転軸21に螺合されている。架渡部45は、メッシュシート25前縁の枠部43bの両サイドから前方回転軸23にかけてテープ状に伸びており、その先端に螺子孔89が開設されている。不図示の螺子がこの螺子孔89を通じて前方回転軸23に螺合されている。この架渡部45は、メッシュシート25が後方回転軸21に巻き取られた状態にあるとき(図3)に、前方回転軸23に取り付けられる程度の長さが必要である。この取付部材41は、ポリエチレンなどが好ましい。
駆動手段は、図2に示すように、電動機47および伝達手段により実現されている。電動機47は、代表的にはステッピングモータであり、筐体19の後部左側に設置されている。電動機47の回転軸にはプーリー49が取り付けられている。このプーリー49に掛けられたベルト57は、後方回転軸21の左端部に取り付けられたプーリー51に掛けられている。これにより、電動機47の回転が後方回転軸21に伝達される。また、後方回転軸21の右端部にはプーリー53が取り付けられている。このプーリー53に掛けられたベルト59は、前方回転軸23の右端部に取り付けられたプーリー55に掛けられている。これにより、後方回転軸21に伝達された回転が前方回転軸23に伝達される。よって、電動機47が回転すると、この回転方向と同一の方向に後方回転軸21および前方回転軸23が回転する。このように、各プーリー49,51,53,55、及びベルト57,59は、電動機47の回転を各回転軸21,23に伝達する伝達手段として機能している。この伝達手段において、各回転軸21,23と電動機47の回転を同期させるため、プーリー49,51,53,55の各々は歯付きプーリーを用い、上記のベルト57,59には歯付きベルトを用いるのが好ましい。また、ベルト57,59の脱落を防止するために、フランジ付きのプーリー49,51,53,55を用いるのが好ましい。上記の電動機47は、図5に示すように、マイクロコンピュータ67に電気的に接続されており、マイクロコンピュータ67から出力される制御信号に基づいて回転する。
マイクロコンピュータ67は、不図示の中央処理装置および記憶装置を有しており、中央処理装置が記憶装置に記憶されたプログラムをロードして実行することにより後述の制御手段として機能する。マイクロコンピュータ67の入力端子はセンサ部69の出力と電気的に接続されている。
センサ部69は、所定波長の光を発する発光素子73、発光素子73と同一波長の光の明暗を電気信号に変換する受光素子71、及び受光素子71および発光素子73を作動させる回路を有している。受光素子71の受光面および発光素子73の発光面は、下ろされた便座7の裏側に向かって露出するように天板部33に取り付けられる。便座7が下ろされた状態では、発光素子73から出た光が便座7の裏側で反射して、受光素子71の受光面に入る。これにより、受光素子71は明るい状態を示す電気信号(高レベル)を出力する。一方、便座7が上げられた状態では、発光素子73から出た光は便座7で反射しないので、受光素子71の受光面に入らない。このため、受光素子71は暗い状態を示す電気信号(低レベル)を出力する。
跳ね防止ユニット1の動作フローを説明する。
(1)まず、マイクロコンピュータ67の中央処理装置は、センサ部69からの電気信号を取得し、その状態を監視する。
(2)便座7が上げられて、取得した電気信号が高レベルから低レベルに変化したときには、中央処理装置は、メッシュシート25を引き出す方向に電動機47を回転させる。このときステッピングモータを用いる場合には、所定のパルス数の制御信号を電動機47に入力することで、メッシュシート25が開口37全体に広がるように位置決めされる。
(3)一方、便座7が下ろされて、取得した電気信号が低レベルから高レベルに変化したときは、中央処理装置は、電動機47を上記とは逆方向、すなわちメッシュシート25を巻き取る方向に回転させる。これにより、メッシュシート25が後方回転軸21に巻き取られた状態になる。
このようにマイクロコンピュータ67は、センサ部69の出力を取得して、便座7が上げられたときに駆動手段を駆動して、メッシュシート25を後方回転軸21と前方回転軸23の間に架け渡し、便座7が下ろされたときに駆動手段を駆動して後方回転軸21にメッシュシート25を巻き取る制御手段として機能している。
本実施形態の跳ね防止ユニット1によれば、便座7が上げられたときに、メッシュシート25が筐体19の開口37全体に広がってセットされる。そして、使用者は開口37目掛けて小便をする。すると、小便は必ずメッシュシート25にかかるので、その勢いが減衰される。また、小便は、メッシュシート25を通過するときに細分化される。このため溜水面15や洗浄面75に落ちても跳ねが生じにくい。このように、便器本体5の内部空間において広範に跳ねを防止することができる。
また、このメッシュシート25は、便座7が下ろされた状態では、後方回転軸21に巻き取られる。このため、大便をするときにはメッシュシート25が邪魔にならない。
さらに、センサ部69、制御手段、及び駆動手段を用いることにより、便座7の上げ下げに連動して、自動的にメッシュシート25がセットされ、収納される。
本発明の実施形態は上記の態様に限定されない。
上記の実施形態において、筐体19の底板部27、内外壁部29,31、および天板部33に囲まれて形成される空間を補強するために、底板部27と天板部33の間にリブを複数個所に設けるのが好ましい。
また、図3に示すように、筐体19の底板部27には、リム部13の内壁面77に沿って下方に突出した突条部79が形成されてもよい。この突条部79をリム部13に嵌めることで、筐体19は便器本体5に対して位置決めされる。
また、メッシュシート25を形成している細線は、断面が円形のもののほか、断面が多角形のものを用いることができる。例えば、断面が三角形の細線を用いることができ、この場合には、頂点を上方に向けて織り込むのが好ましい。このようなメッシュシート25は、小便をより細分化できる。また、ポリエチレンから成る細線を縦横に織り込んでシート体を形成した後に、そのシート面の全面に、厚み方向にホットプレスして形成されてもよい。このようなメッシュシート25は、縦横の細線同士が溶着するので、目のズレが生じない。
また、メッシュシート25は前方回転軸23に巻き取られる態様であってもよい。
また、一対の回転軸21,23は開口37を挟んで互いに平行に設けられればよい。よって、開口37を挟んで左右に一対の回転軸を設けてもよい。
また、図6に示すように、軸支部材39の内部には、回転軸21,23を伝って尿や水が筐体19の内部空間に浸入するのを防止するために、回転軸21,23に装着されるOリング81を備えてもよい。
また、センサ部69に用いられるセンサは発光素子73および受光素子71に限定されず、下ろされた便座7に当接することによりONし、便座7が上げられることによりOFFするスイッチを用いても良い。
また、便座7の上げ下げを検知するセンサに変えて、便器の正面に立つ使用者を検出する人感センサを設け、この人感センサの出力信号に基づいて、電動機47を制御してもよい。すなわち、制御手段は、出力信号が使用者の存在を示しているときには、メッシュシート25を引き出す方向に電動機47を制御し、出力信号が使用者の存在を示していないときには、メッシュシート25を巻き取る方向に電動機47を制御してもよい。
また、メッシュシート25の出入りを入力するためのスイッチを、便座7の近傍に設けられたコントロールパネルに設けてもよい。このコントロールパネルは、スイッチの入力情報を、例えば赤外線等の無線で跳ね防止ユニット1に送信する。跳ね防止ユニット1は、無線で送信された入力情報を受信する受信素子を備えてもよい。この受信素子の出力はマイクロコンピュータ67の入力端子に接続される。マイクロコンピュータ67は、受信素子から入力情報を取得し、取得した入力信号に応じて駆動手段を駆動する。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用または効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施してもよい。
1 跳ね防止ユニット
3 洋風便器
5 便器本体
7 便座
13 リム部
15 溜水面
19 筐体
21 後方回転軸
23 前方回転軸
25 メッシュシート
37 開口
69 センサ部
75 洗浄面

Claims (3)

  1. 洋風便器の便器本体に載置され、該便器本体の内部空間に通じる開口が該便器本体のリム部よりも内側に開設されている筐体と、
    前記筐体に設けられ、前記洋風便器の便座が上げられたときに前記開口の全体に広がるメッシュシートと、
    を備えた跳ね防止ユニット。
  2. 前記開口を挟んで互いに平行に配置される一対の回転軸と、
    前記一対の回転軸を同一方向に回転駆動する駆動手段と、
    を備え、
    前記メッシュシートは、前記便座が上げられたときに前記一対の回転軸の間に架け渡され、前記便座が下げられたときに前記回転軸の一方に巻き取られることを特徴とする請求項1に記載の跳ね防止ユニット。
  3. 前記便座の上げ下げを検知するセンサ部と、
    前記センサ部の出力を取得して、前記便座が上げられたときに前記駆動手段を駆動して前記メッシュシートを前記一対の回転軸の間に架け渡し、前記便座が下げられたときに前記駆動手段を駆動して前記回転軸の一方に前記メッシュシートを巻き取る制御手段と、
    を備えた請求項2に記載の跳ね防止ユニット。
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