JP2017002206A - 熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、水と炭素数4〜8の脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコールとの混合溶媒中において、植物系バイオマスを原料として加熱処理した後に得られるセルロース含有固形物と、熱可塑性樹脂とを含有する。
【選択図】なし
Description
セルロースナノファイバーとは、植物繊維を化学的及び/又は機械的に解繊処理することにより得られる、平均幅が数〜20nm程度、平均長さが0.5〜数μm程度のナノサイズの極細繊維状物質のことを示し、以下の特徴が挙げられる。
・鋼鉄の5倍以上の引っ張り強さを有する
・熱による変形が少ない(ガラスの1/50程度)
・植物由来であるため環境負荷が少なく持続可能な資源
このような特徴を有するセルロースナノファイバーをタルクやグラスファイバー等の樹脂補強材代替として使用することで、より軽量かつ高性能な樹脂組成物が製造され、建築、自動車等の各分野で役立つことが期待される。
また、上述の方法により得られたセルロースナノファイバーは、表面積が大きく、表面に水酸基を有する。含水率は、90〜99%程度と高い。しかし、脱水処理が困難であるため、疎水性の樹脂とは非常に混ざり難いことが欠点であった。
また、上述した粗パルプの代わりに、リグニンが含有された木粉などの植物系バイオマスを原料とするリグノセルロースナノファイバーの使用が提案されている(特許文献2参照)。リグノセルロースナノファイバーに含まれるリグニンは、比較的疎水性であるため、従来のセルロースナノファイバーと比較すると含水率が低く、脱水処理が不要な点で、製造コストの低下が期待される。
また、特許文献2に記載されたリグノセルロースナノファイバーには、リグニンのほか、ヘミセルロース、セルロースも含まれる。ヘミセルロースは、熱的に不安定であるため、リグノセルロースナノファイバーは、従来のセルロースナノファイバーと比較すると熱安定性に劣る。このため、熱安定性の点において改善の余地があった。
そこで、本発明は、従来のセルロースナノファイバー、リグノセルロースナノファイバーを樹脂組成物に配合する場合と比較して、製造工程が簡略化でき、熱可塑性樹脂との混合性を向上させることができ、熱安定性を向上させることのできる熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
[1]水と炭素数4〜8の脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコールとの混合溶媒中において、植物系バイオマスを原料として加熱処理した後に得られるセルロース含有固形物と、熱可塑性樹脂とを含有する熱可塑性樹脂組成物。
[3]前記セルロース含有固形物が、下記条件の下で処理した後に得られる[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
条件A:前記原料の前記混合溶媒に対する仕込み濃度が1質量%以上50質量%以下である
条件B:処理温度が100℃以上350℃以下である
条件C:処理時間が0.1時間以上10時間以下である
[6]前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂及びアクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1つである[1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[7]熱可塑性樹脂組成物全量基準で、前記熱可塑性樹脂が70質量%以上99.9質量%以下含まれ、前記セルロース含有固形物が0.1質量%以上30質量%以下含まれる[1]〜[6]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[8]前記混合溶媒における水と前記アルコールとのモル比(水/アルコール)が1/1〜40/1である[1]〜[7]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[9]前記脂肪族アルコールが、1−ブタノール、2−ブタノール及び2−メチル−1−プロパノールから選ばれる少なくとも1つである[1]〜[8]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[10]前記植物系バイオマスが草本系バイオマスである[1]〜[9]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[12]前記混合工程において、熱可塑性樹脂組成物全量基準で、前記熱可塑性樹脂が固形分として30質量%以上99.9質量%以下、前記セルロース含有固形物が0.1質量%以上70質量%以下の配合比率になるように混合する[11]に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[13]前記分離工程において、下記条件の下で処理した後に前記セルロース含有固形物を分離する[11]又は[12]に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
条件A:前記原料の前記混合溶媒に対する仕込み濃度が1質量%以上50質量%以下である
条件B:処理温度が100℃以上350℃以下である
条件C:処理時間が0.1時間以上10時間以下である
[熱可塑性樹脂組成物]
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、水と炭素数4〜8の脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコールとの混合溶媒中において、植物系バイオマスを原料として加熱処理した後に得られるセルロース含有固形物と、熱可塑性樹脂とを含有する。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂組成物全量基準で、熱可塑性樹脂が固形分として30質量%以上99.9質量%以下含まれ、セルロース含有固形物が0.1質量%以上70質量%以下含まれることが好ましい。
さらに、本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物において、セルロース含有固形物は、下記条件の下で処理した後に得られることが好ましい。
条件A:前記原料の前記混合溶媒に対する仕込み濃度が1質量%以上50質量%以下である
条件B:処理温度が100℃以上350℃以下である
条件C:処理時間が0.1時間以上10時間以下である
ここで、仕込み濃度とは、混合溶媒と、該混合溶媒に対して投入した原料との質量比であり、混合溶媒に不溶な原料成分も含まれる。
<セルロース含有固形物>
セルロース含有固形物は、熱可塑性樹脂組成物全量基準で、0.1質量%以上70質量%以下含まれることが好ましい。セルロース含有固形物の含有量が0.1質量%以上であれば、熱可塑性樹脂組成物及びその硬化物の十分な補強効果が得られる。また、70質量%以下であると、熱可塑性樹脂組成物の十分な成形性が得られる。
上記観点から、セルロース含有固形物の含有量は、熱可塑性樹脂組成物全量基準で、より好ましくは、1質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは、5質量%以上50質量%以下である。
セルロース含有固形物の製造方法は、下記のとおりである。すなわち、セルロース含有固形物の製造方法は、植物系バイオマスを含む原料からセルロース含有固形物を抽出するというものである。
・原料
セルロース含有固形物を得るための原料としては、植物系バイオマスを用いることを要する。植物系バイオマスとしては、木本系バイオマス、草本系バイオマスが挙げられる。木本系バイオマスとしては、スギ、ヒノキ、ヒバ、サクラ、ユーカリ、ブナ、タケなどの針葉樹、広葉樹が挙げられる。植物系バイオマスは、粉砕されたものを用いることもできる。また、ブロック、チップ、粉末、いずれの形状でもよい。
草本系バイオマスとしては、パームヤシの樹幹・空房、パームヤシ果実の繊維及び種子、バガス(さとうきび及び高バイオマス量さとうきびの搾り滓)、ケーントップ(さとうきびのトップ及びリーフ)、稲わら、麦わら、トウモロコシの穂軸・茎葉・残渣(コーンストーバー、コーンコブ、コーンハル)、ソルガム(スイートソルガムを含む)残渣、ヤトロファ種の皮及び殻、カシュー殻、スイッチグラス、エリアンサス、エネルギー作物等が挙げられる。
これらのなかでも、入手容易性や本発明において適用する製造方法との適合性の観点から、草本系バイオマスであることが好ましく、パームヤシの空房、麦わら、トウモロコシの茎葉・残渣、バガス、ケーントップがより好ましく、バガス、ケーントップがさらに好ましい。例えば、木材の場合、組成は、セルロース50質量%、ヘミセルロース20質量%以上30質量%以下、リグニン20質量%以上30質量%以下程度となっている。
このような原料から、下記の処理により、セルロースを主成分とする固形分(セルロース含有固形物という)を抽出する。
セルロース含有固形物の分離に用いる溶媒について説明する。溶媒に用いられるアルコールは、炭素数4〜8の脂肪族アルコールであって、0℃以上50℃以下において水と二相分離するものである。
ここで、本発明において、二相分離する状態とは、混合溶媒の殆ど全てが二相分離しているが、水相とアルコール相とが互いにわずかながら相溶している状態も含まれる。また、アルコール相からアルコールを除去する処理には、アルコール相にわずかに相溶している水相を除去する処理も含む。
溶媒に用いることのできるアルコールとしては、例えば、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノールなどの飽和直鎖アルコールのほか、不飽和直鎖アルコールであってもよい。また、脂肪族炭化水素が分岐したアルコールであってもよい。不飽和分岐アルコールであってもよい。
これらのアルコールのなかでも、0℃以上50℃以下において水と二相分離する観点から、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノールから選ばれる1種以上であることが好ましく、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノールが特に好ましい。
水とアルコールのモル比(水/アルコール)は、1/1〜40/1であることが好ましく、より好ましくは、1.5/1〜30/1、さらに好ましくは、2/1〜24/1である。水とアルコールとの比が上述した範囲を超える場合には、水とアルコールとが所定の条件下において、二相分離しないことがある。
本実施形態において、溶媒に用いられる水としては、例えば、水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。
条件Aにおける原料の溶媒に対する仕込み濃度は、1質量%以上50質量%以下であり、好ましくは、3質量%以上20質量%以下、より好ましくは、5質量%以上15質量%以下である。原料濃度が1質量%未満であると、溶媒の加温や、溶媒の除去に使用するエネルギー量が勝り、生成プロセスのエネルギー効率が悪化する。材料が50質量%を超えると、溶媒量が十分でなく、分離効率が低下する。
条件Bにおける反応温度は、100℃以上350℃以下であり、好ましくは、150℃以上300℃以下であり、より好ましくは、170℃以上270℃以下である。100℃未満であると、リグニンの分離が進行しにくくなり、350℃を超えると、セルロースが分解するとともに、リグニンが再度重合することによりコークが生成するため好ましくない。
条件Cにおける反応時間は、0.1時間以上10時間以下であり、好ましくは、0.2時間以上8時間以下であり、より好ましくは、1時間以上6時間以下であり、さらに好ましくは、1時間以上3時間以下である。0.1時間未満では分離が十分に進行せず、10時間を超えると、セルロースが分解するとともに、リグニンが再度重合することによって生成されるコークの生成量を抑えることができない。
分離工程では、アルコール相及び水相の固形分であるセルロース含有固形物を分離する。本実施形態に係るセルロース含有固形物の分離方法によれば、植物系バイオマス中に含まれるセルロース含有固形物を、アルコール相及び水相の沈殿物として得られる固形分として、効率的かつ高純度で回収することができる。
本実施形態に係るセルロース含有固形物の分離方法によれば、原料に含まれるリグニンは、上記溶媒のアルコール相に溶解される。このため、セルロース、ヘミセルロース、及びこれらの分解物に含有されるリグニンの量を低減させることができる。
上述した条件のほかに、分離工程における反応系の圧力は、0.5MPa以上30MPa以下が望まれる。より好ましい条件は、水、アルコール量と温度によって影響されるため適宜設定する。また、分離工程は、空気下で行うことができる。分離工程は、酸化反応による重合を抑えるために、窒素パージを行って酸素を減らした雰囲気下で行われることが好ましい。
本発明の実施形態に係る製造方法における分離方式に、特に制限はないが、静置分離が可能である。例えば、一般的な回分式反応器、半回分式反応器などを利用することができる。また、植物系バイオマスと、水と、アルコールとからなるスラリーをスクリュー又はポンプ等で押し出しながら分離させる方式も適用可能である。
従来、樹脂組成物の補強材として使用されていたセルロースナノファイバー或いはリグノセルロースナノファイバーは、樹脂組成物への分散性の点で、解繊工程が必要であった。解繊工程では、通常、ホモジナイザー、ミル等の解繊装置が必要であり、製造コストの高騰要因であった。
これに対して、本実施形態に係るセルロース含有固形物の分離工程では、水とアルコールとの混合溶媒中で処理されて得られたセルロース含有固形物が、非常に解繊されやすい状態になっている。このため、解繊工程を設けなくとも、熱可塑性樹脂との混練工程において、混練によって微細なファイバーにまで解繊することができる。さらに、解繊工程が不要になることで、製造コストの大幅な低減が可能である。
また、上述した混合溶媒中で処理することにより、ヘミセルロース成分が溶剤中に溶出し、セルロース含有固形物からヘミセルロース成分が除去される。また、リグニン成分の一部は、セルロース含有固形物に残留するものの、リグニン成分の大部分はアルコール相に溶出する。
したがって、上記分離工程によって得られたセルロース含有固形物は、熱的に不安定なヘミセルロースの比率が低くなっている。
これにより、セルロース含有固形物の熱安定性は、通常の植物系バイオマス由来のものよりも高くなり、セルロース含有固形物を補強材として用いた熱可塑性樹脂組成物の熱安定性を向上させることができる。
上述した方法により抽出されたセルロース含有固形物には、固形分として、セルロース含有固形物の全量基準において、セルロース及びセルロースを分解して得られるセルロース分解物が60質量%以上90質量%以下含まれ、リグニンが5質量%以上35質量%以下含まれ、ヘミセルロース及びヘミセルロースを分解して得られるヘミセルロース分解物が0質量%以上5質量%以下含まれる。
以下、本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂について説明する。
熱可塑性樹脂としては、200℃以下のガラス転移温度を持つ非晶性熱可塑性樹脂、若しくは融点が200℃以下である結晶性熱可塑性樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリスチレン系エラストマー、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート樹脂等)、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、テレフタル酸とエチレングリコール、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールの組み合わせのポリエステルに代表される低融点ポリエステル樹脂、ポリ乳酸及び/又はポリ乳酸を含む共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO)、ケイ素樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリアミドエラストマー等、及びこれらと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂の含有量は、顕著な流動性及び強度を得る観点から、当該樹脂組成物の全体量に対して、30質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、40質量%以上99.9質量%以下がより好ましく、45質量%以上99.9質量%以下が更に好ましく、50質量%以上99.9質量%以下が特に好ましい。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、上述したセルロース含有固形物、熱可塑性樹脂のほかに、熱可塑性樹脂組成物と相溶可能な樹脂が含まれていてもよい。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、充填材が含まれていてもよい。無機充填材としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化チタン、酸化亜鉛、炭化タングステン、酸化マグネシウム等が挙げられる。
また有機充填材としては炭素繊維、アラミド繊維、紙粉、セルロース繊維、セルロース粉、籾殻粉、果実殻・ナッツ粉、キチン粉、澱粉などが挙げられる。
無機充填材、有機充填材は単独あるいは複数の組み合わせで含有されてよく、その含有量は目的に応じて決定される。無機充填材及び/又は有機充填材が含有される場合には、無機充填材及び/又は有機充填剤の含有量が適量であることが良好な物性や成形性を得るために望ましい。この観点から、無機充填材及び/又は有機充填剤の含有量は、熱可塑性樹脂組成物中の樹脂分の合計100質量部に対して、その含有量の上限値は、0質量部超400質量部であることが好ましく、より好ましくは、0質量部以上300質量部以下であり、さらに好ましくは、0質量部以上250質量部以下である。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物には、得られる硬化物の特性を損ねない範囲で各種添加剤を目的に応じてさらに、相溶化剤、及び界面活性剤を添加することができる。
相溶化剤として上記の熱可塑性樹脂に無水マレイン酸やエポキシ等を付加し極性基を導入した樹脂、例えば無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂、市販の各種相溶化剤を併用してもよい。
また、界面活性剤としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の直鎖脂肪酸、またロジン類との分岐・環状脂肪酸等が挙げられるが、特にこれに限定されない。
さらに、上述したものの他に配合可能な添加剤としては、可撓化剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、チキソトロピー性付与剤、離型剤、酸化防止剤、可塑剤、低応力化剤、カップリング剤、染料、光散乱剤、少量の熱可塑性樹脂などが挙げられる
本発明の実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、水と炭素数4〜8の脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコールとの混合溶媒中において、植物系バイオマスを原料として加熱処理した後にセルロース含有固形物を分離する分離工程と、該分離工程に続いて、熱可塑性樹脂と前記セルロース含有固形物とを混合する混合工程と、を有する。
分離工程は、上述したセルロース含有固形物の製造方法に準ずる。
上記分離工程に続いて、混合工程として、上述した熱可塑性樹脂、セルロース含有固形物、並びに、必要に応じて用いられる各種任意成分を混練することにより、熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
混合工程においては、熱可塑性樹脂組成物全量基準で、熱可塑性樹脂が固形分として30質量%以上99.9質量%以下、セルロース含有固形物が0.1質量%以上70質量%以下の配合比率になるように混合することが好ましい。
このときの配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラー等で予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常100〜300℃の範囲で適宜選択される。なお、熱可塑性樹脂以外の含有成分は、予め、熱可塑性樹脂と溶融混練、即ち、マスターバッチとして添加することもできる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、上記の溶融混練成形機を用いるか、あるいは得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等により各種成形体を製造することができる。特に、上記溶融混練方法により、ペレット状の成形原料を製造し、次いで、このペレットを用いて、射出成形、射出圧縮成形による射出成形品の製造に好適に用いることができる。なお、射出成形方法としては、外観のヒケ防止のため、又は、軽量化のためのガス注入成形方法を採用することもできる。
本実施形態に係るセルロース含有固形物は、樹脂組成物との混練中に微細化されるため、従来の解繊工程等の前処理なしで、そのままマスターバッチ組成物として利用することができる。
[評価方法]
<セルロース含有固形物の組成分析>
第1表の成分組成は、下記に示す前処理を行った後、構成糖分析に従って算出した。
(前処理)
前処理として、ウィレーミルを用いて試料となる原料を粉砕し、105℃で乾燥した。
(構成糖分析)
セルロース含有固形物の試料の適量を量りとり、72%硫酸を加え、30℃において、随時撹拌しながら1時間放置した。この反応液を純水と混釈しながら耐圧瓶に完全に移し、オートクレーブにて120℃で1時間処理した後、ろ液と残渣とを、ろ別した。ろ液中の単糖については、高速液体クロマトグラフ法により定量を行った。なお、C6多糖類(主にグルカン)をセルロース、C5多糖類(主にキシラン)をヘミセルロースと定義した。
(リグニン)
構成糖分析の過程でろ別して得られた残渣を105℃で乾燥し、重量を計測し、分解残渣率を算定した。さらに、灰分量補正することで、リグニンの含有量を算定した。
セルロース含有固形物の含水率を凍結乾燥法により測定した。
<引張弾性率、破断伸び率>
樹脂組成物の引張弾性率及び破断伸び率を、JIS K6251−3号に準拠して実施した。
<1%熱重量減少温度>
下記装置及び条件により、樹脂組成物の1%熱重量減少温度を測定した。
機器名 日立バイテクノロジー株式会社(機器:TG/DTA6300)
測定条件 自動ステップ昇温プログラム昇温速度:10℃/分(25℃〜600℃)、窒素雰囲気、閾値:10μg/min
<外観、分散性>
樹脂組成物10gを200℃でプレスして厚さ1mmにシート化した。得られたシートから1cm2の試験片を切り出した。この試験片における気泡の有無を光学顕微鏡により、観察した。また、厚さ1mmのシート、1cm2中における0.1mm以上の繊維の固まりの数を観察し、3つのサンプルの平均値で評価した。平均値が1〜5個のものをA、5〜10個のものをB、10〜20個のものをCとした。
<製造例1>
植物系バイオマスとしてバガス(試料サイズ5cm角以下)と、水/1−ブタノール比が8/1で調製した混合溶媒とを、内容積30LのSUS(ステンレス)製回分式装置(図1)に入れた。溶媒の合計量は、13230gであった。原料仕込み濃度は、原料/溶媒=1/10として行った。
SUS製回分式装置の装置内を窒素でパージした後、200℃まで昇温し、2時間処理を行った。処理時間は、200℃に達してからの経過時間とした。また、熱電対にて温度を測定した。
処理終了後、SUS製回分式装置を冷却し、温度が室温付近まで下がった後、固形分と液相とを濾別した。
固形分に8400gの水を加え、30分間攪拌後、固形分と液相とを濾別した。当該操作を3回繰り返し、セルロース含有固形物Aを得た。セルロース含有固形物Aの組成分析結果を第1表に示す。
第1表に示す植物系バイオマスを、製造例1と同様の混合溶液を用いて、製造例1と同条件で処理することにより、固形分と液相とを濾別した。さらに製造例1と同様の操作により、セルロース含有固形物B〜Fを得た。得られたセルロース含有固形物の組成分析結果を第1表に示す。
<実施例1>
第1表に示すセルロース含有固形物から、製造例1により得られたセルロース含有固形物Aを選択し、このセルロース含有固形物Aと、PP(プライムポリマー株式会社製、「E−105GM」)、及び第2表に示す成分を混練機(東洋精機株式会社製、商品名「ラボプラストミル」)に投入後、120℃にて5分間混練、引き続き210℃にて3分混練を実施し樹脂組成物とした。
セルロース含有固形物Aの配合量は、熱可塑性樹脂組成物全質量に対して、固形分として10質量%とした。
混練して得られた熱可塑性樹脂組成物を、プレス成形機(小平製作所製)を用いて、平板に仕上げた。その後、3号ダンベルを打ち抜き、引張試験用サンプルを製造した。サンプルの作製及び引張試験は、JIS K6251−3号に準拠して行った。また、上述した評価方法に基づいて、熱可塑性樹脂組成物を評価した。
上記製造例1により得られたセルロース含有固形物Aの代わりに、セルロースナノファイバー(モリマシナリー株式会社製、「CNF250」)を用いた以外は、同様に混練して熱可塑性樹脂組成物を作成し、さらに同じ条件により成形して比較例1のサンプルを作製した。
<比較例2>
上記製造例1により得られたセルロース含有固形物Aの代わりに、リグノセルロースナノファイバー(モリマシナリー株式会社製、「リグノCNF45」)を用いた以外は、同様に混練して熱可塑性樹脂組成物を作成し、さらに同じ条件により成形して比較例2のサンプルを作製した。
実施例1のサンプルは、引張弾性率が1760MPaとなり比較例1,2の各1680MPaと比較して弾性率の向上が認められた。
また、実施例1のサンプルの破断伸び率は、15.8%であり、比較例1の11.8%、比較例2の6.7%に対して改善された。
実施例1で用いたセルロース含有固形物Aの含水率は、比較例のサンプルの含水率よりも少なかった。また、製造例1により製造されたセルロース含有固形物は、熱可塑性樹脂との混練状態において解繊され易い状態になっているものと考えられる。このため、実施例1で用いたセルロース含有固形物Aは、疎水性の樹脂中に分散されやすいと考えられる。
実施例1の分散性は、3.3(A評価)、比較例1は、11.3(C評価)、比較例2は、8(B評価)であり、製造例1により製造されたセルロース含有固形物は、樹脂組成物に良好に分散できることが確認できた。
1%熱重量減少温度の結果によれば、実施例1は305.9℃であり、比較例1は297.4℃であり、比較例2は277.8℃であった。このように、実施例と比較例とでは、1%熱重量減少温度の値に大きな差が確認された。
実施例1のサンプルで用いられたセルロース含有固形物は、解繊工程を経ていないが、熱可塑性樹脂との混練によって、セルロース含有固形物が微細なファイバーにまで解繊されて、良好に分散されていると考えることができる。本願発明によれば、セルロース含有固形物の解繊工程を不要にできる。
Claims (13)
- 水と炭素数4〜8の脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコールとの混合溶媒中において、植物系バイオマスを原料として加熱処理した後に得られるセルロース含有固形物と、熱可塑性樹脂とを含有する熱可塑性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂組成物全量基準で、前記熱可塑性樹脂が固形分として30質量%以上99.9質量%以下含まれ、前記セルロース含有固形物が0.1質量%以上70質量%以下含まれる請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記セルロース含有固形物が、下記条件の下で処理した後に得られる請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
条件A:前記原料の前記混合溶媒に対する仕込み濃度が1質量%以上50質量%以下である
条件B:処理温度が100℃以上350℃以下である
条件C:処理時間が0.1時間以上10時間以下である - 水と炭素数4〜8の脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコールとの混合溶媒中において、植物系バイオマスを原料として加熱処理した後に得られるセルロース含有固形物と、熱可塑性樹脂とを含有しており、
該セルロース含有固形物には、固形分として、該セルロース含有固形物の全量基準において、セルロース及びセルロースを分解して得られるセルロース分解物が60質量%以上90質量%以下含まれ、リグニンが5質量%以上35質量%以下含まれ、ヘミセルロース及びヘミセルロースを分解して得られるヘミセルロース分解物が0質量%以上5質量%以下含まれる熱可塑性樹脂組成物。 - 前記熱可塑性樹脂が200℃以下のガラス転移温度を持つ非晶性熱可塑性樹脂もしくは融点が200℃以下である結晶性熱可塑性樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂及びアクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂組成物全量基準で、前記熱可塑性樹脂が70質量%以上99.9質量%以下含まれ、前記セルロース含有固形物が0.1質量%以上30質量%以下含まれる請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記混合溶媒における水と前記アルコールとのモル比(水/アルコール)が1/1〜40/1である請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記脂肪族アルコールが、1−ブタノール、2−ブタノール及び2−メチル−1−プロパノールから選ばれる少なくとも1つである請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記植物系バイオマスが草本系バイオマスである請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 水と炭素数4〜8の脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコールとの混合溶媒中において、植物系バイオマスを原料として加熱処理した後にセルロース含有固形物を分離する分離工程と、
該分離工程に続いて、熱可塑性樹脂と前記セルロース含有固形物とを混合する混合工程と、を有する熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 前記混合工程において、熱可塑性樹脂組成物全量基準で、前記熱可塑性樹脂が固形分として30質量%以上99.9質量%以下、前記セルロース含有固形物が0.1質量%以上70質量%以下の配合比率になるように混合する請求項11に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 前記分離工程において、下記条件の下で処理した後に前記セルロース含有固形物を分離する請求項11又は12に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
条件A:前記原料の前記混合溶媒に対する仕込み濃度が1質量%以上50質量%以下である
条件B:処理温度が100℃以上350℃以下である
条件C:処理時間が0.1時間以上10時間以下である
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