JP2017001824A - 自動収納装置 - Google Patents

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亮一 旭
智也 山下
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Abstract

【課題】ロボットに傾きが生じた場合においても被搬送物にアクセスできる。
【解決手段】被搬送物を搬出する搬送動作を行なうロボット11と、複数の水平線を等間隔に備えるラインパターン200と、ロボット11上に備えられた撮影装置250によって撮影されたラインパターン200の画像に基づき、ロボット11の傾きを検出する第1傾き検出部と、ロボット11における被搬送物を把持する把持機構部220の姿勢を水平にする角度調整を行なう補正機構500とを備える。
【選択図】図16

Description

本発明は、自動収納装置に関する。
自動収納装置の一例として、ライブラリ装置は、大容量外部記憶装置として機能するもので、その筐体内の収納棚に、例えば磁気テープを記憶媒体として収容するカートリッジを複数保管し、各カートリッジ内の記憶媒体に対して記録データの書込/読出等のアクセスを自動で行なっている。
また、ライブラリ装置には、前述のようにカートリッジを格納する収納棚(ストレージユニット)がそなえられるほか、カートリッジを外部から装置内へ投入もしくは装置内から外部へ排出するための機構〔例えば、CAS(Cartridge Access Station),DEE(Direct Entry/Exit),FES(Forced Exit Station)〕や、カートリッジ内の記憶媒体(磁気テープ)に対して記録データの書込/読出等のアクセスを行なう複数の磁気テープドライブユニット(以下、MTUと略記)や、これらの収納棚やカートリッジ投入/排出機構やMTUの間でカートリッジを移送するカートリッジ移送ロボット(以下、ロボットという)がそなえられている。
図32は従来のライブラリ装置のロボットを例示する図である。
この図32に示すロボット1000は、ガイド部1004,Xベース1003,Zベース1002およびハンド部1001を備える。
Zベース部1002はガイド部1004に接続され、このガイド部1004に沿ってY軸方向(図中の上下方向)に移動可能に構成されている(矢印A1参照)。Xベース1003はZベース1002上に配置され、このZベース1002に沿ってZ軸方向(図中の左右方向)に移動可能に構成されている(矢印A2参照)。ハンド部1001は、Xベース1003上に配置され、X軸方向(図中の奥行き方向)に移動可能に構成されている(矢印A3参照)。また、Xベース1003は、鉛直方向を中心軸にしてハンド部1001を水平方向に回転可能に構成されている(矢印A4参照)。
このようなライブラリ装置では、上位装置であるホストコンピュータから、あるカートリッジに対するアクセス要求を受けると、ロボット1000が、収納棚へ移動して対象カートリッジを探し、そのカートリッジを、ハンド部1001により把持した状態でMTUまで移送してからそのMTUに挿入する。これにより、MTUにおいて、カートリッジ内の記憶媒体(磁気テープ)に対する処理が行なわれる。処理を終了してMTUから排出されたカートリッジは、再びロボット1000のハンド部1001によって把持され、収納棚まで移送されて所定位置に収納される。
図33は従来のライブラリ装置のロボットの変形を説明するための図である。
図32に示すライブラリ装置において、ロボット1000は、Zベース1002の一端がガイド部1004に固定されている。長期間の使用により、Xベース1003やハンド部1001等の荷重による経年変化の影響で、図33に示すように、Zベース1002におけるガイド部1004とは反対側の端部が垂下し、Zベース1002に傾きが生じる。
図34はライブラリ装置において傾きが生じた場合のハンド部1001とカートリッジとの状態を例示する斜視図である。
ロボット1000においてZベース1002の姿勢に傾きが生じると、この傾きに応じてハンド部1001も傾斜する。図34に示すように、ハンド部1001が傾斜することで、収納棚に格納されたカートリッジとの間において、高さ方向にずれが生じる。これにより、ハンド部1001がカートリッジを正常に掴むことができなくなり、媒体搬送エラーが生じる場合がある。
従来のライブラリ装置では、収納棚に対するカートリッジの出し入れ精度を高めるため、ロボットと収納棚との間でアライメント調整が行なわれている。
例えば、ハンド部(アクセッサ)の傾きの程度を測定するために設けられた基準フラグと、セルドラムに取り付けられた複数の相対位置フラグとを備え、ハンド部に取り付けられたフラグセンサで基準フラグを検出して、ハンド部の傾きを求める手法が知られている。
特開平7−98918号公報 国際公開WO2009/050929号パンフレット
しかしながら、このような従来のライブラリ装置におけるアライメント調整は、基準フラグを測定することでハンド部の傾きを検知し、この検知された傾きに応じて、収納棚におけるセルの位置データを補正することで行なわれる。従って、経年変化や突然の変化によるロボットの傾きの大きなずれには対応できず、これにより、ロボットがカートリッジにアクセスする際に動作不能な状態に陥る場合がある。
1つの側面では、本発明は、ロボットに傾きが生じた場合においても、被搬送物にアクセスできるようにすることを目的とする。
このため、この自動収納装置は、被搬送物を収納する収納棚と、前記被搬送物を把持する把持部を備え、前記収納棚に前記被搬送物を搬入し、又は前記収納棚から前記被搬送物を搬出する搬送動作を行なうロボットと、複数の水平線を等間隔に備えるラインパターンと、前記ロボット上に備えられ、前記ラインパターンを撮影する撮影装置と、前記撮影装置によって撮影された前記ラインパターンの画像に基づき、前記ロボットの傾きを検出する第1傾き検出部と、前記ロボットにおける前記被搬送物を把持する把持機構部の姿勢を水平にする角度調整を行なう補正機構とを備える。
一実施形態によれば、ロボットに傾きが生じた場合においても、被搬送物にアクセスできる。
実施形態の一例としてのライブラリ装置の構成を示す斜視図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置の構成を示す斜視図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における収納棚の構成を示す図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における基準フラグを例示する図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置のロボットの構成を示す斜視図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置のロボットの構成を示す斜視図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置のロボットのX軸搬送機構部の側面図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置のロボットの傾き補正機構の構成を示す図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置のロボットの傾き補正機構の構成を示す図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置のロボットの傾き補正機構の構成を示す図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置のロボットの傾き補正機構の構成を示す図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置の傾き補正機構の角度補正範囲を例示する図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における傾き補正機構のベースプレートの構成を示す図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における傾き補正機構のラチェット機構を説明するための斜視図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における傾き補正機構のラチェット機構を説明するための斜視図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置におけるロボットの傾き補正位置を例示する斜視図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における制御システムのハードウェア構成例を示す図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における制御システムの制御ボードのハードウェア構成例を示す図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における傾き補正制御部としての機能構成を示す図である。 (a),(b)はそれぞれ実施形態の一例としてのライブラリ装置におけるスキャンラインを用いた傾き検出方法を説明するための図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における、傾き補正動作の過程でのロボットの状態を例示する図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における、傾き補正動作の過程でのロボットの状態を例示する図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における、傾き補正動作の過程でのロボットの状態を例示する図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における、傾き補正動作の過程でのロボットの状態を例示する図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における、傾き補正動作の過程でのロボットの状態を例示する図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における、傾き補正動作の過程でのロボットの状態を例示する図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置における、傾き補正動作の過程でのロボットの状態を例示する図である。 実施形態の一例としてのライブラリ装置におけるロボットの傾き補正方法を説明するためのフローチャートである。 実施形態の一例としてのライブラリ装置におけるカートリッジ搬送時の傾き補正制御方法を説明するフローチャートである。 実施形態の一例としてのライブラリ装置におけるカートリッジ搬送時の傾き補正制御方法を説明するフローチャートである。 実施形態の一例としてのライブラリ装置におけるカートリッジ搬送時の傾き補正制御方法の変形例を説明するフローチャートである。 従来のライブラリ装置のロボットを例示する図である。 従来のライブラリ装置のロボットの変形を説明するための図である。 ライブラリ装置において傾きが生じた場合のハンド部とカートリッジとの状態を例示する斜視図である。
以下、図面を参照して本自動収納装置に係る実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形例や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。又、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の機能等を含むことができる。
なお、以下、図中、既述の符号と同一の符号は同様の部分を示しているので、その説明は省略する。
図1及び図2は、それぞれ実施形態の一例としてのライブラリ装置1の構成を示す斜視図であり、図2は図1の収納棚10Rを除去して示す図である。
ライブラリ装置(自動収納装置)1は、コンピュータシステムのデータをバックアップする外部記憶装置として備えられ、多数のカートリッジ式記録装置(可搬性記録媒体;以下、単に媒体とも言う)が収納される。可搬性記録媒体としては、例えば、磁気テープカートリッジ,フレキシブルディスク,光ディスク,リールに巻回された磁気テープ等がある。ここでは、磁気テープを記録媒体に用いた既知の磁気テープカートリッジ4(図17参照)を可搬性記録媒体として用いる場合を説明する。磁気テープカートリッジ4は、その内部に磁気記録テープ等の記録媒体を収納している。以下、磁気テープカートリッジ4を、単に、カートリッジ4もしくは媒体ともいう。なお、カートリッジ4は図34に示した従来のカートリッジと同様の構成を有する。
ライブラリ装置1は、図1に示すように、複数(図1に示す例では3つ)の収納棚10R,10L,10B,複数(図2に示す例では4つ)のドライブ装置12及び複数(図2に示す例では2つ)のロボット11a,11bを備える。
なお、以下、ロボットを示す符号としては、複数のロボットのうち1つを特定する必要があるときには符号11a,11bを用いるが、任意のロボットを指すときには符号11を用いる。
(A)構成
(A−1)収納棚
収納棚10R,10L,10Bは、カートリッジ4を収納するものであり、それぞれカートリッジ4を収納する複数に区分けされた収納空間部として複数のセル(収納セル)14がマトリクス状に形成されている。
以下、収納棚を示す符号としては、複数の収納棚のうち1つを特定する必要があるときには符号10R,10L,10Bを用いるが、任意の収納棚を指すときには符号10を用いる。
また、以下、収納棚10R,10L,10Bを、それぞれ右側セル,左側セル,バックセルという場合がある。
図1に示すように、ロボット11a,11bを3方から環囲するように収納棚10R,10L,10Bが配置され、収納棚10Rの対面側に収納棚10Lが配置され、また、これらの収納棚10R,10Lと直交する一方の面に収納棚10Bが配置されている。収納棚10Bには複数のドライブ装置12が設置されている。
図3は実施形態の一例としてのライブラリ装置1における収納棚10の構成を示す図である。
収納棚10Lには、マトリクス状の複数のセル14が複数のセル群として例えば、3組のセル群141a、141b、141cに分割されて設置されている。また、セル群141aの上側とセル群141cの下側とにはそれぞれ基準フラグ表示部16が設置されている。基準フラグ表示部16には基準フラグ18A,18B,18Cが設置されている。
セル群141aの第1行の先頭側及び後尾側、最終行の後尾側の各位置にセルフラグ19がそれぞれ設置されている。同様に、セル群141bの第1行の後尾側、最終行の先頭及び後尾側の各位置にセルフラグ19が設置されている。また、セル群141cにはセル群141aと同様の位置にセルフラグ19が設置されている。セルフラグ19は、基準フラグ18A、18B、18Cを基準にし、収納棚10に対する各セル群141a,141b,141c、各セル14の基準位置となるフラグである。
各基準フラグ表示部16はセル群141a,141b,141cと同一幅に設定され、各基準フラグ表示部16には、左右及び中心位置に基準フラグ18A、18C、18Bがそれぞれ設置されている。
収納棚10Bには、マトリクス状の複数のセル14として1組のセル群141dが設置されている。このセル群141dの下側に複数(本実施形態においては4つ)のドライブ装置12が設置され、セル群141dの上側及びこれらの複数のドライブ装置12の下側にそれぞれ基準フラグ表示部16が設置されている。
ドライブ装置12は、データの書込み・読出し手段であって、カートリッジ4内の記録手段に対するデータの書込み、記録手段からデータを読み取る手段である。本実施形態においては、4つのドライブ装置12が、収納棚10Bの下方にマトリクス状に並べて配置されている。
セル群141dの第1行の先頭側、その後尾側、最終行の最後尾の各位置にセルフラグ19が設置され、また、各ドライブ装置12にはドライブフラグ21が設置されている。後側収納棚10Bの基準フラグ表示部16も同様にセル群141dと同一幅に設定され、同様に基準フラグ18A、18B、18Cが設置されている。
また、収納棚10Rには、マトリクス状の複数のセル14が複数のセル群として例えば、3組のセル群141e,141f,141gに分割されて設置され、セル群141eの上側およびセル群141gの下側の各位置には基準フラグ表示部16がそれぞれ設置されている。
収納棚10Rのセル群141e,141f,141gには、収納棚10Lの各セルフラグ19と対向する各位置にセルフラグ19がそれぞれ設置され、収納棚10R及び収納棚10Lの各セルフラグ19は左右対称の位置関係にある。また、収納棚10Rの基準フラグ表示部16には収納棚10Lと同様に基準フラグ18A,18B,18Cが設置されている。
図4は実施形態の一例としてのライブラリ装置1における基準フラグ18A,18B,18Cを例示する図である。
基準フラグ18A,18B,18Cは例えば、長方形の板状部材からなるベース部160に第1の領域として第1、第2及び第3の白色部162,164,166と、第2の領域として黒色部168とを備えたものである。白色部162,164,166は、白色や銀色等の光反射率の高い塗料が塗布され、黒色部168は黒色等光反射率の低い塗料が塗布され、白色部162,164,166と黒色部168とは明度が著しく異なる境界を持つ領域を構成している。
白色部166は、ベース部160の中心位置に形成された長方形であり、各白色部162、164は、白色部166の中心軸を中心に左右に形成された直角二等辺三角形であって、白色部162,164の各斜辺部を白色部166を挟んで対向させてある。即ち、白色部166の中心にXY座標のY軸を設定すれば、白色部162,164,166はY軸を中心に左右対称となっている。
基準フラグ18A、18B、18Cは、ライブラリ装置1の収納棚10に対するロボット11の基準位置を表すフラグである。また、セルフラグ19やドライブフラグ21も基準フラグ18A、18B、18Cと同様の構成を備える。
これらの基準フラグ18A,18B,18Cやセルフラグ19,ドライブフラグ21は、後述するロボット11のセンサ250によって読み取られ、例えばライブラリ制御ボード100のCPU101の機能により、ずれ測定や傾き測定が行われる。
これらのずれ測定や傾き測定は、例えば、基準フラグ18A,18B,18Cやセルフラグ19,ドライブフラグ21をセンサ250によって検出した検出ラインと、基準フラグ18A,18B,18Cやセルフラグ19における白色部162,164,166の各辺との成す角度や交点位置等を測定することにより行なわれる。なお、このような位置決め基準フラグ18やセルフラグ19,ドライブフラグ21を用いたずれ測定や傾き測定の手法は既知であり、その説明は省略する。
(A−2)ロボット
ライブラリ装置1は、被搬送物としてのカートリッジ4を搬送するロボット11a,11bを備える。
ロボット11a,11bは、図示しないカートリッジ投入排出機構部(CAS)から収納棚10へカートリッジ4を搬送したり、また、収納棚10からドライブ装置12に対してカートリッジ4を搬送し、ドライブ装置12からカートリッジ4を収納棚10に搬送する搬送手段である。ロボット11a,11bのうち一方が運用系ロボットとして設定されており、他方のロボットは、運用系ロボットに異常が生じた場合に用いられる待機系ロボット(スタンバイロボット)として用いられる。
本ライブラリ装置1においては、ロボット11を用いることで、収納棚10のセル14からカートリッジ4を取り出し、4つのドライブ装置12の何れかに搬送して装着し、データの書込み又は読出しを実行する。また、データの書込み又は読出しを終了したカートリッジ4はドライブ装置12から取り出して、ロボット11によって搬送され、収納棚10のセル14に収納される。このような処理の後、ロボット11はホストコンピュータ2(図17参照)からの動作命令を受けるために待機する。
図5は実施形態の一例としてのライブラリ装置1のロボット11の構成を示す斜視図である。
ロボット11aは、ロボット機構部として、把持機構部220、X軸搬送機構部222、Y軸搬送機構部224及びZ軸搬送機構部226を備える。把持機構部220は、図示しないピッカアーム等を備え、カートリッジ4を把持する手段である。
X軸搬送機構部222は、把持機構部220をガイドレール228に沿ってX軸方向に搬送する手段である。
Y軸搬送機構部224は、把持機構部220を搭載したZ軸搬送機構部226とともに把持機構部220をY軸方向に搬送する手段である。把持機構部220及びX軸搬送機構部222を搭載したZ軸搬送機構部226に対してバランサ130が設置され、このバランサ130はガイドレール132、134で昇降方向が規制され、このバランサ130とZ軸搬送機構部226とがタイミングベルト136を介して連結されている。タイミングベルト136はプーリ138、140に懸架されており、把持機構部220及びX軸搬送機構部222を搭載したZ軸搬送機構部226とバランサ130とがタイミングベルト136を介してバランスしている。
Z軸搬送機構部226は、把持機構部220を搭載したX軸搬送機構部222をガイドレール242(図6参照)に沿ってZ軸方向に搬送する手段である。
ロボット11bはロボット11aと同様に、把持機構部220、X軸搬送機構部222、Y軸搬送機構部224及びZ軸搬送機構部226を備え、これらの構成は、ロボット11aと同様であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
把持機構部220が搭載されたX軸搬送機構部222は、Z軸搬送機構部226のガイドレール242に搭載されており、図示しないモータが駆動されることにより、その回転方向に応じた方向に移動する。
すなわち、モータを駆動することにより、把持機構部220は、ガイドレール242上をZ軸方向に沿って移動する。
図6は実施形態の一例としてのライブラリ装置1のロボット11a(11b)の構成を示す斜視図である。
図6に示すように、把持機構部220は、開口2201を備え、この開口2201内に、カートリッジ4を把持する把持手段としてのピッカーアーム(図示省略)を備える。ピッカアームは、カートリッジ4を把持した状態で開口2201から出し入れ自在に構成されている。すなわち、把持機構部220は、カートリッジ4を把持した状態で開口2201に収納され、この状態で本ライブラリ装置1内を搬送される。
また、把持機構部220は、矢印Sで示す方向に回転させるための回転機構部248を備えている。把持機構部220の上部にはセンサ250が設置されている。センサ250は例えば、CCD(Charge Coupled Device )等の撮像装置であり、このセンサ250によって、前述した基準フラグ18A,18B,18Cやセルフラグ19を画像として検出(撮影,撮像)する。また、センサ250は、後述するラインパターン200(図16参照)のラスタースキャンを行なう。なお、図6においては、センサ250の周囲がカバー251によって環囲されている。
把持機構部220が搭載されたX軸搬送機構部222は、Z軸搬送機構部226のガイドレール242に搭載されており、図示しないモータが駆動されることにより、その回転方向に応じて、ガイドレール242に沿って移動することでZ軸方向に移動する。
また、把持機構部220には、後述する傾き補正機構500が備えられている。
図7は実施形態の一例としてのライブラリ装置1のロボット11a(11b)のX軸搬送機構部222の側面図である。この図7においては、図6のA矢印方向から見たX軸搬送機構部222を示しており、また、簡便のためにロボット11における他の構成の図示を省略している。
X軸搬送機構部222は、図7に示すように、そのZ軸方向における中央付近に、X軸方向に沿って突出するように形成された軸503を備え、この軸503はX軸搬送機構部222に固定されている。また、この軸503は、X軸搬送機構部222の反対側における対称の位置にも形成されている。
軸503は、ベース502に、このベース502の移動方向(Z軸方向)と直交する方向(X軸方向)に回転自在に枢支されている。これにより、X軸搬送機構部222は、軸503を中心に揺動自在に構成されている(図7の矢印B参照)。
また、X軸搬送機構部222の上部には把持機構部220が載置されている。すなわち、X軸搬送機構部222を軸503を中心に回転させることで、把持機構部220の姿勢(傾き)を変化させることができる。そして、本ライブラリ装置1においては、傾き補正機構500がX軸搬送機構部222の角度を調整することで、把持機構部220の姿勢を水平に保つ。以下、ロボット11において、把持機構部220の姿勢を水平にすることを、把持機構部220の角度を補正する、もしくは把持機構部220の角度を調整すると表現する場合がある。
ベース502は、Z軸搬送機構部226のガイドレール242上において、Z軸方向に移動可能に載置されている。このベース502が、前述した図示しないモータの駆動に伴い、ガイドレール242に沿って移動するように構成されている。
図8〜図11は実施形態の一例としてのライブラリ装置1のロボット11a(11b)の傾き補正機構500の構成を示す図である。図8は傾き補正機構500の表側を示す斜視図、図9はその表側の正面図である。また、図10は傾き補正機構500の裏側を示す斜視図、図11はその裏側を示す図である。
以下、ロボット11aに備えられた傾き補正機構500について説明する。
傾き補正機構500は、ロボット11aにおける収納棚10Rに対向する側に配設されている。以下、ロボット11aにおける傾き補正機構500が取り付けられている側を表側という。
X軸搬送機構部222に備えられた軸503における収納棚10Rに対向する側(表側)の端部には、シーソーギア504が同軸状に固定されている。これにより、軸503はシーソーギア504の回転軸として機能する。すなわち、シーソーギア504の回転に従って軸503は回転し、これにより、X軸搬送機構部222も回動する。
シーソーギア504の表側には、中継ギア509が隣接して配置されている。図10および図11に示すように、中継ギア509は、第1ギア509aおよび第2ギア509bを同軸に並べて固定した2段ギアとして構成されており、軸511を中心軸として回転可能に構成されている。
図11に示すように、中継ギア509の第1ギア509aには、シーソーギア504が歯合するように外接している。第1ギア509aの表側には、第1ギア509aよりも大きい第2ギア509bが隣接して同軸に固定されている。
第2ギア509bは、図8および図9に示すように、駆動レバー505の一端に固定されたギア506と歯合するように外接している。駆動レバー505及びギア506は軸510を中心軸として回動自在に構成されている。これにより、駆動レバー505を軸510を中心軸として回転させるとギア506が回転する。
このように構成された傾き補正機構500において、駆動レバー505を軸510を中心軸として回転させると(例えば図9の矢印C参照)、駆動レバー505に固定されたギア506も軸510を中心軸として回転する(例えば図9の矢印C1参照)。軸506は、前述の如く中継ギア509の第2ギア509bと歯合しているので、ギア506の回転に従って、第2ギア509bが回転し(例えば図9の矢印C2参照)、これにより中継ギア509の第1ギア509aが軸511を中心軸として回転する(例えば図11の矢印C2参照)。
第1ギア509aが軸511を中心軸として回転すると、この第1ギア509aと歯合するシーソーギア504が回転し(例えば図9の矢印C3参照)、これにより軸503を介して把持機構部220が回動する(例えば図9の矢印E参照)。すなわち、把持機構部220の角度が変更される。また、駆動レバー505を上述した方向とは反対の方向に回転させることで(例えば図9の矢印D参照)、把持機構部220は上記とは反対方向に回転する(例えば図9の矢印F参照)。
このように、駆動レバー505をいずれかの方向に回転させることにより、把持機構部220の姿勢(角度)を変更することができる。すなわち、駆動レバー505,ギア506,中継ギア509およびシーソーギア504が、把持機構部220の傾き(姿勢)を任意に変更する機能を実現する。以下、これらの駆動レバー505,ギア506,中継ギア509およびシーソーギア504を、姿勢変更機構560という場合がある。
傾き変更機構560においては、駆動レバー505を軸510を中心に回転させる回転運動が、ギア506,中継ギア509およびシーソーギア504を介して伝達され、X軸駆動部106(把持機構部220)の角度変更運動(回転運動)に変換される。従って、ギア506,中継ギア509,およびシーソーギア504は駆動レバー505の回転運動を把持機構部220に伝達する姿勢変更伝達機構として機能する。
また、把持機構部220の回転角度は駆動レバー505の回転角度に応じて変更され、駆動レバー505を大きく回転させる(回転角度を大きくする)ことで把持機構部220の回転角度が大きくなる。また、駆動レバー505を小さく回転させる(回転角度を小さくする)ことで把持機構部220の回転角度が小さくなる。
また、軸510には、ラチェット機構508a,508bを構成するラッチ歯車5085a,5085bが同軸に固定されており、駆動レバー505の回転に応じて、ラッチ歯車5085a,5085bも回転する。
図12は実施形態の一例としてのライブラリ装置1の傾き補正機構500の角度補正範囲を例示する図である。
図12においては、中継ギア509のギア比が1/100であり、ラッチ歯車5085aに形成されたラッチ歯5086a、および、ラッチ歯車5085bに形成されたラッチ歯5086bが、それぞれ36歯を有する例について示す。
本例においては、把持機構部220の傾きはラッチ歯5086a,5086bに対して1歯あたり0.1°補正することが可能である。駆動レバー505の駆動角度を例えば−80゜から80°の範囲とすると、図12中において時計回り(矢印C方向)および反時計回り(矢印D方向)の傾きをそれぞれ0.8°まで補正することができる。一般に、ライブラリ装置において、把持機構部の実際の経年変化による傾きの最大値は0.7°程度であるので、本ライブラリ装置1の傾き補正機構500で補正可能な角度範囲で十分に対処することができる。
傾き補正機構500には、ラチェット機構508a,508bが備えられている。ラチェット機構508a,508bは把持機構部220の回転を抑制するための機構であり、それぞれ把持機構部220の回転を一方向に制限する機能を備える。
これらのラチェット機構508a,508bが、上述した姿勢変更機構560によって角度が変更された把持機構部220の姿勢を維持する姿勢維持部として機能する。
ラチェット機構508aは、把持機構部220の一方(第1傾斜方向:図9に示す例では矢印F方向)への回転を抑止する一方で、把持機構部220の他方(第2傾斜方向:図9に示す例では矢印E方向)への回転は妨げずに許容する。一方、ラチェット機構508bは、把持機構部220の一方(第2傾斜方向:図9に示す例では矢印E方向)への回転を抑止する一方で、把持機構部220の他方(第1傾斜方向:図9に示す例では矢印E方向)への回転は妨げずに許容する。
ラチェット機構508aは、図9に示すように、ラッチ歯車5085a(第1ラッチ歯車),ラッチ爪5081a(第1ラッチ爪),ラッチレバー5082a,第1ばね5083aおよび第2ばね5084aを備える。
また、ラチェット機構508bは、図9に示すように、ラッチ歯車5085b(第2ラッチ歯車),ラッチ爪5081b(第2ラッチ爪),ラッチレバー5082b,第1ばね5083bおよび第2ばね5084bを備える。
ラッチ歯車5085a,5085bは、駆動レバー505の一端において、ギア506と同軸となるように、ギア506および駆動レバー505に固定されている。これにより、駆動レバー505を軸510を中心軸として回転させると、これらのラッチ歯車5085a,5085bも一体に回転する。
図10に示すように、ラッチ歯車5085aの外周には、ラッチ歯5086aが形成されており、ラッチ歯車5085bの外周には、ラッチ歯5086bが形成されている。
ラッチ歯5086a,5086bは、いずれも一方方向に傾斜するように形成され、これらの傾斜はラッチ歯5086aとラッチ歯5086bとでは逆方向になっている。
ラッチ爪5081aの一端はくさび状に形成され、ラッチ歯車5085aのラッチ歯5086aの間に進入して、ラッチ歯5086aと係合する。これにより、ラッチ爪5081aは、ラッチ歯車5085aの一方方向(以下、第1方向という:例えば図8に示す例では矢印D方向)への回転を抑止する。以下、ラッチ爪5081aにおいて、ラッチ歯5086aと係合するくさび状の端部をラッチ爪5081aの先端という場合がある。
以下、ラッチ爪5081aの先端がラッチ歯5086a間に進入して係合した状態をラチェット機構508aによるラッチロック状態もしくは単にラッチロック状態という場合がある。
図11においては、ラチェット機構508aによるラッチロック状態を示している。図11に示すように、ラチェット機構508aによるラッチロック状態においては、駆動レバー505を第1方向(矢印D方向)に回転させようとしても、ラッチ爪5081aの先端がラッチ歯5086a間に進入して歯底部に当接し、その回転が阻止される。すなわち、ラチェット機構508aによるラッチロック状態では、駆動レバー505は、第1方向(矢印D方向)へ回転させることができない。
また、ラッチ爪5081aの他端は、図9に示すように、ラッチレバー5082aの端部に形成されたラッチ爪ホルダ5087aにおいて、X軸方向に沿って配置された軸5088aによって軸支されている。これにより、ラッチ爪5081aの先端は上方に回動可能に構成されている。また、ラッチ爪5081aは、第2ばね5084aにより上方から押圧するように付勢されている。
従って、ラチェット機構508aによるラッチロック状態において、ラッチ歯車5085aを前記第1方向とは逆方向である第2方向に回転させる際には、ラッチ爪5081aがラッチ歯5086aによって上方に押され、第2ばね5084aを押し縮めるようにその先端が上方に退避し、ラッチ歯5086aとの係合が解除される。
すなわち、ラチェット機構508aは、ラッチ爪5081aがラッチ歯5086aに係合したラッチロック状態においても、駆動レバー505が、前記第1方向とは逆の第2方向(矢印C方向)へ回転することを妨げない。
また、ラッチ爪5081aはラッチ歯5086aに対して離接可能に構成されている。ラッチレバー5082aは、ラッチ爪5081aを移動させて、ラッチ爪5081aとラッチ歯車5085aとを係合させたラッチロック状態と、ラッチ爪5081aをラッチ歯車5085aから離隔させてラッチ爪5081aとラッチ歯5086aとの係合が解除されたラッチ解放状態とのいずれかの状態に配置する。
ラッチ爪5081bはラッチ爪5081aと同様の構成を有する。すなわち、ラッチ爪5081bの一端はくさび状に形成され、ラッチ歯車5085bのラッチ歯5086bの間に進入して、ラッチ歯5086b係合する。これにより、ラッチ爪5081bは、ラッチ歯車5085bの一方方向(以下、第2方向という:例えば図8に示す例では矢印C方向)への回転を抑止する。以下、ラッチ爪5081bにおいて、ラッチ歯5086bと係合するくさび状の端部をラッチ爪5081bの先端という場合がある。
以下、ラッチ爪5081bの先端がラッチ歯5086b間に進入して係合した状態をラチェット機構508bによるラッチロック状態もしくは単にラッチロック状態という場合がある。
図10においては、ラチェット機構508bによるラッチロック状態を示している。図10に示すように、ラチェット機構508bによるラッチロック状態においては、駆動レバー505を第2方向(矢印C方向)に回転させようとしても、ラッチ爪5081bの先端がラッチ歯5086b間に進入して歯底部に当接し、その回転が阻止される。すなわち、ラチェット機構508bによるラッチロック状態では、駆動レバー505は、第2方向へ回転させることができない。
また、ラッチ爪5081bの他端は、ラチェット機構508aと同様に、ラッチレバー5082bの端部に形成されたラッチ爪ホルダ5087bにおいて、X軸方向に沿って配置された軸5088bによって軸支されている。これにより、ラッチ爪5081bの先端は上方に回動可能に構成されている。また、ラッチ爪5081bは、第2ばね5084aと同様に備えられた図示しない第2ばね5084bにより上方から押圧するように付勢されている。
従って、ラチェット機構508bによるラッチロック状態において、ラッチ歯車5085bを前記第1方向とは逆方向である第2方向に回転させる際には、ラッチ爪5081bがラッチ歯5086bによって上方に押され、第2ばね5084bを押し縮めるようにその先端が上方に退避し、ラッチ歯5086bとの係合が解除される。
すなわち、ラチェット機構508bは、ラッチ爪5081bがラッチ歯5086bに係合したラッチロック状態においても、駆動レバー505が、前記第1方向(矢印D方向)へ回転することを妨げない。
また、ラッチ爪5081bはラッチ歯5086bに対して離接可能に構成されている。ラッチレバー5082bは、ラッチ爪5081bを移動させて、ラッチ爪5081bとラッチ歯車5085bとを係合させたラッチロック状態と、ラッチ爪5081bをラッチ歯車5085bから離隔させてラッチ爪5081bとラッチ歯5086bとの係合が解除されたラッチ解放状態とのいずれかの状態に配置する。
以下、便宜上、Z軸に沿った方向において、傾き補正機構500におけるラッチレバー5082bが備えられている側をZプラス側といい、ラッチレバー5082aが備えられている側をZマイナス側という。
傾き補正機構500において、駆動レバー505をZプラス側(第1方向:矢印D方向)に回転させることで、把持機構部220はZマイナス側端部が下降(Zプラス側端部が上昇)する方向(矢印F方向)に回動する。また、駆動レバー505をZマイナス側(第2方向:矢印C方向)に回転させることで、把持機構部220はZプラス側端部が下降(Zマイナス側端部が上昇)する方向(矢印E方向)に回動する。
図13は実施形態の一例としてのライブラリ装置1における傾き補正機構500のベースプレート520の構成を示す図である。
上述した、シーソーギア504,駆動レバー505,ギア506,中継ギア509,軸510,ラチェット機構508a,508b,中継ギア509およびラチェット機構508a,508bは、ベースプレート520に取り付けられる。
ベースプレート520には、軸穴522,523,524が形成されており、軸穴522には軸503が、軸穴523には軸511が、軸穴524には軸510がそれぞれ挿入され、これらの軸503,511,510がそれぞれ軸支される。
また、ベースプレート520において、軸穴524を挟んで水平方向において対向する各位置にラッチ移動用溝527a,527bが形成されている。
これらのラッチ移動用溝527a,527bは、それぞれ水平方向に形成された水平方向溝部5271と、鉛直方向に形成された鉛直方向溝部5272とを連通して構成されている。ラッチ移動用溝527a,527bのそれぞれにおいて、鉛直方向溝部5272は、水平方向溝部5271における軸穴524から遠い側の端部に連通している。また、ラッチ移動用溝527a,527bのそれぞれにおいて、水平方向溝部5271と鉛直方向溝部5272とは円弧形状等を成すようになだらかに連通していることが望ましい。
ラッチレバー5082aは、図示しない突起をラッチ移動用溝527aに係合させ、ベースプレート520上において、このラッチ移動用溝527aに案内される。ラッチレバー5082aをラッチ移動用溝527aの水平方向溝部5271に沿って移動させることにより、ラッチレバー5082aのラッチ爪ホルダ5087aに取り付けられたラッチ爪5081aはラッチ歯車5085aに対して近接する方向と離隔する方向とに移動される。
従って、これらのラッチ移動用溝527aやラッチレバー5082a,第1ばね5083aが、ラッチ爪5081aをラッチ歯車5085aに対して離接させる第1離接機構として機能する。
また、ラッチレバー5082aをラッチ移動用溝527aの鉛直方向溝部5272に進入させることにより、ラッチレバー5082aのラッチ爪ホルダ5087aに取り付けられたラッチ爪5081aはラッチ歯車5085aから離隔した状態で保持される。
ベースプレート520において、ラッチ移動用溝527aに対して軸穴524とは反対側の位置には、支持板525aが、また、ラッチ移動用溝527bに対して軸穴524とは反対側の位置には、支持板525bが、それぞれ突出するように形成されている。
図9等に示すように、支持板525aとラッチレバー5082aのラッチ爪ホルダ5087aとの間には第1ばね5083aが配置され、ラッチ爪ホルダ5087aをラッチ歯車5085aに向けて押圧するように付勢している。
これにより、ラッチレバー5082aがラッチ移動用溝527aにおける水平方向溝部5271に案内されている状態においては、ラッチ爪ホルダ5087aおよびラッチ爪5081aは、ラッチ歯車5085aに向けて押し付けられる。
ラッチレバー5082aは水平方向に延在し、また、そのラッチ爪ホルダ5087aが形成されている側とは反対側端部は、L字状に折り曲げられて垂下するよう構成される。
ラッチレバー5082bはラッチレバー5082aと同様の構成を備える。すなわち、ラッチレバー5082bは、図示しない突起をラッチ移動用溝527bに係合させ、ベースプレート520上において、このラッチ移動用溝527bに案内される。ラッチレバー5082bをラッチ移動用溝527bの水平方向溝部5271に沿って移動させることにより、ラッチレバー5082bのラッチ爪ホルダ5087bに取り付けられたラッチ爪5081bはラッチ歯車5085bに対して近接する方向と離隔する方向とに移動される。
従って、これらのラッチ移動用溝527bやラッチレバー5082b,第1ばね5083bが、ラッチ爪5081bをラッチ歯車5085bに対して離接させる第2離接機構として機能する。
また、ラッチレバー5082bをラッチ移動用溝527bの鉛直方向溝部5272に進入させることにより、ラッチレバー5082bのラッチ爪ホルダ5087bに取り付けられたラッチ爪5081bはラッチ歯車5085bから離隔した状態で保持される。
図9等に示すように、支持板525bとラッチレバー5082bのラッチ爪ホルダ5087bとの間には第1ばね5083bが配置され、ラッチ爪ホルダ5087b(ラッチ爪5081b)をラッチ歯車5085bに向けて押圧するように付勢している。
これにより、ラッチレバー5082bがラッチ移動用溝527bにおける水平方向溝部5271に案内されている状態においては、ラッチ爪ホルダ5087bおよびラッチ爪5081bは、ラッチ歯車5085bに向けて押し付けられる。
ラッチレバー5082bは水平方向に延在し、また、そのラッチ爪ホルダ5087bが形成されている側とは反対側端部は、L字状に折り曲げられて垂下するよう構成される。
図14および図15は実施形態の一例としてのライブラリ装置1における傾き補正機構500のラチェット機構508a,508bを説明するための斜視図である。
まず、図14を用いてラチェット機構508bのラッチ解放状態にするための動作について説明する。
傾き補正機構500において、例えば、ラッチレバー5082bを、ラッチ移動用溝527bの水平方向溝部5271に沿って移動させてラッチ歯車5085bから離隔させる方向(Zプラス側:図14の矢印G参照)に引っぱる。これにより、ラッチ爪5081bがラッチ歯5086bから離隔され、ラチェット機構508bがラッチ解放状態となる。
水平方向溝部5271における、ラッチ歯車5085bとは反対側の端部において、ラッチレバー5082bは、その自重により鉛直方向溝部5272に沿って下方へ移動する(図14の矢印H参照)。
このように、ラッチレバー5082bが鉛直方向溝部5272に案内されている状態においては、ラッチ爪ホルダ5087bに取り付けられたラッチ爪5081bはラッチ歯車5085bから離隔した状態で保持される。
また、ラッチレバー5082aにおいても、同様に、ラッチレバー5082aを、ラッチ移動用溝527aの水平方向溝部5271に沿って移動させてラッチ歯車5085aから離隔させる方向(Zマイナス側)に引っぱる。これにより、ラッチ爪5081aがラッチ歯5086aから離隔され、ラチェット機構508aがラッチ解放状態となる。
水平方向溝部5271における、ラッチ歯車5085aとは反対側の端部において、ラッチレバー5082aは、その自重により鉛直方向溝部5272に沿って下方へ移動する。
このように、ラッチレバー5082aが鉛直方向溝部5272に案内されている状態においては、ラッチ爪ホルダ5087aに取り付けられたラッチ爪5081aはラッチ歯車5085aから離隔した状態で保持される。
次に、図15を用いて、ラチェット機構508bをラッチロック状態にするための動作について説明する。
図14に示したラチェット機構508bのラッチ解放状態において、ラッチレバー5082bを、ラッチ移動用溝527bの鉛直方向溝部5272に沿って持ち上げる(図15の矢印J参照)。
ラッチ移動用溝527bにおいて、ラッチレバー5082bの突起が水平方向溝部5271に進入すると、ラッチレバー5082bは、第1ばね5083bにより押圧され、水平方向溝部5271を案内されてラッチ歯車5085bに押し付けられる(図15の矢印K参照)。
これにより、ラッチ爪5081bがラッチ歯5086bに係合し、ラチェット機構508bがラッチロック状態となる。
また、ラッチレバー5082aにおいても、同様に、ラチェット機構508aのラッチ解放状態において、ラッチレバー5082aを、ラッチ移動用溝527aの鉛直方向溝部5272に沿って持ち上げる。
ラッチ移動用溝527aにおいて、ラッチレバー5082aの突起が水平方向溝部5271に進入すると、ラッチレバー5082aは、第1ばね5083aにより押圧され、水平方向溝部5271を案内されてラッチ歯車5085aに押し付けられる。
これにより、ラッチ爪5081aがラッチ歯5086aに係合し、ラチェット機構508aがラッチロック状態となる。
以下、ロボット11において、Z軸搬送機構部226によってZ軸方向に移動される、X軸搬送機構部222,把持機構部220,センサ250および傾き補正機構500を被搬送ロボット部111という場合がある。
図16は実施形態の一例としてのライブラリ装置1におけるロボット11aの傾き補正位置550を例示する斜視図である。
本ライブラリ装置1において、傾き補正機構500によるロボット11の傾き補正は、この傾き補正位置550において行なわれる。
傾き補正位置550は、本ライブラリ装置1においてセル14やドライブ装置12間でカートリッジ4の移動を行なう通常動作時にロボット11が進入することがない領域に形成され、ロボット11の傾き補正を行なう場合に、この傾き補正位置550に移動する。
図16に示す例においては、傾き補正位置550は、収納棚10Lの下方(ライブラリ装置底部)に形成されている。なお、傾き補正位置550の設置場所は収納棚10Lの下方位置に限定されるものではなく、例えば、収納棚10Rの下方や、収納棚10Lや収納棚10Rの上方等、種々変形して実施することができる。
傾き補正位置550には、図16に示すように、傾き補正突起551a,551bと2つのラインパターン200とが備えられている。
傾き補正突起551a,551bは、収納棚10Lの下方に配置された基準フラグ表示部16の下方において、Z軸方向において互いに離れた位置に、それぞれX軸方向に沿って立設している。
傾き補正突起551a,551bは、上述した傾き補正機構500の駆動レバー505およびラッチレバー5082a,5082bの操作に用いられる。すなわち、後述する傾き補正制御部30(ロボット位置制御部33)(図19参照)が、駆動レバー505を傾き補正突起551aに押し当てるように、傾き補正機構500をZ軸方向に沿って移動させることで、駆動レバー505を回動(例えば、図9の矢印C,D方向)させる。
例えば、傾き補正制御部30は、傾き補正機構500の駆動レバー505に傾き補正突起551aに当接させた状態で、傾き補正機構500をZ軸方向に沿って移動させることで、駆動レバー505を一方の方向(例えば、図9の矢印D方向)に回動させる。
同様に、傾き補正制御部30は、傾き補正機構500の駆動レバー505に傾き補正突起551bに当接させた状態で、傾き補正機構500をZ軸方向に沿って移動させることで、駆動レバー505を他方の方向(例えば、図9の矢印C方向)に回動させる。
このように、2つの傾き補正突起551a,551bを備えることで、駆動レバー505をいずれの方向にも容易に回動させることができる。
なお、本実施形態においては、傾き補正位置550に2つの傾き補正突起551a,551bが備えられているが、これに限定されるものではなく、1つもしくは3つ以上の傾き補正突起を備えてもよく、種々変形して実施することができる。
以下、傾き補正突起551a,551bに駆動レバー505を当接させることを、駆動レバー505を傾き補正突起551a,551bに突き当てると表現する場合がある。
本ライブラリ装置1においては、このように、傾き補正突起551bに駆動レバー505を突き当てて、駆動レバー505を回動させることで、把持機構部220の角度を変更する。
また、傾き補正制御部30は、ラッチロック状態のラッチ歯車5085aについて、傾き補正機構500のラッチレバー5082aの端部において垂下される部分を傾き補正突起551aに当接させた状態で、傾き補正機構500をZ軸方向に沿って移動させる制御を行なう。これにより、ラッチ歯車5085aからラッチ爪5081aを離隔させ、傾き補正機構500をラッチ解放状態にするのである。
さらに、傾き補正制御部30は、ラッチ解放状態のラッチ歯車5085aについて、傾き補正機構500のラッチレバー5082aの下方から傾き補正突起551aを当接させた状態で、傾き補正機構500をY軸方向に沿って下方に移動させる制御を行なう。これにより、ラッチ歯車5085aにラッチ爪5081aを係合させ、傾き補正機構500をラッチロック状態にするのである。
同様に、傾き補正制御部30が、ラッチロック状態のラッチ歯車5085bについて、傾き補正機構500のラッチレバー5082bの端部において垂下される部分を傾き補正突起551bに当接させた状態で、傾き補正機構500をZ軸方向に沿って移動させる制御を行なう。これにより、ラッチ歯車5085bからラッチ爪5081bを離隔させ、傾き補正機構500をラッチ解放状態にするのである。
さらに、傾き補正制御部30が、ラッチ解放状態のラッチ歯車5085bについて、傾き補正機構500のラッチレバー5082bの下方から傾き補正突起551bを当接させた状態で、傾き補正機構500をY軸方向に沿って下方に移動させる制御を行なう。これにより、ラッチ歯車5085bにラッチ爪5081bを係合させ、傾き補正機構500をラッチロック状態にするのである。
このように、傾き補正突起551a,551bを用いることで、ラッチレバー5082a,5082bを操作して、ラッチロック状態およびラッチ解放状態に容易に設定することができる。
ラインパターン200は、把持機構部220の傾きを測定するために用いられるものであり、ロボット11のセンサ250で撮像(ラスタースキャン)することによって用いられる。
ラインパターン200は、傾き補正突起551aに駆動レバー505を当接させた状態でセンサ250に対向する位置と、傾き補正突起551bに駆動レバー505を当接させた状態でセンサ250に対向する位置とのそれぞれに配置されている。
図16に示す例においては、ラインパターン200は、収納棚10Lの基準フラグ表示部16において、基準フラグ18Aの下方と基準フラグ18Cの下方とにそれぞれ配置されている。
ラインパターン200は、図20(a),(b)に示すように、複数の水平線を等間隔で並べることにより構成されている。
後述する傾き補正制御部30(第1傾き検出部32)(図19参照)は、センサ250によってラインパターン200のラスタースキャンを行なうことで、ロボット11の傾きを検出する。
なお、この傾き補正制御部30によるラインパターン200を用いたロボット11の傾き検出方法の詳細は、図20(a),(b)を用いて後述する。
(A−3)制御システム
次に、本ライブラリ装置1の制御システムについて、図17及び図18を参照しながら説明する。
図17は実施形態の一例としてのライブラリ装置1における制御システムのハードウェア構成例を示す図、図18は、その制御ボードのハードウェア構成例を示す図である。
なお、図中、同一部分には同一符号を付してある。また、図中、既述の符号と同一の符号は同様の部分を示しているので、その詳細な説明は省略する。
本ライブラリ装置1のライブラリシステム60は、図17に示すように、ロボット制御ボード201a,201b及びライブラリ制御ボード100を備える。ロボット制御ボード201aは、ロボット11aの制御を行ない、ロボット制御ボード201bは、ロボット11bの制御を行なう。
これらのロボット制御ボード201a,201bは互いに同様の構成を備える。以下、ロボット制御ボードを示す符号としては、複数のロボット制御ボードのうち1つを特定する必要があるときには符号201a,201bを用いるが、任意のロボット制御ボードを指すときには符号201を用いる。
ライブラリ制御ボード100は、本ライブラリ装置1における全系統の制御を行なう。ライブラリ制御ボード100には、オペレータパネル202が接続されているとともに、ホストコンピュータ2が接続されている。オペレータパネル202は情報の入出力手段であって、オペレータの操作により情報の入出力が行なわれる。
各ドライブ装置12にはホストコンピュータ2が接続され、ドライブ装置12に装着されたカートリッジ4の記録媒体に対する情報の書込み又は読出しが、このホストコンピュータ2により実行される。
ライブラリ制御ボード100は、CPU(Central Processing Unit )101,記憶部103及びRAM(Random-Access Memory)102を備える。CPU101は、記憶部103にあるOS(Operating System)やプログラムを実行し、ホストコンピュータ2から指定されたカートリッジ4の記録媒体に対し、情報の読出し又は書込み等の制御を行なう。記憶部103は例えば、不揮発性メモリで構成され、ホストコンピュータ2との通信制御やカートリッジ4に対する読出し又は書込みを実行するためのプログラムや、セル14に格納されているカートリッジ4を特定するための識別情報等が格納されている。
ロボット11a,11bには、X軸搬送機構部222のX軸駆動部106、Y軸搬送機構部224のY軸駆動部107、Z軸搬送機構部226のZ軸駆動部108が設置されているとともに、センサ250、回転機構部248に対応する回転駆動部109、図示しないピッカアームの開閉駆動をする把持機構駆動部110が備えられている。これらはロボット制御ボード201からの駆動信号によって駆動されるとともに、センサ250のセンサ出力はロボット制御ボード201のCPU211に取り込まれる。
ロボット制御ボード201は、図18に示すように、CPU211,記憶部213及びRAM212を備える。
記憶部213は、例えば、不揮発性メモリで構成され、OSやロボット制御プログラム、アライメント調整プログラム等が格納されている。また、記憶部213にはロボット11に対応する位置データ等も格納されている。
記憶部213に格納されている位置データは、例えば、各基準フラグ18A,18B,18Cや各セルフラグ19の位置を表すデータである。
RAM212は、一次記憶メモリあるいはワーキングメモリとして利用される。
CPU211は、記憶部213にあるOSや制御プログラムを実行し、カートリッジ4の搬送制御やロボット11の傾き補正制御部30としての機能を実現する。
(A−4)セルアクセス制御の機能構成
図19は実施形態の一例としてのライブラリ装置1における傾き補正制御部30としての機能構成を示す図である。
上述したロボット制御ボード201a,201bの各CPU211が、制御プログラムを実行することにより、傾き補正制御部30として機能する。
なお、この傾き補正制御部30としての機能を実現するためのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RW等),DVD(D
VD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RW,HD DVD等),ブルーレイディスク,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置又は外部記憶装置に転送し格納して用いる。又、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
傾き補正制御部30としての機能を実現する際には、内部記憶装置(本実施形態ではRAM212)に格納されたプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサ(本実施形態ではCPU211)によって実行される。このとき、記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータが読み取って実行するようにしてもよい。
傾き補正制御部30は、ロボット11の傾きを補正するための姿勢制御を行なうものであり、例えば、ライブラリ制御ボード100の機能により、ロボット11による媒体搬送異常が検出されると、把持機構部220の傾きを解消して水平にするための制御(以下、傾き補正制御という)を実行する。
傾き補正制御部30は、図19に示すように、スキャン制御部31,第2傾き検出部34,第1傾き検出部32およびロボット位置制御部33としての機能を備える。
スキャン制御部31は、センサ250を用いて、収納棚10における基準フラグ18A,18B,18Cやセルフラグ19,ラインパターン200の読み取り(ラスタースキャン)を行なう。例えば、スキャン制御部31は、センサ250によってラインパターン200を、水平方向に沿って線状に走査することでラスタースキャンを行なう。以下、ラインパターン200をラスタースキャンすることにより得られる線状のスキャンデータをスキャンラインという場合がある。
第2傾き検出部34は、ロボット11(把持機構部220)の傾きを検出する。この第1傾き検出部32は、スキャン制御部31によって読み取られた、基準フラグ18A,18B,18Cやセルフラグ19の画像に基づき、ロボット11の傾き、すなわち把持機構部220の傾きを測定する。
例えば、第2傾き検出部34は、基準フラグ18A,18B,18Cの画像における各部と、センサ250による検出ラインとの交点位置や、白色部162,164,166と黒色部168との境界点の位置等に基づき、把持機構部220の傾きを求める。また、第2傾き検出部34は、セルフラグ19との画像における各部と、センサ250による検出ラインとの交点位置や、白色部162,164,166と黒色部168との境界点の位置等に基づき、把持機構部220の傾きを求める。
なお、第2傾き検出部34による、基準フラグ18A,18B,18Cやセルフラグ19の画像に基づく、ロボット11の傾きの測定方法は、例えば、国際公開WO2009/050929号パンフレットに開示された既知の手法を用いて実現することができ、その詳細な説明は省略する。
第1傾き検出部32は、ロボット11(把持機構部220)の傾きを検出する。この第1傾き検出部32は、スキャン制御部31によって読み取られたラインパターン200の画像に基づき、ロボット11の傾き、すなわち把持機構部220の傾きを測定する。
図20(a),(b)はそれぞれ実施形態の一例としてのライブラリ装置1におけるラインパターン200を用いた傾き検出方法を説明するための図であり、(a)は正常状態を示す図、(b)は傾きが生じている状態を示す図である。
第1傾き検出部32は、センサ250によってラインパターン200を水平にラスタースキャンすることで、ラインパターン200を線状に走査し、スキャンラインを取得する。ラインパターン200は、上述の如く、例えば水平な複数の黒線を等間隔で配置することにより構成されており、黒線間は白色であるものとする。
把持機構部220が水平な姿勢である状態においては、センサ250によりラインパターン200のラスタースキャンを行なうと、走査線は水平となり、ラインパターン200を構成する黒い水平線となる。従って、図20(a)に示すように、ラスタースキャンにより得られるスキャンラインは、ラインパターン200を構成する黒い水平線または黒線間の白色部分のいずれかの画像となる。
これに対して、把持機構部220が水平な姿勢でない状態においては、センサ250が傾斜した状態でラインパターン200のラスタースキャンが行なわれる。従って、その結果得られるスキャンラインには、図20(b)に示すように、ラインパターン200を構成する黒線と、黒線間の白色部分とが交互に配置された画像となる。
ロボット11が傾斜している場合には、ラインパターン200をラスタースキャンして得られるスキャンラインの中における、白色部分もしく黒色部分の個数によりロボット11の傾きを求めることができる。
例えば、簡便のために、ラインパターン200を、白色の背景において、所定の線幅の黒色の水平線を前記線幅と同じ間隔で引くことにより構成する。このラインパターン200は、同じ線幅の白色線と黒色線とを交互に形成したものに相当する。このような場合に、ロボット11の傾きθを以下の式(1)により求めることができる。

θ=tan−1(1ピクセルあたり長さ×白または黒の数/センサが取り込み可能なライン幅) ・・・(1)

ここで、「1ピクセルあたり長さ」と「センサが取り込み可能なライン」はセンサ250の仕様によって決定される値である。例えば、センサ250の仕様が、横幅960ピクセルで縦幅が540ピクセルの中に9.6cmのライン幅が取り込めるとする。この場合、1ピクセルは0.1mmの長さを表すことになる。
例えば、ラインパターン200において、0.1mm幅の白色線と0.1mm幅の黒色線とを交互に形成する。この場合には、上記式(1)より、以下ようにロボット11の傾きを求めることができる。

傾きθ=tan−1(0.1×白または黒の数/96)

第1傾き検出部32は、センサ250によって撮影されたラインパターン200のスキャンラインにおいて、白色部分または黒色部分が複数検知された場合に、把持機構部220に傾きが生じていると判断する。
また、第1傾き検出部32は、センサ250によって撮影されたラインパターン200のスキャンラインにおいて、白色部分だけまたは黒色部分だけが検知された場合に、把持機構部220が水平であると判断する。
後述の如く、傾き補正位置550において、センサ250によりラインパターン200のラスタースキャンを行ないながら、傾き補正機構500の駆動レバー505を回転駆動させる。スキャンラインにおいて白色部分だけまたは黒色部分だけが検知された状態で、把持機構部220が水平となったと判断することができる。
ロボット位置制御部33は、Z軸搬送機構部226により、被搬送ロボット部111(図21〜図27参照)をガイドレール242に沿ってZ軸方向に搬送することで、傾き補正機構500の駆動レバー505を傾き補正突起551a,551bに押し付けて回転させる。これにより、把持機構部220の傾きを制御する。
ロボット位置制御部33は、ロボット11のX軸駆動部106,Y軸駆動部107及びZ軸駆動部108に対して、制御情報である所定のタコパルス数を送信することで、被搬送ロボット部111を所定の方向に搬送させる。このタコパルス数は、把持機構部220を移動させるための、X軸駆動部106,Y軸駆動部107及びZ軸駆動部108の駆動量を示す。
例えば、ロボット位置制御部33は、Z軸駆動部108に対して、当該Z軸駆動部108を駆動するための所定のタコパルス数を送信することで、被搬送ロボット部111(把持機構部220)をガイドレール242に沿ってZ軸方向に搬送する。
ロボット位置制御部33は、被搬送ロボット部111をガイドレール242に沿ってZ軸方向のZプラス側に搬送し、傾き補正機構500の駆動レバー505のZプラス側の辺を傾き補正突起551bに押し当てることで、駆動レバー505を第2方向(矢印C方向)に回動させる。これにより、把持機構部220をZプラス側端部が下降(Zマイナス側端部が上昇)する方向(矢印E方向)に回動する。
また、ロボット位置制御部33は、被搬送ロボット部111をガイドレール242に沿ってZ軸方向のZマイナス側に搬送し、傾き補正機構500の駆動レバー505のZマイナス側の辺を傾き補正突起551aに押し当てることで、駆動レバー505を第1方向(矢印D方向)に回動させる。これにより、把持機構部220をZマイナス側端部が下降(Zプラス側端部が上昇)する方向(矢印F方向)に回動する。
(B)動作
上述の如く構成された実施形態の一例としてのライブラリ装置1におけるロボット11の傾き補正方法を、図21〜図27を参照しながら、図28に示すフローチャート(ステップA1〜A7)に従って説明する。
なお、図21〜図27は、それぞれ実施形態の一例としてのライブラリ装置1における、傾き補正動作の過程でのロボット11の状態を例示する図である。
なお、以下に示す例においては、傾き補正機構500の駆動レバー505のZプラス側の辺を傾き補正突起551bに押し当てて、駆動レバー505をZマイナス側(図9の矢印C方向)に回動させることで、把持機構部220を回動させて水平にする例について示す。
ホストコンピュータ2からカートリッジ4の搬送指示が発行されると、ロボット11によるカートリッジ4の搬送が開始される。
ステップA1において、例えばライブラリ制御ボード100の機能により、媒体搬送異常が検出されると、傾き補正制御部30は、被搬送ロボット部111を傾き補正位置550に移動させる(図21参照)。
この傾き補正位置550において、ロボット位置制御部33が、センサ250がラインパターン200を撮影可能な位置に被搬送ロボット部111を移動させる。
ステップA2において、ラチェット機構508a,508bのうち、傾き補正動作における把持機構部220の回動を妨げる側のラッチロック状態を解除する。
前述の如く、ラチェット機構508aによるラッチロック状態においては、駆動レバー505のZプラス側(第1方向:図9の矢印D方向)への回転が阻止される。また、ラチェット機構508bによるラッチロック状態においては、駆動レバー505のZマイナス側(第2方向:図9の矢印C方向)への回転が阻止される。
本例においては、上述の如く駆動レバー505をZマイナス側(図9の矢印C方向)に回動させることで、把持機構部220を水平にする傾き補正動作を行なう。従って、ラチェット機構508bのラッチロック状態を解除する。
ロボット位置制御部33は、チェット機構508bのラッチロック状態を解除するために、被搬送ロボット部111を移動させて、傾き補正突起551bにラッチレバー5082bを引っ掛ける(図22参照)。
すなわち、図22に示すように、ラッチレバー5082bの端部のL字状に折り曲げられ垂下される部分に、傾き補正突起551bがZマイナス側から当接する位置に、被搬送ロボット部111を配置する。そして、この状態で、ロボット位置制御部33は、被搬送ロボット部111をZマイナス側に移動させる。
これにより、傾き補正機構500において、ラッチレバー5082bが傾き補正突起551bによりZプラス側に引っ張られる。ラッチレバー5082bは、ベースプレート520に形成された水平方向溝部5271に案内されてZプラス方向に移動し、ラチェット機構508bがラッチ解放状態となる。
水平方向溝部5271に案内されたラッチレバー5082bは、水平方向溝部5271のZプラス側の端部位置において、その自重により鉛直方向溝部5272に沿って下方へ移動する。ラッチレバー5082bが鉛直方向溝部5272に案内されている状態においては、ラッチ爪ホルダ5087bに取り付けられたラッチ爪5081bはラッチ歯車5085aから離隔した状態で保持される。すなわち、ラチェット機構508bがラッチ解放状態で保持される。
その後、ロボット位置制御部33は、被搬送ロボット部111をY軸方向に沿って上方に移動させて、駆動レバー505が傾き補正突起551bとほぼ同じ高さとなる位置で停止させる(図23参照)。すなわち、ロボット位置制御部33は、駆動レバー505を傾き補正突起551bに突き当て可能な位置に、被搬送ロボット部111を移動させる。
ステップA3において、ロボット位置制御部33は、被搬送ロボット部111をZ軸方向のZプラス側に移動させる。これにより、ロボット位置制御部33は、駆動レバー505を傾き補正突起551bに付き当て(図24参照)、傾き補正突起551bにより駆動レバー505をZマイナス側(図9の矢印C方向)に回動させる(図25参照)。これにより、把持機構部220をZプラス側端部が下降(Zマイナス側端部が上昇)する方向(第1傾斜方向:図9の矢印E方向)に回動させる傾き補正が行なわれる。
また、傾き補正機構500においては、ラチェット機構508aが、把持機構部220の第2傾斜方向(図9に示す例では矢印E方向)への回転は妨げずに許容する一方で、把持機構部220の第1傾斜方向(図9に示す例では矢印F方向)への回転を抑止する。すなわち、ラチェット機構508aは、把持機構部220の第1傾斜方向への回転を抑止することにより、上述した傾き補正動作によって回動された把持機構部220の姿勢(傾き)が保持される。
また、この傾き補正の実行中には、スキャン制御部31によるラインパターン200の撮像と、第1傾き検出部32による把持機構部220の傾き検出とが並行して行なわれる。
すなわち、ステップA4において、スキャン制御部31がセンサ250を用いてラインパターン200を撮影し、第1傾き検出部32が、センサ250によって撮影されたラインパターン200をラスタースキャンして得られるスキャンラインの画像に基づき、把持機構部220の傾きを測定する。
具体的には、センサ250によってラインパターン200のラスタースキャンを行ない、得られたスキャンラインにおいて、黒色部分または白色部分が複数検出された場合に、第1傾き検出部32は、把持機構部220に傾きが生じていると判断する。一方、スキャンラインにおいて、黒色部分または白色部分が1つだけ検出された場合に、第1傾き検出部32は、把持機構部220に傾きが生じていないと判断する。
ステップA5において、傾きが検出されたか否かが判断される。傾きが検出された場合には(ステップA5のYESルート参照)、処理がステップA3に戻る。
また、傾きが検出されない場合には(ステップA5のNOルート参照)、把持機構部220の傾きが解消(補正)され、第1傾き検出部32が把持機構部220が水平になったと判断することができる。すなわち、把持機構部220の角度調整が完了する(ステップA6)。
その後、ステップA7において、ロボット位置制御部33が0、上記ステップA2においてラッチロック状態を解除したラチェット機構508bをラッチロック状態に戻す動作を行なう。
ロボット位置制御部33は、被搬送ロボット部111を移動させる。すなわち、図26に示すように、ラッチレバー5082bの下方に傾き補正突起551bが当接する位置に被搬送ロボット部111を配置する。その後、ロボット位置制御部33は、被搬送ロボット部111を下方に移動させる。これにより、傾き補正機構500においては、相対的に傾き補正突起551bがラッチレバー5082bを押し上げる(図15の矢印J参照)。ラッチレバー5082aは、ベースプレート520に形成された鉛直方向溝部5272に案内されて水平方向溝部5271に進入する。この水平方向溝部5271において、ラッチレバー5082bは、第1ばね5083bにより押圧され、水平方向溝部5271を案内されてZマイナス側に移動し、ラッチ歯車5085bに押し付けられる(図15の矢印K参照)。
これにより、ラッチ爪5081bがラッチ歯5086bに係合し、ラチェット機構508bがラッチロック状態となる。以上により、傾き補正動作が完了する。
その後、ロボット位置制御部33は、被搬送ロボット部111を傾き補正位置550から復帰させ、通常動作へ移行する(図27参照)。
次に、実施形態の一例としてのライブラリ装置1におけるカートリッジ(媒体)搬送時の傾き補正制御方法を、図29および図30に示すフローチャート(ステップB1〜B18)に従って説明する。なお、図29においてはステップB1〜B7を示し、図30においてはステップB8〜B18を示す。
ステップB1において、例えばライブラリ制御ボード100のCPU101は、搬送対象のカートリッジ4が格納されているセル14(搬送元セル14)が閉塞しているか否かを確認する。セル14が閉塞していてカートリッジ4が取り出せない状態である場合には(ステップB1のYESルート参照)、図示しないホストコンピュータに対して、搬送動作が異常終了した旨の通知を行ない、処理を終了する。
搬送対象のカートリッジ4が収納されているセル14が閉塞していない場合には(ステップB1のNOルート参照)、ステップB2において、ロボット11を用いて、セル14からカートリッジ4を取り出しドライブ装置12等に搬送する。
ステップB3において、カートリッジ4の搬送にリトライが発生し、搬送異常となったか否かを確認する。搬送異常が生じていない場合には(ステップB3のNOルート参照)、カートリッジ4の搬送は正常に完了し、処理を終了する。
カートリッジ4の搬送において異常が生じた場合には(ステップB3のYESルート参照)、ステップB4において、第2傾き検出部34が、搬送元セル14を含むセル群141のセルフラグ19をセンサ250を用いて読み取る。第2傾き検出部34は読み取ったセルフラグ19の画像に基づいて傾きを測定する。
ステップB5において、第2傾き検出部34は、ステップB4において測定した傾きが、予め規定された補正限界を超えているか否かを確認する。検出された傾きが補正限界(傾き補正限界)を超えている場合には(ステップB5のYES(スロット面不良)ルート参照)、ステップB6に移行する。ステップB6においては、CPU101は、当該セル群141を閉塞状態にする。また、CPU101は、ホストコンピュータに対して、セル群141の傾き不良を原因とする搬送動作の異常終了を通知して、処理を終了する。
一方、検出された傾きが補正限界(傾き補正限界)を超えていない場合には(ステップB5のNOルート参照)、ステップB7へ移行する。ステップB7においては、ロボット位置制御部33が、いずれか(例えば最寄)の基準フラグ18A,18B,18Cへ被搬送ロボット部111を移動させる。そして、センサ250によって基準フラグ18A,18B,18Cを読み取り、CPU101の機能により傾き測定が行われる。
次に、ステップB8において、ステップB4においてセル群141のセルフラグ19に基づいて測定した傾きと、ステップB7において基準フラグ18A,18B,18Cに基づいて測定した傾きとで向きが同じであるか否かを確認する。
確認の結果、2つの傾きの向きが異なる場合には(ステップB8のNOルート参照)、ステップB9においてセル群141が傾いていると判断する。一方、2つの傾きの向きが同じである場合には(ステップB8のYESルート参照)、ステップB10においてロボット11のみが傾いていると判断する。
ステップB11において、ロボット位置制御部33が被搬送ロボット部111を傾き補正位置550に移動させ、ステップB12において、ロボット11の傾き補正を行なう。
ステップB12において、ロボット11の傾き補正が完了したか否かを確認する。傾き補正ができた場合には(ステップB13のYESルート参照)、ステップB14に移行する。ステップB14においては、ロボット11によりカートリッジ4の搬送を行なう。CPU101は、ホストコンピュータに対して、カートリッジ4の搬送が正常に完了した旨の通知を行ない、処理を終了する。
一方、ロボット11の傾き補正ができなかった場合には(ステップB13のNOルート参照)、ステップB15に移行する。なお、ロボット11の傾き補正ができなかった場合とは、例えば駆動レバー505を駆動角度の限界まで回動させても把持機構部220を水平にできなかった場合である。
ステップB15においては、ステップB10における判断結果に基づき、ロボット11のみが傾いているか否かを確認する。確認の結果、ロボット11のみが傾いているのではないと判断された場合には(ステップB15のNOルート参照)、ステップB16において、CPU101は、セル群141を閉塞状態にして、処理を終了する。
また、ステップB15における確認の結果、ロボット11のみが傾いていると判断した場合には(ステップB15のYESルート参照)、ステップB17に移行する。ステップB17において、CPU101は、ロボット11のうちスタンバイロボットは正常であるか否かを確認する。なお、ロボット11が正常に動作しているか否かは既知の手法によって管理される。例えば、ロボット11に関してなんらかの異常が検知された場合に、RAM102の所定の領域にロボット11に異常が発生している旨を表す情報が設定される。
ステップB17における確認の結果、スタンバイロボットが正常である場合には(ステップB17のYESルート参照)、ステップB4に移行する。また、スタンバイロボットに異常が生じている場合には(ステップB17のNOルート参照)、CPU101は、本ライブラリ装置1を閉塞させ、処理を終了する。
(C)効果
このように、実施形態の一例としてのライブラリ装置1によれば、被搬送ロボット部111に傾き補正機構500をそなえ、第1傾き検出部32がロボット11の傾きを検出した場合に、傾き補正機構500により把持機構部220が水平になるように傾き補正を行なう。これにより、ロボット11に傾きが生じた場合であっても、把持機構部220によるセル4のカートリッジ4に対するアクセスを継続して行なうことができ、装置の信頼性を向上させることができる。
傾き補正位置550において、第1傾き検出部32が、複数の水平線を所定間隔で並べることにより構成されたラインパターン200をラスタースキャンし、その結果得られたスキャンラインに基づき、把持機構部220の傾きの有無を判断する。これにより、把持機構部220の傾きの有無を容易に判断することができる。
セルの搬送異常が生じた場合に、第2傾き検出部34が、セル群141のセルフラグ19をセンサ250を用いて読み取り、その画像に基いて傾きを測定する。そして、この傾きが、予め規定された傾き補正限界を超えている場合には当該セル群141を閉塞状態にする。これにより、アクセス不可なセル14に対する不要なアクセスの発生を防止することができる。
セルの搬送異常が生じた場合において、第2傾き検出部34が、セル群141のセルフラグ19に基づいて測定した傾きと、基準フラグ18A,18B,18Cに基づいて測定した傾きとで向きが同じであるか否かを確認する。これにより、傾きがセル群141に発生しているか、ロボット11のみに生じているかを容易に判断することができる。
また、傾きがロボット11のみに生じていると判断した場合に、スタンバイロボット11に切り替えることで、セル4のカートリッジ4に対するアクセスを継続して行なうことができ、装置の信頼性を向上させることができる。
ガイドレール242上をZ軸方向に移動可能なベース502に、X軸搬送機構部222を軸503を中心に揺動自在に搭載する。そして、このX軸搬送機構部222に把持機構部220を搭載する。これにより、把持機構部220の角度を変更することができる。
また、傾き補正機構500において、駆動レバー505を軸510を中心に回転させる回転運動が、ギア506,中継ギア509およびシーソーギア504を介して伝達され、X軸駆動部106(把持機構部220)の角度変更運動(回転運動)に変換される。これにより、駆動レバー505を回動させることで、把持機構部220の姿勢(角度)を容易に変更することができる。
また、傾き補正機構500において、ラチェット機構508a,508bをそなえ、駆動レバー505の回動により変更した把持機構部220の姿勢を維持することができる。また、ラッチレバー5082a,8052bを操作することで、ラチェット機構508a,508bをラッチ解放状態とラッチロック状態とを自在に切り替えることができ、利便性が高い。
また、傾き補正突起551a,551bにより、傾き補正機構500のラッチレバー5082a,5082bを容易に操作することができる。
(D)その他
そして、開示の技術は上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成及び各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、図29および図30に示したカートリッジ4の搬送時の傾き補正制御方法をより簡素化してもよい、
図31は実施形態の一例としてのライブラリ装置1におけるカートリッジ(媒体)搬送時の傾き補正制御方法の変形例を説明するフローチャート(ステップC1〜C9)である。
ホストコンピュータ2からカートリッジ4の搬送指示が発行されると、ロボット11によるカートリッジ4の搬送が開始される。
ステップC1において、ロボット位置制御部33が、把持機構部220を、搬送対象のカートリッジ4が格納されているセル14(搬送元セル14)の前へ移動させる。
ステップC2において、例えばライブラリ制御ボード100のCPU101は、把持機構部220がセル14内のカートリッジ(被)4を把持できるか否かを確認する。
把持機構部220がカートリッジ4を把持できる場合には(ステップC2のYESルート参照)、ロボット11は当該カートリッジ4を正常に搬送して、処理を終了する。
一方、把持機構部220がカートリッジ4を把持できない場合には(ステップC2のNOルート参照)、ステップC3において、傾き補正制御部30は、被搬送ロボット部111を傾き補正位置550に移動させる。
この傾き補正位置550において、ロボット位置制御部33が、センサ250がラインパターン200を撮影可能な位置に被搬送ロボット部111を移動させる。
ステップC4において、ラチェット機構508a,508bのうち、傾き補正動作における把持機構部220の回動を妨げる側のラッチロック状態を解除する。
ステップC5において、ロボット位置制御部33は、駆動レバー505を傾き補正突起551bに付き当て、傾き補正突起551bにより駆動レバー505をZマイナス側(図9の矢印C方向)に回動させる。これにより、把持機構部220をZプラス側端部が下降(Zマイナス側端部が上昇)する方向(第1傾斜方向:矢印E方向)に回動させる傾き補正が行なわれる。
また、上述した傾き補正動作によって回動された把持機構部220の姿勢(傾き)は、ラチェット機構508aにより保持される。
また、この傾き補正の実行中には、スキャン制御部31によるラインパターン200の撮像と、第1傾き検出部32による把持機構部220の傾き検出とが並行して行なわれる。
すなわち、ステップC6において、スキャン制御部31がセンサ250を用いてラインパターン200を撮影し、第1傾き検出部32が、センサ250によって撮影されたラインパターン200をラスタースキャンして得られるスキャンラインの画像に基づき、把持機構部220の傾きを測定する。
具体的には、センサ250によってラインパターン200のラスタースキャンを行ない、得られたスキャンラインにおいて、黒色部分または白色部分が複数検出された場合に、第1傾き検出部32は、把持機構部220に傾きが生じていると判断する。一方、スキャンラインにおいて、黒色部分または白色部分が1つだけ検出された場合に、第1傾き検出部32は、把持機構部220に傾きが生じていないと判断する。
ステップC7において、傾きが検出されたか否かが判断される。傾きが検出された場合には(ステップC7のYESルート参照)、処理がステップC5に戻る。
また、傾きが検出されない場合には(ステップC7のNOルート参照)、把持機構部220の傾きが解消(補正)され、第1傾き検出部32が把持機構部220が水平になったと判断することができる。すなわち、把持機構部220の角度調整が完了する(ステップC8)。
その後、ステップC9において、ロボット位置制御部33が0、上記ステップC4においてラッチロック状態を解除したラチェット機構508aをラッチロック状態に戻す動作を行なう。
ラチェット機構508bがラッチロック状態となることで、傾き補正動作が完了する。その後、ロボット位置制御部33は、被搬送ロボット部111を傾き補正位置550から復帰させ、通常動作へ移行する。
また、上述した実施形態において、例えばロボット制御ボード201a,201bは、
測定した位置ずれの値を用いて把持機構部220の位置や姿勢を補正するようにアライメント調整を行なうことで、セル14に対する把持機構部220の位置ずれを無くしてもよい。
このアライメント調整は、ロボット11と収納棚10の各セル14との相対位置関係の補正であって、カートリッジ4を搬入又は搬出する位置、すなわち各セル14の座標の補正を行なう。なお、このアライメント調整の手法は既知であり、その説明は省略する。
また、上述した実施形態においては、第1傾き検出部32が、センサ250によってラインパターン200を水平にラスタースキャンすることで、ラインパターン200を線状に走査することでスキャンラインを取得しているが、これに限定されるものではない。例えば、センサ250によってラインパターン200全体の画像を撮像し、この撮像したラインパターン200の画像を水平方向に沿って線状に走査することでスキャンラインを取得してもよい。
さらに、上述した実施形態においては、収納棚10Lにのみ傾き補正位置550を備えているが、これに限定されるものではなく、収納棚10に傾き補正位置550を備えてもよい。これにより、収納棚10毎に傾きが異なる場合にも対処することができる。
また、上述した実施形態においては、第1傾き検出部32がラインパターン200をラスタースキャンして得られたスキャンラインに基づいて、把持機構部220の傾きを判断しているが、これに限定されるものではない。例えば、把持機構部220にジャイロセンサ等を備えることで把持機構部220の傾きを判断する等、種々変形して実施することができる。
さらに、上述した実施形態においては、センサ250によりラインパターン200のラスタースキャンを行ないながら、傾き補正機構500の駆動レバー505を回転駆動させ、スキャンラインにおいて白色部分だけまたは黒色部分だけが検知された状態で、把持機構部220が水平となったと判断しているが、これに限定されるものではない。例えば、上記式(1)に基づいてボット11の傾きθを求め、この傾きθが0となるように駆動レバー505を回転駆動する制御を行なってもよい。
また、自動収納装置の例として、本実施例の磁気テープライブラリ装置の他、図書センタの図書を搬送する自動収納装置や物品配送センタ等で物品搬送用のカートリッジを搬送する自動収納装置などの把持機構部の調整にも同様に適用可能である。
1 ライブラリ装置(自動収納装置)
2 ホストコンピュータ
4 カートリッジ
10B,10L,10R,10 収納棚
14 セル
11a,11b,11 ロボット
111 被搬送ロボット部
12 ドライブ装置
16 基準フラグ表示部
18A,18B,18C 基準フラグ
19 セルフラグ
21 ドライブフラグ
30 傾き補正制御部
31 スキャン制御部
32 第1傾き検出部
33 ロボット位置制御部
34 第2傾き検出部
100 ライブラリ制御ボード
101 CPU
102 RAM
103 記憶部
106 X軸駆動部
107 Y軸駆動部
108 Z軸駆動部
109 回転駆動部
110 把持機構駆動部
130 バランサ
132,134 ガイドレール
136 タイミングベルト
138,140 プーリ
141a,141b,141c,141d,141e,141f,141g セル群 200 ラインパターン
201a,201b ロボット制御ボード
211 CPU
212 RAM
213 記憶部
220 把持機構部
2201 開口
222 X軸搬送機構部
224 Y軸搬送機構部
226 Z軸搬送機構部
242,228 ガイドレール
244,246 ピッカアーム部
248 回転機構部
250 センサ
500 傾き補正機構
501 可動ベース
502 ベース
504 シーソーギア
505 駆動レバー
506 ギア
508a,508b,508 ラチェット機構
5081a,5081b ラッチ爪
5082a,5082b ラッチレバー
5083a,5083b 第1ばね
5084a,5084b 第2ばね
5085a,5085b ラッチ歯車
5086a,5086b ラッチ歯
5087a,5087b ラッチ爪ホルダ
5088a,5088b 軸
509 中継ギア
509a 第1ギア
509b 第2ギア
503,510,511 軸
520 ベースプレート
522,523,524 軸穴
527a,527b ラッチ移動用溝
5271 水平方向溝部
5272 鉛直方向溝部
525a,525b 支持板
551a,551b 傾き補正突起
550 傾き補正位置
560 姿勢変更機構

Claims (3)

  1. 被搬送物を収納する収納棚と、
    前記被搬送物を把持する把持部を備え、前記収納棚に前記被搬送物を搬入し、又は前記収納棚から前記被搬送物を搬出する搬送動作を行なうロボットと、
    複数の水平線を等間隔に備えるラインパターンと、
    前記ロボット上に備えられ、前記ラインパターンを撮影する撮影装置と、
    前記撮影装置によって撮影された前記ラインパターンの画像に基づき、前記ロボットの傾きを検出する第1傾き検出部と、
    前記ロボットにおける前記把持部の姿勢を水平にする角度調整を行なう補正機構と
    を備えることを特徴とする、自動収納装置。
  2. 前記第1傾き検出部が、前記撮影装置によって前記ラインパターンを線状に走査した画像に基づき、前記ロボットの傾きを検出することを特徴とする、請求項1記載の自動収納装置。
  3. 前記収納棚に付与された基準マークに基づき、前記ロボットの傾きを検出する第2傾き検出部を備え、
    前記第2傾き検出部によって検出された前記ロボットの傾き補正が予め規定された補正限界値より小さい場合に、前記補正機構が把持機構部の姿勢を水平にする角度調整を行なう
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動収納装置。
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