JP2017001308A - 印字ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印字不良が発生するのを抑制することができる印字ヘッド及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】揺動自在に配設されたアーマチュア17と、アーマチュア17の先端に取り付けられた印字ワイヤと、鉄心21、該鉄心21の周囲に配設されたコイルボビン12、及びコイルボビン12の周囲に巻装されたコイル13を備え、コイル13に駆動電流が供給されたときに、アーマチュア17を回動させ、印字ワイヤを駆動してドットを形成するコイルユニットu1と、アーマチュア17を支持する支持部材15,16と、支持部材に摩耗が発生したときに、アーマチュア17の回動を規制する規制部材22とを有する。規制部材によってアーマチュア17の回動が規制されるので、リボン引っ掛けが発生するのを防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】揺動自在に配設されたアーマチュア17と、アーマチュア17の先端に取り付けられた印字ワイヤと、鉄心21、該鉄心21の周囲に配設されたコイルボビン12、及びコイルボビン12の周囲に巻装されたコイル13を備え、コイル13に駆動電流が供給されたときに、アーマチュア17を回動させ、印字ワイヤを駆動してドットを形成するコイルユニットu1と、アーマチュア17を支持する支持部材15,16と、支持部材に摩耗が発生したときに、アーマチュア17の回動を規制する規制部材22とを有する。規制部材によってアーマチュア17の回動が規制されるので、リボン引っ掛けが発生するのを防止することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、印字ヘッド及び画像形成装置に関するものである。
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、ワイヤドット式のプリンタにおいては、印字ヘッドが配設され、鉄心の周囲にコイルボビンを介してコイルを巻装することによって電磁石が形成され、鉄心と対向させ、かつ、鉄心との間に所定の空隙を置いて揺動自在に配設されたアーマチュアを、電磁石によって鉄心に吸引して回動させ、アーマチュアの先端に取り付けられた印字ワイヤを駆動してガイドノーズから突き出し、インクリボンを介して用紙に打ち付けることによって、ドットが形成され、印字が行われるようになっている。
前記アーマチュアは、径方向外方の端部に形成された揺動中心部を、板ばねの付勢力によって、印字ヘッドにおける電磁石より径方向外方に配設されたヨークの二つの面に押し当てることにより揺動自在に支持される。そして、アーマチュアは、回動中心が固定された状態で、揺動中心部を前記二つの面と摺動させながら回動させられる(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記従来の印字ヘッドにおいては、アーマチュアが、揺動中心部を二つの面と摺動させながら回動させられるので、回動が繰り返し行われると、二つの面が摩耗してしまう。そして、アーマチュアは、板ばねの付勢力によって二つの面に押し当てられるので、二つの面が摩耗した分だけ回動中心が移動してしまう。
これにより、板ばねの付勢力が小さくなり、付勢力が小さい状態でアーマチュアが回動させられると、アーマチュアの回動動作が不安定になり、それに伴って印字ワイヤの突出動作も不安定になる。また、アーマチュアが二つの面と摺動させられた際に発生する摩耗粉がアーマチュアの揺動中心部の周囲に溜まると、アーマチュアを円滑に回動させることができなくなってしまう。
その結果、印字ワイヤがインクリボンに届かず、ドットが適正に形成されず、脱ドットが発生したり、印字ワイヤの突出動作が収束するまでの時間が長くなり、印字ワイヤが待機位置に戻る前にインクリボンが走行させられ、印字ワイヤがインクリボンの生地に引っ掛かってリボン引っ掛けが発生したりして、印字不良が発生してしまう。
印字は、複数の印字ワイヤを、インクリボンを介して用紙に打ち付けることによって行われるので、1、2本の印字ワイヤがインクリボンに届かず、脱ドットが発生しても、印字された文字を十分に判読することができるが、リボン引っ掛けが発生すると、インクリボンの生地が傷つき、スペース動作が行われなくなるので、印字された文字を判読することができなくなってしまう。
そこで、アーマチュアの揺動中心部が押し当てられる二つの面を、硬度の高い材料で形成したり、二つの面に硬化処理を施したりすることが考えられるが、印字ヘッドを使用し続ける限り、二つの面が摩耗するのを防止することはできず、印字不良が発生してしまう。
本発明は、前記従来の印字ヘッドの問題点を解決して、印字不良が発生するのを抑制することができる印字ヘッド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
そのために、本発明の印字ヘッドにおいては、揺動自在に配設されたアーマチュアと、該アーマチュアの先端に取り付けられた印字ワイヤと、鉄心、該鉄心の周囲に配設されたコイルボビン、及び該コイルボビンの周囲に巻装されたコイルを備え、コイルに駆動電流が供給されたときに、アーマチュアを回動させ、印字ワイヤを駆動してドットを形成するコイルユニットと、前記アーマチュアを支持する支持部材と、前記支持部材に摩耗が発生したときに、アーマチュアの回動を規制する規制部材とを有する。
本発明によれば、印字ヘッドにおいては、揺動自在に配設されたアーマチュアと、該アーマチュアの先端に取り付けられた印字ワイヤと、鉄心、該鉄心の周囲に配設されたコイルボビン、及び該コイルボビンの周囲に巻装されたコイルを備え、コイルに駆動電流が供給されたときに、アーマチュアを回動させ、印字ワイヤを駆動してドットを形成するコイルユニットと、前記アーマチュアを支持する支持部材と、前記支持部材に摩耗が発生したときに、アーマチュアの回動を規制する規制部材とを有する。
この場合、支持部材に摩耗が発生したときに、規制部材によってアーマチュアの回動が規制されるので、リボン引っ掛けが発生するのを防止することができる。したがって、印字された文字を判読することができなくなるのを防止することができ、印字不良が発生するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのワイヤドット式のプリンタについて説明する。
図2は本発明の実施の形態におけるプリンタの斜視図である。
図において、100はプリンタ(印字装置)、FL、FRは該プリンタ100の左側及び右側に配設された第1、第2のフレームとしてのサイドフレーム、FSは該サイドフレームFL、FR間に延在させて配設された第3のフレームとしてのスペースフレーム、103は前記サイドフレームFL、FR間に延在させて架設され、円形の断面を有するガイドシャフト、104は該ガイドシャフト103に沿ってプリンタ100の左右方向に移動(往復移動)させられるキャリッジ、Hdは、該キャリッジ104に搭載され、キャリッジ104の移動に伴って主走査方向に移動させられる印字ヘッド、105は、該印字ヘッドHdと対向させて、ガイドシャフト103と平行に、前記サイドフレームFL、FR間に延在させて架設されたプラテン、106は、前記キャリッジ104に対して着脱自在に配設され、印字ヘッドHdとプラテン105との間にインクリボンを供給するインクリボンカートリッジである。
前記プリンタ100において、主走査用の駆動部としての図示されないスペースモータが駆動されると、キャリッジ104がガイドシャフト103に沿って移動させられ、キャリッジ104の移動に伴って印字ヘッドHdが主走査方向に移動させられる。また、副走査用の駆動部としての図示されないラインモータが駆動されると、前記プラテン105とインクリボンとの間を媒体としての図示されない用紙が搬送される。
このとき、印字ヘッドHdに配設された後述される印字ワイヤ31(図4)が、駆動され、選択的に前進させられてインクリボンに打ち付けられ、インクリボンのインクがプラテン105上の用紙に転写されることによって、用紙上にドットが形成され、印字が行われる。
次に、前記印字ヘッドHdについて説明する。
図3は本発明の実施の形態における印字ヘッドの背面図、図4は図3のA−A断面図、図5は本発明の実施の形態におけるコイルボビンの斜視図である。なお、図4及び5において、図の上方を印字ヘッドHdの上方とし、図の下方を印字ヘッドHdの下方とする。また、図3のCnは印字ヘッドHdの中心であり、図4の断面は中心Cnを通るように設定される。
図において、Hdは印字ヘッドであり、本実施の形態においては、24本の印字ワイヤを備えた24ピンタイプ印字ヘッドが使用される。
また、14は磁界応答性を有する磁性材料、本実施の形態においては、鉄から成るコアヨークである。該コアヨーク14は、印字ヘッドHdの外周側に形成され、筒状の形状を有する外壁部101、該外壁部101の下端から径方向内方に向けて形成された底壁部102、及び該底壁部102の径方向内方から上方に向けて突出させて形成された24個の鉄心(コア)21を備える。
各鉄心21は、鉄心21の周囲に配設され、筒状の形状を有するコイルボビン12、及び該コイルボビン12の周囲に巻装されたコイル13と共に、コイルユニットu1(電磁石)を構成する。前記コイルボビン12は、非磁性材料、本実施の形態においては、樹脂によって形成され、コイル13を巻装するための巻枠部24a、並びに該巻枠部24aの上端及び下端において周方向に突出させて形成されたフランジ部24b、24cを備える。また、前記巻枠部24aの内周面におけるフランジ部24b側の所定の箇所に、内方に向けて突出させて規制部材としての突起22が形成され、前記フランジ部24cの所定の箇所に、二つの端子部23が下方に向けて突出させて形成され、該各端子部23に金属製の端子tm1、tm2が取り付けられる。前記コイル13は、一方の端子部23から他方の端子部23にかけて巻線を巻枠部24aに巻き付けることによって形成される。なお、コアヨーク14の外周には、熱伝導性の高い材料、本実施の形態においては、アルミニウムから成る放熱板としてのヒートシンク28が取り付けられ、該ヒートシンク28によって、印字ヘッドHdを駆動した際に発生した熱が印字ヘッドHd外に放出される。
前記コアヨーク14の下方及び径方向内方に隣接させて、樹脂等の材料から成るベース部18が配設される。該ベース部18は、プレート状の形状を有し、コアヨーク14を下方で支持する外側ベース18a、及び該外側ベース18bの内周縁から上方に向けて立ち上げて形成された内側ベース18bを備える。
また、前記ベース部18の下方に、前記コイル13に電流を供給するための基板20が配設され、該基板20に、前記各端子tm1、tm2及びコネクタ35が接続される。
そして、前記基板20の下方に、印字ヘッドHdの前面を覆うガイドノーズ19が配設される。該ガイドノーズ19は、非磁性材料、本実施の形態においては、樹脂によって形成され、ベース部18の下面及び基板20の下面を覆う基部19a、並びに印字ヘッドHdの中心Cnに沿って、基部19aから下方に向けて突出させて形成されたノーズ部19bを備える。
一方、前記コアヨーク14の上方の外周側には、磁界応答性を有する磁性材料、本実施の形態においては、鉄から成り、環状の形状を有する第1の支持部材としての第1のヨーク15が、前記外壁部101の端面を覆うように配設され、前記第1のヨーク15の上方の内周側には、磁界応答性を有する磁性材料、本実施の形態においては、鉄から成り、第1のヨーク15より径が小さく、環状の形状を有する第2の支持部材としての第2のヨーク16が、フランジ部24bの外周側の端面を覆うように配設される。
そして、前記コアヨーク14及び第1、第2のヨーク15、16の上方には、各コイルユニットu1と対応させて24本のアーマチュア17が、径方向に延在させて揺動自在に配設され、前記第1、第2のヨーク15、16によって支持される。また、各アーマチュア17の先端に印字ワイヤ31が接合によって取り付けられる。
各アーマチュア17は、磁界応答性を有する磁性材料、本実施の形態においては、鉄から成り、径方向外方の端部に形成された揺動中心部17a、該揺動中心部17aより径方向内方において、鉄心21と対向させて形成された鉄心対向部17b、及び該鉄心対向部17bより径方向内方に形成され、先端に印字ワイヤ31を取り付けるための接合部27が形成されたアーム部17cを備える。
そして、前記ノーズ部19b内には、基部19a側から先端側にかけて複数の中間ガイドgi(i=1、2、…)が配設され、ノーズ部19bの先端に、先端ガイドgtが配設され、各印字ワイヤ31が、中間ガイドgiに形成された穴h1、及び先端ガイドgtに形成された穴h2を貫通して延在させられる。
また、前記各アーマチュア17の上方に、環状の第1の付勢部材としての板ばね32が配設される。該板ばね32は、アーマチュア17の鉄心対向部17bを覆う本体部32a、及び該本体部32aの外周縁から斜め下方に向けて延び、揺動中心部17aを覆う傾斜部32bを備え、該傾斜部32bを所定の付勢力で揺動中心部17aに押し付けることによって、揺動中心部17aが第1の面としての第1のヨーク15の上面、及び第2の面としての第2のヨーク16の外周面に押し当てられ、アーマチュア17が回動する際の回動中心が所定の位置に固定される。
前記板ばね32の上方に、印字ヘッドHdの背面を覆うキャップ33が配設される。該キャップ33と前記ガイドノーズ19とは、円周方向における複数箇所、本実施の形態においては、3箇所に配設されたクランプ機構CMによって締め付けることにより引き寄せられ、これにより、キャップ33とガイドノーズ19との間の各部品が固定される。前記クランプ機構CMは、ガイドノーズ19側からキャップ33側にかけて延在させて形成されたクランプスプリング37、及びキャップ33に形成された爪38から成り、クランプスプリング37を爪38に係止させることによって、キャップ33がガイドノーズ19側に引き寄せられる。これに伴って、前述されたように、傾斜部32bが揺動中心部17aに押し付けられる。
また、前記板ばね32とキャップ33との間にはオイルが含浸させられた潤滑部材としての環状のオイルフェルト34が配設される。該オイルフェルト34は、オイルによって板ばね32とキャップ33との摺動抵抗を小さくし、板ばね32を円滑に変形させる。
そして、前記キャップ33の下面における板ばね32より径方向内方の部分には、アーム部17cと対向させて、樹脂、金属等から成り、リング状の形状を有するリミッタ25が配設される。該リミッタ25は、アーマチュア17が過剰にキャップ33側に回動させられるのを阻止する。
また、前記アーム部17cの下面と内側ベース18bの上面との間に、コイルスプリングから成る第2の付勢部材としてのリセットスプリング26が配設される。該リセットスプリング26は、所定の付勢力でアーマチュア17をリミッタ25に向けて付勢し、アーマチュア17をリミッタ25に対して位置決めする。
次に、前記印字ヘッドHdの動作について説明する。
前記プリンタ100(図2)に配設された図示されないプリンタドライバが、印字データに応じて駆動電流を発生させ、コネクタ35を介してコイル13に供給すると、鉄心21に磁束が発生し、待機位置に置かれたアーマチュア17は回動中心を中心として鉄心21に吸引されるように回動させられる。
このとき、各アーマチュア17に取り付けられたワイヤ31が、駆動され、中間ガイドgi及び先端ガイドgtによって案内されて選択的に前進させられ、ガイドノーズ19から突出させられて、間欠的に走行させられるインクリボンに打ち付けられる。これにより、インクリボンのインクがプラテン105上の用紙に転写され、用紙上にドットが形成され、印字が行われる。
そして、コイル13に駆動電流が供給されなくなり、鉄心21に磁束が発生させられなくなると、アーマチュア17は、鉄心21から解放され、リセットスプリング26の付勢力によって回動させられ、待機位置に置かれる。
このようにして、24本の印字ワイヤ31が適切なタイミングで用紙に打ち付けられることによって、文字が形成される。
ところで、前記アーマチュア17は、径方向外方の端部に形成された揺動中心部17aが、板ばね32の付勢力によって第1、第2のヨーク15、16の二つの面、すなわち、第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面に押し当てられることにより揺動させられるので、例えば、長期間にわたりプリンタ100が使用されて、アーマチュア17が繰り返し回動させられると、第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面が摩耗してしまう。また、アーマチュア17は、板ばね32の付勢力によって第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面に押し当てられるので、第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面が摩耗した分だけ回動中心が移動してしまう。
回動中心の移動量が大きくなると、板ばね32の付勢力が小さくなり、付勢力が小さい状態でアーマチュア17が回動させられると、アーマチュア17の回動動作が不安定になり、それに伴って印字ワイヤ31の突出動作も不安定になる。
次に、アーマチュア17の回動中心の移動に伴う板ばね32の付勢力の変化について説明する。この場合、第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面の摩耗に伴って、アーマチュア17の回動中心はガイドノーズ19側及び印字ヘッドHdの中心Cn(図3)側に移動するが、ガイドノーズ19側への移動量と印字ヘッドHdの中心Cn側への移動量とは互いに比例するので、ここでは、アーマチュア17の回動中心の印字ヘッドHdの中心Cn側への移動量と板ばね32の付勢力との関係について説明する。
図6は本発明の実施の形態におけるアーマチュアの回動中心の移動量と板ばねの付勢力との関係を説明するための図である。なお、図において、横軸にアーマチュア17の回動中心の移動量を、縦軸に板ばね32の付勢力を採ってある。
第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面が摩耗し、アーマチュア17が印字ヘッドHdの中心Cnに向けて移動させられると、図に示されるように、板ばね32の付勢力は移動量に比例して小さくなる。
次に、アーマチュア17の回動中心の移動に伴う印字ワイヤ31の位置の変化について説明する。
図7は印字ワイヤを駆動したときの印字ワイヤの位置の変化を示すタイムチャートである。この場合、印字ワイヤ31の位置は印字ワイヤ31の先端の位置で表される。
図において、STSは印字ワイヤ31が突出動作を行わないとき、すなわち、突出しを開始する前の待機位置、STEは印字ワイヤ31がインクリボンに到達する位置、すなわち、リボン到達位置である。
第1のヨーク15(図4)の上面及び第2のヨーク16の外周面に摩耗が発生していない場合、板ばね32の傾斜部32bが十分な付勢力で揺動中心部17aに押し付けられ、揺動中心部17aが第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面に十分な力で押し当てられるので、印字ワイヤ31は、線L1で示されるように、安定した突出動作を行い、タイミングt1で突出動作が収束し、待機位置に戻る。
これに対して、第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面に摩耗が発生した場合、板ばね32の傾斜部32bが十分な付勢力で揺動中心部17aに押し付けられず、揺動中心部17aが第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面に十分な力で押し当てられないだけでなく、摩耗粉が揺動中心部17aの周囲に溜まるので、印字ワイヤ31は、線L2で示されるように、安定した突出動作を行うことができなくなる。特に、印字ワイヤ31がインクリボンに到達した後、待機位置に戻るまでの間に、瞬間的に前進する現象が繰り返し発生する。しかも、印字ワイヤ31の突出動作がタイミングt2で収束し、印字ワイヤ31が待機位置に戻るまでの時間が長くなる。
そして、第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面に発生した摩耗が大きい場合、線L3で示されるように、印字ワイヤ31の突出動作が、インクリボンが走行を開始するタイミングtxになっても収束せず、印字ワイヤ31が待機位置に戻らない。その結果、リボン引っ掛けが発生し、印字不良が発生してしまう。
そこで、本実施の形態においては、第1のヨーク15の上面及び第2のヨーク16の外周面に発生した摩耗が許容範囲より大きくなった場合に、アーマチュア17の回動を前記突起22(図5)によって規制し、リボン引っ掛けが発生するのを防止するようにしている。
図1は本発明の実施の形態における印字ヘッドの要部断面図である。
図において、u1はコイルユニット、12はコイルボビン、13はコイル、15は第1のヨーク、16は第2のヨーク、17はアーマチュア、21は鉄心、32は板ばねである。
前記アーマチュア17は、径方向外方の端部に形成され、第1のヨーク15の上面Sa及び第2のヨーク16の外周面Sbに押し当てられ、第1、第2のヨーク15、16によって支持される揺動中心部17a、該揺動中心部17aより径方向内方において、鉄心21と対向させて形成された鉄心対向部17b、並びに該鉄心対向部17bより径方向内方に形成されたアーム部17cを備える。
前記揺動中心部17aにおける前記上面Sa及び外周面Sbと摺動させられる部分は、円弧形状を有する。また、揺動中心部17aと鉄心対向部17bとの間には、アーマチュア17が回動させられる際にアーマチュア17と第2のヨーク16とが干渉するのを防止するために、円弧状の形状を有する第1の湾曲部17dが、鉄心対向部17bとアーム部17cとの間には、アーマチュア17が回動させられる際にアーマチュア17とコイルボビン12とが干渉するのを防止するために、円弧状の形状を有する第2の湾曲部17eが形成される。
該第2の湾曲部17eの下方における前記コイルボビン12の巻枠部24aの内周面には、突起22が内方に向けて、すなわち、鉄心対向部17bに向けて突出させて一体に形成される。前記突起22は、フランジ24b側から斜め下方に向けて傾斜させて形成された傾斜部22a、及び該傾斜部22aから垂下させられる垂下部22bを備え、該垂下部22bの下端の位置と鉄心21の上面Scの位置とがほぼ一致させられる。なお、突起22の位置及び寸法は、プリンタ100(図2)の設計者による実験等に基づいて、上面Sa及び外周面Sbの摩耗量、印字ワイヤ31の突出動作の特性等に応じて決められる。本実施の形態においては、前記突起22がコイルボビン12と一体に形成されるようになっているが、突起22を、コイルボビン12と別体で形成し、所定の固定方法によってコイルボビン12に取り付けることができる。
次に、前記上面Sa及び外周面Sbに摩耗が発生していない場合、並びに上面Sa及び外周面Sbに摩耗が発生している場合のアーマチュア17の状態について説明する。
図8は本発明の実施の形態におけるアーマチュアの状態を示す図、図9は本発明の実施の形態における上面及び外周面に摩耗が発生していない場合の印字ヘッドの動作を説明するための図である。なお、図8(a)は、上面Sa及び外周面Sbに摩耗が発生していない場合のアーマチュアの状態を示す図、図8(b)は、上面Sa及び外周面Sbに摩耗が発生している場合のアーマチュアの状態を示す図である。
上面Sa及び外周面Sbに摩耗が発生していない場合、図8(a)及び9に示されるように、鉄心対向部17bの、鉄心21と対向する面Sdにおけるアーム部17c側のエッジ部egと突起22とが接触することがないので、アーマチュア17を自由に回動させることができる。
図9において、Sd1は印字ワイヤ31が待機位置STS(図7)に置かれたときの鉄心対向部17bの面、Sd2は印字ワイヤ31がリボン到達位置STEに置かれたときの鉄心対向部17bの面、eg1は印字ワイヤ31が待機位置STSに置かれたときのエッジ部、eg2は印字ワイヤ31がリボン到達位置STEに置かれたときのエッジ部である。
この場合、駆動電流がコイル13に供給され、鉄心21に磁束が発生させられると、アーマチュア17が鉄心21に吸引され、印字ワイヤ31がインクリボンに打ち付けられ、用紙上にドットが形成される。すなわち、印字ワイヤ31の突出動作を安定して行うことができ、確実にドットを形成することができる。
また、上面Sa及び外周面Sbに摩耗が発生していても、摩耗が許容範囲内に収まる場合は、エッジ部egと突起22とが接触することがないので、アーマチュア17を自由に回動させることができる。したがって、印字ワイヤ31の突出動作を安定して行うことができ、確実にドットを形成することができる。
これに対して、摩耗が大きく、図8(b)に示されるように、アーマチュア17の回動中心が、ガイドノーズ19(図4)側に移動量α〔mm〕、印字ヘッドHdの中心Cn(図3)側に移動量β〔mm〕移動すると、エッジ部egと突起22とが接触し、アーマチュア17の回動が規制される。なお、図8(b)においては、便宜上、アーマチュア17の回動中心の移動量α、βを、回動中心部17aの移動量とした。
アーマチュア17の回動が規制されると、駆動電流がコイル13に供給され、鉄心21に磁束が発生させられても、アーマチュア17は鉄心21に吸引されず、印字ワイヤ31がインクリボンに打ち付けられることはない。したがって、用紙上にドットが形成されることはなく、脱ドットは発生するが、インクリボンが走行させられるときにリボン引っ掛けが発生することはない。その結果、インクリボンの生地が傷つけられることがなく、スペース動作が行われなくなることがないので、印字された文字を判読することができる。
図10はリボン引っ掛けが発生した場合の印字結果の例を示す図、図11は脱ドットが発生した場合の印字結果の例を示す図である。
印字を開始した後、リボン引っ掛けが発生すると、スペース動作が行われなくなり、図10に示されるように、印字が途中で停止させられる。仮に、印字が停止されない場合、矢印Q1の部分以降の文字を判読することができない。
これに対して、脱ドットが発生すると、図11に示されるように、所定の印字ワイヤ31によるドットの形成が行われなくなるが、文字の所定の部分、例えば、矢印Q2の部分のドットが形成されないだけであるので、文字を判読することができる。
このように、本実施の形態においては、第1のヨーク15の上面Sa及び第2のヨーク16の外周面Sbに摩耗が発生しても、突起22によってアーマチュア17の回動が規制されるので、リボン引っ掛けが発生するのを防止することができる。したがって、印字された文字を判読することができなくなるのを防止することができ、印字不良が発生するのを抑制することができる。
本実施の形態においては、コイル13に駆動電流が供給され、鉄心21に磁束が発生させられたときにアーマチュア17が鉄心12に吸引されるクラッパ型の印字ヘッドHdについて説明したが、本発明を、コイル13に駆動電流が供給され、鉄心21に磁束が発生させられたときにアーマチュア17が鉄心21から解放されるようにしたばねチャージ型の印字ヘッドに適用することができる。その場合、アーマチュア17は、所定の軸受けを回動中心にして揺動自在に配設されるが、軸受けが摩耗して回動中心が許容範囲を超えて移動したときに、所定の位置に配設された規制部材によって、アーマチュア17の回動が規制される。
前記実施の形態においては、プリンタ100について説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
12 コイルボビン
13 コイル
15、16 第1、第2のヨーク
17 アーマチュア
21 鉄心
22 突起
31 印字ワイヤ
Hd 印字ヘッド
u1 コイルユニット
13 コイル
15、16 第1、第2のヨーク
17 アーマチュア
21 鉄心
22 突起
31 印字ワイヤ
Hd 印字ヘッド
u1 コイルユニット
Claims (7)
- (a)揺動自在に配設されたアーマチュアと、
(b)該アーマチュアの先端に取り付けられた印字ワイヤと、
(c)鉄心、該鉄心の周囲に配設されたコイルボビン、及び該コイルボビンの周囲に巻装されたコイルを備え、コイルに駆動電流が供給されたときに、アーマチュアを回動させ、印字ワイヤを駆動してドットを形成するコイルユニットと、
(d)前記アーマチュアを支持する支持部材と、
(e)前記支持部材に摩耗が発生したときに、アーマチュアの回動を規制する規制部材とを有することを特徴とする印字ヘッド。 - (a)前記支持部材はヨークであり、
(b)該ヨークはアーマチュアの揺動中心部を支持する請求項1に記載の印字ヘッド。 - 前記揺動中心部をヨークの二つの面に押し付け、アーマチュアの回動中心を固定する付勢部材を有する請求項2に記載の印字ヘッド。
- 前記規制部材は、支持部材に摩耗が発生するのに伴って、アーマチュアが印字ヘッドの中心側に移動したときに、アーマチュアの回動を規制する請求項1〜3のいずれか1項に記載の印字ヘッド。
- 前記規制部材は、前記コイルボビンの内周面において、アーマチュアの回動を規制する請求項1〜4のいずれか1項に記載の印字ヘッド。
- 前記規制部材は、前記コイルボビンの内周面において、アーマチュアの鉄心対向部に向けて突出させて形成された突起である請求項5に記載の印字ヘッド。
- 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の印字ヘッドを備えた画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015118330A JP2017001308A (ja) | 2015-06-11 | 2015-06-11 | 印字ヘッド及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015118330A JP2017001308A (ja) | 2015-06-11 | 2015-06-11 | 印字ヘッド及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017001308A true JP2017001308A (ja) | 2017-01-05 |
Family
ID=57753602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015118330A Pending JP2017001308A (ja) | 2015-06-11 | 2015-06-11 | 印字ヘッド及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017001308A (ja) |
-
2015
- 2015-06-11 JP JP2015118330A patent/JP2017001308A/ja active Pending
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