JP2017000928A - 酸素発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水環境へ直接的に酸素を供給可能で、酸素溶解効率が良く可制御性に優れ、かつ、水環境を有用水圏生物にとって快適・良好に整え、水環境の浄化が濾過装置なしで実現できる、殆ど無騒音で長期間安定的に動作可能な低コストの酸素発生装置の提供。
【解決手段】水環境2に用いる酸素発生装置において、水環境2の水に浸漬するように設置した少なくとも2つの電極手段1a、1bと、電極手段1a、1b間に電位差を生じさせるための電位設定手段4と、電極手段1a、1bの極性を切り換えるための電極極性切り換え手段5と、電位設定手段4が電極手段1a、1b間に設定する電位差を、電極手段1a、1bへの電流値に関する情報を利用して決定する電極電流制御手段6と、電位設定手段4に電力を供給する為の電力供給手段8を備え、電極手段1a,1bが水環境2の水の一部を電気分解し、水環境2の水に含まれる酸素量を上昇させる又は維持する酸素発生装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、水が入れられた水槽や池などにおける水が主体となった環境(以下「水環境」と称する)で用いる酸素発生装置に係り、より詳しくは、水環境における酸素量の適正化を効率良く行い、水環境を良好な状態に維持することができる酸素発生装置に関する。
近年、有用水圏生物(本発明では、観賞魚や食用魚等を含む人類や地球環境にとって有用な水環境に生息する生物全般と定義する)の生息する水環境、例えば、観賞魚や食用魚等の生息する水槽や池などの水環境において、そこに生息する有用水圏生物にストレスを与えることなく水環境の酸素量を適正に保ち、また、有用水圏生物の生息環境が快適となるよう整えることにより、濾過装置や人の手による環境整備のための処置がほとんど無くても、常時、良好な水環境を実現するための有用な機能および効果を有する酸素発生装置が切望されている。
しかしながら、現在用いられている酸素発生装置では、主電源からの電力供給が停止した場合(例えば停電など)に水環境への酸素供給が停止して水中の溶存酸素が不足するケースや、逆に酸素の過剰供給で過酸素状態となるケースが問題となっている。また、観賞魚等が生息する水槽などの人工的な水環境は屋内に設置されることも多く、酸素発生装置自体の騒音も大きな問題となっている。
更に、観賞魚等が生息する水槽などの人工的な水環境では、有害なバクテリアなどを除去し水環境を浄化するために、水環境への濾過装置の追加も必須となっている。
従来、水が存在する環境、すなわち「水環境」に含まれる酸素量を上昇させる場合、研究的な観点からは酸素を直接その環境に供給する場合もあるが、一般的には利用されていない。
製品化されている水環境の酸素量を上昇させる手段としては、エアレーション用エアポンプ又はブロア装置があり、空気(エア)をポンプやブロアを用いて水槽等の水環境に送り込み、エアバブルを発生させて空気を水環境に溶け込ませることにより酸素量を上昇させる方法が一般的であり、エアポンプやブロアを使用するエアレーション装置としては、日本電興(製品型式:NIP−**)や松下電工(製品型式:SFA−**)他、多くのメーカーから多種製品化されている。
しかしながら、従来からのエアポンプによるエアレーションでは、コストは安価であるが、水環境が悪化していく問題などを全く解決できないばかりか、むしろ水環境の悪化に拍車が掛かり、有用水圏生物の寿命低下に直結してしまう場合も多いという問題がある。水環境の浄化機能を追加するには、エアポンプなどによるエアレーション機能の他に濾過装置の追加が必須であるが、コスト上昇の問題や、水環境を有用水圏生物にとって快適、良好な状態に常時保つ機能が十分ではないという問題がある。
従って、酸素量を常時適正に保つことができないだけでなく、有害な細菌、アオコなどにより水環境が徐々に汚染されていくのをメンテナンス無しでは十分に防ぎ切れないのが現状である。
また、主電源からの電力供給が停止した場合に水環境への酸素供給や濾過機能が停止して酸欠となる問題や、酸素供給が過大で過酸素となる問題もある。
一方、エアポンプを使用しないエアレーション装置の従来技術としては、例えば、特許文献1の観賞魚水槽用エアレーション排水パイプ装置が挙げられる。
特許文献1に記載された方式では、エアポンプを使用せずに、外部濾過機からの排水を利用し、外部濾過機からの排水を排水パイプ中に設けられた空気だまりに通過させた後に観賞魚水槽内へ送り込む構成により、観賞魚水槽内をエアレーションしている。
このようなエアレーション排水パイプ装置を用いる方法では、エアポンプを使用しないので、騒音の問題は少ないが、外部濾過機が必要となるので設備が大掛かりでかつ高価であり、一般家庭用の小型水槽などには不向きである。
特開2010−094115号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、水環境へ直接的に酸素を供給可能であり、酸素溶解効率が良く可制御性に優れ、かつ、水環境を有用水圏生物にとって快適・良好に整えたり、水環境を浄化したりすることが濾過装置を用いずに実現できる、殆ど無騒音で長期間安定的に動作可能な低コストの酸素発生装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、水環境中の酸素量が制御でき、常に良好な水環境に保つことができる酸素発生装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、主電源からの電力供給が停止した場合(例えば停電など)、水環境への酸素供給が停止しない様に長時間動作維持可能な酸素発生装置を提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による酸素発生装置は、水が存在する環境に含まれる酸素量を上昇させる又は維持するための酸素発生装置において、前記水が存在する環境内の水に浸漬するように設置した少なくとも2つの電極手段と、前記電極手段間に電位差を生じさせるための電位設定手段と、前記電極手段の極性を切り換えるための電極極性切り換え手段と、前記電位設定手段が前記電極手段間に設定する電位差を、前記電極手段への電流値に関する情報を利用して決定する電極電流制御手段と、前記電位設定手段に電力を供給するための電力供給手段と、を備え、前記電極手段が、前記水が存在する環境の水の一部を電気分解し、前記水が存在する環境の水に含まれる酸素量を上昇させる又は維持することを特徴とする。
前記電極極性切り換え手段による前記電極手段の極性切り換え制御と前記電極電流制御手段による前記電極手段間の電流を目標の値に調整する電流制御とを組み合わせて電極のインピーダンス制御を行うために、前記電極手段間のインピーダンスの制御を行う電極インピーダンス制御手段を更に備えることが好ましく、前記電極インピーダンス制御手段は、前記電極手段に振動を伝達可能に設置された振動手段を振動させて、前記電極手段に付着した導電性を阻害する物質を除去することにより電極のインピーダンス制御を行うことが好ましい。
前記電力供給手段は、外部発電電力、電池電力、蓄電池電力、太陽電池電力の群から選ばれる1つ以上の電力を用いて電力供給を行うことが好ましい。
本発明の酸素発生装置によれば、水の電気分解を利用することにより、非常に微細な酸素の気泡を水環境内で直接的に発生させることができるため、酸素溶解効率が非常に良好な可制御性(電流等を容易に設定・制御可能)に優れたエアレーションを無騒音で実現できる。
また、本発明の酸素発生装置によれば、電極間に掛かる電位方向を定期的又は必要に応じて自動的に切り換える電極極性切り換え手段と、電極の電流制御手段とを備えることにより、電気分解で問題となる、電極の酸化、腐食、電極付着物質(酸化物、その他化合物の汚れやゴミ等の付着)などによる電極寿命低下や高インピーダンス化の進行を抑え込むことが出来るため、良好な性能を長期間安定的に保つことができる。
更に、本発明の酸素発生装置によれば、基本構成が電極手段と電位設定手段及び電力供給手段のみから成る単純な構造であり、かつ、電極材質を統一できるなど量産性にも優れるため、低コストを実現できる。
また、上記本発明の酸素発生装置の構造上の効果とは別に、本発明の酸素発生装置の動作特性上の機能及び効果として、水の電気分解の過程で、オゾンの発生や、水環境に溶け込む溶質の特性によっては塩素などの発生が期待でき、それらの浄化作用物質により水環境内の有害な微生物(バクテリアや細菌)、アオコなどを適度に殺すことで水環境を浄化する効果が得られ、有用水圏生物にとって快適・良好な水環境に整えることができる。
更に、水の電気分解では水素が多く発生するが、水素が多く溶解した水環境に生息する生物はそれを体内に取り込むことにより、体内の酸化を防ぐ効果が期待できるので、このことも快適な水環境を提供すると言える。有用水圏生物にとって快適・良好な水環境を提供することは、最終的には有用水圏生物の長寿命化をもたらす効果につながる。
また更に、電流量を適切に設定してオゾンや塩素の発生を適度に増加させることにより、水環境の十分な殺菌、浄化が可能であり、有用水圏生物が存在しない水環境においても、その水環境を生活用水に使用できる浄化レベルの水資源として還元する効果を得ることもできる。
本発明の酸素発生装置によれば、電極間に流れる電流制御や電極間の電圧制御によって電気分解時の酸素発生量の制御が容易である。それに加えて、電極間の電位方向切り換え制御や電極自体に物理的に振動を与えるなどの方法により、電極に付着する酸化物やその他の化合物及びゴミなどを除去して洗浄し、電極間のインピーダンスを低く制御することも可能である。故に、この高い可制御性能を生かした電極制御手段を備えることができ、電極間の電圧値や電極間に流れる電流値の情報をフィードバックして、電極からの発生酸素量を常時適正に制御するきめ細かな制御機能を電極制御手段に持たせることも可能となる。
また、電極極性切り換え制御と電極間の電流を目標の値に調整制御する電極電流制御とを組み合わせることにより、たとえ電極のインピーダンスが上昇したとしても、それに逆比例して電極間の電流値が一方的に低下することはなく(電極間の設定電位差が大きくなるように自動制御されるため)、電極間の電流値を常時適正に保つように電流を流し続けることができるので、電極極性切り換え制御と組み合わせたときの電極の洗浄効果をより長期間維持する作用・効果が得られる。
これらにより、電極をより長く良好な常態に保つこと(電極の長寿命化)ができ、気温、水温、生物の状態、水環境の浄化度などの様々な条件に応じて水環境内の酸素量を常に適正に制御することで、水環境を常時良好な状態に保つことができる効果が得られる。
本発明の酸素発生装置によれば、電気分解を利用することにより、非常に微細な酸素の気泡を水環境内で直接的に発生させることができるため非常に酸素溶解効率が良いので、微弱な電力でも水環境への酸素供給が可能であり、電位設定手段についても電力を殆ど消費しない構成が可能である。
故に、電力供給手段に、外部発電電力又は電池電力又は蓄電池電力又は太陽電池電力のいずれか、又は、これら幾つかの組み合せにより電力供給を行う機能を備えることで、主電源からの電力供給が停止した場合(例えば停電など)にも、幾つかの電源手段が補完しあい長時間に亘って電力供給を行う機能を容易に備えることができる。これにより、主電源からの電力供給が停止しても、水環境への適正な酸素供給が停止しない様に、酸素発生装置を長時間動作維持できる効果がある。
本発明の一実施形態に係る酸素発生装置を説明するための模式図である。 図1における電位設定ユニットの別の形態を説明するための模式図である。 図1における電位設定ユニットの一部にマイクロコントローラを適用した形態を説明するための模式図である。
本願明細書において、水が入れられた水槽や池などを含む水が主体となった環境を水環境と称し、水環境には、生物育成環境水が主体となった環境も含む。
また、本願明細書において有用水圏生物とは、観賞魚や食用魚等を含む人類や地球環境にとって有用な水環境に生息する生物全般と定義する。
以下、本発明の酸素発生装置の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1は、本発明の一実施形態に係る酸素発生装置を説明するための模式図である。
本実施形態の酸素発生装置は、水環境2内に、電極手段1aと1bとから成る電極ユニット1(主として電極手段1a、1bから構成される)を浸漬し、電極1aと1bとの間に電位差を持たせることで電極手段1a、1b間に電流を流し水環境2内の水(HO)を電気分解して水環境2内に酸素(O)を微細気泡の状態の水中への溶解が容易な形態で発生させることにより、水環境2に対して酸素を溶解させることができる酸素溶解効率に優れた新しい酸素供給手法を用い、電極手段1a、1b間に流れる電流(単位時間当たりの電荷量)等の電気的な調整のみで電極ユニット1から発生する酸素(O)量の制御・調整を容易に実現するものである。
これにより非常に単純な構造、すなわち、電極手段1a、1bと電位設定手段4及び電力供給手段8の基本構成で、水環境2への酸素の発生量や溶解量を適正に保つような酸素供給が実施できるため、有用水圏生物の生息に適した安定的な酸素環境を低コストで実現することができる。
また本発明の酸素発生装置による水の電気分解を応用した酸素供給方法は、以下に示す重要な2つの副次的機能及び作用・効果(生物の育成に有効な生物育成環境水などの生製又は浄化を行う作用・効果)をもたらし、これらも本発明の酸素発生装置をより有用なものとしている。
第一に、水(HO)の電気分解時には、酸素(O)の発生と共に微量のオゾン(O)が発生する。また、塩化物やハロゲンが微量に含まれる水環境では、電気分解時に微量の塩素(Cl)が発生する。
これらは浄化作用のある物質であり、微量であれば比較的大きな有用水圏生物には直接影響を与ることはないが、有害なバクテリアや細菌、アオコなどの藻類に対してはかなりの影響を与え、それらを適度に死滅させ減少させる。
この作用により、有用水圏生物を細菌性の病気などから守り、快適に生息できる状態に水環境を浄化する機能及び効果(浄化作用)を得ることができる。
また、電極ユニット1に流れる電流値を十分に上げて発生酸素量を上昇させれば、それに応じてオゾンや塩素の発生量も増やすことができるため、水環境内の有害なバクテリアや細菌を死滅させ、生活用水に使用できるレベルに水環境を浄化することも可能である。
電流値を更に大きく設定すれば、人類にとって有害な小生物(例えばユスリカの幼虫やボウフラ等の水環境に生息する小生物であり、病原体となる細菌やウイルスを直接的、間接的に運ぶような小生物も含む)を駆除することも可能となる。
第二に、水(HO)の電気分解時には、陽極(高い電位側の電極手段)から発生する酸素(O)と共に、陰極(低い電位側の電極手段)からは水素(H)が発生するため、水環境2内も通常より多くの水素を含む(多くの水素が溶解している)状態、いわゆる水素水の状態となる。
水素水は、生物の体内に取り込むと酸化抑制効果があり、有用水圏生物の老化防止、長寿命化につながる。すなわち、本発明の酸素発生装置による酸素供給方法により、水環境が有用水圏生物に対して快適な生息環境となっていくことを意味し、このことも本発明の酸素発生装置の有用な機能及び作用効果の1つと言って良い。
なお、本発明の酸素発生装置による水環境の浄化作用を利用して生活用水を調製した場合、特に飲み水を水素水化(体内で酸化防止に寄与する)することも同時に期待でき、健康増進に役立つ飲み水とすることができる。
次に、本実施形態の酸素発生装置の電極手段1a、1bから成る電極ユニット1に適切な電位差を設定し必要な電流を流すための基本的な構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態の酸素発生装置は、電極手段1a、1bに対して電位差を設定する電位設定手段として電位設定ユニット4と、電位設定ユニット4の端子Aから電極手段1aへの電位設定信号ライン4a、端子Bから電極手段1bへの電位設定信号ライン4b(いずれも導電性の信号ライン、これらを含み電極接続信号ライン3と定義)を設けている。また、本実施形態の酸素発生装置には、電位設定ユニット4とそれを介して電極ユニット1に必要な電力を供給するための電源供給手段8が設けられている。
図1において、電極手段1aには高い側の電位すなわちプラス(+)電位が掛かりそこからは酸素(O)が、電極手段1bには低い側の電位すなわちマイナス(−)電位が掛かりそこからは水素(H)が発生している状態を示している。つまり、電極手段1aが陽極、電極手段1bが陰極に設定されている状態で、水(HO)の電気分解が行われている様子を示している。
実現手段の詳細については後述するが、本実施形態では必ずしも電極手段1a、1bの極性を固定するものではなく、電極手段1a、1b間の電位差方向を切り換える、すなわち、電極手段1a、1bの正負極性を切り換えることで、電極手段1aが陰極、電極手段1bが陽極となる期間も存在する。
本実施形態では、この電位差の方向(電極の正負極性)切り換えを予め定められた条件で行う電極極性切り換え手段5が設けられている。当該電極極性切り換え手段5が設けられる理由について、以下に説明する。
通常の電気分解においては、電極の極性(陽極=正極+、陰極=負極−)は固定されるのが常であるが、電極の極性を固定すると、陽極には陽極特有の物質が付着し、陰極には陰極特有の物質が付着する。これら導電性阻害物質の付着などにより、電極間のインピーダンス(抵抗値)が徐々に高くなり電流が流れ難くなっていくため、電極ユニット1に必要な電流を流すために設定すべき電位差も徐々に上昇していくこととなり、いずれは可制御性が失われて適切な電流の調整、制御が出来なくなる。
これを解消するためには電極手段1a、1bを洗浄するか又は電極ユニット1を交換する必要がある。特に本実施形態のような水の電気分解では、陽極側に発生する酸素や微量の塩素などのハロゲンやオゾンなどの影響で、電極の酸化や腐食が進行し易く、このことも電極ユニット1そのものの寿命低下に直結する。
上記問題を解決するため、本実施形態では、電極手段1a、1b間の電位差の方向を切り換える電極極性切り換え手段5を設けることにより、例えば、電極手段1aが陽極(高い側の電位)に設定されている期間に付着した陽極特有の物質は、電位差方向の切り換えにより、電極手段1aが陰極(低い側の電位)に設定されている期間には電極から離れようとし、代わりに陰極特有の物質が付着しようとする現象が発生する。
このような現象の発生は、電極を洗浄する効果(洗浄効果)をもたらし、別途の電極洗浄操作を不要にする。電極手段1bについても同様である。
また、2つの電極の正負極性を交互に切り換える電極極性切り換え制御により、従来の水の電気分解では1つの電極(正極性側=陽極側)に集中していた酸化による酸化皮膜の進行や塩素による腐食の進行などの電極損傷によって発生する電極インピーダンス上昇の問題を半減させる効果も同時に得られ、電極ユニット1の長寿命化が実現できる。
更に、電極極性切り換え制御と、後述する電極手段1a、1b間の電流を目標値に調整制御する電極電流制御とを組み合わせた方式の電極インピーダンス制御を行うことは、適正な電極手段の状態を維持するのに非常に有効である。
すなわち、電極のインピーダンスが上昇したとしても、電極電流制御によって電極間の電流値が一方的に低下することなく(電極間の設定電位差が大きくなるように自動制御されるので、インピーダンスの上昇に逆比例して電流値が低下していくことはない)、電極間に常時適正な値の電流を流し続けることができるので、電極極性切り換え制御と組み合わせたときの電極の洗浄効果をより長期間持続させることができ、電極インピーダンスの上昇を小さく抑えて長期間良好な状態に電極を保つことが可能となる。
なお、本発明の実施形態における電極インピーダンス制御とは、主として電極インピーダンス(電極ユニット1への電位差設定信号ライン4a、4b間のインピーダンスや抵抗又は電極手段1a、1b間のインピーダンスや抵抗を指し、本発明の実施形態では電極極性切り換え時の過渡応答期間以外の電極間電圧はほぼ直流とみなせるので、電極間の抵抗として扱う場合も多い)を低下させる制御、電極インピーダンスを低く保つ制御、又は電極インピーダンスの上昇を小さく抑える制御などを指す。
既に述べたように、電極には、導電性を阻害する物質の付着や、酸化・腐食による電極自体の劣化などの問題が発生するが、これらの電極寿命に関わる問題は何れも電極インピーダンスを上昇させる方向に電極特性を変化させる。
従って、電極インピーダンスの状態を直接又は間接的に監視又は管理して、電極インピーダンスの上昇を出来るだけ小さく抑えるような電極インピーダンス制御を実施し、電極の導電性(電極の適正なインピーダンスが維持された状態とも言える)が長期間安定的に保たれるように電極インピーダンスを管理していくことが重要であり、電極の長寿命化に直結していると言える。
電位設定手段の主たる構成である電位設定ユニット4の内部構成としては、種々の構成を用いることができるが、図1には、電位設定ユニット4の最も単純な構成例の1つを示した。
本実形態では、電位設定ユニット4内には、電極極性切り換え手段5と出力電位制御手段6を備え、出力電位制御手段6からの電位設定用電力出力ライン6a、6bを、電極極性切り換え手段5を介して電極手段1aへの電位設定信号ライン4a及び電極手段1bへの電位設定信号ライン4bへ接続することで、必要な電位差を電極手段1a、1b間に設定する基本構成と成っている。
本実施形態では電位設定用電力出力ライン6a上に電流検出手段7を設けている。電流検出手段7は、例えば、適当な値の抵抗を電位設定用電力出力ライン6aと電極極性切り換え手段5に接続する接続信号ライン6eとの間に接続し、その抵抗の両端に掛かる電位差をオペアンプ回路などで検出して、その検出電位差に対する適当な倍率の検出帰還電圧値(電極電流の大きさを表す電圧値)として帰還信号ライン6dに出力するような内部構成とする。
出力電位制御手段6は、帰還信号ライン6dの電位(電流検出手段7からの検出帰還電圧値)をフィードバック電圧値FBとしてフィードバック電圧値入力(FB)に得る。
一方、電極手段1a、1b間に設定すべき出力電位差の基準となる電位情報をリファレンス電圧値REF(電極制御において電極手段1a、1b間に設定すべき出力電位差を具体的に指示・指令するための基準電圧値であり、リファレンス電圧値入力(REF)に入力される)として得て、オペアンプ回路6gなどでフィードバック電圧値FBとリファレンス電圧値REFを比較して両者がほぼ同じ値に成るように電位設定用電力出力ライン6aへの出力電位を調整制御することにより、最終的に電極手段1a、1b間に流れる電流を目的の値に調整制御する電極電流制御を実現することができる。
なお、電流検出手段7は、電極手段1a、1b間と同等の電流値の電流パス上(6a、4a、4b、6bの各ライン上や6gの出力段)であればどこに配置しても良い。
図1に示す様に、電位設定用電力出力ライン6aから電極極性切り換え手段5を介して電極手段1a、1bに対して流すべき電流値が幾つかの状況に応じてある程度決まっているような場合は、その状況に応じた幾つかの基準電位値を固定的に用意しておき、スイッチ(SW)6fなどを設けてそれらの基準電圧値を状況に応じ適宜切り換えてリファレンス電圧値REFとして用いてもよい。
スイッチ(SW)6fでリファレンス電圧値REFの値自体を切り換える方法の他に、このリファレンス電圧値REFの値は固定しておき、電流検出手段7内のオペアンプ回路などによる検出電位差に対する倍率を設定する抵抗の値をボリュームなどで可変する方法やスイッチ等で切り換える方法(例えば、倍率を大きくするとそれに逆比例して制御電流値を小さく設定することが可能)を採用してもよい。
更に、より動的な制御として、マイクロコントローラ(MC)及び各種センサを設けることによって、水環境の水温の測定値(水の酸素溶解度は水の温度に依存し、水温が低いほど酸素溶解度は大きい)、或いは酸素量そのものの測定値などの情報をマイクロコントローラ(MC)のアナログ入力に取り込み、加えて生息する有用水圏生物の呼吸量の総和予測などの情報を基にして、マイクロコントローラ(MC)内で水環境2の状態を良好に保つのに必要な酸素発生量を計算し、それに対応して電極手段1a、1b間に流すべき電流値を求め、その目標電流値に対応するリファレンス電圧値REFを逐次マイクロコントローラ(MC)からのアナログ出力(無段階的な目標電流値の指令出力)として与えて目標とする必要な電流を電極手段1a、1b間に流すなどの制御動作のような、より高度な実時間電流制御のプログラムをマイクロコントローラ(MC)上に構築して動作させることも可能である。詳細については、図3に示す電位設定ユニットの一部にマイクロコントローラを適用した形態を説明するための模式図を用いて後述する。
また、本実施形態の酸素発生装置には、電極極性切り換え手段5の切り換え動作を指示する切り換え信号6cを出力するためのタイマー(TM)等の切り換え信号出力手段を設けることができる。例えば、タイマー(TM)は、ある一定の周期で切り換え信号6cに「Hi」と「Lo」のデジタル信号を交互に出力するなどして、電極極性切り換え手段5の切り換え動作タイミングを指示する。
なお、切り換え動作タイミングは一定間隔である必要はなく、例えば、プログラム可能なマイクロコントローラ(MC)などを用い、電極間の電圧や電極に流れる電流などの情報に基づいて電極間のインピーダンス値(抵抗値)を計測し、その値が基準値を超えたら切り換え信号6cの「Hi」と「Lo」とを切り換えて、電極極性切り換え手段5に切り換え動作タイミングを指示するなどの動作プログラムを設定して、タイマー(TM)の機能に代替しても良い。このような電極極性切り換え制御にマイクロコントローラ(MC)を適用した実施形態は、図3に示す電位設定ユニットの模式図を用いて後述する。
以上、電位設定手段の電位設定ユニット4における機能の1つとして、電極の電流制御を例に説明したが、図1に示した電流検出手段7の代りに、電位設定用電力出力ライン6a、6b間或いは電極手段1a、1b間(=電位設定信号ライン4a、4b間)の電位差を検出し、その検出電位差に対する適当な倍率の電圧値として帰還信号ライン6dに出力するような電圧検出手段を構成することによっても、電極の電圧制御が可能である。
これら2種の電極制御のうち、基本的には電極の電流制御が酸素(O)の発生量を適切に調整、制御するのに適している。
なお、電極ユニット1を複数同時に制御する場合、共通の目標値に制御するのであれば電極以外の構成は同じでよく、電極の電流制御においては複数の電極ユニット1の直列接続が、電圧制御においては複数の電極ユニット1の並列接続が可能である。複数の電極ユニットで構成する酸素発生装置は、複数の水槽や複数箇所での酸素発生が必要となる場合に有用である。
電位設定手段の重要な構成要素の1つである電極極性切り換え手段5は、例えば2つのソース信号から1つを選択するようなリレー回路や、アナログスイッチやトランジスタスイッチ(FETスイッチも含む)などの半導体スイッチを2組で構成する。
そして、1組は接続信号ライン6eと電位設定用電力出力ライン6bからの信号をソース信号としてその選択信号を電位設定信号ライン4aに接続し、別の1組は、電位設定用電力出力ライン6bと接続信号ライン6eからの信号をソース信号としてその選択信号を電位設定信号ライン4bに接続する。
そして例えば、切り換え信号6cが「Lo」の場合、電位設定信号ライン4aへのスイッチは接続信号ライン6e側が、電位設定信号ライン4bへのスイッチは電位設定用電力出力ライン6b側がそれぞれ選択されるようにし、切り換え信号6cが「Hi」の場合はその逆の選択となるように設計しておけばよい。
なお、図1において、電位設定用電力出力ライン6aには、その出力を行うオペアンプ回路6gなどに供給される電源供給手段8の電源ライン8a、8bからの電力が、プラス(+)側の電位設定電力として間接的に出力されるが、電位設定用電力出力ライン6bには、電力供給手段8からのマイナス(−)側である電源ライン8bをそのまま接続し、マイナス(−)側の電位設定電力として出力とする構成を採っている。
本実施形態の電力供給手段8は、一般の家庭用電灯線などからの主電源電力(AC−DC変換アダプタを介して供給しても良い)を基本に、バックアップ電池又は充電可能蓄電池電力、太陽電池等の自然エネルギー電力などを供給する手段を用意し、電源調整ユニット9よってこれら複数の電源電力を適宜組み合わせることにより、特に主電源12の電力が失われた場合(停電やアダプタ故障など)にも、電位設定ユニット4に対し電力が供給できるよう構成している。
例えば、主電源12が有効な場合は、電源ライン12aからの電力に電源調整ユニット9によって昇圧等々の適切な調整を施して電源ライン8a、8bに供給すると共に、その電力の一部を用い電源ライン10a、10bを介して蓄電池ユニット10内の蓄電池を十分な状態に充電するようにしておく。
もし、主電源12からの電力が何らかの理由で失われた場合は、主電源12の代わりに蓄電池ユニット10側から電源ライン10a、10bを介して電力が供給され、その電力に電源調整ユニット9よって昇圧等の適切な調整を施して電位設定ユニット4への電源ライン8a、8bに電力を供給する。
また、野外や屋外で使用する場合には、主電源12が確保できない場合も多く、太陽電池ユニット11などの自然エネルギー電力が重要となる。日中など、太陽電池ユニット11からの電力が十分供給される場合は電源ライン11a、11bを介して電力が供給されるようにし、その電力に電源調整ユニット9によって昇圧等の適切な調整を施して電源ライン8a、8bに供給すると共に、その電力の一部を用いて、電源ライン10a、10bを介して蓄電池ユニット10内の蓄電池を十分な状態に充電するようにしておく。
また、例に挙げた3つの電源電力のうち、実効的に最も高い出力電位を有した電源を最優先電源として利用するように、ダイオードなどの半導体を用いて電力供給パスを電源調整ユニット9内で構成すると回路を単純化することができる。
なお、蓄電池ユニット10の充電に関しては、蓄電池ユニットの出力電位より高い出力電位を有する他電源が存在する場合にのみ、主電源12か又は太陽電池ユニット11の何れか又は両方から電源ライン10a、10bを介して充電電流が蓄電池ユニット10側に流れるように電源調整ユニット9内に回路パスを構成しておけば良い。
以上、図1を参照して基本的な実施形態を説明したが、特に電位設定手段である電位設定ユニット4については幾つかの好ましい内部構成が可能である。
以下、図1〜3を参照して、電位設定ユニット4に関する幾つかの実施形態を説明する。
図1に示した構成の電位設定ユニット4の電流検出手段7を定電流ダイオードなどの定電流素子に変更(定電流ダイオードのアノードを電位設定用電力出力ライン6a側にカソードを接続信号ライン6e側に接続)し、電流検出手段7からの検出帰還電圧値をフィードバック電圧値FBとしてフィードバック電圧値入力(FB)に接続する帰還信号ライン6dは除去する。すなわち、定電流素子を用いて常時ほぼ固定の電流値(精度は高くない)が電極手段1a、1b間に流れる(本例では同じ電流パス上のライン6a、4a、4b、6bと、6gの出力段には同じ大きさの電流が流れるので、これらの電流パス上に定電流素子を挿入することも可能)ことになる。
なお、定電流素子とは、素子を通過する電流がほぼ一定となるように素子内の抵抗値(素子を通過する電流パスの抵抗値)を変化させる機能を有した素子全般と定義する。このような定電流素子は内部に、通過する電流の検出、その電流値と設定された目標の電流値を比較して両者がほぼ同じになる様に抵抗値(場合によってはインピーダンス値)を調整制御するフィードバック電流制御機能を内蔵しているとみなすことができ、その結果、素子を通過する電流値がほぼ一定に制御されているように外部からは観測される。
図1に示す本実施形態の電位設定ユニット4において、電流検出手段7をこのような定電流素子を用いて置換すれば、電位設定用電力出力ライン6a上の電流値がほぼ一定に制御され、電位設定用電力出力ライン6e、6b間に制御目標達成のために必要な電位差が生じ、その結果、電極手段1a、1b間にもほぼ電極電流制御の目標とする電位差が設定される。
このように、電極ユニット1に流すべき電流値がいつもほぼ一定の場合は、定電流素子のような自己完結型の電流制御デバイスを用いることにより、オペアンプやマイクロコントローラ(MC)などを用いた外部回路によるフィードバック制御構成の無い電極電流制御も可能となる。
ほぼ一定に制御すべき電流値が幾つかに固定されている場合でも、定電流ダイオードなどの定電流素子を並列に幾つか並べ、有効な制御電流値の素子をスイッチなどで切り換えたり並列に組み合わせたりして必要な複数種の合成制御電流値を得る方法もあり、同様にフィードバック制御の無い電極電流制御も可能である。
この方式では、フィードバック制御が必要なくなるので出力電位制御手段6の制御機能を実現しているオペアンプ回路6gも除去でき、電力供給手段8からのプラス側の電源ライン8aを電位設定用電力出力ライン6aに直接的に出力する単純構成としても良い(なお、電位設定用電力出力ライン6bへは電力供給手段8からのマイナス側の電源ライン8bを接続する)。
したがって、出力電位制御手段6内は、タイマー(TM)等の切り換え信号出力手段と、電力供給手段8から電極極性切り換え手段5へ至る電力供給用ライン(最終的には電極ユニットへの電力供給を行う)の接続のみの構成とすることもできる。
ここでは分かり易いように、電流検出手段7を定電流ダイオードなどの定電流半導体素子に置き換えて説明したが、定電流ダイオードを挿入できる場所は電極手段1a、1b間に流れる電流と同じ大きさの電流パス上、すなわち、ライン6a、4a、4b、6b上と、出力電位制御手段6内のライン6aから8aに到るパス上及びライン6bから8bに到るパス上の何れにも配置可能である。
図1の構造を基本としたとき、本来、図1における出力電位制御手段6内のオペアンプ回路6gを定電流ダイオード7a等に置き換えるイメージであり、電源ライン8aと電位設定用電力出力ライン6aとの間に定電流ダイオード7a等を挿入(定電流ダイオードのアノードを電源ライン8a側にカソードを電位設定用電力出力ライン6a側に接続)するのが適切であろう。また本実施形態では、電位設定信号ライン4a、4b上は電極極性切り換えが発生する可能性があり、その場合電流の方向が動的に変化するので、定電流ダイオードなどの極性がある素子を配置するのには工夫が必要となり、配置場所としては不適切と言える。
電位設定ユニット4の別の実施形態として、電極極性切り換え手段5の機能を出力電位制御手段6に取り込んだ例を図2に示す。
この方式では、出力電位制御手段6内に2つのお互いに相対的に働くオペアンプ回路6gと6hを用意する。オペアンプ回路6gは、図1の出力電位制御手段6におけるオペアンプ回路6gの機能と同等の基本機能に加えて、タイマー(TM)等の切り換え信号出力手段からの切り換え信号6cが「Hi」レベルの場合(オペアンプ回路6gのS入力に受ける)に強制的にオペアンプ回路6gの電位設定用電力出力ライン6aをマイナス側の電源ライン8bの電位に固定して、マイナス電位固定ラインとする機能を備える。
一方、オペアンプ回路6hは、図1の出力電位制御手段6におけるオペアンプ回路6gの機能と同等の基本機能に加えて、タイマー(TM)等の切り換え信号出力手段からの切り換え信号6cが「Lo」レベルの場合(オペアンプ回路6hのS入力に受ける)に強制的にオペアンプ回路6hの出力ライン6bをマイナス側の電源ライン8bの電位に固定して、マイナス電位固定ラインとする機能を備える。
また、電流検出手段7aを電位設定用電力出力ライン6a上(4a上や6gの出力段でも可)に、電流検出手段7bを電位設定用電力出力ライン6b上(4a上や6gの出力段でも可)に設け、図1における電流検出手段7と全く同様、検出電位差に対する適当な倍率の検出帰還電圧値を帰還信号7f、7gとしてそれぞれ出力する。
電位設定用電力出力ライン6a、6bは、電流検出手段7a、7bを介してそれぞれ電位設定信号ライン4a、4bに直接的(比較的値の小さな電流検出用抵抗等を介する程度)に接続される。
アナログスイッチなどの帰還信号切り換え手段7cにより、電流検出手段7a、7bからの2つの帰還信号7f、7gの内1つを選択して帰還信号ライン6dに出力する。帰還信号切り換え手段7の選択入力Sには切り換え信号出力手段、タイマー(TM)からの切り換え信号6cを入力し、切り換え信号6cが「Lo」レベルの場合には電流検出手段7aからの帰還信号が選択され、切り換え信号6cが「Hi」レベルの場合には電流検出手段7bからの帰還信号が選択される様に構成しておく。
その他は図1で説明した機能・動作と同等である。
この様な構成により、切り換え信号6cが「Lo」レベルの場合、オペアンプ回路6gと電流検出手段7aが選択されて図1と同じ機能・動作(オペアンプ回路6gなどでフィードバック電圧値FBとリファレンス電圧値REFを比較して両者がほぼ同じ値に成るように電位設定用電力出力ライン6aへの出力電位を調整制御)により電極の電流制御を実現する。この場合の電極電流の方向は、オペアンプ回路6gの出力ライン6a、信号ライン4a、電極手段1a、1b、信号ライン4b、電位設定用電力出力ライン6b(マイナス電位固定ライン=オペアンプ回路6h側の出力)の順となる。
一方、切り換え信号6cが「Hi」レベルの場合、オペアンプ回路6hと電流検出手段7bが選択され、出力ライン6bへの電位設定となる点が図1とは異なるが、基本的には図1と同等の機能・動作(オペアンプ回路6hなどでフィードバック電圧値FBとリファレンス電圧値REFを比較して両者がほぼ同じ値に成るように電位設定用電力出力ライン6bへの出力電位を調整制御)により電極の電流制御を実現する。
この場合の電極電流の方向は、オペアンプ回路6hの出力ライン6b、信号ライン4b、電極手段1b、1a、信号ライン4a、電位設定用電力出力ライン6a(マイナス電位固定ライン=オペアンプ回路6g側の出力)の順となり、切り換え信号6cが「Lo」レベルの場合と比べ流れる電流方向が逆向きに成っている。つまり、切り換え信号6cの「Lo」、「Hi」に応じて電極極性の切り換え制御ができている。
更にダイオードなどの半導体を巧く利用し、切り換え信号6cを選択信号として使用せずに、電極電流の方向から論理的に帰還すべき電流検出手段7a、7bからの帰還信号7f、7gを選択して帰還信号入力であるフィードバック電圧値入力(FB)に与える(帰還信号ライン6dを介して入力)ように構成すれば、帰還信号切り換え手段7cがアナログスイッチ等を用いなくても実現できる。
例えば、2つのスイッチングダイオードを用意し、両者のカソード側は共に帰還信号ライン6dとして帰還信号入力であるフィードバック電圧値入力(FB)に接続し、一方のアノードには電流検出手段7aからの帰還信号7fを接続、他方のアノードには電流検出手段7bからの帰還信号7gを接続する。この場合、帰還信号入力であるフィードバック電圧値入力(FB)は電子回路の基準となる電位(例えばGND電位)に適当な抵抗で接続しておく方が良い。この方式では、電極電流の方向にかかわらず帰還信号ライン6dには電極に流れる電流量の絶対値が現れて帰還信号入力であるフィードバック電圧値入力(FB)に直接使用可能となるため、部品コスト低減等に寄与する。
このように、図2の実施形態に示す電位設定ユニット4の構成・方式により、特別に極性切り換え手段5を設けなくても、切り換え信号出力手段であるタイマー(TM)からの切り換え信号6cの「Lo/Hi」信号(デジタル)に応答して、自動的に電流方向の切り換えを行いながら電極の電流制御が実現できることがわかる。
なお電極の電圧制御を行う場合は、電流検出手段7aに対応して電極手段1a、1b間の電位差を検出する電圧検出手段を設け、また、電流検出手段7bに対応してその逆方向の電位差(電極手段1b、1a間の電位差)を検出する電圧検出手段を設けて、図2における電流検出手段7a、7bをそれぞれ対応する電圧検出手段で置換すれば容易に実現することができる。
本方式では制御のための動作そのものはやや複雑化しているが、比較的コストの掛かる電極極性切り換え手段5のリレーや半導体スイッチを除去でき、殆どが1チップIC化された安価な多素子オペアンプ(本実施形態では4素子あれば良い)のみで構成できるので、コスト低減や省電力化の点で優れていると言える。
図1の説明でも述べたように、幾つかのほぼ固定した電流値(精度は高くない)で電極制御する場合には、定電流ダイオード等の定電流素子を用いた単純な方式を図2の構成でも採用することができる。
この方式を図2の構成に当てはめた場合の実施形態について簡単に説明する。
先ず、電流検出手段7a、7bを定電流ダイオード7a、7bに置き換える(何れも定電流ダイオードのカソード側を電位設定信号ライン4a、4bに接続する)と共に、オペアンプ回路6g、6hは単純なプラス/マイナス出力電位選択切り換え回路6g、6hに置き換える(FETスイッチで構成するか、オペアンプ回路6g、6hを流用・改造するなどして簡単に置き換え可能である)。
なお、定電流ダイオード7a、7bには、それらと反対極性の向きにそれぞれ並列させて、マイナス電位へのプルダウンパス用スイッチングダイオード7d、7eを追加接続する。
プラス/マイナス出力電位選択切り換え回路6g、6hは、切り換え信号6cが「Lo」レベルの場合(6g、6hの選択入力Sに6cを接続)、プラス/マイナス出力電位選択切り換え回路6gの電位設定用出力ライン6aには電源ライン8a由来のプラス電位が、プラス/マイナス出力電位選択切り換え回路6hの電位設定用出力ライン6bには電源ライン8b由来のマイナス電位がそれぞれ出力され、一方、切り換え信号6cが「Hi」レベルの場合、反対の電位が電位設定用出力ライン6a、6bにそれぞれ出力されるようにプラス/マイナス出力電位選択切り換え回路6g、6hを構成することで、切り換え信号6cに応答して電極極性の切り換えが自動的に実施可能となる。
帰還回路が無くなるので、帰還信号切り換え手段7cも除去可能となり、更なる低消費電力化が実現できるため、蓄電池などによるバックアップ等もより長時間可能となる。
また、図1に本方式を適用した場合と同様、定電流ダイオードを並列に幾つか並べ、有効な制御電流値の素子をスイッチなどで切り換えたり並列に組み合わせたりして必要な複数種の合成制御電流値を設定することもできる。
次に、図1の電位設定手段の構造にマイクロコントローラ(MC)6iを追加して、切り換え信号6cのきめ細かな切り換え制御と電極の制御目標となる基準電圧(アナログ)を無段階的にリファレンス電圧値入力(REF)に設定する操作とを動的に行うことができる電位設定ユニット4の実施形態を図3に示しておく。
なお、図3に示す実施形態においても、電極極性切り換え手段5、出力電位制御手段6、電流検出手段7、各構成要素の内部構成及び機能と互いの連携動作については基本的に図1の例で説明したとおりである。
図3に示した電位設定ユニット4では、図1の例では出力電位制御手段6の機能として備えていたタイマー(TM)による電極電位の切り換え信号6cの生成機能及びスイッチ(SW)6fで段階的に設定していたリファレンス電圧値REFの設定機能の2種を切り離して、マイクロコントローラ(MC)6iの機能に置換(プログラムの機能やパラメータとしてマイクロコントローラ6i内に取り込む)し、マイクロコントローラ(MC)6iの機能として切り離して備え、マイクロコントローラ(MC)6iによるプログラム設定動作よって更に高度な実時間での電極制御が可能となる。
図3の電位設定ユニット4を用いた高度な電極制御の実施形態としては、マイクロコントローラ(MC)6i内にプログラムを準備(内蔵)することにより、以下のような機能の実現が考えられる。
例えばマイクロコントローラ(MC)6iに具備された外部情報入力機能であるアナログ入力AI1、AI2、AI3とアナログ入出力AIOを用いて、AI1に水環境2の水温情報を、AI2に水環境2内の酸素量情報を、AI3に電極手段1a、1b間(4a、4b間の電位差でもよい)の電位差情報を、必要ならAIOに電流検出手段7からの検出帰還電圧値(電極電流の大きさを表す電圧値)の情報をそれぞれ取り込むように構成する。
そして、水温情報と酸素量情報からその水環境2に生息する生物の呼吸も含めた水環境2の酸素溶解度を推定して、それを考慮した適切な酸素発生量となるように必要な電極電流を求めてそれに対応する基準電圧値(マイクロコントローラ(MC)6iからのアナログ情報であり、リファレンス電圧値REFに相当する)をアナログ信号ライン6jに出力しリファレンス電圧入力(REF)に入力する制御プログラムを構築して動作させれば、水環境2に適した酸素発生量に常時保つような実時間制御を実施することができる。
更に加えて、電極電流の大きさと電極間電圧値の情報から電極ユニット1のおよその電極インピーダンスを推定し、その情報と水環境2に関する様々な情報などから電極手段1a、1bの酸化、腐食及び化合物のゴミや汚れ等々の状態を推測することによって電極極性切り換え制御の周期や電極のインピーダンス調整に必要な電極電流などを常時調整するような制御機能(予測制御の1種)をプログラムに備えれば、電極の寿命管理を含めた更に効果的かつ高機能な電極電流制御及びインピーダンス制御を実施することができる。
これにより、実時間で常時、水環境2に適した酸素量のきめ細かな発生制御と、電極ユニット1の寿命管理につながる電極のインピーダンス管理が実現でき、長時間安定的に動作する酸素発生装置が提供できる。
既に述べたように、図1〜図3に示す実施形態において、電極極性切り換え制御と電極手段1a、1b間の電流を目標の値に調整制御する電極電流制御とを組み合わせることによる電極インピーダンス制御は非常に有効である。
従来の電気分解で用いられている電流制御の無い定電圧設定方式では、電極極性切り換え制御を実施したとしても、電極インピーダンスを長い期間低く抑える効果は得られるものの、更に長時間電極を使用し続けていくと、いずれは徐々に電極間のインピーダンスが大きくなり、それに応じて電極間に流れる電流値も小さくなっていくため、インピーダンスの上昇と電極電流の低下(電極間に電流がほとんど流れないと電極極性の切り換えを実施しても電極の洗浄効果は得られ難く、不導体物質による電極の導電性阻害が進み、更にインピーダンスが上昇する)が相乗して電極の洗浄効果もいずれは急速に低下していくことになる。
一方、本発明の電極電流制御を組み合わせると、電極間のインピーダンスが徐々に大きくなっても、制御されたより大きな電位差が電極手段1a、1b間に設定され、電極手段1a、1b間に流れる電流値を常に適正に保つことや調整することが可能となるため、電極間の電流がインピーダンスの上昇に逆比例して一方的に低下することは無い。つまり、電極の洗浄効果が急速に低下していくこともなく、電極極性切り換え制御に電極電流制御を組み合わせることによって、非常に効果的な電極のインピーダンス制御が実現できることが分かる。
また、更に進んだ方式として、電極極性を切り換えた直後のタイミングだけ暫く余分に電流を流す(一時的に大きな電位差を電極手段1a、1b間に設定する)と言ったような高度な電極電流制御を組み合わせると、より積極的な電極の洗浄効果を得ることもできる。
前述したように、図3に示したようなマイクロコントローラ(MC)6iを備えた電位設定ユニット4の実施形態では、適正な電極間インピーダンスの制御や管理が可能となるように、電極間の直接的なインピーダンス情報や、様々な二次的情報(水環境に関する情報、電極極性切り換え情報、インピーダンスや通電総量及び経過時間等を変数としたデータベース情報など)から推測した関連情報に基付いて、電極極性を適宜切り換えながら必要な電極電流を設定する機能を有する、フィードバック型(制御情報帰還型)、或いはフィードフォワード型(制御情報予測型)のインピーダンス制御を実施する電極インピーダンス制御手段を、マイクロコントローラ(MC)6i内に制御プログラムとして具備することができる。
これにより、電極極性切り換えによる電極の自己洗浄機能を最大限に高め、電極間のインピーダンス値を長期間適正な範囲で十分低く維持・管理するための高度なインピーダンス制御及び管理、すなわち、酸化や導電性阻害物質付着等による電極の高インピーダンス化などの電極性能低下を抑制する制御(電極インピーダンスの上昇を抑え低く保つ制御)及び電極状態(電極の性能、劣化状態や寿命)の管理が常時可能となり、電極を長期間有効な状態(導電性が確保された状態)に保つ電極の長寿命化が実現できる。
なお、図1及び図2に示した最も基本的な電位設定ユニット4の実施形態(MC6iを具備しない形態)においても、電極極性切り換え機能と電極電流制御機能(この場合は酸素発生量を目的の値に制御するための機能)とが並列的に動作するため、電極極性切り換えによる電極洗浄効果は、固定電圧印加型の従来電極方式を用いる場合と比較して良好に保たれていると言える。
すなわち、電極のインピーダンスが上昇して電極に電流が流れ難くなっても、酸素発生量を適正に保とうとする電極電流制御によって電極手段1a、1b間の設定電圧が上昇し、電極間には常時ある程度の電流量が確保される様に電流制御が働くため、電極間電流の極端な減少によって電極洗浄効果が極端に低下してしまう可能性は従来の電位設定方式を採用した場合に比べてかなり小さく、長期間に亘って電極インピーダンスの上昇率を小さく抑え電極を有効に保つ作用及び効果が期待できる。
但し、図3の実施形態の電位設定ユニット4のようなマイクロコントローラ(MC)6iによる高度な電極インピーダンス制御手段は備えていないため、本格的な電極インピーダンス制御による厳格な電極状態や電極寿命の管理などは期待出来ない。
しかし、図1及び図2に示した最も基本的な実施形態は、装置の構造が簡素であり消費電力も非常に少なくできるので、低コスト化が必須な量産向けや、主電源が安定しない(主電源が電池や蓄電池、或は二次電池によるバックアップが必要な太陽電池など)屋外や野外用途向けなどの酸素発生装置としては、総合的な機能及び性能の観点からみて従来装置に比べ大変有利であると言える。
図1〜図3の実施形態において、電極ユニット1のインピーダンスを低く保つための別のインピーダンス制御手段として、電極ユニット1に振動を与えることができる防水型の小型振動モーターなどの振動手段を電極ユニット1に設け(電極ユニットに十分な振動が伝達できれば振動手段を間接的に設置しても良い)、電極手段1a、1b間の電位差情報やインピーダンス情報に応じて適宜(電位差やインピーダンスが想定より大きくなった場合など)、又は定期的に振動動作させることにより、電極手段1a、1bに付着した化合物のゴミや気泡などの導電性阻害物質を除去し電極の導電性を高める手法が考えられる。
例えば図3に示す実施形態においては、電極極性切り換え周期の数倍の周期又は電極インピーダンス値がある基準以上に大きくなった場合など、或いはこれらの条件の組み合わせなどで判断し、条件が成立時にマイクロコントローラ(MC)6iのデジタル出力DOから駆動スイッチ信号を出力して電極ユニット1に設けた振動手段を駆動するようにマイクロコントローラ(MC)6iのプログラムに追加すれば、本方式の電極のインピーダンス制御が実現できる。
なお、図1及び図2に示す実施形態に本方式の電極インピーダンス制御を適用する場合は、電極極性切り換え周期又はその数倍の周期を振動手段の駆動周期として用いるのが適当であろう。
本方式の電極インピーダンス制御手段(これまでに述べた別のインピーダンス制御と組み合わせても良い)により、電極ユニット1の寿命管理に直結する電極のインピーダンス制御及び管理が更に効果的に実施でき、その結果、電極の更なる長寿命化が実現できるので、より長時間安定的に動作する酸素発生装置が提供できる。
なお、図3に示した電位設定ユニット4に用いたマイクロコントローラ(MC)6iは、図2に示す電位設定ユニット4の実施形態においても適用しても良く、また、これまで例示したマイクロコントローラ(MC)6iに備えることができる各種機能も同様に適用することができる。すなわち、図2に示す電位設定ユニット4内のタイマー(TM)(電極電位の切り換え信号6cの生成機能)とスイッチ(SW)6fの機能(電極制御のためのリファレンス電圧値REFの設定機能)の2つの機能をマイクロコントローラ(MC)6iに置換(6i内プログラムの機能やパラメータとしてマイクロコントローラ(MC)6iに取り込む)し、マイクロコントローラ(MC)6iのプログラムにより電極電位の切り換え信号6cの生成とリファレンス電圧値入力(REF)への基準電位の設定(電極の制御電流や電圧など電極制御の目標値設定)が行えるように構成すればよい。
更に、図2及び図3の電位設定ユニット4において、フィードバック電圧値入力(FB)機能とリファレンス電圧値入力(REF)機能もマイクロコントローラ(MC)6iの内部機能に取り込んで(MCの外部アナログ入力機能などを利用してMC内に取り込んで)、フィードバック電圧値FBがリファレンス電圧値REFとほぼ同じ値になるようにプラス側の制御電位信号とマイナス側の制御電位信号をペアのアナログ信号(この2つの信号間の電位差が電位設定用電力出力ライン6a、6bに出力すべき電位差に比例)としてマイクロコントローラ(MC)6iから直接出力するようなフィードバック制御プログラム(図2、図3の例では電流制御)を追加することもできる。
このとき、マイクロコントローラ(MC)6iから出力する2つの制御電位信号は、それぞれオペアンプ回路6g、6hに入力され、単に適当な電圧倍率で増幅処理(6g、6h機能は基本的に必要な電力を確保するためのアナログバッファと等価であり、この点が図3の例と異なる)された後、オペアンプ回路6g、6hの出力段から電位設定用電力出力ライン6a、6bにそれぞれ出力する構成とする。
このようなマイクロコントローラ(MC)6iへの機能置き換えを行えば、電流検出手段7a、7bとバッファ機能のオペアンプ回路6g、6hが外部に残るのみとなり、リファレンス電圧入力(REF)への信号ライン6jや電極電位の切り換え信号6cもマイクロコントローラ(MC)6i内で閉じる(6i内プログラムの機能やパラメータとして取り込む)ことができ、マイクロコントローラ(MC)6iの外へは出ない構成にできる。
切り換え信号6c相当の機能はマイクロコントローラ(MC)6i内部のプログラムでは制御データの1つとして扱われ、例えば、切り換え信号6c=0のときオペアンプ回路6gにプラス側、6hにマイナス側出力を設定、切り換え信号6c=1のときオペアンプ回路6gにマイナス側、6hにプラス側出力を設定、と言ったように電極極性の切り換えタイミングの指示だけではなく、電極電流の方向切り換え及び出力電位制御そのものをマイクロコントローラ(MC)6iが実行することになる。
以上に述べた本発明の実施形態から、電位設定ユニット4内を低電力のアンプや半導体スイッチで構成すれば、電極ユニット1への電力以外の電力を殆ど消費しなくても済み、また、水の電気分解による酸素供給自体も微電力で効率良く実施できるため、エアポンプや濾過器を用いた従来システムと比べ、非常に省電力かつ効率的な酸素発生装置を提供できる。また、電極極性切り換え制御と電極電流制御との組み合わせ動作により、長期間に亘って電極を有効な状態に保つことができる。ゆえに、主電源が失われた場合のバックアップも容易に実現でき、安定的かつ適正な酸素供給によって常時水環境を良好な状態に保つことが可能である。更に、マイクロコントローラ(MC)6iを用いて制御機能をより動的かつ高機能なものとすれば、実時間で常時、水環境2に適した酸素量のきめ細かな発生制御が可能となるだけでなく、電極ユニット1の寿命管理につながる電極のインピーダンス管理などが同時に実現できるので、より長期間安定的に動作する酸素発生装置が提供できる。
最後に、電極手段1a、1bの材質は、酸化・腐食に強く導電性に優れるものであれば良く、酸化によって不動態の絶縁膜を形成するチタン(Ti)等であっても、導電性の貴金属であり腐食にも強い金(Au)や白金族(Pt、Rhなど)でメッキ処理等を施せば使用することができる。通常、チタンなどをベースに、プラチナやロジウムのメッキ処理を施した電極材などを用いる。
1 電極ユニット
1a、1b 電極手段
2 水環境
3 電極接続信号ライン
4 電位設定ユニット
4a、4b 電位設定信号ライン
5 電極極性切り換え手段
6 出力電位制御手段
6a、6b 電位設定用電力出力ライン
6c 切り換え信号
6d 帰還信号ライン
6e、6j 信号ライン
6f スイッチ(SW)
6g、6h オペアンプ回路(プラス/マイナス出力電位選択切り換え回路)
6i マイクロコントローラ(MC)
7 電流検出手段
7a、7b 電流検出手段(定電流ダイオード)
7c 帰還信号切り換え手段
7d、7e プルダウンパス用スイッチングダイオード
7f、7g 帰還信号
8 電力供給手段
8a、8b 電源ライン
9 電源調整ユニット
10 蓄電池ユニット
11 太陽電池ユニット
12 主電源

Claims (4)

  1. 水が存在する環境に含まれる酸素量を上昇させる又は維持するための酸素発生装置において、
    前記水が存在する環境内の水に浸漬するように設置した少なくとも2つの電極手段と、
    前記電極手段間に電位差を生じさせるための電位設定手段と、
    前記電極手段の極性を切り換えるための電極極性切り換え手段と、
    前記電位設定手段が前記電極手段間に設定する電位差を、前記電極手段への電流値に関する情報を利用して決定する電極電流制御手段と、
    前記電位設定手段に電力を供給するための電力供給手段と、を備え、
    前記電極手段が、前記水が存在する環境の水の一部を電気分解し、前記水が存在する環境の水に含まれる酸素量を上昇させる又は維持することを特徴とする酸素発生装置。
  2. 前記電極極性切り換え手段による前記電極手段の極性切り換え制御と前記電極電流制御手段による前記電極手段間の電流を目標の値に調整する電流制御とを組み合わせて電極のインピーダンス制御を行うために、前記電極手段間のインピーダンスの制御を行う電極インピーダンス制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の酸素発生装置。
  3. 前記電極インピーダンス制御手段は、前記電極手段に振動を伝達可能に設置された振動手段を振動させて、前記電極手段に付着した導電性を阻害する物質を除去することにより電極のインピーダンス制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の酸素発生装置。
  4. 前記電力供給手段は、外部発電電力、電池電力、蓄電池電力、太陽電池電力の群から選ばれる1つ以上の電力を用いて電力供給を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の酸素発生装置
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