JP2017000611A - 遊技機 - Google Patents

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石塚 径太
Keita Ishizuka
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Abstract

【課題】遊技領域に向けて放たれた遊技球が戻り球となって逆流することを回避することが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】発射操作装置36から発射制御装置65に操作ハンドルの操作量に応じた信号が送信された場合に、発射制御装置65にて操作ハンドルの操作量を把握するための操作量読み込み処理が行われる構成である。そして、予め定められている下限操作量と比較することにより、遊技者によって下限操作量以上の操作が行われたか否かについて判定が行われる構成である。当該判定において、下限操作量以上の操作が行われたと判定された場合に、発射操作装置65は球送り装置86に遊技球発射機構34に遊技球を供給するための信号を送信する構成である。【選択図】 図15

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機が知られている。当該パチンコ機では、遊技媒体として遊技球が用いられる。パチンコ機において、前面部に設けられた球受け皿への遊技球の供給及び球受け皿から遊技球の取り出しを遊技者が行うことが可能な構成が知られている。この場合、遊技球は、遊技者の発射操作に基づき遊技領域に向けて発射され、遊技領域を流下し終えた遊技球はパチンコ機の外部に排出される。
また、上記構成以外にも遊技領域から排出された遊技球がパチンコ機外部に排出されることなく球受け皿に返還される循環式のパチンコ機も知られている(例えば特許文献1参照)。さらに、演出用に遊技球を使用し、当該遊技球を循環させる構成も考えられる。当該パチンコ機では、遊技領域に向けて発射された遊技球が遊技領域に到達せずに案内通路を逆流して戻り球となる可能性がある。
特開2012−90850号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技領域に向けて放たれた遊技球が戻り球となって逆流することを回避することが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技領域に向けて放たれた遊技球が戻り球となって逆流することを回避することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、遊技球を遊技領域に到達させるために遊技球の放出を行う放出手段と、
当該放出手段から遊技球が放出される場合には、遊技球が遊技領域に到達する態様で遊技球の放出が行われるようにする特定手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技領域に向けて放たれた遊技球が戻り球となって逆流することを回避することが可能となる。
第1の実施形態におけるパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 前扉を取り除いた状態のパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 (a),(b)貯留空間の断面図である。 (a)球送り装置の構成を説明するための模式図であり、(b)揚送用球送り装置の構成を説明するための模式図である。 (a),(b)操作ハンドルの回動操作量と遊技球発射機構の発射強度の関係を示すグラフである。 (a)皿形成部の平面図であり、(b)皿形成部の縦断面図である。 払出制御装置、発射制御装置、第2電源装置及び各中継基板を取り除いた状態のパチンコ機の背面図である。 (a),(b)シャッタ機構の許容位置と阻止位置を説明するための断面図である。 揚送通路の断面図である。 研磨装置を構成する研磨ベルトの断面図である。 研磨装置の断面図である。 本体ベースの背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 管理側MPUにて実行される球供給用の管理処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される遊技球管理処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)操作ユニットの正面図である。 払出側MPUにて実行される遊技球使用の管理処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される返却管理処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行される遊技球発射処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行される遊技球揚送処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行される研磨制御処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における上流側センサ及び下流側センサの位置を示すための、前扉を除いた状態のパチンコ機の正面図である。 発射制御装置にて実行される遊技球循環処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行される揚送処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行される上流側状態把握処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行される下流側状態把握処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行される貯留球数の管理処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における揚送通路の形状を示すための、前扉を除いた状態のパチンコ機の正面図である。 第4の実施形態における前扉及び遊技球発射機構を除いた状態のパチンコ機の正面図である。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)についての第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の斜視図であり、図2はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、遊技ホールの所謂島設備に外枠11が釘などによって固定される。
遊技機本体12は、本体ベース21と、当該本体ベース21の前方に配置される前扉22とを備えている。遊技機本体12のうち本体ベース21が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、本体ベース21には、前扉22が回動可能に支持されており、外枠11に対して本体ベース21が支持されている側と同一の側を支持側として前方へ回動可能とされている。
遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉22を本体ベース21に開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠23に解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
詳細には、施錠装置及びシリンダ錠23は、本体ベース21に設けられている。シリンダ錠23においてキー孔が形成された面は、前扉22に形成された露出用凹部24を通じてパチンコ機10前面に露出している。また、前扉22には図示しない前側鉤フック部が後方に突出させて設けられており、当該前扉22を閉鎖した状態においては当該前側鉤フック部が上記施錠装置の前側鉤受け部に受けられることにより、当該前扉22が本体ベース21に施錠状態とされる。そして、シリンダ錠23に解錠キーを差し込み所定方向に回動操作することで、前側鉤受け部が解錠方向に変位し、当該前側鉤受け部と前側鉤フック部との係合状態が解除される。これにより、本体ベース21に対する前扉22の施錠状態が解除される。
一方、上記施錠装置には、図示しない後側鉤フック部が後方に突出させて設けられており、本体ベース21を閉鎖した状態においては当該後側鉤フック部が外枠11の後側鉤受け部に受けられることにより、当該本体ベース21が外枠11に施錠状態とされる。そして、シリンダ錠23に解錠キーを差し込み、上記所定方向とは逆方向に回動操作することで、後側鉤フック部が解錠方向に変位し、後側鉤フック部と後側鉤受け部との係合状態が解除される。これにより、外枠11に対する本体ベース21の施錠状態が解除される。
図3は、前扉22を取り除いた状態のパチンコ機10を示す正面図である。図3に示すように、本体ベース21は、合成樹脂により形成された支持ベース体31を備えている。支持ベース体31は、横方向の寸法が外枠11の横方向の寸法と略同一とされており、縦方向の寸法が外枠11において下枠部11aの上面から上枠部11b(図1参照)の上縁までの高さ寸法と略同一とされている。したがって、本体ベース21を外枠11に閉鎖した状態では、外枠11の上枠部11b(図1参照)及び左右の側枠部11c,11d(図1参照)に本体ベース21の背面が前方から重なることとなる。
支持ベース体31には、前後方向に貫通する露出用孔部32が形成されている。露出用孔部32を通じて支持ベース体31の前面側に露出されるようにして、支持ベース体31にはその背面側から遊技盤33が装着されている。ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤33を示す正面図である。
遊技盤33には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には、図4に示すように、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口(第1始動入球部)43、下作動口(第2始動入球部)44、スルーゲート45、可変表示ユニット46、特図表示部47、特図保留表示部47a、普図表示部48、普図保留表示部48a及び第1〜第3賞球報知部56〜58等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口41は4個設けられており、それ以外はそれぞれ1個ずつ設けられている。
各一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44及び各スルーゲート45には1対1で対応させて検知センサ41a,41b,41c,41d,42a,43a,44a,45aが設けられている。これら検知センサ41a〜45aはいずれも遊技盤33の背面側に配設されており、検知結果は後述する主制御装置61に出力される。なお、検知センサ41a〜45aとしては、磁界の変化を検知する電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球B1の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意であり、例えば光学式センサを用いてもよい。
一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44への入球の発生が検知されると、所定数の遊技球B1が賞球として遊技者に付与される。当該賞球個数について具体的には、上作動口43への入球が発生した場合及び下作動口44への入球が発生した場合には3個の賞球が発生し、一般入賞口41への入球が発生した場合には10個の賞球が発生し、可変入賞装置42への入球が発生した場合には15個の賞球が発生する。但し、これら賞球数は任意であり、例えば上作動口43の賞球数よりも下作動口44の賞球数が多いといったように、両作動口43,44の賞球数が相違していてもよい。また、可変入賞装置42の賞球数が他の賞球数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口41の賞球数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口49aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球B1はアウト口49aを通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球B1の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘49b(一部図示略)が植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球B1が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口49aへの遊技球B1の入球と明確に区別するために、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44又はスルーゲート45への遊技球B1の入球を、入賞とも表現する。
可変入賞装置42は、遊技盤33の背面側へと通じる大入賞口42bを備えているとともに、当該大入賞口42bを開閉する開閉扉42cを備えている。開閉扉42cは可変入賞装置42として一体的に設けられた可変入賞駆動部42dに連結されており、当該可変入賞駆動部42dにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球B1が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球B1が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。また、可変入賞装置42には、大入賞口42bを介して入賞した遊技球B1が必ず通過する位置に検知部が存在するようにして大入賞口検知センサ42aが設けられている。大入賞口検知センサ42aによって、可変入賞装置42に入賞した遊技球B1が個別に検知される。
上作動口43及び下作動口44は、図4に示すように、作動口装置としてユニット化されて遊技盤33に設置されている。上作動口43及び下作動口44は共に上向きに開放されている。また、上作動口43が上方となるようにして両作動口43,44は鉛直方向に並んでいる。下作動口44には、左右一対の電動役物44bが設けられている。
電動役物44bは遊技盤33の背面側に搭載された電動役物駆動部44cに連結されており、当該電動役物駆動部44cにより駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。電動役物44bの閉鎖状態では遊技球B1が下作動口44に入賞できず、電動役物44bが開放状態となることで下作動口44への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口44への遊技球B1の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物44bが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物44bを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口44自身の変位により行われる構成としてもよい。
特図表示部47、特図保留表示部47a、普図表示部48、普図保留表示部48a及び第1〜第3賞球報知部56〜58は、表示ユニットとして所定の範囲に集約させて設けられている。当該表示ユニットが設置された領域は、遊技領域の内側の領域であって、表示ユニットの前面よりも前方を遊技球B1が流下しないように遊技球B1の流入規制がされた領域である。そして、表示ユニットの前面に対して、特図表示部47、特図保留表示部47a、普図表示部48、普図保留表示部48a及び第1〜第3賞球報知部56〜58が設けられている。これにより、各種表示部47,47a,48,48a及び第1〜第3賞球報知部56〜58は、遊技領域に設けられているものの、その前方を遊技球B1が流下しないようにされており、パチンコ機10前方からの視認性が確保されている。
なお、特図表示部47、特図保留表示部47a、普図表示部48、普図保留表示部48a及び第1〜第3賞球報知部56〜58の一部又は全部を別ユニットとして設けてもよい。例えば、各種表示部47,47a,48,48aと第1〜第3賞球報知部56〜58とをそれぞれ別ユニットとして設けてもよく、第1賞球報知部56、第2賞球報知部57及び第3賞球報知部58の一部又は全部を別ユニットとして設けてもよい。また、各種表示部47,47a,48,48a及び第1〜第3賞球報知部56〜58の少なくとも一部を、遊技領域の内側の領域であって前方を遊技球B1が流下し得る領域に設けてもよい。また、各種表示部47,47a,48,48a及び第1〜第3賞球報知部56〜58の少なくとも一部を、遊技領域に対して外側に存在する領域に設けてもよい。
特図表示部47では、上作動口43又は下作動口44への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口43への入賞と下作動口44への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域である特図表示部47にて明示される。そして、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、特図表示部47にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、特図表示部47では、抽選結果の種類毎に異なる結果表示がなされるため、遊技ホールの管理者は特図表示部47を確認することにより、抽選結果を目視により簡易的に確認することができる。遊技球B1が上作動口43又は下作動口44に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部47aの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
なお、特図表示部47は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部47にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。また、特図保留表示部47aの機能が後述する図柄表示装置46aの一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
普図表示部48では、スルーゲート45への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート45への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート45への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図表示部48にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に電役開放状態へ移行する。電役開放状態では下作動口44に設けられた電動役物44bが所定の態様で開放状態となる。遊技球B1がスルーゲート45を通過した回数は最大4回まで保留され、普図保留表示部48aの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、普図保留表示部48aの機能が後述する図柄表示装置46aの一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
第1〜第3賞球報知部56〜58は、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44等といった遊技球B1の付与に対応した入球部への遊技球B1の入球が発生したことを報知するための表示部である。本パチンコ機10では、既に説明したとおり、賞球個数の種類として3個、10個及び15個の3種類が存在しているため、これらに1対1で対応させて賞球報知部56〜58も3個設けられている。そして、第1賞球報知部56では、上作動口43又は下作動口44への遊技球B1の入球が発生し3個賞球が発生することが報知され、第2賞球報知部57では、一般入賞口41への遊技球B1の入球が発生し10個賞球が発生することが報知され、第3賞球報知部58では、可変入賞装置42への遊技球B1の入球が発生し15個賞球が発生することが報知される。
可変表示ユニット46には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置46aが設けられているとともに、図柄表示装置46aを囲むようにしてセンターフレーム46bが配設されている。センターフレーム46bは前方に突出させて設けられているため、遊技球B1はセンターフレーム46bの下方に位置する図柄表示装置46aの前面を通過することはできない。遊技球B1はセンターフレーム46bの左側の遊技領域又は右側の遊技領域のいずれかを流下することとなる。図柄表示装置46aは、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置63により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置46aは、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置46aでは、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、特図表示部47において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置46aにおいて変動表示が行われる。
当該変動表示の内容について詳細には、図柄表示装置46aの表示面には複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列には「1」〜「9」のいずれかの数字が付された9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列には「1」〜「9」のいずれかの数字が付された9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列と下図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。表示面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面には、5つの有効ラインが設定されている。
上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて表示面において遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する最有利大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する低確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。また、後述する低入賞高確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせではないが所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、いずれかの作動口43,44への入賞に基づいて、特図表示部47及び図柄表示装置46aにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置46aにおける図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置46aにて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
図3に示すように、支持ベース体31の前面において遊技盤33の左側上部には遊技球発射機構34が設けられており、当該遊技球発射機構34から発射された遊技球B1は遊技領域の上部から下部へと流下する構成となっている。
支持ベース体31の下端側には、下側カバー体35が設けられている。下側カバー体35は、支持ベース体31の下端部から高さ方向の所定範囲に亘って延在させて設けられており、当該高さ方向の範囲では下側カバー体35により支持ベース体31の前面が前方から覆われている。下側カバー体35が設けられた高さ方向の範囲には揚送用遊技球発射機構234の一部が含まれており、この範囲では揚送用遊技球発射機構234が下側カバー体35と支持ベース体31とにより前後に挟まれた空間に存在している。下側カバー体35は、前扉22を開放操作しているか否かに関係なく支持ベース体31側に存在している。つまり、下側カバー体35はパチンコ機10前面を構成している。
下側カバー体35において右側の端部には、パチンコ機10前方に突出させて発射操作装置36が設けられている。発射操作装置36は、前方に突出させて設けられた操作基部36aと、当該操作基部36aに回動可能に支持させて設けられた操作ハンドル36bを備えており、操作ハンドル36bが回動操作されることにより遊技球発射機構34からの遊技球B1の発射強度が調整される。また、発射操作装置36には、操作ハンドル36bが遊技者に触れられていることを検知するためのタッチセンサ36cと、操作ハンドル36bの回動操作量を検知するための可変抵抗器36dと、操作ハンドル36bが遊技者により操作されている状況であっても遊技球B1の発射を停止させるべく操作されるストップスイッチ36eとが設けられている。なお、操作ハンドル36bが初期位置に配置されている状況では、当該操作ハンドル36bによってストップスイッチ36eが自ずとONとなる構成となっている。
遊技者による発射操作に基づき遊技球B1が発射される場合、操作ハンドル36bが触れられていることがタッチセンサ36cにより検知されていること、及びストップスイッチ36eがONとなっていないことの両条件が成立している場合に、可変抵抗器36dを通じて検知されている回動操作量に応じた発射強度で遊技球B1が発射される。
下側カバー体35の中央側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ装置37を前方から覆うとともに当該スピーカ装置37から出力された音のパチンコ機10前方への伝播を可能とするスピーカカバー38が設けられている。なお、スピーカ装置37は、支持ベース体31に設けられている(図14参照)。
支持ベース体31の前面における下側カバー体35よりも上方の領域全体を覆うようにして前扉22が設けられている。前扉22には、図1及び図2に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。ちなみに、図柄表示装置46aの表示面及び特図表示部47などは、パチンコ機10前方から窓パネル52を介して視認可能となっている。
窓部51の周囲には、各種発光部53,54が設けられている。当該各種発光部53,54の一部として異常報知用発光部53が窓部51の上方に設けられている。また、当該異常報知用発光部53の左右両側には、左右一対の演出用発光部54が設けられている。
前扉22における窓部51の下方には、図1に示すように、手前側へ膨出させて皿形成部55が設けられている。皿形成部55は、多数の遊技球B1が貯留可能となるように形成されている。当該皿形成部55の構成については、後に詳細に説明する。
既に説明したとおり、前扉22は、本体ベース21に対して開閉可能に設けられているが、当該本体ベース21の支持ベース体31には、図3に示すように、前扉22が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する開放検知スイッチ39が設けられている。開放検知スイッチ39は、支持ベース体31の前面から出没可能なピンを有しており、本体ベース21に前扉22を閉鎖した状態ではピンが押し込まれて前扉22の閉鎖が検知され、前扉22を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉22の開放が検知されるようになっている。
ちなみに、開放検知スイッチ39は、前扉22が開放状態の場合に後述する主制御装置61にHIレベルの開放検知信号を出力し、前扉22が閉鎖状態の場合に主制御装置61にLOWレベルの開放検知信号を出力するが、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
<遊技球を循環させる構成>
図3に示すように、支持ベース体31の左側上部には遊技球B1を貯留するための貯留空間211が形成されている。また、支持ベース体31の左側上部であり、貯留空間211の下方には遊技球B1を遊技領域に向けて発射するための遊技球発射機構34が配設されている。貯留空間211に貯留されている遊技球B1は球送り装置86を介して遊技球発射機構34に供給される。
図5(a)及び(b)に貯留空間211及び球送り装置86の断面図を示す。図5(a)に示すように、前扉22の裏側に貯留空間形成部材209が存在し、貯留空間形成部材209に囲われた空間として貯留空間211が形成されている。貯留空間211は支持ベース体31を貫通して形成されている。貯留空間211の左側上部には貯留センサ217が設けられている。遊技球B1が貯留空間211に流入し続け、所定の量が蓄積された場合に遊技球B1は貯留センサ217により検知される。貯留センサ217により遊技球B1が検知された場合には、貯留センサ217がOFF状態からON状態となる。これにより、貯留センサ217から後述する発射制御装置65に入力される信号が「0」から「1」に変化する。当該信号の変化を契機として、発射制御装置65から後述する揚送用遊技球発射機構234に揚送停止の契機となる信号が送信される。そして、揚送用遊技球発射機構234による揚送が停止される。つまり、貯留空間211に十分な量の遊技球B1が蓄積された状態となると、貯留空間211への遊技球B1の流入が停止される。
貯留空間211内の遊技球B1が減少した場合には、貯留センサ217がON状態からOFF状態となる。これにより、貯留センサ217から発射制御装置65に入力される信号が「1」から「0」に変化する。当該信号の変化を契機として、発射制御装置65から揚送用遊技球発射機構234に揚送開始の契機となる信号が送信される。そして、揚送用遊技球発射機構234による遊技球B1の揚送が開始される。つまり、貯留空間211内の遊技球が減少すると、貯留空間211への遊技球B1の流入が開始される。
支持ベース体31の裏側であり、貯留空間形成部材209の下には、遊技球発射機構34に遊技球B1を供給するための球送り装置86が配設されている。そして、貯留空間211には貯留空間211内の遊技球B1を球送り装置86に供給するための通路が形成されている。貯留空間211の底部は球送り装置86に通じる出口に向かって下り傾斜となっている。このため、遊技球B1は自重により球送り装置86に通じる出口に向かって転動する。
図5(b)の断面図に示すように、球送り装置86から遊技球発射機構34へ遊技球B1を供給するための発射球供給通路216が形成されている。発射球供給通路216は本体ベース21の裏側から表側に向けて貫通させて形成されている。遊技球B1は発射球供給通路216を経て、球送り装置86から遊技球発射機構34に供給される。球送り装置86から遊技球発射機構34へ遊技球B1を供給するのに要する時間は0.6sec未満である。遊技球発射機構34に供給された遊技球B1は前扉22と支持ベース体31との間の空間に保持され、遊技球発射機構34により遊技領域へ発射される。
球送り装置86は支持ベース体31の左側上部の裏側に配設されている。球送り装置86の上部は通路を介して貯留空間211に接続されているとともに、球送り装置86の下部は通路を介して遊技球発射機構34と接続されている。ここで、図6(a)を参照しながら球送り装置86について説明する。図6(a)は球送り装置86の構成を説明するための模式図である。球送り装置86は、貯留空間211の導入口212から続く球送り通路213と、当該球送り通路213により誘導された遊技球B1を下方から受けて1個ずつ発射用支持体281上に供給するための供給部材214と、球送り通路213からの遊技球B1の受入を許容する受入位置及びその受け入れた遊技球B1を発射用支持体281に供給するための供給位置の間で供給部材214を回動させる球送り駆動部215を備えている。なお、球送り駆動部215は、磁気による吸引を利用して供給部材214を受入位置に配置するとともに、その吸引を解除することで供給部材214を供給位置に配置する駆動部であるが、これに限定されることはなく、例えば回転モータを利用してもよい。
次に、遊技球発射機構34について図3を参照しながら説明する。遊技球発射機構34は、図3に示すように、発射される遊技球B1を支持する発射用支持体281と、発射用支持体281に供給された遊技球B1を遊技領域に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド82と、発射用支持体281上に供給された1個の遊技球B1をソレノイド82による打ち出しを可能とする位置にて保持するための保持部材83を備えている。発射用支持体281は遊技盤33において区画された遊技領域の左側上部であり、ソレノイド82の右側に配置されている。発射用支持体281の右端から遊技領域までの距離は遊技球B1の直径未満であり、発射用支持体281を通過し終えた遊技球B1はすぐに遊技領域内に入る。保持部材83は発射用支持体81のソレノイド82側の端であり、発射用支持体281と遊技球B1の直径よりもひと回り短い距離を置いて対向する位置に配設されている。保持部材83は、発射用支持体81上に供給された1個の遊技球B1を発射用支持体281のソレノイド82側の端に保持する。これにより、ソレノイド82から遊技球B1に対して効率的に力を加えて発射することが可能となる。支持ベース体31には、発射用支持体281上において保持部材83により保持された遊技球B1を検知するための発射球検知センサ84が設けられている。
発射球検知センサ84は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサからなり、保持部材83により遊技球B1が保持されている状況では発射球検知信号としてHIレベルの信号を出力し、保持部材83により遊技球B1が保持されていない状況では発射球検知信号としてLOWレベルの信号を出力する。したがって、発射球検知センサ84によって、発射用支持体281上に遊技球B1が供給されたこと、及びその供給された遊技球B1が発射されたことを特定することが可能となる。
発射用支持体281の長さは遊技球B1の直径の2倍である。また、発射用支持体281は本体ベース21の右斜め上に向かって傾斜している。このため、遊技球B1は真横ではなく、右斜め上に向けて発射される。ソレノイド82の最低発射強度は、発射用支持体281上に存在し、保持部材83に保持されている遊技球B1が発射用支持体281の長さ以上の距離を移動するのに十分な強度である。このため、ソレノイド82から遊技球B1が発射された場合には、その発射強度が最も小さい場合であっても、発射された遊技球B1は発射用支持体281上には残らない。したがって、発射された遊技球B1が傾斜している発射用支持体281上を逆流することはない。
図7(a)及び(b)に操作ハンドル36bの回動操作量と遊技球発射機構34による発射強度の関係を示す。図7(b)は、右下から遊技球B1を発射する従来のパチンコ機10について、操作ハンドル36bの回動操作量と遊技球B1の発射強度の関係である。遊技球B1の発射強度は操作ハンドル36bの回動操作量に比例して増加する。この場合、発射された遊技球B1の行方は大きく3つに分類される。操作ハンドル36bの回動操作量が下限操作量以下である場合(領域Dの場合)には、遊技球B1は遊技球B1を遊技領域に誘導するための誘導レールの先端から飛び出すことができず、誘導レール内で戻り球となり、誘導レールを逆流する。
操作ハンドル36bの回動操作量が下限操作量よりも大きく、左右分岐操作量以下である場合(領域Eの場合)には、遊技球B1は誘導レールの先端から飛び出し、遊技盤33の左側の領域を流下する。また、操作ハンドル36bの回動操作量が左右分岐操作量よりも大きい場合(領域Fの場合)には、遊技球B1は誘導レールの先端から飛び出し、遊技領域の右側の領域を流下する。
図7(a)に、左上から遊技球B1を発射する本実施形態のパチンコ機10について、操作ハンドル36bの回動操作量と遊技球B1の発射強度の関係を示す。遊技球B1の挙動は大きく3つに分類される。操作ハンドル36bの回動操作量が下限操作量以下である場合(領域Aの場合)には、球送り駆動部215が駆動せず、遊技球B1は遊技球発射機構34に供給されない。このため、遊技球B1の発射は行われない。
操作ハンドル36bの回動操作量が下限操作量以上となった場合に、球送り装置86の球送り駆動部215が駆動されて、遊技球B1が供給される。操作ハンドル36bの回動操作量が下限操作量よりも大きく、左右分岐操作量以下である場合(領域Bの場合)には、遊技球B1は発射用支持体281を通過して、センターフレーム46bよりも左側の遊技領域を流下する。また、操作ハンドル36bの回動操作量が左右分岐操作量よりも大きい場合(領域Cの場合)には、遊技球B1は発射用支持体281を通過して、センターフレーム46bよりも右側の遊技領域を流下する。
このように、遊技領域の左上から遊技球B1を発射する本実施形態のパチンコ機10は、遊技球B1の発射に所定量以上の操作量を必要とする。操作量に応じて発射強度を調整することができ、センターフレーム46bの左側の領域と右側の領域を分けて狙うことができる。この点で、本実施形態のパチンコ機10は遊技領域の右下から遊技球B1を発射する従来のパチンコ機10と同様の操作感覚で、遊技領域へ発射する遊技球B1の発射強度を調整することができる。
図4に示すように、遊技盤33には多数の釘49bが稙設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。遊技球発射機構34により発射されて遊技領域に放出された遊技球B1は、釘49bや風車などによって進路を変えながら遊技領域を流下する。
弱い強度から中程度の強度で遊技球発射機構34から発射された遊技球B1は、遊技球B1の発射場所付近に稙設された釘49b又は遊技盤33の中央上部に稙設された釘49bに衝突して進路を左側に変える。この場合、遊技球B1は遊技盤33の左側を流下し、遊技盤33の左側に設けられたスルーゲート45に入賞したり、一般入賞口41に入賞したりする可能性がある。また、遊技球B1は発射場所付近に稙設された釘49bに衝突して進路を左側に変えた後、下流の釘49bや風車により再び進路を変え、遊技領域中央下部に設けられた上作動口43、下作動口44又は可変入賞装置42に入賞する可能性もある。
中程度の強度から強い強度で遊技球発射機構34から発射された遊技球B1は、遊技盤33の中央上部を通過して、遊技盤33の右側領域を流下する。このように、遊技球B1が遊技球発射機構34から発射される強度を調節することにより、左上に遊技球発射機構34が設けられている本実施形態のパチンコ機10においても、遊技者は遊技盤33の左側領域、中央下部領域及び右側領域のいずれをも狙うことができる。
<皿形成部の構成>
遊技領域の下方には、遊技球発射機構34より遊技領域に放出された遊技球B1を回収して貯留するための球皿部71が皿形成部55に形成されている。以下、球皿部71について、図1に加えて図8を参照しながら説明する。図8(a)は皿形成部55の平面図であり、図8(b)は皿形成部55の縦断面図である。なお、図8(a)においては皿形成部55に設けられた皿カバー75を省略している。
遊技領域の下方には、パチンコ機10前方に突出させて皿形成部55が形成されている。また、皿形成部55は横方向に延在させて形成されている。皿形成部55は、有色不透明の合成樹脂により形成されており、皿形成部55の左端部は、前扉22において横方向の中央よりも左端部側に位置しており、皿形成部55の右端部は、前扉22において横方向の中央よりも右端部側に位置している。
皿形成部55には、図8(a)に示すように、横方向に延在させて球皿部71が形成されている。球皿部71は、所定の深さ寸法を有する空間を区画するように形成されているとともに、当該区画された空間を上方に開放させるようにして形成されている。
球皿部71の右端側には、前扉22の背面側に存在する遊技球B1を球皿部71に導出するための導出口72が形成されており、球皿部71の左端側には、球皿部71に存在する遊技球B1を揚送用遊技球発射機構234に導くための導入口73が形成されている。球皿部71の底面は、導出口72側から導入口73側に向けて下り傾斜となるように形成されており、球皿部71に存在する遊技球B1は自重により導入口73に向けて流下することとなる。
球皿部71は、導出口72側が導入口73側よりも幅広、すなわち前後方向の寸法が大きくなるように形成されており、具体的には、導出口72側においては複数(例えば6個)の遊技球B1が幅方向に並ぶことが可能なように形成されている。これにより、球皿部71は、多数の遊技球B1を貯留可能となっており、具体的には少なくとも150個の遊技球B1を貯留可能とするように球皿部71が形成されている。
一方、導入口73から上流側に向けた所定範囲は、遊技球B1を横方向に一列で整列させることが可能な整列領域74として形成されている。この場合、整列領域74の奥側壁部の位置は、当該整列領域74よりも上流側領域における奥側壁部の位置と前後方向において同一の位置となっている。ちなみに、球皿部71において導出口72の前方の領域が最も幅広となった領域であるが、当該幅広領域と整列領域74との間では、球皿部71の前壁部が整列領域74に向かうほど後側となるように傾斜させて形成されている。
皿形成部55には、図8(b)に示すように、球皿部71を上方から覆うように皿カバー75が設けられている。皿カバー75は、板状に形成されており、球皿部71の上端部において当該球皿部71を上方から覆うようにして設けられている。但し、皿カバー75と球皿部71の底面とは、縦方向に複数の遊技球B1分離間されており、皿カバー75が装着された状態であっても球皿部71に多数の遊技球B1、具体的には少なくとも150個の遊技球B1を貯留可能となっている。また、皿カバー75は、球皿部71に貯留されている遊技球B1を外部から目視できないように、有色不透明の合成樹脂により形成されている。
遊技球B1はパチンコ機10内を循環する。つまり、遊技者が操作ハンドル36bを操作している間、球皿部71には遊技盤33を流下した遊技球B1が流入する。また、揚送用遊技球発射機構234による遊技球B1の揚送が行われている場合には、球皿部71から遊技球B1が流出する。したがって、皿カバー75が無色透明である場合には、球皿部71内を移動する遊技球B1が遊技者の目に付く可能性が考えられる。これに対して、皿カバー75を有色不透明とすることにより、遊技者の注目を遊技盤33に集めることができる。
皿カバー75は、球皿部71を上方から覆う領域を有し、上面及び下面が水平又は略水平となるように設けられたカバー本体部75aと、皿形成部55の背面側に存在するフランジ部75bが一体形成されてなる。カバー本体部75aは、球皿部71の形状に合わせて形成されているとともに、球皿部71の外縁形状よりも一回り大きく形成されている。カバー本体部75aは、皿形成部55において球皿部71の奥壁71aを構成する部位から側壁71b及び前壁71cを構成する部位に亘って延在している。
詳細には、奥壁71aには、前後方向に貫通し、カバー本体部75aを挿通可能な挿通用孔部76が形成されている。カバー本体部75aは、皿形成部55の背面側から挿通用孔部76に挿通されていることにより、球皿部71の上方に存在している。また、側壁71b及び前壁71cにおいて挿通用孔部76と同じ高さ位置には、内側に凹ませて嵌合凹部77が形成されている。カバー本体部75aにおいて挿通用孔部76よりも前方に存在する領域の周縁部は、その全体が嵌合凹部77に入り込んでいる。これにより、球皿部71の上面開口部はその全体が皿カバー75により覆われているとともに、球皿部71と皿カバー75との境界では縦方向に対して交差する方向の境界面が生じている。また、嵌合凹部77にカバー本体部75aの周縁部が入り込んだ状態においては、図8(b)に示すように、皿カバー75のフランジ部75bが皿形成部55の背面部に後方から当接することとなる。
嵌合凹部77にカバー本体部75aの周縁部が入り込んだ構成において、当該入り込みが生じている領域では、皿形成部55と皿カバー75とが固定具としてネジ78aを利用して固定されている。当該固定箇所78は、図1に示すように、上記入り込みが生じている領域に沿って、断続的に複数(例えば20個)設けられている。また、皿カバー75のフランジ部75bが皿形成部55の背面部に当接した構成において、当該当接している領域では、皿形成部55と皿カバー75とが固定具としてネジ79を利用して固定されている。当該ネジ止めは、皿形成部55の後方から行われている。
上記構成であることにより、球皿部71は皿カバー75により覆われているとともに皿カバー75の分離が阻止されているため、皿カバー75が設けられた状態においては、球皿部71に貯留されている遊技球B1に触れること、及び球皿部71に遊技球B1を投入することが不可となっている。また、皿形成部55と皿カバー75との境界には、両者の縦方向の重なりが生じていることにより、縦方向に交差する方向の境界面が生じている。これにより、両者の境界を通じて上記遊技球B1に触れようとしてもそれが不可となっている。
一方、カバー本体部75aの固定箇所78について固定解除操作を行うとともに、前扉22を本体ベース21に対して開放操作して皿形成部55の背面側からフランジ部75bの固定箇所について固定解除操作を行うことにより、皿カバー75を取り外すことができる。これにより、球皿部71内において球詰まり等が発生した場合に、当該球詰まりを解消するといったメンテナンスを行うことは可能である。また、皿カバー75を取り外すためには、固定解除操作だけでなく前扉22の開放操作を要するため、当該皿カバー75を不正に取り外す行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、皿形成部55とカバー本体部75aとの固定箇所78を覆うように別のカバー部材を設けることにより、当該固定箇所78が外部に露出しないようにしてもよい。また、皿カバー75と皿形成部55との固定が、皿形成部55の背面側においてのみ行われている構成としてもよい。
<遊技盤に放出された遊技球の回収>
図9は、パチンコ機10の背面図であって、払出制御装置64、発射制御装置65、第2電源装置67及び中継基板68,69を取り除いた状態を示す図である。
遊技球発射機構34により発射されて遊技領域に進入した遊技球B1は、釘49bや風車などによって進路を変えながら遊技領域を流下する。そして、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44又はアウト口49aに入球した遊技球B1は、遊技盤33の背面側に導かれる。
遊技盤33の背面には、図9に示すように、集合通路形成体91が配設されており、当該集合通路形成体91と遊技盤33の背面とを利用して区画形成された集合通路により、遊技盤33の下端部における所定領域に導かれる。この所定領域に導かれた遊技球B1は、支持ベース体31の背面であって遊技盤33の下方に形成された遊技球回収空間101にて回収される。
遊技球回収空間101は、遊技球回収空間形成体102を支持ベース体31の背面に後方から装着することにより形成されている。遊技球回収空間101は、図9に示すように、横方向に延在させて設けられている。この場合、遊技球回収空間101は支持ベース体31の横方向の中央付近から球皿部71の導出口72側に亘って存在しており、当該導出口72側の端部は当該導出口72の全体に対して後方から対向している。上記集合通路に流入した遊技球B1は、遊技球回収空間101の底面を転動して、支持ベース体31を前後に貫通するように形成された連通口104に到達する。
連通口104は、図8に示す球皿部71の導出口72と図9に示す遊技球回収空間101とを連通するように形成されており、その前側領域は、支持ベース体31の前面において周囲の面よりも前方に向けて突出させて形成されている。この前方に向けて突出している前方開口部には、シャッタ機構105が設けられている。
図10にシャッタ機構105周辺の断面図を示す。シャッタ機構105は、前方開口部の遊技球B1の通過を阻止する阻止位置と、遊技球B1の通過を許容し導出口72への遊技球B1の流入を可能とする許容位置とに変換可能に設けられたシャッタ部材106を備えている。図10(a)はシャッタ部材106が許容位置にある場合のシャッタ機構105周辺の断面図である。また、図10(b)はシャッタ部材106が阻止位置にある場合のシャッタ機構105周辺の断面図である。シャッタ部材106は、その下端部を回動軸として、シャッタ支持部107により回動可能に支持されている。前扉22を閉鎖した状態においては、シャッタ部材106が許容位置に配置されることにより、遊技球B1がシャッタ機構105を通過して球皿部71に流入可能となる。一方、前扉22を開放した状態においては、シャッタ部材106が阻止位置に配置されることにより遊技球B1がシャッタ機構105を通過できなくなる。これにより、遊技球回収空間101に遊技球B1が存在している状態で前扉22が開放されたとしても、当該遊技球回収空間101内の遊技球が流出してしまうことが抑制される。
ちなみに、球皿部71の導出口72には、シャッタ機構105は存在しておらず、前扉22が開放された状態であっても導出口72が後方に向けて開放された状態は維持される。これに対して、導出口72は球皿部71においてパチンコ機10の前方に膨出している貯留空間に向けて下り傾斜となっているとともに貯留空間の底面も球皿部71の導入口73に向けて下り傾斜となっているため、球皿部71に貯留されている遊技球B1が前扉22の開放に際して流出してしまわないようになっている。
シャッタ部材106が許容位置に配置されている状況では、連通口104に到達した遊技球B1は導出口72に流入する。導出口72は、既に説明したとおり球皿部71に向けて下り傾斜となっているため、導出口72に到達した遊技球B1は最終的に球皿部71に戻ることとなる。このように遊技球発射機構34により遊技領域に発射された遊技球B1は、遊技球回収空間101を通じて球皿部71に案内される。
<揚送用遊技球発射機構>
図3に示すように、支持ベース体31の下端側には、下側カバー体35が設けられている。下側カバー体35は、支持ベース体31の下端部から高さ方向の所定範囲に亘って延在させて設けられており、当該高さ方向の範囲では下側カバー体35により支持ベース体31の前面が前方から覆われている。下側カバー体35が設けられた高さ方向の範囲には揚送用遊技球発射機構234の一部が含まれており、この範囲では揚送用遊技球発射機構234が下側カバー体35と支持ベース体31とにより前後に挟まれた空間に存在している。下側カバー体35は、前扉22を開放操作しているか否かに関係なく支持ベース体31側に存在している。つまり、下側カバー体35はパチンコ機10前面を構成している。
球皿部71に貯留された遊技球B1は、既に説明した通り整列領域74で整列された後に、導入口73を通じて揚送用遊技球発射機構234側へ導かれる。当該導出先側の構成について、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、揚送用遊技球発射機構234は、本体ベース21における支持ベース体31の前面に設けられている。具体的には、支持ベース体31前面の左側下部に設けられている。揚送用遊技球発射機構234は、遊技盤33に形成された揚送通路221に向けて延びる揚送用発射レール266と、揚送用発射レール266上に供給された遊技球B1を揚送通路221に向けて発射させる電動アクチュエータである揚送用ソレノイド282と、揚送用発射レール266上に供給された1個の遊技球B1を揚送用ソレノイド282による打ち出しを可能とする位置にて保持するための揚送用保持部材283とを備えている。
揚送用遊技球発射機構234は支持ベース体31の左側下部に設けられている。揚送用発射レール266は支持ベース体31の左側下部から右側上方に向けて傾斜させて配設されている。揚送用発射レール266の傾斜角に沿って遊技球B1の発射が行えるように、揚送用ソレノイド282は揚送用発射レール266と同じように、支持ベース体31の左側下部から右側上方に向けて傾斜させて、揚送用発射レール266の下流側の端に配設されている。これにより、揚送用ソレノイド282により発射される遊技球B1は揚送用発射レール266の傾斜に沿って支持ベース体31上を移動する。
揚送用保持部材283は揚送用発射レール266の下流側の端であり、揚送用発射レール266と遊技球B1の直径よりもひと回り短い距離を置いて対向する位置に配設されている。揚送用保持部材283は、揚送用発射レール266上に供給された1個の遊技球B1を揚送用発射レール266の下流側の端に保持する。これにより、揚送用ソレノイド282から遊技球B1に対して効率的に力を加えて発射することが可能となる。
支持ベース体31には、揚送用発射レール266において揚送用保持部材283により保持された遊技球B1を検知するための揚送用発射球検知センサ284が設けられている。揚送用発射球検知センサ284は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサからなり、保持部材83により1個の遊技球B1が保持されていない状態では揚送用発射球検知信号としてLOWレベルの信号を出力する。したがって、揚送用発射球検知センサ284によって、揚送用発射レール266上に遊技球B1が供給されたこと、及びその供給された遊技球B1が発射されたことを特定することが可能となる。
なお、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。また、揚送用発射球検知センサ284は、光学式のセンサに限定されることはなく、他の検知方式のセンサであってもよい。
揚送用発射レール266上には、球皿部71に貯留された遊技球B1が揚送用球送り装置286により1個ずつ供給される。図6(b)に揚送用球送り装置286の断面図を示す。揚送用球送り装置286は、球皿部71の導入口73から続く揚送用球送り通路271と、当該揚送用球送り通路271により誘導された遊技球B1を下方から受けて1個ずつ揚送用発射レール266上に供給するための揚送用供給部材272と、揚送用球送り通路271からの遊技球B1の受入を許容する受入位置及びその受け入れた遊技球B1を揚送用発射レール266に供給するための供給位置の間で揚送用供給部材272を回動させる揚送用球送り駆動部273とを備えている。なお、揚送用球送り駆動部273は、磁気による吸引を利用して揚送用供給部材272を供給位置に配置する駆動部であるが、これに限定されることはなく、例えば回転モータを利用してもよい。
1個の遊技球B1を揚送すべき条件が成立したことを契機として、揚送用球送り装置286により1個の遊技球B1が揚送用発射レール266上に供給される。この供給された遊技球B1は揚送用発射球検知センサ284により検知される。その後、揚送用ソレノイド282が駆動制御されて、揚送用発射レール266上に保持されている1個の遊技球B1が揚送用発射レール266の先にある揚送通路221に向けて発射される。揚送用遊技球発射機構234からの発射強度は一定であり、揚送通路221の先にある貯留空間211に十分届く強さである。
<揚送通路の構成>
図3に示すように、揚送用発射レール266の延長線上には揚送通路221の入口が配置されている。そして、揚送通路221は遊技盤33の左側上部であり、遊技球発射機構34の上方に設けられている貯留空間211に向かって延びている。遊技領域は遊技盤33において、区画部材33a(図4参照)により略楕円形に区画されており、揚送通路221は、当該区画部材33aの右半分よりも右側に湾曲通路として設けられている。つまり、揚送通路221は支持ベース体31の左側下部に位置する揚送用発射レール266と支持ベース体31の左側上部に位置する貯留空間211を、遊技領域の右外側を通って結ぶ通路である。揚送通路221の上流側は遊技領域を区画している区画部材33aに沿って形成されている。ここで、揚送通路221における上流側とは揚送用遊技球発射機構234側を意味するとともに、揚送通路221における下流側とは貯留空間211側を意味する。
遊技領域を区画している区画部材33aに沿って上流部分の内レール221aが設けられているとともに、当該内レール221aと遊技球B1の直径よりもひと回り大きな距離を置いて外側に外レール221bが設けられている。そして、内レール221aと外レール221bによって揚送通路221が構成されている。遊技領域を区画している区画部材33aの近傍に揚送通路221を設けることにより、揚送通路221を遊技盤33の中央寄りに配置して、遊技盤33における遊技領域の面積を大きく確保することができる。揚送通路221の上流側には戻り球となって揚送通路221を逆流する遊技球B1を回収するための戻り球回収孔291が設けられている。また、揚送通路221の下流側は、支持ベース体31の右側上部に向けて急勾配の通路となっており、揚送通路221は支持ベース体31の中央上部右寄りに最も位置の高い頂上領域221eを有する。揚送用遊技球発射機構234から発射された遊技球B1は頂上領域221eに到達することにより、戻り球として揚送通路221を逆流する可能性が大きく減少する。当該頂上領域221eの下流は緩やかな下り傾斜の減速領域221dとなっており、減速した遊技球B1を揚送通路221の出口に導く。
支持ベース体31には、内レール221aと外レール221bによって前方へ開放された溝が形成されている。図11に示すように、前扉22の裏面には内レール221aと外レール221bによって形成される溝の形状に合わせた通路形成部材221gが装着されており、前扉22を閉鎖状態とすることにより、四方を壁で囲われた通路となる。前扉22を開放することにより、内レール221aと外レール221bにより形成される溝が現れる。当該溝は、前方に向けて開放されているため、球詰まりが起きた場合のメンテナンスが容易である。
図3を参照しながら、戻り球回収孔291の構成について説明する。揚送用遊技球発射機構234から発射された遊技球B1は、基本的には、揚送用発射レール266に沿って右上方に向かって進み、揚送通路221を通って貯留空間211に向かって揚送される。しかし、遊技球B1の汚れや揚送通路221の汚れなどが原因となって、揚送用遊技球発射機構234から発射された遊技球B1の勢いが足りずに、揚送通路221を逆流する戻り球となる可能性がある。戻り球が発生した場合、揚送用遊技球発射機構234から発射された遊技球B1が揚送通路221の途中で揚送通路221内を逆流する戻り球に衝突するなどして、遊技球B1の揚送に支障をきたす恐れがある。これに対して、揚送用発射レール266の先端と揚送通路221の入口の間には戻り球回収孔291が設けられており、揚送通路221内で発生した戻り球を回収して球皿部71に戻すことにより、戻り球発生後も遊技球B1の揚送を継続することを可能としている。
具体的には、揚送用発射レール266の先端と揚送通路221の入口の間には戻り球回収孔291として遊技球B1の直径の3倍の隙間が設けられている。遊技球B1が揚送用発射レール266の先端を飛び出す際の速度は、戻り球回収孔291を飛び越えるのに十分な速度である。
一方、戻り球となって自重により揚送通路221に沿って逆流する遊技球B1の速度は、揚送用遊技球発射機構234から発射される遊技球B1の速度よりも遅く、戻り球回収孔291を飛び越えるのに不十分な速度である。図3に示すように、前方に突出させて設けられている戻り球回収カバー291bの内部には戻り球を連通口104に案内する下り傾斜の戻り球回収通路291aが形成されている。戻り球回収孔291に落下した遊技球B1は連通口104に連通している通路に導かれる。戻り球回収孔291にて回収された遊技球B1は、戻り球回収通路291aの底面を自重により下り、連通口104に到達する。連通口104に到達した遊技球B1は、前扉22が閉鎖されていることを条件として、球皿部71に導出される。
頂上領域221eは、遊技球B1を減速させる効果を大きくする目的で、支持ベース体31の中央上部よりもやや右寄りに設けられている。減速領域221dは、支持ベース体31の中央上部の右寄りから左側上部に向けて緩やかに下り方向に傾斜させて設けられている。減速領域221dにおいては、外レール221bの内壁に衝撃を吸収するために、ウレタン等の緩衝材221f(図3参照)が装着されている。減速領域221dにおいて、外レール221bの内壁に装着されている緩衝材221fと内レール221aの距離は遊技球B1の直径よりもひと回り大きくなっている。減速領域221dは緩衝材221fによって徐々に縮径するように形成されている。このため、頂上領域221eを超えた遊技球B1は、減速領域221dに容易に取り込まれる。遊技球B1の速度が大きい場合には、緩衝材221fと接触することにより減速する。
揚送用遊技球発射機構234から発射された遊技球B1は速度をもって揚送通路221内を移動し、頂上領域221eで減速した後、減速領域221dに流入する。減速領域221d内において、緩衝材221fは徐々に厚みを増す構成である。減速領域221dに流入した遊技球B1の速度が大きい場合には、通路壁の緩衝材221fに接触して減速する。緩衝材221fは衝撃を吸収する素材でできているため、緩衝材221fに接触した遊技球B1が跳ね返って揚送通路221を逆流し、戻り球となることはない。
<研磨装置の構成>
図3に示すように、本体ベース21の左側上部であり、遊技球発射機構34の右側上方には遊技球B1の汚れを落とすための研磨装置111が配設されている。遊技球B1の汚れは研磨装置111内で遊技球B1が研磨されることにより除去される。揚送通路221を形成する内レール221aの下流側の端に研磨ベルト311が配設されている。減速領域221dを通過した遊技球B1は減速されている。また、遊技球B1の減速が不十分であり、減速領域221dの下流に配設されている研磨装置111と衝突して跳ね返った場合においても、遊技球B1は研磨装置に向かって下り傾斜であり、緩衝材221fを装着した減速領域221dを通過しなければ揚送通路221を逆流することはない。
研磨装置111は揚送通路221と貯留空間211の間に存在し、揚送されてきた遊技球B1を研磨して貯留空間211に移動させる役割を果たす。研磨ベルト311は環状であり、その内側には2つの回転体312が研磨ベルト311と接触するように設けられている。研磨ベルト311は発泡性ゴムのように摩擦係数の高い素材から成り、内接する2つの回転体312の回転に伴って、2つの回転体312と同方向に回転する。回転体312は磨き用駆動部113(図15参照)に接続されており、磨き用駆動部113が駆動状態となることにより回転する。2つの回転体312及び研磨ベルト311は揚送通路221の端から放出された遊技球B1を揚送通路221の端から遠ざける方向に回転する。
図12に示すように、研磨ベルト311の表面には多数の研磨用溝313が形成されている。当該研磨用溝313の幅は遊技球B1の直径よりもひと回り大きく、深さは遊技球B1の半径と同じである。研磨用溝313は研磨ベルト311の進行方向と平行な方向に刻まれている。したがって、揚送通路221から放出されて研磨ベルト311上に載った遊技球B1は、研磨ベルト311の回転に伴って揚送通路221の下流側の端から遊技球B1を貯留するための貯留空間211へと移動する。
図13に示すように、研磨ベルト311の下流側の上方であり、研磨装置111の天井には、研磨用部材314が固定されている。研磨用部材314の下端から研磨ベルト311の上端までの距離は、上流側で大きく、下流側で小さくなっている。具体的には、研磨用部材314の下端から研磨ベルト311の上端までの距離は、上流側では遊技球B1の半径よりもひと回り大きいとともに、下流側では遊技球B1の半径よりもひと回り小さい。このため、上流から研磨ベルト311により下流へ運ばれる遊技球B1は、徐々に研磨用部材314及び研磨ベルト311と強く接触して弾性変形を伴うこととなる。この際、研磨用溝313に直交するように設けられた研磨用仕切り313aにより、遊技球B1は下流へ進む推進力を得る。研磨ベルト311は一定速度で上流から下流へ移動するため、遊技球B1は研磨用部材314及び研磨ベルト311と強く接触しながら研磨用溝313内で回転し、研磨ベルト311とともに下流へ向かって移動する。このように、研磨用部材314及び研磨ベルト311と強く接触しながら回転することにより、接触面が擦れ、遊技球B1が研磨される。
図3に示すように、本体ベース21の左上部であり、研磨装置111の下流には遊技球B1を貯留するための貯留空間211が形成されている。貯留空間211の左側上部には遊技球B1を検知するための貯留センサ217が設けられている。貯留空間211が遊技球B1で満たされた場合には、貯留センサ217が貯留空間211内の遊技球B1を検知し、遊技球B1の揚送及び研磨が一時的に停止される。これにより、遊技球B1の循環経路内において球詰まり状態となることを回避することができる。
次に、本体ベース21の背面側の構成について、図14を参照しながら説明する。図14は、本体ベース21の背面図である。
図14に示すように、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御装置61と、主制御装置61からの指令に基づき音声の出力制御及び発光制御を行う音声発光制御装置62と、音声発光制御装置62からの指令に基づき図柄表示装置46aの表示制御を行う表示制御装置63と、遊技球B1の貸し出し及び遊技価値の付与に関する制御を行う払出制御装置64と、遊技球B1の発射制御を行う発射制御装置65と、各種制御装置61〜65に電力を供給する第1電源装置66及び第2電源装置67とを備えている。これらのうち、主制御装置61と、音声発光制御装置62と、表示制御装置63と、第1電源装置66とは遊技盤33の背面に搭載されており、遊技盤33を支持ベース体31から取り外した場合にはこれら装置61〜63,66は遊技盤33側に追従することとなる。
一方、払出制御装置64と、発射制御装置65と、第2電源装置67とは支持ベース体31の背面に搭載されており、遊技盤33を支持ベース体31から取り外したとしてもこれら装置64,65,67は支持ベース体31側に残ることとなる。この場合、発射制御装置65と払出制御装置64とは前後に重ねて搭載されており、詳細には、発射制御装置65が支持ベース体31の背面に搭載されており、払出制御装置64がその後方に搭載されている。したがって、払出制御装置64は、主制御装置61や発射制御装置65といった他の制御装置よりもパチンコ機10後側に位置している。
ここで、各種制御装置61〜65及び各電源装置66,67はそれぞれ対応する基板が基板ボックスに収容されてなる。主制御装置61及び払出制御装置64について詳細には、主制御装置61は、図示しない主制御基板を備えており、当該主制御基板が基板ボックス61aに収容されてなる。また、払出制御装置64は、図示しない払出制御基板を備えており、当該払出制御基板が基板ボックス64aに収容されてなる。これら基板ボックス61a,64aは、基板ボックス61a,64aの外部から対応する基板を目視確認可能とするように透明に形成されている。
基板ボックス61a,64aには、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けることが好ましい。痕跡手段としては、基板ボックス61a,64aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス61a,64aを構成する複数のケース体間の境界に接着剤を塗布する構成が考えられる。
支持ベース体31の背面側には、払出制御装置64と、後述する管理ユニット131との電気的な接続を中継するための払出側の中継基板68が設けられている。また、支持ベース体31の背面側には、遊技ホールの商用電源と第1電源装置66とを中継するとともに、当該商用電源と第2電源装置67とを中継する電源側の中継基板69が設けられている。当該電源側の中継基板69には、ON操作及びOFF操作が可能な電源スイッチ69aが設けられている。電源スイッチ69aがON操作されることにより、商用電源から第1電源装置66への電力の供給及び商用電源から第2電源装置67への電力の供給が同時に開始され、電源スイッチ69aがOFF操作されることにより、商用電源から第1電源装置66への電力の供給及び商用電源から第2電源装置67への電力の供給が同時に停止される。
<遊技球B1の貸し出し及び記憶媒体Mの付与に関する構成>
次に、遊技球B1の貸し出し及び記憶媒体Mの付与に関する構成について、図1、図2及び図8(a)を参照しながら説明する。
本パチンコ機10では、遊技者による現金の投入に対して実際の遊技球B1が貸し出されるのではなく、投入された現金に対して使用可能な遊技球B1の数の情報が内部的に記憶され、その記憶された数の範囲で遊技球B1を使用可能な構成となっている。また、遊技球B1の付与に対応した入賞が発生した場合にも、実際の遊技球B1が付与されるのではなく、入賞に対応した遊技球B1の数の情報が内部的に記憶され、その記憶された数の遊技球B1の使用が可能となる。また、その記憶された遊技球B1の数の情報を実際の遊技価値として付与されることを希望する場合には、記憶されている遊技球B1の数の情報が記憶された記憶媒体Mが遊技者に提供される。
上記のような現金の投入、記憶媒体Mの投入、及び記憶媒体Mの提供を行うための装置として、外枠11の側方には図2に示すように、管理ユニット131が設けられている。管理ユニット131の前面側には、現金として紙幣が投入される現金投入口132と、記憶媒体Mが投入される媒体投入口133と、記憶媒体Mが排出される媒体排出口134とが、上からこの順で設けられている。管理ユニット131では、現金投入口132から投入された紙幣を識別する処理、その情報をパチンコ機10に出力する処理、媒体投入口133から投入された記憶媒体Mを識別する処理、その情報をパチンコ機10に出力する処理、パチンコ機10からの遊技球B1の数の情報の書き込み指示に対して当該情報を記憶媒体Mに書き込む処理、当該情報を書き込んだ記憶媒体Mを媒体排出口134から排出する処理などを実行する。
管理ユニット131に現金が投入された場合にその現金の情報を使用可能な遊技球B1の数の情報に変換することを指示するための操作、及び未使用の現金の情報や使用可能な遊技球B1の数の情報を記憶媒体Mとして排出することを指示するための操作は、パチンコ機10に設けられた操作ユニット141に対して行われる。操作ユニット141は、図1及び図8(a)に示すように、皿形成部55に設けられている。詳細には、既に説明したとおり、皿形成部55に形成された球皿部71は、整列領域74において幅寸法が小さくなっており、その分、皿形成部55において球皿部71を区画形成する領域の上面は整列領域74の前方において前後方向の寸法が大きくなっている。この前後方向の寸法が大きくなった領域に、操作ユニット141が設けられている。
操作ユニット141は、図8(a)に示すように、各種操作ボタン142,143として、球供給ボタン142と、全返却ボタン143とが設けられている。また、各種表示部147,148として、度数表示部147と、残数表示部148とが設けられている。
度数表示部147には、投入されて未使用の現金の情報が表示される。例えば、1万円が未使用の場合には「100」が表示され、1千円が未使用の場合には「10」が表示される。残数表示部148には、使用可能な遊技球B1の数の情報が表示される。例えば、使用可能な遊技球B1の数の情報が1万個の場合には「10000」が表示され、1千個の場合には「1000」が表示される。
球供給ボタン142は、度数の情報を使用可能な遊技球B1の数の情報に変換すべく操作される。この場合、一度の球供給ボタン142の操作に対して変換可能な度数情報は所定度数(すなわち所定額の現金)に限られており、具体的には500円分の度数情報が使用可能な遊技球B1の数の情報(例えば125個)に変換される。
全返却ボタン143は、パチンコ機10に記憶されている度数情報及び使用可能な遊技球B1の数の情報を記憶媒体Mとして排出させるべく操作される。
<パチンコ機10の電気的構成>
図15は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置61は、遊技の主たる制御を司る主制御基板151と、第1電源装置66からの電力の供給状況を監視する第1停電監視基板155とを備えている。
主制御基板151には、MPU152が搭載されている。MPU152には、ROM153及びRWM154が内蔵されている。
ROM153は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM153は、MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM154は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM153よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM154は、ROM153内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU152又は主制御基板151には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
MPU152には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU152の入力側には、主制御装置61に設けられた第1停電監視基板155が接続されている。
第1停電監視基板155は、主制御基板151と第1電源装置66とを中継し、さらに第1電源装置66から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、その監視電圧が5ボルト未満となった場合に、第1電源装置66について停電が発生したものとして、MPU152に停電信号を送信する。
第1電源装置66は、遊技ホールの商用電源に接続されており、パチンコ機10において遊技盤33に搭載された電気機器に動作電力を供給するものである。具体的には、第1電源装置66は、主制御装置61、音声発光制御装置62、表示制御装置63、並びに遊技盤33に搭載された各種駆動部42d,44c及び各種表示部47,48に動作電力を供給する。
第1電源装置66には、商用電源から第1電源装置66への動作電力の供給が停止されている状況であっても、RWM154においてデータの記憶保持を可能とするために当該RWM154にバックアップ電力を供給する図示しない電断時用電源部が設けられている。当該電断時用電源部は、コンデンサなどの充電式のものであり、商用電源から第1電源装置66に動作電力が供給されている場合に充電が行われる。電断時用電源部からのバックアップ電力によって、停電中であっても所定期間(例えば1日又は2日)は、RWM154においてデータが記憶保持される。
なお、第1電源装置66が動作電力を供給する対象として、遊技盤33に搭載された電気機器に加えて、前扉22に設けられた各種発光部53,54及び操作ユニット141といった電気機器が含まれている構成としてもよい。
MPU152の入力側には、上記のもの以外にも、各種入賞検知センサ41a〜45aといった各種センサや開放検知スイッチ39が接続されている。各種入賞検知センサ41a〜45aには、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44及びスルーゲート45といった入賞対応入球部に1対1で対応させて設けられた検知センサが含まれており、MPU152において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU152では上作動口43への入賞に基づいて各種抽選が実行されるとともに、下作動口44への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU152の出力側には、音声発光制御装置62が接続されている。音声発光制御装置62には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。音声発光制御装置62は、主制御装置61から受信したコマンドに基づき、各種発光部53,54及びスピーカ装置37を駆動制御するとともに、表示制御装置63にコマンドを送信する。表示制御装置63は、音声発光制御装置62から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置46aの表示面における画像の表示を制御する。
MPU152の出力側には、上記のもの以外にも、可変入賞装置42の開閉扉42cを開閉動作させる可変入賞駆動部42d、下作動口44の電動役物44bを開閉動作させる電動役物駆動部44c、特図表示部47、特図保留表示部47a、普図表示部48、普図保留表示部48a及び第1〜第3賞球報知部56〜58が接続されている。主制御基板151には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU152は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置42の大入賞口42bが開閉されるように、MPU152において可変入賞駆動部42dの駆動制御が実行される。また、電動役物44bのサポート当選となった場合には、電動役物44bが開閉されるように、MPU152において電動役物駆動部44cの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU152において特図表示部47の表示制御が実行される。また、遊技回を開始不可な状況で上作動口43又は下作動口44に遊技球B1が入球した場合及び遊技回が新たに開始された場合には、特図側の保留情報数の表示を増減させるべく特図保留表示部47aの表示制御が実行される。また、電動役物44bを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU152において普図表示部48の表示制御が実行される。また、普図表示部48における変動表示の開始が不可な状況でスルーゲート45に遊技球B1が入球した場合及び普図表示部48における変動表示が新たに開始された場合には、普図側の保留情報数の表示を増減させるべく普図保留表示部48aの表示制御が実行される。また、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44のいずれかに遊技球B1が入球した場合には、賞球が発生することを報知すべく、第1〜第3賞球報知部56〜58のうち対応する報知部の表示制御が実行される。
MPU152の入力側及び出力側の両方には、払出制御装置64が接続されている。払出制御装置64は、遊技球B1の使用及び付与に関する制御を司る払出制御基板161と、第2電源装置67からの電力の供給状況を監視する第2停電監視基板165とを備えている。
払出制御基板161には、MPU162が搭載されている。MPU162には、ROM163及びRWM164が内蔵されている。ROM163は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM163は、MPU162により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM164は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM163よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM164は、ROM163内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU162又は払出制御基板161には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
なお、以下の説明では、主制御基板151のMPU152、ROM153及びRWM154と、払出制御基板161のMPU162、ROM163及びRWM164とを明確に区別するために、前者を主側MPU152、主側ROM153及び主側RWM154と言い、後者を払出側MPU162、払出側ROM163及び払出側RWM164と言う。
払出側MPU162には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。払出側MPU162の入力側には、払出制御装置64に設けられた第2停電監視基板165が接続されている。
第2停電監視基板165は、払出制御基板161と第2電源装置67とを中継し、さらに第2電源装置67から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、その監視電圧が5ボルト未満となった場合に、第2電源装置67について停電が発生したものとして、払出側MPU162に停電信号を送信する。
第2電源装置67は、遊技ホールの商用電源に接続されており、パチンコ機10において遊技盤33以外に搭載された電気機器に動作電力を供給するものである。具体的には、第2電源装置67は、払出制御装置64、発射制御装置65、遊技球発射機構34、球送り装置86、揚送用遊技球発射機構234、揚送用球送り装置286、発射操作装置36、発射球検知センサ84、揚送用発射球検知センサ284、磨き用駆動部113、貯留センサ217、各種発光部53,54、スピーカ装置37及び操作ユニット141に動作電力を供給する。また、第2電源装置67は、パチンコ機10の側方に設けられた管理ユニット131にも動作電力を供給する。
第2電源装置67には、商用電源から第2電源装置67への動作電力の供給が停止されている状況であっても、払出側RWM164及び管理ユニット131のRWM174においてデータの記憶保持を可能とするためにこれらRWM164,174にバックアップ電力を供給する図示しない電断時用電源部が設けられている。当該電断時用電源部は、コンデンサなどの充電式のものであり、商用電源から第2電源装置67に動作電力が供給されている場合に充電が行われる。電断時用電源部からのバックアップ電力によって、停電中であっても所定期間(例えば1日又は2日)は、RWM164,174においてデータが記憶保持される。
なお、上記のように第1電源装置66が動作電力を供給する対象として、遊技盤33に搭載された電気機器に加えて、前扉22に設けられた電気機器を含む場合には、第2電源装置67が動作電力を供給する対象から各種発光部53,54及び操作ユニット141は除外される。
払出側MPU162の入力側には、上記のもの以外にも、発射球検知センサ84及び揚送用発射球検知センサ284が接続されている。払出側MPU162では、発射球検知センサ84の検知結果に基づき発射球の有無を把握するとともに、揚送用発射球検知センサ284の検知結果に基づき揚送される遊技球B1の有無を把握する。
払出側MPU162の出力側には、研磨装置111に設けられた磨き用駆動部113が接続されている。磨き用駆動部113が駆動状態となることにより研磨装置111において球磨き動作が行われる。
払出側MPU162の入力側及び出力側の両方には、主制御装置61以外にも、発射制御装置65、操作ユニット141及び管理ユニット131が接続されている。
発射制御装置65には、遊技球発射機構34と、球送り装置86と、発射操作装置36と、発射球検知センサ84が接続されている。発射制御装置65は、発射操作装置36の操作ハンドル36bが触れられていることがタッチセンサ36cにより検知されており、且つストップスイッチ36eがONとなっていない状況では、払出側MPU162に向けてHIレベルの条件成立信号の送信を継続する。
当該信号の送信が継続されている状況において、遊技用の発射を行うことが可能な状況である場合には、払出側MPU162からHIレベルの発射許可信号の送信が継続される。この場合、発射制御装置65は、球送り装置86→遊技球発射機構34の順で駆動制御を実行し、本体ベース21の左上部に設けられた貯留空間211から1個の遊技球B1を発射用支持体281上に供給するとともにその供給された遊技球B1を遊技領域に向けて発射させる。この際の発射強度は、発射操作装置36の可変抵抗器36dから送信されている信号に応じて決定される。また、HIレベルの発射許可信号の送信が継続されている場合における遊技球B1の発射周期は、所定周期となるように設定されており、具体的には0.6secに1個の遊技球B1が発射されるように設定されている。
発射制御装置65には、揚送用遊技球発射機構234と、揚送用球送り装置286と、揚送用発射球検知センサ284と、貯留センサ217も接続されている。貯留空間211に設けられた貯留センサ217がOFFである場合に、揚送用遊技球発射機構234による遊技球B1の発射が許可される。これは、貯留空間211内の遊技球B1の数が所定量に達しておらず、遊技球B1を受け入れるスペースがあるためである。発射制御装置65は、揚送用球送り装置286→揚送用遊技球発射機構234の順で駆動制御を実行し、球皿部71から1個の遊技球B1を揚送用遊技球発射機構234に供給するとともに、その供給された遊技球B1を揚送通路221に向けて発射させる。この際、発射強度は1個の遊技球B1が研磨装置111に届くのに十分な強度に設定されている。
操作ユニット141は、既に説明したとおり、度数表示部147、残数表示部148、及び各種操作ボタン142,143を備えている。各種操作ボタン142,143の操作有無を示す信号は払出側MPU162に送信される。また、払出側MPU162から送信される信号に基づき、度数表示部147及び残数表示部148の表示制御が実行される。
管理ユニット131は、投入された現金を認識するための制御、投入された記憶媒体Mを認識するための制御、及び記憶媒体Mを排出するための制御を担う管理制御基板171を備えている。
管理制御基板171には、MPU172が搭載されている。MPU172には、ROM173及びRWM174が内蔵されている。ROM173は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM173は、MPU172により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM174は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM173よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM174は、ROM173内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU172又は管理制御基板171には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
なお、以下の説明では、管理制御基板171のMPU172、ROM173及びRWM174を、主制御装置61及び払出制御装置64のものと明確に区別するために、管理側MPU172、管理側ROM173及び管理側RWM174と言う。
管理側MPU172には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。管理側MPU172の入力側には、紙幣用回路175が接続されている。現金投入口132に投入された現金は、紙幣用回路175により識別され、その識別結果が管理側MPU172に送信される。
管理側MPU172の出力側には、各種駆動部176a〜176cが設けられている。現金投入口132に現金が差し込まれた場合には、当該現金投入口132に対応した駆動部176aが駆動制御されることで、その現金が管理ユニット131内に取り込まれる。媒体投入口133に記憶媒体Mが差し込まれた場合には、当該媒体投入口133に対応した駆動部176bが駆動制御されることで、その記憶媒体Mが管理ユニット131内に取り込まれる。記憶媒体Mを排出する場合には、媒体排出口134に対応した駆動部176cが駆動制御されることで、その記憶媒体Mが管理ユニット131から排出される。
管理側MPU172の入力側及び出力側の両方には、払出制御装置64以外にも、媒体用回路177が接続されている。媒体投入口133に投入された記憶媒体Mは、媒体用回路177によりその記憶されている情報が読み取られ、その読み取り結果が管理側MPU172に送信される。記憶媒体Mを排出すべき旨の指示がなされた場合には、管理側MPU172から送信される信号に基づき、媒体用回路177により記憶媒体Mへの情報の書き込み処理が実行される。
<各種抽選を行うための電気的な構成>
次に、主側MPU152にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図16を用いて説明する。
主側MPU152は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部47の表示の設定、図柄表示装置46aの図柄表示の設定、普図表示部48の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図16に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置46aが外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部47及び図柄表示装置46aにおける表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口44の電動役物44bを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、主側RWM154の抽選用カウンタエリア154aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口43又は下作動口44への入賞が発生した場合に保留格納エリア154bに格納される。
保留格納エリア154bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口43又は下作動口44への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口43又は下作動口44への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口43又は下作動口44への遊技球B1の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
実行エリアAEは、特図表示部47の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球B1が上作動口43又は下作動口44に入賞したタイミングで保留格納エリア154bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM153の当否テーブル記憶エリアに当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球B1が上作動口43又は下作動口44に入賞したタイミングで保留格納エリア154bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置42の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口44の電動役物44bにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置42の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置42への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球B1が大入賞口42bに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置42の1回の開放態様が、大入賞口42bが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.8secに設定された短時間態様と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射操作装置36が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球B1が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構34が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球B1の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球B1の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球B1の発射周期と同程度又は若干長い程度の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置42の1回の開放が行われた場合には、大入賞口42bに、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置42の1回の開放が行われた場合には、大入賞口42bへの入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口42bの開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口42bの開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口42bの開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置42への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口44の電動役物44bにおけるサポートモードとしては、遊技領域に同様の態様で遊技球B1の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口44の電動役物44bが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物44bが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物44bの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口44への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口44よりも上作動口43への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口43よりも下作動口44への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口44への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球B1の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート45への入賞に基づき普図表示部48にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部48における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は主側ROM153の振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり結果となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり結果となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球B1が上作動口43又は下作動口44に入賞したタイミングで保留格納エリア154bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置46aにおける表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置46aを備え、可変入賞装置42の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置46aにおける図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置46aの表示面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、主側ROM153のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。つまり、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は、リーチ表示を実行するか否かを決定するために利用される。但し、リーチ表示の種類の決定に際しては、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は利用されない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部47における変動表示時間と、図柄表示装置46aにおける図柄の変動表示時間とを主側MPU152において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、タイマ割込み処理にて更新され、特図表示部47における変動表示の開始時及び図柄表示装置46aによる図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、主側ROM153の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
ここで、上記リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報に基づきリーチ表示を発生させることが決定された場合や、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回であることに起因してリーチ表示を発生させることが決定された場合には、変動種別カウンタCSから取得した数値情報を利用してリーチ表示の種類が決定される。各リーチ表示は、リーチ表示において出現するキャラクタの種類や、リーチ表示が実行される期間などが相違している。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート45に遊技球B1が入賞したタイミングで主側RWM154に設けられた電役保留エリア154cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物44bを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<遊技球管理処理>
次に、遊技球管理処理について説明する。遊技球管理処理の説明に先立ち、管理側MPU172にて実行される球供給用の管理処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS101では、紙幣用回路175からの信号に基づき、管理ユニット131の現金投入口132に紙幣が投入されたか否かを判定する。紙幣が投入された場合には、ステップS102にて、紙幣の判別処理を実行する。紙幣用回路175では、投入された紙幣のサイズを識別可能となっており、1万円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、5千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、2千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、1千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力する。ステップS102の判別処理では、いずれの種類の紙幣投入信号を紙幣用回路175から受信しているのかを判別する。
続くステップS103では、ステップS102の判別結果に対応した度数情報を、管理側ROM173に予め記憶されている度数参照テーブルを参照することにより把握する。具体的には、1万円札である場合には度数情報が「100」であると把握し、5千円札である場合には度数情報が「50」であると把握し、2千円札である場合には度数情報が「20」であると把握し、1千円札である場合には度数情報が「10」であると把握する。
その後、ステップS104では、ステップS103にて把握した結果に対応した度数情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS103にて把握した度数情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU162に向けて出力する。
ステップS101にて否定判定をした場合又はステップS104の処理を実行した後は、ステップS105にて、媒体用回路177からの信号に基づき、管理ユニット131の媒体投入口133に記憶媒体Mが投入されたか否かを判定する。記憶媒体Mは、度数情報と残存球情報とを個別に記憶可能であって同時に記憶可能に構成されている。残存球情報とは、遊技者が使用可能な遊技球B1の数を示す情報のことである。媒体用回路177は、当該記憶媒体Mに記憶された度数情報と残存球情報とを個別に読み出し可能であってそれぞれを認識可能に構成されている。
記憶媒体Mが投入された場合には、ステップS106にて、媒体用回路177からの信号に基づき、記憶媒体Mに度数情報が書き込まれているか否かを判定する。度数情報が書き込まれている場合には、ステップS107にて、その度数情報を読み出し、ステップS108にて、その読み出した度数情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS107にて読み出した度数情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU162に向けて出力する。
ステップS106にて否定判定をした場合又はステップS108の処理を実行した後は、ステップS109にて、媒体用回路177からの信号に基づき、記憶媒体Mに残存球情報が書き込まれているか否かを判定する。残存球情報が書き込まれている場合には、ステップS110にて、その残存球情報を読み出し、ステップS111にて、その読み出した残存球情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS110にて読み出した残存球情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU162に向けて出力する。ステップS109にて否定判定をした場合又はステップS111の処理を実行した後は、本球供給用の管理処理を終了する。
なお、投入された記憶媒体Mに度数情報及び残存球情報の両方が記憶されている場合であっても、度数情報に対応した球供給コマンドと、残存球情報に対応した球供給コマンドとが個別に送信される。
図18は、払出側MPU162にて実行される遊技球管理処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、図19を参照しながら操作ユニット141の度数表示部147及び残数表示部148の表示内容について説明する。図19(a)〜(c)は操作ユニット141の正面図である。
ステップS201では、管理側MPU172から球供給コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、管理側MPU172から送信された球供給コマンドは、払出側RWM164のリングバッファに順次格納され、遊技球管理処理が起動される度に当該リングバッファに格納された球供給コマンドが順次読み出される。したがって、ステップS201ではリングバッファに未処理の球供給コマンドが格納されているか否かを判定する。
球供給コマンドを受信している場合には、ステップS202にて、その球供給コマンドに度数情報が含まれているか否かを判定する。度数情報が含まれている場合には、ステップS203にて、払出側RWM164に設けられた度数情報記憶エリア164aに、今回受信した球供給コマンドに含まれる度数情報が加算されるように当該記憶エリア164aを更新する。続くステップS204では、ステップS203の更新後における度数情報記憶エリア164aの度数情報が操作ユニット141の度数表示部147に表示されるように、当該度数表示部147の表示を更新する。例えば、図19(a)に示すように、残数表示部148に「0」が表示されている状況で、度数表示部147に「50」が表示される。
一方、ステップS202にて否定判定をした場合、今回の球供給コマンドには度数情報ではなく、残存球情報が含まれていることを意味する。この場合、ステップS205にて、払出側RWM164に設けられた残存球情報記憶エリア164bに、今回受信した球供給コマンドに含まれる残存球情報が加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS206では、ステップS205の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が操作ユニット141の残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。例えば、図19(b)に示すように、度数表示部147に「0」が表示されている状況で、残数表示部148に「5375」が表示される。また、例えば、度数情報及び残存球情報の両方が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット131の媒体投入口133に投入された場合には、図19(c)に示すように、度数表示部147に「25」が表示されるとともに、残数表示部148に「7243」が表示される。
ステップS201にて否定判定をした場合、ステップS204の処理を実行した場合又はステップS206の処理を実行した場合には、ステップS207〜ステップS211の球供給用処理に進む。
球供給用処理では、まずステップS207にて、操作ユニット141の球供給ボタン142が操作されているか否かを判定する。球供給ボタン142が操作されている場合には、ステップS208にて、度数情報の減算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、度数情報記憶エリア164aに記憶されている度数情報から所定数分の度数情報(具体的には「5」)が減算されるように当該記憶エリア164aを更新する。続くステップS209では、ステップS208の更新後における度数情報記憶エリア164aの度数情報が度数表示部147に表示されるように、当該度数表示部147の表示を更新する。
続くステップS210では、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報に上記所定数分の度数情報に対応した対応数分の残存球情報(具体的には「125」)が加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS211では、ステップS210の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。
ステップS207にて否定判定をした場合又はステップS211の処理を実行した場合には、ステップS212〜ステップS215の賞球対応処理に進む。
賞球対応処理では、まずステップS212にて、主側MPU152から賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。賞球コマンドの設定を行うための処理は主側MPU152にて、特定周期、具体的には4msec周期で実行されるタイマ割込み処理に含まれている。賞球コマンドは主側RWM154の賞球カウンタの値が1以上である場合に、払出側MPU162に送信される。賞球カウンタは主側RWM154に設けられている。3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU152において特定するためのカウンタであるとともに、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する10個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU152において特定するためのカウンタである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU152において特定するためのカウンタである。なお、主側MPU152から送信された賞球コマンドは、払出側RWM164のリングバッファに順次格納され、遊技球管理処理が起動される度に当該リングバッファに格納された賞球コマンドが順次読み出される。よって、ステップS212では、リングバッファに未処理の賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。
賞球コマンドを受信している場合には、ステップS213にて賞球数の把握処理を実行する。当該把握処理では、今回受信した賞球コマンドに含まれる賞球数の情報を把握する。本パチンコ機10では、主側MPU152から送信される賞球コマンドは、3個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンドのいずれかであるため、ステップS213にて把握される賞球数は3個、10個及び15個のいずれかである。
続くステップS214では、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報に上記賞球数に対応した数分の残存球情報が加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS215では、ステップS214の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。
ステップS212にて否定判定をした場合又はステップS215の処理を実行した場合には、ステップS216に進み、遊技球使用の管理処理を実行し、さらにステップS217にて、度数情報及び残存球情報の出力処理を実行した後に、本遊技球管理処理を終了する。ステップS216における遊技球使用の管理処理については後に説明する。ステップS217では、払出側RWM164の度数情報記憶エリア164aに記憶されている度数情報、及び払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報を、球管理コマンドとして主側MPU152に出力する。
<遊技球使用の管理処理>
次に、払出側MPU162において実行される遊技球使用の管理処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技球使用の管理処理は、遊技球管理処理(図18)のステップS216にて実行される。
ステップS301では、発射用支持体281上に保持される1個の遊技球B1を検知するための発射球検知センサ84から、遊技球B1を検知していることに対応したHIレベルの発射球検知信号を受信しているか否かを判定する。発射球検知センサ84がONとなっていない場合には、ステップS302にて、払出側RWM164に設けられた発射検知カウンタの値を「0」クリアする。発射検知カウンタは、発射球検知センサ84が継続してONとなっている期間を払出側MPU162において計測するためのカウンタである。
発射球検知センサ84がONとなっている場合には、ステップS303にて、発射検知カウンタの値を1加算する。続くステップS304では、発射検知カウンタの値が「2」となっているか否かを判定する。発射検知カウンタの値が「2」となっている場合には、ステップS305及びステップS306の球使用時処理を実行する。
詳細には、ステップS305にて、残存球情報の減算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報から1減算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS306では、ステップS305の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。
ステップS302の処理を実行した場合、ステップS304にて否定判定をした場合、又はステップS306の処理を実行した場合には、そのまま本遊技球使用の管理処理を終了する。
<返却管理処理>
次に、返却管理処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS401では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号がHIレベルではない場合、すなわち遊技者により発射操作装置36が操作されていない状況である場合には、ステップS402以降の記憶媒体Mを提供するための処理を実行する。つまり、本パチンコ機10では、発射操作装置36が操作されていないことを条件として記憶媒体Mを提供するための処理が実行される。これにより、発射操作に伴う残存球情報の減算処理が実行されている状況で記憶媒体Mを提供するための処理が実行されることが禁止され、残存球情報を正確に扱うことが可能となる。
ステップS402では、操作ユニット141の全返却ボタン143が操作されているか否かを判定する。全返却ボタン143が操作されていない場合にはそのまま本返却管理処理を終了する。一方、ステップS402において、全返却ボタン143が操作されている場合には、ステップS403にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。払出側MPU162は、開閉実行モードの開始に際して主側MPU152からオープニングコマンドを受信し、さらに開閉実行モードの終了に際して主側MPU152からエンディングコマンドを受信するため、開閉実行モードであるか否かを把握することが可能となっている。ステップS403にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中である場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。これにより、開閉実行モード中には全返却ボタン143の操作を無効化することが可能となる。
球皿部71への外部からの遊技球B1の補充が不可であって残存球情報が1以上の場合に遊技球B1の発射が許容される構成においては、全返却ボタン143が操作されると、少なくとも記憶媒体Mが排出されるまでの時間と、記憶媒体M又は紙幣が投入されて残存球情報の新たなセットが行われる時間との間、遊技球B1の発射を行うことが不可となる。このような事象が、開閉実行モード中における全返却ボタン143の誤操作によって発生してしまうと、ラウンド遊技を好適に消化することができなくなってしまう。その一方で、開閉実行モード中に全返却ボタン143が意図的に操作されることは考えづらい。これに対して、開閉実行モード中は全返却ボタン143の操作を無効化することにより、上記のような不都合の発生が防止される。
ステップS403にて否定判定をした場合には、ステップS404に進み、払出側RWM164に設けられた賞球待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。払出側MPU162は、主側RWM154に設けられた各賞球カウンタのいずれかの値が1以上となった場合にその内容を示す待機開始コマンドを受信可能となっているとともに、各賞球カウンタの全ての値が「0」となった場合にその内容を示す待機終了コマンドを受信可能となっている。賞球待機フラグは、待機開始コマンドを受信した場合に「1」がセットされ、待機終了コマンドを受信するとともに当該待機終了コマンドと同時に受信する賞球コマンドについての残存球情報への加算用の処理が完了した場合に「0」クリアされる。ステップS404にて肯定判定をした場合、すなわち賞球の処理が完了していない場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。これにより、賞球の処理が完了していない状況では全返却ボタン143の操作を無効化することが可能となる。よって、全返却ボタン143の操作に基づき記憶媒体Mが排出されたにも関わらず、その直後に賞球に基づき残存球情報が「1」以上となってしまうことが防止される。
ステップS404にて否定判定をした場合には、ステップS405に進む。ステップS405では、払出側RWM164の度数情報記憶エリア164aから度数情報を読み出し、ステップS406では、払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bから残存球情報を読み出す。
続くステップS407では、ステップS405にて読み出した度数情報が1以上であるか否かを判定する。度数情報が1以上である場合には、ステップS408にて、その読み出した度数情報を含む返却コマンドを管理側MPU172への出力対象として設定する。返却コマンドは、本返却管理処理が終了した後に管理側MPU172に向けて出力される。その後、ステップS409にて、度数情報の初期化処理を実行する。具体的には、度数情報記憶エリア164aを「0」クリアするとともに、操作ユニット141の度数表示部147の表示が「0」となるように当該度数表示部147を表示制御する。
ステップS407にて否定判定をした場合、又はステップS409の処理を実行した場合には、ステップS410において、ステップS406にて読み出した残存球情報が1以上であるか否かを判定する。残存球情報が「0」である場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。残存球情報が1以上である場合には、ステップS411にて、その読み出した残存球情報を含む返却コマンドを管理側MPU172への出力対象として設定する。この場合に、ステップS408にて既に返却コマンドが出力対象として設定されている場合には、当該返却コマンドに上記読み出した残存球情報を度数情報とは区別された状態で含ませる。返却コマンドは、既に説明したとおり、本返却管理処理が終了した後に管理側MPU172に向けて出力される。その後、ステップS412にて、残存球情報の初期化処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bを「0」クリアするとともに、操作ユニット141の残数表示部148の表示が「0」となるように当該残数表示部148を表示制御する。その後、本返却管理処理を終了する。
<遊技球発射処理>
発射制御装置65では、遊技球発射処理、遊技球揚送処理、研磨制御処理が行われる。まず、発射制御装置65にて行われる遊技球発射処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ステップS501にて発射待ちフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、発射待ちフラグとは、球送り装置86から遊技球発射機構34に遊技球B1が供給され、発射のタイミングを待っている状態を示すフラグであり、本遊技球発射処理のステップS512にて「1」がセットされるフラグである。ステップS501にて発射待ちフラグに「1」がセットされていなかった場合には、ステップS502にて発射球検知センサ84がON状態であるか否かについて判定する。ステップS502にて発射球検知センサ84がOFF状態である場合には、ステップS503にて球送り中フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、球送り中フラグとは、遊技球B1が球送り装置86から遊技球発射機構34に供給される途中であることを示すフラグであり、本遊技球発射処理におけるステップS510にて「1」がセットされるフラグである。ステップS503にて球送り中フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本遊技球発射処理を終了する。
ステップS503にて球送り中フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS504にてタッチセンサ36cがONであるか否かを判定する。タッチセンサ36cがOFFであり、操作ハンドル36bに遊技者が触れていない場合には、そのまま本遊技球発射処理を終了する。ステップS504にてタッチセンサ36cがONであった場合には、遊技者が操作ハンドル36bに触れていることを意味するため、ステップS505にてストップスイッチ36eがONであるか否かについて判定する。ストップスイッチ36eがONである場合には、遊技球B1の発射ができないため、そのまま本遊技球発射処理を終了する。ステップS505にてストップスイッチ36eがOFFであった場合には、ステップS506にて残存球が1以上であるか否かについて判定する。残存球が0である場合には、発射すべき遊技球B1が存在しないため、そのまま本遊技球発射処理を終了する。ステップS506にて残存球が1以上であった場合には、ステップS507にて操作量読み込み処理を実行する。具体的には、操作ハンドル36bの回転操作量を把握する。ステップS508では、ステップS507にて把握した回転操作量が下限操作量以上であるか否かについて判定する。ステップS508にて下限操作量以上の回転操作量が確認されなかった場合にはそのまま本遊技球発射処理を終了する。
ステップS508にて下限操作量以上の回転操作量が認められた場合には、ステップS509にて球送り処理を行う。球送り処理では、球送り装置86に対して、1個の遊技球B1を遊技球発射機構34に供給するように信号を送信する。そして、ステップS510にて球送り中フラグに「1」をセットして本遊技球発射処理を終了する。
ステップS502にて発射球検知センサ84がON状態であった場合には、ステップS511にて球送り中フラグを「0」クリアし、ステップS512にて発射待ちフラグに「1」をセットする。ステップS501にて発射待ちフラグに「1」がセットされていた場合又はステップS512にて発射待ちフラグに「1」がセットされた場合には、ステップS513にて遊技球B1の発射タイミングであるか否かについて判定する。本実施形態において遊技球B1は0.6sec周期で発射される。遊技球B1が前回発射されてから0.6sec以上が経過していない場合にはそのまま本遊技球発射処理を終了する。
ステップS513にて、遊技球B1が前回発射されてから0.6sec以上が経過している場合には、ステップS514にて遊技球B1を発射する際の発射強度を設定する。発射強度は、本遊技球発射処理のステップS507にて行われる操作量読み込み処理にて把握された操作ハンドル36bの回転操作量に基づいて設定される。具体的には、操作量読み込み処理にて把握された回転操作量から下限操作量を差し引き、得られた操作量に対応する可変抵抗値を算出する。そして、当該可変抵抗値に対応する発射強度を今回の遊技球B1の発射強度として設定する。続くステップS515ではソレノイド82を駆動して遊技球B1を発射する発射処理を実行する。これにより、1個の遊技球B1が操作ハンドル36bの操作量に応じた強度で遊技盤33に向けて発射される。ステップS516では発射待ちフラグを「0」クリアして本遊技球発射処理を終了する。
<遊技球揚送処理>
次に、発射制御装置65にて行われる遊技球揚送処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。本実施形態のパチンコ機10においては、貯留空間211に貯留可能な遊技球B1の数がパチンコ機10に封入されている遊技球B1の数よりも少ない。このため、球皿部71には常時遊技球B1が存在する構成となっている。したがって、球皿部71に遊技球B1が存在するか否かの判定を行うことなく本遊技球揚送処理を実行する。まずステップS601にて揚送用発射球検知センサ284がON状態であるか否かについて判定する。ここで、揚送用発射球検知センサ284がON状態であるということは、揚送用発射レール266上に遊技球B1が存在していることを意味する。ステップS601にて揚送用発射球検知センサ284がOFF状態であった場合には、ステップS602にて揚送用球送り中フラグがON状態であるか否かについて判定する。ここで、揚送用球送り中フラグとは、本遊技球揚送処理のステップS603にて揚送用球送り処理を実行することにより、揚送用球送り装置286に信号を送信し、遊技球B1が揚送用球送り装置286から揚送用遊技球発射機構234へ移動している途中であることを示すフラグであり、本遊技球揚送処理のステップS604にて「1」がセットされるフラグである。ステップS602にて揚送用球送り中フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本遊技球揚送処理を終了する。ステップS602にて揚送用球送り中フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS603にて、揚送用球送り処理を実行する。揚送用球送り処理では、揚送用球送り装置286に信号を送信して揚送用遊技球発射機構234に1個の遊技球B1を供給するように促す。続くステップS604では揚送用球送り中フラグに「1」をセットして本遊技球揚送処理を終了する。
ステップS601にて揚送用発射球検知センサ284がON状態であった場合には、ステップS605にて前回の揚送用発射処理から0.4secが経過したか否かについて判定する。ここで、揚送用発射処理とは、揚送用ソレノイド282を駆動して遊技球B1を右上方に向けて発射するための処理であり、本遊技球揚送処理のステップS609にて実行される処理である。0.4secが経過していない場合には、そのまま本遊技球揚送処理を終了する。これは、短い周期で遊技球B1の揚送を連続すると、揚送先の研磨装置111の処理能力を超えてしまうためである。本パチンコ機10では遊技球発射機構34から遊技球B1を0.6sec間隔で発射可能である。長時間に亘り、連続して遊技球B1の発射が0.6sec間隔で行われた場合には、0.6secより短い周期で遊技球B1を循環させて研磨装置111から貯留空間211に戻す必要がある。研磨装置111では、遊技球B1を手前で減速させて、研磨用部材314と接触させる必要があるため、遊技球B1の研磨に時間を要する。したがって、揚送用遊技球発射機構234からの遊技球B1の揚送は発射周期の0.6secよりも早い0.4sec周期で行われる構成となっている。これにより、遊技球発射機構34において、発射する遊技球B1の供給が間に合わない事態を回避することができる。
ステップS605にて前回の揚送用発射処理から0.4secが経過している場合には、ステップS606にて揚送用球送り中フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。揚送用球送り中フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS607にて貯留センサ217がON状態であるか否かについて判定する。貯留センサ217がON状態である場合には、そのまま本遊技球揚送処理を終了する。これは、研磨装置111の下流にある貯留空間211に遊技球B1が十分存在する状態で、遊技球B1の揚送を続けると、研磨装置111を通過した遊技球B1が貯留空間211に入れずに行き場を失うためである。ステップS607にて貯留センサ217がOFF状態である場合には、ステップS608にて揚送用球送り中フラグを「0」クリアし、ステップS609にて揚送用発射処理を行って本遊技球揚送処理を終了する。
ステップS606にて揚送用球送り中フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS610にてホールに球詰まりが発生したことを知らせるための異常処理を行い、無限ループに入る。揚送用球送り中フラグに「1」がセットされていないにもかかわらず、揚送用発射球検知センサ284がON状態であるという事態は、前回の揚送用発射処理により発射された遊技球B1が戻り球となって揚送通路221を逆流して揚送用発射球検知センサ284に検知されている可能性が考えられる。他にも、前々回の揚送用発射処理により発射された遊技球B1が戻り球となって揚送通路221を逆流し、前回の揚送用発射処理により発射された遊技球B1が戻り球と衝突して、揚送用発射球検知センサ284に検知されている可能性も考えられる。このように、揚送用発射処理により発射された遊技球B1が戻り球となり、且つ戻り球回収孔291によって回収されなかった場合に、異常処理を行う構成とすることにより、揚送用発射処理により発射された遊技球B1が戻り球と衝突を繰り返す事態を回避することができる。
異常処理では、発射制御装置65から払出制御装置64に異常が発生したことを示す信号を送信する。異常発生の信号は払出制御装置64から主制御装置61に送信され、主制御装置61が異常報知を行うための処理を実行する。ここで、異常報知を行うための処理とは、遊技ホールの管理者などにエラーの発生を報知するための処理である。具体的には、主制御装置61が音声発光制御装置62に対してエラー信号を出力することにより、異常報知用発光部53を所定の態様で点灯させる。なお、当該異常報知の態様は、これに限定されることはなく、例えば、スピーカ装置37から所定の報知音又は報知音声を出力する構成としてもよく、図柄表示装置46aにて所定の報知表示を行う構成としてもよい。
揚送通路221は、遊技盤33に設けられた内レール221a及び外レール221bに前扉22の裏側に設けられた通路形成部材221gが蓋をすることにより、閉じた通路となる構成である。このため、戻り球が生じた場合、ホールの管理者が前扉22を開くだけで、揚送通路221内の遊技球B1を容易に取り出せる構成となっている。
<研磨制御処理>
次に、発射制御装置65にて行われる研磨制御処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。当該研磨制御処理では、研磨装置111の下流の貯留空間211に遊技球B1を受け入れる余裕がある場合に研磨装置111の回転体312を駆動する。また、貯留空間211に遊技球B1を受け入れる余裕がない場合に、研磨装置111の回転体312を停止させる。
まずステップS701にて研磨中フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、研磨中フラグとは、研磨装置111の回転体312が駆動されており、研磨装置111による遊技球B1の研磨が行われていることを示すフラグである。当該研磨中フラグは本研磨制御処理のステップS704にて「1」がセットされるフラグである。ステップS701にて研磨中フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS702にて貯留センサ217がON状態であるか否かについて判定する。貯留センサ217がON状態である場合は、貯留空間211に遊技球B1を受け入れる余裕がないことを意味するため、そのまま本研磨制御処理を終了する。ステップS702にて貯留センサ217がON状態でない場合には、ステップS703にて回転体312を回転させるための信号を磨き用駆動部113に送信する。そして、ステップS704にて研磨装置111が動いていることを示す研磨中フラグに「1」をセットして本研磨制御処理を終了する。
ステップS701にて研磨中フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS705にて貯留センサ217がON状態であるか否かについて判定する。ステップS705にて貯留センサ217がON状態でない場合には、貯留空間211に遊技球B1を受け入れる余裕が残っていることを意味するため、そのまま本研磨制御処理を終了する。ステップS705にて貯留センサ217がON状態である場合には、貯留空間211に遊技球B1を受け入れる余裕が無くなったことを意味するため、ステップS706にて磨き用駆動部113に回転体312を停止するための信号を送信し、ステップS707にて研磨中フラグを「0」クリアして、本研磨制御処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技球B1を循環させて使用するパチンコ機10において、遊技盤33への遊技球B1の放出を除く遊技球B1の移動の一部を発射による移動とすることにより、遊技球B1の循環に要する時間を短縮する。これにより、遊技球発射機構34から発射されて遊技盤33を流下した遊技球B1を短時間で再度発射可能な位置に戻すことが可能となる。
遊技盤33への遊技球B1の放出を除く遊技球B1の移動の一部を発射による遊技球B1の揚送とする。これにより、遊技球発射機構34から発射されて遊技盤33を流下した遊技球B1を高い位置まで運ぶことが可能となる。
揚送用遊技球発射機構234から発射される遊技球B1を研磨装置111まで案内する通路として、揚送通路221を支持ベース体31に設ける。揚送通路221は遊技球B1の直径よりもひと回り大きい通路幅を有する。遊技球B1の揚送を揚送用遊技球発射機構234と揚送通路221を用いて行うことにより、駆動部と搬送部材から成る揚送機構を設けて遊技球B1の揚送を行う場合と比較して、揚送に要するスペースを省くことができる。
支持ベース体31には、内レール221aと外レール221bによって前方へ開放された溝が形成される。そして、前扉22に内レール221aと外レール221bによって形成される溝の形状に合わせた通路形成部材221gが装着され、前扉22が閉鎖状態となることにより、四方を壁で囲われた通路となる構成である。このため、前扉22を開放すると、内レール221a及び外レール221bより形成される溝が前方に向けて解放された状態となる。揚送通路221内で球詰まりが起きた際のメンテナンスが容易である。
揚送通路221の一部を遊技盤33の区画部材33aに沿って形成することにより、遊技盤33における遊技領域の占める面積の減少を抑えることができる。
揚送通路221の頂上領域221eを支持ベース体31の中央上部よりも右寄りにすることにより、頂上領域221eの下流に形成される減速領域221dの長さを長く確保することが可能となる。これにより、減速領域221dにおける遊技球B1の減速の効果を高めることができる。
揚送通路221において最も高い位置にある頂上領域221eの下流に緩やかな下り傾斜の減速領域221dを設けることにより、遊技球B1の速度を落として研磨装置111に流入させることができる。これにより、遊技球B1が勢いよく研磨装置111に衝突して跳ね返り、揚送通路221を逆流する戻り球となることを防ぐことができる。
減速領域221dは、外レール221bの内壁に緩衝材221fを装着させて構成され、上流から下流へ向けて徐々に縮径するように緩衝材221fの厚みが増す構成である。これにより、減速領域221dの入口部で遊技球B1が緩衝材221fと衝突して跳ね返り、戻り球となる可能性が低減される。
遊技球発射機構34による遊技球B1の発射周期が0.6secで行われるのに対して、揚送用遊技球発射機構234による遊技球B1の揚送周期が0.4secで行われる。これにより、遊技球B1が遊技球発射機構34から連続的に発射された場合においても、遊技球発射機構34に供給される遊技球B1が不足することはない。
遊技球発射機構34を支持ベース体31の左側上部であり、遊技領域の左側上部に配設し、遊技球B1を遊技領域の左側上部から右方向へ発射する構成とする。これにより、一度発射された遊技球B1は右方向へ移動するとともに、自重により下方へ落下する。このため、遊技球発射機構34が遊技領域の右側下部に配置された場合のように、一度発射された遊技球B1が再び遊技球発射機構34に向かって逆流することがない。戻り球が生じないため、戻り球を考慮した構成とする必要がない。また、戻り球を原因とする球詰まりが起きないため、異常報知やホールの管理者によるメンテナンスの回数を減らすことができる。
発射操作装置36において、操作ハンドル36bが所定の操作量以上に回動操作されなければ遊技球発射機構34による遊技球B1の発射が行われない構成とする。このように、遊技球B1の発射が開始される条件として所定の閾値を設けることにより、遊技領域の左側上部に遊技球発射機構34を設けたとしても、遊技球発射機構34が遊技領域の右側下部に存在する場合と同様の操作感覚で遊技球B1を遊技領域へ発射させることができる。
操作ハンドル36bが所定の操作量以上に回動操作された場合には、操作ハンドル36bの回動操作量に応じて遊技球発射機構34から発射される遊技球B1の発射強度を変化させる構成とする。これにより、遊技者は操作ハンドル36bの回動操作量を調整することにより、センターフレーム46bの左側の領域と右側の領域を別々に狙うことができる。
貯留空間211を支持ベース体31の左側上部に配置して球送り装置86と連通させ、当該球送り装置86から遊技球発射機構34へ遊技球B1の供給を行う構成とする。遊技球発射機構34に遊技球B1を供給する球送り装置86のすぐ上流に遊技球B1を貯留する貯留空間を配置する。これにより、予め遊技球B1を貯留空間211に貯留させておくことが可能となり、遊技球発射機構34において発射する遊技球B1が不足する可能性を低減することができる。
貯留空間211に所定量の遊技球B1が貯留された状態となった場合にON状態となる貯留センサ217を設ける。そして、貯留センサ217により所定量以上の遊技球B1が検知された場合に、遊技球B1の揚送を停止する構成とする。これにより、貯留空間211が遊技球B1で満たされ、追加の遊技球B1が貯留空間211に入れない状態となった場合に、遊技球B1の揚送が継続されて遊技球B1が揚送通路221内にあふれる事態を回避することができる。
汚れた遊技球B1を研磨する研磨装置111を貯留空間211に隣接させて設ける。これにより、研磨された遊技球B1は貯留空間211に貯留され、汚れることなく球送り装置86を経て遊技球発射機構34に供給される。このように、遊技球B1が研磨されてから遊技領域に向けて発射されるまでの移動距離を最小限に抑えることにより、汚れが付着していない状態の遊技球B1を遊技盤33に向けて発射することができる。遊技球B1の汚れが遊技結果に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、揚送通路221の途中に戻り球回収孔291を設け、揚送用遊技球発射機構234から発射された遊技球B1が戻り球となって揚送通路221を逆流した場合に、戻り球を遊技盤33の裏側に設けられた戻り球回収通路296に取り込んで回収する構成とした。本実施形態では、揚送通路221の上流側に上流側センサ321を設けるとともに、下流側に下流側センサ322を設ける構成とし、当該2つのセンサ321,322の検知パターンから揚送通路221内で戻り球が発生したと判定された場合には、異常報知を行う契機となる異常処理を行う構成とした。
以下、第2の実施形態と第1の実施形態の相違する構成について説明する。上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図25は前扉22を取り除いた状態を示すパチンコ機10の正面図である。ここで、揚送通路221の上流とは揚送用遊技球発射機構234側を指し、揚送通路221の下流とは研磨装置111側を指す。図25に示すように、揚送通路221の上流側に上流側センサ321が設けられているとともに、揚送通路221の下流側に下流側センサ322が設けられている。以下、これら2つのセンサ321,322を用いて揚送通路221内で戻り球が発生した場合の対処法について説明する。2つのセンサ321,322は発射制御装置65に接続されている。
発射制御装置65で行われる遊技球循環処理について、図26を参照しながら説明する。まずステップS801にて揚送処理を行う。ここで、発射制御装置65で行われる揚送処理について、図27を参照しながら説明する。まずステップS901にて揚送停止フラグがセットされていないか否かについて判定する。ここで、揚送停止フラグとは、貯留空間211に100個以上の遊技球B1が貯留されている状態となり、貯留空間211に遊技球B1が十分に貯留されているため、一時的に遊技球B1の揚送を停止するためのフラグであり、後述する下流側状態把握処理(図29)のステップS1105にてセットされるフラグである。ステップS901にて揚送停止フラグがセットされている場合にはそのまま本揚送処理を終了する。ステップS901にて揚送停止フラグがセットされていない場合には、ステップS902にて遊技球検出フラグがセットされているか否かについて判定する。ここで、遊技球検出フラグは、揚送通路221内に設けられた上流側センサ321が遊技球B1を検知した後、下流側センサ322が遊技球B1を検知するまでの間にセットされているフラグである。遊技球検出フラグがセットされている場合には、揚送通路221内を通過中の遊技球B1が存在することを意味するため、遊技球B1を揚送するための発射操作を行うことなく、そのまま本揚送処理を終了する。
ステップS902にて遊技球検出フラグがセットされていない場合には、貯留空間211にまだ遊技球B1を受け入れる余裕があり、揚送通路221内に遊技球B1が存在しないことを意味するため、ステップS903にて遊技球揚送処理を行う。遊技球揚送処理では0.4sec周期で遊技球B1の揚送が行われる。
遊技球循環処理(図26)の説明に戻り、ステップS801にて揚送処理を行った後、ステップS802にて上流側状態把握処理を実行する。ここで、発射制御装置65で行われる上流側状態把握処理について、図28を参照しながら説明する。まずステップS1001にて上流側センサ321の検出範囲を遊技球B1が通過したか否かについて判定する。具体的には、上流側センサ321が非検出状態(OFF状態)から検出状態(ON状態)に移行した後、再び非検出状態(OFF状態)に戻った場合に、遊技球B1が上流側センサ321の検出範囲を通過したと判定する。遊技球B1が上流側センサ321の検出範囲を通過していない場合にはそのまま本上流側状態把握処理を終了する。ステップS1001にて遊技球B1が上流側センサ321の検出範囲を通過していたと判定された場合は、ステップS1002にて遊技球検出フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、遊技球検出フラグとは、遊技球B1が上流側センサ321の検出範囲を通過したと判定された場合に「1」がセットされるフラグである。具体的には、本上流側状態把握処理のステップS1003にて「1」がセットされるフラグである。遊技球検出フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1003にて遊技球検出フラグに「1」をセットして、本上流側状態把握処理を終了する。一方、ステップS1002にて遊技球検出フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1004にて遊技球検出フラグを「0」クリアし、ステップS1005にて異常処理を行って無限ループに入る。遊技球検出フラグに「1」がセットされている状態で、遊技球B1が再び上流側センサ321の検出範囲を通過するということは、揚送通路221に発射された遊技球B1が戻り球となって揚送通路221を逆流したことを示すためである。
異常処理では、発射制御装置65から払出制御装置64に異常が発生したことを示す信号を送信する。異常発生の信号は払出制御装置64から主制御装置61に送信され、主制御装置61が異常報知を行うための処理を実行する。ここで、異常の報知を行うための処理とは、遊技ホールの管理者などにエラーの発生を報知するための処理である。具体的には、主制御装置61が音声発光制御装置62に対してエラー信号を出力することにより、異常報知用発光部53を所定の態様で点灯させる。なお、当該異常報知の態様は、これに限定されることはなく、例えば、スピーカ装置37から所定の報知音又は報知音声を出力する構成としてもよく、図柄表示装置46aにて所定の報知表示を行う構成としてもよい。
遊技球循環処理(図26)の説明に戻り、ステップS802にて上流側状態把握処理を行った後、ステップS803にて下流側状態把握処理を行う。ここで、発射制御装置65で行われる下流側状態把握処理について、図29を参照しながら説明する。まず、ステップS1101にて下流側センサ322が遊技球B1を検出したか否かについて判定する。下流側センサ322が遊技球B1を検出していない場合にはそのまま本下流側状態把握処理を終了する。ステップS1101にて下流側センサ322が遊技球B1を検出していた場合には、ステップS1102にて遊技球検出フラグを「0」クリアする。これは、上流側センサ321にて検出された遊技球B1が戻り球となることなく、下流側センサ322にて再び検出されたためである。ステップS1103では、貯留球数カウンタに「1」を加算する。これは、下流側センサ322に検出された遊技球B1は貯留空間211内に案内され、貯留空間211内の遊技球B1の数が増加するためである。続くステップS1104では、貯留球数カウンタの値が100以上であるか否かについて判定する。そして、貯留球数カウンタの値が100以上であった場合には、ステップS1105にて揚送停止フラグをセットして本下流側状態把握処理を終了する。これは、貯留空間211内の遊技球B1の数が十分な量に達した場合に、一時的に遊技球B1の揚送を停止するためである。ここで、揚送停止フラグとは、揚送用遊技球発射機構234による遊技球B1の発射を行わない状況とするためのフラグである。ステップS1104にて貯留球数カウンタの値が99以下である場合には、そのまま本下流側状態把握処理を終了する。
遊技球循環処理(図26)の説明に戻り、ステップS803にて下流側状態把握処理を行った後、ステップS804にて貯留球数の管理処理を行って本遊技球循環処理を終了する。ここで、発射制御装置65にて行われる貯留球数の管理処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。まずステップS1201にて発射フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、発射フラグとは、遊技球発射機構34から遊技球B1の発射が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。発射フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本貯留球数の管理処理を終了する。発射フラグに「1」がセットされていた場合には、ステップS1202にて貯留球数カウンタの値を「1」だけ減算する。貯留球数カウンタは貯留空間211内に貯留されている遊技球B1の数を数えるカウンタである。その後、ステップS1203にて発射フラグを「0」クリアする。
ステップS1204では、揚送停止フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。揚送停止フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本貯留球数の管理処理を終了する。揚送停止フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1205にて貯留球数カウンタの値が90以下であるか否かについて判定する。貯留球数カウンタの値が91以上である場合にはそのまま本貯留球数の管理処理を終了する。貯留球数カウンタの値が90以下である場合には、ステップS1206にて揚送停止フラグを「0」クリアして本貯留球数の管理処理を終了する。これにより、貯留空間211内に100個以上の遊技球B1が存在する状態となった場合に一時的に遊技球B1の揚送が停止されるとともに、貯留空間211内の遊技球B1が90個以下となった場合に遊技球B1の揚送が再開される。このため、貯留空間211内には常に適量の遊技球B1が貯留されている状態を作り出すことができる。
上述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
揚送通路221の上流に上流側センサ321を設けるとともに、揚送通路221の下流に下流側センサ322を設ける。そして、上流側センサ321により遊技球B1の通過が検知された後、下流側センサ322により遊技球B1が検知されることなく、再び上流側センサ321により遊技球B1が検知された場合に、揚送用遊技球発射機構234から発射された遊技球B1が戻り球となったと判定し、異常処理を行って外部に報知する構成とした。これにより、遊技ホールの管理者は揚送通路221内で戻り球が発生した事実を把握し、戻り球を取り除くメンテナンス作業を行うことができる。
揚送通路221を逆流する戻り球の対策として、戻り球を回収するための戻り球回収孔291に加えて上流側センサ321及び下流側センサ322による戻り球の検知を行う構成とする。これにより、戻り球が戻り球回収孔291に回収されずに戻り球回収孔291よりも下流に流下した場合においても、上流側センサ321及び下流側センサ322により戻り球が検知され、異常処理を行うことが可能となる。
遊技球B1を揚送した場合に貯留球数カウンタに「1」を加算するとともに、遊技球B1を発射した場合に、貯留球数カウンタから「1」を減算する構成とする。これにより、貯留空間211内の遊技球B1の数を把握することができる。
遊技球発射機構34から発射される遊技球B1の数及び揚送用遊技球発射機構234から発射されて貯留空間211内に戻る遊技球B1の数を把握する構成とする。そして、貯留空間211内の遊技球B1の数が100個以上となった場合に遊技球B1の揚送を一時的に停止するとともに、貯留空間211内の遊技球B1の数が90個以下となった場合に遊技球B1の揚送を再開することにより、貯留空間211内の遊技球B1の数を一定の範囲内に収まるように管理することができる。
揚送用遊技球発射機構234から発射された遊技球B1が下流側センサ322により検出された場合に、次の遊技球B1を揚送用遊技球発射機構234から発射する構成とする。これにより、先に揚送用遊技球発射機構234から発射されて戻り球となった遊技球と、その後に揚送用遊技球発射機構234から発射された遊技球B1が衝突する事態を回避することが可能となる。
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、区画部材33aにより区画された遊技領域の外側を通るように揚送通路221を設けた。また、揚送用遊技球発射機構234及び揚送通路221は支持ベース体の表面に形成する構成とした。本実施形態では、揚送通路331を遊技盤33の裏面に設け、揚送用遊技球発射機構234を支持ベース体31の裏面に設ける構成とした。これにより、遊技盤における遊技領域を広く確保することを可能とした。また、研磨装置111の右側に貯留通路344を設け、研磨装置111の上流においても遊技球B1の貯留を可能にした。
以下、第3の実施形態と第1の実施形態の相違する構成について説明する。上記第1の実施形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
図31に遊技盤33の裏側に設けられた揚送通路331を説明するための支持ベース体31の正面図を示す。図31に示すように、支持ベース体31の裏面に揚送用遊技球発射機構234が設けられている。そして、遊技盤33の裏面に遊技球B1を支持ベース体31の中央下部から右側上部まで揚送するための揚送通路331が形成されている。揚送通路331の入口側を上流とし、出口側を下流とする。具体的には、支持ベース体31の中央下部が上流であり、支持ベース体31の中央部が中流であり、支持ベース体31の右側上部が下流である。揚送通路331は上流及び中流において直線的に右斜め上方に向けて形成されている。そして、下流において、上に凸の湾曲した通路として形成されている。揚送通路331の上流には戻り球を回収するための戻り球回収孔291が設けられている。
遊技球B1は揚送用遊技球発射機構234から発射される際に、揚送通路331の出口に到達するのに十分な初速度を得る。そして、図31に示すように、揚送用発射レール266は遊技球B1の進行方向を安定させるのに十分な長さを有している。このため、遊技球B1は一定の速度で、所定の方向に向かって揚送用発射レール266から飛び出す。
揚送用発射レール266の延長線上には揚送通路331が存在する。揚送用発射レール266の先端と揚送通路331の入口の間には遊技球B1の直径の3倍の隙間が存在し、戻り球を回収するための戻り球回収孔291が形成されている。遊技球B1が揚送用発射レール266の先端を飛び出す際の速度は、戻り球回収孔291を飛び越えるのに十分な速度である。
一方、戻り球となって自重により揚送通路331に沿って逆流する遊技球B1の速度は、揚送用遊技球発射機構234から発射される遊技球B1の速度よりも遅く、それは戻り球回収孔291を飛び越えるのに不十分な速度である。戻り球回収孔291に落下した遊技球B1は連通口104に連通している通路に導かれる。戻り球回収孔291にて回収された遊技球B1は、戻り球回収カバー291bの内部に設けられた戻り球回収通路291aの底面を自重により下り、連通口104に到達する。連通口104に到達した遊技球B1は、前扉22が閉鎖されていることを条件として、球皿部71に導出される。
揚送通路331の下流は、上に凸の湾曲した通路となっており、当該通路の先に貯留通路344の入口が存在する。貯留通路344は支持ベース体31の表側に形成されている。したがって、揚送通路331を通過する遊技球B1は、下流の湾曲部分で減速した後、貯留通路344の入口を通って遊技盤の裏側から表側に移動する。その後、遊技盤33の右側上部から研磨装置111が存在する左側上部まで、自重により流下する。
揚送通路331の下流には遊技球B1を研磨装置111まで案内するための貯留通路344が設けられている。貯留通路344は本体ベース21の右側上部から左側上部を結ぶ緩やかな下り傾斜の通路である。揚送通路331の通路長は遊技球B1の直径の10倍以上である。このため、貯留通路344の入口まで揚送された遊技球B1が研磨装置111に入りきらない場合には、一時的に当該貯留通路344に遊技球B1が貯留される。
上述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技盤33の裏面に揚送通路331を設けることにより、遊技盤33において遊技領域を広く確保することが可能となる。また、揚送通路331の形状を遊技領域と関係なく選択できるようになり、揚送通路331の形状選択の余地が広がる。
揚送通路331の下流を上に凸の湾曲した形状とすることにより、遊技球B1を減速させて貯留通路344に送り込むことが可能となる。
揚送通路331と研磨装置111の間に貯留通路344を配設することにより、遊技球B1が研磨装置111と衝突して跳ね返り、揚送通路331を逆流する戻り球となることを防ぐことができる。
貯留通路344を流下した遊技球B1が研磨装置111に入球する構成とすることにより、研磨装置111が遊技球B1で満たされており、遊技球B1が入りきれない場合においては、遊技球B1が貯留通路344に貯留されることになる。これにより、研磨装置111に入りきれない遊技球B1が戻り球となって揚送通路331を逆流することを防ぐことができる。
<第4の実施形態>
上記第1の実施形態では、遊技球発射機構34を本体ベース21の左側上部に配設することにより、遊技球発射機構34から発射された遊技球B1が戻り球とならない構成とした。また、支持ベース体31の左側上部であり、遊技球発射機構34の右側上部に研磨装置111を配設する構成とした。本実施形態では、遊技球発射機構34を支持ベース体31の右側下部に配設した。また、揚送用遊技球発射機構441を支持ベース体31の中央下部右寄りに配設するとともに、研磨装置412を支持ベース体31の中央下部に配設する構成とした。
以下、第4の実施形態と第1の実施形態の相違する構成について説明する。上記第1の実施形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
図32に支持ベース体31の正面図を示す。支持ベース体31の中央下部には遊技盤33を流下した遊技球B1が集まる集合通路の出口414が存在する。遊技盤33を流下した遊技球B1は全て集合通路に取り込まれ、当該集合通路の出口414から排出される。集合通路の出口414の下方には、研磨装置412が配設されており、当該研磨装置412内で遊技球B1の研磨が行われる。
研磨装置412の下方には貯留空間431が形成されている。研磨装置412により研磨された遊技球B1は貯留空間431に貯留される。貯留空間431の底面は貯留空間431の出口に向かって下り傾斜となっており、当該出口は揚送用球送り装置432に連通している。したがって、貯留空間431に貯留されている遊技球B1は順次揚送用球送り装置432に取り込まれる。また、貯留空間431の上部にはフォトセンサである貯留センサ433が配設されており、貯留空間431が貯留可能な所定量以上の遊技球B1が貯留空間431に貯留され、貯留センサ433により検出された場合には、研磨装置412が一時停止する。図32に示すように、集合通路の出口414、研磨装置412及び貯留空間431の一部は支持ベース体31から前方に突出させて形成されている研磨用カバー413に覆われている。
貯留空間の下流には、遊技球B1を球皿部71まで揚送するための、揚送用遊技球発射機構441及び揚送通路442が設けられている。揚送通路442は揚送用遊技球発射機構441と球皿部71の入口を結ぶように形成されている。以下、揚送用遊技球発射機構441側を上流とし、球皿部71の入口側を下流とする。揚送通路442は遊技球B1が1列で通過可能な通路幅を有している。揚送用遊技球発射機構441には、揚送用球送り装置432から遊技球B1が1球ずつ供給される。また、揚送用遊技球発射機構441の発射強度は遊技球B1を球皿部71まで揚送するのに十分な強度に設定されている。
揚送通路442の上流にはフォトセンサである第1通過センサ443が配設されているとともに、揚送通路442の下流にはフォトセンサである第2通過センサ444が配設されている。揚送通路442において、遊技球B1が正常に揚送される場合には、遊技球B1は第1通過センサ443に検出された後、第2通過センサ444に検出される。これに対して、揚送用遊技球発射機構441から発射された遊技球B1が戻り球となって揚送通路442を逆流した場合、遊技球B1は第1通過センサ443に検出された後、第2通過センサ444に検出されることなく、再び第1通過センサ443に検出される。このように、第1通過センサ443及び第2通過センサ444による検出パターンから、戻り球が発生した場合には、異常報知が行われる。異常報知では、主制御装置61が音声発光制御装置62に対してエラー信号を出力することにより、異常報知用発光部53を所定の態様で点灯させる。なお、当該異常報知の態様は、これに限定されることはなく、例えば、スピーカ装置37から所定の報知音又は報知音声を出力する構成としてもよく、図柄表示装置46aにて所定の報知表示を行う構成としてもよい。
上述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
研磨した遊技球B1を上方の球皿部71へ揚送する手段として揚送用遊技球発射機構441を使用する構成とする。これにより、遊技球B1を素早く球皿部71へ移動させることができる。また、研磨後の遊技球B1を発射により揚送する構成であるため、貯留空間431を球皿部71よりも下方に配設することが可能である。これにより、遊技盤33を落下した全ての遊技球B1を研磨の対象とすることができる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)上記第1の実施形態においては、皿カバー75を有色不透明とすることにより、遊技者の注目を遊技盤33に集中させる構成とした。しかし、皿カバー75を無色透明としてもよい。これにより、外部から視認によりパチンコ機10内で循環している遊技球B1を確認することが可能となる。このため、通常の遊技球B1よりも小さいサイズの遊技球B1を混入させるなどの不正行為が行われた場合においても、パチンコ機10の前扉22を開放することなく、不正行為を発見することができる。また、球皿部71内で球詰まりなどが起きた場合にも、外部から視認により事態を把握することが可能となる。
(2)上記第1の実施形態においては、図10において、シャッタ機構105を連通口104側のみに設ける構成とした。前扉22を開放した場合、シャッタ機構105のシャッタ部材106が許容位置から阻止位置に移動することにより、連通口104と導出口72を結ぶ通路が塞がれる。これにより、連通口104側に残っている遊技球B1の外部への流出が防がれる。これに対して、上記第1の実施形態の構成に追加して、導出口72側に導出口側シャッタ機構を設ける構成としてもよい。具体的には、連通口104と導出口72を結ぶ通路において、前扉22を開放した場合に開口となる導出口72側の端部に導出口側シャッタ機構を設ける構成とする。
前扉22において、連通口104と導出口72を結ぶ通路の真上に導出口側シャッタ部材を収納するための収納空間を形成する。そして、当該収納空間の球皿部71側の壁に圧縮コイルばねを配設し、当該圧縮コイルばねによって導出口側シャッタ部材を支持ベース体31側に押し出す力を加える構成とする。
前扉22閉鎖時には、支持ベース体31側に向けて加圧されている導出口側シャッタ部材が、連通口104と導出口72を結ぶ通路の通路壁に接触して許容位置をとるため、遊技球B1は連通口104と導出口72を結ぶ通路を通過可能である。一方、前扉22開放時には、支持ベース体31側に向けて加圧されている導出口側シャッタ部材と接触していた、連通口104と導出口72を結ぶ通路の通路壁が移動して非接触状態となる。これにより、導出口側シャッタ部材は、連通口104と導出口72を結ぶ通路を遮る阻止位置に移動する。そして、再び前扉22閉鎖状態となると、連通口104と導出口72を結ぶ通路の通路壁によって、導出口側シャッタ部材が支持ベース体31側から前扉22側へ押され、圧縮コイルばねが圧縮される。これにより、導出口側シャッタ部材は再び許容位置へと戻る。
このように、前扉22閉鎖時には、シャッタ部材106及び導出口側シャッタ部材が共に許容位置をとることにより、連通口104と導出口72を結ぶ通路を遊技球B1が通過可能な状態となる。また、前扉22開放時には、シャッタ部材106及び導出口側シャッタ部材が共に阻止位置をとることにより、連通口104と導出口72を結ぶ通路に開口ができない構成となる。上記第1の実施形態のように、パチンコ機10内で遊技球B1を循環させて使用する構成においては、開口が存在し、当該開口から通常の遊技球B1よりも直径の小さい球などを混入させる不正行為が行われた場合に、通常の遊技球B1よりも直径の小さい球が循環し続けることとなる。これにより、不正に入賞が起こりやすい状態が作り出される。これに対して、導出口側シャッタ機構を設けて、前扉22開放時においても開口を作らない構成とすることにより、不正行為を防ぐことが可能となる。
(3)上記第1の実施形態においては、揚送用遊技球発射機構234を支持ベース体31の左側下部に設ける構成とした。しかし、揚送用遊技球発射機構234の配設位置は支持ベース体31の左側下部に限定されない。例えば、揚送用遊技球発射機構234を支持ベース体31の中央下部に配設する構成としてもよく、支持ベース体31の右側下部に配設する構成としてもよい。このように、揚送用遊技球発射機構234の位置を支持ベース体31の左側下部から右側に移動させることにより、遊技球B1が揚送用遊技球発射機構234から発射された後、研磨装置111に到達するまでの距離を短くすることが可能であり、揚送通路221の途中で戻り球となる確率を減少させることができる。また、揚送用遊技球発射機構234から発射される際の発射角度を90°側に近づけることができ、同じ強度で発射した場合に、研磨装置111に到達する可能性を高めることができる。
(4)上記第1の実施形態においては、操作ハンドル36bの回動操作量が下限操作量よりも低い場合に、球送り装置86の球送り駆動部215が駆動されず、遊技球B1が発射用支持体281上に供給されない構成とした。これにより、操作ハンドル36bの回動操作量が不足している場合に遊技球B1の発射が行われない構成とした。しかし、回動操作量が不足している場合に、遊技球B1が発射されないようにするための方法はこれに限られない。例えば、操作ハンドル36bの回動操作量が下限操作量よりも低い場合においても、球送り装置86の球送り駆動部215が駆動されて、遊技球B1が発射用支持体281上に供給される構成としてもよい。この場合、発射用支持体281上の遊技球B1を発射するためのソレノイド82の駆動が行われない構成とする。そして、操作ハンドル36bの回動操作量が下限操作量を超えた場合に、ソレノイド82が駆動されて発射用支持体281上の遊技球B1が発射される構成とする。これにより、操作ハンドル36bの回動操作量が所定量を超えた場合に遊技球B1の発射が行われる構成とすることができる。
(5)上記第1の実施形態においては、遊技球発射処理において、操作ハンドル36bの回動操作量から下限操作量を差し引いて得られる操作量に対応する強度を発射強度として設定する構成とした。これにより、支持ベース体31の左側上部に遊技球発射機構34を設けた場合においても、遊技者は、支持ベース体31の右下から遊技球B1を発射する従来のパチンコ機10と同様の感覚で操作ハンドル36bを操作することが可能とした。しかし、支持ベース体31の左側上部に遊技球発射機構34を設けた場合においても、遊技者が、支持ベース体31の右下から遊技球B1を発射する従来のパチンコ機10と同様の感覚で操作ハンドル36bを操作することを可能とする構成はこれに限らない。例えば、操作ハンドル36bとは別に回動操作量変換ハンドルを発射操作装置36内に設ける構成としてもよい。回動操作量変換ハンドルは、操作ハンドル36bの回動操作量が所定の閾値に達するまでは、操作ハンドル36bを操作しても動かない。一方、操作ハンドル36bの回動操作量が所定の閾値に達した場合には、回動操作量変換ハンドルと操作ハンドル36bは連動して動く。そして、可変抵抗器36dは回動操作量変換ハンドルの回動量を検知し、検知されている回動操作量に応じた発射強度で遊技球B1が遊技球発射機構34から発射される。このような構成とすることにより、遊技者が、支持ベース体31の右下から遊技球B1を発射する従来のパチンコ機10と同様の感覚で操作ハンドル36bを操作することを可能となる。
(6)上記第1の実施形態においては、揚送用遊技球発射機構234から遊技球B1を1個ずつ発射する構成とした。しかし、揚送用遊技球発射機構234から1度に発射する遊技球B1の数は1個に限られない。例えば、揚送用球送り装置286を2回連続して駆動し、揚送用発射レール266に2個の遊技球B1が並んだ状態を作り出す。そして、揚送用ソレノイド282により、揚送用ソレノイド282に近い方の遊技球B1に力を加えることにより、2個の遊技球を同時に発射する構成としてもよい。遊技球B1を効率的に揚送することが可能となるため、遊技球発射機構34において、遊技球B1が不足する可能性を低減できる。
(7)上記第1の実施形態においては、揚送通路221の下流に減速領域221dを設け、研磨装置111の手前で遊技球B1を減速させることにより、揚送された遊技球B1が研磨装置111に衝突して跳ね返り、戻り球となることを回避する構成とした。しかし、揚送された遊技球B1が研磨装置111と衝突して跳ね返り、戻り球となることを回避する構成はこれに限らない。例えば、揚送通路221内ではなく、研磨装置111内にスポンジ状の衝撃吸収材を設けてもよい。具体的には、揚送通路221の下流側の端から研磨装置111の方向に遊技球2個分離して衝撃吸収材を設ける構成とする。衝撃吸収材は接着剤等により研磨装置111の天井に固定される。この場合、遊技球B1は減速することなく揚送通路221の下流側の端から飛び出し、衝撃吸収材に衝突して速度を失った後、自重により研磨ベルト311の上に落下し、研磨用溝313にはまる。これにより、遊技球B1を戻り球にすることなく、揚送通路221から研磨装置111に移すことができる。
(8)上記第1の実施形態においては、遊技球B1は必ず研磨装置111を通過した後に貯留空間211に入る構成としたが、これに限らず、遊技球B1が研磨装置111を経ずに貯留空間211に入ることが可能な構成としてもよい。例えば、遊技球発射機構34から長期に亘って、連続的に遊技球B1の発射が行われた場合、パチンコ機10内における遊技球B1の循環において、研磨装置111による研磨が律速工程となる可能性がある。そして、研磨の工程が遅い場合には、遊技球発射機構34から発射される遊技球B1が不足する可能性がある。これに対して、貯留空間211内の遊技球B1の数が所定の数量以下になった場合には、研磨装置111を経ないルートで揚送用遊技球発射機構234から直接貯留空間211へ遊技球B1を揚送する構成とする。具体的には、揚送通路221を研磨装置111の上流で分岐させ、研磨装置111を経て貯留空間211に至るルートと、研磨装置111を経ずに貯留空間211に至るルートとを設け、2つのルートのいずれか一方を遊技球B1が通過するように切り替え可能な構成とする。貯留空間211において遊技球B1が不足した場合のみ、研磨装置111を経ないルートへと切り替える構成とすることにより、遊技球発射機構34において常時遊技球B1が不足しない状態を保つことができる。
(9)上記第2の実施形態においては、上流側センサ321で遊技球B1を検知した後、下流側センサ322で遊技球B1が検知されることなく、再び上流側センサ321で遊技球B1を検知した場合に異常報知を行う構成とした。しかし、揚送通路221内で戻り球が発生した場合の対応はこれに限らない。例えば、戻り球をより大きな発射強度で揚送する構成としてもよい。具体的には、上流側センサ321で遊技球B1を検知した後、下流側センサ322で遊技球B1が検知されることなく、再び上流側センサ321で遊技球B1を検知した場合に、所定時間待機する。当該所定時間は、戻り球が揚送用遊技球発射機構234の発射位置に戻るのに十分な時間である。そして、新たな遊技球B1の供給を行うことなく、発射位置に戻ってきた遊技球B1のみをより強い発射強度で揚送する。これにより、戻り球が発生しても、前扉22を開く必要が無くなる。
(10)上記第2の実施形態においては、上流側センサ321と下流側センサ322の検知結果の組合せを利用することにより、揚送通路221内で一度戻り球が発生したと判定された場合に異常処理を実行する構成とした。しかし、戻り球の発生に関する異常報知を行うタイミングはこれに限らない。例えば、戻り球の発生が繰り返し把握された場合に異常報知を行う構成としてもよい。具体的には、遊技球B1が上流側センサ321の検知範囲を通過したことが把握された後、下流側センサ322で遊技球が検知されることなく、再び上流側センサ321の検知範囲を通過したことが把握される事態が3回連続して起きた場合に、外部に戻り球が発生したことを示す異常報知を実行する構成としてもよい。戻り球が3回連続して発生したということは、戻り球が継続して発生している可能性を示唆する。この場合、遊技球B1が貯留空間211まで揚送されずに、貯留空間211内の遊技球B1が消費されていき、遊技球発射機構34において球切れ状態となる可能性がある。これに対して、異常報知を行って外部に戻り球の発生を報知し、遊技ホールの管理者によるメンテナンスが実行されることにより対応することができる。
また、遊技球B1が上流側センサ321の検知範囲を通過したことが把握された後、下流側センサ322で遊技球が検知されることなく、再び上流側センサ321の検知範囲を通過したことが把握される事態が、1分間に10回以上発生した場合に、外部に戻り球が発生したことを示す異常報知を実行する構成としてもよい。戻り球の発生が所定期間内に規定回数発生するという事態は、戻り球の発生が頻発しており、研磨装置111まで揚送される遊技球B1の量が減少していることを意味する。このように、所定期間内に揚送される遊技球の量が本来揚送されるべき量と比較して少ない状態を放置すると、パチンコ機10内で遊技球B1の循環が滞る可能性がある。これに対して、異常報知を行って外部に戻り球の発生を報知し、遊技ホールの管理者によるメンテナンスが実行されることにより対応することができる。
(11)上記第2の実施形態においては、揚送通路221内で発生する戻り球への対応として、上流側センサ321で遊技球B1が検知された後、下流側センサ322で遊技球B1が検知されることなく、再び上流側センサ321で遊技球B1が検知された場合に異常報知を行う構成とした。しかし、揚送される遊技球B1が戻り球となり得る場所は揚送通路221内に限られない。例えば、揚送用発射レール266上で戻り球が発生する可能性がある。これに対して、揚送用遊技球発射機構234から遊技球B1が発射されたにもかかわらず、所定期間内に遊技球B1が上流側センサ321に検知されない場合に、上流側センサ321と揚送用遊技球発射機構234との間で戻り球が発生したと判定して異常処理を実行する構成としてもよい。これにより、揚送用発射レール266内で戻り球が発生した場合においても、外部に戻り球が発生した事態を報知することができる。
(12)上記第2の実施形態においては、揚送通路221内で発生する戻り球への対応として、上流側センサ321で遊技球B1が検知された後、下流側センサ322で遊技球B1が検知されることなく、再び上流側センサ321で遊技球B1が検知された場合に異常報知を行う構成とした。しかし、揚送される遊技球B1が戻り球となり得る場所は揚送通路221内に限られない。また、戻り球の発生に関する異常報知を行うタイミングはこれに限られない。例えば、揚送用発射レール266上で発生する戻り球を異常報知の対象とするとともに、戻り球が繰り返し発生した場合に異常報知を行う構成としてもよい。具体的には、揚送用遊技球発射機構234から遊技球B1が発射されたにもかかわらず、所定時間内に遊技球B1が上流側センサ321に検知されない場合に遊技球B1が揚送用発射レール266上で戻り球となったと判定し、当該戻り球の発生が3回連続して把握された場合に異常報知を行う構成としてもよい。これにより、遊技球B1が研磨装置111まで揚送されることなく、遊技球発射機構34から遊技球B1の発射が続けられ、遊技球発射機構34において、球切れ状態となる事態を回避することができる。
また、揚送用発射レール266上で発生する戻り球を異常報知の対象とするとともに、戻り球が所定時間内に規定回数発生した場合に異常報知を行う構成としてもよい。具体的には、揚送用遊技球発射機構234から遊技球B1が発射されたにもかかわらず、所定時間内に遊技球B1が上流側センサ321に検知されない場合に遊技球B1が揚送用発射レール266上で戻り球となったと判定し、当該戻り球の発生が1分間に10回以上把握された場合に異常報知を行う構成としてもよい。揚送用発射レール266上で戻り球の発生が頻発する状況を放置すると、研磨装置111に揚送される遊技球B1の数が減少し、遊技球発射機構34において球切れ状態が発生し得る。このため、異常報知を行って遊技ホールの管理者によるメンテナンスが必要となる。
(13)上記第2の実施形態においては、揚送通路221内で発生する戻り球への対応として、上流側センサ321を揚送通路221の入口であり、戻り球回収孔291よりも上方に配設する構成とした。しかし、上流側センサ321を戻り球回収孔291よりも下方に配設する構成としてもよい。例えば、揚送用発射レール266上を通過する遊技球B1が検知範囲となるように上流側センサ321を配設してもよい。これにより、揚送用発射レール266上で戻り球が発生したことを把握することが可能となる。さらに、発生した戻り球のうち、戻り球回収孔291により回収されなかった戻り球を選択的に把握することも可能となる。これにより、遊技ホールの管理者によるメンテナンスが必要な場合に限って異常報知を行うことが可能となる。
(14)上記第1の実施形態においては、遊技球発射機構34から発射された遊技球B1が遊技領域に到達することなく、戻り球となって遊技球発射機構34に戻ってくる事態を回避する目的で遊技球発射機構34を支持ベース体31の右側上部であり、遊技盤33の右側上部に配設する構成とした。しかし、遊技球発射機構34から発射された遊技球B1が遊技領域に到達することなく、戻り球として遊技球発射機構34に戻ってくる事態を回避する方法はこれに限られない。例えば、遊技球発射機構34が支持ベース体31の右側下部に配設されており、遊技球B1を遊技領域に誘導する通路が遊技盤33の左側に設けられている構成において、遊技球B1が誘導通路を越えて遊技領域に到達することが可能な発射強度となるまでは、操作ハンドル36bが操作されても遊技球B1が発射されない構成としてもよい。具体的には、遊技球B1が誘導通路を越えて遊技領域に到達することが可能な発射強度となるまでは、球送り装置86の球送り駆動部215が駆動せず、遊技球発射機構34に遊技球B1が供給されない構成としてもよい。また、遊技球B1が誘導通路を越えて遊技領域に到達することが可能な発射強度となるまでは、遊技球発射機構34のソレノイド82が動作しない構成としてもよい。
また、遊技球B1を遊技領域の上方から遊技領域に向けて落下させるための遊技球放出機構を遊技領域の上方であり、支持ベース体31の上部に設ける構成としてもよい。具体的には、操作ハンドル36bが操作されるまで遊技球B1を保持し、操作ハンドル36bが操作された場合に遊技球B1を自由落下させる遊技球放出機構を遊技領域の上方に設ける。操作ハンドル36bの操作量に応じて、当該遊技球放出機構が支持ベース体31の右側から左側まで、遊技領域の横幅と同じ範囲で移動する構成とする。これにより、遊技球放出機構から自由落下する遊技球B1が逆流して遊技球放出機構に戻る戻り球となることなく、遊技球B1を遊技領域に流入させることができる。
また、遊技球B1を遊技領域の上方から遊技領域に向けて落下させるための遊技球放出機構を遊技領域の上方であり、支持ベース体31の上部に複数箇所設ける構成としてもよい。具体的には、遊技領域の上方であり、遊技領域の横幅と同じ範囲に6箇所遊技球放出機構を設ける。そして、操作ハンドル36bの操作量に応じて、遊技球B1を自由落下させる遊技球放出機構の位置が変化する構成とする。これにより、戻り球の発生を防ぎながら、遊技領域の適切な位置に素早く遊技球B1を流入させることができる。
(15)主制御装置61から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置62により表示制御装置63が制御される構成に代えて、主制御装置61から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置63が音声発光制御装置62を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置62と表示制御装置63とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置61に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置61に集約されていてもよい。また、主制御装置61から音声発光制御装置62に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置62から表示制御装置63に出力されるコマンドの構成も任意である。
(16)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置46aに限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組合せによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(17)上記実施形態では、特図表示部47において各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、特図表示部47を不具備としてもよく、いずれの遊技結果であっても特図表示部47において共通の停止結果が表示される構成としてもよく、特図表示部47において停止結果がランダムに表示されることで、結果的に特図表示部47の表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(18)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球B1が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球B1が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技球(遊技球B1)を遊技領域に到達させるための放出手段(遊技球発射機構34)と、
前記放出手段に遊技球を供給するための遊技球供給手段(球送り装置86)と、
前記遊技球供給手段に遊技球を移動させる過程において、発射により遊技球を所定位置まで移送する移送手段(揚送用遊技球発射機構234、第4の実施形態の揚送用遊技球発射機構441)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技球供給手段に遊技球を移動させる過程において、遊技球を所定位置まで発射により移送する構成である。これにより、遊技球を放出手段に供給するために要する時間を短縮することができる。
特徴A2.前記移送手段が発射により遊技球を低い位置から高い位置へ移動させることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、移送手段が発射により遊技球を低い位置から高い位置へ移動させる構成である。これにより、遊技球を低い位置から高い位置へ短時間に移動させることが可能となる。また、駆動部と搬送部材から成る機構を利用して遊技球を低い位置から高い位置へ移動させる場合と比較して、遊技球の移送に必要な空間を小さくすることが可能となる。
特徴A3.前記移送手段は、遊技球を発射するための発射手段(揚送用ソレノイド282)と、
遊技球が通過可能な案内通路(揚送通路221、第3の実施形態の揚送通路331、第4の実施形態の揚送通路442)と、
を備え、
前記案内通路は、一方向へ向けて開放された溝構造(内レール221a、外レール221b)と、
前記溝構造の開放面を塞いで通路を形成するための蓋部(通路形成部材221g)と、
を備え、
前記溝構造に前記蓋部が取り外し可能な態様で取り付けられていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、移送手段は発射手段と案内通路からなる。そして、案内通路は一方向に開放された溝構造を備えており、溝構造の開放面には蓋部が着脱可能に取り付けられている。これにより、案内通路内で戻り球が発生した場合、蓋部を取り外すことにより、溝構造の開放面からメンテナンスを行うことが可能となる。
特徴A4.前記溝構造又は前記蓋部のいずれか一方が開閉可能な扉(前扉22)の裏側に設けられていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、溝構造又は蓋部のいずれか一方が開閉可能な扉の裏側に設けられている。そして、溝構造と蓋部は取り外し可能な態様で取り付けられている。このため、扉を開くと溝構造又は蓋部のいずれか一方が扉と一体となって移動するとともに、他方は本体部に残る。つまり、扉を開くことにより、溝構造が一方向に向けて開放され、メンテナンスが容易な状態となる。
特徴A5.前記放出手段が遊技領域の上部又は上方に配設されていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、遊技領域の上部又は上方に設けられた放出手段から遊技球が放出される構成である。放出時に遊技球が遊技領域の上部又は上方に存在するため、遊技球が遊技領域の上部に向かう途中で戻り球となって逆流する可能性を減少させることが可能となる。
特徴A6.前記移送手段は、遊技球を発射するための発射手段(揚送用ソレノイド282)と、
遊技球が通過可能な案内通路(揚送通路221)と、
を備え、
前記案内通路の少なくとも一部が遊技領域の外縁に沿って形成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、案内通路の一部又は全部を遊技領域の外縁に沿って形成する構成である。これにより、案内通路を設けることによる遊技領域の減少面積を最小限に抑えることができる。
特徴A7.前記移送手段は、遊技球を発射するための発射手段(揚送用ソレノイド282)と、
遊技球が通過可能な案内通路(揚送通路221)と、
を備え、
前記案内通路は、遊技球を減速するための減速手段(揚送通路221の頂上領域221e直前の湾曲部分)と、
前記減速手段により減速した遊技球を出口まで案内する下り傾斜の案内手段(減速領域221d)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、案内通路は減速手段を備えている。このため、遊技球は、発射手段により付与された勢いのまま案内通路の出口を飛び出すのではなく、案内通路内で減速してから出口に到達する。これにより、遊技球が案内通路の出口に存在する装置等と衝突して案内通路内を逆流する戻り球となる可能性が低減される。また、案内通路は減速手段により減速した遊技球を出口まで案内する案内手段を備えている。これにより、減速した遊技球が案内通路内を逆流する戻り球となる可能性が低減される。
特徴A8.前記移送手段は、遊技球を発射するための発射手段(揚送用ソレノイド282)と、
遊技球が通過可能な案内通路(揚送通路221、第3の実施形態の揚送通路331、第4の実施形態の揚送通路442)と、
を備え、
前記案内通路に案内された遊技球を貯留するための貯留手段(貯留空間211)を備え、
前記遊技球供給手段は前記貯留手段に貯留されている遊技球を前記放出手段に供給し、前記貯留手段の内部に特定量以上の遊技球が流入した場合に、遊技球の移送を停止する移送停止手段(貯留センサ217、発射制御装置65におけるステップS607を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、貯留手段内に特定量以上の遊技球が流入した場合に、遊技球の移送を停止する構成である。これにより、貯留手段の容量を超えて遊技球の移送が行われ、通路に遊技球があふれる事態を回避することができる。
特徴A9.前記移送手段により移送された遊技球の汚れを除去するための研磨手段(研磨装置111)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、移送手段による遊技球の移送後に遊技球の研磨を行う構成である。これにより、研磨手段が、移送に際して付着した遊技球の汚れを除去することが可能となる。遊技球の移送前に遊技球の研磨を行う構成と比較して、汚れの少ない状態の遊技球を遊技球供給手段に届けることができる。
特徴A10.前記移送手段が前記移送手段内を逆流する遊技球を把握するための把握手段(第2の実施形態の上流側センサ321、下流側センサ322、第4の実施形態の第1通過センサ443、第2通過センサ444)と、
前記把握手段が異常の発生を検知した場合に異常が発生したことを知らせる報知手段(第2の実施形態の発射制御装置65におけるステップS1005を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、移送手段は移送手段内を逆流する遊技球を把握するための把握手段と、異常を知らせるための報知手段を備えている。これにより、移送手段内を逆流する遊技球が発生した場合に異常報知を行うことができる。
特徴A11.前記移送手段は、遊技球を発射するための発射手段(揚送用ソレノイド282)と、
遊技球が通過可能な案内通路(揚送通路221、第4の実施形態の揚送通路442)と、
を備え、
前記把握手段は、前記案内通路内を逆流することなく案内通路の案内方向に移動する遊技球を最初に検知する第1検知手段(第2の実施形態の上流側センサ321、第4の実施形態の第1通過センサ443)と、
前記第1検知手段を通過した後、前記案内通路内を逆流することなく案内通路の案内方向に移動する遊技球を検知する第2検知手段(第2の実施形態の下流側センサ322、第4の実施形態の第2通過センサ444)と、
を備え、
前記報知手段は、前記第1検知手段が遊技球を検知した後、前記第2検知手段が遊技球を検知することなく、前記第1検知手段が再び遊技球を検知した場合に、遊技球が前記案内通路を逆流したと判定して異常報知を行うことを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、移送手段内で遊技球の逆流が第1検知手段及び第2検知手段により確認された場合に、異常報知が行われる構成である。これにより、逆流した遊技球と、その後に発射された遊技球が衝突する事態を回避することができる。
特徴A12.前記移送手段は、遊技球を発射するための発射手段(揚送用ソレノイド282)と、
遊技球が通過可能な案内通路(揚送通路221、第4の実施形態の揚送通路442)と、
を備え、
前記把握手段は、前記案内通路内を逆流することなく案内通路の案内方向に移動する遊技球を検知する検知手段(第2の実施形態の上流側センサ321、第4の実施形態の第1通過センサ443)を備え、
前記報知手段は、前記発射手段が遊技球を発射してから所定時間内に前記検知手段が遊技球を検知しなかった場合に、前記発射手段と前記検知手段の間で遊技球の逆流が起こったと判定して異常報知を行うことを特徴とする特徴A10又はA11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、移送手段が発射手段と案内手段を有し、案内手段に検知手段が配設されている構成である。これにより、発射手段から遊技球が発射されてから所定時間内に検知手段が遊技球を検知しない場合に、発射手段と検知手段の間の案内通路内において、遊技球の逆流が起こったと判定して異常報知を行うことができる。
特徴A13.前記報知手段による異常報知が行われている間、前記移送手段による遊技球の移送を実行しないことを特徴とする特徴A9乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、戻り球が発生して報知手段による異常報知が行われている状況下では移送手段による移送を行わない構成である。これにより、移送手段内に戻り球が発生している状況下で、新たな遊技球が発射されて戻り球と衝突し、戻り球が増加する事態を回避することができる。
特徴A14.前記移送手段は、遊技球を発射するための発射手段(揚送用ソレノイド282)と、
遊技球が通過可能な案内通路(第3の実施形態の揚送通路331、第4の実施形態の揚送通路442)と、
を備え、
前記案内通路を遊技盤(遊技盤33)の裏側に設けることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、案内通路を遊技盤の裏側に設ける構成である。これにより、案内手段の影響を受けて遊技領域の面積を減少させる必要がなくなる。このため、遊技領域を広く確保することができる。また、案内通路の形状を遊技領域の外形と無関係に設計することが可能となる。このため、案内通路の形状の選択肢が広がる。
特徴A15.前記移送手段により遊技球の移送が行われる周期は、前記放出手段による遊技球の放出が行われる最短の周期よりも短いことを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、放出手段により遊技球の放出が行われる最短の周期よりも移送手段による遊技球の移送周期の方が短い構成である。これにより、放出手段において、遊技球の消費よりも遊技球の供給の方が上回る構成となり、放出する遊技球が不足する事態を回避することができる。
特徴A16.前記放出手段により放出された遊技球が自重により下方へ移動することを利用して遊技球を一箇所に集める回収手段(集合通路)を備え、
前記回収手段の出口よりも下方に前記移送手段の入口が存在することを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、遊技球が自重により下方へ移動することを利用して遊技球を一箇所に集める回収手段の出口よりも下方に移送手段の入口が存在する構成である。回収手段が、遊技球の自重による下方への移動を利用して遊技球を回収することから、遊技球の回収に駆動手段等を必要としない。また、回収手段の出口よりも下方に移送手段の入口が存在することから、遊技球の自重による移動を利用して遊技球を回収手段から移送手段まで移動させることができる。移送手段の発射強度を調整することにより、移送手段を遊技機の下部に配設することが可能となる。したがって、放出手段より放出された全ての遊技球を移送して循環させることができる。
なお、特徴A1〜A16のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A16、特徴B1〜B6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技球(遊技球B1)を遊技領域に到達させるために遊技球の放出を行う放出手段(遊技球発射機構34)と、
当該放出手段から遊技球が放出される場合には、遊技球が遊技領域に到達する態様で遊技球の放出が行われるようにする特定手段(発射制御装置65におけるステップS507〜S510を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技球が放出手段から放出される場合には、遊技球が遊技領域に到達する態様で遊技球の放出が行われる構成である。放出手段が遊技領域の右側下方に設けられており、放出手段から発射された遊技球がレールにより遊技領域へ案内される従来の遊技機においては、発射強度が不足した場合に、遊技球がレール内を逆流する事態が発生する。これに対して、特徴B1では、特定手段により、遊技球の逆流を回避することが可能である。
特徴B2.前記放出手段が遊技領域の上部又は上方に位置することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技球は遊技領域の上部又は上方に設けられた放出手段から放出される。この場合、放出後に遊技球が上方へ移動する距離が短い又は存在しないため、放出後の遊技球が放出手段に向かって逆流することを回避しつつ、遊技球を遊技領域の上部から流下させることが容易となる。
特徴B3.操作することにより、前記放出手段に遊技球を放出するための契機を与えることが可能な操作手段(発射操作装置36)を備え、
前記特定手段は、前記操作手段の操作量が所定の閾値に達するまで前記放出手段から遊技球が放出されないようにすることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B3によれば、操作手段の操作量が所定の閾値に達するまでは遊技球の放出が行われない構成である。このため、操作手段の操作量が所定の閾値に達するまで、遊技球が戻り球となって遊技領域に届かない従来の遊技機と同じ感覚で操作することができる。
特徴B4.前記放出手段は、
遊技球を所定位置に供給するための供給動作を実行する供給手段(球送り装置86)と、
前記所定位置に供給された遊技球を前記遊技領域に放出するための放出動作を実行する放出実行手段(ソレノイド82)と、
を備え、
前記特定手段は、前記操作手段の操作量が前記所定の閾値に達するまで前記供給動作及び前記放出動作のうち少なくとも一方を阻止することを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、特定手段は操作手段の操作量が所定の閾値に達するまで供給動作及び放出動作のうち少なくとも一方を阻止する構成である。供給動作を阻止することにより、遊技球の所定位置への供給が行われない。この場合、放出対象の遊技球が存在しないため、遊技球は放出されない。また、放出動作を阻止することにより、仮に遊技球の所定位置への供給が行われたとしても、遊技球は放出されない。したがって、供給動作及び放出動作のうち少なくとも一方を阻止することにより、操作量が閾値に達しない場合には遊技球が放出されないようにすることができる。
特徴B5.前記特定手段は、前記操作手段の操作量が所定の閾値以上となった場合には当該操作量に応じた態様で前記放出手段による前記遊技領域への遊技球の放出が行われるようにすることを特徴とする特徴B3又はB4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、操作手段の操作量が所定の閾値以上となった場合に、遊技領域への遊技球の放出が操作量に応じた態様で行われる構成である。操作量に応じて遊技領域への遊技球の放出態様が異なる。このため、遊技者は操作手段の操作量を調整することにより、所望の態様で遊技球を遊技領域へ放出させることができる。
特徴B6.前記放出手段は遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構34)であり、
当該発射手段により発射された遊技球を前記遊技領域に案内する案内通路(発射用支持体281)を備え、
前記所定の閾値は、前記操作手段の操作量が前記発射手段から発射された遊技球が前記案内通路を通過して前記遊技領域に到達することが可能な発射強度に対応する操作量であることを特徴とする特徴B3乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技球は発射され、案内通路によって遊技領域まで案内される。また、所定の閾値は、発射された遊技球が遊技領域に到達することが可能な発射強度に対応する操作量である。これにより、操作量が所定の閾値以上である場合には、発射された遊技球が案内通路を通過して遊技領域に案内される。
なお、特徴B1〜B6のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A16、特徴B1〜B6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群、上記特徴B群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機が知られている。当該パチンコ機では、遊技媒体として遊技球が用いられる。パチンコ機において、前面部に設けられた球受け皿への遊技球の供給及び球受け皿から遊技球の取り出しを遊技者が行うことが可能な構成が知られている。この場合、遊技球は、遊技者の発射操作に基づき遊技領域に向けて発射され、遊技領域を流下し終えた遊技球はパチンコ機の外部に排出される。
また、上記構成以外にも遊技領域から排出された遊技球がパチンコ機外部に排出されることなく球受け皿に返還される循環式のパチンコ機も知られている。さらに、演出用に遊技球を使用し、当該遊技球を循環させる構成も考えられる。当該パチンコ機では、遊技領域に向けて発射された遊技球が遊技領域に到達せずに案内通路を逆流して戻り球となる可能性がある。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技領域に向けて放たれた遊技球が戻り球となって逆流することを回避することが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、22…前扉、33…遊技盤、34…遊技球発射機構、36…発射操作装置、65…発射制御装置、82…ソレノイド、86…球送り装置、111研磨装置、211…貯留空間、217…貯留センサ、221…揚送通路、221a…内レール、221b…外レール、221d…減速領域、221e…頂上領域、221g…通路形成部材、234…揚送用遊技球発射機構、281…発射用支持体、282…揚送用発射ソレノイド、291…戻り球回収孔、321…第2の実施形態の上流側センサ、322…下流側センサ、331…第3の実施形態の揚送通路、441…揚送用遊技球発射機構、442…揚送通路、443…第1通過センサ、444…第2通過センサ。

Claims (6)

  1. 遊技球を遊技領域に到達させるために遊技球の放出を行う放出手段と、
    当該放出手段から遊技球が放出される場合には、遊技球が遊技領域に到達する態様で遊技球の放出が行われるようにする特定手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記放出手段が遊技領域の上部又は上方に位置することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 操作することにより、前記放出手段に遊技球を放出するための契機を与えることが可能な操作手段を備え、
    前記特定手段は、前記操作手段の操作量が所定の閾値に達するまで前記放出手段から遊技球が放出されないようにすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  4. 前記放出手段は、
    遊技球を所定位置に供給するための供給動作を実行する供給手段と、
    前記所定位置に供給された遊技球を前記遊技領域に放出するための放出動作を実行する放出実行手段と、
    を備え、
    前記特定手段は、前記操作手段の操作量が前記所定の閾値に達するまで前記供給動作及び前記放出動作のうち少なくとも一方を阻止することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記特定手段は、前記操作手段の操作量が所定の閾値以上となった場合には当該操作量に応じた態様で前記放出手段による前記遊技領域への遊技球の放出が行われるようにすることを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。
  6. 前記放出手段は遊技球を発射する発射手段であり、
    当該発射手段により発射された遊技球を前記遊技領域に案内する案内通路を備え、
    前記所定の閾値は、前記操作手段の操作量が前記発射手段から発射された遊技球が前記案内通路を通過して前記遊技領域に到達することが可能な発射強度に対応する操作量であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
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