JP2016535082A - Cbp/カテニン阻害剤を用いる肝線維症の治療 - Google Patents

Cbp/カテニン阻害剤を用いる肝線維症の治療 Download PDF

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Abstract

本発明の開示は、一般的にアルファヘリックス模倣構造、特にβ−カテニン阻害剤であるアルファヘリックス模倣構造に関する。本発明の開示は、また、肝炎に伴う肝線維症、B型肝炎感染症に伴う肝線維症等の肝線維症、及び非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH)の治療における適用、並びにかかるアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤を含む医薬組成物に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年10月18日に出願された米国仮出願番号61/892,606の実用変更(conversation)である。
開示の背景
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされる肝臓の感染性の炎症性疾患である。感染は時として無症候であるが、慢性的な感染は肝臓の瘢痕化をもたらし最終的には肝硬変となるが、これは通常何年も後になって明らかとなる。幾つかのケースでは、肝硬変の患者は、肝不全、肝がんあるいは致死的な食道胃静脈瘤を発症するようになる。
肝線維症の発症は慢性的なB型肝炎ウイルス感染において自然に辿る重大事象である。線維化は、この疾患による罹患及び死亡の主たる原因であり、慢性感染患者における、肝不全、肝細胞がん及び死亡の割合を上げる要因となる。
非アルコール性脂肪性肝炎、すなわちNASHは通常、しばしば「静かな」肝疾患である。アルコール性肝疾患に類似しているが、アルコールをほとんど又は全く飲まない人でも発症する。NASHの主な特徴は、炎症及び損傷に加えて、肝臓内の脂肪である。NASHに罹患しているほとんどの人は体調がよいと感じ、肝臓に問題があるとは気づいていない。それにもかかわらず、NASHは重症化し肝硬変へと至る可能性があり、その場合、肝臓は永久に損傷され瘢痕化してもはや正常に機能できない。NASHは、徐々に悪化し、肝臓内に瘢痕又は「線維症」を発現させてそれらを蓄積させる可能性がある。線維症は悪化すると、肝硬変を発症させ、肝臓が瘢痕化して硬化し、そして正常に機能しなくなる。
肝線維症は、肝臓内の線維組織の蓄積によって特徴づけられ、且つ定義づけられる。線維性瘢痕組織の形成は、損傷に対する正常な身体反応であるが、線維症では、この治癒過程が乱れる。肝細胞(機能的な肝臓の細胞)がウイルス感染、大量のアルコール摂取、毒素、外傷、あるいは他の要因によって損傷を受けると、免疫系が活性化されそのダメージを修復する。肝細胞の損傷あるいは死(壊死)が炎症性の免疫細胞を刺激し、サイトカイン、増殖因子及び他の化学物質を放出させる。これらの化学伝達物質が、肝星細胞と呼ばれる肝臓内の支持細胞に対し、活性化してコラーゲン、糖タンパク質(フィブロネクチン等)、プロテオグリカン及び他の物質を産生するように命じる。これらの物質が肝臓に堆積し、細胞外マトリックス(非機能的な結合組織)の構築をもたらす。同時に、コラーゲンの破壊あるいは分解の過程が損なわれる。正常な肝臓では、マトリックス組織の合成(線維形成)及び破壊(線維分解)は均衡状態にある。過剰な瘢痕組織が、それが破壊され肝臓から除去されるよりも早く構築される場合に線維化が生じる。
Wnt/β−カテニンシグナル伝達は、ヒト生物学の多くの面におけるその重要な役割の先駆けとして浮上している。このシグナル伝達経路は、胚発生や器官形成、組織及び器官のホメオスタシスの維持、また、がん、及び炎症性障害や線維症等の他の人の障害の病態に関与する。肝臓では、発生、再生及び増殖等の幾つかの生理学的事象において不可欠である。しかしながら、この経路の異常活性化は、肝臓の多数の異なる腫瘍においても顕著であり、さらなる肝臓の病態における役割について同定する為の研究が近年始まっている。分化、増殖、生存、酸化的ストレス、形態形成等の様々な基礎的な細胞事象を制御することによって肝臓の生理や病理に寄与する。
Wnt/β−カテニンシグナル伝達の役割はまた星細胞における事象を開始することにある。星細胞における細胞間接着にβ−カテニンが発現することが知られているが、より近年には、肝再生の際に、核及び細胞質のβ−カテニンが報告された。星細胞の活性化は、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎及びウイルス性肝炎等の複数の疾患における、代謝性肝疾患の結果としての肝線維化に関与している。星細胞活性におけるWnt/β−カテニンシグナル伝達の役割を調べる為の研究が現在始まっている。近年、休止状態にある、及び活性化したラット肝星細胞のDNAマイクロアレイ解析により非カノニカルなWnt経路に関与する遺伝子のアップレギュレーションが示されたが、β−カテニンの活性化は見られなかった。さらなる同定が必要ではあるが、全てのWnt及びfrizzled遺伝子の有無を調べる別の研究では、活性化した、あるいは静止状態の星細胞及びクッパー細胞におけるそれらの全発現に違いは見られなかった。しかしながら、この研究では、活性化された細胞ではFzb(sFRP1)のみが存在することが明らかとなり、そのことは、星細胞又はクッパー細胞の活性化の過程でのWntシグナル伝達の調節を示唆している(Thompson, M. and Monga, S., Hepatology 45: 1298-1305, 2007)。
肝星細胞(HSC)の活性化、肝線維化におけるキーとなる事象であるが、これは脂肪生成転写の低下によって引き起こされる。近年の研究では、Wntシグナル伝達が、HSCの「抗脂肪生成」活性化及び肝臓の線維成長に寄与しているかどうかということが調べられてきた(Cheng J. et al., Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 294:G39-G49, 2008)。これらの研究では、正常ラット由来の培養活性化HSC、及び胆汁鬱滞性ラット由来のHSCについてWnt受容体、Frizzled(Fz)受容体、及び共受容体を定量PCRで調べた。Wntシグナル伝達は、核β−カテニン及びT細胞因子(TCF)プロモーター活性により評価した。Dickkopf−1(Dkk−1)、Wnt共受容体アンタゴニストであるが、これをアデノウイルスベクターによって、マウスにおけるHSCの培養活性化及び胆汁鬱滞性肝線維化におけるWnt拮抗作用の効果を評価するために導入した。休止しているHSCに比べて培養活性化されたHSCでは、カノニカルなWnt遺伝子(Wnt3a及び10b)と非カノニカルなWnt遺伝子(Wnt4及び5a)、Fz−1及び2、及び共受容体[低比重リポタンパク受容体関連タンパク質(LRP)6及びRyk]のメッセンジャーRNAがおよそ3〜12倍に増加した。核β−カテニンレベル及びTCF DNA結合は活性化HSCで顕著に増加した。
TCFプロモーター活性はWnt1によって刺激されるが、β−カテニンのTCFとの相互作用を遮断するタンパク質であるChibby、及びDkk−1によって阻害される。Dkk−1は、重要な脂肪生成転写パラメーターである、ペルオキシソーム増殖剤因子活性化受容体−ガンマ(PPAR−γ)駆動のPPAR応答エレメント(PPRE)プロモーター活性を増強し、アゴニストで刺激された収縮を無効にし、そして培養中のHSCの休止を回復させる。Dkk−1の高い発現は、培養HSCのアポトーシスを増加させる。Wnt及びFz遺伝子の発現もまた、実験的胆汁鬱滞性肝線維症から単離されたHSCにおいて誘導され、Dkk−1の発現は、マウスにおける肝線維症のこの様式を改善する。つまり、HSC活性化における抗脂肪生成Wntシグナル伝達、及び肝線維症に対するWnt拮抗作用の治療的可能性について明らかにされている(Cheng J. et al., Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 294:G39-G49, 2008)。
開示の簡単な概要
本開示は、肝炎に関連する肝線維症、B型肝炎感染症に関連する肝線維症、及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝線維症を、β−カテニンシグナル伝達阻害剤を投与することによって治療する方法を提示する。本開示は、また、アルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤化合物及びβ−カテニンの阻害剤を含む組成物を提供する。
一実施態様として、本発明のアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤化合物として4−(((6S,9S,9aS)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニルジヒドロゲンホスフェート、又は(6S,9S,9aS)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミドが挙げられる。
化合物Aでの治療が、NASHモデルラットにおける線維化を低減する。 シリウスレッド染色された肝切片の代表的な顕微鏡写真。 シリウスレッド染色された肝切片の代表的な顕微鏡写真。
開示の詳細な説明
生物学的活性のあるタンパク質又はペプチドで見られるリバースターンの二次構造を模倣した非ペプチド化合物が開発されている。例えば、米国特許第5,440,013号及びPCT国際公開第94/03494号、PCT国際公開第01/00210A1号及びPCT国際公開第01/16135A2号は、それぞれ、リバースターンの三次元構造を模倣する立体配座的に制限された非ペプチド化合物を開示している。更に、米国特許第5,929,237号及びその一部継続出願である米国特許第6,013,458号はともに、生物学的活性のあるペプチド及びタンパク質のリバースターン領域の二次構造を模倣する立体配座的に制限された化合物を開示している。リバースターン模倣に関しては、PCT国際公開第2007/056513号及びPCT国際公開第2007/056593号において、生物学的活性のあるペプチド及びタンパク質のアルファヘリックス領域の二次構造を模倣する、立体配座的に制限された、化合物が開示されている。
本開示は、新規化合物、医薬組成物及び肝線維症の治療方法を提供する。本発明者らは、β−カテニンシグナル伝達を阻害することが線維性肝疾患の治療に対する効果的なアプローチであることを見つけ出した。
本発明のアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤の構造および化合物が、PCT国際公開第2010/044485、PCT国際公開第2010/128685、PCT国際公開第2009/148192、米国特許公開第2011/0092459において開示され、それぞれその全体が参照されることにより本明細書中に組み込まれる。これらの化合物は、現在、腎線維症の治療において有用であることが分かっている。
本発明のアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤の好ましい構造は以下の式(I):
(式中、
Aは、−CHR
(式中、
は、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアルキル又は置換されていてもよいヘテロシクロアルキルアルキルである)であり;
Gは、−NH−、−NR−又は−O−
(式中、
は、低級アルキル又は低級アルケニルである)であり;
は、−Ra−R10
(式中、
Raは、置換されていてもよい低級アルキレンであり、かつ
10は、置換されていてもよい二環式縮合アリール又は置換されていてもよい二環式縮合ヘテロアリールであり;
は、−(CO)−NH−Rb−R20
(式中、
Rbは、結合又は置換されていてもよい低級アルキレンであり;かつ
20は、置換されていてもよいアリール又は置換されていてもよいヘテロアリールである)であり;
は、C1−4アルキルである)を有する。
これらの化合物は、肝線維症の予防及び/又は治療に特に有用である。
本発明のアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤のさらに好ましい構造は、上記式(I)において以下の置換基:
Aは−CHR−、
(式中、
は、ヒドロキシル又はC1−4アルキルで置換されていてもよいアリールアルキルである)であり;
Gは、−NH−、−NR−、又は−O−
(式中、
はC1−4アルキル又はC1−4アルケニルである)であり;
は、−Ra−R10
(式中、
Raは、C1−4アルキレンであり、かつ
10は、ハロゲン又はアミノで置換されていてもよい、二環式縮合アリール又は二環式縮合ヘテロアリールである)であり;
は、−(CO)−NH−Rb−R20
(式中、
Rbは、結合又はC1−4アルキレンであり;且つ
20は、アリール又はヘテロアリールである)であり;且つ
は、C1−4アルキルである)
を有する。
これらの化合物は、肝線維症の予防及び/又は治療に特に有用である。
本発明の最も好ましいアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤は次のとおりである:
(6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−2−アリル−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,2,4]オキサジアジン−1(6H)−カルボキサミド、
(6S,9S)−8−((2−アミノベンゾ[d]チアゾール−4−イル)メチル)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−2−アリル−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニルジヒドロゲンホスフェート、
4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニルジヒドロゲンホスフェート、
4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニル ホスフェートナトリウム、
4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(ナフタレン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニル ホスフェートナトリウム、
(6S,9S)−2−アリル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−4,7−ジオキソ−N−((R)−1−フェニルエチル)−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−2−アリル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−4,7−ジオキソ−N−((S)−1−フェニルエチル)−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−8−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−8−(ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール−4−イルメチル)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−8−(イソキノリン−5−イルメチル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−N−ベンジル−8−((5−クロロチエノ[3,2−b]ピリジン−3−イル)メチル)−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
(6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノキサリン−5−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、および
(6S,9S)−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド。
これらの化合物は、肝線維症の予防及び/又は治療に特に有用である。
最も好ましい実施態様における化合物は:
4−(((6S,9S,9aS)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニルジヒドロゲンホスフェート(化合物A)、又は
(6S,9S,9aS)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミドである。
これらの化合物は、肝線維症の予防及び/又は治療に特に有用である。
拘束されることを望むものではないが、これらの状態の治療におけるこれらの化合物の有用性は、部分的には、これらの化合物が、環状AMP応答エレメント結合タンパク質(CBP)を抑制することにより、TCF4/β−カテニン転写経路を遮断し、ひいてはwnt経路シグナル伝達を変更することができることに基づいており、このことが結果を改善することが分かっている。
「β−カテニン阻害剤」は、β−カテニン活性を減少又は抑制し得る物質である。β−カテニン活性としては、核への転位、TCF(T細胞因子)転写因子の結合、およびTCF転写因子誘導性のTCF標的遺伝子の転写の共活性化が挙げられる。「β−カテニン阻害剤」はまた、CBP及びβ−カテニンの相互作用を妨げ得る。このようにして、β−カテニン阻害剤は、1以上の下流シグナル事象を低減させることを含めて、CBP/β−カテニンシグナル伝達及びCBP/β−カテニンシグナル伝達経路の活性を抑制又は減少させる。
本明細書中に開示されているのは、肝線維症の治療のためのアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤化合物である。
ここで、「肝線維症」とは、肝臓内の結合組織又は瘢痕組織の過剰な蓄積として定義される。肝線維症における結合/瘢痕組織の蓄積は、正常で健康な肝臓における結合組織のレベルに比べて過剰である。この線維症は、しばしば肝組織の壊死及び/又は炎症を伴う。特に、正常な肝臓においてビタミンAを蓄える肝星細胞(HSCs)が急性及び慢性の肝臓の損傷によって筋線維芽細胞へと変換し、急速に増殖し、コラーゲン、プロテオグリカン、ヒアルロナン等の細胞マトリックスの合成及び移行を増加させることで過剰量の結合組織を合成し、結果として肝線維化の進行を促進する[Friedman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 82: 8681 (1985) Gressner et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 151: 222 (1988) Gressner et al., J. Hepatol., 22: 28 (1995)]。CBP/カテニンシグナル伝達は肝星細胞の増殖及び発生を誘導し、そしてそれによってコラーゲン等の細胞外マトリックスの過合成及び過剰な蓄積を誘導するのに役割を果たす。
用語「肝炎」は肝臓の炎症を意味する。この炎症は、典型的には免疫細胞の肝組織への浸潤を伴う。肝炎は6ヶ月未満持続する急性であり得、あるいは6月より長く持続する慢性であり得る。回復しない場合には、肝炎は線維化、結合/瘢痕組織の過剰形成へと進行し、さらに瘢痕組織の進展が正常な実質と入れ替わり、器官を通る門脈血流を遮断し正常な肝機能が妨害されている肝硬変へと進行する。
急性肝炎の肝標本の組織学的検査では、病変(正常でない組織の領域)には、主に、びまん性の、類洞内及び門脈への単核球の浸潤(リンパ球、形質細胞、クッパー細胞)が見られる。好酸性細胞が一般的である。典型的には、肝細胞の再生及び胆汁鬱滞(毛細胆管の胆汁栓)が存在する。架橋状肝壊死(2つ以上の門脈路を連結する壊死領域)が起こる場合もある。幾つかの小葉の乱れがあり得る。門脈域内ではリンパ球の凝集が起こり得るが、通常は、一般的でも顕著なものでもない。急性肝炎が肝線維化を伴うことは少ないが、これもまた本願発明の方法によって治療し得る。
慢性肝炎では、肝臓の炎症は原因物質(知られている場合)、及び炎症、ピースミール及び架橋壊死(インターフェイス肝炎)の程度及び線維化のステージに基づいたグレードで評価される。組織学的検査では急性肝炎に比べて同じぐらいか、あるいはそれよりもより重篤な病変を示す場合があり、小葉の乱れの増加、門脈域内のリンパ球の凝集の増加、及び線維化及び/又は硬変化の増加を示す場合がある。
用語「B型肝炎」は、脂質含有エンベロープを有し、フラビウイルスファミリーのメンバーであると考えられている一本鎖RNAウイルスであるB型肝炎ウイルスの感染を意味する。該用語は、急性B型肝炎を含む全ての型のB型肝炎及び全ての型の慢性B型肝炎(例、慢性活動性B型肝炎、慢性持続性B型肝炎)を包含する。
脂肪性肝炎(脂肪肝疾患としても知られている)は肝臓内の脂肪の蓄積と同時に起こる肝臓の炎症で特徴付けられるある種の肝疾患である。肝臓内への脂肪の沈着は脂肪症と呼ばれ、これらは脂肪肝変化を構成する。過剰なアルコール摂取とは関連していない場合、非アルコール性脂肪性肝炎、すなわちNASHと呼ばれ、非アルコール性脂肪肝疾患の進行形である。脂肪性肝炎は、肝硬変に進行する場合があり、NASHは、説明のつかない肝硬変の原因となることが多いと信じられている(少なくとも欧米社会では)。NASHでは、肝臓内で脂肪が増大し最終的には瘢痕組織をもたらす。このタイプの肝炎は糖尿病、タンパク栄養不良、肥満、冠動脈疾患、及び副腎皮質ホルモンの投薬を伴う治療に関連しているらしい。本明細書に開示されるアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤化合物は脂肪性肝炎を治療することができる。
NASHは幾つかの組織学的特徴(壊死、多形核白血球浸潤、マロリー小体及びクラリフィケーション)を組み合わせるスコアリングシステムによりグレード分けすることができる。このスコアリングシステムはまた、一般の肝炎を診断するのにも有効である。4グレードスコアリングシステムを用い、合計のスコアが0〜8の範囲となるように、各特徴を0〜2でスコア化する(Mathurin P, et al. Gastroenterology 110:1847-53 (1996); Bedossa P, et al. Alcohol Clin. Exp. Res. 12:173-8 (1988)):NASHは、Bruntスコア(Angulo P. N. Engl. J. Med. 346(16):1221-31, 2002)の4グレードスコアリングシステムによりグレード分けされ得る:
グレード0:スコア=0,NASHではない;
グレード1:スコア=1〜2、軽度(mild)/軽度な脂肪症:主に大滴性で小葉の66%まで、風船様腫大:しばしば観察される;ゾーン3肝細胞、小葉の炎症:散在性の軽度の急性炎症(多形核細胞)及びたまに慢性炎症(単核細胞)、門脈の炎症:無か軽度;
グレード2:スコア=3〜4、中程度(moderate):脂肪症:任意の程度、通常は大滴性と小滴性の混在、風船様腫大:明らか且つゾーン3に存在する、小葉の炎症:風船様腫大した肝細胞を伴う多形核細胞が認められる、細胞周囲の線維化;軽度の慢性炎症が見られる、門脈の炎症:軽度〜中程度;
グレード3:スコア=5〜8、重度(severe):脂肪症:典型的には小葉の66%超(汎細葉性);通常混在型の脂肪症、風船様腫大:主にゾーン3;顕著な小葉の炎症:散在性の急性及び慢性炎症;多形核細胞が風船様腫大した類洞周囲の線維化のゾーン3に濃縮し得る;門脈の炎症:軽度〜中程度。
本明細書中で使用されているように、「治療(treatment)」とは、治療される個人又は細胞の疾病の経過を変化させるための試みにおける臨床的介入をいい、臨床的な病状の経過の間に行われ得る。治療の治療的効果としては、疾病の再発の抑制、症状の緩和、直接的又は間接的な疾病の病理学的帰結(pathological consequences)を軽減すること、疾病進行の速度を減少させること、病態の改善(amelioration)もしくは緩和(palliation)、および寛解(remission)、又は予後を改善することが挙げられるがこれに限定されない。
本明細書中で使用されているように、「治療有効量」および「有効量」という用語は、肝線維症の進行もしくは発症、又は1以上のその症状を抑制するという結果をもたらすために、別の治療の効果を増強もしくは改善するために、および/または肝線維症の1以上の症状を改善するために十分な本発明の組成物の量に言及すべく、区別せずに使用される。肝線維症を患う対象のために、好ましい治療上の有効量は、線維化を減じるのに、及び/又は肝機能を改善するのに効果的な量である。
治療上の有効量が、疾病の進行を緩和し、改善し、安定化し、食い止め、もしくは遅らせ、又は異なる方法で疾病の病理学的帰結を軽減させるために、あるいは疾病の症状を軽減させるために十分な1回分以上の用量において患者へ投与され得る。改善又は軽減は、恒久的である必要はなく、少なくとも1時間、少なくとも1日、又は少なくとも1週間以上の範囲の期間にわたるものであってもよい。有効量は、概して医者によって個別的に決定され、当業者の技能の範囲内である。有効量を得るための適切な用量を決定するときには、いくつかの要因が、通常は考慮される。これらの要因としては、患者の年齢、性別および体重、治療すべき疾患、疾患の重症度、並びに投与ルート、剤形、処方計画および所望の結果が挙げられる。
本明細書中で使用されるように、「対象」及び「患者」という用語は、区別することなく用いられ、動物、好ましくは、非霊長類(例えば、牛、豚、馬、猫、犬、ラット等)および霊長類(例えば、サルおよびヒト)等の哺乳動物、最も好ましくはヒトのことをいう。
本明細書中に記載されたアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤は、疾病を予防又は治療するのに有用である。特に本発明の開示は、肝線維症の危険にさらされる(又はかかりやすい)対象を処置する、予防及び治療方法の両方を提供する。従って、本方法は、有効量のアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤をそれを必要とする対象に投与することによる、対象の肝線維症の予防及び/又は治療を提供する。例えば、対象に、肝線維症状態の1以上の要因を改善するための取り組みにおいてアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤を投与し得る。
本発明はまた、該化合物が併用療法において投与される方法を包含する。すなわち、該化合物は、肝炎及びHBV感染の治療において有用な他の薬剤と併用して、ただし他の薬剤とは別に使用され得る。これらの併用法において化合物は、一般的に、他の薬剤と組み合わせて、体重1kg当たり1−100mgの1日投与量において日々投与されるだろう。他の薬剤は、一般的に治療上使用される量が投与されるだろう。しかしながら、具体的な投与計画は、有効な医学的判断を使用する医師によって決定されるだろう。
本明細書に開示される阻害化合物との併用療法を含む、組成物及び方法に好適な化合物のいくつかの例として以下のものが挙げられるがそれらに限定されない:
ICG−001;オメガIFN IFN−ω Intarcia Therapeutics;
BILN−2061 セリンプロテアーゼ阻害剤 Boehringer Ingelheim Pharma KG, Ingelheim, Germany;
シンメトレル(Summetrel) 抗ウイルス剤 Endo Pharmaceuticals Holdings Inc., Chadds Ford, PA;
ロフェロンA IFN−α2a F Hoffmann-La Roche LTD, Basel, Switzerland;
ペガシス PEG化IFN−α2a F Hoffmann-La Roche LTD, Basel, Switzerland;
ペガシス及びリバビリン PEG化IFN−Fα2a/リバビリン Hoffmann-La Roche LTD, Basel, Switzerland;
セリセプト HCV IgG F Hoffmann-La Roche immunosuppressant LTD, Basel, Switzerland;
ウェルフェロン リンパ芽球様IFN−α n1 GlaxoSmithKline plc, Uxbridge, UK;
アルブフェロンαアルブミン IFN−α2b Human Genome Sciences Inc., Rockville, MD;
レボビリン リバビリン ICN Pharmaceuticals, Costa Mesa, CA;
IDN−6556 カスパーゼ阻害剤 Idun Pharmaceuticals Inc., San Diego, CA;
IP−501 抗線維薬 Indevus Pharmaceuticals Inc., Lexington, MA;
アクトイミューン INF−γ InterMune Inc., Brisbane, CA;
インフェルゲンA IFN−α con−1 InterMune Pharmaceuticals Inc., Brisbane, CA;
ISIS 14803 アンチセンス ISIS Pharmaceuticals Inc, Carlsbad, CA/Elan Phamaceuticals Inc., New York, NY;
JTK−003 RdRp阻害剤 日本たばこ株式会社、東京、日本;
ペガシス及びセプレン PEG化IFN−α 2a/Maxim Pharmaceuticals immune modulator Inc., San Diego, CA;
セプレン 免疫調節剤 Maxim Pharmaceuticals Inc., San Diego, CA;
シバシル HCV IgG Nabi免疫抑制剤 Biopharmaceuticals Inc., Boca Raton, FL;
イントロンA及びザダキシン IFN−α 2b/α1−チモシン RegeneRx Biopharmiceuticals Inc., Bethesda, MD/SciClone Pharmaceuticals Inc, San Mateo, CA;
レボビリン IMPDH阻害剤 Ribapharm Inc., Costa Mesa, CA;
ビラミジン リバビリン プロドラッグ Ribapharm Inc., Costa Mesa, CA;
ヘプタザイム リボザイム Ribozyme Pharmaceuticals Inc., Boulder, CO;
イントロンA IFN−α 2b Schering-Plough Corporation, Kenilworth, NJ;
PEG−イントロン PEG化IFN−α 2b Schering-Plough Corporation, Kenilworth, NJ;
レベトロン IFN−α 2b/リバビリン Schering-Plough Corporation, Kenilworth, NJ;
リバビリン リバビリン Schering-Plough Corporation, Kenilworth, NJ;
PEG−イントロン/リバビリン PEG化IFN−α 2b /リバビリン Schering-Plough Corporation, Kenilworth, NJ;
ザダザイム(Zadazim) 免疫調節剤 SciClone Pharmaceuticals Inc., San Mateo, CA;
レビフ IFN−β 1a Serono, Geneva, Switzerland;
IFN−β及びEMZ701 IFN−β及びEMZ701 Transition Therapeutics Inc., Ontario, Canada;
バタブリン (T67) β−チューブリン阻害剤 Tularik Inc., South San Francisco, CA;
メリメポジブ IMPDH阻害剤 Vertex Pharmaceuticals (VX-497) Inc., Cambridge, MA;
テラプレビル(VX−950,LY−570310) NS3セリンプロテアーゼ阻害剤 Vertex Pharmaceuticals Inc., Cambridge, MA/Eli Lilly and Co. Inc., Indianapolis, IN;
オミフェロン 天然IFN−α Viragen Inc., Plantation, FL;
XTL−6865(XTL−002) モノクローナル抗体 XTL Biopharmaceuticals Ltd., Rehovot, Israel。
肝線維症の治療とは、肝線維症を患う対象を治療するための本明細書中に記載された化合物又は併用の投与をいう。肝線維症の治療の一の結果は、過剰な結合組織の形成を軽減することである。肝線維症の治療の別の結果は、炎症、及び免疫細胞の浸潤を軽減することである。肝線維症の治療の更に別の結果は、肝組織の壊死を減じることである。肝線維症の治療の更に別の結果は、肝機能を改善することである。
本明細書中に記載されたアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤は、本明細書中に記載された障害を治療又は予防することを目的とした、単独又は併用における対象への投与のための医薬組成物に組み込まれ得る。かかる組成物は、通常、活性薬剤および製薬上許容し得る担体を含む。本明細書中に使用されるように、「製薬上許容し得る担体」という用語としては、製薬上の投与に適用可能な、生理食塩水、溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延性剤等が挙げられる。また、追加の活性化合物も該組成物に組み込まれ得る。
本明細書中に記載された化合物の有効量を哺乳動物、特にヒトに提供するために、如何なる適切な投与ルートも用いられ得る。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼、肺領域、鼻等が用いられ得る。剤形は、錠剤、トローチ、分散剤(dispersions)、懸濁剤、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾル等が挙げられる。
使用される活性成分の有効量は、使用される特定の化合物、投与方法、治療される疾患および治療される疾患の重症度に応じて変化し得る。かかる量は、当業者によって容易に確認され得る。
本明細書中に記載された化合物について示される肝線維症及び/又は他の疾病を治療又はコントロールするときには、本明細書中に記載された化合物が動物体重1キログラム当たり約0.01ミリグラム〜約100ミリグラムの1日投与量で投与された場合、好ましくは、1日単回用量として、又は1日に2〜6回に分割した用量において、又は徐放性製剤において与えられた場合に、おおむね満足な結果を得る。大部分の大型哺乳動物には、毎日の合計投薬量は約1.0ミリグラム〜約1000ミリグラムである。70kgの成人の場合、毎日の合計投薬量は、概ね約1ミリグラム〜約500ミリグラムだろう。特に強力な化合物では、成人のための用量が0.1mgにまで減少し得る。いくつかの場合には、毎日の投薬量が1グラムにまで多くなり得る。投薬計画は、最適な治療効果を提供すべく、この範囲内又はこの範囲外においても調整され得る。
経口投与は、通常、錠剤又はカプセルを用いてなされるだろう。錠剤およびカプセルにおける用量の例は、0.1mg、0.25 mg、0.5mg、1mg、2mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、100mg、200mg、250mg、300mg、400mg、500mg、および750mgである。他の経口剤形も、同一又は同様の用量を有し得る
また、本明細書中に記載された化合物および製薬上許容し得る担体を含む医薬組成物が、本明細書中に記載される。本明細書中に記載された医薬組成物は、製薬上許容し得る担体、および所望により他の治療成分とともに、活性成分として、本明細書中に記載された化合物又は製薬上許容され得る塩を含む。また、プロドラッグが投与される場合には、医薬組成物は、プロドラッグ、又はその製薬上許容し得る塩を含み得る。
如何なる既定の場合においても最も適切なルートは、治療される疾患の特性および重症度および活性成分の特性によって決まるが、組成物は、経口投与、直腸投与、局所投与、非経口投与(皮下用、筋肉内用、および静脈内用を含む)、眼投与(眼科用)、肺領域投与(点鼻もしくはバッカル吸入)、又は点鼻投与に適し得る。それらは便宜上、単位剤形において提示され、薬学分野において周知の方法によって調製され得る。
実用的な用途において本明細書中に記載された化合物は、従来の医薬品配合技術に従って、密な混合物(intimate admixture)中の活性成分として製薬上の担体と混合され得る。担体は、例えば、経口又は非経口(静脈内を含む)等の投与のために望ましい製剤の形態に応じて、多岐にわたる形態をとり得る。経口用剤形としての組成物の調製では、如何なる通常の製薬上の媒体も使用し得、例えば、懸濁剤、エリキシル剤および溶液などの経口液体製剤の場合には、例えば、水、グリコール、油、アルコール類、香味料、保存料、着色剤等が使用し得、例えば、粉末、硬カプセルおよびソフトカプセル、並びに錠剤等の経口固形製剤の場合には、でんぷん、砂糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の担体が使用し得、液体製剤よりも、経口固形製剤が好ましい。
投与の容易さのため、固形の医薬担体が使用される場合には、錠剤およびカプセルが最も都合のよい経口の用量単位剤形に相当する。必要に応じて、錠剤は、標準的な水性又は非水性の技術でコーティングされ得る。かかる組成物および製剤は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含む必要がある。これらの組成物中の活性化合物の割合は、言うまでもなく、変化し得、便宜上その単位の約2重量パーセント〜約60重量パーセントであり得る。上記治療に有用な組成物中の活性化合物の量は、有効量を得るであろう量である。また、活性化合物は、例えば、液滴又は噴霧剤として鼻腔内に投与され得る。
錠剤、丸薬(pills)、カプセル等は、トラガントガム、アカシア、コーンスターチ、又はゼラチン等の結合剤;第二リン酸カルシウム等の賦形剤;コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、アルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;及びスクロース、ラクトース又はサッカリン等の甘味剤を含み得る。用量単位剤形がカプセル剤の場合、上記類型の原料に加えて、脂肪油等の液体担体も含み得る。
コーティングとして、又は用量単位の物理的形状を修飾するべく、種々の他の原料が含まれ得る。例えば、錠剤は、シェラック、砂糖又はその両方でコーティングされ得る。シロップ剤又はエリキシル剤は、活性成分に加えて、甘味剤としてのスクロース、保存料としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、色素、サクランボ又はオレンジフレーバー等の香料を含み得る。
また、本明細書中に記載された化合物は、非経口的にも投与され得る。これらの活性化合物の溶液又は懸濁剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート80、中鎖および長鎖脂肪酸のモノおよびジグリセリド等の界面活性剤又は界面活性剤の混合物と水中において適切に混合されて調製され得る。また、分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびその油中混合物において調製され得る。通常の貯蔵および使用条件下においてこれらの製剤は、微生物の増殖を妨げるための保存料を含む。
注射用途に適した医薬品形態としては、無菌の水溶液又は分散剤、および無菌の注射可能な溶液もしくは分散剤を即席で調製するための無菌の粉末が挙げられる。全てのケースにおいて、その形態は、無菌であり、容易に注射が可能である程度に流動性がある必要がある。製造および貯蔵条件において安定であり、細菌および真菌等の微生物の混入作用に対して保護される必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物、および植物油を含有する溶剤又は分散媒であり得る。
実施例1.材料と方法
略語:
ALT : アラニンアミノトランスフェラーゼ
α−SMA : α−平滑筋アクチン
BCA : ビシンコニン酸
cDNA : 相補的DNA
HE : ヘマトキシリンとエオシン
HFD : 高脂肪食餌
Hyp : ヒドロキシプロリン
MMLV−RT: モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素
NAFLD : 非アルコール性脂肪肝疾患
NAS : NAFLD活性スコア
NASH : 非アルコール性脂肪性肝炎
NTP : ヌクレオチド三リン酸
Rplp0 リボゾームタンパク質、ラージ、P0
RT−PCR : 逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応
QD : 1日1回
SD : 標準偏差
SPF : 特定病原体フリー
TG : トリグリセリド
TIMP−1 : 組織メタロプロテアーゼ阻害剤1
動物
C57BL/6Jマウス(15日妊娠雌性)を日本チャールスリバーラボラトリーズ(神奈川、日本)から入手した。本研究で使用した全ての動物は、動物実験に関する日本薬理学会指針に従って飼育し世話をした。動物を温度(23±2℃)、湿度(45±10%)、照明(12時間の人工的な明暗サイクル;8:00〜20:00点灯)及び換気、という制御された条件下、SPF施設で飼育した。実験室は、施設の汚染を予防するために、高圧(20±4Pa)を維持した。動物は、ポリカーボネートケージKN−600(夏目製作所、日本)で飼育し、1ケージあたり最大4匹のマウスとした。床敷には、滅菌したPULMASμ(株式会社 天然素材探索研究所、日本)を用い、1週間に1回交換した。滅菌した固形のHFDを自由に摂取させ、ケージの上に金属蓋を置いた。ゴムのストッパーとシッパーチューブのついた飲水ボトルから純水を自由に飲水させた。飲水ボトルは1週間に1回交換し、洗浄しオートクレーブで滅菌して再利用した。耳に番号を刻んでマウスを識別した。各ケージは特定の識別コードでラベリングした。
試験化合物
試験化合物A(β−カテニン阻害剤:4−(((6S,9S,9aS)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニルジヒドロゲンホスフェート)及びベヒクル(リン酸緩衝食塩水、pH7.6)を4℃で保管した。化合物Aを投与直前にベヒクルで希釈した。テルミサルタン(MICARDIS(登録商標))をBoehringer Ingelheim GmbHから購入し、純水に溶解した。
NASHの誘導
生後2日目に200μgのストレプトゾトシン(Sigma-Aldrich, USA)を単回皮下投与することによって雄性マウス40匹にNASHを誘導した。4週齢後は高脂肪食餌(HFD,57kcal%fat,cat#HFD32,日本クレア、日本)を食べさせた。9週齢で8マウスずつ5群に無作為にわけた。ストレプトゾトシン処置をせず、通常の食餌(cat#CE−2,日本クレア)を与えた8匹の雄性の同腹仔を正常群として使用した。
薬剤の投与ルート
化合物A及びベヒクルを、浸透圧ポンプ(ALZET pumps,cat#1004,DURECT Corporation, USA)により注入速度0.11μL/hr(2.64μL/動物/日)で持続的に皮下注入した。処置開始時(day 0)の個々の体重に基づいて決められた濃度で、試験物質溶液を浸透圧ポンプに充填した。テルミサルタンは体重1kgあたり10mLの容量で、経口ルートで投与した。
処置用量
1mg/kg/日(低用量)あるいは3mg/kg/日(高用量)の用量で化合物Aを、持続注入した。テルミサルタンは体重1kgあたり10mgで1日1回投与した。
全血及び血清生化学の測定
非絶食時血糖値はLife Check(EIDIA,日本)を用いて全血で測定した。血清生化学については、抗凝固剤を加えていないポリプロピレンチューブに血液を回収し、室温で30秒、その後4℃で1時間放置した。その後、血液サンプルを1000×gで15分間、4℃で遠心分離した。上清を回収し、使用時まで−80℃で保管した。血清ALT及びTGレベルはFUJI DRI−CHEM 7000(富士フィルム、日本)を用いて測定した。
肝臓のヒドロキシプロリン含量の測定
肝臓のヒドロキシプロリン含量を定量する為に、凍結肝サンプル(35−45mg)を以下のようにアルカリ−酸加水分解法で処理した:肝臓を100%アセトンで脱脂し、空気中で乾燥し、65℃で2N NaOHに溶解し、121℃20分間オートクレーブにかけた。溶解したサンプル(400μL)を400μLの6N HClを用いて121℃、20分間で酸加水分解し、10mg/mLの活性炭を含有する4N NaOH 400μLで中和した。ACバッファー(2.2M酢酸/0.48Mクエン酸,400μL)をサンプルに添加し、続いて遠心分離して上清を回収した。ヒドロキシプロリンの標準曲線を作成するために、トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(Sigma-Aldrich)の16μg/mLから始まる段階希釈を調製した。調製したサンプル及び標準(各400μL)を400μLのクロラミンT溶液(和光純薬工業株式会社、日本)と混合し、室温で25分間インキュベートした。その後、サンプルをエールリッヒ溶液(400μL)と混合し、65℃で20分間加熱し、発色させた。サンプルを氷上で冷却後遠心分離して沈殿を取り除き、各上清の吸光度を560nmで測定した。ヒドロキシプロリンの濃度をヒドロキシプロリン標準曲線から算出した。肝サンプルのタンパク質濃度はBCAタンパク質アッセイキット(Thermo Fisher Scientific, USA)を用いて測定し、算出したヒドロキシプロリンの値で標準化した。ヒドロキシプロリンレベルは総タンパク質mgあたりのμgとして表した。
肝臓のTG含量の測定
肝臓の総脂質抽出物はFolchの方法(Folch J. et al, J. Biol. Chem. 1957; 226 (1): 497)により右小葉から得た。肝臓をクロロホルム−メタノール(2:1,v/v)中でホモジナイズし、一晩室温でインキュベートした。クロロホルム−メタノール−水(8:4:3,v/v/v)で洗浄した後、抽出物を蒸発乾固し、イソプロパノールに溶解した。肝臓のTGレベルをTriglyceride E−test(和光純薬工業株式会社)により測定した。TG含量が検出限界を超える場合には、抽出物をイソプロパノールで2〜4倍に希釈した。
組織病理学的解析
HE染色のために、Bouin溶液で前固定した肝組織のパラフィンブロックから切片を切り出し、Lillie−Mayer’s Hematoxylin(武藤化学株式会社、日本)及びエオシン溶液(和光純薬工業株式会社)で染色した。NAFLD活性スコア(NAS)をKleinerの基準(Kleiner DE. et al., Hepatology, 2005 (41):1313)によって算出した。コラーゲンの沈着を可視化するために、Bouin固定された肝切片をピクロシリウスレッド溶液(Waldeck GmbH & Co., Germany)を用いて染色した。定量的解析には、デジタルカメラ(DFC280, Leica, Germany)を用いて、200倍拡大で、中心静脈付近でシリウスレッド染色された切片をキャプチャーして、1切片あたり5視野で陽性の領域をImageJ software(ImageJ, National Institute of Health, USA)を用いて測定した。
定量的RT−PCR
RNAiso(タカラバイオ、日本)を用いて製造元の指示書に基づき肝臓のサンプルから全RNAを抽出した。4.4mM MgCl(Roche, Switzerland),40U RNase inhibitor(東洋紡、日本)、0.5mM dNTP(Promega, USA)、6.28μM random hexamer (Promega),5×first strand buffer(Promega),10mM dithiothreitol(Invitrogen, USA)及び200U MMLV−RT(Invitrogen)を含有する反応混合物(最終容量20μL)を用いて1μgのRNAを逆転写した。反応は37℃で1時間、続いて99℃で5分間行った。リアルタイムPCRは、リアルタイムPCR DICE及びSYBR premix Taq(タカラバイオ)を用いて行った。相対的なmRNA発現レベルを算出するために、各遺伝子の発現を参照遺伝子36B4(遺伝子シンボル:Rplp0)の発現で標準化した。PCR−プライマーセットとプレートレイアウトの情報を表1に記載した。
統計学的解析
統計学的解析は、Prism 4 Software(GraphPad Software, USA)によるボンフェロニー多重比較試験により行った。P値<0.05で統計学的に有意差ありと考えた。結果を平均±SDで表した。
実施例2.実験計画と処置
試験群
処置スケジュールの概要を表1に示す。
群1:正常 8匹の正常マウスに通常の食餌を自由に摂食させた。9週齢〜12週齢に何の処置も行っていない。
群2:疾患−対照 8匹のNASHマウスにHFDを自由に摂食させた。9週齢〜12週齢に何の処置も行っていない。
群3:テルミサルタン 9週齢〜12週齢に、10mg/kgの用量でテルミサルタンを添加した純水を8匹のNASHマウスに経口投与した。
群4:ベヒクル 9週齢〜13週齢に、0.11μL/hrの速度で浸透圧ポンプを用いた持続注入によりベヒクルを8匹のNASHマウスに皮下投与した。
群5:化合物A低用量 9週齢〜13週齢に、浸透圧ポンプを用いた持続注入により、化合物Aを添加したベヒクルを8匹のNASHマウスに1mg/kg/日の用量で皮下投与した。
群6:化合物A高用量 9週齢〜13週齢に、浸透圧ポンプを用いた持続注入により、化合物Aを添加したベヒクルを8匹のNASHマウスに3mg/kg/日の用量で皮下投与した。
動物のモニタリングと殺処分
生存、臨床的兆候及び行動を毎日モニタリングした。薬剤投与前に毎日体重を記録した。毒性、瀕死及び死亡という顕著な臨床的兆候について、各投与後およそ60分でマウスを観察した。エーテル麻酔下(和光純薬工業株式会社)、直接心臓穿刺による失血によりマウスを殺処分した。
実施例3.結果
シリウスレッド染色
疾患−対照群の肝切片では、正常群に比べて肝小葉の中心周囲に増加したコラーゲンの沈着が見られた。線維化領域(シリウスレッド陽性領域)の割合が、正常群に比べて、疾患−対照群で顕著に増加した(正常:0.27±0.05%、疾患−対照:1.09±0.27%)。線維化領域は、疾患−対照群に比べて、テルミサルタン群で顕著に減少していた(テルミサルタン:0.50±0.10%)。ベヒクル群と化合物A低用量群とでは線維化に顕著な違いはなかった(ベヒクル:1.02±0.33%、化合物A低用量:0.82±0.31%)。表2を参照。図1に示されるように、線維化領域は、ベヒクル群に比べて、化合物A高用量群で顕著に減少した(化合物A高用量:0.67±0.21%)。シリウスレッドで染色した切片の代表的な顕微鏡写真を図2に示す。
体重変化と一般的状態
体重は、テルミサルタン群を除いて全て処置期間中徐々に増加した。疾患−対照群の平均体重は、処置期間を通じて、正常群よりも低かった。day 7を除いてday 6からday 21(殺処分)の間、テルミサルタン群の平均体重は、疾患−対照群に比べて顕著に低かった。ベヒクル群と化合物A低用量群あるいは化合物A高用量群のいずれの間でも、処置期間中、顕著な違いは見られなかった。一般状態では、処置期間中、いずれの動物においても悪化は見られなかった。
殺処分の日の体重
殺処分時の平均体重は、正常群に比べて疾患−対照群で顕著に少なかった(正常:26.3±0.8g、疾患−対照:23.0±1.2g)。疾患−対照群に比べて、テルミサルタン群で顕著な体重の減少が見られた(テルミサルタン:20.0±1.3g)。ベヒクル群と化合物A低用量群あるいは化合物A高用量群のいずれの間でも、処置期間中、顕著な違いは見られなかった(ベヒクル:22.9±2.9g、化合物A低用量:22.6±2.6g、化合物A高用量:23.7±1.1g)。
肝重量と肝体重量比
平均肝重量は、正常群に比べて疾患−対照群において顕著に増加した(正常:1128±44mg、疾患−対照:1867±183mg)。疾患−対照群に比べて、テルミサルタン群で顕著な肝重量の減少が見られた(テルミサルタン:1376±80mg)。ベヒクル群と化合物A低用量群あるいは化合物A高用量群のいずれの間でも、平均肝重量に顕著な違いは見られなかった(ベヒクル:1870±418mg、化合物A低用量:1803±219mg、化合物A高用量:2024±159mg)。肝体重量比は、正常群に比べて疾患−対照群において顕著に増加した(正常:4.3±0.2%、疾患−対照:8.1±0.6%)。疾患−対照群に比べて、テルミサルタン群で顕著な肝体重量比の減少が見られた(テルミサルタン:6.9±0.7%)。ベヒクル群と化合物A低用量群あるいは化合物A高用量群のいずれかの間でも、肝体重量比に顕著な違いは見られなかった(ベヒクル:8.1±1.1%、化合物A低用量:8.0±0.8%、化合物A高用量:8.5±0.6%)。
全血糖
血糖値は、正常群に比べて疾患−対照群において顕著に増加した(正常:198±30mg/dL、疾患−対照:682±63mg/dL)。疾患−対照群に比べて、テルミサルタン群で顕著な血糖値の増加が見られた(テルミサルタン:880±39mg/dL)。ベヒクル群と化合物A低用量群では、血糖値に顕著な違いは見られなかった(ベヒクル:605±134mg/dL、化合物A低用量:677±36mg/dL)。血糖値は、化合物A高用量群ではベヒクル群に比べて増加する傾向にあった(化合物A高用量:791±54mg/dL)。
血清ALT
血清ALT値は、正常群に比べて疾患−対照群において増加傾向にあった(正常:22±4U/L、疾患−対照:38±8U/L)。疾患−対照群とテルミサルタン群、あるいはベヒクル群と化合物A低用量群あるいは化合物A高用量群のいずれかの間でも、血清ALT値に顕著な違いは見られなかった(テルミサルタン:35±6U/L、ベヒクル:58±29U/L、化合物A低用量:45±17U/L, 化合物A高用量:49±17U/L)。
血清TG
血清TG値は、正常群に比べて疾患−対照群において増加する傾向にあった(正常:137±22mg/dL、疾患−対照:558±256mg/dL)。疾患−対照群とテルミサルタン群の間には血清TG値に顕著な違いは見られなかった(テルミサルタン:843±609mg/dL)。ベヒクル群と化合物A低用量群では、血清TG値に顕著な違いは見られなかった(ベヒクル:391±175mg/dL、化合物A低用量:815±754 mg/dL)。血清TG値は、化合物A高用量群ではベヒクル群に比べて増加した(化合物A高用量:1145±580mg/dL)。
肝ヒドロキシプロリン含量
肝ヒドロキシプロリン含量は、正常群に比べて疾患−対照群において増加する傾向にあった(正常:0.74±0.22μg/mg、疾患−対照:1.09±0.42μg/mg)。疾患−対照群とテルミサルタン群、あるいはベヒクル群と化合物A低用量群あるいは化合物A高用量群のいずれかの間でも肝ヒドロキシプロリン含量に顕著な違いは見られなかった(テルミサルタン:0.95±0.25μg/mg、ベヒクル:0.79±0.19μg/mg、化合物A低用量:0.90±0.26μg/mg、化合物A高用量:0.95±0.22μg/mg)。
肝TG含量
肝TG含量は、正常群に比べて疾患−対照群において顕著に増加した(正常:8.8±3.8mg/g、疾患−対照:67.7±17.7mg/g)。肝TG含量は、疾患−対照群に比べてテルミサルタン群で顕著に減少した(テルミサルタン:30.6±5.6mg/g)。ベヒクル群と化合物A低用量群あるいは化合物A高用量群のいずれかの間でも、肝TG含量に顕著な違いは見られなかった(ベヒクル:58.8±26.9mg/g、化合物A低用量:64.8±25.6mg/g、化合物A高用量:67.8±24.0mg/g)。
HE染色とNAFLD活性スコア
疾患−対照群の肝切片に、重篤な小滴性−及び大滴性脂肪沈着、肝細胞風船様腫大、及び炎症性細胞浸潤が見られた。これらの所見に一致して、NASは、正常群に比べて疾患−対照群で顕著に増加した(正常:0.0±0.0、疾患−対照:5.1±1.1)。テルミサルタン群では、脂肪沈着、肝細胞風船様腫大及び炎症性細胞浸潤において顕著な改善が見られ、疾患−対照群に比べてNASにおいて顕著な減少が見られた(テルミサルタン:2.6±1.2)。化合物A低用量群では、ベヒクル群に比べて小葉炎症が改善された。ベヒクル群と化合物A高用量群の間には、HE染色された切片において明らかな違いは見られなかった。NASは、化合物A低用量群及び化合物A高用量群の両方で、ベヒクル群に比べて減少する傾向にあった(ベヒクル:5.9±1.0、化合物A低用量:4.8±0.9、化合物A高用量:5.1±0.6)。
遺伝子発現解析
TIMP−1
TIMP−1 mRNA発現レベルは、正常群に比べて疾患−対照群において顕著にアップレギュレートされた(正常:1.00±0.25、疾患−対照:7.04±2.13)。TIMP−1 mRNA発現レベルは、疾患−対照群に比べてテルミサルタン群でダウンレギュレートされる傾向にあった(テルミサルタン:4.10±1.18)。ベヒクル群と化合物A低用量群あるいは化合物A高用量群のいずれかの間でも、TIMP−1 mRNA発現レベルに顕著な違いは見られなかった(ベヒクル:7.74±4.15、化合物A低用量:5.35±2.82、化合物A高用量:6.73±2.23)。
α−SMA
α−SMA mRNA発現レベルは、正常群に比べて疾患−対照群においてアップレギュレートされる傾向にあった(正常:1.00±0.60、疾患−対照:2.43±1.33)。疾患−対照群とテルミサルタン群の間には、α−SMA mRNA発現レベルに顕著な違いは見られなかった(テルミサルタン:1.83±0.36)。α−SMA mRNA発現レベルは、ベヒクル群に比べて化合物A低用量群でダウンレギュレートされる傾向にあった(ベヒクル:3.19±1.81、化合物A低用量:1.88±0.60)。ベヒクル群と化合物A高用量群の間に、α−SMA mRNA発現レベルに顕著な違いは見られなかった(化合物A高用量:2.23±1.23)。
3型コラーゲン
3型コラーゲンmRNA発現レベルは、正常群に比べて疾患−対照群において顕著にアップレギュレートされた(正常:1.00±0.16、疾患−対照:2.27±0.35)。3型コラーゲンmRNA発現レベルは、疾患−対照群に比べてテルミサルタン群でダウンレギュレートされる傾向にあった(テルミサルタン:1.73±0.33)。3型コラーゲンmRNA発現レベルは、ベヒクル群に比べて化合物A低用量群で顕著にダウンレギュレートされた(ベヒクル:3.09±1.51、化合物A低用量:1.93±0.37)。3型コラーゲンmRNA発現レベルは、ベヒクル群に比べて化合物A高用量群でダウンレギュレートされる傾向にあった(化合物A高用量:2.22±0.46)。
化合物A低用量群は、線維化関連遺伝子(3型コラーゲン、TIMP−1及びα−SMA)の発現レベルにおいて顕著な減少を示すかあるいは減少傾向を示した。一方で、化合物A高用量群は、肝組織構造において線維化領域の顕著な減少を示した。表3を参照。
実施例4.概要と考察
これらの結果は、化合物Aが肝臓における抗線維化作用を有していることを示している。低用量群はまた、肝臓における小葉の炎症の低減を示し、NASにおける減少傾向を示した。このことは、化合物Aの抗線維化作用に加え、脂肪肝炎に対する抗炎症効果を示している。これらの抗線維化活性及び抗炎症活性の相乗効果は、肝線維症の前線維化期に化合物Aに代表されるようなβ―カテニン阻害剤の投与で特に効果的であり得る。

Claims (7)

  1. 肝線維症の治療のための、下記式(I):
    (式中、
    Aは、−CHR
    (式中、
    は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいシクロアルキル又は置換されていてもよいヘテロシクロアルキルである)であり、
    Gは、−NH−、−NR−、−O−、−CHR−又は−C(R
    (式中、
    は、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル及び置換されていてもよいアルキニルから独立して選ばれる)であり、
    は、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアルキル又は置換されていてもよいヘテロシクロアルキルアルキルであり;
    は、−W21−W22−Rb−R20
    (式中、
    21は、−(CO)−又は−(SO)−であり;
    22は、結合、−O−、−NH−又は置換されていてもよい低級アルキレンであり;
    Rbは、結合又は置換されていてもよい低級アルキレンであり;且つ
    20は、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいシクロアルキル又は置換されていてもよいヘテロシクロアルキルである)であり、且つ
    は、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル又は置換されていてもよいアルキニルである)
    を有するアルファヘリックス模倣β−カテニン阻害剤化合物又はその塩。
  2. (6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−2−アリル−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,2,4]オキサジアジン−1(6H)−カルボキサミド、
    (6S,9S)−8−((2−アミノベンゾ[d]チアゾール−4−イル)メチル)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−2−アリル−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニルジヒドロゲンホスフェート、
    4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニルジヒドロゲンホスフェート、
    4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニル ホスフェートナトリウム、
    4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(ナフタレン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニル ホスフェートナトリウム、
    (6S,9S)−2−アリル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−4,7−ジオキソ−N−((R)−1−フェニルエチル)−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−2−アリル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−4,7−ジオキソ−N−((S)−1−フェニルエチル)−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−8−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−8−(ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール−4−イルメチル)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−8−(イソキノリン−5−イルメチル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−N−ベンジル−8−((5−クロロチエノ[3,2−b]ピリジン−3−イル)メチル)−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、
    (6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノキサリン−5−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド、及び
    (6S,9S)−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド
    から選択される請求項1に記載の化合物。
  3. 4−(((6S,9S,9aS)−1−(ベンジルカルバモイル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチル)フェニルジヒドロゲンホスフェート、又は
    (6S,9S,9aS)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−2,9−ジメチル−4,7−ジオキソ−8−(キノリン−8−イルメチル)オクタヒドロ−1H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボキサミド
    から選択される請求項1に記載の化合物。
  4. 請求項1、2又は3に記載の化合物を含む医薬組成物。
  5. 有効量の請求項1、2又は3に記載の化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む、肝線維症の治療方法。
  6. 肝線維症がB型肝炎感染症に起因するものである、請求項5に記載の方法。
  7. 肝線維症が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に起因するものである、請求項5に記載の方法。
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