JP2016532760A - 高温耐性ポリエチレンおよびその製造方法 - Google Patents

高温耐性ポリエチレンおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、952.0kg/m3超かつ957.0kg/m3以下の密度を有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR5を有し、さらに4.9Pa-1超かつ9.0Pa-1以下の範囲内の多分散性指数PIを有する、前記ポリエチレン組成物に関する。さらに、本発明は、多段工程によって得られるポリエチレン組成物であって、上記多段工程が、シリカ支持チーグラー・ナッタ触媒の存在下に、第1ループリアクター、第2ループリアクターおよびガス相リアクターを含むリアクターカスケード中でエチレンを重合させてベース樹脂を得て、その後上記ベース樹脂を安定剤およびカーボンブラックと共に押出してポリエチレン組成物とするステップを含む、前記ポリエチレン組成物に関する。さらに、本発明は、上記ポリエチレン組成物から作製されるパイプなどの物品、およびかかる物品の製造のためのポリエチレン組成物の使用に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエチレン、特にパイプ製造用途のためのポリエチレンに関する。特に、本出願は、高い密度、広い分子量分布および高い多分散性指数PIを有するベース樹脂を含み、同時に均一性を有しかつパイプ製造用途に適している、ポリエチレン組成物、上記ポリエチレン組成物の製造方法、上記ポリエチレン組成物で作製されたパイプなどの物品、ならびにこのような物品の製造のためのポリエチレン組成物の使用に関する。
パイプの製造のための多数のポリエチレン組成物が知られている。パイプ材料は、PE80またはPE100のように分類される。PE100の使用温度は20℃である。IS0 9080分類は、PE100材料が、10MPaの内部応力を使用して20℃で少なくとも50年間の耐用年数を有することを保証する。
Chevron Phillips Chemical Company名義のEP1987097は、947kg/m3〜954kg/m3のペレット密度および1〜30g/10分のMFR21(ASTM D1238、21.6kg荷重)を有するパイプに適したポリエチレンについて開示している。例示される樹脂は、30.5〜35.1のMw/Mnで278〜346kg/molの重量平均分子量を示した。
UNIVATION TECH LLC[米国]名義のEP1781712は、様々な組成物、例えば、限定するものではないが、0.940g/cc以上の密度を有する高強度バイモーダルポリエチレン組成物などについて開示しており、上記組成物は、比較的高い重量平均分子量(HwHMW)を有する高分子量ポリエチレン成分と比較的低い重量平均分子量(HwLMW)を有する低分子量ポリエチレン成分とを含み、ここで:比較的高い重量平均分子量と比較的低い重量平均分子量との比(MwHMW:MwLMW)は30以上であり;上記組成物は、ISO 1167に従い、上記組成物から形成された内部配管抵抗に付されるパイプが、内部配管抵抗曲線をISO 9080:2003に従って50年または100年に外挿する場合に10MPa以上の外挿応力を有するようなPE100材料としての適格性を有する。
Ineos groupのEP1922342は0.15〜0.5g/10分のメルトフローレート(5kg荷重)で935〜956kg/m3の天然密度を有し、コモノマーが1-ヘキセンであり、100ラジアン/秒、190℃での動的粘度が2500Pa・秒以下である組成物について開示している。
Borealis Technology Oy名義のEP 1146079は、少なくとも953kg/m3の粉末密度、および0.15〜0.40g/10分のMFR5で955〜965kg/m3の範囲内の組成物の最終密度を有する組成物について開示している。上記組成物から作製されるパイプは、少なくとも9.0MPa(PE112)の設計応力を満たす。上記組成物は2つの成分で構成され、低分子量成分は350〜1500g/10分のMFR2を有するエチレンホモポリマーであり、42〜55重量%の量で存在する。
IS0 9080に従って、ポリエチレンパイプは、それらの最小要求強度、すなわち破断することなく20℃で50年間異なるフープ応力に耐える能力によって分類される。その結果、8.0MPa(MRS8.0)のフープ応力に耐えるパイプはPE80パイプとして分類され、また10.0MPaのフープ応力に耐えるパイプ(MRS10.0)はPE100パイプとして分類される。ポリエチレンパイプ開発における次の進化的ステップは、12.5MPaのフープ応力に耐えるPE125パイプであろう(MRS12.5)。従来のチーグラー・ナッタ触媒によって製造されるマルチモーダル樹脂でPE80の要件を満たすためには、密度は少なくとも940kg/m3である必要があり、PE100の要件を満たすためには、密度は945kg/m3を上回る必要がある。しかし、ポリエチレン樹脂の密度はその結晶化度と直接関連している。ポリエチレン樹脂の結晶化度が高いほど、その低速亀裂成長耐性は低い。言い換えれば、パイプの耐圧性のためのポリエチレン材料は全て、結晶化度およびここまでの密度の依存性ならびに低速亀裂成長に悩まされる。密度が増加すると、低速亀裂成長(SCG)に対する耐性は低下する。
欧州特許公開第1987097号明細書 欧州特許公開第1781712号明細書 欧州特許公開第1922342号明細書 欧州特許公開第1146079号明細書
従って、加工性、低速亀裂成長耐性、急速亀裂伝播耐性および均一性に関して改善された特性のバランスを有するパイプの製造のための、高い密度、広い分子量分布および高い多分散性指数PIを有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物に対する必要性が依然として存在する。
本発明は、パイプが、IS0 1183-1:2004に従って決定された952.0kg/m3超かつ957.0kg/m3以下の密度を有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、
上記組成物が、IS0 1133に従って決定された0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR5(190℃、5kg)を有し、また
上記のポリエチレン組成物が、4.9Pa-1以上かつ9.0Pa-1以下の範囲内の多分散性指数PIを有する、上記ポリエチレン組成物から作製される場合、このような改善された特性のバランスを有するパイプを提供することができるという驚くべき知見に基づく。
本発明は、ここまで、加工性、低速亀裂成長耐性、急速亀裂伝播耐性および均一性に関して改善された特性のバランスを有するパイプの製造のための、高い密度、広い分子量分布および高い多分散性指数PIを有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物を提供することができるという驚くべき知見に基づき、また本発明は、
IS0 1183-1:2004に従って決定された952.0kg/m3超かつ957.0kg/m3以下の密度を有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、
IS0 1133に従って決定された0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR5(190℃、5kg)を有し、かつ
4.9Pa-1以上かつ9.0Pa-1以下の範囲内の多分散性指数PIを有する、
上記ポリエチレン組成物を提供する。
本発明はさらに、多段工程によって得られるポリエチレン組成物であって、上記多段工程が、以下のステップ:
a) エチレンを重合させるステップであって、
(i) Al 1.30〜1.65mol/kgシリカ、
Mg 1.25〜1.61mol/kgシリカ、
Ti 0.70〜0.90mol/kgシリカ
を含む触媒のモル組成を有し、かつ7〜15μmの平均粒径(D50)を有するシリカ支持チーグラー・ナッタ触媒の存在下に;
(ii) 第1ループリアクター中で、アルキルアルミニウム化合物および連鎖移動剤の存在下でエチレンを重合させて、220〜400g/10分のメルトフローレートMFR2(190℃、21.6kg)を有する第1中間材料を得る、上記ステップ;および
b) 上記第1中間材料を含む反応生成物を第2ループリアクターに移動させるステップであって、
(i) エチレンを第2ループリアクターに供給し、
(ii) 上記第1中間材料をさらに重合させて、
上記第1中間材料のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)の1.10〜1.35倍のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)を有する第2中間材料を得る、上記ステップ;ならびに
c) 上記第2中間材料を含む反応生成物をガス相リアクターに移動させるステップであって、
(i) エチレンとコモノマーをガス相リアクターに供給し、
(ii) 上記第2中間材料をさらに重合させて、
ISO 1183-1:2004に従って決定された952.0kg/m3超かつ957.0kg/m3以下の密度を有するベース樹脂を得る、上記ステップ、
上記ベース樹脂を安定剤およびカーボンブラックと共に押出してポリエチレン組成物とするステップであって、上記組成物は、ISO 1133に従って決定された0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR5(190℃、5kg)、および4.9Pa-1超かつ9.0Pa-1以下の範囲内の多分散性指数PIを有する、上記ステップ
を含む、上記ポリエチレン組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、本発明によるポリエチレン組成物を含む物品(特にパイプ)を提供する。
なおさらなる態様において、本発明は、物品(特にパイプ)の製造のための本発明のポリエチレン組成物の使用に関する。
本発明において使用される触媒は、好ましくは以下の方法によって調製される:
(i) 式Mg(R)2(式中、各Rは、1〜10個のC原子、好ましくは2〜10個のC原子を有する同一のまたは異なるアルキル基である)で表されるジアルキルマグネシウム化合物、最も好ましくはブチルオクチルマグネシウムを、式R'OH(式中、R'は、2〜16個のC原子、好ましくは4〜10個のC原子を有するアルキル基である)で表されるアルコール、最も好ましくは2-エチル-ヘキサノールと、芳香族溶媒中で1:1.70〜1:1.95、好ましくは1:1.75〜1:1.90のモル比で反応させることによってマグネシウム錯体を調製し、
(ii) 7〜15μm、好ましくは8〜12μmの範囲内の平均粒径(D50)を有する焼成シリカと脂肪族炭化水素溶媒(好適にはペンタン)を、触媒調製リアクターに充填し、
(iii) 式AlRnX3-n(式中、Rは、C1-C10アルキル基、より好ましくはC2-C6アルキル基、また最も好ましくはC2-C4アルキル基であり;Xはハロゲン、好ましくは塩素であり、さらにnは1または2、好ましくは1である)で表される塩化アルキルアルミニウム化合物(上記アルミニウム化合物は、好ましくは二塩化エチルアルミニウムである)を添加し、10〜70℃、好ましくは20〜60℃、最も好ましくは40〜50℃の温度で混合し、
(iv) ステップi)で調製したマグネシウム錯体を、20〜50℃、好ましくは30〜50℃、最も好適には40〜50℃において、Mg 2.40〜2.70mol/kgシリカの比で、好ましくはMg 2.45〜2.65mol/kgシリカの比で添加し、
(v) さらなる脂肪族炭化水素溶媒(好ましくはペンタン)をリアクターに添加して、40℃を上回る温度で保持し、
(vi) 上記混合物を、3〜5時間、45〜55℃の温度で撹拌し、
(vii) TiCl4を、1.40〜1.65mol/kgシリカの量で、少なくとも1時間、45〜55℃でリアクターに添加し、
(viii) 上記触媒混合物を、50〜60℃で少なくとも5時間混合し、さらに
(ix) 上記触媒混合物を、真空により、および/または窒素フローで乾燥させる。
Al、MgおよびTi化合物の添加は、好ましくは1〜3時間以内に行われ、またさらに好ましくは、各添加ステップ後、混合物はさらに1〜6時間撹拌される。
[定義]
本発明によるポリエチレン組成物は、少なくとも50mol%のエチレンモノマー単位と付加的コモノマー単位に由来するポリマーを表す。
用語「ベース樹脂」は、充填剤(例えばカーボンブラック)を含まないポリエチレン組成物のポリマー部分を表す。当業者であれば、ベース樹脂に関する測定が、安定剤の存在を要することを理解するであろう。
本発明によるベース樹脂は、少なくとも50mol%のエチレンモノマー単位と付加的コモノマー単位に由来するポリマーを表す。
ポリエチレン組成物中には、ベース樹脂に加えて、ポリオレフィンと共に用いるための通常の添加剤、例えば顔料(例えばカーボンブラック)、安定剤(例えば抗酸化剤)、抗酸剤および/または抗UV剤、帯電防止剤および利用剤(utilization agent)(例えば加工助剤)が存在していてよい。好ましくは、これらの添加剤の量は、組成物の10重量%以下、より好ましくは8重量%以下、最も好ましくは5重量%以下である。
好ましくは、上記組成物は、カーボンブラックを全組成物の8重量%以下の量で、より好ましくは1〜4重量%の量で含む。
さらに好ましくは、カーボンブラックとは異なる添加剤の量は、1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。
「エチレンホモポリマー」は、本質的にエチレンモノマー単位から成るポリマーを表す。大規模重合の要件により、エチレンホモポリマーが、少量のコモノマー単位(通常、エチレンホモポリマーの0.1mol%未満、好ましくは0.05mol%未満、最も好ましくは0.01mol%未満である)を含むことが可能であり得る。
ポリマーは、該ポリマーがエチレンモノマー単位と少なくとも1種のアルファオレフィンコモノマーに由来する場合、「エチレンコポリマー」と表される。アルファオレフィンコモノマーは、好ましくは3〜12個の炭素原子、より好ましくは4〜8個の炭素原子を有するアルファオレフィンコモノマーから選択される。好適なアルファオレフィンコモノマー種は、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンまたはそれらの混合物である。好ましいのは、1-ブテンおよび1-ヘキセンである。最も好ましいのは、1-ヘキセンである。1つの好ましい実施形態において、画分(C)は、エチレンと少なくとも1種のアルファオレフィンコモノマーとのコポリマーを表す。
「多分散性指数」PIは、分子量分布曲線の広さのレオロジー測定値である。
全てのレオロジー測定は、ベース樹脂を用いて、またポリエチレン組成物を用いて実施することができる。定義上、全てのレオロジー特性を、好ましくはポリエチレン組成物にも適用するものとする。
用語「触媒系」は、触媒と共触媒によって形成される組成物を表すものとする。
[一般]
[ポリエチレン組成物]
ポリエチレン組成物は、以下の特性によってさらに特徴付けられる:
[MFR5 (組成物)]
本発明によるポリエチレン組成物は、IS0 1133に従って決定された、0.12〜0.21g/10分、好ましくは0.13〜0.20g/10分、より好ましくは0.14〜0.19g/10分、また最も好ましくは0.15〜0.19g/10分のメルトフローレートMFR5(190℃、5kg)を有する。
[MFR21.6]
本組成物は、好ましくは、ISO 1133に従って決定された3.0〜13.0g/10分のメルトフローレートMFR21.6(190℃、21.6kg)を有する。より好ましくは、MFR21.6は、4.0〜12g/10分、さらにより好ましくは5.5〜11g/10分、また最も好ましくは6.0〜9.0g/10分である。
[FRR21/5]
本発明による組成物は、好ましくは30.0〜55.0、より好ましくは33.0〜50.0、さらにより好ましくは35.0〜47.0、また最も好ましくは37.0〜46.0の、MFR21.6とMFR5の比であるフローレート比FRR21/5を有する。これらのFRR21/5範囲を、好ましくは本発明によるベース樹脂にも適用する。
[密度(組成物)]
本発明によるポリエチレン組成物は、IS0 1183-1:2004に従って決定された、好ましくは963.0kg/m3超かつ971.0kg/m3以下、より好ましくは963.5kg/m3超かつ970.0kg/m3以下、さらにより好ましくは964.0kg/m3超かつ969.0kg/m3以下、また最も好ましくは964.5kg/m3超かつ968.0kg/m3以下の密度を有する。
ポリエチレン組成物の密度は、ベース樹脂の密度によって影響を受け、ポリエチレン組成物中の充填剤(通常はカーボンブラック)の量によりさらに調整することができる。
組成物は、特異的レオロジー特性によってさらに特徴付けられる。
[PI(組成物)]
本組成物は、4.9Pa-1超かつ9.0Pa-1以下の範囲内、好ましくは5.5Pa-1以上かつ8.5Pa-1以下の範囲内、また最も好ましくは6.0Pa-1以上かつ6.5Pa-1以下の範囲内の多分散性指数PIを有する。
[SHI5/300]
本組成物は、好ましくは250〜1500の剪断減粘指数SHI5/300、より好ましくは400〜1300の剪断減粘指数SHI5/300、さらにより好ましくは700〜1200の剪断減粘指数SHI5/300、また最も好ましくは800〜1100の剪断減粘指数SHI5/300を有する。剪断減粘指数SHI5/300は、低分子量材料と高分子量材料の相対量を(リアクターの分割を介して)変化させることによって、また、例えば連鎖移動剤供給の変動によりそれぞれの低分子量材料と高分子量材料の分子量を変化させることによって、所与の触媒系について修正することができる。さらに、様々な触媒系は、特定の固有剪断減粘指数をもたらす。
[G'(5kPa)]
本発明による組成物は、好ましくは3500Pa〜4900Pa、より好ましくは3700Pa〜4700Pa、さらにより好ましくは4000Pa〜4450Pa、また最も好ましくは4200Pa〜4350Paの貯蔵弾性率G'(5kPa)を有する。
[G'(2kPa)]
本発明による組成物は、好ましくは1000Pa〜2000Pa、より好ましくは1200Pa〜1900Pa、さらにより好ましくは1300Pa〜1800Pa、また最も好ましくは1550Pa〜1750Paの貯蔵弾性率G'(2kPa)を有する。
貯蔵弾性率は、非常に高い分子量を有する材料の量によって顕著に影響を受ける。貯蔵弾性率G'(2kPa)の高い値は、定性的観点および一般的観点から、広い分子量分布を示す。
[複素粘度イータ0.05ラジアン/秒]
本発明による組成物は、好ましくは300kPa・秒〜450kPa・秒、より好ましくは330kPa・秒〜430kPa・秒、さらにより好ましくは350kPa・秒〜420kPa・秒、また最も好ましくは380kPa・秒〜410kPa・秒の、0.05ラジアン/秒における複素粘度イータ*を有する。
[複素粘度イータ300ラジアン/秒]
本発明による組成物は、好ましくは900kPa・秒〜1300kPa・秒、より好ましくは960kPa・秒〜1200kPa・秒、また最も好ましくは1000kPa・秒〜1150kPa・秒の、300ラジアン/秒における複素粘度イータ*を有する。
上記のレオロジー特性は、カーボンブラックなどのさらなる成分を付加的に含み得るポリエチレン組成物について決定された。しかし、この特性は、カーボンブラックなどのさらなる成分を含まないベース樹脂について決定することもできる。ベース樹脂について決定されるレオロジー特性は、好ましくはポリエチレン組成物について決定されるレオロジー特性について開示されるのと同じ範囲内にある。
ポリエチレン組成物は、以下のパラメータによりさらに特徴付けられる。
[カーボンブラックおよび添加剤]
ポリオレフィンと共に典型的に使用される添加剤は、例えば、顔料、カーボンブラック、安定剤(例えば抗酸化剤)、抗酸剤および/または抗UV剤、帯電防止剤ならびに利用剤(例えば加工助剤)である。
好ましくは、ポリエチレン組成物は、全ポリエチレン組成物の8重量%以下の量で、より好ましくは1〜4重量%の量でカーボンブラックを含む。
さらに好ましくは、カーボンブラックとは異なる添加剤(例えば安定剤)の量は、1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。
[白点評価(WSR)]
さらに、ポリエチレン組成物は、好ましくは2.5%未満、より好ましくは1.5%未満、最も好ましくは1.1%未満のWSRを有する。WSRの下限値は、ISO 18 553/2002-03-01に従って測定した場合、好ましくは0.001%である。
WSRは、ポリエチレン組成物の均一性の尺度である。典型的には10〜50μmのサイズを有する「白点」は、ポリエチレン組成物に十分に配合されていない高分子量ポリマー粒子から成る。マルチモーダルポリマー組成物の均一性は、精巧で、また従って費用集約的な複合的配合ステップを適用することによって高めることができることが知られている。しかし、本発明のポリエチレン組成物のWSRは、単独配合ステップ後に決定されている。
[ベース樹脂]
ベース樹脂は、以下のパラメータによってさらに特徴付けられる。
[アルファオレフィンコモノマー単位のコモノマー含有量]
ベース樹脂は、好ましくはエチレンと3〜12個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルファオレフィンコモノマー単位とのコポリマーである。より好ましくは、少なくとも1種のアルファオレフィンコモノマー単位は、4〜8個の炭素原子を有する。コモノマーは、好ましくは1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンまたはそれらの混合物を含む群から選択される。より好ましくは、1-ブテンまたは1-ヘキセン、また最も好ましくは1-ヘキセンは、コモノマーとして使用される。
本発明によるベース樹脂は、好ましくは、0.45〜0.95重量%、より好ましくは0.45〜0.8重量%、さらにより好ましくは0.45〜0.6重量%の、3〜12個の炭素原子を有するアルファオレフィンコモノマー単位に由来するコモノマー含有量を有する。
[密度(ベース樹脂)]
本発明によるベース樹脂は、IS0 1183-1:2004に従って決定された、952.0kg/m3超かつ957.0kg/m3以下、好ましくは952.5kg/m3超かつ956.0kg/m3以下、より好ましくは953kg/m3超かつ956.0kg/m3以下、また最も好ましくは953.5kg/m3超かつ955.5kg/m3以下の密度を有する。
ベース樹脂の密度は、主にコモノマーの量および種類によって影響を受ける。それに加えて、主に使用される触媒に由来するポリマーの性質ならびにメルトフローレートが1つの役割を果たす。それに加えて、コモノマーが単一コモノマーである必要がないことを強調しなければならない。コモノマーの混合物もまた可能である。
ベース樹脂は、好ましくは重量平均分子量Mwが異なる少なくとも3種のエチレンホモポリマーまたはコポリマー画分(A)、(B)および(C)を含む。
これに関して、画分(A)および(B)は、好ましくはエチレンホモポリマーであり、また画分(C)は、好ましくはエチレンと3〜12個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルファオレフィンコモノマー単位とのコポリマーである。
画分(A)は、好ましくは220〜400g/10分のメルトフローレートMFR2(190℃、21.6kg)を有する。
画分(A)および(B)の組み合わせのメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)は、好ましくは画分(A)のMFR2の1.10〜1.35倍である。
画分(A)および(B)の組み合わせは、好ましくは50〜55重量%の量で存在する。
場合により、本発明によるベース樹脂は、プレポリマー画分を含む。
このように、本発明の第1の実施形態において、ポリエチレン組成物のベース樹脂は、プレポリマー画分ならびに画分(A)、(B)および(C)を含み、好ましくはプレポリマー画分ならびに画分(A)、(B)および(C)から成る。
本発明の第2の実施形態において、ポリエチレン組成物のベース樹脂は、画分(A)、(B)および(C)を含み、好ましくは画分(A)、(B)および(C)から成る。
従って、本発明の第1の好ましい実施形態において、ベース樹脂は、重量平均分子量Mwが異なる3つのエチレンホモポリマーまたはコポリマー画分(A)、(B)および(C)から成り、
画分(A)および(B)はエチレンホモポリマーであり、また画分(C)はエチレンと3〜12個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルファオレフィンコモノマー単位とのコポリマーであり、
これにより画分(A)は、220〜400g/10分のメルトフローレートMFR2(190℃、21.6kg)を有し、
画分(A)および(B)の組み合わせのメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)は、1.10〜1.35倍であり、
画分(A)および(B)の組み合わせは、50〜55重量%の量で存在する。
本発明の第2の好ましい実施形態において、ベース樹脂は、プレポリマー画分と、重量平均分子量Mwが異なる3つのエチレンホモポリマーまたはコポリマー画分(A)、(B)および(C)とから成り、
画分(A)および(B)はエチレンホモポリマーであり、また画分(C)はエチレンと3〜12個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルファオレフィンコモノマー単位とのコポリマーであり、
これにより画分(A)は、220〜400g/10分のメルトフローレートMFR2(190℃、21.6kg)を有し、
画分(A)および(B)の組み合わせのメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)は、1.10〜1.35倍であり、
画分(A)および(B)の組み合わせは、50〜55重量%の量で存在する。
第1の好ましい実施形態および第2の好ましい実施形態はいずれも、同等に好ましい。
[画分(A)]
画分(A)のメルトフローレートMFR2(190℃、21.6kg)は、好ましくは220〜400g/10分、より好ましくは240〜380g/10分、また最も好ましくは260〜350g/10分である。
さらに、画分(A)の密度は、好ましくは970kg/m3以上である。
ベース樹脂中の画分(A)の量は、ベース樹脂の全重量に対して、好ましくは15〜35重量%、より好ましくは20〜30重量%、また最も好ましくは23〜27重量%である。
[画分(A)および(B)の組み合わせ]
画分(A)および(B)の組み合わせのメルトフローレートMFR2(190℃、21.6kg)は、好ましくは画分(A)のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)の1.10〜1.35倍であり、またより好ましくは1.20〜1.30倍である。
さらに、画分(A)および(B)の組み合わせのメルトフローレートMFR2(190℃、21.6kg)は、好ましくは250〜600g/10分、より好ましくは270〜550g/10分、さらにより好ましくは300〜500g/10分、また最も好ましくは320〜450g/10分である。
また、ベース樹脂中の画分(A)および(B)の組み合わせの量は、ベース樹脂の全重量に対して、好ましくは50〜55重量%、より好ましくは49〜54重量%、また最も好ましくは49.5〜53重量%である。
[画分(C)]
画分(C)は、好ましくは、エチレンと、3〜12個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルファオレフィンコモノマー単位とのコポリマーである。コモノマーは、好ましくは1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンまたはそれらの混合物を含む群から選択される。コモノマーとして、より好ましくは1-ブテンまたは1-ヘキセン、また最も好ましくは1-ヘキセンが使用される。
本発明による画分(C)は、好ましくは0.45〜0.95重量%、より好ましくは0.45〜0.8重量%、さらにより好ましくは0.45〜0.6重量%の、3〜12個の炭素原子を有するアルファオレフィンコモノマー単位に由来するコモノマー含有量を有する。
[プレポリマー画分]
場合により、本発明によるベース樹脂は、画分Aの量に加えてプレポリマー画分を含む。プレポリマー画分は、好ましくは全ベース樹脂の7.5重量%以下の量で、より好ましくは5重量%以下の量で、また最も好ましくは3重量%以下の量でベース樹脂中に存在する。
プレポリマー画分は、好ましくはエチレンホモポリマーである。
所望の場合、予備重合ステップにおいて、エチレンモノマーに加えて1つ以上のアルファオレフィンコモノマーを使用することが可能である。好適なコモノマーは、例えば、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンおよびそれらの混合物である。
しかし、予備重合ステップにおいては、エチレンホモポリマーのプレポリマー画分を重合させることが好ましい。
さらなる態様において、本発明は、多段工程によって得られるポリエチレン組成物であって、上記多段工程が、
a) エチレンを重合させるステップであって、以下:
(i) Al 1.30〜1.65mol/kgシリカ、
Mg 1.25〜1.61mol/kgシリカ、
Ti 0.70〜0.90mol/kgシリカ
を含む触媒のモル組成を有し、かつ7〜15μmの平均粒径(D50)を有するシリカ支持チーグラー・ナッタ触媒の存在下に;
(ii) 第1ループリアクター中で、アルキルアルミニウム化合物および連鎖移動剤の存在下でエチレンを重合させて、220〜400g/10分のメルトフローレートMFR2(190℃、21.6kg)を有する第1中間材料を得る、上記ステップ;および
b) 上記第1中間材料を含む反応生成物を第2ループリアクターに移動させるステップであって、
(i) エチレンを第2ループリアクターに供給し、
(ii) 上記第1中間材料をさらに重合させて、
上記第1中間材料のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)の1.10〜1.35倍のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)を有する第2中間材料を得る、上記ステップ;ならびに
c) 上記第2中間材料を含む反応生成物をガス相リアクターに移動させるステップであって、
(i) エチレンとコモノマーをガス相リアクターに供給し、
(ii) 上記第2中間材料をさらに重合させて、
ISO 1183-1:2004に従って決定された952.0kg/m3超かつ957.0kg/m3以下の密度を有するベース樹脂を得る、上記ステップ、
ベース樹脂を安定剤およびカーボンブラックと共に押出してポリエチレン組成物とするステップであって、上記組成物は、ISO 1133に従って決定された0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR5(190℃、5kg)および4.9Pa-1超かつ9.0Pa-1以下の範囲内の多分散性指数PIを有する、上記ステップ
を含む、上記ポリエチレン組成物に関する。
Al(アルミニウム)を含む触媒のモル組成は、1.30〜1.65mol/kgシリカ、好ましくは1.33〜1.63mol/kgシリカ、より好ましくは1.35〜1.60mol/kgシリカである。
さらに、Mg(マグネシウム)を含む触媒のモル組成は、1.25〜1.61mol/kgシリカ、好ましくは1.26〜1.60mol/kgシリカ、より好ましくは1.30〜1.55mol/kgシリカである。
また、Ti(チタン)を含む触媒のモル組成は、0.70〜0.90mol/kgシリカ、好ましくは0.71〜0.88mol/kgシリカ、より好ましくは0.72〜0.85mol/kgシリカである。
さらに、シリカ支持チーグラー・ナッタ触媒は、7〜15μm、好ましくは8〜12μmの平均粒径(D50)を有する。
第1中間材料は、好ましくは、場合によりベース樹脂のプレポリマー画分と共に、画分(A)を含む。
より好ましくは、第1中間材料は、場合によりベース樹脂のプレポリマー画分と共に、本質的に画分(A)から成る。
第2中間材料は、好ましくは、場合によりベース樹脂のプレポリマー画分と共に、画分(A)および(B)を含む。
より好ましくは、第2中間材料は、場合によりベース樹脂のプレポリマー画分と共に、本質的に画分(A)および(B)から成る。
ベース樹脂は、好ましくは、場合によりベース樹脂のプレポリマー画分と共に、画分(A)、(B)および(C)を含む。
より好ましくは、ベース樹脂は、場合によりベース樹脂のプレポリマー画分と共に、本質的に画分(A)、(B)および(C)から成る。
さらに、ポリエチレン組成物、ベース樹脂、プレポリマー画分、画分(A)、画分(B)および画分(C)は、上記のとおりに定義されるものとする。
なおさらなる態様において、本発明は、上記の多段工程によって得られる上記のポリエチレン組成物を含む物品、および物品の製造のためのこのようなポリエチレン組成物の使用に関する。
物品は、好ましくはパイプまたはパイプ継手である。
このようなパイプは、以下の特性によってさらに特徴付けられる。
[低速亀裂伝播耐性]
本発明によるポリエチレン組成物を含むパイプは、好ましくは、ISO 13479-2009に従って9.2バールの圧力および温度80℃で決定されたノッチパイプの圧力試験(NPT)において、少なくとも300時間、より好ましくは少なくとも350時間、さらにより好ましくは少なくとも390時間、また最も好ましくは少なくとも425時間の低速亀裂伝播耐性を有する。低速亀裂伝播耐性の上限値は、通常、1000時間以下、好ましくは700時間以下である。
[耐内圧性]
本発明によるポリエチレン組成物を含むパイプは、好ましくは、ISO 1167-1:2006に従って13MPaのフープ応力および20℃の温度で決定された非ノッチパイプの圧力試験(PT)において、少なくとも200時間、より好ましくは少なくとも250時間、また最も好ましくは少なくとも260時間の耐内圧性を有する。耐内圧性の上限値は、通常、1000時間以下、好ましくは600時間以下である。
さらに、本発明によるポリエチレン組成物を含むパイプは、好ましくは、ISO 1167-1:2006に従って12.6MPaのフープ応力および20℃の温度で決定された非ノッチパイプの圧力試験(PT)において、少なくとも700時間、また最も好ましくは少なくとも900時間の耐内圧性を有する。耐内圧性の上限値は、通常、3000時間以下、好ましくは2500時間以下である。
さらに、本発明によるポリエチレン組成物を含むパイプは、好ましくは、ISO 1167-1:2006に従って5.9MPaのフープ応力および80℃の温度で決定された非ノッチパイプの圧力試験(PT)において、少なくとも1200時間、また最も好ましくは少なくとも1300時間の耐内圧性を有する。耐内圧性の上限値は、通常、4000時間以下、好ましくは3000時間以下である。
[S4臨界温度]
さらに、本発明のポリエチレン組成物を含むパイプは、好ましくは、-15.0℃を下回るS4温度、より好ましくは-18.0℃を下回るS4温度、さらにより好ましくは-20.0℃を下回るS4温度、また最も好ましくは-22.0℃以下のS4温度を有する。S4温度は、通常、-25.0℃以上である。
上記の態様に加えて、本発明は、物品、好ましくはパイプまたはパイプ継手の製造のための、本発明によるポリエチレン組成物の使用に関する。
本発明の多段工程のフローチャートを示す。
[工程]
ポリエチレン圧力パイプを作製するための本発明のポリエチレン組成物は、エチレンを少なくとも第1リアクター、少なくとも第2リアクターおよび少なくとも第3リアクターで形成されるリアクターカスケード中でそれぞれ共重合させることによって製造され、好ましくは第1リアクターはループリアクターであり、好ましくは第2リアクターはループリアクターであり、またさらに好ましくは、第3リアクターはガス相リアクターである。重合工程は、図1にさらに概略される。
重合は、Al:1.30〜1.65mol/kgシリカ、好ましくは1.33〜1.63mol/kgシリカ、より好ましくは1.35〜1.60mol/kgシリカ、Mg:1.25〜1.61mol/kgシリカ、好ましくは1.26〜1.60mol/kgシリカ、より好ましくは1.30〜1.55mol/kgシリカ、およびTi:0.70〜0.90mol/kgシリカ、好ましくは0.71〜0.88mol/kgシリカ、より好ましくは0.72〜0.85mol/kgシリカを含む触媒のモル組成を有するシリカ支持触媒を適用する。
当技術分野において使用される触媒の平均粒径は、典型的には10〜100μmである。しかし、本発明によれば、触媒が7〜15μm、好ましくは8〜12μmの平均粒径(D50)を有する場合、特別な利益が得られることがわかった。
触媒粒径は、主に支持材(本発明の場合にはシリカ支持材)の粒径によって影響を受ける。このため、本発明において使用される触媒に適した支持材は、適切に小さな粒径を有するシリカ支持材、すなわち15μm未満、好ましくは7〜15μm、8〜12μmのような平均粒径(D50)を有するシリカである。好適なシリカ支持の一例は、Grace社によって製造および販売されるSylopol2100である。
マグネシウム化合物は、ジアルキルマグネシウムとアルコールとの反応生成物である。アルコールは、直鎖または分岐脂肪族モノアルコールである。好ましくは、アルコールは、6〜16個の炭素原子を有する。分岐アルコールがとりわけ好ましく、また2-エチル-1-ヘキサノールが最も好ましいアルコールである。
ジアルキルマグネシウムは、同一であっても異なっていてもよい2つのアルキル基に結合している任意のマグネシウム化合物であり得る。ブチル-オクチルマグネシウムは、好ましいジアルキルマグネシウムの一例である。
アルミニウム化合物は、塩素含有アルキルアルミニウムである。とりわけ好ましい化合物は、二塩化アルキルアルミニウムおよびセスキ塩化アルキルアルミニウムである。
チタン化合物は、ハロゲン含有チタン化合物、好ましくは塩素含有チタン化合物である。とりわけ好ましいチタン化合物は、四塩化チタンである。
EP-A-688794に記載されるとおり、触媒は、担体を上記の化合物と逐次的に接触させることによって調製することができる。あるいは、WO-A-01155230に記載されるとおり、最初に上記の成分から溶液を調製し、その後上記溶液を担体と接触させることによって調製することができる。好ましくは、触媒は、EP-A-688794に開示され、さらに本出願において詳細に記載される一般的な調製コンセプトに従って調製される。
上記の触媒は、共触媒(活性化剤とも呼ばれる)と共に使用される。好適な共触媒は、金属アルキル化合物、さらにとりわけアルキルアルミニウム化合物である。これらの化合物としては、ハロゲン化アルキルアルミニウム(例えば二塩化エチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウムなど)が挙げられる。これらはまた、トリアルキルアルミニウム化合物(例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムおよびトリ-n-オクチルアルミニウム)も包含する。とりわけ好ましい共触媒は、トリアルキルアルミニウムであり、このうちトリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムが特に使用され、最も好ましくはトリエチルアルミニウム(TEA)が使用される。
上記の触媒は、上記の共触媒と接触させる。触媒と共触媒との接触は、触媒を重合リアクターに導入する前に行ってもよく、2つの成分を別々に重合リアクター(1つまたは複数)に導入することにより行ってもよい。
本発明による触媒系(すなわち本発明による触媒と共触媒との組み合わせ)において、上記共触媒中のアルミニウムと上記触媒のチタンとの間のモル比は、好ましくは20:1〜5:1、より好ましくは15:1〜7:1、また最も好ましくは12:1〜8:1である。
[パイプ製造]
ポリマーパイプは、一般的には押出によって、または程度は少ないが、射出成形によって製造される。ポリマーパイプの押出のための従来のプラントは、押出機、ダイヘッド、較正デバイス、冷却機器、引張デバイス、ならびにパイプを切断するおよび/または巻き取るためのデバイスを含む。
圧力パイプに使用するためのポリエチレン材料の製造は、Scheirsらによる論文(Scheirs, Boehm, BootおよびLeevers:PE100 Resins for Pipe Applications, TRIP 第4巻, No. 12 (1996年) 408-415)中で考察されている。著者らは、PE100パイプ材料の製造技術および特性について考察している。彼らは、低速亀裂成長および急速亀裂伝播を最適化するための適切なコモノマー分布および分子量分布の重要性について指摘している。
[工程の詳細]
以下に本発明の多段工程が記載される。本発明による多段工程は、図1にさらに示される。
図1にも示されているとおり、第1重合段階は第1リアクター中で行われる。第1リアクターは、好ましくは第1スラリー相リアクターであり、またより好ましくは第1ループリアクターである。
第1リアクター中の温度は、典型的には50〜115℃、好ましくは60〜110℃、また特に70〜100℃である。圧力は、典型的には1〜150バール、好ましくは1〜100バールである。
第1リアクター中で、場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)を含む、好ましくは場合によりプレポリマー画分と共に本質的に画分(A)から成る第1中間材料が得られる(図1参照)。図1に示されるとおり、第1中間材料は、場合によりプレポリマー画分の存在下、第1リアクター中で画分(A)を重合させることによって得られる。
場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)を含む、好ましくは場合によりプレポリマー画分と共に本質的に画分(A)から成る第1中間材料は、220〜400g/10分、好ましくは240〜380g/10分、また最も好ましくは260〜350g/10分のMFR2(190℃、2.16kg)を有する。
第1中間材料のMFR2を調整するため、好ましくは、画分(A)を重合させるための第1リアクター中に水素が導入される。水素供給は、好ましくは300〜550mol/kmol、より好ましくは350〜500mol/kmol、最も好ましくは360〜450mol/kmolの、第1リアクター中の水素とエチレンの比を満たすため、エチレン供給に応じて調整される。
第1リアクター中で生成される画分(A)は、エチレンホモポリマーまたはコポリマー画分であり得る(図1参照)。画分(A)は、エチレンホモポリマーであることが好ましい。
しかし、コポリマーを重合させる場合、コモノマーは、好ましくは1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンまたはそれらの混合物を含む群から選択され、とりわけ好ましいのは1-ヘキセンである。好ましい実施形態において、第1リアクター中ではエチレンホモポリマーが重合されるため、この第1重合段階にコモノマーは供給されない。
第1リアクター中の滞留時間および重合温度は、エチレンホモポリマーまたはコポリマー画分(A)を、典型的には、ベースの全重量に対して好ましくは15〜35重量%、より好ましくは20〜30重量%、また最も好ましくは23〜27重量%の量で重合させるように調整される。
さらに、上記の工程における画分(A)は、本発明のポリエチレン組成物について上記に定義されるとおりである。
図1に示されるとおり、第1リアクター中で得られた、場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)を含む、好ましくは場合によりプレポリマー画分と共に本質的に画分(A)から成る第1中間材料は、第2リアクターに移動される。場合により、あまり好ましくないが、第1中間体は、最初にパージングステップのためフラッシュ室に移動され、その後第2リアクターに移動される。フラッシュ室中で、ポリマーから炭化水素が実質的に除去される。
第2重合段階は、第2リアクター中で行われる。第2リアクターは、好ましくは第2スラリー相リアクターであり、より好ましくは第2ループリアクターである。
第2リアクター中の温度は、典型的には50〜115℃、好ましくは60〜110℃、また特に70〜100℃である。圧力は、典型的には1〜150バール、好ましくは1〜100バールである。
第2リアクター中で、場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)および(B)を含む、好ましくは場合によりプレポリマー画分と共に本質的に画分(A)および(B)から成る第2中間材料が得られる(図1参照)。図1に示されるとおり、第2中間材料は、場合によりプレポリマー画分と共に、第2リアクター中で画分(A)の存在下に画分(B)を重合させることによって得られる。
場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)および(B)を含む、好ましくはプレポリマー画分と共に本質的に画分(A)および(B)から成る、得られた第2中間材料は、好ましくは250〜600g/10分、より好ましくは270〜550g/10分、さらにより好ましくは300〜500g/10分、また最も好ましくは320〜450g/10分のMFR2(190℃、2.16kg)を有する。
第2中間材料のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)は、画分(A)のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)の1.10〜1.35倍であり、好ましくは1.20〜1.30倍である。
第2中間材料のMFR2を調整するため、好ましくは、画分(B)を重合させるための第2リアクターに水素が導入される。水素供給は、好ましくは、380〜600mol/kmol、より好ましくは400〜550mol/kmol、最も好ましくは480〜530mol/kmolの、第2リアクター中の水素とエチレンの比を満たすため、エチレン供給に応じて調整される。
第2リアクター中で生成される画分(B)は、エチレンホモポリマーまたはコポリマー画分であり得る(図1参照)。画分(B)は、エチレンホモポリマーであることが好ましい。
しかし、コポリマーを重合させる場合、コモノマーは、好ましくは1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンまたはそれらの混合物を含む群から選択され、とりわけ好ましいのは1-ヘキセンである。好ましい実施形態において、第2リアクター中ではエチレンホモポリマーが重合されるため、この第2重合段階にコモノマーは供給されない。
第2リアクター中の滞留時間および重合温度は、エチレンホモポリマーまたはコポリマー画分(B)を、典型的には全ベース樹脂の15〜45重量%、好ましくは25〜35重量%の量で重合させるように調整される。
さらに、第2リアクター中で、滞留時間および重合温度は、エチレンホモポリマーまたはコポリマー画分(B)を重合させ、これにより画分(A)および(B)の組み合わせの量が、場合によりプレポリマー画分と共に、ベース樹脂の全重量に対して好ましくは49〜55重量%、より好ましくは49〜54重量%、また最も好ましくは49〜53重量%であるように調整される。
さらに、上記の工程における画分(A)および(B)の組み合わせは、本発明のポリエチレン組成物について上記に定義されるとおりである。
以下の仕様を、第1リアクターおよび第2リアクターの両方のリアクターに独立して適用するものとする。
第1重合段階および第2重合段階は、原理上、任意のリアクター中で行うことができる。好ましくは、第1リアクターおよび第2リアクターの1つまたは両方とも、スラリーリアクターである。このようなリアクターとしては、連続撹拌タンクリアクターおよびループリアクターが挙げられる。ループリアクター中で重合を行うことがとりわけ好ましい。このようなリアクター中で、スラリーは、循環ポンプを使用することにより密閉管に沿って高速で循環する。ループリアクターは当技術分野において一般的に公知であり、例えばUS-A-4,582,816、US-A-3,405,109、US-A-3,324,093、EP-A-479 186およびUS-A-5,391,654に実施例が示されている。
流体混合物の臨界温度および圧力を超えて第1ループ重合および/または第2ループ重合を行うことが有利である場合もある。このような操作はUS-A-5,391,654に記載されている。このような操作において、温度は、典型的には少なくとも85℃、好ましくは少なくとも90℃である。さらに、温度は、典型的には110℃以下、好ましくは105℃以下である。これらの条件下の圧力は、典型的には少なくとも40バール、好ましくは少なくとも50バールである。さらに、圧力は、典型的には150バール以下、好ましくは100バール以下である。好ましい実施形態において、第1重合段階および/または第2重合段階は、反応温度および反応圧力は炭化水素媒体、モノマー、水素および任意選択のコモノマーによって形成された混合物の等価臨界点を上回り、重合温度は形成されたポリマーの溶融温度を下回る、超臨界条件下で実施される。
第1リアクター中の反応温度と第2リアクター中の反応温度は、10%以下、好ましくは0%〜9%異なることが好ましい。
さらに、第1リアクター中の反応圧力と第2リアクター中の反応圧力は、15%以下、好ましくは0%〜13%異なることが好ましい。好ましくは、第1リアクター中の圧力は第2リアクター中の圧力より高い。
第1リアクターと第2リアクターがスラリー相リアクターである場合、スラリーは、第1リアクターおよび/または第2リアクターから連続的にまたは断続的に回収することができる。図1に示されるとおり、第1重合から回収されたスラリーは、第1中間材料を含む。図1に示されるとおり、第2重合段階から回収されたスラリーは、第2中間材料を含む。
スラリーは、連続的にまたは断続的に回収することができる。断続的回収の好ましい方法は、リアクターから濃縮スラリーのバッチを回収する前にスラリーを濃縮することができる沈降脚の使用である。沈降脚の使用は、特にUS-A-3,374,211、US-A-3,242,150およびEP-A-1 310 295に開示されている。連続回収は、特にEP-A-891 990、EP-A-1 415 999、EP-A-1 591 460およびWO-A-2007/025640に開示されている。連続回収は、EP-A-1 415 999およびEP-A-1 591 460に開示されているとおり、好適な濃縮法と有利に組み合わされる。
沈降脚は、リアクターから回収されるスラリーを濃縮するために使用される。このため、回収されるストリームは、リアクター中のスラリーと比較すると、体積当たり平均してより多くのポリマーを含有する。このことは、液体を再循環させてリアクターに戻す必要が少なく、そのため設備の費用が安いという利点を有する。商業規模のプラントでは、ポリマーと共に回収される流体はフラッシュ室中で蒸発し、そこからコンプレッサーで圧縮され、スラリー相リアクターに再循環される。
しかし、沈降脚はポリマーを断続的に回収する。このため、リアクター中の圧力が、さらにまた他の可変要素も回収時間によって変動する。同様に、回収容量も限られており、沈降脚のサイズおよび数によって決まる。これらの不利点を克服するため、多くの場合は連続回収が好ましい。
他方、連続回収は、典型的には、ポリマーを、リアクター中に存在していた濃度と同じ濃度で回収するという問題を有する。圧縮対象の炭化水素の量を低下させるため、EP-A-1 415 999およびEP-A-1 591 460に開示されるとおり、連続出口は、好適な濃縮デバイス(例えば液体遠心分離機または篩)と有利に組み合わされる。その後、ポリマーリッチストリームはフラッシュ、フラッシュ室に向けられ、ポリマーリーンストリームはリアクターに直接戻される。
図1に示されるとおり、第2リアクター中で得られた、場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)および(B)を含む、好ましくは場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)および(B)から成る第2中間材料は、パージングステップのためにフラッシュ室へ移動され、その後第3リアクターへ移動される。フラッシュ室では、ポリマーから炭化水素が実質的に除去される。場合により、あまり好ましくないが、第2中間体は、第3リアクターに直接移動される。
第3重合段階は、第3リアクター中で行われる。
第3リアクターは、好ましくはガス相リアクター、より好ましくは流動床ガス相リアクターである。
流動床ガス相リアクター中で、オレフィンは、上方移動ガスストリーム中で重合触媒の存在下に重合される。リアクターは、典型的には、流動化グリッドの上に位置する、活性触媒を含有する成長ポリマー粒子を含む流動床を含む。
ポリマー床は、オレフィンモノマー、最終的にはコモノマー(1種または複数種)、最終的には鎖成長抑制剤または連鎖移動剤(例えば水素)、および最終的には不活性ガスを含む流動化ガスを利用して流動化される。これにより不活性ガスは、スラリー相リアクター中で使用される不活性ガスと同一であっても異なっていてもよい。流動化ガスは、リアクターの底で入口チャンバに導入される。ガス流を入口チャンバの断面表面積にわたって確実に均一に分散させるため、入口管は、当技術分野(例えばUS-A-4,933,149およびEP-A-684 871)において公知の分流エレメントを備えていてよい。
入口チャンバから、ガス流は、流動化グリッドを上方に通過して流動床に入る。流動化グリッドの目的は、ガス流を、床の断面積にわたって均等に分流することである。WO-A-2005/087261に開示されるとおり、ガスストリームをリアクター壁に沿って掃引することを確立するように流動化グリッドを配置し得る場合もある。他の種類の流動化グリッドは、特にUS-A-4,578,879、EP 600 414およびEP-A-721 798に開示されている。概要は、GeldartおよびBayens:The Design of Distributors for Gas-fluidised Beds, Powder Technology, 第42巻, 1985年に記載されている。
流動化ガスは、流動床を通過する。流動化ガスの空塔速度は、流動床に含まれる粒子の最小流動化速度より高くなければならないが、これはそうでなければ流動化が起こらないためである。他方、ガスの速度は圧気輸送の開始速度より低くなければならないが、これはそうでなければ全床が流動化ガスにより同伴されるためである。圧気輸送の最小流動化速度および開始速度は、粒子特性が既知である場合に、一般的な工学的慣行を用いることにより計算することができる。概要は、特にGeldart:Gas Fluidisation Technology, J. Wiley & Sons, 1996年に記載されている。
流動化ガスが活性触媒を含む床と接触すると、ガスの反応性成分(例えばモノマーと連鎖移動剤)が触媒の存在下に反応してポリマー生成物を生成する。同時に、ガスは反応熱によって加熱される。
次いで、未反応の流動化ガスがリアクターの頂部から取り出され、圧縮され、リアクターの入口チャンバに再循環される。リアクターに入る前に、新たな反応物質が流動化ガスストリームに導入され、反応および生成物回収によって生じた損失を補填する。流動化ガスの組成を分析し、ガス成分を導入して組成を一定に保つことが一般的に知られている。実際の組成は、生成物の所望の特性および重合において使用される触媒によって決まる。
その後、ガスは熱交換器中で冷却されて反応熱が除去される。ガスは床の温度より低い温度まで冷却され、反応により床が加熱されるのを防ぐ。ガスを、その一部が凝縮する温度まで冷却することができる。液滴が反応ゾーンに入ると、これらは蒸発する。気化熱は、その後反応熱の除去に寄与する。この種の操作は凝縮モードと呼ばれ、そのバリエーションは、特にWO-A-2007/025640、US-A-4,543,399、EP-A-699 213、およびWO-A-94/25495に開示されている。EP-A-696 293に開示されているとおり、凝縮剤を再循環ガスストリームに添加することも可能である。凝縮剤は、冷却器中で少なくとも部分的に凝縮される非重合性成分(例えば、プロパン、n-ペンタン、イソペンタン、n-ブタンまたはイソブタン)である。
ポリマー生成物は、ガス相リアクターから連続的または断続的に回収することができる。図1に示されるとおり、第3重合段階のガス相リアクターから回収されるポリマー生成物がベース樹脂である。これらの方法の組み合わせも使用し得る。連続回収は、特にWO-A-00/29452に開示されている。断続的回収は、特にUS-A-4,621,952、EP-A-188 125、EP-A-250 169およびEP-A-579 426に開示されている。
少なくとも1つのガス相リアクターの頂部は、いわゆる離脱ゾーンを含み得る。このようなゾーンでは、ガス速度を低下させ、流動化ガスと共に床から運ばれる粒子を床に戻して沈殿させるために、リアクターの直径が増大される。
床レベルは、当技術分野において公知の様々な技術によって観察することができる。例えば、リアクターの底と床の特定の高さとの間の圧力差をリアクターの全長にわたって記録することが可能であり、床レベルを圧力差値に基づいて計算することができる。このような計算により、時間平均レベルが得られる。超音波センサーまたは放射線センサーを使用することも可能である。これらの方法で瞬間レベルを得ることが可能であり、当然のことながら、これをその後経時的に平均して、時間平均床レベルを得ることができる。
また、必要であれば、帯電防止剤(1種または複数種)を少なくとも1つのガス相リアクターに導入してもよい。好適な帯電防止剤およびそれらの使用方法は、特にUS-A-5,026,795、US-A-4,803,251、US-A-4,532,311、US-A-4,855,370およびEP-A-560 035に開示されている。帯電防止剤は、通常は極性化合物であり、例えば、特に水、ケトン、アルデヒドおよびアルコールが挙げられる。
リアクターは、流動床中の混合をさらに促進するための機械的撹拌機を含んでいてよい。好適な撹拌機設計の例は、EP-A-707 513に記載されている。
ガス相リアクター中で、場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)、(B)および(C)を含む、好ましくは場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)、(B)および(C)から成るベース樹脂が得られる(図1参照)。図1に示されるとおり、ベース樹脂は、場合によりプレポリマー画分と共に、画分(A)および(B)の存在下に画分(C)の重合によって得られる。
ガス相リアクター中の温度は、典型的には少なくとも70℃、好ましくは少なくとも80℃である。温度は、典型的には105℃以下、好ましくは95℃以下である。圧力は、典型的には少なくとも10バール、好ましくは少なくとも15バールであるが、典型的には30バール以下、好ましくは25バール以下である。
図1に示されるとおり、ガス相リアクター中で生成される画分(C)は、好ましくはエチレンコポリマー画分である。このため、流動化ガスストリームは、好ましくはコモノマー(好ましくは3〜12個の炭素原子、より好ましくは4〜8個の炭素原子を有するアルファオレフィンコモノマー)を含む。好適なアルファオレフィンコモノマー種は、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンまたはそれらの混合物である。好ましいのは、1-ブテンまたは1-ヘキセンであり、また最も好ましいのは、1-ヘキセンである。ガス相リアクター中で使用されるコモノマーは、第1ループ相リアクターおよび/または第2ループ相リアクター中で使用されるコモノマーと同一であっても異なっていてもよい。
コモノマー供給は、好ましくは少なくとも[量を書き加えて下さい]mol/kmol、より好ましくは[量を書き加えて下さい]mol/kmol、最も好ましくは[量を書き加えて下さい]mol/kmolのコモノマーとエチレンの比を満たすため、エチレン供給に応じて調整される。
さらに、上記の工程における画分(C)は、本発明のポリエチレン組成物について上記に定義されるとおりである。
ガス相リアクター中で得られるベース樹脂のメルトフローレートを調整するため、水素をリアクターに導入して画分(C)を重合させる。水素供給は、好ましくは、0.1〜20mol/kmol、より好ましくは0.5〜10mol/kmol、また最も好ましくは1.5〜4.0mol/kmolの、ガス相リアクター中の水素とエチレンの比を満たすため、エチレン供給に応じて調整される。
さらに、ガス相リアクター中で、滞留時間および重合温度は、画分(C)を、好ましくは全ベース樹脂の30〜75重量%、より好ましくは35〜60重量%、さらにより好ましくは45〜50重量%、また最も好ましくは46.5〜50重量%の量で重合させるように調整される。
さらに、ガス相リアクターから出現する、場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)、(B)および(C)を含む、好ましくは場合によりプレポリマー画分と共に画分(A)、(B)および(C)から成る最終ポリエチレンベース樹脂は、IS0 1183-1:2004に従って決定された952kg/m3超かつ957.0kg/m3以下、好ましくは952.5kg/m3超かつ956.0kg/m3以下、より好ましくは953kg/m3超かつ956.0kg/m3以下、また最も好ましくは953.5kg/m3超かつ955.5kg/m3以下の密度を有する。
プレポリマー画分が存在する場合、ベース樹脂は、画分(A)の量に加えてプレポリマー画分を含む。プレポリマー画分は、好ましくは全ベース樹脂の7.5重量%以下の量で、より好ましくは5重量%以下の量で、また最も好ましくは3重量%以下の量でベース樹脂中に存在する。プレポリマー画分は、好ましくはエチレンホモポリマーである。
さらに、上記の工程におけるベース樹脂は、本発明のポリエチレン組成物について上記に定義されるとおりである。
場合により、上記の工程は、さらに第1重合段階に先行する予備重合段階を含み得る。
予備重合段階の目的は、低温および/または低モノマー濃度で、少量のポリマーを触媒に重合させることである。予備重合により、スラリー中の触媒の性能を高めおよび/または最終ポリマーの特性を改変することができる。
予備重合は、予備重合リアクター中で行われる。予備重合リアクターは、好ましくは予備重合スラリー相リアクターまたは予備重合ガス相リアクターである。より好ましくは、予備重合リアクターは、予備重合スラリー相リアクター、また最も好ましくは予備重合ループリアクターである。
予備重合は、好ましくは、不活性希釈剤、典型的には炭化水素希釈剤(例えば、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等、またはそれらの混合物)中で行われる。好ましくは、希釈剤は、1〜4個の炭素原子を有する低沸点炭化水素またはこのような炭化水素の混合物である。最も好ましい希釈剤はプロパンである。
予備重合段階における温度は、典型的には0℃〜90℃、好ましくは20℃〜80℃、より好ましくは40℃〜70℃である。
圧力は重要ではなく、典型的には1バール〜150バール、好ましくは10バール〜100バールである。
予備重合段階において、モノマーの量は、典型的には、1グラムの固体触媒成分当たり0.1グラム〜1000グラムのモノマーが重合されるような量である。当業者が知っているとおり、連続予備重合リアクターから回収される触媒粒子は、その全てが同量のプレポリマーを含有するわけではない。それどころか、各粒子は、予備重合リアクター中のその粒子の滞留時間によって決まるそれ自体の特徴的な量を有する。一部の粒子はリアクター中に比較的長時間残り、また一部の粒子はリアクター中に比較的短時間残るため、異なる粒子上のプレポリマーの量もまた異なり、一部の個々の粒子は、上記限度外のプレポリマーの量を含有し得る。しかし、触媒上のプレポリマーの平均量は、典型的には上記に特定される制限の範囲内にある。
所望の場合、予備重合段階において、エチレンモノマーに加えて、1つ以上のアルファオレフィンコモノマーを使用することが可能である。好適なコモノマーは、例えば、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンおよびそれらの混合物である。
しかし、予備重合段階においては、エチレンホモポリマーのプレポリマー画分が重合されることが好ましい。
当技術分野で公知であるとおり、プレポリマーの分子量は、水素によって制御することができる。さらに、WO-A-96/19503およびWO-A-96/32420に開示されるとおり、帯電防止添加剤を使用して、粒子が互いにまたはリアクターの壁に付着するのを防ぐことができる。
図1に示されるとおり、予備重合リアクター中で得られるプレポリマー画分は、第1リアクターに移動される。
本発明による触媒系(すなわち本発明による触媒および共触媒)は、好ましくは第1重合リアクターに供給される(図1、「予備重合段階なし」(可能性1)を参照)。しかし、図1「第1重合段階および第2重合段階」(可能性1)に示されるとおり、固体触媒成分と共触媒とを別々に供給することができる場合、共触媒の一部のみを第1重合段階に導入し、残りの部分をその後の重合段階に導入することが可能である。またこのような場合、十分な重合反応を得るために必要とされるだけ多くの共触媒を第1重合段階に導入することが必要である。
予備重合段階を使用する場合、触媒成分は、好ましくは全て予備重合段階に導入される(図1、「予備重合段階」(可能性2)を参照)。しかし、図1「予備重合段階、第1重合段階および第2重合段階」(可能性2)に示されるとおり、固体触媒成分と共触媒とを別々に供給することができる場合、共触媒の一部のみを予備重合段階に導入し、残りの部分をそれに続く重合段階に導入することが可能である。またこのような場合、十分な重合反応を得るために必要とされるだけ多くの共触媒を予備重合段階に導入することが必要である。
触媒は、当技術分野で公知の任意の手段によって重合ゾーンに移動させることができる。このようにして、触媒を希釈剤中で懸濁しそれを均一スラリーとして維持することが可能となる。とりわけ好ましいのは、WO-A-2006/063771に開示されているとおり、希釈剤として20〜1500mPa・秒の粘度を有する油を使用することである。触媒をグリースと油の粘性混合物と一緒に混合し、結果として得られたペーストを重合ゾーンに供給することも可能である。なおさらに、触媒を沈殿させ、このようにして得られた触媒マッドの一部を、例えばEP-A-428 054に開示されるとおりの方法で重合ゾーンに導入することが可能である。
本発明は、図1の可能性2または1にそれぞれ示されるとおり、予備重合段階が含まれる実施形態と、予備重合段階を含まない実施形態とを包含する。いずれの実施形態も同等に好ましい。
予備重合段階を含む本発明の実施形態において、図1に示されるとおり、予備重合段階は重合段階に先行する。予備重合の目的は、低温および/または低モノマー濃度で少量のポリマーを触媒上に重合させることである。予備重合により、スラリー中の触媒の性能を高めるおよび/または最終ポリマーの特性を改変することが可能である。予備重合段階は、スラリー相またはガス相中で行うことができる。好ましくは、予備重合はスラリー中で、優先的にはループリアクター中で行われる。このように、予備重合段階は、ループリアクター中で行うことができる。
予備重合は、好ましくは、不活性希釈剤、典型的には炭化水素希釈剤(例えば、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等、またはそれらの混合物)中で行われる。好ましくは、希釈剤は、1〜4個の炭素原子を有する低沸点炭化水素またはこのような炭化水素の混合物である。最も好ましい希釈剤はプロパンである。
予備重合段階中の温度は、典型的には0℃〜90℃、好ましくは20℃〜80℃、より好ましくは40℃〜70℃である。
予備重合段階において、モノマーの量は、典型的には、1グラムの固体触媒成分当たり0.1グラム〜1000グラムのモノマーが重合されるような量である。当業者が知っているとおり、連続予備重合リアクターから回収される触媒粒子は、その全てが同量のプレポリマーを含有するわけではない。それどころか、各粒子は、予備重合リアクター中のその粒子の滞留時間によって決まるそれ自体の特徴的な量を有する。一部の粒子はリアクター中に比較的長時間残り、また一部の粒子はリアクター中に比較的短時間残るため、異なる粒子上のプレポリマーの量もまた異なり、一部の個々の粒子は、上記の制限外のプレポリマーの量を含有し得る。しかし、触媒上のプレポリマーの平均量は、典型的には上記に特定される制限の範囲内にある。
所望の場合、予備重合段階において、エチレンモノマーに加えて1つ以上のアルファオレフィンコモノマーを使用することが可能である。好適なコモノマーは、例えば、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンおよびそれらの混合物である。
さらに、上記の工程におけるプレポリマー画分は、本発明のポリエチレン組成物について上記に定義されるとおりである。
当技術分野において公知であるとおり、プレポリマーの分子量は、水素によって制御することができる。さらに、WO-A-96/19503およびWO-A-96/32420に開示されているとおり、帯電防止添加剤を使用して、粒子が互いに付着する、またはリアクターの壁に付着するのを防ぐことができる。
さらに、予備重合リアクター中で、滞留時間および重合温度は、プレポリマー画分を、全ベース樹脂の1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%、また最も好ましくは2.5〜3.5重量%の量で重合させるように調整される。
圧力は重要ではなく、典型的には1バール〜150バール、好ましくは10バール〜100バールである。当技術分野において公知であるとおり、プレポリマーの分子量は、水素によって制御することができる。さらに、WO-A-96/19503およびWO-A-96/32420に開示されているとおり、帯電防止添加剤を使用して、粒子が互いに付着する、またはリアクターの壁に付着するのを防ぐことができる。
図1に示されるとおり、本発明のポリエチレン組成物は、好ましくはさらに配合ステップを含む多段工程において製造され、典型的にはリアクターからベース樹脂粉末として得られるベース樹脂は、押出機中で押し出され、その後当技術分野において公知の方法でポリマーペレットにペレット化され、本発明のポリエチレン組成物を形成する。
場合により、あまり好ましくないが、リアクターから得られるベース樹脂は、押出前に窒素でパージされる。
場合により、配合ステップ中に添加剤および/または他のポリマー成分をベース樹脂に添加して、本発明のポリエチレン組成物を製造することができる。
典型的にはポリオレフィンと共に使用される添加剤は、例えば、顔料、カーボンブラック、安定剤(例えば抗酸化剤)、抗酸剤および/または抗UV剤、帯電防止剤ならびに利用剤(例えば加工助剤)である。
好ましくは、ポリエチレン組成物は、カーボンブラックを、全ポリエチレン組成物の8重量%以下の量、より好ましくは1〜4重量%の量で含む。
さらに好ましいのは、カーボンブラックとは異なる添加剤の量が、1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下であることである。
添加剤は、配合ステップに別々に添加することができる。しかし、それらを1つ以上のマスターバッチへと予備配合し、配合ステップ中に1つ以上のマスターバッチをベース樹脂に添加することが好ましい。
さらなるポリマー成分の添加が、本発明による全ポリエチレン組成物に対して3重量%未満、好ましくは2重量%未満の量に制限されることが好ましい。
好ましくは、ガス相リアクターから得られる本発明のベース樹脂は、当技術分野において公知の方法で、添加剤および/または他のポリマーと共に押出機中で配合される。
押出機は、例えば、任意の従来使用される押出機であってよい。本発明の配合ステップのための押出機の例は、日本製鋼所(Japan Steel works)、神戸製鋼所(Kobe Steel)またはFarrel-Pomini社によって供給される押出機、例えばJSW 460PまたはJSW CIM90Pであり得る。
1つの実施形態において、押出ステップは、パイロット生産規模において200kg/時間〜600kg/時間、より好ましくは250kg/時間〜400kg/時間の供給速度を用いて実施される。好ましくは、商業生産において、スループットは、典型的には10〜50トン/時間である。
以下の条件を、パイロット生産規模と商業生産の両方に適用する。押出機のスクリュー速度は、好ましくは300rpm〜500rpm、より好ましくは350rpm〜450rpmである。
好ましくは、上記押出ステップにおいて、押出機のSEI(特定エネルギー入力)は、200kWh/トン〜300kWh/トン、より好ましくは220kWh/トン〜280kWh/トンであり、これによりSEIは、本質的に制限された有効性を無視して、押出機の電気入力から直接計算される。
上記押出ステップにおける溶融温度は、好ましくは220℃〜320℃、より好ましくは250℃〜290℃である。
好ましくは、4つのゾーンを有する押出機におけるゾーンにおける温度は、以下のとおりに設定される。ゾーン1は、好ましくは80〜120℃に設定される。ゾーン2は、好ましくは180〜220℃に設定される。ゾーン3は、好ましくは230〜270℃に設定される。ゾーン4は、好ましくは160〜200℃に設定される。さらに好ましくは、4つのゾーンは以下のとおりに設定される:
ゾーン1は90〜110℃;ゾーン2は190〜210℃;ゾーン3は240〜260℃;またゾーン4は170〜190℃。
ポリエチレン組成物は、IS0 1133に従って決定された0.12〜0.21g/10分、好ましくは0.13〜0.20g/10分、より好ましくは0.14〜0.19g/10分、また最も好ましくは0.15〜0.19g/10分のメルトフローレートMFR5(190℃、5kg)を有する。
さらに、ポリエチレン組成物は、4.9Pa-1超かつ9.0Pa-1以下の範囲内、好ましくは5.5Pa-1以上かつ8.5Pa-1以下の範囲内、また最も好ましくは6.0Pa-1以上かつ6.5Pa-1以下の範囲内の多分散性指数PIを有する。
さらに、上記の工程におけるポリエチレン組成物は、本発明のポリエチレン組成物について上記に定義されるとおりである。
本発明の多段工程によって製造される本発明のポリエチレン組成物は、広い分子量分布、高い多分散性指数PIを有し、またパイプの製造のための高い密度を有するベース樹脂を含み、また同時に上記ポリエチレン組成物は、高められた均一性を有する。顔料(例えばカーボンブラックなど)による単独配合ステップの後、ポリエチレン組成物は、ISO 18 553/2002-03-01に従って測定された場合、好ましくは2.5%未満、より好ましくは1.5%未満、最も好ましくは1.1%未満のWSRを有する。WSRの下限値は、好ましくは0.001%である。
なおさらなる態様において、本発明は、多段工程によって得られる上記のポリエチレン組成物を含む物品、および物品の製造のためのこのようなポリエチレン組成物の使用に関する。
物品は、好ましくはパイプまたはパイプ継手である。このようなパイプは、上記に示される特性によってさらに特徴付けられる。
[1. 定義]
[a) メルトフローレート]
メルトフローレート(MFR)は、IS0 1133に従って決定され、g/10分で示される。MFRはポリマーの流動性、また従って加工性の指標である。メルトフローレートが高いほど、ポリマーの粘度は低い。ポリエチレンのMFR5は190℃の温度かつ5kgの荷重において測定され、ポリエチレンのMFR2は190℃の温度かつ2.16kgの荷重において測定され、またポリエチレンのMFR21は190℃の温度かつ21.6kgの荷重において測定される。量FRR(フローレート比)は、異なる荷重におけるフローレートの比を表す。従って、FRR21/5は、MFR21/MFR5の値を表す。
[b) 密度]
ポリマーの密度は、EN IS0 1872-2(2007年2月)に従って調製された圧縮成形試験片上でIS0 1183-1:2004(メソッドA)に従って測定され、kg/m3で示される。
[c) コモノマー含有量]
定量核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて、ポリマーのコモノマー含有量を定量した。
定量13C{1H}NMRスペクトルを、1Hおよび13Cについてそれぞれ500.13MHzおよび125.76MHzで操作されるBruker Advance III 500 NMR分光計を用いて、溶融状態で記録した。全てのスペクトルを、13C最適化7mmマジック角回転(MAS)プローブヘッドを150℃にて全ての空気圧に窒素ガスを用いて使用して記録した。約200mgの材料を7mm外径のジルコニア製MASローターに充填し、4kHzで回転させた。この設定は、主に迅速な同定および正確な定量に必要とされる高感度を得るために選択された{[1]、[2]、[6]}。3秒という短い待ち時間(recycle delay)でのトランジエントNOE {[1]、[3]}およびRSHEPTデカップリングスキーム{[4]、[5]}を利用して、標準的な単一パルス励起を用いた。1スペクトル当たり合計1024(1k)のトランジエントが得られた。この設定は、低コモノマー含有量に対して高感度であるため選択された。
カスタムスペクトル分析自動化プログラムを用いて、定量13C{1H}NMRスペクトルを処理し、積分し、定量的特性を決定した。全ての化学シフトは、30.00ppmにおけるバルクメチレンシグナル(δ+)に対して内部的に参照される{[9]}。
1-ヘキセンの組み込みに対応する特徴的なシグナルが観察され{[9]}、ポリマー中に存在する全ての他のモノマーについて、全含有量を計算した。
H = I*B4
他のコモノマー配列(すなわち連続したコモノマーの組み込み)を示す他のシグナルなしで、観察された全1-ヘキセンコモノマー含有量を、単離された1-ヘキセン配列の量のみに基づいて計算した。
Htotal= H
飽和末端基に由来する特徴的なシグナルが観察された。このような飽和末端基の含有量を、2s部位および3s部位にそれぞれ割り当てられた22.84ppmおよび32.23ppmにおけるシグナルの積分の平均を用いて定量した。
S = (1/2)*(I2S+I3S)
エチレンの相対含有量を、30.00ppmにおけるバルクメチレン(δ+)シグナルの積分を用いて定量した。
E = (1/2)*Iδ+
全エチレンコモノマー含有量をバルクメチレンシグナルに基づいて計算したが、これは他の観察されたコモノマー配列または末端基に存在するエチレン単位を占めていた。
Etotal = E+(5/2)*B+(3/2)*S
その後、ポリマー中の1-ヘキセンの全モル分率を以下のとおりに計算した:
fH = (Htotal/(Etotal+Htotal)
1-ヘキセンの全コモノマー組み込み(mol%)を、通常の方法でモル分率から計算した。
H [mol%] = 100*fH
1-ヘキセンの全コモノマー組み込み(重量%)を、標準的な方法でモル分率から計算した。
H [重量%] = 100*(fH*84.16)/((fH*84.16)+((1-fH)*28.05))
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[d) レオロジーパラメータ]
動的剪断測定によるポリマー溶融の特性評価は、ISO標準6721-1および6721-10に従う。測定は、25mmの平行プレート幾何学を備えたAnton Paar社のMCR501応力制御回転レオメータ上で実施した。測定は、窒素雰囲気を使用し、歪みを線形粘弾性レジメ内に設定した圧縮成形プレート上で行った。振動剪断試験は、190℃にて、0.01〜600ラジアン/秒の周波数範囲を適用し、ギャップを1.3mmに設定して行った。
動的剪断実験において、プローブは、正弦波変動剪断歪みまたは剪断応力(それぞれ、歪み制御モードおよび応力制御モード)で均一な変形に曝される。制御歪み実験では、プローブは正弦波歪みに曝され、これは以下の式によって表すことができる。
γ(t) = γ0sin(ωt) (1)
印加された歪みが線形粘弾性レジメ内にある場合、結果として得られる正弦波応力応答は、
σ(t) = σ0sin(ωt +δ) (2)
によって示すことが可能であり、σ0およびγ0は、それぞれ応力および歪み振幅であり;ωは角周波数であり;δは位相シフト(印加された歪みと応力応答との間の損失角)であり;tは時間である。
動的試験の結果は、典型的には幾つかの異なるレオロジー関数、すなわち剪断貯蔵弾性率G'、剪断損失弾性率G"、複合剪断弾性率G*、複合剪断粘度η*、動的剪断粘度η'、複合剪断粘度の異相成分η"、および損失正接tan ηによって表され、これらは以下のとおりに表すことができる。
Figure 2016532760
MWDに相関しMwには依存しない、いわゆる剪断減粘指数の決定は、等式9に表されるとおりに行われる。
Figure 2016532760
例えば、SHI(2.7/210)は、2.7kPaに等しいG*の値について決定される複素粘度の値(Pa 秒)を、210kPaに等しいG*の値について決定される複素粘度の値(Pa 秒)で割ることによって定義される。
貯蔵弾性率(G')、損失弾性率(G")、複合弾性率(G*)および複素粘度(η*)の値は、周波数(ω)の関数として得られた。
これにより、例えばη* 300ラジアン/秒(イータ* 300ラジアン/秒)は、300ラジアン/秒の周波数における複素粘度の略語として用いられ、またη* 0.05ラジアン/秒(イータ* 0.05ラジアン/秒)は、0.05ラジアン/秒の周波数における複素粘度の略語として使用される。
損失正接tan(デルタ)は、所与の周波数における損失弾性率(G")と貯蔵弾性率(G')の比として定義される。これにより、例えばtan0.05は、0.05ラジアン/秒における損失弾性率(G")と貯蔵弾性率(G')の比の略語として用いられ、tan300は、300ラジアン/秒における損失弾性率(G")と貯蔵弾性率(G')の比の略語として用いられる。
弾性バランスtan0.05/tan300は、損失正接tan0.05と損失正接tan300の比として定義される。
上記のレオロジー関数に加えて、いわゆる弾性指数EI(x)などの他のレオロジーパラメータも決定することができる。弾性指数Ei(x)はx kPaの損失弾性率G"の値について決定された貯蔵弾性率G'の値であり、等式10によって表すことができる。
(G" = x kPa)のときEI(x) = G'[Pa] (10)
例えば、EI(5kPa)は、5kPaに等しいG"の値について決定された貯蔵弾性率G'の値によって定義される。
粘度イータ747は、747Paの極めて低い定剪断応力で測定され、ポリエチレン組成物の重力流に反比例する(すなわちイータ747が高いほど、ポリエチレン組成物の垂れ落ち性は低い)。
多分散性指数PIは、等式11によって定義される。
Figure 2016532760
式中、ωCOPはクロスオーバー角周波数であり、貯蔵弾性率G'が損失弾性率G"と等しくなる角周波数として決定される。
上記の値は、Rheoplusソフトウェアによって定義される1点内挿法によって決定される。所与のG*値に実験的に到達できない状況においては、この値は、前と同じ方法を用いて外挿によって決定される。いずれの場合(内挿または外挿)においても、Rheoplusのオプション「パラメータからy値をx値に内挿」および「対数内挿タイプ」を適用した。
参考文献:
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[e) 分子量]
分子量平均(Mz、MwおよびMn)、分子量分布(MWD)、ならびにその広さ(多分散性指数PDI = Mw/Mn(Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量である)によって表される)は、以下の式を用いて、ISO 16014-4:2003およびASTM D 6474-99に従ってゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により決定した。
Figure 2016532760
一定溶出体積区間ΔViについては、AiおよびMiは、クロマトグラフピークスライス領域およびポリオレフィン分子量(MW)である。
赤外線(IR)検出器を備えたPolymerChar社のGPC機器を、Polymer Laboratories社製の3x Olexisおよび1x Olexisガードカラムならびに溶媒としての1,2,4-トリクロロベンゼン(250mg/lの2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチル-フェノールで安定化されたTCB)を用いて、160℃にて1ml/分の一定流速で使用した。1分析当たり200μLのサンプル溶液を注入した。カラムセットは、0.5kg/mol〜11500kg/molの範囲内の少なくとも15の狭いMWDポリスチレン(PS)標準を用いて万能較正を(ISO 16014-2:2003に従って)使用して較正した。使用したPS、PEおよびPPのマークホーウィンク定数は、ASTM D 6474-99に記載されるとおりである。全サンプルは、5.0〜9.0mgのポリマーを、8ml(160℃)の安定化TCB(移動相と同じ)に、PPについては2.5時間またはPEについては3時間、160℃でGPC機器のオートサンプラー中の連続的な穏やかな振盪下で溶解することによって調製した。
[f) ノッチパイプの圧力試験(NPT);低速亀裂伝播耐性]
低速亀裂伝播耐性は、ISO 13479-2009に従って、パイプが破損前に特定の温度において特定の圧力に耐える時間数に関して決定される。この圧力試験は、110mmの外径を有するノッチ付きSDR11パイプで実施される。9.2バールの圧力および80℃の温度を使用した。ノッチングは、0.010±0.002(mm/回転)/歯の切断速度を有する、ISO 6108に適合する刃先角60°のVカッターを有する下向き削りカッターを用いて行われる。使用されるカッターは24歯を有し、カッターの速度は680rpmである。残存リガメントは最小壁厚の0.82〜0.78倍である。ノッチの深さは、以下の等式を使用して計算される。hは、ノッチ深さ(mm)である。4つのノッチがパイプ外周に均等に配置される。ノッチの長さは、110±1mmである。
Figure 2016532760
式中、
bsは、ノッチの機械加工面の幅(mm)であり;
demは、測定平均管外径(mm)である。
[g) 非ノッチパイプの圧力試験(PT);耐内圧性]
耐内圧性は、ISO 1167-1:2006に従って内側水環境および外側水環境で実施される、450mmの長さを有する非ノッチ32mm SDR11パイプの圧力試験において決定した。A型エンドキャップを使用した。破損までの時間は、時間単位で決定される。80℃の温度における5.9MPaのフープ応力、ならびに20℃の温度において試験される12.6MPaおよび13.0MPaのフープ応力を適用した。
[h) パイプの小規模定常状態(S4)試験、S4臨界温度;急速亀裂伝播(RCP)]
パイプの急速亀裂伝播(RCP)耐性は、ISO 13477:1997(E)に記載されるS4-試験(小規模定常状態)と呼ばれる方法に従って決定される。
RCP-S4試験に従って、7管径以上の軸長を有するパイプが試験される。パイプの外径は約110mm以上であり、その壁厚は約10mm以上である。本発明に関して、パイプのRCP特性を決定するとき、外径および壁厚はそれぞれ110mmおよび10mmとなるように選択された。パイプの外側は周囲圧力(大気圧)であるが、パイプには内圧がかかり、パイプ内の内圧は、4バール正圧の圧力で一定に保たれる。パイプおよびその周囲の機器は、所定の温度に制御される。試験中の減圧を防ぐため、パイプ内のシャフトに多数のディスクを取り付けた。急速に走る軸方向亀裂を開始するため、ナイフ発射体が、パイプのいわゆる開始ゾーンの一端付近に向けて特定の形で発射される。開始ゾーンには、パイプの不要な変形を回避するためのアバットメントが備えられる。試験装置は、関与する材料中で亀裂開始が発生し、また様々な温度で多数の試験が行われるような方法で調整される。各試験について、4.7径の全長を有する測定ゾーンにおける軸亀裂長さが測定され、設定された試験温度に対してプロットされる。亀裂長さが4.7径を超える場合、亀裂は伝播していると評価される。パイプが所与の温度において試験に合格する場合、パイプはもはや試験に合格し得ないが亀裂伝播が管径の4.7倍を超える温度に達するまで連続的に温度を低下させる。臨界温度(Tcrit)、すなわちISO 13477:2008(E)に従って測定された延性-脆性遷移温度は、パイプが試験に合格する最低温度である。臨界温度が低いほど、パイプの適用範囲の拡大をもたらすため優れている。
[i) シャルピーノッチ衝撃強度]
シャルピー衝撃強度を、ISO179/1eA:2000に従って、80*10*4mm3のVノッチサンプル上で0℃(シャルピー衝撃強度(0℃))および-20℃(シャルピー衝撃強度(-20℃))にて決定した。サンプルは、ISO 1872-2:2007の第3.3章に定義される条件を使用して、ISO 293:2004に従って圧縮成形により作製した4mm厚のプラークから切り出した。
[j) 引張係数]
剛性の尺度として、組成物の引張係数(E係数)を、ISO 527-2:1993に従って圧縮成形試験片上で23℃にて測定した。試験片(1B型)は、ISO 1872-2:2007の第3.3章に定義される条件を使用して、ISO 293:2004に従って圧縮成形により作製した4mm厚のプラークから切り出した。係数は、1mm/分の速度で測定した。
[k) 均一性の測定/白点評価(WSR)]
ポリエチレン組成物を、逆回転二軸押出機CIM90P(日本製鋼所製)中でベース樹脂をカーボンブラックマスターバッチおよびさらなる添加剤と共にペレットに押出すことによって配合した。カーボンブラックおよび任意選択のさらなる添加剤の量は、以下の実施例に示される。さらに、配合条件は表1に示される。
配合組成物の白点評価は、ISO 18553/2002-03-01に従って以下のとおりに決定する。
単独配合ステップ後に得られる組成物のペレットを、6つの異なるペレット(各ペレットから1つの切断片が使用される(切断片の厚さ20±2マイクロメートル))を回収することによって分析する。白点評価の測定のための切断片は、ペレット(サンプル)の中央の近くから、回転式ミクロトームのライカRM2265により採取しなければならない。好ましくは、切断片は、ペレタイザーの全体を通して融液の流れ方向にある。
切断片を、100xの倍率で評価し、各切断片の全領域上の無色の包接物(「白点」、凝集体、粒子)のサイズおよび数を決定する。直径>5μmを有する白点を全て計数した。(恐らく白点はポリマー中の無色の高分子量部分であると言える)。Marzhauser社製のXYZモーター駆動ステージを備えた透過光顕微鏡Olympus BX41およびオリンパス社製の粒子検査ソフトウェアを使用した。
白点評価試験の「均一性」は、ISO 18553/2002-03-01に基づく。この試験では、白点として出現する、上記の単独配合ステップ後に存在する組成物の不均一性が決定され、ISO 18553/2002-03-01に示される評価スキームに従って評価される。この試験においては、組成物が低く評価されるほど(高分子量粒子の量が少ないほど)、組成物の均一性が優れている。
[l) Mg、AlおよびTi含有量/ZN-シリカ系触媒のICP分析]
触媒の元素分析を、質量Mの固体サンプルを採取することによって実施した。サンプルを既知の体積Vまで、硝酸(HN03、65%、Vの5%)および新たに脱イオン化した(DI)水(Vの5%)に溶解することにより希釈した。溶液をフッ化水素酸(HF、40%、Vの3%)でさらに処理し、DI水で最終体積Vまで希釈し、2時間放置して安定化させた。
分析は、ブランク(5%HN03および3%HFの溶液)、ならびに5%HN03および3%HFの溶液中0.5ppm、1ppm、10ppm、50ppm、100ppmおよび300ppmのAl、MgおよびTiの標準を使用して較正した、Thermo Elemental社製のiCAP 6300誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP-OES)を使用して室温で行った。
分析の直前、ブランクおよび100ppm標準を用いて較正を「再傾斜」させ、品質制御サンプル(DI水中5%HN03、3%HFの溶液中20ppmのAl、MgおよびTi)を実行して再傾斜を確認する。QCサンプルは、毎第5サンプル後および予定された分析セットの終了時にも実行する。
Mgの含有量は285.213nm線を用いてモニターし、Tiの含有量は336.121nm線を用いてモニターした。アルミニウムの含有量は、ICPサンプル中のAl濃度が0〜10ppm(100ppmまでのみ較正された)の場合には167.079nm線を介して、また10ppmを上回るAl濃度については396.152nm線を介してモニターした。
報告される値は、同一サンプルから採取される3つの連続アリコートの平均であり、サンプルの原質量および希釈体積をソフトウェアに入力することにより、原触媒に戻って関連付けられる。
[m) 触媒の粒径]
粒径は、Coulter社のCounter LS 200により、n-ヘプタンを媒体として室温で測定される。
[2. 実施例]
[触媒の調製]
[錯体調製:]
87kgのトルエンをリアクターに添加した。次いで、ヘプタン中45.5kgのBomag A(ブチルオクチルマグネシウム)もリアクターに添加した。その後、161kgの99.8% 2-エチル-1-ヘキサノールを24〜40kg/時間の流速でリアクターに導入した。BOMAG-Aと2-エチル-1-ヘキサノールのモル比は1:1.83であった。
[固体触媒成分調製:]
330kgシリカ(焼成シリカ、Sylopol(登録商標)2100)とペンタン(0.12kg/kg担体)を、触媒調製リアクターに充填した。次いで、EADC(二塩化エチルアルミニウム)(2.66mol/kgシリカ)を、リアクターに40℃未満の温度で2時間添加し、1時間混合を続けた。混合中の温度は40℃〜50℃であった。その後、上記のとおりに調製したMg錯体(2.56mol Mg/kgシリカ)を50℃で2時間添加し、40〜50℃で1時間混合を続けた。0.84kgペンタン/kgシリカをリアクターに添加し、スラリーを40℃〜50℃の温度で4時間撹拌した。最後に、TiCl4(1.47mol/kgシリカ)を55℃で少なくとも1時間リアクターに添加した。スラリーを50〜60℃で5時間撹拌した。次いで、窒素でパージングすることにより触媒を乾燥させた。
用意された触媒成分のモル組成は、Al/Mg/Ti = 1.5/1.4/0.8(mol/kgシリカ)である。
[本発明の実施例IE1の多段重合]
500dm3の体積を有する第1ループリアクターを、95℃および62バールの圧力で操作した。リアクター中に、プロパン希釈剤、エチレン、および窒素中25体積%の水素を含有するガス混合物を、表1に示される供給速度で導入した。さらに、上記の説明に従って調製した重合触媒を、表1に示される速度でリアクターに導入した。共触媒として使用したTEAもループリアクターに供給した。コモノマーはリアクターに導入しなかった。リアクター中の条件は表1に示される。
ポリマースラリーを第1ループリアクターから回収し、第2ループリアクターに移動させた。
500dm3の体積を有する第2ループリアクターを、95℃および54バールの圧力で操作した。リアクター中に、kg/時間のプロパン希釈剤、エチレン、および窒素中25体積%の水素を含有するガス混合物を、表1に示される供給速度で導入した。さらに、上記の説明に従って調製した重合触媒を、表1に示される速度でリアクターに導入した。共触媒として使用したTEAもループリアクターに供給した。コモノマーはリアクターに導入しなかった。リアクター中の条件は表1に示される。
ポリマースラリーを第2ループリアクターから回収し、3バールの圧力および70℃の温度で操作されるフラッシュ室に移動させ、炭化水素がポリマーから実質的に除去された。次いで、ポリマーを85℃の温度および20バールの圧力で操作されるガス相リアクターに導入した。
表1に示される条件で重合を続けた。
結果として得られたポリマーを、最終ポリエチレン組成物に対して2200ppmのIrganox B225、1500ppmのステアリン酸Ca、2.3重量%のカーボンブラックで安定化させた。カーボンブラックの添加のため、マスターバッチが使用された。その後、混合物を逆回転二軸押出機CIM90P(日本製鋼所製)中でペレットに押出した。条件は表1に示される。
[本発明の実施例IE2の多段重合]
予備重合段階が付加された点は異なっていたが、IE1について上記した反応シークエンスを繰り返した。触媒と共触媒TEAを予備重合室に供給した。条件および量は表1に示される。
[比較実施例CE1の多段重合]
500dm3の体積を有するループリアクター(表1では第1ループリアクターと表される)を、95℃および58バールの圧力で操作した。リアクターに、プロパン希釈剤、エチレン、および窒素中25体積%の水素を含有するガス混合物を表1に示される供給速度で導入した。さらに、上記の説明に従って調製された重合触媒を、表1に示される速度でリアクターに導入した。共触媒として使用したTEAも、ループリアクターに供給した。コモノマーはリアクターに導入されなかった。リアクター中の条件は表1に示される。
ポリマースラリーをループリアクターから回収し、3バールの圧力および70℃の温度で操作されるフラッシュ室に移動させ、炭化水素がポリマーから実質的に除去された。次いで、ポリマーを85℃の温度および20バールの圧力で操作されるガス相リアクターに導入した。
表1に示される条件で重合を続けた。
得られたポリマーを、窒素(約50kg/時間)で1時間パージし、最終ポリエチレン組成物に対して2200ppmのIrganox B225、1500ppmのステアリン酸Ca、2.3重量%のカーボンブラックで安定化させた。カーボンブラックの添加のため、マスターバッチが使用された。その後、混合物を逆回転二軸押出機CIM90P(日本製鋼所製)中でペレットに押出した。条件は表1に示される。
[比較実施例CE2の多段重合]
CE1について上記した反応シークエンスを繰り返したが、予備重合段階が付加された点は異なっていた。触媒と共触媒TEAを予備重合室に供給した。条件および量は表1に示される。
[比較実施例CE3の多段重合]
BASF社製の市販の触媒Lynx200を使用して、CE1について上記したとおりに重合を繰り返した。再びTEAを共触媒として使用した。条件および量は表1に示される。表1中のデータからわかるように、この触媒は、著しく異なる特性のバランスをもたらす。
IE1、IE2およびCE1〜CE3のベース樹脂、ポリエチレン組成物およびパイプの特性および仕様は、表2に示される。
Figure 2016532760
Figure 2016532760
Figure 2016532760
Figure 2016532760
Figure 2016532760

Claims (15)

  1. ISO 1183-1:2004に従って決定された952.0kg/m3超かつ957.0kg/m3以下の密度を有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、
    ISO 1133に従って決定された0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR5(190℃、5kg)を有し、かつ
    4.9Pa-1超かつ9.0Pa-1以下の範囲内の多分散性指数PIを有する、
    前記ポリエチレン組成物。
  2. 250超かつ1500以下の剪断減粘指数SHI5/300を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
  3. 0.45〜0.95重量%のヘキセン由来単位の含有量を有する、請求項1または2に記載のポリエチレン組成物。
  4. 1000Pa〜2000Paの貯蔵弾性率G'(2kPa)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエチレン組成物。
  5. ISO 1133に従って決定された5.0〜13.0g/10分のメルトフローレートMFR21.6(190℃、21.6kg)を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエチレン組成物。
  6. 30〜55の、MFR21.6とMFR5の比であるフローレート比FRR21/5を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエチレン組成物。
  7. 300kPa・秒〜450kPa・秒の、0.05ラジアン/秒における複素粘度イータ*0.05ラジアン/秒を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエチレン組成物。
  8. 2.5%未満の、ISO 18553/2002-03-01に従った白点評価を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリエチレン組成物。
  9. 前記ベース樹脂が、重量平均分子量Mwが異なる少なくとも3種のエチレンホモポリマーまたはコポリマー画分(A)、(B)および(C)を含み
    画分(A)および(B)はいずれもエチレンホモポリマーであり、画分(C)はエチレンと3〜12個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルファオレフィンコモノマー単位とのコポリマーであり、
    これにより画分(A)は220〜400g/10分のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)を有し、
    画分(A)および(B)の組み合わせのメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)は、画分(A)のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)の1.10〜1.35倍であり、
    画分(A)および(B)の組み合わせは、ベース樹脂に対して50〜55重量%の量で存在する、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリエチレン組成物。
  10. 多段工程によって得られるポリエチレン組成物であって、前記多段工程が、以下のステップ:
    a) エチレンを重合させるステップであって、
    (i) Al 1.30〜1.65mol/kgシリカ、
    Mg 1.25〜1.61mol/kgシリカ、
    Ti 0.70〜0.90mol/kgシリカ
    を含むモル組成を有し、かつ7〜15μmの平均粒径(D50)を有するシリカ支持チーグラー・ナッタ触媒の存在下で;
    (ii) 第1ループリアクター中、アルキルアルミニウム化合物および連鎖移動剤の存在下でエチレンを重合させて、220〜400g/10分のメルトフローレートMFR2(190℃、21.6kg)を有する第1中間材料を得る、前記ステップ;および
    b) 前記第1中間材料を含む反応生成物を第2ループリアクターに移動させるステップであって、
    (iii) エチレンを第2ループリアクターに供給し、
    (iv) 前記第1中間材料をさらに重合させて、
    前記第1中間材料のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)の1.10〜1.35倍のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)を有する第2中間材料を得る、前記ステップ;ならびに
    c) 前記第2中間材料を含む反応生成物をガス相リアクターに移動させるステップであって、
    (iii) エチレンとコモノマーをガス相リアクターに供給し、
    (iv) 前記第2中間材料をさらに重合させて、
    ISO 1183-1:2004に従って決定された952.0kg/m3超かつ957.0kg/m3以下の密度を有するベース樹脂を得る、前記ステップ、
    d) 前記ベース樹脂を安定剤およびカーボンブラックと共に押出してポリエチレン組成物とするステップであって、前記組成物は、ISO 1133に従って決定された0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR5(190℃、5kg)および4.9Pa-1超かつ9.0Pa-1以下の範囲内の多分散性指数PIを有する、前記ステップ
    を含む、前記ポリエチレン組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリエチレン組成物を含む物品。
  12. パイプまたはパイプ継手である、請求項11に記載の物品。
  13. 13.0MPaのフープ応力かつ80℃でISO 1167-1:2006に従って決定された少なくとも100時間の耐圧性、ならびに/または5.9MPaのフープ応力かつ80℃でISO 1167-1:2006に従って決定された少なくとも1000時間の耐圧性を有する、請求項12に記載のパイプ。
  14. -15.0℃以下のS4臨界温度を有する、請求項12または13に記載のパイプ。
  15. 物品の製造のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリエチレン組成物の使用。
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