JP2016530517A - イオン移動度の方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

イオン移動度に基づく分析を行うための方法およびシステムであって、試料の成分をイオンにイオン化し;少なくとも2つの電極を含む、電場非対称波形イオン移動度または微分移動度分光法イオン移動度に基づくフィルターを用意し、これら少なくとも2つの電極はそれらの間に一定サイズの隙間が形成されて、その隙間を通ってドリフトガスが流れるように間隔を空けて配置されており;前記イオンをドリフトガスに導入し、前記ドリフトガスは液体改質剤の混合物も含む、方法およびシステムである。

Description

関連出願
本願は、2013年8月14日に出願された米国仮特許出願第61/865911号からの優先権の利益を主張する。この米国仮特許出願第61/865911号の内容が、参考として援用される。
分野
本発明の教示は、微分移動度分光計および電場非対称波形イオン移動度分光計における改質剤の使用に関する。
背景
微分移動度分光計(DMS)システムは、典型的には、気相イオン試料の分離および分析を行う。この分光計は、高電場状態と低電場状態との間で交互に入れ替わる非対称波形により動作し、一定サイズの隙間によって分離された少なくとも2つの平行な電極板の使用を含む。類似の、しかしやはり非対称波形を使用する関連するシステムは、一定サイズの隙間により分離された内部電極および外部電極を含む円筒状構成を典型的には使用する、電場非対称波形イオン移動度分光計(FAIMS)である。一部の状況では、DMSおよびFAIMSデバイスは共に質量分析計(MS)とインターフェースで接続されて、DMS/FAIMSの大気圧、気相、および連続イオン分離能とMSの検出精度能とを利用するようにしてきた。
DMS/FAIMSとMSとをインターフェースで接続することによって、プロテオミクス、ペプチド/タンパク質構造、薬物動態、および代謝分析を含めた試料分析の数多くの分野が、強化されてきた。医薬品およびバイオテクノロジーへの適用例に加え、DMSに基づく分析器は、微量レベルの爆発物の検出および石油モニタリングに使用されてきた。
DMS/FAIMSは、イオン移動度分光計(IMS)のように、イオン移動度に基づく分析器と見なされるが、それはDMS/FAIMS/IMSが、イオンの移動度特徴に基づいてイオンを分離し分析するからである。IMSでは、イオンが、定電場に供されながらドリフト管内にパルス送出されてその内部を通過する。イオンは、ドリフト管内のドリフトガスと相互作用し、この相互作用は、試料イオンがドリフト管内を通過するのに要する時間、例えばドリフト時間に影響を及ぼす。これらの相互作用は、試料の各分析物イオンに特異的であり、質量/電荷の比のみならずそれ以上のものに基づいてイオン分離をもたらす。対照的に、TOF MSでは、MSのドリフト領域に真空があり、したがって、MSドリフト領域内を通るイオンの時間は、真空の無衝突環境におけるイオンの質量対電荷比(m/z)に基づく。
DMS/FAIMSは、イオンがドリフトガス内で分離される点が、IMSに類似している。しかしIMSとは異なって、DMS/FAIMSは、典型的には連続的な手法で、イオンが通過する少なくとも2つの平行な電極の間に印加される非対称電場波形を使用する。電場波形は、典型的には、1つの極性で高電場持続時間を有し、次いで反対の極性で低電場持続時間を有する。高電場および低電場部分の持続時間は、DMS/FAIMSフィルター電極に印加される正味の電圧がゼロになるように適用される。本明細書に記述されるある特定の図および実施形態は、特にDMSデバイスに関するが、当業者は、適切な場合には改質と共に類似の手順を実施するのにFAIMSデバイスも利用できることを理解する。
図1Aは、非対称電場を発生させるよう印加することができる、時間変動、RF、および/または非対称の高および低電圧波形101(例えば、Vrf)の、一変形例のプロット100を示す。図1Bは、イオンMの経路が、非対称電圧波形101の結果として生じる非対称電場に供される、DMSフィルター102の図を示す。このイオンは、多価とすることもできる。非対称電場におけるイオンの移動度は、DMSフィルター102の底部電極板に向かう正味の運動103を示す。この例は、DMSにおいて、高電場と比べた場合、低電場の影響下でイオンの移動度が一定ではないことを示す。イオンは、フィルター電極板間でのその移動中にフィルター電極板の1つに向かう正味の移動度を経験し得るので、フィルター電極の1つに当たることなくDMSフィルター102内を通るイオンに関して安全な軌道104が維持されるよう、補償電圧(Vc)がフィルター電極に印加される。イオンは、フィルター電極の上流の加圧ガス流によって押し込まれることにより、またはフィルター電極から下流のポンプによって引き出されることにより、2つのフィルター電極の間を通過する。
DMSまたはIMSでは、イオンは、典型的には、試料イオンと中性ドリフトガス分子との間の衝突を可能にするのに十分な圧力で、ガス中で分離される。イオンが小さくなるほど、イオンはドリフトガス内に引き込まれるので経験する衝突が少なくなる。このため、イオンの断面積は、ドリフトガス内を通るイオンの移動度に影響を及ぼす可能性がある。図1Bに示されるように、イオンの移動度は、電場強度と共に変化する可能性がある。移動度のこの相違は、イオンが弱および強電場を経験するときに生じるクラスター形成/クラスター分離反応によって、増強され得る。イオンは、波形の弱電場部分の最中に、ドリフトガス中で中性分子とのクラスター形成を経験する可能性があり、その結果、断面積が大きくなる。波形の強電場部分の最中に、クラスターが解離し、イオンの断面積を低減させる可能性がある。あるいは、高電場移動度の挙動と低電場移動度の挙動との間の相違は、分極効果などのイオン並進エネルギーで生じる変化による異なる衝突動態に起因すると考えられる。
DMSとMSとの統合は、化学的ノイズの低減および同重体干渉の排除などの目的で使用することができる、さらなる選択性を提供することができる。化学的バックグラウンドのこの全体的な低減は、様々なアッセイに関する検出限界(例えば、較正曲線の3σ/勾配と定義される)の改善をもたらすことができる。MS分析によるDMS技術の全体的な適用可能性を制限する重要な要因の1つは、DMSの設置により観察される機器の感度の低減である。これらの感度の低減は、1)DMSそのものにおける拡散損失、2)DMSの中および外へのイオン輸送の非効率、および3)イオンクラスター形成を含めた多くの異なる現象の結果として生じる可能性がある。高溶媒流でDMSにより現在観察される損失の一部は、「湿潤噴霧」をDMS内にサンプリングし、その後、クラスター分離された親イオンと同じVcで伝達されないクラスターを濾過した結果と考えられる。この仮説は、拡散挙動のモデリング、ならびにDMSの正面に位置付けられた追加のヒーターによる透過係数の改善を示す実験データによって支持される。
既存のDMS−MSシステムでは、1)ターボヒーターを750℃まで動作させることができるソース領域、2)加熱されたカーテンガスにより確立された向流ガス流領域、および3)入口オリフィスと第1の真空レンズ要素との間の電位差がいくらかのクラスター分離をもたらす、第1の真空段階内のクラスター分離領域を含め、脱溶媒和またはクラスター分離が利用されるいくつかのアプローチがある。既存のDMS−MSシステムは、典型的にはMSのオリフィスの前にDMSを位置付け、その結果、イオンおよびクラスターがオリフィスの手前で濾過され、第1の真空段階内でクラスター分離する能力が排除されるという点で、制限される。クラスター分離のこの段階の排除は、DMSによる感度の低減をもたらす可能性があり、より高い溶媒流はほとんど問題になる。追加の加熱を付加し、かつ追加の脱溶媒和をDMSよりも前に設ける試みは、感度にいくらかの改善を示してきたが、一定温度を維持することの決定的な重要性と、非常に高いAC電位の極めて近くで温度をモニターする難しさとによって、商業化に関して非常に重大な難題をもたらしている。DMSによる検出限界の改善を示すことができるアッセイの範囲は、DMSデバイスで観察される感度低減の大きさによって制限される。
DMSにおける分解能の改善は、改質剤の液体をドリフトガスに添加することによって行うことができる。改質剤は、得られるイオンの微分移動度特性をシフトさせることができる様々な程度まで、イオンとクラスター形成することによって、選択性を提供することができる。液体改質剤は、2−プロパノールなどのアルコール、水、ならびに水素および重水素交換剤(DOまたはCHODなど)を含めた、広範囲にわたる分野の溶媒を含むことができる。しかし、改質剤の導入は、シグナル強度の損失または低減につながる感度の低下をしばしばもたらしてきた。そのような現象の代表例は、図2から5の様々な試料に関して示される。さらに、液体改質剤に関して非常に少ない流量を使用する場合は、安定性の問題も注目されてきた。
したがって、移動度に基づく分解能および特異性を改善し、かつ高流動分析も含め、改善された感度および選択性を提供することによってDMS型分析の適用可能性を増大させることが求められている。
概要
DMSなどの移動度に基づく分析器における液体改質剤の使用は、検出されるシグナルのレベルを低下させることがわかっている。意外にも、追加の液体改質剤を導入することによって、失われたシグナルの一部、そして場合によってはその全てさえも、元のように得ることが可能であることがわかった。したがって、単一液体改質剤の代わりに、2種または2種超の液体改質剤の混合物が、ドリフトガス流に添加される。
理論に束縛されるものではないが、単一改質剤の使用に起因したシグナルの初期損失は、早期の断片化、または目的のイオンから改質剤へのプロトン移動に起因すると考えられる。プロトン移動の問題は、高プロトン親和性改質剤を低プロトン親和性分析物と共に使用した場合に悪化する可能性があり、最終的には使用可能なシグナルが完全に失われる可能性がある。目的の分析物よりも低いプロトン親和性を有する溶媒和改質剤の使用は、分析物イオンからのプロトン移動を防止することを支援し得る。改質剤は、溶媒和能力内で存在する場合、脱溶媒和を通して衝突エネルギーの一部を消費することにより、かつ/または全体の移動度を低減させることにより、目的の分析物を断片化から守ることもできる。
様々な実施形態において、本明細書で述べる教示は、イオン移動度に基づく分析を行う方法について記述し、この方法は、試料の成分をイオンにイオン化すること;少なくとも2つの電極を含む、電場非対称波形イオン移動度または微分移動度分光法イオン移動度に基づくフィルターを用意することであって、上記少なくとも2つの電極が、それらの間に一定サイズの隙間が形成されて、そこを通ってドリフトガスが流れるように、間隔を空けて配置されている、こと;イオンをドリフトガスに導入することであって、ドリフトガスが、液体改質剤の混合物も含み、上記混合物が、ドリフトガスの分離能を改善する第1の溶媒、第1の溶媒のプロトン溶媒和エネルギーよりも高いプロトン溶媒和エネルギーを有しかつ第1の溶媒のそれよりも過剰に添加される、イオンのプロトン移動または分析物解離を抑制する第2の溶媒を含む、こと;およびイオンがドリフトガス内を通過した後にイオンを検出することを含む。
様々な実施形態において、第1の溶媒は、イオンとクラスター形成するように選択される。
他の実施形態では、第1の溶媒は、C1〜C10アルコール、ニトリル溶媒、ハロゲン化溶媒、および非アルコール炭化水素をベースにした溶媒からなる群から選択される。
様々な実施形態において、第1の溶媒はヘキサノールである。
様々な実施形態において、第2の溶媒は、C1〜C10アルコール、ニトリル溶媒、ハロゲン化溶媒、および非アルコール炭化水素をベースにした溶媒からなる群から選択される。
様々な実施形態において、第2の溶媒はメタノールである。
様々な実施形態において、混合物は、アーキング抑制改質剤である第3の溶媒をさらに含む。
様々な実施形態において、アーキング抑制改質剤は、電子受容改質剤である。
様々な実施形態において、アーキング抑制改質剤は無極性である。
様々な実施形態において、アーキング抑制改質剤はクロロホルムである。
様々な実施形態において、試料は、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、またはこれらの混合物を含む。
様々な実施形態において、試料は、小分子から構成される。
様々な実施形態において、第2の溶媒は、第1の溶媒よりも少なくとも2倍過剰に添加される。
様々な実施形態において、第2の溶媒は、第1の溶媒よりも少なくとも6倍過剰に添加される。
様々な実施形態において、本明細書で述べる教示は、少なくとも2つの電極であって、それらの間に一定サイズの隙間を形成するように互いと間隔を空けて配置されている少なくとも2つの電極を有する微分イオン移動度または電場非対称波形に基づくフィルター、イオン移動度に基づくフィルターにドリフトガスを導入するためのドリフトガス供給源;少なくとも2種の異なる液体溶媒を含む、液体改質剤をドリフトガスに導入するための液体改質剤供給源、およびイオン検出器を含む、イオン移動度分析システムについて記述する。
様々な実施形態において2種の異なる液体溶媒は、上記ドリフトガスの分離能を改善する第1の溶媒;プロトン移動または分析物解離を抑制する第2の溶媒を含み、この第2の溶媒は、第1の溶媒のプロトン溶媒和エネルギーよりも高いプロトン溶媒和エネルギーを有し、かつ液体改質剤が上記ドリフトガス供給源に進入するときに第1の溶媒のそれよりも過剰に存在する。
様々な実施形態において、液体改質剤は第3の溶媒を含み、上記第3の溶媒は、アーキング抑制改質剤である。
様々な実施形態において、第1の溶媒はヘキサノールであり、第2の溶媒はメタノールである。
様々な実施形態において、アーキング抑制改質剤はクロロホルムである。
様々な実施形態において、本明細書で述べる教示は、試料中のイオンの選択性を改善するために化学改質剤を利用する、微分移動度または電場非対称イオン移動度分析システムの感度を改善する方法であって、上記方法は、溶媒和改質剤を化学改質剤に関連付けて投与することを含み、溶媒和改質剤が、化学改質剤よりも高いプロトン溶媒和エネルギーを有しかつ過剰に添加される方法について記述する。
様々な実施形態において、溶媒和改質剤は、試料中のイオンのプロトン親和性よりも低いプロトン親和性も有する。
様々な実施形態において、アーキング抑制改質剤は、化学および溶媒和改質剤に関連付けて添加される。
様々な実施形態において、本明細書で述べる教示は、微分移動度または電場非対称イオン移動度分析システムでの選択性を改善する方法であって、電子を捕捉し、かつアーキング抑制改質剤の使用なしに可能である場合よりも高い分離電圧でシステムを動作させる、アーキング抑制改質剤を投与することを含む方法について記述する。
図1は、非対称電気波形を発生させるように印加された、反対の極性の高および低電圧の例示と、イオンMの経路が、非対称波形に起因する非対称電場に曝されている、DMSフィルターの概念図とを含む。
図2は、化学改質剤を使用した場合と使用しない場合の化合物アシクロビルに関するイオノグラムを重ね合わせたものである。
図3は、化学改質剤を使用した場合と使用しない場合の化合物ノルフェンタニルに関するイオノグラムを重ね合わせたものである。
図4は、化学改質剤を使用した場合と使用しない場合の化合物メチルヒスタミンに関するイオノグラムを重ね合わせたものである。
図5は、化学改質剤を使用した場合と使用しない場合のペプチドブラジキニンに関するイオノグラムを重ね合わせたものである。
図6は、単一改質剤と改質剤の混合物とを示す、ブラジキニン(bradkykinin)に関して低分解能で得られたデータのプロットである。
図7は、単一改質剤と改質剤の混合物とを示す、ブラジキニンの低分解能イオノグラムである。
図8は、単一改質剤と改質剤の混合物とを示す、ブラジキニンに関して中分解能で得られたデータのプロットである。
図9は、単一改質剤と改質剤の混合物とを示す、ブラジキニンの中分解能イオノグラムである。
図10は、単一改質剤と改質剤の混合物とを示す、ブラジキニンに関して高分解能で得られたデータのプロットである。
図11は、単一改質剤と改質剤の混合物とを示す、ブラジキニンの高分解能イオノグラムである。
図12は、ヘキサノールおよびシクロヘキサンを含むドリフトガス改質剤混合物を使用した、16種の化合物の混合物のイオノグラムである。
図13は、ヘキサノールおよびメタノールを含むドリフトガス改質剤混合物を使用した、16種の化合物の混合物のイオノグラムである。
図14は、実施形態によるDMSおよび質量分析計の例示である。
図15は、別の実施形態によるDMSの例示である。
図16は、本明細書で述べる教示の使用によって得られた、選択性の増大の例示である。
様々な実施形態の説明
出願人の教示は様々な実施形態と併せて記述されるが、そのような実施形態に出願人の教示を限定しようとするものではない。対照的に、出願人の教示は、当業者に理解されるように、様々な代替例、修正例、および均等物を包含する。
液体改質剤の混合物は、DMSデバイスのドリフトガス内を通過しながら異なるイオン成分を分離するように機能する、1種またはそれより多くの種の1次分離改質剤を含むことができる。これは、誘導された分析スペクトルのピーク分解として現れる。そのような目的の例示的な溶媒は、C1からC10アルコールを含むことができ、特に、ヘキサノール、オクタノール、イソプロパノール、およびメタノールなどを含むことができるか、またはアセトニトリルまたはプロピオニトリルを含むがこれらに限定されないニトリル溶媒などの他のタイプの溶媒を含むことができる。C1からC10アルコールと言う場合、1から10個の間の炭素を含有するアルコールの使用を含む。炭素は、直鎖として存在することができ、分枝鎖状または環状であり得る。クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、およびジクロロメタンなどの溶媒などを含むがこれらに特に限定されないハロゲン化タイプの溶媒を含む、他のタイプの溶媒を利用してもよい。さらに、酢酸エチル、アセトン、シクロヘキサンなどを含むがこれらに限定されない他の非アルコール炭化水素をベースにした溶媒を、利用してもよい。ある場合には、分離改質剤の性質は極性である。1次分離改質剤とは異なる2次「分離改質剤」をさらに含むことが有利とも考えられる。2次分離改質剤は、1次改質剤である同じタイプの溶媒から選択され得、C1からC10アルコールなどのアルコール、またはアセトニトリルもしくはプロピオニトリルを含めたニトリル溶媒、ハロゲン化溶媒、および上述の非アルコール炭化水素をベースにした溶媒などの、他のタイプの溶媒を含むことができる。
液体改質剤の混合物は、プロトン移動または分析物解離を抑制することを支援する、溶媒和改質剤も含むことができる。溶媒和改質剤は、分離改質剤分子に遭遇する前に分析物イオンが溶媒和するのを確実にするために、典型的には分離改質剤のそれよりも過剰に添加される。分析物イオンの溶媒和は、溶媒和エネルギーの値によってその有効プロトン親和性を増大させ、プロトン移動をあまり好ましくないものにする。溶媒が適切な溶媒和改質剤であるか否かの決定は、プロトン化分析物の連続溶媒和のエネルギーを見ることによって行うことができる。典型的には、溶媒和エネルギーが低くなるほど(または、より負になるほど)、溶媒和改質剤として溶媒はより有益になる。低い溶媒和エネルギーは、典型的には分析物イオンとの高い溶媒和反応率をもたらし、脱溶媒和分析物イオンと分離改質剤とが遭遇する可能性を低減させる。低い溶媒和エネルギーは、分析物イオンの有効プロトン親和性のより大きい増大をもたらすので、プロトン移動反応を熱力学的にもあまり好ましくないものにする。さらに、溶媒和改質剤は、プロトン移動の可能性を最小限にする低いプロトン親和性を有していてもよい。好ましくは、プロトン親和性は、目的の分析物のプロトン親和性よりも低くなる。そのような溶媒和改質剤の例には、適切な分離改質剤と共に使用される場合には水および/またはメタノールが含まれる。溶媒和改質剤は、適切な分離改質剤と共に使用される場合、ヘキサノール、オクタノール、イソプロパノール、およびメタノールなどを特に含むことができるC1からC10アルコールを含んでもよいか、またはアセトニトリルもしくはプロピオニトリルを含むがこれらに限定されるものではないニトリル溶媒などの他のタイプの溶媒も含んでいてもよい。他のタイプの溶媒は、適切な分離改質剤と共に使用される場合には溶媒和改質剤として利用されてもよく、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、およびジクロロメタンなどの溶媒を含むがこれらに特に限定されるものではないハロゲン化タイプの溶媒を含むことができる。さらに、他の非アルコール炭化水素をベースにした溶媒は、適切な分離改質剤と共に使用される場合には溶媒和改質剤として利用されてもよく、酢酸エチル、アセトン、およびシクロヘキサンなどを含むことができる。いくつかの例示的な溶媒に関するプロトン溶媒和エネルギーは、従来技術における様々なテキストから得ることができる。NIST Chemistry Webbookからの例示的な溶媒和エネルギーを表1に示すが、この表は、下記の方程式による、n個の溶媒分子によって既に溶媒和された溶媒和プロトンに対する溶媒分子の反応に関する溶媒和エネルギーを示す。
(溶媒分子)×n+(溶媒分子)→H(溶媒分子)×(n+1)
表1:様々な液体改質剤に関するプロトン化(n=0)および溶媒和(n>0)のエンタルピー(単位kcal/mol)。シクロヘキサンに関する溶媒和エネルギーは、アンモニウムイオンの溶媒和に関するものである。このデータは、Reaction Thermochemistry Databaseの一部として、NIST Chemistry WebBookにおいて入手可能である。
Figure 2016530517
溶媒のプロトン親和性も、上記の表から入手可能であり、n=0のエンタルピーの正の値に等しい(即ち、プロトン親和性の値が正である)。
分析物イオンと分離改質剤との間のプロトン移動を抑制することに加え、溶媒和改質剤は、DMSにおける電場によって引き起こされた分析物イオン断片化の程度を低減することもできる。電荷の存在により、分析物イオンは、印加された分離AC電位によってDMSに進入すると加速される。これは、窒素および改質剤分子との衝突をもたらし、その結果、分析物イオンの内部エネルギーの堆積をもたらす。より高い分離AC電位は、分析物イオン中に堆積したエネルギーの量を増大させることになり、最終的にはイオン断片化およびシグナル損失に至る。溶媒和改質剤の存在は、エネルギー堆積の速度を変化させる。溶媒和分析物イオンが、窒素および改質剤分子との衝突に供される場合、エネルギーの一部は、分析物イオンの内部エネルギーとして堆積する代わりに、イオンを脱溶媒和させるのに使用される。溶媒和/脱溶媒和プロセスは、分析物イオンがDMS内を移動するときに連続的に生じ、より低い内部エネルギー堆積速度と、分析物イオンに関する断片化のより低い可能性とをもたらす。このプロセスは、DMSにおける任意の改質剤に一般に適用可能であるが、溶媒和速度を増大させる低溶媒和エネルギーなどの、分子を望ましい溶媒和改質剤にする同じ特色は、衝突を通して内部エネルギー堆積速度も低下させる。さらに溶媒和改質剤は、イオン移動度、したがって内部エネルギー入力を低減させることにより、分析物イオン加熱速度を低下させてもよい。
それ自体で利用される場合、分離改質剤の使用は、典型的にはシグナル強度の低下をもたらす。図2から5は、それぞれ、輸送ガスとして純粋な窒素ガスを使用して測定された、アシクロビル、ノルフェンタニル、メチルヒスタミン、およびブラジキニンのDMSイオノグラフであって、改質剤を添加しなかったものを、単一の1.5%メタノール改質剤を用いて測定された同じ化合物のイオノグラフに重ね合わせたものを示す。このデータは、商用SelexION 5500 QTRAP型デバイスで獲得された。補償電圧(Vc)のシフトならびに感度(即ち、シグナル強度)の低減は、単一の分離改質剤が使用される場合に極めて明らかになる。
特定の分析物試料に対して適切な分離改質剤を使用する場合、改質剤の添加によって引き起こされたDMSでのシグナル強度の低減は、追加の溶媒、分析物イオンと溶媒和改質剤との反応速度を、分離改質剤との反応速度よりもはるかに高くするのに十分な量で添加される溶媒和改質剤の添加によって緩和することができる。一部の実施形態では、これは、分離改質剤よりも低い溶媒和エネルギーを持つ溶媒和改質剤を有することによって実現される。一部の実施形態では、溶媒和改質剤は、高極性(高い双極子モーメントおよび分極率)であることが有利であり、そのことにより、分離改質剤よりも、分析物イオンとの非常に高い衝突速度になる。一部の実施形態では、溶媒和改質剤が分離改質剤よりも過剰に添加される場合も有利である。一部の実施形態では、溶媒和改質剤は少なくとも2倍過剰に添加され、他の実施形態では、溶媒和改質剤は少なくとも6倍過剰に添加される。一部の実施形態では、溶媒和改質剤は、目的のイオン(複数可)から改質剤へのプロトン移動を防止する、分離改質剤よりも低いプロトン親和性を有していてもよい。
発生した電場の均一性および安定性に他の方法で影響を及ぼす、電極からの放電の可能性を、低減するように機能するアーキング抑制改質剤を含むことも、有利と考えられる。これは、より高い分離電圧によるDMSの動作を可能にし、それがスペクトルのピークの分解も支援することができる。典型的には、そのようなアーキング抑制改質剤は、電子を容易に受容する高電子親和性溶媒であり、クロロホルムなどの比較的無極性の溶媒を含むことができる。アーキング抑制改質剤は、DMS電極間の領域で形成された遊離電子を捕捉し、最終的にデバイスでの放電(例えば、アーキング)をもたらし得るカスケード効果をそれらが生成することを防止する。電子を受容することが可能な任意の量の溶媒は、遊離電子の濃度を低減させることが予測されるが、典型的には、より少量のアーク抑制改質剤が必要とされる。一部の実施形態では、アーク抑制改質剤は、分離改質剤の半分の量で添加される。
DMSシステム内へのドリフトガスの導入は、当技術分野における公知の従来方法を使用して行われ得る。例えば、図14を参照すると、図14は、質量分析計204aに連結された本教示の実施形態によるDMSを示している。質量分析計204aは、関連したイオンガイド要素204を備えた真空ポンプ230の結果、真空チャンバー227の下流に置かれる。微分移動度分光計202は、カーテンプレートまたは境界部材219によって画定されたカーテンチャンバー218内に収容され得、カーテンガスコンジット220aを介してカーテンガス供給源220からカーテンガスが供給される。カーテンガスが、カーテンガスコンジット220aによってカーテンチャンバー内に放出された場合、このガスは、予め混合されたある量の改質剤液体混合物214を含有することができる。イオン222はイオン源(図示せず)から提供され、カーテンチャンバー入口224を介してカーテンチャンバー218内に放たれる。カーテンチャンバー218におけるカーテンガスの圧力は、760Torrでまたはそれ付近で維持され得る。この圧力は、カーテンガスチャンバー入口224から出るカーテンガス流出物226、ならびに微分移動度分光計202内へのカーテンガス流入物228の両方を提供することができ、この流入物228は、微分移動度分光計202を通り、真空チャンバー入口229を通って真空チャンバー227中へとイオン222を運ぶドリフトガス208になる。カーテンチャンバー218内のカーテンガスは改質剤液体混合物214を含むことができるので、ドリフトガス208は、改質剤液体混合物を含むこともできる。任意選択で、システム200は、カーテンチャンバーの代わりにまたはカーテンチャンバーに加え、混合チャンバーを含んでいてもよい。この混合チャンバーは、微分移動度分光計の上流にあるカーテンガスコンジット220a内に位置付けることができる。そのような実施形態において、混合チャンバーは、改質剤液体混合物およびカーテンガスの混合を容易にすることができる。典型的には改質剤送達で使用されるように、装置は、ヒーター、および/または最新技術による改質剤を蒸発させる他の手段を含有することができる。
図14は、オリフィスの使用による質量分析計へのイオンの導入を特に示すが、本教示の範囲内でイオンを質量分析計に導入する他の方法も使用できることが、当業者に理解される。例えば、イオンは、毛管またはイオンパイプ型システムを介して導入されてもよい。
図示されるように、図15の微分移動度分光計システム300は、図14のシステム200の一部に似ているが、図14の質量分析計および真空チャンバー要素がない。したがって、図15の微分移動度分光計300は、任意の数の微分質量分析計要素の上流に設置され得るか、または単に、図示されるように、微分移動度分光計302の中を通して、イオン322およびドリフトガス308を引き込む減圧領域の上流に設置されてもよい。あるいは、Faradayカップまたは他のイオン流測定デバイスなど、微分移動度分光計302の出口の下流に、検出器があってもよい。微分移動度分光計302は、カーテンチャンバー318内に収容される。カーテンチャンバー318には、図14と併せて上で説明されたものに類似した手法で、カーテンガス供給源320からカーテンガスが供給される。
液体改質剤混合物は、カーテンガス中でシステムに添加することができ、その一部は最終的にドリフトガスになり、液体改質剤混合物は、DMSの入口210への直接注入などの適切な手段を通して、ドリフトガスに直接添加されてもよいことが当業者に理解される。このように、改質剤液体は、カーテンチャンバー内でまたはカーテンガス流出物226中で浪費されない。改質剤混合物は、混合チャンバー、カーテンチャンバー、またはガスコンジット220a内へ流れる別個の改質剤で提供されてもよい。例えば米国特許出願公開第2013/0264493号に記述されるように、カーテンチャンバーを2つの別個の領域に分割することが可能であることも考えられる。
溶媒の混合物が、混合物としてドリフトガスに添加される場合、利用される個々の溶媒は互いに混和性であるべきということが理解される。互いに混和性ではない溶媒は、それにもかかわらず、これらの溶媒が例えば多数の注入器部位を通した別々の流れの使用によって別々にシステム内に導入される場合、本教示に従い利用され得る。これは、例えば、使用される異なるタイプの改質剤に関するカーテンガスへの別々の注入部位の使用によって、またはDMSの進入口に別々に直接注入された多数の流れを有することによって、実現することができる。さらに、理解され得るように、溶媒が互いに混和性であっても、溶媒は、そのドリフトガスへの導入の前に予備混合する必要はない。溶媒は、例えば別々の注入部位を通してドリフトガスまたはカーテンチャンバー内に別々に導入されてもよい。
本明細書に記述されるDMSシステムは、非対称波形の適用に基づく微分移動度に基づいてイオンを分離する、全てのタイプのデバイスを含むものとする。例えば、本明細書で記述されるDMSという用語は、例えばFAIMSデバイスおよび微細加工されたDMSデバイスを含むものとする。
本教示は、化学種の広範な領域全体にわたって利用され得、そして、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、および小分子を含むことができる広く様々な分子の分離およびシグナルを増加させるために利用され得る。特に、開示された方法に特に適した分子は、イオン化によって分子へのプロトンの付加がもたらされて正味の正電荷を生じさせるものである。このように、溶媒和改質剤として使用される溶媒の高いプロトン溶媒和エネルギーは、プロトンを溶媒和させることができ、したがってプロトン化分子をもたらす。特に、分子の適切なタイプは、特にペプチド配列である。本明細書で論じられる、具体化されたペプチド配列は、ブラジキニンおよびウシ血清アルブミン(BSA)消化物を含むが、ペプチド配列も、教示から利益を得るべきである。分子の他の適切なタイプには、小分子が含まれる。本教示と併せて使用することができる、そのような小分子の例には、アシクロビル、クレンブテロール、クロミプラミン、デシプラミン、ジフェニルヒドラジン、ケタミン、マプロチリン、ミノキシジル、メタドン、メチルヒスタミン、ノルフェンタニル、ペンブトロール、フェニラミン、プロパフェノン、テルブタリン、またはテルファナジン、およびこれらの混合物が含まれる。
(ブラジキニン)
ブラジキニン試料を、DMSシステムで分析し、2+イオンをモニターした。
図6から11は、低分解能−滞留時間約8.6ms(図6および7)、中分解能−滞留時間約12ms(図8および9)、および高分解能−滞留時間約18ms(図10および11)を含む様々な滞留時間で実行された、ブラジキニンに関する一連のデータプロットを示す。
図7、9、および11のそれぞれに関し、ヘキサノール改質剤(下部ペイン)と、6倍大きい画分のメタノール改質剤を含むヘキサノール改質剤混合物(上部ペイン)とのイオノグラムが、様々な分離電圧設定で示されている。それぞれに提示されたデータは、透過モードからブラジキニンシグナル強度に正規化される。ペプチドに関するシグナルは、6倍過剰なメタノールを含有する改質剤混合物を使用した場合に、分離電圧値対して、より高かった。
図6、8、および10は、それぞれ、低、中、および高分解能に関して、ヘキサノール改質剤(ダイヤモンド形)と過剰なメタノールを含有するヘキサノール改質剤(四角形)とを使用してデータを重ねた、強度対分離電圧のプロットを示す。図7の場合、イオノグラムに示されたピークのそれぞれは、図6に示されたプロットに存在する点に対応する。同様の関係が、図9のイオノグラムおよび図8のプロットと、図11のイオノグラムおよび図10のプロットに存在する。
これらの図は、メタノールなどの溶媒和改質剤の添加が、ヘキサノールなどの分離改質剤を使用した場合にイオン透過を改善できることを実証する。これらの結果は、図2から図5に見られるように、かつより詳細には図5に見られるように、メタノールがそれのみで改質剤として利用される場合にはシグナルの強度が低下する傾向にあるので、驚くべきことである。しかし、分離改質剤であるヘキサノールの使用に加え、第2の溶媒和改質剤としてのメタノールの使用により、予想外にシグナルが回復することが見出された。分離電圧の増加によるシグナル損失作用は、より長い滞留時間で実行した場合に最悪であった。6倍過剰なメタノールの添加は、その損失を低減させるのを助けた。改善の程度は、DMS内での滞留時間が増大するにつれて劇的に増大する。
Figure 2016530517
Figure 2016530517
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表2、3、および4は、それぞれ、全てのSV設定全体にわたる、低、中、および高分解能でのブラジキニンのシグナルを示す。明らかなように、メタノール溶媒和改質剤の添加は、最高分解能設定(最長滞留時間)で最大の効果を有した。観察された最大利得は、低、中、および高分解能でブラジキニンを分析した場合、それぞれ、1.88×、4.30×、および9.05×であった。
(小分子)
アシクロビル、クレンブテロール、クロミプラミン、デシプラミン、ジフェニルヒドラジン、ケタミン、マプロチリン、ミノキシジル、メタドン、メチルヒスタミン、ノルフェンタニル、ペンブトロール、フェニラミン、プロパフェノン、テルブタリン、およびテルファナジンを含む、16種の小分子の混合物を、DMS−MSシステムの多重反応モニタリング(MRM)によって分析した。
図12および13は、0.13%ヘキサノール、1.5%シクロヘキサン、および0.05%クロロホルムを含む改質剤混合物(図12)と、0.13%ヘキサノール、2%メタノール、および0.05%クロロホルムを含む改質剤混合物(図13)とに関する、2000Vの分離電圧での分離の比較を示す。データは、中分解能設定の下での小分子混合物の、平滑化されかつ正規化されたイオノグラムとして提示され、各化合物に関するイオンシグナルは、メタノールを含む、上で言及された第2の改質剤混合物による非平滑化最大値に対して正規化される。
メタノールに関する溶媒和エネルギーは、約−32kcal/molであり、シクロヘキサンに関してはわずかに約−10kal/molである。図12および13の結果を比較すると、シクロヘキサンの代わりにより低い溶媒和エネルギーを有するメタノール溶媒和改質剤の添加は、化合物に関するシグナルの劇的な改善を提供することが明らかである。これらの改善は、減少したプロトン移動および/または起こり得る断片化に起因すると考えられる。
(選択性の増大)
15ペプチドBSA消化物を、クロロホルムをアーク抑制改質剤として添加したDMSシステムで分析した。アーク抑制改質剤なしで、所与のシステムでイオノグラムを得ることを可能にすることが見出された最高分離電圧は、4000Vであった。0.05%クロロホルムをアーク抑制改質剤として使用することにより、イオノグラムは、分離電圧が4250Vに増加したときに得ることができた。4250Vでは、ピーク容量の約20%の増加が、4000Vで得られたものを上回って達成された。
DMSシステムで8種の成分試料を分析する際、分離イソプロパノール改質剤と一緒に利用されるクロロホルムの濃度を高くするにつれて、最大限可能な値(4900V)までのより高い分離電圧を、表5に示される放電を観察する前に利用することができた。
Figure 2016530517
図16は、高濃度のクロロホルムをイソプロパノール分離改質剤と共に利用したときに得られた、DMSシステム内でのより高い電圧の使用によって得られたピーク分解能の改善の例を示す。補償電圧空間の全体にわたる、ピークの増大した広がりは、分解能の改善に加えて改善されたピーク容量を提供する。
特許、特許出願、記事、書籍、論文、およびウェブページを含むがこれらに限定されない、本出願に引用される全ての文献および類似の資料は、そのような文献および類似の資料の形式とは無関係に、その全体があらゆる目的で参考として明示的に援用される。組み込まれた文献および類似の資料の1つまたは複数が、本出願と異なるまたは矛盾する場合には、定義された用語、用語の使用、または記述された技法などを含むがこれらに限定することなく、本出願が優先する。
本明細書で使用されるセクションの表題は、単なる組織上の目的であり、いかなる方法によっても、記述された対象事項を限定されると解釈されるべきものではない。
出願人の教示は、様々な実施形態と併せて記述されるが、出願人の教示はそのような実施形態に限定されるものではない。対照的に、出願人の教示は、当業者に理解されるように、様々な代替例、修正例、および均等物を包含する。
教示は、その効果に言及されない限り、記述される順序または要素に限定されると読むべきではない。形態および詳細の様々な変更を、本教示の範囲から逸脱することなく行ってもよいことを、理解すべきである。例として、開示された方法ステップのいずれかを、その他の開示されたステップのいずれかと組み合わせて、本教示の様々な実施形態による化合物を分析する方法を提供することができる。したがって、本教示およびその均等物の範囲および趣旨に含まれる全ての実施形態が、特許請求される。

Claims (20)

  1. イオン移動度に基づく分析を行う方法であって、
    試料の成分をイオンにイオン化する工程、
    少なくとも2つの電極を含む、電場非対称波形イオン移動度または微分移動度分光法イオン移動度に基づくフィルターを用意する工程であって、前記少なくとも2つの電極が、それらの間に一定サイズの隙間が形成され、前記隙間を通ってドリフトガスが流れるように間隔を空けて配置されている、工程、
    前記イオンを前記ドリフトガスに導入する工程であって、前記ドリフトガスが液体改質剤の混合物も含み、前記混合物が、
    前記ドリフトガスの分離能を改善する第1の溶媒、
    前記イオンのプロトン移動または分析物解離のいずれかを抑制する第2の溶媒であって、前記第1の溶媒のプロトン溶媒和エネルギーよりも高いプロトン溶媒和エネルギーを有しかつ前記第1の溶媒のそれよりも過剰に添加される、第2の溶媒、
    を含む、工程;および
    前記イオンを、それらが前記ドリフトガス内を通過した後に検出する工程
    を含む方法。
  2. 前記第1の溶媒が、前記イオンとクラスター形成するように選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の溶媒が、C1〜C10アルコール、ニトリル溶媒、ハロゲン化溶媒、および非アルコール炭化水素をベースにした溶媒からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1の溶媒がヘキサノールであり、任意選択で前記第2の溶媒がメタノールである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第2の溶媒が、C1〜C10アルコール、ニトリル溶媒、ハロゲン化溶媒、および非アルコール炭化水素をベースにした溶媒からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記混合物が、電子を受容するアーキング抑制改質剤である第3の溶媒をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記アーキング抑制改質剤が無極性である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記アーキング抑制改質剤がクロロホルムである、請求項6に記載の方法。
  9. 前記試料が、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、またはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記試料が小分子から構成される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第2の溶媒が、前記第1の溶媒の少なくとも2倍過剰に添加される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記第2の溶媒が、前記第1の溶媒の少なくとも6倍過剰に添加される、請求項1に記載の方法。
  13. イオン移動度分析システムであって、前記システムは、
    少なくとも2つの電極であって、それらの間に一定サイズの隙間を形成するように互いと間隔を空けて配置されている少なくとも2つの電極を有する微分イオン移動度または電場非対称波形に基づくフィルターと、
    ドリフトガスを、前記イオン移動度に基づくフィルターに導入するための、ドリフトガス供給源と、
    液体改質剤を前記ドリフトガスに導入するための液体改質剤供給源であって、少なくとも2種の異なる液体溶媒を含む液体改質剤供給源と、
    イオン検出器とを含み、
    前記2種の異なる液体溶媒は、前記ドリフトガスの分離能を改善する第1の溶媒と、プロトン移動または分析物解離のいずれかを抑制する第2の溶媒とを含み、前記第2の溶媒は、前記第1の溶媒のプロトン溶媒和エネルギーよりも高いプロトン溶媒和エネルギーを有しかつ前記液体改質剤が前記ドリフトガス供給源に進入するときには前記第1の溶媒のそれよりも過剰に存在する、システム。
  14. 前記液体改質剤が第3の溶媒を含み、前記第3の溶媒がアーキング抑制改質剤である、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記第1の溶媒がヘキサノールであり、前記第2の溶媒がメタノールである、請求項13に記載のシステム。
  16. 前記アーキング抑制改質剤がクロロホルムである、請求項14に記載のシステム。
  17. 試料中のイオンの選択性を改善するのに化学改質剤を利用する、微分移動度または電場非対称イオン移動度分析システムの感度を改善する方法であって、前記方法は、溶媒和改質剤を、前記化学改質剤に関連付けて投与することを含み、前記溶媒和改質剤が、前記化学改質剤のプロトン溶媒和エネルギーより高いプロトン溶媒和エネルギーを有しかつ前記化学改質剤のそれよりも過剰に添加される、方法。
  18. 前記溶媒和改質剤が、前記試料中の前記イオンのプロトン親和性より低いプロトン親和性も有する、請求項17に記載の方法。
  19. アーキング抑制改質剤が、前記化学および溶媒和改質剤に関連付けて添加される、請求項17に記載の方法。
  20. 微分移動度または電場非対称波形イオン移動度分析システムの選択性を改善する方法であって、電子を捕捉し、かつアーキング抑制改質剤の使用なしに可能である場合よりも高い分離電圧で前記システムを動作させる、前記アーキング抑制改質剤を投与することを含む、方法。
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