[0006]アクセスポイント(AP)とステーション(STA)との間の情報の効率的な送信を通じてワイヤレス通信システム内のネットワーク利用率を高めるための様々な方法、システム、デバイス、および装置について説明される。ワイヤレス通信ネットワーク内のSTAは、送信機会(TXOP)に従って、TXOPの利用率を決定し得る。決定に基づいて、STAは、後続の送信についての遅延時間を調節し得る。遅延時間の調節は、十分に利用されていないTXOPに続いて、初期コンテンションウィンドウ(CW)サイズを増大させること、バックオフ値を増加させること、および/またはTXOPについてのいくつかのバックオフを増加させることを含み得る。初期CWの増大の結果、平均してバックオフ時間が増大し得、それによって後続のTXOPで送信されるデータ量の増大につながり得、それによってネットワーク利用率が高まる。遅延時間は、TXOPをより完全に利用するいくつかの数のTXOPに続いて、最小遅延時間まで低減され得る。TXOPの利用率は、APによって設定され得るTXOP限度に対する、TXOPについて使用される時間量に基づいて決定され得る。
[0007]本開示の一態様によれば、ワイヤレス通信のための方法が提供される。方法は一般に、ワイヤレス通信デバイスからのデータの送信中の送信機会(TXOP)の利用率を決定することと、決定した利用率に基づいて、ワイヤレス通信デバイスからの後続の送信についての遅延時間を調節することとを含む。遅延時間を調節することは、たとえば、利用率が所定の利用率未満であるとき、初期CW値を増加させること、バックオフ値を増加させること、および/またはいくつかのバックオフを増加させることを含み得る。調節することはまた、利用率が所定の利用率よりも大きいとき、遅延時間を低減させること、または利用率が所定の利用率よりも大きく、所定の数の前のTXOPの利用率がそれぞれ所定の利用率よりも大きいとき、遅延時間を低減させることをも含み得る。
[0008]いくつかの実施例では、決定することは、送信機会(TXOP)の間にデータが送信される持続時間を決定することと、持続時間が所定の持続時間よりも短いとき、遅延時間を増大させることによって遅延時間を調節することとを含み得る。別の実施例では、決定することは、TXOPの最大持続時間を決定することと、TXOPの間にデータが送信される持続時間を決定することと、持続時間と最大持続時間との比を決定することとを含み得る。いくつかのそのような実施例では、遅延時間を調節することは、比が所定の比未満であるとき、遅延時間を増大させることを含み得る。追加または代替として、遅延時間を調節することは、未調節の遅延時間を使用して蓄積されるデータ量に対して、後続の送信の前に追加のデータの蓄積を可能にするために遅延時間を調節すること、またはTXOPの利用率に従って遅延時間をスケーリングすることのうちの1つまたは複数を含み得る。
[0009]いくつかの実施例では、遅延時間を調節することは、利用率が所定の利用率未満であるとき、遅延時間を第1の量だけ増大させることと、後続のTXOPの利用率が所定の利用率未満であるとき、遅延時間を第2の量だけ増大させることとを含み得る。別の実施例では、方法はまた、ワイヤレス通信デバイスからのデータの後続の送信中に後続のTXOPの第2の利用率を決定することと、利用率および第2の利用率に応答して遅延時間を再調節することとを含み得る。遅延時間を再調節することは、たとえば、第2の利用率が所定の利用率よりも大きいとき、遅延時間を最小値に再設定すること、または第2の利用率が所定の利用率未満であるとき、遅延時間をさらに増大させることを含み得る。
[0010]本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は一般に、ワイヤレス通信デバイスからのデータの送信中の送信機会(TXOP)の利用率を決定するための手段と、決定した利用率に基づいて、ワイヤレス通信デバイスからの後続の送信についての遅延時間を調節するための手段とを含む。CW値を調節するための手段は、たとえば、利用率が所定の利用率未満であるとき、初期CW値を増加させ、バックオフ値を増加させ、またはいくつかのバックオフを増加させるための手段のうちの1つまたは複数を含み得る。調節するための手段はまた、たとえば、利用率が所定の利用率よりも大きいとき、遅延時間を低減させる手段、利用率が所定の利用率よりも大きく、所定の数の前のTXOPの利用率がそれぞれ所定の利用率よりも大きいとき、遅延時間を低減させるための手段、TXOPの利用率に従って遅延時間をスケーリングするための手段、または利用率が所定の利用率未満であるとき、遅延時間を第1の量だけ増大させ、後続のTXOPの利用率が所定の利用率未満であるとき、遅延時間を第2の量だけ増大させるための手段をも含み得る。
[0011]いくつかの実施例では、決定するための手段は、送信機会(TXOP)の間にデータが送信される持続時間を決定するための手段を含み得る。そのような実施例のうちのいくつかでは、遅延時間を調節するための手段は、持続時間が所定の持続時間よりも短いとき、遅延時間を増大させるための手段を含み得る。他の実施例では、決定するための手段は、TXOPの最大持続時間を決定するための手段と、TXOPの間にデータが送信される持続時間を決定するための手段と、持続時間と最大持続時間との比を決定するための手段とを含み得る。そのような実施例のうちのいくつかでは、遅延時間を調節するための手段は、比が所定の比未満であるとき、遅延時間を増大させるための手段を含み得る。
[0012]いくつかの実施例では、装置はまた、ワイヤレス通信デバイスからのデータの後続の送信中に後続のTXOPの第2の利用率を決定するための手段と、利用率および第2の利用率に応答して遅延時間を再調節するための手段とを含み得る。遅延時間を再調節するための手段は、たとえば、第2の利用率が所定の利用率よりも大きいとき、遅延時間を最小値に再設定するための手段、または第2の利用率が所定の利用率未満であるとき、遅延時間をさらに増大させるための手段を含み得る。
[0013]別の態様では、ワイヤレス通信のための装置が提供される。装置は一般に、ワイヤレス通信形式アクセスポイントを受信するように構成された受信機と、送信機会(TXOP)の間にアクセスポイントにデータを送信するように構成された送信機とを含む。装置はまた、ワイヤレス通信デバイスからのデータの送信中の送信機会(TXOP)の利用率を決定し、決定した利用率に基づいて、ワイヤレス通信デバイスからの後続の送信についての遅延時間を調節するように構成された遅延時間マネージャをも含む。
[0014]いくつかの実施例では、ワイヤレス通信のための装置は、ワイヤレス通信のための方法を参照しながら上記で説明した機能の1つまたは複数の態様を実装するように構成され得る。
[0015]別の態様では、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサに、ワイヤレス通信デバイスからのデータの送信中の送信機会(TXOP)の利用率を決定させ、決定した利用率に基づいて、ワイヤレス通信デバイスからの後続の送信についての遅延時間を調節させるコンピュータ可読プログラムコードがその上に格納された非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
[0016]いくつかの実施例では、コンピュータ可読プログラムコードはさらに、少なくとも1つのプロセッサに、ワイヤレス通信のための方法を参照しながら上記で説明した機能の1つまたは複数の態様を実施させ得る。
[0017]上記では、以下の詳細な説明をより良く理解することができるために、本開示による実施例の特徴および技術的利点をかなり広範に概説した。追加の特徴および利点が以下で説明される。開示される概念および特定の実施例は、本開示の同じ目的を実施するために他の構造を修正または設計するための基礎として容易に利用され得る。そのような等価な構成は、添付の特許請求の範囲から逸脱しない。本明細書で開示される概念の特色と考えられる特徴は、その構成と動作の方法の両方に関して、関連する利点と一緒に、添付の図と共に考慮するときに以下の説明からより良く理解されよう。各図は、例示および説明のみのために与えられものであり、特許請求の範囲の限定の定義として与えられるものではない。
[0018]本開示の性質および利点のより一層の理解は、以下の図面を参照することによって実現され得る。添付の図では、同様の構成要素または特徴は、同一の参照符号を有し得る。さらに、同一のタイプの様々な構成要素は、ダッシュによる参照符号と、同様の構成要素を区別する第2の符号とをたどることによって区別され得る。本明細書で第1の参照符号が使用される場合、説明は、第2の参照符号にかかわらず、同一の第1の参照符号を有する同様の構成要素のうちの任意の1つに適用可能である。
[0032]説明される実施例は、アクセスポイント(AP)とステーション(STA)との間の情報の効率的な送信によってネットワーク利用率と電力節約を向上させ得るワイヤレス通信ネットワーク内のワイヤレスチャネルにアクセスするための方法、システム、デバイス、および装置を対象とする。ワイヤレス通信ネットワーク内のSTAは、送信機会(TXOP)に続いて、TXOPの利用率を決定し得る。いくつかのケースでは、利用率は、APによって設定され得るTXOP限度に対する、TXOPについて使用される時間量に基づいて決定され得る。決定に基づいて、STAは、後続の送信について遅延時間を調節し得る。遅延時間の調節は、十分に利用されていないTXOPまたは十分に利用されたTXOPに続いて、初期コンテンションウィンドウ(CW)サイズを増大または減少させること、バックオフ値を増大または減少させること、および/またはTXOPについてのいくつかのバックオフを増加または減少させることを含み得る。十分に利用されていないTXOPのケースでは、遅延時間が、初期CWサイズを増大させることによって増大され得る。この結果、平均してバックオフ時間が増大し得、それによって後続のTXOPで送信されるデータ量が増大し得、それによってネットワーク利用率が高まる。十分に利用されたTXOPでは、いくつかのケースでは、初期遅延時間が、TXOPをより十分に利用するいくつかの数のTXOPに続いて最小遅延時間に低減され得る。
[0033]本明細書で提示されるチャネルアクセス技法は一般に、簡単のためにWLANととも説明される。WLAN(またはWi−Fi(登録商標)ネットワーク)は、様々なIEEE 802.11規格(たとえば、802.11a/g、802.11n、802.11ac、802.11ahなど)で記述されるプロトコルに基づくネットワークを指すことがある。しかしながら、セルラワイヤレスシステム、ピアツーピアワイヤレス通信、アドホックネットワーク、衛星通信システム、他のシステムなどの様々な他のワイヤレス通信システムのための、同一または類似の技法が使用され得る。「システム」および「ネットワーク」という用語は、本明細書では互換的に使用されることがある。
[0034]したがって、以下の説明は例を与えるものであり、特許請求の範囲に記載の範囲、適用性、または構成の限定ではない。本開示の範囲から逸脱することなく、論じられる要素の機能および構成に変更が行われ得る。様々な実施例は、適宜、様々な手順または構成要素を省略、置換、または追加し得る。たとえば、説明される方法は、説明されるのとは異なる順序で実施され得、様々なステップが追加、省略、または組み合わされ得る。さらに、いくつかの実施例に関連して説明される特徴が、他の実施例で組み合わされ得る。
[0035]まず図1を参照すると、本開示の態様に従ってネットワーク利用率の向上を実現するように構成される、WLANやWi−Fiネットワークなどのワイヤレス通信ネットワーク100が示されている。WLANネットワーク100は、AP105と、複数の関連するSTA115とを含む。この実施例では、STA_1、STA_2、STA_3、STA_4、STA_5、STA_6、およびSTA_7として識別される7つのSTA115が示されている。しかしながら、図示される数は単に例示のためのものであるので、WLANネットワーク100は、図1に示されるものよりも多くの、または少ないSTA115を有し得る。AP105およびSTA115は、基本サービスセット(BSS)を表し得る。BSS内の様々なSTA115は、AP105を通じて互いに通信することができる。WLANネットワーク100の基本サービスエリア(BSA)を表し得る、AP105のカバレッジエリア120も示されている。図1には図示されていないが、WLAN100に関連するBSSは通常、複数のAPを拡張サービスセットで接続することを可能にするワイヤードまたはワイヤレス配布システム(DS)に接続される。
[0036]AP105は、送信130を使用してSTA115のそれぞれと双方向に通信するように構成される。送信130は、AP105からSTA115に送られるダウンリンク送信(たとえば、ビーコンフレーム)、ならびに送信機会(TXOP)と呼ばれる、STA115からAP105に送られるデータフレームのアップリンク送信を含み得る。ワイヤレス通信ネットワーク100内のワイヤレス媒体を介する異なるSTA115による同時送信の結果、ワイヤレス通信ネットワーク100の効率を低下させ得る送信間のコリジョンが生じ得る。STA115間のコリジョンは、コンテンション機構に従って解決され得、以下でより詳細に説明されるように、コンテンション機構の結果、STA115は、バックオフ期間に続いて通信を再送信することを試みる。バックオフによって分離される多くの短いTXOPを送るSTA115は、より長いが、より少ないTXOPにトラフィックをグループ化するSTA115よりもずっと高いコンテンション活動を有することになる。以下でより詳細に説明されるように、様々な実施例では、後者は、十分に利用されていないTXOPに続いて、後続の送信を開始する前に遅延時間を調節するための様々な技法に従って実装され得る。そのような遅延時間調節の結果、比較的少ないTXOPが生じ得、その結果、コンテンションが低くなり、したがってコリジョンがより少なくなり得る。この結果、ネットワーク効率が向上し、ならびにSTA115とAP105の両方で電力消費が低減し得る。
[0037]次に図2を参照して、STA115−aとAP105−aとの間の送信の実施例200が説明される。STA115−aおよびAP105−aは、図1のSTA115およびAP105の例であり得る。図示される実施例では、STA115−aは、ブロック205で示されるように、TXOPを完了したと仮定される。送信を首尾よく受信したことに応答して、AP105−aは、STA115−aに肯定応答210を送信し得る。一実施例によれば、フレームを首尾よく受信するごとに、AP105−aは、DIFSよりも短い短フレーム間スペース(SIFS:short interframe space)の後に肯定応答(ACK)フレームを送り得、したがって他のステーションは、媒体へのアクセス権を得ることを試みない。他のステーションは、DIFSアイドル時間後にバックオフプロセスを再開する。ACKフレームがない場合、STAは、送信が成功しなかったと決定し得、そのケースでは、STA115−aは、別のランダムバックオフ後にデータを再送信し得る。データが首尾よく送信されたか否かを決定した後、ブロック215で示されるように、STA115−aは、CWサイズに基づいてコンテンションウィンドウ(CW)サイズおよびバックオフカウンタを設定し得る。バックオフカウンタは、区間[0,CW]にわたる一様分布から取り出されたランダム整数として決定され得る。以下でさらに詳細に説明されるように、所与のアクセスクラス(AC)について必要とされるサービス品質(QoS)を維持しながら、ネットワーク効率を高めるために、様々な実施例によれば、CWサイズは、異なる技法に従って計算され得る。チャネルがバックオフプロセス中にビジーとなった場合、バックオフカウンタが中断され得る。チャネルが再びアイドル状態となり、余分な分散調整機能(DCF:distributed coordination function)フレーム間スペース(DIFS)時間間隔にわたってアイドル状態のままであるとき、バックオフプロセスは、中断されたバックオフカウンタ値を再開する。
[0038]バックオフカウンタの満了に続いて、STA115−aは、図2の実施例によれば、AP105−aに送信要求(RTS:request to send)220を送信し得る。別のSTAとのコリジョンがない場合、この実施例のAP105−aは、STA115−aに送信可(CTS:clear to send)指示225を送り得る。そのようなRTS/CTS送信は、いくつかの実施例では、フレームコリジョンを低減するように実装され得るが、他の実施例はRTS/CTS通信を実装しないことがある。STA115は、230で示されるように、次いでAP105−aにデータを送信し得る。TXOP限度、またはSTA115−aのバッファ内のデータのすべての送信に続いて、ブロック235で示されるように、TXOPは完了したと仮定され、次いでプロセスは反復する。
[0039]いくつかの例では、CWは、TXOPの成功後、最小CWサイズ(CWmin)に設定(または再設定)され得、CWminは、TXOPが得られたACについての最小のCWである。TXOPの成功後に使用されるCWは、初期CWと呼ばれる。本明細書で説明される様々な実施例では、TXOPの完了から後続のTXOPの開始までの遅延時間は、1つまたはいくつかの機構を使用することによってネットワークの効率を高めるように調節され得る。たとえば、後続の送信についての初期CWを調節することにより、後続の送信についてバックオフ値を直接的に調節することにより、および/または後続のTXOPを開始する前にいくつかのバックオフを調節することにより、遅延時間が調節され得る。送信の失敗のケースでは、拡張分散チャネルアクセス(EDCA)規則当たりのCWを増大させることによって遅延時間が増大され得る。たとえば、送信試行の失敗に続いて、2*(CW+1)−1で更新された新しいCW値を使用して、別のバックオフが実施され、上界はCWmaxである。CWminおよびCWmaxは、特定のACおよび相異なるACのQoS要件に従ってAP105−aによって設定され得る。新しいCW値および選択されたバックオフ時間は、複数のSTAがチャネルにアクセスすることを試みるケースでコリジョン確率を低減する。
[0040]次に図3を参照して、様々な実施例による、図1または図2のSTA115とAP105との間などの、STA115−bとAP105−bとの間の送信の実施例300が説明される。この実施例では、STA115−bおよびAP105−bは、上記で論じたRTS/CTS技法を実装し得、コリジョンがRTS送信で発生し得、その結果、新しいCWが設定され、新しいバックオフカウンタが確立される。RTS/CTS技法を利用しない別の例では、STA115−bはTXOPを直接的に開始し得、第1のフレームに続いてAP105−bからのACKがない場合、STA115−bは、コリジョンが発生したことを決定し得る。図3の実施例では、AP105−bは、STA115−bにCTS305を送るように示されている。SIFS310の後、STAは、AP105−bによって確立されるTXOP限度までの持続時間にわたってデータを送信するためにTXOP315を開始し得る。STA115−bが、割り当てられたTXOP持続時間中に送信するための十分なデータをそのバッファ内に有さない場合、TXOPは、TXOP限度に達する前に終了し得る。しかしながら、前述のように、そのような短い送信はネットワーク効率を低下させ得る。TXOP315に続いて、バックオフ期間が決定され得る。バックオフ期間は、様々な実施例に従って、いくつかの方式で決定され得る。いくつかの実施例によれば、バックオフ値は、TXOPに続いて直接的に設定され得、バックオフ値は、TXOP315の利用率に基づいて、より長い、または短い時間遅延を与えるように調節され得る。他の例では、後続のTXOPの初期化の前に、いくつかのバックオフ期間が実施され得、いくつかのバックオフは、TXOP315の利用率に基づいて調節される。さらなる実施例では、初期CWサイズが、TXOP315の利用率に基づいて設定され得る。たとえば、STA115−bがTXOP限度の所定のしきい値にわたってデータを送信しなかった場合、初期CWサイズが増大され得、それによって後続のTXOPの前のバックオフ期間を潜在的に増大させる。本明細書で与えられる実施例の多くは、1つまたは複数の後続のTXOPについての遅延時間の調節を対象とするが、当業者は容易に認識するであろうが、そのような実施例で説明される概念は、1つまたは複数の後続のTXOPの前に遅延時間を調節するための他の技法に当てはまる。
[0041]引き続き図3を参照すると、STA115−bは、バックオフカウンタの満了に続いてRTS325を送信し、AP105−bからのCTS335を求めてSIFS330期間中、待機する。しかしながら、この実施例では、別のSTAからのRTSとのコリジョンが発生したので、STA115−bはCTS335を受信しない。その結果、STA115−bは、初期CWサイズに基づく新しいCWサイズから新しいバックオフ期間340を設定する。バックオフ期間340の満了に続いて、STAは別のRTS345を送信する。やはり、STA115−bは、AP105−bからのCTS355を求めてSIFS350期間中、待機する。STA115−bがAP105−bからCTS355を受信すると、STA115−bは、TXOP365を開始する前に、別のSIFS期間360中、待機する。複数のコリジョンが発生する場合、CWは、CWmaxの値までの回数だけ増大され得、CWmaxの値は、たとえば送信中のデータのACに基づいて、APによって設定され得る。
[0042]次に図4を参照して、様々な実施例による、STAで初期CWサイズを調節するための方法400の流れ図が論じられる。図4に示される例示的方法では、TXOPの実際の利用率に基づいて初期CWをスケーリングすることによって新しいCWが取得され得る。特に、開示される方法は、TXOPが、実際に実現されるTXOPに対して長過ぎる(すなわち、実現されるTXOPが短い過ぎる)ときがその例であり得る、TXOPが十分に利用されていないとき、または実現されるTXOP持続時間が一定の事前設定されたしきい値を超過する(すなわち、実現されたTXOPが長過ぎる)ときがその例であり得る、TXOPが完全に利用されるとき、初期CWをスケーリングすることを実現する。方法400は、たとえば図1〜3のSTA115、または以下で論じられる図7〜8のデバイスを使用して実装され得る。図に示されるように、方法はブロック405から始まり、STAがRTSフレームを送信する。ブロック410で、STAは、CTSが受信されたかどうかを決定する。CTSが受信されないことをSTAが決定した場合、ブロック415で示されるように、STAは、通常のコリジョン回避技法に従って、CWmaxの限度までCWを増大させる。次いで、ブロック420で示されるように、STAは、CWに基づいて設定されるバックオフカウンタが満了するのを待機し、ブロック405で示される動作を実行することに進む。一方、CTSが受信されたことをSTAが決定した場合、ブロック425で示されるように、STAは、TXOPの間にAPにデータを送信することを開始する。ブロック430で、STAは、TXOPの利用率を決定する。いくつかの例では、ブロック425で、TXOP利用率は、送信されるデータの持続時間(すなわち、実現されたTXOP)と比べた、TXOP限度持続時間に基づいて決定され得る。別の例では、TXOP利用率は、TXOPの間に送信され得る理論最大データ量と比べた、TXOPの間に送信されるデータ量に基づいて決定され得る。
[0043]ブロック435で、STAは、TXOP利用率がプリセットしきい値よりも大きいかどうかを決定する。いくつかの例では、事前設定されたしきい値が、送信中のデータのACおよび/または現ネットワーク条件に基づいて、APによって設定され得る。事前設定されたしきい値は、いくつかの実施例によれば、TXOP限度の80%に設定され得る。TXOP利用率がしきい値未満であり、TXOPは十分に利用されていないことを示す場合、ブロック440で示されるように、STAは、CWminおよび決定したTXOP利用率に基づいて初期CWを調節し得る。いくつかの例では、調節された初期CWが、以下の公式に従って、実際のTXOP利用率によってスケーリングされたCWmin値を設定され得る。
したがって、調節された初期CWはより大きいCWとなり、より大きいCWは、平均して、より長いバックオフを引き起こし、それによって、次のTXOPの前により多くのデータトラフィックを蓄積することを可能にする。このことは、ひいては後続のTXOPをより長くさせ得、それによってネットワーク利用率を高める。STAは、CWの調節に続いて、ブロック420で示される動作を実行することに進み得る。
[0044]ブロック445で、TXOP利用率がしきい値よりも大きい場合、STAは、TXOP利用率が、最後のX個のTXOPについて事前設定されたしきい値よりも大きかったかどうかを決定し得る。一実施例によれば、Xは10に設定され得るが、Xの値は任意の他の値に設定され得、または現ネットワーク条件に基づいて、APによって適応的に設定され得る。最後のX個のTXOPがしきい値よりも大きくなかった場合、ブロック450で示されるように、初期CWは、調節された初期CWのままにされ得る。しきい値を超過するTXOPのケースでは、CWサイズの低減に対応するCWの調節に続いて、STAは、ブロック420で示される動作を実行することに進み得る。一方、最後のX個のTXOPがTXOPしきい値よりも大きかったと決定される場合、ブロック455で示されるように、初期CWが、送信中のデータの特定のACに対応するCWminに設定され得る。このようにして、STAがデータのショートバーストを送信している(すなわち、実現されるTXOPが短過ぎる)場合、初期CWを増大させるためにヒステリシスが実装されるととも、STAが全TXOPを送信している(すなわち、実現されるTXOP持続時間が事前設定されたしきい値以上である)とき、CWがCWminに再び設定され得る。
[0045]次に図5を参照して、STAで初期CWサイズを調節するための別の方法500の流れ図が示される。CWは初期CWとして働き得、初期CWとは、フレームの初期送信のために(すなわち、フレームの再送信のためにではなく)使用されることを意味する。図5の例示的方法によれば、TXOPが十分に利用されていない場合、CWが、所定のより大きい初期CWに調節され得る。方法500は、たとえば、図1〜3のSTA115、または以下で論じる図7〜8のデバイスを使用して実装され得る。図に示されるように、方法はブロック505から始まり、STAがRTSフレームを送信する。ブロック510で、STAは、CTSが受信されるかどうかを決定する。CTSが受信されないことをSTAが決定する場合、ブロック515で示されるように、STAは、通常のコリジョン回避技法に従って、CWmaxの限度までCWを増大させる。次いでSTAは、ブロック520で示されるように、CWに基づいて設定されるバックオフカウンタが満了するのを待機し、ブロック505で示される動作を実行することに進む。STAがCTSを受信しない場合、ブロック525で示されるように、STAは、TXOPの間にデータをAPに送信する。ブロック530で、STAはTXOPの利用率を決定する。上で論じたように、いくつかの実施例によれば、TXOP利用率は、ブロック525で送信されたデータの持続時間と比べた、TXOP限度持続時間に基づいて決定され得る。他の例では、TXOP利用率は、TXOPの間に送信され得る理論最大データ量と比べた、TXOPの間に送信されたデータ量に基づいて決定され得る。
[0046]ブロック535で、STAは、利用率が事前設定されたしきい値よりも大きいかどうかを決定する。いくつかの例では、事前設定されたしきい値は、ACおよび/または現ネットワーク条件に基づいて、APによって設定され得る。事前設定されたしきい値は、たとえば、上で論じたのと同様に、TXOP限度の80%に設定され得る。TXOP利用率がしきい値未満である場合、ブロック540で示されるように、STAは、調節されたCWを2*(CW+1)−1に設定することによって初期CWを調節し得、TXOPが十分に長くはないとき、調節された初期CWをより大きくさせる。これにより、平均してバックオフが長くなり得、それは、ひいては次のTXOPの前に、より多くのデータトラフィックを蓄積することを可能にし、後続のTXOPを長くさせ、したがってネットワーク利用率が向上する。初期CWを調節した後、STAは次いで、ブロック520で指定される動作を実行することに進み得る。
[0047]ブロック535でTXOP利用率が事前設定されたしきい値よりも大きいと決定される場合、ブロック545で示されるように、STAは、TXOPが最後のX個のTXOPについてのしきい値を超過するかどうかを決定することに進み得る。上で論じたように、Xは10に設定され得るが、Xの値は任意の他の値に設定され得、または現ネットワーク条件に基づいて、APによって適応的に設定され得る。最後のX個のTXOPがしきい値よりも大きくなかった場合、ブロック550で示されるように、初期CWは、調節された初期CWのままにされ得、動作はブロック520で継続される。最後のX個のTXOPがTXOPしきい値よりも大きかった場合、ブロック555で示されるように、初期CWは、送信中のデータの特定のACについてCWminに設定され得る。この場合も、STAがデータのショートバーストを送信している場合、初期CWを増大させるためにヒステリシスが実装され、STAが全TXOPを送信しているとき、初期CWをCWminに再び設定することが可能となる。
[0048]またさらなる実施例では、複数の十分に利用されていないTXOPに続いて初期CWサイズを増大させるために、CWが複数のステップで調節され得、より完全に利用される1つまたは複数のTXOPに続いて、縮小された初期CWサイズまで複数のステップでやはり調節され得る。図6は、初期CWサイズを増大させるために2つのステップを使用する一実施例の方法600を示す。方法600は、たとえば、図1〜3のSTA115、または以下で論じる図7〜8のデバイスを使用して実装され得る。図に示されるように、方法はブロック605から始まり、STAがRTSフレームを送信する。ブロック610で、STAは、CTSが受信されるかどうかを決定する。CTSが受信されない場合、ブロック615で示されるように、STAは、通常のコリジョン回避技法に従って、CWmaxの限度までCWを増大させ得る。次いでSTAは、ブロック620で示されるように、CWに基づいて設定されるバックオフカウンタが満了するのを待機し、ブロック605で示される動作を実行することに進み得る。STAがCTSを受信しない場合、ブロック625で示されるように、STAは、TXOPの間にデータをAPに送信することに進み得る。TXOPに続いて、ブロック630で示されるように、STAはTXOPの利用率を決定し得る。上で論じたように、いくつかの実施例では、TXOP利用率は、ブロック625で送信されたデータの持続時間と比べた、TXOP限度持続時間に基づいて決定され得る。別の例では、TXOP利用率は、TXOPの間に送信され得る理論最大データ量と比べた、TXOPの間に送信されたデータ量に基づいて決定され得る。
[0049]ブロック635で、STAは、利用率が事前設定されたしきい値未満であるかどうかを決定する。いくつかの例では、事前設定されたしきい値は、ACおよび/または現ネットワーク条件に基づいて、APによって設定され得る。いくつかの実施例では、事前設定されたしきい値は、上で論じたのと同様に、TXOP限度の80%に設定され得る。TXOP利用率がしきい値以上である場合、ブロック640で示されるように、STAは、TXOPが最後のX個のTXOPについてのしきい値よりも大きかったかどうかを決定し得る。いくつかの例では、Xは10に設定され得るが、Xの値は任意の他の値に設定され得、または現ネットワーク条件に基づいて、APによって適応的に設定され得る。最後のX個のTXOPがしきい値よりも大きくなかった場合、ブロック645で示されるように、初期CWは、調節された初期CWのままにされ得、動作はブロック620に進み得る。最後のX個のTXOPがTXOPしきい値よりも大きい場合、ブロック650で示されるように、初期CWは、送信中のデータの特定のACについてCWminに設定され得る。
[0050]ブロック635で、TXOP利用率がしきい値未満であるとSTAが決定した場合、ブロック655で示されるように、STAは、TXOPがしきい値未満である第1のTXOPであるかどうかを決定することに進み得る。TXOPがしきい値未満である第1のTXOPである場合、ブロック660で示されるように、STAは、調節された初期CWが2*(CWmin+1)−1に従って決定されるように初期CWを調節し得、動作はブロック620を継続し得る。TXOPがしきい値未満である第1のTXOPではない場合、ブロック665で示されるように、STAは、調節された初期CWが4*(CWmin+1)−1に従って決定されるように初期CWをさらに調節し得、動作はブロック620を継続し得る。したがって、初期CWは2つのステップで調節され得、その結果、STAの特定のトラフィックに基づいて、より大きいコンテンションウィンドウが得られ、それは、平均してより長いバックオフを引き起こし、それによって、次のTXOPの前に、より多くのデータトラフィックを蓄積することを可能にする。
[0051]次に図7を参照すると、ブロック図は、上で論じた様々な実施例によって開示されるように時間を遅延させるために使用され得るデバイス700を示す。デバイス700は、図1〜2を参照して説明した、または以下で説明されるように図8〜9を参照して説明されるAP105またはSTA115のうちの1つまたは複数の態様の一例であり得る。デバイス700、またその部分はプロセッサでもあり得る。デバイス700は、受信機モジュール710、遅延時間モジュール715、および/または送信機モジュール720を含み得る。これらの構成要素の各々は、互いに通信し得る。デバイス700は、受信機モジュール710、遅延時間モジュール715、および/または送信機モジュール720を通じて、図2〜6に関連して上で論じたのと同様に、より高い利用率を有するTXOPを送信するために、前のTXOP利用率に基づいて決定されたタイミングに従ってTXOPを送信するように構成され得る。
[0052]図8を参照すると、様々な実施例による、TXOP利用率に基づく遅延時間調節のために構成されたSTA115−cを示すダイアグラム800が示されている。STA115−cは様々な他の構成を有し得、パーソナルコンピュータ(たとえば、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレットコンピュータなど)、セルラ電話、PDA、デジタルビデオレコーダ(DVR)、インターネットアプライアンス、ゲーミングコンソール、eリーダなどに含まれ、またはその部分となり得る。STA115−cは、モバイル動作を容易にするために、小型電池などの内部電源(図示せず)を有し得る。STA115−cは、STA115の一例であり得、図1〜6の様々な動作を実装し得る。
[0053]STA115−cは、プロセッサモジュール805と、メモリモジュール810と、トランシーバモジュール825と、アンテナ830と、遅延時間管理モジュール820とを含み得る。遅延時間管理モジュール820は、図7の遅延時間モジュール715の一例であり得る。これらの構成要素の各々は、たとえば1つまたは複数のバスを介して、直接的または間接的に互いに通信し得る。
[0054]メモリモジュール810はRAMとROMとを含み得る。メモリモジュール810は、実行されるとき、遅延時間調節のために本明細書で説明される様々な機能をプロセッサモジュール805に実施させるように構成される命令を含む、コンピュータ可読、コンピュータ実行可能ソフトウェア(SW)コード815を格納し得る。あるいは、ソフトウェアコード815はプロセッサモジュール805によって直接的に実行可能でないことがあるが、(たとえば、コンパイルされ、実行されるときに)本明細書で説明される機能をコンピュータに実施させるように構成され得る。
[0055]プロセッサモジュール805は、インテリジェントハードウェアデバイス、たとえばCPU、マイクロコントローラ、ASICなどを含み得る。プロセッサモジュール805は、トランシーバモジュール825を通じて受信された情報、および/またはアンテナ830を介する送信のためにトランシーバモジュール825に送信される情報を処理し得る。プロセッサモジュール805は、単独で、または遅延時間管理モジュール820と共に、本明細書で説明されるようなTXOP利用率およびTXOP利用率に基づく遅延時間調節についての様々な態様を扱い得る。
[0056]トランシーバモジュール825は、図1〜2のAP105と双方向に通信するように構成され得る。トランシーバモジュール825は、1つまたは複数の送信機モジュールおよび1つまたは複数の別個の受信機モジュールとして実装され得る。トランシーバモジュール825は、パケットを変調し、変調されたパケットを送信のためにアンテナ830に与え、アンテナ830から受信されたパケットを復調するように構成されたモデムを含み得る。STA115−cは単一のアンテナを含み得るが、STA115−cが複数のアンテナ830を含み得る実施例があり得る。
[0057]STA115−cの構成要素は、図2〜7に関連して上で論じた態様を実装するように構成され得、それらの態様は、簡潔のためにここでは繰り返されないことがある。さらに、STA115−cの構成要素は、図9〜13に関連して以下で論じた態様を実装するように構成され得、それらの態様は、簡潔のためにここでは繰り返されないことがある。
[0058]図9を参照すると、様々な実施例による遅延時間管理のために構成されたAP105−cを示すダイアグラム900が示されている。いくつかの例では、AP105−cは、図1〜2のAP105の一例であり得る。AP105−cは、プロセッサモジュール910と、メモリモジュール920と、トランシーバモジュール930と、アンテナ940と、遅延時間制御モジュール945とを含み得る。遅延時間制御モジュール945は、図7の遅延時間モジュール715の一例であり得る。いくつかの例では、AP105−cはまた、AP通信モジュール980と、ネットワーク通信モジュール985の一方または両方をも含み得る。これらの構成要素の各々は、たとえば1つまたは複数のバス915を介して、直接的または間接的に互いに通信し得る。
[0059]メモリモジュール920は、ランダムアクセスメモリ(RAM)と読取り専用メモリ(ROM)とを含み得る。メモリモジュール920はまた、実行されるとき、APによる遅延時間管理のために本明細書で説明される様々な機能(たとえば、TXOP限度、アクセスクラス当たり十分に利用されていないTXOPに続く遅延時間調節など)をプロセッサモジュール910に実施させるように構成される命令を含む、コンピュータ可読、コンピュータ実行可能ソフトウェア(SW)コード925をも格納し得る。あるいは、ソフトウェアコード925はプロセッサモジュール910によって直接的に実行可能でないことがあるが、たとえば、コンパイルされ、実行されるときに、本明細書で説明される機能をコンピュータに実施させるように構成され得る。
[0060]プロセッサモジュール910は、インテリジェントハードウェアデバイス、たとえば、中央処理ユニット(CPU)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得る。プロセッサモジュール910は、トランシーバモジュール930、AP通信モジュール980、および/またはネットワーク通信モジュール985を通じて受信された情報を処理し得る。プロセッサモジュール910はまた、アンテナ940を介する送信のためにトランシーバモジュール930に送信され、AP通信モジュール980に送信され、および/またはネットワーク通信モジュール985に送信される情報を処理し得る。プロセッサモジュール910は、単独で、または遅延時間制御モジュール945と共に、上で論じたような遅延時間管理および調節に関する様々な態様を扱い得る。
[0061]トランシーバモジュール930は、パケットを変調して、変調したパケットを送信のためにアンテナ940に供給し、アンテナ940から受信したパケットを復調するように構成されたモデムを含み得る。トランシーバモジュール930は、1つまたは複数の送信機モジュールおよび1つまたは複数の別個の受信機モジュールとして実装され得る。トランシーバモジュール930は、アンテナ940を介して、たとえば図1または図12に示されるような1つまたは複数のSTA115と双方向に通信するように構成され得る。AP105−cは通常、複数のアンテナ940(たとえば、アンテナアレイ)を含み得る。AP105−cは、ネットワーク通信モジュール985を通じてコアネットワーク905と通信し得る。AP105−cは、AP通信モジュール980を使用して、AP105−iおよびAP105−jなどの他のAPと通信し得る。
[0062]図9のアーキテクチャによれば、AP105−cは、通信管理モジュール940をさらに含み得る。通信管理モジュール940は、たとえば図1のWLANネットワーク100内に示されるようなSTAおよび/または他のデバイスとの通信を管理し得る。通信管理モジュール940は、バスまたはバス915を介してAP105−cの他の構成要素の一部またはすべてと通信し得る。あるいは、通信管理モジュール940の機能は、トランシーバモジュール930の構成要素として、コンピュータプログラム製品として、および/またはプロセッサモジュール910の1つまたは複数のコントローラ要素として実装され得る。
[0063]AP105−cの構成要素は、図2〜8に関連して上で論じた態様を実装するように構成され得、それらの態様は、簡潔のためにここでは繰り返されないことがある。さらに、AP105−cの構成要素は、図10〜13に関連して以下で論じる態様を実装するように構成され得、それらの態様は、簡潔のためにここでは繰り返されないことがある。
[0064]次に図10を参照して、様々な実施例による、TXOP利用率に基づく遅延時間調節のための方法1000についての流れ図が説明される。方法1000は、たとえば図1〜2または8のSTA115、あるいは図7のデバイス700を使用して実装され得る。図に示されるように、方法はブロック1005から始まり、STAが、ワイヤレス通信デバイスからのデータの送信中の送信機会(TXOP)の利用率を決定する。ブロック1010で、STAは、決定に応答して、ワイヤレス通信デバイスからの後続の送信についての遅延時間を調節し得る。いくつかの例では、上で説明したのと同様に、STAは、ワイヤレス通信システムの効率を高めるために、たとえばTXOP利用率に基づいて、CW、バックオフ時間、および/またはいくつかのバックオフを調節し得る。
[0065]次に図11を参照して、様々な実施例による、遅延時間調節のための方法1100についての流れ図が説明される。方法1100は、たとえば図1〜2または8のSTA115、あるいは図7のデバイス700を使用して実装され得る。図に示されるように、方法はブロック1105から始まり、STAが、送信機会TXOPの最大持続時間を決定する。次いでSTAは、ブロック1110に従って、送信機会(TXOP)の間にデータが送信される持続時間を決定し得る。ブロック1115で、STAは、持続時間と最大持続時間との比を決定し得る。最後に、ブロック1120で、STAは、比に基づいて、ワイヤレス通信デバイスからの後続の送信についての遅延時間を調節し得る。上で論じたようないくつかの実施例によれば、前のTXOPの利用率比に従ってCWをスケーリングすることによって1つまたは複数の後続のTXOPについてのCWを調節することにより、遅延時間が調節され得る。上で論じたような他の例では、STAは、前のTXOPが十分に利用されなかったとき、次のTXOPを開始する前に1つまたは複数の追加のバックオフを実施することが必要とされ得る。やはり上で論じたさらなる実施例では、STAは、前のTXOPが十分に利用されなかったとき、次のTXOPを開始する前に平均バックオフ値を増加させ得る。より完全に利用されるいくつかの数のTXOPに続いて、遅延時間が、より低い値に減少され得る。
[0066]次に図12を参照して、様々な実施例による、TXOP利用率に基づく遅延時間調節のための方法1200についての流れ図が説明される。方法1200は、たとえば図1〜2または8のSTA115、あるいはたとえば図7のデバイス700を使用して実装され得る。図に示されるように、方法はブロック1205から始まり、STAが、データの送信中の送信機会(TXOP)の利用率を決定する。ブロック1210で、利用率が所定の利用率未満であるとき、STAは、遅延時間値を第1の量だけ増加させる。ブロック1215で、後続のTXOPの利用率が所定の利用率未満であるとき、STAは、遅延時間値を第2の量だけ増加させる。したがって、この方法は、TXOP利用率に基づいて遅延時間が2つ(またはそれ以上)のステップで調節され得ることを実現する。より完全に利用されるいくつかの数のTXOPに続いて、遅延時間が、1つまたは複数のステップで、より低い値または最小値に減少され得る。
[0067]次に図13を参照して、様々な実施例による、TXOP利用率に基づいて遅延時間管理のための方法1300についての流れ図が説明される。方法1300は、たとえば図1〜2または9のAP105、あるいはたとえば図7のデバイス700を使用して実装され得る。ブロック1305で、APは、異なるACを求めてAPにアクセスするいくつかのSTAを決定し得る。ブロック1310で、APは、各ACに従って、十分に利用されていないTXOPを有するSTAのためのワイヤレスチャネルへのSTAアクセスについての初期遅延時間を、初期CW値を設定することなどによって設定し得る。たとえば、APは、現トラフィック条件がAPの全容量より著しく低いことを決定し得、初期CWを比較的低い値となるように、または単にCWminとなるように設定し得る。別のケースでは、APは、現トラフィック条件がAPの最大容量に近づきつつあることを決定し得、それに応じて、十分に利用されていないTXOPを低減し、STA間のコンテンションを低減し、それによってワイヤレス媒体の利用率を高めるように試みるために、初期CWをより高い値となるように設定し得る。最後に、ブロック1315で、APは、変化するトラフィック条件および/またはAPにアクセスするSTA数に基づいて、初期遅延時間を調節し得る。したがって、トラフィック条件が、著しい量の利用可能な容量を有するAPから、比較的少量の利用可能な容量に変化する場合、APは、十分に利用されていないTXOPを低減するために、十分に利用されていないTXOPに続いて、STAについての遅延時間を調節し得る。
[0068]添付の図面と共に上に記載した詳細な説明は例示的実施例を記述し、実装され得る、または特許請求の範囲内にある唯一の実施例を表すわけではない。「例示的」という語は、この説明で使用されるとき、「一例、実例、または例示としての役割を果たす」ことを意味し、「好ましい」または「他の実施例に勝って有利である」ことを意味するわけではない。詳細な説明は、説明される技法の理解を与える目的で、特定の詳細を含む。しかしながら、これらの技法は、これらの特定の詳細なしに実践され得る。いくつかの例では、説明される実施例の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造およびデバイスがブロック図形式で示される。
[0069]情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表現され得る。たとえば、上の説明全体を通じて参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁気粒子、光場または光粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表現され得る。
[0070]本明細書で本開示に関連して説明した様々な例示的ブロックおよびモジュールが、本明細書で説明した機能を実施するように設計された汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、あるいはそれらの任意の組合せで実装または実施され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替実施形態では、プロセッサは、任意の従来型プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアを伴う1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
[0071]本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令あるいはコードとして格納され得、またはそれを介して送信され得る。他の実施例および実装形態は、本開示の範囲内および添付の特許請求の範囲内にある。たとえば、ソフトウェアの性質のために、前述の機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらの任意の組合せによって実行されるソフトウェアを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、機能の部分が様々な物理的位置で実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に配置され得る。さらに、本明細書で使用される場合、特許請求の範囲を含めて、「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」で始まる項目のリストで使用される場合、「または」は、包含的なリストを示し、したがってたとえば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」というリストは、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味する。
[0072]コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の入手可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、コンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROM、または他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を搬送または格納するために使用され得、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の他の媒体を備え得る。さらに、任意の接続がコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚線対、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚線対、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタルバーサタイルディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再現し、一方、ディスク(disc)は通常、データをレーザーで光学的に再現する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
[0073]本開示の先の説明は、当業者が本開示を作製または使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正が当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。本開示全体を通じて、「実施例」または「例示的」という用語は、実施例または例を示し、記載の実施例に対する何らかの選好を含意または要求するものではない。したがって、本開示は、本明細書で説明した実施例および設計に限定されるべきではなく、本明細書で開示される原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲が与えられるべきである。