JP2016527171A - カーボンナノチューブを洗浄するための方法並びにカーボンナノチューブ基材及びその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、カーボンナノチューブ基材を提供するステップと、酸によりカーボンナノチューブ基材を第1洗浄するステップと、溶液によりカーボンナノチューブ基材を第2洗浄するステップとを含むカーボンナノチューブを洗浄するための方法に関する。ここで、溶液は、異なるタイプの酸の酸基陰イオンのうちの少なくとも1つの置換陰イオンを有し、溶液中の置換陰イオンの物質量の割合は、酸の酸基陰イオンに対応する溶液中の陰イオンの物質量の割合よりも大きい。さらに本発明は、このような方法によって得ることができるカーボンナノチューブ基材にも関する。
Description
本発明は、カーボンナノチューブを洗浄するための方法に関する。さらに本発明は、この方法によって得ることができるカーボンナノチューブ基材及びその使用にも関する。
先行技術によれば、カーボンナノチューブは主に、1〜100nmの範囲の直径及び直径の倍数の長さを有する円筒形のカーボンチューブである。これらのチューブは、整列した炭素原子の1つ又は複数の層からなり、さまざまな形態を有するコアを有する。これらのカーボンナノチューブは、例えば、「カーボンフィブリル」又は「中空炭素繊維」とも呼ばれる。
カーボンナノチューブは、技術文献において長い間知られてきた。Iijima(刊行物:S.Iijima,Nature 354,56−58,1991)が一般にカーボンナノチューブ(略してナノチューブ又はCNTとも呼ばれる。)の発見者だとされているが、これらの材料、特に複数のグラフェン層を有する繊維状の黒鉛材料は、1970年代又は1980年代初期には知られていた。Tates及びBaker(英国特許第1469930号明細書、1977及び欧州特許出願公開第0056004号明細書、1982)が、炭化水素の触媒分解による非常に細かい繊維状の炭素の堆積について最初に記述した。しかし、短鎖炭化水素に基づいて生産されたカーボンフィラメントは、それらの直径に関してさらに詳細には特徴づけられていない。
100nm未満の直径を有するカーボンナノチューブの生産は、欧州特許第205556号明細書又は国際公開第86/03455号に初めて記述された。これらのカーボンナノチューブは、軽質(すなわち、短鎖及び中鎖の脂肪族或いは単環式又は二環式の芳香族)炭化水素、及び800〜900℃を上回る温度で炭素担体化合物を分解する鉄ベースの触媒を用いて生産された。
今日知られている、カーボンナノチューブを生産するための方法は、電気アークプロセス、レーザーアブレーションプロセス及び触媒プロセスを包含する。これらプロセスの多くにおいて、カーボンブラック、アモルファスカーボン及び大きな直径を有する繊維が副生成物として生成される。触媒プロセスのうち、導入された触媒粒子上への堆積と、その場で生成され、ナノメートルの範囲の直径を有する金属部位上への堆積(フロープロセスとして知られる。)とを区別することができる。反応条件下で気体の炭化水素からの炭素の触媒堆積を介した生産経路(以下、CCVD;触媒的炭素蒸着と呼ぶ。)において、アセチレン、メタン、エタン、エチレン、ブタン、ブテン、ブタジエン、ベンゼン、及び別の炭素含有出発材料が可能性のある炭素供与体として挙げられている。
触媒は一般に、金属、金属酸化物或いは分解可能又は還元可能な金属成分を含む。例えば、Fe、Mo、Ni、V、Mn、Sn、Co、Cu及び他の金属が、論点となる触媒の金属として先行技術に挙げられている。個々の金属は通常、単独でも、ナノチューブの生成を触媒する傾向があるが、先行技術によれば、前述の金属の組み合わせを含む金属触媒を用いて、高収率のナノチューブ及び少量のアモルファスカーボンが有利に得られる。
特に有利な触媒系は、先行技術によれば、Fe、Co又はNiを含む組み合わせに基づく。カーボンナノチューブの生成及び生成されるチューブの特性は、触媒として用いられる金属成分又は金属成分の組み合わせ、用いられる担持材料及び触媒と担体との相互作用、供給ガス及び供給ガスの分圧、水素又は別のガスの添加、反応温度及び滞留時間及び用いられる反応器に複雑に依存する。工業的なプロセスには最適化が特に課題である。
CCVDにおいて用いられ、触媒と呼ばれる金属成分は、合成プロセスの過程で消費されることに留意されたい。この消費は、例えば、粒子全体の上に炭素が堆積(これは、粒子を完全に被覆することにつながり、「エンキャッピング」として当業者に既知である。)した結果として、金属成分が不活性化することに起因する。再活性化は一般に不可能であるか、経済的に実現不可能である。多くの場合、触媒(この場合、用いられる担体及び(1又は複数の)活性のある触媒金属全体を含む。)1g当たり、最大で数グラムしかカーボンナノチューブは得られない。触媒の示した消費、及び最終のカーボンナノチューブ生成物から触媒残渣を分離する費用のため、用いられる触媒に基づいて高収率のカーボンナノチューブが、触媒及びプロセスによって満たされるべき重要な要件である。
カーボンナノチューブの典型的な構造は、円筒型の構造(管状構造)である。円筒構造の場合、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)とマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)が区別される。これらを生産するための通例のプロセスは、例えば、電気アークプロセス(アーク放電)、レーザーアブレーション、気相からの化学蒸着(CVDプロセス)及び気相からの触媒的化学蒸着(CCVDプロセス)である。
このタイプの円筒形のカーボンナノチューブも同じく電気アークプロセスにより生産することができる。Iijima(Nature 354,1991,56−8)は、電気アークプロセスにより、巻かれて継ぎ目なく閉じた円筒を形成し、互いに入れ子になっている2つ以上のグラフェン層からなるカーボンチューブの生成について報告している。巻き上げ方向に応じて、炭素繊維の長軸に沿った炭素原子のキラル配置及びアキラル配置が可能である。
2つ以上の重ねられたグラフェン層からなる1つ又は複数のグラファイト層が巻いた構造を形成する巻物構造を有するカーボンナノチューブを、国際公開第2009/036877号に記載された方法により生産することができる。
カーボンナノチューブの別の既知の構造が、Milneらによる総説(Milne et al.Encyclopedia of Nanoscience and Nanotechnology,2003,Volume X,p.1−22;ISBN 1−58883−001−2)に記載されており、それらの構造は、「ヘリンボーン」構造、カップスタック構造及びスタック構造、バンブー構造及びプレートレット構造である。カーボンナノファイバーは、ポリアクリロニトリルのエレクトロスピニング及びその後の黒鉛化により同じく生産することができる(Jo et al.Macromolecular Research,2005,Volume 13,p.521−528)。
カーボンナノチューブが工業的及び技術的にますます重要になり、カーボンナノチューブ又はこれらから構成されるカーボンナノチューブ粉末の性質及び特性に関する要件も拡大してきている。したがって、例えば、高純度、又は後の使用で許容できる規定の不純物プロファイルを有するカーボンナノチューブ粉末が要求されている。
本発明において、不純物プロファイルは、さまざまな不純物、特にFe、Co、Mo、Niなどのさまざまな金属(又は金属イオン)及び硝酸塩、硫酸塩又は塩化物の陰イオンなどのさまざまな陰イオンの一連の限界値である。許容限界値は、使用及び不純物のタイプに応じて異なることがある。
不純物、特に金属のうち、CNTの内部の不純物(すなわち、これらの不純物はカーボンナノチューブの内部の中空の空間内に位置し、CNTのグラフェン層又はグラファイト層によって囲まれている(「エンキャップド」されている))と、CNTの外側に存在する不純物が区別されなければならない。カプセル化によって、CNT内部の金属は、溶媒、高分子などが近づくことができず、また、固定されている。したがって、これらの囲まれた金属ラジカルは相互に作用できず、ほとんどの用途において、どのような悪影響も示さない。したがって、これらの金属ラジカルは許容され得、生成物内に残る。CNTの外側に位置する不純物については状況が異なり、例えば後者に付着する。これら外部の不純物は、溶媒又は高分子と接触することができて、それによって、分解及び高分子の劣化などの化学反応が引き起こされることがある。さらに、これら外部の不純物は強く固定されておらず、したがって、溶解したり、移動したりすることができる。したがって、不純物、特に、カーボンナノチューブの外側の不純物の排除又は量の低減が大きな関心事となっている。
さらに、窒素又はホウ素などの異種原子を炭素層にドーピングすることによりチューブの特性が改変された場合のドープされたカーボンナノチューブが一般的に関心事となっている。ドープされたカーボンナノチューブは、例えば、電極材料としてナノメートルの範囲にさらに小型化された電子回路、又は触媒における用途に有望な候補である。この文脈において、CNTの純度及び不純物プロファイルはまた、後の使用で重要な役割も果たす。
先行技術において、Oberlin、Endo及びKoyamaが、円筒形のカーボンナノチューブを生産する方法を記述している(Carbon 14,1976,133)。この文献では、ベンゼンなどの芳香族炭化水素を、噴流式反応器内で金属触媒を用いて約1100℃で反応させている。この場合、アモルファスカーボンの被覆で覆われたグラファイトコアを有するカーボンナノチューブが生成される。
炭化水素を、鉄含有触媒を用いて800〜1000℃を上回る温度で反応させるカーボンナノチューブを生産するための別の方法が、欧州特許出願公開第0205556号明細書(Hyperion Catalysis International)に記載されている。
ドープされたカーボンナノチューブを生産するための方法は、国際公開第2009/080204号により既知である。この方法において、窒素ドープされたカーボンナノチューブの触媒作用的な成長が流動床内で起きている。
前述の例において、触媒又はその残渣は一般に、(CNTの内部及び外側の)不純物として最終生成物に残る。
カーボンナノチューブの直径分布又はドーピングに関する特定の要件とは別に、特に潜在的に可能性のあるカーボンナノチューブの使用では、カーボンナノチューブの純度及び電気伝導率に関して特別な要件が課される。例えば、エレクトロニクス分野、例えば、充電式リチウムイオンバッテリー又は電子回路、及びこのような回路の包装の生産におけるカーボンナノチューブの使用には、カーボンナノチューブの非常に高い純度及び良好な電気伝導率が必要である。
本発明において高純度とは、それぞれの用途に用いられるカーボンナノチューブ基材が、ごく少量の異物、例えば触媒残渣、陰イオン又は陽イオンのみをCNTの外側に含むことを意味する。
先行技術において、カーボンナノチューブの純度は、生産プロセスの後、カーボンナノチューブ基材内に残る触媒残渣を気化させるために、非常に高い、特に2000℃を超える温度で処理することにより改善される。このプロセスにおいて、CNTの外部の不純物と内部の金属残渣の両方を低減又は排除することができる。しかし、このプロセスは技術的に複雑で費用がかかる。CNTの洗浄は、水性の酸及び/又は脱イオン水を用いる洗浄によってさらに頻繁に行われる。カーボンナノチューブを汚染する特定の不純物、すなわち、金属残渣、特にカーボンナノチューブの合成において用いられる触媒の金属残渣で、CNTの外側に位置するものは、技術的に簡単な方法で洗浄によって非常によく取り除くことができることが明らかになっている。
前述の洗浄操作において、希硝酸、希塩酸又は希硫酸などの酸が用いられる。これらの酸は安価であり、したがって、経済的な理由で工業的な洗浄プロセスに有利である。さらに、フッ化水素酸も用いられてきたが、この酸ははるかに高価で、取り扱いがより難しく、一部の金属フッ化物はフッ化水素酸に少ししか溶けない。クエン酸、酢酸、シュウ酸及び同様の酸などの有機酸の使用も同じく既知であるが、これらの酸の場合、反応時間がさらに長いことが多く、金属塩の溶解性もさらに低いことが多い。
しかし、このようにして洗浄されたカーボンナノチューブの純度が、特定の用途、特に電子的及び電気化学的用途には依然として満足のいくものではないことも明らかになっている。
カーボンナノチューブの計画された使用に応じて、特定の物質による汚染は、他の物質による汚染よりも問題となることがある。この理由により、異なる用途に対する適切な特性プロファイルは、それに応じて異なる限界値を有することがある。例えば、充電式リチウムイオンバッテリーの生産において、塩化物イオンは大きな問題となる一方、リチウムイオン又はフッ化物イオンは、どのような場合でも電解質中で用いられるため問題がない。したがって、これらの用途のカーボンナノチューブの不純物プロファイルは通常、リチウムイオン又はフッ化物イオンの限界値よりも低い塩化物イオンの限界値を有する。
この理由により、特定の用途に必要なカーボンナノチューブの純度は、したがって、一般に、全体として非常に少ない量の異物ではなく、それぞれの用途において支障をきたす非常に少ない量の特定の異物である。したがって、純度は、用途によって決まる、CNTの外側にある異物の適切な不純物プロファイルの点から決定される。
S.Iijima,Nature,354,56−58,1991
Milne et al.Encyclopedia of Nanoscience and Nanotechnology,2003,Volume X,p.1−22
Jo et al.Macromolecular Research,2005,Volume 13,p.521−528
Carbon,14,1976,133
この先行技術から進めて、本発明の目的は、カーボンナノチューブを洗浄するための方法を提供することであり、これにより、高純度を有する、又はCNTの外側に存在する異物の規定の不純物プロファイルを有するカーボンナノチューブ基材が安価に入手可能になる。さらに、本発明の目的は、高純度を有する、又は規定の不純物プロファイルを有する対応カーボンナノチューブ基材及びこの使用を提供することである。
本発明によれば、この目的は、カーボンナノチューブを洗浄するための方法によって少なくとも部分的に達成され、この方法は以下のステップを含む:
a)カーボンナノチューブ基材を提供するステップと、
b)少なくとも1つの種類の酸陰イオンA1を有する酸、特に水性の酸でカーボンナノチューブ基材を第1洗浄するステップと、
b2)ステップb)の生成物を添加剤なしの溶媒で中間洗浄する任意のステップと、
c)溶液でカーボンナノチューブ基材を第2洗浄するステップであって、溶液が、ステップb)の酸の酸陰イオンA1とは異なる少なくとも1つの種類の置換陰イオンA2を含み、溶液中における置換陰イオンA2のモル分率が同じ溶液中における酸陰イオンA1のモル分率よりも大きいステップと、
c2)ステップc)の生成物を添加剤なしの溶媒でさらに洗浄する任意のステップと、
d)洗浄したカーボンナノチューブを単離するステップ。
a)カーボンナノチューブ基材を提供するステップと、
b)少なくとも1つの種類の酸陰イオンA1を有する酸、特に水性の酸でカーボンナノチューブ基材を第1洗浄するステップと、
b2)ステップb)の生成物を添加剤なしの溶媒で中間洗浄する任意のステップと、
c)溶液でカーボンナノチューブ基材を第2洗浄するステップであって、溶液が、ステップb)の酸の酸陰イオンA1とは異なる少なくとも1つの種類の置換陰イオンA2を含み、溶液中における置換陰イオンA2のモル分率が同じ溶液中における酸陰イオンA1のモル分率よりも大きいステップと、
c2)ステップc)の生成物を添加剤なしの溶媒でさらに洗浄する任意のステップと、
d)洗浄したカーボンナノチューブを単離するステップ。
本発明の文脈において、一部の電子機器用途には不十分なカーボンナノチューブの純度は、主に、一部の工業的な用途に支障をきたす、かなり高い陰イオン濃度、特に硝酸イオン、塩化物イオン又は硫酸イオンの量を有する、先行技術により既知の洗浄プロセスによって洗浄されたカーボンナノチューブ基材に起因することが明らかになっている。
実験では、酸での洗浄(ステップb)により、カーボンナノチューブ基材から金属又は金属イオンを非常に効果的に取り除くことができるが、陰イオン濃度、特に硝酸イオン、塩化物イオン又は硫酸イオンの濃度は、任意選択のステップb2)の場合のように脱イオン水で繰り返し洗浄しても不十分にしか取り除くことができないことが示された。脱イオン水での追加の洗浄又は異なる温度での洗浄によって、陰イオン濃度をある程度さらに低減することができたが、大幅に低い残渣含有量、例えば、約1000ppmの塩化物のような含有量までは低減することはできなかった。しかし、これらの残留陰イオン含有量は、それに関連する二次反応のために、エレクトロニクスの分野及び充電式リチウムイオンバッテリーの生産における繊細な用途並びに他の電気化学的用途には依然として高すぎることが明らかになっている。
一方、本発明の前述の方法によって、金属イオン濃度が低いだけでなく、酸での第1洗浄(ステップb)に由来する、それぞれの用途において支障をきたす陰イオン、特に硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンの濃度が低いカーボンナノチューブ基材を提供することができる。
本発明の文脈において、置換陰イオンを含む溶液で第2洗浄c)することによって、特定の用途で問題になりにくい、又は問題のない他の陰イオン(A2)でこれらの陰イオン(A1)を置換することにより、カーボンナノチューブ基材における特定の用途には不利な陰イオンの濃度を低減できることが認識されている。充電式リチウムイオンバッテリーの生産に用いられるカーボンナノチューブ基材の場合、例えば、問題となる塩化物イオンは、このようにして問題のないフッ化物イオンで置換することができる。
実験では、酸の酸陰イオンA1とは異なる種類の置換陰イオンA2を含む溶液での第2洗浄(ステップc)(ここで、溶液中の置換陰イオンA2のモル分率は、同じ溶液中の酸陰イオンA1のモル分率よりも大きい。)によって、第1洗浄b)後にカーボンナノチューブ基材内に残留する酸陰イオンA1(特に、Cl−、SO4 2−、NO3 −)を大幅に低減させることができることが示された。
溶液中の置換陰イオンA2のさらに高いモル分率の結果、少なくとも一部の支障をきたす酸陰イオンA1が酸陰イオンとは異なる置換陰イオンで置換される陰イオン交換が、第2洗浄c)の間にカーボンナノチューブ基材内で起こり得る。このようにして、カーボンナノチューブ基材内の支障をきたす酸陰イオンの濃度を、目標を定めて低減させることができる。置換陰イオンとして用いられることが好ましいカーボンナノチューブの計画された使用には重要ではない種類の陰イオンなので、カーボンナノチューブ基材内の置換陰イオンの濃度が同時に上昇することによる悪影響はない。
置換陰イオンとして、1つ又は複数のタイプの陰イオンを用いることが可能である。置換陰イオンの好ましい例は、フッ化物イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロボレート、クエン酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、水酸化物イオン又はこれらの混合物である。提供される溶液中の置換陰イオンA2のモル分率(1つを超える種類の置換陰イオンの場合:さまざまな種類の置換陰イオンの累積モル分率)は、同じ溶液中の酸陰イオンに対応する陰イオンA1のモル分率(1つを超える種類の酸陰イオンの場合:さまざまな酸陰イオンに対応する陰イオンの累積モル分率)よりも高い。この結果、カーボンナノチューブ基材内の酸陰イオンA1の全濃度は、第2洗浄の間に低減する。
第2洗浄c)のための溶液は、好ましくは、避けられない不純物を超えない濃度、特にモル分率で100000ppm未満、特に10000ppm未満、特に好ましくは1000ppm未満の酸陰イオンに対応する陰イオンA1を含む。このようにして、酸陰イオンの濃度のより大きな低減を第2洗浄c)で達成できる。
上記溶液を用いた第2洗浄(ステップc)は、記載された方法において、酸を用いた第1洗浄(ステップb)の後にのみ行われる。このようにして、金属イオンは、第1洗浄において、まず大部分が、例えば、全濃度で2000ppm未満、好ましくは1000ppm未満まで、そして、金属イオンの種類当たりでは好ましくは200ppm未満までカーボンナノチューブから取り除かれ、その結果、その後の第2洗浄c)の間、例えば、フッ化物、水酸化物、酸化物などの形態の金属塩の沈殿、したがってカーボンナノチューブ基材の新たな汚染は好ましくは生じず、また、多くてもごくわずかしか生じない。
上記方法の好ましい実施形態において、ステップc)のための溶液中における陰イオンA1及びA2全体に基づく置換陰イオンA2のモル分率は、50mol%を超え、好ましくは70mol%を超え、より好ましくは90mol%を超え、特に95mol%を超える。さらに高いモル分率の置換陰イオンの結果、カーボンナノチューブ基材内の酸陰イオンをさらに多く置換することができる。特に、90mol%を超え、特に95mol%を超える置換陰イオンA2のモル分率は、実験において非常に良好な結果につながった。
第2洗浄c)は一般に、酸、塩基又は塩溶液により、又は緩衝溶液により行うことができる。
上記方法のさらに好ましい実施形態において、アルカリ溶液又は塩溶液が第2洗浄c)の溶液として用いられる。酸陰イオンA1の置換は、アルカリ溶液又は塩溶液での第2洗浄によって引き起こすことができることが明らかになっている。
酸での第2洗浄において、この酸の酸陰イオンは、第1洗浄後のカーボンナノチューブ基材内に存在する酸陰イオンを置換するための置換陰イオンを生成する。第2洗浄c)に用いられる酸の組成は、第1洗浄b)に用いられる酸の組成とは異なる。第1洗浄b)の酸は、金属イオンを取り除くために最適化することができる一方、第2洗浄c)の酸は、カーボンナノチューブの計画された使用に問題のない性質の酸陰イオンを意図して選択することができる。
アルカリ溶液での第2洗浄c)において、水酸化物イオン(例えば、任意には、塩基性化合物の場合、炭酸イオン又は炭酸水素イオンでもよい。)は、第1洗浄後にカーボンナノチューブ基材内に存在する酸陰イオンA1を置換するための置換陰イオンA2を表す。塩での第2洗浄の場合、溶液中で解離した塩の陰イオンは、第1洗浄後にカーボンナノチューブ基材内に存在する酸陰イオンA1を置換するための置換陰イオンA2を表す。
第2洗浄において、カーボンナノチューブ基材内で、重量で少なくとも50%、好ましくは重量で少なくとも70%、特に重量で少なくとも90%の酸陰イオンA1が低減され、且つ/又は置換陰イオンA2で置換されることが好ましい。
上記方法の別の実施形態において、第2洗浄c)の溶液は、フッ化物含有又はフッ素含有陰イオン、リン含有又はホウ素含有陰イオン、特にフッ化物イオン又はヘキサフルオロリン酸イオン、有機酸の陰イオン、特にカルボン酸イオン、好ましくはクエン酸イオン、シュウ酸イオン、酢酸イオン及びギ酸イオン又はこれらの混合物の群からの少なくとも1つの種類の置換陰イオンA2を含む。特に、カーボンナノチューブ基材内の塩化物イオンの濃度をこれらの陰イオンにより大幅に低減できることが明らかになっている。対応する水酸化物イオン含有溶液が用いられるとき、あらかじめ水性の酸で洗浄されたカーボンナノチューブ基材内の陰イオン、特にNO3 −、Cl−及び/又はSO4 2−を大幅に低減させることができる。これらの溶液を用いるとき、カーボンナノチューブ基材内の全酸陰イオン濃度A1を900ppm未満、特に500ppm未満、さらには200ppm未満にすることができて、又は少なくとも、塩化物など、支障をきたす陰イオンを重量で50%を超える程度まで置換することができた。
上記方法の別の実施形態において、第2洗浄c)の溶液は、アンモニウム化合物の陽イオン、例えば、アンモニウム陽イオン、アルキル置換及びアリール置換アンモニウムの陽イオン、及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の陽イオン、特にリチウム、ナトリウム、カリウム又はバリウムの陽イオン、及びこれらの混合物の群からの少なくとも1つの種類の陽イオンを含む。アルカリ溶液又は塩での第2洗浄において、カーボンナノチューブの計画された使用に問題のない陽イオン、特に前述の陽イオンは、好ましくは、アルカリ溶液又は塩の陽イオンとして選択される。このようにして、第2洗浄c)において、問題となる陽イオンによるカーボンナノチューブ基材の汚染は防ぐことができる。特に、第1洗浄b)においてカーボンナノチューブ基材から取り除かれた陽イオンの濃度が再び上昇することを防ぐことが可能である。
ステップc)の洗浄溶液に特に好ましい塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の、好ましくはLi、Na、K又はバリウム並びにアンモニウム又はアルキル置換及び/又はアリール置換アンモニウムのフッ化物、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩…である。フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化水素ナトリウム及びフッ化水素カリウムが特に非常に好ましい。
上記方法の別の実施形態において、水、アルコール、エーテル、ケトン、ニトリル、アミド、ハロゲン化化合物及びエステル、特に水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メトキシプロピル、トリクロロメタン、トリクロロエチレン及び/又はテトラクロロメタン或いはこれらの混合物の群からの少なくとも1つの溶媒が、第1洗浄b)及び/又は第2洗浄c)の溶媒として用いられ、洗浄ステップb2)及びc2)の溶媒として用いられてもよい。特に第2洗浄c)において塩溶液を用いるとき、塩化合物の溶解性に応じて、非水溶媒が必要になることがある。しかし、コスト、安全及び環境保護の理由で、水が特に好ましい溶媒である。添加剤なしの溶媒は、特に前述の群から選択される溶媒であるが、この溶媒は、単独で、或いは塩、酸又はアルカリなどの別の添加剤が加えられていない他の溶媒との混合物で用いられる。
上記方法の別の実施形態において、アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物水溶液、特に水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液、水酸化カリウム(KOH)水溶液、水酸化リチウム溶液又はこれらの混合物が第2洗浄c)の溶液として用いられる。実験においてこれらのアルカリを用いるとき、酸陰イオン濃度を900ppm未満、特に500ppm未満、さらには200ppm未満にすることができて、又は少なくとも、塩化物など、支障をきたす陰イオンを重量で50%を超える程度まで置換することができた。
上記方法の別の実施形態において、第2洗浄c)の溶液は、0.0001〜10mol/l、好ましくは0.001〜1mol/lのモル濃度を有する。さらに低い陽イオン又は陰イオン濃度では、陰イオンの置換反応は時間がかかりすぎるか、又は不満足な程度しか進まない。さらに高い陽イオン又は陰イオン濃度では、上記方法は(例えば、塩溶液の場合は塩のコストにより)経済性が不十分であり、後洗浄は多大な時間、水又は溶媒及びエネルギーを消費する。
前述の方法の別の実施形態において、水性の有機酸又は鉱酸、好ましくは塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液又はこれらの混合物が第1洗浄b)の酸として用いられる。硫酸又は硝酸など、潜在的に酸化性の酸を用いるとき、第1に触媒残渣の溶解が許容される時間枠内で起こり、第2にカーボンナノチューブが酸化されないように、水での希釈が好ましくは選択される。カーボンナノチューブの酸化を避けるために、酸濃度は、硝酸を用いるときは特に重量で15%未満、硫酸の場合は特に重量で50%未満である。これらの濃度では、第1洗浄b)を室温でも許容される時間内に行うことができる。
実験では、カーボンナノチューブ基材内の金属イオンを前述の酸での第1洗浄により実質的に完全に取り除くことができることが示され、したがって、金属塩又は酸化物又は水酸化物、例えば、酸化コバルト、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化マンガン又は酸化マグネシウムの沈殿が水溶液での第2洗浄の間に生じることはない。
上記方法の別の実施形態において、重量で>1%、好ましくは重量で>5%、特に好ましくは重量で>10%の濃度を有する水性の酸が第1洗浄b)の酸として用いられる。酸の濃度がさらに低い場合、金属化合物を溶解するための反応時間が長くなりすぎて、経済的に実現不可能である。酸化性の酸の場合、濃度は好ましくは技術的及び経済的に実現可能なほど低い。酸化性の酸の場合、洗浄温度及び時間に応じて、重量で<50%、好ましくは重量で<30%、特に重量で<15%の濃度を指針として用いることができる。酸化性の酸の場合、酸がさらに高い濃度を有する場合、望ましくない二次反応、例えば、カーボンナノチューブの酸化が起こる可能性があり、且つ/又は脱イオン水での中和は、不必要に多くの洗浄ステップが必要になり、したがって、時間及び水又は溶媒が必要になる。
上記方法の別の実施形態において、カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブ基材内で凝集した形態で存在する。凝集塊は好ましくは、0.01mm〜10mm、好ましくは0.05mm〜6mm、特に好ましくは0.1mm〜2mmの平均径を有する。凝集塊が10mmよりも大きい場合、凝集塊はあまりにも速く崩れる可能性があり、微粉が緻密になって高密度の濾過ケーク又は固体の沈殿物を形成する可能性がある。凝集塊の直径が小さすぎる場合、固体の沈殿物又は高密度の濾過ケークが同じく形成される可能性がある。この場合、物質移動が、例えば洗浄の間又は中和の間、大きく妨げられ、上記方法が完了するまで進まないか、又は上記方法にさらに多くの時間を必要とする。
上記方法の別の実施形態において、第1洗浄後又は第2洗浄前のカーボンナノチューブ基材内の全金属イオン濃度は、2000ppm未満、好ましくは1000ppm未満、特に500ppm未満であり、且つ/又は、各タイプの金属イオンは、200ppm未満、特に100ppm未満である。このようにして、第2洗浄の間の金属塩の沈殿は、大部分を防ぐことができ、したがって、第2洗浄c)後のカーボンナノチューブ基材内の金属塩濃度は、それに対応して、2000ppm未満、好ましくは1000ppm未満、特に500ppm未満の低濃度であり、且つ/又は、各タイプの金属イオンは、200ppm未満、特に100ppm未満である。
上記方法の別の実施形態において、方法は、第1洗浄b)と第2洗浄c)の間の中間洗浄ステップb2)及び/又は第2洗浄後の第3洗浄ステップc2)を含み、ここで、中間洗浄b2)又は第3洗浄c2)は、好ましくは、pH中性溶液、特に脱イオン水を用いて行われる。第3洗浄c2)及び/又は中間洗浄b2)は、過剰な酸、アルカリ及び/又は塩の残留物をカーボンナノチューブ基材から取り除くことができ、したがって、高純度を有するカーボンナノチューブ基材を提供することができる。可能性のある溶媒は特に、第1及び第2洗浄c)の上述の溶媒である。取り除かれる塩化合物の溶解性に応じて、非水溶媒が必要になることがあるが、水が好ましい。
上記方法の別の実施形態において、カーボンナノチューブ基材は、第2洗浄c)後及び/又は第3洗浄c2)後に乾燥ステップにおいて乾燥される。このようにして、溶媒残留物をカーボンナノチューブ基材から取り除くことができる。
上記方法の別の実施形態において、第1洗浄(ステップb)は、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも65℃、特に少なくとも90℃の温度で行われる。さらに低い温度では、カーボンナノチューブ基材内の金属化合物を溶解するための反応時間が長くなりすぎ、その結果、総洗浄時間が長くなりすぎ、したがって経済的に実現可能でなくなる。第1洗浄b)の温度に対する上限は、洗浄に用いられる溶液の沸点によって決まる。
上記方法の別の実施形態において、第1洗浄b)は大気圧下で行われるが、その理由は、作業ステップを経済的に行えるようになるからである。上記方法の代替の実施形態において、第1洗浄b)は超大気圧、すなわち1バールを超える圧力で行われる。このようにして、洗浄に用いられる溶液の沸点、したがって、洗浄温度を上昇させることが可能である。このようにして、反応時間は短縮され、したがって、短い洗浄時間が可能性になる。
第2洗浄c)及び/又は第3洗浄c2)及び/又は中間洗浄b2)は、好ましくは、0℃を超える温度で行われる。経済的な理由で、これらの洗浄ステップは特に、周囲温度で行うことができる。
工程の別の実施形態において、金属化合物を取り除くための第1洗浄(ステップb)は、0.25時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間、特に好ましくは2時間〜8時間の時間行われる。さらに短い洗浄時間では、特に0.25時間未満の洗浄時間では、カーボンナノチューブ基材内の触媒残渣が不完全にしか溶解せず、したがって、洗浄されたカーボンナノチューブ基材内に大量の不純物が残る。洗浄時間が長すぎる場合、工程は経済的に実現可能でない。
前述の目的は、本発明によれば、前述の方法のうちの1つによって得ることができるカーボンナノチューブ基材によっても少なくとも部分的に達成され、ここで、カーボンナノチューブ基材内の硝酸イオン、塩化物イオン及び/又は硫酸イオンの濃度は、それぞれの場合において、900ppm未満、好ましくは500ppm未満、特に200ppm未満である。特に、前述の方法によって、金属イオン濃度が低いだけでなく、一部の用途において支障をきたす陰イオンの濃度も特に低いカーボンナノチューブ基材を提供することができることが認識されている。さらに、カーボンナノチューブ基材は、好ましくは、2000ppm未満、好ましくは1000ppm未満の全金属イオン濃度を有し、且つ/又は、個々の種類の金属イオンに基づくと、200ppm未満、好ましくは100ppm未満である。
前述の目的は、本発明によれば、電子部品の包装又は輸送材料のための複合材を生産するための、又はバッテリー、特に充電式リチウムイオンバッテリーを生産するための、電気化学的なプロセスのための電極を生産するための、又は燃料電池を生産するための、上述のカーボンナノチューブ基材のうちの1つの使用によっても少なくとも部分的に達成される。前述の方法により得ることができるカーボンナノチューブ基材は、電子部品の包装又は輸送材料のための複合材の生産、又はバッテリー、特に充電式リチウムイオンバッテリー、電極及び燃料電池の生産に関する、カーボンナノチューブが満たさなければならない要求が厳しい要件を満たす純度又は不純物プロファイルを有する。したがって、これらのカーボンナノチューブ基材は、前述の用途に特に有用である。
本発明の別の利点及び特徴は、例示的な実施形態の以下の説明から得ることができる。
本発明の特性を示すために、本発明の例示的な実施形態及び比較例にしたがって一連の実験を行った。これらを以下で説明する。
市販のカーボンナノチューブ(Baytubes(登録商標)C 150 P、メーカーはBayer MaterialScience AG)を実験用のカーボンナノチューブ基材として用いた。このカーボンナノチューブ材料は、生産された状態で販売されており、すなわち、予備洗浄されておらず、カーボンナノチューブ材料中に残る生産工程からの触媒残渣を含む。用いたBaytubes(登録商標)C 150 Pについては、純度は関連するデータシートに重量で>95%と表示されている。Baytubes(登録商標)C 150 Pカーボンナノチューブ基材の分析により、以下の不純物が示された:Co 2200ppm、Mn 2500ppm、Al 1800ppm、Mg 2200ppm。ハロゲン及び硫黄並びに硝酸塩は検出不可能であり、すなわち、少なくとも5ppm未満の割合で存在していた。
可溶な金属及び陽イオンの含有量を以下の通り測定した:カーボンナノチューブ粉末のサンプルを、0.8N硝酸水溶液を用いて70℃、4時間で抽出した。得られた抽出物の金属イオン濃度を原子発光法により測定し、用いたカーボンナノチューブ粉末に戻して換算した。
硫酸イオンの含有量を以下の通り測定した:カーボンナノチューブ粉末(power)のサンプルを、0.8N硝酸水溶液を用いて70℃、4時間で抽出した。得られた抽出物の硫酸イオン濃度を原子発光法により硫黄として測定し、用いたカーボンナノチューブ粉末に戻して換算した。
塩化物イオンの含有量を以下の通り測定した:カーボンナノチューブ粉末のサンプルを、0.8N硝酸水溶液を用いて70℃、4時間で抽出した。得られた抽出物の塩化物イオン濃度を滴定により測定し、用いたカーボンナノチューブ粉末に戻して換算した。
フッ化物イオンの含有量を以下の通り測定した。カーボンナノチューブ粉末のサンプルを、0.8N硝酸水溶液を用いて70℃、4時間で抽出した。得られた抽出物のフッ化物イオン濃度をイオン選択性電極により測定し、用いたカーボンナノチューブ粉末に戻して換算した。
硝酸イオンの含有量を以下の通り測定した:カーボンナノチューブ粉末のサンプルをアルカリ性水溶液(pH10〜11)を用いて超音波浴中で10分間溶出させ、得られた溶出液中の硝酸イオン濃度を、イオンクロマトグラフィーにより測定し、用いたカーボンナノチューブ粉末に戻して換算した。
[実施例]
[実施例1]
20gのカーボンナノチューブ粉末を、重量で10%強度の塩酸水溶液100mlを用いて70℃、4時間で抽出した。続いて、カーボンナノチューブ粉末を濾過して取り出し、濾液がpH>6を示すまで脱イオン水で洗浄した。以下で説明する異なるプロセス経路a)〜h)により、本発明による方法及び本発明によらない方法の両方で更なる処理を行った:
a)本発明によらない方法:残留水分が重量で<0.3%になるまで粉末を100℃で乾燥して分析した。分析により以下の結果を得た:Co 27ppm、Mn 25ppm、Al 87ppm、Mg 30ppm及びCl 960ppm。
[実施例1]
20gのカーボンナノチューブ粉末を、重量で10%強度の塩酸水溶液100mlを用いて70℃、4時間で抽出した。続いて、カーボンナノチューブ粉末を濾過して取り出し、濾液がpH>6を示すまで脱イオン水で洗浄した。以下で説明する異なるプロセス経路a)〜h)により、本発明による方法及び本発明によらない方法の両方で更なる処理を行った:
a)本発明によらない方法:残留水分が重量で<0.3%になるまで粉末を100℃で乾燥して分析した。分析により以下の結果を得た:Co 27ppm、Mn 25ppm、Al 87ppm、Mg 30ppm及びCl 960ppm。
b)本発明によらない方法:1a)の粉末1gを、100mlの脱イオン水を用いて室温で10分間、4回溶出させ、濾過し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により以下の結果を得た:920ppmの塩化物。
c)本発明による方法:実験1a)の粉末1gを、乾燥後、重量で0.1%強度の水酸化ナトリウム溶液20mlを用いて室温で10分間溶出させ、続いて、濾液がpH<8になるように100mlの脱イオン水で3回洗浄した。粉末を濾過して取り出し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、145ppmの塩化物及び13ppmのナトリウムが示された。
d)本発明による方法:実験1a)の粉末1gを、乾燥後、重量で0.1%強度の水酸化カリウム溶液20mlを用いて室温で10分間溶出させ、続いて、濾液がpH<8になるように100mlの脱イオン水で3回洗浄した。粉末を濾過して取り出し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、390ppmの塩化物及び10ppmのカリウムが示された。
e)本発明による方法:実験1a)の粉末1gを、乾燥後、重量で0.1%強度の水酸化リチウム溶液20mlを用いて室温で10分間溶出させ、続いて、濾液がpH<8になるように100mlの脱イオン水で3回洗浄した。粉末を濾過して取り出し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、280ppmの塩化物及び9ppmのリチウムが示された。
f)本発明による方法:実験1a)の粉末1gを、乾燥後、重量で1%強度のクエン酸溶液100mlを用いて室温で10分間溶出させ、続いて、濾液がpH>6になるように100mlの脱イオン水で3回洗浄した。粉末を濾過して取り出し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、300ppmの塩化物が示された。
g)本発明による方法:実験1a)の粉末1gを、乾燥後、重量で1%強度のフッ化カリウム溶液100mlを用いて室温で10分間溶出させ、続いて、濾液がpH<8になるように100mlの脱イオン水で3回洗浄した。粉末を濾過して取り出し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、300ppmの塩化物及び400ppmのフッ化物が示された。
h)本発明による方法:実験1a)の粉末1gを、乾燥後、重量で1%強度のヘキサフルオロリン酸カリウム溶液100mlを用いて室温で10分間溶出させ、続いて、濾液がpH<8になるように100mlの脱イオン水で3回洗浄した。粉末を濾過して取り出し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、400ppmの塩化物及び1500ppmのフッ素(ヘキサフルオロリン酸塩として)が示された。
[実施例2]
20gのカーボンナノチューブ粉末を、重量で5%強度の硫酸水溶液150mlを用いて70℃、4時間で抽出した。続いて、CNT粉末を濾過して取り出し、濾液がpH>6を示すまで脱イオン水で洗浄した。以下で説明するさまざまな経路a)〜c)により、本発明による方法及び本発明によらない方法の両方で更なる処理を行った:
a)本発明によらない方法:残留水分が重量で<0.3%になるまで粉末を100℃で乾燥して分析した。分析により以下の結果を得た:Co 28ppm、Mn 30ppm、Al 110ppm、Mg 33ppm及びS 870ppm(2610ppmの硫酸塩)。
20gのカーボンナノチューブ粉末を、重量で5%強度の硫酸水溶液150mlを用いて70℃、4時間で抽出した。続いて、CNT粉末を濾過して取り出し、濾液がpH>6を示すまで脱イオン水で洗浄した。以下で説明するさまざまな経路a)〜c)により、本発明による方法及び本発明によらない方法の両方で更なる処理を行った:
a)本発明によらない方法:残留水分が重量で<0.3%になるまで粉末を100℃で乾燥して分析した。分析により以下の結果を得た:Co 28ppm、Mn 30ppm、Al 110ppm、Mg 33ppm及びS 870ppm(2610ppmの硫酸塩)。
b)本発明によらない方法:実験2a)の粉末1gを、100mlの脱イオン水を用いて室温で10分間、4回溶出させ、濾過し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、790ppmの硫黄(2370ppmの硫酸塩)が示された。
c)本発明による方法:実験2a)の粉末1gを、乾燥後、重量で0.1%強度の水酸化ナトリウム溶液2×20mlを用いて室温で10分間溶出させ、続いて、濾液がpH<8になるように100mlの脱イオン水で3回洗浄した。粉末を濾過して取り出し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、63ppmの硫黄(189ppmの硫酸塩)及び50ppmのナトリウムが示された。
[実施例3]
20gのカーボンナノチューブ粉末を、重量で5%強度の硝酸水溶液200mlを用いて70℃、4時間で抽出した。続いて、CNT粉末を濾過して取り出し、濾液がpH>6を示すまで脱イオン水で洗浄した。以下で説明するさまざまな経路a)〜c)により、本発明による方法及び本発明によらない方法の両方で更なる処理を行った:
a)本発明によらない方法:残留水分が重量で<0.3%になるまで粉末を100℃で乾燥して分析した。分析により以下の結果を得た:Co 61ppm、Mn 78ppm、Al 320ppm、Mg 86ppm及び硝酸塩1300ppm。
20gのカーボンナノチューブ粉末を、重量で5%強度の硝酸水溶液200mlを用いて70℃、4時間で抽出した。続いて、CNT粉末を濾過して取り出し、濾液がpH>6を示すまで脱イオン水で洗浄した。以下で説明するさまざまな経路a)〜c)により、本発明による方法及び本発明によらない方法の両方で更なる処理を行った:
a)本発明によらない方法:残留水分が重量で<0.3%になるまで粉末を100℃で乾燥して分析した。分析により以下の結果を得た:Co 61ppm、Mn 78ppm、Al 320ppm、Mg 86ppm及び硝酸塩1300ppm。
b)本発明によらない方法:実験3a)の粉末1gを、100mlの脱イオン水を用いて室温で10分間、4回溶出させ、濾過し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、1090ppmの硝酸塩が示された。
c)本発明による方法:実験3a)の粉末1gを、乾燥後、重量で0.1%強度の水酸化カリウム溶液20mlを用いて室温で10分間溶出させ、続いて、濾液がpH<8になるように100mlの脱イオン水で3回洗浄した。粉末を濾過して取り出し、残留水分が重量で<0.3%になるまで100℃で乾燥して分析した。分析により、490ppmの硝酸塩及び77ppmのカリウムが示された。
前述の実施例及び実験は、水性の酸を用いる第1洗浄b)及び前述の方法のうちの1つによる特定の水溶液を用いるその後の洗浄によって、高純度又は良好な不純物プロファイルを有するカーボンナノチューブ基材、すなわち、特に、一部の用途に不利な陰イオンのタイプに関して、金属イオン濃度が非常に低く、且つ陰イオン濃度が非常に低いカーボンナノチューブ基材を提供することができることを示している。特に、特定の電子機器用途に関する、例えば、充電式リチウムイオンバッテリーの生産における要求が厳しい純度要件を満たすカーボンナノチューブ基材がこのようにして得られた。
Claims (18)
- a)カーボンナノチューブ基材を提供するステップと、
b)少なくとも1種類の酸陰イオンA1を有する酸、特に水性の酸で前記カーボンナノチューブ基材を第1洗浄するステップと、
b2)ステップb)の生成物を添加剤なしの溶媒で中間洗浄する任意のステップと、
c)溶液で前記カーボンナノチューブ基材を第2洗浄するステップであって、前記溶液が、ステップb)の酸の酸陰イオンA1とは異なる少なくとも1種類の置換陰イオンA2を含み、前記溶液中における前記置換陰イオンA2のモル分率が同一の溶液中における酸陰イオンA1のモル分率よりも大きいステップと、
c2)ステップc)の生成物を添加剤なしの溶媒でさらに洗浄する任意のステップと、
d)洗浄したカーボンナノチューブを単離するステップとを少なくとも含むカーボンナノチューブを洗浄するための方法。 - ステップc)の前記溶液中における前記陰イオンA1及びA2全体に基づく前記置換陰イオンA2のモル分率が、50mol%を超え、好ましくは70mol%を超え、より好ましくは90mol%を超え、特には95mol%を超えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- アルカリ溶液又は塩溶液が、ステップc)における第2洗浄の溶液として用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記第2洗浄c)の溶液が、フッ化物含有又はフッ素含有陰イオン、リン含有又はホウ素含有陰イオン、特にヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロボレート、炭酸イオン、炭酸水素イオン、有機酸の陰イオン、特にカルボン酸イオン、好ましくはクエン酸イオン、シュウ酸イオン、酢酸イオン及びギ酸イオン並びにこれらの混合物の群からの少なくとも1種類の置換陰イオンA2を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物水溶液、特に水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液、水酸化カリウム(KOH)水溶液、水酸化リチウム溶液又はこれらの混合物が、前記第2洗浄c)の溶液として用いられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2洗浄c)の溶液が、アンモニウム化合物の陽イオン、例えば、アンモニウム陽イオン、アルキル置換及び/又はアリール置換アンモニウム陽イオン、或いはアルカリ金属又はアルカリ土類金属陽イオン、特にリチウム、ナトリウム、カリウム又はバリウム陽イオン、或いはこれらの混合物の群からの少なくとも1種類の陽イオンを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 水、アルコール、エーテル、ケトン、ニトリル、アミド、ハロゲン化化合物及びエステル、特に水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メトキシプロピル、トリクロロメタン、トリクロロエチレン及び/又はテトラクロロメタン、或いはこれらの混合物の群からの少なくとも1つの溶媒が、前記第2洗浄c)の溶液の溶媒として用いられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2洗浄c)の溶液が、0.0001〜10mol/l、好ましくは0.001〜1mol/lのモル濃度を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 水性の有機酸又は鉱酸、好ましくは塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液又はこれらの混合物が、前記第1洗浄b)の酸として用いられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
- >1重量%、好ましくは>5重量%、特に>10重量%の濃度を有する水性の酸が、前記第1洗浄b)の酸として用いられることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記カーボンナノチューブ基材における前記カーボンナノチューブが、凝集した形態で存在しており、好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.05〜6mm、特には0.1〜2mmの凝集塊の平均径を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1洗浄後又は前記第2洗浄前のカーボンナノチューブ基材における全金属イオン濃度が、2000ppm未満、好ましくは1000ppm未満、特には500ppm未満であり、及び/又は、個別の金属イオンに基づくと、200ppm未満であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法が、前記第1洗浄b)と前記第2洗浄c)の間の中間洗浄b2)及び/又は第2洗浄c)後の第3洗浄c2)を含み、前記中間洗浄b2)又は前記第3洗浄c2)がpH中性溶液、特に脱イオン水を用いて行われることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記カーボンナノチューブ基材が、前記第2洗浄c)後及び/又は第3洗浄c2)後に乾燥ステップにおいて乾燥されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1洗浄b)が、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも65℃、特には少なくとも90℃の温度で行われることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1洗浄b)が、0.25〜48時間、好ましくは1時間〜24時間、特には2時間〜8時間の時間にわたって行われることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
- 前記カーボンナノチューブ基材中の硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンの濃度が、それぞれの場合において独立して、900ppm未満、好ましくは500ppm未満、特には200ppm未満であることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法によって得られるカーボンナノチューブ基材。
- 電子部品の包装又は輸送材料のための複合材を生産するための、又はバッテリー、特に充電式リチウムイオンバッテリーを生産するための、電気化学プロセスのための電極を生産するための、又は燃料電池を生産するための請求項17に記載のカーボンナノチューブ基材の使用。
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