JP2016525215A - 多発性硬化症(ms)を監視する方法および予測キット - Google Patents

多発性硬化症(ms)を監視する方法および予測キット Download PDF

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Abstract

MSに罹患している被験体におけるMSの重症度を評価する、またはMSに罹患している被験体におけるMSの進行を監視する、またはMSに罹患している被験体に施した治療の効果を監視する方法および予測キット。上記方法および予測キットのいずれも、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における1つ以上のキヌレニン経路化合物が、1つ以上のキヌレニン経路化合物の基準値と比較される。

Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は、多発性硬化症(MS)に罹患している被験体におけるMSの重症度を評価する方法に関する。本発明はまた、MSに罹患している被験体におけるMSの進行を監視する方法、およびMSに罹患している被験体に施した治療の効果を監視する方法にも関する。
好ましい実施形態において、本発明は、多発性硬化症(MS)に罹患している被験体におけるMSの重症度を評価する予測キットに関する。本キットはまた、MSに罹患している被験体におけるMSの進行の監視に加えて、MSに罹患している被験体に施した治療の効果の監視をも可能とする。
〔背景技術〕
多発性硬化症(MS)は慢性の神経疾患であり、世界中で約250万人が罹患している。MSは臨床上のサブタイプおよび重症度において多様であり、一般的には再発寛解型MS(RRMS)、二次性進行型MS(SPMS)および一次性進行型MS(PPMS)の3つのカテゴリーまたはサブタイプに分類される。再発寛解型MSは疾患の初期段階に表れ、様々な程度の障害にまで発展する症状の増悪と、引き続いて訪れる寛解期とを特徴とする。約60−80%のRRMS患者はSPMSへと徐々に病状が進行し、寛解期は短くなり次第に消失する。PPMSは最も重症度の高いMSの病型で、SPMSと類似した臨床症状を呈するが、RRMSからは移行しない。PPMS患者は、疾患の始まり以降、疾患の持続的な増悪に苛まれており、寛解期は全く存在しない。
MSに対する治療方法の選択は、しばしばMSの段階とタイプとに依存するため、MSのサブタイプも含めたMSの重症度の評価は重要である。加えて、MSの重症度の評価を可能とすることで、治療を行う臨床家は治療計画を監視し、特定の治療が疾患の治療として有効であるか否かを立証することができる。
しかしながら、先行技術である、MSの重症度を決定するまたはMSの進行を監視する方法は、神経学的試験などの試験と併せて、脳に対する磁気共鳴映像法を利用する必要があった。磁気共鳴映像法の設備は高価であり、また、時として重度の障害を持つ患者の場合には不便でもありうる。
MSに罹患している被験体において、MSの重症度を評価し、かつ進行を監視する、簡便で信頼できる方法が求められている。
〔発明の概要〕
第一の態様において、本発明はMSに罹患している被験体におけるMSの重症度を評価する、またはMSに罹患している被験体におけるMSの進行を監視する、またはMSに罹患している被験体に施した治療の効果を監視する方法であって、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液(例えば血清または髄液(CSF))中における1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の基準値とを比較する工程を含む方法を提供する。
典型的には、組織または体液のサンプルは上記被験体から採取され、上記サンプル中の1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルが上記基準値と比較される。典型的には、上記サンプルは体液のサンプルである。典型的には、上記体液のサンプルは血清のサンプルである。
第二の態様において、本発明は、MSに罹患している被験体におけるMSの重症度を評価する方法、またはMSに罹患している被験体におけるMSの進行を監視する方法、またはMSに罹患している被験体に施した治療の効果を監視する方法であって、上記MSに罹患している被験体から採取されたサンプルにおける1つ以上のキヌレニン化合物のレベルと、上記1つ以上のキヌレニン化合物の基準値とを比較する工程を含む方法を提供する。
第三の態様において、本発明は、MSに罹患している被験体におけるMSの重症度を評価する方法であって、上記MSに罹患している被験体から採取されたサンプルにおける1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、上記1つ以上のキヌレニン化合物の基準値とを比較する工程を含む方法を提供する。
第四の態様において、本発明は、MSに罹患している被験体におけるMSの進行を監視する方法であって、上記MSに罹患している被験体から採取されたサンプルにおける1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の基準値とを比較する工程を含む方法を提供する。
第五の態様において、本発明は、MSに罹患している被験体に施した治療の効果を監視する方法であって、上記MSに罹患している被験体から採取されたサンプルにおける1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、上記1つ以上のキヌレニン化合物の基準値とを比較する工程を含む方法を提供する。
〔図面の簡単な説明〕
図1Aは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMA、SPMAもしくはPPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、トリプトファンの濃度を表すグラフである。
図1Bは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMA、SPMAもしくはPPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、トリプトファンの濃度に対するキヌレニンの濃度の比率を表すグラフである。
図1Cは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、トリプトファンおよびキヌレニンの濃度、並びにK/T比を表すグラフである。
図1Dは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来するCSFのサンプルにおける、トリプトファンおよびキヌレニンの濃度、並びにK/T比を表すグラフである。
図2Aは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMA、SPMAもしくはPPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、キノリン酸の濃度を表すグラフである。
図2Bは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、キノリン酸の濃度を示す棒グラフである。
図2Cは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来するCSFのサンプルにおける、キノリン酸の濃度を示す棒グラフである。
図3は、それぞれ(A)ミエリン(Laxal Fast Blue染色)、(B)活性化ミクログリア(HLA−DR)、並びに(C)−(D)神経毒、QUINおよびQUINのアイソトープコントロールを、免疫組織化学染色した図を示す。
図4は、それぞれ(A)慢性のプラーク、(B)急性のプラーク、(C)対照群、(D)基礎レベルにある正常組織における、QUINの発現を示した免疫組織化学染色の図を示す。
図5Aは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、SPMSもしくはPPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、3−ヒドロキシキヌレニンの濃度を示したグラフである。
図5Bは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、3−ヒドロキシキヌレニンの濃度を示す棒グラフである。
図6は、様々なKP代謝物の濃度比のグラフであり、疾患のサブタイプの間の変化を表している。
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、一態様において、MSに罹患している被験体におけるMSの重症度を評価する方法に関する。上記方法は、上記被験体の罹患しているMSのサブタイプを(例えば進行型MS(SPMSまたはPPMS)とRRMSとの比較、またはPPMSとSPMSとの比較)評価するのにも、特定のサブタイプのMSの重症度を評価するのと同様に利用されうる。上記MSの重症度は、MSに罹患している被験体における1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の基準値との比較によって評価される。
本発明は、別の態様において、MSに罹患している被験体における、MSの重症度を評価する予測キットに関する。上記予測キットは、上記被験体の罹患しているMSのサブタイプ(例えば進行型MS(SPMSまたはPPMS)とRRMSの比較、またはPPMSとSPMSとの比較)の評価にも、特定のサブタイプのMSの重症度の評価と同様に利用されうる。上記MSの重症度は、MSに罹患している被験体における1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の基準値との比較によって評価される。
本明細書において使用される場合、「キヌレニン経路化合物」という表現は、キヌレニン経路の基質、生成物または代謝物である化合物を意図する。キヌレニン経路化合物には、トリプトファン、キヌレニン、キヌレン酸、3−ヒドロキシキヌレニン、3−ヒドロキシアントラニル酸、ピコリン酸およびキノリン酸が含まれる。一形態において、上記キヌレニン経路化合物は、キヌレニン経路代謝物でありうる。上記キヌレニン経路代謝物は、神経毒性キヌレニン経路代謝物または神経保護性キヌレニン経路代謝物でありうる。神経毒性キヌレニン経路代謝物の一例に、キノリン酸がある。神経保護性キヌレニン経路代謝物の例には、キヌレン酸およびピコリン酸が含まれる。一実施形態において、上記キヌレニン経路化合物はキノリン酸である。別の実施形態において、上記キヌレニン経路化合物はピコリン酸である。さらなる実施形態において、上記キヌレニン経路化合物はキヌレン酸である。
本明細書において使用される場合、用語「被験体」とは、ヒトを意図する。ヒトはMSに罹患することが知られた唯一の生物種である。
本発明者らは、髄液(CSF)中および血清中のキヌレニン経路化合物のレベルと、MSに罹患している被験体におけるMSの重症度との間に相関関係を見出した。これに関して、本発明者らは、キノリン酸、3−ヒドロキシキヌレニン、キヌレン酸およびピコリン酸などのキヌレニン経路化合物のレベルは、MSの進行に応じて有意に異なること、およびこれらの化合物の変化量はMSの重症度と相関関係にあることを見出した。
したがって、MSに罹患している被験体の、上記CSF中または血清中におけるこれらのキヌレニン経路化合物のレベルを決定することによって、任意の時点における被験体のMSの重症度の評価、MSの進行の監視、または被験体に施した治療の効果の監視が可能となる。
本発明より前に、実験的アレルギ−性脳脊髄炎(EAE)を誘導したラットにおけるキノリン酸産生の研究によると、EAEに罹患しているラットのCNSにおけるキノリン酸のレベルは増加することが示されている(Flanagan et al. (1995) Journal of Endocrinology, 64:1192−1196)。しかしながら、Flanagan et al. (1995)は、EAEに罹患していないラットと比較した、EAEに罹患しているラットに由来する血清のサンプルにおけるキノリン酸のレベルに差異を検出していなかった。さらに、ラットにおけるEAEモデルは、ヒトにおけるMSと同じ進行を示さない。したがって、上記EAEモデルにおける化合物のレベルと、ヒトにおけるMSの重症度および進行とを、相互に関連付けることはできない。
本明細書において示すように、本発明者らは、MSに罹患している被験体の血清中およびCSF中における、上記キヌレニン経路化合物であるところのキノリン酸が、MSに罹患していない被験体と比較して高くなること、並びに疾患の重症度が上昇するにつれてキノリン酸のレベルが増加することを見出した。したがって、MSに罹患している被験体の組織中または体液中における上記キノリン酸のレベルは、組織中または体液中における上記キノリン酸のレベルが決定された時点における、上記被験体が罹患しているMSの重症度を示すマーカーとして利用されうる。
本発明者らはまた、再発寛解型MS(RRMS)に罹患している被験体の血清中およびCSF中における、上記キヌレニン経路化合物であるところのキヌレン酸およびピコリン酸が、MSに罹患していない被験体と比較して高くなること、並びに疾患の重症度が上昇するにつれて、キヌレン酸のレベルおよびピコリン酸のレベルは減少することを見出した。したがって、MSに罹患している被験体の組織中または体液中における上記キヌレン酸および/またはピコリン酸のレベルは、組織中または体液中における上記キヌレン酸および/またはピコリン酸のレベルが決定された時点における、上記被験体が罹患しているMSの重症度を示すマーカーとして利用されうる。
本発明者らはさらに、再発寛解型MS(RRMS)に罹患している被験体の血清中およびCSF中における、上記キヌレニン経路化合物であるところの3−ヒドロキシキヌレニンが、MSに罹患していない被験体と比較して高くなること、並びに疾患の重症度が上昇するにつれて3−ヒドロキシキヌレニンのレベルが増加することを見出した。したがって、MSに罹患している被験体の組織中または体液中における上記3−ヒドロキシキヌレニンのレベルは、組織中または体液中における上記3−ヒドロキシキヌレニンのレベルが決定された時点における、上記被験体が罹患しているMSの重症度を示すマーカーとして利用されうる。
高いレベルのキノリン酸および3−ヒドロキシキヌレニン、並びに低いレベルのキヌレン酸およびピコリン酸は、被験体がMSに罹患している可能性を示す。しかし、他の多くの神経変性疾患でも、キノリン酸および3−ヒドロキシキヌレニンのレベルの増加並びにキヌレン酸およびピコリン酸のレベルの減少が見られるため、被験体から採取したサンプルが、高いレベルのキノリン酸および3−ヒドロキシキヌレニン、並びに減少したレベルのキヌレン酸およびピコリン酸を示しても、それ自体はMSの診断を決定づけない。
一実施形態において、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物は、1つのキヌレニン経路化合物であり、典型的には、キノリン酸、ピコリン酸、キヌレン酸および3−ヒドロキシキヌレニンからなる群より選択される。より典型的には、上記1つ以上のキヌレニン化合物はキノリン酸である。
別の実施形態において、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物は、キノリン酸、ピコリン酸、キヌレン酸、3−ヒドロキシキヌレニンおよびトリプトファンからなる群より選択されたキヌレニン経路化合物の組み合わせである。
MSに罹患している被験体の組織中または体液中における、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルは、上記MSに罹患している被験体に由来する組織または体液のサンプルを採取することによって、評価または監視されうる。典型的には、上記サンプルは体液のサンプルである。上記体液のサンプルは、例えば、CSFのサンプルまたは血清のサンプルでありうる。典型的には、上記サンプルは血清のサンプルである。これに関して、本発明者らは、MSに罹患している被験体に由来する血清のサンプル中におけるキヌレニン経路化合物のレベルは、上記被験体におけるMSの重症度を評価するため、上記MSの進行を監視するため、または上記MSに罹患している被験体に施した治療の効果を監視するために用いられうることを見出した。
したがって、上記キヌレニン経路化合物は、MSの重症度を示す血清マ−カ−として利用されうる。血清のサンプルを利用できれば、比較的簡便で迅速な方法により、被験体におけるMSを評価または監視できる。上述したとおり、本発明以前には、MSの重症度を評価し、またはMSの進行を監視する簡便な方法は利用できなかった。
本発明者らはまた、被験体の属する民族が異なれば、上記キヌレニン経路化合物のレベルが異なることを見出した。例えば、アジア系の被験体と白人系およびアフリカ系民族とを比較すると、キヌレニン経路化合物の総レベルに明瞭な違いが存在する。しかし、キヌレニン経路化合物のレベル変化の比率は、いずれの異なる民族においても一定であるので、MSに罹患している被験体の予後分析並びに重症度および進行の評価が可能である。
被験体からCSFまたは血清などのサンプルを採取する方法は、公知の技術である。
上記MSに罹患している被験体からサンプルを採取したのち、上記サンプルにおける上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを、基準値と比較する。
用語「レベル」とは、存在量の指標を意図する。それゆえ、「1つ以上のキヌレニン経路合物のレベル」とは、1つ以上のキヌレニン経路化合物の存在量の指標を意図する。上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルは、単位重量または体積あたりの上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の量の単位でありうる。上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルは、比率(例えば、あるキヌレニン経路化合物の、別のキヌレニン経路化合物または組織中もしくは体液中の成分のいくつかに対する比率)でありうる。
一実施形態において、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルは、1つ以上のキヌレニン経路化合物の濃度である。キノリン酸の濃度は、組織中または体液中(例えばCSFまたは血清のサンプル)のキノリン酸の濃度を測定するのに適切な任意の方法で測定されうる。
適切な方法の例には、質量分析およびガスクロマトグラフィー(例えばSmythe et al. Concurrent quantification of quinolinic, picolinic, and nicotinic acids using electron−capture negative−ion gas chromatography−mass spectrometry, Anal. Biochem. 301(1) (Feb 1 2002), pp.21−26で示されたもの)および蛍光分析(例えばJournal of Health Science (2009) 55(2):242−248で示されたもの)が含まれる。
ピコリン酸の濃度は、組織中または体液(例えばCSFまたは血清のサンプル)中のピコリン酸の濃度を測定するのに適切な任意の方法で測定されうる。適切な方法の例には、質量分析およびガスクロマトグラフィー(例えばSmythe et al. Anal. Biochem. 301(1) (Feb 1, 2002), pp.21−26で示されたもの)がある。
キヌレン酸の濃度は、組織中または体液(例えばCSFまたは血清のサンプル)中のキヌレン酸の濃度を測定するのに適切な任意の方法で測定されうる。適切な方法の例には、HPLC(例えばThe Journal of Neuroscience, November 21, 2007, 27(47):12884−12892で示されたもの)がある。
トリプトファンの濃度は、組織中または体液(例えばCSFまたは血清のサンプル)中のトリプトファンの濃度を測定するのに適切な任意の方法で測定されうる。適切の方法の例には、HPLC(例えばThe Journal of Neuroscience, November 21, 2007, 27(47):12884−12892で示されたもの)がある。
3−ヒドロキシキヌレニンの濃度は、The Journal of Chromatography B, 1996, 675:157−161を応用した方法を用いて測定される(詳しくは22ページを参照)。しかし本方法では、血清のサンプルに限られている。
上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルは、1つ以上のキヌレニン経路化合物の基準値と比較される。
一実施形態において、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の基準値は、組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを表す値であり、この組織または体液とは、典型的には、MSに罹患していない被験体または事前に定められた重症度のMSに罹患している被験体から採取された、同じ組織または体液である。
上記基準値は、事前に定められた標準値、または比較のために特別に得られた基準値でありうる。上記基準値は、MSに罹患していない被験体または事前に定められた重症度のMSに罹患している被験体に由来する基準サンプルにおける、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルでありうる。本明細書において使用される場合、「事前に定められた重症度のMSに罹患している被験体」とは、既知の重症度のMSに罹患している被験体である。
上記基準サンプルは、MSに罹患していない被験体に由来しうる。MSに罹患している被験体から採取されたサンプルにおける上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを、MSに罹患していない被験体から採取された基準サンプルに由来する上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと比較することによって、疾患に罹患していない被験体と比較した、上記疾患の重症度の評価、または上記疾患の進行の監視ができる。
上記基準サンプルは、事前に定められた重症度のMSに罹患している被験体に由来しうる。MSに罹患している被験体から採取されたサンプルにおける上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを、事前に定められた重症度のMSに罹患している被験体から採取された基準サンプルに由来する上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと比較することによって、既知の重症度のMSに罹患している被験体と比較した、上記疾患の重症度の評価、または上記疾患の進行の監視ができる。
他の実施形態において、上記基準値は、上記MSに罹患している被験体のその時以前における、組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを表す。本実施例において、上記基準値は、典型的には、上記MSに罹患している被験体からその時以前において採取された基準サンプルにおける、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルである。MSに罹患している被験体から採取されたサンプルにおける上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、その時以前において同じ被験体から採取された基準サンプルに由来する上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルとを比較することによって、疾患がより重度の状態に進行しているかを監視できる。
MSの重症度は、再発寛解型MS(RRMS)または進行型MS(PMS)に分類されうる。進行型MSはさらに、二次性進行型MS(SPMS)または一次性進行型MS(PPMS)に分類されうる。再発寛解型MSは二次性進行型MSよりも軽度なMSの形態であり、また二次性進行型MSは一次性進行型MSよりも軽度なMSの形態であることが、当業者に理解されるであろう。
様々な実施形態において、
(a) 上記基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルを表し、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルが上記基準値と比較して高い場合、上記MSは再発寛解型MSに分類される。
(b) 第一の基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルを表し、第二の基準値は、二次性進行型MSに罹患している患者の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルを表し、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルが、上記第一の基準値と比較して高く、かつ、上記第二の基準値として低い場合、上記MSは再発寛解型MSに分類される。
(c) 上記基準値は、再発寛解型MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルを表し、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルが上記基準値と比較して低い場合、上記MSは進行型に分類される。
(d) 上記基準値は再発寛解型MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルを表し、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルが上記基準値と比較して高い場合、上記MSは進行型に分類される。
(e) 上記基準値は、二次性進行型MSに罹患している被験体またはMSに罹患していない被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルを表し、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルが上記基準値と比較して低い場合、上記MSは一次性進行型MS(PPMS)に分類される。
(f) 上記基準値は、二次性進行型MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルを表し、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルが上記基準値と比較して高い場合、上記MSは一次性進行型MS(PPMS)に分類される。
(g) 第一の基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中におけるトリプトファンのレベルを表し、第二の基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸および/またはキヌレン酸のレベルを表し、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるトリプトファンのレベルが上記第一の基準値と比較して低く、かつ、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸および/またはキヌレン酸のレベルが上記第二の基準値と比較して低い場合、上記MSは二次性進行型MSに分類される。
(h) 上記基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルを表し、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルが上記基準値と比較して高い場合、上記MSは再発寛解型MS、二次性進行型MSまたは一次性進行型MSに分類される。
(i) 第一の基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルを表し、第二の基準値は、寛解期二次性進行型MS(SPMS−NA)または再発寛解型MS(RRMS)に罹患している被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルを表し、第三の基準値は、再発期二次性進行型MS(SPMS−A)に罹患している被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルを表し、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルが上記第一の基準値と比較して高く、かつ、上記第二の基準値と比較して低い場合、上記MSは寛解期二次性進行型MS(SPMS−NA)または再発寛解型MS(RRMS)に分類される。
上記実施形態(a)から(i)において、典型的には、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルは、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の濃度である。
上記実施形態(a)から(i)において、典型的には、上記基準値は、上記MSに罹患していない被験体、またはSPMSもしくはRRMSに罹患している被験体の組織中または体液中における、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の濃度を表す。
上記実施形態(a)から(i)において、さらに典型的には、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルは、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の濃度であり、かつ、上記基準値は、上記MSに罹患していない被験体、またはSPMSもしくはRRMSに罹患している被験体の組織中または体液中における、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の濃度である。
上述した方法は、MSの進行を監視するのに利用されうると予想される。これに関して、疾患の重症度が増大しているか否かを立証するための上述した方法を用いて、上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるキヌレニン経路化合物のレベルを様々な時間間隔で測定し、かつ、各々の時間間隔において疾患の重症度を評価しうる。
一形態において、上記MSの進行は、MSに罹患している被験体の組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、上記MSに罹患している被験体のその時以前における、組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルとを比較することで監視されうる。この手段により、上記被験体の組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路代謝物のレベルが、以前に決定した上記被験体の組織中または体液中におけるレベルと比較して高いか低いかに基づいて、MSの進行は監視されうる。
一形態において、本方法はMSに罹患している被験体におけるMSの重症度を評価する工程、またはMSに罹患している被験体における上記MSの進行を監視する工程、またはMSに罹患している被験体に施した上記治療の効果を監視する工程を、上述したとおり含み、かつ、評価または監視の結果に基づいてMSへ対処するための治療法を選択する工程を含む。
MSに罹患している被験体に施した治療の効果を監視する方法も、また予想される。これに関して、本明細書で示した方法は、治療に伴うMSの重症度を監視し、治療で施した処置に伴い疾患の上記重症度が減少しているか、または疾患の上記重症度の増大の割合が低くなっているかどうかを決定するのに利用されうる。
〔実施例〕
<試料と方法>
〔患者〕
[分析実験のための血清および髄液サンプル]
本実験で用いられたサンプルは、アメリカ合衆国内の2箇所のソース、すなわち(1)MS治療促進プロジェクト(ACPMS)および(2)ヒト脳脊髄液資源センタ−(HBSFRC, UCLA)から入手した。ACPMSから提供されたMS血清のサンプルは、再発寛解型MS(RRMS)、二次性進行型MS(SPMS)および一次性進行型MS(PPMS)を含む様々なサブタイプのMS被験体の733体分のレポジトリに由来し、対照群である健康な被験体の血清50体分を共に得た。MSの診断は、総合障害度スケ−ル(EDSS)およびACPMSのレポジトリから提供されたMRIスキャン画像に基づき評価および鑑定されている。サンプルには、キヌレニン経路に影響を及ぼすことが知られたあらゆる薬物に対するスクリーニングを施し、またサンプル採取日から過去6箇月以内にステロイド治療を受けたものは、実験から除外した。本実験では、選ばれた基準に基づいて88のMSサンプルが使用された(さらなる詳細は表1を参照)。
Figure 2016525215
Figure 2016525215
MS患者の血清のサンプルと、対応する患者のCSFはHBSFRCから入手した。MSの段階(初期段階のMSか進行型MSか)および疾患の活性の状態(活性型か不活性型か)の差異について、さらなる検証がなされた。さらなる例証のため、寛解期のRRMS、非活性型SPMSおよび活性型SPMSからなる各MSサブタイプ、並びに健康な被験体を含む各10症例が用いられた(更なる詳細は表2を参照)。
[死後の脳組織におけるMSの神経病理学]
本実験では、MS罹患が疑われる49歳男性の脳、および対照として重大な神経疾患を持たない48歳男性の脳が使用された。どちらの脳も20%ホルムアルデヒドに4週間液浸され、冠状面で切断された。切片は、以下の領域:前頭皮質、側頭皮質、後頭皮質、小脳および脳幹から採取された。
〔化学物質〕
すべての化学物質は、特別に言及しない限り、Sigma−Aldrich(Castle Hill, New South Wales, Australia)から入手した。KP代謝物を定量する装置に使用した酸、塩基およびアセトニトリルは分析用グレードであり、販売業者(Ajax fine Chem)から入手した。
〔KP代謝物のHPLCによる定量〕
[サンプルおよび標準の調製]
検量線のための標準試薬として、原液(1mMの各KP代謝物)を超純水(Barnstead Easypure II, Thermo Scientific, New South Wales, Australia)に溶解させて調製した。原液は毎週調製し、標準試薬は毎日新しいものを調製した。血清のサンプルは、等量の10%トリクロロ安息香酸を加えることによってタンパク質を取り除き、混合後、12,000rpm、4℃で5分間遠心分離した。その後、この上澄みを収集し、分析に使用した。定量に先立ち、すべての標準試薬およびサンプルをシリンジフィルタ−(4mm, 0.45μm PTFE, Waters Corporation, New South Wale, Australia)で濾過した。
[トリプトファンおよびキヌレニンの検出]
TRPおよびKYNは、蛍光および多波長検出器を完備したAgilent 1200 series HPLC system (Agilent Technologies, New South Wales, Australia)を用い、上述したSmythe et al. Anal. Biochem. 301 (1) (Feb 1, 2002), pp.21−26の方法に従って同時に定量した。概説すると、標準試薬とサンプルとをAgilent Zorbax Eclipse XDB−C18(5μm, 250×4.6mm, i.d.)カラム(Biolab, Victoria, Australia)に30μLの注入量で注入した。使用前に濾過システム(0.2μm nylon membrane, Milipore, New South Wales, Australia)に通して濾過した、0.1M酢酸アンモニアからなる移動相(pH4.65)を、毎分1mLの流速にて均一濃度で流した。TRPは励起波長を254nmとし放射波長を404nmとする蛍光検出により測定し、またKYNは365nmの多波長紫外線検出により検出した。
[キヌレン酸の検出]
KYNAは、蛍光検出器を備えたAgilent 1200 series HPLC system(Agilent Technologies, New South Wales, Australia)を用い、Smythe et al. Anal. Biochem. 301(1) (Feb 1, 2002), pp.21−26で紹介された方法に小規模な変更を加えて定量した。概説すると、標準試薬およびサンプル30μLを、Agilent Zorbax Eclipse XDB−C18(5μm, 150×4.6mm, i.d.)カラムに注入した。50mM酢酸アンモニアに0.25M酢酸亜鉛および2.25%(v/v)アセトニトリルからなる移動相を用い、毎分0.8mLの流速にて均一濃度でKYNAを溶出させた。移動相は、使用に先立ち新しく調製し濾過した。KYNAは励起波長を344nmとし放射波長を388nmとする蛍光検出器を用いて検出した。
アッセイ内およびアッセイ間の変位係数は、HPLCを用いて検出したすべての代謝物において5%から7%の間にあった。
〔GCMSによるKP代謝物の定量〕
[ピコリン酸およびキノリン酸の検出]
PICおよびQUINは、上述のSmythe GA et al, 2002に説明されているガスクロマトグラフィー・質量分析(GC/MS)により同時に測定した。標準試薬またはサンプル(50μL)を、等量の内部標準液(d3−キノリン酸およびd4−ピコリン酸)と共にガラス管(100×10mm, Biolab, Victoria, Australia)に加えた。混合物を乾燥させ(Savant SpeedVac)、その残渣と、トリフルオロ酢酸無水物およびヘキサフルオロイソプロパノ−ル(1:1、120μL)とを混合した。ガラス管をTelfon−lined cap(Biolab, Victoria, Australia)で封じ、60℃、45分の条件下で、それぞれの酸(すなわちPICおよびQUIN)のヘキサフルオロプロピルエステルの生成を誘導した。誘導された生成物を、(最終的な体積が250μLとなるように)トルエンに溶解させたのち、5%重炭酸ナトリウム(1mL)および水(1mL)中で溶けないように洗浄し、乾燥させ、無水硫酸ナトリウム(各サンプルあたり約50mg)を充填したシラン処理ガラスウール(Grace davison discovery science, Victoria, Australia)を通して濾過し、オートサンプラー用バイアルに移した後、GC/MS(Agilent Technologies)に1μL注入した。上記分光計は電子捕獲陰イオン化モードで運用し、イオン選択性は、PIC誘導体、d4−PIC、QUIN誘導体、およびd3−QUINの順に、273、277、467、470とした。最後に、各サンプルの内部標準のピーク面積に対する上記誘導体のピーク面積の比率に基づく検量線によって、サンプル中のPICおよびQUINの濃度を決定した。信号対ノイズ比が10:1より大きい場合の検出限界は、1fmol未満であった。
[3−ヒドロキシキヌレニンの検出]
3HKは、紫外線検出器を備えたAgilent 1200 series HPLC system(Agilent Technologies, New South Wales, Australia)を用い、Herve et al. J. Chromatography B. 1996, 675, pp.157−161に示された方法に、小規模な変更を加えて定量した。概説すると、50μLの標準試薬およびサンプルをAgilent Zorbax Eclipse XDB−C18(3.5μm, 150×4.6mm, i.d.)カラムに注入した。3HKは、0.1M酢酸ナトリウム水溶液(pH4.65)からなる移動相を用い、毎分0.5mLの流速にて均一濃度で溶出させた。移動相は、使用に先立って新たに調製し濾過した。3HKは多波長紫外線検出器を用い、波長365nmで検出した。
検出限界を10nM以上とし、HPLCを用いて検出した3HKにおいて、アッセイ内およびアッセイ間の変位係数は5%から7%の間にあった。
〔免疫組織化学〕
[脳切片の調製]
抗体は、HLA−DR mAb(1:100希釈, DAKO)、QUIN mAb(IgG1, 1:100希釈, Chemicon Millipore)を使用した。厚さ5μmのパラフィン切片を取得し、Superfrost Ultra Plus(Thermo Scientific)スライドグラス上に載せて、38℃の水槽(HD Scientific)に浮かべた。切片を、組織乾燥用オーブン(Medite)を用い45℃で一晩乾燥させた。次に切片を、キシレンに2回、無水アルコールに2回通し、段階的な濃度のアルコール(90%および70%)に通し、最後に水に通して水分を与えた。上記切片を、3%過酸化水素(H)メタノール溶液に室温で20分液浸することで、内因性のペルオキシダーゼを阻害した。
[HLA−DR染色]
HLA−DR抗体で染色する切片をクエン酸緩衝液(pH6.0)中に配置し、オートクレーブ(Siltex)中に120℃で20分間、抗原性の回復を誘導した。次に、最終濃度が3%となるように無菌ウマ血清(Invitrogen)を0.1Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)緩衝生理食塩水(pH7.6)で希釈した溶液で、切片を室温で5分間洗浄した。切片の周囲をPAP pen(DAKO Cytomation, Copenhagen, Denmark)を用いて、円で囲んだ。次に抗体を上記切片に加え、室温で1時間インキュベートした。切片から抗体を洗い流し、TRIS緩衝液(pH6.0)中に室温でさらに5分配置した。次に、Envision(DAKO)結合ポリマーを切片に加え、室温で30分インキュベートした。0.03%H/0.05%3,3−ジアミノベンジジン四塩化物(DAB, Sigma D5637)を0.1M TRIS緩衝液(pH7.6)に加えた溶液中で、切片を室温で2分間インキュベートし、その後水ですすぐことによって、ペルオキシダーゼによるラベリングを可視化した。最後に、切片をHarris’s Haematoxylin中で2分間対比染色し、次に1%酸アルコール中で3秒間差異化し、さらにScott’s Blueing solutionで青色に染色した。切片をその後、キシレン中で脱水、透明化し、Pertex mounting medium(HD Scientific)中にマウントした。
[QUIN染色]
QUIN抗体で染色する切片を、0.1M Tris−HCl(pH7.5)−0.15M NaCl緩衝液(TNB)および0.5%ブロッキング試薬(Perkin Elmer, Zaventem, Belgium)に10%無菌ウマ血清を加えた溶液中に短時間配置した。次に、切片を0.1M Tris−HCl(pH7.5)−0.3M NaCl−0.05%Tween−20(TNT)で3回、各3分間洗浄した。切片の周囲をPAP penを用いて円で囲み、各スライドにアビジン溶液を15分間で2滴滴下して、次にTNTで2回、各3分間洗浄した。切片にビオチン溶液を2滴滴下して15分間インキュベートした。スライドをTNTで2回、各3分間洗浄し、次に、クエン酸緩衝液(pH6.0)中に浸したまま、120℃で20分間オートクレーブした。オートクレーブ後、スライドを回復溶液中で冷まし、TNT中で3回、各3分間洗浄した。切片を10%ウマ血清TNB溶液中に30分配置した。試験切片にはQUINN抗体を1:100希釈して、アイソタイプコントロール切片にはマウスIgG1をTNBで1:15希釈して加え、用いた抗体あたりのタンパク質濃度を等しくした。切片の先端を10%ウマ血清TNB溶液中に浸した後、抗体またはマウスIgG1を適切な切片に1時間加えた。次に、切片をTNTで3回、各3分間洗浄した。次に、1:200に希釈した二次抗体(ビオチン化抗マウス)を、室温で30、すべての切片に加えた。切片を3回ずつ各3分間洗浄し、アビジン−ビオチン複合体(ABC elite,Victor Laboratories)を30分加え、再び切片を3回、各3分間洗浄した。ビオチニルチラミド(1:50希釈,Invitrogen)を上記切片に10分加え、TNTで3回、各3分間洗浄した。次に切片を、SA−HRP(1:100希釈,Invitrogen)中に室温で30分間インキュベートし、次いでDBA中に室温で3分間展開した。切片を流した水道水で20分間洗浄し、次にHarris’s Haematoxylinで30秒間対比染色した。切片を水で洗浄し、酸アルコール(1%)に一回浸し、水ですすいだ後、1分間青く染色(Scott’s Blueing solution)した。切片を水洗いし、キシレンで脱水した後、Fastmount中に取り外せないようにマウントした。
[H&E染色]
切片を水道水に浸し、Harris’s Haematoxylinで5分間染色した。その後切片を水で洗浄し、1%酸アルコールで3秒間差異化した。切片をScott’s Blueing solutionで青く染色し、再び水道水で洗浄し、アルコールで脱水し、キシレンで透明化してPertex中にマウントした。
[Luxol Fast Blue/Cresyl Violet染色]
切片を水に浸した後、95%アルコールですすいで、60℃に予熱したLFB作業溶液で2時間染色した。次に、切片を室温で1時間冷ました。次に切片を4℃で炭酸リチウム(pH10.5)に加え、10分間攪拌した。スライドを70%アルコールで75秒間差異化した。流した水道水で10分間洗浄した。蒸留水ですすぎ、0.1%Cresyl Violetで10分間対比染色した。切片を速やかに水道水で洗浄し、次に無水アルコールを3回変えながら時間をかけて脱水することで余分なCresyl Violetを取り除き、次に透明化してマウントした。
〔統計解析〕
本稿では、すべてのデータを中央値と標準偏差とで記述する。n>15のグループにおける統計的比較の有意差は、パラメトリック一元配置分散分析(ANOVA)に引き続く、post−hoc Turkey比較分析により見出した。p値<0.05を統計的有意とした。n<15の集団においては、ノンパラメトリックKruskall−Wallis分析を、Mann−Whitney比較分析と共に用いた。比較分析のため、p値<0.05とするのが通例であるが、我々はp値<0.01を有意性の閾値として利用した。グラフ図はGraphPad Prism 5 software packageを利用して描画し、統計解析にはSPSS version 17.0を用いた。
<結果>
[MSの進行に伴うKP活性化]
MS患者に由来する血清およびCSFのサンプルのいずれにおいても、3つのパラメーター(すなわちTRP、KYN、およびK/T比)がKP活性化を評価するために利用されてきた。本発明者らのデータは、すべてのMSサブタイプの血清中において、対照群の血清中よりもTRP(KPを開始する最初の基質)が有意に減少していることを示す(図1)。本発明者らは、TRPの低下と疾患のMSサブタイプにおける重症度との相関については、血清のサンプルおよびCSFのサンプルからは何らの差をも発見しなかった。しかし統計解析によると、進行型MSにおいては、疾患の初期段階よりもTRPが減少している傾向が存在することが明らかになった(図1AおよびC −p<0.05)。上記結果は、さらに、対応するCSFのサンプル(図1D 白い三角形)においてもTRP濃度が低下を示すことにより実証された。また、図1CおよびDにおいて、活性型SPMSを非活性型SPMSと比較することにより、同様にTRPの減少傾向を見出した(p<0.05)。
逆に、TRPの直後の異化代謝産物であるKYNは、MSにおいて増加する。HBSFRCから入手したサンプルによると、血清のサンプルにおいてKYNの増加傾向が見られ(p<0.05)、かつ、活性型MSにおいては有意に増加している。上記KYNの増加は、対応するCSFのサンプルでも有意性を伴って見られる(p<0.01)。しかしながら、活性型SPMSにおけるCSFのサンプル中では、対応する血清のサンプルとは逆にKYNの減少が見られる。
ACPMSのサンプルにおいては、RRMSを除き、MSサブタイプと対照群との間において血清中のKYNに有意差は発見されていない(p<0.05 データ未表示)。
得られたK/T比は、KYNとTRPとの反比例関係を表しており、対照群と比較したMSにおいて増加を示した。K/T比はKPの活性化を評価し、IDOの活性を表すのに利用されてきたことから、実はMSでもKPは活性化されるということが示唆される。さらに、対応するCSFのサンプルでも、対照群と比較して有意に高いという、同様の傾向が観察されている。しかし我々のデータでは、K/T比の上昇と疾患の重症度との間に有意な相関は見られない。
〔MSの進行における神経保護性KP代謝物〕
血清およびCSFにおいて得た、神経保護性KP代謝物のレベルを下記表3および表4に表す。
Figure 2016525215
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[KYNA濃度]
神経保護性KP代謝物であるKYNAは、RRMS患者の血清内で増加していることが判明した。しかし疾患の進行に伴い、SPMSでもPPMSでもこの神経保護性代謝物の減少が観測されている。さらに、SPMS患者の血清および対応するCSFにおけるKYNAの減少傾向は、活性型におけるものの方が、非活性型におけるものよりも顕著であった(p<0.05)。
[PIC濃度]
他の神経保護性KP代謝物であるPICも、KYNAと類似した傾向を示した。PICはRRMS患者の血清において上昇する一方、SPMSおよびPPMS患者では減少した。同様にPICの減少は、活性型SPMSにおけるものの方が、その非活性型におけるものより遥かに大きかった(p<0.01)。
〔MSの進行における神経毒であるQUINの産生〕
異なるMS重症度を示す被験体の、血清およびCSFにおけるキノリン酸のレベルを、下記の表5および表6、並びに図2に示す。
Figure 2016525215
Figure 2016525215
QUIN濃度は、すべてのMSサブタイプにおいて、対照群と比較して高かった。血清中におけるQUINの産生の増加は、疾患の重症度とも相関がある(p<0.0001)。この、QUINの増加は、対応するCSFのサンプルでも見られる。加えて進行型MSでは、より重症度の低いMS(すなわちRRMS)と比較して有意なQUINの増加傾向があるようだ。
本発明者らは、すべてのMSサブタイプにおいて、血清中の3HKが健康な対照群と比較して有意に上昇することを見出した。さらに本発明者らは、RRMSと比較した進行型MSにおける、3HKの増加傾向を見出したが、統計的有意とまでは言えなかった(p=0.045)。興味深いことに、異なるMSサンプルの一群において、本発見者らは、再発期SPMS(SPMS−A)のサンプルの血清において、寛解期(すなわちSPMS−NAおよびRRMS)と比較して、3HKが有意に増加することを見出した。このことから、活性化したKPは、疾患の再発期において3HKを産生させる傾向があり、他の神経毒であるQUINの下流における産生を導くらしいことが示唆される。
〔免疫組織化学研究〕
顕微鏡用切片には広範囲に多数の脱髄性のプラークが、大脳、脳幹および小脳を通じて観察された。前頭皮質、側頭皮質および後頭皮質の脳室周囲のプラークでは、血管周囲性のリンパ球浸潤を伴う完全な脱髄と、いくつかの反応性のグリオーシスとが見られた。いくつかの領域では、プラークは老人性のもののように、血管周囲にリンパ球の残存が見られなかった。以上の他に、皮質において顕著な病理学的所見はなかった。大脳基底核および間脳は、血管周囲の脱髄性のプラークの中心的な病巣であった。Laxal Fast Blueとcristal violetとによる大脳基底核の染色は、MS症例において観察された慢性および急性の伝染病(plague)を示した。染色(図3参照)は、右側における正常な髄鞘形成と比較して、左側において広範な脱髄が観察されたことを示している。HLA−DRによると、活性化した小膠細胞による、急性のプラーク中の脱髄領域への多数の浸潤が見られた。一方、図3Bに示すように、慢性のプラークにおいては、広範な小膠細胞による浸潤は見られなかった。
QUINもまた、MS患者の脳切片に見られた。血管周囲性のリンパ球浸潤の存在によって定義される急性のプラークにおいて、神経細胞では細胞質におけるQUINの発現が見られる(図3C参照)。加えて、急性のプラークを示している脳の領域においては、QUINの発現は脳実質中に点在して見られる(図4A)が、慢性のプラークにはQUINの染色は見られなかった(図4B)。QUINのアイソタイプコントロール(図3D)では、急性のプラークにおいてQUINの神経細胞での発現は全く見られなかった。さらに、対照となる脳切片(図4C)と比較すると、QUINの発現は白質および灰白質ともに見られなかった。しかし、他の正常な脳組織中の小膠細胞においては、QUINは排他的に、かつ構成的に基礎レベルで発現していた(図4D)。
Figure 2016525215
<考察>
神経保護性KP代謝物、すなわちKYNAおよびPICは、MSの初期段階で増加し、進行型MSでは有意に減少することが上記データから示されている。
QUINはすべてのMSサブタイプにおいて増加する。この増加とMSの進行とは、特にCNSおよび血清において、相関関係にある。上記疾患の初期段階では、対照群と比較して緩やかなQUINの増加のみが観察される。進行型MSにおいては、上記データは、QUINが顕著に上昇したことを示している。
健康な対照群と比較して、3−ヒドロキシキヌレニンはすべてのMSサブタイプにおいて増加する。特に、3−ヒドロキシキヌレニンのレベルは再発期のMSにおいて有意に増加することが、寛解期MS(非活性型SPMS)における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルと比較して、再発期MS(活性型SPMS)における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルが上昇していることから明らかである。
MS患者脳切片のQUINを染色することによって、急性のプラークが形成される初期段階では、QUINの実質への放出があることが明らかになった。実質におけるQUINの発現が背景染色によるものではないことを証明するために、QUIN染色のアイソタイプコントロールが構成され、これにより、アイソタイプコントロールではQUINによる染色はみられないことが実証された。加えて、重大な神経疾患を持たない対照の白質および灰白質からは、QUINは発現していないことが観察された。
図1Aは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMA、SPMAもしくはPPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、トリプトファンの濃度を表すグラフである。図1Bは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMA、SPMAもしくはPPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、トリプトファンの濃度に対するキヌレニンの濃度の比率を表すグラフである。図1Cは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、トリプトファンおよびキヌレニンの濃度、並びにK/T比を表すグラフである。図1Dは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来するCSFのサンプルにおける、トリプトファンおよびキヌレニンの濃度、並びにK/T比を表すグラフである。 図2Aは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMA、SPMAもしくはPPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、キノリン酸の濃度を表すグラフである。図2Bは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、キノリン酸の濃度を示す棒グラフである。図2Cは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来するCSFのサンプルにおける、キノリン酸の濃度を示す棒グラフである。 それぞれ(A)ミエリン(Laxal Fast Blue染色)、(B)活性化ミクログリア(HLA−DR)、並びに(C)−(D)神経毒、QUIN及びQUINのアイソトープコントロールを、免疫組織化学染色した図を示す。 それぞれ(A)慢性のプラーク、(B)急性のプラーク、(C)対照群、(D)基礎レベルにある正常組織における、QUINの発現を示した免疫組織化学染色の図を示す。 図5Aは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、SPMSもしくはPPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、3−ヒドロキシキヌレニンの濃度を示したグラフである。図5Bは、(図に示したように)MSに罹患していない被験体(対照群)、またはRRMS、活性型(再発期)SPMSもしくは非活性型(寛解期)SPMSに罹患している被験体に由来する血清のサンプルにおける、3−ヒドロキシキヌレニンの濃度を示す棒グラフである。 様々なKP代謝物の濃度比のグラフであり、疾患のサブタイプの間の変化を表している。

Claims (19)

  1. MSに罹患している被験体におけるMSの重症度を評価する、またはMSに罹患している被験体におけるMSの進行を監視する、またはMSに罹患している被験体に対して施された治療の効果を監視する方法であって、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるトリプトファン、キヌレン酸、3−ヒドロキシキヌレニン、ピコリン酸およびキノリン酸からなる群より選択される1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の基準値とを比較する工程を含み、
    上記MSの重症度は、再発寛解型MS(RRMS)または進行型MSに分類され、これにより進行型MSの場合はさらに二次性進行型MS(SPMS)、再発期二次性進行型MS(SPMS−A)、寛解期二次性進行型MS(SPMS−NA)または一次性進行型MS(PPMS)に分類される方法。
  2. 上記基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを表す、請求項1に記載の方法。
  3. 上記基準値は、事前に定められた重症度のMSに罹患している被験体の組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを表す、請求項1に記載の方法。
  4. 上記基準値は、MSに罹患している被験体のその時以前における組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを表す、請求項1に記載の方法。
  5. 第一の基準値はMSに罹患していない被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルを表し、第二の基準値は二次性進行型(SPMS)に罹患している患者の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルを表し、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中のキノリン酸のレベルが、上記第一の基準値と比較して高く、かつ、上記第二の基準値と比較して低い場合に、上記MSは再発寛解型MS(RRMS)に分類される請求項1に記載の方法。
  6. 上記基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルを表し、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルが、上記基準値と比較して高い場合に、上記MSは再発寛解型MS(RRMS)に分類される請求項1に記載の方法。
  7. 上記基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルを表し、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルが上記基準値と比較して高い場合に、上記MSは再発寛解型MS(RRMS)、二次性進行型MS(SPMS)または一次性進行型MS(PPMS)に分類される請求項1に記載の方法。
  8. 上記基準値は、再発寛解型MS(RRMS)に罹患している被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルを表し、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルが、上記基準値と比較して高い場合に、上記MSは進行型に分類される請求項1に記載の方法。
  9. 上記基準値は、再発寛解型MS(RRMS)に罹患している患者の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルを表し、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルが、上記基準値と比較して低い場合に、上記MSは進行型MSに分類される請求項1に記載の方法。
  10. 第一の基準値はMSに罹患していない被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルを表し、第二の基準値は寛解期二次性進行型MS(SPMS−NA)または再発寛解型MS(RRMS)に罹患している患者の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルを表し、第三の基準値は再発期二次性進行型MS(SPMS−A)に罹患している被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルを表し、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における3−ヒドロキシキヌレニンのレベルが、上記第一の基準値と比較して高く、かつ、上記第二の基準値と比較して低い場合に、上記MSは寛解期二次性進行型MS(SPMS−NA)または再発寛解型MS(RRMS)に分類される請求項1に記載の方法。
  11. 上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルは、以下の表に示された比である請求項1に記載の方法。
    Figure 2016525215
  12. 上記基準値は、SPMSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルを表し、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるキノリン酸のレベルが、上記基準値と比較して高い場合に、上記MSはPPMSに分類される請求項1に記載の方法。
  13. 上記基準値は、SPMSに罹患している被験体またはMSに罹患していない被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルを表し、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるピコリン酸またはキヌレン酸のレベルが、上記基準値と比較して低い場合に、上記MSはPPMSに分類される請求項1に記載の方法。
  14. 上記基準値は、MSに罹患していない被験体の組織中または体液中におけるトリプトファンのレベル並びにピコリン酸またはキヌレン酸のレベルを表し、
    上記MSに罹患している被験体の組織中または体液中におけるトリプトファンのレベル並びにピコリン酸またはキヌレン酸のレベルが、上記基準値と比較して低い場合に、上記MSはSPMSに分類される請求項1に記載の方法。
  15. 上記組織中または体液中における上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルは、上記MSに罹患している被験体から採取した組織または体液のサンプルを採取する工程、および、上記サンプルにおける、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを決定する工程によって、決定される請求項1に記載の方法。
  16. 上記サンプルはCSFまたは血清体液のサンプルである、請求項15に記載の方法。
  17. MSに罹患している被験体の組織中または体液中における、トリプトファン、キヌレン酸、3−ヒドロキシキヌレニン、ピコリン酸およびキノリン酸からなる群より選択される、1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、上記1つ以上のキヌレニン経路化合物の基準値とを比較する工程を含む、MSに罹患している被験体におけるMSの重症度の評価、またはMSに罹患している被験体におけるMSの進行の監視、またはMSに罹患している被験体に施した治療の効果の監視のための予測キットであって、
    上記MSの重症度は再発寛解型MS(RRMS)または進行型MSに分類され、かつ、上記進行型MSはさらに二次性進行型MS(SPMS)、再発期二次性進行型MS(SPMS−A)、寛解期二次性進行型MS(SPMS−NA)または一次性進行型MSに分類される予測キット。
  18. 以下を含む、請求項17に記載の予測キット:
    (a) 患者の生物学的サンプルにおける、1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルを決定する試薬;および
    (b) 上記1つ以上のキヌレニン経路化合物のレベルと、MSに罹患している被験体における上記MSの重症度を評価する1つ以上の基準値とを比較するための情報。
  19. TRP、KYN、KYNA、3HK、PICおよびQUINのモノクローナル抗体を用いた酵素免疫測定法(ELISA)を含む、請求項18に記載の予測キット。
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