JP2016520763A - 往復機関用の動力送出装置、並びにこれらに関連するシステムおよび方法 - Google Patents

往復機関用の動力送出装置、並びにこれらに関連するシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

いくつかの態様において、往復機関の往復運動要素に連結するように構成される動力送出装置は、増加したトルクおよび動力を生成するために、略不変、固定(例えば定数)のモーメント・アームを介して動力出力要素に連結されるように構成される。

Description

本開示は、往復機関に関する。本発明、特に往復機関用の動力送出装置、並びにこれらに関連するシステムおよび方法に関する。
往復機関は、通常クランクシャフトを使用して、シリンダ内における1つ以上のピストンの線形の往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換し、またその逆を行う。例えば、内燃機関(ICエンジン)はもっとも通常のタイプの往復機関である。往復機関は、様々な燃料(ガソリンなど)の燃焼中に解放される化学的エネルギーあるいは熱エネルギー(蒸気に由来するエネルギーなど)を運動エネルギー(例えば機械的な回転動作)に変換するために通常使用される。運動エネルギーは物体(例えば、推進体)を移動させるのにより容易に使用可能である。往復機関のクランクシャフトは、通常自動車、ジェネレータ、トラック、飛行機、溶接機、船舶、ブルドーザ、オートバイ、ボートなどの様々な装置あるいは車両を移動させるために使用される出力装置に接続されるエンジン要素である。
本発明の課題は明細書に開示される。
いくつかの態様において、作動中の往復機関から機械的仕事を抽出する方法は、機関の往復運動要素が往復運動し、出力シャフトが回動すると、略固定長の状態を保持する最大長のトルク・モーメント・アームを使用して、往復機関の出力シャフトにトルク・モーメントを与える工程を含む。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
略固定長は、往復機関のクランクシャフトのクランクシャフト径と略同じである。最大長のトルク・モーメント・アームを使用する工程は、略固定長のモーメント・アームを使用して、出力シャフトに機関の往復運動要素を連結する工程を含む。機械的仕事を抽出する工程は、最大長のトルク・モーメント・アームを使用して、トルク・モーメントを与えることにより、往復機関の出力を高める工程を更に含む。最大長のトルク・モーメント・アームは、出力シャフトの回転の全体にわたってその最大長の状態を保持するモーメント・アームを含む。例えば、出力シャフトに機関の往復運動要素を連結する工程は、略固定のトルク・モーメント・アームを形成する、回転するトルク送出装置に出力シャフトを連結する工程を含み、回転するトルク送出装置は、機関の往復運動要素と接合するように構成される。機関は内燃機関である。
略固定長の状態を保持する最大長のトルク・モーメント・アームを使用して、往復機関の出力シャフトにトルク・モーメントを与える工程は、平行移動部材を往復機関の往復運動要素に連結する工程と、最大長のトルク・モーメント・アームを使用して、平行移動部材を出力シャフトに連結する工程とを含む。トルク・モーメント・アームは、平行移動部材の往復運動の軸線に略直交し、回転可能な動力出力部材にトルクを与える。略固定長の状態を保持するトルク・モーメント・アームは、動力出力部材に連結される回転可能なギヤ装置と、平行移動部材に連結されるギヤ・ラックとを含む。
いくつかの態様において、往復機関は、往復運動要素の往復運動、および往復機関の出力シャフトの回転の間に、略一定の状態を保持する少なくとも1つの略固定長のトルク・モーメント・アームを含む。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
略固定長のトルク・モーメント・アームは機関のクランクシャフトのクランクシャフト径に等しい長さを有する。機関は、略固定長のトルク・モーメント・アームを使用して、機関の往復運動要素の往復運動を出力シャフトの回転運動に変換するための装置を更に備える。機関は、シリンダ内に配置される、少なくとも1本の往復運動ピストンを更に備える。ピストンは、一端で連接棒によって機関のクランクシャフトに接続され、付加的に、略固定長のトルク・モーメント・アームによって、出力シャフトに更に接続される。例えば、略固定長のトルク・モーメント・アームは、出力シャフトに連結される回動装置、および往復運動ピストンに連結される平行移動要素の組み合わせによって少なくとも一部形成され、回動装置は、略固定長のトルク・モーメント・アームを形成する。回動装置は、滑車、ギヤ、あるいはスプロケットのうちの少なくとも1つを含む。平行移動要素は、ケーブル、チェーン、ベルト、プル・ロッド、あるいはギヤ・ラックのうちの少なくとも1つを含む。機関は、往復運動するピストンと出力シャフトとの間に配置されるクラッチ装置を更に含む。機関は、機関の往復運動要素によって生成されるエネルギーを一時的に格納し、かつ往復運動要素が機関内で移動すると出力シャフトにエネルギーを続いて解放するためのエネルギー蓄積装置を更に備える。
略固定長のトルク・モーメント・アームは、トルクを生成するトルク・モーメント・アームを含む。トルク・モーメント・アームは、i)平行移動部材と回動可能な部材との間の接触点と、出力シャフトの回転軸との間に形成され、ii)平行移動部材の移動に通常直交し、iii)機関の往復運動要素の往復運動の間に略固定長の状態を保持する。
いくつかの態様では、往復機関の往復運動要素に連結する動力送出装置は、往復運動要素に連結されるとともにこれと一体的に移動する軸線方向の平行移動張力部材と、動力出力シャフトに連結されるとともに平行移動張力部材と接合する回動可能な部材とを含む。平行移動張力部材は、略固定長のトルク・モーメント・アームを使用した平行移動張力部材の軸線方向の運動の間に動力出力シャフトにトルクを作用させる回動可能な部材に軸力を供給する。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
トルクを生成するトルク・モーメント・アームは、i)平行移動張力部材と回動可能な部材との間の接触点と、動力出力要素の回動軸との間に形成され、ii)平行移動張力部材の運動に通常直交し、iii)往復運動要素の往復運動の間に略固定長の状態を保持することができる。回動可能な部材は、回動可能な部材が出力要素に対して第2の方向に自由に回動できるように構成されるクラッチ装置を使用して、出力要素に連結される。回動可能な部材はギヤ装置を含み、平行移動張力部材は、ギヤ装置と接合するギヤ・ラックを含む。
いくつかの実施形態では、往復運動要素は往復運動するピストンである。動力出力要素は機関のクランクシャフト以外の回動する動力出力シャフトである。平行移動張力部材は、往復運動するピストンに接続するとともにピストンの往復運動に基づいて移動するプル・ロッド装置である。機関は、プル・ロッドと一体的に移動するようにプル・ロッドに連結される線形のギヤ装置を含む。機関は、出力シャフトに連結されるとともに線形のギヤ装置と接合するように構成される回動可能なピニオン・ギヤを含む。機関は、ピニオン・ギヤが、それが回動するクランクシャフトへのピストン運動の第1の方向に回動する場合に出力シャフトと係合するように出力シャフトとピニオン・ギヤとの間に配置される一方向クラッチ装置を含む。ピストンが機関内で往復運動すると、線形のギヤ装置とピニオン・ギヤとの間の接触領域と、出力シャフトの回動軸との間の距離は、略一定の状態を保持する。
いくつかの態様において、往復機関は、少なくとも1本のピストンとシリンダとを含む。ピストンは、一端が連接棒を介してクランクシャフトに接続され、付加的に、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトに接続される。機関は、往復運動するピストンに連結されるとともに一体的に移動する、軸方向平行移動要素と、出力シャフトに連結されるとともに平行移動要素と接合する回動可能な部材とを備える。平行移動要素は、平行移動要素の軸線方向の運動の間に出力シャフトにトルクを作用させる回動可能な部材に軸力を供給する。略固定長のトルク・モーメント・アームは、i)平行移動要素と回動可能な部材との間の接合領域と、出力シャフトの回転軸との間に形成され、ii)平行移動要素の運動に通常直交する。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
略固定長のトルク・モーメント・アームは、クランクシャフトに向かうピストンの内方への運動およびクランクシャフトから離間するようなピストンの外方への運動の間、略不変の状態を保持する。回動可能な部材はギヤ装置を含み、軸方向平行移動要素はギヤ装置と係合するための張力装置を含む。機関は、平行移動要素の運動の方向に基づいて出力シャフトと選択的に係合するためのクラッチ装置を更に備える。少なくとも1本のピストンおよびシリンダは、4本の並んだピストンおよびシリンダからなり、ピストンの各々は、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトと係合するとともに同出力シャフトを回動させるように構成される。
いくつかの態様では、往復機関の往復運動要素に連結するように構成される動力送出装置は、往復運動要素に連結されるとともにこれと一体的に移動する軸線方向の平行移動張力部材と、動力出力シャフトに連結されるとともに平行移動張力部材と接合する回動可能な部材とを含む。平行移動張力部材は、平行移動張力部材の軸線方向の運動の間に動力出力シャフトにトルクを作用させる回動可能な部材に軸力を供給する。トルクを生成するトルク・モーメント・アームは、i)平行移動張力部材と回動可能な部材との間の接触点と、動力出力要素の回動軸との間に形成され、ii)平行移動張力部材の運動に通常直交し、iii)往復運動要素の往復運動の間、略固定長の状態を保持する。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
平行移動張力部材はプル・ロッドを含む。回動可能な部材は、平行移動張力部材が第1の方向に移動する場合に、出力要素と係合するとともにこれを回動させるべく平行移動張力部材に接合し、また、平行移動張力部材が第1の方向とは反対側の第2の方向に移動する場合に、出力要素との係合を解除して出力要素に対して自由に回動するように構成される。回動可能な部材は、回動可能な部材が出力要素に対して第2の方向に自由に回動できるように構成されるクラッチ装置を使用して、出力要素に連結される。例えば、クラッチ装置はスプラグ・クラッチである。回動可能な部材はギヤ装置であり、平行移動張力部材はギヤ装置と接合するギヤ・ラックである。回動可能な部材はスプロケットや滑車を含み、平行移動張力部材はスプロケットやプーリ・ホイールと係合可能なチェーンあるいはケーブル要素を含む。動力出力要素は回動する出力シャフトを含む。動力送出装置は開口部を介して往復運動要素に連結され、動力送出装置は、この開口部を介した往復機関のシリンダ圧力の損失を制限するためのシール部材を含む。シール部材はラビリントスシール部材を含む。動力送出装置は、往復運動要素によって生成されるエネルギーを一時的に格納し、かつ往復運動要素が機関内で移動すると動力送出装置にエネルギーを続いて解放するためのエネルギー蓄積装置を備える。例えば、エネルギー蓄積装置は、往復運動要素に連結される平行移動張力部材と運動切換装置との間に連結されるバネ要素を含む。往復運動要素は、往復機関のシリンダ内で往復運動するように構成されるピストンである。
いくつかの態様において、往復機関は、シリンダ内で往復運動する少なくとも1本のピストンを含む。少なくとも1本の往復運動するピストンは、一端が連接棒を介してクランクシャフトに接続され、他端が略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトに接続される。機関は、往復運動するピストンに連結されるとともにこれと一体的に移動する、軸方向平行移動要素と、出力シャフトに連結されるとともに平行移動要素と接合する回動可能な部材とを備える。平行移動要素は、平行移動要素の軸線方向の運動の間に出力シャフトにトルクを作用させる回動可能な部材に軸力を供給する。略固定長のトルク・モーメント・アームは、i)平行移動要素と回動可能な部材との間の接合領域と、出力シャフトの回転軸との間に形成され、ii)平行移動要素の運動に通常直交する。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
軸方向平行移動要素は、ピストンに固定されるプル・ロッドを含む。軸方向平行移動要素は線形のギヤ装置を含む。線形のギヤ装置はギヤ・ラックを含む。回動可能な部材は、線形のギヤ装置と係合するためのギヤを含む。機関は、出力シャフトと軸方向平行移動要素との間に連結されるクラッチ装置を含む。クラッチ装置は一方向クラッチを含む。一方向クラッチは、フリーホイーリング・クラッチ装置を含む。軸方向平行移動要素は、プル・ロッドに連結されるギヤ・ラックを含み、回動可能な部材はクラッチ装置を介して出力シャフトに連結される、ギヤ・ラックと係合するためのピニオン・ギヤを含む。プル・ロッドの平行移動運動によって、ギヤ・ラックは、出力シャフトを回動させる。クラッチ装置は、実質的にクランクシャフトに向かうピストンの下方へのストローク中にのみ出力シャフトと係合可能である。クラッチ装置は、ピストンがクランクシャフトに向かって内側に移動すると、出力シャフトと係合し、また、ピストンがクランクシャフトから外方に離間するように移動すると、出力シャフトとの係合が解除される。略固定長のトルク・モーメント・アームは、平行移動要素と回動可能な部材との間の接合領域と、出力シャフトの回動軸との間に形成され、ピストンのクランクシャフトに向かう内側への運動およびピストンのクランクシャフトから離間するような外側への運動の間、略不変の状態を保持する。機関は、軸方向平行移動要素と出力シャフトとの間に配置されるエネルギー蓄積装置を更に備える。少なくとも1本の往復運動するピストンおよびシリンダは、4本のインラインピストンおよびシリンダを含み、ピストンの各々は、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトと係合するとともに同出力シャフトを回動させるように構成される。
いくつかの態様では、往復機関から回動可能な力を抽出する方法は往復機関の往復運動する部材に平行移動部材を連結する工程と、回動可能な動力出力部材にトルクを作用させるために、平行移動部材の往復運動軸線に直交する略一貫した長さのモーメント・アームを使用して、回動可能な動力出力部材に平行移動部材を連結する工程とを含む。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
略一貫した長さのモーメント・アームは、動力出力部材に連結される回転可能なギヤ装置と、平行移動部材に連結されるギヤ・ラックとを含む。機関は内燃機関である。平行移動部材が往復運動する部材の外側への運動の結果として移動する場合、平行移動部材は回動可能な出力部材との係合が解除される。回動可能な動力出力部材(例えば出力シャフト)は機関のクランクシャフト以外の回動軸を含む。
いくつかの態様では、往復機関の往復運動するピストンに連結されるように構成される動力送出装置は、機関のクランクシャフト以外の回動する動力出力シャフトと、往復運動するピストンに接続するとともにピストンの往復運動に基づいて移動するプル・ロッド装置と、プル・ロッドと一体的に移動するように前記プル・ロッドに連結される線形のギヤ装置と、出力シャフトに連結されるとともに線形のギヤ装置と接合するように構成される回動可能なピニオン・ギヤと、出力シャフトとピニオン・ギヤとの間に配置される一方向クラッチ装置とを備える。ピニオン・ギヤがピストン運動の第1の方向に、クランクシャフトに向かって回動すると、一方向クラッチ装置は、出力シャフトと係合する。ピニオン・ギヤはクランクシャフトによって回動する。ピストンが機関内で往復運動すると、線形のギヤ装置とピニオン・ギヤとの間の接触領域と、出力シャフトの回動軸との間の距離は、略一定の状態を保持する。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
エネルギー蓄積要素はプル・ロッドと線形のギヤ装置との間に連結される。線形のギヤ装置とピニオン・ギヤとの間の接触領域と、出力シャフトの回動軸との間の距離は、線形の装置の平行移動軸線に通常直交する。線形のギヤ装置はギヤ・ラックを含む。線形のギヤ装置はチェーンである。
いくつかの態様では、往復機関から回動可能な力を抽出する方法は、往復機関の往復運動するピストンに平行移動ギヤ・ラックを連結する工程と、機関のクランクシャフト以外の回動する出力シャフトに回動するピニオン・ギヤを連結する工程とを含む。ピニオン・ギヤは、ピストンおよびギヤ・ラックの平行移動運動に応じてピニオン・ギヤを回動させるようにギヤ・ラックと接続する。方法は、クラッチ装置を使用して、出力シャフトをピニオン・ギヤと選択的に係合させ、ピストンが連結されるクランクシャフトに向かってピストンが移動する場合にのみ出力シャフトを回動させる工程を更に含む。ギヤ・ラックとピニオン・ギヤとの間の接触領域と、出力シャフトの回転軸との間のトルク・モーメント・アームの距離は、ピストンが機関内で往復運動すると、略一定の状態に保持される。
いくつかの態様では、この方法により、往復機関の出力シャフトを駆動する略固定長のトルク・モーメント・アームを保持することにより、作動中の往復機関の出力トルク(例えば平均出力トルク)は増加する。機関は内燃機関である。機関は外燃機関である。
いくつかの態様において、往復機関は、少なくとも1本のピストンとシリンダとを含む。ピストンは、一端が連接棒を介してクランクシャフトに接続され、ピストンは、付加的に、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトに接続される。モーメント・アームはプル・ロッド/ギヤ・ラック/ピニオン・ギヤ/クラッチ構造体を含む。ギヤ・ラックはプル・ロッドに配置することができる。ピニオン・ギヤはクラッチを介して出力シャフトに連結される。また、ギヤ・ラックは、出力シャフトを回動させるようにピニオン・ギヤと係合可能である。クラッチはフリーホイーリング・クラッチを含む。クラッチはスプラグ・クラッチを含む。
いくつかの態様では、エネルギー蓄積装置は、プル・ロッドと出力シャフトとの間に配置され、プル・ロッドは、往復機関の往復運動する部材に連結されるように構成される。エネルギー蓄積装置はバネ(例えば皿バネ)を含む。
いくつかの態様では、プル・ロッドは開口部を介してシリンダに進入し、プル・ロッド圧力シール装置はこの開口部を介した往復機関シリンダの圧力損失を制限するように実施可能である。圧力シール装置はラビリントスシール手段を含む。
いくつかの態様において、自動車は、少なくとも1本のピストンとシリンダとを含む往復機関を備える。ピストンは、一端が連接棒を介してクランクシャフトに接続され、ピストンは、付加的に、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトに接続される。自動車は、軽トラック、配達用トラック、消防自動車、長距離輸送のトラック、オートバイ、および乗用車の1つ以上を含む。
いくつかの態様において、オフロード装置は、少なくとも1本のピストンとシリンダとを含む往復機関を備える。ピストンは、一端が連接棒を介してクランクシャフトに接続され、ピストンは、付加的に、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトに接続される。オフロード装置は、ファーム・トラクタ、建設機械、トラック、グレーダ、クレーン、ブルドーザ、溶接装置、およびポンプの1つ以上を含む。
いくつかの態様において、発電機セット(例えば、発電設備セット)は、少なくとも1本のピストンとシリンダとを含む往復機関を備える。ピストンは、一端が連接棒を介してクランクシャフトに接続され、ピストンは、付加的に、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトに接続される。
いくつかの態様において、船槽または船舶は、少なくとも1本のピストンとシリンダとを含む往復機関を備える。ピストンは、一端が連接棒を介してクランクシャフトに接続され、ピストンは、付加的に、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトに接続される。
いくつかの態様において、飛行機またはヘリコプタは、少なくとも1本のピストンとシリンダとを含む往復機関を備える。ピストンは、一端が連接棒を介してクランクシャフトに接続され、ピストンは、付加的に、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトに接続される。
いくつかの態様では、動力送出装置は往復機関の往復運動要素に連結されるように構成され、かつ略一貫した長さのモーメント・アームを介して動力出力要素に連結されるように構成される。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
動力送出装置は、往復運動要素に連結されるプル・ロッドを含む。動力送出装置はプル・ロッドと係合することができる回動可能な部材を含み、回動可能な部材は、動力出力要素を回動させるように構成される。回動可能な部材は、プル・ロッドと係合するとともにプル・ロッドを実質的に第1の方向にのみ回動させ、かつ回動可能な部材を出力要素に対して第1の方向とは反対側の第2の方向に自由に回動させるように構成される。回動可能な部材は、回動可能な部材が出力要素に対して第2の方向に自由に回動できるように構成されるクラッチ装置を使用して、出力要素に連結される。クラッチ装置はスプラグ・クラッチを含む。回動可能な部材はギヤ装置を含み、プル・ロッドはギヤ装置と係合可能なギヤ・ラックを含む。動力出力要素は出力シャフトを含む。動力送出装置は、開口部を介して往復運動要素に連結され、動力送出装置は、その開口部を介した往復機関のシリンダ圧力の損失を制限するためのシール部材を含む。シール部材はラビリントスシール部材を含む。動力送出装置は、往復運動要素によって生成されるエネルギーを一時的に格納し、かつ往復運動要素が機関内で移動すると動力送出装置にエネルギーを続いて解放するためのエネルギー蓄積装置を備える。エネルギー蓄積装置は、プル・ロッドと運動切換装置との間に連結されるバネ要素を含む。バネ要素は1つ以上の皿バネを含み、運動切換装置は出力要素に連結される回動可能なギヤと係合可能なギヤ・ラックを含む。往復運動要素はシリンダ内で往復運動するように構成されるピストンである。いくつかの態様において、往復機関は動力送出装置を含む。いくつかの態様において、往復機関の動力出力を増加させるための往復機関用キットは、動力送出装置を含む。
いくつかの態様において、往復機関から回動可能な力を抽出する方法は、往復機関の往復運動する部材に平行移動部材を連結する工程と、略一定の最大長のモーメント・アームを使用して、回動可能な動力出力部材に平行移動部材を連結する工程とを含む。
実施形態は、以下の1つ以上の特徴を含む。
略一定のモーメント・アームは、動力出力部材に連結される回動可能なギヤ装置、および平行移動部材に連結されるギヤ・ラックを含む。モーメント・アームはプル・ロッド/チェーン/スプロケット/クラッチ構造体を含む。モーメント・アームはプル・ロッド/ケーブル/滑車/クラッチ構造体を含む。
いくつかの態様において、作動中の往復機関の出力動力(例えば平均出力動力)を高める方法は、往復機関の出力シャフトを駆動する略固定長のトルク・モーメント・アームを保持する工程を含む。
いくつかの態様において、作動中の往復機関の熱効率を高める方法は、往復機関の出力シャフトを駆動する略固定長のトルク・モーメント・アームを保持する工程を含む。
いくつかの態様において、ここに開示される動力送出装置は、ハイブリッドエネルギー蓄積システムとして使用可能である。システムにおいて、蓄積された回動エネルギーは、往復機関のピストンの下方へのストロークの間に機関のクランクシャフトの回動部に連結される出力シャフトの両方の回動の結果として得られる有用な動力(例えば機械的な(例えば、回動)動力)を生成すること、また更に、(例えば一方向クラッチを使用して)ピストンとの係合が解除されるように構成される回動する出力シャフトの蓄積エネルギーを利用することにより、有用な動力を生成することに使用される。これにより、往復機関のクランクシャフトが減速されても出力シャフトは継続して回動可能である。すなわち、後述するように、出力シャフトが単にピストンの下方へのストローク時にピストンに連結されるのみであるが、ピストンの上方へのストローク時に自由に継続して回動することができるように、出力シャフトは往復機関に(例えば機関のピストンに)連結される。一旦クランクシャフトから外れた、自由に回動する動力出力シャフトの蓄積エネルギーは、エンジンが減速するか止まる場合に、付属の負荷を駆動する有用な動力を生成することに使用可能である。
ここに開示されるように、いくつかの場合において、出力シャフトは使用時にエンジン・クランクシャフトとは潜在的に異なる回動速度を有する。従って、クラッチ装置(例えば、クラッチ装置の外側部分(あるいは出力シャフトに直接連結されないクラッチ装置の部分)に連結される滑車やスプロケットにおける)と、ピストンとの間の接続点と、出力シャフトとの間の回動速度の差は、使用時に更に存在し得る。ピストンの往復運動(すなわち、また、クラッチ装置の外側部分の関連付けられるパルシング)の結果、クラッチ装置の外側部分からの入力に基づく出力シャフトの生じる運動は、往復運動するピストンがそのストロークの全体にわたって移動すると、速度およびトルクにおいて異なるパルシング回動を含む。従って、いくつかの実施形態では、動力送出装置は、動力送出装置と、動力送出装置が動力を提供するシステムとの間に接続される連結部(例えば流体継手(例えばトルク変換器))を含む。これにより、上記パルシング運動の負の効果を低減する(例えば、最小化する)ことが支援され、また、トルク増幅装置(例えばトルク増幅トルク変換器)として更に機能する。例えば、連結部は、動力送出装置出力シャフトの端部、自動車ドライブトレインのシャフト、ジェネレータ入力シャフト、あるいは他の同様のシステム入力に接続することができる。
(定義)
次の定義は、エンジニアリング産業において通常使用され、多くの教科書およびインターネットソースに見受けられる。これらは例示のためにのみ使用されるように記載され、本開示を制限するようには意図されない。
トルクは、車輪またはクランクシャフトのような物体に作用されるねじり力である。トルクが存在するために運動が要求されるものではないものといえる。例えば、冷凍のラグボルトに取り付けられるラグレンチ上に人が立つと、運動がなくてもそのボルトにトルクが作用される。単純に示すために、このトルクはフィート重量ポンド(lbf−ft)の単位で測定されるとともに開示される。これは、フィートの長さのレバーの端部上に作用する、ポンドの所与の力の均等物を示す。例えば、1フィート(約30.48センチメートル)の長さのモーメント・アームを有するラグレンチ上に180ポンド(約81.6466キログラム)の体重で立つことにより、180フィート重量ポンド(約244.047ジュール)の生じるトルクが得られる。付加的に、2フィート(約60.96センチメートル)のラグレンチ上に立っている90ポンド(約40.8233キログラム)の子供により、同じ生じるトルクが作用される。
仕事は所定の距離にわたる力の作用である。仕事について記述するために使用される単位は、トルク(例えばポンド×フィート)と同じであるが、仕事の単位は、トルク値と区別するためにフィート重量ポンドと記載される。トルクと仕事との間の実地的な差は、このまたは仕事の場合では、距離の単位(例えば「フィート」部)が移動の長さ(例えばフィート)について記載する一方、トルクについては、距離が、モーメント・アームの長さについて記載することにある。自動車が30フィート(約9.144メートル)を100ポンド(約45.3592キログラム)の力で押される場合、行われる仕事は3000フィート重量ポンド(約4067.454ジュール)の仕事である。より容易な例は、所与の距離(フィートの)だけ重量(ポンドの)を上昇させることにある。ウィンチのようなある種の機械的構造体を使用すれば、要求される努力の半分で、同じ量の仕事がなされ、同じ目的を達成するために力が作用される距離を2倍にする必要がある。
力は有限の時間にわたる仕事の適用である。1秒当たり550フィート重量ポンド(約745.7ジュール)の仕事は、1馬力(HP)の均等物である。
従って、以下の記載および計算は、トルクから馬力への得るべき変換について説明するために使用される。我々の1フィートのモーメント・アームラグレンチの端部を87.5ポンド(約39.69キログラム)の力で押圧することにより、87.5フィート重量ポンド(約118.6341ジュール)のトルクが与えられる。運動がまだないので、仕事や力は生成されない。しかしながら、ラグボルトがわずかに緩み回動し始めるが、同じ87.5ポンド(約39.69キログラム)の力がレンチの回動を保持するために必要であるものと考えられる。レンチのすべての回動において、87.5ポンド(約39.69キログラム)の力が(2*π* 1フィート)あるいは6.28フィート(約1.914144メートル)の距離(レンチを押す手が作る円の周囲である)にわたって作用される。従って、合計550フィート重量ポンド(約745.7ジュール)の仕事がレンチを回動させるために生成される。仕事が行われているのはこのシステムが実際に移動している時のみである。仕事の計算から、仕事が毎秒一回レンチを回動するために十分迅速に作用される場合に、続いて550フィート重量ポンド(約745.7ジュール)の仕事が毎秒行われるとするのが早道であり、これは、力の一馬力が作用されることを示す。
定義によって、HPがトルクおよびRPMに正比例することが理解される。「正比例する」は含まれる乗数があることを示す。上記の例の数を使用し、毎秒一回転が60RPMであると認識すると、HPとトルクと、RPMとの間の関係は以下に示すように決定される。
トルク*RPM*定数=hp
87.5フィート重量ポンド(約111.855ジュール)*60回転/分*X=1hp
X=1/(60*87.5)=1/5250
トルク*RPM*1/5250=hp
hp=(トルク*RPM)/5250
内燃機関については、回動していない場合、機関がトルクを生成することができないため、トルクは所定のRPMで通常付与される。一旦機関がその作動を保持するのに十分迅速に稼動すると、負荷に対して作用される力が測定され、また、機関が回動する速度が測定される。従って、トルク(およびこれに伴う力)の値が決定可能である。
いくつかの実施形態において、スプラグ・クラッチ(例えば、CSKのモデルの一方向のベアリング)のような一方向のフリーホイーリング・クラッチ、ベアリング・クラッチ、あるいは他の同様に適切な一方向クラッチ装置を含むクラッチ装置などの用語クラッチ装置は、従動軸が駆動軸より速く回転する場合に、例えば、後述するように、往復機関が減速させられ、クランクシャフトが速度を落とす場合に、従動軸(すなわち、ここに開示される動力送出装置の出力シャフト)から駆動軸(すなわち、本開示による往復機関のクランクシャフト)の係合を解除する装置を記載するために使用される。
(周知の往復機関構成に関する識別された課題)
連続作動において、クランクシャフト・タイプの往復機関は、ピストンの往復運動を負荷に接続されるクランクシャフトの回動運動に変換する。往復運動する内燃機関(IC)は、化石燃料の燃焼によって燃焼室(例えばシリンダ)内に解放される爆発性のエネルギーを、物体を推進するために使用される回動力学的エネルギーに変換するためのクランクシャフト機構を使用する。蒸気機関のような外燃(EC)機関も、クランクシャフト機構を使用する。ICエンジンが2あるいは4(あるいはより多くの)サイクルであっても、かつ/または、ICエンジンが、ガソリン、プロパン、天然ガス、あるいはディーゼル機関(あるいは他のタイプの燃料あるいは熱サイクル)であっても、ほとんどの往復機関は、ピストンの往復運動(力)を回動機械的運動(力)に変換するためのクランクシャフトを使用する。
単純に述べると、ここに開示されるシステムおよび方法は、クランクシャフトから往復機関の出力トルク(動力)を分離すること、および代替動力送出装置(例えばパワートレイン)パスを通してそのトルク(動力)を伝達することに関し、この動力送出装置は、比較的不変の(例えば、一貫しているか一定の)最大長のモーメント・アームを有し、これは出力シャフト用のトルクを生成する。
このシステムおよび方法は、少なくとも次の理由で効果的であるものと予想される。
通常の往復機関におけるクランクシャフトは、その主要な機能として、機関の様々なサイクル中に、機関の1本以上のピストンの各々を、対応するシリンダ内の前の位置に返す。付加的に、クランクシャフトは機関が連結されるすべての負荷に回動エネルギーを伝達するために二次的に使用される。クランクシャフトは、それらの前の位置(例えば上死点)にピストンを返す際に有効に実行されるが、機関に加わる負荷に潜在的なトルクおよび力を伝達することにおいて通常非能率的である。この非能率の主な原因は、クランクシャフトが回動すると、トルク・モーメント・アームの長さが基本的に変化することにある。長さは、0から最大でクランクシャフトの各半回動まで変化する。
従って、機関の動力出力シャフトのためにトルクおよび動力を生成するための略一定の最大長のモーメント・アームを使用する往復機関用の動力送出装置は、公知のクランクシャフトを動力出力シャフトとして利用する同様の寸法の機関と比較してより大きい(例えば、相当大きい)トルクおよび動力を生成すると予想される。従って、ここに開示されるシステムおよび方法は、より多くのエネルギー効率のよい機関を形成することに使用可能であり、機関は、より小型の要素を使用して、低減された寸法に構成および製造可能であるが、なお所望のレベルの力を生成可能である。いくつかの場合では、効率および動力出力におけるこれらの改良は、燃料消費および効率に更に直接の影響を有すると予期され、これにより、より燃料効率のよい機関が得られる。例えば、自動車の適用において、燃料効率のそのような増加は、ここに開示されるように、一定のモーメント・アームを備える動力送出装置を有する自動車を操作するための所有コストに影響を与えるものと予期される。
公知の往復機関を示す概略図。 クランクシャフトが回動すると変化するモーメント・アームを例示する図1aの往復機関を示す拡大概略図。 圧力を駆動トルクに転移するために使用される、動力行程中の内燃機関の例のシリンダ圧力曲線および対応するモーメント・アームの長さ(例えば従来のモーメント・アームおよび一定のモーメント・アーム)を示すプロット図。 動力行程中の内燃機関の別の例によるシリンダ圧力曲線を示すプロット図。 動力行程中に様々なクランク角度において従来の内燃機関内で生成されるトルクを評価することに使用される計算の表。 動力行程中に様々なクランク角度においてトルクを生成するために一定のモーメント・アームを利用する内燃機関内で生成されるトルクを評価することに使用される計算の表。 動力行程中のいくつかの異なるエンジン負荷における内燃機関内の複数の例のシリンダ圧力曲線を示すプロット図。 一定のモーメント・アームを有する動力送出装置を使用して理論的に増加した動力およびトルク出力を例示するプロット図。 一定のモーメント・アームを有する動力送出装置を使用して理論的に増加した動力およびトルク出力を例示するプロット図。 一定のモーメント・アームを有する動力送出装置を使用して理論的に増加した動力およびトルク出力を例示するプロット図。 一定のモーメント・アームを有する動力送出装置を使用して理論的に増加した動力およびトルク出力を例示するプロット図。 一定のモーメント・アームを有する動力送出装置を使用して理論的に増加した動力およびトルク出力を例示するプロット図。 一定のモーメント・アームを有する動力送出装置を使用して理論的に増加した動力およびトルク出力を例示するプロット図。 一定のモーメント・アームを有する動力送出装置を使用して理論的に増加した動力およびトルク出力を例示するプロット図。 一定のモーメント・アームを有する動力送出装置を使用して理論的に増加した動力およびトルク出力を例示するプロット図。 出力トルクを生成するために一定のモーメント・アームを有する動力送出装置を有する例による往復機関を示す概略図。 動力を生成するためにピストンに接続される可撓性を備える張力装置(例えばケーブル)を有する動力送出装置を有する別の例による往復機関を示す側面断面図。 図16の動力出力送出装置を示す正面図。 動力出力シャフトに連結されるチェーンおよびスプロケットシステムを有する動力送出装置を示す側面図。 往復運動ピストンエンジン上に取り付けられる一定のモーメント・アームを使用して、出力トルクを生成する別の例による動力送出装置を示す斜視図。 図19の動力送出装置および往復運動ピストンエンジンを示す正面断面図。 図19の動力送出装置および往復運動するピストンエンジンを示す側面断面図。エンジン・シリンダ、および動力送出装置のプル・ロッドとギヤ・ラックとの間に連結されるエネルギー蓄積装置からの圧力損失を制限するためのシールアセンブリを示す。 往復運動するピストンに連結される動力送出装置のプル・ロッドを示す図19のエンジンの拡大断面図。 燃焼室からのガス圧損失を制限することに使用可能なシール装置を示す断面図。
図1aおよび図1bは、固定シリンダ102、ピストン104、連接棒106、およびクランクシャフト108を有する往復機関100を示す概略図である。図示のように、ピストン104は動力行程中にシリンダ102内を下方に移動し、クランクシャフト108は時計方向に回動している。ICエンジンにおける通常の動力行程は、上死点後(ATDC)の0°のクランク角度(θ)から回動の180°のATDCにおけるピストンの最も底部の位置に継続する。
ICエンジン(シリンダ内の燃焼圧力の結果としての)のクランクシャフト上のピストンの作用される縦方向の力は、以下のように記載される。
Ρ(β)は燃焼圧力であり、これは、(上死点に対する)クランク角度(θ)の関数である。Aは、移動110の軸線に通常直交するピストンの頂部の合計の突出した表面積である。aは、(シリンダの中心線に対する)連接棒の角度である。いくつかのエンジン構成において、連接棒は、ピストンの中心線から軸線がずれたピストンピン(例えばリストピン)を介してピストンに接続され、これは、連接棒角度に通常影響するものといえる。ピストンピンのずれは、製造業者による往復運動部上の応力低減方法であり、これにより、これらの往復運動部は、より軽量となり、より効率のよい製造および機関におけるより少ない動力損失の他、より高いrpmの性能が得られる。ピストンピンのずれの補足的な結果は、エンジン作動中に大スラストから小スラストにより段階的に移行することにより低減されるピストン・スラップである。
クランクシャフトが回動すると、クランクシャフト上のねじり力を生成するモーメント・アーム(あるいはトルク・アーム)(例えば、図1bで「m」として設けられる)は変化する。モーメント・アーム(m)は、クランクシャフトのメイン・ジャーナル(これは通常ピストンおよび/またはシリンダの中心線110に配置される)の回動軸(3)と、連接棒がクランクシャフトに接続されるクランクピン・ジャーナルの回動軸(2)との間の水平距離である。従って、モーメント・アームの変化する長さは、クランクシャフト(例えばクランク角度θ)の回動位置の点から以下のように記載される。
rは、クランクシャフトのメイン・ジャーナルの中心線(例えば回動軸)(3)から連接棒用のスロー・アーム(throw arm)またはクランクピンの中心線(例えば回動軸)(2)(つまり連接棒がクランクシャフトに接続される)への径方向の距離である。従って、rsin(θ)は、縦の力のトルク・モーメント・アームの長さである。変化するトルク・モーメント・アームの最大長は、90度のクランク角度で生じ、クランク径に等しい。
様々な接続している部分の上記の定義を使用して、以下の方程式が、クランク角度θの関数としてクランクシャフト・トルク(ねじり力)(T)を表すために記載される。
上記の方程式を組み合わせた後に、動力行程中に往復機関によって展開されるトルクは、次のように表すことができる。
図示のように、このトルク方程式はクランク角度(θ)に極度に依存する。固定エンジン設計において、Aおよびrは一定であり、aはモーメント・アーム(すなわち、rsinθ)および連接棒の長さ(l)の関数である。連接棒の長さ(l)は、リストピン(これはピストンに連接棒を接続する)の回動軸(1)と、クランクピンの回動軸(2)との間の距離に等しい。ピストン圧P(θ)は、更にクランク角度(θ)の非常に強力な関数であり、多くの燃焼に関連する要因(例えば燃料対空気比、圧縮比、燃料タイプ、および他の要因)において異なる。圧力Ρ(θ)は、ECエンジン対ICエンジンで更に異なる。ピストン圧は、通常毎分回転数(RPM)で示されるエンジン回動速度の変化に応じて更に変化する。
例示的なICエンジンにおいて、ピストンの頂部上のシリンダにおいて作用する圧力は、クランクシャフトの上死点(TDC)位置の僅かに後に、所定のエンジン設計に応じて上死点後約9°乃至18°でピークとなり、エンジン回動速度に応じて変化する。例えば、図2はクランク角度(θ)の関数として、例によるICエンジンの例によるピストン圧52およびモーメント・アームの長さ54を示す。図示のように、ピストン圧52は、TDCの後に数度で極大値に達し、ピストンがATDCの180°でその底部位置に向かって移動すると、相当急速に落ちる。モーメント・アームの長さ54の関数(rsinθ)は、TDC(連接棒−クランクシャフトの接点がクランクシャフトのメイン・ジャーナル回動軸(例えば中心線)の真上にあるような)で0°で開始し、90°(クランクピン回動軸がクランクシャフトのメイン・ジャーナル回動軸の通常直接近傍にあるような)で最大に達し、180°(連接棒−クランクシャフトの接点がクランクシャフトの中心線の真上に戻るような)で0°に再び戻る。図2のこのプロットに示すように、ピストン上の縦方向の力がストロークの頂部近傍で最大限である場合、クランクシャフトを回動させるように作用するモーメント・アームは、非常に短い。この変化するモーメント・アームは発展したトルクに相当衝撃を付与するとともにこれを制限する。
図2に、出力パワートレインが、略動力行程全体にわたって変化するモーメント・アームの最大長である長さを有するここに開示されるような一定の長さのモーメント・アームを有する場合に見られる例による一定の長さのモーメント・アーム56を更に示す。図示のように、かつ後述するように、トルクを生成するようにこの一定の長さのモーメント・アームを有する(すなわち、特にシリンダ内の最大圧力中に)ことにより、ICエンジンからより多くの出力トルクおよび動力の抽出が可能である。
エンジン出力トルクおよび馬力上の変化するモーメント・アームに関して一定の長さモーメント・アームのインパクトを実証するために、通常のICエンジンのための2つの場合のための予測される動力計算を行うことができる。第1の場合は、変化するモーメント・アーム(モーメント・アーム=rsinθ)用であり、第2の場合は一定の長さのモーメント・アーム(モーメント・アーム=m)用である。
変化するモーメント・アーム構造体と一定のモーメント・アーム構造体との間の単純な比較は、両方の場合に対する等しい対応する値を使用して、ここに開示される様々な方程式の比較により評価することができる。
図3に示す例による圧力曲線とともに上記方程式4を使用して(Rakopoulos, C, Michos, C, and Giakoumis, EによるAvailability analysis of a syngas fueled spark ignition engine using a multi−zone combustion model, Energy、33巻、9号(2008年9月)、1378乃至1398ページから得られ、その全体がここに開示されたものとする)、変化するモーメント・アーム・エンジンに対する例によるトルクの値は、動力行程の全体にわたって様々なクランクシャフト角度で計算することができる。トルク値の比較を単純に示すべく、様々なパラメータおよび面積がいくつかの単位のない値を使用して正規化された。特に、2のエンジン・ストローク(S)、3.14159のピストン面積(A);2のエンジン開口部(B)、1のクランクシャフト径(r=S/2)、2.924の連接棒の長さ(L)は、計算を単純化するためにすべて使用された。これらの例の計算の結果を図4の表に示す。図示のように、これらの例示の値を使用して、通常のICエンジンは約0.122076の平均トルクを生成することが分かった。
固定長のモーメント・アームのICエンジンにおいて、上述したように、トルク方程式はT(θ)=Ρ(θ)Α・mに単純化され、ここでΡ(θ)は、クランク角度(例えば図3に示すような)に基づくシリンダ圧力であり、mは、一定のモーメント・アームの長さである(例えば、モーメント・アーム(m)=モーメント・アームの径(r)=S/2)。上述した変化するモーメント・アームを備える通常のICエンジンと同様に、評価されるトルクの値は、上述したような同じ正規化された寸法を使用して、動力行程の全体にわたって様々なクランクシャフト角度で計算可能である。これらの例の計算の結果を図5の表に示す。図示のように、これらの例示の値を使用して、一定のモーメント・アームを有する理論上の修正されるICエンジンは、約0.290584の平均トルクを生成することが分かった。従って、一定のモーメント・アームを有するICエンジンのための平均出力は、通常の変化するモーメント・アームのICエンジンのものの約2.38倍である。
付加的な計算も完了し、これは一定のモーメント・アームのICエンジンの増加した力およびトルク性能を評価した。例示のために、両方の場合(例えば変化するモーメント・アームの場合および一定のモーメント・アームの場合)における計算に使用されるICエンジンは、デュアル・オーバ・ヘッドカム(DOHC)、16バルブ、4サイクルのガソリンエンジンである。両方の場合のための予測される力およびトルク出力を計算するために、いくつかの異なるエンジン負荷(図6に示すような)のための予め定められたシリンダ圧力曲線が得られ、また、図4および図5のトルクの表を準備するために使用されたものと同様の計算を使用して変化するモーメント・アームおよび一定のモーメント・アーム構造体を比較するために使用された。図6の圧力曲線は、Marty chenko, A., Park, J., Ko, Y., Balin, A.らによる、A Study on the Possibility of Estimation of In−Cylinder Pressure by Means of Measurement of Spark Gap Breakdown Voltage、SAE Technical Paperの1999−01−1115(1999年)から得られ、これらの内容は、その全体がここに開示されたものとする。Martychenkoらにおいて詳述されるように、圧力曲線は、通常のDOHC、16バルブ、4シリンダ・ガス・エンジンにおいて例示的であり、従って、異なるエンジン負荷のためのトルクおよび動力評価を準備することに使用される計算は、3.1693インチ(約8.050022センチメートル)のピストン・ボア(B)、および3.1693インチ(約8.050022センチメートル)のピストン・ストローク(S)を使用して計算され、これらはMartychenkoらにおいて詳述されるDOHC、16バルブ、4シリンダ・ガス・エンジンのタイプの通常の例(例えば、4シリンダ2300ccのOHCヒュンダイ・ソナタ・エンジン)である。トルクおよび動力の出力評価が、エンジン速度の範囲(すなわちクランクシャフトの回動速度)を横断して設定エンジン負荷(例えば59ポンドフィート(約79.9933ジュール))のために更に計算された。
モーメント・アーム(m)=クランク径(r)=1/2ストローク(S/2)としてこの場合の一定の最大長のモーメント・アーム・エンジンのための動力出力を決定するために、ピストンの往復運動が出力シャフトの回動運動に変換される。図15に使用可能な1つの例示的な一般的概念(例えば実施)を示す。連接棒からクランクシャフトへの接続点(2)(例えばクランクピン)がπ*Sを移動する間のクランクシャフトの各回動において、出力シャフトの連結点(5)(すなわち、プル・ロッド、張力装置、あるいは同様の要素がピストンをクラッチ装置に連結する(およびこれにより更に出力シャフトに連結する)点)は、ピストンがストロークSの距離だけ下方に移動するとともにストロークSの距離だけ上方に戻るように移動すると、2*Sのみ移動する。ここにおける例は、単純に示すために1本のみのシリンダであると通常開示されるが、1本を超えるシリンダを有する例によるエンジンは、異なるピストンの各々が出力シャフトの運動を生成するために下方に移動すると、連続して回動する出力シャフトを生じるであろうものといえる。従って、出力シャフトの回動速度は、クランクシャフトの回動速度よりも比例して低い。従って、クランクシャフトの一貫した回動速度のための出力シャフトの定常状態の回動速度を決定するために、クランクシャフトの回動速度は(2/π)が乗算される。ピストンは、クランクシャフトが回動すると、クランクシャフトの回動の間にストロークの頂部(上死点(TDC))およびストロークの底部(下死点(BDC))の両者で縦方向に移動することを直ちにやめて、迅速に加速し、TDCとBDCとの間で減速されるものといえる。従って、出力シャフトの推定される速度は、TDCで0から開始し、最高速度まで加速し、続いてBDCで0まで減速するような、ピストンの平均速度に等しい(すなわち、モーメント・アームの長さ(例えば出力シャフトの中心から、プル・ロッド、張力装置、あるいは同様の要素がクラッチ装置に連結される位置までの距離)に影響される)。上述したように、ピストンがBDCからTDCに上方に移動すると、出力シャフトは通常回動し続ける。従って、ピストンは上方(出力シャフトの回動の反対方向)に移動するが、出力シャフトは、ピストンがBDCからTDCまで移動すると、例えばピストンの平均速度を使用して評価される速度で回動し続ける。すなわち、ピストンは2つの対向する方向に往復運動するが、出力シャフトの速度は、ピストンがBDCとTDCとの間を移動すると、ピストンの平均速度の絶対値に基づいて評価される。
更に、1本のシリンダのみを有するエンジンでは、ピストンが上方に移動している(すなわち、ピストンの移動が直接出力シャフトに回動力を作用させていない)間に、フライホイール装置のような装置が、出力シャフトの回動速度の一部を保持することに使用可能であることが予想される。
図7乃至14のプロットにこれらの計算の結果を示す。図示のように、固定の最大長のモーメント・アーム・エンジンにおいて観察される推定トルクおよび動力の増加は、計算値のすべてにおいて通常比例してより大きい。上述したように、出力シャフトの回動速度およびクランクシャフトは通常同じではない。また、図7乃至14(例えば2400RPM)に挙げられる回動速度は、クランクシャフトの回動速度(すなわち、出力シャフトの回動速度に限られない)である。
上述したトルクおよび動力の潜在的な増加に付加的に、エンジンが減速している場合に使用されるエネルギー(例えば動力)を格納するために、一定の最大長のモーメント・アームを有するここに開示される動力送出装置を使用可能であることが予想される。例えば、ここに詳述されるように、動力送出装置は出力シャフトが一方向に自由に回動することを許容するクラッチ装置(例えば一方向クラッチ)によって往復機関(すなわち、エンジンの往復運動ピストン)に連結される出力シャフトを含む。すなわち、ピストンが下方への運動中である場合に限り、クラッチ装置は出力シャフトと係合する。上述したように、この構造体により、動力送出装置が連結される往復機関のクランクシャフトとは異なる速度で出力シャフトが回動することを可能にすることが支援される。
いくつかの態様では、クランクシャフトとは異なる速度で出力シャフトを回動させる能力により、動力送出装置は、電力蓄積装置として機能する。例えば、使用中に、クランクシャフトの回動速度はユーザによって低減される(例えばエンジン減速の結果)が、これにより、低減された回動速度に基づき通常力が低減される。しかしながら、出力シャフトがクランクシャフトから一方向に通常自由に回動することができるので、クランクシャフトが減速する場合、出力シャフトは減速する必要はない。従って、クランクシャフトが減速する場合、例えば、ユーザが使用の間にエンジンを減速させる場合、出力シャフトは、力を生成し続けるためにより高い回動速度で回動し続けることができる。後述するように、出力シャフトは出力シャフトの回動推進力および運動を生成するとともに保持することに有用なフライホイールを含む。
いくつかの場合には、この構造体は、エンジン減速中にエネルギーを格納するか回収することに使用可能である。例えば、自動車で往復機関および動力送出装置が使用されるいくつかの実施形態において、クランクシャフトの減速中(例えばアクセルペダルから離間した結果の)に、出力シャフトは他のシステムで使用するために動力(例えば電気的または機械力)を生成するために回動し続けることができる。従って、いくつかの実施形態では、ここに開示される1つ以上の動力送出装置を含む装置は、エンジンの動力工程中に出力シャフトを機械的に連結するとともに回動する往復運動エンジンにより生成される動力の他、エンジンが減速または停止した場合でも出力シャフトの継続した回動により得られる格納されるエネルギー(動力)の両者を利用するハイブリッド装置として使用される。
付加的に、いくつかの実施形態では、出力シャフトは、(例えばクランクシャフトが不意に減速した後の)出力シャフトの継続的かつ一貫した回動により、自動変速装置(例えばトランスミッションのトルクコンバータ)に一貫した回動速度および力を供給することが支援されるように、自動変速装置の連結部または要素に接続される。上述したように、そのような連結(例えばトルクコンバータ)は、出力シャフトのパルシング運動の影響を弱めるために使用することができ、これは、クラッチ装置を駆動するピストンの往復運動に起因する。
(一定のモーメント・アームを有する往復機関)
上述したように、動力行程の全体にわたって略一貫した(例えば定数)長さ(例えば一定の最大長)を有するトルク・モーメント・アームを介して往復運動するピストンに接続される、回動するパワートレイン(例えば、動力送出装置)を使用することにより、往復運動するピストンの動力行程からより多く(例えば、相当より多く)の回動運動の力を抽出することは理論上可能である。いくつかの実施形態では、略一貫した長さのトルク・モーメント・アームは、その最大長であるとともにその固定極大値(例えば、一定、あるいは不変、あるいは一貫した)と僅かにのみ異なる設定の長さで固定されるトルク・モーメント・アームを含む。いくつかの場合において、略一貫した長さのモーメント・アームは、接合するギヤに沿って、あるいは接合するスプロケットとチェーンとの間を移動する接触領域の結果として変化する(例えば僅かに)。
例えば、図15を参照して、例による往復機関100は、連接棒106を介して回動可能なクランクシャフト108に接続されるとともにシリンダ102内を上下に移動するように構成される往復運動要素(例えばピストン104)、並びにシリンダ102に出入りするガスを制御するバルブ (例えば吸気弁および排気弁)105を有する。エンジン100は一定の長さモーメント・アーム204を有する動力送出装置200に接続可能であり、この動力送出装置200は、これを介してピストン104に回動自在に連結される個別の動力出力要素(例えば動力出力シャフト202)を有する。動力出力シャフト202は、自動車のドライブトレイン(例えば、自動車、トラック、オートバイ、建設機械(例えばブルドーザ)、あるいは飛行機や船槽のような他の輸送装置用のドライブトレイン)、ジェネレータ、溶接装置、あるいは回動の動力を利用する他の装置を含む、回動動力を利用可能な任意の様々な装置に連結される。
図示のように、動力送出装置200は、ピストン104に接続される長尺状の平行移動張力装置(例えばプル・ロッド)206を含む。これにより、ピストン104がシリンダ内を前後に移動すると(すなわち、図15の例に示すように、シリンダが縦に配向される場合に上下に)、プル・ロッド206がピストン104と略同じ方法(例えば、略同じ移動距離、速度、加速度)で移動するとともにピストンと略同じ利用可能な軸力(例えば、外部仕事を行うことに利用可能な力)を生成する。ピストン104上の任意の所望の位置にプル・ロッド206を接続可能である。すなわち、プル・ロッドは、ピストンの領域に固定されるか、あるいは連接棒にピストンを接続するリストピンに接続される。プル・ロッド206は動力出力シャフト202に取り付けられるか、出力シャフト202内に一体的に形成される動力送出装置200の他の要素に接合するように通常構成される。例えば、後述するようないくつかの例において、プル・ロッド206は、出力シャフト202に連結される動力送出装置の略円形の部材(例えばギヤ装置)などの回動可能な部材208と接合するとともに係合(5)するように構成される、歯のあるラック(例えば1列以上のギヤ歯を有する長尺状部材)を含む。エンジンの部分は開口部210を形成し、この開口部210を介してプル・ロッド206(例えばプル・ロッド開口部)がシリンダ(例えばシリンダヘッド)内に移動する。開口部210を形成するエンジンの部分は、開口部とプル・ロッドとの間の領域を介したガスの流れおよび圧力損失を制限(例えば、阻止)するために通常シール装置を含む。
ピストンの線形運動を動力送出装置の回動運動に変換する動力送出装置が、出力シャフトに連結されるギヤ装置と接合するとともに係合する単一の歯のあるラックとして通常開示されるとともに例示されるが、他の構造体も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、動力送出装置は、往復運動するピストンの線形の速度および力に基づいて出力シャフトの回動速度あるいはトルクを増加させるか減少させるために使用される1つ以上の付加的なギヤセットを含む。付加的に、あるいはこれに代えて、動力送出装置は、ピストンの線形の運動を出力シャフトの回動運動に適切に変換可能な任意の様々な装置あるいはシステムを含み、略一貫した(例えば定数)長さのモーメント・アームを保持する。例えば、いくつかの実施形態では、動力送出装置(例えば動力送出装置の回動可能な部材)は、付加的に、あるいはこれに代えて、ベルト・システム、滑車システム、および/またはチェーン・ドライブ・システムを含む。いくつかの場合において、図16乃至18を参照すると、張力装置(例えばベルト、ケーブル206a、チェーン206b、あるいは張力を作用させることができる他の装置)の一端は、ピストンに取り付けられ、また、張力装置の他端は滑車208aあるいはスプロケット208bを使用して出力シャフトに接続される。バネリターン機構212が更に設けられ、ピストン104がストロークの頂部に移動すると、張力装置(例えばケーブル206a、ベルト、あるいはチェーン206b)を上向きに返すことを支援する。いくつかの実施形態では、動力送出装置は、様々な装置のうちの任意のものを含む他のタイプの動力伝達システムを含む。
ピストン104の運動が前後になされるが、通常一方向にのみ出力シャフト202を回動させることが望ましいため、動力送出装置200(例えばいくつかの場合における回動可能な部材208)は、出力シャフトが一方向にのみ回動するように、出力シャフトに略一方向に係合するように通常構成される(例えば、ピストンがシリンダ内の燃焼によって生じる圧力上昇の結果下方へ移動している場合の動力行程中にのみ2サイクルICエンジンにおいて)。注:4サイクル・エンジンにおいては、クラッチ・ベアリング力送出装置は、下方の吸気行程および下方の動力行程の両者の間に係合するが、なお一貫した一方向に回動を許容するのみである。
いくつかの実施形態では、動力送出装置(例えば動力送出装置の回動可能な部材)は、張力装置(例えばプル・ロッド、ケーブル、あるいはスプロケット)がピストンによってシリンダ内に張引されると、出力シャフトを把持するように、また、ピストンが上死点に戻り、プル・ロッドがシリンダから出ると、出力シャフトを実質的に続いて解放するように構成される。いくつかの実施形態では、動力送出装置200は、一方向クラッチのようなクラッチ装置214を備える。クラッチは、張力装置がシリンダ内に移動する場合にのみ出力シャフトと係合するとともに出力シャフトを回動するように構成される。しかしながら、往復運動するピストンがシリンダ内を移動する際に出力シャフトが不注意により前後に交互に回動されることを抑制(例えば、阻止)するように、プル・ロッドがシリンダ外に出ると、クラッチにより、動力送出装置の回動する要素(例えば円形ギヤ装置)は、出力シャフトに対して反対方向に回動可能である。いくつかの実施形態では、回動可能な部材は、スプロケット、ギヤ、滑車、車輪、クラッチ装置、あるいは1つ以上の装置の任意の適切な組み合わせを含む。
いくつかの例において、更に後述するように、クラッチ装置214は、一方向フリーホイール・クラッチ、スプラグ・クラッチ(例えば、CSKモデルの一方向の軸受け)のような軸受けクラッチ、あるいは他の同様に適切な一方向クラッチ装置を含む。一方向に回動されると、クラッチ・ベアリングは、単純なボールまたはローラベアリングとして機能し、反対方向に回動されると、回動を制限(例えば阻止)する。これは、通常2つの軸受けレース間の楔として機能するバネ付きスプラグを使用することにより達成される。クラッチ・ベアリングは、CSKのベアリング、一方向ベアリング、およびスプラグ・ベアリングとして様々なものが周知である。一方向クラッチ装置は出力シャフトが係合すると、反動を制限するべくバネ付きである。これに代えて、あるいは付加的に、クラッチ装置は、ラチェット・クラッチのようなラチェット機構を含み、これにより、動力送出装置が一方向に出力シャフトを回動させることを試みる場合にのみ出力シャフトが実質的に係合可能である。
図示のように、プル・ロッドと動力送出装置との間の接合が、往復運動するピストンの運動の軸線に対して出力シャフトの回動軸から離間する通常一貫した距離であることにより(すなわち、上述したような、連接棒とクランクシャフトとの間の接続とは異なり)、出力シャフト上に作用するトルクを生成する力のモーメント・アームは、略一定であり、安定し、不変である。
上述したように、この略一貫した(例えば、略固定)長さのモーメント・アームにより、クランクシャフトから動力を抽出することによって可能となる場合よりも、プル・ロッドによって駆動される出力シャフトを介して増加した(例えば、実質的に増加した)トルクおよび動力出力の抽出が可能である。
略一定のモーメント・アームによる往復機関からの高度に発展したトルクの抽出の結果、エンジンが燃焼の爆発性のエネルギーをより容易に機械的な回動運動に変換するであろうこと、エンジン熱損失が低減されること、およびエンジンの全体的な熱効率が高められることが予想される。
図示の往復運動するピストンエンジンは、動力行程後に少なくとも上死点にピストンを戻すために使用されるクランクシャフトおよび連接棒をなお通常含むが、いくつかの場合において、クランクシャフトおよび連接棒の両者は、これらの要素がエンジンから使用可能なトルクおよび動力を伝達するためにもはや使用されないため、寸法が低減され、構造的に一体化される。クランクシャフトと連接棒のこの寸法の低減により、エンジン中の付加的な回動の大部分による寄生動力損失の量を低減することが支援されると予想される。
図15の概略図に示す例示の往復機関は、任意の様々な適切な配置および構成で実施可能である。上述したように、エンジン(例えばICエンジン)は特に往復運動するピストンによって生成される動力を抽出することができる個別の動力送出装置および動力出力シャフトを含むように構成することができる。そのように特に構成されるエンジンは、回動する大部分に起因する動力損失を制限するために低減されるクランクシャフトおよび連接棒を備える。
(実施の例)
いくつかの実施形態では、既存のエンジン(例えば既存のICエンジン)は個別の動力送出装置および動力出力シャフトを含むように修正可能であり、これらにより、往復運動するピストンによって生成される動力が抽出される。例えば、図19乃至23は修正済の4シリンダ・エンジン300を示す。これは個別の動力送出装置400および動力出力シャフト402を含むように修正される。クランクシャフト、連接棒、いくつかのガス・シールおよびエンジンの他の部品が明瞭に示すべく図から省略されるものといえる。
図示のように、修正済のICエンジンはデュアル・オーバ・ヘッド・カム(DOHC)の4シリンダ、4サイクルの、インライン・ガソリン駆動エンジンである(例えば修正済のトヨタ・モデル3RZ−FEのガソリンエンジン)。複数のシリンダ往復機関(例えばICエンジン)において、単一の動力出力シャフトを有することが通常望ましく、従って、1つの単純な予想される構造体は、各ピストンおよびシリンダの動力送出装置を1つの動力出力シャフトに構成することができるように、ピストンとシリンダが互いに並べられるものを含む。4サイクルのICエンジンにおいては、クランクシャフトの2回動ごとに1回の動力行程がある。従って、4シリンダ4サイクルのICエンジンにおいては、動力行程がクランクシャフトの180度の回動ごとにある。6シリンダのICエンジンにおいては、クランクシャフトの120度の回動ごとに動力行程があり、8シリンダのICエンジンにおいては、90度の回動ごとに動力行程がある。上述したインラインICエンジンの単一の動力出力シャフトが、4、6、あるいは8本のシリンダであれ、望ましい。単一の動力出力シャフトを有することが望ましいが、この一定のトルク・アームの発明の増加したトルクおよび動力の利点のすべては、すべての動力・サイクルおよびすべての機械的構造体の往復機関(例えばV6、V8、V12、星形など)に適用される。インラインではない複数のシリンダ・エンジンの機械的構造体において、複数の動力出力シャフトが設けられる。付加的に、いくつかの実施形態では、Vスタイル・エンジン構造体は、単一の出力シャフトを有する動力送出装置に連結可能である。すなわち、互いにすべてインラインではないピストンおよびシリンダを有するエンジンの場合においても、ピストンに接続される張力装置は、出力シャフトの一貫した回動を生じさせるように任意の様々なギヤや滑車構造体を使用して、共通の出力シャフトに連結することができる。
DOHCのインラインICエンジンでは、ピストンおよびシリンダの中心線より上の領域は、多かれ少なかれ、様々なエンジン部品により妨害されるものではなく、これにより、ピストンに取り付けられるか、シリンダヘッドを通して移動する動力送出装置をより容易に追加することができる。図示のように、動力送出装置400は、ピストンに(例えば連接棒にピストンを連結することに使用される既存のピストンピンを介して)連結される、各シリンダにつき2つのプル・ロッド406を含む。図示の例において、2つのプル・ロッド406は、ピストン304上の負荷の平衡を保つために使用され(例えばピストンの各対向面上に1つ)、各プル・ロッド406上に作用する負荷を更に低減する。いくつかのICエンジン設計では、連接棒は、ピストン中心線から僅かにずれた軸線に接続される。プル・ロッド406は、エンジン(例えばシリンダヘッド302)の要素上の開口部410を通して配置され、ピストンの運動により開口部410を通して上下に移動するように構成される。図19乃至22に示す例による4シリンダ、4サイクル往復機関において、ピストンのうちの2つは他の2本のピストンとは常時ちょうど180度離間して同じ方向に動くように構成される。動力行程中に1つのシリンダが点火されると、一体的に動く2本のピストンのすべての4つのプル・ロッドは、動力行程の駆動負荷を共有するであろう。
いくつかの実施形態では、プル・ロッド406は、プル・ロッドの上側領域に連結される、歯付きギヤ・ラック407を含む。いくつかの実施形態では、ギヤ・ラック407がプル・ロッドに沿って、プル・ロッドから独立して僅かに動くことができるように、ギヤ・ラック407はプル・ロッド406に連結される。いくつかの場合では、図示のように、ギヤ・ラックは1つ以上のバネ要素(例えば皿バネ)409を使用してプル・ロッドに取り付けられ、これにより、いくつかの機能を行うことが支援される。例えば、バネは、動力送出装置用のエネルギー蓄積装置409として機能する。上述し、図2に示したように、シリンダ内の圧力(従ってピストンに作用する力も)は、通常動力行程中の非常に初期に個別のスパイクを有し、続いてピストンがシリンダ内に移動すると、迅速に崩壊する。従って、図19乃至21に示すようなギヤ・ラックをプル・ロッドに連結するバネは、圧力スパイクのような初期の負荷の一部を吸収するように圧縮され、(これにより、プル・ロッドは、ギヤ・ラックに対して僅かに下方に移動する)、バネの圧縮にエネルギーが格納される。ピストンがシリンダに移動して圧力が低減されると、続いてバネがギヤ・ラックをプル・ロッドに対して下方に押圧付勢するように拡張し、蓄積エネルギーが解放される。そのようなバネの圧縮および拡張により、上死点近傍でピストンに見られる力のスパイクの分配が支援される。比喩的に、これは、圧力曲線を僅かに円滑にするとともにピストン動力行程の全体にわたって力のうちのいくつかを分配するように作用する。付加的に、あるいはこれに代えて、バネは、往復運動するピストンが前後に移動すると生じる衝撃を制限することを更に支援する。
これに代えて、ギヤ・ラックは、恒久的にプル・ロッドに固定することができる(例えばファスナにより、あるいはプル・ロッドと一体的に形成されることにより)。ギヤ・ラックは回動部材(例えば略円形のギヤ408)と係合するとともにこれに連結されるような寸法に形成されるとともに構成され、回動部材は出力シャフトを回動させるために出力シャフト402に連結される。上述したように、歯のあるギヤ408は、クラッチ(例えば一方向クラッチ軸受414)を使用して、出力シャフト402に通常連結され、プル・ロッドの往復運動する線形の運動を略一方向のみの回動部材に伝達する。
図示のように、いくつかの実施形態では、出力シャフトは、出力シャフトの位置を位置決めする一方、動力送出装置によって生成されるトルクの下で出力シャフトが回動することを可能にする取り付け手段(例えば軸受けキャリア416)を使用して、エンジン(例えばシリンダヘッド)に連結される。
特に図20乃至23を参照して、シリンダヘッド302は、開口部410を介して圧力損失を制限することができるシール部材(例えばラビリントスシールのようなシール)412を含み、開口部410を介してプル・ロッド406が移動するが、プル・ロッド406がシール部材412を通して自由に移動することができるように、適切なクリアランスが設けられる。図23の拡大図に示すように、ラビリントスシールアセンブリ412はディスク・スペーサ22によって互いに分離される、一連のシールディスク21を収容する通常円筒状の本体20を含む。ラビリントスシールアセンブリ412は、本体20内のシールディスク21およびディスク・スペーサ22を保持するために留めプラグ23を含む。ジャム・ナット24は本体20に留めプラグ23を連結することに使用可能である。シリンダ・ガスケット25は、シリンダをシールするのを支援するためにシールアセンブリ412の一端に(例えばエンジン・シリンダに挿入されるように構成される端部に)位置される。シールディスク21の内径はプル・ロッド径よりも僅かにのみ大きく構成される。
ディスク・スペーサ22の内径は、シールディスク間にキャビティを形成するために、プル・ロッドとシールディスク内径との間の間隙の距離のいくつかの複合により、シールディスク21の内径より大きくなり得る。シールディスク21間に形成される一連のキャビティは、ガス流に対する大きな抵抗を生じさせ、ここで、形成されるより多くのキャビティは、流れに対する抵抗を増加させる。ディスク・スペーサ22は緩くなるシールの傾向を補償するために多少従順に形成され得る。これに代えて、個別の従順な部品(例えばバネ)をスタックに付加してもよい。
いくつかの実施形態では、増加したトルクおよび動力を生成するために略安定しているか一定のモーメント・アームを有する動力送出装置は、使用のためのエンジン上に設けられるエンジン・モディフィケーション・キット(例えばエンジン改造キット)の一部として含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、エンジンのピストンおよび上端部(例えばシリンダヘッド上部とバルブ・トレイン)は、既存のエンジン上に個別の動力送出装置および動力出力シャフトを設けるために交換可能である。このモディフィケーション・キットは、既存のエンジンの出力トルクおよび力を増加させる方法として使用可能である。
動力送出装置はその最大で、動力行程の全体にわたって不変の長さである、一貫した(例えば、一定、あるいは不変)の長さを有する一貫した(例えば、一定、あるいは不変)の長さのトルク・モーメント・アームを有するものと通常記載されるが、モーメント・アームの長さはいくらか変化してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、動力送出装置(例えば回動部材あるいはプル・ロッドの接合部)は、出力シャフトに作用するモーメント・アームがその極大値で完全に一定ではないように構成される。いくつかの場合には、張力装置が移動するとともに回動可能な部材と接合すると、モーメント・アームの長さは、僅かに変化する。例えば、モーメント・アームは、ギヤ・ラックが回動するピニオン・ギヤと接合すると、あるいは、チェーンが回動するスプロケットと接合すると、僅かに変化する。
従来の往復機関のための通常の最大のモーメント・アームの長さは、クランクシャフト径あるいはエンジン・ストロークの半分になるであろう。しかしながら、これは様々なエンジン設計に応じて変化する。従来の往復機関が0の長さ(0度および180度のATDCのクランクシャフト角度での)からその最大長(90度のATDCのクランクシャフト角度での)まで変化するトルク・モーメント・アームの長さを通常有するため、この範囲(すなわち0乃至最大)未満変化する任意のモーメント・アームの長さがトルク生成の改良であると予想される。例えば、いくつかの場合では、ここに開示される一貫した長さのモーメント・アーム装置は、プル・ロッドがピストンと往復運動すると、長さが約0%乃至約50%(例えば、約0%乃至約40%、約0%乃至約30%、約0%乃至約20%、約0%乃至約15%、約0%乃至約10%、約0%乃至約5%、約0%乃至約2%、約0%乃至約1%、約0%乃至約0.5%、約0%乃至約0.1%、約0%乃至約0.0001%)変化し、改良が実現されるとともに顕著である。
これらの記載および幾何学的な関係は、クランクシャフトの中心線(例えば軸線)の上に配置される略縦方向に整列したシリンダ用に通常ここに記載されることが注目される。しかしながら、ここに開示される原理は、異なるように構成される往復機関を使用して実行することができる。すなわち、クランクシャフトから抽出する動力と、固定長のモーメント・アームを有する個別の動力送出装置(例えばドライブトレイン)から抽出する動力との間の違いについて記載するために使用される、ここに示す式は、特定のエンジン構造体に基づいて調整されるか更新されるが、一定のモーメント・アーム・エンジンの増加した出力は、異なるように構成されるエンジンで観察されるものと予想される。
様々な実施形態がここに開示されたが、これらは例示としてのみ示され開示されたに過ぎず、特許請求の範囲を任意の特定の構造体や構造体要素に制限するものではないものといえる。従って、好ましい実施形態の幅および範囲は、上記の例示的な構造体や実施形態のうちの任意のものによって制限されるべきではないが、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定義されるべきである。

Claims (30)

  1. 作動中の往復機関から機械的仕事を抽出する方法であって、
    前記機関の往復運動要素が往復運動し、かつ前記往復機関の出力シャフトが回動すると、略固定長の状態を保持する最大長のトルク・モーメント・アームを使用して、トルク・モーメントを前記出力シャフトに与える工程を含む、作動中の往復機関から機械的仕事を抽出する方法。
  2. 前記略固定長は、前記往復機関のクランクシャフトのクランクシャフト径と略同じである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記最大長のトルク・モーメント・アームを使用する工程は、略固定長のモーメント・アームを使用して、前記機関の前記往復運動要素を前記出力シャフトに連結する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記機械的仕事を抽出する工程は、前記最大長のトルク・モーメント・アームを使用して、前記トルク・モーメントを与えることにより、前記往復機関の出力を高める工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記最大長のトルク・モーメント・アームは、前記出力シャフトの回動の全体にわたってその最大長の状態を保持するモーメント・アームを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記出力シャフトに前記機関の往復運動要素を連結する工程は、略固定のトルク・モーメント・アームを形成する、回動するトルク送出装置に前記出力シャフトを連結する工程を含み、前記回動するトルク送出装置は、前記機関の前記往復運動要素と接合するように構成される、請求項3に記載の方法。
  7. 前記機関は内燃機関である、請求項1に記載の方法。
  8. 略固定長の状態を保持する前記最大長のトルク・モーメント・アームを使用して、前記トルク・モーメントを前記往復機関の前記出力シャフトに与える工程は、
    前記往復機関の前記往復運動要素に平行移動部材を連結する工程と、
    前記最大長のトルク・モーメント・アームを使用して、前記平行移動部材を前記出力シャフトに連結する工程とを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記トルク・モーメント・アームは、前記平行移動部材の往復運動の軸線に略直交し、トルクを前記回動可能な動力出力部材に与える、請求項8に記載の方法。
  10. 前記略固定長の状態を保持する前記トルク・モーメント・アームは、前記動力出力部材に連結される回動可能なギヤ装置と、前記平行移動部材に連結されるギヤ・ラックとを含む、請求項8に記載の方法。
  11. 往復運動要素の往復運動、および往復機関の出力シャフトの回動の間に略一定の状態を保持する少なくとも1つの略固定長のトルク・モーメント・アームを備える、往復機関。
  12. 前記略固定長のトルク・モーメント・アームは前記機関のクランクシャフトのクランクシャフト径に等しい長さを有する、請求項11に記載の往復機関。
  13. 前記略固定長のトルク・モーメント・アームを使用して、前記機関の前記往復運動要素の往復運動を前記出力シャフトの回動運動に変換するための装置を更に備える、請求項11に記載の往復機関。
  14. シリンダ内に配置される、少なくとも1本の往復運動ピストンを更に備え、同ピストンは、一端で連接棒によって前記機関のクランクシャフトに接続され、付加的に、前記略固定長のトルク・モーメント・アームによって、前記出力シャフトに更に接続される、請求項11に記載の往復機関。
  15. 前記略固定長のトルク・モーメント・アームは、前記出力シャフトに連結される回動装置、および前記往復運動ピストンに連結される平行移動要素の組み合わせによって少なくとも一部形成され、前記回動装置は、前記略固定長のトルク・モーメント・アームを形成する、請求項14に記載の往復機関。
  16. 前記回動装置は、滑車、ギヤ、あるいはスプロケットのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の往復機関。
  17. 前記平行移動要素は、ケーブル、チェーン、ベルト、プル・ロッド、あるいはギヤ・ラックのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の往復機関。
  18. 前記往復運動ピストンと前記出力シャフトとの間に配置されるクラッチ装置を更に備える、請求項14に記載の往復機関。
  19. 前記略固定長のトルク・モーメント・アームは、前記トルクを生成するトルク・モーメント・アームを含み、
    i)平行移動部材と回動可能な部材との間の接触点と、前記出力シャフトの前記回動軸との間に形成され、
    ii)前記平行移動部材の前記移動に通常直交し、
    iii)前記機関の往復運動要素の往復運動の間に略固定長の状態を保持する、請求項11に記載の往復機関。
  20. 前記機関の往復運動要素によって生成されるエネルギーを一時的に格納し、かつ前記往復運動要素が機関内で移動すると前記出力シャフトに前記エネルギーを続いて解放するためのエネルギー蓄積装置を更に備える、請求項11に記載の往復機関。
  21. 往復機関の往復運動要素に連結する動力送出装置であって、
    前記往復運動要素に連結されるとともに前記往復運動要素と一体的に移動するための、軸方向平行移動張力部材と、
    動力出力シャフトに連結されるとともに前記平行移動張力部材と接合する回動可能な部材とを備え、前記平行移動張力部材は、略固定長のトルク・モーメント・アームを使用した前記平行移動張力部材の軸線方向の運動の間に前記動力出力シャフトにトルクを作用させる前記回動可能な部材に軸力を供給する、動力送出装置。
  22. 前記トルクを生成する前記トルク・モーメント・アームは、
    i)前記平行移動張力部材と前記回動可能な部材との間の接触点と、前記動力出力要素の前記回動軸との間に形成され、
    ii)前記平行移動張力部材の前記移動に通常直交し、
    iii)前記往復運動要素の往復運動の間、略固定長の状態を保持する、請求項21に記載の動力送出装置。
  23. 前記回動可能な部材は、回動可能な部材が第2の方向に自由に出力要素に対して回動することを許容するように構成されるクラッチ装置を使用して、前記出力要素に連結される、請求項21に記載の動力送出装置。
  24. 前記回動可能な部材は、ギヤ装置を含み、前記平行移動張力部材は、前記ギヤ装置と接合するギヤ・ラックを含む、請求項21に記載の動力送出装置。
  25. 前記往復運動要素は往復運動ピストンを含み、
    前記動力出力要素は前記機関のクランクシャフト以外の回動力出力シャフトを含み、
    前記平行移動張力部材は、前記往復運動ピストンに接続するとともに同ピストンの往復運動に基づいて移動するプル・ロッド装置を含み、
    前記プル・ロッドと一体的に移動するように前記プル・ロッドに連結される線形のギヤ装置と、
    前記出力シャフトに連結されるとともに前記線形のギヤ装置に接続するように構成される回動可能なピニオン・ギヤと、
    前記ピニオン・ギヤが、同ピニオン・ギヤが回動するクランクシャフトに向かってピストン運動の第1の方向に回動する場合に、前記出力シャフトと係合するように、前記出力シャフトと前記ピニオン・ギヤとの間に配置される一方向クラッチ装置とを更に備え、
    前記ピストンが前記機関内で往復運動すると、前記線形のギヤ装置と前記ピニオン・ギヤとの間の接触領域と、前記出力シャフトの回動軸との間の距離は、略一定の状態を保持する、請求項21に記載の動力送出装置。
  26. 少なくとも1本のピストンであって、一端が連接棒を介してクランクシャフトに接続され、付加的に、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して出力シャフトに接続される、少なくとも1本のピストンと、シリンダとを含む往復機関であって、
    前記往復運動するピストンに連結されるとともに一体的に移動する、軸方向平行移動要素と、
    前記出力シャフトに連結されるとともに前記平行移動要素と接合する回動可能な部材であって、前記平行移動要素は、前記平行移動要素の軸線方向の運動の間に前記出力シャフトにトルクを作用させる前記回動可能な部材に軸力を供給する、回動可能な部材とを備え、
    前記略固定長のトルク・モーメント・アームは、
    i)前記平行移動要素と前記回動可能な部材との間の接合領域と、前記出力シャフトの前記回動軸との間に形成され、
    ii)前記平行移動要素の前記移動に通常直交する、往復機関。
  27. 前記略固定長のトルク・モーメント・アームは、前記クランクシャフトに向かう前記ピストンの内方への運動および前記クランクシャフトから離間するような前記ピストンの外方への運動の間、略不変の状態を保持する、請求項26に記載の機関。
  28. 前記回動可能な部材はギヤ装置を含み、前記軸方向平行移動要素は、前記ギヤ装置と係合するための張引装置を含む、請求項26に記載の機関。
  29. 前記平行移動要素の運動の方向に基づいて、前記出力シャフトと選択的に係合するクラッチ装置を更に備える、請求項26に記載の機関。
  30. 前記少なくとも1本のピストンおよび前記シリンダは、4本のインラインピストンおよびシリンダからなり、前記ピストンの各々は、略固定長のトルク・モーメント・アームを介して前記出力シャフトと係合するとともに同出力シャフトを回動させるように構成される、請求項26に記載の機関。
JP2016518414A 2013-06-03 2014-06-03 往復機関用の動力送出装置、並びにこれらに関連するシステムおよび方法 Pending JP2016520763A (ja)

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