本発明の課題は、より少ない電力を使用する人体結合通信デバイス及び/又はシステムのモジュールを提供すること、及びより少ない電力を使用する人体結合通信デバイスを提供することである。
本発明の一側面は、受信モジュールを提供する。本発明の他の側面は、送受信モジュールを提供する。本発明の他の側面は、人体結合通信デバイスを提供する。本発明の他の側面では、人体結合通信デバイスの人体結合受信機をウェイクアップする方法が提供される。従属請求項では好適な実施形態が定められる。
本発明の一側面に係る人体結合通信デバイスのための受信モジュールは、カプラー、メイン受信機、及びウェイクアップ受信機を含む。受信モジュールは、人体伝送チャネルを介して信号を受信するためのものである。カプラーは、ユーザーの体がカプラーの直近にあるとき、ユーザーの体を辿る人体伝送チャネルから信号を受信する。メイン受信機は、カプラーに結合され、人体伝送チャネルを介して送信された信号を介してデータを受信する。メイン受信機は、スリープモード及び動作モードで動作可能である。ウェイクアップ受信機もカプラーに結合され、人体結合通信デバイスの回路にウェイクアップ信号を供給し、メイン受信機を直接的又は間接的に動作モードに構成する。ウェイクアップ受信機は、人体伝送チャネルを介して送信されるウェイクアップ信号に関連する所定のスペクトル範囲内の信号を通過させるバンドパスフィルタを含む。ウェイクアップ受信機は、カプラーによって受信された所定のスペクトル範囲内の信号のエネルギーがエネルギー閾値レベルを超える場合、ウェイクアップ信号を生成する。
本発明によれば、受信モジュールはウェイクアップ受信機及びメイン受信機に細分化される。メイン受信機は、一般的には、比較的多量の論理及び処理パワーを要する回路である。したがって、メイン受信機が、あまりエネルギーが使用されないスリープモードに入ることができる場合、メイン受信機は、人体伝送チャネルを介する通信が無い時間に多くのエネルギーを節約することができる。しかし、人体伝送チャネルを介する通信が存在する場合、メイン受信機は、通常の動作モードで動作するよう、ウェイクアップされなければならない。ウェイクアップ受信機から受信されたウェイクアップ信号は、メイン受信機を直接的又は間接的に動作モードに構成する。したがって、特に人体伝送チャネルを介する通信が無い期間中、スリープモードにより、メイン受信機は多くの電力を節約する。ウェイクアップ受信機は、カプラーにおいて受信された特定のスペクトル範囲内の信号をフィルタリングすること、及び特定のスペクトル範囲内の信号のエネルギーがエネルギー閾値レベルを超えるか否かを決定することを含む、比較的単純なタスクを有する。これは、エネルギー効率的な回路内に実装され、よって、ウェイクアップ受信機は多くの電力を使用しない。ウェイクアップ受信機によって使用されるエネルギーの量は、人体伝送チャネルを介する通信が無い期間中にスリープするメイン受信機によって節約されるエネルギーの量より少ない。したがって、上記受信モジュールは、既知の人体結合通信デバイスの受信モジュールよりもエネルギー効率が良い。
ウェイクアップ信号は、人体結合通信デバイスの回路に供給される。かかる回路は、例えば、人体結合通信デバイスのマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は処理ユニットであり、この回路は、メイン受信機を動作モードに構成する。ウェイクアップ信号はメイン受信機に直接供給されないので、これは、メイン受信機を間接的に動作モードに構成する例である。ウェイクアップ信号は、人体結合通信デバイス内で生成される全ての割り込みを取り扱う回路によって受信される割り込み信号の一種であり、この回路は、人体結合通信デバイスの他の要素を動作モードに制御可能である。他の実施形態では、ウェイクアップ信号を受信するマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は処理ユニットをメイン受信機自体が含み、この組み込みマイクロプロセッサ、組み込みマイクロコントローラ、又は組み込み処理ユニットは、ウェイクアップ信号が受信されるとメイン受信機を動作モードに制御する。他の実施形態では、ウェイクアップ信号が供給される回路はメイン受信機である。メイン受信機は、ウェイクアップ信号が供給されるウェイクアップ入力を含み、また、メイン受信機は、ウェイクアップ信号がウェイクアップ入力において受信されたとき、メイン受信機を動作モードに制御する何らかの専用ハードウェアを有する。
ウェイクアップ受信機は、特に、所定のスペクトル範囲内の信号に対して感度が高い。したがって、所定のスペクトル範囲は、受信機をウェイクアップするために人体伝送チャネルを介して送信される信号の周波数スペクトルの範囲である。実際には、これは、受信モジュールデバイスをウェイクアップするには、受信モジュールと同じ人体の直近にある他のデバイスが、少なくとも、この所定のスペクトル範囲内でエネルギーを伝送しなければならないことを意味する。本発明は特定のウェイクアップ信号に限定されず、唯一の限定は、ウェイクアップモジュールが所定のエネルギー閾値レベルを上回るエネルギーを受け取るのに十分なエネルギーが所定のスペクトル範囲内で伝送されることである。一実施形態では、閾値レベルを超えることは、振幅閾値を超えることに関連し得る。これは、しばしば、受け取られるエネルギーの量が受信信号の振幅に関連するからであり、よって、この実施形態では、ウェイクアップ受信機は受信信号の振幅を振幅閾値レベルと比較しなければならないことを意味する。一般的に、エネルギーの量は期間に関連し、よって、他の実施形態では、所定の閾値レベルは、ウェイクアップ信号が生成される前に、所定の期間内で特定の量を上回るエネルギーが受け取られなければならないことを定め得る。
直近とは、メイン受信機が人体伝送チャネルを介して情報を受信可能な最大距離として定義される。最大距離は、ユーザーの体とカプラーとの間の距離である。オプションで、最大距離は10cm内、又は5cm内である。オプションで、最大距離は2cm内である。本発明のオプションの実施形態では、直近とは、ユーザーがカプラーに触れることを意味する。背景技術の節で論じられたように、カプラーは低パワーの電界を生成し又は受け、ユーザーの体とカプラーとの間に静電容量結合又はガルバニック結合を作り出すものであることに留意されたい。カプラーは電極、金属板等として具現化され得る。
スリープモードは、メイン受信機が動作不能であり、あまり多くのエネルギーを使用しないモードであることに留意されたい。場合によっては、メイン受信機は完全にオフにされ、ウェイクアップ信号の受信をモニタリングする小さいモニタリング回路だけがスリープモード中にアクティブであってもよい。本発明の上記効果及び利点に関しては直接的に重要ではないが、メイン受信機又は人体結合通信デバイスは、メイン受信機をスリープモードに制御する手段を含み得る。このような手段は、例えば、所定の時間間隔にわたり、人体伝送チャネルを介する通信アクティビティが無かったか否かを検出する。所定の時間間隔の間に通信が無かった場合、メイン受信機はスリープモードに制御され得る。
ウェイクアップ受信機は、時間間隔の間、所定の範囲内の信号の受け取られたエネルギーの総量が、エネルギー閾値レベルを超えるか否かを検出するよう構成されたエネルギーレベル検出器を含む。時間間隔の間検出を行うことは、非常に短い干渉信号が、多くの場合、時間間隔に対して定められたエネルギー閾値レベルを超えるのに十分なエネルギーを有さないため、非常に短い干渉信号が可能性のあるウェイクアップ信号として検出されないという利点を有する。
オプションで、エネルギーレベル検出器は、特定の時点から開始して、時間間隔の間、受け取られたエネルギーを積分するための積分器を含み、エネルギーレベル検出器は、積分器の出力をエネルギー閾値レベルと比較するための比較要素を含む。積分器は、例えば、積分値を0にリセットするためのリセット信号を定期的に受信する。しかし、エネルギーレベル検出器の実施形態はこのオプションの実施形態に限定されず、当業者は、時間間隔中に受信されたエネルギーの総量がエネルギー閾値レベルを超えるか否かを検出可能な他のエネルギーレベル検出器を設計することができる。
オプションで、所定のスペクトル範囲は、人体伝送チャネルを介するデータ通信に使用されるキャリア周波数より低い人体結合通信スペクトル範囲に設定される。人体伝送チャネルは、50kHzから10MHzまでの人体結合通信スペクトル範囲内の信号を良好に送信し、100kHzから1MHzまでの周波数範囲内の信号に最適である。人体伝送チャネルを介して十分に高いスループットを得るために、送信機と受信機との間の接続のイニシャライゼーション後に送信機と人体通信デバイスの受信モジュールとの間で通信されるデータは、多くの場合、比較的高いキャリア周波数、例えば少なくとも1MHzの周波数、多くの場合は約10MHzの周波数で伝送される。オプションで異なるキャリア周波数が使用される。しかし、エネルギー効率の良い送信機及び/又はエネルギー効率の良いウェイクアップ受信機を得るためには、受信モジュールをウェイクアップするのに比較的低い周波数の信号を使用することが有利である。したがって、所定のスペクトル範囲は、送信機と受信機との間の接続のイニシャライゼーション後の通信に使用される1つ又は複数のキャリア周波数より低く設定される。例えば、所定のスペクトル範囲は50kHzから1MHzである。又は、他の実施形態では、所定のスペクトル範囲は100kHzから1MHzである。又は、他の例では、所定のスペクトル範囲は110kHzから500kHzである。ウェイクアップ信号が、例えば7MHzあたりの周波数で送信されることも可能である。その場合、所定のスペクトル範囲は、例えば、6.5から7.5MHzである。
オプションで、ウェイクアップ受信機は、エネルギー受信レベル検出器が閾値レベルを超えることを検出する場合、ウェイクアップ信号を生成するコントローラを含む。コントローラは、更に、時間間隔の開始及び時間間隔の終了を管理し得る。言い換えれば、エネルギー受信レベル検出器はコントローラに結合され、エネルギーの総量がエネルギー閾値レベルを超えるとき、コントローラに信号を供給する。コントローラは、エネルギー受信レベル検出器から受け取られた情報に基づきウェイクアップ信号を生成することを決定し得る。更に、コントローラは、時間間隔が開始し及び/又は時間間隔が終了する時点を示す信号をエネルギー受信レベル検出器に供給する。かかる信号は、例えば、エネルギー受信レベル検出器のオプションの積分器のためのリセット信号であり得る。コントローラは、積分器をリセットするためにエネルギー受信レベル検出器に供給される信号を定期的に生成するタイマーを含み得る。コントローラ及び/又はタイマーは、所定の固定長の時間間隔を使用するよう構成され得るが、特定の実施形態では、連続する時間間隔の長さは変化し得る。
オプションで、コントローラは、エネルギー閾値レベルを決定し、エネルギー閾値レベルを制御信号の形式でエネルギー受信レベル検出器に供給するよう構成される。
オプションで、コントローラは、エネルギー受信レベル検出器が、2つ以上の連続する時間間隔において、所定のスペクトル範囲内の信号の受信エネルギーの総量が閾値レベルを超えることを検出する場合、ウェイクアップ信号を生成するよう構成される。したがって、受信レベル検出器が第1の時間間隔中に閾値レベルを超えたことを検出する場合、コントローラはウェイクアップ信号をすぐに生成せず、受信レベル検出器が再度閾値レベルを超えるか否かを検出する新たな時間間隔を開始し得る。コントローラは、いくつの連続する時間間隔中に閾値レベルを超えたかをカウントし、所定の最小の連続間隔数を上回る場合、ウェイクアップ信号を生成する。コントローラは、(連続する)時間間隔の開始及び終了を管理することに留意されたい。一実施形態では、連続する時間間隔は同じ長さ(例えば、所定の固定長)を有し、又は連続する時間間隔は可変長を有する。このオプションの実施形態の効果は、所定のスペクトル範囲内の受信信号のエネルギーの総量が連続する時間間隔において閾値を上回る場合、他の人体結合通信有効デバイスがユーザーの体の近傍にある可能性がより高いので、誤ったウェイクアップ信号の生成が著しいことである。よって、より信頼できるウェイクアップ機構が得られる。
オプションで、コントローラは、時間間隔の開始から、いくつの単位時間で所定のスペクトル範囲内の信号の受信エネルギーの総量が閾値レベルを超えるかを検出するよう構成される。言い換えれば、コントローラが時間間隔の開始を制御するとき、いくつの単位時間でエネルギー受信レベル検出器が閾値レベルを超えたと検出するかを検出する時間測定が開始される。これは、リセット信号を受信した時点から単位時間をカウントするカウンタによって実行され得る。コントローラは、時間間隔の開始時にカウントをリセットするよう構成され、また、コントローラは、所定のスペクトル範囲内の信号のエネルギーの総量が閾値レベルを上回ることを示す信号を受信レベル検出器から受信するとき、カウンタからカウントされた単位時間を読み取るよう構成され得る。いくつの単位時間で閾値レベルに達したかは受信信号強度に関係するため、これを知ることは有益であり得る。
オプションで、コントローラは、時間間隔の開始時と、所定のスペクトル範囲内の信号の受信エネルギーの総量が閾値レベルを超える時点との間の単位時間の数に基づき、受信信号強度信号を生成するよう構成される。受信信号強度信号の生成は、更に、エネルギー閾値レベルを考慮し得る。RSSI(受信信号強度)値は受信信号の品質及び/又は信号の送信機の近さに関して何らかを示すので、RSSI値を知ることは多くのアプリケーションで有用である。信号強度が比較的高い場合、送信機が直近にあり且つ/又は強力な送信機である可能性があり、受信信号はおそらく比較的高い品質を有する。この情報は、信号の送信者とより速く及びより良好に同期し得るようメイン受信機によって使用され、また、この情報は、適切な信号強度レベルで信号を送り返すようメイン受信機によって使用され得る。また、信号強度信号は、ログ及び/又はデバッグのために使用され得る。
オプションで、コントローラは、人体伝送チャネルを介してウェイクアップ信号又はデータ信号が送信されない期間中、期間のサブ間隔の開始からいくつの単位時間で所定のスペクトル範囲内の信号の受信エネルギーの総量が他の閾値レベルを超えるかを検出することにより、所定のスペクトル範囲内のノイズの量又は干渉信号の量を推定するよう構成される。別の時間間隔のサブ間隔の長さは(ウェイクアップ信号が生成されなければならないか否かを検出するために使用される)時間間隔の長さより長く、且つ/又は、他の閾値レベルは(ウェイクアップ信号が生成されなければならないか否かを検出するために使用される)閾値レベルより低い。
このオプションの実施形態では、コントローラは、人体結合ネットワークを介して他のデータ信号及び/又はウェイクアップ信号が受信されていないことを知る。例えば、続けて送信される2つの連続するデータパケットの間には、信号が送信されない期間が常に存在し得る。この期間中、カプラーの出力のノイズレベル、又は人体伝送チャネル及びカプラーによって受信される干渉信号のレベルを検出する測定が実行され得る。通常動作中、(所定のスペクトル範囲内で受信されるエネルギーの総量が閾値レベルを超えることが検出される)時間間隔の長さ及び閾値レベルは、通常の環境下ではノイズ及び干渉信号が閾値レベルの超過をもたらさないよう選択される。したがって、いくつの単位時間でノイズ又は干渉信号が他の閾値レベルの超過をもたらすかを検出するには、他の閾値レベルが閾値レベルより低いか、又はサブ時間間隔の長さが時間間隔の長さより長くなければならない。コントローラがカウンタを含む場合、カウンタを使用してサブ間隔の開始からの単位時間がカウントされ得る。ノイズ及び/又は干渉信号の量に関する情報は、例えば、より信頼できるデータ信号の受信のためにメイン受信機によって使用され得る。この情報をRSSI値と組み合わせると、SN比を求めることができる。
オプションで、メイン受信機は、カプラーから受信された信号を分析して、人体伝送チャネルを介する今度の通信の特定の通信タイプを示す通信タイプ識別値を検出するよう構成される。メイン受信機は、更に、特定の通信タイプ識別値が検出されたとき、人体結合通信デバイスの他の回路を動作モードに構成するための追加ウェイクアップ信号を供給するよう構成される。このオプションの実施形態によれば、人体結合通信デバイスの他の回路をウェイクアップする追加手段が提供される。特に、このオプションの実施形態によれば、他の回路は、受信モジュールがウェイクアップ信号を受信するのよりも後に追加ウェイクアップ信号を受信し、他の回路は、通信タイプ識別値が検出された後、追加ウェイクアップ信号を受信する。したがって、他のデバイスが人体伝送チャネルを介して情報を送信する場合、このオプションの実施形態の受信モジュールとの通信を続け得る前に、かかる通信タイプ識別値を送信しなければならない。また、通信タイプ識別値は、今度の通信タイプに必要な特定のプロセスをイニシャライズする、又は今度の通信タイプの形式に従う特定のリプライを準備する等、特定のアクションを開始するために他の回路によって使用され得る。他の回路が動作モードにウェイクアップされる前により長い時間スリープモードにいることができるので、このオプションの実施形態は、受信モジュールがより多くのエネルギーを節約することを可能にする。また、この実施形態は、今度の通信のタイプを特定できないデバイスと通信を開始することを防ぐ。
オプションで、カプラーにおいて受信される、通信タイプ識別値を含む信号は、通信タイプ識別値を含む信号を送信するデバイスによって提供され得るサービスの種類をユーザーの体の直近にある他の人体結合通信デバイスに示すためのブロードキャストメッセージの機能を有する。
オプションで、通信タイプ識別値は、今度の通信で使用されるプロトコル、ウェイクアップ信号を送信したデバイスによって提供されるサービス又はウェイクアップ信号を送信したデバイスによって使用されるサービス、今度の通信のセキュリティレベルのうちの1つを示す。この追加情報は、他の回路がウェイクアップされなければならないか否か、及び他の回路が動作モードにおいて如何に動作すべきかを選択することを助け得る。
オプションで、メイン受信機は、受信モジュールを含む人体結合通信デバイスによってサポート及び/又は提供される通信タイプの通信タイプ識別値のリストを保存するデータストレージを含む。メイン受信機は、通信タイプ識別値が通信タイプ識別値のリスト上に存在する場合にのみ、追加ウェイクアップ信号を生成するよう構成される。したがって、このオプションの実施形態によれば、人体結合通信デバイスの他の回路は、通信タイプ識別値の送信機と通信可能な場合にのみ、ウェイクアップされる。これは誤ったウェイクアップを防ぎ、よって、受信モジュールを含む人体結合通信デバイス内のエネルギーを節約する。
本発明の他の側面によれば、人体結合通信デバイスのための送受信モジュールが提供される。送受信モジュールは、人体伝送チャネルを介して信号を送受信するためのものである。送受信モジュールは、本発明の上記側面の実施形態のうちのいずれかにかかる受信モジュールを含み、また、カプラーに結合されたメイン送信機を含む。カプラーは、人体伝送チャネルを介する信号の送信用でもある。メイン送信機は、人体伝送チャネルを介して送信される信号を介してデータを送信するよう構成される。メイン送信機は、スリープモード及び動作モードで動作するよう構成される。メイン送信機及びメイン受信機は必ずしも別々のハードウェア部品ではなく、例えば、単一のメイン送受信機に統合され得るが、明確さのため、上記コンポーネント/ユニット/モジュールは別々に論じられることに留意されたい。
スリープモードは、メイン送信機が動作不能であり、あまりエネルギーを使用しないモードであることに留意されたい。場合によっては、メイン送信機が完全にオフにされ、ウェイクアップ信号の受信をモニタリングする小さなモニタリング回路だけがスリープモード中にアクティブであってもよい。本発明の効果及び利点に関しては直接的に重要ではないが、メイン送信機は、メイン送信機をスリープモードに制御する手段を含み得る。このような手段は、例えば、所定の時間間隔にわたり、人体伝送チャネルを介する通信アクティビティが無かったか否かを検出する。所定の時間間隔中に通信が無かった場合、メイン送信機はスリープモードに制御され得る。
オプションで、メイン受信機がウェイクアップ信号を生成し、追加ウェイクアップ信号を生成しない場合、メイン送信機はウェイクアップ信号を受信し、ウェイクアップ信号の受信時に動作モードで動作するよう構成される。メイン受信機が追加ウェイクアップ信号も生成する場合、メイン受信機は追加ウェイクアップ信号を受信し、追加ウェイクアップ信号の受信時に動作モードで動作するよう構成される。
メイン送信機が比較的長い期間スリープモードにいることができるため、このオプションの実施形態はエネルギーを節約し、メイン送信機が動作モードに構成されなければならないことをウェイクアップ信号のうちの1つが示すとき、メイン送信機はエネルギーの使用を開始する。
オプションで、メイン送信機は、動作モードに構成された後すぐ、人体伝送チャネルを介してACK信号を送信するよう構成される。ACK信号は、送受信モジュールが後続の通信のための準備ができていることを示し、及び/又は、ACK信号は、送信モジュールが受信された通信タイプ識別値によって特定される特定の通信タイプを取り扱うことができることを示す。したがって、ウェイクアップ信号を通信タイプ識別値と共に送信したデバイスは、ACK信号から、人体伝送チャネルに他のデバイスが結合されていること、及び特定された通信タイプの通信が続けて開始し得ることを知る。
オプションで、ACK信号は、送受信モジュールと、ウェイクアップ信号を通信タイプ識別値と共に送信したデバイスとの間の安全な通信リンクを確立するための情報を含む。
本発明の他の側面によれば、本発明の上記側面に係る送受信モジュール及び処理ユニットを含む人体結合通信デバイスが提供される。処理ユニットは、送受信モジュールを介して送受信されるデータを処理するよう構成される。処理ユニットも、スリープモード及び動作モードで動作するよう構成される。メイン受信機がウェイクアップ信号を生成し、追加ウェイクアップ信号を生成しない場合、処理ユニットはウェイクアップ信号を受信し、ウェイクアップ信号の受信時に動作モードで動作するよう構成される。メイン受信機が追加ウェイクアップ信号も生成する場合、処理ユニットは追加ウェイクアップ信号を受信し、追加ウェイクアップ信号の受信時に動作モードで動作するよう構成される。
人体伝送チャネルを介する通信アクティビティが存在しない場合、送受信モジュールのモジュールだけがスリープモードになり得るだけでなく、かかるデバイスの処理ユニットもエネルギー節約のためにスリープモードに構成され得るので、この人体結合通信デバイスは非常にエネルギー効率的である。その後、人体伝送チャネルを介して信号が受信され、これらの信号が特定の条件(例えば、所定のスペクトル範囲内で十分なエネルギー、及び/又は、信号が認識される通信タイプ識別値を含む)を満たす場合、処理ユニットは動作モードにおいてより多くのエネルギーを使用し始める。
本発明の他の側面によれば、人体結合通信デバイスの人体結合受信機をウェイクアップする方法が提供される。人体結合受信機は、スリープモード及び動作モードで動作するよう構成される。人体結合受信機は、ユーザーの体を辿る人体伝送チャネルを介して送信される信号を介してデータを受信するよう構成される。方法は、i)人体伝送チャネルから信号を受信する段階であって、信号は人体結合通信デバイスのカプラーにおいて受信され、カプラーは、ユーザーがカプラーの直近にいるとき、人体伝送チャネルを介して信号を受信するよう構成される段階と、ii)受信信号をフィルタリングして、人体結合伝送チャネルを介して送信されるウェイクアップ信号に関連する所定のスペクトル範囲内の受信信号のスペクトル成分を含むフィルタリングされた信号を取得する段階と、iii)フィルタリングされた信号に基づき、所定のスペクトル範囲内の受信信号のエネルギーがエネルギー閾値レベルを超えるか否かを検出する段階と、iv)人体結合受信機を動作モードに構成するために人体結合受信機にウェイクアップ信号を供給する段階とを含む。
オプションで、人体結合通信デバイスは、スリープモード及び動作モードで動作するよう構成された少なくとも他の回路を含み、人体結合通信デバイスの人体結合受信機をウェイクアップする方法は、更に、v)フィルタリングされた信号内の通信タイプ識別値を検出する段階であって、通信タイプ識別値は、人体伝送チャネルを介する今度の通信の特定の通信タイプを示す段階と、vi)他の回路を動作モードに構成するために他の回路に他のウェイクアップ信号を供給する段階とを含む。他の回路は、人体結合通信デバイスの処理ユニットであり、又は人体結合通信デバイスの人体結合送信機であり得ることに留意されたい。
上記方法は、受信モジュール、送受信モジュール、人体結合通信デバイス、及び送信モジュールと同じ利益を提供し、モジュール及びデバイスの対応する実施形態と同様な効果を奏する同様な実施形態を有する。
オプションで、プロセッサシステムに本発明の第5の側面の方法の段階を実行させるための命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
オプションで、コンピュータ可読媒体に組み込まれた上記コンピュータプログラムが提供される。
本発明の上記及び他の側面は、後述される実施形態を参照して説明され、明らかになる。
当業者は、本発明の上記オプション、実装形態、及び/又は側面の2つ以上が有用だと考えられる任意の態様で組み合わせられ得ることを理解するであろう。
システムの上記改変例及び変形例に対応するシステム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品の改変例及び変形例は、本明細書に基づき当業者によって実施され得る。
第1の実施形態が図1に示される。図1は、第1の人体結合通信デバイス100及び第2の人体結合通信デバイス180を含む人体結合通信システム190の一実施形態を概略的に示す。第1の人体結合通信デバイス100及び第2の人体結合通信デバイス180は、ユーザー150の体によって形成される人体伝送チャネル160を介して信号及びデータを伝達するよう構成されている。第1の人体結合通信デバイス100及び第2の人体結合通信デバイス180は、各デバイスのカプラーがユーザーの体の直近にあるとき、人体伝送チャネルを介して通信することができる。ユーザーの体の直近とは、カプラーと体とが、ユーザーの体を介する信号の交換を許容する最大相互距離内にあることを意味する。オプションで、(直近の)最大距離は10cm内、又は5cm内である。オプションで、最大距離は2cm内である。本発明のオプションの一実施形態では、直近とは、ユーザーが第1の人体結合通信デバイス100及び第2の人体結合通信デバイス180の各カプラーに触れることを意味する。通信は両方のデバイスが同時にユーザーの体の直近にある場合にのみ可能なことに留意されたい。
第1の人体結合通信デバイス100は、人体伝送チャネル160を介して信号、データ、及び情報を受信可能な受信モジュール101を含む。受信モジュール101は、体がカプラー102の直近にあるときに人体伝送チャネルから信号を受信するためのカプラー102を含む。一実施形態では、カプラー102は、カプラー102の両極を形成する2枚の金属板104を含む。受信モジュール101は、更に、カプラー102に結合されたメイン受信機106を含み、更に、同じくカプラー102に結合されたウェイクアップ受信機108を含む。
メイン受信機106は、動作モード及びスリープモードで動作するよう構成される。スリープモードでは、メイン受信機106のほとんどの回路がオフにされ、電力を使用しない。スリープモードでは、メイン受信機106はウェイクアップ信号107を受信するか否かを検出することしかできず、ウェイクアップ信号107を受信すると、メイン受信機106は、メイン受信機106が人体伝送チャネル160を介して信号、よってデータ及び情報を受信するよう完全に動作可能な動作モードに構成される。オプションの実施形態では、メイン受信機106は、人体伝送チャネルを介する通信アクティビティの欠如を検出する手段を有する。例えば、所定の期間中に人体伝送チャネル160を介して信号が伝送されない場合、かかる手段はスリープ信号を生成し、メイン受信機106はスリープ信号が生成されるとスリープモードに構成される。メイン受信機106は、更に、人体伝送チャネル160を介して受信された信号と同期し、及び受信された信号を復調するよう構成され得る。復調された信号は、第1の人体結合通信デバイス100の他の回路(図示無し)、例えば処理ユニット等に供給され得る。
ウェイクアップ受信機108は、カプラー102によって傍受された信号を受信する。カプラー102の信号は、バンドパスフィルタ(図示無し)によってフィルタリングされ、フィルタリングされた信号が得られる。バンドパスフィルタは特定の所定のスペクトル範囲内の信号のみを通過させ、この所定のスペクトル範囲外の信号を減衰する。所定のスペクトル範囲は、人体伝送チャネルを介して伝送されるウェイクアップ信号の周波数に関連する。ウェイクアップ受信機108は、フィルタリングされた信号のエネルギーがエネルギー閾値レベルを超えるか否かを検出する手段を有する。エネルギー閾値レベルを超える場合、ウェイクアップ受信機108は、メイン受信機106に供給されるウェイクアップ信号107を生成する。上記されたように、ウェイクアップ信号107がメイン受信機106によって受信されると、メイン受信機106は動作モードに構成される。したがって、メイン受信機106がスリープモードであり、ウェイクアップ受信機106によってウェイクアップ信号107が生成されない期間中、電力が節約される。
第2の人体結合通信デバイス180もカプラー(図示無し)を含み、また、カプラーを介して、よって人体伝送チャネルを介して信号を送信するよう構成された送信機(図示無し)を含む。第2の人体結合通信デバイス180が人体伝送チャネルを介する通信を開始することを望む場合、第2の人体結合通信デバイス180は、人体伝送チャネル160を介してウェイクアップ信号を送信する。ウェイクアップ信号は、例えば、ウェイクアップ周波数の正弦波であり、これらの正弦波は、ウェイクアップ期間中に送信され得る。例えば、100kHzの信号が100ms間送信されてもよい。例えば、連続する期間中、それぞれの最初の0.5s間、150kHzの信号が送信される。例えば、米国特許出願公開第2012/0033584号に記載されるようなマイクロプリアンブルが送信されてもよい。
オプションの一実施形態では、ウェイクアップ信号が送信/受信される所定のスペクトル範囲は、通常のデータ通信が人体伝送チャネルを介して行われる1つ又は複数の周波数より低い。例えば、第2の人体結合通信デバイス180から第1の人体結合通信デバイス100への通常のデータ通信は、例えば10MHzの単一のキャリア周波数で、又は、例えば1MHz〜50MHzの範囲内の複数のキャリア周波数で行われる。ウェイクアップ信号は、例えば100kHzで送信され、よって、所定のスペクトル範囲は90kHz〜110kHzであり得る。
一実施形態では、ウェイクアップ受信機108は、受信されたウェイクアップ信号のエネルギーがエネルギー閾値レベルを超えるか否かを検出するために、受信されたウェイクアップ信号の振幅を分析し得る。しかし、比較的高い振幅レベルのノイズ又は干渉が受信される場合、これは誤ったウェイクアップ検出をもたらし得る。したがって、他の実施形態では、ウェイクアップ受信機は、時間間隔中に所定のスペクトル範囲内で受信された受信エネルギーの総量がエネルギー閾値レベルを超えるか否かを決定する。したがって、フィルタリングされた信号を分析して時間間隔中に受信されたエネルギーの総量が求められ、受信されたエネルギーの総量をエネルギー閾値レベルと比較して、受信されたエネルギーの総量がエネルギー閾値レベルを上回る場合、ウェイクアップ信号107が生成され、メイン受信機106に供給される。
メイン受信機106の実施形態の例は、国際公開第2010/049842号の文献において見つけることができるが、この文献のメイン受信機は、動作モード又はスリープモードで動作するよう更に適合されなければならない。これは、メイン受信機がスリープモードで動作しなければならないときにメイン受信機のモジュールへの電力を遮断し、メイン受信機が動作モードで動作しなければならないときにメイン受信機のモジュールに電力を供給するON/OFF回路を上記文献のメイン受信機に設けることにより、当業者によってなされ得る。
図2は、本発明の第1の側面に係る人体結合通信デバイスのウェイクアップ受信機200の一実施形態を概略的に示す。ウェイクアップ受信機200は、例えば、図1の第1の人体結合通信デバイス100内で使用され得る。ウェイクアップ受信機200は、所定のスペクトル範囲内の信号のエネルギーがエネルギー閾値レベルを超えるか否かを検出するための回路210を含み、また、ウェイクアップ受信機200はコントローラ202を含む。
回路218は、カプラー、例えば図1の受信モジュール101のカプラー102等から信号250を受信する。信号250は増幅器210、例えば差動増幅回路に供給され、増幅された信号252が生成される。増幅された信号252は、所定のスペクトル範囲(ウェイクアップ信号に関連するスペクトル範囲)内の信号を通過させ、所定のスペクトル範囲外の信号を減衰するバンドパスフィルタ212に供給される。バンドパスフィルタ212は、フィルタリングされた信号254を生成する。フィルタリングされた信号254は、時間間隔中のフィルタリングされた信号254の信号のエネルギーの量を積分する積分器214に供給される。積分器214は総エネルギー量信号256を生成し、これは検出器216に供給される。検出器216は、総エネルギー量信号256をエネルギー閾値レベルと比較し、総エネルギー量信号によって示される値がエネルギー閾値レベルを上回る場合、閾値信号258を生成し、これはコントローラに供給される。積分器214の出力は、時間間隔中に徐々に増加する連続的な総エネルギー量信号256であり、よって、受け取られたエネルギーの総量がエネルギー閾値を上回り次第、検出器216が閾値信号を生成することに留意されたい。ただし、本発明はこの実装形態に限定されず、他の実施形態では、積分器214は時間間隔の終わりに総エネルギー量信号256を検出器216に供給し、時間間隔中のある時点で所定のスペクトル範囲内で受信されたエネルギーの総量がエネルギー閾値レベルを超えた場合、検出器216は、時間間隔の終わりに至ってから、閾値信号258を生成することができる。以下、(上記の)積分器214の第1のタイプの出力を仮定する。
また、提示される回路218はアナログ回路、デジタル回路、又はこれらの組み合わせとして実装され得ることに留意されたい。アナログ信号からデジタル信号への変換を実行する必要がある場合、提示される機能ブロック間に適切なアナログ/デジタル変換が加えられ得る。更に、提示される回路は例であり、当業者は、所定のスペクトル範囲内の信号のエネルギーがエネルギー閾値レベルを超えるか否かを検出するための他のソリューションを見つけ及び定めることができることに留意されたい。
一実施形態では、コントローラ202が閾値信号258を受信すると、コントローラ202は、メイン受信機を動作モードに構成するために使用されるウェイクアップ信号274を生成する。以下、コントローラの動作の代替的な実施形態について述べる。
コントローラ202は、エネルギー閾値レベルの設定信号260を検出器216に供給するよう構成され得る。特定の実施形態では、エネルギー閾値レベルを制御可能なことは好適であり得る。例えば、ノイズの量が比較的多く、メイン受信機の不要なウェイクアップをもたらす誤ったウェイクアップ信号が生成されることが知られている場合、コントローラは、エネルギー閾値レベルを上昇させることを決定し、これに応じて検出器216に指示し得る。更に、コントローラ202は、積分器214の積分値をゼロにリセットするリセット信号262を積分器214に供給するよう構成され得る。これは、実際には、積分器が所定のスペクトル範囲内の信号のエネルギーの総量を求める時間間隔の始点をリセット信号262が決定することを意味する。オプションで、コントローラ202は、時間間隔の終点を決定する時間間隔終了信号(図示無し)を積分器214に供給する。実践的な実施形態では、リセット信号262は新たな時間間隔の始点を示し、それにより、前の時間間隔の終了を間接的に示す。他のオプションの実施形態では、コントローラ202は、増幅器210の増幅率(amplification factor)を決定するために、増幅器210に増幅率信号264を供給するよう構成され得る。特定の状況では、増幅率を調節して、ウェイクアップ受信機の感度を調節することが有益であり得る。上述したように、ウェイクアップ信号の誤生成が多すぎる場合、増幅率を下げることによって、ウェイクアップ受信機の感度が下げられてもよい。
コントローラの一実施形態では、コントローラ202は決定論理208を有する。決定論理208は閾値信号258を受信し、ウェイクアップ信号274を生成する必要があるか否かを決定する。決定論理208は、専用ハードウェアがエネルギー使用者に対して最適化され得るよう、決定論理208の(1つ又は複数の)タスクを実行する専用ハードウェアとして実装されてもよい。あるいは、決定論理208は、プロセッサに決定論理208のタスクを実行させるための命令を含むコンピュータプログラムを実行する(汎用)プロセッサによって実装されてもよい。決定論理208は多数のタスクを有し得る。また、コントローラ202も専用ハードウェア内に実装され、又はコントローラ202が全体として汎用プロセッサを使用してもよく、汎用プロセッサが、決定論理208の機能のタスクに加えて、後述されるタイマー及びカウンタのタスクも実行してもよいことに留意されたい。
決定論理208によって実行される第1のタスクは、ウェイクアップ信号274の生成を決定することである。上記したように、決定論理208は、閾値信号258が受信され次第、ウェイクアップ信号274を生成することを決定し得る。しかし、代替的な実施形態では、決定論理208は、2つ以上の連続する時間間隔において閾値信号258が受信された場合にのみウェイクアップ信号274を生成するよう構成されてもよい。よって、比較的長い時間、所定のスペクトル範囲内の信号がエネルギー閾値レベルを超え、したがって、他のデバイスが人体伝送チャネルを介してウェイクアップ信号を送信する蓋然性は高くなる。決定論理208は、例えば、閾値信号258が受信された連続時間間隔の回数をカウントするカウンタを含み、カウント値が特定の値を上回る場合、ウェイクアップ信号274が生成される。
上記のオプションの実施形態では、決定論理208はタイマー情報を受け取らなければならない。タイマー情報は決定論理208によって実行される他のタスクにも有用である。オプションの一実施形態では、コントローラ202は、リセット信号270を受信するよう、及びリセット信号270の受信時に時間間隔を開始するよう構成されたタイマー206を含む。タイマー206は、更に、要求される時間間隔の長さを示す間隔長さ信号271を受信するよう構成され、リセット信号270の受信から、間隔長さ信号271によって設定された長さを有する期間が経過したとき、タイムアウト信号272を供給するよう構成される。また、タイマー206は、間隔長さ信号271の受信と共に動作するよう構成され、かかる実施形態では、タイマー206は、所定の長さの期間の後にタイムアウト信号272を生成し得ることに留意されたい。タイマー206は、所定の長さの、又は間隔長さ信号271によって示される長さの期間が経過したか否かを決定するためにタイマー206によって使用される内部クロックを有し得る。
決定論理208の第2のタスクは、新たな時間間隔が開始することを積分器214に示すリセット信号262を生成することであり得る。リセット信号262は、タイマー206のリセット信号270と同じタイミングで生成され得る。タイマーがタイムアウト信号272を供給するとき、時間間隔中に閾値信号258が受信されなかった場合、積分器214のためのリセット信号262及びタイマー206のためのリセット信号270が続けて生成される。
決定論理208のオプションの第3のタスクは、検出器216にエネルギー閾値レベルを示す設定信号260を生成することである。決定論理208は、エネルギー閾値レベルを適合させるための追加入力(図示無し)を受け取り得る。また、エネルギー閾値レベルは、決定論理208内に予めプログラムされていてもよい。
決定論理208のオプションの第4のタスクは、カプラーから受信された信号250が増幅されなければならないファクタを増幅器210に示す増幅率信号264を生成することである。決定論理208は、増幅器210の増幅率を適合させるための追加入力(図示無し)を受け取り得る。また、増幅率は、決定論理208内に予めプログラムされていてもよい。
決定論理208の更なるオプションのタスクは、所定のスペクトル範囲内の受信信号の強度を示すRSSI(受信信号強度)信号を生成することである。特に、積分器214が(積分値を供給して)総エネルギー量信号256を連続的に検出器216に供給し、総エネルギー量信号256がエネルギー閾値レベルを超えると、検出器216が即座に閾値信号258を決定論理に供給する場合、決定論理は、(リセット信号262によって示された)時間間隔の開始からいくつの単位時間で閾値信号258が生成されたかを検出し得る。リセット信号262が積分器214に供給されてから閾値信号258が生成されたのが早いほど、所定のスペクトル範囲内の受信信号強度は強い。コントローラ202は、上記単位時間をカウントするカウンタ204を含み得る。カウンタは、カウンタ204のカウント値を例えば0にリセットするリセット信号270を受信するよう構成され得る。カウンタ204は、カウンタ204によってカウントされる単位時間の長さを決定する内部クロックを含み得る(又は、タイマー206とクロックを共有する)。更に、カウンタ204は、ラッチ信号268を受信するための更なる入力を含み、カウンタ204がラッチ信号268を受信すると、ラッチ信号268が受信された時点でのカウンタ204の値を示すカウント信号266が決定論理208に供給される。決定論理208は、時間間隔の開始時にリセット信号270を供給する(積分器がリセット信号262を受信するのと同じタイミング)。次に、決定論理208が閾値信号258を受信すると、決定論理208はラッチ信号268をカウンタに供給し、カウンタは単位時間のカウント数を供給する。次に、決定論理208はRSSI信号276を生成し得る。決定論理208が更に設定信号260によってエネルギー閾値レベルを設定し、及び/又は、決定論理208が更に増幅率信号264によって増幅器210の増幅率を設定する場合、決定論理208はRSSI信号276の値の決定にあたり、これらの設定を考慮しなければならない。
オプションの一実施形態では、決定論理208は、人体伝送チャネルを通ってデータ、情報、又はウェイクアップ信号が伝送されていない期間に関する知識を有する。これらの伝送がない期間は、人体伝送チャネルの、より具体的には所定のスペクトル範囲内のノイズ及び/又は干渉レベルを検出するために使用され得る。通常/ウェイクアップ動作中、増幅器210の増幅率、(所定のスペクトル範囲内の受信エネルギーの総量が閾値エネルギーレベルを上回るか否かを検出するために使用される)時間間隔の長さ、及び検出器216によって使用されるエネルギー閾値レベルは、人体伝送チャネルを介して(比較的弱い)ウェイクアップ信号が受信されたとき、ウェイクアップ信号274が生成されるよう設定される一方、通常動作中、これらのパラメータは、所定のスペクトル範囲内のノイズ及び干渉信号だけのエネルギー量に基づいては、ウェイクアップ信号274が生成されないような値を有する。ノイズレベルを検出するために、決定論理208は、人体伝送チャネルを通ってデータ又は情報が伝送されない期間中、増幅率を上げ、時間間隔を延長し、又はエネルギー閾値レベルを下げるよう構成され得る。これらのパラメータのうちの1つ以上の値が変更され、検出器216が受け取られたエネルギーの総量がエネルギー閾値レベルを超えることを検出すると、(場合によっては延長されている)時間間隔の開始から閾値信号258が生成された時点までの単位時間は、パラメータの値と共に、所定のスペクトル範囲内のノイズ及び干渉信号のレベルの指標である。決定論理208がノイズ及び干渉レベルを検出するために上記の値のうちの1つを変更し、(場合によっては延長されている)時間間隔中に閾値信号258が生成されなかった場合、次の時間間隔について、ノイズ及び干渉信号のレベルを検出するためにパラメータの値が更に変更され得る。(人体伝送チャネルを通ってデータ又は情報が伝送されない)上記期間が終了するとき、ウェイクアップ信号を検出するために、決定論理208は増幅率、時間間隔の長さ、及びエネルギー閾値レベルを通常の値に構成し直さなければならないことに留意されたい。更に、決定論理は、検出されたノイズ及び干渉レベル、並びに生成されたRSSI(受信信号強度)信号276に基づき、人体結合通信デバイスの他の回路又はウェイクアップ受信機200を含む受信モジュールにSN(信号対ノイズ)比信号(図示無し)内で供給され得る信号対ノイズ比値を計算してもよいことに留意されたい。
図3は、人体結合通信システム300の他の実施形態を概略的に示す。人体結合通信システム300は、第1の人体結合通信デバイス310及び第2の人体結合通信デバイス380を含む。人体結合通信システム300の動作について論じるために、まず、第2の人体結合通信デバイス380について述べる。
第2の人体結合通信デバイス380は、カプラー384及び送信モジュール382を含む。ユーザー150の体がカプラー384の直近にあるとき、第2の人体結合通信デバイス380は、人体伝送チャネル160を介してデータ及び情報を送信することができる。カプラーは、図1の第1の人体結合通信デバイス100のカプラー102と同様に、2つの金属板によって実現され得る。送信モジュール382は、カプラー384に結合され、カプラー384及び人体伝送チャネル160を介して他のデバイス(例えば、第1の人体結合通信デバイス310)に信号を送信するよう構成される。特に、送信モジュール382は、他のデバイスとの通信を開始するとき、他のデバイスの受信モジュールをウェイクアップするために人体伝送チャネル160を介して伝送されなければならないウェイクアップ信号を生成するよう構成される。図3の例では、(両デバイスが同時にユーザー150の体の直近にあるとき)ウェイクアップ信号は、少なくとも第1の人体結合通信デバイスのメイン受信機318をウェイクアップするために、第2の人体結合通信デバイス310に伝送される。送信モジュール382は、所定のスペクトル範囲内のウェイクアップ信号を送信するよう構成される。所定のスペクトル範囲は、ウェイクアップ信号の送信のために選択される。
送信モジュール382の特定の実施形態では、送信モジュール382は、ウェイクアップ信号内で通信タイプ識別値を送信するよう構成される。通信タイプ識別値は、今度の通信の特定の通信タイプを示す/特定する。したがって、送信モジュール382は、ウェイクアップされた後、他のデバイスとの通信が開始されるとき、その後の通信のタイプに関する知識を有する。この知識は、第2の人体結合通信デバイス380の他の回路によって送信モジュール382に供給される情報に基づき得る。送信モジュール382は様々な通信タイプ識別値を知っており、今度の通信に適した値を選択する。例えば、送信モジュール382は、通信タイプ識別値に基づき、ウェイクアップ信号の一部を変調する。ウェイクアップ信号/パケットの例は、図4aに関連して論じられる。通信タイプ識別値は、異なる変調スキームに従ってウェイクアップ信号内に変調され得ることに留意されたい。本発明は、特定の変調スキームに限定されない。一実施形態では、ウェイクアップ信号は、同時にユーザー150の体の直近にある他の人体結合通信デバイス(第1の人体結合通信デバイス310等)の(メイン)受信機をウェイクアップするのに十分なエネルギーを有する第1の信号部分で始まる。ウェイクアップ信号の第1の信号部分の後、通信タイプ識別値が変調されている第2の信号部分が続く。
通信タイプ識別値は、今度の通信の特定の通信タイプを示す/特定する。通信タイプの例は、今度の通信で使用される特定のプロトコル、又は第2の人体結合通信デバイス380によって提供されるサービス、又は第2の人体結合通信デバイス380がユーザー150の体の直近にある1つの又は複数のデバイスに要求するサービスである。他の例は、通信タイプ識別値が、今度の通信のセキュリティレベルを示すことである。また、通信タイプ識別値を含むウェイクアップ信号は、人体伝送チャネル160を介して情報を受信可能な他のデバイスに提供され得るサービスのタイプをブロードキャストする機能を有し得る。
第2の人体結合通信デバイス380も、受信モジュール、処理回路等の他の回路を有し得ることに留意されたい。本発明の文脈では、第2の人体結合通信デバイス380が上記のような特徴を備えた送信モジュールを有することが重要である。
第1の人体結合通信デバイス310は、カプラー102、送受信モジュール312、及び処理ユニット316を含む。カプラー102は上記のカプラーと同様である(例えば、図1参照)。送受信モジュール312は、カプラー102を介して、よって人体伝送チャネル160を介して、同時にユーザー150の体の直近にある他のデバイスとデータ及び情報を送受信するよう構成される。処理ユニットは、送受信モジュールを介して受信されるデータ又は送信されるデータを処理することができる。処理ユニット316は、例えば、ディスプレイ、入力手段、及び/又は音声を介してユーザーと対話するアプリケーションのプログラミングコードを実行する。代わりに、又は加えて、処理ユニット316は、人体伝送チャネルチャネル160を介して提供されるサービス又はサービスのクライアントを実行する。処理ユニット316は、送受信モジュール312から受信データを受け取るために、又は送受信モジュール312に送信データを供給するために送受信モジュール312に結合される。処理ユニット316は異なるモードで動作し、そのうちの1つのモードは、送受信モジュール312を介してデータ及び情報を送受信可能な少なくとも動作モードであり、そのうちの1つのモードは、処理ユニット316が送受信モジュール312を介してデータをフルに送受信することができない少なくとも省エネルギーモードである。処理ユニット316は、例えば、送受信モジュール312を介する通信がいくらかの時間無かった後、省エネルギーモードに入るよう構成される。
送受信モジュールは、受信モジュール319及び送信モジュール314を含む。受信モジュールの上記実施形態と同様に、受信モジュール319はウェイクアップ受信機200及びメイン受信機318を含む。ウェイクアップ受信機200、メイン受信機318、及び送信モジュール314は、カプラー102に結合される。ウェイクアップモジュール200は図2のウェイクアップモジュール200と同様であり、同様な実施形態を有する。所定のスペクトル範囲内で受信された信号がエネルギー閾値レベルを超えるとき、ウェイクアップモジュール200は、ウェイクアップ信号274をメイン受信機318に送る。メイン受信機318は、スリープモード及び動作モードで動作するよう構成される。スリープモードでは、メイン受信機318のほとんどの回路がオフにされ、エネルギーが節約される。スリープモード中、メイン受信機318はウェイクアップ信号274が受信されたか否かを検出し、ウェイクアップ信号274が受信された場合、メイン受信機318は動作モードに構成される。動作モードでは、メイン受信機318はフルに動作可能であり、メイン受信機318は、人体伝送チャネル160を介してデータ及び情報を受信することができる。メイン受信機318は、カプラー102から受信された信号を分析して(第2の人体結合通信デバイス380に関連して上記された)通信タイプ識別値を検出するよう構成された通信タイプ検出器317を含む。したがって、ウェイクアップ受信機200が所定のスペクトル範囲内で十分なエネルギーを受信し、メイン受信機318が動作モードに構成されると、第2の人体結合通信デバイス380によって送信されるウェイクアップ信号の残りの部分はメイン受信機318によって受信され、通信タイプ検出器317によって分析される。また、メイン受信機318は、第2の人体結合通信デバイス380の送信モジュール382と同期するために受信されたウェイクアップ信号の一部を使用し得る。
一実施形態では、通信タイプ検出器317が通信タイプ識別値を検出し次第、第1の追加のウェイクアップ信号320及び/又は第2の追加ウェイクアップ信号322が生成される。第1の追加ウェイクアップ信号320は、メイン送信機314を動作モードに構成するためにメイン送信機314に供給される。後述されるように、メイン送信機314もスリープモード及び動作モードで動作可能であり、通信タイプ識別値の受信は、メイン送信機314をウェイクアップするための好適なトリガであり得る。第2の追加ウェイクアップ信号322は、処理ユニット316を動作モードに構成するために処理ユニット316に供給される。通信タイプ検出器317は、単に、他のモジュールにウェイクアップしなければならないことを示すだけの単純な追加ウェイクアップ信号320、322を供給してもよいが、追加ウェイクアップ信号320、322は、それぞれ、例えば特定のアプリケーション又はサービスを開始するために使用され得るよう、検出された通信タイプ識別値を含んでもよいことに留意されたい。
メイン受信機318の他の実施形態では、通信タイプ検出器317は、更に、サポートされる通信タイプのそれぞれの値が保存されたデータストレージ(図示無し)を含む。本発明の文脈において、サポートされるとは、第1の人体結合通信デバイス310が特定された通信タイプに従って通信可能なことを意味する。したがって、第1の人体結合通信デバイス310は、例えば、特定されたプロトコルをサポートし、又は特定されたサービスを提供若しくは利用可能である。通信タイプ検出器317は、検出された通信タイプ識別値を保存されている通信タイプと比較し、検出された通信タイプ識別値がデータストレージ内のリスト上にある場合にのみ、第1の追加ウェイクアップ信号320及び/又は第2の追加ウェイクアップ信号322が生成される。
メイン送信機314は、ユーザーの体がユーザー150の体の直近にある場合、カプラー102を介して、よって人体伝送チャネル160を介してデータ及び/又は情報を伝送するよう構成される。メイン送信機314は、更に、エネルギーを節約するためにメイン送信機314の回路のほとんどが動作不能なスリープモードで動作するよう構成され、また、メイン送信機314は動作モードで動作するよう構成される。メイン送信機314が第1の追加ウェイクアップ信号320を受信すると、メイン送信機314は、特定のデータを送信するよう処理ユニット316に指示されたときにデータ信号を送信可能な動作モードに切り替わる。特定の実施形態では、メイン送信機314が動作モードに構成されるとき、メイン送信機314は、第1の人体結合通信デバイス310が後続の通信のための準備ができていることをウェイクアップ信号を送信した人体結合通信デバイスに示すために、人体伝送チャネル160を介してACK信号を送信する。更に、ACK信号は、送受信モジュール312が受信通信タイプ識別値内で特定された特定の通信タイプを取り扱い得ることを示してもよい。他の実施形態では、ACK信号は、第1の人体結合通信デバイス310と第2の人体結合通信デバイス380との間の通信リンクを確立するための更なるデータを含み得る。かかる更なるデータの例は、2つの人体結合通信デバイス間の安全な通信リンクを確立するための公開又は秘密鍵である。
マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサが処理ユニット316と同じ機能を有する限り、処理ユニット316との用語に代えて、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサと読まれてもよい。一実施形態では、処理ユニットは、第1の人体結合通信システム内の割り込みを良好に取り扱うことが可能なユニットである。割り込みの例は、ウェイクアップ信号274である。ウェイクアップ信号274をメイン受信機318に直接供給する代わりに、ウェイクアップ信号274はこの割り込みを取り扱う処理ユニット316に供給されてもよく、処理ユニット316は、メイン受信機318を動作モードに制御するよう構成され得る。第1の追加ウェイクアップ信号320についても同様である。
図3は、同様に、例示的な第1の人体結合通信デバイス310のいくつかの他の要素を示す。第1の人体結合通信310は、更に、スリープモード及び動作モードで動作し得るメインメモリ326を含み得る。人体結合通信デバイス310の回路がメインメモリ326にアクセスすることを望むとき、処理ユニット316は、メインメモリ326を動作モードに構成するためにメモリウェイクアップ信号324を生成し得る。第1の人体結合通信デバイス310がセキュリティ符号化/復号技術を適用可能な場合、第1の人体結合通信デバイス310は、更に、送信される情報を符号化し及び/又は受信される情報を復号するよう構成されたセキュリティユニット330を含み得る。セキュリティユニット330は、スリープモードに入り又は動作モードで動作するよう構成される。かかるセキュリティユニット330は、セキュリティが人体結合通信に適用される場合にのみ、動作モードを取らなければならない。例えば、特定の種類の通信ではセキュリティが適用され、一方、他の種類の通信では、情報は符号化されることなく人体伝送チャネル160を介して送信される。このような場合、処理ユニット316は、セキュリティユニット330を動作モードに構成するためにセキュリティユニット330に供給されるセキュリティウェイクアップ信号328を生成するよう構成され得る。
一実施形態では、人体結合通信デバイスのための送信モジュールが提供される。送信モジュールは、人体通信チャネルを介して信号を送信するためのものである。送信モジュールはカプラー及びメイン送信機を含む。カプラーは、ユーザーの体がカプラーの直近にあるとき、体によって形成される人体伝送を介して信号を伝送するためのものである。メイン送信機はカプラーに結合され、受信機との通信を開始するために所定のスペクトル範囲内のウェイクアップ信号を送信するよう構成される。他のカプラーによって同じ人体伝送チャネルに結合された受信モジュールは、ウェイクアップ信号が受信されるまで、受信モジュールの一部をオフにすることができるので、本発明の第4の側面の送信モジュールは、受信モジュールがエネルギーを節約する可能性を生む。送信モジュールは、ウェイクアップ信号を送信することにより、人体伝送チャネルを介した通信を開始する意図があることを他の人体結合通信デバイスの受信モジュールに示し得る。オプションで、送信モジュールのメイン送信機は、更に、ウェイクアップ信号の一部として通信タイプ識別値を送信するよう構成される。通信タイプ識別値は、今度の人体伝送チャネルを介した通信の特定の通信タイプを特定する。したがって、メイン送信機は、自身が開始しようとしている通信タイプを他のデバイスに示すよう構成される。これは、この通信に参加することを望むか否かを他のデバイスが決定することを可能にする。他のデバイスが特定された通信タイプに参加できない又は参加することを望まないことを検出した場合、他のデバイスはエネルギーを節約することができる。
図4aは、送信モジュールによって送信される信号400、及び受信モジュールの動作に関連する時間間隔を概略的に示す。図4aの一番上には、(データ)パケット形式で信号400が示されている。信号400はウェイクアッププリアンブル信号402及びタイプID信号404に細分化される。ウェイクアッププリアンブル信号402は、信号400を受信するデバイスのメイン受信機をウェイクアップするための信号を含む。ウェイクアッププリアンブルの例は、特定の周波数、例えば100kHzの例えば単純な正弦波信号である。多くの実践的な実施形態において、信号400の受信者は、通信タイプ識別値を検出するメイン受信機を送信機と同期させなければならない。ウェイクアッププリアンブル信号402は、このような同期にも適している。したがって、実践的な実施形態では、ウェイクアッププリアンブル信号402の長さは、受信デバイスのメイン受信機をウェイクアップし、メイン受信機をウェイクアッププリアンブル信号402の送信者と同期させるのに十分長い。次に、タイプID信号404は通信タイプ識別値を含む。タイプID信号404において、通信タイプ識別値は信号内に変調されている。例えば、100kHzの振幅変調が用いられる。
図4aの一番下には、時点t0〜t4によってタイムラインが描かれている。t0において、信号400を受信する人体結合通信デバイスのウェイクアップ受信機(図2のウェイクアップ受信機200等)が時間間隔を開始する。この期間はt1において終了する。t0からt1の間、ウェイクアップ受信機は、所定のスペクトル範囲(ウェイクアップ信号が送信される範囲)内の受信信号のエネルギーの総量がエネルギー閾値を上回るか否かをチェックする。上回る場合、ウェイクアップ信号が生成される前に、次の間隔においてこれがもう一度チェックされる。したがって、t1において、ウェイクアップ受信機はエネルギー検出回路をリセットし、t1からt2の間、所定のスペクトル範囲内で受け取られたエネルギーの総量がエネルギー閾値レベルを上回るか否かをチェックする。この特定の実施形態では、2つの連続する時間間隔においてエネルギーの総量がエネルギー閾値を上回る場合、ウェイクアップ受信機はt2においてウェイクアップ信号を生成し、その後動作モードに切り替えられるメイン受信機(例えば、図3のメイン受信機318等)にウェイクアップ信号を供給する。t0からt2までの時間フェーズは、第1のウェイクアップフェーズである。t2からt4までの第2のウェイクアップフェーズにおいて、メイン受信機は、まず、t2で開始してt3で終了する期間中に、受信されたウェイクアッププリアンブル信号402と同期する。メイン受信機が送信機と同期されると、メイン受信機は(タイプID信号404内で送信される)通信タイプ識別値の検出を試みる。これは、時点t3からt4にかけて行われ、タイプID信号404が終わると、通信タイプ識別値が検出され、メイン受信機は、当該メイン受信機を含む人体結合通信デバイスのメイン送信機及び/又は処理ユニットをウェイクアップするために追加ウェイクアップ信号を生成する。したがって、t4において、第2のウェイクアップフェーズが終了した。
図4bは、人体結合通信システムの異なるコンポーネント間の信号の送受信を概略的に示す。横方向には、異なる人体結合通信デバイスの異なるコンポーネントが示されている。左端において、縦線は第2の人体結合通信デバイスDev2(例えば、図3の第2の人体結合通信デバイス380)のメイン送信機TXを表す。図4bの右半分において、3本の縦線は、それぞれ、第1の人体結合通信デバイス(例えば、図3の第1の人体結合通信デバイス310)のウェイクアップ受信機WR、メイン受信機MR、及びメイン送信機MTを表す。縦方向は時間の次元を示す。
まず、第2の人体結合通信デバイスDev2のメイン受信機TXが、人体伝送チャネルを介して図4aの信号400を送信する。第2の人体結合通信デバイスDev2と共にユーザーの体の直近にある第1の人体結合通信デバイスDev1は、送信された信号400を受信する。まず、第1の人体結合通信デバイスDev1のウェイクアップ受信機WRだけがONにされ、送信されたウェイクアップ信号を受信する。特に、ウェイクアッププリアンブル信号402がウェイクアップ受信機WRによって受信され、ウェイクアップ受信機WRが、2つ以上の連続する時間間隔において受信されたエネルギーの総量がエネルギー閾値を超えると検出した場合、ウェイクアップ受信機WRは(図1乃至図3の議論ではウェイクアップ信号274と称された)メイン受信機ウェイクアップ信号を生成し、メイン受信機ウェイクアップ信号をメイン受信機MRに供給する。メイン受信機MRは、メイン受信機ウェイクアップ信号を受信すると動作モードに構成される。信号400の送信はまだ終わっておらず、これは、ウェイクアッププリアンブル信号402の残りの部分を含み、少なくともタイプID信号404を含む信号400の後半部分をメイン受信機MRが受信することを意味する。ウェイクアッププリアンブルの残りの部分は、第1の人体結合通信デバイスDev1のメイン受信機MRを、第2の人体結合通信デバイスDev2のメイン送信機TXと同期させるために使用され得る。タイプID信号404はメイン受信機MRによって復調され、結果として、通信タイプ識別値が検出される。通信タイプ識別値が検出されると、メイン受信機MRによってメイン送信機ウェイクアップ信号(図1乃至図3の議論における第1の追加ウェイクアップ信号320)が生成され、メイン送信機MTを動作モードに構成するためにメイン送信機MTに供給される。メイン送信機MTが動作モードになると、メイン送信機MTは、第2の人体結合通信デバイスDev2のメイン送信機TXに確認信号を送信する。メイン受信機ウェイクアップ信号が生成される前に、まず、第1の人体結合通信デバイスDev1のメイン受信機MRは、検出された通信タイプ識別値が第1の人体結合通信デバイスDev1によってサポートされる通信タイプに関連するか否かをチェックしてもよいことに留意されたい。また、メイン受信機が更に、又は代替的に、処理ユニットウェイクアップ信号(図示無し)を生成し、処理ユニットウェイクアップ信号を第1の人体結合通信デバイスDev1の処理ユニット(図示無し)に供給してもよいことに留意されたい。
図4a及び図4bでは、第2の人体結合通信デバイスDev2が信号400を送信するとき、信号400が直接、一度目で第1の人体結合通信デバイスDev1のウェイクアップ受信機WR及び/又はメイン受信機MRによって正常に受信されると仮定した。第2の人体結合通信デバイスDev2及び/又は第1の人体結合通信デバイスDev1がまだユーザーの体の直近に無く、よって、信号400がまだ第1の人体結合通信デバイスDev1のウェイクアップ受信機WR及び/又はメイン受信機MRによって受信されない可能性もある。実践的な実施形態では、第2の人体結合通信デバイスDev2が他の人体結合通信デバイスとの通信を開始することを望む場合、第2の人体結合通信デバイスDev2が確認信号を受信するまで、第2の人体結合通信デバイスDev2のメイン送信機TXは定期的に信号400を送信する。通信を開始するためにマイクロプリアンブルが定期的に送信される、米国特許出願公開第2012/0033584に言及する。
図5は、人体結合通信デバイスの人体結合受信機をウェイクアップする方法500の一実施形態を概略的に示す。人体結合受信機は、スリープモード及び動作モードで動作するよう構成され、また、人体結合受信機は、ユーザーの体を辿る人体伝送チャネルを介して送信された信号を介してデータを受信するよう構成される。方法は、i)人体伝送チャネルから信号を受信する段階502であって、信号は人体結合通信デバイスのカプラーにおいて受信され、カプラーは、ユーザーがカプラーの直近にいるとき、人体伝送チャネルを介して信号を受信するよう構成される、段階502と、ii)受信信号をフィルタリングして、人体結合伝送チャネルを介して送信されるウェイクアップ信号に関連する所定のスペクトル範囲内の受信信号のスペクトル成分を含むフィルタリングされた信号を取得する段階504と、iii)フィルタリングされた信号に基づき、所定のスペクトル範囲内の受信信号がエネルギー閾値レベルを超えるか否かを検出する段階506と、iv)人体結合受信機を動作モードに構成するために人体結合受信機にウェイクアップ信号を供給する段階508とを含む。オプションで、人体結合通信デバイスは、スリープモード及び動作モードで動作するよう構成された少なくとも他の回路を含む。オプションで、方法は、更に、v)フィルタリングされた信号内の通信タイプ識別値を検出する段階510であって、通信タイプ識別値は、人体伝送チャネルを介する今度の通信の特定の通信タイプを示す、段階510と、vi)他の回路を動作モードに構成するために他の回路に他のウェイクアップ信号を供給する段階512とを含む。
オプションの実施形態では、プロセッサシステムに上記方法を実行させるための命令を含むコンピュータプログラムが提供される。オプションで、コンピュータプログラムはコンピュータ可読媒体に組み込まれる。
要約すると、本発明は、人体結合通信デバイスのための受信モジュール、送信モジュール、送受信モジュール、及び人体結合通信デバイスの人体結合受信機をウェイクアップする方法を提供する。人体結合通信デバイスの受信モジュールは、ユーザーの体を辿る人体伝送チャネルを介して信号を受信するためのカプラーを含む。受信モジュールのウェイクアップ受信機及びメイン受信機は、カプラーに結合される。メイン受信機は、スリープモード及び動作モードで動作し得る。ウェイクアップ受信機は、人体伝送チャネルを介して受信された所定のスペクトル範囲内の信号がエネルギー閾値レベルを超える場合、ウェイクアップ信号を生成する。ウェイクアップ信号は人体結合通信デバイスの回路に供給され、メイン受信機を直接的又は間接的に動作モードに構成する。
上記実施形態は本発明を限定ではなく説明し、当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、多くの異なる実施形態を設計し得ることに留意されたい。
請求項において、括弧内の如何なる参照符号もその請求項を限定すると解されるべきではない。動詞「備える(又は含む若しくは有する等)」及びその活用形の使用は、請求項内に記載されている以外の要素又はステップの存在を除外しない。要素は複数を除外しない。本発明は、複数の異なる要素を備えるハードウェアによって、及び、適切にプログラミングされたコンピュータによって実施され得る。複数の手段を列挙する装置クレームにおいて、手段のいくつかは同一のハードウェアアイテムによって具現化されてもよい。単にいくつかの手段が互いに異なる従属請求項に記載されているからといって、これらの手段の組み合わせを好適に使用することができないとは限らない。