JP2016517354A - 可撓性保護筐体を有する極低温流体ジェットを分配するための装置 - Google Patents

可撓性保護筐体を有する極低温流体ジェットを分配するための装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、1つ又は複数の流体分配ノズル(6)を備えるノズル担持器具(4)と、前記ノズル担持器具(4)を移動するための移動システム(2)とを備える、極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェット(5)を分配するための装置に関する。本発明によれば、装置は、前記ノズル担持器具(4)を移動する移動システム(2)の全部又は一部の周りに配置される少なくとも1つの可撓性保護筐体(7)をさらに備える。

Description

本発明は、極低温にある高圧流体のジェットを分配するための装置と、材料の表面を研磨又はスケール除去するために、特には、コンクリート表面をスケール除去するために、このような装置を使用する方法に関する。
被覆されている材料又は被覆されていない材料の表面を処理すること、特には、サンドブラスト、超高圧(UHP)水ジェット、サンダ、ジャックハンマ、ビシャンハンマを実質的に用いて、又は、さらに化学的方法も用いて、コンクリート、塗装などを研磨、スケール除去などすることは、知られている実践である。水を噴霧することで表面を処理するための方法及び装置は、特に文献EP−A−0200858により知られている。
しかしながら、水の使用は、厳しい環境上の制約のため、例えば、核環境での特定の用途、又は、化学製品との特定の用途では禁止されている。
1つの代替は、特定の表面又は被覆を研磨又はスケール除去するために、特には液体窒素である、極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェットを用いることである。このような作業の間、液体窒素の各々のジェットの以下の3つの効果が組み合わされる。
− ジェットの機械的な効果。つまり、基質に衝突する液体窒素の圧力の衝撃。
− 液体状態の窒素の極低温効果。つまり、典型的には−130℃未満の極低温である。
− 液体窒素が、より大きな体積を占める気相へと液相から遷移するときの、液体窒素の大気との接触における素早い加温によって発生される「吹き付け効果」。したがって、1リットルの液体窒素は、700リットルの気体の窒素へと蒸発する。
コンクリートのスケール除去など、ある用途では、これは、要求される仕事を完遂するためには、関与する液体窒素の「吹き付け」効果が主である。
その場合、液体窒素の各々のジェットは、コンクリートの表面を「破裂させて開き」、コンクリートの構成物質をすべての方向に吹き飛ばす。
通常、表面又は被覆の研磨又はスケール除去は、概して、−100℃未満、好ましくは−130℃と−160℃との間の温度にあり、少なくとも300bar、好ましくは1000barと5000barとの間の圧力にある、極低温流体のジェットとも称される、極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェットによって実施される。
極低温流体のジェットは、好ましくは回転移動である決められた移動が与えられるノズル担持器具に配置されている1つ又は複数の流体分配ノズルによって分配され、ノズル担持器具は、極低温流体供給管の下流端に流体接続されている。
ノズル担持器具を動作において設定するために、極低温流体供給管の下流端を支持している下流部分は、上記管の取り付けられた上流部分の軸線の周りの、好ましくは回転移動である決められた移動が与えられる。
それを行うために、ノズル担持器具を移動する移動システムが、管の上流部分と下流部分との間に配置されており、前記下流部分に前記決められた移動を与えるように、前記下流部分に作用する。典型的には、ノズル担持器具を移動する移動システムは、特には文献WO−A−2011/010030で提案されているような回転伝達軸及び回転機構によって、流体供給管と協働するモータを備え得る。
極低温流体ジェット分配装置は文献WO−A−2010/133784からも知られており、この文献は、装置のノズル担持器具の周りの抽出ハス口の配置を開示しており、ノズル担持器具を移動する移動システムの周りの剛体の筐体の配置を開示している文献FR−A−2978925からも知られている。
現在、このような極低温流体ジェット分配装置を用いる研磨又はスケール除去の方法が、時間と共に有効性を失っていくことが分かっている。この理由の1つは、極低温流体分配ノズルに向かって吹き飛ばされる研磨された材料又はスケール除去された材料の粒子によって引き起こされる、前記ノズルの加速度的な腐食である。
これらの問題を緩和するための試みでは、文献WO−A−2011/0151550は、極低温流体分配ノズルが通常作られる材料の硬度より大きい硬度の強い材料を用いて、これらの1つ又は複数のノズルの少なくとも一部を保護することを提案している。
より具体的には、文献WO−A−2011/0151550は、1つ又は複数の極低温流体分配ノズルの少なくとも一部を、前記の耐久性のある材料で被覆すること、又は、ノズル担持器具と処理された材料表面との間に前記の耐久性のある材料から形成された保護遮蔽体を配置することを、教示している。
しかしながら、この解決策は、対処していない極低温流体のジェットを用いて研磨又はスケール除去するための方法の効率の低下に基づく他のいくつかの問題があるため、全体として満足できるものではない。
具体的には、本発明の発明者は、研磨又はスケール除去する方法の有効性の低下が、特にコンクリートのスケール除去が関係する限り、1つ又は複数の極低温流体分配ノズルの腐食だけでなく、ノズル担持器具を移動する移動システムの腐食にも起因することを実証した。
したがって、コンクリートが極低温にある液体窒素の高圧ジェットを用いてスケール除去される作業の間、コンクリートの粒子が、ノズル担持器具を移動する移動システムに向かって高速で吹き飛ばされることが発見された。
コンクリートは、セメントと骨材とから作られている。極低温にある高圧液体窒素の影響の下、セメントは粉砕されて粉塵になる。対照的に、骨材は、破壊又は切断され、前記器具を移動する移動システムに向かって著しく吹き飛ばされる。骨材の硬度は、6モースから8モース程度であり、2モースから3モース程度であるセメントの硬度より著しく大きい。
ここで、玉軸受又は歯車など、ノズル担持器具を移動する移動システムの特定の部品、構成部品、又は構成要素が、プラスチック材料又はアルミニウムから作られ、コンクリートのスケール除去の作業の間に吹き飛ばされる骨材の破片にそれらが曝されることが理解され得る。
3モースから4モース程度である、使用されたプラスチックの硬度と、2モースから3モース程度である、アルミニウムの硬度とは、吹き飛ばされる骨材の硬度より小さいため、この骨材は、ノズル担持器具を移動する移動システムの曝露された表面に侵食及び損傷を与える。
これは、ノズル担持器具へ与えられる移動に乱れをもたらし、ノズル担持器具によって分配されるジェットを用いる方法の有効性の低下、及び、移動システムの摩耗の加速と移動システムの構成要素が破損する危険性の増加とにつながる。
さらに、セメントの粉砕から生じる粉塵は、ノズル担持器具を移動する移動システムに入り、前記システムの玉軸受又は歯車を固着させる可能性がある。
最終的に、非常に高価である移動システムを交換する必要があり、これは、作業設備の生産性にとってマイナスの影響がある。
より硬度のある耐久性のある材料で移動システムの構成要素を被覆するものである先行技術(WO−A−2011/0151550)で提案されている解決策は、移動システムのコストを大幅に増加させるため、理想的ではない。
移動システムと相対して剛体の遮蔽体を配置するものであり、前記遮蔽体が骨材の硬度より大きい硬度の耐久性のある材料から作られている先行技術の同じ文献で提案されている他の解決策は、同じく考えられ得るものでない。これは、ノズル担持器具の移動の振幅により、寸法の大きな剛体の遮蔽体が移動システムを保護するために必要とされるためであり、これは、極低温流体ジェット分配装置の大きさをかなり増大させてしまう。さらに、このような遮蔽体は、管の下流部分の移動とノズル担持器具の移動とを妨げることになる。さらに、このような剛体の遮蔽体で粉塵に対して封止することは困難である。
そのため、解決される必要がある問題は、特にはコンクリート表面である表面を研磨又はスケール除去するための方法を実行するために、特には液体窒素である極低温流体の1つ又は複数のジェットを分配するための装置であって、装置の大きさを大幅に増大することなく、又は、ノズル担持器具に与えられる移動を妨げることなく、ノズル担持器具を移動する移動システムへの浸食及び損傷の結果としての前記方法の有効性の低下を大幅に制限又は回避させることすらできるようにする装置を提案することである。
そのため、本発明の解決策は、極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェットを分配するための装置であって、1つ又は複数の流体分配ノズルを備えるノズル担持器具と、前記ノズル担持器具を移動するための移動システムとを備え、前記ノズル担持器具を移動する移動システムの全部又は一部の周りに配置される少なくとも1つの可撓性保護筐体をさらに備えることを特徴とする装置である。
さらに、検討される実施形態によれば、本発明は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を備え得る。
− 可撓性保護筐体がノズル担持器具の周りにも配置される。
− 装置が、軸線XXの上流部分と、ノズル担持器具に流体接続される下流部分とを備える流体供給管をさらに備え、ノズル担持器具を移動する移動システムが、管の上流部分と下流部分との間に配置され、軸線XXの周りの決められた移動を下流部分に与えるように、前記下流部分に作用する。
− 少なくとも1つの可撓性保護筐体が、管の下流部分の全部又は一部の周りにも配置される。
− 少なくとも1つの可撓性保護筐体が、ノズル担持器具又は管の下流部分と同じ高さに設置される第1の開口端と、前記ノズル担持器具を移動する移動システム又は管の下流部分と同じ高さに設置される第2の開口端とを備える。
− 第1の開口端がノズル担持器具の領域に設置され、第2の開口端が、前記ノズル担持器具を移動する移動システムと同じ高さに設置される。
− 第1の開口端が管の下流部分と同じ高さに設置され、第2の開口端が、前記ノズル担持器具を移動する移動システムと同じ高さに設置される。
− 装置が、少なくとも1つの可撓性保護筐体の第1の端を、ノズル担持器具又は管の下流部分に取り付け、少なくとも1つの可撓性保護筐体の第2の端を、ノズル担持器具を移動する移動システム又は管の下流部分に取り付ける固定手段をさらに備え、前記固定手段が、可撓性保護筐体の少なくとも一方の端を取り外すことができる。
− いくつかの可撓性保護筐体が重ねられる。
− 少なくとも1つの可撓性保護筐体が、鎖帷子を形成する織り合わされた鎖の輪の網を備える。
− 鎖の輪が、3mmと4mmとの間の外側寸法と、2mmと3mmとの間の内側寸法とを持つ環状又は長円の形のものである。
− 前記少なくとも1つの可撓性保護筐体が繊維の織りを備える。
− 可撓性保護筐体が、少なくとも7モース、好ましくは少なくとも8モースの硬度を有する材料から、完全又は部分的に形成される。
− 前記少なくとも1つの可撓性保護筐体が、チタン又はステンレス鋼などの金属材料、炭素繊維、セラミック複合繊維から選択される材料から、完全又は部分的に形成される。
− 前記少なくとも1つの可撓性保護筐体が、型式316Lのステンレス鋼から完全又は部分的に形成される。
− ステンレス鋼綿などの織材料又は不織材料が、可撓性保護鞘体と、移動システムと、管の下流部分との間で大量に配置される。
本発明の別の態様は、本発明による装置を用いて分配される、極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェット(5)を用いて、好ましくはコンクリート表面である、処理される表面を研磨又はスケール除去するための方法に関する。
有利には、極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェットが、少なくとも300bar、好ましくは1000barと5000barとの間の圧力にあり、−100℃未満、好ましくは−130℃と−160℃との間の温度にある。
優先的には、使用される流体は液体窒素である。
本発明の方法は、有利には、コンクリート表面を研磨又はスケール除去するために実行される。
ここで、本発明は、添付の図を参照しつつ提供される以下の詳細な説明から、より良く理解されることになる。
本発明のない極低温流体ジェット分配装置の概略図。 本発明の一実施形態による装置の概略図。 本発明の具体的な一実施形態による装置の概略図。
図1で見られるように、極低温流体の1つ又は複数のジェット5が、典型的には振動又は回転である、決められた移動(矢印10)が与えられるノズル担持器具4に配置された1つ又は複数の流体分配ノズル6によって、従来の方法で分配される。
ノズル担持器具4は極低温流体供給管1の下流端に流体接続されており、極低温流体供給管1は、その上流に設置されている極低温流体の供給源(図示されていない)に流体接続されている。
管1は、上流部分1aと下流部分1bとを備えている。極低温流体のジェット5を用いる、研磨又はスケール除去する方法の実施の間、極低温供給管1の下流端を支持している下流部分1b及びノズル担持器具には、管1の取り付けられた上流部分1aの軸線XXの周りの決められた移動が与えられる。
それを行うために、ノズル担持器具4を移動する移動システム2が、管1の上流部分1aと下流部分1bとの間に配置されており、下流部分1bに前記決められた移動を与えるように、前記下流部分1bに作用する。
典型的には、ノズル担持器具4を移動する移動システム2は、文献WO−A−2011/010030で提案されているような回転伝達軸及び回転機構(いずれも図示されていない)によって、流体供給管1と協働するモータを備えている。回転機構は、どんな種類のものでもあるが、特には回転又は振動の移動である、決められた移動を、管の下流部分1bに与えるように、下流部分1bに作用する移動手段を備えている。回転移動は、円を描く移動を示すと理解されるものである。
下流部分に与えられる必要のある移動のため、管の下流部分及びノズル担持器具の移動は妨げられるべきではないことが必須であることは、理解されるものである。
すでに説明されているように、材料の表面を研磨又はスケール除去する作業の間、研磨又はスケール除去された、移動システム2及びその構成要素の硬度より大きい硬度を有する材料の粒子は、特には材料の処理される表面を向く前記システムの前面2aに向かってといった、移動システム2に向かって吹き飛ばされる。
コンクリートを研磨するための方法の場合、吹き飛ばされた粒子は、切断又は破壊された骨材と、極低温にある高圧流体のジェットの効果の下で粉砕されたセメントとから作られる。骨材の破片の衝突は、移動システム2及びその構成要素の加速度的な腐食と、移動システム2及びその構成要素への損傷とを引き起こす。
骨材の影響は、概して完全又は部分的に開放しており、吹き飛ばされる骨材及び/又は粉塵に、システム2の構成要素を直接的に暴露するシステム2の前面2aの側部において、特に害がある。
それを是正し、移動システム2を保護するために、少なくとも1つの可撓性保護筐体7は、本発明によれば、前記ノズル担持器具4を移動する移動システム2の全部又は一部の周りに配置されている。
前記筐体7は、管1の下流部分1bの全部又は一部の周り及び/又はノズル担持器具4の周りにも配置され得る。
状況に依存して、本発明による装置は、単一の可撓性筐体7、又は、互いに重ねられた、及び/もしくは、端同士で配置されたいくつかの可撓性筐体7を備え得る。
すべての事象において、筐体7がひとたび摩耗すると、前記筐体7が交換されることのみが必要であり、これは、回転システム2の1つ又は複数の損傷された構成部品又はシステム2自体を交換するよりも、はるかにより安価である。
図2で示されている本発明の一実施形態では、可撓性保護筐体7は、ノズル担持器具4、前記ノズル担持器具4を移動する移動システム2、及び管1の下流部分1bの全部又は一部の周りに、変形可能な鞘体を形成している。したがって、移動システム2に入る骨材及び/又は粉塵の危険性が、大幅に、又は、完全にすら、低減されている。
優先的には、可撓性保護筐体7は、ノズル担持器具4と同じ高さに設置されている第1の開口端7aと、前記ノズル担持器具4を移動する移動システム2と同じ高さに設置されている第2の開口端7bとを備えている。第1の端7aは、管1の下流部分1bと同じ高さに設置されてもよい。
さらに、本発明の装置は、有利には、少なくとも1つの筐体7の第1の端7aを、ノズル担持器具4又は管1の下流部分1bに取り付けるためであると共に、少なくとも1つの筐体7の第2の端7bを、前記ノズル担持器具4を移動する移動システム2又は管1の下流部分1bに取り付けるための固定環体を備える。
優先的には、少なくとも1つの筐体7の第2の端7bは、システム2の前面2aに保護を提供できるように、移動システム2に固定される。
固定手段によって意味されることは、ノズル担持器具4、管1の下流部分1b、又は移動システム2に、筐体7を、取り付ける、又は別の言い方では、留め付ける、もしくは、組み立てることができる任意の手段である。これらの固定手段は、例えば、少なくとも1つの鍔及び/又はフランジを、場合により1つ又は複数のネジとの組み合わせで、備え得る。
前記固定手段は、好ましくは、可撓性保護筐体7が過度の摩耗した状態になった場合に容易に交換できるように、有利には容易に、取り外しできる。
本発明によれば、筐体7は、管の下流部分1b及びノズル担持器具4の移動を妨げないように、具体的には、邪魔しない、阻害しない、又は遅延させないように、必要とされる可撓性を有している。
図3に示されている本発明の好ましい一実施形態によれば、本発明の装置は、鎖帷子を形成する織り合わされた鎖の輪の網を備える少なくとも1つの可撓性保護筐体7を備えている。
他の実施形態によれば、本発明の装置は、可撓性の織物を形成する、織り合わされた繊維、つまり、繊維の織りを備えた少なくとも1つの可撓性保護筐体7を備えている。
有利には、保護筐体7は、図2に示されているように、ノズル保持器具4を移動する移動システム2の周囲壁の少なくとも一部に、及び、ノズル6を支持する前記ノズル保持器具4の周囲壁及び/又は面の少なくとも一部に取り付けられている。
保護筐体7の第2の端7bは、ノズル保持器具4を移動する移動システム2の前面2aに取り付けられてもよい。
有利には、可撓性保護筐体7は、少なくとも7モース、好ましくは少なくとも8モースの硬度を有する材料から、完全又は部分的に形成される。
優先的には、筐体7は、その優れた冷却性のため、好ましくはステンレス鋼、なおもより好ましくは型式316Lのステンレス鋼といった金属材料から、完全又は部分的に形成される。
代替として、筐体7は、チタン又は炭素繊維から、完全又は部分的に形成され得る。
筐体7は、例えばセラミック複合繊維から形成された材料といった、複合材料であり得るか、又は、あり得ない非金属の材料から、完全又は部分的に形成されてもよい。
織り合わされた鎖の輪又は繊維から形成された筐体7を用いることによって、製作された筐体7は変形可能である。つまり、筐体7は、ノズル保持器具を移動する移動システムの正しい運転に必要な可撓性を有する一方で、同時に、例えばコンクリートの骨材の場合には6モースから8モースである、吹き飛ばされる材料の硬度より典型的には大きい硬度と、極低温に対して、つまり、好ましくは−130℃と−160℃との間である−100℃未満の温度に対して優れた耐性とを持つ材料から作られた鎖の輪又は繊維を用いる可能性を維持している。
筐体7が鎖帷子又は繊維の織りから作られるとき、織り合わされた鎖の輪同士又は織物の繊維同士の間の空間は、筐体7の内側と外側とを流体連通させる通過オリフィスを形成している。そのため、筐体7のオリフィスの寸法より小さい寸法の粒子は、この筐体を通過でき、移動システム2と、移動システム2の構成要素とに損傷を与える可能性がある。最も大きい粒子が、衝突の瞬間、機器に最も深刻な損傷を与えることになる。
これらのオリフィスは、研磨又はスケール除去の作業間に吹き飛ばされた粒子が筐体7を通過するのを防止するだけの小ささである必要があるか、又は、少なくとも、前記粒子が筐体7の鎖の輪と衝突することで減速されるような必要があり、この目的は、これらの粒子が筐体7を通過したとしても、前記粒子の破壊する影響を、排除しない場合でも、大きく低減することである。
したがって、通過オリフィスの寸法は、有利には、筐体7の可撓性と、研磨又はスケール除去された表面から来る最も大きな損傷を与える粒子を阻止及び/又は低速化することにおける有効性との間の良好な妥協点を提供するために、調整される。
この妥協点は、方法の実施の間に吹き飛ばされる材料の粒子の特徴的な大きさ又は寸法に特に依存している。
特にはコンクリートをスケール除去するために極低温流体のジェットを用いる方法との関連で、筐体7のオリフィスに関して最も有利な寸法を推定するために、本発明の発明者は、−140℃の典型的な温度で、3500barの程度の圧力において、液体窒素のジェットを用いて、100x50cmの程度のコンクリート表面計測をスケール除去する方法を実行した。
スケール除去されたコンクリートは、抽出システムによって回収された。したがって、結果生じた粒子の大きさの分布を測定することが可能であった。下の表は、コンクリートを研磨する作業の間に発生された粒子の質量の百分率として表された、0.2mmと2.5mmとの間の粒子の粒子大きさ分布を提供している。
Figure 2016517354
この表を考慮すると、全質量の34%が1mmを超える寸法の粒子から来ることが理解できる。また、これらの最大の粒子は、特には前記器具の機構である、移動システムの構成要素に衝突するとき、最も大きな損傷の影響を有することになる。さらに、これらは、骨材の破壊から生じる粒子が支配的であり、そのため、いわば6モースから8モース程度を意味する、大きな強度の材料である。
そのため、有利には、可撓性筐体7のオリフィスは、2mm未満の寸法、好ましくは1mm未満の寸法を有する。用語「オリフィス寸法」は、例えば、オリフィスの幅、長さ、及び対角といった、各々のオリフィスを含む平面のすべての方向におけるオリフィスの寸法を意味する。
優先的には、少なくとも1つの筐体7が鎖帷子であるとき、鎖の輪は、好ましくは環状又は長円の形である、同じ形及び大きさを有する。有利には、少なくとも1つの筐体7は、3mmと4mmとの間の外側寸法と、2mmと3mmとの間の内側寸法とを持つ鎖帷子である。鎖の輪の厚さは、好ましくは、0.3mmから0.7mm程度のものである。このような筐体であれば、形成された通過オリフィスは、本発明の流体ジェット分配装置に取り付けられているとして、特に本発明による鎖帷子が完全に延ばし拡げられていないときに、典型的には、2mm未満の寸法、又はさらに1mm未満の寸法を有する。
筐体7のオリフィスの寸法を人為的に小さくするために、いくつかの鎖帷子又は繊維織りが互いと重ねられてもよい。優先的には、重なりの数は、本発明による保護装置を過度に硬くさせない、又は、重くさせないために、及び、本発明の極低温流体ジェット分配装置の運転を妨げないために、3つ又は4つの筐体7に限定されることになる。
状況に応じて、重ねられる筐体は、いくつかの鎖帷子だけから、もしくは、いくつかの織りだけから、又は代替で、重ねられた少なくとも1つの鎖帷子と少なくとも1つの織りとから形成されてもよいことは、留意されるべきである。
さらに、前述の表を考慮すると、回収された全質量の相当の部分が、寸法が0.2mm未満の粒子から来ていることが理解できる。コンクリートのスケール除去の方法との関連で、これらの粒子は、典型的には、セメントの粉塵から形成されている。これらの細かい粒子は、歯車などの移動システム2の機構を特に汚すことになり、前記移動システム2の機械的な構成部品の摩耗の一因となる。
この粉塵が移動システム2に入るのを防止するために、図3で見ることができる本発明の具体的な一実施形態は、好ましくは1つ又は複数の鎖帷子7である、1つ又は複数の可撓性保護筐体7を備えている、極低温流体の1つ又は複数のジェットを分配するための装置である。この装置は、大量に配置された、つまり、筐体7と、移動システム2と、管の一部分1bとの間で自由に残された空間を満たすように配置された、例えばステンレス鋼綿といった、織材料又は不織材料8をさらに備えている。したがって、材料8は、最も微細な粉塵粒子が、具体的には前面2aを介して、移動システム2に入るのを防止するための追加的なフィルタとして作用する。
さらに、本発明の解決策は、本発明による装置を用いて分配される、極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェット5を用いて処理される表面を研磨又はスケール除去するための方法に関する。
優先的には、本発明の実用的な方法は、極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェット5を用い、前記ジェットが、少なくとも300barの圧力、好ましくは1000barと5000barとの間の圧力にあり、−100℃未満の温度、好ましくは−130℃と−160℃との間の温度にある。
使用される極低温流体は、有利には液体窒素である。
本発明は、ノズル担持器具に与えられる移動を乱すことなく、ノズル担持器具を移動する移動システムを、吹き飛ばされる骨材の破片及び/又は粉塵から効果的に保護するため、コンクリート表面をスケール除去する方法にとって特に有利である。

Claims (15)

  1. 極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェット(5)を分配するための装置であって、
    1つ又は複数の流体分配ノズル(6)を備えるノズル担持器具(4)と、前記ノズル担持器具(4)を移動するための移動システム(2)とを備え、
    前記ノズル担持器具(4)を移動する前記移動システム(2)の全部又は一部の周りに配置される少なくとも1つの可撓性保護筐体(7)をさらに備えることを特徴とする装置。
  2. 前記可撓性保護筐体(7)が前記ノズル担持器具(4)の周りにも配置されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 軸線(XX)の上流部分(1a)と、前記ノズル担持器具(4)に流体接続される下流部分(1b)とを備える流体供給管(1)をさらに備え、前記ノズル担持器具(4)を移動する前記移動システム(2)が、管(1)の前記上流部分(1a)と前記下流部分(1b)との間に配置され、前記軸線(XX)の周りの決められた移動を前記下流部分(1b)に与えるように、前記下流部分(1b)に作用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記少なくとも1つの可撓性保護筐体(7)が、管(1)の前記下流部分(1b)の全部又は一部の周りにも配置されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
  5. 前記少なくとも1つの可撓性保護筐体(7)が、前記ノズル担持器具(4)又は管(1)の前記下流部分(1b)と同じ高さに設置される第1の開口端(7a)と、前記ノズル担持器具(4)を移動する前記移動システム(2)又は管(1)の前記下流部分(1b)と同じ高さに設置される第2の開口端(7b)とを備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載の装置。
  6. 前記少なくとも1つの可撓性保護筐体(7)の前記第1の端(7a)を、前記ノズル担持器具(4)又は管(1)の前記下流部分(1b)に取り付け、前記少なくとも1つの可撓性保護筐体(7)の前記第2の端(7b)を、前記ノズル担持器具(4)を移動する前記移動システム(2)又は管(1)の前記下流部分(1b)に取り付ける固定手段をさらに備え、前記固定手段が、前記可撓性保護筐体(7)の少なくとも一方の端(7a、7b)を取り外すことができることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
  7. いくつかの重ねられた可撓性保護筐体(7)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 鎖帷子を形成する織り合わされた鎖の輪の網を備える少なくとも1つの可撓性保護筐体(7)を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記鎖の輪が、3mmと4mmとの間の外側寸法と、2mmと3mmとの間の内側寸法とを持つ環状又は長円の形のものであることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
  10. 繊維の織りを備える少なくとも1つの可撓性保護筐体(7)を備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記少なくとも1つの可撓性保護筐体(7)が、少なくとも7モース、好ましくは少なくとも8モースの硬度を有する材料から、具体的には、チタン又はステンレス鋼などの金属材料、炭素繊維、セラミック複合繊維から選択される材料から、完全又は部分的に形成されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
  12. ステンレス鋼綿などの織材料又は不織材料(8)が、可撓性保護鞘体(7)と、前記移動システム(2)と、管(1)の前記下流部分(1b)との間で大量に配置されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を用いて分配される、極低温にある高圧流体の1つ又は複数のジェット(5)を用いて、好ましくはコンクリート表面である、処理される表面を研磨又はスケール除去するための方法。
  14. 極低温にある高圧流体の前記1つ又は複数のジェット(5)が、少なくとも300bar、好ましくは1000barと5000barとの間の圧力にあり、−100℃未満、好ましくは−130℃と−160℃との間の温度にあることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 前記用いられる流体が液体窒素であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の方法。
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