JP2016512693A - 外科的に摘出された組織における癌細胞の生存能を維持するための方法および試薬 - Google Patents

外科的に摘出された組織における癌細胞の生存能を維持するための方法および試薬 Download PDF

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Abstract

外科的に切除された組織の通常の遺伝子発現パターンを維持しながらの、外科的に切除された癌組織の安定化および生存能の維持ならびに低モル濃度の相乗的な化学物質およびホルモン成長エンハンサーによる細胞代謝の有意な調整によるアポトーシス(細胞死)の停止および/または終結のための試薬ならびにこれらの試薬の組成物を生成するための組成物ならびに方法。【選択図】図1

Description

本発明は、外科的に切除された癌組織の安定化、保存、および生存能についての試薬および試薬の組成物を生成するための方法に関する。
切除された組織から癌細胞を検出するための病理分析のための外科的な組織収集は、数十年間、癌診断における標準的な手段であった。組織サンプル収集についての現在のプロトコールは、切除された組織が収集され、ホルマリン溶液中に置かれ、次いで、染色および分析のために病理研究所へ輸送されるのを必要とする。あいにく、ホルマリンは、細胞を固定し(たとえば、細胞を死滅させ)、その過程で、ゲノム試験(RNA、mRNA、およびタンパク質バイオマーカー分析ならびに遺伝子発現研究)分析を正確に行う能力に問題をもたらす、細胞の完全性における著しい変化を引き起こす。
リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応技術(RT−PCR)によるゲノム試験などのような分子技術は、癌細胞において見つけられた、ある遺伝子発現パターンに応答することが示された特定の化学療法に、ある癌をマッチさせることができる程度まで発展した。したがって、患者から切除された癌細胞の正確な遺伝子発現パターンを得ることができることは、個別化された化学療法を設計することによる個人化された医療および他の処置を可能にする。これは、処置パラダイムにおける非常に重要な転換となり、近い将来にケアの標準になるであろう。
ホルマリン中に保存された癌組織サンプルは、遺伝子発現分析を完了するための生存可能な組織サンプルではない。ホルマリンが組織サンプルに対して遺伝子発現分析を実現するのに好適な試薬ではない1つの理由は、ホルマリンが、タンパク質のゆっくりした架橋を引き起こし、網目構造にし、貴重な標的タンパク質は、それらが分解から保護されないので、ホルマリン処置によって破壊され得ることである。
さらに、ホルマリンが組織サンプルに浸透すると、細胞死(アポトーシス)が起こる。癌細胞は、それらが代謝プリプログラム(preprogrammed)アポトーシスを有し、したがって、アポトーシスの加速がホルマリン中で起こるので、特有である。組織サンプル中の細胞が死ぬと、全細胞集団のサブセットは溶解し、細胞死の加速をさらに引き起こす、広範囲の内部の調節酵素を放出する。多くのこれらの酵素は、分子ゲノム分析において使用される標的核酸DNA、RNA、mRNA、調節タンパク質、および関連するバイオマーカーを分解するまたは破壊するであろう。固定処置の間に、ホルマリンが組織サンプル中の細胞を死滅させるが、一方で、遺伝子発現は不安定になり得、また、重要な遺伝子のゲノム発現は、過少発現されるまたは過剰発現されるようになり、ある癌遺伝子の発現について不正確な値をもたらし得る。化学療法決定が選択された遺伝子由来の特定のmRNAについてのレベルに基づく場合、これは大問題となる。したがって、ホルマリン中に固定された癌細胞の正確なゲノム試験は、現在、可能ではない。
ホルマリンによる組織サンプル中のタンパク質および細胞の固定が起こるのに約48時間かかることもまた注目されるべきである。ホルマリン処置は、患者からの組織収集の時に遺伝子の発現がどれほどであるかの決定をそれほど厳密ではないものにする。
一般に、組織固定から得られた遺伝子のデータの科学的な有用性は、組織の質およびゲノム試験についてのその組織の有用性に直接関係する。現在、ホルマリン固定は、正確な遺伝子の発現情報を得るのにあまり有用ではない。したがって、収集されたサンプルが遺伝子試験のための正確な遺伝子発現マーカーを含むように、組織サンプルを固定する試薬についての必要性がある。
ホルマリンほど危険ではない組織サンプル固定試薬についての必要性もまたある。あいにく、ホルマリンは、使用者に対する癌の著しい危険性ならびにホルマリンを含有する産物の使用および処分について、重要な州および連邦規則を伴う。
本発明は、患者から外科的に摘出された癌組織の収集を可能にする試薬および試薬の組成物を製造するための方法であって、組織サンプル中の癌細胞の遺伝子の細胞の情報が、生存可能な状態で維持され、組織サンプルを遺伝子の発現分析に適したものにする方法を開示する。
本発明は、サンプル中の細胞の遺伝子の発現分析を可能にする、生検サンプルなどのような組織サンプルについての細胞生存能試薬を産生するための新規な方法を開示する。
組織サンプルについての試薬を産生するための方法のほとんどの実施形態では、方法は、少なくとも1つのカオトロープを提供するステップ、少なくとも1つのコスモトロープ(kosmotrope)を提供するステップ、キレート剤を提供するステップ、バッファーを提供するステップ、アポトーシス基質を提供するステップ、代謝修飾因子を提供するステップ、および組織サンプルの遺伝子発現分析を可能にするような形でカオトロープ、コスモトロープ、キレート剤、バッファー、アポトーシス基質、および代謝修飾因子を混合するステップを含む。
組織サンプルについての試薬を産生するための方法の多くの実施形態では、アポトーシス基質が、癌細胞アポトーシス基質であり、組織サンプルが、外科的に切除された癌組織である。
本発明の方法のほとんどの実施形態では、組織サンプルについての試薬において、カオトロープの最終濃度が、約0.1Molar〜約2Molarであり、コスモトロープが、約0.1Molar〜約2Molarであり、キレート剤が、約0.1Molar〜約2Molarであり、アポトーシス基質が、約0.001Molar〜約0.5Molarである。
本発明の方法のある実施形態では、カオトロープが、SCN(チオシアン酸ナトリウム)、HPO 、HCO 、I、Cl、NO 、NH 、Cs、K、(NH)Cグアニジニウム、グアニジニウム、Br、またはRbのすべての塩からなる群から選択される。
試薬を作製するための方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのコスモトロープが、グリセロール、トリメチルアミンN−オキシド、エクトイン(Ectoine)、aa−トレハロース、3−ジメチルスルホニオプロピオナート、グルコース、デキストラン、またはD−ラクトースからなる群から選択される。
他の実施形態では、キレート剤が、EDTA、EGTA、またはBABTAからなる群から選択される。
本発明の方法の他の実施形態では、バッファーが、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、HEPES、HEPESナトリウム塩、MES、MESナトリウム塩、MOPS、MOPSナトリウム塩、ナトリウム塩、またはリン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)からなる群から選択される。
方法の他の実施形態では、アポトーシス基質が、DMSO、レプチン、グリシンベタイン、クエン酸カリウム、トリメチルアミン、プロリン、NDSB 195、ML−アルギニン、キシリトール、亜セレン酸ナトリウム、NDSB 201、CuCL、またはCTABからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、代謝修飾因子が、極性非プロトン性溶媒、DMSO、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、またはアセトニトリルからなる群から選択される。
ほとんどの実施形態では、試薬を産生するための方法が、少なくとも1つのカオトロープを追加し、その後、キレート剤を追加し、その後、代謝修飾因子を追加し、その後、第1のコスモトロープを追加し、その後、バッファーを追加し、その後、第1のコスモトロープとは異なる第2のコスモトロープを追加し、その後、最後に、アポトーシス基質を追加する一連の順序で、一定分量の精製水に試薬の様々な構成成分を追加するステップをさらに含む。
本発明の多くの実施形態では、カオトロープが、SCN−(チオシアン酸ナトリウム)であり、第1のコスモトロープが、グリセロールであり、第2のコスモトロープが、aa−トレハロースであり、キレート剤が、EDTAであり、バッファーが、リン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)であり、細胞アポトーシス基質が、レプチンであり、代謝修飾因子が、DMSOである。
他の実施形態では、組織サンプルを分析するための試薬を製造するための方法が、一定分量の精製水を提供するステップ、以下の順序で精製水に試薬の構成成分を追加するステップ:チオシアン酸ナトリウム、EDTA、DMSO、グリセロール、リン酸カリウムバッファー、およびaa−トレハロースを追加し、その後、ヒトレプチンを追加する、ならびに組織サンプルまたは生検の正確な遺伝子の発現分析を可能にする形で様々な構成成分のそれぞれの追加の間に構成成分を混合するステップを含む。
いくつかの実施形態では、組織サンプルを分析するための試薬を製造するための方法が、一定分量の精製水を提供するステップ、以下の順序で精製水に試薬の構成成分を追加するステップ:少なくとも1つのカオトロープを追加し、その後、キレート剤を追加し、その後、代謝修飾因子を追加し、次いで、第1のコスモトロープを追加し、次いで、バッファーを追加し、その後、第2の異なるコスモトロープを追加し、その後、アポトーシス基質を追加する、および組織サンプルの正確な遺伝子の発現分析を可能にする形で構成成分のそれぞれの追加の間に構成成分を混合するステップを含む。
ほとんどの実施形態では、遺伝子の発現分析を可能にする組織サンプルを調製するための試薬が、少なくとも1つのカオトロープ、少なくとも1つのコスモトロープ、キレート剤、バッファー、アポトーシス基質、および代謝修飾因子を含む。
癌組織サンプルを分析するために、アポトーシス基質は、癌細胞アポトーシス基質とする。
試薬のほとんどの実施形態について、カオトロープについての最終濃度が、約0.1Molar〜約2Molarであり、少なくとも2つのコスモトロープが、それぞれのコスモトロープについて約0.1Molar〜約2Molarであり、キレート剤が、約0.1Molar〜約2Molarであり、アポトーシス基質が、約0.001Molar〜約0.5Molarである。
試薬の特定の実施形態では、カオトロープが、SCN−(チオシアン酸ナトリウム)であり、コスモトロープが、グリセロールおよびaa−トレハロースであり、キレート剤が、EDTAであり、バッファーが、リン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)であり、細胞アポトーシス基質が、レプチンであり、代謝修飾因子が、DMSOである。
試薬のいくつかの実施形態では、カオトロープが、SCN(チオシアン酸ナトリウム)、HPO 、HCO 、I、Cl、NO 、NH 、Cs、K、(NH)Cグアニジニウム、グアニジニウム、Br、またはRbのすべての塩からなる群から選択される。
試薬の他の実施形態では、コスモトロープが、グリセロール、トリメチルアミンN−オキシド、エクトイン、aa−トレハロース、3−ジメチルスルホニオプロピオナート、グルコース、デキストラン、またはD−ラクトースからなる群から選択される。
試薬の他の実施形態では、キレート剤が、EDTA、EGTA、またはBABTAからなる群から選択される。
いくつかの実施形態における保存用試薬は、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、HEPES、HEPESナトリウム塩、MES、MESナトリウム塩、MOPS、MOPSナトリウム塩、ナトリウム塩、またはリン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)からなる群から選択されるバッファーを含む。
試薬の他の実施形態では、アポトーシス基質が、DMSO、レプチン、グリシンベタイン、クエン酸カリウム、トリメチルアミン、プロリン、NDSB 195、ML−アルギニン、キシリトール、亜セレン酸ナトリウム、NDSB 201、CuCL、またはCTABからなる群から選択される。
しかし、試薬の他の実施形態は、極性非プロトン性溶媒、DMSO、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、またはアセトニトリルからなる群から選択される代謝修飾因子を含む。
本明細書において確認される特許および刊行物はすべて、それらの全体が参照によって本明細書において組み込まれる。
本発明に従って組織サンプルの遺伝子の発現分析を可能にする、外科的に摘出された組織についての試薬を産生するための方法の一実施形態を示す図である。 本発明に従って組織サンプルの遺伝子の発現分析を可能にする、外科的に摘出された組織、特に癌性組織についての試薬を製造するための方法の一実施形態を示す図である。 組織サンプルを保存するために使用される試薬の構成成分および本発明に従うそれぞれの構成成分の一連の追加の一実施形態を示す製剤シートを示す図である。 組織サンプルを保存するために使用される試薬の構成成分および本発明に従うそれぞれの構成成分の一連の追加の一実施形態を示す製剤シートを示す図である。 従来の保存用試薬と、本発明に従う細胞保存用試薬の一実施形態の使用を比較する、定着させたLNCa−FGC細胞由来のPGK遺伝子のrtPCR結果を示す図である。 従来の試薬と、本発明に従う細胞保存用試薬の一実施形態のrtPCR結果を比較する、定着させたPC3癌細胞由来のPBGD遺伝子のmRNAコピーを示す図である。 従来の保存用溶液と、保存用試薬の一実施形態の使用を比較する、様々な定着させた腎臓癌細胞のG6PDHのmRNAコピーを示す図である。 定着させた腎臓癌細胞に対して使用される保存用試薬の3つの異なる実施形態を比較する図である。
特に指定のない限り、明細書および特許請求の範囲を含む本出願において使用される以下の用語は、下記に示される定義を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、文脈が明確に指示しない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の指示物を含むことに注意されなければならない。
「任意選択の」または「任意選択で」は、続いて記載されるイベントまたは状況が、起こってもよいが、起こる必要はないことならびに記載が、イベントまたは状況が起こる事例および起こらない事例を含むことを意味する。
用語「上記に定義されるもの」および「本明細書において定義されるもの」は、変数を指す場合、変数の広範な定義ならびにもしあれば、好ましい、より好ましい、および最も好ましい定義を参照によって組み込む。
カオトロープという用語は、水分子と弱く相互作用し、タンパク質分子のまわりの水分子水素結合ネットワークを破壊する化合物を指す。
コスモトロープという用語は、水分子と強く相互作用し、タンパク質分子のまわりで典型的に好都合な形で水分子を組織化する化合物を指す。生体材料安定化組成物は、いくつかの実施形態においてコスモトロープを含んでいてもよい。あらゆる特定の(1または複数の)作用メカニズムに限定されないが、コスモトロープは、いくつかの実施形態において、水性組成物中で水−水相互作用を安定化してもよいおよび/または改善してもよい。コスモトロープの例は、限定を伴うことなく、グリセロール、プロリン(たとえばL−プロリン)、トレハロース(たとえばD−(+)トレハロース、D−(+)トレハロース二水和物))、aa−トレハロース、グリシンベタイン、グルコース、デキストロース、グルタミン酸、および/またはアスパラギン酸を含んでいてもよい。コスモトロープの例は、いくつかの実施形態において、SO、HPO、Ca+2、Mg+2、Li、Na、OH、および/またはPO −2を含んでいてもよい。
バッファーという用語は、混合物に約4.5〜約8.5のpHを与える化合物を指す。いくつかの実施形態では、適したバッファーが、好適なバッファー(たとえばHEPES)、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、重炭酸カリウム、トリス(ヒドロキシアミノ)メタン(Tris)、およびその組み合わせから選択されてもよい。たとえば、バッファーは、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウム(一、三塩基)リン酸ナトリウム、Tris、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)バッファー、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)バッファー、2−[(2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ]エタンスルホン酸(ACES)バッファー、N−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸バッファー(ADA)、3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−プロパンスルホン酸(AMPSO)バッファー、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)バッファー、ビシン(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルグリシン)バッファー、ビス−(2−ヒドロキシエチル)イミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)バッファー、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)バッファー、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)バッファー、2−(N−シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)バッファー、3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸(DIPSO)バッファー、N−(2−ヒドロキシエチルピペラジン)−N’−(3−プロパンスルホン酸)(HEPPS)バッファー、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(HEPPSO)バッファー、2−(N−モルホリン)エタンスルホン酸(MES)バッファー、トリエタノールアミンバッファー、イミダゾールバッファー、グリシンバッファー、エタノールアミンバッファー、リン酸バッファー、3−(N−モルホリン)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)バッファー、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)バッファー、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)バッファー、N−トリス[(ヒドロキシメチル)メチル]−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)バッファー、2−ヒドロキシ−3−[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPSO)バッファー、N−[Tris(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸(TES)バッファー、N−[Tris(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(トリシン)バッファー、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールバッファー、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールバッファー、およびその組み合わせを含んでいてもよい。
キレート剤という用語は、金属依存性の酵素(たとえばデオキシリボヌクレアーゼ)に対して有効なまま残っている金属が触媒作用(すなわち核酸分解)を支持するのに不十分となるのと同じ程度まで、有効な金属(たとえばMg2+およびCa2+)に結合し得る化合物を指す。たとえば、金属非依存性の酵素は、DNAリガーゼ(たとえばD4 DNAリガーゼ)、DNAポリメラーゼ(たとえばT7 DNAポリメラーゼ)、エキソヌクレアーゼ(たとえばエキソヌクレアーゼ2、ラムダ−エキソヌクレアーゼ)、キナーゼ(たとえばT4ポリヌクレオチドキナーゼ)、ホスファターゼ(たとえばBAPおよびCIPホスファターゼ)、ヌクレアーゼ(たとえばBL31ヌクレアーゼおよびXOヌクレアーゼ)、ならびにRNA修飾酵素(たとえばRNAポリメラーゼ、SP6、T7、T3 RNAポリメラーゼ、およびT4 RNAリガーゼ)を含んでいてもよい。
キレート剤は、たとえばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、[エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)]四酢酸(EGTA)、および1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸(BAPTA)、ならびに/またはその塩を含んでいてもよい。キレート剤は、任意の望ましい濃度で存在してもよい。2つ以上のキレート剤が単一の試薬中に含まれる場合、それぞれのキレート剤の濃度または組み合わせられたキレート剤の全濃度は、提供される範囲のいずれかの範囲内にあってもよい。いくつかの実施形態では、キレート剤が、EDTA、EGTA、BAPTA、イミダゾール、イミノジアセテート(IDA)、ビス(5−アミジノ−2−ベンゾイミダゾリル)メタン(BABIM)、および/またはその塩を含んでいてもよい。
代謝修飾因子という用語は、試薬製剤内の化学物質の膜透過を最適化するように作用するおよび細胞、特に低酸素性癌細胞の遺伝子発現を安定化する浸透剤/代謝修飾因子を指す。
アポトーシスという用語は、多細胞生物において起こり得るプログラム細胞死(PCD)のプロセスである。生化学的な事象は、特徴的な細胞の変化(形態)および死亡に至る。これらの変化は、小疱形成、細胞縮小、核断片化、クロマチン凝縮、および染色体DNA断片化を含む。(アポトーシス性DNA断片化もまた参照されたい)。
用語「アポトーシス基質」は、アポトーシスの低下において重要な構成成分となる化合物または分子である。アポトーシス基質は、アポトーシスを予防し、かつ細胞安定性および細胞成長を促進するために、他の試薬製剤構成成分と相乗的に働く。
用語「遺伝子の発現分析」は、細胞の、特に癌細胞における過剰発現、過少発現、または特異的に発現される遺伝子の検出を扱う分析を指す。
用語「〜を過剰発現する」、「過剰発現」、または「過剰発現された」は、正常細胞と比較して、通常癌細胞において、検出可能により大きなレベルで翻訳されるまたは転写されるタンパク質または核酸(RNA)を区別なく指す。この用語は、正常細胞と比較した、転写、転写後プロセシング、翻訳、翻訳後プロセシング、細胞の局在化(たとえば細胞器官、細胞質、核、細胞表面)、ならびにRNAおよびタンパク質の安定性による過剰発現を含む。過剰発現は、mRNA(すなわちRT−PCR、PCR、ハイブリダイゼーション)またはタンパク質(すなわちELISA、免疫組織化学的技術)を検出するために従来の技術を使用して検出することができる。過剰発現は、正常細胞と比較して。10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上とすることができる。ある事例では、過剰発現は、正常細胞と比較して、1倍、2倍、3倍、4倍、またはそれ以上のレベルの転写または翻訳である。
用語「〜を過少発現する」、「過少発現」、もしくは「過少発現された」または「ダウンレギュレートされた」は、正常細胞と比較して、癌細胞において、検出可能により低いレベルで翻訳されるまたは転写されるタンパク質または核酸を区別なく指す。この用語は、コントロールと比較した、転写、転写後プロセシング、翻訳、翻訳後プロセシング、細胞の局在化(たとえば細胞器官、細胞質、核、細胞表面)、ならびにRNAおよびタンパク質の安定性による過少発現を含む。過少発現は、mRNA(すなわちRT−PCR、PCR、ハイブリダイゼーション)またはタンパク質(すなわちELISA、免疫組織化学的技術)を検出するために従来の技術を使用して検出することができる。過少発現は、コントロールと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以下とすることができる。ある事例では、過少発現は、コントロールと比較して、1倍、2倍、3倍、4倍、またはそれ以下のレベルの転写または翻訳である。
用語「特異的に発現された」または「特異的に調節された」は、本発明との関連において、少なくとも1つの他のサンプルと比較して、あるサンプルにおいて、一般に、非癌性組織のサンプルと比較して、癌患者において、過剰発現された(アップレギュレートされた)または過少発現された(ダウンレギュレートされた)タンパク質または核酸を一般に指す。
本明細書において使用される用語「腫瘍」は、悪性か良性かにかかわらず、すべての新生物細胞成長および増殖ならびにすべての前癌性および癌性細胞および組織を指す。
用語「癌」および「癌性」は、無秩序な細胞成長によって典型的に特徴付けられる、哺乳動物における生理学的状態を指すまたは説明する。癌の例は、乳癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌、肝細胞癌、胃癌、膵癌、子宮頸癌、肝臓癌、膀胱癌、泌尿器系の癌、甲状腺癌、腎臓癌、癌腫、黒色腫、および脳癌を含むが、これらに限定されない。
生物学的または組織サンプルは、生検および検死サンプルなどのような組織の切片を含む。生物学的サンプルは、真核生物、最も好ましくは、霊長動物(たとえばチンパンジーもしくはヒト)、雌ウシ、イヌ、ネコなどのような哺乳動物、げっ歯動物(たとえばモルモット、ラット、もしくはマウス)、ウサギ、もしくは鳥、爬虫類動物、または魚から典型的に得られる。
生検は、診断または予後評価のために組織サンプルを摘出するプロセスおよび組織検体自体を指す。当技術分野において知られている任意の生検技術は、本発明の診断および予後方法に適用することができる。適用される生検技術は、他の要因の中でも、評価されることになっている組織タイプ(たとえば肺など)、腫瘍のサイズおよびタイプに依存するであろう。代表的な生検技術は、切除生検、切開生検、針生検、外科生検、および骨髄生検を含むが、これらに限定されない。切除生検は、それを囲む、わずかな縁の正常組織と全腫瘍の塊の摘出を指す。切開生検は、腫瘍の内部からの楔状の組織の摘出を指す。内視鏡検査またはX線検査の指針によってなされる診断または予後は、一般に標的組織の内部から細胞の浮遊液を得る「コア針生検(core−needle biopsy)」または「細針吸引生検」を必要とし得る。
治療上の処置および癌療法は、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、免疫療法、および生物学的(標的)療法を指す。
PCRという用語は、ポリメラーゼ連鎖反応を指す。これは、ヌクレオチドが、ヌクレオチドポリメラーゼ、好ましくはDNAポリメラーゼの存在下において温度サイクル技術を介して増幅される任意の技術を指す。これは、リアルタイムPCR技術、逆転写酵素−PCR、および標準的なPCR法を含むが、これらに限定されない。
本発明は、組織サンプル中の細胞の遺伝子の発現の分析を可能にする、組織サンプルの細胞の生存能を維持するための試薬を製造するための方法を開示する。本発明はまた、組織サンプル、特に癌細胞中の生存可能な細胞の正確な遺伝子発現の試験を可能にする試薬組成物にも関する。細胞生存能試薬を作製するための方法は、一般に、本発明の試薬の最適な製剤を実現するために化合物/分子の一連の追加を有する。
図1を参照すると、本発明に従って細胞生存能試薬を製造するための方法の一実施形態のフローチャートがある。細胞生存能試薬を生成するための方法100は、事象110でカオトロープを提供することを含む。カオトロープは、一定分量の精製水に追加される。カオトロープは、DNAアーゼおよびRNAアーゼなどのような核酸を分解する酵素、プロテアーゼ、ならびにタンパク質破壊およびアポトーシスを担う調節酵素に対して活性を有する分子である。カオトロープはまた、細胞における水分布および関連する代謝の減弱に有意な効果を有する。
ほとんどの実施形態では、カオトロープが、以下の化合物のうちの少なくとも1つである;SCN(チオシアン酸ナトリウム)、HPO 、HCO 、I、Cl、NO 、NH 、Cs、K、(NH)Cグアニジニウム、グアニジニウム、Br、またはRbのすべての塩。これらの化合物はすべて、細胞のまわりの水分布に効果を有し、細胞生存能の維持を支援することが知られている。
いくつかの実施形態では、カオトロープが、約0.1Molar〜約2Molar、より好ましくは、少なくとも約1mM、少なくとも約10mM、少なくとも0.05M、少なくとも約0.1M、少なくとも0.5M、少なくとも約1M、少なくとも約1.75M、少なくとも約2M〜最大少なくとも約3Mの範囲にわたる濃度の、細胞生存能試薬における最終濃度を有する。
事象120で、方法100は、少なくとも1つのキレート剤を提供することを含む。キレート剤は、Ca、Mg、核酸を分解する駆動される酵素系の不活性化を支援するために、細胞生存能製剤に追加される。この実施形態では、キレート剤が、以下の群の化合物から選択される:EDTA、EGTA、またはBABTA。
細胞生存能試薬を製剤するための方法のほとんどの実施形態では、キレート剤が、約0.1Molar〜約2Molar、より好ましくは約少なくとも約0.1M、少なくとも約0.005M、少なくとも約0.01、少なくとも約0.05M、および/または少なくとも約0.1Mの最終濃度で見つけられる。
事象130で、方法100は、代謝修飾因子/浸透剤化合物を提供することをさらに含む。代謝修飾因子は、化学物質の膜透過を最適化するように作用するおよびグリセロールなどのような大きな分子のキャリアとして作用する。そのうえ、それは、細胞分化および機能の重大な修飾因子として作用する。代謝修飾因子は、低酸素性癌細胞の遺伝子発現を安定化する際に重要な構成成分となる。
方法100では、代謝修飾因子/浸透剤は、極性非プロトン性溶媒、DMSO、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、またはアセトニトリルからなる群から選択される。製剤における代謝修飾因子の最終濃度は、少なくとも0.25M、少なくとも約0.5M、少なくとも約0.75M、少なくとも約1M、少なくとも約1.5M〜最大約2Mまでである。
方法100は、事象140で細胞生存能試薬を製造するための、少なくとも1つのコスモトロープを提供することをさらに含む。この実施形態では、(1または複数の)コスモトロープは、カオトロープの追加の後に混合物に追加される。(1または複数の)コスモトロープは、以下の化合物のうちの1つであってもよい:グリセロール、トリメチルアミンN−オキシド、エクトイン、aa−トレハロース、3−ジメチルスルホニオプロピオナート、グルコース、デキストラン、またはD−ラクトース。(1または複数の)コスモトロープは、核酸、タンパク質、およびタンパク質のフォールディングに対して保護効果を有し、細胞および膜安定性ならびに細胞がストレスを加えられた場合の遺伝子発現の安定化のための代謝の調整についてカオトロープと協力する、試薬の必要な構成成分である。
いくつかの実施形態では、コスモトロープが、約0.1Molar〜約2Molarまたは約0.1mM〜約100mM、約1mM〜約10mM、約0.1M、約1.0M〜約2.0M、約0.1M〜約5.0Mの範囲にわたる濃度で細胞生存能試薬の最終濃度で見つけられる。
事象150で、方法100は、細胞生存能試薬のpHを調節するために製剤に追加される少なくとも1つのバッファーを提供することを含む。ほとんどの実施形態におけるバッファーは、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、HEPES、HEPESナトリウム塩、MES、MESナトリウム塩、MOPS、MOPSナトリウム塩、ナトリウム塩、またはリン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)からなる群から選択される。
ほとんどの実施形態では、細胞生存能試薬の最終phが、約4.5〜約8、より好ましくは約5.0〜約5.5〜約5.5〜6.0、〜約6.5、〜約7.0〜約7.5である。
方法100は、事象160で細胞生存能試薬を製造するために第2のコスモトロープを提供することをさらに含む。この実施形態では、(1または複数の)コスモトロープが、バッファーの追加の後に混合物に追加される。(1または複数の)コスモトロープは、以下の化合物のうちの1つであってもよい:グリセロール、トリメチルアミンN−オキシド、エクトイン、aa−トレハロース、3−ジメチルスルホニオプロピオナート、グルコース、デキストラン、またはD−ラクトース。(1または複数の)コスモトロープは、核酸、タンパク質、およびタンパク質のフォールディングに対して保護効果を有し、細胞および膜安定性ならびに細胞がストレスを加えられた場合の遺伝子発現の安定化のための代謝の調整についてカオトロープと協力する、試薬の必要な構成成分である。
いくつかの実施形態では、コスモトロープが、約0.1Molar〜約2Molar、より好ましくは約0.1mM〜約100mM、約1mM〜約10mM、約0.1M、約1.0M〜約2.0M、約0.1M〜約5.0Mの範囲にわたる濃度で細胞生存能試薬の最終濃度で見つけられる。
方法100は、事象170でアポトーシス基質を提供することをさらに含む。アポトーシス基質は、細胞、特に癌細胞のアポトーシスの予防を援助する。アポトーシス基質は、DMSO、レプチン、グリシンベタイン、クエン酸カリウム、トリメチルアミン、プロリン、NDSB 195、ML−アルギニン、キシリトール、亜セレン酸ナトリウム、NDSB 201、CuCL、またはCTABからなる群から選択される。
細胞生存能試薬におけるアポトーシス基質の最終濃度は、約.001M〜約0.5Mまたは約0.1mM〜約1mMまで、約10mMまで、約0.1Mまで、約0.25Mまで、約1Mまで、1.5Mまで、最大約2Mまでとする。
事象180で、100の方法は、組織サンプルの遺伝子発現分析を可能にするように、カオトロープ、コスモトロープ、キレート剤、バッファー、アポトーシス基質、および代謝修飾因子を混合することをさらに提供する。サンプルの混合は、本発明の試薬を製剤するための方法の全体にわたって起こってもよい。それぞれの個々の構成成分は、最適な細胞生存能試薬を得るために処置され、混合される。製剤の構成成分の追加は、任意であってもよいが、ほとんどの実施形態では、構成成分の追加が、方法100において示される順序で連続している。
試薬を産生する調製時間は、バッチサイズ、温度などにより変動する。一般に、細胞生存能試薬の製剤を完了するのにおよそ1時間かかる。試薬は、組織サンプルに対する使用の前に12か月間まで、周囲条件で保管されてもよい。試薬はまた、より長い保管のために凍結されてもよい。
一旦、組織サンプルが細胞生存能試薬に追加されたら、組織は安定化され、30℃の温度で72時間まで、生存可能な遺伝子発現構成成分を維持する。一般に、細胞が生存可能な時間は、約30時間〜約50時間であり、より詳細には約2日間である。この時間枠は、癌などのような疾患のタイプおよび進行に対する重要な見通しを与えることができる、生検(組織サンプル)からの組織の詳細な遺伝子の発現分析に十分である。
図2を参照すると、本発明に従って細胞生存能試薬を生成するための方法の実施形態を示すフローチャートがある。方法200は、事象210でチオシアン酸ナトリウムを提供することを含む。チオシアン酸ナトリウムはカオトロープであり、精製水に追加され、事象220でキレート剤EDTAを追加する前に完全に混合される。溶液へのEDTAの混合の後に、代謝修飾因子/浸透剤DMSO(ジメチルスルホキシド)は事象230で混合物に追加される。
事象240で、第1のコスモトロープ、グリセロールは、試薬の製剤に追加される。製剤は、溶液が透明になるまで、混合され、次いで、試薬のバッファー構成成分は、事象250において追加される。図2において示す方法のバッファーは、リン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)である。このバッファーは、最終細胞生存能試薬のpHがおよそ約7.0〜7.6、よりふさわしくはおよそ7.2となることを確実にする。
事象260で、第1のコスモトロープとは異なる第2のコスモトロープは、製剤に追加される。方法200における第2のコスモトロープは、aa−トレハロースである。
事象270で、200の方法は、細胞、特に癌性細胞のアポトーシスの予防を支援するレプチン、アポトーシス基質をさらに追加することを含む。
事象280で、方法200は、試薬製剤の構成成分の混合をさらに提供する。それぞれの構成成分追加の後に、混合は、完了され、それぞれの構成成分が試薬溶液内で可溶性になることを確実にする。
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上記表Iは、試薬にレプチンが追加されるおよび追加されない保存用試薬の一実施形態、それぞれTAG−1およびTAG−2への曝露の1日後のIshikawa癌細胞の生存能を示す。表1におけるTAG−1およびTAG−2は、それらが20%緩衝ホルマリン溶液中に置かれる場合のIshikawa癌細胞の生存能と比較される。表I中のTAG−1は、チオシアン酸ナトリウム、EDTA、バッファー、トレハロース、DMSO、グリセロール、およびレプチンを含む。表1中に示されるTAG−2溶液は、TAG−1の同じ構成成分を含むが、レプチンは存在しない。
表1は、溶液中の細胞の凝集塊の存在、死細胞の存在の指標についてのトリパンブルー結果、およびMTTを使用する細胞の生存能/増殖を測定することによる癌細胞の生存能を示す。MTTアッセイは、存在する生存可能な細胞の数を反映する、定められた条件下でNAD(P)H依存性細胞オキシドレダクターゼ酵素により細胞生存能を評価するための比色定量アッセイである。これらの酵素は、テトラゾリウム色素を、紫色を有するその不溶性のホルマザンに還元することができる。死細胞は、この色を引き起こさない。MTT色素は、細胞浮遊液に追加され、570nmの分光光度法設定およびバックグラウンド波長630/690nmで読み取られる。生存可能な細胞の密度および成長中の細胞の増殖は、定められたグリッド上で生細胞(紫色)に対する死細胞(黄色)の比を使用して計算される。表I中に示される結果は、保存用試薬への曝露24時間で、TAG−1は100%の生存能を有し、TAG−2は53%の生存能を有し、ホルマリン溶液は0%の細胞の生存能を有することを示す。
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上記表IIは、8日間、TAG−1、TAG−2、またはホルマリン保存用溶液に曝露された後のIshikawa癌細胞の生存能を示す。本発明の保存用試薬、TAG−1およびTAG−2は、表I中に示される実験において使用されるものと同じである。室温での保存用試薬への8日間の曝露の後に、TAG−1は88.94%の生存能を有し、TAG−2は、5%の細胞生存能を有し、ホルマリン溶液では、細胞はすべて死んだ。これらの結果は、本発明の(1または複数の)保存用試薬が、ホルマリンよりも、ある期間にわたって細胞生存能を維持する点ではるかに好適であることを示す。これらの結果はまた、アポトーシス構成成分としてレプチンを追加する重要性を実証する。
試薬が正確に調製される場合、それは癌組織保存剤として作用することができ、組織中の細胞生存能を維持し、24時間までの間、生存能は95%である。1〜約5日間の生存能は、約3日間の平均生存能により実現することができる。試薬はまた、組織中の癌細胞アポトーシスの阻害または有意な抑制を援助し、低酸素症などのような細胞の要因をコントロールし、組織および核の完全性を保護するために分解酵素の迅速な不活性化を支援する。
さらに、およそ90%の組織透過は、2時間以内に見られ、7.2のpHへの化学構成成分の迅速な緩衝は、試薬構成成分の最大の細胞の代謝活性を可能にする。本発明の試薬は、カオトロピック、コスモトロピック化学物質、緩衝系、および肥満患者において癌の成長を増加させることが示された、新規な癌刺激ホルモン、レプチンを利用する生化学的メカニズムによって細胞の代謝ストレスの調整を可能にする。試薬製剤にグリセロールなどのような凍結防止剤を追加することによって、凍結防止剤は、タンパク質保存のためにコスモトロープとして作用し、また、組織検体に熱安定性をも与える。
試薬の他の有益性は、試薬が、リアルタイムPCRおよびマイクロアレイ方法によって測定される標的RNA、mRNAの遺伝子発現を安定化するということである。細胞および組織への試薬構成成分のまた迅速な透過もまた、観察された。
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表IIIは、本発明の細胞の保存用試薬の5つの異なる製剤を比較するRNA完全性の研究の結果を示す。Ishikawa癌細胞は、細胞からRNAを抽出する前に170時間までの間、様々な製剤中で曝露させたまたは定着させた。TAG−1製剤は、レプチンおよびトレハロース、チオシアン酸ナトリウム、EDTA、バッファー、DMSO、ならびにグリセロールを含む。TAG−2製剤は、トレハロースもレプチンも存在しなかった。TAG−3製剤は、グリセロールも、レプチンも、トレハロースも追加されなかった。TAG−4製剤は、DMSOも、バッファーも、レプチンも有しなかった。TAG−5製剤は、レプチンも、トレハロースも、チオシアン酸ナトリウムも、EDTAも有しなかった。
表IIIにおいて示される研究において利用されるIshikawa癌細胞は、5%ウシ血清が補足されたDMEM培地中で成長させた子宮内膜腺癌細胞である。細胞は、100mmの組織培養皿上で1×10の密度で接種された。細胞は従来の方法を使用して採取し、次いで、本発明の細胞保存用試薬の様々な製剤中に再懸濁し、様々な時間、室温に置いた。様々な時点で、細胞のRNAは、RNeasy mini kitを使用して抽出し、RNAは、メーカーの標準的なプロトコールを使用して、Agilent 2000 Bioanalyzerを使用して質および量について分析し、この研究についてのコントロールは、記録された精製細胞RNAとした。
表IIIに示される結果は、本発明の好ましい実施形態が図2中に示される要素をすべて含むことを示す。本発明の細胞保存用製剤中のトレハロースおよびレプチンについての必要性は、表IIIにおいて明らかに示される。Agilent 2000 RNA analyzerによって測定されるRNAの完全性についての数値(RNA integrity number)(RIN)は、1〜10の尺度を有する。6未満のいかなる数も、遺伝子発現研究に有用ではない、分解されかつ信頼性の低いRNAを示すと考えられる。TAG−1は、170時間の時点でさえ、6.0以上にとどまるRIN数値を有するただ一つの製剤である。本発明のTAG−1製剤の実施形態の最終濃度は;チオシアン酸ナトリウム0.01M、EDTA 0.01M、グリセロール0.25M、バッファー0.001M、レプチン0.001M、トレハロース0.20Mであった。
本発明の試薬はまた、標準的な染色病理方法とも適合する。細胞は、24時間、TAG−1試薬中で処置し、標準的なプロトコールを使用してヘマトキシリンおよびエオシン染色により染色した。染色された細胞は、これもまた同じ標準的なプロトコールを使用してヘマトキシリンエオシン染色により染色された未処置細胞と比較した。細胞は、細胞質内、核、および細胞外マトリックスの特徴について顕微鏡で検査された。両方の細胞のセットにおいて、核は青色に染色されたのに対して、細胞質および細胞外マトリックスは均一なピンク色の染色を有した。要約すると、TAG−1処置細胞およびTAG−1の化学物質により処置されない細胞の染色で有意差はなかった。
ほとんどの実施形態では、細胞生存能試薬が、カオトロープ、少なくとも1つのコスモトロープ、キレート剤、バッファー、代謝修飾因子、およびアポトーシス基質を含む。試薬のこれらの構成成分は、他の組織保存剤と比較して、低モル濃度で見つけられる。低モル濃度のカオトロープは、非常に異なって作用し、核酸の安定性および保存に対する非常に保護的な効果ならびに本明細書において記載されるように細胞における(if cells)水分布および代謝を修飾することによって細胞代謝に大きな影響を有することを実証する。根拠は米国特許第6,458,546 B1号明細書(Baker)。カオトロープについての最終濃度は、約0.1Molar〜約2Molarであり、少なくとも2つのコスモトロープは、それぞれのコスモトロープについて約0.1Molar〜約2Molarであり、キレート剤は、約0.1M〜約2Molarであり、アポトーシス基質は、約0.001Molar〜約0.5Molarである。細胞を破壊し、タンパク質および核酸を変性させる高モル濃度のカオトロープと異なり、低濃度のカオトロープは、組織サンプルの保存において有益であることが示された。また、低モル濃度のコスモトロープは、細胞の代謝を修飾し、タンパク質および核酸を保護する際に低濃度のカオトロープと非常に相乗的となる。生体高分子(たとえば癌細胞)の最適な安定化は、以下の群およびそれぞれの群のうちの1つからの、1つ以上のコスモトロピックアニオンおよび1つのカオトロピック作用の混合物を必要とする。
ある実施形態では、カオトロープが、SCN(チオシアン酸ナトリウム)であり、コスモトロープが、グリセロールおよびaa−トレハロースであり、キレート剤が、EDTAであり、バッファーが、リン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)であり、細胞アポトーシス基質が、レプチンであり、代謝修飾因子が、DMSOである。
本発明はまた、細胞生存能試薬を保持するように構成された容器を含む生検サンプルのためのキットであって、細胞生存能試薬は、生検サンプルの遺伝子の発現分析を可能にするキットを提供する。
ほとんどの実施形態では、キット中の容器が、生検組織サンプルおよび一定分量の本発明の試薬を保持するのに十分なサイズのカップまたはチューブである。チューブは、エッペンドルフチューブまたは分析されることになっている組織サンプルのサイズに依存してより大きなものとなってもよい。キット中の試薬は、少なくとも1つのカオトロープ、少なくとも1つのコスモトロープ、キレート剤、バッファー、アポトーシス基質、および代謝修飾因子を含む。
他の実施形態では、カップが、カップ中に細胞生存能試薬を密閉するための蓋を含む。
組織サンプル、とりわけ癌組織サンプルのための細胞生存能試薬を製造するための好ましい方法は、以下の実施例において提供される。
[実施例]
以下の調製物および実施例は、当業者らが本発明をより明らかに理解し、かつ本発明を実施することを可能にするために示される。それらは、本発明の範囲を限定するとして見なされるべきではなく、単に例証であり、その代表であるとして見なされるべきである。
[実施例I]
この実施例は、組織サンプルの細胞の生存能を維持するための試薬を産生するための方法の一実施形態についての説明である。図3Aおよび3Bは、試薬の構成成分を列挙する製剤シートならびに組織生検サンプルのための細胞の生存能試薬を調製するための方法についての指示の写真である。この実施例において、1リットルの試薬が作製される。製剤シート上の構成成分は、最初に測定される精製水(50ml)を除いて、それらが追加されることになっている順序で列挙される。カオトロープ、8.1gmのチオシアン酸ナトリウムは、10%wvのチオシアン酸ナトリウムの最終濃度をもたらすように水に追加する。チオシアン酸ナトリウムは、溶液が透明になるまで、混合する。カオトロープの追加に続いて、EDTA、0.1Mのストック濃度のキレート剤を溶液に追加する。100mlの0.1M EDTAを、試薬中.01M EDTAの最終濃度をもたらすように追加する。EDTAは、溶液が均一となるまで、混合する。溶液に追加される次の構成成分は、代謝修飾因子、DMSOである。20mlのDMSOは、試薬中2% DMSOの最終パーセンテージをもたらすように、溶液に追加する。DMSOを追加した後に、溶液は、均一になるまで、混合する。次いで、第1のコスモトロープ、グリセロール(25ml)を溶液に追加し、2.5%の試薬中のグリセロールの最終パーセンテージがもたらされる。溶液は、均一になるまで、再び混合する。次いで、緩衝構成成分を溶液に追加する。3.93gmのKPOリン酸二水素カリウムを最初に追加し、均質となるまで混合し、その後、5.02gmのKPO、三塩基リン酸カリウムを追加する。一旦、溶液が均一になったら、第2のコスモトロープ、aa−トレハロース二水和物を溶液に追加する。7.56gmのトレハロース二水和物を試薬に追加する。次いで、溶液は、透明になるまで、混合する。溶液に追加する最終構成成分はアポトーシス基質、ヒトレプチンである。50マイクロリットルまたは.001Mのレプチンを溶液に追加し、次いで、これを、透明になるまで混合する。
次いで、精製水を、容積が1リットルになるまで追加する。上記のステップはすべて室温で実行する。細胞の生存能試薬は、周囲条件下で1年間までの間、保管することができる。
図3Aおよび3Bの製剤シートならびにこの実施例は、生存可能な細胞組織試薬を産生する際の方法の一実施形態の良好な代表ならびに本発明に従う生存可能な細胞組織試薬を含む構成成分の好適な例である。
[実施例II]
実施例IIは、LNCa−FGC細胞およびPC−3細胞の保存に対する組織細胞保存用試薬の有効性についての一実施形態に関する研究である。標準的な細胞再懸濁溶液と比較した、TAG−1試薬中にLNCa−FGC細胞を保存する結果を、図4に示す。標準的な細胞再懸濁溶液と比較した、TAG−1試薬中にPC−3細胞を保存する結果を、図5に示す。
ヒト前立腺細胞系DU145、PC−3、およびLNCaP−FGCは、American Type Collection(Manassas Virginia、USA)から購入した。DU145細胞は、ペニシリン(100単位/ml)およびストレプトマイシン(100ul/ml)をプラスした10% PBSを補足したDMEM培地中で培養した。PC−3およびLNCaP−FGC細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS)ならびにペニシリン(100単位/ml)およびストレプトマイシン(100ul/ml)を補足したRPMI 1640培地中で培養した。細胞は、約70%の培養密度まで組織培養プレート中で成長させた。次いで、細胞は従来の方法によって採取し、細胞保存用試薬の一実施形態、TAG−1またはKEDTA、20%ホルマリン、もしくはチメロサールを有する食塩水などのようなコントロール溶液中に再懸濁した。
LNCa−FGC細胞を使用する研究は、TAG−1、食塩水チメロサール溶液、およびKEDTA溶液の保存の有効性を比較した。細胞は、TAG−1またはコントロール溶液中に再懸濁し、100時間まで定着させた。TAG−1溶液は25℃に置き、KEDTA溶液は4℃に保った。様々な時点、0時間、24時間、48時間、72時間、および100時間で、RNAは、それぞれのサンプル由来のmRNAの完全性を決定するために、定着させた細胞から抽出した。図4は、TAG−1試薬または2つのコントロール溶液中で定着させた癌細胞の比較を示すグラフである。G6PDH mRNAのコピーは、rtPCRを使用して、それぞれの時点について検出した。図4は、TAG−1溶液がコントロール溶液よりも生存可能にmRNA/細胞を保ったことを示す。コントロール溶液は、48時間またはさらに早い時点でG6PDHのコピーを示さなかった。TAG−1溶液は、100時間でさえインタクトなmRNAを有する生存可能な細胞をなお有することができた。
PC−3細胞(図5)を使用する研究は、TAG−1、食塩水/チメロサール溶液、およびKEDTA溶液の保存の有効性を比較した。細胞は、TAG−1またはコントロール溶液中に再懸濁し、100時間まで定着させた。TAG−1溶液は25℃に置き、KEDTA溶液は4℃に保った。様々な時点、0時間、24時間、48時間、72時間、および100時間で、RNAは、それぞれのサンプル由来のmRNAの完全性を決定するために、定着させた細胞から抽出した。図5は、TAG−1試薬または2つのコントロール溶液中で定着させた癌細胞の比較を示すグラフである。PBGD mRNAのコピーは、rtPCRを使用して、それぞれの時点について検出した。図5は、TAG−1溶液がコントロール溶液よりも生存可能なmRNA/細胞を保ったことを示す。コントロール溶液は、48時間の時点でPBGDのコピーをほとんど示さなかった。TAG−1溶液は、100時間でさえインタクトなmRNAを有する生存可能な細胞をなお有することができた。
腎臓癌細胞を使用する研究は、本発明の保存用試薬の実施形態の1つを、一方は20%ホルマリンおよび他方はチオシアン酸ナトリウム溶液を有するKEDTAである2つの他の溶液と比較する。腎臓癌細胞は、成長させ、上記に利用される前立腺癌細胞株と類似する形で採取した。次いで、細胞は、TAG−1、20%ホルマリン、またはチオシアン酸ナトリウム溶液を有するKEDTA中で100時間まで定着させた。
図6は、ある期間にわたって(0時間、24時間、48時間、72時間、および100時間)、rtPCRによって検出された、定着させた腎臓癌細胞中のG6PDH mRNAのコピーのグラフを示す。ホルマリン溶液中で定着させた細胞は、48時間でG6PDHの検出可能なコピーを有さず、チオシアン酸ナトリウムをプラスしたKEDTA中で定着させた細胞は、72時間で検出可能なmRNA G6PDHを有しない。TAG−1製剤中で定着させた細胞は、100時間でなお検出可能なmRNAを有する。
これらの実験についてのTAG−1製剤は、レプチン、トレハロース、チオシアン酸ナトリウム、EDTA、バッファー、DMSO、およびグリセロールを含んだ。製剤の最終濃度は、チオシアン酸ナトリウム0.01M、EDTA 0.01M、グリセロール0.25M、バッファー0.001M、レプチン0.001M、トレハロース0.20Mであった。
[実施例III]
実施例IIIは、本発明に従う組織細胞保存用試薬の実施形態のうちの1つにおいて、トレハロースおよびレプチンを有することの細胞保存の有効性を示す研究である。腎臓癌細胞は、3つの製剤、TAG−1、トレハロースなしのTAG−1、ならびにトレハロースおよびレプチンなしのTAG−1について、ある期間にわたって(0時間、24時間、48時間、72時間、および100時間)、存在するG6PDH mRNAのコピーを比較するために使用した。サンプルは、腎細胞からmRNAを抽出する前に室温に置いた。図7は、腎臓癌細胞を3つの細胞保存用試薬溶液のうちの1つにおいて定着させた(保存用溶液中に再懸濁した)後に存在するG6PDH mRNAのコピーの数についての3つの製剤の比較のグラフを示す。図7は、細胞保存用製剤中にトレハロースおよびレプチンの両方を有する有効性を明らかに示す。トレハロースなしのTAG−1ならびにトレハロースおよびレプチンなしのTAG−1は、48時間の時点でG6PDH mRNAのコピーを示さないが、mRNA G6PDHコピーは、100時間の時点でさえTAG−1製剤中に再懸濁した細胞において検出される。
これらの実験についてのTAG−1製剤は、レプチン、トレハロース、チオシアン酸ナトリウム、EDTA、バッファー、DMSO、およびグリセロールを含んだ。製剤の最終濃度は、チオシアン酸ナトリウム0.01M、EDTA 0.01M、グリセロール0.25M、バッファー0.001M、レプチン0.001M、トレハロース0.20Mであった。
[実施例IV]
実施例IVは、液体窒素(LN)に急速冷凍した組織の遺伝子発現パターンを、本発明の一実施形態、TAG−1細胞保存用製剤中に保った組織と比較するマイクロアレイ研究である。mRNA遺伝子発現は、Rocheアレイ4−プレックス、19K遺伝子上で完了させた。アレイハイブリダイゼーションおよびスキャニングは、Truckee Applied Genomicsによって提供されるIshikawa癌細胞由来のmRNAを使用してRoche内部遺伝子発現サービスによって実行した。結果は、四分位標準化を使用し、アライメントの後にアレイからの蛍光を抽出することによって分析した。遺伝子コール(Gen calls)は、Robust Multichip Average(RMA)アルゴリズムを使用して生成した。対比較は、散布図上で視覚化し、処置はすべて、階層クラスタリングによって比較した、これらは両方ともアレイデータ視覚化のための標準的な方法である。アレイ品質管理は、10のアレイにわたって発現分布を比較することによって実現し、明らかな外れ値はなかった。
下記の表IVは、マイクロアレイ実験計画を示す。組織はTAG−1中で定着させたまたはLN中で特定の時間、保管した。
Figure 2016512693
対の相関行列は、表およびグラフ形式で表Vにおいて下記に示す。実験群はそれら自体とクラスター形成し、一般に、好適な内部相関を示した。
Figure 2016512693
Figure 2016512693
回帰モデル−24,000遺伝子のそれぞれおよび2つの実験群のそれぞれについて、線形回帰モデルを、独立変数としての時間および従属変数としての発現により適合させた。モデルによりそれぞれの遺伝子についての傾きおよび関連するp−値を得た。傾きおよびp−値を表VIにおいて下記に要約する。
Figure 2016512693
時間的な変動−24,000の遺伝子のそれぞれおよび2つの実験群のそれぞれについて、5つ時点にわたる標準偏差および変動係数を計算した、下記の表VIIを参照されたい。これらの結果は、上記の表VIにおいて示される回帰モデル結果と一致した。
Figure 2016512693
2つのセットの平均差を、下記の表VIIIに示す。全体として、群LN2およびTAG−1の間に著しい平均差があったが、差は、正および負の差の間でバランスが取れていた。
液体窒素中での組織の凍結は、細胞組織をインタクトに保つためのゴールドスタンダードである。上記の実験は、TAG−1対液体窒素中で組織を保管する有効性を比較する。上記の結果は、遺伝子発現が、液体窒素中に保管されたものと比較して、TAG−1中に保管された細胞において過剰発現も過少発現もされなかったことを示し、TAG−1が、試験した期間にわたって、遺伝子発現レベルで細胞の完全性を維持する際に液体窒素保管に匹敵したことを示す。
これらの実験についてのTAG−1製剤は、レプチン、トレハロース、チオシアン酸ナトリウム、EDTA、バッファー、DMSO、およびグリセロールを含んだ。製剤の最終濃度は、チオシアン酸ナトリウム0.01M、EDTA 0.01M、グリセロール0.25M、バッファー0.001M、レプチン0.001M、トレハロース0.20Mであった。
[実施例V]
実施例Vは、エクスビボにおける膀胱および前立腺癌切片組織培養物において培地性能を評価する研究である。膀胱および前立腺の腫瘍組織を、本発明の一実施形態、TAG−1において室温で様々な時間、保管する。ある期間にわたる切片生存能は、標準的な顕微鏡検査法による組織形態の検査、細胞生存能についてのMTTアッセイ、アポトーシスについてのTUNELアッセイ、および免疫染色を使用する増殖についてのKi67評価によって評価する。遺伝子発現アレイ実験もまた、癌組織の生存能の評価に含む。
比較は、組織切片(400〜800ミクロン厚)がウェルをカバーする膜を横切るTAG−1への到達を介して維持される膜系を使用して、切片培養物により行う。TAG−1による最適化されたプロトコールは、化学療法薬および臨床サンプルに対して試験する。
一般的な方法論は、NSG−PDX JAXマウスまたは患者癌生検コア由来の膀胱および前立腺癌の組織サンプルを得ることを含む。組織は切片またはカットしたブロックとしてプロセシングし、3Dマトリックス中培養プレート上でまたは膜上で培養する。同じ患者由来の正常組織切片は、癌および正常組織の挙動の差を決定するために、コントロールとして果たす。そのうえ、単離末梢血単核細胞(PBMC)を、腫瘍細胞挙動に対するそれらの相関性について分析する。組織サンプルは、TAG−1と標準的な保存プロトコールとの比較のために、標準食塩水/チメロサール溶液、KEDTA溶液、およびTAG−1中で8日までの間、様々な時間間隔でアッセイする。
これらの実験についてのTAG−1製剤は、レプチン、トレハロース、チオシアン酸ナトリウム、EDTA、バッファー、DMSO、およびグリセロールを含んだ。製剤の最終濃度は、チオシアン酸ナトリウム0.01M、EDTA 0.01M、グリセロール0.25M、バッファー0.001M、レプチン0.001M、トレハロース0.20Mであった。
例証となる実施形態の詳細な説明は、例証の目的のために提供されることが理解されたい。特許請求の範囲は、これらの特定の実施形態または実施例に限定されない。そのため、様々なプロセスの限定、要素、詳細、および使用は、前述のものと異なり得またはまだ商業的に実現可能ではない技術を使用して発展させるもしくは実行することができ、なお、本発明の開示の発明の概念の範囲内にある。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの法的な等価物によって決定される。

Claims (30)

  1. 組織サンプルのための試薬を産生するための方法であって、
    少なくとも1つのカオトロープを提供するステップ、
    少なくとも1つのコスモトロープを提供するステップ、
    キレート剤を提供するステップ、
    バッファーを提供するステップ、
    アポトーシス基質を提供するステップ、
    代謝修飾因子を提供するステップ、ならびに
    前記試薬中に置かれた前記組織サンプルの遺伝子発現分析を可能にする特定の順序でカオトロープ、コスモトロープ、キレート剤、バッファー、アポトーシス基質、および代謝修飾因子を混合するステップを含む方法。
  2. 前記アポトーシス基質が癌細胞アポトーシス基質であり、前記組織サンプルが外科的に切除された癌組織サンプルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 組織サンプルのための前記試薬において、前記カオトロープの最終濃度が、約0.1Molar〜約2Molarであり、前記コスモトロープが、約0.1Molar〜約2Molarであり、前記キレート剤が、約0.1〜約2Molarであり、前記アポトーシス基質が、約0.001Molar〜約0.5Molarであることを特徴とする、請求項1および請求項2に記載の方法。
  4. 前記カオトロープが、SCN(チオシアン酸ナトリウム)、HPO 、HCO 、I、Cl、NO 、NH 、Cs、K、(NH)Cグアニジニウム、グアニジニウム、Br、またはRbのすべての塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1および請求項2に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つのコスモトロープが、グリセロール、トリメチルアミンN−オキシド、エクトイン、aa−トレハロース、3−ジメチルスルホニオプロピオナート、グルコース、デキストラン、またはD−ラクトースからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1および請求項2に記載の方法。
  6. キレート剤が、EDTA、EGTA、またはBABTAからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1および請求項2に記載の方法。
  7. 前記バッファーが、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、HEPES、HEPESナトリウム塩、MES、MESナトリウム塩、MOPS、MOPSナトリウム塩、ナトリウム塩、またはリン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1および請求項2に記載の方法。
  8. アポトーシス基質が、DMSO、レプチン、グリシンベタイン、クエン酸カリウム、トリメチルアミン、プロリン、NDSB 195、ML−アルギニン、キシリトール、亜セレン酸ナトリウム、NDSB 201、CuCL、またはCTABからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1および請求項2に記載の方法。
  9. 前記代謝修飾因子が、極性非プロトン性溶媒、DMSO、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、またはアセトニトリルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1および請求項2に記載の方法。
  10. 前記混合が、少なくとも1つのカオトロープを追加し、その後、前記キレート剤を追加し、その後、前記代謝修飾因子を追加し、その後、少なくとも1つのコスモトロープを追加し、その後、前記バッファーを追加し、その後、他の異なるコスモトロープを追加し、その後、最後に、前記アポトーシス基質を追加する一連の順序で、一定分量の精製水に試薬の様々な構成成分を追加するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1および請求項2に記載の方法。
  11. 前記カオトロープが、SCN(チオシアン酸ナトリウム)であり、前記少なくとも1つのコスモトロープにおいては、第1のコスモトロープが、グリセロールであり、第2のコスモトロープが、aa−トレハロースであり、前記キレート剤が、EDTAであり、前記バッファーが、リン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)であり、前記細胞アポトーシス基質が、レプチンであり、前記代謝修飾因子が、DMSOであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 組織サンプルを分析するための試薬を製造するための方法であって、
    一定分量の精製水を提供するステップ、
    以下の順序で精製水に試薬の構成成分を追加するステップ
    チオシアン酸ナトリウムを追加し、その後、EDTAを追加し、次いで、DMSOを追加し、その後、グリセロールを追加し、次いで、リン酸ナトリウムを追加し、その後、aa−トレハロースを追加し、その後、レプチンを追加する、および
    前記試薬中に置かれた組織サンプルの正確な遺伝子の発現分析を可能にするように構成成分のそれぞれの追加の間に前記構成成分を混合するステップを含む、方法。
  13. 組織サンプルを分析するための試薬を製造するための方法であって、
    一定分量の精製水を提供するステップ、
    以下の順序で精製水に試薬の構成成分を追加するステップ:
    少なくとも1つのカオトロープを追加し、キレート剤を追加し、次いで、代謝修飾因子を追加し、次いで、第1のコスモトロープを追加し、その後、バッファーを追加し、次いで、第2の異なるコスモトロープを追加し、その後、アポトーシス基質を追加する、および
    前記試薬中に置かれた場合に前記組織サンプルの正確な遺伝子の発現分析を可能にするように構成成分のそれぞれの追加の間に前記構成成分を混合するステップを含む、方法。
  14. 組織サンプルのための前記試薬において、前記カオトロープの最終濃度が、約0.1Molar〜約2Molarであり、前記コスモトロープが、約0.1Molar〜約2Molarであり、前記キレート剤が、約0.1〜約2Molarであり、前記アポトーシス基質が、約0.001Molar〜約0.5Molarであることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 少なくとも1つのカオトロープ、
    少なくとも1つのコスモトロープ、
    キレート剤、
    バッファー、
    アポトーシス基質、および
    代謝修飾因子の構成成分を含む、遺伝子の発現分析を可能にするための組織サンプルのための試薬。
  16. 前記アポトーシス基質が、癌細胞アポトーシス基質であることを特徴とする、請求項15に記載の試薬。
  17. 前記カオトロープについての最終濃度が、約0.1Molar〜約2Molarであり、前記少なくとも2つのコスモトロープが、それぞれのコスモトロープについて約0.1Molar〜約2Molarであり、前記キレート剤が、約0.1〜約2Molarであり、前記アポトーシス基質が、約0.001Molar〜約0.5Molarであることを特徴とする、請求項16に記載の試薬。
  18. 前記カオトロープが、SCN(チオシアン酸ナトリウム)であり、前記コスモトロープが、グリセロールおよびaa−トレハロースの組み合わせであり、前記キレート剤が、EDTAであり、前記バッファーが、リン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)であり、前記細胞アポトーシス基質が、レプチンであり、前記代謝修飾因子が、DMSOであることを特徴とする、請求項17に記載の試薬。
  19. 前記カオトロープが、SCN(チオシアン酸ナトリウム)、HPO 、HCO 、I、Cl、NO 、NH 、Cs、K、(NH)Cグアニジニウム、グアニジニウム、Br、またはRbのすべての塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の試薬。
  20. 前記少なくとも1つのコスモトロープが、グリセロール、トリメチルアミンN−オキシド、エクトイン、aa−トレハロース、3−ジメチルスルホニオプロピオナート、グルコース、デキストラン、またはD−ラクトースからなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の試薬。
  21. 前記キレート剤が、EDTA、EGTA、またはBABTAからなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の試薬。
  22. 前記バッファーが、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、HEPES、HEPESナトリウム塩、MES、MESナトリウム塩、MOPS、MOPSナトリウム塩、ナトリウム塩、またはリン酸ナトリウムバッファー(一塩基、三塩基PO)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の試薬。
  23. アポトーシス基質が、DMSO、レプチン、グリシンベタイン、クエン酸カリウム、トリメチルアミン、プロリン、NDSB 195、ML−アルギニン、キシリトール、亜セレン酸ナトリウム、NDSB 201、CuCL、またはCTABからなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の試薬。
  24. 前記代謝修飾因子が、極性非プロトン性溶媒、DMSO、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、またはアセトニトリルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の試薬。
  25. 組織サンプルの遺伝子の発現分析を可能にする構成成分を含む細胞生存能試薬を保持するように構成された容器を含む、組織サンプルのためのキット。
  26. 前記容器が、一定分量の前記試薬を保持するように構成されたカップまたはチューブであることを特徴とする、請求項25に記載のキット。
  27. 前記チューブが、エッペンドルフチューブであることを特徴とする、請求項26に記載のキット。
  28. 前記カップが、前記試薬を密閉するための蓋を含むことを特徴とする、請求項26に記載のキット。
  29. 前記試薬の前記構成成分が、少なくとも1つのカオトロープ、少なくとも1つのコスモトロープ、キレート剤、バッファー、アポトーシス基質、および代謝修飾因子を含むことを特徴とする、請求項25に記載のキット。
  30. 前記組織サンプルが生検サンプルであることを特徴とする、請求項25に記載のキット。
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