JP2016510376A - 航空機において燃料を供給するための極低温燃料システム及び方法 - Google Patents

航空機において燃料を供給するための極低温燃料システム及び方法 Download PDF

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Abstract

圧縮機セクション及び燃焼室を備えたタービンエンジンを有する航空機のための極低温燃料システムは、極低温燃料を貯蔵するためのタンクと、タンクを燃焼室に作動的に接続する供給ラインと、タンクを供給ラインに接続して、供給ラインを通って高圧の極低温燃料をポンプ送給するポンプと、を備え、ポンプは、タービンエンジンの運転がポンプを駆動するように圧縮機に作動的に接続する。また、燃料システムの燃料をタービンエンジンに送給する方法を開示する。【選択図】 図2

Description

本明細書に開示する技術は、全体的には航空機システムに関し、詳細には、航空機ガスタービンエンジンに二元燃料を使用する航空機システム及びその運転方法に関する。
液化天然ガス(LNG)等の特定の極低温燃料は、従来のジェット燃料よりも安価である場合がある。従来のガスタービン用途における最新の冷却手法は、圧縮空気又は従来の液体燃料を利用する。冷却用に圧縮機空気を使用すると、エンジンシステムの効率が低下する場合がある。
従って、航空機ガスタービンエンジンに二元燃料を使用する航空機システムが望ましいことになる。従来のジェット燃料及び/又は液化天然ガス(LNG)等の安価な極低温燃料を用いて運転できる航空機ガスタービンエンジンによって推進することができる航空機システムが望ましいことになる。航空機ガスタービンの構成要素及びシステムを効率良く冷却することが望ましいことになる。高い効率及び燃料消費率のエンジンとして運転コストを低減することが望ましいことになる。温室効果ガス(CO)、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)、未燃炭化水素及びスモークを低減することで環境への影響を低減できる、二元燃料を使用する航空機ガスタービンンジンが望ましいことになる。
国際公開第2012/173651号 1つの態様において、本発明の実施形態は、圧縮機セクション及び燃焼室を備えたタービンエンジンを有する航空機のための極低温燃料システムに関し、このシステムは、極低温燃料を貯蔵するためのタンクと、タンクを燃焼室に作動的に接続する供給ラインと、タンクを供給ラインに接続して、供給ラインを通って高圧の極低温燃料をポンプ送給するポンプと、を備え、ポンプは、タービンエンジンの運転がポンプを駆動するように圧縮機に作動的に接続する。
別の態様において、本発明の実施形態は、燃焼セクション及び圧縮機セクションを有するタービンエンジンに燃料システムの燃料を送給する方法に関し、この方法は、タービンエンジンからの圧縮機吐出圧で駆動されるターボポンプを利用して、タービンエンジンの燃焼セクションに供給される燃料を加圧する段階を含む。
本明細書に開示する技術内容は、添付図面と一緒に以下の説明を参照することで良く理解できるはずである。
二元燃料推進システムを有する例示的な航空機システムの等角図。 例示的な加圧システムの実施形態の図。 例示的な燃料供給/分配システムの図。 例示的な極低温燃料の圧力−エンタルピー線図の例示的な作動経路の図。 例示的な燃料タンク構成及び例示的なボイルオフ使用法を示す概略図。 燃料供給及び制御システムを有する例示的な二元燃料航空機ガスタービンエンジンの概略断面図。 概略的な熱交換器を示す例示的な二元燃料航空機ガスタービンエンジンの一部の概略断面図。 例示的な直接式熱交換器の概略図。 例示的な間接式熱交換器の概略図。 他の例示的な間接式熱交換器の概略図。 航空機システムに関する例示的な飛行ミッションプロファイルの概略的な図。
本明細書の図面を参照すると、種々の図全体を通して同じ参照番号は同じ要素を示している。
図1は、本発明の例示的な実施形態による航空機システム5を示す。例示的な航空機システム5は胴体6及び胴体6に取り付けられた翼7を有する。航空機システム5は、飛行中に航空機システム5を推進するのに必要な推進力を発生する推進システム100を有する。図1において、推進システム100は翼7に取り付くように示されるが、他の実施形態において、例えば、後部16等の航空機システム5の他の部分に結合することができる。
例示的な航空機システム5は、推進システム100で使用する1つ又はそれ以上の種類の燃料を貯蔵するための燃料貯蔵システム10を有する。図1に示す例示的な航空機システム5は、以下に示す2種類の燃料を使用する。従って、例示的な航空機システム5は、第1の燃料11を貯蔵できる第1の燃料タンク21及び第2の燃料12を貯蔵でききる第2の燃料タンク22を備える。図1に示す例示的な航空機システム5において、少なくとも第1の燃料タンク21の一部は航空機システム5の翼7に配置される。図1に示す1つの例示的な実施形態において、第2の燃料タンク22は、翼7が胴体6に結合する部位付近で航空機システム5の胴体6に配置される。別の実施形態において、第2の燃料タンク22は、胴体6又は翼7の他の適切な部位に配置することができる。別の実施形態において、航空機システム5は、第2の燃料12を貯蔵できる随意的な第3の燃料タンク123を備えることができる。随意的な第3の燃料タンク123は、例えば図1に概略的に示すように、航空機システム5の胴体6の後部に配置することができる。
以下に詳細に説明するように、図1に示す推進システム100は、第1の燃料11又は第2の燃料12、又は第1の燃料11及び第2の燃料12の両方を使用して推進力を発生することができる二元燃料推進システムである。例示的な二元燃料推進システム100は、第1の燃料11又は第2の燃料12を選択的に使用して、又は第1の燃料及び第2の燃料の両方を選択した比率で使用して推進力を発生することができる、ガスタービンエンジン101を備える。第1の燃料は、本技術分野ではJet−A、JP−8、JP−5として知られている、又は他の種類又は等級のケロシンベースのジェット燃料等の従来の液体燃料とすることができる。本明細書に記載の例示的な実施形態において、第2の燃料12は、極低温で貯蔵される極低温燃料である。本明細書に記載の1つの実施形態において、極低温の第2の燃料12は液化天然ガス(本明細書では「LNG」と呼ぶ)である。極低温の第2の燃料12は、低温で燃料タンクに貯蔵される。例えば、LNGは、絶対圧約15psiaにおいて華氏約−265度で第2の燃料タンク22に貯蔵される。燃料タンクは、チタン、インコネル、アルミニウム、又は複合材等の公知の材料で作ることができる。
図1に示す例示的な航空機システム5は、燃料貯蔵システム10から推進システム100に燃料を供給できる燃料供給システム50を備える。第1の燃料11等の従来の液体燃料を供給するために公知の燃料供給システムを使用できる。本明細書に記載の図1及び3に示す例示的な実施形態において、燃料供給システム50は、例えばLNG等の極低温液体燃料を極低温燃料を移送する導管54を経由して推進システム100へ供給するように構成される。供給時、実質的に極低温燃料の液体状態を維持するために、燃料供給システム50の導管54の少なくとも一部は断熱され、加圧された極低温液体燃料を移送するように構成される。特定の例示的な実施形態において、導管54の少なくとも一部は二重壁構成を有する。導管は、チタン、インコネル、アルミニウム、又は複合材等の公知の材料で作ることができる。
図1に示す航空機システム5の例示的な実施形態は、第1の燃料11又は第2の燃料12の少なくとも1つを使用して電力を発生することができる燃料セルを含む燃料セルシステム400を更に備えることができる。燃料供給システム50は、燃料貯蔵システム10から燃料セルシステム400へ燃料を供給することができる。1つの例示的な実施形態において、燃料セルシステム400は、二元燃料推進システム100が使用する極低温燃料12の一部を用いて電力を発生する。
ガスタービン用途で極低温燃料を利用する場合の1つの問題点は、ガスタービンの圧縮機セクションから燃焼器又は燃焼セクションに流入する空気の圧力よりも高い圧力で燃料をジェットエンジン101の燃焼セクションに噴射することを必要とする点である。燃料と空気との間の圧力差は、燃料タンクから燃料ノズルまでの燃料ラインの全ての構成要素を横切る並びに燃料ノズルを横切る圧力降下を克服して、適切な化学量論空気燃料混合比を保証する並びに逆流を防止するために十分に大きいことが必要である。極低温燃料は、1)タンク内で燃料を加熱し、タンク内でのボイルオフを可能にして、タンク内の燃料を加圧すること、2)電動ポンプを用いてタンク下流で燃料を加圧すること、3)圧縮機吐出圧で駆動されるターボポンプを用いて燃料を加圧すること、を含む種々の方法で加圧することができる。ターボポンプの使用は、単純化、軽量化、外部動力要求の低減という大きな利点をもたらす。
図2は、圧縮機セクション及び燃焼室を備えたタービンエンジン506を有する航空機5のための極低温燃料システム500を示す。極低温燃料システムは、極低温燃料を貯蔵するためのタンク515、タンク515を燃焼室に作動的に接続する供給ライン514、及びタンク515を供給ライン514に接続して該供給ライン514を介して高圧の極低温燃料をポンプ送給するポンプ502を含む。ポンプ502は、504で示すように圧縮機に作動的に接続しており、ジェットエンジンの運転でポンプ502を駆動するようになっている。
詳細には、極低温燃料システム500は、ガスタービン用途においてターボポンプ技術を利用して極低温燃料を加圧する。図示のように、第1の燃料及び第2の燃料を燃料とするように構成すること、及び燃焼器セクション及び圧縮機セクションを含み得ることが想定されている。例えば、第1の燃料タンク532からの第1の燃料をタービンエンジン506に送給するための第1の燃料システム530は、第2の燃料システム又は極低温燃料システム500と一緒に示されている。
ポンプ502は、第2の燃料をタービンエンジン506の圧縮機セクションからタービンエンジン506の燃焼セクションに流入する空気の圧力よりも高い圧力に加圧することができる。詳細には、ポンプ502は、タービンセクション510及び遠心ポンプセクション512を有するターボポンプ502とすることができる。ターボポンプ502は、本明細書では以下に遠心ポンプセクション512に関連して説明するが、ターボポンプ502には、例えば往復ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、ギヤポンプを含む、任意の適切なポンプセクションを使用できることを理解されたい。使用するポンプセクションのタイプは、ポンプ送給される特定の流体に応じて様々とすることができる。
図示のように、タービンセクション510は、タービンエンジン506の圧縮機セクションに流体連通することができ(504で示す)、ターボポンプ502は、ガスタービン506の圧縮機吐出圧からの加圧空気を利用して駆動される。ターボポンプ502のタービンセクション510を通る加圧空気の膨張によって遠心ポンプセクション512に動力が供給されて回転が生じて、遠心ポンプセクション512は、極低温燃料システム500で液化極低温燃料を加圧する。このように、ターボポンプ502は、圧縮機吐出圧から抽気した加圧空気からの機械的エネルギを利用する。この機械的エネルギは、次に、タービンセクション510の空気タービンと同じ軸に結合した遠心ポンプセクション512に動力を供給して液化極低温燃料を加圧する。極低温燃料は、ターボポンプ502から燃料ノズル518までのラインの全ての構成要素を横切る圧力降下並びに燃焼器への燃料ノズル518を横切る圧力差を克服するために、十分に高い圧力であることが必要である。
遠心ポンプセクション512がキャビテーションを起こさないように、小型ポンプ520をターボポンプ502の上流に組み込むことができ、燃料を昇圧して流体飽和点までの余裕を与える。ポンプ520は、タンク515をターボポンプ502の遠心ポンプセクション512に流体接続して、ターボポンプ502の遠心ポンプセクション512に供給される極低温燃料を昇圧することができる。ポンプ520は、小型電動加圧ポンプ又は充填ポンプとすることができる。代替的に、ポンプ520は、電動モータ以外の機械的手段で動力供給することができる。代替的に、タンク圧力又は吸入管の極低温燃料の水頭を高くすること、タンク外部で燃料を冷却すること、タンクを飽和点以下で動作せることを含む、キャビテーションを防止するための他の手段を利用することができる。
空気弁522は、圧縮機セクションとターボポンプ502との間で流体連通することができる。圧縮機からターボポンプ502への空気流は(504で示す)、空気弁522を使用して調節することができ、ターボポンプ502への空気の調節によって、結果として極低温燃料の体積流量を制御することができる。
任意の適切なターボポンプ502を使用できることを理解されたい。代替的なターボポンプ502は、ポンプのタービン膨張セクションの代わりに、圧縮機吐出圧空気を用いた燃料の多段燃焼又はフルガス発生器(full gas generator)コンセプトを利用することができる。多段燃焼又はフルガス発生器を使用するとタービンセクションが複雑になる場合があるが、全流量状態でターボポンプ502を作動するのに必要な圧縮機吐出圧空気量を低減することができる。加えて、電動モータ/発電機をターボポンプ502と同じ軸に組み込むことができ、ターボポンプ502から電力を取り出すこと、又はガスタービン圧縮機から抽気される圧縮機吐出圧空気量を低減するために電力を使用することができる。回転式ターボポンプの代わりに、ポンプ又はタービンセクションの一方又は両方を、往復ピストン又は他の機械的手段に置き換えて、加圧流体からエネルギを取り出すか又は流体に圧力を付与することができる。
前記の例示的なシステムは、極低温燃料システム内の極低温燃料を燃焼セクション及び圧縮機セクションを有するジェットエンジンに送給するための方法に用いることができる。この方法は、ジェットエンジンからの圧縮機吐出圧によって駆動されるターボポンプを利用して、ジェットエンジンの燃焼セクションに供給される極低温燃料を加圧する段階を含むことができる。燃焼セクションに供給される極低温燃料は、ジェットエンジンの圧縮機セクションからジェットエンジンの燃焼セクションに流入する空気の圧力よりも高い圧力までターボポンプによって加圧することができる。さらに、極低温燃料は、極低温燃料がターボポンプによって加圧される前に予加圧することができる。さらに、ジェットエンジンからターボポンプへの圧縮機吐出流は、調節することができる。さらに、ターボポンプ及びガスタービンからの高圧圧縮機抽気を用いた燃料加圧の用途は、LNG形態の燃料に限定されないことを理解されたい。また、このようなシステム及び方法は、Jet−A、天然ガス、バイオ燃料等の他の形態の燃料と共に使用することができる。
前述の実施形態は、遠心ポンプセクションに動力を供給するために空気タービンを用いることで、ポンプを高回転速度で運転して最適なポンプ効率を実現できることを含む、種々の利点をもたらす。加圧タンク又は電動式ポンプの代わりに極低温燃料の圧力を昇圧する手段としてターボポンプ技術を利用すると、著しい技術的及び商業的利点がもたらされる。加圧タンクに比べて、ターボポンプは単純であり、高圧燃料タンクに関連する安全性リスクが低く、低圧では構造的補強の必要性が低いのでタンクが非常に軽量になる。電動式ポンプに比べて、ターボポンプは、外部電源を必要とせず、ポンプは、最適な効率を得るために高速回転で運転することができ、複雑な電力用電子機器を必要とすることなく燃料流量の調節ができる。加えて、ターボポンプは、非常に軽量で占有空間が少ない。軽量かつ小型のターボポンプにより、ターボポンプをエンジンに装着すること、ポンプとエンジンノズルとの間に延在する必要がある加圧燃料ラインの長さを短縮することができる。短い加圧燃料ラインによって、安全性並びに重量的利点がもたらされる。
推進システム100は、燃焼器で燃料を燃焼させて推進力は発生するガスタービンエンジン101を備える。図5は、ファン103、高圧圧縮機105を有するコアエンジン108、及び燃焼器90を含む例示的なガスタービンエンジン101の概略図である。また、エンジン101は、高圧タービン155、低圧タービン157、及びブースタ104を含む。例示的なガスタービンエンジン101は、少なくとも一部の推進力を生じるファン103を有する。エンジン101は、吸気側109及び排気側110を有する。ファン103及びタービン157は、第1の回転軸114を用いて連結され、圧縮機105及びタービン155は第2の回転軸115を用いて連結される。例えば図5に示す特定の用途において、ファン103のブレード組立体は少なくとも部分的にエンジンケーシング116内に配置される。他の用途において、ファン103は、ファンのブレード組立体を取り囲むケーシングがない「オープンロータ」の一部を形成することができる。
作動時、空気は、ファン103を通って、エンジン101を貫通して延びる中心線15に実質的に平行な方向に軸方向に流れ、圧縮空気が高圧圧縮機105に供給される。高圧縮空気は燃焼器90に供給される。燃焼器90からの高温ガス(図5には示されない)は、タービン155及び157を駆動する。タービン157は、軸114によってファン103を駆動し、同時にタービン155は軸115によって圧縮機105を駆動する。別の実施形態において、エンジン101は、中間圧圧縮機として知られ、他のタービン段(図5には示されていない)で駆動される追加の圧縮機を有することができる。
航空機システム5の運転時(図8に示す例示的な飛行プロファイル参照)、推進システム100のガスタービンエンジン101は、例えば、推進システムの例えば離陸等の第1の選択された運転部分の間に第1の燃料11を使用できる。推進システム100は、推進システムの例えば巡航等の第2の選択された運転部分の間に、例えばLNG等の第2の燃料12を使用できる。もしくは、航空機システム5の選択された運転部分の間に、ガスタービンエンジン101は、第1の燃料11及び第2の燃料12を同時に使用して推進力を発生することができる。第1の燃料と第2の燃料との比率は、推進システムの運転の種々のステージに見合うように0%から100%の範囲で変更できる。
本明細書に記載の航空機及びエンジンシステムは、一方がLNG(液化天然ガス)等の極低温燃料、他方が例えばJet−A、JP−8、JP−5、又は世界中で利用できる類似の等級の従来のケロシンベースのジェット燃料とすることができる燃料を使用して運転できる。
Jet−A燃料システムは、0−100%の比率でJet−A及び極低温/LNGを燃焼器に噴射できる燃料ノズル以外は従来の航空機燃料システムと同じである。図1に示す実施形態において、LNGシステムは、随意的に以下の特徴を備える燃料タンクを含む。すなわち、(i)タンクを所定圧に維持するための適切なチェックバルブを備えるベントライン、(ii)液体極低温燃料のためのドレインライン、(iii)タンク内の極低温(LNG)燃料の温度、圧力、及び体積を評価するための計測又は他の測定機能、(iv)極低温(LNG)燃料の圧力を高めてエンジンに移送するための極低温(LNG)タンク内に又は随意的にタンクの外部に配置されるブーストポンプ、(iv)タンクを無期限に極低温温度に維持するための随意的な極低温冷却器である。
燃料タンクは、大気圧又はその近傍で作動することが好ましいが、0から100psigの範囲で作動できる、燃料システムの別の実施形態は、高圧及び高温タンクを含むことができる。タンク及びブーストポンプからエンジンパイロンに延在する極低温(LNG)燃料ラインは、以下の特徴を有する。すなわち、(i)単壁又は二重壁構造体、(ii)真空断熱又は低熱伝達材断熱、(iii)LNGタンクに熱を付与することなくLNG流をタンクに再循環させる随意的な極低温冷却器である。極低温(LNG)燃料タンクは、従来のJet−A補助燃料タンクが既存システム上に配置される例えば荷物倉庫の前側又は後側において、航空機に配置することができる。もしくは、極低温(LNG)燃料タンクは、中央翼タンク位置に配置することができる。極低温(LNG)燃料を利用する補助燃料タンクは、極低温(LNG)燃料が長期間にわたって使用されない場合は取り除き得るように設計できる。
高圧ポンプは、エンジンのパイロンに配置又はエンジンに搭載して、燃料をガスタービン燃焼器に噴射できるレベルまで極低温(LNG)燃料の圧力を上昇させることができる。ポンプは、LNG/極低温液体の圧力を極低温(LNG)燃料の臨界圧力(Pc)以上に上昇させてもよく、又は上昇させなくてもよい。本明細書では気化器と呼ぶ熱交換器は、エンジン本体に又はその近傍に取り付けることができ、液化天然ガス燃料に熱エネルギを付与して、温度を上昇させて極低温(LNG)燃料の体積を膨張させる。気化器からの熱(熱エネルギ)は、多数の供給源から流入することができる。限定されるものではないが、(i)ガスタービン排気、(ii)圧縮機インタクーラ、(iii)高圧及び/又は低圧タービンのクリアランス制御空気、(iv)LPT配管冷却付随空気、(v)HPタービンからの冷却された冷却用空気、(vi)潤滑油、又は(vii)搭載された航空電子機器又は電子機器を挙げることができる。熱交換器の設計は様々とすることができ、シェル及び管体、二重導管、フィンプレート等を含むことができ、並流、向流、横流方式で流れることができる。熱交換は、前述の熱源に対して直接的に又は間接的に行うことができる。
制御弁は、前述の気化器/熱交換ユニットの下流に配置される。制御弁の目的は、ガスタービンエンジン運転に関する運転状態の範囲全域での燃料マニホルドへの所定レベルの流れを計量するためのものである。制御弁の第2の目的は、背圧調整器として機能して、システムの圧力を極低温(LNG)燃料の臨界圧力以上に設定することである。
燃料マニホルドは、制御弁の下流に配置され、ガス燃料をガスタービン燃料ノズルに均一に分配するように機能する。特定の実施形態において、マニホルドは、随意的に熱交換器として機能することができ、熱エネルギをコアカウル区画部又は他の熱包囲部から極低温/LNG/天然ガス燃料へ伝達する。パージマニホルドシステムは、随意的に燃料マニホルドと共に用いて、ガス燃料システムが作動していない場合に圧縮機空気(CDP)で燃料マニホルドをパージすることができる。これにより、周囲圧力変動によって高温ガスがガス燃料ノズルに吸い込まれることを防止できる、随意的に、燃料ノズル内又はその近傍のチェックバルブは高温ガスの吸い込みを防止できる。
本明細書に記載のシステムの例示的な実施形態は以下のように作動できる。すなわち、極低温(LNG)燃料は、約15psia及び華氏約−265度でタンク内に存在する。これは航空機に配置されるブーストポンプにより約30psiでポンプ送給される。液体極低温(LNG)燃料は、翼を横切って、断熱二重壁配管を通って航空機パイロンに流れ、ここでは燃料は、天然ガス/メタンの臨界圧力よりも高くてもよい又は低くてもよい約100から1,500psiaまで昇圧される。次に、極低温(LNG)燃料は、気化器に送られて体積が膨張してガスになる。気化器は、マッハ数及び対応する圧力損失を低く維持するようなサイズとすることができる。次に、ガス天然ガスは、制御弁を通って計量されて、燃料マニホルド及び燃料ノズルに入り、他の点では標準の航空機ガスタービンエンジンシステムで燃焼されて航空機用の推力をもたらすようになっている。サイクル状態は変わるが、ブーストポンプの圧力(例えば、約30psi)及びHPポンプの圧力(例えば、約1,000psi)は概略同じレベルに維持される。流れは計量弁によって制御される。流れの変化は適切な寸法に形成された燃料ノズルと相まって、マニホルドの許容できる圧力変動をもたらす。
例示的な航空機システム5は、貯蔵システム10から推進システム100で使用する1つ又はそれ以上の種類の燃料を供給する燃料供給システムを有する。例えばケロシンベースのジェット燃料等の従来の液体燃料に関して、従来の燃料供給システムを使用することができる。本明細書に記載の例示的な燃料供給システムは、図3及び4に概略的に示すように、航空機システム5のための極低温燃料供給システム50を備える。図3に示す例示的な燃料システム50は、極低温液体燃料112を貯蔵できる極低温燃料タンク122を備える。1つの実施形態において、極低温液体燃料112はLNGである。他の別の極低温液体燃料を使用することもできる。例示的な燃料システム50において、例えばLNG等の極低温液体燃料112は、第1の圧力「P1」である。圧力P1は、例えば15psiaといった大気圧に近いことが好ましい。
例示的な燃料システム50は、極低温燃料タンク122と流体連通するブーストポンプ52を有する。作動時、二元燃料推進システム100において極低温燃料が必要な場合、ブーストポンプ52は、極低温燃料タンク122から極低温液体燃料112の一部を取り出して、その圧力を第2の圧力「P2」に上昇させて、航空機システム5の翼7に配置される翼供給導管54に流す。圧力P2は、供給導管54を流れる間に液体極低温燃料が液体状態(L)を維持するように選択される。圧力P2の範囲は約30psiaから約40psiaとすることができる。公知の方法を用いた解析に基づいて、LNGに関して30psiaが適切であることが分かっている。ブーストポンプ52は、航空機システム5の胴体6の適切な場所に配置することができる。もしくは、ブーストポンプ52は、極低温燃料タンク122の近傍に配置することができる。他の実施形態において、ブーストポンプ52は、極低温燃料タンク122の内部に配置することができる。燃料供給時、実質的に極低温燃料の液体状態を維持するために、翼供給導管54の少なくとも一部は断熱される。特定の例示的な実施形態において、導管54の少なくとも一部は、二重壁構成とすることができる。導管54及びブーストポンプ52は、チタン、インコネル、アルミニウム、又は複合材等の公知の材料で作ることができる。
例示的な燃料システム50は、翼供給導管54と流体連通してブーストポンプ52から供給される極低温液体燃料112を受け取ることができる高圧ポンプ58を有する。高圧ポンプ58は、液体極低温燃料(例えば、LNG)の圧力を推進システム100に燃料を噴射するのに十分な第3の圧力「P3」に上昇させる。圧力P3は、約100psiaから約1000psiaの範囲とすることができる。高圧ポンプ58は、航空機システム5又は推進システム100の適切な場所に配置することができる。高圧ポンプ58は、推進システム100を支持する航空機システム5のパイロン55に配置することが好ましい。
図3に示すように、例示的な燃料システム50は、極低温液体燃料112をガス(G)燃料13に変える気化器60を有する。気化器60は、高圧極低温液体燃料を受け取って極低温液体燃料(例えば、LNG)に熱(熱エネルギ)を付与して温度を上昇させて体積膨張させる。熱(熱エネルギ)は、推進システム100の1つ又はそれ以上の熱源から供給できる。例えば、気化器において極低温液体燃料を気化させる熱は、複数の熱源の1つ又はそれ以上から供給でき、例えば、ガスタービン排気99、圧縮機105、高圧タービン155、低圧タービン157、ファンバイパス107、タービン冷却用空気、エンジン潤滑油、航空機システムの航空用電子機器/電子機器、又は何らかの推進システム100の熱源を挙げることができる。気化器60で生じる熱交換に起因して、気化器60は、熱交換器と呼ぶことができる。気化器60の熱交換器の部分は、シェル又は管体式熱交換器、二重配管式熱交換器、又はフィン及びプレート式熱交換器を含むことができる。気化器を流れる高温流体及び低温流体は、並流、向流、又は横流式とすることができる。気化器における高温流体と低温流体との間の熱交換は、壁を通って直接的に、又は中間作動流体を用いて間接的に行うことができる。
極低温燃料供給システム50は、気化器60及びマニホルド70と流体連通する流量計量弁65(「FMV」、制御弁とも呼ぶ)を備える。流量計量弁65は、前述の気化器/熱交換ユニットの下流に配置される。FMV(制御弁)の目的は、ガスタービンエンジン運転に関する運転状態の範囲全域での燃料マニホルド70への特定レベルの燃料流を計量することである。制御弁の第2の目的は、背圧調整器として機能して、システムの圧力を極低温(LNG)燃料の臨界圧力以上に設定することである。流量計量弁65は、気化器から供給されるガス燃料13を受け取って、その圧力を第4の圧力「P4」に低減する。マニホルド70は、ガス燃料13を受け取って、ガスタービンエンジン101の燃料ノズル80に供給することができる。好ましい実施形態において、気化器60は、極低温液体燃料112を実質的に一定圧力でガス燃料13に変える。図3Aは、燃料供給システム50の種々の箇所での燃料状態及び圧力を概略的に示す。
極低温燃料供給システム50は、ガスタービンエンジン101に配置される複数の燃料ノズル80を更に備える。燃料ノズル80は、ガス燃料13を燃焼用の燃焼器90に供給する。制御弁65の下流に配置される燃料マニホルド70は、ガス燃料13をガスタービン燃料ノズル80へ均一に分配するように機能する。特定の実施形態において、マニホルド70は、随意的に熱交換器として機能して、推進システムのコアカウル区画部又は他の熱包囲部からの熱エネルギをLNG/天然ガス燃料に伝達する。1つの実施形態において、燃料ノズル80は、従来の液体燃料(例えば、従来のケロシンベース液体燃料)又はLNG等の極低温液体燃料からの気化器が発生したガス燃料13を選択的に受け取るように構成される。別の実施形態において、燃料ノズル80は、液体燃料及びガス燃料13を選択的に受け取るように構成され、ガス燃料13及び液体燃料を燃焼器90に供給して2種類の燃料の混焼を促進するように構成される。別の実施形態において、ガスタービンエンジン101は、複数の燃料ノズル80を備え、一部の燃料ノズル80は液体燃料を受け取るように構成され、一部の燃料ノズル80はガス燃料13を受け取るように構成され、燃焼器90での燃焼に適するように配置される。
本発明の別の実施形態において、ガスタービンエンジン101の燃料マニホルド70は、随意的なパージマニホルドシステムを備え、ガス燃料システムが作動していない場合、燃料マニホルドをエンジンからの圧縮機空気又は他の空気でパージするようになっている。これにより、燃焼器90の周囲圧力の変動に起因して高温ガスがガス燃料ノズルに吸い込まれるのを防止できる。随意的に、燃料ノズル内又はその近傍のチェックバルブは、高温ガスが燃料ノズル又はマニホルドに吸い込まれるのを防止するために使用できる。
極低温液体燃料としてLNGを使用する本明細書に記載の例示的な二元燃料ガスタービン推進システムでは、LNGは、15psia及び華氏−265度でタンク22、122に存在する。これは航空機に配置されるブーストポンプ52によって約30psiでポンプ送給される。液体LNGは断熱二重壁の配管54を通って翼7を横切って航空機パイロン55に流れ、天然ガス/メタンの臨界圧力よりも高くてもよい又は低くてもよい約100から1,500psiaまで昇圧される。次に、液化天然ガスは、気化器に送られて体積が膨張してガスになる。気化器は、マッハ数及び対応する圧力損失を低く維持するようなサイズとすることができる。次に、ガス天然ガスは、制御弁を通って計量されて、燃料マニホルド70及び燃料ノズル80に入り、二元燃料航空機ガスタービンエンジンシステム100、101で燃焼されて航空機用の推力をもたらすようになっている。サイクル状態は変わるが、ブーストポンプの圧力(例えば、約30psi)及びHPポンプ58の圧力(例えば、約1,000psi)は概略同じレベルに維持される。流れは計量弁65によって制御される。流量変化は適切な寸法に形成された燃料ノズルと相まって、マニホルドの許容できる圧力変動をもたらす。
二元燃料システムはケロシンベースの燃料(Jet−A、JP−8、JP−5等)及び極低温燃料(例えば、LNG)に関する並列燃料供給システムから構成される。ケロシン燃料供給は、ケロシン及び天然ガスを任意の比率で同時燃焼するための燃焼器燃料ノズル以外は既存の設計と実質的に変わらない。図3に示すように、極低温燃料(例えば、LNG)燃料供給システムは以下の特徴から成る。すなわち、(A)0−100%の任意の比率の極低温燃料(例えば、LNG)及びJet−Aを利用できる、二元燃料ノズル及び燃焼システム、(B)極低温燃料(例えば、LNG)をガス又は超臨界流体まで加熱する熱交換器としても機能する、燃料マニホルド及び供給システムであり、マニホルドシステムは、燃料を一斉に均一に燃焼器燃料ノズルへ供給し、包囲コアカウル、排気システム、又は他の熱源から熱を吸収して別個の熱交換器を不要にする又は最小限にするように設計される、(C)臨界圧力以上又は以下で、液体状態でもって極低温燃料(例えば、LNG)をポンプで汲み上げて、任意数の熱源からの熱を付与する燃料システム、(D)極低温燃料(例えば、LNG)燃料タンク(随意的に燃料タンクの外部に配置される)内に沈んでいる低圧クライオポンプ、(E)航空機パイロンに配置されるか又は随意的にエンジン又はナセルに搭載されて、極低温燃料(例えば、LNG)の臨界圧力以上の圧力でポンプ送給する高圧クライオポンプである。(F)パージマニホルドシステムは、随意的に燃料マニホルドに用いてガス燃料システムが作動していない場合に燃料マニホルドを圧縮機CDP空気でパージすることができる。これにより、周囲圧力の変動に起因して高温ガスがガス燃料ノズルに吸い込まれるのを防止できる。随意的に、燃料ノズル内又はその近傍のチェックバルブは、高温ガス吸い込みを防止できる。(G)タンク及びブーストポンプからエンジンパイロンに延在する極低温燃料(例えば、LNG)ラインは、以下の特徴をもつ。すなわち、(1)単壁又は二重壁構成、(2)真空断熱又は随意的にエーロゲル等の低熱伝導断熱材料、(3)極低温燃料(例えば、LNG)タンクに熱を与えることなく極低温燃料(例えば、LNG)流をタンクに再循環させる、随意的な極低温冷却器である。(H)パイロンに配置されるか又はエンジンに搭載される高圧ポンプ。このポンプは、極低温燃料(例えば、LNG)の圧力を、天然ガス燃料をガスタービン燃焼器に噴射するのに十分なレベルまで上昇させることができる。ポンプは、極低温液体(例えば、LNG)の圧力を極低温燃料(例えば、LNG)の臨界圧力(Pc)以上に上昇させてもよく又は上昇させなくてもよい。
III.燃料貯蔵システム
図1に示す例示的な航空機システム5は、極低温燃料を貯蔵するための図4に示すような極低温燃料貯蔵システム10を備える。例示的な極低温燃料貯蔵システム10は、LNG等の極低温液体燃料12を貯蔵できる貯蔵容積24を形成する第1の壁23を有する極低温燃料タンク22、122を備える。図4に概略的に示すように、例示的な極低温燃料貯蔵システム10は、極低温液体燃料12を貯蔵容積24に流入さえることができる流入システム32、及び極低温燃料貯蔵システム10からの極低温液体燃料12を供給するようになった流出システム30を有する。更に、ガス燃料19(貯蔵時に生成できる)の少なくとも一部を貯蔵容積24の極低温液体燃料12から取り除くことができるシステム40を備える。
図4に示す例示的な極低温燃料貯蔵システム10は、未使用ガス燃料19の少なくとも一部29を極低温燃料タンク22に戻すようになった再循環システム34を更に備える。1つの実施形態において、再循環システム34は、未使用ガス燃料19の一部29を極低温燃料タンク22、122に戻る前に冷却する極低温冷却器42を備える。極低温冷却器42の作動の例示的な作動は以下の通りである。例示的な実施形態において、燃料タンクからのボイルオフは、クライオ冷却器としても知られている逆ランキン冷却システムを使用して再度冷却することができる。クライオ冷却器には、航空機システム5に搭載した任意の利用可能なシステムからの電力によって、又は搭乗口に駐機している間に利用できる地上の動力システムによって動力を供給できる。また、クライオ冷却器システムは、二元燃料航空機ガスタービンエンジン101の同時燃焼移行時に、燃料システムの天然ガスを再液化するために使用できる。
燃料貯蔵システム10は、極低温燃料タンク22に生成される場合がある何らかの高圧ガスを放出させるようになった安全放出システム45を更に備える。1つの例示的な実施形態において、図4に概略的に示すように、安全放出システム45は、第1の壁23の一部を形成する破裂板46を備える。破裂板46は、安全機能を備え、公知の方法で設計され、燃料タンク22内部の圧力が過大になった場合に破裂して何らかの高圧ガスを放出するようになっている。
極低温燃料タンク22は、単壁構成とすること又は複式壁構成とすることができる。例えば、極低温燃料タンク22は、実質的に第1の壁23を取り囲む第2の壁25を更に備えることができる(例えば、図4参照)。タンクの1つの実施形態において、第1の壁23と第2の壁25との間にはタンクを断熱してタンク壁を通る熱流量を低減するための間隙26が存在する。1つの例示的な実施形態において、第1の壁23と第2の壁25との間の間隙26は真空である。真空状態は真空ポンプ28で作られて維持される。もしくは、タンクを断熱するために、第1の壁23と第2の壁25との間の間隙26は、例えばエーロゲル等の公知の断熱材27で実質的に充填することができる。他の適切な断熱材を使用できる。タンク内の液体の動きを規制するためのバッフル17を含むことができる。
図4に示す極低温燃料貯蔵システム10は、供給ポンプ31を有する流出システム30を備える。供給ポンプは、タンク22の近傍の従来の位置に配置することができる。極低温燃料への熱伝達を低減するために、図4に示すように供給ポンプ31は極低温燃料タンク22内に配置することが好ましい。放出システム40は、燃料タンク22で生成される場合がある何らかのガスを放出する。放出されたガスは、航空機システム5において幾つかの有用な方法で利用することができる。その幾つかは図4に概略的に示される。例えば、ガス燃料19の少なくとも一部は、航空機推進システム100に供給することができ、エンジンを冷却するか又はエンジンで燃焼するようになっている。別の実施形態において、放出システム40は、ガス燃料19の少なくとも一部をバーナーに供給して、バーナーからの燃焼生成物を航空機システム5の外部に安全に放出するようになっている。別の実施形態において、放出システム40は、ガス燃料19の少なくとも一部を、補助動力を航空機システム5に供給するようになっている補助動力ユニット180に供給する。別の実施形態において、放出システム40は、ガス燃料19の少なくとも一部を、動力を発生する燃料セル182に供給する。別の実施形態において、放出システム40は、ガス燃料19の少なくとも一部を極低温燃料タンク22の外部に放出する。
燃料貯蔵システムの例示的な作動、燃料タンクを含む構成要素、及び例示的なサブシステム及び構成要素を以下に説明する。
天然ガスは、華氏約−260度及び大気圧において液体形態(LNG)で存在する。この温度及び圧力で旅客機、貨物機、軍用機、又は民間航空機に搭載するために、以下に示す特徴を選択的に組み合わせると安全で効率的かつコスト効率のよいLNGの貯蔵が可能になる。図4を参照するとこれらは以下を含む。
(A)燃料タンク21、22は、限定するのもではないが、アルミニウムAL5456及び高強度アルミニウムAL5086又は他の適切な合金等の合金で構成する。
(B)燃料タンク21、22は、軽量複合材で構成する。
(C)タンク21、22は二重壁の真空機能を備えて断熱が改善されてLNG流体への熱流量が大幅に低減する。二重壁のタンクは、希ではあるが主タンクが破裂した場合の安全格納デバイスとしても機能する。
(D)前述の軽量断熱材27の利用の別の実施形態は、例えば、エーロゲルであり、包囲部からLNGタンク及び内容物への熱流量を最小にするようになっている。エーロゲル断熱は、二重壁のタンク設計に追加的に又はその代わりに使用できる。
(E)随意的な真空ポンプ28は、二重壁タンクの間の空間を能動的に真空排気するように設計される。ポンプは、LNGボイルオフ燃料、LNG、Jet−A、電力、又は航空機に利用できる任意の他の動力源で稼働することができる。
(F)LNGタンクは、LNG流体への熱伝達を低減するために主タンク内に沈められた極低温ポンプ31を備える。
(G)LNGタンクは、通常状態又は緊急状態でタンクからLNGを取り除くことができる1つ又はそれ以上のドレインライン36を備える。LNGドレインライン36は、適切な極低温ポンプに接続され、重力水頭に起因する排水速度を超えて排出速度を高めるようになっている。
(H)LNGタンクは、外部環境からの熱吸収によって形成されたガス状天然ガスを取り除くための1つ又はそれ以上のベントライン41を備える。このベントライン41のシステムは、一方向安全弁又は背圧弁39を使用してタンクを所望圧力に維持する。
(I)LNGタンクは、過大な圧力状態が生じた場合のメインベントラインに対する並列安全放出システム45を備える。破裂板は、別の機構又は並列機構46である。放出ベントは、ガス燃料を機外に出すことができる。
(J)LNG燃料タンクは、前述の設計特徴部の一部又は全てを備え、幾何学的寸法は、市販の航空機を前提にして設計されて利用できる標準のJet−A補助燃料タンクに関する既存の輪郭に一致するようになっている。
(K)LNG燃料タンクは、前述の設計特徴部の一部又は全てを備え、幾何学的寸法は、市販の航空機に見られるような従来の旅客機及び貨物機の低い貨物倉に適合及び収まるようになっている。
(L)LNG、タンク、及び構造的構成要素を適切に隔離する既存の又は新規な航空機の中央翼タンク22の変更形態。
放出及びボイルオフシステムは、公知の方法を用いて設計される。LNGのボイルオフは蒸発プロセスであり、エネルギを吸収してタンク及び内容物を冷却する。ボイルオフLNGは、種々の別のプロセスで利用及び/又は消費することができる、幾つかの場合、航空機システムに対して有効仕事をもたらし、他の場合、環境を破壊しないデザインのために単純に燃料を燃やす。例えば、LNGタンクからの放出ガスは、主としてメタンから成り、以下の一部又は全ての組み合わせで使用される。
(A)航空機APU(補助動力ユニット)180に送る。図4に示すように、タンクからのガスベントラインは、燃焼器で使用するために直列又は並列で補助動力ユニットへ経路設定される。APUは既存のAPUとすることができ、一般に民間航空機及び軍用航空機に搭載されるか、又は天然ガスボイルオフを有用な電力及び/又は機械動力に変換するための専用の別個のAPUである。ボイルオフ天然ガス圧縮機は、天然ガスをAPUで使用するのに適する圧力まで圧縮するために使用される。結果的に、APUは、エンジン又はA/Cシステムに電力を供給する。
(B)1つ又はそれ以上の航空機ガスタービンエンジン101に送る。図4に示すように、LNG燃料タンクからの天然ガスベントラインは、1つ又はそれ以上の主ガスタービンエンジン101に経路設定され、運転時に追加の燃料源をエンジンに供給する。天然ガス圧縮機は、放出ガスを航空機ガスタービンエンジンで使用するのに必要な適切な圧力で圧送するために利用される。
(C)燃焼:図4に示すように、タンクからの天然ガスベントラインは、電気火花点火システムを備える小型の専用ベント燃焼器190に経路設定される。この方法により、メタンガスは大気に放出されない。燃焼生成物は放出され、環境への影響を低減したシステムがもたらされる。
(D)放出:図4に示すように、タンクからの天然ガスベントラインは、航空機ガスタービンの1つ又はそれ以上の排気ダクトに経路設定される。もしくは、ベントラインは、APU排気ダクト又は任意の航空機後縁への別個の専用ラインに経路設定することができる。天然ガスは、1つ又はそれ以上の位置Vで大気に適切に放出することができる。
(E)地上運転:図4に示すように、地上運転時、任意のシステムは、ベントライン41が地上支援装置に取り付けられるように設計でき、地上支援装置は天然ガスボイルオフを収集して任意の地上システムで使用するようになっている。放出は、地上支援装置を用いて給油作業時にも行うことができ、地上支援装置は、流入システム32を使用して航空機LNGタンクに燃料を注入すると同時に放出ガスを捕捉して再利用することができる(図4の(S)で示す放出及び給油)。
IV.推進(エンジン)システム
図5は、極低温液体燃料112を用いて推進力を発生することができるガスタービンエンジン101を備えた例示的な二元燃料推進システム100を示す。ガスタービンエンジン101は、高圧タービン155で駆動される圧縮機105、及び燃料を燃焼させて高圧タービン155を駆動する高温ガスを発生する燃焼器90を備える。燃焼器90は、ケロシンベースの燃料等の従来の液体燃料を燃やすことができる。また、燃焼器90は、例えば気化器60等で燃焼に適するように処理された、例えばLNG等の極低温燃料を燃やすことができる。図5は、極低温液体燃料112をガス燃料13に変えることができる気化器60の概略図を示す。二元燃料推進システム100のガスタービンエンジン101は、ガス燃料13を燃焼用の燃焼器90に供給する燃料ノズル80を更に備える。1つの例示的な実施形態において、使用する極低温液体燃料112は液化天然ガス(LNG)である。ターボファン式二元燃料推進システム100において(例えば、図5に示す)、ガスタービンエンジン101は、高圧圧縮機105の軸方向前方に配置されるファン103を備える。ブースタ104(図5に示す)は、ファン103と高圧圧縮機105との間の軸方向に配置することができ、ファン及びブースタは、低圧タービン157で駆動される。他の実施形態において、二元燃料推進システム100のガスタービンエンジン101は、中間圧タービンで駆動される中間圧圧縮機を含むことができる(両方とも図5には示されていない)。ブースタ104(又は、中間圧圧縮機)は、圧縮機105に流入する空気を昇圧して圧縮機105による高い圧力比の発生を助ける。図5に示す例示的な実施形態において、ファン及びブースタは低圧タービン157によって駆動され、高圧圧縮機は高圧タービン155で駆動される。
図5に概略的に示す気化器60は、エンジン101上に又はその近傍に取り付けられる。気化器60の1つの機能は、液化天然ガス(LNG)燃料等の極低温燃料に熱エネルギを付与して、温度を上昇させることである。これに関連して、気化器は熱交換器として機能する。気化器60の他の機能は、液化天然ガス(LNG)燃料等の極低温燃料の体積を膨張させて、後続の燃焼のためにガス形態にすることである。気化器60で利用する熱(熱エネルギ)は、推進システム100及び航空機システム5の熱源からもたらされる。限定されるものではないが、多数の供給源から流入することができる。限定されるものではないが、(i)ガスタービン排気、(ii)圧縮機インタクーラ、(iii)高圧及び/又は低圧タービンのクリアランス制御空気、(iv)LPT配管冷却付随空気、(v)高圧及び/又は低圧タービンで使用する冷却用空気、(vi)潤滑油、及び(vii)航空機システム5に搭載された航空電子機器又は電子機器を挙げることができる。また、気化器への熱は、圧縮機105、ブースタ104、中間圧圧縮機(図示せず)、及び/又はファンバイパス空気流107から供給できる(図5参照)。図6は、圧縮機105からの吐出空気の一部を使用する例示的な実施形態を示す。圧縮機の吐出空気2の一部を抽気して(図6において3で示す)気化器60に送る。例えばLNG等の極低温液体燃料21は、気化器60に流入し、空気流3の熱は極低温液体燃料21に伝達される。1つの例示的な実施形態において、前述のように加熱された極低温燃料は更に膨張して、気化器60でガス燃料13が生成される。次に、ガス燃料13は燃料ノズル80使用して燃焼器90に導入される(図6参照)。気化器から流出する冷却された空気流4は、燃焼器90構造体及び/又は高圧タービン155構造体等のエンジン構成要素を冷却するために利用できる。気化器60の熱交換器の部分は、気化器60の熱交換器の部分は、シェル又は管体設計、二重配管設計、及び/又はフィンプレート設計等の公知の設計とすることができる。気化器60における燃料112の流れ方向及び加熱流体96の方向は(図5参照)、極低温燃料と加熱流体との間の効率的な熱交換を促進するために、並流方向、向流方向、又は横流方向とすることができる。
気化器60の熱交換は、金属壁を介して極低温燃料と加熱流体との間で直接的に行うことができる。図6は、気化器60の直接式熱交換器を概略的に示す。図7Aは、ガスタービンエンジン101の排気ガス99の一部97を利用して極低温液体燃料112を加熱する例示的な直接式熱交換器63を概略的に示す。もしくは、気化器60の熱交換は、中間加熱流体を介在して極低温燃料と前述の加熱源との間で間接的に行うことができる。図7Bは、中間加熱流体68を利用して極低温液体燃料112を加熱する間接式熱交換器64を用いた例示的な気化器60を示す。図7Bに示す間接式熱交換器において、中間加熱流体68は、ガスタービンエンジン101からの排気ガス99の一部97によって加熱される。次に、中間加熱流体68からの熱は、極低温液体燃料112に伝達される。図7Cは、気化器60に用いる間接式熱交換器の他の実施形態を示す。この代替的な実施形態において、中間加熱流体68は、ガスタービンエンジン101のファンバイパス流107の一部、並びにエンジン排気ガス99の一部97によって加熱される。次に、中間加熱流体68は極低温駅内燃料112を加熱する。制御弁38は、各流体ストリームの間の相対的な熱交換を制御するために用いる。
V.二元燃料航空機システムの運転方法
二元燃料推進システム100を使用する航空機システム5を運転する例示的な方法は、図8に概略的に示す例示的な飛行ミッションプロファイルに関連して以下に説明する。図8に概略的に示す例示的な飛行ミッションプロファイルは、文字表記A−B−C−D−E−…−X−Y等で特定する飛行ミッションの種々の部分でのエンジン出力設定値を示す。例えば、A−Bは、始動を示し、B−Cは地上アイドリングを示し、G−Hは離陸を示し、T−L及びO−Pは巡航を示す。航空機システム5の運転時(図8の例示的な飛行プロファイル120参照)、推進システム100のガスタービンエンジン101は、例えば、離陸等の推進システムの運転の第1の選択部分の間に第1の燃料11を使用することができる。推進システム100は、巡航等の推進システムの運転の第2の選択部分の間に例えばLNG等の第2の燃料12を使用することができる。もしくは、航空機システム5の運転の選択部分の間に、ガスタービンエンジン101は、第1の燃料11及び第2の燃料12を同時に使用して推進力を発生することができる。第1の燃料及び第2の燃料の比率は、二元燃料推進システム100の運転の種々の段階で適切に0%から100%の範囲で変えることができる。
二元燃料ガスタービンエンジン101を使用する二元燃料推進システム100を運転する例示的な方法は、第1の燃料11を燃焼器90で燃やしてエンジン101のガスタービンを駆動する高温ガスを発生させることで航空機エンジン101を始動する段階を含む(図8のA−B参照)。第1の燃料11は、ケロシンベースのジェット燃料等の公知の種類の液体燃料とすることができる。始動すると、エンジン101は、例えば極低温燃料等の第2の燃料を蒸発させるために使用できる十分な高温ガスを生成することができる。次に、第2の燃料12は、気化器60の熱を使用して蒸発させてガス燃料13を生成する。第2の燃料は、例えばLNG等の極低温液体燃料112とすることができる。例示的な気化器60の作動は前述の通りである。次に、ガス燃料13は、燃料ノズル80を用いてエンジン101の燃焼器90に導入し、ガス燃料13は、燃焼器90で燃やされて、エンジンのガスタービンを駆動する高温ガスが発生する。燃焼器に導入される第2の燃料の量は、流量計量弁65を用いて制御できる。例示的な方法は、必要であれば、航空機エンジンの始動後に第1の燃料11の供給を停止する段階を更に含むことができる。
二元燃料航空機ガスタービンエンジン101を運転する例示的な方法において、第2の燃料12を蒸発させる段階は、エンジン101の熱源から抽出した高温ガスからの熱を利用して実施することができる。前述のように、本方法の1つの実施形態において、高温ガスは、圧縮機155からの圧縮空気とすることができる(例えば、図6に示す)。本方法の別の実施形態において、高温ガスは、エンジンの排気ノズル98又は排気流99から供給される(例えば、図5に示す)。
二元燃料航空機エンジン101を運転する例示的な方法は、随意的に、例えば図8に示すような飛行プロファイル120の選択部分の間に、第1の燃料11及び第2の燃料12の選択された比率を使用して、ガスタービンエンジン101を駆動する高温ガスを発生させる段階を含む。第2の燃料12は、例えば液化天然ガス(LNG)等の極低温液体燃料112とすることができる。前述の方法において、飛行プロファイル120の別の部分の間に(図8参照)、第1の燃料12と第2の燃料13との比率を変更する段階は、経済的で効率的な方法で航空機システムを運転する利点のために使用できる。例えば、このことは第2の燃料12が第1の燃料11よりも安価な場合に可能になる。例えば、LNGを第2の燃料12として使用し、Jet−A燃料等のケロシンベース液体燃料を第1の燃料11として使用する場合は確かにそうである。二元燃料航空機エンジン101を運転する例示的な方法において、第1の燃料の使用量に対する第2の燃料12の使用量の比率(割合)は、飛行ミッションの部分に応じて約0%から100%の範囲で変更できる。例えば、1つの例示的な方法において、ケロシンベースの燃料の使用量に対する安価な第2の燃料(LNG等)の使用量は、飛行プロファイルの巡航部分の間に約100%として、燃料コストを最小限にすることができる。別の例示的な運転方法において、大きな推力を必要とする飛行プロファイルの離陸部分では第2の燃料の比率は約50%である。
前述の二元燃料航空機エンジン101を運転する例示的な方法は、制御システム130を使用して燃焼器90に導入される第1の燃料11及び第2の燃料12の量を制御する段階を更に含むことができる。例示的な制御システム130は図5に概略的に示されている。制御システム130は、制御信号131(S1)を制御弁135に送信して燃焼器90に導入される第1の燃料11の量を制御するようになっている。また、制御システム130は、制御信号132(S2)を制御弁65に送信して燃焼器90に導入される第2の燃料12の量を制御するようになっている。使用する第1の燃料11及び第2の燃料12の比率は、飛行プロファイル120の異なる飛行セグメントの間に必要とされる通りに比率を変えるようにプログラムされたコントローラ134によって、0%から100%の範囲で変えることができる。また、制御システム130は、例えば、ファン速度、圧縮機速度、又は他の適切なエンジン運転パラメータに基づくフィードバック信号133を受信することができる。1つの例示的な方法において、制御システムは、例えば全般デジタル電子制御(FADEC)357等のエンジン制御システムの一部とすることができる。別の例示的な方法において、機械式又は油圧機械式エンジン制御システムは、制御システムの一部又は全てを形成することができる。
制御システム130、357のアーキテクチャ及び戦略は航空機システム5の経済的な運転を実現するように適切にデザインされる。ブーストポンプ52及び高圧ポンプ58への制御システムのフィードバックは、エンジンFADEC357によって、又は随意的に、種々の利用可能なデータバス経由でエンジンFADEC及び航空機システム5の制御システムと通信できる別個の制御システムを備える分散型コンピューティングによって実現できる。
例えば図5で示す制御システム130は、ポンプ52、58の速度及び出力を変更して安全のために翼7を横切る所定の圧力を維持し(例えば、約30−40psi)、高圧ポンプ58の下流の差圧を維持して(例えば、約100から1500psi)、システム圧力をLNGの臨界点以上に維持して二相流を避けて、高い圧力及び燃料密度で運転することによってLNG燃料供給システムの体積及び重量を低減するようになっている。
例示的な制御システム130、357において、制御システムのソフトウェアは、以下の幾つかの又は全てのロジックを含むことができる。すなわち、(A)離陸時に及び/又は高い圧縮機吐出温度(T3)及び/又はタービン入口温度(T41)における他のエンベロープ地点で、例えばLNG等の極低温燃料を最大限使用する制御システム戦略、(B)燃料コストを最小にするミッション時に、例えばLNG等の極低温燃料を最大限使用する制御システム戦略、(C)上空再点火のためだけに例えばJet−A等の第1の燃料を再点火する制御システム130、357、(D)初期設定として、従来のJet−Aだけで地上始動を行う制御システム130、357、(E)何らかの一般的でない機動の間だけデフォルトのJet−Aになる制御システム130、357、(F)従来の燃料(Jet−Aのような)又は例えばLNG等の極低温燃料の任意の比率での(パイロット命令による)手動選択を可能にする制御システム130、357、(G)全ての素早い加減速に対して100%従来の燃料(Jet−Aのような)を使用する制御システム130、357である。
前述していない範囲まで、必要であれば、種々の実施形態の異なる特徴部及び構造は、互いに組み合わせて用いることができる。全ての実施形態に示されていない1つの特徴部は、存在しないと解釈されることを意図しておらず、これは説明の簡略化のためである。従って、異なる実施形態の種々の特徴部は、必要に応じて組み合わせて適合させて、明示されるか否かに関わらず、新しい実施形態を形成することができる。本明細書に記載の特徴部の全ての組み合わせ又は並び替えは、本開示でカバーされる。
本明細書は、最良の形態を含む実施例を使用して本発明を開示しており、また当業者があらゆる装置又はシステムを実施及び利用し、またあらゆる組込み方法を実行することを含む本発明の実施を行なうことを可能にもする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
500 極低温燃料システム
502 ポンプ
506 タービンエンジン
510 タービンセクション
512 遠心ポンプセクション
514 供給ライン
515 タンク
518 燃料ノズル
520 ポンプ
522 空気弁
530 第1の燃料システム
532 第1の燃料タンク

Claims (14)

  1. 圧縮機セクション及び燃焼室を備えたタービンエンジン(506)を有する航空機(5)のための極低温燃料システム(500)であって、
    極低温燃料を貯蔵するためのタンク(515)と、
    前記タンクを前記燃焼室に作動的に接続する供給ライン(514)と、
    前記タンクを前記供給ラインに接続して、供給ラインを通って高圧の極低温燃料をポンプ送給するポンプ(502)と、
    を備え、
    前記ポンプは、前記タービンエンジンの運転が前記ポンプを駆動するように前記圧縮機に作動的に接続する、極低温燃料システム。
  2. 前記ポンプは、前記極低温燃料を、前記タービンエンジンの前記圧縮機セクションから前記タービンエンジンの前記燃焼室に流入する空気の圧力よりも高い圧力に加圧する、請求項1に記載の極低温燃料システム。
  3. 前記ポンプは、タービンセクション及び遠心ポンプセクションを有するターボポンプを備える、請求項1に記載の極低温燃料システム。
  4. 前記ターボポンプの前記タービンセクションは、前記タービンエンジンからの圧縮機吐出圧に流体連通し、前記圧縮機吐出圧が前記ポンプを駆動するようになっている、請求項3に記載の極低温燃料システム。
  5. 前記ターボポンプの前記タービンセクションは、前記ターボポンプの前記遠心ポンプセクションを回転させて、前記極低温燃料システムの前記極低温燃料を加圧する、請求項4に記載の極低温燃料システム。
  6. 前記タービンエンジンの前記圧縮機セクションと、前記ターボポンプの前記タービンセクションとの間で流体連通する空気弁をさらに備え、前記空気弁は、圧縮機吐出圧から前記ターボポンプの前記タービンセクションへの空気流を調節するように構成される、請求項5に記載の極低温燃料システム。
  7. 前記タンクを前記ターボポンプの前記遠心ポンプセクションに流体接続して、前記ターボポンプの前記遠心ポンプセクションに送給される前記極低温燃料を昇圧する充填ポンプをさらに備える、請求項6に記載の極低温燃料システム。
  8. 前記ポンプは、タービンセクションと、往復ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、又はギヤポンプを含むポンプ形式を有するポンプセクションとを有するターボポンプを備える、請求項1に記載の極低温燃料システム。
  9. 前記極低温燃料は、液化天然ガス(LNG)である、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の極低温燃料システム。
  10. 燃焼セクション及び圧縮機セクションを有するタービンエンジン(506)に燃料システムの燃料を送給する方法であって、前記タービンエンジンからの圧縮機吐出圧で駆動されるターボポンプ(502)を利用して、前記タービンエンジンの前記燃焼セクションに供給される前記燃料を加圧する段階を含む方法。
  11. 前記燃料は、極低温燃料である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記燃焼セクションに供給される前記極低温燃料は、前記タービンエンジンの前記圧縮機セクションから前記タービンエンジンの前記燃焼セクションに流入する空気の圧力よりも高い圧力に前記ターボポンプによって加圧される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記極低温燃料が前記ターボポンプによって加圧される前に前記極低温燃料を予加圧する段階をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記タービンエンジンから前記ターボポンプへの前記圧縮機吐出流を調節する段階をさらの含む、請求項10〜請求項13にいずれかに記載の方法。
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