JP2016502622A - タービンエンジンアセンブリおよび二系統燃料航空機システム - Google Patents

タービンエンジンアセンブリおよび二系統燃料航空機システム Download PDF

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Abstract

タービンエンジンアセンブリが、圧縮機部分と、燃焼部分と、タービン部分と、ノズル部分とを備えるタービンコアと、液化天然ガス(LNG)貯蔵器と、蒸発器熱交換器と、LNG貯蔵器を蒸発器熱交換器の入力に作動可能に結合する第1の液体供給管路と、蒸発器熱交換器の出力を燃焼部分に作動可能に結合する気体供給管路と、LNG貯蔵器を気体供給管路に作動可能に作動可能に結合する第2の液体供給管路と、温度自動調節膨張弁(TEV)とを備える液化天然ガス(LNG)燃料システムとを備え、更に、二系統燃料航空機制御システムを備える。【選択図】図1

Description

本明細書で説明する技術は、全体的に航空機システムに関し、より詳細には、航空用ガスタービンエンジン内で二系統燃料を使用する航空機システムおよびそれを作動する方法に関する。
液化天然ガス(LNG)などの特定の極低温燃料は、従来のジェット燃料よりも安価である可能性がある。従来のガスタービン用途における冷却に対する現在の手法は、圧縮空気または従来の液体燃料を使用する。冷却するために圧縮機空気を使用することは、エンジンシステムの効率を低下させる可能性がある。
したがって、航空機ガスタービンエンジン内で二系統燃料を使用する航空機システムを備えることは、望ましいはずである。従来のジェット燃料および/または液化天然ガス(LNG)などのより安価な極低温燃料を使用して、作動させることができる航空機ガスタービンエンジンによって推進することができる航空機システムを備えることは、望ましいはずである。航空機ガスタービンエンジン構成要素およびシステム内で、より効率的に冷却することは、望ましいはずである。運転コストを低減するために、エンジン内の効率を向上させ、燃料消費率を低下させることは、望ましいはずである。温暖化ガス(CO2)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素CO、未燃炭化水素および煤を減少させることによって、環境に対する影響を低減することができる、二系統燃料を使用する航空用ガスタービンエンジンを備えることが望ましい。
米国特許第2012096869号明細書
一態様では、本発明の実施形態は、軸方向に整列する圧縮機部分と、燃焼部分と、タービン部分と、ノズル部分とを備えるタービンコアと、液化天然ガス(LNG)貯蔵器と、蒸発器熱交換器と、LNG貯蔵器を蒸発器熱交換器の入力に作動可能に結合する第1の液体供給管路と、蒸発器熱交換器の出力を燃焼部分に作動可能に結合する気体供給管路と、LNG貯蔵器を気体供給管路に作動可能に結合する第2の液体供給管路と、第2の液体供給管路から気体供給管路までのLNGの流れを制御し、温度自動調節膨張弁(TEV)の下流で気体供給管路に作動可能に結合された温度センサを含む温度自動調節膨張弁(TEV)であって、第2の液体供給管路を通るLNGの流量が、気体供給管路内の流体の温度に基づいてTEVによって制御される、温度自動調節膨張弁(TEV)とを備える液化天然ガス(LNG)燃料システムとを備えるタービンエンジンアセンブリに関する。
別の態様では、本発明の実施形態は、航空機のタービンエンジン用の二系統燃料航空機システムであって、第1の燃料タンクからタービンエンジンまでの第1の燃料流を制御するための第1の燃料システムと、タービンエンジンまでの液化天然ガス流を制御するための第2の燃料システムであって、液化天然ガス(LNG)貯蔵器と、タービンエンジン上または近傍に取り付けられた蒸発器熱交換器と、LNG貯蔵器を蒸発器熱交換器の入力に作動可能に結合する第1の液体供給管路と、蒸発器熱交換器の出力をタービンエンジンに作動可能に結合する気体供給管路と、LNG貯蔵器を気体供給管路に作動可能に結合する第2の液体供給管路と、第2の液体供給管路から気体供給管路までのLNGの流れを制御し、温度自動調節膨張弁(TEV)の下流で前記気体供給管路に作動可能に結合された温度センサを含む温度自動調節膨張弁(TEV)であって、第2の液体供給管路を通るLNGの流量が、気体供給管路内の流体の温度に基づいてTEVによって制御される、温度自動調節膨張弁(TEV)とを備える第2の燃料システムとを備える二系統燃料航空機システムに関する。
本明細書に説明する技術は、添付の図面と併せて考察する以下の説明を参照することによって、最も良く理解することができる。
二系統燃料推進システムを含む例示的な航空機システムの等角図である。 例示的な燃料搬送/配給システムを示す図である。 例示的極低温燃料の概略的な圧力対エンタルピーのチャートで例示的な作動経路を示す図である。 燃料タンクの例示的配置および例示的ボイルオフ使用を示す概略図である。 燃料搬送および制御システムを含む例示的二系統燃料の航空機ガスタービンエンジンの概略横断面図である。 概略的熱交換器を示す、例示的二系統燃料の航空機ガスタービンエンジンの一部分の概略横断面図である。 例示的な直接熱交換器の概略図である。 例示的な間接熱交換器の概略図である。 別の例示的な間接熱交換器の概略図である。 航空機システムに関する例示的な飛行ミッションのプロファイルの概略図である。 ターボファンエンジンおよび蒸発器の概略図である。 本発明の実施形態による、ターボファンエンジン、LNG蒸発器および温度自動調節膨張弁の概略図である。 図9のLNG蒸発器内で使用され得る温度自動調節膨張弁の概略図である。 温度自動調節膨張回路の概略図である。 図9のLNG蒸発器内で使用され得る温度自動調節膨張弁の概略図である。 図9のLNG蒸発器内で使用され得る別の温度自動調節膨張弁の概略図である。 図9のLNG蒸発器内で使用され得る代替の温度自動調節膨張弁の概略図である。
ここで図面を参照すると、同じ参照符号は、様々な図面を通して同じ要素を示す。
図1は、本発明の例示的な実施形態による航空機システム5を示す。例示的な航空機システム5は、胴体6および胴体6に取り付けられた翼7を備える。航空機システム5は、飛行中に航空機システム5を推進するために必要な推進力を生成する推進システム100を備える。推進システム100は、図1では翼7に取り付けられて図示されるが、別の実施形態では、推進システム100は、例えば尾部部分16など、航空機システム5の別の部品に結合され得る。
例示的な航空機システム5は、推進システム100の中で使用される1つまたは複数のタイプの燃料を貯蔵するための燃料貯蔵システム10を含む。図1に示す例示的な航空機システム5は、本明細書で以下に更に説明するように、2つのタイプの燃料を使用する。したがって、例示的な航空機システム5は、第1の燃料11を貯蔵することができる第1の燃料タンク21および第2の燃料12を貯蔵することができる第2の燃料タンク22を備える。図1に示す例示的な航空機システム5は、第1の燃料タンク21の少なくとも部分が、航空機システム5の翼7の中に配置されている。図1に示す一例示的実施形態では、第2の燃料タンク22が、翼7が胴体6に結合される位置の近傍に、航空機システム5の胴体6の中に配置されている。代替の実施形態では、第2の燃料タンク22は、胴体6または翼7の中の他の適切な位置に配置され得る。別の実施形態では、航空機システム5は、第2の燃料12を貯蔵することができる選択的な第3の燃料タンク123を備えることができる。選択的な第3の燃料タンク123は、例えば図1に概略的に示すように、航空機システム5の胴体6の尾部部分の中に配置され得る。
本明細書で後に更に説明するように、図1に示す推進システム100は、第1の燃料11または第2の燃料12を使用することによって、あるいは第1の燃料11および第2の燃料12の両方を使用することによって推進力を生成することができる二系統燃料推進システムである。例示的な二系統燃料推進システム100は、第1の燃料11または第2の燃料12を選択的に使用して、あるいは第1の燃料11および第2の燃料12の両方を選択された割合で使用して、推進力を生成することができるガスタービンエンジン101を備える。第1の燃料は、当技術分野でJet−A、JP−8、またはJP−5または他の公知のタイプまたは等級として知られているケロシン系ジェット燃料など、従来の液体燃料であることができる。本明細書で説明する例示的な実施形態では、第2の燃料12は、非常に低温で貯蔵される極低温燃料である。一実施形態では、極低温の第2の燃料12は、液化天然ガス(あるいは本明細書で「LNG」と呼ばれる)である。極低温の第2の燃料12は、低温で燃料タンクの中に貯蔵される。例えば、LNGは、第2の燃料タンク22の中で、約−265°Fで、約15psiaの絶対圧力で貯蔵される。燃料タンクは、チタン、インコネル、アルミニウムまたは複合材料などの公知の材料から作製され得る。
図1に示す例示的な航空機システム5は、燃料を燃料貯蔵システム10から推進システム100まで搬送することができる燃料搬送システム50を備える。公知の燃料搬送システムは、第1の燃料11などの従来の液体燃料を搬送するために使用され得る。本明細書で説明する例示的な実施形態、ならびに図1および図2に示す実施形態では、燃料搬送システム50は、極低温燃料を運搬する導管54を通って推進システム100まで、例えばLNGなどの極低温液体燃料を搬送するように構成されている。搬送中に極低温燃料の液体状態を実質的に維持するために、燃料搬送システム50の導管54の少なくとも一部分が、加圧された極低温液体燃料を運搬するために断熱され、構成されている。いくつかの例示的な実施形態では、導管54の少なくとも一部分が、二重壁構造を含む。導管は、チタン、インコネル、アルミニウムまたは複合材料などの公知の材料から作製され得る。
図1に示す航空機システム5の例示的な実施形態は、第1の燃料11または第2の燃料12の少なくとも1つを使用して電力を生成することができる燃料電池を備える、燃料電池システム400を更に含む。燃料搬送システム50は、燃料貯蔵システム10から燃料電池システム400まで燃料を搬送することができる。一例示的な実施形態では、燃料電池システム400は、二系統燃料の推進システム100によって使用される極低温燃料12の一部分を使用して電力を生成する。
推進システム100は、燃焼室内で燃料を燃焼することによって推進力を生成するガスタービンエンジン101を備える。図4は、ファン103と、高圧圧縮機105を含むコアエンジン108と、燃焼器90とを備える例示的なガスタービンエンジン101の概略図である。エンジン101は、高圧タービン155、低圧タービン157およびブースタ104を更に含む。例示的なガスタービンエンジン101は、推進力の少なくとも一部分を生成するファン103を含む。エンジン101は、吸気側109および排気側110を含む。ファン103およびタービン157は、第1のロータシャフト114を使用して一体に結合され、圧縮機105およびタービン155は、第2のロータシャフト115を使用して一体に結合される。例えば図4に示すようないくつかの用途では、ファン103のブレードアセンブリが、エンジンケーシング116の内部に少なくとも部分的に配置される。別の用途では、ファン103は、ファンのブレードアセンブリを取り囲むケーシングが存在しない「オープンロータ(open rotor)」の一部分を形成することができる。
作動中、空気がファン103を通って軸方向に、エンジン101を貫通して延在する中心線の軸線15に略平行である方向に流れ、圧縮された空気が高圧圧縮機105に供給される。非常に圧縮された空気は、燃焼器90に搬送される。燃焼器90からの高温ガス(図4に図示せず)が、タービン155および157を駆動する。タービン157は、シャフト114によってファン103を駆動し、同様にタービン155は、シャフト115によって圧縮機105を駆動する。代替の実施形態では、エンジン101は、別のタービン段(図4に図示せず)によって駆動され、中間圧圧縮機として当技術分野でときに公知である追加の圧縮機を含むことができる。
航空機システム5の作動中(図7に示す例示的な飛行プロファイル参照)、推進システム100内のガスタービンエンジン101は、例えば、離陸(take off)の間など、推進システムの作動の第1の選択された部分の間、第1の燃料11を使用することができる。推進システム100は、巡航(cruise)中など、推進システムの作動の第2の選択された部分の間、例えばLNGなどの第2の燃料12を使用することができる。別法として、航空機システム5の作動の選択された部分の間、ガスタービンエンジン101は、第1の燃料11および第2の燃料12を両方とも同時に使用して、推進力を生成することができる。第1の燃料および第2の燃料の割合は、推進システムの様々な作動段階の間、適宜0%から100%の間で変化させることができる。
本明細書で説明する航空機およびエンジンシステムは、2つの燃料を使用して作動することができ、一方の燃料は、例えばLNG(液化天然ガス)などの極低温燃料であり、他方の燃料は、Jet−A,JP−8,JP−5または世界中で入手可能な類似の等級の燃料など、従来のケロシン系ジェット燃料とすることができる。
Jet−A燃料システムは、Jet−Aおよび極低温燃料/LNGを燃焼器に0〜100%の割合で噴射することができる燃料ノズルを除いて、従来の航空機燃料システムに類似している。図1に示す実施形態では、LNGシステムは、燃料タンクを含み、それは、以下の特徴を選択的に含む。(i)タンク内で規定の圧力を維持するために適切な逆止弁を含むベント管路、(ii)液体極低温燃料のためのドレイン管路、(iii)タンク内に存在する極低温(LNG)燃料の温度、圧力および容積を見積もるための計量または他の測定能力、(iv)極低温(LNG)タンク内または選択的にタンク外部に配置され、極低温(LNG)燃料の圧力を増加させて、エンジンまで運搬するためのブーストポンプ、および(v)タンクを無期限に極低温の温度に維持するための選択的なクライオクーラー(cryo−cooler)である。
燃料タンクは、好適には、大気圧で、またはその近傍で作動するが、0〜100psigの範囲内で作動することができる。燃料システムの代替の実施形態は、タンク圧力および温度を高くすることができる。タンクおよびブーストポンプからエンジンパイロンまで走る極低温(LNG)燃料管路は、以下の特徴を含むことができる。(i)一重または二重壁構造、(ii)真空断熱または低温伝導材料による断熱、および(iii)LNGタンクに熱を加えずに、LNG流をタンクへ再循環させる選択的なクライオクーラーである。極低温(LNG)燃料タンクは、従来のJet−A補助燃料タンクが既存のシステム上に配置される場所、例えば前方または後方の貨物倉の中など、航空機内に配置可能である。別法として、極低温(LNG)燃料タンクは、中央翼タンクの位置に配置可能である。極低温(LNG)燃料を利用する補助燃料タンクは、極低温(LNG)燃料が長期間使用されない場合、それを取り外すことができるように、設計され得る。
高圧ポンプは、ガスタービン燃焼器の中に燃料を噴射するために十分なレベルまで極低温(LNG)燃料の圧力を上昇させるために、パイロン内または機載エンジン上に配置され得る。ポンプは、極低温(LNG)燃料の臨界圧(Pc)より高くLNG/極低温液体の圧力を上昇させる場合があり、またはそうしない場合がある。本明細書で「蒸発器」と呼ぶ熱交換器は、エンジン上またはエンジン近傍に取り付け可能であり、液化天然ガスに熱エネルギーを加えて、極低温(LNG)燃料の温度を上昇させ、容積的に膨張させる。蒸発器からの熱(熱エネルギー)は、多くの供給源からもたらすことができる。これらには、限定しないが、(i)ガスタービン排気、(ii)圧縮機中間冷却、(iii)高圧および/または低圧タービン間隙制御空気、(iv)LPTパイプ冷却寄生空気、(v)HPタービンからの冷却された冷却空気、(vi)潤滑油、または(vii)機内アビオニクスまたはエレクトロニクスが含まれる。熱交換器は様々な設計であることができ、シェル型、チューブ型、二重パイプ型、フィンプレート型などが含まれ、並流、逆流または横流の形態で流れることができる。熱交換は、上記に列挙する熱源と直接的または間接的に接触して発生することが可能である。
制御弁が、前述の蒸発器/熱交換器ユニットの下流に配置される。制御弁の目的は、ガスタービンエンジンの作動に関連する作動状態の範囲全体に亘って、規定のレベルに流れを計量して燃料マニホールドの中へ提供することである。制御弁の第2の目的は、極低温(LNG)燃料の臨界圧より高くシステムの圧力を設定する背圧レギュレータとして働くことである。
燃料マニホールドは、制御弁の下流に配置され、ガスタービン燃料ノズルに気体燃料を均一に配給する働きをする。いくつかの実施形態では、マニホールドは、コアカウル区画または他の熱的環境から極低温/LNG/天然ガス燃料に熱エネルギーを伝達する熱交換器として選択的に働くことができる。気体燃料システムが作動していない場合、圧縮空気(CDP)を用いて燃料マニホールドをパージするために、燃料マニホールドと共にパージ用マニホールドシステムを選択的に採用することができる。これによって、円周方向の圧力変化による、気体燃料ノズル内へ高温ガス吸込みを防止することになる。選択的に、燃料ノズル内部または燃料ノズル近傍の逆止弁が、高温ガス吸込みを防止することができる。
本明細書で説明するシステムの例示的な実施形態は、以下のように作動可能である。極低温(LNG)燃料は、約15psiaおよび約−265°Fでタンク内に配置される。極低温(LNG)燃料は、航空機上に配置されたブーストポンプによって約30psiに上げられる。液体の極低温(LNG)燃料は、断熱されて二重に取り囲まれた配管を経て翼を横切って航空機パイロンに流れ、パイロンで約100〜1500psiaまで上げられて、天然ガス/メタンの臨界圧より高く、または低くすることができる。次いで極低温(LNG)燃料は、蒸発器に送られ、そこで容積的に膨張して気体になる。蒸発器は、マッハ数および対応する圧力損失を低く維持するような寸法にすることができる。次いで気体の天然ガスは、制御弁を通って計量され、燃料マニホールドおよび燃料ノズルの中に提供され、そこで気体の天然ガスは、その他の点で標準的な航空用ガスタービンエンジンシステムの中で燃焼して、航空機に推力を提供する。サイクル状態が変化するにつれても、ブーストポンプ内の圧力(例えば約30psi)およびHPポンプ内の圧力(例えば約1000psi)が、概ね一定のレベルに維持される。流れは、絞り弁によって制御される。適切な寸法に形成された燃料ノズルと組み合わされて、流れの変化は、マニホールド内に許容可能であって、変化する圧力をもたらす。
例示的な航空機システム5は、推進システム100の中で使用するために、1つまたは複数のタイプの燃料を貯蔵システム10から搬送するための燃料搬送システムを含む。例えばケロシン系ジェット燃料など、従来の液体燃料のための、従来の燃料搬送システムが使用され得る。本明細書で説明し、図2および図3に概略的に示す例示的な燃料搬送システムは、航空機システム5のために極低温燃料搬送システム50を備える。図2に示す例示的な燃料システム50は、極低温液体燃料112を貯蔵することができる極低温燃料タンク122を備える。一実施形態では、極低温液体燃料112はLNGである。他の代替の極低温液体燃料もまた使用可能である。例示的な燃料システム50では、例えばLNGなどの極低温液体燃料112は、第1の圧力「P1]である。圧力P1は、好適には、例えば15psiaなどの大気圧に近い。
例示的な燃料システム50は、極低温燃料タンク122と流体連通しているブーストポンプ52を含む。作動中、極低温燃料が二系統燃料推進システム100の中で必要な場合、ブーストポンプ52は、極低温液体燃料112の一部分を極低温燃料タンク122から取り出し、その圧力を第2の圧力「P2]に上昇させて、その極低温液体燃料112を航空機システム5の翼7の中に配置される翼供給導管54の中に流入させる。圧力P2は、液体の極低温燃料が供給導管54の中で流れる間、その液体状態(L)を維持するように選択される。圧力P2は、約30psia〜約40psiaの範囲とすることができる。公知の方法を使用するLNGに関する分析に基づいて、30psiaが適切であると見出されている。ブーストポンプ52は、航空機システム5の胴体6の中の適切な位置に配置され得る。別法として、ブーストポンプ52は、極低温燃料タンク122の近傍に配置され得る。別の実施形態では、ブーストポンプ52は、極低温燃料タンク122の内部に配置され得る。搬送中に極低温燃料の液体状態を実質的に維持するために、翼供給導管54の少なくとも一部分が断熱される。いくつかの例示的な実施形態では、導管54の少なくとも一部分が、二重壁構造を含む。導管54およびブーストポンプ52は、チタン、インコネル、アルミニウムまたは複合材料などの公知の材料を使用して作製され得る。
例示的な燃料システム50は、翼供給導管54と流体連通し、ブーストポンプ52によって供給される極低温液体燃料112を受け取ることができる高圧ポンプ58を含む。高圧ポンプ58は、液体の極低温燃料(例えばLNGなど)の圧力を推進システム100の中に燃料を噴射するために十分である第3の圧力「P3」に上昇させる。圧力P3は、約100psia〜約1000psiaの範囲とすることができる。高圧ポンプ58は、航空機システム5または推進システム100の中の適切な位置に配置され得る。高圧ポンプ58は、好適には推進システム100を支持する航空機システム5のパイロン55の中に配置される。
図2に示すように、例示的な燃料システム50は、極低温液体燃料112を気体(G:gaseous)燃料13に変化させるために蒸発器60を含む。蒸発器60は、高圧の極低温液体燃料を受け取り、極低温液体燃料(例えばLNGなど)に熱(熱エネルギー)を加え、その温度を上昇させ、容積式にそれを膨張させる。熱(熱エネルギー)は、推進システム100の中の1つまたは複数の供給源から供給され得る。例えば、蒸発器内で極低温液体燃料を気化させるための熱は、例えば、ガスタービン排気99、圧縮機105、高圧タービン155、低圧タービン157、ファンバイパス107、タービン冷却空気、エンジン内の潤滑油、航空機システムアビオニクス/エレクトロニクス、または推進システム100の中の任意の熱源など、1つまたは複数のいくつかの供給源から供給され得る。蒸発器60の中で熱交換が発生するので、蒸発器60は、その代わりに熱交換器と呼ぶことができる。蒸発器60の熱交換器部分は、シェル型およびチューブ型熱交換器、または二重パイプ型熱交換器、またはフィンアンドプレート型熱交換器を含むことができる。蒸発器内の高温流体および低温流体は、並流または逆流、または横流の流れタイプとすることができる。蒸発器内の高温流体と低温流体との間の熱交換は、壁を通して直接的に、または中間作動流体を使用して間接的に発生することができる。
極低温燃料搬送システム50は、蒸発器60およびマニホールド70と流体連通している流れ絞り弁65(「FMV」(flow metering valve)であり、制御弁とも呼ばれる)を備える。流れ絞り弁65が、前述の蒸発器/熱交換器ユニットの下流に配置される。FMV(制御弁)の目的は、ガスタービンエンジンの作動に関連する作動状態の範囲に亘って、燃料流量を規定のレベルに計量して燃料マニホールド70の中に提供することである。制御弁の第2の目的は、LNGなどの極低温燃料の臨界圧より高くシステムの圧力を設定する背圧レギュレータとして働くことである。流れ絞り弁65は、蒸発器から供給される気体燃料13を受け取り、その圧力を第4の圧力「P4」に低下させる。マニホールド70は、気体燃料13を受け取り、それをガスタービンエンジン101の中の燃料ノズル80に配給することができる。好適な実施形態では、蒸発器60は、極低温液体燃料112を実質的に一定の圧力である気体燃料13に変化させる。図2aは、搬送システム50の中の様々な点で、燃料の状態および圧力を概略的に示す。
極低温燃料搬送システム50は、ガスタービンエンジン101の中に配置された複数の燃料ノズル80を更に備える。燃料ノズル80は、燃焼のために気体燃料13を燃焼器90の中に搬送する。燃料マニホールド70は、制御弁65の下流に配置され、気体燃料13をガスタービン燃料ノズル80に均一に配給する働きをする。いくつかの実施形態では、マニホールド70は、選択的に、推進システムのコアカウル区画または他の熱的な環境からLNG/天然ガス燃料に熱エネルギーを伝達する熱交換器として働く。一実施形態では、燃料ノズル80は、従来の液体燃料(従来のケロシン系液体燃料など)またはLNGなどの極低温液体燃料から蒸発器によって生成される気体燃料13を選択的に受け取るように構成される。別の実施形態では、燃料ノズル80は、液体燃料および気体燃料13を選択的に受け取るように構成され、気体燃料13および液体燃料を燃焼器90に供給して2つのタイプの燃料の共に燃焼させることを促進するように構成されている。別の実施形態では、ガスタービンエンジン101は、複数の燃料ノズル80を備え、燃料ノズル80のいくつかが液体燃料を受け取るように構成され、燃料ノズル80のいくつかが気体燃料13を受け取るように構成され、燃焼器90内で燃焼させるために適切に配置される。
本発明の別の実施形態では、ガスタービンエンジン101内の燃料マニホールド70は、気体燃料システムが作動していない場合、エンジンからの圧縮機空気または他の空気を用いて燃料マニホールドをパージするために、選択的なパージ用マニホールドシステムを備える。これによって、燃焼器90内の円周方向の圧力変化に起因する、気体燃料ノズル内への高温ガス吸込みを防止することになる。選択的に、燃料ノズル内部または燃料ノズル近傍の逆止弁が、燃料ノズルまたはマニホールド内への高温ガスの吸込みを防止するために使用可能である。
極低温液体燃料としてLNGを使用する、本明細書で説明する例示的な二系統燃料ガスタービンの推進システムを以下に説明する。LNGは、タンク22、122の中に15psiaおよび−265°Fで配置される。LNGは、航空機上に配置されたブーストポンプ52によって約30psiに上げられる。液体LNGは、断熱された二重壁の導管54を経て翼7を横切り、航空機パイロン55に流れ、パイロン55で約100〜1500psiaに上げられ、天然ガス/メタンの臨界圧力より高く、または低くすることができる。次いで液化天然ガスは、蒸発器60に送られ、そこで容積的に膨張して気体になる。蒸発器60は、マッハ数および対応する圧力損失を低く維持するような寸法に形成される。次いで気体天然ガスは、制御弁65によって計量され、燃料マニホールド70および燃料ノズル80の中に提供され、気体天然ガスは、二系統燃料航空機ガスタービンシステム100、101の中で燃焼して、航空機システム5に推力を提供する。サイクル状態が変化するにつれても、ブーストポンプ内の圧力(30psia)およびHPポンプ58内の圧力(1000psi)が概ね一定のレベルに維持される。流れは、絞り弁65によって制御される。適切な寸法に形成された燃料ノズルと組み合わされて、流れの変化は、マニホールド内に許容可能であって、変化する圧力をもたらす。
二系統燃料システムは、ケロシン系燃料(Jet−A、JP−8、JP−5など)および極低温燃料(例えばLNG)向けの並列の燃料搬送システムからなる。ケロシン燃料搬送は、燃焼器燃料ノズルを除いて現在の設計と実質的に変わらず、その燃料ノズルはケロシンおよび天然ガスを任意の割合で共に燃焼させるように設計される。図2に示すように、極低温燃料(例えばLNG)燃料搬送システムは、以下の特徴からなる。(A)極低温燃料(例えばLNG)およびJet−Aを0〜100%の範囲の任意の割合で使用することができる二系統燃料ノズルおよび燃焼システム。(B)熱交換器としても働き、極低温燃料(例えばLNG)を加熱して気体または超臨界流体にする燃料マニホールドおよび搬送システム。マニホールドシステムは、同時に、均一の態様で燃焼器燃料ノズルに燃料を搬送し、取り囲むコアカウル、排気システムまたは他の熱源から熱を吸収し、別個の熱交換の必要をなくし、または最小限にする。(C)液体状態の極低温燃料(例えばLNG)を臨界圧より高い、または低い圧力に上げ、任意の複数の供給源から熱を加える燃料システム。(D)極低温燃料(例えばLNG)燃料タンクの中に沈められる低圧のクライオポンプ(選択的に燃料タンクの外側に配置される)。(E)航空機パイロン、または選択的に機内エンジンまたはナセル上に配置されて、極低温燃料(例えばLNG)の臨界圧より高い圧力に上げるための高圧クライオポンプ。(F)気体燃料システムが作動していない場合、燃料マニホールドと共に選択的に使用して、圧縮機のCDP空気を用いて燃料マニホールドをパージすることができるパージマニホールドシステム。これによって、円周方向の圧力変化による、気体燃料ノズル内へ高温ガス吸込みを防止することになる。選択的に、燃料ノズル内部または燃料ノズル近傍の逆止弁が、高温ガス吸込みを防止することができる。(G)タンクおよびブーストポンプからエンジンパイロンに走る極低温燃料(例えばLNG)管路が、以下の特徴を含む。(1)一重または二重壁構造。(2)真空断熱または選択的にエアロゲルなどの低い熱伝導性の断熱材料。(3)極低温燃料(例えばLNG)タンクに熱を加えずに、極低温燃料(例えばLNG)流をタンクへ再循環させるための選択的なクライオクーラー。(H)パイロンまたは機内エンジン上に配置される高圧ポンプ。このポンプは、天然ガス燃料をガスタービン燃焼器の中に噴射するために十分なレベルまで極低温燃料(例えばLNG)の圧力を上昇させる。ポンプは、極低温燃料(例えばLNG)の臨界圧(Pc)より高く極低温燃料(例えばLNG)の圧力を上昇させる場合があり、またはそうしない場合がある。
III.燃料貯蔵システム
図1に示す例示的な航空機システム5は、極低温燃料を貯蔵するために、例えば図3に示すような極低温燃料貯蔵システム10を備える。例示的な極低温燃料貯蔵システム10は、例えばLNGなどの極低温液体燃料12を貯蔵することができる貯蔵容積24を形成する第1の壁23を含む極低温燃料タンク22、122を備える。図3に概略的に示すように、例示的な極低温燃料貯蔵システム10は、極低温液体燃料12を貯蔵容積24の中に流入させることができる流入システム32、および極低温液体燃料12を極低温燃料貯蔵システム10から搬送するように適合された流出システム30を含む。極低温燃料貯蔵システム10は、貯蔵容積24内の極低温液体燃料12から気体燃料19(貯蔵中に形成され得る)の少なくとも一部分を取り出すことができるベントシステム40を更に備える。
図3に示す例示的な極低温燃料貯蔵システム10は、未使用の気体燃料19の少なくとも一部分29を極低温燃料タンク22の中に戻すように適合された再利用システム34を更に備える。一実施形態では、再利用システム34は、極低温燃料タンク22、122の中に未使用の気体燃料19を戻す前に、その一部分29を冷却するクライオクーラー42を備える。クライオクーラー42の作動の例示的な作動は以下の通りである。例示的な実施形態では、燃料タンクからのボイルオフ(boil off)は、クライオクーラーとしても公知の逆ランキン冷凍(reverse Rankine refrigeration)システムを使用して再冷却され得る。クライオクーラーは、航空機システム5上の利用できる任意のシステムからもたらされる電力によって、または搭乗ゲートで駐機中に利用できる可能性がある地上ベースの電力システムなど、地上ベースの電力システムによって給電することができる。クライオクーラーシステムは、二系統燃料の航空機ガスタービンエンジン101で共に燃焼させて移行中に、燃料システム内で天然ガスを再液化するためにも使用可能である。
燃料貯蔵システム10は、極低温燃料タンク22内に形成され得る任意の高圧気体をベントするように適合された安全リリースシステム45を更に備えることができる。図3に概略的に示す、一例示的実施形態では、安全リリースシステム45は第1の壁23の一部分を形成する破裂板46を備える。破裂板46は、燃料タンク22内部で過圧力の場合に、任意の高圧気体を吹き飛ばし、放出する公知の方法を使用して設計された安全性形態である。
極低温燃料タンク22は、一重の壁構造または多重の壁構造を含むことができる。例えば、極低温燃料タンク22は、実質的に第1の壁23を取り囲む第2の壁25を更に含むことができる(例えば図3参照)。タンクの一実施形態では、タンクを断熱してタンク壁を横切る熱流量を減少させるために、第1の壁23と第2の壁25との間にギャップ26が存在する。一例示的実施形態では、第1の壁23と第2の壁25との間のギャップ26の中に真空が存在する。真空は、真空ポンプ28によって生成され、維持されることができる。別法として、タンクのために断熱を提供するために、第1の壁23と第2の壁25との間のギャップ26は、例えばエアロゲルなど、公知の断熱材料27で実質的に充填され得る。他の適切な断熱材料を使用することができる。タンク内の液体の移動を制御するために、バッフル17を含むことができる。
図3に示す極低温燃料貯蔵システム10は、搬送ポンプ31を含む流出システム30を備える。搬送ポンプは、タンク22近傍の都合の良い位置に配置され得る。極低温燃料への熱伝達を減少させるために、図3に概略的に示すように、極低温燃料タンク22内に搬送ポンプ31を配置することが好適である可能性がある。ベントシステム40は、燃料タンク22内で形成され得る任意の気体をベントする。これらのベントされた気体は、航空機システム5内でいくつかの有益な方法で利用され得る。これらのいくつかを図3に概略的に示す。例えば、気体燃料19の少なくとも一部分が、冷却またはエンジン内の燃焼のために、航空機推進システム100に供給され得る。別の実施形態では、ベントシステム40は、気体燃料19の少なくとも一部分をバーナに供給し、更に、バーナから燃焼生成物を航空機システム5の外側に安全にベントする。別の実施形態では、ベントシステム40は、補助電力を航空機システム5に供給する補助パワーユニット180に気体燃料19の少なくとも一部分を供給する。別の実施形態では、ベントシステム40は、電力を生成する燃料電池182に気体燃料19の少なくとも一部分を供給する。別の実施形態では、ベントシステム40は、極低温燃料タンク22の外側に気体燃料19の少なくとも部分を放出する。
燃料貯蔵システムの例示的な作動、燃料タンクを含むその構成要素、ならびに例示的なサブシステムおよび構成要素を以下に説明する。
天然ガスは、概ね約−260°Fの温度および大気圧である液体状態(LNG)で存在する。旅客、貨物、軍用または汎用航空機の機上にこれらの温度および圧力を維持するために、以下に識別される特徴が、選択された組合せで、LNGの安全で、効率的な、および費用効果の高い貯蔵をもたらす。図3を参照すると、これらは以下を含む。
(A)限定しないが、アルミニウムAL5456および強度がより高いアルミニウムAL5086または他の適切な合金など、合金から製造される燃料タンク21、22。
(B)軽量複合材料から製造される燃料タンク21、22。
(C)断熱を向上し、LNG流体への熱流量を減少させるために、二重壁の真空機能を含む上記のタンク21、22。二重壁タンクは、一次タンクが破裂するという稀な場合に、安全閉じ込め装置としても機能する。
(D)環境からLNGタンクおよびその内容物への熱流量を最小にするために、例えばエアロゲルなどの軽量断熱27を利用する上記のいずれかの代替実施形態。エアロゲル断熱材は、二重壁タンク設計に加えて、またはその代わりに使用され得る。
(E)二重壁タンク間のスペースを能動的に排出するために設計された選択的な真空ポンプ28。ポンプは、LNGボイルオフ燃料、LNG、Jet−A、電力または航空機に利用できる任意の他の動力源から作動することができる。
(F)LNG流体への熱伝達を減少させるために、一次タンク内に沈められたクライオポンプ31を含むLNGタンク。
(G)正常状態または非常時の状態下で、タンクからLNGを除去することができる1つまたは複数のドレイン管路36を含むLNGタンク。LNGドレイン管路36は、LNGの重力水頭による排出速度を超えて除去速度を増加させるために、適切なクライオポンプに結合される。
(H)外部環境から熱を吸収することによって形成された、気体の天然ガスを取り出すために、1つまたは複数のベント管路41を含むLNGタンク。このベント管路41システムは、1方向リリーフ弁または背圧弁39を使用することによって、タンクを所望の圧力に維持する。
(I)過圧状況が発生した場合、主ベント管路に対する並列の安全リリースシステム45を含むLNGタンク。バーストディスク(burst disk)が、代替機能または並列機能46である。リリースベントが、気体燃料を機外に導くことになろう。
(J)上記の設計特徴のいくつかまたはすべてを含むLNG燃料タンクであって、その形状は、市販されている航空機で設計され、使用され得るような標準的Jet−A補助燃料タンクに関連する既存のエンベロープに一致するように設計される。
(K)上記の特徴のいくつかまたはすべてを含むLNG燃料タンクであって、その形状は、市販されている航空機で見られるようなものなど、従来の旅客機および貨物航空機の下部貨物倉内部に一致し、嵌合するように設計される。
(L)LNG、タンクおよび構造上の要素を適切に断熱するための、既存の、または新しい航空機の中央翼タンク22に対する修正形態。
ベントおよびボイルオフのシステムは、公知の方法を使用して設計される。LNGのボイルオフは、エネルギーを吸収し、タンクおよびその内容物を冷却する蒸発工程である。LNGのボイルオフは、様々な異なる工程によって利用され、および/または消費されることができ、いくつかの場合には航空機システムに有益な仕事を提供し、またある場合には、より環境上に許容可能な設計として単に燃料を燃焼させる。例えば、LNGタンクからのベント気体は、主にメタンからなり、以下の任意のまたはすべての組合せのために使用される。
(A)航空機のAPU(Auxiliary Power Unit:補助パワーユニット)180に至る経路を定めるステップ。図3に示すように、タンクからの気体のベント管路は、燃焼器中で使用するために、直列で、または並列で補助パワーユニットに至る経路を定められる。APUは、民間用および軍用の航空機上で通常見られる既存のAPU、または天然ガスのボイルオフを有益な電気的、および/または機械的パワーに変換するために専用の別個のAPUとすることができる。ボイルオフの天然ガスの圧縮機が、APU中で利用するために必要な適切な圧力まで、天然ガスを圧縮するために利用される。次いで、APUは、エンジンまたはA/C上の任意のシステムに電力を提供する。
(B)1つまたは複数の航空機ガスタービンエンジン101に至る経路を定めるステップ。図3に示すように、LNG燃料タンクからの天然ガスのベント管路は、主ガスタービンエンジン101の1つまたは複数に至る経路を定められ、作動中、追加の燃料源をエンジンにもたらす。天然ガスの圧縮機が、航空機ガスタービンエンジン内で利用するために必要な適切な圧力にベント気体を上げるために利用される。
(C)燃やされるステップ。図3に示すように、タンクからの天然ガスのベント管路は、それ自体の電気的な火花点火システムを備える専用の小さいベント燃焼器190に至る経路を定められる。このようにして、メタンガスは大気に放出されない。燃焼生成物は排出され、それによって、環境上より許容可能なシステムをもたらすことになる。
(D)通気されるステップ。図3に示すように、タンクからの天然ガスのベント管路は、航空機ガスタービンの1つまたは複数の排気ダクトに至る経路を定められる。別法として、ベント管路は、APU排気ダクト、または航空機の任意の後縁への別個の専用の管路に至る経路を定められることが可能である。天然ガスは、1つまたは複数のこれらの場所Vで、大気中に適切に排出することができる。
(E)地上作動。図3に示すように、地上作動の間、ベント管路41が、地上支援装置に取り付けられるように、任意のシステムを設計することができ、地上支援装置は、天然ガスのボイルオフを集めて、任意の地上ベースのシステム中でそれを利用する。ベントは、地上支援装置を用いて燃料を補給する操作中にもまた、行うことができ、地上支援装置は、同時に流入システム32を使用して航空機のLNGタンクの中に燃料を注入し、かつベントガスを捕捉して再使用することができる(同時に起こるベントおよび燃料補給は、図3で(S)と示す)。
IV.推進(エンジン)システム
図4に、極低温液体燃料112を使用して推進力を生成することができるガスタービンエンジン101を備える、例示的な二系統燃料の推進システム100を示す。ガスタービンエンジン101は、高圧タービン155によって駆動される圧縮機105と、燃料を燃焼させ、高圧タービン155を駆動する高温ガスを発生する燃焼器90とを含む。燃焼器90は、ケロシン系燃料など、従来の液体燃料を燃焼させることができる。燃焼器90は、例えば蒸発器60などによって燃焼させるために適切に準備された、例えばLNGなどの極低温燃料を燃焼させることも可能である。図4に、極低温液体燃料112を気体燃料13に変化させることができる蒸発器60を概略的に示す。二系統燃料の推進システム100のガスタービンエンジン101は、点火するために気体燃料13を燃焼器90に供給する燃料ノズル80を更に含む。一例示的実施形態では、使用される極低温液体燃料112は、液化天然ガス(LNG)である。ターボファンタイプの二系統燃料の推進システム100(例えば図4に示す)では、ガスタービンエンジン101は、高圧圧縮機105から軸方向で前方に配置されるファン103を含む。ブースタ104(図4に示す)は、ファン103と高圧圧縮機105との間で軸方向に配置され、ファンおよびブースタは、低圧タービン157によって駆動される。別の実施形態では、二系統燃料の推進システム100のガスタービンエンジン101は、中間圧タービンによって駆動される中間圧圧縮機を含むことができる(両方とも、図4に図示せず)。ブースタ104(または中間圧圧縮機)は、圧縮機105に入る空気の圧力を上昇させ、圧縮機105による高い圧力比の発生を促進する。図4に示す例示的な実施形態では、ファンおよびブースタは、低圧タービン157によって駆動され、高圧圧縮機は、高圧タービン155によって駆動される。
蒸発器60は、図4に概略的に示され、エンジン101上に、またはその近傍に取り付けられる。蒸発器60の機能の1つは、液化天然ガス(LNG)燃料などの極低温燃料に熱エネルギーを加えて、その温度を上昇させることである。この文脈では、蒸発器は、熱交換器として機能する。蒸発器60の別の機能は、液化天然ガス(LNG)燃料などの極低温燃料を容積的に膨張させて、その後で燃焼させるために気体の形態にすることである。蒸発器60中で使用するための熱(熱エネルギー)は、推進システム100および航空機システム5の中の多くの供給源の1つまたは複数からもたらすことができる。これらは、限定しないが、(i)ガスタービン排気、(ii)圧縮機中間冷却、(iii)高圧および/または低圧タービンのクリアランス制御空気、(iv)LPTパイプ冷却寄生空気、(v)高圧および/または低圧のタービン内で使用される冷却空気、(vi)潤滑油、および(vii)機上のアビオニクス、航空機システム5中のエレクトロニクスを含む。蒸発器のための熱は、圧縮機105、ブースタ104、中間圧圧縮機(図示せず)および/またはファンバイパス空気流107(図4参照)から更に供給することができる。図5に、圧縮機105からの排出空気の一部分を使用する例示的実施形態を示す。圧縮機排出空気2の一部分は、図5のアイテム3によって示すように、抽気されて蒸発器60に送られる。例えばLNGなどの極低温液体燃料12は、蒸発器60に入り、空気流3からの熱が、極低温液体燃料12に伝達される。一例示的実施形態では、加熱された極低温燃料は、更に膨張して、本明細書で上記に説明したように、蒸発器60中で気体燃料13を生成する。次いで、気体燃料13は、燃料ノズル80を使用して燃焼器90の中に導入される(図5参照)。蒸発器から出た冷却された空気流4は、燃焼器90の構造および/または高圧タービン155の構造など、他のエンジン構成要素を冷却するために使用することができる。蒸発器60の中の熱交換器部分は、例えばシェル型およびチューブ型、二重パイプ型、および/またはフィンプレート型など、公知の設計であることができる。蒸発器60の中の燃料112の流れ方向および加熱流体96の方向は(図4参照)、並流の方向、逆流の方向であることができ、またはそれらは、極低温燃料と加熱流体との間の効率的な熱交換を促進するために、横流の形態で流れることができる。
蒸発器60の中の熱交換は、極低温燃料と加熱流体の間で金属製壁を介して直接的な形態で発生することができる。図5に、蒸発器60の中の直接熱交換器を概略的に示す。図6aに、ガスタービンエンジン101の排気ガス99の一部分97を使用して極低温液体燃料112を加熱する例示的な直接熱交換器63を概略的に示す。別法として、蒸発器60の中の熱交換は、極低温燃料と上記に列挙した加熱源との間で、中間の加熱流体を使用して間接的な態様で発生することができる。図6bに、中間の加熱流体68を使用して極低温液体燃料112を加熱する間接熱交換器64を使用する例示的な蒸発器60を示す。図6bに示す、そのような間接熱交換器では、中間の加熱流体68は、ガスタービンエンジン101からの排気ガス99の一部分97によって加熱される。次いで、中間の加熱流体68からの熱は、極低温液体燃料112に伝達される。図6cに、蒸発器60中で使用される間接交換器の別の実施形態を示す。この代替実施形態では、中間の加熱流体68は、ガスタービンエンジン101のファンバイパス流107の一部分によって、ならびにエンジン排気ガス99の一部分97によって加熱される。次いで、中間の加熱流体68は、極低温液体燃料112を加熱する。制御弁38が、流れの間での相互的な熱交換を制御するために使用される。
(V)二系統燃料の航空機システムを作動する方法
二系統燃料の推進システム100を使用する航空機システム5の作動の例示の方法は、図7に概略的に示す例示的な飛行ミッションのプロファイルに関連して、以下に説明する。図7に概略的に示す例示的な飛行ミッションのプロファイルは、文字記号A−B−C−D−E−…−X−Yなどによって識別される飛行ミッションの様々な部分の間のエンジンパワー設定を示す。例えば、A−Bはスタートを表し、B−Cは地上アイドリング状態を示し、G−Hは離陸を示し、T−LおよびO−Pは巡航を示すなどである。航空機システム5の作動中(図7に示す例示的な飛行プロファイル120参照)、推進システム100内のガスタービンエンジン101は、例えば、離陸の間など、推進システムの作動の第1の選択された部分の間、第1の燃料11を使用することができる。推進システム100は、巡航中など、推進システムの作動の第2の選択された部分の間、例えばLNGなどの第2の燃料12を使用することができる。別法として、航空機システム5の作動の選択された部分の間、ガスタービンエンジン101は、第1の燃料11および第2の燃料12を両方とも同時に使用して、推進力を生成することができる。第1の燃料および第2の燃料の割合は、二系統燃料の推進システム100の様々な作動段階の間、適宜0%から100%の間で変化させることができる。
二系統燃料のガスタービンエンジン101を使用して二系統燃料の推進システム100を作動する例示的な方法は、エンジン101内でガスタービンを駆動する高温ガスを生成する燃焼器90の中で第1の燃料11を燃焼させることによって、航空機エンジン101をスタートさせるステップ(図7のA−B参照)を含む。第1の燃料11は、ケロシン系ジェット燃料など、公知のタイプの液体燃料とすることができる。エンジン101は、スタートされたとき、例えば極低温燃料などの第2の燃料を気化させるために使用することができる十分高温のガスを生成することができる。次いで、第2の燃料12は、蒸発器60内の熱を使用して気化されて、気体燃料13を形成する。第2の燃料は、例えばLNGなどの極低温液体燃料112とすることができる。例示的な蒸発器60の作動は、本明細書で上記に説明されている。次いで、気体燃料13は、燃料ノズル80を使用してエンジン101の燃焼器90の中に導入され、気体燃料13は、燃焼器90内で燃焼し、燃焼器90は、エンジン内のガスタービンを駆動する高温ガスを発生する。燃焼器の中に導入される第2の燃料の量は、流れ絞り弁65を使用して制御することができる。例示的な方法は、航空機エンジンをスタートさせた後、所望であれば、第1の燃料11の供給を停止するステップを更に含む。
二系統燃料の航空機ガスタービンエンジン101を作動する例示的な方法では、第2の燃料12を気化させるステップは、エンジン101内の熱源から抽出される高温ガスからの熱を使用して実施することができる。上記に説明したように、本方法の一実施形態では、高温ガスは、エンジン内の圧縮機105からの圧縮空気とすることができる(例えば、図5に示すように)。本方法の別の実施形態では、高温ガスは、排気ノズル98またはエンジンの排気流99から供給される(例えば、図6aに示すように)。
二系統燃料の航空機エンジン101を作動する例示的な方法は、例えば図7に示すようなものなど、飛行プロファイル120の選択された部分の間、第1の燃料11および第2の燃料12の選択された割合を使用して、ガスタービンエンジン101を駆動する高温ガスを生成するステップを、選択的に含むことができる。第2の燃料12は、例えば液化天然ガス(LNG)など、極低温液体燃料112とすることができる。上記の方法では、飛行プロファイル120(図7参照)の異なる部分の間、第1の燃料11および第2の燃料12の割合を変化させるステップを、経済的および効率的な形態で航空機システムを作動するために有利であるように使用することができる。例えば、これは、第2の燃料12のコストが第1の燃料11のコストより低い状況で可能である。このことは、例えば、第2の燃料12としてLNGを使用し、第1の燃料11としてJet−A燃料などのケロシン系液体燃料を使用する間に当てはまる可能性がある。二系統燃料の航空機エンジン101を作動する例示的な方法では、使用される第2の燃料12の量対使用される第1の燃料の量の割合(比)は、飛行ミッションの部分に依存して約0%と100%との間で変化させることができる。例えば、一例示的な方法では、使用されるより安価な第2の燃料(LNGなど)対使用されるケロシン系燃料の割合は、燃料のコストを最小にするために、飛行プロファイルの巡航部分の間、約100%である。別の例示的な作動する方法では、第2の燃料の割合は、はるかに高い推力レベルが必要である飛行プロファイルの離陸部分の間、約50%である。
上記に説明する二系統燃料の航空機エンジン101を作動する例示的な方法は、制御システム130を使用して、燃焼器90の中に導入される第1の燃料11および第2の燃料12の量を制御するステップを更に含むことができる。例示的な制御システム130は、図4に概略的に示されている。制御システム130は、燃焼器90に導入される第1の燃料11の量を制御するために、制御信号131(S1)を制御弁135に送る。制御システム130は、燃焼器90に導入される第2の燃料12の量を制御するために、更に別の制御信号132(S2)を制御弁65に送る。使用される第1の燃料11と第2の燃料12の割合は、制御器134によって0%と100%との間で変化可能であり、制御器134は、飛行プロファイル120の異なる飛行セグメントの間、必要に応じて、割合を変化させるようにプログラムされる。制御システム130は、例えばファン速度または圧縮機速度あるいは他の適切なエンジン作動パラメータに基づく、フィードバック信号133を更に受信することができる。一例示的な方法では、制御システムは、例えばFull Authority Digital Electronic Control(FADEC)357など、エンジン制御システムの一部分であってよい。別の例示的な方法では、機械的、または油圧機械式エンジン制御システムが、制御システムの部分またはそのすべてを形成することができる。
制御システム130、357のアーキテクチャおよび戦略は、航空機システム5の経済的な作動を達成するために、適切に設計される。ブーストポンプ52および高圧ポンプ58への制御システムのフィードバックは、エンジンのFADEC357を介して達成可能であり、または、様々な利用できるデータバスを通じてエンジンのFADECおよび航空機システム5の制御システムと選択的に通信することができる別個の制御システムを備える分散コンピューティングによって達成可能である。
例えば図4に示すアイテム130などの制御システムは、安全のためにポンプ52、58の速度および出力を変化させて、翼7を横切る規定された圧力を維持し(例えば、約30〜40psiで)、更に高圧ポンプ58の下流の差圧を維持して、LNGの臨界点より高くシステム圧力を維持し(例えば、約100〜1500psiで)、二相流を防止し、更に高い圧力および燃料密度での作動によってLNG燃料搬送システムの容積および重量を減少させることができる。
例示的な制御システム130、357では、制御システムのソフトウェアは、任意またはすべての以下のロジックを含むことができる。(A)離陸時および/または高い圧縮機排気温度(T3)および/またはタービン入口温度(T41)でのエンベロープの中の他の点で、例えばLNGなどの極低温燃料の使用を最大にする制御システムの戦略。(B)燃料コストを最小にするために、ミッション時、例えばLNGなどの極低温燃料の使用を最大にする制御システムの戦略。(C)高度での再点火のためだけに、例えばJet−Aなどの第1の燃料に再点火する制御システム130、357。(D)デフォルト設定としてのみ、従来のJet−Aによってグラウンドスタートを実施する制御システム130、357。(E)任意の通常の操縦でない間のみ、デフォルトでJet−Aとなる制御システム130、357。(F)任意の割合で、従来の燃料(Jet−Aのような)、または例えばLNGなどの極低温燃料を手動(パイロット指示)によって選択することを可能にする制御システム130、357。(G)すべての迅速な加速および減速のために、従来の燃料(Jet−Aのような)を100%利用する制御システム130、357。
航空機の推進のために、液化天然ガス(LNG)燃料への業務上および軍事上の関心が高い。燃焼の前に、LNG燃料は、ガスに変換され、または気化されなければならない。図8は、ファン502、低圧圧縮機504、高圧圧縮機506、燃焼室508、高圧タービン510および低圧タービン512を含むターボファンエンジン500を示す。LNGは、ポンプ522によってLNG貯蔵器520から燃焼室508に供給され得る。蒸発器熱交換器530を備えることができ、蒸発器熱交換器530は、LNGを気化するためにターボファンエンジン500から廃熱を利用する、排気取入れ型強制対流熱交換器であることができる。蒸発器熱交換器530は、任意の適切なタイプとすることができ、任意の適切な位置に配置可能であり、排気流の中に浸漬すること、またはタービンエンジンの排気流路の壁上に取り付けることが含まれる。単一であるが、効果的な蒸発器530は、らせん状に作製され、低圧タービン512の下流の排気環の中に取り付けられた直径1インチの管を含むことができる。
排気熱を使用するこの型の、または任意のLNG蒸発器の困難な点の1つは、燃料流量制御弁532および燃料ノズル534に搬送されるガスの温度を制御することである。蒸発器530を出る天然ガスの温度は、LNG流量と排気ガス温度との関数である。低流量は高い天然ガス温度をもたらし、高流量は低い天然ガス温度をもたらす。LNGが非常に高温である場合、LNGは、燃料流量制御弁532および/または燃料ノズル534の熱的損傷の原因になり、または二系統燃料ノズル内でコークス蓄積の原因となる場合がある。
LNG流は、図8に示すように、蒸発器530の直前で2つの経路に分割され得る。LNG流の大半は、蒸発器530に搬送され、蒸発して気体になり、次いで燃焼室508に搬送されることができる。第2の経路によって、LNGの一部分が蒸発器530を迂回し、蒸発器530を出る気体の中に液体として噴射される。非常に少ない量の液体が、即座にガスに送り出され、そうすることによって気体混合物の温度が低下する。蒸発器530を迂回するLNGの正確な量は、温度制御装置538によって制御される弁536によって制御される。温度制御装置538は、混合流から温度センサ信号521を受信する(燃料流量制御弁532の直前または直後で)。温度が高すぎる場合、より多くのバイパス流を送り、蒸発器530を通る流れを少なくするように信号が弁536に送られる。温度が低すぎる場合、より少ないバイパス流を送り、蒸発器530を通る流れを増やすように信号が弁536に送られる。温度制御装置538は、当業者に公知である安定的な、非振動アクチュエータ制御信号用の適切な電子回路を組み込むことができる。蒸発器を迂回するLNGの流れと蒸発器530を通過したLNGの流れを混ぜ合わせるために混合弁(summation valve)539を含むことができる。
図9に開示する新規な実施形態では、混合制御弁は、温度自動調節膨張弁(TEV)540に変更されており、それによって分流弁(splitter valve)および電子制御装置の必要がなくなる。TEV540は、蒸発器530を出る天然ガスの温度を一定に維持することができる。これによって、一定の過熱温度を含む一定の設定温度にLNG蒸気混合物の温度を自動的に制御することが可能になる。TEV540は、蒸発器流および圧力低下に対して、LNG蒸気混合物の温度制御を更に補償することができる。
より詳細には、図9は、軸方向に整列する圧縮機部分505、燃焼部分507、タービン部分509およびノズル部分511を含むタービンコア501を備えるタービンエンジンアセンブリ500を示す。液化天然ガス(LNG)燃料システム519が、LNG貯蔵器520、ポンプ522、ノズル部分511内に配置された蒸発器熱交換器530を含むように図示される。蒸発器熱交換器530は、少なくとも1つのループを含むことができる。図示の実施例では、蒸発器熱交換器530は、複数のループを含む。
LNG燃料システム519は、LNG貯蔵器を蒸発器熱交換器の入力に作動可能に結合する第1の液体供給管路531、蒸発器熱交換器530の出力を燃焼部分507に作動可能に結合する気体供給管路533、LNG貯蔵器520を気体供給管路533およびTEV540に作動可能に結合する第2の液体供給管路535を含むように更に図示されている。図示のように、第2の液体供給管路535は、第1の液体供給管路531から分岐され、分岐はTEV540の上流で発生する。
TEV540は、第2の液体供給管路535から気体供給管路533までのLNGの流れを制御し、TEV540の下流で気体供給管路533に作動可能に結合された温度センサ554を含み、第2の液体供給管路535を通るLNGの流量は、気体供給管路533内の流体の温度に基づいて、TEV540によって制御される。このように、TEV540は、蒸発器熱交換器530を出る天然ガス温度を一定に維持する。図示の実施例では、燃料流量制御弁532が、TEV540の下流に配置され、気体供給管路533を通る流体の流れを制御するように構成され得る。
TEV540および蒸発器530の横断面図が、図10に示される。蒸発器530は、低圧タービンまたは他の任意の熱源の下流で矢印542で概略的に示す高温排気ガスの中に浸漬された、螺旋形コイルまたは他の熱交換器であることができる。TEV540は、高温排気ガス542の流路の外側に隣接して、理想的には第1の液体供給管路531および気体供給管路533の両方に極めて接近して配置可能である。これによって、TEV540は、穏やかな温度環境で作動することができ、必要な場合は即座に使用の準備ができている。
TEV540の入口550を第1の液体供給管路531に結合することができ、それによって加圧されたLNGが蒸発器530およびTEV540の両方に流れることを可能にすることがより明確に図示されている。TEV540の出口552を気体供給管路533に結合することができ、それによってTEV540が開いている場合、LNGが蒸発器530を迂回することを可能にする。蒸発器出口パイプ546の中で混合された流れが、燃料流量制御弁532および燃焼室508に搬送されることが可能である。温度センサ554をTEV540内に含むことができ、バイパスの収束部および蒸発器流の下流に配置可能であり、限定しない実施例では、温度センサ554は感知球状部を含むことができる。温度センサ554は、混合流の中に浸漬されることが可能であり、または混合流との優れた熱的連通を可能にする形態で、蒸発器出口パイプ546に取り付けることができる。TEV540の中にキャピラリーチューブ556を更に含むことができ、キャピラリーチューブ556は、温度センサ554をTEV540のダイヤフラム空洞558に結合することができる。
図11は、熱感知球状部560、キャピラリーチューブ556および膨張ベローズまたはダイヤフラム562の形態の温度センサ554を含むTEV540の例示的な一部分を図示する。図示のようにキャピラリーチューブ556は、一方の側が可動ダイヤフラム562である第2の空洞または膨張室566に、熱感知球状部560の形態の第1の空洞564を作動可能に結合することができる。キャピラリーチューブ556は、感知球状部圧力P1aおよびダイヤフラム空洞圧力P1bが常に等しくなることを保証する。
熱感知球状部560、キャピラリーチューブ556および膨張室566は、所望の弁制御温度に近い、飽和蒸気(沸騰)圧と飽和蒸気温度との関係について選択された流体によって充填され得る。流体は、限定しない実施例によって、メタンまたは冷媒R12、R124または他の類似の流体を含む任意の適切な流体とすることができる。蒸発器530およびTEV540は、所望の制御温度(例えば、100°F)、または所望の過熱(例えば、複数の作動圧力で飽和蒸気温度を超える20°F)に対して設計可能である。
図12により明確に示すように、TEV540は、ダイヤフラム562の駆動ピンまたはプッシュロッド569、弁軸または針弁568、弁座570および過熱スプリング572を含むTEV540の一部分を取り囲む本体567を更に含むことができる。ダイヤフラム562は、スプリングを装着された弁座570に作動可能に結合され得る。作動中、蒸気温度が低すぎる、またはLNG蒸発器530が作動していない場合、熱感知球状部560内の流体が、すべて、またはほとんどが液体であり、ダイヤフラム562上にほとんど圧力を加えない。過熱スプリング572の圧縮力と組み合わせて、ダイヤフラム562上のP2の圧力の欠如によって、針弁568を弁座570上に保ち、弁の流量範囲が閉鎖された状態に保たれる。
蒸発器530が作動しており、出口温度が所望の最大温度に等しい、またはそれより高い場合、熱感知球状部560内の流体の一部分が蒸気に変換され、その蒸気がより大きい容積を占めて、圧力P1aを上昇させる。キャピラリーチューブ556によって、熱感知球状部560内のより大きい圧力が、ダイヤフラム562と連通し、圧力平衡を達成することが可能になる。より大きい圧力P1bは、ダイヤフラム562の運動、およびより大きい力F1をもたらす。F1は、弁を開ける働きをする温度自動調節要素(球状部温度への反応)のダイヤフラム力である。ダイヤフラム562は、針弁568および流量範囲が開くための開く力F1を与える。
蒸発器530が作動しており、出口温度が所望の温度に等しい、またはそれより低い場合、熱感知球状部560内の流体の一部分が液体に戻され、その液体がより小さい容積を占めて、圧力P1aを減少させる。キャピラリーチューブ556は、熱感知球状部560内の減少した圧力が、ダイヤフラム562と連通し、圧力平衡を達成することを可能にする。より減少した圧力P1bは、ダイヤフラム562の運動、およびより小さい力F1をもたらす。ダイヤフラム562は、弁流量範囲を部分的に閉鎖することができる。
TEVの作動を制御する3つの力は、a)既に説明した、F1、b)ダイヤフラム562の下方に閉鎖方向へ働く蒸発器の出口圧力F2、およびc)閉鎖力でダイヤフラム562のやはり下方へ加えられる過熱スプリングの力F3である。任意の一定の作動状態で、これらの力が以下の数式に従って平衡している。
F1=F2+F3(1)
エンジン状態またはLNG流が変化する場合、蒸発器出口温度の変化が、球状部温度内の類似の変化と共に存在することができる。出口温度が高すぎる場合、温度が熱感知球状部560内の圧力の上昇を生成し、それが圧力P1を上昇させる。蒸発器内の圧力P2およびTEV540内のスプリング圧力P3は、依然として一定の状態である。上昇した圧力P1によって、ダイヤフラム562は膨張して、弁をより大きく開かせる。その結果、より多くのLNGが蒸発器530を迂回することになり、蒸発器出口気体と混合し、燃焼室508に供給される混合物の温度を低下させることができる。LNGバイパス流量の増加によって、熱感知球状部560内の温度を低下させ、圧力がF1を低下させ、それによって、弁流量範囲がわずかに閉じ、再び平衡制御を成立させる。混合温度が低すぎる場合、逆のサイクルが発生する。
TEV540が任意の適切な形態で形成可能であり、例えば図13は、上記に説明したTEV540に類似するTEV640を図示しており、したがって同じ部品は100だけ増加した符号によって識別され、そうではないと述べない限り、TEV540の同じ部品の説明はTEV640に当てはまることが理解されよう。1つの相違点は、TEV640が、ダイヤフラムの代わりにベローズ662を含むことである。ベローズ662は、並進する弁機構または弁座670上に結果として同様に圧力をもたらす。限定しない実施例によって、より多い量の並進および弁の開きが所望される場合、ベローズ662を含むTEV640を使用することができる。更に、TEV640は、スプリング672によって生成されるスプリングの予荷重を増加または減少させるための調節ねじ680を更に含み、それによって弁開放圧力を増加または減少させる。図示していないが、キャピラリーチューブが、ベローズ662によって形成される燃焼室に熱感知球状部を作動可能に結合して、感知球状部圧力P1aおよび室圧力P1bが常に等しくなることを保証することができる。
図14は、上記に説明したTEV640に類似する別のTEV740を図示しており、したがって同じ部品は100だけ増加した符号によって識別され、そうではないと述べない限り、TEV640の同じ部品の説明はTEV740に当てはまることが理解されよう。1つの相違点は、TEV740が、第2のベローズ782、および第2のベローズ室786を遠隔の熱感知球状部788の下流の混合通路に結合する平均化キャピラリーチューブ784を組み込む。これによって、第2のベローズ室786内の空洞圧が熱感知球状部788での静的圧力に等しくなる。これによって、TEV740が、一定の温度ではなく、一定の過熱に対して制御することができる。
任意の上記の実施形態が、第1の燃料タンクからタービンエンジンへの第1の燃料の流れを制御するための第1の燃料システム、およびタービンエンジンへの液化天然ガスの流れを制御するための第2の燃料システムを含む、タービンエンジン用の二系統燃料航空機システム内で利用可能であることが理解されよう。
上記に説明する実施形態は、気化されたLNG混合物の温度を感知することができ、気化されたLNG混合物の温度を制御することができることを含む様々な利点を提供する。より詳細には、気化されたLNGの温度制御弁が、感知された温度に基づいて駆動されることが可能であり、蒸発器を迂回するLNG流の量を制御することができる。上記に説明する実施形態は、気化されたLNG混合物温度を感知し、気化されたLNG混合物の温度を制御し、気化されたLNG温度制御弁を駆動するための装置、および蒸発器を迂回するLNG流の量を制御するための弁を更に可能にする。これによって、一定の過熱温度などの一定の設定温度に気化されたLNG蒸気混合物の温度を自動的に制御することが可能になる。これは、蒸発器流および圧力低下に対して、任意のLNG蒸気混合物の温度制御を更に補償することができる。
既に説明しなかった範囲まで、様々な実施形態の異なる形態および構造を所望に応じて互いに組み合わせて使用することができる。1つの形態がすべての実施形態の中で説明されない場合、それが実施形態ではないと解釈されるように意図するのではなく、説明を簡潔にするためになされるのである。したがって、新しい実施形態が明確に説明されるかどうかに関わらず、異なる実施形態の様々な形態は、所望に応じて混合され、組み合わされて、新しい実施形態を形成することができる。本明細書に説明する形態のすべての組合せまたは置換は、本開示によって包含される。
ここに記載する説明は、最良の形態を含む本発明を開示するための実施例を使用しており、更に当業者が、任意の装置またはシステムを作製し、使用し、かつ任意の組み込まれた方法を実施することを可能にする実施例を使用する。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思い当たる他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言とは異ならない構造的要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言とは実質的には異ならない均等な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあると意図するものである。
2 圧縮機排出空気
3 空気流
4 蒸発器から出た冷却された空気流
5 航空機システム
6 胴体
7 翼
10 極低温燃料貯蔵システム、燃料貯蔵システム、貯蔵システム
11 第1の燃料
12 第2の燃料(極低温燃料、極低温液体燃料)
13 気体燃料
15 中心線の軸線
16 尾部部分
17 バッフル
19 気体燃料
21 第1の燃料タンク
22 第2の燃料タンク、極低温燃料タンク、中央翼タンク
23 第1の壁
24 貯蔵容積
25 第2の壁
26 ギャップ
27 断熱材料、軽量断熱
28 真空ポンプ
29 気体燃料19の少なくとも一部分
30 流出システム
31 搬送ポンプ、クライオポンプ
32 流入システム
34 再利用システム
36 ドレイン管路
38 制御弁
39 1方向リリーフ弁または背圧弁
40 ベントシステム
41 ベント管路
42 クライオクーラー
45 安全リリースシステム
46 破裂板、並列機能
50 燃料搬送システム、例示的な燃料システム、極低温燃料搬送システム
52 ブーストポンプ
54 導管
55 パイロン
58 高圧ポンプ
60 蒸発器
63 直接熱交換器
64 間接熱交換器
65 流れ絞り弁、制御弁
68 加熱流体
70 燃料マニホールド、マニホールド
80 燃料ノズル
90 燃焼器
96 加熱流体
97 排気ガス99の一部分
98 排気ノズル
99 ガスタービン排気、排気ガス、排気流、排気気体
100 推進システム
101 ガスタービンエンジン
103 ファン
104 ブースタ
105 高圧圧縮機
107 ファンバイパス、ファンバイパス空気流、ファンバイパス流
108 コアエンジン
109 吸気側
110 排気側
112 極低温の液体燃料
114 第1のロータシャフト
115 第2のロータシャフト
116 エンジンケーシング
120 飛行プロファイル
122 極低温燃料タンク
123 第3の燃料タンク
130 制御システム
131 制御信号
132 別の制御信号
133 フィードバック信号
134 制御器
135 制御弁
155 高圧タービン
157 低圧タービン
180 補助パワーユニット
182 燃料電池
190 ベント燃焼器
357 制御システム
400 燃料電池システム
500 ターボファンエンジン、タービンエンジンアセンブリ
501 タービンコア
502 ファン
504 低圧圧縮機
505 圧縮機区分
506 高圧圧縮機
507 燃焼区分
508 燃焼室
509 タービン区分
510 高圧タービン
511 ノズル区分
512 低圧タービン
519 LNG燃料システム
520 LNG貯蔵器
521 温度センサ信号
522 ポンプ
530 蒸発器熱交換器、蒸発器
531 第1の液体供給管路
532 流量制御弁
533 気体供給管路
534 燃料ノズル
535 第2の液体供給管路
536 弁
539 混合弁
540 温度自動調節膨張弁(TEV)
542 高温排気ガス
546 出口パイプ
550 入口
552 出口
554 温度センサ
556 キャピラリーチューブ
558 ダイヤフラム空洞
560 熱感知球状部
562 ダイヤフラム
564 第1の空洞
566 第2の空洞(膨張室)
567 本体
568 針弁(弁軸)
569 駆動ピン(プッシュロッド)
570 弁座
572 過熱スプリング
640 温度自動調節膨張弁(TEV)
650 入口
652 出口
662 ベローズ
668 ダイヤフラム空洞
670 弁座
672 過熱スプリング
680 調節ねじ
740 温度自動調節膨張弁(TEV)
750 入口
752 出口
756 キャピラリーチューブ
762 ダイヤフラム
768 ダイヤフラム空洞
770 弁座
772 過熱スプリング
780 調節ねじ
782 第2のベローズ
784 平均化キャピラリーチューブ
786 第2のベローズ室
788 熱感知球状部
F1 力
F2 蒸発器の出口圧力
F3 過熱スプリングの力
Pc 極低温の(LNG)燃料の臨界圧
P1 第1の圧力
P2 第2の圧力
P3 第3の圧力
P4 第4の圧力
P1a 感知球状部圧力
P1b ダイヤフラム空洞圧力
R12 冷媒
R124 冷媒
S1 制御信号
S2 別の制御信号

Claims (15)

  1. 軸方向に整列する、圧縮機部分(505)と、燃焼部分(507)と、タービン部分(509)と、ノズル部分(511)とを備えるタービンコア(501)と、
    液化天然ガス(LNG)燃料システム(519)であって、
    液化天然ガス(LNG)貯蔵器(520)と、
    前記タービンコア(501)内に配置された蒸発器熱交換器(530)と、
    前記LNG貯蔵器(520)を前記蒸発器熱交換器(530)の入力に作動可能に結合する第1の液体供給管路(531)と、
    前記蒸発器熱交換器(530)の出力を前記燃焼部分(507)に作動可能に結合する気体供給管路(533)と、
    前記LNG貯蔵器(520)を前記気体供給管路(533)に作動可能に結合する第2の液体供給管路(535)と、
    前記第2の液体供給管路(535)から前記気体供給管路(533)までのLNGの流れを制御し、温度自動調節膨張弁(TEV)(540)の下流で前記気体供給管路(533)に作動可能に結合された温度センサ(554)を含む温度自動調節膨張弁(TEV)(540)であって前記第2の液体供給管路(535)を通るLNGの流量を前記気体供給管路内(533)の流体の温度に基づいて制御する、温度自動調節膨張弁(TEV)(540)と
    を備える液化天然ガス(LNG)燃料システム(519)と
    を備えるタービンエンジンアセンブリ(500)。
  2. 前記第2の液体供給管路(535)が、前記第1の液体供給管路(531)から分岐する、請求項1に記載のタービンエンジンアセンブリ(500)。
  3. 前記分岐が、前記TEV(540)の上流で発生する、請求項2に記載のタービンエンジンアセンブリ(500)。
  4. 前記蒸発器熱交換器(530)が、前記排気流の中に浸漬される、請求項1に記載のタービンエンジンアセンブリ(500)。
  5. 前記蒸発器熱交換器(530)が、前記タービンエンジン(500)の排気通路の壁上に取り付けられる、請求項1に記載のタービンエンジンアセンブリ(500)。
  6. 前記気体供給管路(533)を通る前記流体の流れを制御する流量制御弁(532)を更に備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタービンエンジンアセンブリ(500)。
  7. 前記流量制御弁(532)が、前記TEV(540)の下流にある、請求項6に記載のタービンエンジンアセンブリ(500)。
  8. 前記TEV(540)が、完全に開いた位置と完全に閉じた位置との間を移動することができる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタービンエンジンアセンブリ(500)。
  9. 前記TEV(540)が、前記第2の液体供給管路(535)に流体連結された入口(550)と、前記気体供給管路(533)に選択的に流体連結された出口(552)とを更に備え、前記TEV(540)が、部分的に開いた位置または前記完全に開いた位置にある場合、LNGが前記蒸発器熱交換器(530)を迂回することができるようにする、請求項8に記載のタービンエンジンアセンブリ(500)。
  10. 温度が高すぎる場合、前記TEV(540)が、前記完全に開いた位置に向かって移動するように構成され、温度が低すぎる場合、前記TEV(540)が、前記完全に閉じた位置に向かって移動するように構成されている、請求項9に記載のタービンエンジンアセンブリ(500)。
  11. 航空機(5)のタービンエンジン(101)用の二系統燃料航空機システム(5)であって、
    第1の燃料タンク(21)から前記タービンエンジン(101)までの第1の燃料流(11)を制御するための第1の燃料システムと、
    前記タービンエンジン(101)までの液化天然ガス流を制御するための第2の燃料システム(519)であって、
    液化天然ガス(LNG)貯蔵器(520)と、
    前記タービンエンジン(101)上または近傍に取り付けられた蒸発器熱交換器(530)と、
    前記LNG貯蔵器(520)を前記蒸発器熱交換器(530)の入力に作動可能に結合する第1の液体供給管路(531)と、
    前記蒸発器熱交換器(530)の出力を前記タービンエンジン(101)に作動可能に結合する気体供給管路(533)と、
    前記LNG貯蔵器(520)を前記気体供給管路(533)に作動可能に結合する第2の液体供給管路(535)と、
    前記第2の液体供給管路(535)から前記気体供給管路(533)までのLNGの流れを制御し、温度自動調節膨張弁(TEV)(540)の下流で前記気体供給管路(533)に作動可能に結合された温度センサ(554)を含む温度自動調節膨張弁(TEV)(540)であって、前記第2の液体供給管路(535)を通るLNGの流量が、前記気体供給管路(533)内の流体の温度に基づいて前記TEV(540)によって制御される、温度自動調節膨張弁(TEV)(540)と
    を備える第2の燃料システム(519)と
    を備える二系統燃料航空機システム(5)。
  12. 前記第2の燃料システム(519)が、前記気体供給管路(533)を通って前記タービンエンジン(101)までの前記流体の流れを制御する流量制御弁(532)を更に備える、請求項11に記載の二系統燃料航空機システム(5)。
  13. 前記TEV(540)が、完全に開いた位置と完全に閉じた位置との間を移動することができる、請求項11乃至12のいずれか一項に記載の二系統燃料航空機システム(5)。
  14. 温度が高すぎる場合、前記TEV(540)が、前記完全に開いた位置に向かって移動するように構成され、温度が低すぎる場合、前記TEV(540)が、前記完全に閉じた位置に向かって移動するように構成されている、請求項13に記載の二系統燃料航空機システム(5)。
  15. 前記温度センサ(554)が、前記TEV(540)の可動要素と流体連結された熱感知球状部(560)を備える、請求項14に記載の二系統燃料航空機システム(5)。


    タービンエンジンアセンブリおよび二系統燃料航空機システム
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