JP2016509863A5 - - Google Patents

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細胞、臍帯血収集のための方法及び装置、並びに細胞の単離のための方法及び装置
関連出願
本出願は、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願シリアル番号61/801,280号に基づく優先権を主張する。該出願の内容は引用によって本願に組み込まれる。
1つの実施形態において、本願に記載の発明は、ヒト臍帯血を含む生物学的な材料の取得(分娩時を含む)に関し、いくつかの視点において安全で、効率的で、かつ高い収量の無菌臍帯血の収集、そしてそのための装置及び方法に関する。他の実施形態において、本発明は、臍帯血に由来する細胞及び該細胞の培養、そして該細胞の抽出、単離、管理(維持)、増殖(expanding)、再プログラミング(reprogramming)、分化、及び保管方法に関する。本発明は、治療剤、処置、病気の予防、新薬発見、個人専用医薬品、再生性医薬品、組織生産、及び普遍的なドナーバンクにおける細胞の使用、そして関連方法及び関連組成物にも関連する。
細胞の単離方法、細胞の再プログラミング方法、多能性(pluripotent)及び多分化性(multipotent)細胞の生産方法、そして、組織、器官及び幹細胞治療方法は、個人専用の及び再生性の医薬品を含む、多種多様な治療上の適用に必要である。多種多様なヒト幹細胞及び他の細胞タイプが知られており、胚発生初期段階の間に単離された胚性幹細胞、及び間葉系幹細胞又は成体幹細胞などの体細胞性幹細胞を含む。いくつかの非幹細胞は、より原始の(primitive)段階へと再プログラミングされ得る。
新生児由来のヒト臍帯血は、材料中に存在する高い比率の血液幹細胞に起因して、数十年間に渡って、血液性疾患及び悪性腫瘍を有する患者への移植用の造血幹細胞の供給源として使用されてきた。そのようにして、現在において、世界中で、公立及び私立の保管バンクにおいて、リクエストに応じ得る使用準備状態で保管された数百ないし数千もの臍帯血サンプルが存在する。
造血幹細胞に加えて、他の細胞タイプ(例えば、非造血細胞)も臍帯血サンプル中に存在する。これらの細胞のいくつかは、単離されており、かつ治療上の適用が可能であると特徴付けられている。例えば、臍帯血由来の単離かつ増殖された内皮細胞は、心臓組織の修復のための細胞療法において使用されてきた。内皮細胞集団の頻度が低いこと(臍帯血中に2%未満)、及び内皮細胞ベースの治療法についての技術の限定された利用可能性に起因して、臍帯血からの内皮細胞の単離は、臨床上のセッティングにおいて一般的に使用されていない。
細胞の材料、臍帯血、その中で見出された細胞を含む、生物学的な構成要素(components)の収集、抽出、及び単離のための利用可能なアプローチ及び装置は、例えば、それらの安全性、収集した材料の汚染(例えば、空気汚染)の回避、細胞収量、効率、及び/又は構成要素の破壊を回避する能力において、全体的に満足のいくものではない。
幹細胞を単離する方法、及び/又は、多分化能を有する及び/又は多能性の幹細胞を、より分化した細胞から生産する方法が、例えば、再生性医薬品及び個人専用医薬品(個々に最適化された治療)を含む細胞ベースの治療上の適用に必要である。細胞供給源及び単離方法は、この観点において必要である。多数のドナーから簡便に収集され得る素材としての細胞、例えば、大量の細胞の単離のためのもの、及び操作可能なものに関するニーズも存在する。本願では、そのようなニーズに対する実施形態が提供される。
例えば、細胞を含む構成要素の回復、増殖及び分化のための臍帯血の構成要素が最小限でしか破壊されていない安全で、かつ高い収量の無菌臍帯血に関する方法及び装置、更に、治療的に適切な細胞の既存の供給源を損なう(compromising)ことが無く、再プログラミング、つまり、多能性の及び多分化能を有する細胞の生産に関するポテンシャル(潜在的可能性)を有する細胞材料を抽出及び単離するための安全でかつ信頼できる方法に関するニーズがある。
例えば、臍帯血における造血幹細胞などの他の細胞のタイプの機能を破壊することなく、臍帯血サンプルから非血液細胞を含む細胞を単離する方法についてのニーズがある。これらのニーズに対する方法、装置、及び組成物が本願の実施形態の中において提供される。
同様に、再生性医薬品、処置及び病気の予防、個人専用医薬品、組織生産に使用するために、豊富で、かつ、遺伝子操作、再プログラミング及び分化が適用可能な細胞についてのニーズがある。普遍的なドナーバンクも必要である。本願の実施形態では、これらのニーズに対する方法、装置、細胞及び組成物が提供される。
Takahashi and Yamanaka, 2006, Cell 126(4): 663-676
本願において、内皮細胞を単離する方法であって、(a)プレートの表面に臍帯血サンプルを蒔くステップと、(b)プレート表面へ臍帯血サンプル内の細胞を接着させるステップとを含み、接着細胞が内皮細胞を含むことを特徴とする方法が提供される。
他の実施形態において、内皮細胞及び血行性前駆細胞を単離する方法が提供される。該方法は、(a)プレートの表面に臍帯血サンプルを蒔くステップと、(b)プレート表面へ臍帯血サンプル内の細胞を接着させるステップと、(c)接着細胞から非接着細胞を分離(ないし区分、仕分:separating)するステップとを含み、接着細胞が内皮細胞を含み、かつ、非接着細胞が血行性前駆細胞を含む。1つの視点において、ステップ(c)では、プレート表面からの接着細胞の顕著な脱落を生じない。他の視点において、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約99%の接着細胞が、ステップ(c)後のプレート表面に接着したままである。
本願に記載のいずれかの実施形態又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて、臍帯血サンプルはヒト由来であり得る。本願に記載のいずれかの実施形態又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて、臍帯血サンプルが鮮度よく収集されたもの又は凍結されたものであり得る。本願に記載のいずれかの実施形態又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて、臍帯血サンプルが単核細胞富化(ないし濃縮:enrichment)の処理を受けたものであり得る。他の実施形態において、臍帯血サンプルが単核細胞富化の処理を受けていないものである。本願に記載のいずれかの実施形態又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて、臍帯血サンプルが造血性前駆細胞富化及び/又は造血幹細胞富化の処理を受けたものであり得る。他の視点において、臍帯血サンプルが造血性前駆細胞富化及び/又は造血幹細胞富化の処理を受けていないものであり得る。
本願に記載のいずれかの実施形態又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて、臍帯血サンプルが約0℃及び約37℃の間の温度でプレートに蒔かれる。1つの実施形態において、プレート表面が、コラーゲンI又はゼラチン、あるいは類似の細胞外マトリックス構成要素(コンポーネント:component)、もしくはいずれかのそれらの組み合わせでコーティングされる。いくつかの視点において、約5分間、約10分間、約15分間、約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間又はより長時間、臍帯血サンプル内の細胞がプレート表面へ接着される。
本願に記載のいずれかの実施形態又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて、臍帯血サンプルが蒔かれたプレート表面は、いずれかの適切なプレート(例えば、組織培養プレート)、皿、容器(vessel)、チャンバ、バッグ(例えば、血液収集バッグ)、コンテナ又は同様のものに含まれる表面であり得る。好ましい実施形態において、プレート表面は、水平に又は本質的に水平に位置する。
本願に記載のいずれかの実施形態又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて、本発明の方法は、造血細胞の生存率(viability)、原始性及び/又は再増殖能力を維持するのに適切な条件を提供することを更に含む。他の実施形態において、本発明の方法は、内皮細胞の生存率及び/又は原始性を維持するのに適切な条件を提供することを更に含む。
幹細胞又は前駆細胞を生産する方法であって、上述の実施形態に記載のいずれかの方法によって単離された内皮細胞を、幹細胞又は前駆細胞へと再プログラミングすることを含む方法も本願に開示される。本願によれば、幹細胞又は前駆細胞を取得する方法であって、上述の実施形態に記載のいずれかの方法において単離された血行性前駆細胞を増殖させるステップを含み、更に任意的に、(1)増殖した血行性前駆細胞集団からより原始性の細胞を単離するステップ、又は(2)血行性前駆細胞を幹細胞又は前駆細胞へと再プログラミングするステップを含む方法が提供される。
本願によれば、体細胞を生産する方法であって、(a)上述の実施形態に記載のいずれかの方法において単離された内皮細胞を、幹細胞又は前駆細胞へと再プログラミングし、そして、該幹細胞又は前駆細胞を体細胞へと分化させるステップ、又は(b)上述の実施形態に記載のいずれかの方法において単離された内皮細胞を、直接的に(directly)体細胞へと再プログラミングするステップを含む方法が提供される。
本願によれば、臍帯血から細胞を単離するための2容器デバイス(dual vessel device)であって、容器同士の間での懸濁液中の細胞の移行に関する止水コック流路制御機構を備えた2容器及びチューブを含む2容器デバイスも提供される。1つの実施形態において、2容器デバイスは、細胞洗浄及び容器への細胞移行を容易にする止水コック流路制御機構を備えた閉鎖系システムに取り付けられる媒体(media)チャンバを更に含む。1つの視点において、2容器デバイスは、容器への凍結保護剤の投与を容易にするための1以上の予備チャンバを更に含む。1つの実施形態において、2容器デバイスは、低酸素ガス、正常酸素(normoxic)ガス又は高酸素ガスを予め充填したものである。
図1は、FACS解析によって測定された新鮮なCD34+臍帯血細胞及び接着細胞(10日目)の細胞表面マーカー発現を示す。
A.定義
他に定義されない限り、本願において使用した全ての本分野の用語、表記及び他の科学的用語又は用語法は、本発明に関連する技術分野における知識を有する者によって一般的に理解される意味を有することが意図される。いくつかのケースにおいて、一般的に理解される意味を有する用語が、本願において明瞭化及び/又は引用のために定義されるが、本願におけるそのような定義の包含は、本発明の技術分野において一般的に理解されるものとの実質的な差を示すとは必ずしも解釈されるべきではない。本願において記載又は引用される多くの技術及び手法は、従来の方法論を使用して、本発明の技術分野における通常の知識を有する者によって良く理解され、かつ、一般的に採用される。
本願の全体に渡って、本発明の種々の視点が、範囲フォーマットで示される。範囲フォーマットにおける記載は単に簡便及び簡潔さのためであると理解され、本発明の範囲についての不変的な限定として解釈されるべきではない。従って、範囲の記載は、具体的に記載された全てのサブレンジ、及びその範囲内の個々の数値が記載されているものと考慮されるべきである。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などのサブレンジ、及びその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、6が記載されていると考慮されるべきである。他の実施例において、週の範囲の記載は、週の端点(week endpoints)の間の日の記載も含む。これは、範囲(range)の幅(ないし長さ)にかかわらず、適用される。
本願において使用した用語「安全(safe)」とは、いずれかの方法又は装置が、母方及び/又は胎児への危害について顕著なリスクを伴わないことを意味すると理解され得る。
本願において使用した、細胞(単数又は複数)を記載するときに使用される用語「単離(isolated)」とは、それらの天然の環境から分離(separated)された細胞を意味し、細胞が由来する被験者(例えば、患者)からの分離、及び/又は、デブリ、組織、組織集合体及び他の細胞などの天然の環境の1以上の他の構成要素(components)からの分離を含む。
本願において使用した用語「胎児、胎生(fetal)」は、発生段階(胚段階の後かつ分娩前)の哺乳類(ヒトなど)に由来する細胞又は他の材料の特徴を記述することに使用される。本願において使用した用語「幼児、幼生(infant)」は、未成熟の幼児及び新生児を含む誕生から1年未満の新生の又は若い哺乳類に由来する細胞又は他の材料の特徴を記述することに使用される。
本願において使用した用語「多能性(pluripotent)」とは、3つの胚葉(内胚葉、中胚葉及び外胚葉)のいずれかの細胞タイプに細胞が分化する能力を意味する。用語「多分化能(multipotent)」とは、複数であるが限定された数の系統の細胞に、細胞が分化する能力を意味する。
本願において提供される、ある実施形態についての以下の記載において、本願の一部をなす添付図面の参照がなされており、該図面では、本発明が実施され得る具体的な実施形態が模式的に示される。本発明の範囲から逸脱すること無く他の実施形態が使用され得るとともに、構造上変形がなされ得ると理解されるべきである。
B.臍帯血及び臍帯血細胞の分離
提供される実施形態の中には、臍帯血から取得したものなどの細胞及び細胞供給源を含む生物学的な材料の収集、単離及び使用のための装置、デバイス及び方法、並びにそのような方法によって取得した細胞及び他の材料、そして、例えば、再生性医薬品におけるものなど、個人専用の及び普遍的なドナーへの適用を含む、治療及び分析上の使用を含むそれらの使用が含まれる。
多種多様なヒト幹細胞は、治療に使用されているか、又は、臨床治験における使用のために評価されており、例えば、それぞれ神経学的な疾患及び血液性疾患に対して使用される間葉幹細胞及び造血幹細胞などの体細胞を含む。より分化したキャパシティの他の体細胞は、例えば、内皮細胞の多能性幹細胞への再プログラミングなど、より原始の段階へと再プログラムされ得る。
人工多能性幹(iPS)細胞は、皮膚及び繊維芽細胞を含む複数の細胞タイプから生産(ないし産生)されている。Masip et al., 2010, Mol Hum Reprod 16(11): 856-868; Takahashi and Yamanaka, 2006, Cell 126(4): 663-676; Yu et al., 2007, Science 318(5858): 1917-1920. 代わりの出発材料が、十分な増殖速度、病気モデリングに関する遺伝的バックグラウンド、十分な数の生細胞の取得の容易さ、ゲノムが無傷であることを含む、再プログラミングの容易さに基づいて選択されている。Hanna et al., 2009, Nature 462(7273): 595-601; Park et al., 2008, Cell 134(5): 877-886; Ye et al., 2009, Blood 114(27): 5473-5480; Carette et al., 2010, Blood 115(20): 4039-4042; Kumano, et al., 2012, Blood 119(26):6234-6242; Ikehata et al., 2003, Environ Mol Mutagen 41(4): 280-292; Ikehata et al., 2004, Mutat Res 556(1-2): 11-24; Osanai and Lee, 2011, Med Mol Morphol 44(4): 200-206.
iPS細胞を生産するために利用可能な方法は、ある問題と関連している。例えば、成熟皮膚繊維芽細胞からは大多数のiPS細胞が生産されている。それにも関わらず、エピジェネティックなメモリに起因して、iPS生産の供給源として使用される細胞の残りのエピジェネティックな状態は、iPS細胞由来の分化キャパシティに対して影響を与え得る。具体的には、iPS細胞系統は、ドナー細胞遺伝子のキーセットを発現し続けることによって、組織オリジンのエピジェネティックなメモリを維持し得る。Marchetto et al., 2009, PLoS One 4(9): e7076; Ghosh et al., 2010, PLoS One 5(2): e8975; Bar-Nur et al., 2011, Cell Stem Cell 9(1): 17-23. エピジェネティックなメモリは、多くの細胞供給源の分化キャパシティに対してインパクトをもたらし、ある分化した細胞(神経前駆細胞、ある血液系統の細胞、繊維芽細胞、筋原始性細胞、膵島β細胞及び他の膵臓細胞など)をiPS生産に関してより望ましくなくさせ得る。Kim et al., 2010, Nature 467(7313): 285-290; Polo et al., 2010, Nat Biotechnol 28(8): 848-855; Bar-Nur et al., 2011, Cell Stem Cell 9(1): 17-23; Marchetto et al., 2009, PLoS One 4(9): e7076; Ghosh et al., 2010, PLoS One 5(2): e8975.
従って、いくつかの文脈において多分化キャパシティを有するより原始性の細胞は、広い(broad)分化キャパシティを有するiPS細胞の生産に関してより適切な出発材料である。
いくつかの文脈において、環境に対して最小限でしか関わっていないナイーブ(naive)な細胞は、ダメージを受けていないゲノム(単数又は複数)を有し、及び/又は、例えば、組織、器官及び/又は幹細胞ベースの治療のための細胞の再プログラミングに関して望まれる、インビトロ培養システムにおいて増殖(proliferate and/or expand)する能力を有する。胎児期もしくは出生間近の胎児、又は、新生児期に由来する、ある細胞材料は、それらの特徴を満足するだろう。分娩において、細胞供給源、例えば、臍帯血はそのような特徴有する細胞を含む。
臍帯血は、典型的には造血幹細胞移植に使用される供給源である。臍帯血性造血幹細胞は、高い増殖キャパシティ及び分化ポテンシャルを有する、環境に対する暴露が最小限のナイーブ状態(無傷のゲノム)である。臍帯血中には、細胞及び再生医療目的に適する非血液細胞タイプ(例えば、臍帯血の内皮細胞分画)が低い頻度で存在する。例えば、Takahashi and Yamanaka, 2006, Cell 126(4): 663-676に記載されるように、特定の系統の細胞を、他のタイプの系統へ又は胚性様の状態へと「再プログラム」することができる、再プログラミング技術の有用性は、再プログラミング及び細胞療法のための細胞供給源として使用され得る、臍帯血に存在するまれ(レア)な細胞分画の価値(value)を増加させる。
細胞材料、臍帯血及びそこで見出される細胞を含む生物学的な構成要素の収集、抽出及び単離のために利用可能なアプローチ及び装置は、例えば、それらの安全性、収集材料の汚染回避(例えば、空気汚染)、細胞収量、効率、及び/又は構成要素の破壊を回避する能力において、全体的に満足のいくものではない。
臍帯血収集物を用いると、臍帯が初期に締められる(クランプ)される場合には、幼児とってのあるネガティブな結果が生じ得る。臍帯血由来の造血幹細胞(HSCs)の培養に利用可能な方法は、造血幹細胞の再増殖能力の維持に失敗している。最も利用可能な分画手法は、HSCプールに対する有害な影響を有する培養液のインキュベーションを含む。再プログラミング応用に利用可能な方法によって収集された臍帯血の使用は、その完全な造血性ポテンシャルを減少又は全体的に不能にすることができる(ドナーバンクシステムへの包含(inclusion)についての主たる理由)。造血幹細胞分画の有用性を損なうことなく臍帯血サンプルから非血液細胞を取得するための方法が必要とされる。特に、100万の臍帯血サンプルが世界中のバンクに保管されているので、一般的に治療上の目的のために使用される造血幹細胞分画の機能を損なうことなくこれらの細胞を単離及び増殖するための方法が必要とされる。
Takahashi and Yamanakaは、体細胞を多能性/胚性様状態へ「再プログラム」又は「脱分化」する、又は、体細胞を他の細胞系統タイプへ直接的に「再プログラム」する再プログラミング技術を最初に開示した。Takahashi and Yamanaka, 2006, Cell 126(4): 663-676. 従って、臍帯血に存在するまれ(レア)な内皮細胞分画は、再プログラミング及び細胞療法のための出発材料として使用され得る。これらの細胞の特徴は、細胞に再プログラミングを受け入れさせる。1つの実施形態において、本発明を使用して臍帯血から単離される細胞タイプは、内皮前駆細胞である。臍帯血由来の内皮前駆細胞は再プログラミングに適し、それらが接着性であり、素早く分裂し、原始のもの(それらが対応する増殖/分化ポテンシャル及びエピジェネティックなプロファイルを有する前駆細胞であるという点で)であること、更にそれらが新生児の供給源に由来するものであることを、原則的な利点として含む。更に、臍帯血由来の内皮前駆細胞は、突然変異誘発性物質に対する減少した暴露を経験しており、従って、大人の患者を供給源とする細胞と比較して、ゲノム突然変異の減少した蓄積を有するであるだろう(likely)。1つの実施形態において、内皮細胞は、臍帯血由来の造血幹細胞の機能を損なわない様式で、又は造血幹細胞数を実質的に減少させない様式で収集される。従って、本発明は、造血幹細胞移植における使用を背景とした臍帯血サンプルについての価値の増加をもたらす。
1つの実施形態において、本願に記載の発明は、治療的に価値のあるヒト臍帯血由来の造血幹細胞の最小限の減少をもって内皮細胞の効率的な収集を許容するシステムを提供する。1つの視点において、本発明は、再プログラミング能力を有し、従って潜在的に治療上の価値が大きい、臍帯血からの接着性内皮前駆細胞の同時の及び素早い単離を提供する。好ましい実施形態において、臍帯血の造血幹細胞をもたらす能力は、大いに維持されるか又は影響を受けていない。
ヒト臍帯血内皮前駆細胞は、Ficoll勾配遠心分離法及び単核細胞分画の直接的なプレーティングを使用して単離され得る。単離された細胞は、ゼラチン又はコラーゲンIコーティングされたプレート表面に直接的に蒔かれるか、又は前駆細胞マーカー(CD34及びCD133などであるがそれらに限定されない)に関する磁気ビーズを使用して更に精製した後に、プレートに蒔かれる。次に、細胞は、内皮細胞培養液を使用して数日間又は数週間培養される。この時点において、内皮細胞/前駆細胞の増殖した接着層は視認可能であり、抽出のために接取される。しかしながら、内皮前駆細胞の成長のためのインビトロ条件が造血幹細胞の維持を許容しないので、このプロセスは、造血性前駆細胞及び幹細胞を移植に不適切にさせる。そのような条件の下では、原始前駆細胞のラージスケールでの分化が生じる。さらに、レギュラー培地を交換すると、造血細胞分画が除去及び廃棄されるので、移植後に造血性システムを再構成することがもはやできない。
本発明は、造血細胞及び内皮細胞の両方の分離、保管及び使用によってヒト臍帯血治療上の価値を高める。1つの実施形態において、本発明は、細胞の培養、又は延長した期間の細胞の培養に依存しない。好ましい実施形態において、伝統的な治療的価値のある造血性幹細胞分画/前駆細胞分画の生存率及び機能が保存され、同時に生存可能でありかつ機能的な内皮細胞が単離される。
従来の研究では、臍帯血から内皮前駆細胞を単離する能力が示されている。これらの前駆細胞は、ラージスケールでの増殖及び複製のポテンシャルを有しつつ、内皮系統についての分化ポテンシャルを維持する。この個体群は、培養システムにおいてキャピラリー状の管状様構造を形成するその能力によって定義される。最近では、AC133+細胞及びCD34+内皮細胞を含む臍帯血由来の内皮細胞が、iPS細胞を効率的に生産することに使用され得ることが実証されている。このことは、これらの細胞を、胚性幹細胞に類似の特徴を有する多能性幹細胞状態へ効率的に再プログラムすることが可能であることを意味する。しかしながら、従来採用されている方法では、細胞の機能が損なわれるか又は害されるか、あるいは造血幹細胞数が減少しているかのいずれかであった。例えば、内皮細胞、そして造血性前駆細胞及び幹細胞は、それらの表面上にいくつかの共通のマーカー(CD34、CD31、VEGFR、及びAC133など)を発現する。かくて、これらのマーカーをターゲッティングすることによって臍帯血から内皮細胞を単離することは、内皮細胞、そして造血性前駆細胞及び幹細胞の混合物の単離を導く。これらの共通のマーカー(複数)をターゲッティングすることは、造血細胞の減少という結果ももたらす。例えば、磁気ビーズを用いたCD45+細胞に関するセレクションによる造血細胞の収量は、最良で70%である。つまり、造血細胞の収量においておよそ30%の減少が存在し、そして、細胞を処理するための時間を要するので、単離細胞の品質に対してかなりのリスクをもたらす。ソートベースの方法は、結果として高い純度の細胞分画をもたらすが、それらはおよそ50%のさらに低い収量を有する。
臍帯細胞全体での延長(extended)した培養は、造血細胞分画からの内皮細胞の分離のために使用される他の方法である。これらの細胞培養手法は、典型的には7〜14日間を要する。内皮細胞は、コロニーを形成するように蒔かれ、そして、それらは最終的にプレート上に接着層を形成するが、その一方では造血性分画は懸濁液内に残ったままであるか、弱い接着性を有するようになるのみである。そのような長い造血幹細胞の細胞培養は、又は短期間のインビトロインキュベーションへの暴露であったとしても、造血幹細胞(HSCs)の転写プロファイルを深刻に変化させ、そしてより重要なことに、HSCsの機能的な再増殖効率を低下させることが示されている。そのため、内皮細胞分画及び造血幹細胞分画の分離についての代わりの方法についてのニーズが存在する。
相対的に純粋な内皮細胞を臍帯から取得する代わりの方法は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)を単離する手法である。しかしながら、HUVECsを単離する手法は、細胞が臍帯自身の内皮に由来し、かつ臍帯の血管内に位置する臍帯血由来のものではないので、臍帯血を収集する際に、臍帯が廃棄される前に行わなければならない。HUVECsを収集する手法は、臍帯組織の処理(臍帯組織の手操作による単離及び乾燥、並びに酵素ベースの細胞脱集合化ステップ(例えば、トリプシン処理による)を含み、これらは全て臨床的に認可された細胞処理研究室の下で行われる)の必要性によって複雑化するので、この手法は世界中の病院のほとんどで不可能である。そのため、バイオバンクに現在保管されているほとんどの臍帯血サンプルは、HUVECsを含まない。さらに、HUVECsを収集する手法は、凍結及び保管のために顕著な数の内皮細胞が収集され得る前に数日間〜数週間を要する。しかしながら、ヒト臍帯から無菌の容器内へ血液を収集する手法は、世界中の多くの病院においてルーチン的に行われている。1つの実施形態において、本願によれば、臍帯血に存在する細胞タイプを分離する方法が提供される。従って、本発明は、これらの病院によって実行されている臍帯血収集の手法に顕著な影響を及ぼすことなく、使用の容易さ、無菌性、及び細胞材料の保存についての要求について対応する。
分娩室における典型的な臍帯血の収集は、先ず臍帯をクランプして切断すること、次に通常、閉鎖系カテーテルに取り付けられた臍帯静脈及び臍帯動脈に穴を開ける針を介して無菌収集バッグ内へ血液を抽出すること、又は単純に臍帯切断部の開口部から臍帯血を収集容器に吸い出すことの何れかによって、実行される。重力又は臍帯の物理的な操作は、臍帯から収集容器への血液の抽出を助ける。収集容器は、通常、抗血液凝固剤(例えば、ヘパリン硫酸、クエン酸又はEDTA)を含む。臍帯血サンプルが保管のために凍結される場合には、収集容器は、DMSOなどの凍結保護剤を含み得る。いくつかの視点において、例えば、上記に概説されるように臨床上のグレードの抗体結合磁気ビーズを使用して、臍帯血が前駆細胞/幹細胞の富化ないし濃縮(enrichment)のために処理される。
1つの視点において、本発明の実施形態は、造血幹細胞の生産及び再増殖能力を保存しつつ、臨床的に価値のある内皮細胞タイプを取得するために、ヒト臍帯血由来の造血細胞からの内皮前駆細胞の分離のための迅速でかつ臨床的に適用可能なシステムを提供する。この実施形態は、臍帯血サンプルの更なる使用を許容する。1つの実施形態において、新規に収集された臍帯血サンプルが使用される。他の実施形態において、予め処理及び保管された凍結サンプルが使用される。1つの視点において、臍帯血の全分画又は単核細胞分画のサンプルが使用される。他の視点において、前駆細胞富化ないし濃縮の処理を受けたサンプルが使用される。1つの視点において、本発明は、造血細胞分画及び内皮細胞分画の間の細胞表面接着性の特徴における差の利点を利用し、それによって2細胞タイプの分離が可能になる。1つの実施形態において、臍帯血サンプルは、コーティングされたプレート上に蒔かれる。分離手法は、プレート上での細胞の短時間のインキュベーション(臨床環境(bedside)で実施され得る)の後に実行される。本発明は、造血細胞の減少した生存率、収量及び品質を結果的に導く現在の技術の限界を克服する。
リガンド親和性及び時間依存的な結合に関する、臍帯血の造血細胞及び内皮細胞の異なる及び特異的に結合する特徴の適切な使用が、これらの2細胞タイプの分離に採用され得る。例えば、内皮細胞は、これらの細胞とこれらのニッチ細胞(niche cells)の間のシグナリングを促進する細胞結合因子であるV−CAM、VE−カドヘリン、E−セレクチン及びVLA−1(インテグリンα1β1)を発現する。従って、これらの及び他の内皮細胞マーカーは、これらのマーカーを発現しないか、又は内皮受容体に若干接着するのみである造血細胞からのこれらの細胞の分離に特異的に活用される。造血分画は、懸濁性細胞タイプであると考えられるが、CXCR4などのこれらの細胞上で発現する弱い接着リガンドが存在する。CXCR4は、細胞外マトリックスの構成要素であるフィブロネクチンに結合するケモカインSDF−1に結合する。さらに、VLA−1及びVLA−4などのインテグリンも造血細胞上に発現し、VLA−1及びVLA−4はそれぞれコラーゲン及びVCAM1に対して結合する。非組織のダメージを受けている造血細胞タイプ(non-tissue damaged hematopoietic cell types)には、更なる弱い接着性因子が存在する。本発明は、造血細胞及び内皮細胞の分離のための、上述の内皮接着性因子のリガンド又はエピトープでコーティングされた細胞収集デバイス、容器又は培養チャンバを提供する。
本発明において、無菌のプレコーティングされた容器内での特異的な接着性因子に対する暴露の後に、最近に解凍したもしくは鮮度よく取得した臍帯血、又は前駆細胞を豊富化(enriched)した細胞分画を分離することができる。特異的なコーティングは、特異的なポリマー/タンパク質混合物によって達成することができる。更に、細胞外マトリックス又はその構成要素(例えば、ゼラチン又はコラーゲンI)に類似のコーティング剤が採用され得る。コーティングは、処理の間に細胞の生存率を維持するために、最小サポート培地(臨床使用グレード)によってカバーされる。いくつかの実施形態において、単核細胞を豊富化した臍帯血サンプル、又は前駆細胞もしくは幹細胞を豊富化した臍帯血サンプルが、プレート又は皿に、100cmあたりおよそ1000万細胞で蒔かれ得る。いくつかの実施形態において、細胞サブタイプ富化に関して処理されていない臍帯血サンプル、又は赤血球の減少に関して処理されていない臍帯血サンプルが、プレート又は皿に、100cmあたりおよそ1億細胞で蒔かれる。1つの実施形態において、培地の総合の体積は、少なくとも100cmあたり10mLである。1つの視点において、プレートに蒔く際に、細胞及び培地(media)を含む容器は、細胞が容器の表面に接着することを許容するように、固体表面(solid surface)上に置かれるようにする。いくつかの視点において、細胞は、結合親和性、及び分離容器において使用した特異的なコーティングの特徴に依存して、室温で、セ氏4度の冷蔵庫内で、又はセ氏37度のインキュベーター内でインキュベートされる。いくつかの実施形態において、5分以内で大多数の内皮細胞がコーティング表面に対してルースに接着する。他の実施形態において、例えば、媒体(media)用いた3ラウンド(回)の洗浄で表面が洗浄されて、非接着性の造血細胞分画が除去され得るように、15分までに細胞は十分に接着する。洗浄液(wash)からの懸濁液中の造血細胞は、凍結保護剤を使用した凍結のために処理され得る。同時に、コーティング表面上の残りの接着性内皮細胞分画は、凍結及び保管のための凍結保護剤を含む媒体(media)内に再び沈められる。他の実施形態において、コーティング表面上の残りの接着性内皮細胞分画は、引き続きの内皮細胞の培養及び増殖のために、細胞が適切な内皮細胞培地(media)内で更に培養され得るように穏やかなトリプシン処理によって処理されて、細胞がコーティングから離脱する。
臍帯血が、血液を直接的に収集するための針及びカテーテルシステムを使用する無菌様式で収集される場合には、本発明は、患者のベットサイド(bedside 臨床環境)で実施され得る細胞分離手法も提供する。1つの実施形態において、そのような臨床的分離手法は、無菌のプレコーティングされた分離容器内への直接的なカテーテル吸引、続いて、収集した臍帯血のインキュベーション、そして新たなる非コート容器内への造血分画の洗浄で実行される。1つの視点において、本発明は、直接的な凍結及び保管のための連結された2容器閉鎖系収集システムを提供する。1つの好ましい実施形態において、本発明は、研究室セッティング内での細胞の培養又は処理に関する必要性(ニーズ)を解消する。
単離された細胞及び細胞分画を増殖させる、再プログラミングする、及び分化させる方法、そして、例えば、細胞及び組織生産、再生性の及び個人専用(ないしテイラー:personal)医薬品、病気、処置及び他のプロセスのためのそれらを使用する方法も提供される。
臍帯血サンプルの使用を最適化する方法も提供される。いくつかの視点において、そのような方法は、そうしなければ使用不可能な、医学的に適切な細胞分画構築成分(constituent)の使用を許容する。1つの視点において、そのような方法及び細胞分画は、以下の2つの使用を許容することによって、既に確立された臍帯血ドナーバンクの価値を高めることに有用である:(1)患者における造血性再構築のために細胞を使用すること、及び(2)再生性の薬用目的で臍帯血に存在する他の細胞を使用すること。
C.臍帯血収集及び細胞分離のためのデバイス
本発明は、上述の方法の主要な作用を採用する臍帯血材料の細胞構成要素(components)の効率的な収集及び分離のためのデバイスにも関連する。1つのそのような実施形態は、容器の1つが内皮細胞の接着ためにプレコーティングされた無菌の2容器閉鎖系収集システムを含む。臍帯血サンプルが処理準備状態(分離収集容器内に鮮度よく収集されているか、又は前駆細胞富化(enrichment)の処理が施されて別個の一時的な保管容器内に容れられているか、又は保管容器内で最近に解凍されているかのいずれか)である場合に、臍帯血又は細胞富化物は、内皮細胞接着性コーティングを有する容器(容器1)に移される。容器1への臍帯血材料の移し替えは、血液又は細胞を含む収集/保管容器からコーティングされた容器1内への針及びカテーテルチューブを介して、収集/保管容器と容器1とを直接的に連通することによって実行できる。容器1への移し替えの後に、フラットで水平な表面に使用された接着性因子に依存する適切な時間及び適切な温度で、細胞がインキュベートされる。細胞接着インキュベーションステップの後に、懸濁液中の細胞の非接着性分画は、無菌チューブを介してコーティングされたバッグに連通された造血細胞収集容器(容器2)に移される。次に、容器1に取り付けられた1以上の別個の密封貯留チャンバ内に貯留された洗浄媒体(ないし培養液:wash medium)が、3回の別個の洗浄ステップ(各々25−100mL)において、容器1内へ移され得る。1つの実施形態において、止水コックバルブ又は均等の構造が、媒体チャンバ及び容器1の間のチューブ上に配される。次に、造血細胞の懸濁液を含む洗浄媒体が、閉鎖系チューブを介して造血細胞収集容器(容器2)へ移される。この構造において、止水コックバルブシステム又は均等物が再び採用され得る。移し替えの後に、容器1内の接着性分画は培養液(media)内に再度沈(re-submerged)められ、凍結保護剤が入った予備チャンバが、適切な量の凍結保護剤を放出するように開けられ、そして接着細胞が直接的に凍結される。容器2は、予備の凍結保護剤バッファチャンバも有し、従って造血細胞懸濁液を直接的に凍結することができる。
針及びカテーテルチューブを取り付けたプレコーティングされた容器1は、臍帯から直接的に臍帯血を収集することに使用することができる。このことは、収集に続いて直ちに分離を行うことを許容する。上記に詳細に述べたように、造血細胞及び内皮細胞の分離が生じる。このシステムは、臨床環境(ベッドサイド)で無菌性を有しつつ実行され得る閉鎖系システム内での臍帯血細胞分画のすばやくかつ簡単な処理を許容する。
D.臍帯血由来の細胞の単離、培養、継代培養、再プログラミング及び分化
例えば、本願において提供される方法及び装置を使用して収集した、臍帯血からの細胞の単離のための方法も提供される。
細胞は、収量を決定するためにカウントされることができる。1つの実施形態において、本発明の手法は、少なくとも又は約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%の生存可能な細胞を産出する。好ましい実施形態において、本発明の手法は、少なくとも又は約50%の生存可能な細胞を産出する。
いくつかの実施形態において、単離された細胞は、例えば、細胞を増殖するために培養される。一例において、細胞は、培養液受容器(例えば、所望の細胞タイプに適した成長培地を含むフラスコ)に移される。1つの実施形態において、繊維芽細胞成長培地が使用される。1つの実施形態において、間葉幹細胞成長培地が使用される。1つの実施形態において、内皮細胞成長培地が使用される。1つの実施形態において、小気道上皮細胞成長培地が使用される。いずれかの理論に拘束されることなく、他の細胞培養液(culture medium)が、ある実施形態において使用され得る。1つの視点において、単離された細胞は、培地内で少なくとももしくは約1週間、2週間、3週間、4週間又は5週間培養される。ある視点において、単離された細胞は、培地内で少なくとももしくは約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30日間培養される。フローサイトメトリー、顕微鏡検査及び他の既知の手法が、培養された細胞の挙動及び表現型を評価することに使用され得る。
1つの実施形態において、細胞は、例えば、継代培養において増殖される。一例において、細胞は少なくとももしくは約10、20、30、40、50、60又は70日間、あるいは30回の個体群ダブリング、あるいは細胞が少なくとも1万倍〜、10万倍〜、20万倍〜、30万倍〜、40万倍〜、50万倍〜、100万倍〜、200万倍〜又は300万倍〜に増殖するまで、あるいは細胞が老齢期に達するまで、あるいは細胞が老齢期に達する直前まで増殖される。
1つの実施形態において、子宮内の低い酸素テンションに対応する低酸素状態の二次培養によって、Oct−4の高い発現が維持される。
例えば、再生治療上の適用などのための所望のタイプの細胞又は組織を生産するための、細胞を再プログラミング及び分化する方法も提供される。ある実施形態において、細胞は、多能性の又は多分化能を有するステージなどの低い分化ステージ(ないし未分化ステージ:less-differentiated stage)まで再プログラムされる。多能性幹細胞(iPSC)の誘導などの再プログラミング方法は、よく知られており、細胞の分化を逆戻りさせて、多能性の又は多分化能を有する細胞を生産することに使用され得る。該方法の例は、Takahashi and Yamanaka, 2006, Cell 126(4): 663-676, and in Yu et al., 2007, Science 318(5858): 1917-1920に記載されている。
いくつかの実施形態において、当該細胞、例えば、多能性の又は多分化能を有する細胞は、所望の細胞又は組織タイプに分化される。1つの視点において、当該細胞は、所望の細胞タイプ又は組織タイプ、例えば、内胚葉、外胚葉又は中胚葉由来の組織、即ち肝臓細胞又は組織、内分泌組織、肺細胞又は組織、血液細胞、骨髄細胞、神経細胞、アストログリア細胞、心臓細胞又は組織(例えば心筋細胞)、眼球細胞又は組織、神経細胞又は組織、脳細胞又は組織、筋肉細胞又は組織、皮膚細胞又は組織、膵臓細胞又は組織(例えばβ細胞)、脂肪形成細胞、軟骨形成細胞、骨形成細胞及び神経細胞などの生産のための条件下で培養される。ある実施形態において、当該細胞は、神経細胞、肝細胞、膵臓ランゲルハンス島の細胞、腎臓細胞、造血細胞、及び他の細胞タイプに分化される。いくつかの実施形態において、細胞は、3胚葉の全てを表す(representing)細胞タイプに分化される。いくつかの実施形態において、当該細胞は、再プログラミング後に、3胚葉に亘る(across)効率的な分化キャパシティを維持する。1つの視点において、当該細胞は、ヒト胚性幹細胞又は細胞系統と比較してより高い血液生産キャパシティを有する。そのようなヒト胚性幹細胞系統の1つはH9である。他の視点において、当該細胞は、100%に近い神経細胞分化キャパシティを有する。いくつかの実施形態において、当該細胞は、骨芽細胞又は脂肪細胞に分化される。
分化方法は良く知られている。いくつかの既知の方法のいずれかが、この実施形態に関連して使用され得る。例えば、米国特許7,596,385号、米国特許公開US2005/0054093号及びUS2005/0042595号(全て、Haas氏による)そして米国特許公開US2005/0124003号及び国際特許出願WO03/042405号(Atala氏らによる)に記載される方法、そして、「Teratocarcinomas and embryonic stem cells: A practical approach,」 E. J. Robertson, ed., IRL Press Ltd. 1987;「Guide to Techniques in Mouse Development,” P. M. Wasserman et al. eds., Academic Press 1993;「Embryonic Stem Cell Differentiation in vitro,」 M. V. Wiles, Meth. Enzymol. 225: 900, 1993;「Properties and uses of Embryonic Stem Cells Prospects for Application to Human Biology and Gene Therapy,」 P. D. Rathjen et al., Reprod. Fertil. Dev. 10: 31, 1998;及び「Stem cell biology」 L. M. Reid, Curr. Opinion Cell Biol. 2: 121, 1990に記載される方法。
特定の細胞タイプへの分化に関して、米国特許6,506,574号(Rambhatla氏らによる)に記載される薬剤などの分化誘導剤、熟成剤、熟成因子も良く知られている。例えば、肝臓細胞への分化のためのN−ブチラート、他の熟成剤、熟成因子、増殖因子、ペプチドホルモン、サイトカイン、リガンド受容体複合体、コルチコステロイド、レチノイン酸、DMSOなどの有機溶媒、cAMP−増加剤を有する糖質コルチコイド、メチルイソブチルキサンチン及びインドメタシンなど。分化剤(単数又は複数)の選択は、所望の細胞又は組織タイプに依存するだろう。
本願において提供される細胞、組成物及び組織(例えば、分化した細胞など)は、病気の処置に有用である。病気は以下のものであるが、それらに限定されない:不妊症、肝硬変、膵臓炎、糖尿病、パーキンソン病、脊髄損傷、脳卒中(発作)、やけど、心臓病、変形性関節症、リウマチ性関節炎、癌(白血病(例えば、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、急性二重表現型(形質性)白血病及び急性未分化白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、若年性慢性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病)、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病)、多発性骨髄腫、血漿細胞白血病、乳癌、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、腎細胞癌など)、遺伝学的な血液疾患、脳疾患(アルツハイマー病など)、難治性貧血症、環状鉄芽球を伴う難治性貧血症、過剰芽細胞を伴う難治性貧血症、形質転換型過剰芽細胞を伴う難治性貧血症、再生不良性貧血症、ファンコニー貧血症、発作性夜間ヘモグロビン尿、赤芽球癆、急性骨髄線維症、原発性骨髄異質症、骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、チェディアック・東症候群、慢性肉芽腫性疾患、好中球アクチン欠乏症、網膜性異形成症、ムコ多糖症、ハーラー症候群、シャイエ症候群、ハンター症候群、サンフィリッポ症候群、モルキオ症候群、マロト・ラミー症候群、スライ症候群、β−グルクロニダーゼ欠乏症、副腎白質萎縮症、ムコリピドーシスII型、クラッベ病、ゴーシェ病、ニーマン・ピック病、ウォルマン病、異染性白質ジストロフィー、家族性血球貪食性リンパ組織球症、組織球増殖症−X、赤血球貪食現象、遺伝性赤血球異常、重症型βサラセミア、鎌状赤血球症、遺伝性免疫システム疾患、血管拡張性失調症、コストマン症候群、白血球接着欠乏症、ディジョージ症候群、裸リンパ球症候群、オーメン症候群、重症複合免疫不全症、分類不能型免疫不全症、ウィスコット・アルドリッチ症候群、X連鎖リンパ増殖性疾患、他の遺伝性疾患、レッシュ・ナイハン症候群、軟骨毛髪形成不全症、グランツマン血小板無力症、大理石骨病、遺伝性血小板異常、無巨核球形成症、先天性血小板減少症、形質細胞障害及びワルデンストロームマクログロブリン血症。
ある実施形態において、当該細胞は、角膜上皮疾患、軟骨修復、顔面削皮術、やけど及び皮膚の外傷性損傷のための創傷被覆材、粘膜、鼓膜、腸内膜、及び神経学的構造の処置を含む自己の/異種性の組織再生/補填(replacement)療法において使用される。例えば、心筋パフォーマンスの増強は、心筋パフォーマンスを増強して末期心臓病を処置するための、ダメージを受けた心筋への細胞の移植(細胞性心筋形成術(CCM))によって達成できる。当該細胞は、例えば、Cao et al., 2002, ”Stem cell repair of central nervous system injury,” J Neuroscience Res 68: 501-510に記載されるように、いくつかのCNS疾患の治療にも使用され得る。当該細胞は、細胞シート、脱凝集細胞、及び分化した細胞が生成されている組織の再生のための担体に包埋される細胞の外科移植によるダメージを受けた組織の再構築的な処置にも使用され得る。細胞は、遺伝子操作組織構築物においても使用され得る。そのような構築物は、細胞成長に適した骨格(scaffold)形状に形成された生体適合性ポリマーを含む。骨格は、熱バルブ、器状(管状)、平面構築物又はいずれかの他の適切な形状に形成され得る。そのような構築物は、WO02/035992号及び米国特許6,479,064号、6,461,628号に記載されるものなどのように、良く知られている。
上記では、明瞭性の目的で、細胞収集デバイスの異なる機能的なユニット及び/又はモジュールを参照しつつ本発明の実施形態を記載していることが分かるだろう。しかしながら、異なる機能的なユニット(複数)、モジュール又はドメインの間の機能の適切な分配(distribution)のいずれかが本発明を逸脱することなく使用され得ることは明らかだろう。例えば、別個のモジュール(複数)によって実行されるように記載された機能は、同一のモジュール(単数)によって実行され得る。特定の機能的ユニットの参照は、厳密な論理的又は物理的な構造又は機構を示すというよりは、むしろ、記載した機能を提供するのに適する手段の参照としてのみ見られるべきものである。
本願において使用される用語及び語句、そしてそれらのバリエーションは、他に明確に記載されない限り、限定の反対としての開放型表現として解釈される。上述の例のように、用語「含む」は、「含む(限定なし)」という意味で読まれ、又は同様に、用語「例」は、議論中のアイテムの例を提供するために使用され、その余すところのない又は限定的なリストではなく、「従来の(conventional)」、「伝統的な(traditional)」、「ノーマルな(normal)」、「標準の(standard)」、「既知の(known)」などの形容詞及び類似の意味の用語は、所与の期間について記載されたアイテム又は所与の時間として利用可能なアイテムを限定するようには解釈されない。しかし、その代わりにこれらの用語は、現在又は将来のいずれかの時点で利用可能であり知られている、従来の、伝統的な、ノーマルな又は標準の技術を含むように読まれるべきものである。同様に、接続詞「及び(and)」で連結されたアイテムの群は、それらのアイテムの各々及び全てが群に存在することを必要とするとものして読まれるものではなく、むしろ他に明確に記載されない限り、「及び/又は(and/or)」として読まれるべきものである。同様に、接続詞「又は(or)」で連結したアイテムの群は、群の中での相互の排他性を必要とするものとして読まれるものではなく、むしろ他に明確に記載されない限り、「及び/又は(and/or)」として読まれるべきものである。更に、開示のアイテム(複数)、因子(複数)又は構成要素(複数)の記載は単数形で表記され得るが、複数であることは、単数であることが明確に記載されない限りその範囲内である。例えば、「a」デバイスは、1以上のデバイスを含む。いくつかの例において、「1以上(one or more)」、「少なくとも(at least)」、「限定されない」又は他の同様のフレーズなどの、広義の語句の存在は、そのような広義の語句が存在し得ない例においてより狭いケースが意図される又は必要とされることを意味すると読まれるべきものではない。
本発明の種々の実施形態が上記されているが、それらは例示に過ぎず、限定的なものではないことが理解される。同様に、種々の図は、開示の構造の一例又は他の形態を示し得るが、本発明に含まれ得る特徴及び機能についての理解を助けるためのものである。本発明は、図示の例の構造又は形状に限定されず、多種多様なその他の構造及び形態を使用して実施され得る。更に、本発明は、種々の実施形態及び実施の例に関して上記されているが、1以上の個々の実施形態において記載された種々の特徴及び機能は、それらの適用可能性において、記載されている特定の実施形態に限定されないと理解される。その代わりに、種々の特徴及び機能は、そのような実施形態が記載されているか否か、及びそのような特徴が記載した実施形態の1部分として存在するか否かに関わらず、単独又はいくつかの組み合わせで、本願の1以上の他の実施形態に適用され得る。つまり、本発明の広さ及び範囲は、上記の実施形態の例のいずれかに限定されない。
以下の実施例は、本発明の種々の視点を更に記載及び示すことを意図するものであり、明示的、暗示的のいずれであっても、本発明の範囲をいずれかの様式、形状又は形式に限定するものではない。
実施例1:鮮度よく(freshly)収集された臍帯血からの細胞の単離
鮮度よく収集された臍帯血を、単核細胞又はCD34+細胞の単離について処理した。将来的な適用のための凍結及び液体窒素内での保管の前に、別途の細胞増殖、凍結、保管、及び再プログラミングの目的のために、単核でかつCD34+の個体群の中から内皮前駆細胞を単離した。臍帯血単核細胞全体、又は磁気ビーズで単離されたCD34+造血性幹細胞及び前駆細胞を、ビトロネクチン、ゼラチン又はコラーゲンIでコーティングされた組織培養皿に蒔いた。細胞接着を許容するためのおよそ5〜10分間のインキュベーションの後に、造血細胞分画(臍帯血の非接着細胞分画を含む)を、生理食塩水溶液又は類似の媒体を用いた3回の洗浄で洗い出した。造血細胞分画を350RCFでの遠心分離を介して処理して、その後の凍結及び保管のための、適切な凍結培地内での再懸濁用のペレットを取得した。
次に、最初にプレートに蒔かれた細胞の増殖後に、残りの接着性内皮細胞前駆細胞を商業的に利用可能な内皮細胞培地内で、内皮細胞コロニーが形成されるか又はプレートコンフルエンシイ(斑点の会合ないし融合状態:confluency)に到達するまで、37℃で培養した。次に、内皮細胞分画を将来的な再プログラミングに使用するために、液体窒素内で凍結及び保管した。図1に示すように、新鮮な臍帯血細胞は内皮細胞分画(CD45−CD34+CD31+)及び造血性分画(CD45+)の両方を含む。10日間の全細胞培養の後に、内皮細胞分画は、大多数が接着性CD34+CD31+表現型になった。新鮮な臍帯血細胞は、CD133+及びネガティブな細胞と、内皮細胞マーカーであるVE−カドヘリン及びVEGFR2を発現する少数の細胞も含む。内皮細胞の10日間の培養の後に、VE−カドヘリン及びVEGFR2発現する内皮細胞のパーセンテージが顕著に増加する。
内皮細胞分画を解凍してプレートに蒔く際に、内皮細胞培地内で、ゼラチン又はコラーゲンIでコーティングされた組織培養プレート上で、細胞を70%のプレートコンフルエンシイまで培養した。次に、再プログラミング因子OCT4、SOX2、KLF4、C−MYC及びLIN28のレンチウイルスベクターを用いて、細胞を形質転換した。インビボでのテラトーマ形成アッセイによって確認されるように、細胞は、多能性幹細胞状態に再プログラムされた。細胞を免疫寛容マウスに移植し、3胚葉全ての存在を確認した。多能性のマーカーについてのQ−PCRも実行して、臍帯血から単離され、再プログラムされた内皮細胞の多能性幹細胞状態を確認した。そのときに、多能性幹細胞を、適切な分化システムを使用して神経細胞系統及び造血細胞系統に分化させることができた。
実施例2:凍結された臍帯血からの細胞の単離
臍帯血から単離された単核又はCD34+細胞の凍結サンプルを解凍して、ゼラチン又はコラーゲンIでコーティングされた組織培養皿に蒔いた。細胞接着させるためのおよそ5−10分間のインキュベーションの後に、生理食塩水溶液又は類似の媒体(medium)を用いた3回の洗浄で、造血細胞分画(臍帯血の非接着細胞分画を含む)を洗い出した。造血細胞分画を350RCFでの遠心分離を介して処理して、その後の凍結及び保管のための、適切な凍結用媒体内での再懸濁用のペレットを取得した。次に、最初にプレートに蒔かれた細胞の増殖後に、商業的に利用可能な内皮細胞培地内で、内皮細胞コロニーが形成されるか又はプレートコンフルエンシイに到達するまで、商業的に利用可能な内皮細胞培地内で残りの接着性内皮細胞前駆細胞を37℃で培養した。次に、将来的な再プログラミングに使用するために内皮細胞分画を液体窒素内で凍結及び保管した。
実施例3:臍帯血からの細胞の収集及び分画のためのデバイス
本発明は、上述の方法の主要な作用を採用する臍帯血材料の細胞構成要素の効率的な収集及び分離のためのデバイスにも関連する。1つのそのような実施形態は、容器の1つが内皮細胞の接着ためにプレコーティングされた無菌の2容器閉鎖系収集システムを含む。臍帯血サンプルが処理準備状態(分離収集容器内に鮮度よく収集されているか、又は前駆細胞富化の処理が施され別個の一時的な保管容器内に容れられているか、又は保管容器内で最近に解凍されているかのいずれか)である場合に、臍帯血又は富化細胞は内皮細胞接着性コーティングを有する容器(容器1)に移される。容器1への臍帯血材料の移し替えは、血液又は細胞を含む収集/保管容器に対して容器1を、該容器からの針及びカテーテルチューブを介して、コーティングされた容器1内へ直接的に連通することによって実行できる。容器1への移し替えの後に、フラットで水平な表面に使用された接着性因子に依存する適切な時間及び適切な温度で、細胞がインキュベートされる。細胞接着インキュベーションステップの後に、懸濁液中の細胞の非接着性分画は、無菌チューブを介してコーティングされたバッグに連通された造血細胞収集容器(容器2)に移される。次に、容器1に取り付けられた別の密封保管チャンバ内に貯留された洗浄媒体(ないし培養液:media)が、3回の別個の洗浄ステップ(各々25−100mL)において、媒体チャンバ及び容器1の間のチューブ上に配された止水コックバルブ又は均等の構造を使用して、容器1内へ移され得る。次に、造血細胞の懸濁液を有する洗浄媒体が、止水コックバルブシステム又は均等システムも有する閉鎖系チューブを介して造血細胞収集容器(容器2)へ移される。移し替えの後に、容器1内の接着性分画は媒体に再度沈められ、凍結保護剤が入った予備チャンバが、適切な量の凍結保護剤を放出するように開けられ、そして接着細胞が直接的(ないし直ちに:directly)に凍結される。容器2は、予備の凍結保護剤バッファチャンバも有し、従って造血細胞懸濁液は直接的に凍結されることができる。
針及びカテーテルチューブが取り付けられ、プレコーティングされた容器1は、臍帯から直接的に臍帯血を収集することに使用されることができる。このことは、収集に続いて直接的に分画を行うことを許容する。上記に詳細に述べたように、造血細胞及び内皮細胞の分離が生じる。このシステムは、臨床環境(ベッドサイド)で無菌性を有しつつ実行されることができる閉鎖系システム内での臍帯血細胞分画のすばやくかつ単純な処理を許容する。
本願の全体に渡って、種々のウェブサイトデータの内容、出版、特許出願及び特許が参照される(ウェブサイトは、ユニフォームリソースロケータ又はURL、ワールドワイドウェブ上のアドレスによって参照される)。これらの引用文献の各々の開示はその全体が引用によって本願に組み込まれる。
本発明は、本発明の個々の視点についての一描写として意図される本願に開示された実施形態によって範囲が限定されるものではなく、機能的に均等ないずれかの物は本発明の範疇内である。本発明のモデル及び方法における種々の変更は、本願に記載のものに加えて、上述の記載及び教示から本発明の技術分野における通常の知識を有する者には明白だろうし、同様に本発明の範疇内であることが意図される。そのような変更又は他の実施形態は、本発明の本当の範囲及び精神から逸脱すること無く実施されることができる。

Claims (22)

  1. 内皮細胞又は内皮前駆細胞、及び血行性前駆細胞を単離する方法であって、
    (a)プレートの表面に臍帯血サンプルを蒔くステップと、
    (b)プレート表面へ臍帯血サンプル内の細胞を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、又は60分間接着させるステップ(但し、前記ステップ(b)において接着細胞が前記内皮細胞又は内皮前駆細胞を含む)と、
    (c)接着細胞から非接着細胞を分離するステップ(但し、前記ステップ(c)において、非接着細胞が血行性前駆細胞を含む)と、
    を含む方法。
  2. 前記ステップ(c)において、前記非接着細胞を処理することを更に含む請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(c)においてプレート表面からの接着細胞の顕著な脱落を生じないことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の接着細胞が、ステップ(c)後のプレート表面に接着したままであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  5. 臍帯血サンプルがヒト由来であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 臍帯血サンプルが鮮度よく収集されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 臍帯血サンプルが凍結されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 臍帯血サンプルが単核細胞富化の処理を受けたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 臍帯血サンプルが単核細胞富化の処理を受けていないものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 臍帯血サンプルが造血性前駆細胞富化及び/又は造血幹細胞富化の処理を受けたものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 臍帯血サンプルが造血性前駆細胞富化及び/又は造血幹細胞富化の処理を受けていないものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  12. 臍帯血サンプルが0℃及び37℃の間の温度でプレートに蒔かれることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. プレート表面が、コラーゲンI又はゼラチン、あるいは類似の細胞外マトリックス構成要素、もしくはいずれかのそれらの組み合わせでコーティングされることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 造血細胞の生存率、原始性及び/又は再増殖能力を維持することを更に含む請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 内皮細胞の生存率及び/又は原始性を維持することを更に含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 単離された内皮細胞を、幹細胞又は前駆細胞へと再プログラミングすることを更に含む請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 請求項2〜16のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記血行性前駆細胞を増殖させるステップを更に含み、更に任意的に、
    (1)増殖した血行性前駆細胞集団からより原始性の細胞を単離するステップ、又は
    (2)血行性前駆細胞を幹細胞又は前駆細胞へと再プログラミングするステップ
    を更に含む方法。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法であって、
    (a)単離された内皮細胞を、幹細胞又は前駆細胞へと再プログラミングし、そして、該幹細胞又は前駆細胞を体細胞へと分化させるステップ、又は
    (b)単離された内皮細胞を、直接的に体細胞へと再プログラミングするステップ
    を更に含む方法。
  19. 2容器デバイスが臍帯血サンプルからの細胞の単離に使用され、
    前記2容器デバイスが容器同士の間での懸濁液中の細胞の移行に関する止水コック流路制御機構を備えた2つの容器及び無菌チューブを含み、
    前記容器の一方が内皮細胞の接着のためにプレコーティングされており、かつ、他方の容器が造血細胞収集容器である、
    ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記2容器デバイスが、洗浄ステップ及び容器への細胞移行を容易にするための、止水コック流路制御機構を備えた閉鎖系システムに取り付けられる媒体(media)チャンバを更に含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記2容器デバイスが、容器への凍結保護剤の投与を容易にするための1以上の予備チャンバを更に含む、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 前記2容器デバイスが、低酸素ガス、正常酸素ガス又は高酸素ガスを予め充填したものであることを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。
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