JP2016507580A - 置換フェニルヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン化合物 - Google Patents

置換フェニルヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)の構造を有し、可変基R1およびR2が明細書において定義されているとおりである化合物、その開示されている化合物の互変異性体、および薬学的に許容できる塩を対象とする。対応する医薬組成物、治療方法、合成方法、および中間体も開示する。【化1】

Description

本発明は、β部位アミロイド前駆体タンパク質(APP)切断酵素1(BACE1)の阻害剤およびBACE2の阻害剤である低分子化合物および薬学的に許容できるその塩に関する。本発明は、アミロイドタンパク質の神経沈着物の形成の一因となり得るA−βペプチドの産生を阻害することに関する。本発明はまた、ヒトを含めた哺乳動物におけるアルツハイマー病(AD)ならびに他の神経変性障害および/または神経障害の治療、さらには、糖尿病の治療に関する。より詳細には、本発明は、A−βペプチドの産生に関連するADおよびダウン症候群などの神経変性障害および/または神経障害の治療に有用なチオアミジン化合物および薬学的に許容できるその塩に関する。
認知症は、多種多様な特有の病理学的経過の結果として生じる。認知症を引き起こす最も一般的な病理学的経過は、アルツハイマー病(「AD」)、脳アミロイド血管障害(「CM」)およびプリオン媒介疾患である(例えば、Haanら、Clin.Neurol.Neurosurg.、1990、92(4):305〜310;Glennerら、J.Neurol.Sci.、1989、94:1〜28を参照されたい)。ADは、記憶障害および認知機能障害によって特徴付けられる進行性の神経変性障害である。ADは、米国人口の最も急速に増加している部分である85歳を超える人全ての半数近くが罹患する。したがって、米国におけるAD患者の数は、2050年までに約400万人から約1400万人に増加することが予想される。
アミロイド−β(Aβペプチド)の蓄積は、高齢者における認知低下の最も一般的な原因であるアルツハイマー病(AD)の根本的な原因の1つであると考えられている(Hardy & Allsop、Trends Pharmacol Sci.、1991;12(10):383〜8;Selkoe、Behav.Brain Res.、2008;192(1):106〜13)。アミロイド斑の主なタンパク質成分であるAβは、2種のプロテアーゼ、β−およびγ−セクレターゼによるI型内在性膜タンパク質、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の連続切断に由来する。β部位APP切断酵素(BACE1およびBACE2)によるAPPのタンパク質分解性切断により、APPの可溶性N末端エクトドメイン(sAPPβ)およびC末端断片C99が生成する。γ−セクレターゼによる膜結合C99断片のその後の切断により、Aβ40およびAβ42が最も優勢な形態である様々なAβペプチド種が遊離する(Vassarら、J.Neurosci.、2009;29(41):12787〜94;Marks & Berg、Neurochem.Res.、2010;35:181〜210)。したがって、BACE1阻害剤は、全ての優勢なAβペプチドの形成を有効に阻害することができるであろうために、BACE1の阻害により直接的にAβの生成を制限することは、ADを治療するための最も魅力的な手法の1つである。
加えて、BACE1ノックアウトマウスは、変性線維からの軸索デブリおよびミエリンデブリのクリアランスと、軸索再生の促進と、同腹子対照と比較して早い神経筋接合部の神経再支配とを顕著に強化したことが決定されている。これらのデータは、末梢神経損傷後の再生および回復を促進する治療手法としてのBACE1阻害を示唆している(Farahら、J.Neurosci.、2011、31(15):5744〜5754を参照されたい)。
インスリン抵抗性およびグルコース恒常性障害は、2型糖尿病の重要な指標であり、ADの初期危険因子である。特に、2型糖尿病の患者には、より高い散発性ADのリスクがあり、AD患者は、2型糖尿病をより発症しやすい(Butler, Diabetes、53:474−481, 2004)。最近、ADを3型糖尿病として再考すべきであるとも提案されている(de la Monte、J.Diabetes Sci.Technol.、2008;2(6):1101〜1113)。ADおよび2型糖尿病は、共通の発病機構を、また、ことによると共通の治療を共有するという事実は、特に重要である(Park S.A.、J.Clin.Neurol.、2011;7:10〜18;Raffa, Br.J.Clin.Pharmacol 2011、71(3):365〜376)。BACE活性の生成物であるAβの血漿中レベルの上昇は最近では、ヒトにおける高血糖症および肥満に関連付けられた(Meakinら、Biochem J.、2012、441(1):285〜96.;Martins、Journal of Alzheimer’s Disease、8(2005)269〜282を参照されたい)。さらに、Aβ産生の増大は、マウスにおけるグルコース不耐性およびインスリン抵抗性の発症を刺激する(Cozar−Castellano、Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.、302:E1373〜E1380、2012;Delibegovic、Diabetologia(2011)54:2143〜2151)。最後に、Aβの循環は、ヒトおよびマウスの両方におけるアテローム硬化症の発生に関係し得るであろうことも示唆されている(De Meyer、Atherosclerosis 216(2011)54〜58;Catapano、Atherosclerosis 210(2010)78〜87;Roher、Biochimica et Biophysica Acta 1812(2011)1508〜1514)。
したがって、慢性的な栄養分過剰の状態では、BACE1レベルがグルコースおよび脂質の恒常性において重要な役割を果たし得ると考えられている。具体的には、BACE1の低減がマウスにおいて体重を減少させ、食事性肥満を予防し、インスリン感受性を増強するという事実によって例示されるとおり、BACE1阻害剤は、骨格筋および肝臓におけるインスリン感受性を高めるために潜在的に有用であり得る(Meakinら、Biochem.J.2012、441(1):285〜96を参照されたい)。BACE1基質としてのLRP1の同定およびアテローム硬化症との潜在的な連係も同様に重要である(Strickland、Physiol.Rev.、88:887〜918、2008;Hyman、J.Biol.Chem.、Vol.280、No.18、17777〜17785、2005)。
同様に、BACE2の阻害は、β細胞量を保存および回復し、前糖尿病患者および糖尿病患者におけるインスリン分泌を刺激する可能性を有する2型糖尿病の治療として提案されている(WO2011/020806)。BACE2は、膵臓β細胞の機能および量を調節するβ細胞濃縮プロテアーゼ(β−cell enriched protease)であり、BACE1の類似同族体である。BACE2の薬理学的阻害は、β細胞の量および機能を増大させ、このことは、Tmem27の安定化につながる(Esterhazyら、Cell Metabolism 2011、14(3):365〜377を参照されたい)。BACE2の阻害に関連した疾患を治療および/または予防する際にBACE2阻害剤が有用であることが示唆されている(例えば、2型糖尿病では、前糖尿病性および糖尿病性患者におけるβ細胞量を維持および回復させ、インスリン分泌を刺激する可能性がある)(WO2011/020806)。
アミノジヒドロチアジンまたはチオアミジン化合物は、β−セクレターゼ酵素の有用な阻害剤としてUS2009/0082560、WO2009/091016およびWO2010/038686に記載されている。2012年8月17日にPfizer Incにより出願された同時係属中のPCT出願、PCT/IB2012/054198も、β−セクレターゼ酵素の有用な阻害剤であるアミノジヒドロチアジン化合物を記載している。本発明は、新規のチオアミジン化合物ならびにADを含めた神経変性疾患の治療、さらには、糖尿病および肥満などの代謝性疾患および状態の治療におけるその使用を対象とする。
本発明の第1の態様の第1の実施形態は、式Iの化合物:
Figure 2016507580
[式中、
は、水素またはメチルであり、前記メチルは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、
は、1〜5個のRで置換されているフェニルであり、
は、出現する毎に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル−(CR4a4b−、C3〜6シクロアルコキシ−(CR4a4b−、C3〜6シクロアルキル−(CR4a4b−O−、または(4〜6員ヘテロシクロアルキル)−(CR4a4b−からなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、またはC1〜6アルコキシ−C1〜6アルキルは、それぞれ、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、前記C3〜6シクロアルキル、C3〜6シクロアルコキシ、および(4〜6員ヘテロシクロアルキル)部分は、フルオロ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいか、または2個のRは、フェニル上の隣接する炭素と結合して、一緒になった場合、−(CH−O−、−O−(CH−O−、または−(CH−であってよく、
4aおよびR4bは、独立に、水素、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
mは、出現する毎に独立に、0、1、または2であり、
nは、2または3であり、
oは、1または2であり、
pは、3または4である]
もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の別の実施形態は、式Iの化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できるビヒクル、賦形剤、または担体を含む医薬組成物である。本明細書に記載の医薬組成物は、アミロイド−βタンパク質の産生の阻害、およびβ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)の阻害;神経変性疾患、特に、アルツハイマー病の治療;糖尿病または2型糖尿病を含めた、β−アミロイドレベルの上昇により特徴付けられる疾患および障害を治療的および/または予防的に治療するためのBACE1および/またはBACE2活性の阻害;ヒトを含めた哺乳動物における骨格筋および肝臓でのインスリン感受性の増大;ならびに肥満の治療および/または予防ために使用することができる。
本発明はまた、以下のような式Iの化合物を使用する治療方法を対象とする。
(1)治療有効量の式Iの実施形態のいずれかのチオアミジン化合物または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる担体を、それを必要とする哺乳動物または患者に投与することにより、BACE2酵素活性を阻害する方法。
(2)哺乳動物、好ましくはヒトにおける、β−セクレターゼ酵素が関与する中枢神経系および神経障害の状態または疾患(例えば、片頭痛;てんかん;アルツハイマー病;パーキンソン病;脳傷害;脳卒中;脳血管疾患(脳動脈硬化症、脳アミロイド血管障害、遺伝性脳出血、および脳低酸素虚血を含めた);認知障害(健忘症、老人性認知症、HIV関連認知症、アルツハイマー病、ハンチントン病、レビー小体型認知症、血管性認知症、薬物が関係する認知症、晩発性ジスキネジア、ミオクローヌス、ジストニア、せん妄、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、HIV疾患、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、てんかん、筋痙縮、筋痙直または筋力低下と関連する障害(振戦を含めた)、および軽度認知障害(「MCI」)を含めた;精神遅滞(痙縮、ダウン症候群および脆弱X症候群を含めた);睡眠障害(過眠症、概日リズム睡眠障害、不眠、睡眠時異常行動、および睡眠遮断を含めた)、ならびに精神障害、例えば、不安(急性ストレス障害、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、広場恐怖症、および強迫性障害を含めた);虚偽性障害(急性幻覚性躁病を含めた);衝動制御障害(強迫性賭博および間欠性爆発性障害を含めた);気分障害(双極性障害I型、双極性障害II型、躁病、混合感情状態、大うつ病、慢性うつ病、季節性うつ病、精神病性うつ病、季節性うつ病、月経前症候群(PMS)、月経前不機嫌性障害(PDD)、および産後うつ病を含めた);精神運動障害;精神病性障害(統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様、および妄想性障害を含めた);薬物依存(麻薬依存、アルコール依存、アンフェタミン依存、コカイン嗜癖、ニコチン依存、および薬物離脱症候群を含めた);摂食障害(食欲不振症、過食症、過食障害、食欲過剰、肥満症、強迫性摂食障害および氷食症を含めた);性的機能障害;尿失禁;ニューロン損傷障害(目の損傷、目の網膜症または黄斑変性症、耳鳴、聴覚障害および聴覚損失、ならびに脳浮腫を含めた)、神経傷害治療(末梢神経損傷後の再生および回復の促進を含む)ならびに小児精神障害(注意欠陥障害、注意欠陥/機能亢進障害、行為障害、および自閉症を含めた)を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法。式Iの化合物はまた、記憶(短期および長期の両方)ならびに学習能力の改善のために有用であり得る。Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM−IV−TR) (2000、American Psychiatric Association、Washington D.C.)の第4版のテキスト改訂版は、本明細書に記載されている障害の多くを同定するための診断手段を提供する。DMS−IV−TRに記載されているものを含めて、本明細書に記載されている障害についての代わりの命名法、疾病分類、および分類体系が存在し、用語法および分類体系は医科学の進展と共に進化することを当業者は認識する;
(3)哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、神経障害(例えば、片頭痛;てんかん;アルツハイマー病;パーキンソン病;ニーマンピックC型;脳傷害;脳卒中;脳血管疾患;認知障害;睡眠障害)または精神障害(例えば、不安;虚偽性障害;衝動制御障害;気分障害;精神運動障害;精神病性障害;薬物依存;摂食障害;および小児精神障害)を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法;
(4)1型および2型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、ならびにアテローム硬化症、冠状動脈性心疾患、卒中、末梢血管疾患、腎障害、高血圧、神経障害、および網膜障害などの糖尿病合併症を含めた、糖尿病または糖尿病関連障害を治療する(例えば、進行または発症を遅延させる)方法;
(5)代謝症候群などの肥満共存症を治療する方法。代謝症候群には、脂質異常症、高血圧、インスリン抵抗性、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、冠状動脈疾患、および心不全などの疾患、状態、または障害が含まれる。代謝症候群に関するより詳細な情報については、例えば、Zimmet,P.Z.ら、「The Metabolic Syndrome: Perhaps an Etiologic Mystery but Far From a Myth − Where Does the International Diabetes Federation Stand?」、Medscape Diabetes & Endocrinology、7(2)、(2005);およびAlberti, K.G.ら、「The Metabolic Syndrome − A New Worldwide Definition」、Lancet、366、1059〜62(2005)を参照されたい;ならびに
(6)非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および肝インスリン抵抗性を治療する方法。
本発明はまた、本発明の化合物を、本明細書に記載の疾患、状態、および/または障害を治療するための他の医薬品と併せて使用することもできる併用療法を対象とする。したがって、本発明の化合物を他の医薬品と組み合わせて投与することを含む治療方法も提供する。
本明細書において言及される全ての特許、特許出願、および参考文献は、その全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の他の特徴および利点は、本発明を記載するこの明細書および添付の特許請求の範囲から明らかである。上記および下記の詳細な説明は共に、例示にすぎず、特許請求の範囲に記載の本発明を制限するものではないことを理解されたい。
本発明は、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明および本明細書に含まれる実施例を参照することで、より容易に理解され得る。本発明が、特定の合成方法に限定されず、合成方法はもちろん変化し得ることを理解されたい。また、本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を記載するためのものであるにすぎず、限定的であることを意図されたものではないことを理解されたい。
本明細書および以下の特許請求の範囲では、次の意味を有すると定義されるいくつかの用語に言及する。
本明細書で使用する場合、「摂食障害」は、患者が、患者の摂食行動ならびに関連する思考および情動に障害を負っている疾患を指す。肥満関連摂食障害の代表的な例には、過食、大食、むちゃ食い障害、強迫ダイエット(compulsive dieting)、夜間睡眠関連摂食障害、異食、プラダー−ウィリ症候群、および夜食症候群が包含される。
「患者」は、例えば、モルモット、マウス、ラット、アレチネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、サル、チンパンジー、およびヒトなどの温血動物を指す。
「薬学的に許容できる」という用語は、その物質または組成物が、製剤を構成する他の成分および/またはそれで治療される哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合性でなければならないことを意味している。
「治療有効量」という用語は、(i)特定の疾患、状態、もしくは障害を治療もしくは予防するか、(ii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1種もしくは複数の症状を減弱、寛解、もしくは除去するか、または(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、もしくは障害の1種もしくは複数の症状の発症を予防もしくは遅延させる本発明の化合物の量を意味する。
「治療する」という用語は、本明細書で使用する場合、他に示さない限り、このような用語を適用する障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1種もしくは複数の症状の逆転、緩和、進行の阻害、進行の遅延、発症の遅延、または予防を意味する。「治療」という用語は、本明細書において使用する場合、他に示さない限り、治療する行為を意味する(「治療する」は直前に定義する)。「治療する」という用語にはまた、対象のアジュバントおよびネオアジュバント治療が含まれる。誤解を避けるために記すと、「治療」に対する本明細書における言及は、治癒的、姑息的、および予防的治療に対する言及、ならびにそのような治療において使用するための医薬品の投与を包含する。
「アルキル」という用語は、一実施形態では、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素から1個の水素を除去することにより得られる置換基)を指す。そのような置換基の非限定的例には、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピルを含む)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルを含む)、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが含まれる。
「アルコキシ」という用語は、一実施形態では、1〜6個の炭素原子を含有する、酸素ラジカルに結合している直鎖または分枝鎖飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素アルコールから、OHからの水素を除去することにより得られる置換基)を指す。そのような置換基の非限定的例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n−プロポキシおよびイソプロポキシを含む)、ブトキシ(n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシを含む)、ペントキシ、ヘキソキシなどが含まれる。
場合によっては、ヒドロカルビル置換基(すなわち、アルキル、シクロアルキルなど)中の炭素原子の数は、接頭辞「C〜C−」または「Cx〜y」によって示され、ここで、xは、その置換基中の炭素原子の最小数であり、yは、最大数である。したがって、例えば、「C〜C−アルキル」または「C1〜6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル置換基を指す。さらに説明すると、C〜CシクロアルキルまたはC3〜6−シクロアルキルは、3〜6個の炭素環原子を含有する飽和シクロアルキル基を指す。
「シクロアルキル」という用語は、例えば、飽和炭素環式分子から1個の水素を除去することにより得られる炭素環式置換基、例えば、3〜6個の炭素原子を有するものを指す。「C3〜6シクロアルキル」という用語は3〜6員環のラジカルを意味し、これには、基シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。「C3〜6シクロアルコキシ」という用語は、酸素ラジカルに結合している3〜6員シクロアルキル基を指す。例には、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、およびシクロヘキソキシが含まれる。
場合によっては、1個または複数のヘテロ原子を含有する環式置換基(すなわち、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル)中の原子の数は、接頭辞「x〜y員」によって示され、ここで、xは、置換基の環式部分を形成する原子の最小数であり、yは、最大数である。したがって、例えば、「4〜6員ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキルの環式部分に、1〜3個のヘテロ原子を含めて4〜6個の原子を含有するヘテロシクロアルキルを指す。これらの環系中に存在するヘテロ原子は、N、O、およびSから選択される。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、−OHを指す。別の用語(複数可)と組み合わせて使用するとき、接頭語「ヒドロキシ」は、接頭語が付着している置換基が、1個または複数のヒドロキシ置換基で置換されていることを示す。1個または複数のヒドロキシ置換基が付着している炭素を担持する化合物には、例えば、アルコール、エノールおよびフェノールが含まれる。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素(−Fとして示し得る)、塩素(−Clとして示し得る)、臭素(−Brとして示し得る)、またはヨウ素(−Iとして示し得る)を指す。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環原子の少なくとも1個がヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、または硫黄)であり、残りの環原子が炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立に選択される、4〜6個の環原子などの規定の数の原子の合計を含有する飽和または部分飽和環構造から1個の水素を除去することにより得られる置換基を指す。ヘテロシクロアルキル置換基を有する基では、その基に結合しているヘテロシクロアルキル置換基の環原子は、窒素ヘテロ原子であってよいか、または環炭素原子であってよい。同様に、ヘテロシクロアルキル置換基がさらに、基または置換基で置換されていたら、その基または置換基は、窒素ヘテロ原子に結合していてよいか、または環炭素原子に結合していてよい。ある種の実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、R中のフェニル基に縮合していてよい。
「フェニル」という用語は、ベンゼン環から水素を除去することにより得られる置換基を指す。本発明の場合には、フェニルは、本明細書において定義するとおりの1〜3個のR基で置換されている。
置換基が1個より多い可変基を「独立に」有すると記載されている場合、置換基の各例は、利用可能な可変基のリストから、他の置換基とは無関係に選択される。したがって、各置換基は、他の置換基(複数可)と同一または異なり得る。
置換基について、群から「それぞれ独立に選択される」と記載する場合、置換基の各例は、他の置換基(複数可)とは無関係に選択される。したがって、各置換基は、他の置換基(複数可)と同一または異なり得る。
本明細書において使用する場合、「式I」という用語は、本明細書において下記では、「本発明の化合物(複数可)」、「本発明」、および「式Iの化合物」と称し得る。このような用語にはまた、水和物、溶媒和物、異性体、結晶および非結晶形態、同形体、多形、ならびにその代謝物を含めて、式Iの化合物の全ての形態が含まれると定義される。例えば、本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩は、非溶媒和および溶媒和形態で存在し得る。溶媒または水が強固に結合しているとき、錯体は、湿度と無関係に明確な化学量論を有する。しかし、溶媒または水が、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物中のように弱く結合しているとき、水/溶媒含量は、湿度および乾燥条件によって決まる。このような場合、非化学量論が標準である。
本発明の化合物は、クラスレートまたは他の錯体として存在し得る。本発明の範囲内に含まれるのは、錯体(クラスレート、薬物−ホスト包接錯体など)であり、薬物およびホストは、化学量論量または非化学量論量で存在する。また含まれるのは、2種以上の有機および/または無機成分を含有する本発明の化合物の錯体であり、これは化学量論量または非化学量論量でよい。このように得られた錯体は、イオン化、部分的にイオン化、または非イオン化し得る。このような錯体の概説については、J.Pharm.Sci.、64(8)、1269〜1288、Haleblian(1975年8月)を参照されたい。
本発明の化合物は、不斉炭素原子を有する。本発明の化合物の炭素−炭素結合は、実線
Figure 2016507580
、実線のくさび
Figure 2016507580
、または点線のくさび
Figure 2016507580
を使用して本明細書において示し得る。不斉炭素原子への結合を示す実線の使用は、この炭素原子における全ての可能性のある立体異性体(例えば、特定のエナンチオマー、ラセミ混合物など)が含まれることを示すことを意味する。不斉炭素原子への結合を示すための実線または点線のくさびのいずれかの使用は、示される立体異性体のみが包含されることを意味することを示すこととする。式Iの化合物は、1個を超える不斉炭素原子を含有し得ることも可能である。これらの化合物では、不斉炭素原子への結合を示す実線の使用は、可能な立体異性体の全てが包含されることを意味することを示すこととする。例えば、他に述べられていない限り、式Iの化合物は、エナンチオマーおよびジアステレオマーとして、またはラセミ化合物およびそれらの混合物として存在し得ることが意図されている。式Iの化合物中の1個または複数の不斉炭素原子への結合を示すための実線の使用および同じ化合物中の他の不斉炭素原子への結合を示す実線または点線のくさびの使用は、ジアステレオマーの混合物が存在することを示すこととする。
式Iの立体異性体には、1種を超える異性を示す化合物を含めた、本発明の化合物のシスおよびトランス異性体、光学異性体(RおよびSエナンチオマー、ジアステレオマーなど)、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、ならびに互変異性体;およびその混合物(ラセミ化合物およびジアステレオマー対など)が含まれる。また含まれるのは、対イオンが光学活性である酸付加塩または塩基付加塩(例えば、D−乳酸塩もしくはL−リシン、またはラセミ、例えば、DL−酒石酸塩もしくはDL−アルギニン)である。
任意のラセミ化合物が結晶化するとき、2つの異なるタイプの結晶が可能である。第1のタイプは、上記のラセミ化合物(真のラセミ化合物)であり、等モル量の両方のエナンチオマーを含有する1つの均一な形態の結晶が生成される。第2のタイプは、ラセミ混合物または集合体であり、各々が単一のエナンチオマーを含む2つの形態の結晶が等モル量で生成される。
式Iの化合物は、互変異性の現象を示すことがあり、そのような互変異性体も、本発明の化合物とみなされる。例えば、式Iの化合物は、2−アミノ−ジヒドロチアジン型Iaおよび2−イミノ−テトラヒドロチアジン型Ibを含めた複数の互変異性型で存在し得る。そのような互変異性型およびそれらの混合物は全て、式Iの化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中では互変異性体セットの混合物として存在する。固体の形態では通常、1種の互変異性体が優勢である。1種の互変異性体が記載されていることもあるが、本発明は、式Iの化合物およびその塩の全ての互変異性体を含む。互変異性体の例を式IaおよびIbの化合物によって記載し、総称的に、かつ一般に、式Iの化合物と称する。
Figure 2016507580
本発明の化合物は、無機酸または有機酸から得られる塩の形で使用することもできる。特定の化合物によりけりであるが、化合物の塩は、塩の1つまたは複数の物理的性質、例えば、異なる温度および湿度における薬学的安定性が向上していることや、水または油への望ましい溶解性のために有利な場合がある。ある例では、化合物の塩を、化合物の単離、精製、および/または分割の補助手段として使用する場合もある。
塩を(例えば、in vitroの状況で使用するのとは対照的に)患者に投与しようとする場合、その塩は、薬学的に許容できることが好ましい。用語「薬学的に許容できる塩」とは、式Iの化合物を、ヒトが摂取するのに適すると一般にみなされるアニオンまたはカチオンを有する酸または塩基と化合させることにより調製された塩を指す。薬学的に許容できる塩は、水への溶解度が親化合物より高いので、本発明の方法の生成物として特に有用である。医薬品において使用するためには、本発明の化合物の塩は、非毒性の「薬学的に許容できる塩」である。「薬学的に許容できる塩」という用語に含まれる塩は、遊離塩基を適切な有機酸または無機酸と反応させることによって一般に調製される本発明の化合物の非毒性塩を指す。
本発明の化合物の薬学的に許容できる適切な酸付加塩としては、可能である場合、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、炭酸、スルホン酸、および硫酸、ならびに有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イソチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸、およびトリフルオロ酢酸から得られる塩が挙げられる。適切な有機酸としては、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族(araliphatic)、複素環、炭素環、およびスルホン酸クラスの有機酸が一般に挙げられる。
適切な有機酸の詳細な例として、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、ジグルコン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、グルクロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、アントラニル酸塩、ステアリン酸塩、サリチル酸塩、p−ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、エンボン酸塩(パモ酸塩)、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パントテン酸塩、トルエンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、スルファニル酸塩、シクロヘキシルアミノスルホン酸塩、アルゲン酸(algenic acid)、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、グリコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、チオシアン酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。
さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合では、適切な薬学的に許容できるその塩として、より軽いアルカリ金属塩、すなわち、ナトリウム塩またはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩;および適切な有機配位子と共に形成される塩、例えば、第四級アンモニウム塩を挙げることができる。別の実施形態では、塩基の塩は、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、メグルミン、オールアミン、トロメタミン、および亜鉛の塩を含めて、非毒性の塩を形成する塩基から生成されるものである。
有機塩は、トロメタミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、プロカインなどの、第二級、第三級、または第四級アミンから生成されるものでもよい。塩基性窒素を含んでいる基は、低級アルキル(C〜C)ハロゲン化物(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、ジアルキルスルフェート(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルスルフェート)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリル塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、アリールアルキルハロゲン化物(例えば、ベンジルおよびフェネチル臭化物)他などの物質で四級化することができる。
一実施形態において、酸および塩基のヘミ塩(例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩)をまた形成し得る。
本発明の化合物のいわゆる「プロドラッグ」もまた本発明の範囲内である。よって、これら自体が薬理活性を殆ど有さなくてもよく、または有さなくてもよい本発明の化合物の特定の誘導体は、体内または体表に投与されるとき、例えば、加水分解によって、所望の活性を有する本発明の化合物に変換されることができる。このような誘導体は、「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用についてのさらなる情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems、Vol.14、ACSシンポジウムシリーズ(T.HiguchiおよびV.Stella)ならびに「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(編E.B.Roche、American Pharmaceutical Association)に見出し得る。本発明によるプロドラッグは、例えば、式Iのいずれかの化合物において存在する適当な官能基を、例えば、H Bundgaardの「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されているような「プロ部分」として当業者には公知の特定の部分で置き換えることによって生成することができる。
本発明はまた、1個または複数の原子が、天然に通常見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられていること以外は、式Iにおいて記載されているものと同一である同位体標識化合物を含む。本発明の化合物中に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ、H、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、32P、35S、18F、および36Clが含まれる。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容できる塩は本発明の範囲内である。本発明の特定の同位体的に標識された化合物、例えば、放射性同位体、例えば、Hおよび14Cが組み込まれている化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、H、および炭素−14、すなわち、14C、同位体は、それらの調製および検出性の容易さのために特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば、重水素、すなわち、Hによる置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボの半減期の増加または投与必要量の減少に由来する特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがって、ある状況においては好ましくてもよい。本発明の式Iの同位体標識化合物およびそのプロドラッグは一般に、スキームにおいて、ならびに/または下記の実施例および調製において開示されている手順を行うことによって、同位体的に標識されていない試薬を、容易に利用可能な同位体的に標識されている試薬で置換することによって調製することができる。
本発明の第1の態様の第2の実施形態は、Rが、
Figure 2016507580
であり、
が、クロロ、フルオロ、シアノ、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル、および1−メトキシエチルからなる群から選択される第1の態様の第1の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第3の実施形態は、Rが水素である第2の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第4の実施形態は、Rがメチルである第2の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第5の実施形態は、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−6−(4−クロロフェニル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−エトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(メトキシメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(1−メトキシエチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;4−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]ベンゾニトリル;および(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(ジフルオロメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンからなる群から選択される第3の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第6の実施形態は、(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−シアノフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンからなる群から選択される第4の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第7の実施形態は、Rが水素またはメチルであり、
が、
Figure 2016507580
であり、
が、フルオロ、シアノ、トリフルオロメチル、またはメトキシメチルから選択される第1の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第8の実施形態は、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[3−(メトキシメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
3−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]ベンゾニトリル;および(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−シアノフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンからなる群から選択される第7の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第9の実施形態は、Rが水素であり、
が、
Figure 2016507580
である第1の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第10の実施形態は、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンから選択される第9の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第11の実施形態は、Rが水素であり、
が、
Figure 2016507580
である第1の態様の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第12の実施形態は、Rが、出現する毎に、フルオロ、メチル、またはメトキシから独立に選択されるか、または2個のRが、フェニル上の隣接する炭素と結合して、一緒になった場合、−(CH−O−または−O−(CH−O−であってよく、nが2であり、oが1である第11の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第13の実施形態は、(4aR,6R,8aS)−6,8a−ビス(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および
(4aR,6R,8aS)−6−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンからなる群から選択される第12の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第14の実施形態は、Rが水素であり、
が、
Figure 2016507580
であり、
が、出現する毎に、フルオロ、メチル、およびメトキシから独立に選択される第1の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第15の実施形態は、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロ−5−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンからなる群から選択される第14の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明のまた別の実施形態は、Rが水素またはメチルであり、前記メチルが、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、Rが、4〜6員ヘテロシクロアルキル基に縮合しているフェニルであり、前記4〜6員ヘテロシクロアルキル基が、N、O、およびSから選択される1〜2個のヘテロ原子を含有し、前記フェニルが、1〜2個のRでさらに置換されていてよく、R、R4a、およびR4bが、第1の実施形態について上記したとおりである式Iの化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第2の態様の第1の実施形態は、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できるビヒクル、賦形剤、または担体を含む医薬組成物である。
本発明のさらなる実施形態は、本発明の化合物を使用する治療方法を含む。
本発明の第3の態様の第1の実施形態は、患者におけるアミロイド−βタンパク質の産生を阻害する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、アミロイド−βタンパク質の産生の阻害を必要とする患者に投与することを含む方法である。
本発明の第3の態様の第2の実施形態は、患者においてβ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)を阻害する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、β部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)の阻害を必要とする患者に投与することを含む方法である。
本発明の第3の態様の第3の実施形態は、患者における神経変性疾患を治療するための方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、その治療を必要とする患者に投与することを含む方法である。
本発明の第3の態様の第4の実施形態は、神経変性疾患がアルツハイマー病である第3の態様の第3の実施形態の方法である。
本発明の第3の態様の第5の実施形態は、患者における糖尿病を治療または予防する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、その治療または予防を必要とする患者に投与することを含む方法である。
本発明の第3の態様の第6の実施形態は、糖尿病が2型糖尿病である第3の態様の第5の実施形態の方法である。
本発明のさらなる実施形態は、本明細書に記載のとおりの状態、疾患、および障害を治療するために有用な医薬品の調製における、本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物の使用を含む。
通常、本発明の化合物は、本明細書に記載の状態の治療に有効な量で投与する。本発明の化合物は、適切な経路によって、その経路に適合させた医薬組成物の形で、目的の治療に有効な用量を投与する。医学的状態の進行に対する処置に必要となる、化合物の治療上有効な用量は、医学分野でよく知られている前臨床および臨床の手法を使用して、当業者の手で容易に突き止められる。
本発明の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が消化管に入るように飲み込むものでもよいし、または化合物が口から血流に直接入る頬側もしくは舌下投与を用いてもよい。
別の実施形態では、本発明の化合物は、血流中、筋肉、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適する手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および皮下が含まれる。非経口投与に適するデバイスとして、(微細針を含めた)針注射器、無針注射器、および注入技術が挙げられる。
別の実施形態では、本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち、皮膚上にまたは経皮的に投与することもできる。別の実施形態では、本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入によって投与することもできる。別の実施形態では、本発明の化合物は、直腸投与または経膣投与することができる。別の実施形態では、本発明の化合物は、眼または耳に直接投与することもできる。
化合物および/または化合物を含有する組成物の投与計画は、患者のタイプ、年齢、体重、性別、および医学的状態;医学的状態の重症度;投与経路;ならびに用いる特定の化合物の活性を含めた様々な要素に基づくものである。したがって、投与計画は多種多様となり得る。体重1キログラムあたり1日約0.01mg〜約100mg程度の投与量レベルが、上で示した状態の治療では有用である。一実施形態では、(1回量または分割した用量で投与される)本発明の化合物の合計1日量は通常、約0.01〜約100mg/kgである。別の実施形態では、本発明の化合物の合計1日量は、約0.1〜約50mg/kgであり、別の実施形態では、約0.5〜約30mg/kg(すなわち、体重1kgあたりの本発明の化合物mg)である。一実施形態では、投薬量は、0.01〜10mg/kg/日である。別の実施形態では、投薬量は、0.1〜1.0mg/kg/日である。投与量単位組成物は、そのような量または1日量を構成するその約数を含有するものでよい。多くの事例では、化合物の投与は、1日に複数回(通常は4回以下)繰り返される。所望なら、通常は、1日あたり複数回の用量を使用して、合計1日量を増やすこともできる。
経口投与では、組成物は、約0.01mg〜約500mgの活性成分、または別の実施形態では、約1mg〜約100mgの活性成分を含有する錠剤の形で提供することができる。静脈内について、定速注入の際の用量は、約0.1〜約10mg/kg/分の範囲をとり得る。
本発明による適切な対象として、哺乳動物対象が挙げられる。本発明による哺乳動物には、限定はしないが、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯動物、ウサギ、霊長類などが含まれ、子宮内の哺乳動物も包含される。一実施形態では、ヒトが適切な対象である。ヒト対象は、どちらの性の者でも、どの発育段階にある者でもよい。
別の実施形態では、本発明は、本明細書で列挙した状態を治療する医薬を調製するための、1種または複数の本発明の化合物の使用を含む。
上で言及した状態を治療するために、本発明の化合物は、化合物それ自体として投与することができる。一方、薬学的に許容できる塩は、親化合物よりも水への溶解性が高いので、医学的な適用に適する。
別の実施形態では、本発明は、医薬組成物を含む。そのような医薬組成物は、薬学的に許容できる担体と共に提供される本発明の化合物を含む。担体は、固体でも、液体でも、または両方でもよく、0.05重量%〜95重量%の活性化合物を含有し得る単位用量組成物、例えば錠剤としての化合物に配合することができる。本発明の化合物は、ターゲット指向性薬物担体としての適切なポリマーと結合させることもできる。他の薬理活性物質が存在してもよい。
本発明の化合物は、適切な任意の経路によって、好ましくはそのような経路に適合させた医薬組成物の形で、目的の治療に有効な用量を投与することができる。活性化合物および組成物は、例えば、経口、直腸、非経口、または局所投与することができる。
固体投与形態の経口投与は、例えば、少なくとも1種の予め決められた量の本発明の化合物をそれぞれが含有する別個の単位、例えば、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、丸剤、カシェ剤、ロゼンジ、または錠剤の体裁にすることができる。別の実施形態では、経口投与は、粉末または顆粒形態にしてもよい。別の実施形態では、経口投与形態は、例えばロゼンジなどの舌下である。このような固体剤形では、式Iの化合物に、1種または複数の佐剤が配合されているのが普通である。そうしたカプセル剤または錠剤は、徐放製剤を含有してもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合では、剤形は、緩衝剤も含んでよく、または腸溶コーティングを施して調製することもできる。
別の実施形態では、経口投与は、液体投与形態にすることができる。経口投与用の液体剤形としては、例えば、当業界で一般に使用される不活性希釈剤(例えば、水)を含有する薬学的に許容できる乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。このような組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、香味剤(例えば、甘味剤)、および/または着香剤などの佐剤も含んでよい。
別の実施形態では、本発明は、非経口投与形態を含む。「非経口投与」は、例えば、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、および注入を包含する。注射用製剤(例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液)は、適切な分散剤、湿潤剤、および/または懸濁化剤を使用し、知られている技術に従って製剤することができる。
別の実施形態では、本発明は、局所投与形態を含む。「局所投与」は、例えば、経皮パッチやイオン導入デバイスを介してなどの経皮投与、眼内投与、または鼻腔内もしくは吸入投与を包含する。局所投与用の組成物として、例えば、局所用のゲル、スプレー、軟膏、およびクリームも挙げられる。局所用製剤は、皮膚または他の患部を通しての活性成分の吸収または通過を強化する化合物を含有してもよい。本発明の化合物が経皮デバイスによって投与されるとき、投与は、貯蔵部および多孔膜型または固体基材型のいずれかのパッチを使用して実現される。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮パッチ、ウェーハ、植込錠、スポンジ、繊維、絆創膏、およびマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームも使用することができる。典型的な担体として、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。浸透性改善剤を混ぜてもよい。例えば、FinninおよびMorgan、J.Pharm.Sci.、88(10)、955〜958(1999年10月)を参照されたい。
眼への局所投与に適する製剤としては、例えば、本発明の化合物を適切な担体に溶解または懸濁させてある点眼剤が挙げられる。眼または耳への投与に適する典型的な製剤は、pH調整された等張性無菌食塩水中の超微粒子化懸濁液または溶液からなる滴剤の形でよい。眼および耳への投与に適する他の製剤として、軟膏、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)植込錠、ウェーハ、レンズ、ならびにニオソームやリポソームなどの微粒子系または小胞系が挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えばジェランガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共に混ぜてもよい。このような製剤は、イオン導入法によって送達することもできる。
鼻腔内投与または吸入による投与では、本発明の活性化合物は、患者によって圧搾もしくはポンプによる汲み出しがなされるポンプスプレー容器から溶液もしくは懸濁液の形で、または加圧容器もしくはネブライザーから適切な噴射剤を使用しながらエアロゾルスプレー体裁として送達することが好都合である。鼻腔内投与に適する製剤は通常、(単独、または例えばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、または例えばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で乾燥粉末吸入器から、または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、もしくはネブライザーから、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用しもしくは使用せずにエアロゾルスプレーとして投与する。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。
別の実施形態では、本発明は、直腸投与形態を含む。そのような直腸投与形態は、例えば、坐剤の形でよい。カカオ脂が伝統的な坐剤基剤であるが、様々な代替品を適宜使用してよい。
製薬の分野で知られている他の担体材料および投与方式も使用することができる。本発明の医薬組成物は、有効な製剤手順や投与手順などの、よく知られた薬学の技術のいずれかによって準備することができる。有効な製剤手順および投与手順に関する上記の考慮事項は、当業界でよく知られており、標準の教本に記載されている。薬物の製剤は、例えば、Hoover,John E.、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、ペンシルヴェニア州イーストン、1975;Libermanら編、「Pharmaceutical Dosage Forms」、Marcel Decker、ニューヨーク州ニューヨーク、1980;およびKibbeら編、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」(第3版)、American Pharmaceutical Association、ワシントン、1999で論述されている。
本発明の化合物は、様々な状態または疾患状態の治療において、単独で、または他の治療薬と組み合わせて使用することができる。本発明の(1種または複数の)化合物および他の(1種または複数の)治療薬は、(同じ剤形または別々の剤形のいずれかで)同時に、または順次投与することができる。
2種以上の化合物は、同時に、並行して、または順次投与することができる。さらに、同時投与は、投与前に化合物を混合して実施することもでき、または同時点であるが、異なる解剖学的部位で、もしくは異なる投与経路を使用して化合物を投与することにより実施することもできる。
語句「並行投与」、「共投与」、「同時投与」、および「同時に投与」とは、化合物を組み合わせて投与することを意味する。
本発明は、式Iにおいて提供されているようなBACE阻害剤化合物、および1種または複数のさらなる医薬活性剤の組合せの使用を含む。活性剤の組合せが投与される場合、これらは別々の剤形で、または単一の剤形において合わせて、逐次的または同時に投与し得る。したがって、本発明はまた、ある量の(a)式Iの化合物または該化合物の薬学的に許容できる塩を含む第1の薬剤;(b)第2の医薬活性剤;および(c)薬学的に許容できる担体、ビヒクルまたは賦形剤を含む医薬組成物を含む。
本発明の化合物は、本明細書に記載の疾患、状態、および/または障害を治療するための他の医薬品と併せて使用することもできる。したがって、本発明の化合物を他の医薬品と組み合わせて投与することを含む治療方法も提供する。本発明の化合物と組み合わせて使用し得る適切な医薬品には、これらに限定されないが、下記が含まれる:
(i)抗肥満剤(食欲抑制剤を含む)には、腸選択的MTP阻害剤(例えば、ジルロタピド(dirlotapide)、ミトラタピドおよびインプリタピド、CCKaアゴニスト(例えば、PCT公報WO2005/116034または米国特許出願公開第2005−0267100 A1号に記載のN−ベンジル−2−[4−(1H−インドール−3−イルメチル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロ−2,3,6,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−6−イル]−N−イソプロピル−アセトアミド)、5HT2cアゴニスト(例えば、ロルカセリン)、MCR4アゴニスト(例えば、米国特許第6,818,658号に記載の化合物)、リパーゼ阻害剤(例えば、セチリスタット)、PYY3−36(本明細書で使用する場合、「PYY3−36」はペグ化PYY3−36などの類似体、例えば、米国特許出願公開第2006/0178501号に記載のものを含む)、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン)、オレオイル−エストロン(CAS番号180003−17−2)、オビネピチド(obinepitide)(TM30338)、プラムリンチド(Symlin(登録商標))、テソフェンシン(NS2330)、レプチン、ブロモクリプチン、オルリスタット、AOD−9604(CAS番号221231−10−3)、およびシブトラミンが包含される。
(ii)抗糖尿病剤、例えば、WO2009144554、WO2003072197、WO2009144555、およびWO2008065508に記載されているとおりのアセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、WO09016462またはWO2010086820に記載されているものなどのジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)阻害剤、AZD7687またはLCQ908、ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ2(DGAT−2)阻害剤、モノアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)−10阻害剤、AMPK活性化因子、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ダイアビネス、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、およびトルブタミド)、メグリチニド、α−アミラーゼ阻害剤(例えば、テンダミスタット、トレスタチン、およびAL−3688)、α−グルコシドヒドロラーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラディマイシン−Q、およびサルボスタチン)、PPARγアゴニスト(例えば、バラグリタゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾン)、PPARα/γアゴニスト(例えば、CLX−0940、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90、MK−0767、およびSB−219994)、ビグアニド(例えば、メトホルミン)、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)モジュレーター、例えば、アゴニスト(例えば、エキセンジン−3およびエキセンジン−4)、リラグルチド、アルビグルチド、エクセナチド(Byetta(登録商標))、アルビグルチド、タスポグルチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、NN−9924、TTP−054、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤(例えば、トロズスクエミン、ヒルチオサール抽出物、およびZhang,S.ら、Drug Discovery Today、12(9/10)、373〜381(2007)によって開示された化合物)、SIRT−1阻害剤(例えば、レスベラトロール、GSK2245840、またはGSK184072)、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤(例えば、WO2005116014に記載のもの、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチン、およびサクサグリプチン)、インスリン分泌促進物質、脂肪酸酸化阻害剤、A2アンタゴニスト、c−junアミノ末端キナーゼ(JNK)阻害剤、WO2010103437、WO2010103438、WO2010013161、WO2007122482に記載されているもの、TTP−399、TTP−355、TTP−547、AZD1656、ARRY403、MK−0599、TAK−329、AZD5658、またはGKM−001などのグルコキナーゼ活性化因子(GKa)、インスリン、インスリン模倣物質、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(例えば、GSK1362885)、VPAC2受容体アゴニスト、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、BI−10733、トホグリフロジン(CSG452)、ASP−1941、THR1474、TS−071、ISIS388626、およびLX4211、さらにはWO2010023594に記載されているものを含めたE.C.Chaoら、Nature Reviews Drug Discovery 9、551〜559(2010年7月)に記載されているものなどのSGLT2阻害剤、Demong,D.E.ら、Annual Reports in Medicinal Chemistry 2008、43、119〜137に記載されているものなどのグルカゴン受容体モジュレーター、WO2010140092、WO2010128425、WO2010128414、WO2010106457、Jones,R.M.ら、Medicinal Chemistry 2009、44、149〜170に記載されているものなどのGPR119モジュレーター、特にアゴニスト(例えば、MBX−2982、GSK1292263、APD597、およびPSN821)、Kharitonenkov,A.ら、Current Opinion in Investigational Drugs 2009、10(4)、359〜364に記載されているものなどのFGF21誘導体または類似体、Zhong, M.、Current Topics in Medicinal Chemistry、2010、10(4)、386〜396に記載されているものおよびINT777などのTGR5(GPBAR1とも称される)受容体モジュレーター、特にアゴニスト、これに限定されないが、TAK−875を含めたMedina,J.C.、Annual Reports in Medicinal Chemistry、2008、43、75〜85に記載されているものなどのGPR40アゴニスト、GPR120モジュレーター、特にアゴニスト、高親和性ニコチン酸受容体(HM74A)活性化因子、ならびにGSK1614235などのSGLT1阻害剤が包含される。本発明の化合物と組み合わせることができる抗糖尿病剤のさらに代表的なリストは、例えば、WO2011005611の28頁35行から30頁19行にて見出すことができる。好ましい抗糖尿病剤は、メトホルミンおよびDPP−IV阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチン、およびサクサグリプチン)である。他の抗糖尿病剤には、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ酵素の阻害剤またはモジュレーター、フルクトース1,6−ジホスファターゼの阻害剤、アルドースレダクターゼの阻害剤、ミネラロコルチコイド受容体阻害剤、TORC2の阻害剤、CCR2および/またはCCR5の阻害剤、PKCアイソフォーム(例えば、PKCa、PKCb、PKCg)の阻害剤、脂肪酸シンテターゼの阻害剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの阻害剤、GPR81、GPR39、GPR43、GPR41、GPR105、Kv1.3、レチノール結合タンパク質4、グルココルチコイド受容体、ソマトスタチン(somatostain)受容体(例えば、SSTR1、SSTR2、SSTR3、およびSSTR5)のモジュレーター、PDHK2またはPDHK4の阻害剤またはモジュレーター、MAP4K4の阻害剤、IL1ベータを含めたIL1ファミリーのモジュレーター、ならびにRXRアルファのモジュレーターが含まれ得るであろう。加えて、適切な抗糖尿病剤は、Carpino,P.A.、Goodwin,B.、Expert Opin.Ther.Pat、2010、20(12)、1627〜51によって列挙された機構を含む;
(iii)抗高血糖剤、例えば、WO2011005611の31頁31行から32頁18行に記載されているもの;
(iv)脂質低下剤(例えば、WO2011005611の30頁20行から31頁30行に記載されているもの)および抗高血圧剤(例えば、WO2011005611の31頁31行から32頁18行に記載されているもの);
(v)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、ドネペジル塩酸塩(ARICEPT(登録商標)、MEMAC)、サリチル酸フィゾスチグミン(ANTILIRIUM(登録商標))、硫酸フィゾスチグミン(ESERINE)、ガンスチグミン、リバスチグミン(EXELON(登録商標))、ラドスチギル、NP−0361、ガランタミン臭化水素酸塩(RAZADYNE(登録商標)、REMINYL(登録商標)、NIVALIN(登録商標))、タクリン(COGNEX(登録商標))、トルセリン、メモキン、ヒューペルジンA(HUP−A;Neuro−Hitech)、フェンセリン、ビスノルシムセリン(BNCとしてもまた公知である)、およびINM−176;
(vi)アミロイド−β(またはその断片)、例えば、汎HLA DR−結合エピトープにコンジュゲートしているAβ1−15(PADRE(登録商標))、ACC−001(Elan/Wyeth)、およびAffitope;
(vii)アミロイド−βへの抗体(またはその断片)、例えば、ポネズマブ、ソラネズマブ、バピヌズマブ(AAB−001としてもまた公知である)、AAB−002(Wyeth/Elan)、ガンテネルマブ、静脈内Ig(GAMMAGARD(登録商標))、LY2062430(ヒト化m266;Lilly)、ならびに国際公開第WO04/032868号、同第WO05/025616号、同第WO06/036291号、同第WO06/069081号、同第WO06/118959号、米国特許出願公開第US2003/0073655号、同第US2004/0192898号、同第US2005/0048049号、同第US2005/0019328号、欧州特許出願公開第EP0994728号および同第1257584号、および米国特許第5,750,349号に開示されているもの;
(viii)アミロイド低下剤または阻害剤(アミロイドの産生、蓄積および線維化を低減させるものを含めた)、例えば、エプロジセート(KIACTA(登録商標))、セレコキシブ、ロバスタチン、アナプソス、コロストリニン、ピオグリタゾン、クリオキノール(PBT1としてもまた公知である)、PBT2(Prana Biotechnology)、フルルビプロフェン(ANSAID(登録商標)、FROBEN(登録商標))およびそのR−エナンチオマーであるタレンフルルビル(FLURIZAN(登録商標))、ニトロフルルビプロフェン、フェノプロフェン(FENOPRON、NALFON(登録商標))、イブプロフェン(ADVIL(登録商標)、MOTRIN(登録商標)、NUROFEN(登録商標))、イブプロフェンリシネート、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム(MECLOMEN(登録商標))、インドメタシン(INDOCIN(登録商標))、ジクロフェナクナトリウム(VOLTAREN(登録商標))、ジクロフェナクカリウム、スリンダク(CLINORIL(登録商標))、スリンダク硫化物、ジフルニサル(DOLOBID(登録商標))、ナプロキセン(NAPROSYN(登録商標))、ナプロキセンナトリウム(ANAPROX(登録商標)、ALEVE(登録商標))、インスリン分解酵素(インスリジンとしてもまた公知である)、イチョウ(gingko biloba)抽出物EGb−761(ROKAN(登録商標)、TEBONIN(登録商標))、トラミプロセート(CEREBRIL(登録商標)、ALZHEMED(登録商標))、ネプリライシン(中性エンドペプチダーゼ(NEP)としてもまた公知である)、シロ−イノシトール(シリトールとしてもまた公知である)、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、シンバスタチン(ZOCOR(登録商標))、メシル酸イブタモレン、BACE阻害剤、例えば、LY450139(Lilly)、BMS−782450、およびGSK−188909;γセクレターゼモジュレーターおよび阻害剤、例えば、ELND−007、BMS−708163(Avagacestat)、およびDSP8658(Dainippon);およびRAGE(糖化最終産物についての受容体)阻害剤、例えば、TTP488(Transtech)およびTTP4000(Transtech)、ならびに米国特許第7,285,293号に開示されているもの(PTI−777を含めた);
(ix)α−アドレナリン作動性受容体アゴニスト、およびβ−アドレナリン作動性受容体遮断剤(β遮断薬);抗コリン作用薬;抗痙攣薬;抗精神病剤;カルシウムチャネル遮断薬;カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤;中枢神経系刺激物質;コルチコステロイド;ドパミン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト;ドパミン再取込み阻害剤;γ−アミノ酪酸(GABA)受容体アゴニスト;免疫抑制剤;インターフェロン;ムスカリン様受容体アゴニスト;神経保護剤;ニコチン受容体アゴニスト;ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取込み阻害剤;キノリン;および栄養因子;
(x)ヒスタミン3(H3)アンタゴニスト、例えば、PF−3654746、ならびに米国特許出願公開第US2005−0043354号、同第US2005−0267095号、同第US2005−0256135号、同第US2008−0096955号、同第US2007−1079175号、および同第US2008−0176925号;国際公開第WO2006/136924号、同第WO2007/063385号、同第WO2007/069053号、同第WO2007/088450号、同第WO2007/099423号、同第WO2007/105053号、同第WO2007/138431号、および同第WO2007/088462号;および米国特許第7,115,600号)に開示されているもの;
(xi)N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えば、メマンチン(NAMENDA、AXURA、EBIXA)、アマンタジン(SYMMETREL)、アカンプロサート(CAMPRAL)、ベソンプロジル、ケタミン(KETALAR)、デルセミン、デキサナビノール、デキセファロキサン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、トラキソプロジル、CP−283097、ヒマンタン、イダンタドール、イペノキサゾン、L−701252(Merck)、ランシセミン、レボルファノール(DROMORAN)、メサドン、(DOLOPHINE)、ネラメキサン、ペルジンホテル、フェンシクリジン、チアネプチン(STABLON)、ジゾシルピン(MK−801としてもまた公知である)、イボガイン、ボアカンギン、チレタミン、リルゾール(RILUTEK)、アプチガネル(CERESTAT)、ガベスチネル、ならびにレマセミド(remacimide);
(xii)モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤、例えば、セレギリン(EMSAM)、セレギリン塩酸塩(l−デプレニル、ELDEPRYL、ZELAPAR)、ジメチルセレギリン、ブロファロミン、フェネルジン(NARDIL)、トラニルシプロミン(PARNATE)、モクロベミド(AURORIX、MANERIX)、ベフロキサトン、サフィナミド、イソカルボキサジド(MARPLAN)、ニアラミド(NIAMID)、ラサギリン(AZILECT)、イプロニアジド(MARSILID、IPROZID、IPRONID)、イプロクロジド、トロキサトン(HUMORYL、PERENUM)、ビフェメラン、デスオキシペガニン、ハルミン(テレパチンまたはバナステリンとしてもまた公知である)、ハルマリン、リネゾリド(ザイボックス、ZYVOXID)、ならびにパルギリン(EUDATIN、SUPIRDYL);
(xiii)下記を含めたホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤。(a)PDE1阻害剤、(b)PDE2阻害剤、(c)PDE3阻害剤、(d)PDE4阻害剤、(e)PDE5阻害剤、(f)PDE9阻害剤(例えば、PF−04447943、BAY73−6691(Bayer AG)、ならびに米国特許出願公開第US2003/0195205号、同第US2004/0220186号、同第US2006/0111372号、同第US2006/0106035号、およびUSSN12/118,062(2008年5月9日に出願)に開示されているもの)、ならびに(g)PDE10阻害剤、例えば、2−({4−[1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]フェノキシ}メチル)キノリン(PF−2545920);
(xiv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)1A(5−HT1A)受容体アンタゴニスト、例えば、スピペロン、レボ−ピンドロール、レコゾタン;
(xv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)2C(5−HT2c)受容体アゴニスト、例えば、バビカセリン、およびジクロナピン;セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)4(5−HT)受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、PRX−03140(Epix)およびPF−04995274;
(xvi)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)3C(5−HT3c)受容体アンタゴニスト、例えば、オンダンセトロン(ゾフラン);
(xvii)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)6(5−HT)受容体アンタゴニスト、例えば、ミアンセリン(TOLVON、BOLVIDON、NORVAL)、メチオテピン(メチテピンとしてもまた公知である)、リタンセリン、SB−271046、SB−742457(GlaxoSmithKline)、Lu AE58054(Lundbeck A/S)、SAM−760、ならびにPRX−07034(Epix);
(xviii)セロトニン(5−HT)再取込み阻害剤、例えば、アラプロクラート、シタロプラム(CELEXA、CIPRAMIL)、エスシタロプラム(LEXAPRO、CIPRALEX)、クロミプラミン(ANAFRANIL)、デュロキセチン(CYMBALTA)、フェモキセチン(MALEXIL)、フェンフルラミン(PONDIMIN)、ノルフェンフルラミン、フルオキセチン(PROZAC)、フルボキサミン(LUVOX)、インダルピン、ミルナシプラン(IXEL)、パロキセチン(PAXIL、SEROXAT)、セルトラリン(ZOLOFT、LUSTRAL)、トラゾドン(DESYREL、MOLIPAXIN)、ベンラファクシン(EFFEXOR)、ジメリジン(NORMUD、ZELMID)、ビシファジン、デスベンラファキシン(PRISTIQ)、ブラソフェンシン、ビラゾドン、カリプラジンならびにテソフェンシン;
(xix)グリシントランスポーター−1阻害剤、例えば、パリフルチン(paliflutine)、ORG−25935、およびORG−26041;ならびにAFQ−059およびアマンチジンなどのmGluRモジュレーター;
(xx)AMPA型グルタミン酸受容体モジュレーター、例えば、ペランパネル、ミバンパトル、セルランパネル、GSK−729327、およびN−{(3S,4S)−4−[4−(5−シアノチオフェン−2−イル)フェノキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミド;
(xxi)P450阻害剤、例えば、リトナビル;
(xxii)ダブネチドなどのタウ療法標的;
など。
本発明は、上述の治療方法を実施する際に使用するのに適するキットもさらに含む。一実施形態では、キットは、本発明の化合物の1種または複数を含む第一の剤形と、その剤形の容器とを、本発明の方法を実施するのに十分な量で含んでいる。
別の実施形態では、本発明のキットは、1種または複数の本発明の化合物を含む。
一般合成スキーム
式Iの化合物は、以下に記載の方法、ならびに有機化学の分野で知られている合成方法、または当業者によく知られている変更形態および変換形態によって調製することができる。本明細書で使用する出発材料は、市販されているか、または当業界で知られているごく普通の方法[例えば、「Compendium of Organic Synthetic Methods」、第I巻〜第VII巻(Wiley−Interscience刊)などの標準の参考書に記載の方法]によって調製することができる。好ましい方法として、限定はしないが、以下に記載の方法が挙げられる。
以下の合成順序のいずれかの際、問題のいずれかの分子上の高感度または反応性の基を保護することが必要であり、かつ/または望ましい場合もある。これは、T.W.Greene、「Protective Groups in Organic Chemistry」、John Wiley&Sons、1981;T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Chemistry」、John Wiley&Sons、1991;ならびにT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Chemistry」John Wiley&Sons、1999に記載のものなどの従来の保護基によって実現することができ、これらの文献を参照により本明細書に援用する。
式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩は、以下本明細書で論述する反応スキームに従って調製することができる。別段表記しない限り、スキーム中の置換基は、上で定義したとおりである。生成物の単離および精製は、通常の化学者に知られている標準の手順によって実現される。
多くの場合、スキーム1〜6における化合物は、ジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーの混合物として生じることを当業者は認識する。これらは、従来の技術、またはこのような技術の組合せ(これらに限定されないが、結晶化、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーおよびキラルクロマトグラフィーなど)を使用して合成スキームの様々な段階において分離し、本発明の単一のエナンチオマーを得てもよい。
当業者には、スキーム、方法、および実施例で使用する様々な記号、上付き文字、および下付き文字は、表示の都合上、かつ/またはこれらがスキームに導入される順序を反映させるために使用しており、付属の請求項における記号、上付き文字、または下付き文字に必ずしも対応するものではないことを理解されたい。スキームは、本発明の化合物の合成において有用な方法を代表するものである。スキームは、本発明の範囲に決して制約を課さない。
スキーム1は、式Iの化合物の調製を指す。スキーム1に関して、式Iの化合物は、保護基Pの除去によって式IIの化合物から調製することができる。Pは、この場合は、アミン保護のための当業者には周知の基を指す。例えば、Pは、酸性条件によって、またはメタノール中の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)による処理によって切断することができるベンゾイル基(Bz)でよい。代わりに、Pは、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)またはtert−ブトキシカルボニル(BOC)を含めた、アミンに適した多くの保護基のうちのいずれかであってよく、当業者に知られている標準的な条件下で切断することができる。
Figure 2016507580
スキーム2は、PがBzまたはFmocである化合物IIの調製を指す。式IIIのラクトンを塩基、例えば、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)およびN−(5−クロロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]−メタンスルホンアミド(Comins試薬)で処理して、式IVの化合物を得る。標準的な鈴木反応条件(A.Suzuki、Journal of Organometallic Chemistry 1999、576、147〜168;N.MiyauraおよびA.Suzuki、Chemical Reviews 1995、95、2457〜2483;A.F.Littkeら、J. Am. Chem. Soc. 2000、122、4020〜4028)を使用して、エノールトリフラートIVを、対応するR含有ボロン酸と反応させて、トリフラートをRで置き換え、その後、その結果生じたエノールエーテルを、標準的な還元条件、例えば、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(TMSOTf)およびトリエチルシランを使用して還元させて、式IIの化合物を得る。別法では、ヘキサブチルジスタンナンを用いるパラジウム媒介性条件下で、対応するR含有ヘテロアリールヨウ化物を、式IVの化合物とカップリングさせることができる。化合物IIは、スキーム1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507580
スキーム3は、PがBzまたはBocである化合物IIの調製を指す。標準的な陰イオン条件下で、例えば、テトラヒドロフラン(THF)中、−78℃で、式IIIの化合物にRの有機金属誘導体(マグネシアートまたはリチアート)を付加して、式Vの化合物を得る。その後、標準的な還元条件、例えば、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(TMSOTf)およびトリエチルシランを使用して、その結果生じたラクトールを還元させて、式IIの化合物を得る。化合物IIは、スキーム1の方法によって、式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507580
スキーム4は、PがBzまたはFmocである式IIIの化合物の調製を指す。式VIのイソオキサゾリジン(Rの代わりにベンジルオキシメチル基を利用して、スキーム6に図示する化学作用によって得ることができる)を、還元条件、例えば、酢酸中の亜鉛に掛けて、式VIIの化合物を得る。アミノアルコールVIIを、イソチオシアナート、例えば、イソチオシアン酸ベンゾイルで処理して、式VIIIのチオ尿素を得る。例えば、硫酸を含めた強酸を使用して、または別法では、標準的な光延条件を使用して、環化を誘導して、式IXの化合物を得る。標準的な条件下で、例えば、三塩化ホウ素を使用して、ベンジルエーテルを切断して、式Xのアルコールを得る。式Xの化合物の酸化は、いくつかの標準的な酸化プロトコルによって、例えば、デス−マーチンペルヨージナンまたは三酸化硫黄−ピリジンをジメチルスルホキシド(Parikh−Doering条件)と共に使用して行うことができる。式XIのアルデヒドを、塩基性条件、例えば、アセトニトリル中の炭酸カリウムに掛け、適切な無水物、例えば、無水酢酸を使用して捕捉して、Pがアシル基である式XIIの保護エノールエーテルを得る。例えば、塩化ルテニウムおよび過ヨウ素酸ナトリウムを含めた標準的な条件を使用して、その結果生じたエノール部分を酸化的開裂して、式IIIのラクトンを得る。化合物IIIは、スキーム2または3、および1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507580
スキーム5は、PがBzまたはFmocである化合物IIの調製を指す。式XIIIのイソオキサゾリジンを、還元条件、例えば、酢酸中の亜鉛に掛けて、式XIVの化合物を得る。その結果生じたアミノアルコールを、イソチオシアナート、例えば、イソチオシアン酸ベンゾイルで処理して、式XVのチオ尿素を得る。例えば、硫酸を含めた強酸を使用して、または別法では、標準的な光延条件を使用して、環化を誘導して、式IIの化合物を得る。化合物IIはそのまま、スキーム1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507580
スキーム6は、化合物IIIの調製を指す。ホモアリルアルコールXVIを、水素化カリウムでの処理などの塩基性条件下で、2−ブロモ−1,1−ジメトキシエタンでアルキル化して、対応するエーテルXVIIを得る。アセタールを酸性条件下で、例としてはHCl水溶液で切断して、アルデヒドXVIIIを得る。硫酸ヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミン塩と縮合させて、対応するオキシムXIXの幾何混合物を得る。イソオキサゾリンXXを形成するための付加環化は、オキシムXIXを次亜塩素酸ナトリウムまたはN−クロロスクシンイミドなどの酸化剤で処理することにより実施することができる。イソオキサゾリンXXを適切なアリール金属試薬(例えば、2,4−ジフルオロフェニルリチウムなどのアリールリチウム、または対応するアリールグリニャール試薬)と低温、例えば、−78℃で反応させて、式XIIIの化合物を得る。当業者であれば、アリール金属試薬の添加の立体化学は、隣接するメチン中心の立体化学により決定されて、cis−縮合ジアステレオマーのラセミ混合物が得られ、これを、スキーム5および1の方法によって式Iの化合物に変換することができることは分かるであろう。
Figure 2016507580
実験手順および作業例
下記は、様々な本発明の化合物の合成を例示する。本発明の範囲内のさらなる化合物は、単独で、または、当技術分野で一般に知られている技術と組み合わせて、これらの実施例において例示した方法を使用して、調製し得る。
特に、酸素または湿気に感受性の試薬または中間体が用いられた場合、実験は一般に不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で行った。適切な場合には無水溶媒(一般に、Acros Organicsの製品であるAcroSeal(登録商標)またはEMD Chamicalsの製品であるDriSolv(登録商標))を含めた市販の溶媒および試薬を一般にそれ以上精製することなく使用した。さらなる反応に進めるか、または動物実験に供する前に、生成物を一般に真空下で乾燥した。質量分析法データは、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)、またはガスクロマトグラフィー質量分析(GCMS)計器類から報告する。核磁気共鳴(NMR)データについての化学シフトは、用いた重水素化溶媒からの残留ピークを参照して百万分率(ppm、δ)で表す。
他の実施例または方法における手順を参照した合成について、反応条件(反応の長さおよび温度)は変化し得る。一般に、反応に続いて、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析を行い、適切な場合後処理に供した。精製は、実験の間で変化し得る。一般に、溶離液/勾配のために使用される溶媒および溶媒比は、適当なRまたは保持時間を実現するために選択した。
調製P1
N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P1)
Figure 2016507580
ステップ1、(2R)−1−(ベンジルオキシ)ペンタ−4−エン−2−オール(C1)の合成。
(2R)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキシラン(167g、1.02mol)のテトラヒドロフラン(2L)溶液に、ヨウ化銅(I)(11.62g、61.02mmol)を室温で添加した。混合物を5分間撹拌し、次いで、−78℃に冷却した。反応温度を−70℃未満に維持する一方で、臭化ビニルマグネシウム溶液(テトラヒドロフラン中1M、1.12L、1.12mol)を1時間かけて滴下で添加した。添加が完了したら、冷却浴を外し、反応混合物を室温で1時間撹拌し続け、次いで、塩化アンモニウム水溶液(200mL)をゆっくり添加することによってクエンチした。塩化アンモニウム水溶液(1.5L)および酢酸エチル(1.5L)で希釈した後に、水性層を酢酸エチル(1L)で抽出し、合わせた有機層を塩化アンモニウム水溶液(1.5L)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。この反応の3つのバッチを実施し、合わせて、生成物をオレンジ色のオイルとして得た。収量:600g、3.1mol、定量的。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.28-7.40 (m, 5H), 5.78-5.90 (m, 1H), 5.08-5.17 (m, 2H), 4.57 (s,
2H), 3.86-3.94 (m, 1H), 3.53 (dd, J=9.6, 3.3 Hz, 1H), 3.39 (dd, J=9.6, 7.4 Hz,
1H), 2.26-2.34 (m, 3H).
ステップ2、({[(2R)−2−(2,2−ジエトキシエトキシ)ペンタ−4−エン−1−イル]オキシ}メチル)ベンゼン(C2)の合成。
この反応を2つの同一の実験で実施した。テトラヒドロフラン(1L)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%、124.8g、3.12mol)の0℃懸濁液に、テトラヒドロフラン(500mL)中の(2R)−1−(ベンジルオキシ)ペンタ−4−エン−2−オール(C1)(200g、1.04mol)の溶液を添加した。反応物を室温で30分間撹拌し、その後、2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(528g、2.68mol)を添加し、反応混合物を還流で18時間加熱した。混合物を水(2×300mL)で慎重にクエンチし、合わせた実験を真空中で濃縮した。水性残渣を酢酸エチル(5L)および水(5L)に分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(5L)で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:20:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製して、生成物を黄色のオイルとして得た。収量:300g、0.97mol、47%。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.26-7.37 (m, 5H), 5.78-5.90 (m, 1H), 5.01-5.13 (m, 2H), 4.61 (t,
J=5.3Hz, 1H), 4.55 (s, 2H), 3.48-3.74 (m, 9H), 2.30-2.36 (m, 2H), 1.22 (t,
J=7.1Hz, 3H), 1.21 (t, J=7.0Hz, 3H).
ステップ3、2−{[(2R)−1−(ベンジルオキシ)ペンタ−4−エン−2−イル]オキシ}−N−ヒドロキシエタンイミン(C3)の合成。
({[(2R)−2−(2,2−ジエトキシエトキシ)ペンタ−4−エン−1−イル]オキシ}メチル)ベンゼン(C2)(234g、0.759mol)のギ酸(400mL)および水(100mL)中の溶液を室温で2時間撹拌した。LCMS分析によって少量の残留出発物質が明らかとなったので、ギ酸(50mL)を添加し、反応混合物をさらに30分間撹拌した。反応混合物をエタノール(1L)および水(400mL)で希釈した。硫酸ヒドロキシルアミン(435g、2.65mol)および酢酸ナトリウム(217g、2.64mol)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル(500mL)および水(1L)に分配し、水性層を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×500mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物をオレンジ色のオイルとして得た。H NMRによると、この物質は、オキシム異性体のほぼ1:1混合物から構成された。収量:234g。これをそのまま、次のステップに入れた。LCMS m/z 250.1 [M+H+]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
特徴的ピーク:δ[7.52 (t, J=5.5 Hz)および6.96 (t, J=3.6 Hz), 計1H], 7.28-7.39 (m, 5H),
5.74-5.87 (m, 1H), 5.04-5.14 (m, 2H), 4.55および4.56 (2 s,
計2H), {4.45-4.55 (m)および[4.27
(dd, ABXパターンの半分, J=13.2, 5.4 Hz)および4.21 (dd, ABXパターンの半分, J=13.2, 5.6 Hz)], 計2H}, 2.30-2.37 (m, 2H).
ステップ4、(3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C4)の合成。
内部温度を15℃未満に維持する一方で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(14.5%溶液、600mL)を、0℃の2−{[(2R)−1−(ベンジルオキシ)ペンタ−4−エン−2−イル]オキシ}−N−ヒドロキシエタンイミン(C3)(先行するステップからの224g、≦0.759mol)のジクロロメタン(1L)溶液に滴下で添加した。添加が完了した後に、反応混合物を0℃で1.5時間撹拌し続け、次いで、水(1L)およびジクロロメタン(500mL)で希釈した。水性層をジクロロメタン(2×500mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)、水(500mL)で、かつ再び飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄した。続いて、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜25%酢酸エチル)による精製によって、生成物を無色のオイルとして得た。化合物C4の示された相対立体化学を、核オーバーハウザー増強研究に基づいて割り当て、これによって炭素3aおよび5上のメチンプロトン間の相互作用が明らかとなった。収量:85.3g、345mmol、2ステップに亘り45%。LCMS m/z 248.1 [M+H+]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.27-7.40 (m, 5H), 4.77 (d, J=13.5 Hz, 1H), 4.54-4.65 (m, 3H), 4.22
(dd, J=13.5, 1 Hz, 1H), 3.79 (dd, J=11.7, 8.0 Hz, 1H), 3.69-3.76 (m, 1H), 3.57
(dd, ABXパターンの半分, J=10.1, 5.9 Hz, 1H), 3.49 (dd, ABXパターンの半分, J=10.1, 4.3 Hz, 1H), 3.39-3.5 (m, 1H), 2.20 (ddd, J=12.9, 6.5, 1.6
Hz, 1H), 1.51-1.62 (m, 1H).
ステップ5、(3aR,5R,7aS)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C5)の合成。
ボロントリフルオリドジエチルエーテラート(60.1mL、474mmol)を、トルエンおよびジイソプロピルエーテルの1:1混合物(2L)中の(3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C4)(50.0g、202mmol)の溶液に−76℃の内部温度にて添加した。反応物をこの温度にて30分間撹拌し、次いで、2,4−ジフルオロ−1−ヨードベンゼン(27.1mL、226mmol)で処理した。反応温度を−76〜−71℃で維持する一方で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M、85.7mL、214mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を−76℃で1.5時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(1L)でクエンチし、水(1L)および酢酸エチル(750mL)に分配した。不均一な混合物を室温に加温した後に、水性層を酢酸エチル(3×250mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(550mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜70%酢酸エチル)によって、生成物を黄色のオイルとして得た。収量:48.14g、133.2mmol、66%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.94 (ddd, J=9, 9, 7 Hz, 1H), 7.28-7.40 (m, 5H), 6.87-6.93 (m, 1H),
6.80 (ddd, J=12.0, 8.6, 2.4 Hz, 1H), 4.60 (AB四重線, JAB=12.1
Hz,δνAB=21.4 Hz,
2H), 4.14 (br dd, J=12.8, 1.3 Hz, 1H), 3.82-3.90 (m, 2H), 3.72 (d, J=7.2 Hz,
1H), 3.54-3.60 (m, 2H), 3.50 (dd, ABXパターンの半分, J=10.3,
4.1 Hz, 1H), 3.04-3.13 (m, 1H), 1.86 (ddd, J=14.0, 7.0, 2.0 Hz, 1H), 1.49-1.61
(m, 1H).
ステップ6、[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メタノール(C6)の合成。
(3aR,5R,7aS)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C5)(48.1g、133mmol)を酢酸(444mL)に溶解し、亜鉛粉末(113g、1.73mol)で処理した。40℃に加温しておいた反応混合物を室温に冷却し、16時間撹拌した。不溶性物質を珪藻土パッドでの濾過によって除去し、そのパッドを酢酸エチル(3×500mL)で洗浄した。合わせた濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5L)で中和し、水性層を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を濃厚な黄色のオイルとして得、これを、さらに精製することなく次の反応で使用した。収量:48.7g、定量的と推定。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 特徴的ピーク:δ7.62-7.80 (br m, 1H), 7.28-7.39 (m, 5H),
6.94-7.06 (m, 1H), 6.83 (ddd, J=12.7, 8.5, 2.6 Hz, 1H), 4.61 (AB四重線, 高磁場二重線が広幅化, JAB=12.2 Hz,δνAB=30.5 Hz, 2H), 4.22 (dd, J=11.6, 2.2
Hz, 1H), 3.83-3.92 (br m, 1H), 3.62-3.73 (br m, 1H), 3.56 (dd, J=10.2, 3.5 Hz,
1H), 3.34-3.41 (m, 1H), 2.26-2.43 (br m, 1H), 2.00-2.17 (br m, 1H), 1.65 (ddd,
J=14.1, 4.5, 2.5 Hz, 1H).
ステップ7、N−{[(3S,4R,6R)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C7)の合成。
イソチオシアン酸ベンゾイル(17.8mL、132mmol)を[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メタノール(C6)(48.7g、134mmol)のジクロロメタン(1.34L)溶液に添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、生成物を白色の固体として得、これをさらに精製することなく使用した。収量:72.2g、定量的と推定。LCMS m/z 527.2 [M+H+]. 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
特徴的ピーク:δ7.89-7.93 (m, 2H),
7.62-7.67 (m, 1H), 7.50-7.56 (m, 2H), 7.42-7.54 (br m, 1H), 7.31-7.36 (m, 2H),
7.17-7.28 (m, 3H), 6.86-6.98 (m, 2H), 4.57 (AB四重線, JAB=11.9
Hz,δνAB=11.8 Hz,
2H), 3.84-3.91 (m, 1H), 3.64 (br dd, ABXパターンの半分,
J=10.6, 6.0 Hz, 1H), 3.58 (dd, ABXパターンの半分, J=10.6, 3.8
Hz, 1H), 3.44-3.54 (br m, 1H), 2.32-2.59 (br m, 1H), 1.82-2.06 (m, 2H).
ステップ8、N−[(4aR,6R,8aS)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C8)の合成。
ピリジン(11.0mL、137mmol)をN−{[(3S,4R,6R)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C7)(19.00g、36.08mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液に添加し、このように得られた溶液を−50〜−60℃に冷却した。ジクロロメタン(50mL)中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(12.1mL、71.9mmol)を滴下で添加し、反応混合物を3時間かけて徐々に−5℃に加温した。水を添加し、水性層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の20%〜40%酢酸エチル)によって精製して、生成物を黄色の泡として得た。収量:15.51g、30.50mmol、85%。LCMS m/z 509.2 [M+H+]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.23 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.37-7.57 (br m, 4H), 7.24-7.36 (m, 5H),
6.85-6.97 (m, 2H), 4.58 (AB四重線, 高磁場シグナルが少し広幅化, JAB=11.9 Hz,δνAB=23.5 Hz, 2H), 4.17 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.90-3.97 (m, 1H), 3.83 (br
d, J=12 Hz, 1H), 3.64 (dd, ABXパターンの半分, J=10.1, 6.4 Hz,
1H), 3.50 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 4.4 Hz, 1H),
3.11-3.21 (br m, 1H), 3.02 (dd, J=12.9, 4.1 Hz, 1H), 2.64 (br d, J=13 Hz, 1H),
1.92-2.05 (br m, 1H), 1.71 (br d, J=13 Hz, 1H).
ステップ9、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P1)の合成。
三塩化ホウ素(ヘプタン中の1M溶液、89.7mL、89.7mmol)を0℃のN−[(4aR,6R,8aS)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C8)(15.20g、29.89mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液に添加した。15分後に、反応混合物を室温に加温し、4時間撹拌した。次いで、フラスコ内部を窒素ガスでフラッシュする一方で、メタノール(50mL)を初めは滴下で添加し{注:激しい反応}、次いで、一定速度で添加した。混合物を30分間還流加熱し、室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣を再びメタノールに溶解し、撹拌し、真空中で濃縮した。このように得られた物質をジクロロメタンに入れ、1M水酸化ナトリウム水溶液、水、および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:酢酸エチル中0%〜3%メタノール)によって精製して、生成物を黄色の泡として得た。収量:11.97g、28.60mmol、96%。LCMS m/z 419.2 [M+H+]. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.13 (d, J=7.4 Hz, 2H), 7.50-7.56 (m, 1H), 7.41-7.49 (m, 3H),
7.02-7.11 (m, 2H), 4.13 (dd, J=11.9, 1.8 Hz, 1H), 3.90 (d, J=12.1 Hz, 1H),
3.72-3.80 (m, 1H), 3.59 (d, J=5.1 Hz, 2H), 3.14-3.24 (br m, 1H), 2.96 (dd, ABXパターンの半分, J=13.1, 4.1 Hz, 1H), 2.75 (dd, ABXパターンの半分,
J=13.1, 2.7 Hz, 1H), 1.80-1.92 (m, 1H), 1.70 (ddd, J=13.4, 4.2, 2.4 Hz, 1H).
調製P2
(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボン酸(P2)
Figure 2016507580
過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(1.09g、3.10mmol)を、アセトニトリル(207mL)中のN−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P1)(13.0g、31.1mmol)および4−メチルモルホリンN−オキシド一水和物(25.2g、186mmol)の混合物に添加し、反応混合物を室温で90分間撹拌した。2−プロパノール(100mL)を添加した後に、これをさらに2時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルおよび0.5M水酸化ナトリウム水溶液に分配した。有機層を0.5M水酸化ナトリウム水溶液で2回抽出し、合わせた水層を、2M塩酸水溶液で約1のpHに酸性化し、次いで、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶かし、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜20%メタノール)によって精製して、生成物を赤色がかった固体として得た。収量:12.36g、28.58mmol、92%。LCMS m/z 433.2 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CD3OD)
δ 8.09-8.13 (m, 2H), 7.52-7.57 (m, 1H), 7.43-7.51 (m,
3H), 7.03-7.11 (m, 2H), 4.35 (dd, J=11.2, 3.4Hz, 1H), 4.19 (dd, J=12.0, 1.4Hz,
1H), 3.97 (d, J=12.1Hz, 1H), 3.20-3.27 (m, 1H), 2.96 (dd, ABXパターンの半分, J=13.1, 4.0Hz, 1H), 2.78 (dd, ABXパターンの半分,
J=13.2, 2.8Hz, 1H), 2.03-2.15 (m, 2H).
調製P3
N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−ホルミル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P3)
Figure 2016507580
トリエチルアミン(16.7mL、120mmol)を、室温の水浴に浸漬されているN−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P1)(4.18g、10.0mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液に一度に迅速に添加した。5分後に、無水ジメチルスルホキシド(9.94mL、140mmol)を迅速に添加し、直後に、固体の三酸化硫黄ピリジン錯体(98%、13.0g、80.0mmol)を一度に添加した。その結果生じた溶液を周囲温度で6.5時間撹拌し、次いで、水および飽和塩化ナトリウム水溶液の1:1混合物(200mL)で希釈し、10分間撹拌した。水性層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出し、合わせた有機層を水(100mL)で洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)により精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:2.81g、6.75mmol、67%。LCMS m/z 414.9 [M-H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 9.71 (s, 1H), 8.20 (br d, J=7Hz, 2H), 7.50-7.56 (m,
1H), 7.36-7.49 (m, 3H), 6.86-6.99 (m, 2H), 4.23 (br d, J=12.1Hz, 1H), 4.12 (dd,
J=12.1, 2.9Hz, 1H), 3.94 (d, J=12.5Hz, 1H), 3.13-3.22 (m, 1H), 3.04 (dd,
J=13.1, 4.1Hz, 1H), 2.69 (dd, J=13.1, 2.9Hz, 1H), 2.02-2.14 (m, 1H), 1.92-1.99
(m, 1H).
調製P4
(4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルトリフルオロメタンスルホナート(P4)。
Figure 2016507580
ステップ1、(4aR,6S,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルアセタート(C9)の合成。
テトラヒドロフラン(80mL)および酢酸(15mL)中の(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボン酸(P2)(3.0g、6.9mmol)の溶液に、酢酸鉛(IV)(19.3g、43.5mmol)を添加した。室温で18時間撹拌した後に、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、珪藻土で濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:1.38g、3.09mmol、45%。LCMS m/z 445.1 [M-H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 8.21 (br d, J=7Hz, 2H), 7.50-7.56 (m, 1H), 7.36-7.49
(m, 3H), 6.87-6.98 (m, 2H), 6.31 (br d, J=3Hz, 1H), 4.55 (d, J=12.2Hz, 1H),
3.59 (br d, J=12Hz, 1H), 3.44-3.52 (m, 1H), 3.05 (dd, J=13.0, 4.2Hz, 1H), 2.63
(dd, J=13.0, 2.8Hz, 1H), 2.38-2.48 (m, 1H), 2.19 (s, 3H), 1.80 (br dd, J=14,
4Hz, 1H).
ステップ2、N−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−オキソ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C10)の合成。
反応を2バッチで実施した。アセトニトリル(25mL/15mL)中の(4aR,6S,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルアセタート(C9)(2.5g、5.6mmol/1.66g、3.72mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(6mL/4mL)を室温で、続いて、クロロクロム酸ピリジニウム(6.02g、28mmol/3.98g、18.5mmol)を1ポーションで添加した。その結果生じた反応混合物を室温で3.5時間撹拌し、次いで、合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(350mL)にゆっくりと注いだ。水性層を酢酸エチル(2×400mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の0%〜50%酢酸エチル)によって精製して、生成物を、残留したジクロロメタンを含有する白色の泡として得た。補正収量:2.51g、6.24mmol、67%。LCMS m/z 403.0 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 8.03 (br d, J=7Hz, 2H), 7.56-7.62 (m, 1H), 7.47-7.54
(m, 2H), 7.31-7.39 (m, 1H), 6.88-6.99 (m, 2H), 4.90 (d, J=11.5Hz, 1H), 4.29 (d,
J=11.7Hz, 1H), 3.39-3.48 (m, 1H), 2.94-3.05 (m, 2H), 2.84 (dd, ABXパターンの半分, J=18.5, 7.6Hz, 1H), 2.68 (dd, J=13.2, 3.1Hz, 1H).
ステップ3、(4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルトリフルオロメタンスルホナート(P4)の合成。
テトラヒドロフラン(100mL)中のN−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−オキソ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C10)[2.51g、6.24mmol;トルエン(2×10mL)と共沸]およびN−(5−クロロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド(Comins試薬、96%、10.2g、24.9mmol)の混合物を−78℃に冷却した。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中の0.5M溶液、62.4mL、31.2mmol)を滴下で20分かけて添加し、反応混合物を−78℃で1.1時間撹拌し、炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を添加した後に、これを室温に加温し、酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜60%酢酸エチル)によって、生成物を淡黄色の固体として得た。収量:2.43g、4.55mmol、73%。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.99 (br d, J=8Hz, 2H), 7.55-7.60 (m, 1H), 7.49 (br dd, J=8, 7Hz,
2H), 7.39 (ddd, J=9, 9, 6.4Hz, 1H), 6.94-7.00 (m, 1H), 6.90 (ddd, J=12.4, 8.4,
2.6Hz, 1H), 4.82 (d, J=10.7Hz, 1H), 4.77 (d, J=2.0Hz, 1H), 4.17 (d, J=10.7Hz,
1H), 3.63-3.69 (m, 1H), 2.97 (dd, J=13.3, 3.1Hz, 1H), 2.68 (dd, J=13.3, 4.3Hz,
1H).
N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−ホルミル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P3)からのN−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−オキソ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C10)の代替合成
Figure 2016507580
ステップ1、[(4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4a,5,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6(4H)−イリデン]メチルアセタート(C11)の合成。
無水酢酸(1.5mL、16mmol)を、アセトニトリル(16mL)中のN−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−ホルミル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P3)(661mg、1.59mmol)および炭酸カリウム(1.34g、9.70mmol)のスラリーに添加した。フラスコを窒素でフラッシュした後に、反応混合物を還流で2.5時間加熱し、次いで、室温に冷却し、18時間撹拌した。スラリーを酢酸エチルで希釈し、濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)を使用して精製して、生成物を白色の固体として得、これを、H NMRから、幾何異性体の約4:1混合物と割り当てた。収量:437mg、0.953mmol、60%。LCMS m/z 459.1 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3),
主異性体のみ: δ 8.09-8.32 (br s, 2H),
7.50-7.56 (m, 1H), 7.39-7.45 (m, 3H), 6.85-6.99 (m, 2H), 6.75 (d, J=1.9Hz, 1H),
4.31 (dd, J=11.7, 1.2Hz, 1H), 4.02 (d, J=11.8Hz, 1H), 3.13-3.26 (m, 1H),
2.97-3.07 (m, 1H), 2.70-2.87 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.17-2.25 (m, 1H).
ステップ2、N−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−オキソ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C10)の合成。
アセトニトリル(0.5mL)、ならびに1,2−ジクロロエタンおよび水の1:1混合物(5mL)中の[(4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4a,5,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6(4H)−イリデン]メチルアセタート(C11)(430mg、0.938mmol)、塩化ルテニウム(III)(5.8mg、28μmol)、および過ヨウ素酸ナトリウム(98.5%、407mg、1.87mmol)の溶液を室温で3時間撹拌し、次いで、撹拌することなく18時間放置した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(25mL)で希釈した後に、混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜80%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:237mg、0.589mmol、63%。LCMS m/z 403.1 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 7.99 (br d, J=8Hz, 2H), 7.49-7.54 (m, 1H), 7.43 (br
dd, J=8, 7Hz, 2H), 7.32 (ddd, J=9.0, 9.0, 6.3Hz, 1H), 6.81-6.93 (m, 2H), 4.85
(d, J=11.7Hz, 1H), 4.24 (d, J=11.5Hz, 1H), 3.35-3.44 (m, 1H), 2.87-2.97 (m,
2H), 2.80 (dd, ABXパターンの半分, J=18.7, 7.5Hz, 1H), 2.63
(dd, J=13.1, 3.1Hz, 1H).
調製P5
N−[(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P5)
Figure 2016507580
ステップ1、(2R)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−オール(C12)の合成。
臭化ビニルマグネシウムの代わりに、臭化1−プロペニルマグネシウムを使用することを除いて、調製P1において(2R)−1−(ベンジルオキシ)ペンタ−4−エン−2−オール(C1)を合成するために使用した方法により、生成物を得た。生成物を茶色のオイルとして得、これをさらに精製することなく使用したが、H NMRによると、この物質は、幾何異性体の1:1混合物からなった。収量:140g、0.679mol、100%。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.28-7.42 (m, 5H), 5.39-5.67 (m, 2H), 4.57 (s, 2H), 3.80-3.92 (m,
1H), 3.48-3.57 (m, 1H), 3.35-3.43 (m, 1H), 2.36-2.50 (br m, 1H), 2.24-2.33 (m,
1H), 2.17-2.24 (m, 1H), [1.68 (br d, J=6Hz)および1.64 (br
d, J=7Hz), 計3H].
ステップ2、({[(2R)−2−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−4−エン−1−イル]オキシ}メチル)ベンゼン(C13)の合成。
試薬の当初の混合物を0℃で実施したことを除いて、調製P1において({[(2R)−2−(2,2−ジエトキシエトキシ)ペンタ−4−エン−1−イル]オキシ}メチル)ベンゼン(C2)を合成するために使用した方法により、(2R)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−オール(C12)(150g、0.73mol)を生成物に変換した。生成物を茶色のオイル(400g、≦0.73mol)として得、これをさらに精製することなく、次のステップのために使用した。H NMR分析によると、この物質は、幾何異性体の約1:1混合物を含有した。1H NMR (400MHz, CDCl3), 生成物の特徴的ピーク: δ 7.25-7.38 (m, 5H), 5.38-5.60 (m, 2H),
4.55および4.55 (2 s, 計2H),
2.22-2.37 (m, 2H), 1.60-1.68 (m, 3H).
ステップ3、{[(2R)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−イル]オキシ}アセトアルデヒド(C14)の合成。
テトラヒドロフラン(1.4L)中の({[(2R)−2−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−4−エン−1−イル]オキシ}メチル)ベンゼン(C13)(先行するステップから350g、≦0.64mol)の溶液に、塩酸水溶液(2M、700mL)を添加し、反応混合物を75℃で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、水性残渣を酢酸エチル(2.0L)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(3×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を淡茶色のオイル(210g、≦0.64mol)として得、これをそのまま、次のステップに入れた。
ステップ4、2−{[(2R)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−イル]オキシ}−N−ヒドロキシエタンイミン(C15)の合成。
エタノール水溶液(2:1のエタノール/水、2.1L)中の{[(2R)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−イル]オキシ}アセトアルデヒド(C14)(207g、≦0.63mol)および酢酸ナトリウム(342g、4.17mol)の混合物に、塩酸ヒドロキシルアミン(207g、2.98mol)を添加した。反応混合物を60℃で18時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮し、酢酸エチル(2.0L)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル中の酢酸エチル)によって精製して、生成物を茶色のオイルとして得た。H NMRによって、これを、オキシムおよびオレフィン官能基の両方での幾何異性体の混合物として割り当てた。収量:117g、0.444mol、3ステップで70%。1H NMR (400MHz, CDCl3), 特徴的ピーク: δ [7.42-7.48 (m)および6.88-6.92 (m), 計1H], 7.20-7.36 (m, 5H),
5.29-5.61 (m, 2H), [4.48-4.54 (m)および4.41-4.45 (m), 計3H], 2.13-2.32 (m, 2H), 1.54-1.65 (m, 3H).
ステップ5、(3S,3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C16)および(3R,3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C17)の合成。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液(6.15%溶液、6.6L)を、ジクロロメタン(6.6L)中の2−{[(2R)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−イル]オキシ}−N−ヒドロキシエタンイミン(C15)(660g、2.51mol)およびトリエチルアミン(19g、0.19mol)の溶液に25℃でゆっくりと添加した。添加の完了の後に、反応混合物を25℃で30分間撹拌した。有機層を水(3×3L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル中の酢酸エチル)によって精製して、(3S,3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C16)を白色の固体として得た。収量:90g、0.34mol、14%。化合物C16の示された相対立体化学を、核オーバーハウザー増強研究に基づいて割り当て、これによって炭素3a上のメチンプロトンと、炭素3上のメチル基のプロトンおよび炭素5上のメチンプロトンの両方との相互作用が明らかとなった。LCMS m/z 261.9 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 7.24-7.39 (m, 5H), 4.69 (d, J=13.7Hz, 1H), 4.57 (AB四重線, JAB=12.2Hz, ΔνAB=13.8Hz, 2H), 4.13-4.25 (m, 2H), 3.62-3.70 (m, 1H), 3.55 (dd, ABXパターンの半分, J=10, 6Hz, 1H), 3.47 (dd, ABXパターンの半分,
J=10, 4Hz, 1H), 2.93 (br ddd, J=11, 11, 7Hz, 1H), 2.11 (br dd, J=12.6, 6.8Hz,
1H), 1.45-1.56 (m, 1H), 1.45 (d, J=6.2Hz, 3H).
また、クロマトグラフィー分離により、(3R,3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C17)を茶色のオイルとして得た。収量:126g、0.482mol、19%。化合物C17の示された相対立体化学を、核オーバーハウザー増強研究に基づいて割り当て、これによって炭素3a上のメチンプロトンと、炭素3上のメチンプロトンおよび炭素5上のメチンプロトンの両方との相互作用が明らかとなった。LCMS m/z 261.9 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 7.26-7.39 (m, 5H), 4.76-4.86 (m, 1H), 4.75 (d,
J=13.5Hz, 1H), 4.58 (AB四重線, JAB=12.2Hz, ΔνAB=12.4Hz, 2H), 4.19 (dd, J=13.5,
1.2Hz, 1H), 3.63-3.70 (m, 1H), 3.57 (dd, ABXパターンの半分,
J=10.2, 6.0Hz, 1H), 3.49 (dd, ABXパターンの半分, J=10.1,
4.2Hz, 1H), 3.36 (br ddd, J=11.4, 11.4, 6.3Hz, 1H), 1.86 (ddd, J=12.8, 6.4,
1.2Hz, 1H), 1.55-1.66 (m, 1H), 1.16 (d, J=6.6Hz, 3H).
ステップ6、(3S,3aR,5R,7aS)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メチルヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C18)の合成。
調製P1における(3aR,5R,7aS)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C5)を合成するための一般手順により、生成物を、(3S,3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C16)から調製して、黄色のオイルとして得た。収量:21.5g、57.2mmol、48%。LCMS m/z 376.2 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 7.98 (ddd, J=9.1, 9.1, 6.8Hz, 1H), 7.28-7.40 (m, 5H),
6.87-6.93 (m, 1H), 6.80 (ddd, J=11.9, 8.6, 2.6Hz, 1H), 4.60 (AB四重線, JAB=12.1Hz, ΔνAB=19.9Hz, 2H), 3.99-4.06 (m, 1H), 3.97 (dd, ABXパターンの半分, J=12.9, 2.0Hz, 1H), 3.80-3.88 (m, 2H), 3.56 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 6.3Hz, 1H), 3.49 (dd, ABXパターンの半分,
J=10.2, 4.1Hz, 1H), 2.81-2.87 (m, 1H), 2.04 (ddd, J=14.2, 7.6, 2.8Hz, 1H),
1.48-1.59 (m, 1H), 0.79 (d, J=6.4Hz, 3H).
ステップ7、(1S)−1−[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]エタノール(C19)の合成。
調製P1にける[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メタノール(C6)を合成するための一般手順により、生成物を、(3S,3aR,5R,7aS)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メチルヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C18)から調製して、黄色のオイルとして得た。収量:13.96g、37.00mmol、98%。LCMS m/z 378.2 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3),
特徴的ピーク: δ 7.65-7.78 (br m, 1H),
7.27-7.40 (m, 5H), 6.93-7.02 (br m, 1H), 6.80 (ddd, J=12.6, 8.5, 2.6Hz, 1H),
4.06 (dd, J=11.7, 2.2Hz, 1H), 3.53 (dd, J=10.2, 3.7Hz, 1H), 2.50-2.61 (br m, 1H),
1.62 (ddd, J=14, 4, 2.5Hz, 1H), 0.89 (d, J=6.6Hz, 3H).
ステップ8、N−{[(3S,4R,6R)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C20)の合成。
調製P1におけるN−{[(3S,4R,6R)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C7)を合成するための一般手順により、生成物を(1S)−1−[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]エタノール(C19)から調製した。この場合、反応混合物を真空中で濃縮した後に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー処理して(勾配:ヘプタン中の0%〜50%酢酸エチル)、生成物を黄色の泡として得た。収量:13.36g、24.71mmol、67%。LCMS m/z 539.2 [M−H]。
ステップ9、N−[(4R,4aR,6R,8aS)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C21)の合成。
アゾジカルボン酸ジエチル(21.3mL、136mmol)を、テトラヒドロフラン(850mL)中のトリフェニルホスフィン(35.7g、136mmol)の溶液に滴下で添加し、混合物を30分間撹拌し、その後、氷浴中で冷却した。テトラヒドロフラン(115mL)中のN−{[(3S,4R,6R)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C20)(24.5g、45.3mmol)の溶液を、反応混合物に滴下で添加し、次いで、これを、氷冷下で1時間撹拌した。真空中で濃縮した後に、残渣を、ジクロロメタンで平衡化させておいたシリカゲルカラム上に負荷し、カラムを、1:1の酢酸エチル/ヘプタンで溶離した。生成物を含有するフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、その結果生じた物質をヘプタン中の15%酢酸エチルで摩砕し、固体を濾過によって除去した。濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー処理して(勾配:ヘプタン中の20%〜40%酢酸エチル)、生成物を白色の固体として得た。収量:17.23g、32.97mmol、73%。LCMS m/z 523.2 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 8.23 (br d, J=6.5Hz, 2H), 7.49-7.55 (m, 1H),
7.36-7.48 (m, 3H), 7.24-7.36 (m, 5H), 6.84-6.96 (m, 2H), 4.58 (AB四重線, JAB=12.0Hz, ΔνAB=25.0Hz, 2H), 4.18 (dd, J=12.2, 1.7Hz, 1H), 3.87-3.94 (m, 1H), 3.84
(d, J=12.2Hz, 1H), 3.63 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 6.4Hz,
1H), 3.50 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 4.4Hz, 1H),
3.23-3.31 (m, 1H), 2.88-2.96 (m, 1H), 1.61-1.79 (m, 2H), 1.25 (d, J=6.9Hz, 3H).
ステップ10、N−[(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P5)の合成。
調製P1におけるN−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P1)を合成するための一般手順により、生成物をN−[(4R,4aR,6R,8aS)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C21)から調製した。この場合、2つの同様の反応から合わせた粗製の生成物を、クロマトグラフィーによって精製するのではなく、ジクロロメタンで摩砕した。摩砕からの濾液を真空中で濃縮し、物質の第2の収量を、ジクロロメタンでの第2の摩砕によって得て、いずれの場合にも生成物を白色の固体として得た。合計収量:23.12g、53.46mmol、79%。LCMS m/z 433.2 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CD3OD)
δ 8.12 (br d, J=7Hz, 2H), 7.51-7.57 (m, 1H), 7.40-7.49
(m, 3H), 7.02-7.11 (m, 2H), 4.15 (br d, J=12Hz, 1H), 3.91 (d, J=11.9Hz, 1H),
3.71-3.78 (m, 1H), 3.60 (d, J=5.2Hz, 2H), 3.19-3.28 (br m, 1H), 2.97-3.06 (br
m, 1H), 1.74-1.82 (m, 1H), 1.49-1.62 (m, 1H), 1.26 (d, J=7.0Hz, 3H).
調製P6
(4R,4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルトリフルオロメタンスルホナート(P6)。
Figure 2016507580
ステップ1、(4R,4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボン酸(C22)の合成
調製2における(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボン酸(P2)を合成するための手順により、生成物を、N−[(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P5)から調製して、ピンク/白色の固体として得た。収量:2.92g、6.54mmol、95%。LCMS m/z 447.2 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CD3OD)
δ 8.08-8.12 (m, 2H), 7.52-7.58 (m, 1H), 7.41-7.49 (m,
3H), 7.02-7.11 (m, 2H), 4.34 (dd, J=12.1, 2.7Hz, 1H), 4.20 (br d, J=11.9Hz,
1H), 3.98 (d, J=11.9Hz, 1H), 3.18-3.26 (m, 1H), 3.06 (ddd, J=12.1, 3.9, 3.9Hz,
1H), 2.15 (ddd, J=13.6, 4.0, 2.9Hz, 1H), 1.71-1.83 (m, 1H), 1.27 (d, J=6.8Hz,
3H).
ステップ2、(4R,4aR,6S,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルアセタート(C23)の合成。
テトラヒドロフラン(130mL)および酢酸(25mL)中の(4R,4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボン酸(C22)(5.0g、10.0mmol)の溶液に、酢酸鉛(IV)(31.2g、70.4mmol)を添加した。室温で18時間撹拌した後に、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、珪藻土で濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:2.75g、5.98mmol、50%。1H NMR (400MHz, CDCl3) 特徴的ピーク
δ 8.20 (br d, J=7.0Hz, 2H), 7.35-7.55 (m, 4H), 6.87-7.01 (m,
2H), 6.34 (br d, J=2.5Hz, 1H), 4.55 (d, J=12.1Hz, 1H), 3.59 (d, J=12.3Hz, 1H),
3.21-3.31 (m, 2H), 1.84 (dd, J=14.6, 3.4Hz, 1H), 1.26 (d, J=6.8Hz, 3H).
ステップ3、N−[(4R,4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−オキソ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C24)の合成。
反応を2バッチで実施した。アセトニトリル(30mL)中の(4R,4aR,6S,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルアセタート(C23)(2.75g、6.0mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(11.5mL)を室温で、続いて、クロロクロム酸ピリジニウム(6.57g、29.9mmol)を1ポーションで添加した。その結果生じた反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(350mL)にゆっくりと注いだ。水性層を酢酸エチル(2×400mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の0%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物を、残留したジクロロメタンを含有する白色の泡として得た。収量:1.36g、3.27mmol、55%。LCMS m/z 417.2 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 8.01 (br s, 2H), 7.58-7.62 (m, 1H), 7.49-7.53 (m,
2H), 7.32 (m, 1H), 6.88-7.01 (m, 2H), 4.92 (d, J=11.5Hz, 1H), 4.30 (d,
J=11.5Hz, 1H), 3.20-3.26 (m, 2H), 2.78-2.81 (m, 2H), 1.24 (d, J=6.9Hz, 3H).
ステップ4、(4R,4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルトリフルオロメタンスルホナート(P6)の合成。
テトラヒドロフラン(53mL)中のN−[(4R,4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−オキソ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C24)[1.36g、3.27mmol;トルエンと共沸(2×10mL)]およびN−(5−クロロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド(Comins試薬、96%、5.34g、13.1mmol)の混合物を−78℃に冷却した。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.5M溶液、32.7mL、16.3mmol)を20分かけて滴下で添加し、反応混合物を−78℃で1.1時間撹拌し、炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)の添加の後に、これを室温に加温し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜50%酢酸エチル)によって、生成物を淡黄色の固体として得た。収量:1.55g、2.83mmol、87%。LCMS m/z 549.2 [M+H]+.1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 7.97-7.99 (m, 2H), 7.56-7.60 (m, 1H), 7.47-7.52 (m,
2H), 7.35 (td, J=9.0, 6.5Hz, 1H), 6.87-6.97 (m, 2H), 4.83 (d, J=10.6Hz, 1H),
4.77 (d, J=1.8Hz, 1H), 4.18 (d, J=10.6Hz, 1H), 3.43 (br d, J=2.0Hz, 1H), 3.12
(qd, J=7.0, 2.4Hz, 1H), 1.28 (d, J=7.0Hz, 3H).
(実施例1〜30)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(1〜30)
Figure 2016507580
上記のスキームにおいて、適切に置換されたボロン酸は、図示されているとおり1個のR基を、または3個までの独立に選択されるR基を有し得ることを理解されたい。したがって対応して、最終化合物は、フェニル上に1から3個の間のR基を有し得る。
ステップ1、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(1〜30)の合成。
2ドラムバイアル内の必要なアリールボロン酸(0.15mmol、2.0当量)に、テトラヒドロフラン(1mL)中の(4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルトリフルオロメタンスルホナート(P4)(40mg、75μmol、1.0当量)の溶液を添加した。炭酸セシウムの2M水溶液(0.19mL、0.38mmol、5.0当量)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(約3mg、4μmol、0.05当量)を、各バイアルに添加した。反応物を脱気し、65℃で17時間振盪した。反応混合物をそれぞれ、水(1.5mL)および酢酸エチル(2.4mL)に分配し、有機層を分離した。抽出を2回繰り返し、それぞれ個別の反応からの有機層を合わせ、硫酸ナトリウムを含有する固相抽出カートリッジ(6mLカートリッジ、約1g床重量)に通した。濾液を真空中で濃縮した。粗製の残渣(約0.1mmol、1当量)を1,2−ジクロロエタン(0.25mL)に溶かし、ドライアイスボックス内で約2分間冷却した。トリエチルシラン(0.25mL、1.5mmol、15当量)およびトリフルオロ酢酸(0.25mL)を添加し、バイアルを室温で2時間振盪した。反応混合物を濃縮し、各残渣を炭酸水素ナトリウムの半飽和溶液(1.5mL)および酢酸エチル(2.5mL)に分配した。抽出を2回繰り返し、それぞれ個別の反応からの有機層を合わせ、硫酸ナトリウムを含有する固相抽出カートリッジ(6mLカートリッジ、約1g床重量)に通した。濾液を真空中で濃縮した。粗製の残渣(約75μmol)をメタノール(0.5mL)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(13μL、85μmol、1当量)を添加した。反応バイアルを65℃で16時間振盪し、次いで、真空中で濃縮した。それぞれ個別の反応からの有機層を合わせ、硫酸ナトリウムを含有する固相抽出カートリッジ(6mLカートリッジ、約1g床重量)に通した。真空中で濃縮し、ジメチルスルホキシド(1mL)に溶解し、Waters Oasis(登録商標)フィルタープレートで濾過して、微粒子を除去した後に、精製を逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18、5μm;移動相A:水中の0.03%水酸化アンモニウム(v/v);移動相B:アセトニトリル中の0.03%水酸化アンモニウム(v/v);勾配:20%〜100%B、または5%〜100%B)により実施した。特性決定データについては、表1を参照されたい。
Figure 2016507580
Figure 2016507580
Figure 2016507580
Figure 2016507580
(実施例31)
4−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]ベンゾニトリル(31)
Figure 2016507580
ステップ1、N−[(4aR,8aS)−6−(4−シアノフェニル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C25)の合成。
(4−シアノフェニル)ボロン酸(55mg、0.37mmol、2.0当量)を、テトラヒドロフラン(1.5mL)中の(4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルトリフルオロメタンスルホナート(P4)(100mg、0.19mmol、1.0当量)の溶液に添加した。炭酸セシウムの2M水溶液(0.47mL、0.935mmol、5.0当量)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(6.4mg、9μmol、0.05当量)を添加した。反応物を脱気し、65℃で17時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)および酢酸エチル(20mL)および有機層に分配し、分離した。抽出を2回繰り返し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜50%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:64mg、70%。LCMS m/z 488.3 [M+H]。
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−6−(4−シアノフェニル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C26)の合成。
N−[(4aR,8aS)−6−(4−シアノフェニル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C25)(64mg、0.13mmol、1当量)を、1,2−ジクロロエタン(2.0mL)に溶かし、0℃に冷却した。トリエチルシラン(0.32mL、2.0mmol、15当量)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)の添加によって中和し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜30%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:37mg、58%。LCMS m/z 490.3 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 8.24 (d, J=7.0Hz, 2H), 7.63-7.66 (m, 2H), 7.41-7.56
(m, 5H), 6.90-7.01 (m, 2H), 4.78 (dd, J=11.5, 2.3Hz, 1H), 4.33 (dd, J=12.3,
1.6Hz, 1H), 3.99 (d, J=12.3Hz, 1H), 3.32-3.36 (m, 1H), 3.07 (dd, J=12.9, 4.1Hz,
1H), 2.68 (dd, J=12.9, 2.7Hz, 1H), 2.12-2.22 (m, 1H), 1.91-1.96 (m, 1H).
ステップ3、4−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]ベンゾニトリル(31)の合成。
N−[(4aR,6R,8aS)−6−(4−シアノフェニル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C26)(37mg、76μmol、1当量)をメタノール(1.9mL)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.01mL、0.06mmol、0.8当量)を添加した。反応物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜50%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:27mg、91%。LCMS m/z 386.2 [M+H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 7.64-7.67 (m, 2H), 7.53-7.55 (m, 2H), 7.4 (td, J=9.0,
6.7Hz, 1H), 6.82-6.95 (m, 2H), 4.73 (dd, J=11.4, 2.2Hz, 1H), 4.25 (dd, J=11.4,
2.2Hz, 1H), 4.00 (d, J=11.5Hz, 1H), 3.11-3.17 (m, 1H), 3.04 (dd, J=12.5, 4.1Hz,
1H), 2.66 (dd, J=12.5, 2.9Hz, 1H), 1.95-2.05 (m, 1H), 1.78-1.83 (m, 1H).
(実施例32〜34)
(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(32〜34)
Figure 2016507580
上記のスキームにおいて、適切に置換されたボロン酸は、図示されているとおり1個のR基を、または3個までの独立に選択されるR基を有し得ることを理解されたい。したがって対応して、最終化合物は、フェニル上に1から3個の間のR基を有し得る。
ステップ1、N−[(4R,4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−フェニル−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C27〜C29)の合成。
実施例31においてのとおりのC25を合成するために記載した方法を使用して、(4R,4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルトリフルオロメタンスルホナート(P6)を生成物に変換した。
ステップ2、N−[(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−フェニル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C30〜32)の合成。
実施例31においてのとおりのN−[(4aR,6R,8aS)−6−(4−シアノフェニル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C26)を合成するために記載した方法を使用して、N−[(4R,4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−フェニル−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C27〜C29)を、対応する生成物に変換した。
ステップ3、(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(32〜34)の合成。
実施例31においてのとおりの4−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]ベンゾニトリル(31)を合成するために記載した方法を使用して、N−[(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−フェニル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C30〜C32)を対応する生成物に変換した。実施例32〜34についての特性決定データについては、表1Aを参照されたい。
(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(32);収量:27mg、65%。
(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−シアノフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(33);収量:14mg、58%。
(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−シアノフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(34);収量:16mg、83%。
Figure 2016507580
Figure 2016507580
生物学的アッセイ
BACE1無細胞アッセイ:β−セクレターゼ(BACE)は、アルツハイマー病患者のアミロイド斑において見出されるアミロイドβペプチドの産生に関与する酵素の1つである。β−セクレターゼ酵素は非天然ペプチドを切断するため、このアッセイはβ−セクレターゼ酵素の阻害を測定する。
β−セクレターゼによって切断することができ、N−末端ビオチンを有し、かつCys残基におけるオレゴングリーンの共有結合によって蛍光性とされた合成APP基質を使用して、阻害性化合物の存在下または非存在下でβ−セクレターゼ活性をアッセイする。基質は、ビオチン−GLTNIKTEEISEISY^EVEFR−C[オレゴングリーン]KK−OHである。BACE1酵素は、可溶性BACEコンストラクト(BACE1δTM96His)をトランスフェクトされたCHO−K1細胞の条件培地からアフィニティー精製された材料である。化合物を、384ウェルブラックプレートにおいてBACE1酵素およびビオチン化蛍光性ペプチドと共に、100μMの最も高い濃度から半対数用量反応曲線においてインキュベートする(Thermo Scientific #4318)。30μLのアッセイ緩衝液[100mMの酢酸ナトリウム、pH4.5(酢酸によってpHとする)、および0.001%Tween−20]の反応容量中で、BACE1は0.1nMの最終濃度であり、ペプチド基質の最終濃度は150nMである。プレートを覆い、37℃で3時間インキュベートする。30μLのストレプトアビジン(1.5μM)(Pierce、#21125)を添加することによって反応を停止させる。室温にて10分のインキュベーション後に、プレートを、蛍光偏光についてPerkinElmer EnVision上で読み取る(Ex485nm/Em530nm)。β−セクレターゼ酵素の活性を、基質が酵素によって切断されたときに起こる蛍光偏光の変化によって検出する。化合物阻害剤の存在下でのインキュベーションは、合成APP基質のβ−セクレターゼ酵素的切断の特異的阻害を示す。
全細胞アッセイ(インビトロのsAPPβアッセイ):野生型ヒトAPP695を過剰発現するH4ヒト神経膠腫細胞を化合物で、最終濃度1%DMSO中で18時間処理する。sAPPβレベルを、TMB−ELISAを使用して、キャプチャーAPP N末端抗体(Affinity BioReagents、OMA1−03132)、野生型sAPPβ特異的レポーターp192(Elan)、および三次抗ウサギHRP(GE Healthcare)を用いて測定する。
BACE2アッセイ:BACE2酵素は非天然ペプチドを切断するので、このアッセイでは、BACE2酵素の阻害を測定する。BACE2によって切断することができ、N−末端ビオチンを有し、かつCys残基におけるオレゴングリーンの共有結合によって蛍光性とされた合成基質を使用して、阻害性化合物の存在下で、または非存在下でBACE2活性をアッセイする。基質は、ビオチン−KEISEISYEVEFR−C(オレゴングリーン)−KK−OHである。BACE2酵素は、Enzo Life Sciences(Cat # BML−SE550)から入手可能である。化合物を、384ウェルブラックプレート(Thermo Scientific #4318)においてBACE2酵素およびビオチン化蛍光性ペプチドと共に、100μMの最も高い濃度から半対数用量反応曲線においてインキュベートする。30μLのアッセイ緩衝液[100mMの酢酸ナトリウム、pH4.5(酢酸によってpHとする)、および0.001%Tween−20]の反応容量中で、BACE2は2.5nMの最終濃度であり、ペプチド基質の最終濃度は150nMである。プレートを覆い、37℃で3時間インキュベートする。30μLのストレプトアビジン(1.5μM)(Pierce、#21125)を添加することによって、反応を停止させる。室温にて10分のインキュベート後に、プレートを、蛍光偏光についてPerkinElmer EnVision上で読み取る(Ex485nm/Em530nm)。β−セクレターゼ酵素の活性を、基質が酵素によって切断されたときに起こる蛍光偏光の変化によって検出する。化合物阻害剤の存在下でのインキュベーションは、合成基質のBACE2酵素的切断の特異的阻害を示す。
実施例1〜34での生物学的アッセイデータは、以下の表2において見出される。
Figure 2016507580
Figure 2016507580
Figure 2016507580
Figure 2016507580

Claims (22)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 2016507580
    [式中、
    は、水素またはメチルであり、前記メチルは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、
    は、1〜5個のRで置換されているフェニルであり、
    は、出現する毎に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル−(CR4a4b−、C3〜6シクロアルコキシ−(CR4a4b−、C3〜6シクロアルキル−(CR4a4b−O−、または(4〜6員ヘテロシクロアルキル)−(CR4a4b−からなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、またはC1〜6アルコキシ−C1〜6アルキルは、それぞれ、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、前記C3〜6シクロアルキル、C3〜6シクロアルコキシ、および(4〜6員ヘテロシクロアルキル)部分は、フルオロ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいか、または2個のRは、フェニル上の隣接する炭素と結合して、一緒になった場合、−(CH−O−、−O−(CH−O−、または−(CH−であってよく、
    4aおよびR4bは、独立に、水素、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
    mは、出現する毎に独立に、0、1、または2であり、
    nは、2または3であり、
    oは、1または2であり、
    pは、3または4である]
    もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  2. が、
    Figure 2016507580
    であり、
    が、クロロ、フルオロ、シアノ、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル、および1−メトキシエチルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  3. が水素である、請求項2に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  4. がメチルである、請求項2に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  5. (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−6−(4−クロロフェニル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−エトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(メトキシメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(1−メトキシエチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    4−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]ベンゾニトリル;および
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(ジフルオロメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  6. (4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および
    (4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−シアノフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  7. が水素またはメチルであり、

    Figure 2016507580
    であり、
    が、フルオロ、シアノ、トリフルオロメチル、またはメトキシメチルから選択される、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  8. (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[3−(メトキシメチル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    3−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]ベンゾニトリル;および
    (4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−シアノフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  9. が水素であり、

    Figure 2016507580
    である、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  10. (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    から選択される、請求項9に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  11. が水素であり、

    Figure 2016507580
    である、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  12. が、出現する毎に、フルオロ、メチル、またはメトキシから独立に選択されるか、または2個のRが、フェニル上の隣接する炭素と結合して、一緒になった場合、−(CH−O−または−O−(CH−O−であってよく、
    nが2であり、
    oが1である、請求項11に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  13. (4aR,6R,8aS)−6,8a−ビス(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および
    (4aR,6R,8aS)−6−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    からなる群から選択される、請求項12に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  14. が水素であり、

    Figure 2016507580
    であり、
    が、出現する毎に、フルオロ、メチル、およびメトキシから独立に選択される、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  15. (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(3−フルオロ−5−メトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    からなる群から選択される、請求項14に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  16. 治療有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できるビヒクル、賦形剤、または担体を含む医薬組成物。
  17. その阻害を必要とする患者においてアミロイド−βタンパク質の産生を阻害するために有用な医薬品を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
  18. その阻害を必要とする患者においてβ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)を阻害するために有用な医薬品を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
  19. その治療を必要とする患者において神経変性疾患を治療するために有用な医薬品を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
  20. 前記神経変性疾患がアルツハイマー病である、請求項19に記載の使用。
  21. その治療を必要とする患者において糖尿病を治療するために有用な医薬品を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
  22. 前記糖尿病が2型糖尿病である、請求項21に記載の使用。
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