JP2016504409A - 組合せ - Google Patents

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Abstract

本発明は、ヒトにおいて癌を治療する方法およびこのような治療に有用な医薬組合せに関する。特に、本方法は、−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、およびN−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を、それを必要とするヒトに投与することを含む、癌治療方法に関する。

Description

本発明は、哺乳動物において癌を治療する方法およびこのような治療に有用な組合せに関する。特に、本方法は、PI3K阻害剤:2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、およびMEK阻害剤:N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる新規な組合せ、それを含んでなる医薬組成物、および癌の治療においてこのような組合せを使用する方法に関する。
一般に、癌は細胞分裂、分化およびアポトーシス細胞死を制御する正常なプロセスの調節解除に起因する。アポトーシス(プログラムされた細胞死)は、胚発生、ならびに神経変性疾患、心血管疾患および癌などの種々の疾患の病因に不可欠な役割を果たす。アポトーシスのキナーゼ調節を含む、最もよく研究されている経路の1つが、細胞表面にある成長因子受容体から核への細胞内シグナル伝達である(Crews and Erikson, Cell, 74:215-17, 1993)。
ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)経路は、ヒトの癌で最もよく活性化されているものであり、発癌における重要性が十分に確認されている(Samuels Y and Ericson K. Oncogenic PI3K and its role in cancer. Current Opinion in Oncology, 2006;18:77-82)。
PI3K経路と癌との関連は、p110αタンパク質をコードするPIK3CA遺伝子における体細胞突然変異を同定した研究によって確認された。その後、PIK3CAの突然変異は、結腸直腸癌、乳癌、膠芽腫、卵巣癌および肺癌を含む多くの癌でも確認された。PIK3CAとは対照的に、アイソフォームβでの体細胞突然変異は確認されてない。しかしながら、過剰発現研究では、in vitroおよびin vivoの両方で、PI3Kアイソフォームβは、PTEN腫瘍サプレッサーの欠損または不活性化により誘導される形質転換に不可欠であることが含意されていた(Torbett NE, Luna A, Knight ZA, et al., A chemical screen in diverse breast cancer cell lines reveals genetic enhancers and suppressors of sensitivity to PI3K isotype selective inhibition. Biochem J 2008;415:97 110; Zhao JJ, Liu Z, Wang L, Shin E, Loda MF, Roberts TM, The oncogenic properties of mutant p110α and p110β phosphatidylinositol 3 kinases in human mammary epithelial cells. Proc Natl Acad Sci USA 2005;102:18443-8)。この知見に一致して、PIK3CB遺伝子の過剰発現が一部の膀胱癌、結腸癌、膠芽腫および白血病で確認されており、膠芽腫細胞株におけるp110βのsiRNA媒介ノックダウンが、in vitroおよびin vivoにおいて腫瘍増殖の抑制をもたらす(Pu P, Kang C, Zhang Z, et al., Downregulation of PIK3CB by siRNA suppresses malignant glioma cell growth in vitro and in vivo. Technolo Cancer Res Treat 2006;5:271-280)。shRNAを用いたさらに最近のデータでは、p110βのダウンレギュレーションが、in vitroおよびin vivoの両方で、PI3K経路の不活性化とその後のPTEN欠損癌細胞における腫瘍細胞増殖の不活性化をもたらしたが、p110αではそうではなかったことが示された(Wee S, Wiederschain, Maira S M, Loo A, Miller C, et al., PTEN deficient cancers depend on PIK3CB. Proc Natl Acad Sci 2008;105:13057 13062)。PTEN欠損腫瘍におけるPIK3CBシグナル伝達の役割に一致して、p110βは、PTEN欠損前立腺癌モデルにおける形質転換表現型に不可欠であることが報告されている(Jia S, Liu Z, Zhang S, Liu P, Zhang L, et al., Essential roles of PI3K p110β in cell growth, metabolism and tumorgenesis. Nature 2008;10:1038)。考え合わせると、これらの知見は、PI3K p110βが癌療法における有望な標的であることを示す。
分裂促進因子活性化タンパク質(MAP)キナーゼ/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(以下、MEKと呼称)は、多くの細胞プロセスの調節に関与することが知られている。Rafファミリー(B−Raf、C−Rafなど)は、MEKファミリ(MEK−1、MEK−2など)を活性化し、MEKファミリーはERKファミリー(ERK−1およびERK−2)を活性化する。広くは、RAF/MEK/ERK経路のシグナル伝達活性は、mRNAの翻訳を制御する。これには、細胞周期に関連する遺伝子が含まれる。従って、この経路の高活性化は、制御を欠いた細胞増殖をもたらす。ERKの高活性化によるRAF/MEK/ERK経路の調節解除は、総てのヒト悪性腫瘍のおよそ30%に見られる(Allen, LF, et al. Semin. Oncol. 2003. 30(5 Suppl 16):105-16)。PI3K/AKTおよびRAF/MEK/ERKの両方を介してシグナルを伝達できるRASは、総ての癌の15%で変異している癌タンパク質を有する(Davies, H. et al. Nature. 2002. 417:949-54)。また、活性化BRAF突然変異が特定の腫瘍種(例えば、黒色腫)に高頻度で確認されている(Davies, H. et al. Nature. 2002. 417:949-54)。MEK自体の活性化突然変異はヒト癌には頻繁に見られないものの、MEKは、ERK経路におけるその中枢的役割のために、ヒトの癌を治療するための重要な薬剤標的であると思われる。さらに、MEK阻害活性は、ERK1/2活性の阻害および細胞増殖の抑制を効果的に誘導し(The Journal of Biological Chemistry, vol. 276, No. 4, pp. 2686 2692, 2001)、この化合物は望まれない細胞増殖により引き起こされる疾患、例えば、腫瘍発生および/または癌に効果を示すと期待される。
癌の影響に苦しむ個人のより効果的かつ/または増強された治療をもたらす改良された療法を提供することが有用である。
本発明の一実施形態は、
(i)構造(I)の化合物:
Figure 2016504409
またはその薬学上許容される塩と、
(ii)構造(II)の化合物:
Figure 2016504409
またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物とを含んでなる組合せを提供する。
本発明の一実施形態は、必要とするヒトにおいて癌を治療する方法であって、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−6,8−ジメチ−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適には、ジメチルスルホキシド溶媒和物との組合せの治療上有効な量をこのようなヒトにin vivo投与することを含んでなる方法を提供する。
本発明の一実施形態は、必要とするヒトにおいて癌を治療する方法であって、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−6,8−ジメチ−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適には、ジメチルスルホキシド溶媒和物との組合せの治療上有効な量をこのようなヒトにin vivo投与することを含んでなり、前記組合せが一定期間内に投与され、かつ、前記組合せがある持続期間の間投与される方法を提供する。
本発明の一実施形態は、必要とするヒトにおいて癌を治療する方法であって、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−6,8−ジメチ−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適には、ジメチルスルホキシド溶媒和物との組合せの治療上有効な量をこのようなヒトにin vivo投与することを含んでなり、前記組合せの化合物が逐次投与される方法を提供する。
発明の具体的説明
本発明は、抗増殖活性を示す組合せに関する。好適には、この方法は、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩(以下、化合物A、またはその薬学上許容される塩、好適には、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩)、この化合物は構造Iで表される:
Figure 2016504409
と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−6,8−ジメチ−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適には、ジメチルスルホキシド溶媒和物(以下、化合物B、またはその薬学上許容される塩または溶媒和物、好適には、ジメチルスルホキシド溶媒和物)、この化合物は構造IIで表される:
Figure 2016504409
との併用投与により癌を治療する方法に関する。
化合物Aは、国際出願番号PCT/US2011/052857の特許出願に記載されている実施例31の通りに製造することができる。
好適には、化合物Aは、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3-プロパンジオール塩の形態である。化合物Aの2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩は、国際出願番号PCT/US2011/052857の特許出願に記載されている実施例86の通りに製造することができる。
化合物Bは、その薬学上許容される塩および溶媒和物とともに、国際出願日2005年6月10日の国際出願第PCT/JP2005/011082号、国際公開日2005年12月22日の国際公開第2005/121142号で、特に癌の治療において、MEK活性の阻害剤として有用であることが開示され、特許請求されており、これらの全開示は引用することにより本明細書の一部とされ、化合物Bは実施例4−1の化合物である。化合物Bは、国際出願第PCT/JP2005/011082号に記載されているように製造することができる。化合物Bは、2006年1月19日公開の米国特許公開第US2006/0014768号に記載されている通りに製造することができ、その全開示は引用することにより本明細書の一部とされる。
好適には、化合物Bはジメチルスルホキシド溶媒和物の形態である。好適には、化合物Bはナトリウム塩の形態である。好適には、化合物Bは、水和物、酢酸、エタノール、ニトロメタン、クロロベンゼン、1−ペンタンシ(1-pentanci)、イソプロピルアルコール、エチレングリコールおよび3−メチル−1−ブタノールから選択される溶媒和物の形態である。これらの溶媒和物および塩形態は、国際出願第PCT/JP2005/011082号または米国特許公開第US2006/0014768号の明細書から当業者により製造可能である。
治療上有効な量の本発明の組合せの投与は、その組合せが治療上有効な量の成分化合物の個々の投与に比べて下記の改善された特性のうち1以上を提供するという点で個々の成分化合物よりも有利である:i)最も活性の高い単剤よりも抗癌作用が大きい、ii)相乗的または極めて相乗的な抗癌活性、iii)低い副作用特性で高い抗癌活性を提供する投与プロトコール、iv)毒性作用特性の軽減、v)治療域の拡大、またはvi)成分化合物の一方または両方のバイオアベイラビリティの増大。
本発明の化合物は1以上のキラル原子を含んでよく、またはそうでなければ2つの鏡像異性体として存在することができる。よって、本発明の化合物は、鏡像異性体の混合物ならびに精製された鏡像異性体または鏡像異性体的に富化された混合物を含む。また、化合物Aおよびその薬学上許容される塩、ならびに化合物Bおよびその薬学上許容される塩または溶媒和物の範囲内には、総ての互変異性体および互変異性体混合物が含まれると理解される。
本発明の化合物は溶媒和物を形成してもよく、これは溶質(本発明では、化合物Aもしくはその塩および/または化合物Bもしくはその塩)と溶媒によって形成される様々な化学量論の複合体であると理解される。本発明の目的のこのような溶媒は溶質の生物活性に干渉してはならない。好適な溶媒の例としては、限定されるものではないが、水、メタノール、ジメチルスルホキシド、エタノールおよび酢酸が挙げられる。好適には、使用溶媒は薬学上許容される溶媒である。好適には、使用溶媒は水またはジメチルスルホキシドである。
本発明の化合物の薬学上許容される塩は当業者により容易に製造される。
また、本明細書では本発明の組合せを用いて癌を治療する方法が意図され、ここでは、化合物Aまたはその薬学上許容される塩、および/または化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物がプロドラッグとして投与される。本発明の化合物の薬学上許容されるプロドラッグは当業者により容易に製造される。
投与プロトコールに関して、「日」、「日当たり」などの用語は、夜の12時に始まり次の夜12時で終わる1カレンダー日内の時間を意味する。
本明細書において「治療」およびその派生語は、治療的療法を意味する。特定の症状に関して治療は、(1)その症状の生体発現の1以上の症状を改善または予防すること、(2)(a)その症状に至る、もしくはその症状の原因となる生体カスケードの1以上の点、または(b)その症状の生体発現の1以上を妨げること、(3)その症状またはその治療に関連する1以上の徴候、作用または副作用を緩和すること、あるいは(4)その症状またはその症状の生体発現の1以上の進行を緩慢にすることを意味する。それにより、予防的療法も意図される。当業者ならば、「予防」が絶対的な用語ではないことが分かるであろう。医学では、「予防」は、ある症状またはその生体発現の見込みまたは重篤度を実質的に減らすため、またはそのような症状またはその生体発現の発症を遅延させるための薬物の予防的投与を意味すると理解される。予防的療法は、例えば、被験者が癌を発症する高いリスクを持つと考えられる場合、例えば、被験者が癌の強い家族歴を持つ場合、または被験者が発癌物質に曝されていた場合に適当である。
本明細書において、「有効な量」とは、例えば研究者または臨床医により求められている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬物または医薬剤の量を意味する。さらに、「治療上有効な量」とは、このような量を受容していない対応する被験者に比べて、改良された治療、治癒、予防、または疾患、障害もしくは副作用の改善、または疾患もしくは障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、その範囲内に、正常な生理学的機能を増進するのに有効な量も含む。
本明細書において「組合せ」およびその派生語は、特に断りのない限り、化合物Aまたはその薬学上許容される塩と、化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物との治療上有効な量の同時投与または任意の個別逐次投与様式のいずれかを意味する。好ましくは、投与が同時でなければ、これらの化合物は互いに近接した時間内に投与される。さらに、これらの化合物が同じ投与形で投与されるかどうかは問題ではなく、例えば、一方の化合物を局所投与し、他方の化合物を経口投与してもよい。好適には、化合物AをIVにより投与し、化合物Bを経口投与する。
本明細書において「組合せキット」とは、本発明による化合物Aまたはその薬学上許容される塩、および化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を投与するために使用される医薬組成物または組成物を意味する。両化合物が同時投与される場合、この組合せキットは化合物Aまたはその薬学上許容される塩、および化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を、錠剤などの単一の医薬組成物または別個の医薬組成物で含み得る。これらの化合物は同時に投与されない場合、この組合せキットは化合物Aまたはその薬学上許容される塩、および化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を、別個の医薬組成物で含む。この組合せキットは化合物Aまたはその薬学上許容される塩、および化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を、単一の包装内の別個の医薬組成物または別個の包装内の別個の医薬組成物に含み得る。
一態様では、下記成分:
薬学上許容される担体を伴う化合物Aまたはその薬学上許容される塩と、
薬学上許容される担体を伴う化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物
とを含んでなる組合せキットが提供される。
本発明の一実施形態では、前記組合せキットは下記の成分:
薬学上許容される担体を伴う化合物Aまたはその薬学上許容される塩と、
薬学上許容される担体を伴う化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物
とを含んでなり、
前記成分が逐次投与、個別投与および/または同時投与に好適な形態で提供される。
一実施形態では、前記組合せキットは、
薬学上許容される担体と会合した化合物Aまたはその薬学上許容される塩を含んでなる第1の容器と、
薬学上許容される担体と会合した化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる第2の容器と、
前記第1の容器および第2の容器を含有するための容器手段
とを含んでなる。
前記「組合せキット」はまた、用量および投与説明などの説明書により提供することもできる。このような用量および投与説明は、例えば薬品ラベルによって医師に提供される種類のものであってもよいし、あるいは患者への説明など、医師によって提供される種類のものであってもよい。
本明細書において「化合物A」とは、化合物Aまたはその薬学上許容される塩を意味する。
本明細書において「化合物B」とは、化合物Bまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を意味する。
好適には、本発明の組合せは「一定期間」投与される。
本明細書において「一定期間」およびその派生語は、化合物Aおよび化合物Bの一方と化合物Aおよび化合物Bの他方の投与間の時間を意味する。特に断りのない限り、この一定期間は同時投与を含み得る。本発明の両化合物が1日1回投与される場合、一定期間とは1日の間の化合物Aと化合物Bの投与のタイミングを意味する。本発明の一方または両方の化合物が1日2回以上投与される場合、一定期間は特定の日における各化合物の1回目の投与に基づいて算出される。特定の日における1回目の投与に続く本発明の化合物の総ての投与は、特定の期間を算出する場合には考慮されない。
好適には、これらの化合物が「一定期間」内に投与されるが、同時に投与されない場合には、これらの化合物は両方とも互いに約24時間以内に投与され、この場合、一定期間は約24時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約12時間以内に投与され、この場合には、一定期間は約12時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約11時間以内に投与され、この場合には、一定期間は約11時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約10時間以内に投与され、この場合、一定期間は約10時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約9時間以内に投与され、この場合、一定期間は約9時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約8時間以内に投与され、この場合、一定期間は約8時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約7時間以内に投与され、この場合、一定期間は約7時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約6時間以内に投与され、この場合、一定期間は約6時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約5時間以内に投与され、この場合、一定期間は約5時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約4時間以内に投与され、この場合、一定期間は約4時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約3時間以内に投与され、この場合、一定期間は約3時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約2時間以内に投与され、この場合、一定期間は約2時間となり;好適には、これらの化合物が両方とも互いに約1時間以内に投与され、この場合、一定期間は約1時間となる。本明細書において、化合物Aと化合物Bの投与間隔が約45分未満であれば同時投与とみなされる。
好適には、本発明の組合せが「一定期間」投与される場合、これらの化合物はある「持続期間」併用投与される。
本明細書において「持続期間」およびその派生語は、本発明の両化合物が「一定期間」内に指定の連続日数投与され、場合により、これらの成分化合物のうち一方のみが投与される連続日数が続くことを意味する。特に断りのない限り、「持続期間」は、本明細書に記載の総ての投与プロトコールにおいて、治療の開始で始まり、治療の終了で終わる必要はなく、必要とされるのは、両化合物が投与される連続日数およびそれらの成分化合物のうち一方のみが投与される任意選択の連続日数、または示された投与プロトコールがその治療クールの間のどこかの時点に存在するということだけである。
「一定期間」の投与に関して、
好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも1日間投与され、この場合、その期間は少なくとも1日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続2日間投与され、この場合、その期間は少なくとも2日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続3日間投与され、この場合、その期間は少なくとも3日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続5日間投与され、この場合、その期間は少なくとも5日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続7日間投与され、この場合、その期間は少なくとも7日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続14日間投与され、この場合、その期間は少なくとも14日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続30日間投与され、この場合、その期間は少なくとも30日間となる。その治療クールの間、両化合物が一定期間内に30日間を越えて投与される場合には、この治療は長期的治療とみなされ、癌の状態の再評価または患者の状態の変化などの事象の変化がプロトコールの変更を妥当とするまで続ける。
さらに、「一定期間」の投与に関して、
好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも1日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも1日間投与され、この場合、その期間は少なくとも2日間となり;その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも1日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも2日間投与され、この場合、その期間は少なくとも3日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも1日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも3日間投与され、この場合、その期間は少なくとも4日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも1日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも4日間投与され、この場合、その期間は少なくとも5日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも1日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも5日間投与され、この場合、その期間は少なくとも6日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも1日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも6日間投与され、この場合、その期間は少なくとも7日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも1日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも7日間投与され、この場合、その期間は少なくとも8日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続2日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも1日間投与され、この場合、その期間は少なくとも3日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続2日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続2日間投与され、この場合、その期間は少なくとも4日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続2日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続3日間投与され、この場合、その期間は少なくとも5日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続2日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続4日間投与され、この場合、その期間は少なくとも6日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続2日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続5日間投与され、この場合、その期間は少なくとも7日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続2日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続6日間投与され、この場合、その期間は少なくとも8日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続2日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続7日間投与され、この場合、その期間は少なくとも9日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続3日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも1日間投与され、この場合、その期間は少なくとも4日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続3日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続2日間投与され、この場合、その期間は少なくとも5日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続3日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続3日間投与され、この場合、その期間は少なくとも6日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続3日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続4日間投与され、この場合、その期間は少なくとも7日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続3日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続5日間投与され、この場合、その期間は少なくとも8日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続3日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続6日間投与され、この場合、その期間は少なくとも9日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続3日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続7日間投与され、この場合、その期間は少なくとも10日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続4日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも1日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続5日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続4日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続2日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続6日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続4日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続3日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続7日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続4日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続4日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続8日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続4日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続7日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続11日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続5日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも1日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続6日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続5日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続2日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続7日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続5日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続3日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続8日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続5日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続4日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続9日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続5日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続5日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続10日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続7日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続2日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続9日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続14日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続7日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続21日間となり;好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に少なくとも連続30日間投与され、その後、化合物A単独が少なくとも連続7日間投与され、この場合、その期間は少なくとも連続37日間となる。好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に1日〜連続3日間投与され、その後、化合物A単独が連続3〜7日間投与される。好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に連続3〜6日間投与され、その後、化合物A単独が1日〜連続4日間投与される。好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に連続5日間投与され、その後、化合物A単独が連続2日間投与される。好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に連続2日間投与され、その後、化合物A単独が連続3〜7日間投与される。好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に7日間の期間のうち1〜3日間投与され、その7日間の期間のうち他の日は化合物Aが単独で投与される。好適には、その治療クールの間、両化合物が一定期間内に7日間の期間のうち2日間投与され、その7日間の期間のうち他の日は化合物Aが単独で投与される。
好適には、これらの化合物が「一定期間」の間に投与されない場合は、逐次投与される。本明細書において「逐次投与」およびその派生語は、化合物Aおよび化合物Bの一方が連続1日以上投与され、化合物Aおよび化合物Bの他方が引き続き連続1日以上投与されることを意味する。特に断りのない限り、「逐次投与」は、本明細書に記載される総ての投与プロトコールにおいて、治療の開始で始まり、治療の終了で終わる必要はなく、化合物Aおよび化合物Bの一方の投与とその後の化合物Aおよび化合物Bの他方の投与、または示されている投与プロトコールがその治療クールの間のどこかの時点に存在するということだけを必要とする。また、本明細書では、化合物Aおよび化合物Bの一方と化合物Aおよび化合物Bの他方の逐次投与間に設ける休薬日も意図する。本明細書において、休薬日は、化合物Aおよび化合物Bの一方の連続投与後、化合物Aおよび化合物Bの他方の投与前の、化合物Aも化合物Bも投与されないある日数である。好適には、休薬日は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日および14日間から選択される日数である。
逐次投与に関して、
好適には、化合物Aおよび化合物Bの一方が1日〜連続30日間投与され、その後、任意選択の休薬日の後、化合物Aおよび化合物Bの他方が1日〜連続30日間投与される。好適には、化合物Aおよび化合物Bの一方が1日〜連続21日間投与され、その後、任意選択の休薬日の後、化合物Aおよび化合物Bの他方が1日〜連続21日間投与される。好適には、化合物Aおよび化合物Bの一方が1日〜連続14日間投与され、その後、1〜14日間の休薬日の後、化合物Aおよび化合物Bの他方が1日〜連続14日間投与される。好適には、化合物Aおよび化合物Bの一方が連続2〜7日間投与され、その後、2〜10日間の休薬日の後、化合物Aおよび化合物Bの他方が連続2〜7日間投与される。
好適には、まず化合物Bが連続投与され、その後、任意選択の休薬日の後、化合物Aが投与される。好適には、化合物Bが1日〜連続21日間投与され、その後、任意選択の休薬日の後、化合物Aが1日〜連続21日間投与される。好適には、化合物Bが連続3〜21日間投与され、その後、1〜14日間の休薬日の後、化合物Aが連続3〜21日間投与される。好適には、化合物Bが連続3〜21日間投与され、その後、3〜14日間の休薬日の後、化合物Aが連続3〜21日間投与される。好適には、化合物Bが連続21日間投与され、その後、任意選択の休薬日の後、化合物Aが連続14日間投与される。好適には、化合物Bが連続14日間投与され、その後、1〜14日間の休薬日の後、化合物Aが連続14日間投与される。好適には、化合物Bが連続7日間投与され、その後、3〜10日間の休薬日の後、化合物Aが連続7日間投与される。好適には、化合物Bが連続3日間投与され、その後、3〜14日間の休薬日の後、化合物Aが連続7日間投与される。好適には、化合物Bが連続3日間投与され、その後、3〜10日間の休薬日の後、化合物Aが連続3日間投与される。
好適には、まず化合物Aが連続投与され、その後、任意選択の休薬日の後、化合物Bが投与される。好適には、化合物Aが1日〜連続21日間投与され、その後、任意選択の休薬日の後、化合物Bが1日〜連続21日間投与される。好適には、化合物Aが連続3〜21日間投与され、その後、1〜14日間の休薬日の後、化合物Bが連続3〜21日間投与される。好適には、化合物Aが連続3〜21日間投与され、その後、3〜14日間の休薬日の後、化合物Bが連続3〜21日間投与される。好適には、化合物Aが連続21日間投与され、その後、任意選択の休薬日の後、化合物Bが連続14日間投与される。好適には、化合物Aが連続14日間投与され、その後、1〜14日間の休薬日の後、化合物Bが連続14日間投与される。好適には、化合物Aが連続7日間投与され、その後、3〜10日間の休薬日の後、化合物Bが連続7日間投与される。好適には、化合物Aが連続3日間投与され、その後、3〜14日間の休薬日の後、化合物Bが連続7日間投与される。好適には、化合物Aが連続3日間投与され、その後、3〜10日間の休薬日の後、化合物Bが連続3日間投与される。好適には、化合物Aが連続7日間投与され、その後、化合物Bが1日間投与される。好適には、化合物Aが連続6日間投与され、その後、化合物Bが1日間投与される。好適には、化合物Bが1日間投与され、その後、化合物Aが連続7日間投与される。好適には、化合物Bが1日間投与され、その後、化合物Aが連続6日間投与される。
「一定期間」の投与および「逐次」投与の後に反復投与を行うことができ、または交互投与プロトコールを行うことができ、また、その反復投与または交互投与プロトコールの前に休薬日を設けてもよいと理解される。
好適には、本発明による組合せの一部として投与される化合物Aの量は約1mg〜約150mgから選択される量であり;好適には、この量は約5mg〜約120mgから選択され;好適には、この量は約10mg〜約100mgから選択され;好適には、この量は約10mgであり;好適には、この量は約25mgであり;好適には、この量は約100mgである。例えば、よって、本発明による組合せの一部として投与される化合物Aの量は、1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mgであり得る。
化合物Aは、本発明による組合せの一部として1日1回または1日2回、好適には、1日1回投与される。
好適には、本発明による組合せの一部として投与される化合物Bの量は約0.125mg〜約10mgから選択され;好適には、この量は約0.25mg〜約9mgから選択され;好適には、この量は約0.25mg〜約8mgから選択され;好適には、この量は約0.5mg〜約8mgから選択され;好適には、この量は約0.5mg〜約7mgから選択され;好適には、この量は約1mg〜約7mgから選択され;好適には、この量は約5mgである。よって、本発明による組合せの一部として投与される化合物Bの量は、約0.125mg〜約10mgから選択される。例えば、本発明による組合せの一部として投与される化合物Bの量は、0.125mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg、4mg、4.5mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mgであり得る。
化合物Bは、本発明による組合せの一部として1日1回または1日2回、好適には、1日1回投与される。
本明細書において、化合物Aおよび化合物Bに関して示される総ての量は、1用量当たりの遊離型、または塩および化合物の投与量として示される。
本発明の方法はまた、癌治療の他の治療法と併用してもよい。
本発明の組合せは、癌の治療において有用であることが知られる少なくとも1種類の他の有効成分と併用投与してもよい。
他の抗新生物薬と「併用投与する」とは、本明細書に記載の本発明の組合せと、化学療法および放射線療法を含む癌または前癌症候群の治療において有用であることが知られているさらなる1または複数の有効成分との同時投与またはいずれかの個別逐次投与様式を意味する。さらなる1または複数の有効成分という用語は、本明細書で使用する場合、癌または前癌症候群の治療を必要とする患者に投与した際に有利な特性を示すことが知られる、または示す任意の化合物または治療薬を含む。好ましくは、投与が同時でない場合、これらの化合物は互い近接した時間に投与される。さらに、化合物が同じ投与形で投与されるかどうかは問われず、例えば、ある化合物を注射により投与し、別の化合物を経口投与してもよい。
一般に、治療される感受性腫瘍に対して活性を有する抗新生物薬が、本発明において癌の治療に併用投与され得る。このような薬剤の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology by V.T. Devita and S. Hellman (編), 第6版(2001年11月15日)に見出せる。関与する薬物および癌の特定の特性に基づいて、薬剤のどの組合せが有用であるかを識別することができる。本発明において有用である典型的な抗新生物薬としては、限定されるものではないが、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドなどの微小管阻害剤;白金配位錯体;ナイトロジェンマスタード、オキサアザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素、およびトリアゼンなどのアルキル化剤;アントラサイクリン、アクチノマイシン、およびブレオマイシンなどの抗生物質;エピポドフィロトキシンなどのトポイソメラーゼII阻害剤;プリンおよびピリミジン類似体および抗葉酸化合物などの代謝拮抗剤;カンプトテシンなどのトポイソメラーゼI阻害剤;ホルモンおよびホルモン類似体;シグナル伝達経路阻害剤;非受容体チロシンキナーゼ血管新生阻害剤;免疫治療薬;アポトーシス促進剤;細胞周期シグナル伝達阻害剤;プロテアソーム阻害剤;ならびに癌代謝阻害剤が挙げられる。
本発明の組合せと併用するため、または併用投与するためのさらなる1または複数の有効成分(抗新生物薬)は化学療法薬である。
微小管阻害剤または有糸分裂阻害剤は、細胞周期のM期、すなわち有糸分裂期の間に腫瘍細胞の微小管に対して活性である細胞周期特異的薬剤である。微小管阻害剤の例としては、限定されるものではないが、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドが挙げられる。
ジテルペノイドは、天然源に由来し、細胞周期のG/M期に作用する細胞周期特異的抗癌剤である。ジテルペノイドは、微小管のβ−チューブリンサブユニットと結合することによりこのタンパク質を安定化させると考えられている。その後タンパク質の分解が阻害され、有糸分裂が停止し、細胞死をたどると思われる。ジテルペノイドの例としては、限定されるものではないが、パクリタキセルおよびその類似体であるドセタキセルが挙げられる。
パクリタキセル、5β,20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサ−ヒドロキシタクス−11−エン−9−オン4,10−ジアセテート2−ベンゾエートの(2R,3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイソセリンとの13−エステルは、タイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia)から単離された天然ジテルペン生成物であり、注射液タキソール(TAXOL)(商標)として市販されている。パクリタキセルは、テルペンのタキサンファミリーのメンバーである。パクリタキセルは、1971年にWaniら(J. Am. Chem, Soc., 93:2325. 1971)によって初めて単離され、化学法およびX線結晶学的方法によってその構造が同定された。その活性の1つの機構は、パクリタキセルの、チューブリンと結合し、それにより癌細胞増殖を阻害する能力に関連している。Schiff et al., Proc. Natl, Acad, Sci. USA, 77:1561-1565 (1980); Schiff et al., Nature, 277:665-667 (1979); Kumar, J. Biol, Chem, 256: 10435-10441 (1981)。いくつかのパクリタキセル誘導体の合成および抗癌活性に関する総説としては、D. G. I. Kingston et al., Studies in Organic Chemistry vol. 26, “New trends in Natural Products Chemistry 1986”, Attaur-Rahman, P.W. Le Quesne編(Elsevier, Amsterdam, 1986) pp 219-235を参照。
パクリタキセルは、米国における難治性卵巣癌の治療における臨床使用(Markman et al., Yale Journal of Biology and Medicine, 64:583, 1991; McGuire et al., Ann. lntem, Med., 111:273,1989)および乳癌の治療(Holmes et al., J. Nat. Cancer Inst., 83:1797,1991)に承認されている。パクリタキセルは、皮膚における新生物(Einzig et. al., Proc. Am. Soc. Clin. Oncol., 20:46)および頭頸部癌(Forastire et. al., Sem. Oncol., 20:56, 1990)の治療のための潜在的候補である。またこの化合物は、多発性嚢胞腎疾患(Woo et. al., Nature, 368:750. 1994)、肺癌、およびマラリアの治療にも可能性を示している。パクリタキセルで患者を治療すると、閾値濃度(50nM)を超える投与期間に関連して(Kearns, C.M. et. al., Seminars in Oncology, 3(6) p.16-23, 1995)、骨髄抑制が起こる(複数の細胞系譜、Ignoff, R.J. et. al, Cancer Chemotherapy Pocket Guide, 1998)。
ドセタキセル、(2R,3S)−N−カルボキシ−3−フェニルイソセリン,N−tert−ブチルエステルの5β−20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサヒドロキシタクス−11−エン−9−オン4−アセテート2−ベンゾエートとの13−エステルの三水和物は、注射液としてタキソテール(TAXOTERE)(商標)として市販されている。ドセタキセルは、乳癌の治療に指示される。ドセタキセルは、ヨーロッパイチイの針葉から抽出した天然の前駆物質10−デアセチル−バッカチンIIIを使用して製造された、パクリタキセル(前項参照)の半合成誘導体である。ドセタキセルの用量制限毒性は好中球減少である。
ビンカアルカロイドは、ニチニチソウ由来の細胞周期特異的抗新生物薬である。ビンカアルカロイドは、チューブリンと特異的に結合することによって細胞周期のM期(有糸分裂)に作用する。その結果、結合されたチューブリン分子は、重合して微小管になることができない。有糸分裂は中期で停止し、細胞死をたどると考えられている。ビンカアルカロイドの例としては、限定されるものではないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビンが挙げられる。
ビンブラスチン、硫酸ビンカロイコブラスチンは、注射液としてベルバン(VELBAN)(商標)として市販されている。ビンブラスチンは、種々の固形腫瘍の第二選択療法として指示される可能性があるが、精巣癌、ならびにホジキン病、リンパ球性および組織球性リンパ腫を含む種々のリンパ腫の治療に主として指示される。骨髄抑制がビンブラスチンの用量制限副作用である。
ビンクリスチン、ビンカロイコブラスチンの22−オキソ−硫酸塩は、注射液としてオンコビン(ONCOVIN)(商標)として市販されている。ビンクリスチンは、急性白血病の治療に指示されており、ホジキンおよび非ホジキン悪性リンパ腫の治療計画の中でも使用されている。脱毛および神経学的作用がビンクリスチンの最も一般的な副作用であり、程度は低いが、骨髄抑制および胃腸粘膜炎作用が生じる。
酒石酸ビノレルビンの注射液(ナベルビン(NAVELBINE)(商標))として市販されているビノレルビン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−C’−ノルビンカロイコブラスチン[R−(R,R)−2,3−ジヒドロキシブタン二酸(1:2)(塩)]は、半合成ビンカアルカロイドである。ビノレルビンは、単剤として、またはシスプラチンなどの他の化学療法薬と組み合わせて、種々の固形腫瘍、特に、非小細胞肺癌、進行性乳癌、およびホルモン不応性前立腺癌の治療に指示される。骨髄抑制がビノレルビンの最も一般的な用量制限副作用である。
白金配位錯体は、非細胞周期特異的抗癌剤であり、DNAと相互作用する。白金錯体は、腫瘍細胞に侵入し、アクア化を受け、DNAとの鎖内架橋および鎖間架橋を形成し、腫瘍に対して有害な生物学的作用を引き起こす。白金配位錯体の例としては、限定されるものではないが、シスプラチンおよびカルボプラチンが挙げられる。
シスプラチン、シス−ジアンミンジクロロ白金は、注射液としてプラチノール(PLATINOL)(商標)として市販されている。シスプラチンは、主として転移性の精巣癌および卵巣癌ならびに進行性膀胱癌の治療に指示される。シスプラチンの主な用量制限副作用は、腎毒性(水分補給と利尿により管理可能)、および耳毒性である。
カルボプラチン、ジアンミン[1,1−シクロブタン−ジカルボキシレート(2−)−O,O’]白金は、注射液としてパラプラチン(PARAPLATIN)(商標)として市販されている。カルボプラチンは、主として進行性卵巣癌の第一選択および第二選択治療に指示される。骨髄抑制がカルボプラチンの用量制限毒性である。
アルキル化剤は、非細胞周期特異的抗癌剤(non-phase anti-cancer specific agents)であり、かつ、強力な求電子試薬である。一般に、アルキル化剤は、アルキル化によって、リン酸基、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、およびイミダゾール基などのDNA分子の求核部分を介してDNAと共有結合を形成する。このようなアルキル化によって核酸機能が破壊され細胞死に至る。アルキル化剤の例としては、限定されるものではないが、シクロホスファミド、メルファラン、およびクロラムブシルなどのナイトロジェンマスタード;ブスルファンなどのスルホン酸アルキル;カルムスチンなどのニトロ尿素;ならびにダカルバジンなどのトリアゼンが挙げられる。
シクロホスファミド、2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキシアザホスホリン2−オキシド一水和物は、注射液または錠剤としてシトキサン(CYTOXAN)(商標)として市販されている。シクロホスファミドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、および白血病の治療に指示される。脱毛、悪心、嘔吐および白血球減少がシクロホスファミドの最も一般的な用量制限副作用である。
メルファラン、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−L−フェニルアラニンは、注射液または錠剤としてアルケラン(ALKERAN)(商標)として市販されている。メルファランは、多発性骨髄腫および切除不能な卵巣上皮癌の緩和療法に指示される。骨髄抑制がメルファランの最も一般的な用量制限副作用である。
クロラムブシル、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]ベンゼンブタン酸は、ロイケラン(LEUKERAN)(商標)錠剤として市販されている。クロラムブシルは、慢性リンパ性白血病、ならびにリンパ肉腫、巨大濾胞性リンパ腫、およびホジキン病などの悪性リンパ腫の緩和療法に指示される。骨髄抑制がクロラムブシルの最も一般的な用量制限副作用である。
ブスルファン、ジメタンスルホン酸1,4−ブタンジオールは、マイレラン(MYLERAN)(商標)錠剤として市販されている。ブスルファンは、慢性骨髄性白血病の緩和療法に指示される。骨髄抑制がブスルファンの最も一般的な用量制限副作用である。
カルムスチン、1,3−[ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素は、BiCNU(商標)として凍結乾燥物質の単一バイアルとして市販されている。カルムスチンは、脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病、および非ホジキンリンパ腫用に、単剤として、または他の薬剤と組み合わせて、緩和療法に指示される。遅発性骨髄抑制がカルムスチンの最も一般的な用量制限副作用である
ダカルバジン、5−(3,3−ジメチル−1−トリアゼノ)−イミダゾール−4−カルボキサミドは、材料の単一バイアルとしてDTIC−Dome(商標)として市販されている。ダカルバジンは、転移性悪性黒色腫の治療、および他の薬剤と組み合わせてホジキン病の第二選択治療に指示される。悪心、嘔吐、および食欲不振がダカルバジンの最も一般的な用量制限副作用である。
抗生物質系抗新生物薬は、非細胞周期特異的薬剤であり、DNAと結合するかまたはDNAにインターカレートする。一般に、このような作用によって安定なDNA複合体かまたは鎖の切断が生じ、それにより核酸の通常機能が乱れ、細胞死に至る。抗生物質系抗新生物薬の例としては、限定されるものではないが、ダクチノマイシンなどのアクチノマイシン;ダウノルビシンおよびドキソルビシンなどのアントロサイクリン;ならびにブレオマイシンが挙げられる。
ダクチノマイシンは、アクチノマイシンDとしても知られ、注射液の形態でコスメゲン(COSMEGEN)(商標)として市販されている。ダクチノマイシンは、ウィルムス腫瘍および横紋筋肉腫の治療に指示される。悪心、嘔吐および食欲不振がダクチノマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
ダウノルビシン、(8S−シス−)−8−アセチル−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リクソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、リポソーム注射形態としてダウノキソーム(DAUNOXOME)(商標)として、または注射液としてセルビジン(CERUBIDINE)(商標)として市販されている。ダウノルビシンは、急性非リンパ球性白血病および進行性HIV関連カポジ肉腫の治療における寛解導入に指示される。骨髄抑制がダウノルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
ドキソルビシン、(8S,10S)−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リクソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−8−グリコロイル,7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、注射可能な形態としてルベックス(RUBEX)(商標)またはアドリアマイシンRDF(ADRIAMYCIN RDF)(商標)として市販されている。ドキソルビシンは、主として急性リンパ芽球性白血病および急性骨髄芽球性白血病の治療に指示されるが、いくつかの固形腫瘍およびリンパ腫の治療における有用成分でもある。骨髄抑制がドキソルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
ブレオマイシン、ストレプトミセス・ヴェルチシルス(Streptomyces verticillus)の株から単離された細胞傷害性グリコペプチド系抗生物質の混合物は、ベレノキサン(BLENOXANE)(商標)として市販されている。ブレオマイシンは、単剤として、または他の薬剤と組み合わせて、扁平上皮癌、リンパ腫、および精巣癌の緩和療法に指示される。肺毒性および皮膚毒性がブレオマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
トポイソメラーゼII阻害剤としては、限定されるものではないが、エピポドフィロトキシンが挙げられる。
エピポドフィロトキシンは、マンドレイク植物由来の細胞周期特異的抗新生物薬である。エピポドフィロトキシンは、一般に、トポイソメラーゼIIとDNAとの三元複合体を形成してDNA鎖の切断を引き起こすことによって、細胞周期のS期およびG期において細胞に影響を及ぼす。この鎖切断が蓄積し、細胞死をたどる。エピポドフィロトキシンの例としては、限定されるものではないが、エトポシドおよびテニポシドが挙げられる。
エトポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−エチリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射液またはカプセル剤としてベプシド(VePESID)(商標)として市販されており、一般にVP−16として知られている。エトポシドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、精巣癌および非小細胞肺癌の治療に指示される。骨髄抑制がエトポシドの最も一般的な副作用である。白血球減少の発生率の方が、血小板減少よりも重大となる傾向がある。
テニポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−テニリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射液としてブモン(VUMON)(商標)として市販されており、一般にVM−26として知られている。テニポシドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、小児における急性白血病の治療に指示される。骨髄抑制がテニポシドの最も一般的な用量制限副作用である。テニポシドは、白血球減少および血小板減少の両方を誘発し得る。
代謝拮抗性抗新生物薬は、DNA合成を阻害すること、またはプリンもしくはピリミジン塩基の合成を阻害し、それによりDNA合成を制限することによって細胞周期のS期(DNA合成)に作用する、細胞周期特異的抗新生物薬である。その結果、S期は進行せず、細胞死をたどる。代謝拮抗性抗新生物薬の例としては、限定されるものではないが、フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン、メカプトプリン(mecaptopurine)、チオグアニン、およびゲムシタビンが挙げられる。
5−フルオロウラシル、5−フルオロ−2,4−(1H,3H)ピリミジンジオンは、フルオロウラシルとして市販されている。5−フルオロウラシルを投与すると、チミジル酸合成が阻害され、またRNAおよびDNAの両方に組み込まれる。その結果は一般に細胞死である。5−フルオロウラシルは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、乳癌、結腸癌、直腸癌、胃癌、および膵癌の治療に指示される。骨髄抑制および粘膜炎が5−フルオロウラシルの用量制限副作用である。他のフルオロピリミジン類似体としては、5−フルオロデオキシウリジン(フロクスウリジン)および5−フルオロデオキシウリジン一リン酸が挙げられる。
シタラビン、4−アミノ−1−β−D−アラビノフラノシル−2(1H)−ピリミジノンは、シトサール−U(CYTOSAR-U)(商標)として市販されており、一般にAra−Cとして知られている。シタラビンは、成長中のDNA鎖へのシタラビンの末端組み込みによってDNA鎖の伸長を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示すと考えられている。シタラビンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。他のシチジン類似体としては、5−アザシチジンおよび2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン(ゲムシタビン)が挙げられる。シタラビンは、白血球減少、血小板減少、および粘膜炎を誘発する。
メルカプトプリン、1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオン一水和物は、プリントール(PURINETHOL)(商標)として市販されている。メルカプトプリンは、現時点でまだ特定されていないメカニズムによってDNA合成を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示す。メルカプトプリンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。骨髄抑制および胃腸粘膜炎が、高用量のメルカプトプリンの副作用と予想される。有用なメルカプトプリン類似体はアザチオプリンである。
チオグアニン、2−アミノ−1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオンは、タブロイド(TABLOID)(商標)として市販されている。チオグアニンは、現時点でまだ特定されていないメカニズムによってDNA合成を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示す。チオグアニンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。白血球減少、血小板減少、および貧血を含む骨髄抑制がチオグアニン投与の最も一般的な用量制限副作用である。しかしながら、消化管副作用も起こり、用量制限となり得る。他のプリン類似体としては、ペントスタチン、エリスロヒドロキシノニルアデニン、リン酸フルダラビン、およびクラドリビンが挙げられる。
ゲムシタビン、2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン一塩酸塩(β−異性体)は、ジェムザール(GEMZAR)(商標)として市販されている。ゲムシタビンは、S期にて、またG1/S境界を通る細胞の進行を遮断することによって、細胞期特異性を示す。ゲムシタビンは、シスプラチンと組み合わせて局所進行性非小細胞肺癌の治療に指示され、また単独で局所進行性膵癌の治療に指示される。白血球減少、血小板減少、および貧血を含む骨髄抑制が、ゲムシタビン投与の最も一般的な用量制限副作用である。
メトトレキサート、N−[4[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸は、メトトレキサートナトリウムとして市販されている。メトトレキサートは、プリンヌクレオチドおよびチミジル酸の合成に必要とされるジヒドロ葉酸レダクターゼの阻害を介して、DNAの合成、修復、および/または複製を阻害することによって、特にS期に細胞周期作用を示す。メトトレキサートは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、絨毛癌、髄膜白血病、非ホジキンリンパ腫、ならびに乳癌、頭部癌、頸部癌、卵巣癌、および膀胱癌の治療に指示される。骨髄抑制(白血球減少、血小板減少、および貧血)および粘膜炎が、メトトレキサート投与の予想される副作用である。
カンプトテシンおよびカンプトテシン誘導体を含むカンプトテシン類は、トポイソメラーゼI阻害剤として入手可能または開発中である。カンプトテシン細胞傷害活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性に関連すると考えられている。カンプトテシンの例としては、限定されるものではないが、イリノテカン、トポテカン、および下記の7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20−カンプトテシンの種々の光学形態が挙げられる。
イリノテカンHCl、(4S)−4,11−ジエチル−4−ヒドロキシ−9−[(4−ピペリジノピペリジノ)カルボニルオキシ]−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14(4H,12H)−ジオン塩酸塩は、注射液カンプトサール(CAMPTOSAR)(商標)として市販されている。
イリノテカンは、その活性代謝物SN−38とともにトポイソメラーゼI−DNA複合体と結合する、カンプトテシンの誘導体である。細胞傷害性は、トポイソメラーゼI:DNA:イリンテカンまたはSN−38の三元複合体と複製酵素との相互作用により引き起こされる回復不能な二本鎖切断の結果として生じると考えられている。イリノテカンは、結腸または直腸の転移性癌の治療に指示される。イリノテカンHClの用量制限副作用は、好中球減少を含む骨髄抑制、および下痢を含むGI作用である。
トポテカンHCl、(S)−10−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−エチル−4,9−ジヒドロキシ−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14−(4H,12H)−ジオン一塩酸塩は、注射液ハイカムチン(HYCAMTIN)(商標)として市販されている。トポテカンは、トポイソメラーゼI−DNA複合体と結合して、DNA分子のねじれ歪みに応答してトポイソメラーゼIにより引き起こされる一本鎖切断の再連結を妨げるカンプトテシンの誘導体である。トポテカンは、転移性の卵巣癌および小細胞肺癌の第二選択治療に指示される。トポテカンHClの用量規制副作用は、骨髄抑制、主に好中球減少である。
また、下式A:
Figure 2016504409
の、化学名「7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(R,S)−カンプトテシン(ラセミ混合物)または「7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(R)カンプトテシン(R鏡像異性体)または「7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(S)−カンプトテシン(S鏡像異性体)」で知られるラセミ混合物(R、S)型ならびにRおよびS鏡像異性体を含む、カンプトテシン誘導体も着目される。このような化合物ならびに関連化合物は、製造方法を含め、米国特許第6,063,923号;同第5,342,947号;同第5,559,235号;同第5,491,237号および1997年11月24日に出願された継続米国特許出願第08/977,217号に記載されている
ホルモンおよびホルモン類似体は、ホルモンと癌の増殖および/または増殖の欠如との間に関係がある癌を治療するのに有用な化合物である。癌治療で有用なホルモンおよびホルモン類似体の例としては、限定されるものではないが、小児の悪性リンパ腫および急性白血病の治療に有用なプレドニゾンおよびプレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド;副腎皮質癌およびエストロゲン受容体を含むホルモン依存性乳癌の治療に有用なアミノグルテチミドおよび他のアロマターゼ阻害剤、例えば、アナストロゾール、レトラゾール(letrazole)、ボラゾール(vorazole)およびエクセメスタン;ホルモン依存性乳癌および子宮内膜癌の治療に有用なプロゲストリン(progestrin)、例えば、酢酸メゲストロール;前立腺癌および良性前立腺肥大の治療に有用なエストロゲン、アンドロゲンおよび抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロンおよび5α−レダクターゼ、例えば、フィナステリドおよびデュタステライド;ホルモン依存性乳癌および他の感受性癌の治療に有用な抗エストロゲン作用薬、例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン、ならびに選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMS)、例えば米国特許第5,681,835号、同第5,877,219号および同第6,207,716号に記載のもの;ならびに前立腺癌の治療のための黄体形成ホルモン(LH)および/または卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激するゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)およびその類似体、例えば、LHRH促進剤および拮抗剤、例えば酢酸ゴセレリンおよびルプロリド(luprolide)が挙げられる。
シグナル伝達経路阻害剤は、細胞内変化を引き起こす化学プロセスを遮断または阻害する阻害剤である。本明細書で使用する場合、この変化は細胞増殖または分化である。本発明において有用なシグナル伝達阻害剤としては、受容体チロシンキナーゼ、非受容体型チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメイン遮断剤、セリン/トレオニンキナーゼ、ホスホチジルイノシトール(phosphotidyl inositol)−3キナーゼ、ミオイノシトールシグナル伝達およびRas癌遺伝子の阻害剤が含まれる。
いくつかのタンパク質チロシンキナーゼは、細胞増殖の調節に関与する様々なタンパク質の特定のチロシル残基のリン酸化を触媒する。このようなタンパク質チロシンキナーゼは、受容体または非受容体型キナーゼとして大別することができる。
受容体チロシンキナーゼは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、およびチロシンキナーゼドメインを有する膜貫通タンパク質である。受容体チロシンキナーゼは細胞増殖の調節に関与し、一般に成長因子受容体と呼ばれている。例えば過剰発現または突然変異による、これら多くのキナーゼの不適当または制御を欠いた活性化、すなわち異常なキナーゼ増殖因子受容体活性は、制御を欠いた細胞増殖をもたらすことが示されている。従って、このようなキナーゼの異常な活性は、悪性組織増殖と関連づけられている。結果として、このようなキナーゼの阻害剤は、癌治療法を提供し得る。増殖因子受容体としては、例えば、上皮増殖因子受容体(EGFr)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFr)、erbB2、erbB4、血管内皮増殖因子受容体(VEGFr)、免疫グロブリン様ドメインと表皮性増殖因子相同ドメインを含むチロシンキナーゼ(TIE−2)、インスリン増殖因子−I(IGFI)受容体、マクロファージコロニー刺激因子(cfms)、BTK、ckit、cmet、線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体、Trk受容体(TrkA、TrkBおよびTrkC)、エフリン(eph)受容体ならびにRET癌原遺伝子が挙げられる。増殖受容体のいくつかの阻害剤が開発中であり、リガンド拮抗剤、抗体、チロシンキナーゼ阻害剤およびアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。増殖因子受容体および増殖因子受容体機能を阻害する薬剤は、例えば、Kath, John C., Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(6):803-818;Shawver et al DDT Vol 2, No. 2 1997年2月;およびLofts, F. J et al, "Growth factor receptors as targets", New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy, Workman, Paul and Kerr, David編, CRC press 1994, Londonに記載されている。
好適には、本発明の薬学上有効な化合物は、VEGFR阻害剤、好適には5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミド、またはその薬学上許容される塩、好適には、その全開示内容が引用することにより本明細書の一部とされる国際出願日2001年12月19日の国際出願第PCT/US01/49367号、国際公開公第WO02/059110号および国際公開日2002年8月1日で開示および特許請求され、実施例69の化合物である一塩酸塩と併用される。5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミドは、国際出願第PCT/US01/49367に記載の通りに製造することができる。
好適には、5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミドは、一塩酸塩の形態である。この塩形態は、当業者には、国際出願日2001年12月19日の国際出願第PCT/US01/49367号の記載から製造可能である。
5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミドは一塩酸塩として市販されており、一般名パゾパニブ、商標ボトリエント(商標)により知られている。
パゾパニブは、癌および眼の疾患/血管新生の治療に関連付けられている。好適には、本発明は、癌および眼の疾患/血管新生、好適には、加齢性黄斑変性の治療に関し、その方法は、式(I)の化合物を単独でまたはパゾパニブと組み合わせて投与することを含んでなる。
増殖因子受容体キナーゼでないチロシンキナーゼは、非受容体型チロシンキナーゼと呼ばれる。抗癌剤の標的または潜在的標的となる、本発明において使用するための非受容体型チロシンキナーゼには、cSrc、Lck、Fyn、Yes、Jak、cAbl、FAK(接着斑キナーゼ)、BrutonsチロシンキナーゼおよびBcr−Ablが挙げられる。このような非受容体型キナーゼおよび非受容体型チロシンキナーゼ機能を阻害する薬剤は、Sinh, S. and Corey, S.J., (1999) Journal of Hematotherapy and Stem Cell Research 8 (5): 465-80;およびBolen, J.B., Brugge, J.S., (1997) Annual review of Immunology. 15: 371-404に記載されている。
SH2/SH3ドメイン遮断剤は、PI3−K p85サブユニット、Srcファミリーキナーゼ、アダプター分子(Shc、Crk、Nck、Grb2)およびRas−GAPを含む様々な酵素またはアダプタータンパク質におけるSH2またはSH3ドメイン結合を乱す薬剤である。抗癌剤の標的としてのSH2/SH3ドメインは、Smithgall, T.E. (1995), Journal of Pharmacological and Toxicological Methods 34(3) 125-32に述べられている。
Rafキナーゼ(rafk)、マイトジェンまたは細胞外調節キナーゼ(Mitogen or Extracellular Regulated Kinase)(MEK)、および細胞外調節キナーゼ(Extracellular Regulated Kinase)(ERK)の遮断剤を含む、MAPキナーゼカスケード遮断剤を含むセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤;ならびにPKC(α、β、γ、ε、μ、λ、ι、ζ)の遮断剤を含むタンパク質キナーゼCファミリーメンバー遮断剤、IkBキナーゼファミリー(IKKa、IKKb)、PKBファミリーキナーゼ、aktキナーゼファミリーメンバー、PDK1およびTGFβ受容体キナーゼ。このようなセリン/トレオニンキナーゼおよびそれらの阻害剤は、Yamamoto, T., Taya, S., Kaibuchi, K., (1999), Journal of Biochemistry. 126 (5) 799-803; Brodt, P, Samani, A., and Navab, R. (2000), Biochemical Pharmacology, 60. 1101-1107; Massague, J., Weis-Garcia, F. (1996) Cancer Surveys. 27:41-64; Philip, P.A., and Harris, A.L. (1995), Cancer Treatment and Research. 78: 3-27, Lackey, K. et al Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, (10), 2000, 223-226; 米国特許第6,268,391号;Pearce, L.R et al. Nature Reviews Molecular Cell Biology (2010) 11, 9-22、およびMartinez-Iacaci, L., et al, Int. J. Cancer (2000), 88(1), 44-52に記載されている。
好適には、本発明の薬学上有効な化合物は、B−Raf阻害剤と併用される。好適には、国際出願日2009年5月4日の国際出願第PCT/US2009/042682に開示され、特許請求されているN−{3−[5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−(1,1−ジメチルエチル)−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミド、またはその薬学上許容される塩であり、その全開示は引用することにより本明細書の一部とされる。N−{3−[5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−(1,1−ジメチルエチル)−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミドは、国際出願第PCT/US2009/042682に記載されているように製造することができる。
好適には、本発明の薬学上有効な化合物は、Akt阻害剤と併用される。好適には、国際出願日2008年2月7日の国際出願第PCT/US2008/053269;国際公開日2008年8月14日の国際公開第WO2008/098104号に開示され、特許請求されているN−{(1S)−2−アミノ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]エチル}−5−クロロ−4−(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−チオフェンカルボキサミドまたはその薬学上許容される塩であり、その全開示は引用することにより本明細書の一部とされる。N−{(1S)−2−アミノ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]エチル}−5−クロロ−4−(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−チオフェンカルボキサミドは、実施例96の化合物であり、国際出願第PCT/US2008/053269号に記載されているように製造することができる。好適には、N−{(1S)−2−アミノ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]エチル}−5−クロロ−4−(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−チオフェンカルボキサミドは、塩酸塩の形態である。この塩形態は、国際出願日2010年1月28日の国際出願第PCT/US2010/022323号の記載から当業者により製造可能である。
また、本発明では、ミオイノシトールシグナル伝達阻害剤、例えば、ホスホリパーゼC遮断剤およびミオイノシトール類似体も注目される。このようなシグナル伝達阻害剤は、Powis, G., and Kozikowski A., (1994) New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy, Paul Workman and David Kerr編, CRC press 1994, Londonに記載されている。
シグナル伝達経路阻害剤の別の群は、Ras癌遺伝子の阻害剤である。このような阻害剤には、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼおよびCAAXプロテアーゼの阻害剤ならびにアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイムおよび免疫療法が含まれる。このような阻害剤は、野生型変異体rasを含む細胞においてrasの活性化を阻止し、それにより抗増殖薬として作用することが示されている。Ras癌遺伝子の阻害は、Scharovsky, O.G., Rozados, V.R., Gervasoni, S.I. Matar, P. (2000), Journal of Biomedical Science. 7(4) 292-8;Ashby, M.N. (1998), Current Opinion in Lipidology. 9 (2) 99-102;およびBioChim. Biophys. Acta、(19899) 1423(3):19-30に記載されている。
前術のように、受容体キナーゼリガンド結合に対する抗体拮抗剤もまた、シグナル伝達阻害剤として機能し得る。この群のシグナル伝達経路阻害剤は、受容体チロシンキナーゼの細胞外リガンド結合ドメインに対するヒト化抗体の使用を含む。例えば、Imclone C225 EGFR特異的抗体(Green, M.C. et al, Monoclonal Antibody Therapy for Solid Tumors, Cancer Treat. Rev., (2000), 26(4), 269-286参照);ハーセプチン(Herceptin)(商標)erbB2抗体(Tyrosine Kinase Signalling in Breast cancer:erbB Family Receptor Tyrosine Kniases, Breast cancer Res., 2000, 2(3), 176-183参照);ならびに2CB VEGFR2特異的抗体(Brekken, R.A. et al, Selective Inhibition of VEGFR2 Activity by a monoclonal Anti-VEGF antibody blocks tumor growth in mice, Cancer Res. (2000) 60, 5117-5124参照)。
非受容体型キナーゼ血管新生阻害剤もまた、本発明において有用であり得る。血管新生関連VEGFRおよびTIE2の阻害剤は、シグナル伝達阻害剤について上述されている(両受容体とも、受容体型チロシンキナーゼである)。erbB2およびEGFRの阻害剤が血管新生、主にVEGF発現を阻害することが示されているので、血管新生は一般にerbB2/EGFRシグナル伝達と関連する。よって、非受容体型チロシンキナーゼ阻害剤は、本発明の化合物と併用することができる。例えば、VEGFR(受容体チロシンキナーゼ)を認識しないが、リガンド;血管新生を阻害するインテグリン(αβ)の小分子阻害剤;エンドスタチンおよびアンギオスタチン(非RTK)とは結合する抗VEGF抗体も、開示の化合物との組合せにおいて有用であると思われる(Bruns CJ et al (2000), Cancer Res., 60: 2926-2935; Schreiber AB, Winkler MEおよびDerynck R. (1986), Science, 232: 1250-1253;Yen L et al. (2000), Oncogene 19: 3460-3469参照)。
免疫治療レジメンに使用される薬剤も式(I)の化合物との組合せに有用であり得る。免疫応答を生じさせるためにはいくつかの戦略が存在する。これらの戦略は一般に、腫瘍ワクチン接種の領域である。免疫アプローチの有効性は、小分子阻害剤を用いたシグナル伝達経路の複合阻害によって大幅に増進され得る。erbB2/EGFRに対する免疫/腫瘍ワクチンアプローチの考察は、Reilly RT et al. (2000), Cancer Res. 60: 3569-3576;およびChen Y, Hu D, Eling DJ, Robbins J, and Kipps TJ. (1998), Cancer Res. 58: 1965-1971に見られる。
アポトーシス誘導レジメンに使用される薬剤(例えば、bcl−2アンチセンスオリゴヌクレオチド)もまた本発明の組合せに使用可能である。タンパク質のBcl−2ファミリーのメンバーは、アポトーシスを遮断する。従って、bcl−2のアップレギュレーションは、化学耐性に関連付けられている。研究によれば、上皮細胞増殖因子(EGF)はbcl−2ファミリー(すなわち、mcl−1)の抗アポトーシスメンバーを刺激することが示されている。よって、腫瘍においてbcl−2の発現をダウンレギュレートするように設計された戦略は臨床利益を示し、現在、第II/III相治験下にあり、すなわち、GentaのG3139 bcl−2アンチセンスオリゴヌクレオチドである。bcl−2に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド戦略を用いたこのようなアポトーシス誘導戦略は、Water JS et al. (2000), J. Clin. Oncol. 18: 1812-1823;およびKitada S et al. (1994), Antisense Res. Dev. 4: 71-79に述べられている。
細胞周期シグナル伝達阻害剤は、細胞周期の制御に関連する分子を阻害する。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)と呼ばれるタンパク質キナーゼファミリー、およびサイクリンと呼ばれるタンパク質ファミリーとのそれらの相互作用は、真核細胞の周期の進行を制御する。種々のサイクリン/CDK複合体の協調的な活性化および不活性化は、細胞周期の正常な進行に不可欠である。細胞周期シグナル伝達のいくつかの阻害剤が開発中である。例えば、CDK2、CDK4、およびCDK6を含むサイクリン依存性キナーゼ、ならびにそれらの阻害剤の例は、Rosania et al, Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(2):215-230に記載されている。さらに、p21WAF1/CIP1は、サイクリン依存性キナーゼ(Cdk)の有力かつ普遍的な阻害剤として記載されている(Ball et al., Progress in Cell Cycle Res., 3: 125 (1997))。p21WAF1/CIP1の発現を誘導することが知られている化合物は、細胞増殖の抑制に、腫瘍抑制活性を有するとして関連付けられており(Richon et al., Proc. Nat Acad. Sci. U.S.A. 97(18): 10014-10019 (2000))、細胞周期シグナル伝達阻害剤として含まれる。ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤は、p21WAF1/CIP1の転写の活性化に関連付けられており(Vigushin et al., Anticancer Drugs, 13(1): 1-13 (Jan 2002))、本明細書における併用に好適な細胞周期シグナル伝達阻害剤である。
このようなHDAC阻害剤の例としては、
1.その薬学上許容される塩を含むボリノスタット。Marks et al., Nature Biotechnology 25, 84 to 90 (2007); Stenger, Community Oncology 4, 384-386 (2007)。
ボリノスタットは、下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
N−ヒドロキシ−N’−フェニル−オクタンジアミド。
2.その薬学上許容される塩を含むロミデプシン。Vinodhkumar et al., Biomedicine & Pharmacotherapy 62 (2008) 85-93。ロミデプシンは下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
(1S,4S,7Z,10S,16E,21R)−7−エチリデン−4,21−ジ(プロパン−2−イル)−2−オキサ−12,13−ジチア−5,8,20,23−テトラアザビシクロ[8.7.6]トリコス−16−エン−3,6,9,19,22−ペントン。
3.その薬学上許容される塩を含むパノビスタット。Drugs of the Future 32(4): 315-322 (2007)。
パノビスタットは下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
(2E)−N−ヒドロキシ−3−[4−({[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}メチル)フェニル]アクリルアミド。
4.その薬学上許容される塩を含むバルプロ酸。Gottlicher, et al., EMBO J. 20(24): 6969-6978 (2001)。
バルプロ酸は下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
2−プロピルペンタン酸。
5.その薬学上許容される塩を含むモセチノスタット(MGCD0103)。Balasubramanian et al., Cancer Letters 280: 211-221 (2009)。
モセチノスタットは下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
N−(2−アミノフェニル)−4−[[(4−ピリジン−3−イルピリミジン−2−イル)アミノ]メチル]ベンズアミド。
このようなHDAC阻害剤のさらなる例は、Bertrand European Journal of Medicinal Chemistry 45, (2010) 2095-2116、特に、下記に示すような、その中の表3の化合物に含まれる。
Figure 2016504409
プロテアソーム阻害剤は、p53タンパク質のような、タンパク質を分解する細胞複合体であるプロテアソームの作用を遮断する薬物である。数種のプロテアソーム阻害剤が市販され、または癌の治療において研究中である。本明細書における併用に好適なプロテアソーム阻害剤としては、以下のものが含まれる。
1.その薬学上許容される塩を含むボルテゾミブ(ベルケード(商標))(Adams J, Kauffman M (2004), Cancer Invest 22 (2): 304-11)。
ボルテゾミブは下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸。
2.その薬学上許容される塩を含むジスルフィラム(Bouma et al. (1998). J. Antimicrob. Chemother. 42 (6): 817-20)。
ジスルフィラムは下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
1,1’,1’’,1’’’−[ジスルファンジイルビス(カルボノチオイルニトリロ)]テトラエタン。
3.その薬学上許容される塩を含む没食子酸エピガロカテキン(EGCG)(Williamson et al., (December 2006), The Journal of Allergy and Clinical Immunology 118 (6): 1369-74) .
没食子酸エピガロカテキンは下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
[(2R,3R)−5,7−ジヒドロキシ−2−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)クロマン−3−イル]3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート。
4.その薬学上許容される塩を含むその薬学上許容される塩を含むサリノスポラミドA(Feling et at., (2003), Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 42 (3): 355-7)。
サリノスポラミドAは下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
(4R,5S)−4−(2−クロロエチル)−1−((1S)−シクロヘクス−2−エニル(ヒドロキシ)メチル)−5−メチル−6−オキサ−2−アザビシクロ3.2.0ヘプタン−3,7−ジオン。
5.その薬学上許容される塩を含むカルフィルゾミブ(Kuhn DJ, et al, Blood, 2007, 110:3281-3290)。
カルフィルゾミブは下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
(S)−4−メチル−N−((S)−1−(((S)−4−メチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソペンタン−2−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−2−((S)−2−(2−モルホリノアセトミド)−4−フェニルブタンアミド)ペンタンアミド。
70キロダルトン熱ショックタンパク質(Hsp70s)および90キロダルトン熱ショックタンパク質(Hsp90s)は、遍在発現される熱ショックタンパク質のファミリーである。Hsp70sおよびHsp90sは、ある特定の癌種で過剰発現される。数種のHsp70sおよびHsp90s阻害剤が癌の治療において研究されている。本明細書における併用に好適なHsp70sおよびHsp90s阻害剤としては、以下のものが含まれる。
1.その薬学上許容される塩を含む17−AAG(ゲルダナマイシン)(Jia W et al. Blood. 2003 Sep 1;102(5):1824-32)。
17−AAG(ゲルダナマイシン)は下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン。
2.その薬学上許容される塩を含むラディシコール(Lee et al., Mol Cell Endocrinol. 2002, 188, 47-54)。
ラディシコールは下記の化学構造および名称を有する:
Figure 2016504409
(1aR,2Z,4E,14R,15aR)−8−クロロ−9,11−ジヒドロキシ−14−メチル−15,15a−ジヒドロ−1aH−ベンゾ[c]オキシレノ[2,3−k][1]オキサシクロテトラデシン−6,12(7H,14H)−ジオン。
癌代謝の阻害剤−多くの腫瘍細胞は、正常組織のものとは著しく異なる代謝を示す。例えば、グルコースをピルビン酸に変換する代謝プロセスである解糖の速度が増大し、生成されたピルベートは、ミトコンドリアにおいてトリカルボン酸(TCA)サイクルを介してさらに酸化されるのではなく還元されてラクテートとなる。この効果は好気性条件下であっても見られることが多く、Warburg効果として知られている。
筋肉細胞で発現される乳酸デヒドロゲナーゼのアイソフォームである乳酸デヒドロゲナーゼA(LDH−A)は、ピルベートからラクテートへの還元を行い、これが次いで細胞から輸送され得ることによって腫瘍細胞代謝に中枢的役割を果たす。この酵素は多くの腫瘍種でアップレギュレートすることが示されている。Warburg効果に記載されているグルコース代謝の変更は、癌細胞の成長および増殖に極めて重要であり、RNA−iを用いたLDH−Aのノックダウンは、異種移植モデルにおいて細胞増殖および腫瘍成長の低下をもたらすことが示されている(D. A. Tennant et. al., Nature Reviews, 2010, 267; P. Leder, et. al., Cancer Cell, 2006, 9, 425)。
高レベルの脂肪酸シンターゼ(FAS)が前癌病変で見られている。FASの薬理学的阻害は、癌の発生および維持の両方に関与する重要な癌遺伝子の発現に影響を及ぼす(Alli et al. Oncogene (2005) 24, 39-46. doi:10.1038)。
LDH−Aの阻害剤および脂肪酸生合成阻害剤(またはFAS阻害剤)を含む癌代謝の阻害剤は、本発明の化合物との併用に好適である。
一実施形態では、特許請求される本発明の癌治療法は、本発明の組合せと、抗微小管剤、白金錯体、アルキル化剤、抗生物質、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼI阻害剤、ホルモンおよびホルモン類似体、シグナル伝達経路阻害剤、非受容体型チロシンキナーゼ血管新生阻害剤、免疫治療薬、アポトーシス促進薬、細胞周期シグナル伝達阻害剤;プロテアソーム阻害剤;ならびに癌代謝の阻害剤からなる群から選択される少なくとも1つの抗新生物剤の併用投与を含む。
療法における使用に関して、治療上有効な量の本発明の組合せはそのままの化学物質として投与することもできるが、それらの組合せを一医薬組成物または医薬組成物群として提供することが好ましい。よって、本発明はさらに、化合物Aおよび/または化合物Bと1種類以上の薬学上許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本発明の組合せは上記の通りである。前記担体は、処方物の他の成分と適合し、医薬処方が可能であり、かつ、そのレシピエントに害がないという点で許容されるものでなければならない。本発明の別の態様によれば、化合物Aおよび/または化合物Bを1種類以上の薬学上許容される担体と混合することを含む、医薬処方物の製造方法も提供される。上記に示したように、使用される医薬組合せのこのような要素は別個の医薬組成物として提供してもよいし、または1つの医薬処方物として一緒に処方してもよい。
医薬処方物は、単位用量当たりに所定量の有効成分を含有する単位投与形で提供してもよい。当業者に知られているように、1用量当たりの有効成分の量は治療される症状、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態によって異なる。好ましい単位投与製剤は有効成分の1日用量もしくは部分用量、またはその適当な分数を含有するものである。さらに、このような医薬処方物は、製薬分野で周知の任意の方法によって製造することができる。
化合物Aおよび化合物Bは適当な経路のいずれによって投与してもよい。好適な経路としては、経口、直腸、鼻腔、局所(頬側および舌下)、膣および非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、くも膜下腔内および硬膜外を含む)であり得る。当然のことながら、好ましい経路はその組合せのレシピエントの状態および治療される癌によって異なり得ると考えられる。また、当然のことながら、投与する各薬剤は同じ経路によって投与しても異なる経路によって投与してもよく、化合物Aおよび化合物Bは混成して医薬組成物/処方物としてもよい。好適には、化合物Aおよび化合物Bは別個の医薬組成物で投与される。
本発明の化合物または組合せは、カプセル剤、錠剤または注射製剤などの便宜な投与形へと配合される。固体または液体の医薬担体が用いられる。固体担体としては、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム二水和物、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸が挙げられる。液体担体としては、シロップ、落花生油、オリーブ油、生理食塩水および水が挙げられる。同様に、担体はモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの持続放出材料を単独で、またはワックスとともに含んでよい。固体担体の量は多様であるが、好適には、単位用量当たり約25mg〜約1であり得る。液体担体が使用される場合、その製剤は好適には、シロップ、エリキシル剤、エマルション、ゼラチン軟カプセル剤、アンプルなどの無菌注射液、または水性もしくは非懸濁液の形態である。
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態の経口投与のためには、有効薬物成分を経口用で無毒の薬学上許容される不活性担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと合わせることができる。散剤は、前記化合物を好適な微細なサイズに粉砕し、同様に粉砕した医薬担体、例えば、デンプンまたはマンニトールなどの可食炭水化物と混合することによって製造される。着香剤、保存剤、分散剤および着色剤も存在してよい。
上述の成分に加えて、前記処方物は、対象とする処方物の種類に関して当技術分野で通常の他の薬剤を含んでもよいと理解されるべきであり、例えば、経口投与に好適なものは着香剤を含み得る。
好適には、本発明は、炎症性乳癌、乳管癌および小葉癌を含む乳癌を治療する、またはその重篤度を軽減するための方法に関する。
好適には本発明は、結腸癌を治療する、またはその重篤度を軽減するための方法に関する。
好適には本発明は、インスリノーマ、腺癌、腺管癌、腺扁平上皮癌、腺房細胞癌およびグルカゴノーマを含む膵臓癌を治療する、またはその重篤度を軽減するための方法に関する。
好適には本発明は、転移性黒色腫を含む皮膚癌を治療する、またはその重篤度を軽減するための方法に関する。
好適には本発明は、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、扁平上皮癌、腺癌および大細胞癌を含む肺癌を治療する、またはその重篤度を軽減するための方法に関する。
好適には本発明は、脳腫瘍(神経膠腫)、膠芽腫、星状細胞腫、多形性膠芽腫、バナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−デュクロ病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、腺癌、腺管癌、腺扁平上皮癌、腺房細胞癌、グルカゴノーマ、インスリノーマ、前立腺、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、甲状腺、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性好中球性白血、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽腫、膀胱癌、尿路上皮癌、外陰癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、中皮腫、食道癌、唾液腺癌、肝細胞癌、胃癌、鼻咽頭癌、頬粘膜癌、口腔癌、GIST(消化管間質腫瘍)および精巣癌からなる群から選択される癌を治療する、またはその重篤度を軽減するための方法に関する。
好適には、本発明は、BRAF、KRAS、NRAS、HRAS、SOS1、NF1の野生型もしくは変異型のいずれかであるか、または受容体チロシンキナーゼ(例えば、EGFR、ErbB2、c−Kit、PDGFRなど)が活性化された癌を治療する、またはその重篤度を軽減する方法に関する。これには、BRAF、KRAS、NRAS、HRAS、SOS1、NF1および受容体チロシンキナーゼ(例えば、EGFR、ErbB2、c−Kit、PDGFRなど)のそれぞれが野生型である患者、変異型である患者、および野生型と変異型の組合せである患者が含まれる。本発明はまた、遺伝子の突然変異もしくは増幅、またはタンパク質の過剰発現によりBRAF、KRAS、NRAS、HRAS、SOS1、NF1が活性化されている、または受容体チロシンキナーゼ(例えば、EGFR、ErbB2、c−Kit、PDGFRなど)が活性化されている癌を治療する、またはその重篤度を軽減する方法に関する。
当技術分野で理解されている「野生型」とは、遺伝子改変のない天然集団中に見られるポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列を意味する。また、当技術分野で理解されているように、「突然変異型」は、それぞれ野生型ポリペプチドまたはポリヌクレオチド中に見られる対応するアミノ酸または核酸に比べて、アミノ酸または核酸に少なくとも1つの改変を有するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列を含む。突然変異型という用語には、最も高頻度に見られる(野生型)核酸鎖に比べてその核酸配列中に一塩基対の変異が存在する一塩基多型(SNP)も含まれる。
BRAF、KRAS、NRAS、HRAS、SOS1、NF1、EGFR、ErbB2、c−Kit、もしくはPDGFRが野生型または変異型のいずれかであるか、またはBRAF、KRAS、NRAS、HRAS、NF1、EGFR、ErbB2、c−Kit、もしくはPDGFRの増幅もしくは過剰発現を伴う癌は、既知の方法によって同定される。
例えば、野生型または変異型BRAF、KRAS、NRAS、HRAS、SOS1、NF1、EGFR、ErbB2、c−Kit、またはPDGFR腫瘍細胞は、DNA増幅およびシークエンス技術、DNAおよびRNAの検出技術(限定されるものではないが、それぞれノーザンブロットおよびサザンブロットを含む)、ならびに/または様々なバイオチップおよびアレイ技術またはin−situハイブリダイゼーションによって同定することができる。野性型および変異型ポリペプチドは、限定されるものではないが、ELISA、ウエスタンブロットまたは免疫細胞化学などの免疫診断技術を含む様々な技術によって検出することができる。
本発明は、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適にはジメチルスルホキシド溶媒和物
とを含んでなる組合せを提供する。
本発明はまた、療法において使用するための、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適にはジメチルスルホキシド溶媒和物
とを含んでなる組合せを提供する。
本発明はまた、癌の治療において使用するための、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適にはジメチルスルホキシド溶媒和物
とを含んでなる組合せを提供する。
本発明はまた、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3-プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適にはそのジメチルスルホキシド溶媒和物との組合せを含んでなる医薬組成物を提供する。
本発明はまた、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールと塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適にはジメチルスルホキシド溶媒和物
とを含んでなる組合せキットを提供する。
本発明はまた、薬剤の製造における、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適にはジメチルスルホキシド溶媒和物
とを含んでなる組合せの使用を提供する。
本発明はまた、癌を治療するための薬剤の製造における、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適にはジメチルスルホキシド溶媒和物
とを含んでなる組合せの使用を提供する。
本発明はまた、
2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩、好適には2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、好適にはジメチルスルホキシド溶媒和物との組合せを、それを必要とする対象者に投与することを含んでなる、癌の治療方法を提供する。
示されているように、治療上有効な量の本発明の組合せ(化合物Aと化合物Bの組合せ)がヒトに投与される。一般に、投与される本発明の薬剤の治療上有効な量は、例えば、対象者の齢および体重、治療を必要とする正確な病態、病態の重篤度、処方物の性質、および投与経路を含むいくつかの因子によって異なる。最終的には、治療上有効な量は担当医の裁量下にある。
本発明の組合せは、既知の手順に従って有効性、有利な特性および相乗作用的特性が試験される。好適には、本発明の組合せは、一般に下記の組合せ細胞増殖アッセイに従って、有効性、有利な特性および相乗作用的特性が試験される。細胞を384ウェルプレートの、10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加した各細胞種に適当な培養培地中、500細胞/ウェルで播種し、37℃、5%COで一晩インキュベートする。細胞を、384ウェルプレートの左から右へ化合物Aの希釈溶液(化合物によって1〜20mMから始まる2倍希釈の20種類の濃度(化合物無しを含む))を用いた格子法で処理し、また、384ウェルプレートの上から下へ化合物B(化合物によって1〜20mMから始まる2倍希釈の20種類の濃度(化合物無しを含む))でも処理し、上記のように さらに72時間インキュベートする。いくつかの場合では、化合物を交互に添加し、インキュベーション時間を7日間まで延長することができる。細胞増殖は、CellTiter−Glo(商標)試薬を製造者のプロトコールに従って用いて測定し、発光モード用に設定したPerkinElmer EnVision(商標)リーダーにて0.5秒読み取りでシグナルを読み取る。データは下記のように分析する。
結果をt=0値のパーセンテージとして表し、化合物濃度に対してプロットする。t=0値は100%に対して正規化し、化合物添加時に存在する細胞の数を示す。細胞応答は、各化合物および/または化合物の組合せに関して、Microsoft Excelソフトウエア用のIDBS XLfit plug−inを用いた、濃度に対する細胞生存率の4または6パラメーター曲線フィットを用いて決定し、細胞増殖の50%阻害に必要な濃度(gIC50)を求める。バックグラウンド補正は、細胞を含まないウェルからの値を差し引くことによって行う。各薬物組合せに関して、併用指数(CI)、Excess Over Highest Single Agent(EOHSA)およびExcess Over Bliss(EOBliss)を、Chou and Talalay (1984) Advances in Enzyme Regulation, 22, 37-55;およびBerenbaum, MC (1981) Adv. Cancer Research, 35, 269-335に記載されるような既知の方法に従って計算する。
本発明の組合せを上記のアッセイで試験して、癌治療における有利な治療有用性を決定する。
以下の実施例は単に例示を意図するものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実験詳細
実施例1−カプセル剤組成物
本発明の組合せを投与するための経口投与形は、以下の表Iに示される比率の成分を標準的なツーピースゼラチン硬カプセルに充填することによって作製される。
Figure 2016504409
実施例2−カプセル剤組成物
本発明の化合物のうち1つを投与するための経口投与形は、以下の表IIに示される比率の成分を標準的なツーピースゼラチン硬カプセルに充填することによって作製される。
Figure 2016504409
実施例3−カプセル剤組成物
本発明の化合物のうち1つを投与するための経口投与形は、以下の表IIIに示される比率の成分を標準的なツーピースゼラチン硬カプセルに充填することによって作製される。
Figure 2016504409
実施例4−錠剤組成物
以下の表IVに示されるように、スクロース、微晶質セルロースおよび本発明の組合せの化合物を、示されている比率で10%ゼラチン溶液と混合し、造粒する。湿潤顆粒を篩にかけ、乾燥させ、デンプン、タルクおよびステアリン酸と混合し、次いで、篩にかけ、打錠する。
Figure 2016504409
実施例5−錠剤組成物
以下の表Vに示されるように、スクロース、微晶質セルロースおよび本発明の組合せの化合物を、示されている比率で10%ゼラチン溶液と混合し、造粒する。湿潤顆粒を篩にかけ、乾燥させ、デンプン、タルクおよびステアリン酸と混合し、次いで、篩にかけ、打錠する。
Figure 2016504409
実施例6−錠剤組成物
以下の表VIに示されるように、スクロース、微晶質セルロースおよび本発明の組合せの化合物を、示されている比率で10%ゼラチン溶液と混合し、造粒する。湿潤顆粒を篩にかけ、乾燥させ、デンプン、タルクおよびステアリン酸と混合し、次いで、篩にかけ、打錠する。
Figure 2016504409
本発明の好ましい実施形態を以上に示すが、本発明は、本明細書に開示される正確な説明に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲内で行われる全ての変更に対する権利が保持されるものと理解すべきである。

Claims (15)

  1. (i)構造(I)の化合物:
    Figure 2016504409
    またはその薬学上許容される塩と、
    (ii)構造(II)の化合物:
    Figure 2016504409
    またはその薬学上許容される塩または溶媒和物とを含んでなる、組合せ。
  2. 構造(I)の化合物が2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩の形態であり、構造(II)の化合物がジメチルスルホキシド溶媒和物の形態である、請求項1に記載の組合せ。
  3. 請求項1または2に記載の組合せを薬学上許容される担体または担体とともに含んでなる、キット。
  4. 構造(I)の化合物の量が約5mg、25mgおよび100mgから選択され、その量は1日1回投与され、かつ、構造(II)の化合物の量が約0.5mg、1mgおよび2mgから選択され、その量が1日1回投与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組合せ。
  5. 癌の治療のための一薬剤または薬剤群の製造における、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組合せの使用。
  6. 必要とするヒトにおいて癌を治療する方法であって、
    2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
    N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物との治療上有効な量をこのようなヒトにin vivo投与することを含んでなり、前記組合せが一定期間内に投与され、かつ、前記組合せがある持続期間の間投与される、方法。
  7. 一定期間が24時間以内である、請求項6に記載の必要とするヒトにおいて癌を治療する方法。
  8. 必要とするヒトにおいて癌を治療するまたはその重篤度を軽減する方法であって、
    2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩と、
    N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミドジメチルスルホキシドとのin vivo投与を含んでなり、
    前記2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩が1日1回、非溶媒和物化合物の重量で、約5mg、25mgおよび100mgから選択される量で投与され、かつ、前記N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミドジメチルスルホキシドが1日1回、約0.5mg、約1mgおよび約2mgから選択される量、好適には約2mgで投与される、方法。
  9. 前記癌が乳癌、炎症性乳癌、乳管癌、小葉癌、結腸癌、膵臓癌、インスリノーマ、腺癌、腺管癌、腺扁平上皮癌、腺房細胞癌、グルカゴノーマ、黒色腫、転移性黒色腫、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、扁平上皮癌、腺癌、および大細胞癌、脳腫瘍(神経膠腫)、膠芽腫、星状細胞腫、多形性膠芽腫、バナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−デュクロ病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、腺癌、腺管癌、腺扁平上皮癌、腺房細胞癌、グルカゴノーマ、インスリノーマ、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、甲状腺癌、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性好中球性白血、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽腫、膀胱癌、尿路上皮癌、外陰癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、中皮腫、食道癌、唾液腺癌、肝細胞癌、胃癌、鼻咽頭癌、頬粘膜癌、口腔癌、GIST(消化管間質腫瘍)および精巣癌から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記癌が卵巣癌、乳癌、膵臓癌および前立腺癌から選択される、請求項8に記載の方法。
  11. 必要とするヒトにおいて、BRAF、KRAS、NRAS、HRAS、SOS1、NF1、EGFR、ErbB2、c−Kit、PDGFR、もしくはErbB−2遺伝子の野生型もしくは変異型のいずれかであるか、またはEGFRまたはErbB2タンパク質の過剰発現を有する癌を治療する、またはその重篤度を軽減する方法であって、
    2−メチル−1−{[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−6−(4−モルホリニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸、またはその薬学上許容される塩と、
    N−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチ;−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物との治療上有効な量をこのようなヒトにin vivo投与することを含んでなり、前記組合せが一定期間内に投与され、かつ、前記組合せがある持続期間の間投与される、方法。
  12. 前記癌が卵巣癌、乳癌、膵臓癌および前立腺癌から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 一定期間が24時間以内である、請求項11に記載の方法。
  14. 一定期間が24時間以内であり、かつ、持続期間が7日である、請求項6に記載の必要とするヒトにおいて癌を治療する方法。
  15. 一定期間が24時間以内であり、持続期間が14日である、請求項6に記載の必要とするヒトにおいて癌を治療する方法。
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