JP2016502256A - アーク防止機能を有する電気コネクタ - Google Patents

Abstract

新規な一対のコネクタであり、接続および切断中におけるアークの発生を抑制する。本発明の１つの一般的な態様では、第１の絶縁障壁および第２の絶縁障壁が、対応する第１の接点および第２の接点を越えて延びるように構成され、それらの障壁は、接点の少なくとも一方の先端部を覆い、接点が小さな間隙で離されているときに互いに係合するように構成され、それにより、接点間での空気を介するアーク経路を実質的にすべて閉じる。本発明の別の一般的な態様では、一対のコネクタでの少なくとも一方の電気接点が、高抵抗金属から形成された遷移区間を有するバイメタル接点である。遷移区間は、結合と結合解除が生じる早い段階中に最初と最後の接点を成すように構成され、電気抵抗を高め、電気アークの形成に使用され得る電流およびエネルギーを実質的に低下させる。【選択図】 図２Ｂ

Description

本発明は、電気コネクタに関し、より詳細には、電流が流れている状態で接続または切断された場合にアークを抑制する電気コネクタに関する。

電気コネクタは、一般に、電気負荷がオンとされている間は接続または切断されるべきでない。通電中の電気コネクタにおける離れている接点間の電気アークは、発火および使用者の火傷の危険を生じ、また、そのようなアークは、コネクタの耐用年数を縮める傾向がある。

それにも関わらず、誤りを犯す人間の性質上、時として、電気負荷がオンにされているときに誤って電気コネクタが接続または切断されることがある。電気が交流であるときには、アークはあまり問題とならない。なぜなら、交流の正弦波特性が、電気接点の分離中のある点で電圧をゼロにし、アークが自己消滅する傾向があるからである。しかし、電気が直流である場合、電圧は一定でありゼロにはならないから、離れていく接点間の電気アークは、接点が離れていく期間を超えて持続され、使用者の火傷の危険を生じ、またコネクタの耐用年数を縮める。

この課題を解決する１つの手法は、コネクタ内部に別途の１組のより短い接点を用意し、これらのより短い接点が主電気接続後に係合され、主電気接続前に係合解除されるようにコネクタを構成することである。短い接点を介して流れていた電流が流れなくなったことで、主電気回路の内に別途設けられたスイッチングデバイスを動作させるようにすれば、主電気接続の切断前に、このスイッチングデバイスにより、回路内の電流は遮断される。しかし、追加の接点およびスイッチングデバイスの追加は、システムの大きさとコストの両方を増加する。

別の手法は、電気接点の一方の先端部を覆い、コネクタの接続あるいは接続解除の際に、接点間の空気を介する直接の経路を遮断する絶縁障壁を含むことである。しかし、この手法では、アークは、絶縁障壁を迂回する間接的な経路を通って依然として生じ得る。

したがって、追加の接点およびスイッチングデバイスを追加することなく、接続および切断中に離れている接点間での電気アークを抑制する電気コネクタが要請されている。

新規な一対のコネクタは、追加の接続またはスイッチングデバイスを含まずに、コネクタの結合あるいは結合の解除中に、離れている接点間での電気アークを抑制する。本発明の１つの全般的な態様は、電気接点が接続されあるいは切断される間に、離れている接点間でのアークを抑制する絶縁障壁を含む。それにより、本発明の絶縁障壁は、使用者を電気火傷から保護し、コネクタの耐用年数を延ばす。

絶縁障壁は、雄型障壁と雌型障壁の両方を含み、その少なくとも一方が、接点の少なくとも一方を越えて延び、接点の先端部を覆うように構成される。接点が離されるときに雄型障壁と雌型障壁が互いに係合し、それにより、接点間の空気を介する経路をすべて閉じ、アークを抑制する。

いくつかの実施形態では、離れている接点間でのアークは、さらに、電気接点の少なくとも一方の先端部を、低い導電率を有する金属を用いて構成することによって抑制され、したがって、接点が離される直前に接続の電気抵抗が大幅に増加され、それにより、追加の接続または特別なスイッチング回路を追加することなく、電気アークに利用可能な電流およびエネルギーを低下させる。

本発明の別の全般的な態様では、コネクタの少なくとも一方での電気接点の少なくとも一方が、低い抵抗を有する動作区間と高い抵抗を有する遷移区間とを接点内部に形成するように構成された金属組成を有するバイメタル接点であり、遷移区間は、コネクタが結合される、あるいは結合を解除される際に、排他的に、最初にあるいは最後に接続し、動作区間は、コネクタが完全に結合されているときに電流を伝導する。いくつかの実施形態では、遷移区間は、電気接点の先端部に位置される。

本明細書で述べる特徴および利点は、すべてを包含するものではなく、特に、図面、明細書、および特許請求の範囲に鑑みて、多くの追加の特徴および利点が当業者には明らかであろう。さらに、本明細書で使用される用語は、基本的には、読みやすくするためおよび教示の目的で選択されており、本発明の主題の範囲を限定するものではないことに留意すべきである。

接続構成での従来技術の雄型コネクタと雌型コネクタの対の部分断面図である。

切断中のアークを示す図１Ａの従来技術のコネクタの対の部分断面図である。

接続構成での、本発明の一実施形態による雄型コネクタと雌型コネクタの対の部分断面図である。

切断中の絶縁障壁によるアークの抑制を示す、図２Ａに示した一対のコネクタの部分断面図である。

接続構成で示される、本発明の一実施形態による雄型コネクタと雌型コネクタの対の上面図である。

図３Ａに示した一対のコネクタの側断面図である。

一部切断構成で示される、図３Ａの雄型コネクタと雌型コネクタの対の上面図である。

図４Ａに示した一対のコネクタの側断面図である。

図２Ａと同様の一対のコネクタの部分側断面図であるが、高抵抗金属から形成された先端区間を有する接点を含む図である。

一部切断構成で示される、図５Ａに示した一対のコネクタの側断面図である。

図１Ａにしめすように、従来技術の典型的な雄型コネクタと雌型コネクタの対は、雄型接点１００と雌型接点１０２を含む。接点の一方（ここでは雌型接点１０２）は、可撓性であり、ばね１１２によって張力を受けており、それにより、コネクタが結合されるとき、接点１０２の成形領域が雄型接点１００の先端部の乗り上がり、雄型接点１００の接続面を押す。絶縁ハウジング１０４、１０６が、雄型接点と雌型接点を取り囲み、環境の危険から接点を遮蔽し、また、使用者が一対のコネクタを取り扱う際にアークが生じた場合に、使用者をいくらかは保護する。図１Ａの従来技術の例では、追加の絶縁構造１０８、１１０が、接点１００、１０２の外面に近い位置に用意されており、接点１００、１０２を支持し、２つの絶縁ハウジング１０４、１０６が結合するように受取りチャネルを提供する。更に、ばね１１２も備えられ、可撓性の雌型接点１０２と固定の雄型電気接点１００との間に押し付ける力を提供する。

図１Ｂは、電圧が依然として印加されている状態で一部切断されている図１Ａの一対のコネクタを示す。２つの接点１００、１０２の先端部は、短い間隙だけ離され、先端部間で、空気を介する電気アーク１１４が生じている。

図２Ａは、本発明の一実施形態を接点が接続した状態で示す部分断面図である。この実施形態は、図１Ａの従来技術設計と似ているが、絶縁支持構造１０８、１１０が絶縁障壁構造２００、２０２によって置き換えられている点で異なる。雄型絶縁障壁構造２００は、雄型接点１００の先端を越えた位置まで設けられ、雄型接点１００の先端部を覆う。雌型絶縁障壁２０２は、雌型接点１０２の先端を越えた位置まで設けられている。この実施形態では、雌型障壁２０２は、雌型接点の先端部の前方に存在する。同様の実施形態として、雌型障壁２０２が、雌型接点の端部を覆う、またはほぼ覆う形態があり得る。

図２Ｂは、一部切断構成で示される図２Ａの実施形態の部分断面図である。２つの接点１００、１０２の端部は大きな距離にわたって離されてはいないが、雄型絶縁障壁２００が雌型絶縁障壁２０２の非常に近くにあり、または物理的に接触しており、それにより、接点１００、１０２間での空気を介するアーク経路を実質的にすべて遮断する。いくつかの実施形態は、コネクタが一部切断されるときに雄型絶縁障壁と雌型絶縁障壁を互いに対して押しつけるばねまたは他の張力付与機構を含む。

図３Ａは、部分断面図である図２Ａおよび図２Ｂに示した一対のコネクタの全体を、接続構成で示した上面図である。図３Ｂは、図３Ａのコネクタ全体の側断面図である。図４Ａは、部分断面図である図２Ａおよび図２Ｂに示した一対のコネクタの全体を、一部切断構成で示した上面図である。図４Ｂは、図４Ａのコネクタ全体の側断面図である。

図５Ａおよび図５Ｂを参照すると、いくつかの実施形態では、少なくとも一方の接点１００の先端の高抵抗部５００を、高い電気抵抗を有するニッケルクロムやステンレス鋼などの金属から製造することによって、本発明によるアークの抑制が向上される。図５Ａは、図２Ａと同様の実施形態の部分側断面図であるが、雄型接点１００の先端部５００が高抵抗金属から形成される点が異なる。この図は、接続構成でコネクタを示し、雌型接点１０２は、例えば銅などの低抵抗材の雄型接点１００の部分と物理的に係合している。

図５Ｂは、一部切断構成で示される図５Ａの実施形態の断面図であり、雌型接点１０２は、雄型接点１００の高抵抗端部５００と係合されている。この図から分かるように、係合解除中、雌型接点１０２の端部は、雄型接点１００の低抵抗部分から雄型接点１００の高抵抗部分５００に摺動し、次いで雄型絶縁障壁２０２に摺動することで、雌型接点１０２から雄型接点１００の端部５００へのアークが生じにくくなるように電流を阻止する。つまり、低抵抗からほぼ無限の抵抗へ突然遷移するのではなく、切断中に２ステップで回路の抵抗が高められる。

本発明の別の全般的な態様では、絶縁障壁２００、２０２が省かれ、主に、少なくとも一方の接点１００の先端の高抵抗部５００を、高い電気抵抗を有するニッケルクロムやステンレス鋼などの金属から製造することによって、アークが抑制される。

本発明の実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示してきた。前述の説明は、網羅的なものとは意図されず、開示される厳密な形態に本発明を限定することも意図されない。本開示に鑑みて、多くの修正形態および変形形態が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によっては限定されず、添付の特許請求の範囲によって限定されることが意図される。

Claims (17)

1. 電気用の一対のコネクタであって。
   第１の絶縁ハウジングを有する第１のコネクタと、
   前記第１の絶縁ハウジング内部に支持された第１の電気接点であって、前記絶縁ハウジングの長手方向軸と実質的に平行であり前記第１の電気接点の先端部で終端する接続面を備え、当該接続面は、前記先端部にある遷移区域と前記遷移区域に隣接する動作区域とを含み、前記遷移区域は前記動作区域よりも高い抵抗を有する、第１の電気接点と、
   第２の絶縁ハウジングを有する第２のコネクタと、
   前記第２の絶縁ハウジング内部に支持された第２の電気接点であって、前記第１のコネクタが前記第２のコネクタと完全に結合されているときには前記第１の電気接点の前記接続面の前記動作区域と側方で係合するように構成され、前記両コネクタの結合の最初の段階中および結合解除の最後の段階中に、前記第１の電気接点の前記接続面の前記遷移区域と排他的に係合するように構成された第２の電気接点と、
   前記第１の電気接点の前記先端部を越えて延び、前記先端部を覆う前記第１のコネクタ内部の第１の絶縁障壁と、
   前記第２のコネクタ内部で前記第２の電気接点を越えて延びる第２の絶縁障壁であって、前記第１のコネクタと前記第２のコネクタが一部切断され、かつ前記第１の電気接点と前記第２の電気接点とが短い距離だけ離されているときに、前記第１の絶縁障壁と近接するように構成され、それにより、前記第１の電気接点と前記第２の電気接点の間での空気を介するアーク経路を実質的にすべて遮断する第２の絶縁障壁と
   を備えた一対の電気コネクタ。
2. 前記第１のコネクタと前記第２のコネクタとが接続されるときに、前記第１の電気接点の前記係合面に対して前記第２の電気接点を押しつける接点力付与機構を更に備える請求項１に記載の一対のコネクタ。
3. 前記接点力付与機構が、ばねを含む請求項２に記載の一対のコネクタ。
4. 前記第１のコネクタと前記第２のコネクタとが一部切断され、かつ前記第１の電気接点と前記第２の電気接点とが短い距離だけ離されているときに、前記第１の絶縁障壁と前記第２の絶縁障壁とを互いに対して押しつける障壁力付与機構を備える請求項１に記載の一対のコネクタ。
5. 前記第１の電気接点がバイメタル接点であり、前記遷移区域が、前記動作区域が形成される金属よりも高い抵抗を有する金属から形成される請求項１に記載の一対のコネクタ。
6. 前記第１の電気接点と前記第２の電気接点の少なくとも一方が、ワイヤに圧着するための端子を含む請求項１に記載の一対のコネクタ。
7. 前記第１の電気接点と前記第２の電気接点との少なくとも一方が、印刷回路または配線板にはんだ付けするための端子を含む請求項１に記載の一対のコネクタ。
8. 前記第１の電気接点と前記第２の電気接点との少なくとも一方が、前記接点にワイヤまたは電気的素子をはんだ付けするための端子を含む請求項１に記載の一対のコネクタ。
9. 前記第１の電気接点と前記第２の電気接点との少なくとも一方が、前記接点にワイヤを取り付けるための絶縁体を一部に用いた端子を含む請求項１に記載の一対のコネクタ。
10. 前記第１の電気接点と前記第２の電気接点との少なくとも一方が、前記接点にワイヤを取り付けるためのねじ端子を含む請求項１に記載の一対のコネクタ。
11. 前記第１の電気接点または前記第２の電気接点との少なくとも一方が、前記接点に少なくとも１本のワイヤを取り付けるためのばね機構を使用する端子を有するように構成される請求項１に記載の一対のコネクタ。
12. 電気用の一対のコネクタであって、
    第１の絶縁ハウジングを有する第１のコネクタと、
    前記第１の絶縁ハウジング内部に支持された第１の電気接点と、
    第２の絶縁ハウジングを有する第２のコネクタと、
    前記第２の絶縁ハウジング内部に支持された第２の電気接点であって、前記両コネクタが完全に結合されているときに電流が流れる動作区間と、前記コネクタの結合の最初の段階中および結合解除の最後の段階中にのみ電流が流れる遷移区間とを有するバイメタル接点であり、前記遷移区間は前記動作区間よりも高い抵抗率となる金属組成を有する、第２の電気接点と
    を備えた一対のコネクタ。
13. 前記遷移区間が、前記電気接点の一方の先端部にある請求項１２に記載の一対のコネクタ。
14. さらに、前記第１のコネクタと前記第２のコネクタとが接続されるときに、前記電気接点の一方を他方に押しつける接点力付与機構を備える請求項１２記載の一対のコネクタ。
15. 前記接点力付与機構が、ばねを含む請求項１４に記載の一対のコネクタ。
16. 請求項１２記載の一対のコネクタであって、更に、
    前記第１のコネクタ内部で前記第１の電気接点を越えて延びる第１の絶縁障壁と、
    前記第２の電気接点の前記先端部を越えて延びて前記先端部を覆う第２の絶縁障壁であって、前記第１のコネクタと前記第２のコネクタとが一部切断され、かつ前記第１の電気接点と前記第２の電気接点が短い距離だけ離されているときに、前記第１の絶縁障壁と近接するように構成され、それにより、前記第１の電気コネクタと前記第２の電気コネクタとの間での空気を介するアーク経路を実質的にすべて遮断する第２の絶縁障壁と
    を備えた一対のコネクタ。
17. さらに、前記第１のコネクタと前記第２のコネクタとが一部切断され、かつ前記第１の電気接点と前記第２の電気接点とが短い距離だけ離されているときに、前記第１の絶縁障壁と前記第２の絶縁障壁とを互いに対して押しつける障壁力付与機構を備える請求項１６に記載の一対のコネクタ。

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