JP2016223691A - 給湯システム - Google Patents

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Takashi Murakami
高 村上
英之 辻
Hideyuki Tsuji
英之 辻
衛 橋本
Mamoru Hashimoto
衛 橋本
啓明 菊原
Keimei Kikuhara
啓明 菊原
水野 隆之
Takayuki Mizuno
隆之 水野
敦 赤松
Atsushi Akamatsu
敦 赤松
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Abstract

【課題】複数の水栓に優先順位及び優先情報を設定することにより、水栓の要求熱量が給湯器の給湯能力の余力を超えた場合であっても、使用快適性を確保することができる給湯システムを提供する。【解決手段】給湯システム1は、給湯器10、複数の水栓、制御部30、及び設定部27を備える。設定部27は、各水栓の優先順位並びに各水栓の温度優先及び流量優先の少なくとも一方を含む優先情報を設定する。制御部30は、水栓優先順位の順に各水栓の要求熱量を算出する算出手段31と、各水栓の要求熱量が給湯器10の給湯能力の余力を超えるかの判定処理を行う判定手段32と、各指示を行う指示手段33とを有する。給湯能力の余力を超えたと判定した場合に、指示手段33は、水栓の優先情報に基づいて出湯させ、且つ優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させることを指示する。【選択図】図1

Description

本発明は、給湯器と、給湯器に連通した複数の水栓と、給湯器及び複数の水栓を制御する制御部とを備える給湯システムに関する。
従来、このような分野の技術として、例えば下記特許文献に記載されるものがある。特許文献1では、給湯器と、給湯器の下流に設けた湯水混合部と、湯水混合部に連通した複数の水栓と、水栓の出湯温度を設定するリモコンとを備える給湯システムが開示されている。この給湯システムでは、給湯器の給湯最高温度を水栓の利用可能最高温度のうちの最も高い温度以上に設定することで、浴室や台所等の複数の場所において同時にお湯を使用する場合でも、異なる温度のお湯を使用できるようにし、使い勝手を良くしている。
また、特許文献2では、給湯器と、配管を介して給湯器と連通した複数の水栓と、各水栓の出湯を検出するセンサとを備える給湯システムが開示されている。この給湯システムでは、センサの検出情報に基づき、給湯器の給湯温度を水栓の設定温度より高く設定することで、配管放熱による温度低下の影響を抑制できるようにし、使用快適性の向上を図っている。
特開2003−83603号公報 特開2014−1891号公報
しかしながら、上述の給湯システムでは、いずれも水栓の出湯温度を優先させているため、水栓の要求熱量が給湯器の給湯能力の余力を超えた場合に、各水栓の流量が一律に低下してしまい、使用感が損なわれる。その結果、使用快適性を確保し難い問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、複数の水栓に優先順位及び優先情報を設定することにより、水栓の要求熱量が給湯器の給湯能力の余力を超えた場合であっても、使用快適性を確保することができるようにした給湯システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の給湯システムは、熱源を有する給湯器と、配管を介して前記給湯器と連通した複数の水栓と、前記給湯器及び前記複数の水栓を制御する制御部と、各水栓の優先順位、並びに、各水栓に対して温度優先及び流量優先の少なくとも一方を含む優先情報を設定する設定部と、を少なくとも備え、前記制御部は、前記設定部で設定した優先順位の順に、水栓の設定温度及び設定流量に基づいて水栓の要求熱量を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した水栓の要求熱量が前記給湯器の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理を行う判定手段と、前記判定手段が水栓の要求熱量が前記給湯器の給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、当該水栓にその設定温度及び設定流量で出湯させることを指示し、一方、前記給湯器の給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、前記設定部で設定した当該水栓の優先情報に基づいて出湯させ、且つ優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させることを指示する指示手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る給湯システムでは、各水栓の優先順位、並びに各水栓に対して温度優先及び流量優先の少なくとも一方を含む優先情報を設定する設定部を備えるので、使用者が自らの意向に沿って水栓の優先順位及び優先情報を設定することができる。例えば、入浴時の快適性を最も保ちたいときに、浴室の水栓の優先順位を最も高く設定することで、その使用快適性を確保することが可能である。
また、制御部の算出手段は、設定した水栓の優先順位の順に、各水栓の設定温度及び設定流量に基づいて要求熱量を算出し、判定手段は算出された水栓の要求熱量が給湯器の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理を行う。そして、判定手段が水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、指示手段は当該水栓にその設定温度及び設定流量で出湯させることを指示する。これによって、使用者に設定通りの温度及び流量の湯水を与えることが可能となり、使用者に満足感を与え、使用快適性を保つことができる。
一方、判定手段が水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、指示手段は、設定した当該水栓の優先情報に基づいて出湯させ、且つ優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させることを指示する。すなわち、給湯器の給湯能力の余力を超えた場合に、指示手段は、優先順位の高い水栓に対してその優先情報に沿う出湯を維持しつつ、優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させる。このようにすることで、水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えた場合であっても、従来のように各水栓の流量が一律に低下することなく、その流量低下による使い勝手の悪化を防止することができ、使用快適性を確実に確保することができる。
また、本発明に係る給湯システムは、熱源を有する給湯器と、配管を介して前記給湯器と連通した複数の水栓と、前記給湯器及び前記複数の水栓を制御する制御部と、各水栓の優先順位、並びに、各水栓に対して温度優先及び流量優先の少なくとも一方を含む優先情報を設定する設定部と、を少なくとも備え、前記制御部は、前記設定部で設定した優先順位および優先情報に基づいて決定された判定順位の順に、水栓の設定温度及び設定流量に基づいて水栓の要求熱量を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した水栓の要求熱量が前記給湯器の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理を行う判定手段と、前記判定手段が水栓の要求熱量が前記給湯器の給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、当該水栓にその設定温度及び設定流量で出湯させることを指示し、一方、前記給湯器の給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、前記設定部で設定した当該水栓の優先情報に基づいて出湯させ、且つ優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させることを指示する指示手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る給湯システムでは、算出手段は、設定した優先順位および優先情報に基づいて決定された判定順位の順に、各水栓の設定温度及び設定流量に基づいて要求熱量を算出し、判定手段は算出された水栓の要求熱量が給湯器の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理を行う。このため、使用者の細かいニーズに対応することができ、使用者に満足感を与え、使用快適性を保つことができる。
また、水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、指示手段は、設定した当該水栓の優先情報に基づいて出湯させ、且つ優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させることを指示する。このようにすれば、水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えた場合であっても、従来のように各水栓の流量が一律に低下することなく、その流量低下による使い勝手の悪化を防止することができ、使用快適性を確実に確保することができる。
本発明に係る給湯システムにおいて、前記設定部は水栓毎に設けられていることが好適である。このようにすれば、水栓の設置場所でその水栓に関する優先順位及び優先情報を設定することができるので、設定作業を容易に行える。
本発明に係る給湯システムにおいて、前記設定部は、各水栓と一体的に形成されていることが好適である。このようにすれば、水栓と設定部が別々形成される場合と比べて、設置場所を小さくすることができるとともに設置コストを削減することができ、更に美観性の向上を図ることができる。
また、本発明に係る給湯システムは、熱源を有する給湯器と、配管を介して前記給湯器と連通した複数の水栓と、前記給湯器及び前記複数の水栓を制御する制御部と、を少なくとも備える給湯システムであって、前記制御部は、使用される前記複数の水栓の設定流量合計値に基づき、その設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した必要給湯流量が前記給湯器の給湯流量を超えるか否かの判定を行う判定手段と、前記判定手段が必要給湯流量が前記給湯器の給湯流量を超えていないと判定した場合には、各水栓にそれぞれの設定流量で出湯させることを指示し、一方、必要給湯流量が前記給湯器の給湯流量を超えたと判定した場合には、前記給湯器の設定最高温度の限度内で前記給湯器の設定温度を上げることを指示する指示手段とを有することを特徴とする。
従来の給湯システムでは、各水栓での設定温度と給湯器の設定温度が近い場合、給湯器から供給されるお湯を水と混合せずにそのまま水栓から出湯することになるため、水栓の設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量が大きくなる。しかし、給湯流量(給湯器から供給される湯量)が大きくなると、給湯システムの圧力損失が大きくなるのを避けられないため、各水栓の流量が一律に低下し、使用快適性を損なう問題が発生する。それに対し、本発明に係る給湯システムでは、水栓の設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量が判定用に予め定めてある給湯器の給湯流量を超えたと判定した場合には、指示手段は、給湯器の設定最高温度の限度内で給湯器の設定温度を上げることを指示する。これによって、水栓の設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量を小さくすることができ、給湯システムの圧力損失の影響を小さくできる。したがって、各水栓から出湯する流量を使用者の望む設定流量に近づけることができるため、使用快適性を確保することができる。
本発明に係る給湯システムにおいて、前記制御部と通信可能に接続される移動通信端末を更に備え、前記移動通信端末は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、携帯型のパーソナルコンピュータのいずれかであることが好適である。このようにすれば、外出先においても水栓の使用状況を確認することができ、仮に水栓の閉め忘れがあった場合、遠隔操作でその水栓を閉めることができる。また、この移動通信端末が設定部として機能するようにした場合には、離れた位置で全ての水栓の設定を行うことができる。
本発明によれば、複数の水栓に優先順位及び優先情報を設定することにより、水栓の要求熱量が給湯器の給湯能力の余力を超えた場合であっても、使用快適性を確保することができる。
第1実施形態に係る給湯システムの構成を示す模式図である。 電子式サーモ水栓の概要を示す斜視図である。 各水栓の優先順位及び優先情報を示す図である。 第1実施形態に係る給湯システムの制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る給湯システムの制御処理を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る給湯システムの制御処理を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る給湯システムの制御処理を示すフローチャートである。 第5実施形態に係る給湯システムの構成を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明に係る給湯システムの実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。また、下記の実施形態において、給湯器から供給されるお湯を「給湯」と称し、水栓から供給される湯水を「出湯」と称する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る給湯システムの構成を示す模式図である。この給湯システム1は、基本的に、ガスバーナ(熱源)12を有する給湯器10と、前記給湯器10へ給水する給水配管40と、給湯配管50を介して前記給湯器10と連通した複数(ここでは、3つ)の水栓20A,20B,20Cと、前記給湯器10及び水栓20A,20B,20Cを含む給湯システム1全体の制御を行う制御部30とを備えている。
給湯器10は、従来知られたものであってよく、気−液型熱交換器11と、前記気−液型熱交換器11に高温燃焼ガスを供与するガスバーナ12と有し、給水は、給水配管40と連通した上流側配管13を通って気−液型熱交換器11に送られ、そこでガスバーナ12の燃焼ガスと熱交換して加熱されてお湯となる。そのお湯は、下流側配管14及び当該下流側配管14と連通した給湯配管50を通って、前記水栓20A,20B,20C側に送られる。上流側配管13には、給水の温度を検出する給水温度センサ41が設けられている。この給水温度センサ41は、検出した情報を制御部30に送信する。
上流側配管13と下流側配管14は、流量調整弁15を備えたバイパス配管16によって連通している。下流側配管14における前記バイパス配管16との連通部より下流側には、給湯流量センサ17と給湯温度センサ18と流量調整弁19が設けられている。給湯流量センサ17はその検出情報を制御部30に送信し、制御部30は送信された流量の検出情報に基づいてガスバーナ12の燃焼制御を行う。給湯温度センサ18は検出した検出情報を制御部30に送信し、制御部30は送信された温度の検出情報に基づいて流量調整弁15、19の開度を適宜制御し、給水配管40からの給水量が変動した場合にも、所定温度のお湯が水栓20A,20B,20C側に流れるよう制御する。なお、給湯器10における上記した構成及び作動は通常の給湯器と同じである。
水栓20A,20B,20Cは、それぞれ台所、浴室、洗面所に設置されている。図1に示すように、これらの水栓20A,20B,20Cは、給湯配管50と給水配管60との間に並列に配置され、それぞれ給湯支管50a,50b,50cを介して給湯配管50と連通し、給水支管60a,60b,60cを介して給水配管60と連通している。なお、水栓20A、20B及び20Cは同様な構造を有するため、以下においては水栓20Aを例に挙げて説明する。
水栓20Aは、電子式サーモ水栓であり、モータ26の駆動によって開閉自在な湯水混合弁21と、湯水を吐出するための吐水口22と、湯水の流量を調整する流量調整弁23と、出湯の流量を検出する出湯流量センサ24と、出湯の温度を検出する出湯温度センサ25と、出湯を開始または終了させるための出湯操作を行う出湯操作部34とを有する。
湯水混合弁21は、給湯支管50a及び給水支管60aに接続され、その開度の調整によって、給湯支管50aから供給されるお湯と給水支管60aから供給される水との混合比率を変更し、それにより異なる温度の湯水を作ることが可能である。出湯流量センサ24と出湯温度センサ25は、それぞれ検出した検出情報を制御部30に送信する。制御部30は、送信された各検出情報に基づいて、流量調整弁23の開度とモータ26の駆動とを制御する。
水栓20Aは、出湯の流量及び温度等を設定するための設定部27を更に有している。図2は電子式サーモ水栓の概要を示す斜視図である。図2に示すように、設定部27は、一定の厚さを有する平板状に形成され、その一端は本体28に固定され、他端は自由端であって流し台29まで延伸している。設定部27の他端には、上述の吐水口22が設けられている。本体28の中には、上述した湯水混合弁21、流量調整弁23、出湯流量センサ24、出湯温度センサ25及びモータ26等が収納されている。この設定部27は、吐水口22及び本体28と一体的に形成されており、水栓毎に設けられている。出湯操作部34は、押しボタン式であり、本体28の上端に設けられている。出湯していない状態で使用者が押しボタンを押すと出湯が開始され、もう一度押すと出湯が終了する。なお、出湯操作部34は吐水口22の近傍に設けた人体検知センサであってもよい。
設定部27は、出湯の温度及び流量を設定する第1設定部27aと、水栓の優先順位を設定する第2設定部27bと、温度優先及び流量優先の少なくとも一方を含む優先情報を設定する第3設定部27cとを有するように構成されている。第1設定部27aは、表示部と操作ボタンからなり、使用者は、表示部に表示された内容を見ながら操作ボタンを操作することで、所望の温度と流量を設定することができる。
第2設定部27bには、1〜6の数字を表示する6つの押しボタンが配置されている。使用者は、これらの押しボタンを操作することで、水栓20Aの優先順位を設定することが可能である。具体的には、例えば、台所の水栓20A、浴室の水栓20B及び洗面所の水栓20Cをこの順で優先順位を付けたい場合には、台所の水栓20Aで「1」の押しボタン、浴室の水栓20Bで「2」の押しボタン、洗面所の水栓20Cで「3」の押しボタンをそれぞれ押せば、その優先順位が設定される。
本実施形態では、優先順位を設定できる水栓は6箇所までとしたが、これは一般家庭で使用される水栓の数を考慮したものであり、必要に応じて優先順位を設定できる水栓の数を適宜に増減しても構わない。また、ここで、優先順位とは複数の水栓のうち、設定した流量(設定流量)及び設定した温度(設定温度)で出湯させる水栓の優先度合を指している。
水栓20A,20B,20Cは、使用中において、その設定された優先順位の数字が点灯するように設計されている。具体的には、図2に示すように、台所の水栓20Aが使用中の場合には、優先順位として設定された数字「1」が点灯している。一方、数字「2」が消灯しているので、優先順位2として設定された浴室の水栓20Bが使用されていないことを示している。また、数字「3」が点灯しているので、優先順位3として設定された洗面所の水栓20Cが使用されていることを示している。このようにすることで、一つの水栓で他の複数の水栓の使用状況を把握することができるので、他の水栓の閉め忘れ等を防止する効果を奏する。
第3設定部27cは、ボタン操作で「温度優先」、「流量優先」といった優先情報を設定できるように構成されている。図2に示すように、台所の水栓20Aに関しては、「温度優先」と設定されたため、第3設定部27cの表示部に「温度優先」と表示されている。
また、第3設定部27cの表示部は、設定された優先情報及び最優先事項を表示できるほか、水栓20A,20B,20C又は給湯器10に関するエラーコードも表示できるように設計されてもよい。このようにすれば、使用者が第3設定部27cの表示部に表示されるエラーコードで水栓又は給湯器の異常を容易に把握することができ、メンテナンスの効率の向上を図ることができる。
制御部30は、例えばCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されており、給湯システム1全体の制御を行っている。この制御部30は、算出手段31と、判定手段32と、指示手段33とを備えている。算出手段31は、給湯システム1全体に関する各算出処理を実行する手段である。例えば、この算出手段31は、設定された水栓20A,20B,20Cの優先順位の順に、各水栓の設定温度及び設定流量と、給水温度センサ41による給水温度の検出情報に基づいて各水栓の要求熱量を算出する。また、この算出手段31は、後述する給湯器10の給湯能力の余力の算出、使用される水栓20A,20B,20Cの設定流量の合計値の算出、使用される水栓20A,20B,20Cの設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量の算出も行う。
判定手段32は、給湯システム1全体に関する各判定処理を実行する手段である。例えば、判定手段32は、算出手段31で算出した水栓20A,20B,20Cの要求熱量が給湯器10の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理を行う。ここで、給湯能力の余力とは、給湯器10の給湯能力から判定処理が実行された水栓の要求熱量を差し引いて、なお余っている能力のことを指している。従って、水栓20A,20B,20Cに関する判定処理前であれば、給湯能力の余力はイコール給湯器10の給湯能力である。そして、台所の水栓20Aに関する判定処理が実行された場合には、給湯能力の余力は給湯能力から水栓20Aの要求熱量を差し引いた後の能力になる。また、この判定手段32は、使用される水栓20A,20B,20Cの設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量が給湯器10の給湯流量を超えるか否かの判定処理も行う。給湯器10の給湯流量とは、例えば、16号給湯器であれば16リットル毎分、24号給湯器であれば24リットル毎分等のように、判定用の値として予め定められる給湯流量のことである。
指示手段33は、給湯システム1全体に関する各指示処理を実行する手段である。例えば、指示手段33は、判定手段32の判定結果に基づいて水栓20A,20B,20Cへの各指示を行う。より具体的には、判定手段32が水栓20A,20B,20Cの要求熱量が給湯器10の給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、指示手段33は、各水栓にその設定温度及び設定流量で出湯させることを指示する。一方、給湯器10の給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、指示手段33は、第3設定部27cで設定したその水栓の優先情報に基づいて当該水栓に出湯させ、且つ優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させることを指示する。
また、判定手段32が使用される水栓20A,20B,20Cの設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量が給湯器10の給湯流量を超えていないと判定した場合には、指示手段33は、各水栓20A,20B,20Cにそれぞれの設定流量で出湯させることを指示する。一方、判定手段32が必要給湯流量が給湯器10の給湯流量を超えたと判定した場合には、指示手段33は、給湯器10の設定最高温度の限度内で給湯器10の設定温度を上げることを指示する。
以下、図3及び図4を参照して上述の給湯システム1の制御処理を説明する。図3は水栓20A,20B,20Cの優先順位及び優先情報を示す図である。本実施形態では、台所の水栓20A、浴室の水栓20B及び洗面所の水栓20Cの優先順位が台所、浴室、洗面所の順であるので、水栓20Aの優先順位No.は「1」、水栓20Bの優先順位は「2」、水栓20Cは「3」と設定されている。また、優先情報としては、台所の水栓20Aは「温度優先」、浴室の水栓20Bは「温度優先」とそれぞれ設定されている。
図4は第1実施形態に係る給湯システムの制御処理を示すフローチャートである。本実施形態及びこれ以降の実施形態において、使用者による新たな出湯操作があったときに制御処理をスタートする。また、出湯を開始させるための出湯操作があってから出湯を終了させるための出湯操作を受けるまでの間、その水栓は出湯要求を受けているということになる。初めに、S10の処理では、算出手段31は、未処理水栓で水栓優先順位No.が最小の水栓を選択する。ここで、未処理水栓とは出湯要求を受けており、且つこの制御処理が新たにスタートしてから判定処理が未だ行われていない水栓のことを指している。台所の水栓20A、浴室の水栓20B及び洗面所の水栓20Cが全て未処理水栓の場合、算出手段31は優先順位No.が最小の水栓、すなわち台所の水栓20Aを選択する。
S10の処理に続くS11の処理では、水栓の要求熱量の算出が行われる。このとき、算出手段31は、S10の処理で選択した水栓20Aに対し、その設定温度及び設定流量のデータを取得し、更にその取得したデータをもとに水栓20Aの要求熱量を算出する。
S11の処理に続くS12の処理では、水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えるか否かの判定が行われる。このとき、判定手段32は、算出手段31で算出した水栓20Aの要求熱量の結果を取得し、取得した結果と給湯器10の給湯能力の余力との比較を行い、判定処理を行う。
水栓20Aの要求熱量が給湯能力の余力(ここでは、給湯器10の給湯能力)を超えていないと判定した場合には、制御処理がS13に進む。S13の処理では、指示手段33は、水栓20Aに設定温度及び設定流量で出湯させることを指示する。水栓20Aは、指示手段33からの指示を受け、設定温度及び設定流量の通りで湯水を吐出する。
S13の処理を終えたら、制御処理がS10に戻る。このとき、水栓優先順位No.が最小である水栓20Aの制御処理を終えたため、水栓20Aは未処理水栓から除外されることになる。従って、算出手段31は、優先順位No.が「2」である浴室の水栓20Bを選択し、水栓20Bの要求熱量を算出する。更に、水栓20Bに対して水栓要求熱量が給湯器10の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理(S12)では、このときの給湯能力の余力は、給湯器10の給湯能力から台所の水栓20Aの要求熱量を差し引いた後の能力である。
一方、S12の処理で水栓20Aの要求熱量が給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、制御処理がS14に進む。S14の処理では、判定手段32は、温度優先であるか否かを判定する。そして、温度優先であると判定した場合には、制御処理がS15に進む。S15の処理では、指示手段33はその水栓に設定温度で出湯させることを指示する。そして、水栓は、指示手段33からの指示を受け、設定された温度で湯水を吐出する。このとき、出湯の流量は成り行き状態になる。
S15の処理に続くS16の処理では、指示手段33は、制御処理中の水栓以降の未処理水栓(すなわち、優先順位が制御処理中の水栓以下の水栓)に対して、全て流量優先で出湯させることを指示する。
一方、S14の処理で温度優先でないと判定した場合には、制御処理がS17に進み、指示手段33は、その水栓に設定流量で出湯させることを指示する。そして、水栓は指示手段33からの指示を受け、設定された流量で湯水を吐出する。このとき、出湯の温度は成り行き状態になる。S17の処理を終えたら、制御処理がS16に進み、指示手段33は、優先順位が制御処理中の水栓以下の水栓に対して、全て流量優先で出湯させることを指示する。S16の処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
以上の構成を有する給湯システム1では、各水栓20A,20B,20Cの温度、流量、優先順位、温度優先及び流量優先の一方を含む優先情報を設定する設定部27を備えるので、使用者が自らの意向に沿って水栓20A,20B,20Cの温度、流量、優先順位及び優先情報を設定することができる。例えば、入浴時の快適性を最も保ちたいときに、所望の温度及び流量を設定することに加えて、浴室の水栓20Bの優先順位を最も高く設定することで、その使用快適性を確保することが可能である。
また、制御部30の算出手段31は、設定された水栓20A,20B,20Cの優先順位の順に、各水栓の設定温度及び設定流量に基づいて要求熱量を算出し、判定手段32は算出された水栓の要求熱量が給湯器10の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理を行う。そして、判定手段32が水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、指示手段33は当該水栓にその設定温度及び設定流量で出湯させることを指示する。これによって、使用者に設定通りの温度及び流量の湯水を与えることが可能となり、使用者に満足感を与え、使用快適性を保つことができる。
一方、判定手段32が水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、指示手段33は、設定した当該水栓の優先情報に基づいて出湯させ、且つ優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させることを指示する。すなわち、給湯器10の給湯能力の余力を超えた場合に、指示手段33は、優先順位の高い水栓に対してその優先情報に沿う出湯を維持しつつ、優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させる。このようにすることで、水栓20A,20B,20Cの要求熱量が給湯器10の給湯能力の余力を超えた場合であっても、従来のように各水栓の流量が一律に低下することなく、その流量低下による使い勝手の悪化を防止することができ、使用快適性を確実に確保することができる。
更に、設定部27は水栓毎に設けられているので、水栓20A,20B,20Cの設置場所でその水栓に関する優先順位及び優先情報を設定することができ、設定作業を容易に行える。しかも、設定部27は各水栓と一体的に形成されているので、水栓と設定部が別々形成される場合と比べて、設置場所を小さくすることができるとともに設置コストを削減することができ、更に美観性の向上を図ることができる。
<第2実施形態>
以下、図5を参照して第2実施形態に係る給湯システムの制御処理を説明する。本実施形態では、各水栓の優先情報として温度優先と流量優先の双方を設定することができる点が第1実施形態と異なる。初めに、S20の処理では、算出手段31は、未処理水栓で水栓優先順位No.が最小の水栓を選択する。例えば、台所の水栓20A、浴室の水栓20B及び洗面所の水栓20Cが全て未処理水栓の場合、算出手段31はそのうちの優先順位No.が最小の水栓を選択する。
S20の処理に続くS21の処理では、水栓の要求熱量の算出が行われる。このとき、算出手段31は、S20の処理で選択した水栓に対してその設定温度及び設定流量のデータを取得し、更に取得したデータをもとに水栓の要求熱量を算出する。
S21の処理に続くS22の処理では、水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えるか否かの判定が行われる。このとき、判定手段32は、算出手段31で算出した水栓の要求熱量の結果を取得し、取得した結果と給湯器10の給湯能力の余力との比較を行い、判定処理を行う。
水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、制御処理がS23に進む。S23の処理では、指示手段33は、水栓に設定温度及び設定流量で出湯させることを指示する。S23の処理を終えたら、制御処理がS20に戻る。
一方、S22の処理で水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、制御処理がS24に進む。S24の処理では、判定手段32は、温度優先と流量優先の双方が設定されているか否かを判定する。温度優先と流量優先の双方が設定されていないと判定した場合には、制御処理がS25に進む。S25の処理では、判定手段32は、更に流量優先であるか否かの判定を行う。
流量優先であると判定した場合には、制御処理がS26に進む。S26の処理では、指示手段33は、水栓に設定流量で出湯させることを指示する。そして、指示手段33からの指示を受けた水栓は、設定された流量で吐水する。このとき、出湯の温度は成り行き状態になる。S26の処理に続くS27の処理では、指示手段33は、制御処理中の水栓以降の未処理水栓に対して、全て流量優先で出湯させることを指示する。
一方、S25の処理で流量優先でないと判定した場合には、制御処理がS28に進み、S28の処理では、指示手段33は水栓に設定温度で出湯させることを指示する。そして、指示手段33からの指示を受けた水栓は、設定された温度で湯水を吐出する。このとき、出湯の流量は成り行き状態になる。S28の処理を終えたら、制御処理がS27に進む。
上述のS24の処理で温度優先と流量優先の双方が設定されていると判定した場合には、制御処理がS29に進む。S29の処理では、設定流量で出湯した場合の出湯温度が設定温度−2℃以上であるか否かの判定が行われる。このとき、まず、算出手段31は、給湯能力の余力、設定流量及び設定温度等のデータに基づいて、設定流量で出湯し且つ温度を成り行き状態とした場合の出湯温度(以下、設定流量で出湯した場合の出湯温度という)を算出するとともに、設定温度から2℃を差し引いた値(以下、設定温度−2℃という)を算出する。次に、判定手段32は、設定流量で出湯した場合の出湯温度が設定温度−2℃以上であるか否かを判定する。
設定流量で出湯した場合の出湯温度が設定温度−2℃以上である(設定温度−2℃よりも高くなる)と判定した場合には、制御処理がS26に進み、指示手段33は、水栓に設定流量で出湯させることを指示する。このとき、温度は成り行き状態となるが、設定温度との差は2℃以内に収まっているため、使用快適性に大きな影響を与えない。一方、設定流量で出湯した場合の出湯温度が設定温度−2℃以上でない(設定温度−2℃よりも低くなる)と判定した場合には、制御処理がS30に進む。S30処理では、指示手段33は、水栓に設定温度より2℃下げた温度で出湯させることを指示する。そして、指示手段33からの指示を受けた水栓は、設定温度より2℃下げた温度で湯水を吐出する。このとき、流量は成り行き状態となる。
S30の処理を終えたら、制御処理がS27に進み、以降の未処理水栓に対し全て流量優先で出湯させることが行われる。S27の処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、水栓の要求熱量が給湯器10の給湯能力の余力を超えた場合であっても、従来のように各水栓の流量が一律に低下することなく、その流量低下による使い勝手の悪化を防止することができ、使用快適性を確保できる効果を得られる。更に、温度優先と流量優先の双方が設定される場合に対応でき、使用快適性をより確実に確保することができる。
なお、本実施形態のS29の処理において、出湯温度を設定温度から−2℃以上とする例を挙げて説明したが、これに限らず、許容温度は適宜設定可能である。また、S29の処理の判定基準は一例に過ぎず、温度と流量の双方を調整するものであればよい。更に、温度優先と流量優先の双方を設定したうえで、最優先事項として温度優先又は流量優先を設定できるようにし、それに応じた制御を追加してもよい。
<第3実施形態>
以下、図6を参照して第3実施形態に係る給湯システムの制御処理を説明する。本実施形態では、各水栓の優先情報として温度優先と流量優先の双方を設定することができ、さらに最優先事項として温度優先又は流量優先を設定できる。また、それらの優先情報と優先順位に基づいて判定順位を決定する点が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。初めに、S40の処理では、判定手段32は、温度優先と流量優先の双方が設定されている未処理水栓があるかを判定する。温度優先と流量優先の双方が設定されている未処理水栓があると判定した場合には、制御処理がS41に進む。S41の処理では、算出手段31は、温度優先と流量優先の双方が設定されている未処理水栓のうち、水栓優先順位No.が最小の水栓を選択する。
S41の処理に続くS42の処理では、水栓の要求熱量の算出が行われる。このとき、算出手段31は、S41の処理で選択した水栓に対してその設定温度及び設定流量のデータを取得し、更に取得したデータをもとに水栓の要求熱量を算出する。
S42の処理に続くS43の処理では、水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えるか否かの判定が行われる。このとき、判定手段32は、算出手段31で算出した水栓の要求熱量の結果を取得し、取得した結果と給湯器10の給湯能力の余力との比較を行い、判定処理を行う。
水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、制御処理がS44に進む。S44の処理では、指示手段33は、水栓に設定温度及び設定流量で出湯させることを指示する。S44の処理を終えたら、制御処理がS40に戻る。一方、S43の処理で水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、制御処理がS45に進む。
S45の処理では、判定手段32は温度優先が最優先事項であるか否かの判定を行う。温度優先が最優先事項であると判定した場合には、制御処理がS46に進み、指示手段33は水栓に設定温度で出湯させることを指示する。そして、指示手段33からの指示を受けた水栓は、設定された温度で湯水を吐出する。このとき、出湯の流量は成り行き状態になる。S46の処理に続くS47の処理では、指示手段33は、制御処理中の水栓以降の未処理水栓に対して、全て流量優先で出湯させることを指示する。
一方、S45の処理で温度優先が最優先事項でないと判定した場合には、制御処理がS48に進み、指示手段33は水栓に設定流量で出湯させることを指示する。そして、指示手段33からの指示を受けた水栓は、設定された流量で湯水を吐出する。このとき、出湯の温度は成り行き状態になる。S48を終えたら、制御処理がS47に進む。
上述のS40の処理で温度優先と流量優先の双方が設定されている未処理水栓がないと判定した場合には、制御処理がS49に進む。S49の処理では、判定手段32は温度優先が設定されている未処理水栓があるかを判定する。そして、温度優先が設定されている未処理水栓がないと判定した場合には、制御処理がS47に進む。従って、指示手段33は、以降の未処理水栓に対し、全て流量優先で出湯させることを指示する。
一方、S49の処理で温度優先が設定されている未処理水栓があると判定した場合には、制御処理がS50に進む。S50の処理では、算出手段31は、温度優先が設定されている未処理水栓のうち、水栓優先順位No.が最小の水栓を選択する。S50の処理に続くS51の処理では、水栓の要求熱量の算出が行われる。このとき、算出手段31は、S50の処理で選択した水栓に対してその設定温度及び設定流量のデータを取得し、更に取得したデータをもとに水栓の要求熱量を算出する。
S51の処理に続くS52の処理では、水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えるか否かの判定が行われる。このとき、判定手段32は、算出手段31で算出した水栓の要求熱量の結果を取得し、取得した結果と給湯器10の給湯能力の余力との比較を行い、判定処理を行う。水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、制御処理がS53に進み、指示手段33は、水栓に設定温度及び設定流量で出湯させることを指示する。S53の処理を終えたら、制御処理がS49に戻る。
一方、S52の処理で水栓の要求熱量が給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、制御処理がS54に進む。S54の処理では、指示手段33は水栓に設定温度で出湯させることを指示する。S54の処理を終えたら、制御処理がS47に進む。このとき、各水栓の出湯の流量は成り行き状態となる。そして、S47の処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、水栓の要求熱量が給湯器10の給湯能力の余力を超えた場合であっても、従来のように各水栓の流量が一律に低下することなく、その流量低下による使い勝手の悪化を防止することができ、使用快適性を確保できる効果を得られる。更に、算出手段31は、設定した優先情報および優先順位に基づいて決定された判定順位の順に、各水栓の設定温度及び設定流量に基づいて要求熱量を算出し、判定手段32は、水栓の要求熱量が給湯器の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理、及び最優先事項であるか否かの判定処理を行う。従って、使用者の細かいニーズに対応することができ、使用者に満足感を与え、使用快適性を確実に保つことができる。
<第4実施形態>
以下、図7を参照して第4実施形態に係る給湯システムの制御処理を説明する。初めに、S60の処理では、算出手段31は使用水栓の設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量を算出する。例えば、算出手段31は、まず、全ての水栓20A,20B,20Cのうち、使用されている水栓(出湯要求を受けている水栓)のみを選択する。従って、出湯していない水栓(出湯要求を受けていない水栓)は除外される。本実施形態では、水栓20A,20B,20Cは全て使用されているので、これらの水栓は全て選択される。次に、算出手段31は、選択した各水栓の設定流量のデータを取得し、それらの合計値を算出する。続いて、算出手段31は、算出した設定流量合計値に基づいて、その設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量を算出する。
S60の処理に続くS61の処理では、必要給湯流量が給湯器10の給湯流量を超えるか否かの判定が行われる。このとき、判定手段32は、S60の処理で算出した必要給湯流量を取得し、必要給湯流量が給湯器10の給湯流量を超えるかを判定する。そして、必要給湯流量が給湯器10の給湯流量を超えていないと判定した場合には、制御処理がS62に進み、指示手段33は、各水栓20A,20B,20Cにそれぞれの設定流量で出湯させることを指示する。S62の処理を終えたら、制御処理がS60に戻る。
一方、S61の処理で必要給湯流量が給湯器10の給湯流量を超えたと判定した場合には、制御処理がS63に進む。S63の処理では、判定手段32は、更に給湯器10の設定温度が最高であるか否かの判定を行う。そして、給湯器10の設定温度が最高でないと判定した場合には、制御処理がS64に進み、指示手段33は給湯器10に設定温度を1℃上げることを指示する。給湯器10は、指示手段33の指示を受けてその設定温度を1℃上げる。S64の処理を終えたら、制御処理がS60に戻る。
一方、S63の処理で給湯器10の設定温度が最高であると判定した場合には、制御処理がS65に進み、指示手段33は、給湯器10に設定温度をそのまま維持することを指示する。このとき、各水栓の出湯の流量が成り行き状態になる。そして、S65の処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
本実施形態では、判定手段32が水栓20A,20B,20Cの設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量が給湯器10の給湯流量を超えたと判定した場合には、指示手段33は、給湯器10の設定最高温度の限度内で給湯器10の設定温度を上げることを指示する。これによって、設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量を小さくすることができる。その結果、水栓20A,20B,20Cで同時にお湯を使用する場合であっても、各水栓の設定流量により近い流量を出湯することができ、使用快適性を確保することができる。
<第5実施形態>
以下、図8を参照して第5実施形態に係る給湯システム2を説明する。本実施形態に係る給湯システム2と第1実施形態との相違点は、給湯システム2が更に制御部30と通信可能なスマートフォン(移動通信端末)80を備えることである。以下、その相違点を中心に説明する。
具体的には、制御部30は、サーバ装置70との間に送受信できる通信手段(図示せず)を更に有する。制御部30は、この通信手段を介して給湯器10の運転状況及び水栓20A,20B,20Cの使用状況に関する情報等を適宜にサーバ装置70に送信し、サーバ装置70からの指示を受信している。また、給湯システム2は、サーバ装置70を介して制御部30と通信可能に接続されるスマートフォン80を更に備えている。
このような構成を有する給湯システム2は、第1実施形態と同様な作用効果を得られるほか、制御部30と通信可能に接続されるスマートフォン80を更に備えるため、外出先においてもスマートフォン80で水栓20A,20B,20Cの使用状況等を確認したり、水栓20A,20B,20Cを遠隔操作したりすることが可能になる。例えば、使用1回当たりの最大使用流量を設定して、水栓の閉操作なしに前記最大流量を超えた場合にはスマートフォン80に警報を送付し、使用者がスマートフォン80で水栓の閉め忘れを確認した場合に、サーバ装置70を介し制御部30に指令を送信することによりその水栓を閉めることができる。また、スマートフォン80が設定部として機能するようにした場合には、スマートフォン80で離れた位置で全ての水栓の設定を行うことができる。その結果、給湯システム2の使いやすさを更に高めることができる。なお、移動通信端末としては、上述したスマートフォン80のほか、携帯電話、タブレット端末、携帯型のパーソナルコンピュータのいずれかであってもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、優先の概念は上記に限定することなく、適宜周知の制御方法を用いればよい。
更に、温度優先と流量優先の設定は手動で行っても良いが、例えば全自動洗濯機等向けの制御として、洗剤による洗濯モード時には温度優先とすると共に、洗濯時に使用した湯量を記憶し、濯ぎモード時にも温度優先を維持する一方、濯ぎに使用する湯量が前記記憶値を超えて使用され続ける場合には、ため濯ぎではなく注水濯ぎであるものとして温度優先から流量優先に切り替え、所定時間洗以内に再度湯の使用がある場合には引き続き濯ぎが行われている(2回目の濯ぎが行われている)ものとして流量優先を維持し、所定時間を超えても湯の使用がない場合には洗濯が終了したものとして、温度優先に戻すというように、温度優先と流量優先の設定を自動で切換えても良い。このような自動切換の設定を、全自動洗濯機用や食器洗浄機用など複数持つようにしても良い。
更に、温度設定として給水温度も選択可能(給湯器10がOFFでも操作可能、又は湯全閉可能)とすれば、止水機能(水栓閉機能)を生かして、庭木散水用として用いることもできる。特に第5実施形態のようスマートフォン80で指示できるようにした場合には、外出先から天気を確認して散水の指示ができ、雨の日であっても散水指示を自動実行してしまう自動水やり器(タイマー散水器)の不具合を解消できる。
また、上述の実施形態では、給湯器10の熱源としてはガスバーナ12を挙げて説明したが、電気式の熱源を用いてもよい。また、上述の実施形態において、水栓20A,20B,20Cに関する温度、流量、優先順位、優先情報及び最優先事項の設定は各水栓の設定部27で行われるものとしたが、水栓とは別に設けられた設定部で行われてもよいし、制御部30で設定できるようにしてもよい。更に、上述の実施形態では、水栓20A,20B,20Cに関する温度、流量、優先順位、優先情報及び最優先事項の設定はその水栓の設定部27でしか行えないものとしたが、一の水栓の設定部で自水栓の設定を含めて他水栓の設定も行えるようにしてもよい。
1,2 給湯システム
10 給湯器
11 気−液型熱交換器
12 ガスバーナ
13 上流側配管
14 下流側配管
15,19,23 流量調整弁
16 バイパス配管
17 給湯流量センサ
18 給湯温度センサ
20A,20B,20C 水栓
21 湯水混合弁
22 吐水口
24 出湯流量センサ
25 出湯温度センサ
26 モータ
27 設定部
27a 第1設定部
27b 第2設定部
27c 第3設定部
28 本体
30 制御部
31 算出手段
32 判定手段
33 指示手段
34 出湯操作部
40,60 給水配管
41 給水温度センサ
50 給湯配管
70 サーバ装置
80 スマートフォン

Claims (7)

  1. 熱源を有する給湯器と、
    配管を介して前記給湯器と連通した複数の水栓と、
    前記給湯器及び前記複数の水栓を制御する制御部と、
    各水栓の優先順位、並びに、各水栓に対して温度優先及び流量優先の少なくとも一方を含む優先情報を設定する設定部と、
    を少なくとも備え、
    前記制御部は、
    前記設定部で設定した優先順位の順に、水栓の設定温度及び設定流量に基づいて水栓の要求熱量を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出した水栓の要求熱量が前記給湯器の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理を行う判定手段と、
    前記判定手段が水栓の要求熱量が前記給湯器の給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、当該水栓にその設定温度及び設定流量で出湯させることを指示し、一方、前記給湯器の給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、前記設定部で設定した当該水栓の優先情報に基づいて出湯させ、且つ優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させることを指示する指示手段と、を有することを特徴とする給湯システム。
  2. 熱源を有する給湯器と、
    配管を介して前記給湯器と連通した複数の水栓と、
    前記給湯器及び前記複数の水栓を制御する制御部と、
    各水栓の優先順位、並びに、各水栓に対して温度優先及び流量優先の少なくとも一方を含む優先情報を設定する設定部と、
    を少なくとも備え、
    前記制御部は、
    前記設定部で設定した優先順位および優先情報に基づいて決定された判定順位の順に、水栓の設定温度及び設定流量に基づいて水栓の要求熱量を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出した水栓の要求熱量が前記給湯器の給湯能力の余力を超えるか否かの判定処理を行う判定手段と、
    前記判定手段が水栓の要求熱量が前記給湯器の給湯能力の余力を超えていないと判定した場合には、当該水栓にその設定温度及び設定流量で出湯させることを指示し、一方、前記給湯器の給湯能力の余力を超えたと判定した場合には、前記設定部で設定した当該水栓の優先情報に基づいて出湯させ、且つ優先順位が当該水栓以下の水栓に全て流量優先で出湯させることを指示する指示手段と、を有することを特徴とする給湯システム。
  3. 請求項1又は2に記載の給湯システムであって、
    前記設定部は水栓毎に設けられていることを特徴とする給湯システム。
  4. 請求項3に記載の給湯システムであって、
    前記設定部は、各水栓と一体的に形成されていることを特徴とする給湯システム。
  5. 熱源を有する給湯器と、配管を介して前記給湯器と連通した複数の水栓と、前記給湯器及び前記複数の水栓を制御する制御部と、を少なくとも備える給湯システムであって、
    前記制御部は、
    使用される前記複数の水栓の設定流量合計値に基づき、その設定流量合計値を出湯するための必要給湯流量を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出した必要給湯流量が前記給湯器の給湯流量を超えるか否かの判定を行う判定手段と、
    前記判定手段が必要給湯流量が前記給湯器の給湯流量を超えていないと判定した場合には、各水栓にそれぞれの設定流量で出湯させることを指示し、一方、必要給湯流量が前記給湯器の給湯流量を超えたと判定した場合には、前記給湯器の設定最高温度の限度内で前記給湯器の設定温度を上げることを指示する指示手段とを有することを特徴とする給湯システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の給湯システムであって、
    前記制御部と通信可能に接続される移動通信端末を更に備えることを特徴とする給湯システム。
  7. 請求項6に記載の給湯システムであって、
    前記移動通信端末は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、携帯型のパーソナルコンピュータのいずれかであることを特徴とする給湯システム。
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JP7442986B2 (ja) 2019-07-09 2024-03-05 アール・ビー・コントロールズ株式会社 浴室給湯装置

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