JP2016222625A - カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物、およびそれを含有する水系化粧料組成物および化粧料 - Google Patents

カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物、およびそれを含有する水系化粧料組成物および化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】毛髪や皮膚の表面に適度な皮膜を形成し、感触を改善することができる組成物の提供。【解決手段】下式で示されるカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類及び特定のカチオン化剤のジオール体との混合物をアルカリ性物質の存在下、特定の条件下で反応させることによって得られるカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物。[R1、R2、R3は炭化水素基;X−は無機性陰イオン又は有機性陰イオン]【選択図】図1

Description

本発明は、ある特定のカチオン化ドロキシプロピルデキストリン類混合物を含有する化粧料組成物に関し、毛髪用化粧料に使用した際には洗髪時および洗髪後の毛髪への負荷を軽減し、皮膚用化粧料に使用した際にはしっとり感や保湿性を付与するのに適した化粧料組成物に関するものである。
近年、化粧料には、使用後の感触の良さ、例えば洗髪剤に関しては毛髪の仕上がり感の良いもの、また皮膚用化粧料に関しては、使用(塗布)後の肌のしっとり感が持続するものが求められている。
例えば、毛髪や皮膚等を洗浄する、いわゆるシャンプー(ボディシャンプーや洗顔料も含む)には、洗浄後の仕上がり効果を向上させるために、種々の物質が添加されている。即ち、毛髪に自然な艶,柔軟性,しなやかさを付与したり、皮膚にしっとり感や保湿性を付与するために、水溶性カチオン化ポリマーが添加されている(特許文献1)。カチオン化ポリマーとしては、人体に対する無害性や毛髪や皮膚に対する親和性の要求から、天然物の誘導体が使用される傾向にある。例えば、加水分解蛋白質,ラノリン,脂質,ビタミン類,セルロース,グアーガム,澱粉等の誘導体の使用が試みられている。
シャンプーに代表される毛髪化粧料には、高い起泡力をもつアニオン界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウムなど)が配合されているが、一般的にカチオン化ポリマーとアニオン界面活性剤は、その添加量、添加比率、両者の濃度に応じて、洗浄時、特に水ですすぐ工程でカチオン‐アニオン複合体(コアセルベート)が形成され、毛髪表面に皮膜を形成する。形成された皮膜は、キューティクルを補修し、洗髪時の指通りや洗髪後の感触を変化させる効果がある。この現象に関しては、毛髪化粧料に限らず、洗顔料やボディーソープなど皮膚用洗浄料にも、カチオン化ポリマーを使用した場合に起こる現象で、近年注目されているものである。(非特許文献1、2)
コアセルベートを形成するカチオン化ポリマーとしては、ヒドロキシエチルセルロースにカチオン化剤を反応させて得られるヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、あるいはグアーガムにカチオン化剤を反応させて得られるグアーガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、デンプンにカチオン化剤を反応させて得られるデンプンヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル等の比較的高分子(平均分子量が2×10以上)のポリマーが使用されている。即ち、このようなカチオン化ポリマーを添加した洗浄料を使用した場合、カチオン化ポリマーが添加されていないシャンプーを使用した場合に比べて、コアセルベートが毛髪に付着した場合、毛髪や皮膚に自然な艶,柔軟性,しなやかさ,しっとり感などが付与されるものの、カチオン化ポリマーの分子量に起因する皮膜の状態が、逆にすべり性を軽減したり、指通りや肌触りなどの感触を悪くするということもあった。また、カチオン性であるがゆえに、皮膚への刺激性や感作性(アレルギー症状)に関しても、安全性の点から問題視され、安全性の高いものが求められている。
このため、カチオン化ポリマーとアニオン界面活性剤との複合体形成について種々検討し、従来のカチオン化ポリマーが概して高分子量(2×10以上)であるために、付着した際に必要以上のコーティングが施され、毛髪や皮膚への負荷が著しく高くなり、毛髪や皮膚に付着した部分ですべり性が悪くなると考えた。そこで、低分子量化したカチオン化デンプン(特許文献2、3)や、還元水飴やトレハロースをカチオン化した、カチオン化トレハロース混合物やカチオン化還元水飴混合物(特許文献3、4、5)を使用することを提案している。
しかしながら、低分子量化したカチオン化デンプンの場合、その製造方法からデンプンとカチオン化剤を反応させる際には、反応させるカチオン化剤の量をあまり多くできないため、各種活性剤を添加して洗浄料を製造した際に、毛髪や皮膚表面に適度な皮膜を形成させる複合体が毛髪や皮膚表面をきれいに覆うまで生成できずに、結局、洗浄後の毛髪や皮膚表面が乾燥してしまい、毛髪の傷みやすべり性を軽減させる、という欠点があった。
また、二糖類であるトレハロースや還元水飴をカチオン化剤と反応させたカチオン化トレハロース混合物やカチオン化還元水飴混合物の場合は、糖骨格の分子量が小さいために、反応時のカチオン化剤の量が多くても、最終的に生成されるカチオン‐アニオン複合体の分子量が小さすぎて、毛髪表面に皮膜を形成することが出来ず、毛髪表面に思ったほどの効果が出ないと考えられる。
特公昭47−20635号公報 特開平7−17826号公報 特開平7−17827号公報 特開平9−12589号公報 特開平10−27951号公報 国際公開WO2008/143135号公報
日本化粧品技術者会誌 第 38巻, 第3号 P211‐218(2004) The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists Magazine 3/4 P177‐185(2010)
以上の事項から、解決する課題としては、ある一定の範囲の分子量を持つカチオン化ポリマーを配合した化粧料を用いると、毛髪や皮膚の表面に適度な皮膜を形成でき、感触が改善できるという点である。
そこで、本発明者等は、鋭意検討の結果、デンプンをエーテル化したヒドロキシアルキル化デンプンを、酸又は酵素である分子量の範囲にまで加水分解したヒドロキシアルキル化デキストリン類に、カチオン化剤を高配合で反応させて生成した、カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類を含む混合物を化粧料に用いた場合、陰イオン界面活性剤とのある一定の濃度で形成されるカチオン−アニオン複合体(コアセルベート)が、毛髪や皮膚表面に適度な皮膜を形成し、表面がきれいにコーティングされ、適度なすべり性を与え、非常になめらかな指通りとなること、皮膚表面に至っては、ツッパリ感がなく、しっとり感や保湿性を付与できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以上のように、本発明はデンプンをエーテル化したヒドロキシアルキル化デンプンを、酸又は酵素である分子量の範囲にまで加水分解したヒドロキシアルキル化デキストリン類に、カチオン化剤を高配合で反応させて生成した、カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類とカチオン化剤のジオール体を含む混合物を化粧料に用いた場合に、毛髪や皮膚の表面に適度な皮膜を形成し、毛髪や皮膚表面の感触が改善されることを最も主要な特徴とする。
損傷毛髪を試験例1で得られたCAHPDx混合物3の0.5%水溶液に浸漬・乾燥後、表面のコーティング状態を観察した電子顕微鏡写真である。
損傷毛髪を水(つまりカチオン化高分子無添加)に浸漬・乾燥後、表面のコーティング状態を観察した電子顕微鏡写真である。
損傷毛髪をカチオン化HECの0.5%水溶液に浸漬・乾燥後、表面のコーティング状態を観察した電子顕微鏡写真である。
すなわち、本発明は、MS値が0.05〜0.2であるヒドロキシアルキル化デンプンを、2×10〜10 の分子量(標準プルランによるHPLCによる測定)の範囲にまで酸又は酵素で加水分解したヒドロキシアルキル化デキストリン類を、一般式(III):
Figure 2016222625
(式中、R,R ,R は炭化水素基を表し、Xは無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表す。)
又は一般式(IV):
Figure 2016222625
(式中、R,R ,R は炭化水素基を表し、Xは無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表し、Yはハロゲン原子を表す。)で示されるカチオン化剤と反応させて得られた、一般式(I):
Figure 2016222625
(式中、Gはヒドロキシアルキル化デキストリン類の残基を表し、R,R ,R は炭化水素基を表し、Xは無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表す。)および、一般式(II):
Figure 2016222625
(式中、R 1 、R 2 、R 3 は炭化水素基を表し、X−は無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表す。)で示されるカチオン化剤のジオール体を含むカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物を含有する化粧料組成物に関するものである。
まず、本発明で使用する「カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物」について説明する。この「カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物」は、ある範囲の置換度を持つヒドロキシアルキル化デンプンを、酸(鉱産、例えば塩酸、硫酸、、硝酸など)あるいは酵素(α-アミラーゼに代表されるデンプン分解酵素)を用いて目的の分子量になるまで分解した、ヒドロキシアルキル化デキストリン類にカチオン化剤を反応させて得られるものである。
なお、目的の分子量にまで、ヒドロキシアルキル化デンプンを分解して製造した「ヒドロキシアルキル化デキストリン類」には、ヒドロキシアルキル基を含有するものと、含有しないものが一部含まれている。そのため、ヒドロキシアルキル化デキストリン類にカチオン化剤を溶液中で反応させ場合、主な反応物として、a)カチオン化とヒドロキシアルキル化の両方がなされた「カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン」が生成され、他に、b)カチオン化、あるいはヒドロキシアルキル化だけなされた「ヒドロキシアルキル化デキストリン」および「カチオン化デキストリン」、c)何の置換基も持たない「デキストリン」がごく一部含有する。したがって、これらの4種のデキストリン類(以後、「カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類」とする)と、副産品である未反応のカチオン化剤のジオール体を含む混合物を「カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物」と呼ぶこととする。
本発明で使用する「ヒドロキシアルキル化デンプン」とは、デンプンに、1,2−アルキレンオキシド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンをアルカリ条件下で反応させて得られるものである。1,2−アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド等を使用するのが好ましい。1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンとしては、エチレンクロルヒドリン、1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロパン、1−ハロゲノ−2−ヒドロキシブタン等を使用するのが好ましい。1,2−アルキレンオキシド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンは、アルカリ条件下で、デンプンの水酸基から水素原子を引き抜いて、エーテル結合によってデンプンと結合するものである。
「ヒドロキシアルキル化デンプン」のMS値は、0.05〜0.2であるのが好ましく、特に0.08〜0.15であるのがより好ましい。ここで、MS値とは、デンプンの無水グルコース単位当りに結合した(付加した)ヒドロキシアルキル基のモル数のことを意味している。例えば、無水グルコース単位当り1モルのヒドロキシアルキル基が結合しているものは、MS値は1である。現実には、無水グルコース単位当りに、ヒドロキシアルキル基が1個又は2個以上結合したものや、ヒドロキシアルキル基が結合していないものが混在しており、MS値はこれらの平均値として示される。MS値の測定方法は、ヒドロキシアルキル化デンプンが、ヒドロキシエチル化デンプンあるいはヒドロキシプロピル化デンプンの場合は、「医薬品添加物規格 2013」(厚生省業務局審査課監修、薬事日報社発行)の第533〜534頁に記載された「ヒドロキシプロピルスターチ ヒドロキシプロポキシル基定量法(ガスクロ法)」に準拠して行われる。また、ヒドロキシエチル化デンプンおよびヒドロキシプロピル化デンプン以外のものの場合にも、これらの記載に準拠して行われる。
「ヒドロキシアルキル化デキストリン類」は、上記のようにエーテル化反応した、ヒドロキシアルキル化デンプンを常法に従って、酸あるいは酵素である分子量にまで分解したものである。例えば、α−アミラーゼを用いて分解する場合、一定量のヒドロキシアルキル化デンプンを懸濁し、pHを6〜8に調整した後、α―アミラーゼを適量添加し、80〜90℃に加温する。その後、ある範囲の分子量になるように、分子量と相関のある粘度を指標にして分解を行う。その後、失活、精製を行い、液体のままカチオン化反応に供してもよいが、必要であれば、ドラムドライヤーやスプレードライヤーによる乾燥処理を行い、粉末化したものをカチオン化反応に供してもよい。
本発明に使用する「ヒドロキシアルキル化デキストリン類」の分子量は、プルランを指標にしたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)による測定で、2×10〜10 が好ましい。分子量が2×10以下では、カチオン化反応後のカチオン‐アニオン複合体形成後の皮膜形成がうまく行われず、感触などに弊害が出てくる。また分子量が10 を超える場合、カチオン化反応時に増粘してしまい、反応効率が低下したり、化粧料に配合し、使用した際のカチオン‐アニオン複合体形成後の皮膜が必要以上に形成され、ごわつき感やツッパリ感などの弊害が出てくる。
本発明に使用するカチオン化剤としては、下記一般式(III):
Figure 2016222625
(式中、R,R ,R は炭化水素基を表し、Xは無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表す。)で示される2,3−エポキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩(グリシジルトリアルキルアンモニウム塩)、又は下記一般式(IV):
Figure 2016222625
(式中、R,R ,R は炭化水素基を表し、Xは無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表し、Yはハロゲン原子を表す。)で示される3−ハロゲノ−2−ヒドロキシトリアルキルアンモニウム塩が単独で又は混合して用いられる。
一般式(I)〜(IV)の式中におけるR,R ,Rは、鎖状もしくは分枝状のアルキル基であってもよく、また不飽和炭化水素基(アルケニル基等)や芳香族基(フェニル基等)等であってもよい。一般的には、R,R ,Rはアルキル基であるのが好ましく、特に、RおよびRが炭素数1〜3のアルキル基であって、R が炭素数1〜18のアルキル基であるのが最も好ましい。また、式中におけるXは、陰イオンとなりうるものであれば無機性のものであっても有機性のものであってもよく、一般的にハロゲンイオンであるのが好ましく、塩素イオン(Cl-)であるのが最も好ましい。なお、式中のYは、ハロゲン原子であって、一般的に塩素原子であるのが好ましい。
一般式(III)で示される化合物のうち、本発明において好適に使用しうるものを例示すれば、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルトリエチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルトリプロピルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルオクチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルデシルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルラウリルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルミリスチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルパルミチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等を用いることができる。
一般式(IV)で示される化合物のうち、本発明において好適に使用しうるものを例示すれば、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシトリメチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシトリエチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシトリプロピルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルオクチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルラウリルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルミリスチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルパルミチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルドデシルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等を用いることができる。
ヒドロキシアルキル化デキストリン類と、一般式(III)又は(IV)で示されるカチオン化剤との反応は、水及びアルカリ性物質の存在下で行われる。即ち、ヒドロキシアルキル化デキストリン類に、カチオン化剤,水及びアルカリ性物質を添加して反応を進行させる。カチオン化剤,水及びアルカリ性物質の添加順序は任意である。また、反応温度は30〜60℃程度が好ましい。ヒドロキシアルキル化デキストリン類とカチオン化剤との反応は、主として6位,2位又は3位の炭素、あるいはそれらの水酸基の一部に置換しているヒドロキシアルキル基に結合している水酸基から水素原子を引き抜いて、エーテル結合によってカチオン化剤の3位の炭素が結合すると考えられる。従って、最終的に得られる「カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物」は、一般的に下記一般式(I):
Figure 2016222625
(式中、Gはヒドロキシアルキル化デキストリン類の残基を表し、R,R ,R は炭化水素基を表し、Xは無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表す。)および、一般式(II):
Figure 2016222625
(式中、R 1 、R 2 、R 3 は炭化水素基を表し、X−は無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表す。)で示される構造式を持つものを含有しているのである。
上記の説明からも明らかなように、Gはヒドロキシアルキル化デキストリン類のグルコース残基の、主として6位,2位又は3位の炭素原子に結合している水酸基、あるいはそれらの水酸基の一部に置換しているヒドロキシアルキル基の水酸基とカチオン化剤がエーテル結合したものである。
ヒドロキシアルキル化デキストリン類に対するカチオン化剤の使用量は、一般的には、添加量や反応効率の点を考慮すると、反応に使用するカチオン化剤の質量比が対ヒドロキシアルキル化デキストリン類100質量部に対して15〜90質量部、さらに好適には30〜75質量部(反応効率を考慮すると、ヒドロキシアルキル化デキストリン類のグルコース残基2〜12分子に1分子のカチオン化剤が結合しているカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類が生成できる程度)になるようにカチオン化剤の量を調整することが好ましい。なお、カチオン化剤が少ない場合には、カチオン化の程度が低すぎて、陰イオン界面活性剤と複合化される度合いが少ないために、コアセルベートが形成されにくい恐れがある。また、カチオン化剤が多すぎると、副産物のカチオン化剤のジオール体とアニオン界面活性剤が複合体を形成し、ヒドロキシアルキル化デキストリン類の分子量に関係なく、皮膜が形成されなくなり、感触に違和感を生じる状態になる。
ヒドロキシアルキル化デキストリン類とカチオン化剤とを反応させる際に使用する水の量は、ヒドロキシアルキル化デキストリン類の同量以上、3倍量以下の水で反応させるのが良い。水の量が少なすぎると、ヒドロキシアルキル化デキストリン類の分子量による粘度上昇で反応中の撹拌がしづらくなり、効率的ではない。また水が多すぎると、副産物であるカチオン化剤のジオール体が多く出来るため、カチオン化の反応効率が低下する恐れがある。
反応触媒であるアルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,トリエチルアミン,モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等の有機アミン等を用いることができる。また、アンモニア,テトラメチルアンモニウムヒドロキシド,テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等も用いることができる。このうち、本発明において使用するのに最も好ましいアルカリ性物質は、水酸化ナトリウムである。
アルカリ性物質の添加量は、ヒドロキシアルキル化デキストリン類100質量%に対して、0.1〜3.0質量%であるのが好ましい。アルカリ性物質の量が0.1質量%以下であると、反応触媒としての効果が不十分になる。また、アルカリ性物質の量が3.0質量%を超えると、ヒドロキシアルキル化デキストリン類の分解が生じて分子量が低下したり、ヒドロキシアルキル化デキストリン類中の低分子量の糖質に起因する着色などの恐れがある。
ヒドロキシアルキル化デキストリン類とカチオン化剤との反応が終了した後、使用した触媒であるアルカリ性物質を鉱酸あるいは有機酸等により中和して該混合物を得る。
また、カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物の平均分子量は、上述に記載されたプルランを指標にしたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)による測定で、2×10〜10 が好ましい。分子量が2×10以下では、洗髪時のカチオン‐アニオン複合体形成後の毛髪への皮膜形成がうまく行われず、感触などに弊害が出てくる。また分子量が10 を超える場合、洗髪時のカチオン‐アニオン複合体が大きくなりすぎ、毛髪への付着による皮膜形成が必要以上になされ、同時に感触などに弊害が出てくる。
本発明におけるカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物は、アニオン界面活性剤、特にラウリル硫酸ナトリウムと形成するコアセルベーションに関しては、例えば、質量比が該混合物:ラウリル硫酸ナトリウム=1:2で、かつ該混合物濃度が100ppmの時に形成されるコアセルベートの平均粒子径が1〜5μmの範囲になった場合、洗髪後の毛髪の状態が非常に好適である。平均粒子径が1μm以下の場合、毛髪の状態を整えるまでの皮膜の効果がなく、また5μmを超えた場合、毛髪に付着した皮膜が、毛髪表面に凸凹した状態で過剰に吸着してしまい、感触などに悪影響を及ぼす。
本発明に係る組成物は、上記の方法で得られたカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物と水とを含有する組成物であってもよい。更に、このような方法以外の方法を使用して、本発明に係る組成物を製造してもよい。
この組成物を、他の種々の成分に添加することによって、種々のタイプの化粧料として用いることができる。化粧料のタイプとしては、シャンプー,ヘアリンス,ヘアトリートメント,ヘアトニック,ヘアセット剤等の洗髪若しくは整髪料、ヘアクリーム,パーマネント剤等の頭髪化粧料、毛染め剤など毛髪関連の化粧料に好適に用いられるが、それ以外の化粧料、例えば、化粧水,乳液,クリームパック等のフェイシャル化粧料、ファンデーション,口紅,アイシャドウ等のメーキャップ化粧料、ボディシャンプー,クレンジングフォーム,シェービングフォーム,石鹸等の洗浄料、皮膚保護用クレーム,芳香化粧料,サンスクリーン剤等を挙げることができる。
また、このような種々のタイプの化粧料に用いられる場合、本発明に係る組成物が添加される種々の成分としては、ヤシ油,オリーブ油,ヒマシ油,カルナウバロウ,キャンデリラロウ,ラノリン,ミツロウ,スクワラン,トリグリセリド類,高級脂肪酸,流動パラフィン,固形パラフィン,ミクロクリスタリンワックス,ワセリン,セレシン,油脂エステル類,ポリアルキレングリコール,シリコーンオイル等の油性原料、高級脂肪酸石鹸,高級アルコール硫酸エステル塩若しくはスルホン酸塩,高級アルコールリン酸エステル等のアニオン界面活性剤、第四級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤、ベタイン構造型のイミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレン型若しくは多価アルコール型等のノニオン界面活性剤、各種ガム類,アルギン酸塩,セルロース誘導体,ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸塩,カルボキシメチルビニルポリマー,ポリエチレンオキサイド,ベントナイト等の増粘剤、グリセリン,プロピレングリコール,ソルビトール,ブチレングリコール,乳酸塩,2−ピロリドン−5−カルボン酸塩,ヒアルロン酸,デルマタン硫酸,コラーゲン等の保湿剤、タルク,カオリン,二酸化チタン,マイカ,微粉末シリカ,軽質炭酸カルシウム,重質炭酸カルシウム,微結晶セルロース,ナイロン微粒子等の粉末、ビタミン類,ホルモン,抗ヒスタミン剤,アミノ酸類,酵素剤等の薬剤、紫外線吸収剤、キレート剤、酸化防止剤、色素、香料、抗菌剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明において、化粧料の剤型は任意であり、溶液系,可溶化系,乳化系,粉末分散系,水−油二層系,水−油−粉末三層系等のどのような剤型であってもかまわない。
以下、本発明を実施例にて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<試験例1>
(分子量の異なるヒドロキシアルキル化デキストリン類を用いた場合)
ヒドロキシプロピル化デンプン(MS=0.1)を常法に従い、α−アミラーゼによって以下の分子量にまで分解し、珪藻土でろ過したヒドロキシプロピル化デキストリン類(以下、HP化デキストリンとする)を含有する糊液(濃度:34%)580質量部(以下、部とする)、脱イオン水220部、水酸化ナトリウム4部、4級カチオン化剤として2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液(阪本薬品工業株式会社製 SY−GTA80)148部(デキストリン類当り純分60%の4級カチオン化剤)をすべて混合し、40℃で26時間撹拌反応後、硝酸を用いて中和し、最終濃度30%のカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物(以下、CAHPDx混合物とする)1〜5を得た。平均分子量を求めるため、HPLCを用いた測定する方法は以下の通りである。
<HPLCでの測定条件>
測定カラム:Asahipak GS−710(径7.6×長さ500mm)(昭和電工株式会社製)
測定温度:50℃
移動相(ヒドロキシアルキル化デキストリン類):50mM NaNO水溶液
移動相(CAHPDx混合物):0.5M CH3COOH を含む 0.1M NaNO水溶液
流速:1.0mL/分
検出器:示差屈折検出器
標準物質:既知の分子量をもつプルラン(10〜10)、マルトース(分子量:342)およびグルコース(分子量:180)
以上の方法で測定した、HP化デキストリンおよびCAHPDx混合物の平均分子量を表1に示す。
Figure 2016222625
<試験例2>
(官能基およびMSの異なるヒドロキシアルキル化デキストリン類を用いた場合)
ワキシコーンスターチ100部に対し、エーテル化剤として表2の量のプロピレンオキサイドあるいはエチレンクロルヒドリンを添加して常法に従い反応させ、以下のMS値になったヒドロキシアルキル化デンプンを、α−アミラーゼ(対デンプン当り0.04%)を用いて分解し、珪藻土でろ過したヒドロキシアルキル化デキストリン類を含有する糊液(濃度:34%)580部、脱イオン水220部、水酸化ナトリウム4部、4級カチオン化剤として2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液(阪本薬品工業株式会社製 SY−GTA80)148部(デキストリン類当り純分60%の4級カチオン化剤)をすべて混合し、40℃で26時間撹拌反応後、硝酸を用いて中和し、最終濃度30%のCAHPDx混合物6〜16を得た。ヒドロキシアルキル化デキストリン類およびCAHPDx混合物の分子量を表2に示す。
Figure 2016222625
<試験例3>
(カチオン化剤の濃度が異なる場合)
ヒドロキシプロピル化デンプン(MS=0.1)を常法に従い、α−アミラーゼ(対デンプン当り0.04%)を用いて分解し、珪藻土でろ過したHP化デキストリン(分子量:5×10)を含有する糊液(濃度:34%)580部、水酸化ナトリウム4部、4級カチオン化剤として2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液(阪本薬品工業株式会社製 SY−GTA80)を表3に示す量を混合し、40℃で26時間撹拌反応後、硝酸を用いて中和し、最終濃度30%になるように脱イオン水を適宜追加したCAHPDx混合物17〜21を得た。HP化デキストリンおよびCAHPDx混合物の分子量を表3に示す。
Figure 2016222625
<試験例4>
(コアセルベートの形成)
最終濃度がCAHPDx混合物:100ppm、ラウリル硫酸ナトリウム:200ppmになるように調製し、混合した際に生じるカチオン−アニオン複合体粒子の平均粒子径を比較した。平均粒子の測定については、株式会社島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200を用いて行った。なお比較例として、カチオン化高分子を添加しない場合と、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース(商品名:カチナールHC−100 東邦化学工業株式会社製)を最終濃度100ppmになるようにして用いた。結果を表4に示す
Figure 2016222625
<実施例1>
試験例1〜3で得られたCAHPDx混合物について、水溶液の安定性および下記の処方例1で調製したシャンプーの使用感について評価を行った。液の安定性、使用感の評価については以下のように評価した。結果を表5に示す。
<液の安定性>
試験例1〜3で得られたCAHPDx混合物(濃度30%)を50℃で1か月保存し、着色や沈殿物などの発生について観察し、2段階評価(○:変化なし、×:変化あり)で行った。
<使用感の評価>
*洗髪時の感触:◎ 非常にスムーズに泡が立ち、すすぎの際にはスムーズに指が通る。
○ 普通に泡が立ち、すすぎの際にはスムーズに指が通る。
× 泡立ちにやや時間がかかり、すすぎの際には指がひっかかる。
*洗髪後の指通り:○ よい
× 悪い
<処方例1>
ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム 15.0部
イミダゾリン型両性界面活性剤 1.5部
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.5部
安息香酸ナトリウム 0.5部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.2部
試験例1〜3のCAHPDx混合物 6.0部
水 72.3部
香料及び色素 適 量
Figure 2016222625
以上の結果を、試験例ごとに検討してみると、
1)反応混合物の平均分子量が2×10〜10 であるものについては、複合体の平均粒子径が1〜5μmであり、液の安定性、官能評価ともに良い結果となっている。平均分子量が2×10より小さいもの(混合物1)は、混合物水溶液が経時的に着色し、また平均分子量が10 より大きいもの(混合物5)は、経時的に沈殿が生じ、ともに混合物水溶液の安定性が悪く、それらを用いたシャンプーの使用感の評価が悪くなった。
2)ヒドロキシアルキル基の置換度が0.05〜0.2のものは、混合物水溶液の安定性、およびそれらを用いたシャンプーの使用感の評価ともに良い結果となった。置換度が低いもの(混合物6、11)は、混合物水溶液の安定性が悪くなり、置換度が高いもの(混合物10、16)は、複合体の平均粒子径が1〜5μmの範囲であっても、それらを用いたシャンプーの使用感の評価が悪くなった。
3)カチオン化剤の質量比が対ヒドロキシアルキル化デキストリン類100部に対して30〜75部の場合、混合物水溶液の安定性、およびそれらを用いたシャンプーの使用感の評価ともに良い結果となっている。カチオン化剤の比率が低い場合や高い場合は、混合物水溶液の安定性はあるが、コアセルベートが形成できなくなり、結果としてそれらを用いたシャンプーの使用感の評価が悪くなる。
4)コアセルベートが形成されない場合や、非常に高分子なカチオン化ポリマーを使用した場合には、それらを用いたシャンプーの使用感の評価が悪くなる。
これらの結果を総合的に判断すると、カチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物において、MS値が0.05〜0.2であるヒドロキシアルキル化デキストリン類を用いて、その反応混合物の分子量が2×10〜10 で、かつ反応に使用するカチオン化剤の比率が対ヒドロキシアルキル化デキストリン類100部に対して30〜75部であるカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物が、経時安定性に優れ、かつ、質量比が該混合物:ラウリル硫酸ナトリウム=1:2で、かつ該混合物濃度が100ppmの時に平均粒子径が1〜5μmのカチオン−アニオン複合体粒子を形成する。このようなカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物がシャンプーに配合された際に、界面活性剤と適度な複合体を形成することにより、洗髪時や洗髪後の感触が良いシャンプーが調製できる。
<実施例2>
損傷毛髪を試験例1で得られたCAHPDx混合物3(図1)、水(つまりカチオン化高分子無添加)(図2)、およびカチオン化HEC(図3)の0.5%水溶液に浸漬・乾燥後、表面のコーティング状態を電子顕微鏡で観察した。ブランクとしての場合も観察した結果を図1から図3に示す。
図の写真からわかるように、水ブランクで毛髪表面が荒れていたが、CAHPDx混合物3でコーティングされた場合、非常になめらかな表面になっていた。カチオン化HECでコーティングした場合、毛髪表面に不均一にコーティングされ、一部剥離が見られた。
<実施例3>
試験例1で得られたCAHPDx混合物3を用いて、下記処方例2のシャンプーを調製した。このシャンプーは、長期間放置しておいても、安定性に優れたものであった。また、洗髪中及びすすぎ時においては、滑らかな指通りを与え、洗髪後においても指通り及び櫛通りは滑らかで、べたつきやごわつきが感じられず、好適な感触に仕上がった。
<処方例2>
ココイルメチルタウリンナトリウム 8.0部
イミダゾリミウムベタイン 10.0部
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 0.5部
ジメチルポリシロキサン 6.0部
セチル−2−エチル−ヘキサノエート 1.0部
ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド) 0.1部
CAHPDx混合物3 6.0部
水 68.4部
防腐剤及び香料 適 量
<実施例4>
試験例2で得られたCAHPDx混合物8を用いて、下記処方例2のリンスを調製した。このリンスは、長期間放置しておいても、安定性に優れたものであった。また、リンス後のすすぎ時において、滑らかな指通りを与え、乾燥後においても指通り及び櫛通りは滑らかで、良好な感触を与えるものであった。
<処方例3>
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0部
水溶性ラノリン 1.0部
CAHPDx混合物8 9.0部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1部
水 84.9部
防腐剤,香料,着色剤 適 量
<実施例5>
試験例3で得られたCAHPDx混合物19を用い、下記処方例3のヘアセット剤を調製した。このヘアセット剤は、安定性に優れたものであった。また、このセット剤を使用した場合、毛髪に良好なつやを与え、ベタツキ感も少なく、適度なまとまり感を与えるものであった。
<処方例4>
オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0部
ジメチルポリシロキサン 2.0部
グリセリン 1.0部
ポリエチレン(120)硬化ヒマシ油エステル 2.0部
両性樹脂 3.0部
エタノール 10.0部
CAHPDx混合物19 8.0部
n−ブタン 7.0部
水 57.0部
香料 適 量
<実施例6>
試験例2で得られたCAHPDx混合物14を用い、下記配合の酸性染毛料を調製した。この酸性染毛料は、長期間放置しておいても、安定性に優れたものであった。また、染毛時においては、櫛通りが滑らかで毛髪に均一に伸び、またすすぎおよび乾燥後は、さっぱりとした風合を与えるものであった。また、損傷した毛髪に対する保護効果や染毛効果も良好であった。
<処方例5>
ベンジルアルコール 10.0部
イソプロピルアルコール 16.0部
クエン酸 2.0部
CAHPDx混合物14 6.0部
ナフトールブルーブラック 0.3部
オレンジIII 0.1部
アリズロールパール 0.2部
カルボキシメチルセルロース 0.4部
水 65.0部
<実施例7>
試験例1で得られたCAHPDx混合物3を用い、下記配合の乳液を調製した。この乳液は、安定性に優れたものであった。また、この乳液は使用時の皮膚への伸びが良く、使用後もベタツキ感が少なく、またしっとりとした感触を与えるものであった。さらに肌に塗ったあと、長時間にわたってしっとり感が持続した。
<処方例6>
流動パラフィン 50.0部
ミツロウ 10.0部
水 27.0部
セチルアルコール 3.0部
CAHPDx混合物3 10.0部
香料及び防腐剤 適 量
<実施例8>
試験例2で得られたCAHPDx混合物13を用い、下記配合の皮膚用クリームを調製した。この皮膚用クリームは、安定性に優れたものであった。また、この皮膚用クリームは皮膚への伸びに優れ、使用後もベタツキ感が少なく、しっとりとした感触を与えるものであった。さらに肌に塗ったあと、長時間にわたってしっとり感が持続した。
<処方例7>
ステアリルアルコール 3.0部
羊毛ロウアルコール 1.0部
ワセリン 1.0部
CAHPDx混合物13 3.0部
10%乳酸 0.8部
ナトリウムセチルステアリル硫酸エステル 1.0部
水 90.2部
<実施例9>
試験例1で得られたCAHPDx混合物4を用い、下記配合のパック剤を調製した。このパック剤は、安定性に優れたものであった。また、このパック剤は使用時の肌への伸びが良く、使用感に優れたものであった。また、パック後の肌のしっとり感が長時間持続した。
<処方例8>
ポリビニルアルコール 20.0部
グリセリン 4.0部
エチルアルコール 6.0部
CAHPDx混合物4 24.0部
水 46.0部
香料及び防腐剤 適 量

Claims (4)

  1. 一般式(I):
    Figure 2016222625
    (式中、Gはヒドロキシアルキル化デキストリン類の残基を表し、R,R ,R は炭化水素基を表し、Xは無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表す。)で示されるカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類、および一般式(II):
    Figure 2016222625
    (式中、R 1 、R 2 、R 3 は炭化水素基を表し、X−は無機性陰イオンまたは有機性陰イオンを表す。)で示されるカチオン化剤のジオール体を含むカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物において、その製造方法が、アルカリ性物質の存在下、MS値が0.05〜0.2であるヒドロキシアルキル化デキストリン類とカチオン化剤とを反応させることによって得られ、その反応混合物の分子量が2×10〜1×10(標準プルランによるHPLCによる測定)で、かつ反応に使用するカチオン化剤の質量比がヒドロキシアルキル化デキストリン類100質量部に対して30〜75質量部であることを特徴とするカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物。
  2. 質量比が該混合物:ラウリル硫酸ナトリウム=1:2で、かつ該混合物濃度が100ppmの時に形成されるカチオン−アニオン複合体粒子の平均粒子径が1〜5μmであることを特徴とする請求項1記載のカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類を含む混合物。
  3. 請求項1および2のカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物と、水と、他の任意成分とを含有する水系化粧料組成物。
  4. 請求項1および2のカチオン化ヒドロキシアルキル化デキストリン類混合物と、水と、他の任意成分とを含有する水系化粧料組成物を含有する化粧料。
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