JP2016221474A - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現でき、かつ、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去することができる水処理装置および水処理方法の提供。【解決手段】原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得るための滞留部と、滞留部の下流に接続され、かつ、処理水から沈殿を分離して浄化水を得るための流速調整部を少なくとも有する水処理装置であって、滞留部が、原水の流入手段を備え、流速調整部が、沈殿の除去手段と、流速調整部の入口とは別に配置された流速調整部の出口として浄化水の排出手段を備え、流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速い水処理装置。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理装置および水処理方法に関する。具体的には、本発明は、沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現でき、かつ、原水中の水に不溶な沈殿(以下、懸濁物とも言う)を効率よく除去することができる水処理装置および水処理方法に関する。
水資源を守るために、上水、排水、廃水、汚水などの様々な水から不純物成分を除去し、浄化水を得る水処理が求められている。
水処理方法としては、従来、各種の処理槽を組み合わせて用いる方法が知られている(例えば特許文献1および2参照)。処理槽として、微生物により排水中の有機物を分解除去する生物処理槽、不純物除去剤などを添加して不純物を除去しやすくする物理化学処理槽、不純物の凝集によって生成する凝集物(以下、フロックともいう)を沈殿させて取り除く凝集沈殿槽などがある。
特許文献1には、微生物により排水中の有機物を分解除去する生物処理部と、生物処理部の下流側に設けられ、排水中から塩を生成するイオン分を除去する脱塩部とを含む排水処理装置が記載されている。特許文献1の廃水処理装置は、さらに生物処理部の上流側に、排水中からフッ素イオンを除去して排水中のフッ素イオンの濃度を低減させるフッ素濃度低減部を備える。特許文献1によればこのような構成により、排水中のフッ素イオン濃度が低減されるので、脱塩部でのスケール発生を抑制することができ、脱塩部での水の回収率を高めることが可能となることが記載されている。
特許文献2には、重金属を含有する廃水中に酸化剤を添加するための第1の反応槽と、アルカリを添加して重金属の水酸化物を析出させるとともに凝結剤を添加し、水酸化物を含むフロックを形成するための第2の反応槽を備える水処理装置が記載されている。特許文献2の廃水処理装置は、さらにフロックを含む廃水を導入して、廃水中に高分子凝集剤を添加してフロックを含む凝集物を生成させるための凝集槽と、凝集物を含む廃水を導入して、凝集物を沈殿除去するための沈殿槽を備える。特許文献2の廃水処理装置は、沈殿槽中の上澄み液をろ過槽内に導入して、当該上澄み液中に残存する凝集物を除去するためのろ過槽と、上澄み液を導入して、上澄み液中に残存する重金属を除去するための吸着槽を備える。特許文献2によればこのような構成により、重金属含有廃水から重金属を低コストで効率的かつ効果的に除去し、当該廃水から重金属を除去した後の処理水を、低コストで効率的かつ効果的回収することが記載されている。
特開2013−138977号公報 特開2015−047534号公報
しかしながら、これらの文献に記載された各種の処理槽と凝集沈殿槽を組み合わせて用いる水処理方法は、各種の処理槽と凝集沈殿槽を組み合わせて用いるため、装置の設置コスト。また、これらの文献に記載された水処理方法は、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去する観点からは不満が残るものであり、より効率的な水処理方法を行うことができる水処理装置が求められていた。
本発明が解決しようとする課題は、沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現でき、かつ、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去することができる水処理装置および水処理方法を提供することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行い、本発明者らは、滞留部と流速調整部を一つの装置内に設け、流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速くなるようにした。その結果、沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現でき、かつ、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去することができることを見出した。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明の構成と、本発明の好ましい構成を以下に記載する。
[1] 原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得るための滞留部と、滞留部の下流に接続され、かつ、処理水から沈殿を分離して浄化水を得るための流速調整部を少なくとも有する水処理装置であって、
滞留部が、原水の流入手段を備え、
流速調整部が、沈殿の除去手段と、流速調整部の入口とは別に配置された流速調整部の出口として浄化水の排出手段を備え、
流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速い水処理装置。
[2] [1]に記載の水処理装置は、流速調整部の入口の流路断面積が、流速調整部の出口の流路断面積よりも小さいことが好ましい。
[3] [2]に記載の水処理装置は、流速調整部の入口の流路断面積が、流速調整部の出口の流路断面積の80%以下であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一つに記載の水処理装置は、流速調整部の入口の流路の幅が、50〜10000mmであることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の水処理装置は、流速調整部の流路断面積が、流速調整部の入口から出口に近づくにつれて大きくなることが好ましい。
[6] 滞留部で原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得る工程と、
滞留部の下流に接続された流速調整部で処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程と、を含む水処理方法であって、
流速調整部で沈殿を除去し、
流速調整部の入口とは別に配置された流速調整部の出口から浄化水を排出し、
流速調整部の入口を通過する処理水の流速を、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速くする水処理方法。
本発明によれば、沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現でき、かつ、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去することができる水処理装置および水処理方法を提供できる。
図1は、本発明の水処理装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の水処理装置の一例の断面を示す概略図である。 図3は、本発明の水処理装置とその他の槽との組み合わせの一例を示すフロー図である。 図4は、本発明の水処理装置の他の一例の断面を示す概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[水処理装置]
本発明の水処理装置は、原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得るための滞留部と、滞留部の下流に接続され、かつ、処理水から沈殿を分離して浄化水を得るための流速調整部を少なくとも有する水処理装置であって、
滞留部が、原水の流入手段を備え、
流速調整部が、沈殿の除去手段と、流速調整部の入口とは別に配置された流速調整部の出口として浄化水の排出手段を備え、
流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速い水処理装置である。
このような構成の水処理装置により、沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現でき、かつ、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去することができる。沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現できる水処理装置は、装置の設置コストを抑制できるために好ましい。また、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去することができる水処理装置は、水処理の運用コストを抑制でき、放出排水の環境への影響を極力少なくできるために好ましい。
本発明の水処置装置は、水処理装置において処理水を滞留させる滞留部と、処理水の流速を調整する流速調整部とを有することで、沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現できる。このような沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現した水処理装置は従来知られていなかった。
本発明の水処置装置は、滞留部では原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得ることができる。滞留部では、大きく成長した水に不要な沈殿(好ましくは凝集された不純物)を含む処理水を連続的に流速調整部に送ることができる。
本発明の水処置装置は、流速調整部では流速調整部の入口を通過する処理水の流速が流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速いことで、流速が速い流速調整部の入口で処理水中の不純物の凝集を飛躍的に進めて大きなフロックを形成できる。また、流速が遅い流速調整部の出口での流速よりも沈降速度が大きくなるまでサイズが大きくなったフロックを沈殿として効率よく沈降させることができる。
以下、本発明の水処理装置の好ましい態様について説明する。
<水処理装置の構成>
図面をもとに本発明の水処理装置の構成の好ましい態様を説明する。図1は、本発明の水処理装置の一例を示す概略図である。図2は、本発明の水処理装置の一例の断面を示す概略図である。図4は、本発明の水処理装置の他の一例の断面を示す概略図である。なお、図1〜図4は説明のために用いる図面であり、本発明の水処理装置または水処理方法は図面によって限定されるものではない。
図1に示した水処理装置3の一例は、原水11中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水12を得るための滞留部1と、滞留部1の下流に接続され、かつ、処理水12から沈殿を分離して浄化水13を得るための流速調整部2を少なくとも有する。
図1に示した水処理装置3の一例は、滞留部1が、原水の流入手段4を備える。
図1に示した水処理装置3の一例は、流速調整部2が、沈殿の除去手段5と、流速調整部の入口とは別に配置された流速調整部の出口として浄化水の排出手段7を備える。
本発明の水処理装置では、流速調整部は、滞留部の下流に接続される。水処理装置3は、滞留部1の出口よりも流速調整部の入口6を下方または同じ高さに配置することが好ましい。このような構成により、水に不溶な沈殿をフロックとして含む処理水を効率的に流速調整部に流入させ、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去できる。一方、図面には示していないが、滞留部1の出口よりも流速調整部の入口を上方に配置してもよく、原水中の水に不溶な沈殿の除去の効率性よりも滞留部に凝集剤を循環させる必要性が重視される場合は好ましい。
図1に示した本発明の水処理装置3の一例では、流速調整部の入口を通過する処理水12の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水13の流速よりも速い。
(滞留部)
滞留部では、原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得る。滞留部の内部では水に不溶な沈殿はフロックとして原水中に存在し、滞留部の内部でフロックを大きく成長させることが好ましい。滞留部で大きく成長させた水に不溶な沈殿の寸法は、特に制限されることはないが、平均円相当直径で100〜10000μmであることが好ましく、1000〜5000μmであることがより好ましい。滞留部で大きく成長させた水に不溶な沈殿の寸法は、顕微鏡で観察した10個の水に不溶な沈殿の寸法の平均値を採用することができる。なお、滞留部に流入する前の原水中に含まれる水に不要な沈殿の1個ずつの寸法や平均値は特に制限は無いが、例えば1個ずつの寸法が円相当直径で1〜1000μmであることが好ましく、平均円相当直径で1〜100μmであることが好ましい。
フロックを大きく成長させる方法として、フロックどうしの衝突機会を多くする方法が好ましい。フロックどうしの衝突機会を多くする方法として、例えば、滞留部出口以外で原水の流速を速くすることが好ましい。重力によって原水の対流を効率化させる観点から滞留部の上部で原水の流速を速くすることがより好ましい。滞留部の半分よりも上部における処理水の流速を滞留部の半分よりも下部の処理水の流速よりも遅くすることが特に好ましい。
滞留部では、原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させた結果として、不純物を凝集させてもよい。
また、原水に凝集剤を投入するタイミングによっては、滞留部で、原水中の溶質または分散物を水に不溶な沈殿に変える工程をさらに行ってもよい。滞留部では、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去できることに加えて、原水中に不純物として含まれる溶質または分散物を水に不要な沈殿に変えたものも効率よく除去できることが好ましい。
滞留部出口以外で原水の流速を速くするために、滞留部が攪拌手段を有することが好ましく、滞留部出口付近に攪拌手段を設けることがより好ましい。攪拌手段としては特に制限はないが、例えば図1、図2および図4に示したように攪拌手段8がプロペラであることが好ましく、重力によって原水の対流を効率化させる観点から上部に向けて水流を発生させられるプロペラであることがより好ましい。攪拌手段はモーターなどによって駆動して、積極的に攪拌できることが好ましい。
滞留部出口以外で原水の流速を速くするために、滞留部出口以外の幅を滞留部出口よりも狭くすることが好ましい。例えば、水処理装置は、滞留部の半分よりも上部の水平方向の断面積の平均値が、滞留部の半分よりも下部の水平方向の断面積の平均値よりも小さいことが好ましい。滞留部の半分よりも下部の水平方向の断面積の平均値の1.0倍以上であることがより好ましい。滞留部の半分よりも下部の水平方向の断面積の平均値の1.3倍以上であることが特に好ましい。このような滞留部の形状としては特に制限はないが、例えば図1、図2および図4に示したように滞留部1が円錐台(円を底面とした錐台;円錐を底面に平行な平面で切り、小円錐の部分を除いた立体図形)や、円錐(コーン状)であることが好ましい。
滞留部が攪拌手段を有する場合や、滞留部で他の手段によってフロックを大きく成長させられる場合などは、逆に滞留部出口以外の幅を滞留部出口の幅よりも広くしてもよく、滞留部出口以外の幅と滞留部出口の幅は同じであってもよい。すなわち、滞留部は例えば円筒形状であってよい。
滞留部は、滞留部出口で原水の流速を遅くし、滞留部内で充分に原水を滞留させられることが好ましい。滞留部出口で原水の流速を遅くするために、滞留部出口付近に攪拌手段を設けることが好ましい。滞留部出口の幅よりも小さい攪拌手段を設けることがより好ましい。この構成により、滞留部出口の攪拌手段が設置されていない部分に向けての原水の流速を遅くして、フロックに原水中のまだ十分に凝集していない(フロック化していない)懸濁質の吸着を促すことができる。
滞留部出口で原水の流速を遅くするために、滞留部出口の幅を滞留部出口以外の幅よりも広くすることが好ましい。
図1に示したように本発明の水処理装置3の一例は、原水中の溶質または分散物を水に不溶な沈殿に変えて処理水を得るために、滞留部1に凝集剤の添加装置14が備え付けられていることまたは更に凝集剤の添加槽(不図示)を別途備えることが好ましく、更に添加槽を別途備えることがより好ましい。ただし、滞留部に原水を流入させる前に原水に凝集剤を添加する場合は、滞留部に凝集剤の添加装置が連結されていなくてもよい。
凝集剤の添加装置14には、凝集剤投入量調節機構が備え付けられていることが好ましい。凝集剤投入量調節機構は、滞留部1に貯留されている原水に含まれる原水中の溶質または分散物の濃度から、凝集剤の投入量を決定するシステムを備えていることが好ましい。
滞留部は、不図示のpH調整剤保持槽を備えていてもよい。pH調整剤保持槽は、滞留部のpHが所望の範囲となるようにpH調整剤を投入する槽である。pH調整剤保持槽は、滞留部に貯留される原水のpHの測定結果からpH調整剤の投入量を決定するシステムを備えることが好ましい。
凝集剤は、滞留部に流入する前の原水に添加されることが好ましいが、場合によっては滞留部に流入した原水に添加されてもよい。滞留部では、原水に対し後述の物理化学的処理が施されてもよい。物理化学的処理に用いられる凝集剤は重金属除去剤であることが好ましく、硫化水素や硫化ナトリウムなどの硫化物、キレート剤または水酸化アルミニウムや水酸化鉄などの共沈剤であることがより好ましい。凝集剤は、硫化物、キレート剤および水酸化アルミニウムの組み合わせであることが特に好ましい。滞留部は、添加された薬剤を均一に分散させる手段を備えていることが好ましく、例えば、撹拌システムを備えていることが好ましい。
滞留部の働きは原水中の水に不要な沈殿を大きく成長させることにある。原水中の水に不要な沈殿を大きく成長させるために小さな水に不要な沈殿や水に不要な沈殿どうしが形成した小さなフロックの間の衝突機会を多くする観点から、図1に示すように水処理装置3を滞留部1と流速調整部2の二重構造とし、滞留部1を内側、流速調整部2を外側に配置して、小さな水に不要な沈殿や小さなフロック等の懸濁物を滞留部に滞留させやすくすることが好ましい。
一方、図4は、本発明の水処理装置の他の一例の断面を示す概略図である。図4に示すように、水に不溶な沈殿(懸濁物)が堆積した層15が、流速調整部2の底部に加えて、滞留部1の一部の領域に到達していることが、小さな水に不要な沈殿や小さなフロック等の懸濁物を滞留部に滞留させやすくする観点から好ましい。図4に示すように、滞留部で水の滞留を起こさせるプロペラ等の攪拌手段8は、滞留部1中の水に不溶な沈殿(懸濁物)が堆積した層15内にあってもよい。
原水中の溶質または分散物を水に不溶な沈殿に変えるために用いる凝集剤の添加量を減らすことが、薬品費と廃棄物処分費を抑制する観点から好ましい。水処理装置は、滞留部に懸濁物を循環させる手段を備えることが、凝集剤の添加量を減らす観点から好ましい。滞留部に懸濁物を循環させる手段としては、小さな水に不要な沈殿や小さなフロック等の懸濁物を滞留部に滞留させやすくする場合と同様に、図1に示すように水処理装置3を滞留部1と流速調整部2の二重構造とし、滞留部1を内側、流速調整部2を外側に配置することが好ましい。滞留部に流入した原水に凝集剤を添加する場合は、この構成とすることで、滞留部流速調整部の底部に貯留された沈殿(沈殿を含む汚泥)に処理水が接触した後に、浄化水を処理排水とする構造をもつ(汚泥)循環型として凝集剤を含む沈殿を再利用できる。また、滞留部に懸濁物を循環させる利点を、例えば凝集剤として水酸化アルミニウムおよびキレート剤を用いて、カドミウムを含む原水を浄化する場合を例に挙げて説明する。内側の滞留部1に水酸化アルミニウムを滞留させて、キレート化して不溶化したカドミウムと水酸化アルミニウムとを繰り返し共沈させることが好ましい。この構成により、水酸化アルミニウムのもとになるPAC(ポリ塩化アルミニウム)や硫酸バンド(硫酸アルミニウム)の必要量を減らすことができ、かつ、排出される沈殿の量を水酸化アルミニウムの分だけ抑制することができる。
なお、凝集剤は添加量を増やすことで流速調整部での原水中の溶質または分散物を沈殿として除去する量を増やすことが可能となるが、汚泥発生量も比例して増える。そのため、本発明の水処理装置を生物処理槽と組み合わせて運用するなど、生物処理での除去可能量とのバランスを考慮して凝集剤を最適な添加量に調整することが好ましい。
原水に添加するPAC(ポリ塩化アルミニウム)や硫酸バンド(硫酸アルミニウム)の量はAl23換算で50mg/L以下であることが好ましく、30mg/L以下であることがより好ましく、25mg/L以下であることが特に好ましい。一方、SS濃度、BOD、濁度などの各種の水質の指標を十分に改善する観点からは、原水に添加するPAC(ポリ塩化アルミニウム)や硫酸バンド(硫酸アルミニウム)の量はAl23換算で1mg/L以上であることが好ましく、10mg/L以上であることがより好ましく、15mg/L以上であることが特に好ましい。
(流速調整部)
流速調整部では、処理水から沈殿を分離して浄化水を得る。流速調整部の内部では、沈殿の成長および沈殿の回収のために、流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも2.4倍以上速い。すなわち、流速調整部の入口を通過する処理水の流速を、流速調整部の出口では遅く変化させる必要がある。
例えば、流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速の2.5倍以上であることが好ましく、3.0倍以上であることがより好ましい。
なお、流速調整部の入口を通過する処理水の流速を、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速に対して速くし過ぎる必要はない。処理水量を多くする観点からは、流速調整部の入口を通過する処理水の流速を、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速20倍以下とすることが好ましく、10倍以下とすることがより好ましく、5倍以下とすることが特に好ましい。
図2に示した本発明の水処理装置の一例では、流速調整部の入口6は、滞留部1の最下部と流速調整部2の底面の間、および、滞留部1の最下部の側壁とそれに水平な流速調整部2の側壁の間となる。図2に示した本発明の水処理装置の一例では、流速調整部の出口7は、流速調整部2の最上部の側壁とそれに水平な滞留部1の側壁との間となる。
流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速い装置とする方法として、流速調整部の入口6の流路断面積を小さくしたり、幅を狭くしたりする方法がある。流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速い装置とする方法として、流速調整部の出口7の流路断面積を大きくしたり、幅を広くしたりする方法もある。流速調整部の入口6の流路断面積を小さくしたり、幅を狭くしたりする方法と、流速調整部の出口7の流路断面積を大きくしたり、幅を広くしたりする方法とを組み合わせることが好ましい。
すなわち、流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速い装置とするために、本発明の水処理装置は、流速調整部の入口の流路断面積が、流速調整部の出口の流路断面積よりも小さいことが好ましい。具体的には、本発明の水処理装置は、流速調整部の入口の流路断面積が、流速調整部の出口の流路断面積の80%以下であることがより好ましく、50%以下であることが特に好ましい。
本発明の水処理装置は、流速調整部の入口の流路の幅が50〜10000mmであることが好ましく、100〜1000mmであることがより好ましく、200〜500mmであることが特に好ましい。
本発明の水処理装置は、流速調整部の入口から出口までの高さが2m以上であることが好ましく、3m以上であることがより好ましい。この構成により、流速調整部の入口を通過する処理水の流速が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速い装置としやすい。流速調整部の入口6の流路の最小幅は、滞留部と、滞留部と接触しない流速調整部の側壁との距離であることが好ましい。図2では、流速調整部の入口6の流路の最小幅Lは、滞留部1の最下部と流速調整部2の底面の間の距離に相当する。図2には示していないが、流速調整部の入口の流路の最小幅は、滞留部1の最下部の側壁とそれに水平な流速調整部2の側壁の間の距離であることもある。図2では、流速調整部の入口および出口はそれぞれ流速調整部の最下部と最上部に設けられているため、流速調整部の出口は流速調整部の入口から出口までの高さHは、流速調整部の高さに相当する。
本発明の水処理装置は、流速調整部の流路断面積が、流速調整部の入口から出口に近づくにつれて大きくなることが好ましい。このような構成とすることで、流速調整部の入口を通過する処理水の流速を、流速調整部の出口に向けて徐々に遅くして流速調整部の内部における処理水の水面上昇速度を徐々に遅くすることできる。その結果、沈降速度が大きくなるまでフロックを成長させてから沈殿として沈降させることができ、好ましい。
水処理装置は、滞留部と接触しない流速調整部の側壁の水平方向の断面積が、流速調整部の入口から出口まで同じ大きさであることが水処理装置の設置コストの観点から好ましい。図1および図2には、滞留部1と接触しない流速調整部2の側壁(円筒の筒外部)の水平方向の断面積が、流速調整部の入口6から流速調整部の出口7まで同じ大きさである水処理装置3を示した。
一方、水処理装置は、設置コストに問題が無い場合は、滞留部と接触しない流速調整部の側壁の水平方向の断面積が、流速調整部の入口から出口に向けて大きくなっていてもよい(逆向きの円錐台の形状)。このように流速調整部の側壁を逆向きの円錐台の形状とすることで、流速調整部の入口を通過する処理水の流速を、流速調整部の出口に向けて徐々に遅くして流速調整部の内部における処理水の水面上昇速度を徐々に遅くすることができる。特に滞留部の形状を円筒形状とする必要がある場合は、滞留部と接触しない流速調整部の側壁の水平方向の断面積が流速調整部の入口から出口に向けて大きくした流速調整部と組み合わせることで、本発明の水処理装置とすることができる。
なお、流速調整部の寸法の高さは懸濁物量の管理から2m以上とすることが好ましく、3m以上がより好ましい。
流速調整部の出口は流速調整部の入口とは別に配置されている。
流速調整部の出口は流速調整部の入口よりも上に配置されることが重力を利用して沈殿の沈降をさせやすくする観点から好ましい。流速調整部の出口が流速調整部の入口よりも上に配置される場合、流速調整部の出口は流速調整部の最上部に配置されることが浄化水を上澄み液として得られ、浄化水からより沈殿を分離できる観点から好ましい。
流速調整部の出口が流速調整部の入口よりも上ではない場合、流速調整部の少なくとも一部を流速調整部の入口よりも上にして、その下流で流速調整部の出口に浄化水を導くことが好ましい。あるいは、重力以外の力(例えば、電場、磁場などに起因する力)を用いて流速調整部の出口の浄化水の流速よりも沈殿の移動速度を遅くして沈殿を分離してもよい。本明細書中では重力を利用して沈殿の沈降により分離する方法を主に説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
水処理装置は、流速調整部を沈降する沈殿の沈降速度が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速いことが好ましい。流速調整部を沈降する沈殿の沈降速度が、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速の1.0倍以上であることが好ましく、1.3倍以上であることがより好ましい。流速調整部を沈降する沈殿の寸法は、特に制限されることはないが、平均円相当直径で100〜10000μmであることが好ましく、1000〜5000μmであることがより好ましい。流速調整部を沈降する沈殿の寸法は、顕微鏡で観察した10個の水に不溶な沈殿の寸法の平均値を採用することができる。
流速調整部は、沈殿の除去手段を備える。沈殿の除去手段としては、特に制限は無い。例えば、図1に示すように流速調整部の下部に任意の配管を備えることで、凝集させた沈殿を自動的に水流で除去することができる。流速調整部は、沈殿の除去手段として、流速調整部の底部に任意の配管を備えることが好ましく、流速調整部の底部の中央近傍の領域のみに任意の配管を備えることがより好ましい。流速調整部は、流速調整部の底部に貯留された沈殿(沈殿を含む汚泥)に処理水が接触した後に、浄化水を処理排水とする構造をもつ(汚泥)循環型であることが特に好ましい。このような構造の流速調整部とすることで、沈殿(沈殿を含む汚泥)を循環させてフロックを大きくするために再利用することができる。その結果、凝集剤添加量を抑制することができる。また、沈殿(沈殿を含む汚泥)発生量を抑制することができる。沈殿の除去手段には任意の弁が設けられ、所望のタイミングで流速調整部の底部に貯留された沈殿(沈殿を含む汚泥)を除去できることが好ましい。
図4に示すように、流速調整部2の底部に、水に不溶な沈殿(懸濁物)が堆積した層15が形成されていてもよい。水に不溶な沈殿(懸濁物)が堆積した層15として、流速調整部2の底部に一定量の懸濁物を貯めておくことでフィルタの効果も担うことができ、流速調整部の出口を通過する浄化水に含まれる水に不溶な沈殿の量を減らすことができる。水に不溶な沈殿(懸濁物)が堆積した層を形成する方法としては特に制限はないが、例えば上述のとおり沈殿の除去手段に任意に開閉できる弁を設ける方法を挙げることができる。
流速調整部の底部の形状は特に限定されない。図1に示すように流速調整部の底部は平面(この場合、ほぼ水平な平面であることが好ましい)であってもよいし、図4に示すように流速調整部の底部は平面以外の円錐や角錐であってもよい。
本発明の水処理装置は、流速調整部が、流速調整部の入口とは別に配置された流速調整部の出口として浄化水の排出手段を備える。浄化水の排出手段としては、特に制限は無い。例えば、図1に示すように流速調整部の最上部を開放させることで、浄化水を自動的に水流で排出することができる。図面には示していないが、流速調整部の最上部に、さらに別の浄化水の排出手段を接続することが、浄化水の排出方向を特定方向にして浄化水を集めやすくする観点から好ましい。
<その他の槽との組み合わせ>
本発明の水処理装置は沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現できるために単独で使用することができる。ただし、本発明の水処理装置とその他の槽と組み合わせて設置して、さらなる浄化水の浄化をしてもよい。
図3は、本発明の水処理装置とその他の槽との組み合わせの一例を示すフロー図である。本発明の水処理装置3は、図3(A)に示すように生物処理槽20およびその後の凝集沈殿槽21の上流側に設けられてもよいし、図3(B)に示すように生物処理槽20およびその後の凝集沈殿槽21の下流側に設けられてもよい。また、不図示であるが、生物処理槽20、本発明の水処理装置3、凝集沈殿槽21の順に組み合わせてもよい。本発明の水処理装置3は不純物の除去能力が高く、「生物処理」の微生物を維持するために必要な成分の一部も除去することができる。そのため、図3(A)に示すように生物処理槽20およびその後の凝集沈殿槽21の上流側に設けると生物処理槽の機能が十分に発揮されず、本発明の水処理装置と組み合わせてもさらなる浄化水の浄化に寄与しないこともある。そのため、本発明の水処理装置3は図3(B)に示すように生物処理槽20およびその後の凝集沈殿槽21の下流側に設けられることが、本発明の水処理装置と生物処理槽を組み合わせてさらなる浄化水の浄化をする観点から好ましい。ただし、後述の実施例1のように高濃度のSSが活性汚泥で処理する際の障害となるなど活性汚泥で処理する前にSS濃度を下げるための前処理が必要となる場合は、本発明の水処理装置3が図3(A)に示すように生物処理槽20およびその後の凝集沈殿槽21の上流側に設けられることも好ましい。
本発明の水処理装置とその他の槽は配管で連結されていることが好ましく、配管には、流量調節機構が備え付けられていることが好ましい。配管の材質は特に限定されるものではないが、ステンレス鋼材を用いることが好ましい。ステンレス鋼材の中でも、SUS304やSUS316などのオーステナイト系ステンレスが特に好ましく用いられる。また、フェライト系ステンレス、オーステナイト系とフェライト系を二相組織とした二相ステンレスを用いてもよい。
(生物処理槽)
生物処理槽20は、活性汚泥処理槽であることが好ましく、生物処理膜を付着させる担体を備えた槽であってもよい。この場合、担体は、ハニカムチューブでも、スポンジでも、樹脂造作物でもよい。
生物処理槽20は、重金属含有汚泥除去装置を有することが好ましく、重金属含有汚泥除去装置を用いて重金属含有汚泥が排出されることが好ましい。また、生物処理から排出される余剰汚泥を利用して重金属含有汚泥の全部ないし一部を排泥しても良い。
生物処理槽20から排出される処理水は、河川や海洋等に排出されてもよい。このため、生物処理槽20には外部に排出用の配管が備えられていることが好ましい。また、生物処理槽20には、カドミウム等の重金属の濃度や、処理水のpHを測定するシステムが備えられていてもよい。
生物処理槽における生物処理工程としては、特に制限は無い。例えば特開2013−138977号公報の[0021]〜[0024]に記載の生物処理工程を本発明の水処理装置および水処理方法に組み合わせて行うことができる。
(凝集沈殿槽)
本発明の水処理装置は沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現できるが、さらに別途の凝集沈殿槽を設けてもよい。
凝集沈殿槽21は、生成した沈殿を凝集沈殿させる手段を備えている。そのため、本発明の水処理装置3の下流側であって、生物処理槽20の上流側または下流側に連結されていることが好ましい。
凝集沈殿槽21は、凝集させた沈殿を含む汚泥を除去する手段を有することが好ましく、汚泥除去手段を用いて汚泥が排出されることが好ましい。
凝集沈殿槽21は、底部に、貯留された汚泥に原水が接触した後に、上澄水を処理排水とする構造をもつ汚泥循環型沈殿槽であることが好ましい。このような沈殿槽では、汚泥を返送汚泥23として循環させ再利用することができ、凝集剤添加量を抑制することができる。また、余剰汚泥22の発生量を抑制することができる。
凝集沈殿槽21に代えて、加圧浮上処理槽を有していてもよく、凝集沈殿槽21と加圧浮上処理槽の両方を有していてもよい。加圧浮上処理槽は、沈殿を加圧浮上させる手段を備えており、本発明の水処理装置3の下流側であって、生物処理槽20の上流側または下流側に連結されていることが好ましい。なお、本発明の水処理装置3を、凝集沈殿槽21と加圧浮上処理槽の両方と組み合わせて用いる場合は、加圧浮上処理装置は、凝集沈殿槽21の下流側に連結されていることが好ましい。
[水処理方法]
本発明の水処理方法は、滞留部で原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得る工程と、
滞留部の下流に接続された流速調整部で処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程と、を含む水処理方法であって、
流速調整部で沈殿を除去し、
流速調整部の入口とは別に配置された流速調整部の出口から浄化水を排出し、
流速調整部の入口を通過する処理水の流速を、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速くする水処理方法である。
このような構成の水処理方法により、沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現でき、かつ、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去することができる。
本発明の水処理方法は、本発明の水処理装置を用いて行うことが好ましい。
以下、本発明の水処理方法の好ましい態様について説明する。
<処理水を得る工程、物理化学的処理工程>
本発明の水処理方法は、滞留部で原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得る工程を含む。
凝集剤は、滞留部に流入する前の原水に添加されることが好ましいが、場合によっては滞留部に流入した原水に添加されてもよい。すなわち、本発明の水処理方法は、原水に凝集剤を投入するタイミングによっては、滞留部で原水中の溶質または分散物を水に不溶な沈殿に変えて処理水を得る工程をさらに含んでいてもよい。これらの原水中の溶質または分散物を水に不溶な沈殿に変える工程は、物理化学的処理工程とも言われる。物理化学的処理工程は、滞留部で処理水を得る工程の前に行われてもよく、滞留部で処理水を得る工程と同時に滞留部で行われてもよい。本発明では、原水を物理化学的に処理して、原水中の溶質または分散物などの不純物成分を水に不溶な沈殿に変えて除去することが好ましい。
原水としては、例えば上水道に用いられる上水を挙げることができる。原水としては、排水、廃水、汚水なども用いることができる。
一方、本発明の水処理方法では、原水中の水に不溶な沈殿や、水に不溶な沈殿に変えて取り除く原水中の溶質または分散物としては特に制限は無く、例えば重金属やパルプなどの繊維質、土砂やカオリンなどの無機質粒子を挙げることができる。
本発明の水処理装置および水処理方法は、原水が重金属含有水またはパルプ含有水であることが好ましい。
重金属含有水である原水としては、例えば水産加工排水が挙げられる。水産加工排水は、水産加工事業所から排出される排水であり、主に、魚類、貝類及び魚卵由来の有機物や重金属を含む排水である。特に、ホタテの中腸腺やイカの肝臓、カニの内臓にはカドミウムが含まれることから、これら軟体動物や甲殻動物を加工する水産加工事業所からはカドミウムを含む排水が排出される。水産加工排水以外の重金属含有水としては、例えば、非鉄金属業やメッキ工場、半導体工場等より排出される重金属含有排水が挙げられる。
一方、パルプ含有水である原水としては、例えば木材や古紙からのパルプ製造工場や抄紙工場から排出される排水が挙げられる。
本発明において処理し得る原水の量は特に制限されないが、本発明では、多量の原水を処理することが可能である。具体的には、一日当たり500m3以上の原水を処理することも可能である。本発明は多量の原水を効率よく処理できる。
原水は1カ所に集められた後に図1に示した原水の流入手段4から滞留部1に送液されてもよく、滞留部1に直接送液されてもよい。
物理化学的処理工程は、原水が重金属を含み、原水に凝集剤として重金属除去剤を添加して重金属を含む沈殿を生成する工程であることが好ましい。その他、物理化学的処理工程は、原水がパルプを含み、凝集剤としてカチオン添加剤を添加してパルプを含む沈殿を生成する工程であってもよい。また、パルプが直接沈殿に影響しないものの、滞留部出口にパルプ成分の層を形成し、このパルプがフィルタとなって処理水中の懸濁物を補足する工程であってもよい。
以下、原水として重金属含有水を用いる場合を例に挙げて本発明の水処理方法のより好ましい態様を説明するが、本発明の水処理方法は原水として重金属含有水を用いる場合に限定されるものではない。
重金属含有水に含まれる重金属としては、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)等が挙げられる。イタイイタイ病の原因物質であるカドミウムのように、金属工業、非鉄金属第1次製錬・精製業、非鉄金属第2次製錬・精製業、溶融めっき業、水産食料品製造業の排水に含まれる重金属成分は、人の健康に影響を及ぼす可能性がある。このため、国連機関や日本国を含む各国で重金属に関する環境基準や排出基準が定められている。カドミウムは、国連機関による耐容摂取量の設定を受け、水質汚濁防止法の排水基準が0.03mg/L以下に強化された(環境省「水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(報告案)」参照)。
本発明の水処理方法や水処理装置は、原水に含まれる水に不溶な沈殿、溶質または分散物がカドミウムまたはカドミウムイオンである場合に特に好ましく用いることができる。特に本発明の水処理方法や水処理装置によれば、カドミウム含有量が0.03mg/L以下の浄化水を生成することができる。そのため、本発明の水処理方法は、排水中のカドミウム濃度を上記基準値以下とし得る画期的方法であり、水産加工事業所から排出されるカドミウムを含む排水を処理するために特に好ましく用いられる。
水処理方法は、原水中の溶質または分散物を水に不溶な沈殿に変える工程(物理化学処理工程)が、原水に凝集剤として硫化ナトリウムまたは硫化水素などの硫化物を添加して硫化物である沈殿を生成して処理液を得る工程であることが好ましい。
水処理方法は、原水中の溶質または分散物を水に不溶な沈殿に変える工程(物理化学処理工程)が、原水に凝集剤としてキレート剤を添加する工程であることが好ましい。
水処理方法は、原水に凝集剤として共沈剤を添加して共沈処理を行うことが好ましい。
物理化学的処理工程において、硫化ナトリウムまたは硫化水素などの硫化物を用いる場合には、原水中の重金属1モルに対して、硫化ナトリウムまたは硫化水素などの硫化物を、0.01モル以上100モル未満となるように添加することが好ましい。硫化ナトリウムもしくは硫化水素などの硫化物の添加量は、硫化物イオン換算で上記範囲であることが好ましい。硫化ナトリウムもしくは硫化水素などの硫化物の添加量は、重金属1モルに対して、0.1〜20モルであることがより好ましく、0.5〜10モルであることがさらに好ましい。硫化物の添加量を上記範囲内とすることにより、原水中に含まれる重金属を効率よく硫化することができる。キレート剤を用いる場合には、キレート剤の濃度に応じて硫化物換算量を参考にしてキレート剤を添加することが望ましい。
物理化学的処理工程は、原水中に含まれる原水中の溶質または分散物の量を測定して、その量から好ましい量の凝集剤の添加量を決定する工程を含んでいてもよい。具体的には、酸化還元電位から原水中の重金属の濃度を測定し、重金属の濃度に対して所望の濃度となるように物理化学的処理で添加する凝集剤の量を決定することが好ましい。例えば、重金属1モルあたり硫化物イオンが上述した値の範囲内となることが好ましい。
処理水を得る工程または物理化学的処理工程では、凝集剤を添加した原水を撹拌することが好ましい。撹拌条件は、急速攪拌が好ましく、処理水を得る工程で滞留部に滞留する原水の平均撹拌時間は5〜30分であることが好ましい。
処理水を得る工程または物理化学的処理工程で処理される原水の水温は、0〜80℃であることが好ましく、5〜60℃であることがより好ましい。
処理水を得る工程では、滞留部で原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得る。ここで、処理水には、水に不溶な沈殿が含まれていてもよい。なお、後述する流速調整部でも水に不溶な沈殿は完全に除去されずに、一定量が浄化水に残存していてもよい。
処理水を得る工程または物理化学的処理工程で処理される原水のpHは、5〜12であることが好ましく、6〜10であることがより好ましく、6.5〜8.5であることがさらに好ましい。原水のpHを上記範囲内とすることにより処理水を得る工程または物理化学処理工程で凝集剤として硫化物を用いた場合の硫化水素ガスの発生を抑制することができる。原水は調整されなくとも上記pHの範囲内である場合もあるが、pHの調整工程を設けることにより調整されてもよい。このような調整工程を設ける場合は、pH調整工程は、物理化学的処理工程の前に設けられることが好ましい。pH調整工程では、pH調整剤を添加して原水のpHを調整することが好ましい。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム等が挙げられる。
<処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程>
本発明の水処理方法は、滞留部の下流に接続された流速調整部で処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程を含む。処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程は、流速調整部で沈殿を除去する。処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程は、流速調整部の入口とは別に配置された流速調整部の出口から浄化水を排出する。処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程は、流速調整部の入口を通過する処理水の流速を、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも速くする。
処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程は、本発明の水処理装置を用いて行うことが好ましい。なお、処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程は、本発明の水処理装置を用いずに行ってもよい。
処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程では、処理水を撹拌する必要は特にない。
本発明の水処理装置の流速調整部の出口が流速調整部の入口よりも上ではない場合、重力以外の力(例えば、電場、磁場などに起因する力)を印加する工程を設けてもよい。
処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程における処理水の水温は、0〜80℃であることが好ましく、5〜60℃であることがより好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1、比較例1、参考例1]
<紙パルプ工場の脱墨古紙パルプ製造工程の排水(以下、DIP排水)に適用>
DIP排水に含まれる古紙由来の澱粉等を汚濁源とするBODは活性汚泥を用いた生物処理槽(曝気槽)などで容易に処理できるが、同じく古紙に由来する炭酸カルシウムなどの無機質粒子や微細なパルプを汚濁源とする高濃度のSSが活性汚泥で処理する際の障害となる。そのため、DIP排水を活性汚泥で処理する前にSS濃度をおよそ100mg/L以下とする前処理が必要となる。
実施例1、比較例1、参考例1では、DIP排水を活性汚泥で処理する前にSS濃度をおよそ100mg/L以下とする前処理について検討を行った。
(実施例1)
SS濃度1100mg/L、BOD濃度450mg/LのDIP排水に対し、pH6.5〜8.5の範囲内になるように調整しながら、硫酸バンドを20mg/L(Al23換算)添加したのち、0.5mg/Lのアニオン性高分子凝集剤を添加して、原水中に水に不溶な沈殿を増加させた。
得られた原水を、図1の構成において流速調整部の底部を図4の構成とした本発明の水処理装置に導入した。詳しくは、実施例1で用いた本発明の水処理装置は、滞留部の半分よりも上部の水平方向の断面積の平均値が滞留部の半分よりも下部の水平方向の断面積の平均値の1.0倍以上の円錐台であり、滞留部出口付近に上部に向けて水流を発生させられるプロペラがモーターで駆動されており、滞留部で原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させた。滞留部に流入する前の原水中に含まれる水に不要な沈殿は1個ずつの寸法が円相当直径で1〜1000μm、平均円相当直径で1〜100μmであったが、滞留部で大きく成長させた水に不溶な沈殿の寸法は平均円相当直径で1000〜5000μmとなった。滞留部で処理された処理水は滞留部の下流に接続された流速調整部に連続的に移動した。
実施例1で用いた本発明の水処理装置は、流速調整部の入口の流路断面積を流速調整部の出口の流路断面積の30%、流速調整部の入口の流路の幅を200〜500mm、流速調整部の入口から出口までの高さを3m以上とし、流速調整部の出口は流速調整部の入口よりも上に配置した。流速調製部で、滞留部で処理された処理水から沈殿を分離して沈殿を除去し、前記流速調整部の出口から浄化水を排出した。流速調整部の入口を通過する処理水の流速の流速は6.6m/h、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速の流速は2.0m/hとなっており、流速調整部の入口を通過する処理水の流速は流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも3.3倍速かった。流速調整部を沈降する沈殿の沈降速度は、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速の1.3倍以上であった。流速調整部を沈降する沈殿の寸法は、平均円相当直径で1000〜5000μmであった。
本発明の水処理装置で処理した浄化水のSS濃度は84mg/Lであった。この浄化水のBOD濃度は430mg/Lであった。
(比較例1)
実施例1で用いた本発明の水処理装置の流速調整部の入口の流路断面積を流速調整部の出口の流路断面積の85%として、比較例1の水処理装置を作製した。
比較例1の水処理方法として、比較例1の水処理装置を用いたこと以外は実施例1と同様にDIP排水を処理した。
比較例1の水処理装置では、流速調整部の入口を通過する処理水の流速の流速は2.3/h、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速の流速は2.0m/hとなっており、流速調整部の入口を通過する処理水の流速は流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも1.15倍速かった。
比較例1の水処理装置を用いて行った比較例1の水処理方法では、得られた浄化水のSS濃度は330mg/Lであった。
(参考例1)
参考例1の水処理方法として、比較例1において原水に添加する硫酸バンドの添加量を20mg/L(Al23換算)から60mg/L(Al23換算)に変更したこと以外は比較例1と同様にDIP排水を処理した。
比較例1の水処理装置を用いて行った参考例1の水処理方法で得られた浄化水のSS濃度は92mg/L、BOD濃度は320mg/Lとなった。
参考例1の水処理方法では、実施例1と同程度までSS濃度を低減させるために硫酸バンドを多く消費してしまった上、活性汚泥で処理すべきBODを薬品で削減する形になってしまった。参考例1および実施例1より、本発明の水処理装置を用いることで、SS濃度を低減させるために消費する硫酸バンドの使用量を抑えることができることがわかった。
[実施例2および比較例2]
<活性汚泥処理水の濁度改善に適用>
濁度は目視で容易に優劣の判断ができるため、活性汚泥処理水のBODやCODは法規制値を満たしているにも関わらず、濁度対策で活性汚泥処理水を後処理することがある。
実施例2、比較例2では、DIP排水を活性汚泥で処理した活性汚泥処理水の後処理について検討を行った。
(実施例2)
濁度40度の活性汚泥処理水に対し、pH6.5〜8.5の範囲内になるように調整しながら、硫酸バンドを30mg/L(Al23換算)添加したのち、0.45mg/Lのアニオン性高分子凝集剤を添加して、原水中に水に不溶な沈殿を増加させた。
得られた原水を、流速調整部の入口の流路断面積が流速調整部の出口の流路断面積の30%である実施例1で用いた本発明の水処理装置を用いて処理した。実施例2の水処理方法では、流速調整部の入口を通過する処理水の流速の流速は5.0m/h、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速の流速は1.5m/hとなっており、流速調整部の入口を通過する処理水の流速は流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも3.3倍速かった。
得られた浄化水の濁度は13度となった。
(比較例2)
流速調整部の入口の流路断面積が流速調整部の出口の流路断面積の85%である比較例1の水処理装置を用いたこと以外は実施例2と同様にして、DIP排水を活性汚泥で処理した活性汚泥処理水を処理した。比較例2の水処理方法では、流速調整部の入口を通過する処理水の流速の流速は3.5m/h、流速調整部の出口を通過する浄化水の流速の流速は1.5m/hとなっており、流速調整部の入口を通過する処理水の流速は流速調整部の出口を通過する浄化水の流速よりも2.3倍速かった。
得られた浄化の濁度は28度に留まった。
以上の各実施例および比較例から、本発明の水処理装置を用いた水処理方法により、沈殿の除去と浄化水の排出を一つの装置内で実現でき、かつ、原水中の水に不溶な沈殿を効率よく除去することができることがわかった。
1 滞留部
2 流速調整部
3 水処理装置
4 原水の流入手段
5 沈殿の除去手段
6 流速調整部の入口
7 浄化水の排出手段、すなわち流速調整部の出口
8 攪拌手段
11 原水
12 処理水
13 浄化水
14 凝集剤の添加装置
15 水に不溶な沈殿(懸濁物)が堆積した層
20 生物処理槽
21 凝集沈殿槽
22 余剰汚泥
23 返送汚泥
L 流速調整部の入口の流路の最小幅
H 流速調整部の入口から出口までの高さ

Claims (6)

  1. 原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得るための滞留部と、前記滞留部の下流に接続され、かつ、前記処理水から沈殿を分離して浄化水を得るための流速調整部を少なくとも有する水処理装置であって、
    前記滞留部が、原水の流入手段を備え、
    前記流速調整部が、沈殿の除去手段と、前記流速調整部の入口とは別に配置された前記流速調整部の出口として前記浄化水の排出手段を備え、
    前記流速調整部の入口を通過する前記処理水の流速が、前記流速調整部の出口を通過する前記浄化水の流速よりも速い水処理装置。
  2. 前記流速調整部の入口の流路断面積が、前記流速調整部の出口の流路断面積よりも小さい請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記流速調整部の入口の流路断面積が、前記流速調整部の出口の流路断面積の80%以下である請求項2に記載の水処理装置。
  4. 前記流速調整部の入口の流路の幅が50〜10000mmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理装置。
  5. 前記流速調整部の流路断面積が、前記流速調整部の入口から出口に近づくにつれて大きくなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の水処理装置。
  6. 滞留部で原水中の水に不溶な沈殿を大きく成長させ処理水を得る工程と、
    前記滞留部の下流に接続された流速調整部で前記処理水から沈殿を分離して浄化水および沈殿を得る工程と、を含む水処理方法であって、
    前記流速調整部で前記沈殿を除去し、
    前記流速調整部の入口とは別に配置された前記流速調整部の出口から浄化水を排出し、
    前記流速調整部の入口を通過する前記処理水の流速を、前記流速調整部の出口を通過する前記浄化水の流速よりも速くする水処理方法。
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