JP2016218961A - 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異常予兆診断装置1は、内燃力発電機2に設置される第1センサの検出値と、内燃力発電機2に設置される複数種類の第2センサの検出値と、を含む時系列データを取得する時系列データ取得手段12と、第1センサの検出値と第2センサの検出値とによって特定される点の分布の近似曲線を表す関数が格納される関数記憶手段15と、前記関数に基づいて第1センサに関する補正値を算出する補正手段16と、内燃力発電機2の異常予兆の有無を診断する診断手段18と、を備え、前記補正値が所定範囲から外れた場合、診断手段18は、内燃力発電機2に異常予兆ありと診断する。
【選択図】図1
Description
図1は、第1実施形態に係る異常予兆診断装置1の構成図である。
異常予兆診断装置1は、内燃力発電機2(機械設備)に設置された複数のセンサ31〜33(図2参照)の検出値を含む時系列データに基づき、内燃力発電機2に異常予兆が発生しているか否かを診断する装置である。前記した「異常予兆」とは、内燃力発電機2の異常が発生する前触れであり、「異常予兆診断」とは、異常予兆の有無を診断することである。
以下では、異常予兆診断装置1に関する説明に先立って、異常予兆の診断対象である内燃力発電機2と、この内燃力発電機2に設置されている各センサ31〜33(図2参照)について簡単に説明する。
図2は、内燃力発電機2の説明図である。内燃力発電機2は、内燃機関21によって化学エネルギを運動エネルギに変換し、前記した運動エネルギを発電機27によって電気エネルギに変換する装置である。以下では、一例として、内燃機関21がディーゼルエンジンである場合について説明する。
内燃機関21は、図示はしないが、シリンダ内に供給した空気及び燃料ガスを圧縮し、燃料ガスの自然発火に伴う膨張によってシリンダ内でピストンを往復させ、このピストンの往復によってクランクシャフトを回転するように構成されたディーゼルエンジンである。
燃料ガス供給流路24は、内燃機関21の燃焼室に燃料ガスを導く流路である。燃料ガス供給ポンプ25は、燃焼室に向けて燃料ガスを圧送するものであり、燃料ガス供給流路24に設置されている。
発電機27は、内燃機関21の駆動によって発電を行うものであり、その回転子(図示せず)は内燃機関21のクランクシャフト(図示せず)に連結されている。
吸気温度センサ31(第2センサ)は、内燃機関21に供給される空気の温度(吸気温度)を検出するセンサであり、空気供給流路22に設置されている。
排気温度センサ32(第1センサ)は、内燃機関21から排出されるガスの温度(排気温度)を検出するセンサであり、ガス排出流路26に設置されている。
発電電力センサ33(第2センサ)は、発電機27の発電電力を検出するセンサである。
従来は、排気温度センサ32の検出値を所定閾値と比較することで、異常予兆診断が行われていたが、前記したように、内燃力発電機2の正常時においても排気温度センサ32の検出値が大きく変動するため、誤診断を招く可能性があった。
図2に示す各センサ31〜33の検出値は、通信手段34及びネットワークNを介して、所定周期で異常予兆診断装置1に送信される。
図1に示すように、異常予兆診断装置1は、通信手段11と、時系列データ取得手段12と、時系列データ記憶手段13と、関数導出手段14と、関数記憶手段15と、補正手段16と、補正後時系列データ記憶手段17と、診断手段18と、診断結果記憶手段19と、表示制御手段20と、を備えている。
時系列データ取得手段12は、ネットワークNを介して通信手段11が受信したデータのうち、内燃力発電機2に関する時系列データを取得する。前記した時系列データには、内燃力発電機2の識別情報と、センサ31〜33(図2参照)の検出値と、それぞれのセンサ31〜33の識別情報と、センサ31〜33によって物理量が検出された日付・時刻と、が含まれる。
なお、時系列データ記憶手段13として、磁気ディスク装置、光ディスク装置、半導体記憶装置等を用いることができる(後記する関数記憶手段15、補正後時系列データ記憶手段17、及び診断結果記憶手段19についても同様)。
また、関数導出手段14は、内燃力発電機2が正常であることが既知である過去の時系列データに基づき、排気温度センサ32(図2参照)の検出値と、発電電力センサ33(図2参照)の検出値と、によって特定される点の分布の近似曲線を表す関数を導く機能も有している。
なお、前記した「近似曲線」には、「近似直線」も含まれる。
なお、図3(a)に示す各点は、内燃力発電機2が正常であることが既知であり、かつ、所定の発電電力が得られるように内燃力発電機2を稼動させているときに得られた各検出値に関して、ひと月ごと(12ヶ月分)の平均値を算出したものである。
なお、図3(b)に示す各点は、内燃力発電機2が正常であることが既知であり、かつ、吸気温度(外気温度)が略一定である期間に取得されたものである。
ちなみに、直線GA,GBを表す関数を導くことができればよいため、図3(a)に示す各点と、図3(b)に示す各点と、を一対一で対応させる必要はない。
補正手段16は、関数記憶手段15に格納されている2つの関数(y=ax+b、y=cx+d)に基づいて、排気温度の検出値(時系列データ)を補正する機能を有している。なお、補正手段16が実行する処理については後記する。
補正後時系列データ記憶手段17には、異常予兆の診断に用いられる排気温度の補正値が格納される。
診断結果記憶手段19には、診断手段18の診断結果に関する情報が格納される。前記した診断結果には、内燃力発電機2の識別情報と、異常予兆の有無と、が含まれる。
ステップS101において異常予兆診断装置1は、時系列データ取得手段12によって、内燃力発電機2が正常であるときの時系列データを取得する(時系列データ取得ステップ)。内燃力発電機2が正常に稼動していることは、前記したように、既知であるものとする。
ステップS102において異常予兆診断装置1は、ステップS101で取得した時系列データを時系列データ記憶手段13に格納する。
ステップS104において異常予兆診断装置1は、ステップS103で導出した関数を関数記憶手段15に格納する(記憶ステップ)。
ステップS201において異常予兆診断装置1は、時系列データ取得手段12によって、診断対象の時系列データを取得する。診断対象の時系列データには、吸気温度センサ31(図2参照)によって検出された吸気温度と、排気温度センサ32(図2参照)によって検出された排気温度と、発電電力センサ33(図2参照)によって検出された発電電力と、が含まれている。これらの各検出値に基づいて、以下で説明するように、排気温度センサ32の検出値が補正される。
図6(a)に示す説明図の横軸は時刻であり、縦軸は内燃力発電機2の排気温度である。なお、時刻t1,t2,t3に検出された排気温度に関しては、以下で説明する一連の補正処理(S201〜209)が既に施されているものとする。ここでは、時刻t4における排気温度の検出値TSを、この時刻t4における吸気温度の検出値TQ(図6(b)参照)と、発電電力の検出値WQ(図6(c)参照)と、に基づいて補正する場合について説明する。
ステップS205において異常予兆診断装置1は、ステップS204で算出した第1差分ΔT1Aを記憶する。
二回目のステップS202において異常予兆診断装置1は、複数の「第2センサ」の中から発電電力センサ33を選択し、さらにステップS203〜S205の処理を実行する。
二回目のステップS205において異常予兆診断装置1は、ステップS204で算出した第1差分ΔT1Bを記憶する。
ステップS208において異常予兆診断装置1は、排気温度の検出値TSから第1差分積算値(ΔT1A+ΔT1B)を減算することで、排気温度の補正値TRS(=TS−ΔT1A−ΔT1B)を算出する。
前記したように、吸気温度と排気温度との間には強い相関があり、また、発電電力と排気温度との間にも強い相関がある(図3参照)。これらの相関を利用して、時々刻々と変動する吸気温度及び発電電力が一定である仮定して、排気温度を補正するようにしている。これによって、内燃力発電機2が正常である場合には、排気温度の補正値TRSのばらつきが非常に小さくなる(図6(a)参照)。
なお、前記したステップS202〜S209の処理(補正ステップ)は、ステップS201で取得した診断対象の時系列データのそれぞれについて、補正手段16(図1参照)により実行される。
ステップS302において異常予兆診断装置1は、ステップS301で取得した排気温度の補正値TRSが、所定範囲から外れているか否かを判定する。前記した「所定範囲」は、内燃力発電機2に異常予兆が発生しているか否かの判定基準となる範囲であり、事前の実験等に基づいて予め設定されている。例えば、異常予兆診断装置1は、排気温度の補正値TRSが、図6(a)に示す閾値TL以上、かつ、閾値TH以下である所定範囲から外れているか否かを判定する。
一方、ステップS302において排気温度の補正値TRSが所定範囲に入っている場合(S302:No)、異常予兆診断装置1の処理はステップS304に進む。
本実施形態では、排気温度の検出値TS(図6(a)参照)に関して、吸気温度が所定の基準値TP(図6(b)参照)であり、かつ、発電電力が所定の基準値WP(図6(c)参照)であると仮定した場合の補正値TRSを算出し、この補正値TRSに基づいて内燃力発電機2の異常予兆の有無を診断するようにしている。前記したように、内燃力発電機2が正常であれば、吸気温度や発電電力が大きく変動した場合でも、排気温度の補正値TRSのばらつきは非常に小さい(図6(a)参照)。したがって、内燃力発電機2が正常であるにもかかわらず「異常予兆あり」と誤診断してしまうことを防止できる。
また、吸気温度センサ31及び発電電力センサ33(2つの「第2センサ」)の検出値に基づいて排気温度センサ32(「第1センサ」)の検出値を補正するため、1つの「第2センサ」の検出値に基づく補正よりも、内燃力発電機2の異常予兆の有無を高精度に診断できる。
仮に、補正前の排気温度をそのまま用い、所定閾値との比較に基づいて異常予兆の有無を診断した場合、内燃力発電機2が正常であるにもかかわらず「異常予兆あり」と誤診断される可能性が高い。内燃力発電機2の正常時において、例えば、実際の発電電力が大きく変動しているときには、この発電電力と強い相関を有する排気温度も大きく変動するからである。
図9(b)に示す例では、8月24日頃に排気温度の補正値が閾値THよりも高くなり、診断手段18によって「異常予兆あり」と診断されている。例えば、内燃機関21(図2参照)を冷却するための冷却水が不足している場合には、図3(a)、(b)に示す相関関係が崩れて、排気温度の補正値が閾値THよりも高くなり、「異常予兆あり」と診断される。このように本実施形態によれば、排気温度の補正値に基づいて、内燃力発電機2に関する異常予兆の有無を適切かつ高精度に診断できる。
第2実施形態に係る異常予兆診断装置1A(図10参照)は、第1実施形態で説明した診断手段18(図1参照)に代えて、データマイニング手段18A(図10参照)を備えている。また、多数のセンサを備える機械設備6の異常予兆の有無を、異常予兆診断装置1Aによって診断する点が、第1実施形態とは異なっている。
なお、時系列データの補正に関する一連の処理(S201〜S209:図5参照)については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
異常予兆診断装置1Aは、機械設備6に異常予兆が発生しているか否かを診断する装置である。診断対象である機械設備6には、図示はしないが、多数(例えば、数百個)のセンサが設置されている。これらのセンサには、第1実施形態で説明したように、異常予兆の診断に直接的に用いられる「第1センサ」と、その検出値が「第1センサ」の検出値と相関を有する複数の「第2センサ」と、が含まれる。
また、「第1センサ」及び「第2センサ」のいずれにも属しないセンサ(他のセンサの検出値との間で相関関係がほとんどないセンサ)も存在し、このセンサの検出値も異常予兆の診断に用いられる。
図10に示すように、異常予兆診断装置1Aは、通信手段11と、時系列データ取得手段12と、時系列データ記憶手段13と、関数導出手段14と、関数記憶手段15と、補正手段16と、補正後時系列データ記憶手段17と、データマイニング手段18Aと、診断結果記憶手段19と、表示制御手段20と、を備えている。
ちなみに、補正後時系列データ記憶手段17に格納される補正後の時系列データの中に「第2センサ」の検出値を含める必要はない。第1実施形態で説明したように、「第2センサ」の検出値が所定の基準値(一定値)であった場合を仮定して、「第1センサ」に関する補正値が算出されるからである。
学習対象データ取得部181aは、学習対象となる時系列データ(学習対象データ)を、補正後時系列データ記憶手段17から取得する。この学習対象データは、機械設備6が正常であることが既知である期間に取得された時系列データに関して、第1実施形態で説明した補正(S201〜S209:図5参照)が施されたデータである。
機械設備6の状態は、多次元ベクトル空間上において、各センサの検出値(「第1センサ」に関しては補正値)が正規化された値を成分とする特徴ベクトルとして表される。ここで「正規化」とは、センサの検出値等を当該センサの代表値(平均値、標準偏差等)で除算するなどして無次元量化し、互いに比較できるようにする処理である。
図11に示すクラスタ情報記憶部181cには、クラスタ学習部181bによって学習されたクラスタに関するクラスタ情報(クラスタ中心c、クラスタ半径r)が格納されている。
異常測度算出部182bは、診断対象データ取得部182aによって取得された診断対象データを用いて、機械設備6の異常測度uを算出する。まず、異常測度算出部182bは、診断対象データを正規化(無次元量化)し、各時系列データを特徴ベクトルに変換する。
図13は、学習手段181が実行する学習処理のフローチャートである。
ステップS401において学習手段181は、学習対象データ取得部181aによって、補正後時系列データ記憶手段17から学習対象データを取得する。この学習対象データは、機械設備6が正常であることが既知である期間に取得され、さらに、補正手段16による補正が施された時系列データである。
ステップS403において学習手段181は、ステップS402の学習結果をクラスタ情報記憶部181cに格納し、学習処理を終了する(END)。
ステップS501において診断手段182は、診断対象データ取得部182aによって、補正後時系列データ記憶手段17から診断対象データを取得する。この診断対象データは、補正手段16による補正が施された時系列データである。
ステップS502において診断手段182は、異常測度算出部182bによって、診断対象データの異常測度uを算出する。すなわち、診断手段182は、診断対象データの特徴ベクトルに最も近いクラスタ中心cを有するクラスタに基づいて、異常測度uを算出する。
異常測度u≦1である場合、診断対象データはクラスタの領域内(つまり、機械設備6が正常である範囲内)に存在している。全ての診断対象データについて異常測度u≦1である場合、診断手段182は機械設備6に関して「異常予兆なし」と診断する。
また、異常測度u>1である診断対象データが少なくとも一つ存在する場合、その診断対象データはクラスタの領域外に存在しているから、診断手段182は機械設備6に関して「異常予兆あり」と診断する。
図15は、学習手段181によって学習された複数のクラスタD1,D2,D3と、各時系列データの特徴ベクトルと、を示す説明図である。図15に示す各点が、それぞれ、診断対象データの特徴ベクトルを表している。
第1実施形態で説明したように、補正手段16(図10参照)による補正処理(S201〜S209:図5参照)によって、「第1センサ」に関する補正値のばらつきが非常に小さくなる。このような補正値を含む学習対象データに基づいて、クラスタD1,D2,D3が学習される。したがって、補正を行わない場合(破線で示す各クラスタ)と比較して、実線で示すクラスタD1,D2,D3のクラスタ半径r1α,r2α,r3αを小さくすることができる(r1α<r1等)。
以上、本発明に係る異常予兆診断装置1,1Aについて各実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、第1実施形態では、内燃力発電機2の異常予兆の診断に直接的に用いる「第1センサ」が排気温度センサ32(図2参照)であり、「第2センサ」が吸気温度センサ31(図2参照)及び発電電力センサ33(図2参照)である場合について説明したが、これに限らない。すなわち、内燃力発電機2の内燃機関21で吸熱した冷却水の温度を検出する冷却水温度センサを「第1温度センサ」とし、吸気温度センサ31及び発電電力センサ33を「第2温度センサ」としてもよい。
また、第1実施形態では、2種類の「第2センサ」(吸気温度センサ31及び発電電力センサ33)が存在する場合について説明したが、第2センサは1種類であってもよいし、また、3種類以上であってもよい。なお、第2実施形態についても同様のことがいえる。
また、第2実施形態では、診断対象が機械設備6である場合について説明したが、この機械設備6には、内燃機関21(図2参照)と、発電機27(図2参照)と、を備える内燃力発電機2(図2参照)も含まれる。この場合において、「第1センサ」には排気温度センサ32が含まれ、また、「第2センサ」には、吸気温度センサ31及び発電電力センサ33が含まれる。
11 通信手段
12 時系列データ取得手段
13 時系列データ記憶手段
14 関数導出手段
15 関数記憶手段(記憶手段)
16 補正手段
17 補正後時系列データ記憶手段
18 診断手段
18A データマイニング手段
181 学習手段
181a 学習対象データ取得部
181b クラスタ学習部
181c クラスタ情報記憶部
182 診断手段
182a 診断対象データ取得部
182b 異常測度算出部
182c 診断部
19 診断結果記憶手段
2 内燃力発電機(機械設備)
21 内燃機関
27 発電機
31 吸気温度センサ(第2センサ)
32 排気温度センサ(第1センサ)
33 発電電力センサ(第2センサ)
34 通信手段
6 機械設備
Claims (5)
- 機械設備に設置される第1センサの検出値と、前記機械設備に設置される複数種類の第2センサの検出値と、を含む時系列データを取得する時系列データ取得手段と、
前記機械設備が正常であることが既知である過去の時系列データに基づき、前記第1センサの検出値と、当該第1センサの検出値と相関関係がある前記第2センサの検出値と、によって特定される点の分布の近似曲線を表す関数が、複数種類の前記第2センサに対応付けて格納される記憶手段と、
前記記憶手段に格納される前記関数に基づいて、時系列データを補正する補正手段と、
前記機械設備の異常予兆の有無を診断する診断手段と、を備え、
前記補正手段は、前記第2センサの検出値から所定の基準値を減算することで第2差分を算出し、前記第1センサに関して前記第2差分に対応する第1差分を前記関数に基づいて算出する処理を、複数種類の前記第2センサそれぞれについて実行し、前記第1差分の和である第1差分積算値を前記第1センサの検出値から減算することで、前記第1センサに関する補正値を算出し、
前記診断手段は、前記補正値が所定範囲から外れた場合、前記機械設備に異常予兆ありと診断すること
を特徴とする異常予兆診断装置。 - 機械設備に設置される第1センサの検出値と、前記機械設備に設置される複数種類の第2センサの検出値と、を含む時系列データを取得する時系列データ取得手段と、
前記機械設備が正常であることが既知である過去の時系列データに基づき、前記第1センサの検出値と、当該第1センサの検出値と相関関係がある前記第2センサの検出値と、によって特定される点の分布の近似曲線を表す関数が、複数種類の前記第2センサに対応付けて格納される記憶手段と、
前記記憶手段に格納される前記関数に基づいて、時系列データを補正する補正手段と、
前記機械設備が正常であることが既知である期間に取得され、さらに前記補正手段による補正が施された時系列データに基づき、前記機械設備の正常状態の範囲を示すクラスタを学習する学習手段と、
前記機械設備の異常予兆の有無を診断する診断手段と、を備え、
前記補正手段は、前記第2センサの検出値から所定の基準値を減算することで第2差分を算出し、前記第1センサに関して前記第2差分に対応する第1差分を前記関数に基づいて算出する処理を、複数種類の前記第2センサそれぞれについて実行し、前記第1差分の和である第1差分積算値を前記第1センサの検出値から減算することで、前記第1センサに関する補正値を算出し、
前記診断手段は、前記補正値を含む時系列データが、前記学習手段によって学習された前記クラスタの領域外に存在する場合、前記機械設備に異常予兆ありと診断すること
を特徴とする異常予兆診断装置。 - 前記機械設備は、内燃機関と、前記内燃機関の駆動によって発電を行う発電機と、を備える内燃力発電機であり、
前記第1センサは、前記内燃機関の燃焼室から排出されるガスの温度を検出する排気温度センサであり、
前記第2センサには、
前記燃焼室に供給される空気の温度を検出する吸気温度センサと、
前記発電機の発電電力を検出する発電電力センサと、が含まれること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異常予兆診断装置。 - 機械設備に設置される第1センサの検出値と、前記機械設備に設置される複数種類の第2センサの検出値と、を含む時系列データを取得する時系列データ取得ステップと、
前記機械設備が正常であることが既知である過去の時系列データに基づき、前記第1センサの検出値と、当該第1センサの検出値と相関関係がある前記第2センサの検出値と、によって特定される点の分布の近似曲線を表す関数を、複数種類の前記第2センサに対応付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップで記憶した前記関数に基づいて、時系列データを補正する補正ステップと、
前記機械設備の異常予兆の有無を診断する診断ステップと、を含み、
前記補正ステップにおいて、前記第2センサの検出値から所定の基準値を減算することで第2差分を算出し、前記第1センサに関して前記第2差分に対応する第1差分を前記関数に基づいて算出する処理を、複数種類の前記第2センサそれぞれについて実行し、前記第1差分の和である第1差分積算値を前記第1センサの検出値から減算することで、前記第1センサに関する補正値を算出し、
前記診断ステップにおいて、前記補正値が所定範囲から外れた場合、前記機械設備に異常予兆ありと診断すること
を特徴とする異常予兆診断方法。 - 機械設備に設置される第1センサの検出値と、前記機械設備に設置される複数種類の第2センサの検出値と、を含む時系列データを取得する時系列データ取得ステップと、
前記機械設備が正常であることが既知である過去の時系列データに基づき、前記第1センサの検出値と、当該第1センサの検出値と相関関係がある前記第2センサの検出値と、によって特定される点の分布の近似曲線を表す関数を、複数種類の前記第2センサに対応付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップで記憶した前記関数に基づいて、時系列データを補正する補正ステップと、
前記機械設備が正常であることが既知である期間に取得され、さらに前記補正ステップによる補正が施された時系列データに基づき、前記機械設備の正常状態の範囲を示すクラスタを学習する学習ステップと、
前記機械設備の異常予兆の有無を診断する診断ステップと、を含み、
前記補正ステップにおいて、前記第2センサの検出値から所定の基準値を減算することで第2差分を算出し、前記第1センサに関して前記第2差分に対応する第1差分を前記関数に基づいて算出する処理を、複数種類の前記第2センサそれぞれについて実行し、前記第1差分の和である第1差分積算値を前記第1センサの検出値から減算することで、前記第1センサに関する補正値を算出し、
前記診断ステップにおいて、前記補正値を含む時系列データが、前記学習ステップで学習された前記クラスタの領域外に存在する場合、前記機械設備に異常予兆ありと診断すること
を特徴とする異常予兆診断方法。
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