JP2016218874A - 硬貨包装装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】包装処理時に包装紙を確実に送り出すことができる硬貨包装装置を提供する。【解決手段】所定枚数集積された硬貨を包装紙21によって包装する包装処理を行う硬貨包装装置である。給紙ローラ30,31は、包装紙21を挟持し、正転によって給紙方向Fに搬送する。制御部は、包装処理前に、給紙ローラ30,31と包装紙21との接点Pの位置関係を変更させるように、給紙ローラ30,31を制御する。給紙ローラ30,31と包装紙21との接点Pの位置関係の変更は、給紙ローラ30,31を逆転させ、剥がし部材36によって給紙ローラ30から包装紙21を剥がす。【選択図】図1
Description
本発明は、所定枚数集積された硬貨を包装紙によって包装する包装処理を行う硬貨包装装置に関する。
従来、所定枚数集積した硬貨を包装紙によって包装する硬貨包装装置が知られている。このような硬貨包装装置では、ロール状に巻回した包装紙を用い、ロール状部分から包装紙を引き出して給紙ローラで挟持し、包装処理時に給紙ローラを回転させ、硬貨を包装する包装領域へ包装紙を送り出している。
一般に、硬貨包装装置を使用していないときであっても、給紙ローラは常に包装紙を挟持している。そのため、長期間、硬貨包装装置を使用しなかった場合や、給紙ローラが劣化している場合等に、給紙ローラや包装紙の材質によっては、圧着している給紙ローラと包装紙とが貼り付き、包装処理時に包装紙が正常に送り出されないことがある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、包装処理時に包装紙を確実に送り出すことができる硬貨包装装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の硬貨包装装置は、所定枚数集積された硬貨を包装紙によって包装する包装処理を行う硬貨包装装置であって、前記包装紙を挟持し、正転によって給紙方向に搬送する給紙ローラと、前記包装処理前に、前記給紙ローラと前記包装紙との接点の位置関係を変更させるように、前記給紙ローラを制御する制御部とを具備するものである。
請求項2記載の硬貨包装装置は、請求項1記載の硬貨包装装置において、前記給紙ローラの側部に配設され、前記給紙ローラから前記包装紙を剥がす剥がし部材を具備するものである。
請求項3記載の硬貨包装装置は、請求項2記載の硬貨包装装置において、前記剥がし部材は、前記給紙ローラの前記給紙方向に対して反対側の側部に配設され、前記制御部は、前記包装処理前に、前記給紙ローラを逆転させるものである。
請求項4記載の硬貨包装装置は、請求項1記載の硬貨包装装置において、前記制御部は、前記包装処理前に、前記給紙ローラによる前記包装紙の挟持を解除させた後、再び前記給紙ローラで前記包装紙を挟持させるように、前記給紙ローラを制御するものである。
請求項5記載の硬貨包装装置は、請求項1ないし4いずれか一記載の硬貨包装装置において、前記制御部は、予め設定された条件を満たす場合、前記包装処理前に、前記給紙ローラと前記包装紙との接点の位置関係を変更させるように、前記給紙ローラを制御するものである。
請求項6記載の硬貨包装装置は、請求項5記載の硬貨包装装置において、前記予め設定された条件は、装置の電源のオンまたはオフであるものである。
請求項7記載の硬貨包装装置は、請求項5記載の硬貨包装装置において、前記予め設定された条件は、装置の非稼動期間が所定期間以上の場合であるものである。
請求項1記載の硬貨包装装置によれば、包装処理前に、給紙ローラと包装紙との接点の位置関係を変更させることにより、包装処理時に包装紙を確実に送り出すことができ、給紙ローラと包装紙との貼り付きを原因とするエラーの発生を低減できる。
請求項2記載の硬貨包装装置によれば、請求項1記載の硬貨包装装置の効果に加えて、剥がし部材により、給紙ローラから包装紙を剥がすことができる。
請求項3記載の硬貨包装装置によれば、請求項2記載の硬貨包装装置の効果に加えて、剥がし部材を給紙ローラの給紙方向に対して反対側の側部に配設し、給紙ローラを逆転させることにより、給紙ローラから包装紙を確実に剥がすことができる。
請求項4記載の硬貨包装装置によれば、請求項1記載の硬貨包装装置の効果に加えて、給紙ローラによる包装紙の挟持を解除させた後、再び給紙ローラで包装紙を挟持させることにより、給紙ローラと包装紙との貼り付きを軽減させることができる。
請求項5記載の硬貨包装装置によれば、請求項1ないし4いずれか一記載の硬貨包装装置の効果に加えて、包装処理前に、給紙ローラと包装紙との接点の位置関係を変更させるのは、予め設定された条件を満たす場合のみとすることにより、包装処理前の不要な動作を少なくし、その条件以外の場合には直ぐに包装処理を開始することができる。
請求項6記載の硬貨包装装置によれば、請求項5記載の硬貨包装装置の効果に加えて、予め設定された条件は、装置の電源のオンまたはオフの際であることにより、給紙ローラと包装紙との貼り付きを原因とするエラーの発生を確実に低減できる。
請求項7記載の硬貨包装装置によれば、請求項5記載の硬貨包装装置の効果に加えて、予め設定された条件は、装置の非稼動期間が所定期間以上の場合であることにより、給紙ローラと包装紙との貼り付きを原因とするエラーの発生を確実に低減できる。
以下、本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図5を参照して説明する。
図3に硬貨包装機10を示す。硬貨包装機10の機体11の上部には、包装処理する硬貨を投入するホッパ12、選択した金種や運転モードなどを表示する表示部13、包装モードや金種等を入力操作する操作部14が配設されている。機体11の前面下部には、包装した包装硬貨を外部に投出する包装硬貨投出部15が配設されている。
また、機体11の内部には、硬貨包装装置16が配設されている。硬貨包装装置16は、ホッパ12に投入される硬貨を受け入れて送り出す供給部17、この供給部17から送り出される硬貨を受け入れて1枚ずつ繰り出す繰出部18、この繰出部18から1枚ずつ繰り出される硬貨を搬送するとともに識別およびカウントする搬送部19、この搬送部19から送り出される硬貨を所定枚数集積する集積部20、この集積部20で所定枚数集積した硬貨を包装紙21で包装して包装硬貨を作成する包装部22、およびこの包装部22に包装紙21を供給する包装紙供給部23を備えている。
そして、集積部20は、一対の集積ベルト24を備え、搬送部19から送り出される硬貨を一対の集積ベルト24の表面から突出する支持部上に支持して集積するとともに、硬貨を集積する毎に硬貨の厚み分だけ支持位置が下降するように一対の集積ベルト24を回動させていくことにより、硬貨を所定枚数集積する。所定枚数集積した硬貨は下方の包装部22に移動される。
また、包装部22は、3本の包装ローラ25を備え、これら3本の包装ローラ25間に所定枚数集積された硬貨を配置し、この硬貨を3本の包装ローラ25で挟み込むとともに所定の回転速度で回転させながら、包装ローラ25と硬貨との間に包装紙21を供給し、硬貨の周面に包装紙21を巻き付ける。さらに、かしめ機構26の上下一対のかしめ針27で包装紙21の上下の端部を硬貨の上下の端面に巻き込んでかしめることにより、包装硬貨を作成する。作成した包装硬貨は、包装ローラ25間から下方へ放出し、包装硬貨投出部15へ送り込む。
また、図1および図2に示すように、包装紙供給部23は、フィルムまたは紙で帯状に形成されているとともにロール状に巻回された包装紙21が用いられる。包装紙21のロール部21aが基台29に設けられた図示しない回転セット盤に載置される。なお、回転セット盤の中心にはロール部21aの空洞部分に挿入するための回転セット軸が設けられていてもよい。回転セット盤にはロール部21aからの包装紙21の引き出しに伴ってロール部21aが回転可能に支持されている。
包装紙供給部23は、包装紙21を挟持し、正転(図2の実線矢印f)によって包装部22への給紙方向Fに搬送する一対の給紙ローラ30,31を備えている。
給紙ローラ30は、包装紙21を送るために所定の摩擦係数を有するローラ材を外周に用いており、例えばウレタン樹脂のローラ材を用いている。給紙ローラ30は、回転軸30aが固定位置で回転可能に配設されているとともに、正逆回転可能なモータにより回転軸30aを中心に回転駆動される。給紙ローラ30の正転によって包装紙21を包装部22への給紙方向Fに搬送し、給紙ローラ30の逆転(図1および図2の破線矢印r)によって包装紙21を給紙方向Fに対して反対の反給紙方向Rに搬送する。給紙ローラ30の回転速度は、包装ローラ25の回転速度よりも遅くなっている。
給紙ローラ31は、包装紙21を給紙ローラ30に圧接させればよいため、給紙ローラ30よりも包装紙21が貼り付きにくいローラ材が用いられている。給紙ローラ31は、回転軸31aがブラケット32に回転自在に取り付けられ、ブラケット32の支軸32aを中心として揺動可能に支持されている。ブラケット32と固定部位(例えば取付部材39)との間にスプリング33(図1には図示を省略している)が張設され、このスプリング33によって給紙ローラ31が給紙ローラ30に対して包装紙21を挟んで常に所定の圧力で圧接するように付勢されている。給紙ローラ31は、回転駆動される給紙ローラ30に追従回転する。
包装紙21のロール部21aと給紙ローラ30,31との間には、包装紙21をガイドするガイドローラ34が配設されている。ガイドローラ34は、給紙ローラ30を基準としてロール部21aおよび給紙ローラ31の反対側に位置し、ロール部21aから引き出された包装紙21を給紙ローラ30に沿わせて給紙ローラ31との挟持位置にガイドするように構成されている。
給紙ローラ30の周面に対向して、包装紙21をガイドするガイド板35が配設されている。ガイド板35は、給紙ローラ30に接する包装紙21の面とは反対側の面に対向してガイドするもので、その包装紙21をガイドするガイド面が凹状に形成され、ガイドローラ34の給紙方向Fの下流位置から給紙ローラ30,31の給紙方向Fの下流位置に亘って配設されている。ガイド板35には、給紙ローラ30との間で包装紙21を挟持する給紙ローラ31の周面の一部が突出する開口部が設けられている。
給紙ローラ30の側部であって、給紙方向Fに対して反対(反給紙方向R)の側部に、給紙ローラ30の逆転によって給紙ローラ30から包装紙21を剥がすための例えばスクレーパ等の剥がし部材36が配設されている。
なお、剥がし部材36の形状は板状に限らず、例えば棒状であってもよい。また、剥がし部材36の位置は給紙ローラ30に近接しておればよく、給紙ローラ30に接触していることは必須ではない。
給紙ローラ30,31から包装部22に亘って、給紙ローラ30,31から送り出される包装紙21を非直線的に包装部22へ案内するガイド板37が配設されている。このガイド板37は、給紙ローラ30に接する包装紙21の面をガイドするもので、その包装紙21をガイドするガイド面が凹状に形成されている。ガイド板37の給紙方向Fの上流側の端部は、給紙ローラ30の給紙方向Fの下流側の側部でガイド板35に対向して配設され、また、ガイド板37の給紙方向Fの下流側の端部は、包装部22の1つの包装ローラ25の回転方向の上流側の側部に配設されている。
給紙ローラ30,31の給紙方向Fの下流側に、包装紙21を所定の長さに切断するカッタ38が配設されている。カッタ38は、基端が取付部材39によって基台29上に取り付けられ、先端がガイド板35の端部よりも給紙方向Fの下流側に突出してガイド板37に対向配置されている。そして、包装紙21の給紙時に、給紙ローラ30,31の周速よりも包装ローラ25によって回転される硬貨Cの周速が速いために、硬貨Cに巻き付けられる包装紙21が引っ張られて図2に2点鎖線で示すように直線的に変移し、包装紙21がカッタ38の先端に押し付けられることにより、包装紙21を所定長さに切断するように構成されている。また、カッタ38の先端は、中央部がV字状に突出する形状に形成されている。カッタ38の側部には、切断した包装紙をカッタ38から離す板ばね40が取り付けられている。
カッタ38と包装ローラ25との間には、包装紙21の切断を検知する切断検知レバー41が配設されている。この切断検知レバー41は、支軸41aを支点として揺動可能に支持され、図示しない付勢手段によって図2に示す位置に向けて時計回り方向に付勢されている。
包装紙21の給紙時に、給紙ローラ30,31と包装ローラ25との周速の差でもって、包装紙21が包装ローラ25で引っ張られて直線的に変移するときに、包装紙21との接触によって反時計回り方向に揺動され、包装紙21の切断後に図2に示す位置に戻るように揺動する。そして、この切断検知レバー41の揺動を検知手段によって検知することにより、包装紙21の切断を検知するように構成されている。
次に、図4に硬貨包装装置16のブロック図を示す。
硬貨包装装置16は、この硬貨包装装置16を制御する制御部50を有している。制御部50は、表示部13、操作部14、電源部51および記憶部52が接続されているとともに、供給部17、繰出部18、搬送部19、集積部20、包装部22および包装紙供給部23が接続されている。包装紙供給部23は、給紙ローラ30を正転および逆転が可能な給紙モータ53を備えている。なお、電源部51は電源をオンオフする電源スイッチの操作に対応してオンオフ情報を制御部50に送り、制御部50は電源スイッチのオフ後も制御電源が供給されるようにしてもよい。
制御部50は、予め設定された条件を満たす場合、包装処理前に、給紙ローラ30,31と包装紙21との接点Pの位置関係を変更させるように、給紙ローラ30,31を制御する機能を有する。具体的には、包装処理前に、給紙ローラ30,31を逆転させる。
予め設定された条件は、硬貨包装装置16の電源のオンまたはオフの際、あるいは、硬貨包装装置16の非稼動期間が所定期間以上の場合である。予め設定された条件が硬貨包装装置16の非稼動期間である場合には、制御部50は硬貨包装装置16の非稼動期間をカウントしたり時刻情報から非稼動期間を判断する機能を有している。
次に、硬貨包装装置16による包装処理について説明する。
図2に示すように、包装紙供給部23の待機状態では、給紙ローラ30,31間に包装紙21を挟持しており、給紙ローラ30,31間に給紙ローラ30と包装紙21との接点Pがある。包装紙21の先端はカッタ38の先端とのガイド板37との間に位置している。
そして、集積部20で所定枚数集積された硬貨Cを包装部22の3本の包装ローラ25間に移動させ、これら包装ローラ25間で硬貨Cを挟持して所定の回転速度で回転させる。
包装紙供給部23の給紙モータ53を正転駆動し、給紙ローラ30を正転させ、この給紙ローラ30と給紙ローラ31との間に挟持されている包装紙21を給紙方向Fに送り出す。
給紙方向Fに送り出された包装紙21の先端は、ガイド板37の凹状のガイド面に沿って移動して包装ローラ25と硬貨Cとの間に導かれ、硬貨Cの周面に巻き付けられていく。
給紙ローラ30,31は所定の長さを送り出すと停止し、包装ローラ25の回転によって硬貨Cに巻き付けられる包装紙21が引っ張られて、図2に2点鎖線で示すように直線的に変移し、包装紙21がカッタ38の先端に押し付けられ、包装紙21が所定の長さに切断される。
包装紙21が切断されたことを切断検知レバー41によって検知することにより、給紙モータ53の正転駆動を停止し、給紙ローラ30の正転を停止させる。これにより、包装紙供給部23は、次の給紙動作に待機する上述した待機状態となる。
その後、図3に示すように、硬貨Cに巻き付けられた包装紙21の上下端部をかしめ機構26のかしめ針27によってかしめ、包装硬貨を形成する。
また、図1、および図5のフローチャートを参照して、包装紙供給部23による包装紙貼り付き解消動作について説明する。
制御部50は、予め設定された条件を満たすか判断し(ステップS1)、満たさなければ(ステップS1のNO)、包装するか判断する(ステップS2)。
すなわち、硬貨包装装置16の電源のオンまたはオフの際ではなく、あるいは、硬貨包装装置16の非稼動期間が所定期間以上でない場合には、予め設定された条件を満たさないと判断し(ステップS1のNO)、そのうえで、包装する場合には(ステップS2のYES)、上述した包装処理を行う(ステップS3)。
一方、硬貨包装装置16の電源のオンまたはオフの際、あるいは、硬貨包装装置16の非稼動期間が所定期間以上である場合には、予め設定された条件を満たすと判断し(ステップS1のYES)、包装紙貼り付き解消動作を実行する。
この包装紙貼り付き解消動作では、まず、給紙モータ53を逆転駆動し、給紙ローラ30を逆転させる(ステップS4)。これにより、待機状態で給紙ローラ30,31間に位置していた給紙ローラ30と包装紙21との接点Pが、給紙ローラ30,31間から反給紙方向Rに移動し、剥がし部材36へ向かう。
待機時に給紙ローラ30,31間の接点Pの位置で包装紙21が給紙ローラ30に貼り付いていた場合には、接点Pの位置が剥がし部材36の位置に到達することより、剥がし部材36によって包装紙21が給紙ローラ30から剥がされる。これにより、給紙ローラ30と包装紙21との接点Pの位置関係が変更されることになる。
給紙ローラ30の逆転量は、待機時に給紙ローラ30,31間にあった包装紙21と給紙ローラ30との接点Pが剥がし部材36の位置を通過するまでで、かつ、包装紙21の先端が給紙ローラ30,31間に挟持されている位置までとする。
包装紙貼り付き解消動作では、給紙ローラ30の逆転のみでもよく、あるいは給紙ローラ30を逆転後に正転させてもよい。正転させる場合には、逆転量=正転量、逆転量<正転量、逆転量>正転量となるようにしてもよい。
包装紙貼り付き解消動作後、包装する場合には(ステップS2)、包装処理が実行される(ステップS3)。
なお、包装処理時に包装紙21が正常に送り出されないエラーが発生した場合、自動的に包装紙貼り付き解消動作を行い、自動的にエラー解除するようにしてもよい。
このように、包装処理前に、給紙ローラ30と包装紙21との接点Pの位置関係を変更させることにより、包装処理時に包装紙21を確実に送り出すことができ、給紙ローラ30と包装紙21との貼り付きを原因とするエラーの発生を低減できる。
このとき、剥がし部材36を用いることにより、給紙ローラ30から包装紙21を確実に剥がすことができる。
特に、給紙ローラ30の給紙方向Fに対して反対側の側部に剥がし部材36を配設し、給紙ローラ30を逆転させることにより、給紙ローラ30から包装紙21を確実に剥がすことができる。
また、包装処理前に、給紙ローラ30と包装紙21との接点Pの位置関係を変更させるのは、予め設定された条件を満たす場合のみとすることにより、包装処理前の不要な包装紙貼り付き解消動作を少なくし、その条件以外の場合には直ぐに包装処理を開始することができる。
その予め設定された条件は、硬貨包装装置16の電源のオンまたはオフの際、あるいは、硬貨包装装置16の非稼動期間が所定期間以上の場合であることにより、給紙ローラ30と包装紙21との貼り付きを原因とするエラーの発生を確実に低減できる。
なお、予め設定された条件は、顧客の運用形態に応じて、硬貨包装機10の管理者が設定する場合を想定し、操作部14で設定可能としてもよい。
また、給紙ローラ30の周面のローラ材にウレタン樹脂を用いることにより、包装紙21の送り性能を確保しながら、例えばウレタンゴムに比べて包装紙21の貼り付きを低減することができる。
なお、剥がし部材36を給紙ローラ30の給紙方向Fの側部に配設し、給紙ローラ30の正転によって包装紙21を給紙ローラ30から剥がすようにしてもよい。
次に、図6に第2の実施の形態を示す。なお、第1の実施の形態と同じ構成については、同じ符号を用い、その構成および作用効果についての説明を省略する。
第1の実施の形態の剥がし部材36を用いずに、給紙ローラ30と包装紙21との接点Pの位置関係を変更する。
給紙ローラ31を給紙ローラ30から強制的に離反させる駆動部60を備えている。駆動部60は、ソレノイド61であり、ソレノイド61のオンにより、プランジャ62が突出してブラケット32を押動し、給紙ローラ31を給紙ローラ30から強制的に離反させる。ソレノイド61のオフにより、プランジャ62が後退してブラケット32の押動を解除し、スプリング33による付勢によって給紙ローラ31が給紙ローラ30に圧接する。
そして、給紙ローラ30,31による包装紙21の挟持を解除させた後、再び給紙ローラ30,31で包装紙21を挟持させることにより、給紙ローラ30と包装紙21との貼り付きを軽減することができ、包装処理時には包装紙21を正常に送り出しやすくなり、給紙ローラ30と包装紙21との貼り付きを原因とするエラーの発生を低減できる。
次に、図7に第3の実施の形態を示す。なお、第1の実施の形態と同じ構成については、同じ符号を用い、その構成および作用効果についての説明を省略する。
第1の実施の形態の剥がし部材36を用いずに、給紙ローラ30と包装紙21との接点Pの位置関係を変更する。
ガイドローラ34に接離する駆動ローラ65を設ける。駆動ローラ65は、モータによって包装紙21が反給紙方向Rに移動する方向に対応して回転駆動される。
そして、包装紙貼り付き解消動作時以外の通常時には、駆動ローラ65をガイドローラ34から離反させておく。
包装紙貼り付き解消動作を行う場合には、駆動ローラ65をガイドローラ34に押し付け、駆動ローラ65を回転駆動する。駆動ローラ65を回転駆動することにより、駆動ローラ65とガイドローラ34との間で挟持した包装紙21を反給紙方向Rに移動させて給紙ローラ30,31間から引き出す。これにより、待機時に給紙ローラ30,31間にあった包装紙21と給紙ローラ30との接点Pが反給紙方向Rに移動し、その接点Pの位置で給紙ローラ30に貼り付いていた包装紙21が給紙ローラ30から剥がされる。
包装紙21が給紙ローラ30から剥がれるまで駆動ローラ65を所定量回転駆動したら、駆動ローラ65を停止させるとともにガイドローラ34から離す。
このように、包装紙21を反給紙方向Rに移動させて、包装紙21を給紙ローラ30から剥がすため、包装処理時には包装紙21を確実に送り出すことができ、給紙ローラ30と包装紙21との貼り付きを原因とするエラーの発生を低減できる。
また、駆動ローラ65を設けず、ガイドローラ34に駆動源を設け、ガイドローラ34を逆転させる態様であってもよい。
さらに、回転セット盤もしくは回転セット軸に駆動源を設け、ロール部21aを逆転させる態様であってもよい。
なお、ガイドローラ34、駆動ローラ65を逆転させる場合や、ロール部21aを逆転させる場合には、給紙ローラ30,31を離間させることで、包装紙21を剥がしやすくしてもよい。あるいは、給紙ローラ30,31にワンウェイクラッチ等を用いることで、給紙ローラ30,31はガイドローラ34、駆動ローラ65やロール部21aが逆転する場合に空回りするようにしてもよい。
このように、給紙ローラ30と包装紙21との接点Pの位置関係を変更するには、包装紙21を反給紙方向Rに引き込むことによって行ってもよい。
なお、給紙ローラ30と包装紙21との接点Pの位置関係を変更するには、給紙ローラ30の逆転、または正転、あるいは正逆転の繰り返しを行ってもよく、これらの動作のみでも包装紙21と給紙ローラ30との貼り付きを解除あるいは軽減することができる。
16 硬貨包装装置
21 包装紙
30,31 給紙ローラ
36 剥がし部材
50 制御部
C 硬貨
F 給紙方向
P 接点
21 包装紙
30,31 給紙ローラ
36 剥がし部材
50 制御部
C 硬貨
F 給紙方向
P 接点
Claims (7)
- 所定枚数集積された硬貨を包装紙によって包装する包装処理を行う硬貨包装装置であって、
前記包装紙を挟持し、正転によって給紙方向に搬送する給紙ローラと、
前記包装処理前に、前記給紙ローラと前記包装紙との接点の位置関係を変更させるように、前記給紙ローラを制御する制御部と
を具備することを特徴とする硬貨包装装置。 - 前記給紙ローラの側部に配設され、前記給紙ローラから前記包装紙を剥がす剥がし部材を具備する
ことを特徴とする請求項1記載の硬貨包装装置。 - 前記剥がし部材は、前記給紙ローラの前記給紙方向に対して反対側の側部に配設され、
前記制御部は、前記包装処理前に、前記給紙ローラを逆転させる
ことを特徴とする請求項2記載の硬貨包装装置。 - 前記制御部は、前記包装処理前に、前記給紙ローラによる前記包装紙の挟持を解除させた後、再び前記給紙ローラで前記包装紙を挟持させるように、前記給紙ローラを制御する
ことを特徴とする請求項1記載の硬貨包装装置。 - 前記制御部は、予め設定された条件を満たす場合、前記包装処理前に、前記給紙ローラと前記包装紙との接点の位置関係を変更させるように、前記給紙ローラを制御する
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の硬貨包装装置。 - 前記予め設定された条件は、装置の電源のオンまたはオフである
ことを特徴とする請求項5記載の硬貨包装装置。 - 前記予め設定された条件は、装置の非稼動期間が所定期間以上の場合である
ことを特徴とする請求項5記載の硬貨包装装置。
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