以下、いくつかの実施の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る探索支援装置100の外観を示す斜視図である。
探索支援装置100は、通信ユニット1および携帯情報端末2を含む。
通信ユニット1は、本体1a、ホルダ1bおよびグリップ1cを含む。本体1aは、その内部に後述する電気的な構成要素の多くを収容する。ホルダ1bは、携帯情報端末2を、着脱可能に保持する。グリップ1cは、探索支援装置100の使用者によって握られる。
携帯情報端末2は、通信ユニット1と無線通信しながら、探索支援のための後述する情報処理を行う。携帯情報端末2としては、例えばスマートフォンまたはタブレット型コンピュータが利用できる。
図2は探索支援装置100の電気的な構成を示すブロック図である。なお、図2において図1に示されるのと同一の要素については、同一の符号を付している。
通信ユニット1は、無線タグ200および無線局300と無線通信する。
無線タグ200は、探索の対象となる物品に取り付けられる。図2では無線タグ200を1つのみ示しているが、典型的には多数の無線タグ200が多数の物品にそれぞれ取り付けられる。無線タグ200は、それが取り付けられた物品の移動に伴って移動することがある。無線タグ200は、所定の電波を受けると動作し、一意の識別コードであるタグIDを送信する。無線タグ200としては、各種の規格のものを適宜に用いることができる。無線タグ200は、典型的にはRFID(radio frequency identifier)タグである。
無線局300は、探索支援装置100を利用しての物品の探索が行われる空間(以下、探索対象エリアと称する)の中に設置される。図2では無線局300を1つのみ示しているが、典型的には複数の無線局300が探索対象エリアの中に分散して配置される。無線局300は、移動が可能であっても良いが、原則としては固定された状態で運用される。無線局300は、予め定められた一意のビーコン信号を無線送信する。ビーコン信号は、無線局300毎に一意の無線局コードを含むものであっても良いし、無線局300毎に、例えば周波数などのビーコン信号自体の属性が異なるものであっても良い。複数の無線局300は、互いにほぼ同じ強度でビーコン信号を送信する。無線局300の送信強度は、無線タグ200の送信強度よりも大きい。つまり、無線局300の通信エリアは、無線タグ200の通信エリアよりも広い。
通信ユニット1は、プロセッサ11、メモリ12、送受信回路13、受信回路14、測定回路15、通信回路16およびシステム伝送路17を備える。プロセッサ11と、メモリ12、送受信回路13、受信回路14、測定回路15および通信回路16とは、システム伝送路17によって接続される。システム伝送路17は、アドレスバス、データバスおよび制御信号線等を含む。
プロセッサ11およびメモリ12は、システム伝送路17によって接続されることによって、通信ユニット1を制御するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、通信ユニット1としての各種の機能を実現するべく、通信ユニット1の各部を制御する。
メモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。メモリ12としては、典型的には半導体メモリが使用される。しかしながら半導体メモリに加えて、HDD(hard disc drive)などの他の種類の記憶デバイスを含んでも良い。
送受信回路13は、無線タグ200を動作させるための電波を放射する。送受信回路13は、無線タグ200が送信した無線信号を受信する。つまり送受信回路13は、無線タグ200と通信する通信デバイスの一例である。送受信回路13は、受信した無線信号からタグIDを抽出し、測定回路15に通知する。送受信回路13は、指向性を有したアンテナを含む。上記の指向性は、ある基準方向での利得が最大であり、この基準方向に対する角度が大きくなるほどに利得が低下する特性を持つ。
受信回路14は、無線局300が送信したビーコン信号を受信する。受信回路14は、ビーコン信号に基づいて、そのビーコン信号を送信した無線局300に一意の識別コードである無線局IDを判定する。受信回路14は、判定した無線局IDを測定回路15に通知する。
測定回路15は、送受信回路13が無線信号を受信した場合に、その受信強度を測定する。測定回路15は、受信回路14がビーコン信号を受信した場合に、その受信強度を測定する。測定回路15は、測定した受信強度を、同じ信号から得られたタグIDまたは無線局IDとともにプロセッサ11に通知する。
通信回路16は、通信ユニット1と携帯情報端末2との間での無線データ通信を行う。通信回路16としては、例えばbluetooth(登録商標)またはWi-Fiなどに準拠した既存のデバイスを利用できる。
携帯情報端末2は、プロセッサ21、メモリ22、タッチパネル23、ジャイロセンサ24、通信回路25、通信回路26およびシステム伝送路27を備える。プロセッサ21と、メモリ22、タッチパネル23、ジャイロセンサ24、通信回路25および通信回路26とは、システム伝送路27によって接続される。システム伝送路27は、アドレスバス、データバスおよび制御信号線等を含む。
プロセッサ21およびメモリ22は、システム伝送路27によって接続されることによって、携帯情報端末2を制御するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、携帯情報端末2としての各種の機能を実現するべく、携帯情報端末2の各部を制御する。
メモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ22が記憶するアプリケーションプログラムの1つは、後述する制御処理のための制御プログラムである。またメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。メモリ22としては、典型的には半導体メモリが使用される。しかしながら半導体メモリに加えて、HDD(hard disc drive)などの他の種類の記憶デバイスを含んでも良い。
タッチパネル23は、携帯情報端末2の入力デバイスおよび表示デバイスとして機能する。
ジャイロセンサ24は、携帯情報端末2の向きを検出する。携帯情報端末2が通信ユニット1に取り付けられた状態では、送受信回路13が備えるアンテナの向きと携帯情報端末2の向きとの相対的な関係は変化しない。従って、ジャイロセンサ24は、送受信回路13が備えるアンテナの向きを検知する。つまりジャイロセンサ24は、検知手段の一例である。
通信回路25は、通信ユニット1と携帯情報端末2との間での無線データ通信を行う。つまり通信回路25は、通信回路16と通信するのであり、通信回路16が準拠するのと同じ規格に準拠した既存のデバイスを利用できる。
通信回路26は、通信ネットワーク400を介したデータ通信を行う。通信ネットワーク400は、例えばモバイルネットワークを含む。通信回路26としては、モバイルネットワークと通信するための既存のデバイスを利用できる。通信回路26により通信ネットワーク400を介してデータ通信する相手の1つはサーバ500である。
サーバ500は、内蔵または外付けされた記憶デバイスに、場所データおよび関連付けデータを記憶する。そしてサーバ500は、携帯情報端末2からの各種の問合わせに対して、場所データおよび関連付けデータに基づいて回答する。
図3は場所データの一例を示す図である。
図3に示すように場所データは、無線局IDと設置場所とを関連付けたデータレコードの集合である。
設置場所は、同じデータレコードで関連付けられた無線局IDで識別される無線局300が設置されている場所を、使用者が認識できる表現形式で表したデータである。場所データは、無線局300の設置作業の一環として、その作業者などによる操作に基づいて更新される。なお、図3に示した設置場所の表現形式は一例であって、設置場所をどのような表現形式で表すかは任意である。
図4は関連付けデータの一例を示す図である。
図4に示すように関連付けデータは、タグIDと無線局IDとを関連付けたデータレコードの集合である。関連付けデータのデータレコードには、原則として、探索エリア内で保管される物品に取り付けられた無線タグのタグIDと、そのタグIDで識別される無線タグが取り付けられた物品が保管される場所に最寄りの無線局300の無線局IDとが記述される。ただし、物品の保管場所が変更された場合などにおいて、関連付けデータのデータレコードの記述が上記の原則に沿わない状況は生じ得る。関連付けデータは、後述する処理によって更新される。
ところで、通信ユニット1および携帯情報端末2をセットとして使用者に譲渡されても良いし、通信ユニット1および携帯情報端末2が個別に使用者に譲渡されても良い。そして、アプリケーションプログラムは、通信ユニット1および携帯情報端末2が使用者に譲渡される時点でメモリ12,22に記憶されていても良いし、通信ユニット1および携帯情報端末2の譲渡後に使用者の操作の下にメモリ12,22に書き込まれても良い。後者の場合にアプリケーションプログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録するか、あるいはネットワークを介するなどの任意の方法で使用者に譲渡されて良い。
次に以上のように構成された探索支援装置100の動作について説明する。
図5および図6はプロセッサ21による制御処理のフローチャートである。
使用者によるタッチパネル23での操作により探索支援のための制御処理の実行が指示されると、プロセッサ21はメモリ22に記憶された制御プログラムに従って図5および図6に示す制御処理を開始する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
Act1においてプロセッサ21は、タッチパネル23においてホーム表示を開始する。ホーム表示は、実行すべき処理の指定を使用者に促す画像を表示するものである。ホーム表示には、対象無線タグの指定を受け付けるためのGUI(graphical user interface)と、登録開始を指示するためのボタンとを含む。対象無線タグとは、探索の対象とする物品に取り付けられた無線タグ200である。上記のGUIは例えば、対象無線タグのタグIDの入力欄と決定ボタンとを含むものである。あるいは上記のGUIは例えば、タグIDのリストから1つのタグIDを選択するものとしても良い。
Act2においてプロセッサ21は、対象無線タグの指定がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該指定がなされていないためにNoと判定したならば、Act3へと進む。
Act3においてプロセッサ21は、登録開始が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判定したならば、Act4へと進む。
Act4においてプロセッサ21は、対象無線タグの指定および登録開始の指示とは他の指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判定したならば、Act2へと戻る。
かくしてAct2〜Act4においてプロセッサ21は、対象無線タグの指定、登録開始の指示およびその他の指示のいずれかがなされるのを待ち受ける。ここでプロセッサ21は、その他の指示が使用者により行われたためにAct4にてYesと判定したならば、その指示に応じた処理に移行する。この場合の処理についての説明は省略する。
さて使用者は、探索エリア内のある場所を物品の新たな保管場所とする場合、その場所に無線タグ200を取り付けた状態の物品を設置した状態で、登録開始を指示するボタンにタッチする。プロセッサ21は、上記のタッチがタッチパネル23で検出されると、Act3にてYesと判定し、Act5へと進む。
Act5においてプロセッサ21は、無線タグ200および無線局300をスキャンする。具体的にはプロセッサ21は、通信回路25,16を介してプロセッサ11に対して無線タグ200および無線局300のスキャンを要求する。この要求に応じてプロセッサ11は、送受信回路13を駆動し、通信可能な全ての無線タグ200をスキャンする。つまりプロセッサ11は、通信可能な全ての無線タグ200のタグIDを収集する。この無線タグ200のスキャンは、既存の無線タグシステムで行われているのと同様な動作により行うことができる。またプロセッサ11は、受信回路14で受信される全てのビーコン信号のそれぞれから無線局IDを収集する。そしてプロセッサ11は、この収集したタグIDおよび無線局IDを、通信回路16,25を介してプロセッサ21へと通知する。
このようにしてプロセッサ21は、通信可能な無線タグ200のタグIDを取得している。かくして制御プログラムに基づく制御処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは第1の取得手段として機能する。
Act6においてプロセッサ21は、タッチパネル23において一覧表示を開始し、関連付けの対象とする無線タグの選択を受け付ける。
図7は一覧表示の一例を示す図である。
図7に示すように一覧表示には、案内テキストT11、リストL11およびボタンB11,B12を含む。
具体的にはプロセッサ21は、ビーコン信号について測定回路15で測定された受信強度の中の最大値を選出する。この最大値が測定されたビーコン信号から受信回路14にて判定された無線局IDは、現時点での探索支援装置100からの最寄りの無線局300である可能性が高い。そこでプロセッサ21は、該当する無線局IDを最寄りの無線局300の無線局IDとみなす。そしてプロセッサ21は、当該無線局IDで識別される無線局300が最寄りであることを示すものとして案内テキストT11を生成する。
かくしてプロセッサ21は、最寄りの無線局300の設置位置の近辺に、探索支援装置100の現在位置があることを特定しているのである。従って、最寄りの無線局300の無線局IDは、探索支援装置100の現在位置を特定するための情報の一例である。そして制御プログラムに基づく制御処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは第2の取得手段として機能していることになる。
リストL11は、選択セル、登録セル、タグIDセルおよび無線局IDセルの各セルを1行に含む。プロセッサ21は、送受信回路13で収集されたタグIDのそれぞれをタグIDセルに表す。またプロセッサ21は、送受信回路13で収集されたタグIDのそれぞれについて、関連付けデータに含まれているか否かをサーバ500に問い合わせる。サーバ500は、該当のタグIDが関連付けデータに含まれているか否かを携帯情報端末2へと通知する。プロセッサ21はこのような通知に基づいて、関連付けデータに含まれたタグIDを表したタグIDセルと同行の登録セルには「有」を、それ以外の登録セルには「無」をそれぞれ表す。またサーバ500は、該当のタグIDに無線局IDが関連付けられているならば、その無線局IDを携帯情報端末2へと通知する。プロセッサ21はこのような通知に基づいて、タグIDセルに表したタグIDに関連付けられている無線局IDを、同行の無線局IDセルに表す。そしてプロセッサ21は、各行の選択セルには、それぞれにチェックボックスを配置する。チェックボックスの初期状態は、チェック状態および無チェック状態のいずれとしても良い。
使用者は、一覧表示を確認し、関連付けデータにおける関連付けを更新すべきタグIDと同行の選択セルに配置されたチェックボックスをチェック状態とするべく、当該チェックボックスにタッチする。プロセッサ21は、チェックボックスへのタッチがタッチパネル23にて検出されたならば、当該チェックボックスの状態を反転させる。そして、チェック状態のチェックボックスに重ねてチェックマークを表す。
Act7においてプロセッサ21は、終了指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判定したならば、Act8へと進む。
Act8においてプロセッサ21は、登録指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判定したならば、Act7へと戻る。
かくしてプロセッサ21は、Act7およびAct8においては、終了指示または登録指示がなされるのを待ち受ける。
使用者は、必要なチェックボックスの全てをチェック状態にしたのちに、ボタンB11にタッチする。ボタンB11は、関連付けの更新実行を指示するためのボタンである。プロセッサ21は、ボタンB11へのタッチがタッチパネル23にて検出されたことに応じて、Act8にてYesと判定し、Act9へと進む。
Act9においてプロセッサ21は、関連付けデータを更新する。具体的にはプロセッサ21は、関連付けデータの更新を要求するための要求データを生成し、これを通信回路26からサーバ500に宛てて通信ネットワーク400へと送信する。プロセッサ21は、チェック状態であるチェックボックスが配置された選択セルと同行のタグIDセルに表したタグIDを更新の対象として要求データに含める。またプロセッサ21は、前述のように最寄りの無線局300のIDと見なした無線局IDを要求データに含める。
要求データが通信ネットワーク400を介してサーバ500へと伝送されると、サーバ500は、この要求データに従って関連付けデータを更新する。具体的には、サーバ500は、要求データに含まれたタグIDが関連付けデータに既に含まれているならば、そのタグIDと同じデータレコードに含まれた無線局IDを要求データに含まれた無線局IDに書き換える。またサーバ500は、要求データに含まれたタグIDが関連付けデータに含まれていないならば、そのタグIDと要求データに含まれた無線局IDとを記述した新たなデータレコードを関連付けデータに追加する。
かくして関連付けデータは、無線タグ200のそれぞれに関して、その無線タグ200のタグIDを受信できる状況において、最も大きな受信強度で受信することが可能なビーコンを送信する無線局300の無線局IDを関連付けたものとなる。
以上のような関連付けデータと、場所データとに基づけば、無線タグ200のそれぞれの通信エリアが、どの無線局300の設置場所の近辺にあるのかが特定できる。従って関連付けデータにおける無線局IDは、無線タグ200の通信エリアの位置を特定するための情報の一例である。
そしてプロセッサ21が要求データをサーバ500へと送信する処理は、記憶デバイスに記述された関連付けを更新するための処理、あるいは記憶デバイスに新たな関連付けを記憶させるための処理に相当する。かくして制御プログラムに基づく制御処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは処理段として機能する。
Act10においてプロセッサ21は、関連付けデータの更新結果を反映するように、一覧表示を更新する。そしてプロセッサ21はこののち、Act7およびAct8の待ち受け状態に戻る。
使用者は、一覧表示を確認し、関連付けデータの更新の必要がないと判断したならば、ボタンB12にタッチする。ボタンB12は、関連付けデータの更新の終了を指示するためのボタンである。プロセッサ21は、ボタンB12へのタッチがタッチパネル23にて検出されたことに応じて、Act7にてYesと判定し、Act1へと戻る。
さて、使用者は物品の探索を行いたい場合には、探索支援装置100がホーム表示状態であるときに、対象無線タグのタグIDを入力欄に入力した上で、決定ボタンにタッチする。プロセッサ21は、この決定ボタンへのタッチがタッチパネル23で検出されたことに応じて、Act2にてYesと判定し、図6中のAct11へと進む。プロセッサ21はこののちの処理においては、入力欄に入力されたタグIDを対象IDとする。この対象IDで識別される対象無線タグは、探索対象である。かくして制御プログラムに基づく制御処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは設定手段として機能する。
Act11においてプロセッサ21は、タッチパネル23における第1の案内表示を開始する。
図8は第1の案内表示の一例を示す図である。
図8に示すように第1の案内表示は、案内テキストT21およびボタンB21を含む。
案内テキストT21は、対象無線タグを探索中であることを使用者に知らせるものである。ボタンB21は、探索の終了を指示するためのボタンである。
Act12においてプロセッサ21は、探索の終了が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判定したならば、Act13へと進む。
Act13においてプロセッサ21は、無線タグ200をスキャンする。具体的にはプロセッサ21は、通信回路25,16を介してプロセッサ11に対して無線タグ200のスキャンを要求する。この要求に応じてプロセッサ11は、送受信回路13を駆動し、通信可能な全ての無線タグ200をスキャンする。つまりプロセッサ11は、通信可能な全ての無線タグ200のタグIDを収集する。この無線タグ200のスキャンは、既存の無線タグシステムで行われているのと同様な動作により行うことができる。
Act14においてプロセッサ21は、上記のスキャンによりタグIDが1つでも得られたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、タグIDが1つも得られていなかったためにNoと判定したならば、Act12へと戻る。
かくしてAct12〜Act14においてプロセッサ21は、探索の終了が指示されるか、あるいはタグIDが得られるまで、無線タグ200のスキャンを繰り返す。そしてプロセッサ21は、タグIDが受信されたためにAct14にてYesと判定したならば、Act15へと進む。
Act15においてプロセッサ21は、得られたタグIDの中に対象IDが有るか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、対象IDが無いためにNoと判定したならば、Act16へと進む。
Act16においてプロセッサ21は、関連付けデータにて対象IDに対する無線局IDの関連付けがあるか否かを確認する。
具体的にはプロセッサ21は、対象IDを含んだ問合わせデータを生成し、これを通信回路26からサーバ500に宛てて通信ネットワーク400へと送信する。
問合わせデータが通信ネットワーク400を介してサーバ500へと伝送されると、サーバ500は、この問合わせデータに含まれた対象IDに関連付けられた無線局IDを関連付けデータから抽出する。続いてサーバ500は、場所データにて、上記の抽出した無線局IDが含まれるデータレコードに記述された設置場所を判定する。そしてサーバ500は、判定した設置場所を通知するための通知データを、携帯情報端末2に宛てて通信ネットワーク400へと送信する。しかしながら、対象IDに対して無線局IDが関連付けられていない場合もある。また、対象IDに関連付けられた無線局IDが場所データに記述されていない場合もある。プロセッサ21は、これらの場合には、設置場所が不明であることを通知するための通知データを、携帯情報端末2に宛てて通信ネットワーク400へと送信する。
通知データが通信ネットワーク400を介して携帯情報端末2へと伝送されると、この通知データを通信回路26が受信し、プロセッサ21へと与える。プロセッサ21は、設置場所が通知データに示されているならば、Act16にてYesと判定し、Act17へと進む。
Act17においてプロセッサ21は、タッチパネル23における第2の案内表示を開始する。なおプロセッサ21は、これ以前に第2の案内表示を既に行っていた場合には、それを継続する。またプロセッサ21は、これ以前に第2の案内表示以外の案内表示を行っていた場合には、その案内表示は終了する。
図9は第2の案内表示の一例を示す図である。
図9に示すように第2の案内表示には、案内テキストT31,T32およびボタンB31を含む。
案内テキストT31は、対象無線タグが探索範囲外にあることを使用者に知らせるものである。案内テキストT32は、対象無線タグを探索するために移動すべき場所を使用者に知らせるものである。プロセッサ21は、通知データに示された設置場所を含めて案内テキストT32を生成する。ボタンB31は、探索の終了を指示するためのボタンである。
使用者は、第2の案内表示を目視し、案内テキストT32に示された設置場所へと移動する。この設置場所は、無線局300の設置場所であって、探索対象の物品の保管場所ではない。しかしながら、対象無線タグに最寄りであるとみなされた無線局300の設置場所であるため、探索対象の物品の保管場所に近い可能性が高い。このため、使用者がその場所の近辺を任意に移動すれば、探索支援装置100が対象無線タグの通信エリアに入る可能性が高い。
かくして、第2の案内表示は、対象無線タグの識別コードに関連付けられた情報に基づいて、対象無線タグの通信エリアの近傍に使用者を案内するための第2の案内動作の一例である。そして制御プログラムに基づく制御処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは第2の案内手段として機能する。
なお第2の案内表示には、案内テキストT32に代えて、あるいは案内テキストT32に加えて、無線局300の設置場所を表した見取図などを含んでも良い。
一方、プロセッサ21は、通知データが、設置場所が不明であることを通知するものであったならば、Act16にてNoと判定し、Act18へと進む。
Act18においてプロセッサ21は、タッチパネル23における第3の案内表示を開始する。なおプロセッサ21は、これ以前に第3の案内表示を既に行っていた場合には、それを継続する。またプロセッサ21は、これ以前に第3の案内表示以外の案内表示を行っていた場合には、その案内表示は終了する。
図10は第3の案内表示の一例を示す図である。
図10に示すように第3の案内表示には、案内テキストT41,T42およびボタンB41を含む。
案内テキストT41は、対象無線タグが探索範囲外にあることを使用者に知らせるものである。案内テキストT42は、探索対象の物品が保管された場所の付近へと移動すべきであることを使用者に知らせるものである。ボタンB41は、探索の終了を指示するためのボタンである。
使用者は、第3の案内表示を目視したならば、使用者自身の知識を頼りに、あるいは任意の方法で調べて、探索対象の物品が保管された場所の付近へと移動する。
さてプロセッサ21は、探索支援装置100が対象無線タグの通信エリア内に位置しているために対象IDが受信されているならば、Act15にてYesと判定し、Act19へと進む。
Act19においてプロセッサ21は、距離および向きを推定する。ここでプロセッサ21が推定する距離は、探索支援装置100から対象無線タグまでの距離である。プロセッサ21が推定する向きは、探索支援装置100の現在位置に対する対象無線タグの存在位置の向きである。この推定に当たってプロセッサ21は、対象IDが受信された際に測定回路15によって測定された受信強度と、対象IDが受信された際にジャイロセンサ24により検出された探索支援装置100の向きとを参照する。ここでの距離および向きの推定には、例えば特開2014−139753号公報および特開2014−142721号公報に記載された手法、あるいはその他の周知の手法を利用できる。かくして制御プログラムに基づく制御処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは推定手段として機能する。
Act20においてプロセッサ21は、タッチパネル23における第4の案内表示を開始する。なおプロセッサ21は、これ以前に第4の案内表示を既に行っていた場合には、それを継続する。またプロセッサ21は、これ以前に第4の案内表示以外の案内表示のいずれかを行っていた場合には、その案内表示は終了する。
図11は第4の案内表示の一例を示す図である。
図11に示すように第4の案内表示には、チャートC51およびボタンB51を含む。
プロセッサ21は、探索支援装置100の現在位置を中心として、対象無線タグの相対的な位置をPPI(plan position indicator)方式により表すようにチャートC51を生成する。なお、チャートC51中の黒点が、対象無線タグの位置を表す。第4の案内表示を上記のように継続する場合には、探索支援装置100の移動に伴ってチャートC51における黒点の位置が変化することになる。ボタンB51は、探索の終了を指示するためのボタンである。
かくして第4の案内表示は、対象無線タグとの通信状況に基づいて推定した対象無線タグの位置を使用者に案内するための第1の案内動作の一例である。そして制御プログラムに基づく制御処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは第1の案内手段として機能する。
Act21においてプロセッサ21は、Act13で得られたタグIDの中に対象ID以外のタグIDが有るか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、対象ID以外のタグIDが得られていないためにNoと判定したならば、Act12〜Act14の待ち受け状態へと戻る。しかしながらプロセッサ21は、対象ID以外のタグIDが得られているならば、Act22へと進む。なおプロセッサ21は、Act17またはAct18で第2または第3の案内表示を開始したのちにも、Act22へと進む。
Act22においてプロセッサ21は、学習機能が有効に設定されているか否かを確認する。学習機能は、プロセッサ21による別途の設定処理において、探索支援装置100の管理者などによる指示に従って有効/無効が設定される。そしてプロセッサ21は、学習機能が有効に設定されているためにYesと判定したならば、Act23へと進む。
Act23においてプロセッサ21は、探索支援装置100の現在位置における近隣の無線局300を検索する。具体的にはプロセッサ21は、通信回路25,16を介してプロセッサ11に対して無線局300のスキャンを要求する。この要求に応じてプロセッサ11は、受信回路14で受信される全てのビーコン信号のそれぞれから無線局IDを収集する。そしてプロセッサ11は、この収集した無線局IDを、通信回路16,25を介してプロセッサ21へと通知する。そしてプロセッサ21は、各ビーコン信号について測定回路15で測定された受信強度の中の最大値を選出する。プロセッサ21は、この最大値が測定されたビーコン信号から受信回路14にて判定された無線局IDを、近隣の無線局300の無線局IDとする。
Act24においてプロセッサ21は、近隣の無線局300が有ったか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、近隣の無線局300の無線局IDを決定したためにYesと判定したならば、Act25へと進む。
Act25においてプロセッサ21は、関連付けデータの更新処理を行う。具体的にはプロセッサ21は、Act13で得られたタグIDのうちの対象ID以外の各タグIDと近隣の無線局300の無線局IDとを含んだ要求データを生成し、これを通信回路26からサーバ500に宛てて通信ネットワーク400へと送信する。
要求データが通信ネットワーク400を介してサーバ500へと伝送されると、サーバ500は、この要求データに従って前述のように関連付けデータを更新する。
かくして関連付けデータは、探索処理での探索対象ではない無線タグ200のタグIDの受信状況と、ビーコン信号の受信状況とに基づいて更新される。
なおプロセッサ21は、学習機能が無効に設定されているためにAct22にてNoと判定した場合は、Act25における更新処理をパスしてAct12〜Act14の待ち受け状態に戻る。プロセッサ21は、近隣の無線局300が見つからなかったためにAct24にてNoと判定した場合にも、Act25における更新処理をパスしてAct12〜Act14の待ち受け状態に戻る。プロセッサ21は、上記の選出した最大値が予め定めた制限値未満である場合には、近隣の無線局300は無いとしてAct24でNoと判定するようにしても良い。
なお、使用者は、探索を終了する場合には、その時点での案内表示に含まれたボタンB12,B21,B31,B41,B51のいずれかにタッチする。プロセッサ21は、上記のタッチがタッチパネル23で検出されると、Act12にてYesと判定し、図5中のAct1へと戻る。
以上のように第1の実施形態における探索支援装置100によれば、第2の案内表示により、対象無線タグを探索するために移動すべき場所が案内される。この第2の案内表示による案内が行われるのは、探索支援装置100が、対象無線タグの通信エリア外に位置しており、かつ対象IDの関連付けデータでの関連付けが済んでいる場合である。この案内により使用者は、第4の案内表示による案内を受けるためには、どの場所へと移動すれば良いかを認識することができる。
探索支援装置100が、対象無線タグの通信エリア内に位置しているのならば、第4の案内表示により、探索支援装置100の現在位置に対する対象無線タグの相対的な位置が案内される。この案内により使用者は、対象無線タグの位置、すなわち探索対象の物品の位置を、直感的に認識することができる。
無線タグ200の通信エリアが半径5mであるとすると、例えば大規模な工場の敷地内においては、無線タグ200の通信エリアは極めて小さい範囲となる。しかしながら探索支援装置100によれば、使用者はまず、図9に示された第2の案内表示に従って、A倉庫のXブロックへと移動すれば良い。その後に使用者は、第4の案内表示が開始されるまで、その近辺を移動する。そして使用者は、第4の案内表示が開始されたならば、第4の案内表示に従って、探索対象の物品の位置を特定することができる。
このようにして探索支援装置100は、無線タグ200の通信エリア外からの物品の探索を支援できる。
また探索支援装置100によれば、登録のための処理が起動されている場合には、同じ場所において取得することができるタグIDと無線局IDとを関連付けるように、関連付けデータを更新させることができる。これにより、無線タグ200を取り付けた物品を新たに探索支援の対象として追加する場合、あるいは無線タグ200を取り付けた物品の保管場所を変更した場合などにおける関連付けデータの更新に関わる使用者の負担を小さくできる。
また探索支援装置100では、対象無線タグの探索支援のための処理を実行している最中に、対象ID以外のタグIDを受信することがある。そして、その対象ID以外のタグIDと、そのときに受信できるビーコン信号に応じた無線局IDとが、関連付けデータで正しく関連付けられていない場合がある。この場合に探索支援装置100によれば、当該関連付けを記述するように、関連付けデータを更新させることができる。これにより、上記の登録のための処理による関連付けデータの更新が適正に行われなかったとしても、新たに保管された物品または保管場所が変更された物品についての関連付けの登録・修正が自動的に行われる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は第1の実施形態と同じハードウェア構成の探索支援装置100により実現できる。
ただし第2の実施形態においては、メモリ22に格納される制御プログラムが第1の実施形態とは異なる。そしてこの結果、プロセッサ21が実行する制御処理が、第2の実施形態においては第1の実施形態とは一部異なる。
図12は第2の実施形態におけるプロセッサ21による制御処理のフローチャートである。なお図12においては、第1の実施形態との相違する部分のみを示しており、その他の共通する処理についての図示は省略している。また図12において、図6に示されるのと同一の処理に関しては、同一の符号を付して示している。
プロセッサ21は、Act16にてYesと判定したならば、Act31へと進む。
Act31においてプロセッサ21は、対象IDに関連付けデータで関連付けられた無線局IDに応じたビーコン信号(以下、対象信号と称する)の受信を試みる。具体的にはプロセッサ21は、通信回路25,16を介してプロセッサ11に対して該当の無線局IDを通知し、それに応じたビーコン信号の受信を要求する。この要求に応じてプロセッサ11は、受信回路14で受信される全てのビーコン信号のそれぞれから得られる無線局IDの中に上記の通知された無線局IDが含まれるか否かを確認する。あるいはプロセッサ11は、上記の通知された無線局IDに応じたビーコン信号の受信を受信回路14に行わせる。そしてプロセッサ11は、対象信号を受信できたか否かを少なくとも表した通知データを、通信回路16,25を介してプロセッサ21へと通知する。プロセッサ11は、対象信号を受信できた場合には、受信強度と向きとを通知データに表す。受信強度は、例えば対象信号に関して測定回路15で測定された受信強度とする。向きは、その受信強度が得られた時点においてジャイロセンサ24により検出された探索支援装置100の向きとする。
Act32においてプロセッサ21は、上記の通知データに基づいて、対象信号を受信できたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、対象信号を受信できていないためにNoと判定したならば、Act17へと進む。この場合にプロセッサ21は、その後は第1の実施形態と同様に処理する。しかしながらプロセッサ21は、対象信号を受信できていたためにAct32にてYesと判定したならば、Act33へと進む。
Act33においてプロセッサ21は、距離および向きを推定する。ここでプロセッサ21が推定する距離は、対象IDに関連付けデータで関連付けられた無線局IDで識別される無線局300までの探索支援装置100からの距離である。プロセッサ21が推定する向きは、上記の無線局300の設置位置についての探索支援装置100の現在位置に対する向きである。この推定に当たってプロセッサ21は、通知データに示された受信強度と向きとを参照する。ここでの距離および向きの推定には、例えば特開2014−139753号公報および特開2014−142721号公報に記載された手法を流用できる
Act34においてプロセッサ21は、第5の案内表示を開始する。なおプロセッサ21は、これ以前に第5の案内表示を既に行っていた場合には、それを継続する。またプロセッサ21は、これ以前に第5の案内表示以外の案内表示のいずれかを行っていた場合には、その案内表示は終了する。
図13は第5の案内表示の一例を示す図である。
図13に示すように第5の案内表示には、チャートC61、案内テキストT61およびボタンB61を含む。
プロセッサ21は、探索支援装置100の現在位置を中心として、対象IDに関連付けデータで関連付けられた無線局IDで識別される無線局300の相対的な位置をPPI方式により表すようにチャートC61を生成する。なお、チャートC61中の星印が、該当の無線局300の位置を表す。第5の案内表示を上記のように継続する場合には、探索支援装置100の移動に伴ってチャートC61における星印の位置が変化することになる。案内テキストT61は、対象無線タグを探索するために移動すべき場所を使用者に知らせるものである。ボタンB61は、探索の終了を指示するためのボタンである。
そしてプロセッサ21はこののち、Act22へと進み、その後は第1の実施形態と同様に処理する。
以上のように第2の実施形態における探索支援装置100によれば、探索支援装置100が、対象無線タグの通信エリア内に位置しているのならば、第1の実施形態と同様に第4の案内表示による探索支援が行える。
そして第2の実施形態における探索支援装置100では、ビーコン信号の受信状況から推定した無線局300の位置と探索支援装置100の位置との相対的な関係を表すチャートC61を含んだ第5の案内表示による探索支援を行う。この第5の案内表示による探索支援が行われるのは、関連付けデータでの関連付けが済んでいる対象無線タグの通信エリア外に位置していて、対象無線タグに関連付けられた無線局300からのビーコン信号を受信できる場合である。この第5の案内表示によって使用者は、第4の案内表示による探索支援を受けるためにどの方向へと移動すれば良いかを直感的に認識することができる。
このほか、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果が得られる。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
前記各実施形態では、それぞれ独立した通信ユニット1と携帯情報端末2とを組み合わせて探索支援装置100を形成している。しかしながら探索支援装置は、一体的な装置として構成しても良いし、あるいは3つ以上のユニットの組み合わせにより構成しても良い。
前記各実施形態では、場所データおよび関連付けデータの少なくとも一方を、探索支援装置100の内部で記憶しても良い。そしてこの場合、該当するデータを記憶するためにメモリ12,22のいずれかを用いても良いし、該当するデータを記憶するために他のメモリを設けてもよい。
前記各実施形態では、無線タグ200の通信エリアの位置を特定するための情報は、タグIDと無線局300の設置場所とを関連付けたデータとしても良い。ただしこの場合、当該情報の登録および更新には前記第1の実施形態に示した処理は適用できず、データ更新を具体的に指示する操作を作業者が行わなければならない。
前記各実施形態では、場所データにおいては、無線局300以外の物の設置場所を表していても良い。例えば、無線タグ200が取り付けられた物品を保管するための棚が設置された倉庫を場所データに記述しても良い。この場合、関連付けデータでは、タグIDに対して、棚の識別コードを関連付けておく。そしてこの場合は、例えば棚に取り付けたバーコードをバーコードリーダにより読み取ることで棚の識別コードを取得することが考えられる。つまり、関連付けデータにおいてタグIDに関連付ける識別コードを取得する手法は、ビーコン信号の受信による手法には限定されず、他の任意の手法で代用できる。
第2の実施形態における第5の案内表示では、案内テキストT61に[A倉庫Bブロック]などのような具体的な場所の表記を含めないようにするか、あるいは案内テキストT61を含めないようにしても良い。また、第2の実施形態では、第2の案内表示に代えて第3の案内表示を行っても良い。そして、これら2つの変形をいずれも適用する場合には、場所データを不要とすることができる。
第2の実施形態における第5の案内表示では、精度の異なる複数の位置検出手法のそれぞれに従って、段階的に案内内容を変化させても良い。例えば、携帯情報端末としてGPS(global positioning system)を利用する測位回路を備えたものを用い、この測位回路での測位結果を用いた案内を追加することが想定される。一例としては、無線局300の通信エリアを半径10mとした場合、無線局300から半径10m程度の範囲内に探索支援装置100が入るまでの案内を上記の測位回路での測位結果に基づいて行う。そして、無線局300からのビーコン信号を探索支援装置100が受信できる状態になったならば、ビーコン信号の受信状況に基づく案内を前述のように行う。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。