JP2016218066A - マスクの表面を検査するための装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の1つの態様によれば、マスクの表面を検査するための装置が、マスクの表面と相互作用するプローブ、および、基準点からのマスクの基準距離を確定するための測定装置を備え、測定装置は、マスクの表面上に配置されていないマスクの測定領域においてマスクの基準距離を測定する。
【選択図】図1
Description
しかし、それらのスケールで表面検査を行う場合に生じる問題は、この目的のために使用される装置が外的擾乱にさらされる可能性があり、外的擾乱が、所望の測定精度を達成することがもはや不可能となる程度にまで、検査のために使用される顕微鏡プローブに影響しかつ妨害し得ることから成る。
この問題を改善するために、例えば、米国特許出願公開第2006/0033024号、および論文A. W. Sparks and S. R. Manalis, "Atomic force microscopy with inherent disturbance suppression for nanostructure imaging", Nanotechnology 17 (2006), p. 1574 - 1579, 21.02.2006, doi:10.1088/0957-4484/17/6/007では、擾乱を本質的に抑制する能力を有する走査プローブ顕微鏡が説明されている。走査プローブ顕微鏡法を用いて検査対象の表面の特性を測定するための装置が、表面の特性を検出する局所的プローブ(localized probe)と、局所的プローブに機械的に連結されかつ局所的プローブに隣接して配置された非局所的センサ(delocalized sensor)とを備える。この構成は、擾乱に対する走査プローブ顕微鏡の感受性を低下させることを可能にする。
論文G. Schitter and A. Stemmer, "Eliminating mechanical perturbations in scanning probe microscopy", Nanotechnology 13 (2002), p. 663 ff., 20.09.2002, doi:10.1088/0957-4484/13/5/324には、距離センサで振動を検出し、測定されたトポロジー信号から遡及的に振動を除去することにより、走査プローブ顕微鏡における機械的振動を除去するための方法が開示されている。
しかし、従来技術で知られている方法および装置の欠点は、非局所的(距離)センサが常に検査表面のトポグラフィの実測に使用されるプローブに隣接して配置されることである。したがって、センサおよびプローブは、検査表面上の異なる領域または点を測定し、そのことが、計算により機械的擾乱を除去する際、または機械的擾乱を抑制する際に、不正確さをもたらし得る。しかし、構造上の理由のために、センサをプローブに任意に近づけることができない。
さらに、例えば、プローブがまだ検査表面を測定している間に、センサの測定領域が検査表面の縁を越えて変位される可能性があり、その逆もまた同様である。このことは、従来技術で知られた方法および装置は検査対象の検査表面全体の測定を可能としないこと、ならびに、センサおよびプローブによって同時に検出され得ない表面の縁の帯状部分が常に残ることを意味する。したがって、この縁の帯状領域における機械的擾乱の直接的な補償は、いかなるものであれ存在し得ない。
したがって、測定領域は、この例示的な実施形態では、プローブによって検査されるマスクの表面上には位置しない。むしろ、測定領域は、マスクの異なる表面上、例えば検査される表面の反対側に位置するマスクの表面上に位置する。
ここで、プローブと表面との間の相互作用は、例えば力またはトンネル電流によって特徴付けられ得る。例として、プローブと表面との相互作用は、プローブと表面との間のファンデルワールス力に基づき得るか、またはそのような力を含み得る。当業者は、さらなる相互作用の可能性を認識している。
測定装置は、検査される構造および特性を備えかつプローブによって測定されるマスクの表面上に配置されていないマスクの測定領域においてマスクの基準距離を測定するので、測定装置は、測定装置の配置がプローブの所望の配置を妨げることなしに、またその逆の場合も同様に、外的擾乱の補償が最適化されるように、位置決めされ得る。
例として、測定領域は、先の表面の反対側に面したマスクの側上に配置され得る。
例として、検査の際に、変位可能であってもよい位置決めテーブル(下記参照)上にマスクが位置する場合、位置決めテーブルは、例えば、透明な材料(既知の屈折率を有してもよい)で構成されそれにより位置決めテーブルを通した光学的距離測定を可能にすることにより、「下からの」測定を可能にすることができる。または、位置決めテーブルは、検査されるマスクの領域に切抜き部を有する一種のフレームとして具現化され、その切抜き部を通して距離が測定され得る。さらなる選択肢が、当業者にはその技術的知識から明白である。
具体的には、測定領域、およびプローブの測定点は、マスクの異なる側上に実質的に相対して位置し得る。
ここで、「実質的に」とは、構成的見地から、また測定領域の範囲を考慮に入れて、これを正確に調整できるという程度の意味であり得る。実際に非常に近似していることが認められた、外的擾乱が検査されるマスクの厚さの変動をもたらさないという仮定の下では、プローブの測定点の正反対での測定装置の測定領域の配置は、装置またはマスク内での擾乱の伝播効果をほとんど無視することができるので、外的擾乱の特に良好な補償を可能にすることができる。さらに、そのような配置は、例えば、プローブがまだマスクを測定しているのに測定装置がすでにマスクの表面の縁を越えて駆動されてしまったということが起こらないので、マスクの(ほぼ)全表面を検査するのを可能にすることができる。
測定装置は、光学干渉の原理および/または容量性距離測定の原理に従って動作することができる。そのような構成は、構成的見地および費用の観点から有利であり得る。さらに、そのような測定装置は、容易に調整および較正することができ、またそれらの測定装置は、所望の精度範囲での測定を可能にする。測定装置はまた、当業者に知られた異なる測定原理に従って動作することができる。
測定装置は、マスクに対するプローブの運動がマスクに対する測定装置の運動をもたらすように、プローブに機械的に連結され得る。
例として、測定装置およびプローブは、一構造ユニットとして構成され得る。
本発明のさらなる態様によれば、最初に述べられた本発明の基本的な目的は、マスクの表面を検査するための装置によって少なくとも部分的に達成され、この装置は、1つの実施形態では、マスクの表面と相互作用するプローブを有し、また、第1の基準点からのマスクの第1の基準距離を確定するための第1の測定装置と、第2の基準点からのマスクの第2の基準距離を確定するための第2の測定装置とを有する。
第1の測定装置および第2の測定装置を使用することによって達成できることは、装置を使用することによりマスクの表面のより大きな領域を測定できること、および、表面の縁領域への外挿が必要とされなくなるかまたはその量が減少されることである。例として、第1の測定装置および第2の測定装置は、プローブの異なる側上に配置され得る。装置は第3、第4の測定装置を有することも可能であり、またさらなる測定装置を有してもよい。
第1の測定装置の第1の測定領域と第2の測定装置の第2の測定領域が全く重複しないことが可能である。
すでに上述したように、測定領域が全く重複せず、したがって2つの測定装置がマスクの表面の異なる領域をカバーすることが可能であることにより達成できることは、2つの測定装置のうちの少なくとも1つが、なおもプローブのそれぞれの(または少なくともほぼそれぞれの)測定位置においてマスクの表面を検出することである。したがって、可能な限り大きなマスクの表面の領域を直接的な擾乱補償を伴って検査することができ、また、例えばマスクの縁領域への外挿を回避するかまたは減少させることができる。
第1の測定装置および/または第2の測定装置は、光学干渉の原理および/または容量性距離測定の原理に従って動作することができる。第1の測定装置および/または第2の測定装置はまた、当業者に知られた異なる測定原理に従って動作することができる。
第1の基準点は、第1の測定装置の一点とすることができ、および/または、第2の基準点は、第2の測定装置の一点とすることができる。
さらに、第1の測定装置および第2の測定装置は、互いに機械的に連結されてもよい。
これらの改良可能性の利点は、測定領域がプローブによって検査されるマスクの表面上に配置されていない測定装置に関する論述の範囲内ですでに上述されており、そこでなされた論議は、ここで論じられた第1の測定装置および第2の測定装置に転用することができる。
第1の測定装置および/または第2の測定装置が、プローブによって検査されるマスクの表面上に配置されていないマスクの測定領域においてマスクの基準距離を測定する上記の測定装置のように具現化されることすら可能である。したがって、そのような測定装置に関してさらに上記で説明された全ての特徴は、第1および/または第2の測定装置にも使用することができ、その逆も同様である。
マスクの表面を検査するための装置に対する擾乱の作用が一般に物理的に複雑なプロセスをもたらすことは、すでに上記で説明された。したがって、外的擾乱は、一般にz−方向において作用するだけでなく、xy−方向における成分も有する。さらに、そのような擾乱は、有限伝播速度のみを有し、すなわち、そのような擾乱は、異なる時点においてまた異なる強度で装置内を伝播して、装置の異なる領域に影響を及ぼすことになる。さらに、プローブと測定装置との間、また場合によりマスクとの間の連結の程度は、プローブおよび測定装置が外的擾乱にどのように反応してマスクに対して移動するかに影響を及ぼす可能性がある。必要に応じ、このことは、評価中に考慮されなければならない。
また、向上された外的擾乱の影響のモデル化は、プローブに隣接して配置された単一の測定装置のみが使用される場合に、マスクの縁領域への向上された擾乱補償の外挿を可能にすることができる。この結果として、本発明による装置の測定精度を向上させることが可能である。
例として、擾乱の有限伝播速度は、プローブからの信号と測定装置からの信号との間の位相差を確定することによって説明され得る。そしてこのことは、プローブと測定装置とを装置内に互いに隔てて配置することを可能にし、それにもかかわらず、外的擾乱の良好な補償を−マスクの縁領域においてですら−達成することを可能にすることができる。このことにより、そのような装置の構造的な設計を単純にすることができる。
さらに、相関ユニットを含む装置の測定装置は、上記のような装置の第1の測定装置および/または第2の測定装置として具現化することができる。その場合、複数の相関ユニットを使用することも可能である。したがって、そのような第1および/または第2の測定装置に関して説明された全ての特徴は、ここで説明された相関ユニットを含む装置の測定装置に同様に転用することができ、その逆も同様である。
本発明のさらなる態様によれば、最初に述べられた本発明の基本的な目的は、マスクの表面を検査するための装置によって少なくとも部分的に達成され、この装置は、1つの実施形態では、マスクの表面と相互作用するプローブを有し、また、基準点からのマスクの基準距離を確定するための測定装置を有する。ここで、測定装置は、マスクの測定領域においてマスクの基準距離を測定し、プローブの測定点は、測定領域内に位置する。
したがって、この実施形態では、基準距離を確定するために使用されるマスクの表面上の測定領域は、プローブの測定点を含み、それにより、この実施形態では、擾乱補償は、少なくともプローブの測定点の「極近傍」に対して常に可能となる。具体的には、このことは、測定装置の測定領域がすでにマスクの縁を完全に越えて駆動されていながらもプローブの測定点がなおもマスク表面上に位置する状況を回避することを可能にする。
例として、プローブは、原子間力顕微鏡の片持ち梁とすることができる。ここで、片持ち梁によって反射される光または測定装置の測定領域での片持ち梁の「影付け」が、影を落とされていない測定領域においてマスク表面によって反射される光に対して無視できるほどであるように、ビーム経路および測定装置の測定領域の範囲が選択された場合、ビーム経路内に片持ち梁を配置するのにもかかわらず、基準距離に関して十分に高い測定精度を得ることが可能である。ここで、原子間力顕微鏡の片持ち梁に関する言及は、単に一例と見なされるべきであり、当業者は、直前に説明された原理が、表面を検査するための他のタイプのプローブにも転用され得ることを認めるであろう。
測定領域上に平行にされた光線の像を描くことにより、基準距離の測定の測定精度を向上させるか、測定を単純化することができる。このことはまた、測定領域にわたる基準距離の測定値の平均化を促進することができる。例として、反射要素の使用は、装置の設置スペースを節約するか、または違った方法で装置の設計を簡略化するのに役立ち得る。
例として、反射要素は、平面鏡として具現化することができる。反射要素は、凹面鏡として、具体的には放物面鏡として具現化することもできる。異なる形状の鏡も同様に考えられる。
さらに、ここで説明された装置の測定装置は、相関ユニットを含む装置の測定装置として具現化することもできる。したがって、そのような測定装置に関して説明された全ての特徴は、ここで説明された装置の測定装置に同様に転用することができ、その逆も同様である。
本発明による装置は、装置を制御可能な擾乱にさらすように構成された擾乱源をさらに有することができる。
装置の通常動作中に起こり得るような不規則な擾乱とは対照的に制御可能な擾乱を導入することにより、制御可能な擾乱に対する装置の反応を綿密に検査することが可能になり、したがって、装置の非常に正確な較正を行うことが可能になる。
アクチュエータは、位置決めテーブルを所望される通りに変位させることを可能にする、複雑な構造的設備であると理解され得る。この目的のために、アクチュエータは、複数の個別の構成要素を有し得る。例として、アクチュエータは、位置決めテーブルを1つまたは複数の空間的方向において変位させることが可能な複数の圧電調整器を有し得る。例として、アクチュエータは、プローブと表面との間の相互作用の強さが実質的に一定に保たれるように位置決めテーブルをプローブに対して変位させるように構成され得る。アクチュエータはまた、検査される表面がプローブによって走査されるように位置決めテーブルを変位させるように構成され得る。
例として、上述のxy−平面内での(または、異なる既定の平面での)位置決めテーブルの位置を確定するために、1つもしくは複数の光学干渉計および/または容量性距離測定ユニットがロケータとして使用され得る。このことは、z−方向に垂直に作用する外的擾乱の成分のより良好な検出にも貢献することができ、また、測定または測定結果からそれらを排除することに貢献することができる。したがって、そのようなロケータは、装置の達成可能な測定精度をさらに向上させることができる。
一般に、位置決めテーブルを変位させるためのアクチュエータに関する記述と同様の記述が、変位ユニットに適用される。したがって、変位ユニットは、例えば、プローブを1つまたは複数の空間的方向において変位させることが可能な、1つまたは複数の圧電調整器を有し得る。
本発明による装置はまた、既定の平面内でのプローブの位置を決定するためのプローブロケータを有することができる。例として、プローブロケータは、位置決めテーブルによって画定された平面内、またはマスクの表面によって画定された平面内でのプローブの位置を提供することができる。ここでもまた、例えば1つまたは複数の光学干渉計および/または容量性距離測定ユニットを使用することが可能である。
したがって、位置決めテーブルの変位およびプローブの変位は、それぞれ単独でまたは互いに組み合わせて使用され得る、本発明による装置の2つの可能な動作形態を構成する。
さらに、本発明による装置は、所定の運動の順序に従った位置決めテーブルの変位および/またはプローブの変位によって較正されるように具現化され得る。
具体的には、装置内に存在する全てのセンサ、プローブ、および測定装置のスケールは、所定の運動の順序に従った位置決めテーブルおよび/またはプローブの変位によって決定することができ、それらの構成要素のスケールは、互いに正規化され得る。そのような正規化が省略された場合、例えば外的擾乱のように思われるが構成要素の異なる測定スケールに基づく不自然な影響が、測定結果に現れる可能性がある。
既定の運動の順序に従った位置決めテーブルおよび/またはプローブの変位、ならびにそのような適応パラメータの決定は、二者択一的に、または互いに組み合わせて用いることができる。
したがって、補償ユニットは、外的擾乱はすでに対応策により測定中に直接抑制されているが、遡及的に計算することにより外底擾乱の影響を得られた測定信号から除去する必要がないように、または、せいぜい部分的に除去すれば十分なように、一種の「雑音消去」を可能にすることができる。
この目的のために、例えば、すでに言及された原子間力顕微鏡法もしくは走査トンネル顕微鏡法の原理、またはこの目的に適した従来技術からの他の原理および方法を使用することができる。
ここで、本発明の範囲内で論じられた様々な機能上の構成要素、装置、およびユニットはまた、必ずしも別個の構造構成要素を構成する必要はないという事実について、さらに言及する。むしろ、機能上の構成要素、装置、およびユニットのうちの複数を、またはその全てですら、一体の構造構成要素に組み合わせることができる。さらに、単一の、いくつかの、または全ての機能上の構成要素が、実行されると対応する構造構成要素にそれぞれの機能性を提供させるソフトウェアによって実現されることも可能である。
本発明のさらなる態様が、マスクの表面を検査するための方法によって形成され、その方法では、本発明による装置の一実施形態が使用される。
以下の詳細な説明は、以下の図面を参照しながら、本発明の可能な実施形態について説明する。
さらに、簡潔さの理由から、以下においては本発明がそれに限定されることなしに常にリソグラフィマスクの表面の検査に関して説明されることに言及する。むしろ、本発明の範囲内では、様々なタイプの検査対象の表面を検査することも可能である。
この目的のために、マスク110は、例えば位置決めテーブル(ここでは図示せず)上に設置することができ、位置決めテーブルは、位置決めテーブルを1つまたは複数の空間的方向において変位させるように具現化されたアクチュエータ(同じくここでは図示せず)に接続することができる。別法としてまたはさらに、プローブ130も能動的に変位させることができる。この目的のために、装置100は、プローブ130を1つの空間的方向または複数の空間的方向において変位させるように具現化された変位ユニット(図示せず)を有することができる。
プローブ130の先端とマスク表面120との間の相互作用170を使用してマスク表面120を検査するための基本的方法は、当業者に知られている。したがって、この点に関しては、本明細書ではこれ以上詳しく論述しない。
例として、測定装置140は、光学干渉の原理および/または容量性距離測定の原理に従って動作することができる。当業者に知られた他の測定原理も同様に、測定装置140で使用することができる。例として、測定装置140は、レーザ干渉計であってもよい。
そこからマスク110の基準距離145が測定される基準点147は、この場合、例えば測定装置140の任意の点とすることができる。例として、測定装置140がレーザ干渉計である場合、基準点147は、例えば、干渉計の射出レンズ要素上の一点、または干渉計のセンサ上の一点、等であり得る。
プローブ130の測定信号、および測定された基準距離145を分析することにより、装置100への外的擾乱の影響とマスク110の表面120に関する構造情報とを区別するために装置100を使用することができ、したがって、外的擾乱の憂慮すべき影響を計算により少なくとも部分的に補償するかまたは測定結果から除去することができる。
図2aは、マスク110が載せられた位置決めテーブル180を明確に示す。位置決めテーブル180は、位置決めテーブル180を少なくとも1つの空間的方向において変位させることを可能にするアクチュエータ185に接続される。例として、アクチュエータ185は、1つまたは複数の圧電調整器、および/またはスピンドルドライブ、等を有し得る。別法としてまたはさらに、プローブ130もまた、すでに上述されたように、変位ユニットによって能動的に変位され得る。
座標系290が、図2aの右上に示されている。座標系290から推測され得るように、マスク110の表面120上の測定点135からプローブ130までの方向は、z−方向で表される。この方向は、この場合では位置決めテーブル180によって画定された平面と一致する、xy−方向に位置する平面に対して垂直である。しかし、基本的に、z−方向が位置決めテーブル180によって画定された平面から傾いていること、すなわちテーブルの平面がxy−平面と一致しないことも考えられる。x−方向、y−方向、およびz−方向に関するこれらの記述は、本明細書で説明される本発明の他の全ての実施形態にも転用することができ、それが、座標系290が図2aに1度だけ示されている理由である。
装置200は、第1の基準点247からのマスク110の第1の基準距離245を確定するための第1の測定装置240と、第2の基準点257からのマスク110の第2の基準距離255を確定するための第2の測定装置250とを有する。ここには示されていないが、装置200がさらなる基準距離を確定するためのさらなる測定装置を有することも可能である。
図2aは、第1の測定装置240とプローブ130との間の第1の機械式連結器260、および、第2の測定装置250とプローブ130との間の第2の機械式連結器265をさらに示す。第1の測定装置240と第2の測定装置250との間の直接の機械式連結は示されていないが、当業者は、そのような連結が同様に存在し得ることを理解するであろう。
第1の機械式連結器260は、マスク110に対する第1の測定装置240の運動をもたらす、マスク110に対するプローブ130の運動をもたらすことができる。第2の機械式連結器265は、マスク110に対する第2の測定装置250の運動をもたらす、マスク110に対するプローブ130の運動をもたらすことができる。上記ですでに示されたように、第1の機械式連結器260または第2の機械式連結器265の設計は、プローブ130からの測定信号および第1または第2の測定装置240、250からの測定信号の相関関係に影響を与え得る。そのような相関関係を使用して擾乱を抑制することにより、装置200を通じて達成可能な測定精度を向上させることができる。プローブが能動的に変位される場合においてそれぞれの測定装置240、250がプローブ130と一緒に変位されるような機械式連結の可能性については、すでに論述された。例として、第1の測定装置240および/または第2の測定装置250は、プローブ130と一緒に一構造ユニットとして構成され得る。
装置300は、基準点347からのマスク110の基準距離345を確定するための測定装置340をさらに有する。ここで、測定装置340は、測定領域348において基準距離を測定する。
測定装置340の可能な実施形態、ならびに基準距離345、測定領域348、および基準点347の位置に関するさらなる詳細に関しては、図1ならびに図2a〜bに示された装置100および200に関する対応する説明が参照され、その説明は、ここに示された装置300に同様に転用することができる。
ここで、測定装置340は、プローブ130によって検査されるマスク110の表面120上に配置されていないマスク110の測定領域148における基準点147からのマスク110の基準距離145を測定する測定装置140としても具現化され得る。そのような装置300の実施形態は、図3bに明確に示されている。ここで、図1における実施形態100に関する論述の範囲内で測定装置140に関してなされた全ての記述は、ここに示された事例にも転用することができる。
装置400は、基準点からのマスク110の基準距離を確定するための測定装置440を有する。基準点は、図4a〜bには明確には示されていない。例として、基準点は、測定装置440のセンサ上に位置してもよく、または、基準点は、測定装置440の異なる点として画定されてもよい。基準距離および基準点の位置に関するさらなる詳細に関しては、上記の対応する説明が参照される。
構造的見地から、測定領域448内でのプローブ130の測定を可能にするために、ここに示された測定装置440は、ビーム経路441を有し、このビーム経路441内にプローブ130が配置される。
具体的には、測定装置440のビーム経路441は、測定領域448上に(おおよそ、すなわち、技術的に実現可能な程度で)平行にされた光線443の像を描く、反射要素442を有することができる。例として、このことは、構成的見地から装置400のコンパクトな実現を可能にし得る。
それに反して、図4bに示された装置400の実施形態では、反射要素442は平面鏡である。反射要素442は、平行にされた光線443を、依然として(おおよそ)平行な光線として測定領域448上に誘導する。このことは、プローブ130による影付けの影響を特に優れた態様で最小限に抑えることができ、また、基準距離の(平均化された)距離測定をさらに促進することができる。
上記でなされた記述から、本明細書で説明された装置100、200、300、および400は本発明の範囲内で−それらが(構造的にまたは)技術的に矛盾しない範囲で−多くの異なる方法で互いに組み合わせられ得ること、および、本明細書において明確に示された例示的な実施形態は単に本発明の理解を促進するのに役立つ例を構成するにすぎないことが、当業者には明らかであろう。
例として、本発明による装置100、200、300、400は、装置100、200、300、400を制御可能な擾乱にさらすように構成された擾乱源を有することができる。このことは、制御可能な状況下でのデバイス100、200、300、400に対するそのような外的擾乱の影響の検査に役立つことができ、したがって、擾乱補償の向上に貢献する。
本発明による装置100、200、300、400はまた、位置決めテーブルによって画定された平面内での位置決めテーブル180の位置を決定する働きをする、1つ(または複数の)ロケータを有することができる。すでに述べたように、位置決めテーブルは、例えば、プローブ130の測定方向を表すz−方向が位置決めテーブル180によって画定された平面に垂直であるように、xy−平面に配置され得る。例として、そのようなロケータは、位置決めテーブル180に隣接して配置されまたその測定領域が位置決めテーブル180の縦縁上に配置される、レーザ干渉計および/または容量的に測定する距離センサとして構成され得る。そのようなロケータは、外的擾乱に対する装置100、200、300、400の反応に関する追加の情報を提供し、それにより擾乱補償を向上させることができる。
一般に、位置決めテーブル180を変位させるためのアクチュエータ185に関する記述と同様の記述が、変位ユニットに適用される。したがって、変位ユニットは、例えば、プローブ130を1つまたは複数の空間的方向において変位させることが可能な、1つまたは複数の圧電調整器を有し得る。
したがって、位置決めテーブル180の変位およびプローブ130の変位は、それぞれ単独でまたは互いに組み合わせて使用され得る、本発明による装置100、200、300、400の2つの可能な動作形態を構成する。
本発明による装置100、200、300、400は、装置100、200、300、400を制御するための信号に補償信号を適用することにより外的擾乱を補償する補償ユニットを有することができる。したがって、擾乱補償は、「雑音消去」により、少なくとも部分的に能動的な態様で実行され得る。例として、補償信号が適用される信号は、位置決めテーブル180のアクチュエータ185を制御すること、および/または変位ユニットを制御することに役立ち得る。
110 マスク
120 表面
125 側
130 プローブ
135 測定点
140 測定装置
145 基準距離
147 基準点
148 測定領域
160 機械式連結器
170 両矢印、相互作用
180 位置決めテーブル
185 アクチュエータ
200 装置
240 第1の測定装置
245 第1の基準距離
247 第1の基準点
248 第1の測定領域
250 第2の測定装置
255 第2の基準距離
257 第2の基準点
258 第2の測定領域
260 第1の機械式連結器
265 第2の機械式連結器
290 座標系
300 装置
340 測定装置
345 基準距離
347 基準点
348 測定領域
360 機械式連結器
390 相関ユニット
400 装置
440 測定装置
441 ビーム経路
442 反射要素
443 平行にされた光線
448 測定領域
Claims (35)
- マスク(110)の表面(120)を検査するための装置(100)であって、
a. 前記マスク(110)の前記表面(120)と相互作用するプローブ(130)、および
b. 基準点(147)からの前記マスク(110)の基準距離(145)を確定するための測定装置(140)
を備え、
c. 前記測定装置(140)が、前記マスク(110)の前記表面(120)上に配置されていない前記マスク(110)の測定領域(148)において前記マスク(110)の前記基準距離(145)を測定する、装置(100)。 - 前記測定領域(148)が、前記表面(120)の反対側に面した前記マスク(110)の側(125)上に配置される、請求項1に記載の装置(110)。
- 前記測定領域(148)、および前記プローブ(130)の測定点(135)が、前記マスク(110)の異なる側上に実質的に相対して位置する、請求項2に記載の装置(110)。
- 前記基準点(147)からの前記マスク(110)の前記基準距離(145)が、前記測定領域(148)にわたって平均化された距離である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置(100)。
- 前記測定装置(140)が、光学干渉の原理および/または容量性距離測定の原理に従って動作する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の装置(100)。
- 前記基準点(147)が、前記測定装置(140)の一点である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の装置(100)。
- 前記測定装置(140)が、前記マスク(110)に対する前記プローブ(130)の運動が前記マスク(110)に対する前記測定装置(140)の運動をもたらすように、前記プローブ(130)に機械的に連結される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の装置(100)。
- マスク(110)の表面(120)を検査するための装置(200)であって、
a. 前記マスク(110)の前記表面(120)と相互作用するプローブ(130)、
b. 第1の基準点(247)からの前記マスク(110)の第1の基準距離(245)を確定するための第1の測定装置(240)、および
c. 第2の基準点(257)からの前記マスク(110)の第2の基準距離(255)を確定するための第2の測定装置(250)
を備える、装置(200)。 - 前記第1の測定装置(240)の第1の測定領域(248)および前記第2の測定装置(250)の第2の測定領域(258)が全く重複しない、請求項8に記載の装置(200)。
- 前記第1の基準点(247)からの前記マスク(110)の前記第1の基準距離(245)が、前記第1の測定装置(240)の第1の測定領域(248)にわたって平均化された距離であり、および/または、前記第2の基準点(257)からの前記マスク(110)の前記第2の基準距離(255)が、前記第2の測定装置(250)の第2の測定領域(258)にわたって平均化された距離である、請求項8または9に記載の装置(200)。
- 前記第1の測定装置(240)および/または前記第2の測定装置(250)が、光学干渉の原理および/または容量性距離測定の原理に従って動作する、請求項8から10までのいずれか1項に記載の装置(200)。
- 前記第1の基準点(247)が前記第1の測定装置(240)の一点であり、および/または、前記第2の基準点(257)が前記第2の測定装置(250)の一点である、請求項8から11までのいずれか1項に記載の装置(200)。
- 前記プローブ(130)が、前記マスク(110)に対する前記プローブ(130)の運動が前記マスク(110)に対する前記第1の測定装置(240)の運動をもたらすように、前記第1の測定装置(240)に機械的に連結され、および/または、前記プローブ(130)が、前記マスク(110)に対する前記プローブ(130)の運動が前記マスク(110)に対する前記第2の測定装置(250)の運動をもたらすように、前記第2の測定装置(250)に機械的に連結される、請求項8から12までのいずれか1項に記載の装置(200)。
- 前記第1の測定装置(240)および/または前記第2の測定装置(250)が、請求項1から7までのいずれか1項に記載の測定装置(140)として具現化される、請求項8から13までのいずれか1項に記載の装置(200)。
- マスク(110)の表面(120)を検査するための装置(300)であって、
a. 前記マスク(110)の前記表面(120)と相互作用するプローブ(130)、
b. 基準点(347)からの前記マスク(110)の基準距離(345)を確定するための測定装置(340)、および
c. 前記プローブ(130)からの測定信号と前記測定装置(340)からの測定信号とを互いに関連させるように具現化された相関ユニット(390)
を備える、装置(300)。 - 前記相関ユニット(390)が、前記プローブ(130)からの前記測定信号と前記測定装置(340)からの前記測定信号との間の位相差を確定するように構成された位相解析器を有する、請求項15に記載の装置(300)。
- 前記測定装置(340)が、請求項1から7までのいずれか1項に記載の測定装置(140)として具現化される、請求項15または16に記載の装置(300)。
- 前記測定装置(340)が、請求項8から14までのいずれか1項に記載の第1の測定装置(240)および/または第2の測定装置(250)として具現化される、請求項15または16に記載の装置(300)。
- マスク(110)の表面(120)を検査するための装置(400)であって、
a. 前記マスク(110)の前記表面(120)と相互作用するプローブ(130)、および
b. 基準点からの前記マスク(110)の基準距離を確定するための測定装置(440)
を備え、
c. 前記測定装置(440)が、前記マスク(110)の測定領域(448)において前記マスク(110)の前記基準距離を測定し、
d. 前記プローブ(130)の測定点(135)が、前記測定領域(448)内に位置する、装置(400)。 - 前記測定装置(440)が、ビーム経路(441)を有し、前記プローブ(130)が、前記測定装置(440)の前記ビーム経路(441)内に配置される、請求項19に記載の装置(400)。
- 前記測定装置(440)の前記ビーム経路(441)が、前記測定領域(448)上に平行にされた光線(443)の像を描く反射要素(442)を有する、請求項20に記載の装置(400)。
- 前記反射要素(442)が、平面鏡または凹面鏡として具現化される、請求項21に記載の装置(400)。
- 前記測定装置(440)が、請求項8から14までのいずれか1項に記載の第1の測定装置(240)および/または第2の測定装置(250)として具現化される、請求項19から22までのいずれか1項に記載の装置(400)。
- 前記測定装置(440)が、請求項15、16、または18のいずれか1項に記載の測定装置(340)として具現化される、請求項19から22までのいずれか1項に記載の装置(400)。
- 前記装置(100、200、300、400)を制御可能な擾乱にさらすように構成された擾乱源をさらに備える、請求項1から24までのいずれか1項に記載の装置(100、200、300、400)。
- 前記マスク(110)を設置するための位置決めテーブル(180)と、前記位置決めテーブル(180)を少なくとも1つの方向(x、y、z)において変位させるように具現化されたアクチュエータ(185)とをさらに備える、請求項1から25までのいずれか1項に記載の装置(100、200、300、400)。
- 前記アクチュエータ(185)が、前記プローブ(130)と前記表面(120)との間の前記相互作用(170)の強さが実質的に一定に保たれるように前記位置決めテーブル(180)を変位させるように構成される、請求項26に記載の装置(100、200、300、400)。
- 前記位置決めテーブルによって画定された平面(xy−平面)内での前記位置決めテーブル(180)の位置を決定するためのロケータをさらに備える、請求項26または27に記載の装置(100、200、300、400)。
- 前記プローブ(130)を少なくとも1つの方向(x、y、z)において変位させるように具現化された変位ユニットをさらに備える、請求項1から28までのいずれか1項に記載の装置(100、200、300、400)。
- 前記変位ユニットが、前記プローブ(130)と前記表面(120)との間の前記相互作用(170)の強さが実質的に一定に保たれるように前記プローブ(130)を変位させるように構成される、請求項29に記載の装置(100、200、300、400)。
- 既定の平面(xy−平面)内での前記プローブ(130)の位置を決定するためのプローブロケータをさらに備える、請求項29または30に記載の装置(100、200、300、400)。
- 前記装置(100、200、300、400)が、所定の運動の順序に従った前記位置決めテーブル(180)の変位および/または前記プローブ(130)の変位によって較正されるように具現化された、請求項26から31までのいずれか1項に記載の装置(100、200、300、400)。
- 前記装置(100、200、300、400)を制御するための信号に補償信号を適用することにより外的擾乱を補償する補償ユニットをさらに備える、請求項1から32までのいずれか1項に記載の装置(100、200、300、400)。
- 前記信号が、前記アクチュエータ(185)を制御することおよび/または前記変位ユニットを制御することに役立つ、請求項26から31までのいずれか1項と組み合わせた請求項33に記載の装置(100、200、300、400)。
- 前記表面(120)の前記検査が、前記表面(120)のトポグラフィの検査を含む、請求項1から34までのいずれか1項に記載の装置(100、200、300、400)。
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