以下、実施形態の避難経路検索システム1を、図面を参照して説明する。図1は、実施形態の避難経路検索システム1の構成の一例を示す図である。避難経路検索システム1は、ユーザー位置情報DB(Database)2と、ユーザー属性情報DB3と、避難場所情報DB4と、移動経路情報DB5と、移動経路被害情報DB6と、避難経路検索サーバー7と、ユーザー端末8と、管理者端末9を備える。
まず、実施形態の避難経路検索システム1の概要について説明する。
避難経路検索システム1では、避難経路検索サーバー7は、ユーザー位置情報DB2からユーザーの位置を示す情報を含むユーザー位置情報を取得する。また、避難経路検索サーバー7は、ユーザー属性情報DB3からユーザーの属性を示す情報を含むユーザー属性情報を取得する。また、避難経路検索サーバー7は、避難場所情報DB4から避難場所の位置を示す情報を含む避難場所情報を取得する。また、避難経路検索サーバー7は、移動経路情報DB5から移動経路の属性と、移動経路の始点と終点との位置を示す情報とが対応付けられた情報を含む移動経路情報を取得する。
そして、避難経路検索サーバー7は、ユーザー位置情報と、避難場所情報と、移動経路情報とに基づいて、ユーザーが避難するための1以上の避難経路候補を検索する。避難経路検索サーバー7は、ユーザー属性情報に基づいて、検索した1以上の避難経路候補から、ユーザーの避難能力の有無に応じた1以上の推奨避難経路を選択する。これにより、避難経路検索システム1は、避難者であるユーザーの避難能力の有無に応じた推奨避難経路を提供することができる。
すなわち、この避難経路検索システム1は、災害発生時において避難経路検索システム1のユーザーに避難経路を示す情報を提供するシステムである。ここで、災害とは、例えば、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火、その他の異常な自然現象や、大規模な火事、爆発、事故、その他の人的行為に基づく現象によって生じる被害のことである。
避難経路候補は、避難経路検索サーバー7がユーザーの現在の位置と、ユーザーが避難する際の避難場所の位置とを結ぶ避難経路を検索した結果として得られた避難経路である。また、推奨避難経路は、避難経路検索サーバー7が検索した避難経路候補からユーザーの避難能力の有無に応じた避難経路として選択された避難経路のことである。
また、この一例における避難経路検索システム1のユーザーは、ユーザー端末8のユーザー(持ち主や契約者)であり、且つ災害が発生した地域において避難場所へ避難する避難者である。以下では、説明の便宜上、避難経路検索システム1のユーザーを単にユーザーと称して説明する。
避難場所とは、学校の体育館や運動場、公民館、神社の境内、公的機関の建物内、電車や地下鉄等の駅の構内等の災害が発生したことに伴って生じる被害を回避するために使用される場所のことである。この避難場所は、災害が発生した地域内の場所であってもよく、当該地域外の場所であってもよい。
例えば、ユーザーは、大規模な地震による被害が発生した場合、避難経路検索システム1を利用することにより避難経路を検索する。ユーザーは、避難経路を検索した結果として得られた1以上の避難経路候補の中からユーザーの避難能力の有無に応じて選択された1以上の推奨避難経路のうち、所望の避難経路を利用して避難場所まで避難する。これにより、ユーザーは、迅速に避難場所まで避難することができ、その結果、ユーザーが地震に伴って生じる被害を被ってしまう可能性を低減することができる。
ここで、この一例における避難経路は、ユーザーが避難経路を検索した時点でのユーザーの位置と、避難場所とを繋ぐ1以上の移動経路の組み合わせによって構成される。例えば、ユーザーの位置Aから、移動経路X3、移動経路X1、移動経路X2の順に移動経路を移動することにより避難場所の位置Bに避難できる避難経路がある場合、当該避難経路は、(移動経路X3、移動経路X1、移動経路X2)というように、移動経路を示す情報と、移動経路を示す情報の順番によって示すことができる。すなわち、当該避難経路は、移動経路X1〜移動経路X3によって構成される。
避難経路を構成する移動経路は、例えば、人や車等が通過可能な道、船等が通過可能な水路、列車が通過可能な鉄道等である。人や車等が通過可能な道は、アスファルトやコンクリートによって整備された道路や、砂利道、階段、獣道等である。
なお、以下では一例として、ユーザーの位置や避難場所の位置、移動経路の始点及び終点の位置は、緯度及び経度によって示される場合について説明する。なお、これらの位置は、緯度及び経度に代えて、他の情報によって示される構成であってもよい。
次に、避難経路検索システム1の構成について説明する。
避難経路検索システム1では、ユーザー位置情報DB2と、ユーザー属性情報DB3と、避難場所情報DB4と、移動経路情報DB5と、移動経路被害情報DB6と、避難経路検索サーバー7と、管理者端末9とが互いに第1通信網を介して通信可能に接続されている。第1通信網は、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、専用通信回線等のケーブルを用いたインターネット等のパケット交換ネットワークである。なお、第1通信網は、これに代えて、移動体通信網や無線LAN等の無線による通信網であってもよい。
また、避難経路検索システム1では、避難経路検索サーバー7とユーザー端末8が第2通信網を介して通信可能に接続されている。第2通信網は、例えば、移動体通信網である。なお、第2通信網は、これに代えて、無線LAN(Local Area Network)等によって構成される通信網(例えば、インターネット)であってもよい。
ユーザー位置情報DB2は、ユーザー位置情報を記憶する。ユーザー位置情報は、ユーザーの位置を示す情報を含む情報である。ここで、図2を参照し、ユーザー位置情報について説明する。
図2は、ユーザー位置情報の一例を示す図である。図2に示したように、ユーザー位置情報には、例えば、ユーザーを識別するユーザーIDと、ユーザーの氏名を示す情報と、ユーザーの電話番号を示す情報と、前回の検索日時を示す情報と、当該検索日時におけるユーザーの位置を示す情報と、最新の検索日時と、当該検索日時におけるユーザーの位置を示す情報とが含まれる。なお、ユーザー位置情報は、これらの情報に加えて、他の情報が含まれる構成であってもよい。
ユーザーIDには、例えば、ユーザー端末8のSIM(Subscriber Identity Module)カードに割り当てられたIMSI(International Mobile Subscriber Identity)や、MAC(Media Access Control)アドレス等が用いられる。なお、ユーザーIDには、これらの情報に代えて、他の情報が用いられてもよい。
前回の検索日時とは、ユーザーが避難経路の検索を2回以上行った場合におけるユーザーが避難経路の検索を行った検索日時のうち、最も新しい検索日時の次に新しい検索日時のことである。なお、ユーザーが1回しか避難経路を検索していない場合、ユーザー位置情報には、前回の検索日時を示す情報として、例えば、ヌル情報が格納される。
ユーザーの位置は、ユーザーが避難経路の検索を行った日時におけるユーザー端末8の位置によって示される。すなわち、ユーザーが避難経路を2回以上検索した場合、前回の検索日時におけるユーザーの位置とは、前回の検索日時においてユーザー端末8が存在していた位置のことである。なお、ユーザーが1回しか避難経路を検索していない場合、ユーザー位置情報には、前回の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報として、例えば、ヌル情報が格納される。
最新の検索日時とは、ユーザーが避難経路の検索を1回以上行った場合において、ユーザーが避難経路の検索を行った検索日時のうち、最も新しい検索日時のことである。
最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報とは、ユーザーが避難経路の検索を1回以上行った場合、最新の検索日時おいてユーザー端末8が存在していた位置のことである。
図2に示した例では、ユーザーIDが1のユーザーの氏名が「東芝太郎」である。また、「東芝太郎」の電話番号は、「090−0001−xxxx」である。また、「東芝太郎」は、避難経路の検索を少なくとも2回行っている。「東芝太郎」の最新の避難経路の検索日時は、2014年1月1日13:30である。当該検索日時における「東芝太郎」の位置を示す情報は、緯度が「35.681454」であり、経度が「139.766293」である。また、「東芝太郎」の前回の避難経路の検索日時は、2014年1月1日13:00である。また、前回の検索日時における「東芝太郎」の位置を示す情報は、緯度が「35.681368」であり、経度が「139.766076」である。
ユーザー属性情報DB3は、ユーザー属性情報を記憶する。ユーザー属性情報は、ユーザーの属性を示す情報を含む情報である。ここで、図3を参照し、ユーザー属性情報について説明する。図3は、ユーザー属性情報の一例を示す図である。図3に示したように、ユーザー属性情報には、例えば、ユーザーIDと、ユーザーの属性を示す情報と、推奨避難経路を示す情報と、推奨避難経路の中からユーザーが選択した避難経路を示す情報とが含まれる。なお、ユーザー属性情報は、これらの情報に加えて他の情報が含まれる構成であってもよい。
ユーザーの属性を示す情報には、例えば、ユーザーの体力を示す情報と、ユーザーの情報収集能力を示す情報と、ユーザーの土地勘を示す情報と、ユーザーの移動手段を示す情報と、ユーザーの介助対象者の有無を示す情報とが含まれる。なお、ユーザーの属性を示す情報は、これらの情報のうちの一部が含まれる構成であってもよく、これらの情報に加えて他の情報が含まれる構成であってもよく、これらの情報に代えて他の情報が含まれる構成であってもよい。
ユーザーの体力を示す情報には、例えば、ユーザーの生年月日を示す情報と、ユーザーの性別を示す情報と、ユーザーの日常生活の運動量を示す情報と、ユーザーの歩行速度を示す情報が含まれる。なお、ユーザーの体力を示す情報は、これらの情報のうちの一部が含まれる構成であってもよく、これらの情報に加えて他の情報が含まれる構成であってもよく、これらの情報に代えて他の情報が含まれる構成であってもよい。
この一例において、ユーザーの性別を示す情報は、女性の場合が0であり、男性の場合が1である。また、ユーザーの日常生活の運動量を示す情報は、日常生活においてほとんど外出しない(ほぼ毎日運動しない)場合の運動量が0であり、ほぼ毎日運動している場合の運動量が1である。また、ユーザーの歩行速度を示す情報は、分速30メートル未満の場合が0であり、分速30メートル以上の場合が1である。なお、これらのユーザーの体力を示す情報は、0又は1を用いて示したが、これに代えて、他の情報によって示されてもよい。
ユーザーの情報収集能力を示す情報には、例えば、地図を読み取る能力を示す情報と、実災害での避難経験の有無を示す情報と、防災訓練参加経験の有無を示す情報とが含まれる。なお、ユーザーの情報収集能力を示す情報は、これらの情報のうちの一部が含まれる構成であってもよく、これらの情報に加えて他の情報が含まれる構成であってもよく、これらの情報に代えて他の情報が含まれる構成であってもよい。
地図を読み取る能力を示す情報は、例えば、ユーザーに地図を読み取る能力がないことを示す場合が0であり、ユーザーに地図を読み取る能力があることを示す場合が1である。また、実災害での避難経験の有無を示す情報は、例えば、ユーザーに実災害での避難経験がないことを示す場合が0であり、ユーザーに実災害での避難経験があることを示す場合が1である。また、防災訓練参加経験の有無を示す情報は、例えば、ユーザーに防災訓練参加経験がないことを示す場合が0であり、ユーザーに防災訓練参加経験があることを示す場合が1である。この一例において、ユーザーの情報収集能力を示す情報は、0又は1を用いて示したが、これに代えて、他の情報によって示してもよい。
また、ユーザーの土地勘を示す情報は、例えば、ユーザーに土地勘がないことを示す場合が0であり、ユーザーに土地勘があることを示す場合が1である。また、ユーザーの移動手段を示す情報は、例えば、ユーザーの移動手段が車又は車椅子であることを示す場合が0であり、ユーザーの移動手段が徒歩であることを示す場合が1である。また、ユーザーの介助対象者の有無を示す情報は、例えば、ユーザーに介助対象者が居ること(あり)を示す場合が0であり、ユーザーに介助対象者が居ないこと(なし)を示す場合が1である。この一例において、ユーザーの土地勘を示す情報と、ユーザーの移動手段を示す情報と、ユーザーの介助対象者の有無を示す情報とのうちの一部又は全部は、0又は1を用いて示したが、これに代えて、他の情報によって示してもよい。
また、ユーザー属性情報に格納された推奨避難経路を示す情報は、1以上の推奨避難経路を識別する避難経路IDと、それぞれの推奨避難経路を構成する1以上の移動経路を識別する移動経路IDとが対応付けられた情報である。また、ユーザー属性情報に格納された推奨避難経路を示す情報は、ユーザー位置情報に含まれる最新の検索日時において避難経路検索サーバー7が選択した推奨避難経路を示す。なお、推奨避難経路を示す情報は、ユーザー属性情報に含まれる構成に代えて、ユーザー位置情報に含まれてもよい。また、推奨避難経路を示す情報には、避難場所を識別する避難場所IDが含まれる構成であってもよい。
例えば、図3に示したユーザー属性情報のレコードのうち、ユーザーIDが1のレコードには、3つの推奨避難経路を示す情報が格納されている。当該レコードにおける避難経路IDが1の避難経路は、最新の検索日時におけるユーザーの位置から移動経路IDが1の移動経路、移動経路IDが6の移動経路、移動経路IDが3の移動経路、避難場所の位置の順に移動することで当該避難場所に避難可能な避難経路である。これを、図3では、「避難経路1:移動経路ID1、6、3」と表示している。
また、当該レコードにおける避難経路IDが2の避難経路は、最新の検索日時におけるユーザーの位置から移動経路IDが1の移動経路、移動経路IDが2の移動経路、移動経路IDが7の移動経路、移動経路IDが3の移動経路、避難場所の位置の順に移動することで避難場所に避難可能な避難経路である。これを、図3では、「避難経路2:移動経路ID1、2、7、3」と表示している。
なお、ユーザー属性情報は、ユーザー位置情報とともにユーザー情報としてユーザー情報DBに記憶される構成であってもよい。
避難場所情報DB4は、避難場所情報を記憶する。ここで、図4を参照し、避難場所情報について説明する。図4は、避難場所情報の一例を示す図である。図4に示したように、避難場所情報には、避難場所IDと、避難場所の名称を示す情報と、避難場所の開設状況を示す情報と、避難場所の位置を示す情報とが含まれる。なお、避難場所情報は、これらの情報のうちの一部が含まれる構成であってもよく、これらの情報に加えて他の情報が含まれる構成であってもよく、これらの情報に代えて他の情報が含まれる構成であってもよい。
避難場所の開設状況を示す情報は、例えば、避難場所が閉鎖していることを示す場合が0であり、避難場所が準備中であることを示す場合が1であり、避難場所が開設中であることを示す場合が2である。なお、避難場所の開設状況を示す情報は、これら3つの状況のいずれかを示す情報に代えて、2つの状況を示す情報であってもよく、4つ以上の状況を示す情報であってもよい。避難場所の位置を示す情報は、例えば、避難場所の緯度及び経度である。なお、避難場所の位置を示す情報は、緯度及び経度に代えて、他の情報であってもよい。
移動経路情報DB5は、移動経路情報を記憶する。ここで、図5を参照し、移動経路情報について説明する。図5は、移動経路情報の一例を示す図である。図5に示したように、移動経路情報には、移動経路IDと、移動経路の始点及び終点の位置を示す情報と、移動経路の距離を示す情報と、移動経路における最大傾斜角度を示す情報と、移動経路における最大交通量を示す情報と、移動経路における段差の有無を示す情報とが含まれる。なお、移動経路情報は、これらの情報のうちの一部が含まれる構成であってもよく、これらの情報に加えて他の情報が含まれる構成であってもよく、これらの情報に代えて他の情報が含まれる構成であってもよい。
移動経路の始点及び終点の位置を示す情報は、移動経路の始点の位置を示す情報と、移動経路の終点の位置を示す情報とが対応付けられた情報である。移動経路の始点の位置と、移動経路の終点の位置とは、それぞれ緯度及び経度によって示される。なお、移動経路の始点の位置と、移動経路の終点の位置とは、これに代えて、他の情報によって示される構成であってもよい。
移動経路の距離を示す情報は、移動経路の始点の位置から、移動経路の終点の位置までの移動経路に沿って移動した場合の距離のことである。
移動経路における最大傾斜角度は、移動経路において存在する坂道のうち、最も傾斜角度が大きな坂道の傾斜角度のことである。
移動経路における最大交通量を示す情報には、移動経路における車の最大交通量を示す情報と、移動経路における人の最大交通量を示す情報とが含まれる。移動経路における車の最大交通量は、例えば、移動経路内における単位長さ(この一例において、1キロメートル)の区間を移動している車の台数の平均値である。この平均値は、複数の単位長さの区間毎の車の台数の平均値であってもよく、ある単位長さの区間における時間帯毎の車の台数の平均値であってもよい。なお、移動経路における車の最大交通量は、他の量によって示されてもよい。
移動経路における人の最大交通量は、移動経路内における単位長さ(この一例において、1メートル)の区間を移動している人の数の平均値である。この平均値は、複数の単位長さの区間毎の人の数の平均値であってもよく、ある単位長さの区間における時間帯毎の人の数の平均値であってもよい。なお、移動経路における人の最大交通量は、他の量によって示されてもよい。
移動経路における段差の有無を示す情報は、例えば、段差がないことを示す場合が0であり、段差があることを示す場合が1である。なお、移動経路における段差の有無を示す情報は、0又は1を用いて示したが、これに代えて、他の情報によって示してもよい。
移動経路被害情報DB6は、移動経路の被害を示す移動経路被害情報を記憶する。移動経路被害情報は、災害によって被災した移動経路IDと、被災の種別を示す情報とが対応付けられた情報を含む情報である。ここで、図6を参照し、移動経路被害情報について説明する。図6は、移動経路被害情報の一例を示す図である。図6に示したように、移動経路被害情報には、情報取得日時を示す情報と、被災の種別を示す情報と、被災した移動経路を示す移動経路IDとが含まれる。なお、移動経路被害情報は、これらの情報のうちの一部が含まれる構成であってもよく、これらの情報に加えて他の情報が含まれる構成であってもよく、これらの情報に代えて他の情報が含まれる構成であってもよい。
被災の種別には、例えば、土砂崩れや河川氾濫、通行止め、地割れ、液状化、洪水、沈没等が含まれる。なお、被災の種別には、これらに加えて、他の種別が含まれてもよく、これらの一部又は全部に代えて、他の種別が含まれてもよい。災害によって被災した移動経路IDは、被災したことによって通行することが困難又は不可能な移動経路を示す。例えば、図6に示した例からは、土砂崩れによって通行することが困難又は不可能な移動経路は、移動経路IDが2、4の移動経路であることが分かる。
避難経路検索サーバー7は、ユーザー端末8からログイン情報を取得する。避難経路検索サーバー7は、取得したログイン情報に基づいてユーザー認証を行う。ユーザー認証に成功した場合、避難経路検索サーバー7は、ユーザー端末8からユーザー端末8の現在の位置を示す情報を、ユーザーの現在の位置を示す情報として取得する。避難経路検索サーバー7は、ユーザー位置情報DB2に記憶されたユーザー位置情報のうち、ログイン情報に含まれるユーザーIDが格納されたレコードに、ユーザー端末8から取得したユーザーの現在の位置を示す情報を、最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報として格納する。また、避難経路検索サーバー7は、この最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報の格納に伴い、最新の検索日時を示す情報と、前回の検索日時を示す情報と、前回の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報とを更新する。
避難経路検索サーバー7は、ユーザー位置情報DB2から、ログイン情報に含まれるユーザーIDを含むユーザー位置情報を読み込む。避難経路検索サーバー7は、読み込んだユーザー位置情報に基づいて避難経路候補の検索を行う。この避難経路候補の検索の際、避難経路検索サーバー7は、避難場所情報DB4に記憶された避難場所情報と、移動経路情報DB5に記憶された移動経路情報とを用いて避難経路候補の検索を行う。避難経路候補の検索処理の詳細については、後述する。
また、避難経路検索サーバー7は、ユーザー属性情報DB3から、当該ユーザーIDを含むユーザー属性情報を読み込む。避難経路検索サーバー7は、読み込んだユーザー属性情報に基づいて、推奨避難経路の選択を行う。この推奨避難経路の選択の際、避難経路検索サーバー7は、避難場所情報DB4に記憶された避難場所情報と、移動経路情報DB5に記憶された移動経路情報と、移動経路被害情報DB6に記憶された移動経路被害情報とを用いて推奨避難経路の選択を行う。推奨避難経路の選択処理の詳細については、後述する。
また、避難経路検索サーバー7は、ユーザーの避難経路の検索を行った後、所定期間が経過する前に、ユーザー端末8から再び避難経路の検索の要求があった場合、再検索の要否を判定する。この判定処理では、ユーザーの避難の進捗状況に応じて再検索の要否を判定する。なお、避難経路検索サーバー7は、ユーザー端末8から再び避難経路の検索の要求があった場合に当該判定処理を行う構成に代えて、例えば、所定の時間が経過する毎にユーザーの避難の進捗状況や、避難経路の被災の状況の変化に応じて、再検索が必要であるか否かを判定する構成であってもよい。この場合、避難経路検索サーバー7は、所定の時間が経過する毎に、ユーザー端末8からユーザー端末8の現在の位置を示す情報を、ユーザーの現在の位置を示す情報として取得する。そして、避難経路検索サーバー7は、取得したユーザーの現在の位置を示す情報に基づいて、ユーザーの避難の進捗状況を判定する(例えば、図14において説明する処理によって判定する)。
避難経路検索サーバー7は、当該判定処理によって再検索が必要だと判定した場合、ユーザーの避難経路候補を再検索する。そして、避難経路検索サーバー7は、再検索した避難経路候補から再び推奨避難経路を選択する。なお、避難経路検索サーバー7は、所定の時間が経過する毎に再検索が必要であるか否かを判定する構成である場合、選択した推奨避難経路を利用して避難を行うように促す情報をユーザー端末8に送信して通知する。一方、避難経路検索サーバー7は、当該判定処理によって再検索が不必要だと判定した場合、例えば、ユーザーに避難を急ぐように促す情報をユーザー端末8に送信して通知する。
ユーザー端末8は、例えば、タブレットPC(Personal Computer)や多機能携帯電話端末(スマートフォン)、携帯電話端末、通信機能を有する電子書籍リーダー、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC等のモバイル端末である。なお、ユーザー端末8は、デスクトップPC等の情報処理端末(又は情報処理装置)であってもよい。
ユーザー端末8は、例えば、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、自装置にインストールされた避難経路検索アプリケーションプログラムを介して避難経路検索サーバー7に自装置の現在の位置を示す情報を送信する。現在の位置を示す情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて特定された緯度及び経度である。なお、ユーザー端末8の現在の位置を示す情報は、これに代えて、他の情報であってもよい。また、ユーザー端末8は、ユーザーが入力したユーザー端末8の現在の位置を示す情報を避難経路検索サーバー7に送信する構成であってもよい。
自装置の現在の位置を示す情報を避難経路検索サーバー7に送信した後、ユーザー端末8は、避難経路検索サーバー7に避難経路候補を検索させ、その後、推奨避難経路を選択させる。なお、ユーザー端末8は、これに代えて、ウェブブラウザーを介して避難経路検索サイトを表示する構成であってもよい。この場合、ユーザー端末8は、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、当該避難経路検索サイトを介して避難経路検索サーバー7に自装置の現在の位置を示す情報を送信する。そして、ユーザー端末8は、当該避難経路検索サイトを介して避難経路検索サーバー7に避難経路候補を検索させ、その後、推奨避難経路を選択させる。
また、ユーザー端末8は、避難経路検索サーバー7が検索した結果を示す検索結果情報を、避難経路検索サーバー7から受信する。ユーザー端末8は、受信した検索結果情報に基づいて、ユーザーに当該検索結果情報に含まれる1以上の推奨避難経路を示す情報を表示する。これにより、ユーザー端末8は、ユーザーに対して1以上の推奨避難経路を示す情報を提供する。なお、検索結果情報には、推奨避難経路を示す情報に加えて、他の情報が含まれてもよい。検索結果情報に含まれる他の情報については、後述する。そして、ユーザー端末8は、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、1以上の推奨避難経路を示す情報の中から、ユーザーが所望の推奨避難経路を1つ選択する。ユーザー端末8は、選択した推奨避難経路を示す情報を、避難経路検索サーバー7に送信する。
また、ユーザー端末8は、避難経路検索サーバー7に避難経路候補の検索及び推奨避難経路の選択を行わせる際、避難経路検索サーバー7にログイン情報を送信する。これにより、ユーザー端末8は、避難経路検索サーバー7に避難経路を検索させるためのユーザー認証を行う。ログイン情報には、ユーザーIDとして、例えば、ユーザー端末8を識別する情報や、ユーザーを識別する情報、ユーザー端末8が携帯電話端末である場合の電話番号等の一部又は全部が含まれる。
ユーザー端末8を識別する情報は、例えば、SIM(Subscriber Identity Module)カードに割り当てられたIMSI(International Mobile Subscriber Identity)や、MAC(Media Access Control)アドレス等のユーザー端末IDである。ユーザーを識別する情報は、例えば、ユーザーIDや電子メールアドレス等である。なお、ログイン情報には、これらに加えて他の情報が含まれてもよく、これらに代えて他の情報が含まれてもよく、更にパスワードが含まれてもよい。
しかし、災害発生時では、避難経路検索システム1がユーザーに避難経路を示す情報を提供する時間が短ければ短いほど、ユーザーが災害による被害を被ってしまう可能性は、低くなる。このため、ログイン情報は、ユーザーがユーザーIDの入力操作を行う必要のない情報であることが望ましい。以下では、説明の便宜上、ログイン情報は、ユーザーIDとして、ユーザー端末IDが含まれている場合について説明する。
ここで、図7を参照し、検索結果情報に基づいてユーザー端末8が表示する推奨避難経路を示す情報について説明する。図7は、検索結果情報に基づいてユーザー端末8が表示する推奨避難経路を示す情報の一例を示す図である。図7に示した画像Pは、ユーザー端末8が備える表示部25の表示面に表示された画像である。画像Pには、避難経路関連情報Tと、避難経路表示地図Mとが含まれる。避難経路関連情報Tには、検索結果情報に含まれる1以上の推奨避難経路を示す情報と、推奨避難経路毎の属性を示す情報とが含まれる。
避難経路関連情報Tにおいて表示されている推奨避難経路を示す情報は、例えば、推奨避難経路を識別する避難経路IDである。図7では、避難経路IDは、点線Lに囲まれた範囲に表示されている避難経路L1、避難経路L2、避難経路L3の3つである。また、避難経路IDは、推奨避難経路毎の特徴を示す情報とともに表示される。推奨避難経路毎の特徴を示す情報は、例えば、避難経路毎の特徴を示す文章である。図2では、避難経路毎の特徴を示す文章は、点線LVに囲まれた範囲に表示されている「最短距離!」、「最緩傾斜!」、「車移動可!」の3つである。なお、推奨避難経路毎の特徴を示す情報は、文章に代えて、図形や記号、数字等であってもよい。
推奨避難経路毎の属性を示す情報には、例えば、推奨避難経路毎の目標地点である避難場所を示す情報と、当該避難場所の位置と最新の検索日時におけるユーザーの位置との間の距離を示す情報と、推奨避難経路毎に含まれる坂道の最大傾斜角度を示す情報とが含まれる。なお、推奨避難経路毎の属性を示す情報には、推奨避難経路における段差の有無を示す情報等の他の情報が含まれてもよい。
避難経路表示地図Mは、ユーザー位置情報に含まれる最新の検索日時におけるユーザーの位置を含む地域の地図画像に、当該位置を示す画像Sと、避難経路関連情報Tに含まれる推奨避難経路のそれぞれを示す線分L1〜線分L3と、避難経路関連情報Tに含まれる避難場所を示す画像G1及び画像G2とが含まれる。
画像Sは、検索結果情報に含まれるユーザー端末8の位置を示す情報に基づいて表示される。また、画像G1及び画像G2は、検索結果情報に含まれる避難場所の位置を示す情報に基づいて表示される。また、線分L1〜線分L3は、検索結果情報に含まれる推奨避難経路を示す情報に基づいて表示される。例えば、線分L1は、避難経路関連情報Tに表示された避難経路L1の道順を表す。また、線分L2は、避難経路関連情報Tに表示された避難経路L2の道順を表す。また、線分L3は、避難経路関連情報Tに表示された避難経路L3の道順を表す。
ユーザーは、避難経路関連情報Tを参照することにより、自身が利用する推奨避難経路を、自身の現在の体力や介助者の有無等の状況に応じて選択することができる。また、ユーザーは、避難経路表示地図Mを参照することにより、自身の現在の位置から、選択した推奨避難経路における目標地点である避難場所への道順を把握することができる。
管理者端末9は、例えば、デスクトップPCやノートPC、専用のワークステーション等である。すなわち、管理者端末9は、避難経路検索サーバー7を管理するための情報処理端末である。管理者端末9は、避難経路検索システム1の管理者が使用し、当該管理者から受け付けた操作に基づいて避難経路検索システム1に不具合が生じた場合のメンテナンス等を行う。
なお、図2には、ユーザー属性情報DB3が、避難経路検索サーバー7やユーザー端末8と別体である例を示した。ユーザー属性情報DB3は、これに代えて、避難経路検索サーバー7やユーザー端末8に備えられる構成であってもよい。ユーザー属性情報DB3がユーザー端末8に備えられている場合、避難経路検索サーバー7は、ユーザー属性情報をユーザー端末8から取得する。
また、図2には、避難場所情報DB4と、移動経路情報DB5と、移動経路被害情報DB6との全部が、避難経路検索サーバー7と別体である例を示した。避難場所情報DB4と、移動経路情報DB5と、移動経路被害情報DB6との一部又は全部は、避難経路検索サーバー7に備えられる構成であってもよい。
以下、図8を参照して、避難経路検索サーバー7の機能構成について説明する。図8は、避難経路検索サーバー7の機能構成の一例を示す図である。
避難経路検索サーバー7は、記憶部72と、入力受付部73と、通信部74と、表示部75と、制御部76を備える。
記憶部72は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、避難経路検索サーバー7が処理する各種情報やプログラム等を格納する。なお、記憶部72は、避難経路検索サーバー7に内蔵されるものに代えて、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
入力受付部73は、例えば、キーボードである。なお、入力受付部73は、これに代えて、マウスやタッチパッド、その他の入力装置であってもよく、それらの一部又は全部を含んでもよい。
通信部74は、例えば、USB等のデジタル入出力ポートやイーサネット(登録商標)ポート等を含んで構成される。
表示部75は、例えば、液晶ディスプレイパネル、あるいは、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルである。
制御部76は、避難経路検索サーバー7の全体を制御する。制御部76は、認証部80と、ユーザー位置情報取得部81と、ユーザー属性情報取得部82と、避難場所情報取得部83と、移動経路情報取得部84と、移動経路被害情報取得部85と、避難経路検索部86と、避難経路選択部87と、再検索要否判定部89と、記憶制御部90と、送信制御部91を備える。
制御部76が備えるこれらの機能部のうちの一部又は全部は、例えば、図示しないCPUが、記憶部72に記憶された各種プログラムを実行することで実現される。なお、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
認証部80は、ユーザー端末8から取得したログイン情報に含まれるユーザーIDに基づいて、ユーザー認証を行う。
ユーザー位置情報取得部81は、ユーザー位置情報DB2からユーザー位置情報を取得する。
ユーザー属性情報取得部82は、ユーザー属性情報DB3からユーザー属性情報を取得する。
避難場所情報取得部83は、避難場所情報DB4から避難場所情報を取得する。
移動経路情報取得部84は、移動経路情報DB5から移動経路情報を取得する。
移動経路被害情報取得部85は、移動経路被害情報DB6から移動経路被害情報を取得する。
避難経路検索部86は、ユーザー位置情報と、避難場所情報と、移動経路情報とに基づいて、1以上の避難経路を避難経路候補として検索する。
避難経路選択部87は、避難経路検索部86が検索した1以上の避難経路候補の中から、ユーザー属性情報と、移動経路被害情報と、避難経路検索部86が検索した避難経路候補とに基づいて推奨避難経路を選択する。
再検索要否判定部89は、ユーザー位置情報と、避難場所情報と、移動経路被害情報とに基づいて、避難経路の再検索を行う必要があるか否かを判定する。
記憶制御部90は、ユーザー端末8から取得したユーザーの位置を示す情報を、ユーザー位置情報DB2に記憶する。また、記憶制御部90は、入力受付部73により受け付けられた入力操作に基づいて、ユーザーの属性を示す情報をユーザー属性情報DB3に記憶する。
送信制御部91は、避難経路選択部87が選択した1以上の推奨避難経路候補を示す情報を含む検索結果情報を生成する。送信制御部91は、生成した検索結果情報をユーザー端末8に送信する。また、送信制御部91は、認証部80によるユーザー認証が失敗した場合、ユーザー認証に失敗したことを示す情報をユーザー端末8に送信する。
以下、図9を参照し、避難経路検索サーバー7の制御部76が行う避難経路の検索処理について説明する。図9は、避難経路検索サーバー7の制御部76が行う避難経路の検索処理の流れの一例を示す図である。
認証部80は、ユーザー端末8からユーザー認証の要求を取得するまで待機する(ステップS100)。ユーザー端末8からユーザー認証の要求を取得した場合(ステップS100−Yes)、認証部80は、ユーザー端末8に対してログイン情報取得の要求を送信する。そして、認証部80は、ユーザー端末8からログイン情報を取得する。認証部80は、取得したログイン情報に含まれるユーザーIDに基づいてユーザー認証を行う(ステップS110)。
ここで、認証部80が行うユーザー認証について説明する。認証部80は、例えば、ユーザー属性情報DB3を参照して、ユーザー属性情報DB3に記憶されたユーザー属性情報の中に、ログイン情報に含まれるユーザーIDが格納されているか否かを判定する。
ユーザー属性情報にユーザーIDが格納されていない場合、認証部80は、ユーザー認証に失敗したことを示す情報をユーザー端末8に送信する。ユーザー属性情報にユーザーIDが格納されていた場合、認証部80は、ユーザー認証に成功したことを示す情報を、通信部74を介してユーザー端末8に送信する。以下では、当該ユーザー認証が成功した場合について説明する。なお、認証部80は、ユーザー認証に用いられるユーザーIDを含む認証情報を記憶する他のデータベースを参照し、当該認証情報にログイン情報に含まれるユーザーIDが格納されているか否かを判定する構成であってもよい。
ステップS110においてユーザー認証が成功した後、認証部80は、ユーザー認証が成功したことを示す情報に対する応答としてユーザー端末8が送信したユーザー端末8の現在の位置を示す情報を、ユーザーの現在の位置を示す情報として取得する(ステップS120)。次に、記憶制御部90は、ステップS120において取得したユーザーの位置を示す情報を、ユーザー位置情報DB2に記憶する(ステップS130)。
ここで、ステップS130の処理について説明する。記憶制御部90は、ステップS110において取得したログイン情報に含まれるユーザーIDに基づいて、ユーザー位置情報DB2が記憶するユーザー位置情報のレコードのうちの当該ユーザーIDを含むレコードを特定する。記憶制御部90は、特定したレコードに、ステップS120において取得したユーザーの位置を示す情報を、最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報として格納する。なお、記憶制御部90は、この最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報の格納に伴い、最新の検索日時を示す情報と、前回の検索日時を示す情報と、前回の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報とを更新する。
次に、ユーザー位置情報取得部81は、ステップS110において取得したログイン情報に含まれるユーザーIDに基づいて、ユーザー位置情報DB2が記憶するユーザー位置情報から、当該ユーザーIDが示すユーザーのユーザー位置情報を取得(抽出)する(ステップS140)。
次に、ユーザー属性情報取得部82は、ステップS110において取得したログイン情報に含まれるユーザーIDに基づいて、ユーザー属性情報DB3が記憶するユーザー属性情報から、当該ユーザーIDが示すユーザーのユーザー属性情報を取得(抽出)する(ステップS150)。
次に、避難場所情報取得部83は、ステップS140において取得したユーザー位置情報に基づいて、避難場所情報DB4から避難場所情報を取得する(ステップS160)。より具体的には、避難場所情報取得部83は、取得したユーザー位置情報に含まれる最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報に基づいて、例えば、当該位置を中心とした所定半径の範囲内に存在する避難場所の避難場所情報を避難場所情報DB4から取得する。所定判定は、例えば、1キロメートルである。なお、所定半径は、他の半径であってもよい。
また、避難場所情報取得部83は、最新の検索日時におけるユーザーの位置を含む範囲であって円形範囲とは異なる範囲内に存在する避難場所の避難場所情報を避難場所情報DB4から取得する構成であってもよい。また、避難場所情報取得部83は、最新の検索日時におけるユーザーの位置に近い順に避難場所の避難場所情報を所定数だけ避難場所情報DB4から取得する構成であってもよい。所定数は、例えば、3である。なお、所定数は、他の数であってもよい。
また、避難場所情報取得部83は、最新の検索日時におけるユーザーの位置を中心とした所定半径の範囲内に存在する避難場所のうち、開設中の避難場所の避難場所情報を避難場所情報DB4から取得する構成であってもよい。この場合、避難場所情報取得部83は、避難場所情報を参照し、避難場所の開設状況を示す情報に2が格納されているレコードの避難場所情報を取得する。また、避難場所情報取得部83は、最新の検索日時におけるユーザーの位置を中心とした所定半径の範囲内に存在する避難場所のうち、準備中及び開設中の避難場所の避難場所情報を避難場所情報DB4から取得する構成であってもよい。この場合、避難場所情報取得部83は、避難場所情報を参照し、避難場所の開設状況を示す情報に1又は2が格納されているレコードの避難場所情報を取得する。また、避難場所情報取得部83は、避難場所情報DB4に記憶されている全ての避難場所情報を取得する構成であってもよい。
次に、移動経路情報取得部84は、ステップS140において取得したユーザー位置情報と、ステップS160において取得した避難場所情報とに基づいて、移動経路情報DB5から移動経路情報を取得する(ステップSl70)。より具体的には、移動経路情報取得部84は、取得したユーザー位置情報に含まれる最新の検索日時におけるユーザーの位置と、取得した避難場所情報に含まれる避難場所の位置とを含む地域に始点及び終点の位置が存在する移動経路の移動経路情報を移動経路情報DB5から取得する。なお、移動経路情報取得部84は、移動経路情報DB5から全ての移動経路情報を取得する構成であってもよい。
次に、移動経路被害情報取得部85は、移動経路被害情報を移動経路被害情報DB6から取得する(ステップS180)。次に、避難経路検索部86は、ステップS140において取得したユーザー位置情報と、ステップS160において取得した避難場所情報と、ステップS170において取得した移動経路情報とに基づいて避難経路候補を検索する(ステップS185)。
ここで、避難経路検索部86が行う避難経路候補の検索処理について説明する。避難経路検索部86は、避難場所情報に含まれる避難場所の位置と、ユーザー位置情報に含まれる最新の検索日時におけるユーザーの位置とを結ぶ移動経路の組み合わせ及び順番を、移動経路情報に含まれる移動経路の始点及び終点の位置に基づいて検索する。避難経路検索部86は、検索した結果として得られる移動経路の1以上の組み合わせ及び順番のそれぞれを、避難経路候補として特定する。避難経路検索部86は、このような避難経路候補の特定を、避難場所情報に含まれる全ての避難場所のそれぞれについて行う。
なお、この避難経路候補の検索処理において避難経路検索部86は、移動経路被害情報DB6から取得した移動経路被害情報に基づいて、特定した1以上の避難経路候補から被災避難経路を除外する構成であってもよい。この一例において、被災避難経路とは、災害により被災して通行不可能である可能性の高い移動経路を含む避難経路を示す。このようにすることで、避難経路検索部86は、ユーザーの避難能力の有無に拘わらず利用することが危険であると考えられる、又は利用することが困難であると考えられる被災避難経路をユーザーに利用させてしまうことを抑制することができる。この一例では、このような被災避難経路の除外処理を、図10において説明するステップS215からステップS230までの処理によって避難経路選択部87が行う場合について説明する。
次に、避難経路選択部87は、ステップS150において取得したユーザー属性情報と、ステップS180において取得した移動経路被害情報と、ステップS185において検索(特定)した1以上の避難経路候補とに基づいて、避難経路候補から推奨避難経路を選択する推奨避難経路選択処理を行う(ステップS190)。この推奨避難経路選択処理により、避難経路選択部87は、1以上の避難経路候補から、1以上の推奨避難経路を選択する。なお、推奨避難経路選択処理において、1以上の避難経路候補の中に推奨避難経路として選択可能な避難経路候補が含まれていなかった場合、避難経路選択部87は、例えば、推奨避難経路を示す情報としてヌル情報を選択する。
次に、送信制御部91は、ステップS190において選択した推奨避難経路を示す情報を含む検索結果情報を生成する。そして、送信制御部91は、生成した検索結果情報を、通信部74を介してユーザー端末8に送信する(ステップS200)。より具体的には、送信制御部91は、検索結果情報として少なくとも、1以上の推奨避難経路それぞれを示す情報と、当該推奨避難経路のそれぞれを構成する移動経路の移動経路情報と、当該推奨避難経路のそれぞれにおける避難場所の位置を含む避難場所情報とを含む情報を生成する。
ここで、この一例では、送信制御部91は、ステップS185において検索された避難経路候補が0であった場合や、ステップS190において選択された推奨避難経路が0であった場合、推奨避難経路が無いことを示す情報をユーザー端末8に送信する。なお、制御部76は、このような場合、ステップS160において取得する避難場所情報を、ユーザーの位置を中心とした第2所定半径の範囲内に存在する避難場所の位置を含む避難場所情報を取得し直す構成であってもよい。第2所定半径は、例えば、所定半径の2倍である。なお、第2所定半径は、所定半径の2倍に代えて、所定半径よりも大きな他の半径であってもよい。そして、制御部76は、避難場所情報を取得し直した後、ステップS170以降の処理を再び実行し直す。これにより、制御部76は、ユーザーに対して推奨避難経路が0であることを示す情報を提供してしまうことを抑制することができる。
以上のように、制御部76は、ユーザー位置情報と、ユーザー属性情報と、避難場所情報と、移動経路情報と、移動経路被害情報とに基づいて、1以上の推奨避難経路を検索(選択)する。これにより、制御部76は、ユーザーの避難能力の有無に応じた避難経路を推奨避難経路としてユーザーに提供することができる。
以下、図10から図12を参照し、図9に示したステップS190の推奨避難経路選択処理について説明する。図10及び図11は、図9に示したステップS190の推奨避難経路選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12は、図10及び図11に示したフローチャートにおいて行われる判定において用いられる判定条件の一例を示す図である。
避難経路選択部87は、ステップS185において検索した1以上の避難経路候補の数(避難経路候補数)が1より多いか否かを判定する(ステップS210)。避難経路候補数が1より多くないと判定した場合(ステップS210−No)、避難経路選択部87は、処理を終了する。この際、避難経路選択部87は、避難経路候補数が1であれば、当該避難経路候補を推奨避難経路として特定(選択)してから処理を終了する。また、避難経路選択部87は、避難経路候補が0であれば、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。一方、避難経路候補数が1より多いと判定した場合(ステップS210−Yes)、避難経路選択部87は、2以上の避難経路候補に被災避難経路が含まれているか否かを判定する(ステップS215)。
ここで、ステップS215の処理について説明する。ステップS215における判定は、図12に示した被害情報等の外的要因による判定要素についての判定条件に基づいて行われる。この判定条件は、ある避難経路を構成する1以上の移動経路に被災した移動経路が含まれている場合、避難経路選択部87に当該避難経路を推奨避難経路として選択させないための条件である。ステップS215においてこのような判定条件に基づく判定を行う理由は、前述したように被災避難経路を利用してユーザーが避難を行うことが、ユーザーの避難能力の有無に拘わらず危険であると考えられる、又は困難であると考えられるためである。換言すると、全てのユーザーは、被災避難経路に対する避難能力を有していないと考えられるためである。
ステップS215において、避難経路選択部87は、避難経路候補を構成する1以上の移動経路を示す移動経路IDが、ステップS180において取得した移動経路被害情報に含まれているか否かを判定する。そして、避難経路選択部87は、避難経路被害情報に含まれている移動経路IDによって構成される避難経路候補を、被災避難経路として特定する。避難経路選択部87は、被災避難経路の特定を、2以上の避難経路候補のそれぞれ毎に行う。これらにより、ステップS215において避難経路選択部87は、2以上の避難経路候補に被災避難経路が含まれているか否かを判定する。
2以上の避難経路候補に被災避難経路が含まれていないと判定した場合(ステップS215−No)、避難経路選択部87は、ステップS250の処理を実行する。ステップS250の処理については、後述する。一方、2以上の避難経路候補に被災避難経路が含まれていると判定した場合(ステップS215−Yes)、避難経路選択部87は、避難経路候補数が1以上の被災避難経路の数(被災避難経路数)よりも多いか否かを判定する(ステップS220)。
避難経路候補数が被災避難経路数よりも多くないと判定した場合(ステップS220−No)、避難経路候補の全てが被災避難経路であることを示すため、避難経路選択部87は、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。一方、避難経路候補数が被災避難経路数よりも多いと判定した場合(ステップS220−Yes)、避難経路選択部87は、2以上の避難経路候補から、特定した全ての被災避難経路を除外する(ステップS230)。
ステップS230の処理が実行された後、避難経路選択部87は、被災避難経路を除外した後の避難経路候補数が1より多いか否かを判定する(ステップS240)。避難経路候補数が1より多くないと判定した場合(ステップS240−No)、処理を終了する。この際、避難経路選択部87は、避難経路候補数が1であれば、当該避難経路候補を推奨避難経路として特定(選択)してから処理を終了する。また、避難経路選択部87は、避難経路候補数が0であれば、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。
一方、避難経路候補数が1より多いと判定した場合(ステップS240−Yes)、避難経路選択部87は、ステップS250の処理を実行する。ステップS250において、避難経路選択部87は、ステップS150において取得したユーザー属性情報を参照する。そして、避難経路選択部87は、ユーザーに介助対象者が居るか否かを判定する(ステップS250)ことによって、ユーザーの避難能力の有無を判定する。ステップS250において判定するユーザーの避難能力の有無は、避難経路に距離の長い移動経路や、傾斜角度の大きな坂道を有する移動経路を利用した場合の避難能力の有無である。
ここで、ステップS250の処理について説明する。ステップS250における判定は、図12に示した介助対象者の有無による判定要素についての判定条件に基づいて行われる。介助対象者が居るユーザーは、避難経路に距離の長い移動経路や、傾斜角度の大きな坂道を有する移動経路が含まれている場合、避難するのが遅れてしまう場合がある。すなわち、図12に示したように、介助対象者が居るユーザーは、避難能力が低い(又は、避難能力がない)と考えられる。また、介助対象者が居ないユーザーは、避難能力が高い(又は、避難能力がある)と考えられる。
ステップS250において、避難経路選択部87は、ユーザー属性情報の中の介助対象者の有無を示す情報が0である場合、ユーザーに介助対象者が居る、すなわち避難能力がないと判定する。また、避難経路選択部87は、ユーザー属性情報の中の介助対象者の有無を示す情報が1である場合、ユーザーに介助対象者が居ない、すなわち避難能力があると判定する。
ユーザーに介助対象者が居ないと判定した場合(ステップS250−No)、避難経路選択部87は、ステップS290の処理を実行する。これはすなわち、当該ユーザーが、避難経路に距離の長い移動経路や、傾斜角度の大きな坂道を有する移動経路が含まれている避難経路を利用したとしても避難することが困難ではないと考えられるため、ステップS260からステップS280までの処理を省略していることに相当する。ステップS290の処理については、後述する。
一方、ユーザーに介助対象者が居ると判定した場合(ステップS250−Yes)、避難経路選択部87は、避難経路候補数が1以上の高難度避難経路の数(高難度避難経路数)よりも多いか否かを判定する(ステップS260)。この一例において、高難度避難経路とは、距離が所定距離以上の移動経路や、最大傾斜角度が所定角度以上の傾斜角度の坂道を有する移動経路を含む避難経路を示す。所定距離は、例えば、2キロメートルである。なお、所定距離は、他の距離であってもよい。また、所定角度は、例えば、10°である。なお、所定角度は、他の角度であってもよい。
ここで、ステップS260の処理について説明する。ステップS260の処理は、ステップS250において高難度避難経路を利用して避難することが困難であると判定されたユーザーのために、避難経路候補に高難度避難経路が含まれているか否かを判定するための処理である。ステップS260において避難経路候補の一部に高難度避難経路が含まれていると判定した場合、避難経路選択部87は、後述するステップS270において避難経路候補から高難度避難経路を除外する。
ステップS260において、避難経路選択部87は、避難経路候補を構成する1以上の移動経路の移動経路情報を参照し、移動経路情報に含まれる移動経路の距離が所定距離以上である移動経路、又は移動経路情報に含まれる移動経路における最大傾斜角度が所定角度以上である移動経路を含む避難経路候補を、高難度避難経路として特定する。避難経路選択部87は、高難度避難経路の特定を、2以上の避難経路候補のそれぞれ毎に行う。これらにより、ステップS260において避難経路選択部87は、避難経路候補数が高難度避難経路数よりも多いか否かを判定する。
避難経路候補数が高難度避難経路数よりも多くないと判定した場合(ステップS260−No)、避難経路候補の全てが高難度避難経路であることを示すため、避難経路選択部87は、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。一方、避難経路候補数が高難度避難経路数よりも多いと判定した場合(ステップS260−Yes)、避難経路選択部87は、2以上の避難経路候補から、特定した全ての高難度避難経路を除外する(ステップS270)。
ステップS270の処理が実行された後、避難経路選択部87は、高難度避難経路を除外した後の避難経路候補数が1より多いか否かを判定する(ステップS280)。避難経路候補数が1より多くないと判定した場合(ステップS280−No)、処理を終了する。この際、避難経路選択部87は、この段階で残っている避難経路候補数が1であれば、当該避難経路候補を推奨避難経路として特定(選択)してから処理を終了する。また、避難経路選択部87は、避難経路候補数が0であれば、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。
一方、この段階で残っている避難経路候補数が1より多いと判定した場合(ステップS280−Yes)、避難経路選択部87は、ステップS290の処理を実行する。ステップS290において、避難経路選択部87は、ステップS150において取得したユーザー属性情報を参照する。そして、避難経路選択部87は、ユーザーの移動手段が車又は車椅子であるか否かを判定する(ステップS290)ことによって、ユーザーの避難能力の有無を判定する。ステップS290において判定するユーザーの避難能力の有無は、段差を有する移動経路を利用した場合の避難能力の有無である。
ここで、ステップS290の処理について説明する。ステップS290における判定は、図12に示した移動手段による判定要素についての判定条件に基づいて行われる。移動手段が車又は車椅子のユーザーは、避難経路に段差を有する移動経路が含まれている場合、避難することができない場合がある。すなわち、図12に示したように、移動手段が車又は車椅子のユーザーは、避難能力が低い(又は、避難能力がない)と考えられる。また、移動手段が車又は車椅子ではないユーザーは、避難能力が高い(又は、避難能力がある)と考えられる。
ステップS290において、避難経路選択部87は、ユーザー属性情報の中のユーザーの移動手段を示す情報を参照する。そして、避難経路選択部87は、ユーザーの移動手段を示す情報が0である場合、ユーザーの移動手段が車又は車椅子である、すなわち避難能力がないと判定する。また、避難経路選択部87は、ユーザーの移動手段を示す情報が1である場合、ユーザーの移動手段が車又は車椅子ではない(すなわち、徒歩)と判定する。
ユーザーの移動手段が車又は車椅子ではないと判定した場合(ステップS290−No)、避難経路選択部87は、ステップS330の処理を実行する。これはすなわち、当該ユーザーが、段差を有する移動経路が含まれている避難経路を利用したとしても避難することが困難ではないと考えられるため、ステップS300からステップS320までの処理を省略していることに相当する。ステップS330の処理については、後述する。
一方、ユーザーの移動手段が車又は車椅子であると判定した場合(ステップS290−Yes)、避難経路選択部87は、避難経路候補数が1以上の段差有避難経路の数(段差有避難経路数)よりも多いか否かを判定する(ステップS300)。この一例において、段差有避難経路とは、段差を有する移動経路を含む避難経路を示す。
ここで、ステップS300の処理について説明する。ステップS300の処理は、ステップS290において段差有避難経路を利用して避難することが困難であると判定されたユーザーのために、避難経路候補に段差有避難経路が含まれているか否かを判定するための処理である。ステップS300において避難経路候補の一部に段差有避難経路が含まれていると判定した場合、避難経路選択部87は、後述するステップS310において避難経路候補から段差有避難経路を除外する。
ステップS300において、避難経路選択部87は、避難経路候補を構成する1以上の移動経路の移動経路情報を参照する。そして、避難経路選択部87は、移動経路情報に含まれる段差の有無を示す情報が1である移動経路を含む避難経路を、段差有避難経路として特定する。避難経路選択部87は、段差有避難経路の特定を、2以上の避難経路候補のそれぞれ毎に行う。これらにより、ステップS300において避難経路選択部87は、避難経路候補数が段差有避難経路数よりも多いか否かを判定する。
避難経路候補数が段差有避難経路数よりも多くないと判定した場合(ステップS300−No)、避難経路候補の全てが段差有避難経路であることを示すため、避難経路選択部87は、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。一方、避難経路候補数が段差有避難経路数よりも多いと判定した場合(ステップS300−Yes)、避難経路選択部87は、2以上の避難経路候補から、特定した全ての段差有避難経路を除外する(ステップS310)。
ステップS310の処理が実行された後、避難経路選択部87は、段差有避難経路を除外した後の避難経路候補数が1より多いか否かを判定する(ステップS320)。避難経路候補数が1より多くないと判定した場合(ステップS320−No)、処理を終了する。この際、避難経路選択部87は、この段階で残っている避難経路候補数が1であれば、当該避難経路候補を推奨避難経路として特定(選択)してから処理を終了する。また、避難経路選択部87は、避難経路候補数が0であれば、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。
一方、この段階で残っている避難経路候補数が1より多いと判定した場合(ステップS320−Yes)、避難経路選択部87は、ステップS330の処理を実行する。ステップS330において、避難経路選択部87は、ステップS150において取得したユーザー属性情報を参照する。そして、避難経路選択部87は、ユーザーに体力がないか否かを判定する(ステップS330)ことによって、ユーザーの避難能力の有無を判定する。ステップS330において判定するユーザーの避難能力の有無は、高難度避難経路を利用した場合の避難能力の有無である。
ここで、ステップS330の処理について説明する。ステップS330における判定は、図12に示した体力面の判定要素についての判定条件に基づいて行われる。幼児(この一例において、7歳以下)や高齢者(この一例において、65歳以上)のユーザー、女性のユーザー、日常生活においてほとんど外出しないユーザー、歩行速度が遅い(この一例において、分速30メートル未満)のユーザーは、避難に要する体力が不足している(又は、体力がない)と考えられる。そのため、これらのユーザーは、高難度避難経路を利用する場合、避難が遅れてしまう場合がある。すなわち、図12に示したように、体力がないユーザーは、避難能力が低い(又は、避難能力がない)と考えられる。また、体力があるユーザーは、避難能力が高い(又は、避難能力がある)と考えられる。
ステップS330において、避難経路選択部87は、ユーザー属性情報の中のユーザーの体力を示す情報に基づいて、ユーザーの体力の有無を判定する。例えば、避難経路選択部87は、ユーザーの体力を示す情報のうち、ユーザーの生年月日を示す情報に基づいて、ユーザーの年齢を算出する。そして、避難経路選択部87は、算出したユーザーの年齢が0〜7歳又は65歳以上の場合、ユーザーに体力がないと判定する。一方、避難経路選択部87は、算出したユーザーの年齢が8歳〜64歳の場合、ユーザーに体力があると判定する。
また、避難経路選択部87は、ユーザーの体力を示す情報のうち、ユーザーの性別を示す情報を参照し、ユーザーが女性の場合、ユーザーに体力がないと判定する。一方、避難経路選択部87は、ユーザーが男性の場合、ユーザーに体力があると判定する。また、避難経路選択部87は、ユーザーの体力を示す情報のうち、ユーザーの日常生活の運動量を示す情報を参照し、ユーザーが日常生活においてほとんど外出しない場合、ユーザーに体力がないと判定する。一方、避難経路選択部87は、ユーザーがほぼ毎日運動している場合、ユーザーに体力があると判定する。また、避難経路選択部87は、ユーザーの体力を示す情報のうち、ユーザーの歩行速度を示す情報を参照し、ユーザーの歩行速度が分速30メートル未満である場合、ユーザーに体力がないと判定する。一方、避難経路選択部87は、ユーザーの歩行速度が分速30メートル以上である場合、ユーザーに体力があると判定する。
ユーザーの体力があると判定した場合(ステップS330−No)、避難経路選択部87は、ステップS370の処理を実行する。これはすなわち、当該ユーザーが、高難度避難経路を利用したとしても避難することが困難ではないと考えられるため、ステップS340からステップS360までの処理を省略していることに相当する。ステップS370の処理については、後述する。一方、ユーザーに体力がないと判定した場合(ステップS330−Yes)、避難経路選択部87は、避難経路候補数が1以上の高難度避難経路数よりも多いか否かを判定する(ステップS340)。
ここで、ステップS340の処理について説明する。ステップS340の処理は、ステップS330において高難度避難経路を利用して避難することが困難であると判定されたユーザーのために、避難経路候補に高難度避難経路が含まれているか否かを判定するための処理である。ステップS340において避難経路候補の一部に高難度避難経路が含まれていると判定した場合、避難経路選択部87は、後述するステップS350において避難経路候補から高難度避難経路を除外する。
避難経路候補数が高難度避難経路数よりも多くないと判定した場合(ステップS340−No)、避難経路候補の全てが高難度避難経路であることを示すため、避難経路選択部87は、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。一方、避難経路候補数が高難度避難経路数よりも多いと判定した場合(ステップS340−Yes)、避難経路選択部87は、2以上の避難経路候補から、特定した全ての高難度避難経路を除外する(ステップS350)。
ステップS350の処理が実行された後、避難経路選択部87は、高難度避難経路を除外した後の避難経路候補数が1より多いか否かを判定する(ステップS360)。避難経路候補数が1より多くないと判定した場合(ステップS360−No)、処理を終了する。この際、避難経路選択部87は、この段階で残っている避難経路候補数が1であれば、当該避難経路候補を推奨避難経路として特定(選択)してから処理を終了する。また、避難経路選択部87は、避難経路候補数が0であれば、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。
一方、この段階で残っている避難経路候補数が1より多いと判定した場合(ステップS360−Yes)、避難経路選択部87は、ステップS370の処理を実行する。ステップS370において、避難経路選択部87は、ステップS150において取得したユーザー属性情報を参照する。そして、避難経路選択部87は、ユーザーの情報収集能力が低い又はユーザーに土地勘がないか否かを判定する(ステップS370)ことによって、ユーザーの避難能力の有無を判定する。ステップS370において判定するユーザーの避難能力の有無は、右左折を所定回数以上行わなければならない避難経路等の複雑な避難経路を利用した場合の避難能力の有無である。所定回数は、例えば、9回である。なお、所定回数は、他の回数であってもよい。
ここで、ステップS370の処理について説明する。ステップS370における判定は、図12に示した情報収集能力による判定要素及び避難者の土地勘による判定要素についての判定条件に基づいて行われる。地図を読み取れないユーザーや、実災害での避難経験のないユーザー、防災訓練への参加経験がないユーザー、土地勘のないユーザーは、避難に要する時間が長くなってしまう場合がある。そのため、これらのユーザーは、複雑な避難経路を利用する場合、避難が遅れてしまう場合がある。すなわち、図12に示したように、情報収集能力がないユーザー又は土地勘のないユーザーは、避難能力が低い(又は、避難能力がない)と考えられる。また、情報収集能力があるユーザー及び土地勘のあるユーザーは、避難能力が高い(又は、避難能力がある)と考えられる。
ステップS370において、避難経路選択部87は、ユーザー属性情報の中のユーザーの情報収集能力を示す情報及びユーザーの土地勘を示す情報を参照する。そして、避難経路選択部87は、地図を読み取る能力を示す情報が0である場合、ユーザーが地図を読み取れない、すなわち避難能力がないと判定する。また、避難経路選択部87は、地図を読み取る能力を示す情報が1である場合、ユーザーが地図を読み取れる、すなわち避難能力があると判定する。また、避難経路選択部87は、実災害での避難経験の有無を示す情報が0である場合、ユーザーに実災害での避難経験がない、すなわち避難能力がないと判定する。一方、避難経路選択部87は、実災害での避難経験の有無を示す情報が1である場合、ユーザーに実災害での避難経験がある、すなわち避難能力があると判定する。
また、避難経路選択部87は、防災訓練参加経験の有無を示す情報が0である場合、ユーザーに防災訓練への参加経験がない、すなわち避難能力がないと判定する。一方、避難経路選択部87は、防災訓練参加経験の有無を示す情報が1である場合、ユーザーに防災訓練への参加経験がある、すなわち避難能力があると判定する。また、避難経路選択部87は、土地勘を示す情報が0である場合、ユーザーに土地勘がない、すなわち避難能力がないと判定する。一方、避難経路選択部87は、土地勘を示す情報が1である場合、ユーザーに土地勘がある、すなわち避難能力があると判定する。
ユーザーに情報収集能力がある又は土地勘がないと判定した場合(ステップS370−No)、避難経路選択部87は、この段階までに残っている避難経路候補を推奨避難経路として特定(選択)して処理を終了する。これはすなわち、当該ユーザーが、複雑な避難経路を利用したとしても避難することが困難ではないと考えられるため、ステップS380からステップS390までの処理を省略していることに相当する。一方、ユーザーに情報収集能力がない又は土地勘がないと判定した場合(ステップS370−Yes)、避難経路選択部87は、避難経路候補数が1以上の複雑避難経路の数(複雑避難経路数)よりも多いか否かを判定する(ステップS380)。この一例において、複雑避難経路とは、右左折を9回以上行わなければならない避難経路を示す。
ここで、ステップS380の処理について説明する。ステップS380の処理は、ステップS370において複雑避難経路を利用して避難することが困難であると判定されたユーザーのために、避難経路候補に複雑避難経路が含まれているか否かを判定するための処理である。ステップS380において避難経路候補の一部に複雑避難経路が含まれていると判定した場合、避難経路選択部87は、後述するステップS390において避難経路候補から複雑避難経路を除外する。
ステップS380において、避難経路選択部87は、右左折を9回以上行わなければならない移動経路によって構成される避難経路候補を、複雑避難経路として特定する。そして、ステップS380において避難経路選択部87は、避難経路候補数が複雑避難経路数よりも多いか否かを判定する。
避難経路候補数が複雑避難経路数よりも多くないと判定した場合(ステップS380−No)、避難経路候補の全てが複雑避難経路であることを示すため、避難経路選択部87は、推奨避難経路を選択せずに処理を終了する。一方、避難経路候補数が複雑避難経路数よりも多いと判定した場合(ステップS380−Yes)、避難経路選択部87は、2以上の避難経路候補から、特定した全ての複雑避難経路を除外し(ステップS390)、処理を終了する。
以上のように、避難経路選択部87は、1以上の避難経路候補から、1以上の推奨避難経路を選択する。これにより、避難経路検索サーバー7は、ユーザーの属性に応じた避難経路をユーザーに提供することができる。なお、図12に示した判定条件は、上記で説明した一部の条件が含まれる構成であってもよく、他の条件が含まれる構成であってもよい。また、避難経路選択部87は、図10及び図11に示したフローチャートにおいて、図12に示した判定条件に基づいて、1以上の避難経路候補から、推奨避難経路として選択できない避難経路候補を除外し、除外されずに残った避難経路候補を推奨避難経路として選択する場合について説明したが、これに限られない。例えば、避難経路選択部87は、図12に示した判定条件に基づいて、1以上の避難経路候補から、推奨避難経路として選択できる避難経路候補を抽出し、抽出した避難経路候補を推奨避難経路として選択する構成であってもよい。
以下、図13を参照し、避難経路検索サーバー7の制御部76が行う避難経路の再検索処理について説明する。図13は、避難経路検索サーバー7の制御部76が行う避難経路の再検索処理の流れの一例を示す図である。なお、図13に示したフローチャートにおいて、ステップS185からステップS200までの処理は、図9に示したフローチャートにおけるステップS185からステップS200までの処理と同様なため、説明を省略する。
認証部80は、ユーザー端末8から再検索の要求を取得するまで待機する(ステップS400)。なお、認証部80は、ステップS400において、ユーザー認証を省略する構成であってもよく、ユーザー認証を再び行う構成であってもよい。以下では、ユーザー認証を省略する構成である場合について説明する。この場合、再検索の要求には、ユーザーIDが含まれている。
ユーザー端末8から再検索の要求を取得した場合(ステップS400−Yes)、認証部80は、ユーザー端末8の現在の位置を示す情報取得の要求をユーザー端末8に送信する。そして、認証部80は、ユーザー端末8の現在の位置を示す情報をユーザー端末8から取得する(ステップS410)。次に、記憶制御部90は、ステップS410において取得したユーザー端末8の位置を示す情報を、ユーザー位置情報DB2に記憶する(ステップS420)。
ここで、ステップS420の処理について説明する。記憶制御部90は、再検索の要求に含まれるユーザーIDに基づいて、ユーザー位置情報DB2が記憶するユーザー位置情報のレコードのうちの当該ユーザーIDを含むレコードを特定する。記憶制御部90は、ステップS410において取得したユーザーの位置を示す情報を、最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報として特定したレコードに格納する。また、記憶制御部90は、この最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報の格納に伴い、最新の検索日時を示す情報と、前回の検索日時を示す情報と、前回の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報とを更新する。
次に、ユーザー位置情報取得部81は、再検索の要求に含まれるユーザーIDに基づいて、ユーザー位置情報DB2が記憶するユーザー位置情報から、当該ユーザーIDが示すユーザーのユーザー位置情報を取得(抽出)する(ステップS430)。次に、ユーザー属性情報取得部82は、再検索の要求に含まれるユーザーIDに基づいて、ユーザー属性情報DB3が記憶するユーザー属性情報から、当該ユーザーIDが示すユーザーのユーザー属性情報を取得(抽出)する(ステップS435)。次に、避難場所情報取得部83は、避難場所情報DB4から避難場所情報を取得する(ステップS437)。
次に、移動経路被害情報取得部85は、移動経路被害情報を移動経路被害情報DB6から取得する(ステップS440)。次に、再検索要否判定部89は、再検索要否判定処理により、再検索が必要か否か判定する(ステップS450)。次に、再検索要否判定部89は、ステップS450における再検索要否判定処理によって、ユーザーの避難の進捗状況に応じて再検索が必要であると判定されたか否かを判定する(ステップS460)。
再検索が必要であると判定された場合(ステップS460−Yes)、制御部76は、ステップS185からステップS200の処理を行い、避難経路を再検索し、検索結果情報をユーザー端末8に送信する。一方、再検索が不要であると判定された場合(ステップS460−No)、送信制御部91は、ユーザーに避難を急ぐように促す情報を、通信部74を介してユーザー端末8に送信して通知する(ステップS480)。
以下、図14を参照し、図13に示したステップS450の再検索要否判定処理について説明する。図14は、図13に示したステップS450の再検索要否判定処理の流れの一例を示す図である。
再検索要否判定部89は、前回の検索日時における避難経路の検索においてユーザーが選択した避難経路の目標地点である避難場所の位置と、最新の検索日時におけるユーザーの位置との間の距離が、当該避難場所の位置と、前回の検索日時における避難経路の検索時におけるユーザーの位置との間の距離よりも短くなっているか否かを判定する(ステップS500)。すなわち、再検索要否判定部89は、前回の検索日時におけるユーザーの位置と比べて今回の検索日時におけるユーザーの位置が避難場所に近づいているか否かを判定する。
ここで、ステップS500の処理について説明する。再検索要否判定部89は、ステップS430において取得したユーザー位置情報を参照し、前回の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報と、最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報とを抽出する。また、再検索要否判定部89は、ステップS435において取得したユーザー属性情報を参照し、前回の検索日時においてユーザーが選択した推奨避難経路を示す情報を抽出する。再検索要否判定部89は、抽出した推奨避難経路を示す情報と、ステップS437において取得した避難場所情報とに基づいて、前回の検索日時においてユーザーが選択した推奨避難経路の目標地点である避難場所の位置を避難場所情報から抽出する。
再検索要否判定部89は、抽出した前回の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報と、抽出した避難場所の位置を示す情報とに基づいて、前回の検索日時におけるユーザーの位置と避難場所の位置との間の距離を算出する。以下では、説明の便宜上、当該距離を前回検索日時距離と称して説明する。また、再検索要否判定部89は、抽出した最新の検索日時におけるユーザーの位置を示す情報と、抽出した避難場所の位置を示す情報とに基づいて、最新(すなわち、今回)の検索日時におけるユーザーの位置と避難場所の位置との間の距離を算出する。以下では、説明の便宜上、当該距離を最新検索日時距離と称して説明する。
再検索要否判定部89は、算出した前回検索日時距離と、算出した最新検索日時距離とを比較し、前回の検索日時においてユーザーが選択した避難経路の目標地点である避難場所の位置と最新の検索日時におけるユーザーの位置との間の距離が、当該避難場所の位置と前回の検索日時におけるユーザーの位置との間の距離よりも短くなっているか否かを判定する。
ステップS500において、避難場所の位置とユーザーの位置との間の距離が短くなっていないと判定した場合(ステップS500−No)、再検索要否判定部89は、ユーザーの避難の進捗状況が悪いと考えられるため、再検索が必要と判定する(ステップS540)。一方、避難場所の位置とユーザーの位置との間の距離が短くなっていると判定した場合(ステップS500−Yes)、再検索要否判定部89は、ユーザーの移動速度が所定速度以上であるか否かを判定する(ステップS510)。所定速度は、例えば、分速30メートルである。なお、所定速度は、他の速度であってもよい。
ここで、ステップS510の処理について説明する。再検索要否判定部89は、ステップS510において算出した前回検索日時距離と、最新検索日時距離との距離差を算出する。また、再検索要否判定部89は、ステップS435において取得したユーザー属性情報を参照し、前回の検索日時と、最新の検索日時との時間差を算出する。そして、再検索要否判定部89は、距離差を時間差で除することにより、ユーザーの移動速度を算出する。再検索要否判定部89は、算出した移動速度が所定速度以上であるか否かを判定する。
ユーザーの移動速度が所定速度以上ではないと判定した場合(ステップS510−No)、再検索要否判定部89は、ユーザーの避難の進捗状況が悪いと考えられるため、ステップS540に遷移し、再検索が必要と判定する。一方、ユーザーの移動速度が所定速度以上であると判定した場合(ステップS510−Yes)、再検索要否判定部89は、前回の避難経路の検索時にユーザーが選択した避難経路を構成する1以上の移動経路のうちの少なくとも1つの移動経路が被災したか否かを判定する(ステップS520)。
ここで、ステップS520の処理について説明する。再検索要否判定部89は、ステップS500において抽出した推奨避難経路を示す情報に基づいて、前回の検索日時においてユーザーが選択した推奨避難経路を構成する1以上の移動経路を示す移動経路IDを抽出する。そして、再検索要否判定部89は、ステップS440において取得した移動経路被害情報を参照し、抽出した1以上の移動経路IDが含まれているか否かを判定する。再検索要否判定部89は、抽出した1以上の移動経路IDが移動経路被害情報に含まれている場合、前回の検索日時においてユーザーが選択した推奨避難経路を構成する1以上の移動経路のうちの少なくとも1つの移動経路が被災したと判定する。一方、再検索要否判定部89は、抽出した1以上の移動経路IDが移動経路被害情報に含まれていない場合、前回の検索日時においてユーザーが選択した避難経路を構成する1以上の移動経路のすべてが被災していないと判定する。
前回の検索日時においてユーザーが選択した推奨避難経路を構成する1以上の移動経路のうちの少なくとも1つの移動経路が被災したと判定した場合(ステップS520−Yes)、再検索要否判定部89は、ステップS540に遷移し、再検索が必要と判定する。一方、前回の検索日時においてユーザーが選択した推奨避難経路を構成する1以上の移動経路のすべてが被災していないと判定した場合(ステップS520−No)、再検索要否判定部89は、再検索が不必要と判定する(ステップS530)。
以上のように、避難経路検索サーバー7の制御部76は、ユーザーによる避難経路の再検索時において、ユーザーの避難の進捗状況や、避難経路の被災の状況の変化に応じて、再検索が必要であるか否かを判定する。これにより、避難経路検索サーバー7は、ユーザーの避難の進捗状況や、避難経路の被災の状況の変化に応じて適した避難経路をユーザーに提供することができる。
なお、ユーザー属性情報DB3に記憶されたユーザー属性情報は、ユーザー端末8から避難経路検索サーバー7を介して登録及び更新が行われてもよく、管理者端末9によって避難経路検索サーバー7を介して登録及び更新が行われてもよい。例えば、ユーザー属性情報が避難経路検索サーバー7を介して更新が行われる場合、避難経路検索サーバー7は、ユーザー属性情報に含まれる情報のうち、例えば、年齢等の時間とともに変化する情報を、ユーザーからの操作を受け付けることなく、当該情報が変化するタイミングに更新する構成であってもよい。
また、例えば、ユーザー属性情報が管理者端末9により登録及び更新が行われる場合、管理者端末9を操作する管理者は、ユーザー端末8のユーザーに対して事前にユーザー属性情報に含まれる情報をアンケート等によって回答して貰う。当該管理者は、この回答に基づいてユーザー属性情報を作成し、作成したユーザー属性情報をユーザー属性情報DB3に登録及び更新する。これにより、当該管理者は、ユーザー属性情報DB3のユーザー属性情報を常に最新の情報を含む状態にすることができる。なお、ここで言う事前とは、ユーザー属性情報DB3のユーザー属性情報を登録及び更新する前にという意味であるとともに、災害が発生する前にという意味でもある。
また、避難場所情報DB4は、行政や民間の団体により管理され、当該団体により避難場所情報の更新が行われる場合を想定しているが、これに代えて、管理者端末9によって避難経路検索サーバー7を介して避難場所情報の更新が行われてもよい。
また、ユーザー属性情報には、避難経路候補から推奨避難経路として優先的に選択されることを望む避難経路候補が満たすべき条件を示す情報が含まれてもよい。この場合、避難経路選択部87は、当該条件を示す情報に基づいて、避難経路候補から推奨避難経路を選択する。当該条件の例としては、ユーザーの現在の位置から避難場所までの距離が最も短い避難経路であることや、坂道の傾斜角度が最も緩い避難経路であること、車や車椅子によって移動可能な避難経路であること等である。
また、移動経路被害情報DB6は、行政や民間の団体により管理され、当該団体により移動経路被害情報の更新が行われる場合を想定しているが、これに代えて、管理者端末9によって避難経路検索サーバー7を介して移動経路被害情報の更新が行われてもよい。また、移動経路被害情報DB6は、ユーザー端末8によって避難経路検索サーバー7を介して移動経路被害情報の更新が行われてもよい。これは、ユーザーが避難を行っている際に発見した移動経路の被災状況を、ユーザー自身が移動経路被害情報DB6に登録する場合である。
以上説明したように、上記の実施形態における避難経路検索システム1では、避難経路検索サーバー7は、ユーザー位置情報DB2からユーザーの位置を示す情報を含むユーザー位置情報を取得する。また、避難経路検索サーバー7は、ユーザー属性情報DB3からユーザーの属性を示す情報を含むユーザー属性情報を取得する。また、避難経路検索サーバー7は、避難場所情報DB4から避難場所の位置を示す情報を含む避難場所情報を取得する。また、避難経路検索サーバー7は、移動経路情報DB5から移動経路の属性と、移動経路の始点と終点との位置を示す情報とが対応付けられた情報を含む移動経路情報を取得する。
そして、避難経路検索サーバー7は、ユーザー位置情報と、避難場所情報と、移動経路情報とに基づいて、ユーザーが避難するための1以上の避難経路候補を検索する。避難経路検索サーバー7は、ユーザー属性情報が所定の判定条件に基づいて判定されるユーザーの避難能力の有無に基づいて、検索した1以上の避難経路候補から1以上の推奨避難経路を選択する。これにより、避難経路検索システム1は、避難者であるユーザーの避難能力の有無に応じた推奨避難経路を提供することができる。
なお、以上に説明した装置(例えば、避難経路検索システム1の避難経路検索サーバー7)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。