JP2016217208A - 駆動装置 - Google Patents

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裕也 高橋
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敏広 高原
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Abstract

【課題】被制御部側からの荷重が低下したとき、被制御部のストロークを制御可能とする駆動装置を提供する。【解決手段】駆動装置101は、制御軸部材60の軸方向位置に応じて、制御軸部材60に連結され正常時に制御軸部材60に対して所定方向の荷重を付与する被制御部のストロークを制御する。リフタ501に支持されたローラ54(伝達部)は、被制御部からの荷重が正常に付与されているとき駆動カム301のカム面31と当接し、駆動カム301の回転運動を往復直線運動に変換して制御軸部材60に伝達可能である。ローラ54に対し回転軸P側でリフタ501に固定されたリフタピン57(係合部)は、駆動カム301のカム溝40に係合し、且つ、被制御部からの荷重が低下しローラ54がカム面31から離間したとき、カム溝40との係合によって駆動カム301の回転運動を往復直線運動に変換して制御軸部材60に伝達可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、被制御部のストロークを制御する駆動装置に関する。
従来、動力源の回転運動を駆動カムによって制御軸部材の往復直線運動に変換し、制御軸部材の軸方向位置に応じて被制御部のストロークを制御する駆動装置が知られている。例えば特許文献1に開示された駆動装置は、バルブリフト調整装置の「被制御部」である延長軸の一端が駆動装置の制御軸部材に連結されている。延長軸は、ヘリカルスプラインの回転方向に応じて、制御軸部材に対し、押付方向又は引張方向の荷重を付与する。被制御部からの荷重によって、駆動装置のローラは、駆動カムのカム面に常に当接する。その結果、駆動カムの回転運動がローラを介して適切に制御軸部材に伝達される。
特開2014−122552号公報
バルブリフト調整装置のヘリカルスプラインと延長軸との間の異物噛み込みや摩耗等によって、制御軸部材に対する押付荷重又は引張荷重が喪失又は低下した場合、制御軸部材に支持されたローラ(伝達部)が正規の位置に戻らなくなる可能性がある。すると、ローラと駆動カムのカム面との間に隙間ができ、駆動カムが空転するため、被制御部のストロークが制御不能となるおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被制御部側からの荷重が低下したとき、被制御部のストロークを制御可能とする駆動装置を提供することにある。
本発明は、制御軸部材の軸方向位置に応じて被制御部のストロークを制御する駆動装置に係る発明である。被制御部は、制御軸部材に連結され、正常時に制御軸部材に対し所定方向、すなわち押付方向又は引張方向の荷重を付与する
この駆動装置は、駆動トルクを発生する動力源、動力源の駆動トルクが伝達され回転するカム軸部材、駆動カム、制御軸部材、伝達部、及び係合部を備える。
駆動カムは、回転軸からの距離が周方向で不均一であるカム面、及び、少なくとも一方の軸方向端面に形成されカム面から一定の距離オフセットした曲面を周壁とするカム溝を有し、カム軸部材と共に回転する。
制御軸部材は、カム軸部材と直交する方向に往復直線運動し、被制御部とは反対側の端部にリフタが設けられている。
伝達部は、リフタに支持され、被制御部からの荷重が正常に付与されているときカム面と当接し、駆動カムの回転運動を往復直線運動に変換して制御軸部材に伝達可能である。
係合部は、伝達部に対し回転軸側でリフタに固定され、駆動カムのカム溝に係合する。且つ、係合部は、被制御部からの荷重が低下し伝達部がカム面から離間したとき、カム溝との係合によって駆動カムの回転運動を往復直線運動に変換して制御軸部材に伝達可能である。ここで、「被制御部からの荷重が低下したとき」とは、荷重が全く喪失した場合、及び、正常時の荷重に対し不足した場合を含む。
本発明では、制御軸部材の端部に設けられたリフタに、伝達部及び係合部が設けられ、この係合部が駆動カムのカム溝に係合する。これにより、被制御部からの荷重が低下し伝達部がカム面から離間したとき、カム溝に係合した係合部によって、駆動カムの回転運動が往復直線運動に変換され制御軸部材に伝達される。このとき、カム溝はカム面から一定距離オフセットしており、駆動カムの回転運動は、カム面と同一のプロファイルで往復直線運動に変換される。したがって、正常時と同等の被制御部のストロークが得られる。
このように、本発明では、被制御部からの荷重が低下したとき、係合部を用いた駆動を行うことにより、被制御部のストロークを適切に制御することができる。
ところで、係合部は、あくまで非常措置としての使用を前提としており、恒久的に使用されるものではない。そのため、被制御部からの荷重が正常に付与され伝達部がカム面に当接している状態では、係合部とカム溝の周壁との間にクリアランスが形成されること、すなわち、係合部の側面が周壁に接触しないことが好ましい。これにより、係合部の摩耗を回避し、非常時に備えて最良の状態を維持することができる。
さらに、駆動カムの回転位置は、例えば回転角センサの検出信号等に基づいて動力源であるモータ等の回転が制御されることにより調整される。しかし、回転角センサ又は制御装置に異常が発生すると、駆動カムの回転位置を正しく制御することができなくなり、駆動カムの過回転によって駆動装置が破損するおそれがある。そこで、駆動カムの回転限界位置を規制するストッパが設けられることが好ましい。
ストッパは、例えば、係合部と、カム溝の周方向端部の壁とにより構成されてもよい。或いは、駆動カム又はハウジングの一方に突設されたストッパピンと、駆動カム又はハウジングの他方に形成された規制部とにより構成されてもよい。
加えて、駆動カムは、周方向の一部においてカム溝と接続し、駆動カムの径外方向から係合部をカム溝に導入可能とする切り欠き部が形成されていることが好ましい。これにより、組み付け作業が容易となる。
本発明の第1実施形態による駆動装置の模式図である。 本発明の第1実施形態による駆動装置が適用されるバルブリフト調整装置の模式図である。 本発明の第1実施形態による駆動カムの(a)平面図、(b)(a)のIIIb−IIIb線断面図、(c)(a)のIIIc方向矢視図である。 本発明の第1実施形態によるリフタの(a)平面図、(b)側面図である。 駆動カムの組み付け位置での(a)平面図、(b)部分拡大図である。 図5のVI−VI線断面図に相当する駆動カムの側面図である。 被制御部の正常時における(a)後退端位置、(b)前進端位置でのリフタ及び駆動カムの断面図である。 図7(a)、(b)に対応する平面図である。 被制御部の異常時における(a)後退端位置、(b)前進端位置でのリフタ及び駆動カムの断面図である。 図9(a)、(b)に対応する平面図である。 本発明の第2実施形態によるリフタ及び駆動カムの断面図である。 本発明の第3実施形態による(a)リフタ及び駆動カムの断面図、(b)ハウジングの平面図(XIIb方向矢視図)である。 本発明の(a)第4実施形態、(b)第5実施形態によるリフタ及び駆動カムの断面図である。 本発明の第6実施形態による駆動装置の模式図である。
以下、本発明の複数の実施形態による駆動装置を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
この駆動装置は、特許文献1(特開2014−122552号公報)に開示されたとおり、例えば、4気筒エンジンの吸気弁のリフト量を調整するバルブリフト調整装置の駆動装置として用いられる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による駆動装置について、図1〜図10を参照して説明する。
まず、第1実施形態の駆動装置が適用されるバルブリフト調整装置の概略構成について図2を参照する。図2には、特許文献1の図3と同様に、4気筒エンジン90の吸気弁用カムシャフト93、排気弁用カムシャフト94、延長軸96、及び、延長軸96の軸方向位置に応じて回転するヘリカルスプライン97が示されている。「被制御部」としての延長軸96は、カップリング62を介して、駆動装置101の制御軸部材60に連結されており、制御軸部材60の軸方向位置によってストロークが制御される。
ただし、特許文献1の図3に記載された構成では、バルブスプリング(特許文献1の図4参照)の付勢力を受けたヘリカルスプラインの回転力によって、延長軸及び制御軸部材に対し引張方向の荷重Faが付与されるのに対し、本願の図2の構成では、延長軸96及び制御軸部材60に対し押付方向の荷重Fbが付与される。
この違いは単にヘリカルスプラインの回転方向の設定の違いに過ぎず、本発明は、いずれの方式のバルブリフト調整装置にも適用可能である。説明の都合上、第1〜第5実施形態では、図2に示すように、延長軸96からの荷重Fbが押付方向に付与されるバルブリフト調整装置99に適用される「プッシュ式」の駆動装置について説明する。また、第6実施形態では、延長軸96からの荷重Faが引張方向に付与されるバルブリフト調整装置に適用される「プル式」の駆動装置について説明する。
なお、特許文献1では、押付方向の荷重Fbが付与されるバルブリフト調整装置に適用される例が「その他の実施形態」(図14)に示されている。また、バルブリフト調整装置の作動に関しては特許文献1(図4等)の通りであるので、ここでは説明を省略する。
次に、駆動装置101の構成について、図1、図3〜図10を参照して説明する。
駆動装置101は、モータ20、カム軸部材28、駆動カム301、ローラ54及びリフタピン57が組み付けられたリフタ501、制御軸部材60、回転角センサ70等を有している。モータ20、カム軸部材28、駆動カム301等は、ハウジング11内に収容されている。
「動力源」としてのモータ20は、例えば、図示しない回転子と永久磁石とを有するDCモータである。モータ20は、ECU(電子制御装置)80、及びEDU(駆動回路)82の指令に基づき、出力軸21に駆動トルクを発生させる。出力軸21は、回転軸Mを中心として回転する。また、出力軸21の端部には、モータギア22が設けられている。
カム軸部材28は、モータ出力軸21の駆動トルクが伝達され、回転軸Pを中心として回転する。カム軸部材28の回転角度は、回転角センサ70により検出される。
ECU80は、回転角センサ70の検出信号、及び、アクセル開度等の他のセンサ検出信号が入力され、入力されたセンサ検出信号に基づいて、EDU82に制御信号を出力する。EDU82は、ECU80からの制御信号に基づいて、モータ20を駆動する。
モータ出力軸21とカム軸部材28との間には、減速機構として第1減速ギア230及び第2減速ギア250が設けられている。第1減速ギア230は、入力側の大ギア23と出力側の小ギア24とを有し、軸G1を中心に回転する。第2減速ギア250は、入力側の大ギア25と出力側の小ギア26とを有し、軸G2を中心に回転する。モータギア22は、第1減速ギア230の大ギア23と噛み合い、第1減速ギア230の小ギア24は、第2減速ギア250の大ギア25と噛み合う。第2減速ギア250の小ギア26は、カム軸部材28に結合されたカムギア27と噛み合う。これにより、モータ出力軸21の回転は、減速されるとともにトルクが増大されてカム軸部材28に伝達される。
なお、減速機構の構成は、この例に限らず、適宜設定してよい。
駆動カム301は、カム軸部材28と共に回転軸Pを中心として回転する。また、制御軸部材60は、カム軸部材28と直交する方向に往復直線運動し、延長軸96とは反対側の端部にリフタ501が設けられている。
図3に示すように、駆動カム301は、回転軸Pから輪郭までの距離である輪郭径Rが周方向で不均一であるカム面31と、カム面31の周方向両端を接続するつなぎ面32とを側面に有している。図1(a)、(b)に示すように、延長軸96からの押付荷重Fbの正常時、リフタ501に組み付けられたローラ54がカム面31に当接する。
図3(a)の視方向において駆動カム301が時計回り方向に回転すると、カム溝40内に示した後退端位置47に対応する輪郭径RLから、前進端位置48に対応する輪郭径RHまで輪郭径Rが漸増する。すると、駆動カム301が図1(a)の状態から(b)の状態に移行し、それに伴ってリフタ501及び制御軸部材60の軸方向位置が変化する。
輪郭径RLの位置でカム面31がローラ54に当接したとき、延長軸96はストローク範囲の後退端に位置し、輪郭径RHの位置でカム面31がローラ54に当接したとき、延長軸96はストローク範囲の前進端に位置する。以下、駆動カム301の回転方向について、図3(a)の視方向における時計回り方向を前進方向といい、反時計回り方向を後退方向という。
また、駆動カム301の軸方向の端面である上面33及び下面34には、カム溝40が形成されている。第1実施形態では、カム溝40は、上面33、下面34の両方に対称に形成されている。
カム溝40の外側の周壁42は、カム面31から一定の距離Wfオフセットしている。また、カム溝40の幅Wg、すなわち内側の周壁41と外側の周壁42との距離も一定に形成されている。カム溝40に対し回転軸P側の領域を中心部35といい、カム溝40に対しカム面31側の領域を外縁部36という。周壁42がカム面31から一定の距離Wfオフセットしていることは、「外縁部36の幅Wfが一定である」とも言い換えられる。
また、カム溝40の後退端位置47を超えて更に後退側には切り欠き部46が形成されている。切り欠き部46は、駆動カム301の周方向の一部であるつなぎ面32においてカム溝40と接続する。切り欠き部46の作用については後述する。
切り欠き部46におけるカム溝40の周方向端部には、後退方向のストッパ壁45が形成されている。一方、前進端位置48を超えて更に前進側の周方向端部には、前進方向のストッパ壁49が形成されている。
続いて、図4に示すように、リフタ501の本体511は、制御軸部材60に接続された背板52と、背板52から制御軸部材60の延長線を挟んで両側に平行に延びる2枚の延伸板53とを有している。2枚の延伸板53の間には、ローラ54を貫通するシャフト55が固定されている。ローラ54は、シャフト55の軸Qを中心として回転可能にリフタ501に支持される。また、2枚の延伸板53の先端部56には、リフタピン57が内側に、すなわち、他方の延伸板に向かって突出するように固定されている。第1実施形態では、延伸板53の先端部56に形成された穴にリフタピン57が圧入されている。
図1、図7〜図10には、リフタ501が駆動カム301に組み付けられた状態が示される。「伝達部」としてのローラ54は、延長軸96からの押付荷重Fbが正常に付与されているとき、駆動カム301のカム面31と当接し、駆動カム301の回転運動を往復直線運動に変換して制御軸部材60に伝達可能である。「係合部」としてのリフタピン57は、ローラ54に対し回転軸P側でリフタ501に固定され、カム溝40に係合する。
なお、図7、図9は基本的に軸方向の断面図であるが、ローラ54については断面とせず、表面を破線ハッチングで示す。以下の実施形態の図11〜図13も同様とする。
駆動装置101の通常作動時、駆動カム301は、ローラ54がカム面31に当接し、且つ、リフタピン57がカム溝40に係合した状態で、「リフタピン57がカム溝40の後退端位置47に一致する回転位置」(図7(a)、図8(a))から、「リフタピン57がカム溝40の前進端位置48に一致する回転位置」(図7(b)、図8(b))まで回転運動する。この回転運動がローラ54により変換されて制御軸部材60に伝達され、制御軸部材60が往復直線運動する。
次に、駆動装置101の製造時に、リフタ501を駆動カム301に組み付けるための構成について、図5、図6を参照する。
図5に示すように、リフタ501の組み付け時、駆動カム301は、制御軸部材60の延長線上に切り欠き部46が位置するように回転される。この位置で径外方向からリフタ501を駆動カム301に近づけると、リフタピン57は、切り欠き部46を通過してカム溝40に導入され、切り欠き部46の真っ直ぐ奥に形成された調整壁43に当接する。
調整壁43は、カム溝40の内側の周壁41に対しわずかに外側に突出している。その突出寸法は、ローラ54がつなぎ面32に当接する位置でちょうどリフタピン57が調整壁43に当接するように設定されている。言い換えれば、組み付け位置から駆動カム301を正方向に回転させたときのリフタピン57の径方向内側の側面と周壁41とのクリアランス分が、調整壁43の突出寸法に相当する。
調整壁43を設けることで、リフタ501の組み付け時にローラ54がつなぎ面32に当接すると同時に、リフタピン57が調整壁43に当接する。これにより、組み付け時の衝突応力がリフタピン57に局部的にかかることを防止することができる。したがって、組み付け作業における品質不良の発生を防止し、作業性を向上させることができる。
次に、駆動装置101の作用効果について説明する。
まず、バルブリフト調整装置99の延長軸96からの押付荷重Fbが正常に付与されているときの駆動装置101の作用について、図7、図8を参照する。各図(a)は後退端でのリフタ501及び駆動カム301の位置関係を示し、各図(b)は前進端でのリフタ501及び駆動カム301の位置関係を示す。延長軸96からの押付荷重Fbにより、駆動カム301の回転中、ローラ54は、常に駆動カム301のカム面31に当接する。そのため、輪郭径RHと輪郭径RLとの差分が制御軸部材60及び延長軸96のストロークとして得られる。
このとき、リフタピン57は、カム溝40の周壁41、42との間にクリアランスが形成されている。すなわち、リフタピン57の側面が周壁41、42に接触しないように保たれている。また、リフタピン57の先端面もカム溝40の底壁に接触しないように保たれている。
次に、バルブリフト調整装置99における異物噛み込みや摩耗等によって延長軸96からの押付荷重Fbが低下したときの駆動装置101の作用について、図9、図10を参照する。図9、図10は、それぞれ、正常作動時の図7、図8に対応する。ここで、「荷重が低下したとき」とは、荷重が全く喪失した場合、及び、正常時の荷重に対し不足した場合を含む。
押付荷重Fbが低下すると、ローラ54が正規の位置に戻らなくなり、ローラ54とカム面31との間に隙間ができる。このとき、リフタピン57及びカム溝40が設けられていない従来技術では、駆動カム301が空転し、延長軸96のストロークを制御不能な状態に陥る。特に、前進端から後退端まで、延長軸96を引き戻すことができなくなるおそれがある。
それに対し、本実施形態の駆動装置101は、リフタピン57がカム溝40に係合しているため、ローラ54がカム面31から離間したとき、リフタピン57の径方向外側の側面が周壁42に当接する。すなわち、正常時におけるリフタピン57と周壁41とのクリアランス分だけリフタ501が動いた位置で、駆動カム301とリフタ501との位置関係が保持される。
また、カム溝40はカム面31から一定距離オフセットしており、駆動カム301の回転運動は、カム面31と同一のプロファイルで往復直線運動に変換される。したがって、正常時と同等の延長軸96のストロークが得られる。特に、図9(b)に示す前進端から図9(a)に示す後退端まで、延長軸96を確実に引き戻すことができる。
このように、本実施形態の駆動装置101は、延長軸96からの押付荷重Fbが低下したときの非常措置として、「係合部」としてのリフタピン57を用いた駆動を行うことにより、延長軸96のストロークを適切に制御することができる。
ところで、リフタピン57は、あくまで非常措置としての使用を前提としており、恒久的に使用されるものではない。そのため、延長軸96からの押付荷重Fbが正常に付与されローラ54がカム面31に当接している状態では、リフタピン57とカム溝40の周壁41、42との間にクリアランスが形成される。すなわち、リフタピン57の側面が周壁41、42に接触しないように構成されている。これにより、リフタピン57の摩耗を回避し、非常時の使用に備えて最良の状態を維持することができる。
なお、延長軸96からの押付荷重Fbが低下する異常が発生したとき、駆動装置101は、リフタピン57を用いた駆動を一時的に行うが、その一方で、バルブリフト調整装置99における異常原因を早期に取り除き、ローラ54を用いた通常駆動に戻すことが求められる。
さらに、回転角センサ70又はECU80、EDU82に異常が発生すると、駆動カム301の回転位置を正しく制御することができなくなり、駆動カム301の過回転によって駆動装置101が破損するおそれがある。そこで、駆動カム301の回転限界位置を規制するストッパが設けられることが好ましい。
本実施形態では、リフタピン57がストッパピンとしての機能を兼ね、駆動カム301が過回転したときストッパ壁45、49に当接することで、駆動カム301の回転限界位置を規制することができる。
加えて、駆動カム301は、つなぎ面32においてカム溝40と接続し、駆動カム301の径外方向からリフタピン57をカム溝40に導入可能とする切り欠き部46が形成されている。これにより、本実施形態のように、2本のリフタピン57が互いに近づく方向に突出したリフタ501を駆動カム301に組み付ける作業を容易に行うことができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図11に示す。第2実施形態は、リフタ502の「係合部」として、第1実施形態のリフタピン57に代えて、本体512に一体成形されたフック58が設けられている。
第1実施形態のように、本体511の延伸板53にリフタピン57を圧入固定する構成では、延伸板53の先端部56は、圧入孔の周囲の肉厚分、リフタピン57よりも先端側に更に延伸することとなる。すると、例えばカム軸部材29の直径が比較的大きい場合、図11に破線で示すように、先端部56がカム軸部材29に干渉するおそれがある。
そこで、第2実施形態のリフタ502は、本体512の延伸板の先端部を内側に、すなわち、他方の延伸板に近づく方向に折り曲げ、フック58を本体512と一体的に形成している。これにより、リフタ502の先端部とカム軸部材29との干渉を適切に回避することができる。フック58は、駆動カム301のカム溝40に係合し、第1実施形態のリフタピン57と同様の作用効果を奏する。
なお、本体512の延伸板を折り曲げてフック58を形成する構成以外にも、接合強度の確保を条件として、溶接や接着によりリフタピン57を延伸板の先端に接合するようにしてもよい。これにより、第2実施形態と同様に、リフタ先端部における干渉を回避することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図12に示す。第3実施形態は、駆動カム303の回転限界位置を規制するストッパがリフタピン57とは独立して設けられている。
図12(a)に示すように、駆動カム303は、一方の軸方向端面である上面33のみにカム溝40が形成されている。これに対応し、リフタ503は、本体513の上側の延伸板から1本のリフタピン57が突設している。したがって、第3実施形態では、バルブリフト調整装置99の延長軸96からの押付荷重Fbが低下したとき、駆動カム303の回転運動は、1本のリフタピン57を介して制御軸部材60に伝達される。
駆動カム303の下面34には、ストッパピン37が突設されている。また、駆動カム303が収容されるハウジング13は、駆動カム303の回転許容範囲においてストッパピン37が動く範囲が空間130となっている。そして、駆動カム303の回転限界位置でストッパピン37が当接するように規制壁135が設けられている。つまり、第3実施形態の規制壁135は、特許請求の範囲に記載の「規制部」に相当する。
これにより、駆動カム303が回転限界位置を超えて回転することが禁止される。したがって、回転角センサ70等の故障により駆動カム303の回転位置制御が異常となったとき、駆動カム303の過回転による駆動装置の破損を防止することができる。
また、リフタピン57とは独立してストッパを設けることで、駆動カム303の回転許容範囲を、カム溝40の周方向端部の壁45、49で区画される範囲よりも狭く設定することができる。さらに、ストッパピンとして使用されることによるリフタピン57の摩耗や強度低下を回避することができる。
なお、図12(a)に対し上下を逆とし、駆動カム303の下面34側でリフタピン57がカム溝40に係合し、上面33側にストッパピン37を設ける構成としてもよい。
(第4、第5実施形態)
本発明の第4、第5実施形態を図13に示す。第4、第5実施形態は、第3実施形態に対し、リフタ503に設けられた1本のリフタピン57が駆動カム304、305の上面33側でカム溝40に係合する点で共通し、駆動カム304、305の回転限界位置を規制するストッパの構成が異なる。
図13(a)に示す第4実施形態では、駆動カム304の下面34に対向するハウジング14の底面にストッパピン145が突設されている。ストッパピン145は、駆動カム304の下面34に形成されたストッパ溝38に係合している。
図13(b)に示す第5実施形態では、駆動カム305のカム面31に対向するハウジング15の内側面にストッパピン155が突設されている。ストッパピン155は、駆動カム305のカム面31に形成されたストッパ溝39に係合している。
ここで、ストッパ溝38、39は、駆動カム304、305の回転許容範囲に対応する範囲にわたって形成されており、ストッパ溝38、39の周方向両端の壁にストッパピン145、155が当接した位置で駆動カム304、305の回転が規制される。
したがって、厳密には、ストッパ溝38、39そのものではなく、「ストッパ溝38、39の周方向両端の壁」が「規制部」を構成する。ただし、その構造は、第3実施形態の図12(b)から容易に類推可能であるため、図13(a)、(b)に対応する「ストッパ溝38、39の周方向両端の壁を直接的に図示する断面図等」を省略する。また、特許請求の範囲において、「規制部」の参照符号として、便宜上「38、39」を用いる。
第4、第5実施形態による作用効果は、基本的に第3実施形態と同様である。ただし、第5実施形態では、カム面31の面積がストッパ溝39の分だけ減るため、カム面31とローラ54との接触面積に余裕がある場合に採用することが好ましい。
なお、図13(a)、(b)に対し上下を逆とし、駆動カム304、305の下面34側でリフタピン57がカム溝40に係合し、上面33側にストッパ溝38、39を設ける構成としてもよい。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態を図14に示す。第6実施形態の駆動装置106は、特許文献1の図3に示されるように、延長軸96からの荷重Faが引張方向に付与されるバルブリフト調整装置に適用される「プル式」の駆動装置である。図14に示す部分以外の構成は、第1実施形態の図1と同様である。
制御軸部材60に作用する引張荷重Faは、枠状のリフタ59を介して、駆動カム301を挟んで制御軸部材60とは反対側に設けられたローラ54に伝達される。この引張荷重Faにより、ローラ54は常に駆動カム301のカム面31に当接する。駆動カム301が後退端位置から前進端位置に向かって回転すると、ローラ54は図14の右方向に移動し、リフタ59を介して制御軸部材60が引っ張られる。
駆動装置106のリフタ59には、第1実施形態等と同様に、駆動カム301のカム溝40に係合するリフタピン57が設けられている。したがって、延長軸96からの引張荷重Faが低下しローラ54がカム面31から離間したときでも、リフタピン57とカム溝40との係合によって、駆動カム301の回転運動が往復直線運動に変換され制御軸部材60に伝達される。よって、延長軸96のストロークを制御可能とすることができる。
(その他の実施形態)
(ア)「動力源」は、DCモータ20に限らず、ACモータその他の電動モータ、或いは、油圧、圧縮空気、電磁力等で作動するアクチュエータ等を用いてもよい。
(イ)「駆動カム」の具体的なカムプロファイルは問わない。例えば特許文献1に記載の保持部等を適宜設定してよい。
(ウ)「伝達部」の形態は、円柱状のローラ54に限らず、特許文献1の図12に記載されたような略球状のローラやボール等を用いてもよい。
(エ)「係合部」の形態は、リフタピン57又はフック58に限らず、カム溝40に係合可能で、且つ、駆動カムの回転運動を往復直線運動に変換して制御軸部材60に伝達可能であれば、リフタと一体に形成されるか、別体のものが結合されるかを問わず、どのような形態を採用してもよい。
(オ)「被制御部」としての延長軸96と制御軸部材60とは、図2に示すようなカップリングに限らず、どのような機構で連結されてもよい。また、延長軸と制御軸部材とが一体に形成されてもよい。
(カ)本発明の駆動装置は、バルブリフト調整装置に限らず、制御軸部材の軸方向位置に応じて被制御部のストロークを制御可能なあらゆる装置に適用することができる。
以上、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施することができる。
101、106・・・駆動装置、
20・・・モータ(動力源)、 28、29・・・カム軸部材、
301、303、304、305・・・駆動カム、
31・・・カム面、
40・・・カム溝、 42・・・(外側)周壁、
501、502、503、59・・・リフタ、
54・・・ローラ(伝達部)、
57・・・リフタピン(係合部)、 58・・・フック(係合部)、
60・・・制御軸部材、
96・・・延長軸(被制御部)。

Claims (6)

  1. 制御軸部材(60)の軸方向位置に応じて、前記制御軸部材に連結され正常時に前記制御軸部材に対し所定方向の荷重を付与する被制御部(95)のストロークを制御する駆動装置であって、
    駆動トルクを発生する動力源(20)と、
    前記動力源の駆動トルクが伝達され回転するカム軸部材(28、29)と、
    回転軸からの距離が周方向で不均一であるカム面(31)、及び、少なくとも一方の軸方向端面に形成され前記カム面から一定の距離オフセットした曲面を周壁(42)とするカム溝(40)を有し、前記カム軸部材と共に回転する駆動カム(301、303、304、305)と、
    前記カム軸部材と直交する方向に往復直線運動し、前記被制御部とは反対側の端部にリフタ(501、502、503、59)が設けられた前記制御軸部材(60)と、
    前記リフタに支持され、前記被制御部からの荷重が正常に付与されているとき前記カム面と当接し、前記駆動カムの回転運動を往復直線運動に変換して前記制御軸部材に伝達可能な伝達部(54)と、
    前記伝達部に対し前記回転軸側で前記リフタに固定され、前記駆動カムの前記カム溝に係合し、且つ、前記被制御部からの荷重が低下し前記伝達部が前記カム面から離間したとき、前記カム溝との係合によって前記駆動カムの回転運動を往復直線運動に変換して前記制御軸部材に伝達可能な係合部(57、58)と、
    を備えることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記伝達部が前記カム面と当接している状態で、前記係合部と前記カム溝の周壁との間にクリアランスが形成されることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記駆動カムの回転限界位置を規制するストッパが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記ストッパは、前記係合部と、前記カム溝の周方向端部の壁(45、49)とにより構成されることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
  5. 前記ストッパは、前記駆動カム(303、304、305)、又は、前記駆動カムが収容されるハウジング(13、14、15)の一方に突設されたストッパピン(37、145、155)と、前記駆動カム又は前記ハウジングの他方に形成された規制部(135、38、39)とにより構成されることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
  6. 前記駆動カムは、
    周方向の一部において前記カム溝と接続し、前記駆動カムの径外方向から前記係合部を前記カム溝に導入可能とする切り欠き部(46)が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014046278A1 (ja) * 2012-09-21 2016-08-18 株式会社カネカ アフィニティー分離マトリックス用タンパク質リガンド

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