JP2016216576A - 潤滑剤及び、それを使用した印刷物の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷機に使用した潤滑剤による印刷物の汚れの有無を短い時間で検査することができ、且つそのような汚れの検出精度を高めることができる潤滑剤及び、それを使用した印刷物の検査方法を提供する。
【解決手段】基油に蛍光剤を添加してなる潤滑剤であって、印刷機に使用されることを特徴とする潤滑剤である。基油は、鉱油、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリ−α−オレフィン、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリカーボネート、ポリオールエステル、および、エーテル系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】基油に蛍光剤を添加してなる潤滑剤であって、印刷機に使用されることを特徴とする潤滑剤である。基油は、鉱油、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリ−α−オレフィン、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリカーボネート、ポリオールエステル、および、エーテル系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、潤滑剤及び、それを使用した印刷物の検査方法に関し、特に枚葉印刷機や輪転印刷機などの印刷機により印刷された印刷物において、印刷機に使用される潤滑剤による印刷物の汚れの有無を検査するのに好適な潤滑剤及び、それを使用した印刷物の検査方法に関する。
従来、印刷物の検査に関し、印刷物に光を照射し、その反射光による画像データを、基準とする印刷物の画像データと比較することで、印刷不良を検出する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、例えば印刷物の油汚れに関し、印刷物に光を透過させ、それにより得られる画像データを、基準とする印刷物の画像データと比較することで、印刷物の油汚れを検出することが提案されている(特許文献2参照)。
上記の検査方法は、いずれも撮像装置により撮像されたデータを画像処理することで、油汚れを含む印刷不良を検出している。したがって、高性能の撮像装置や画像処理装置から検査装置を構成することで、高い検査精度と短い検査時間とを実現することも可能である。しかし、そのような検査装置は、何万枚もの印刷物を検査するような環境では必要であっても、例えば、1日に検査すべき印刷物が何百枚か何千枚かであるといった条件においては、高精度の検査装置はオーバースペックとなることも考えられ、使用できないことも多い。
高精度の検査装置を使用できない環境においては、目視による検査や、性能がそれほど高くない検査装置を使用して検査を行う必要があり、検査に長時間を要したり、高い検査精度が得られなかったりすることも考えられる。
本発明は、上述したような問題点を解決すべくなされたものであって、例えば印刷物を目視により検査する場合であっても、印刷機に使用した潤滑剤による印刷物の汚れの有無を短い時間で検査することができ、且つそのような汚れの検出精度を高めることができる潤滑剤及び、それを使用した印刷物の検査方法を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、基油に蛍光剤を添加してなる潤滑剤であって、印刷機に使用されることを特徴とする潤滑剤に関する。
請求項2に係る発明は、前記基油は、鉱油、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリ−α−オレフィン、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリカーボネート、ポリオールエステル、および、エーテル系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1記載の潤滑剤である。
請求項3に係る発明は、印刷機により印刷された印刷物を検査する方法であって、請求項1または2記載の潤滑剤を準備する第1工程と、前記印刷機の少なくとも1つの給油部に前記潤滑剤を給油する第2工程と、前記印刷機を使用して印刷された印刷物に前記潤滑剤が付着しているか否かを光学的手法により判定する第3工程と、を備える印刷物の検査方法である。
請求項4に係る発明は、前記印刷機は2以上の給油部を有し、前記第1工程は、色が互いに異なる2種以上の前記潤滑剤を準備することを含み、前記第2工程は、前記2以上の給油部に色が互いに異なる前記潤滑剤を給油することを含み、さらに、前記印刷物に付着した前記潤滑剤の色を検知し、その色に基づいて、前記2以上の給油部のうちのいずれに給油不良があるかを判定する第4工程を備える請求項3記載の印刷物の検査方法である。
請求項5に係る発明は、前記潤滑剤の色は、イエロー、グリーン、ブルー、レッド、またはそれらの混合色であり、前記潤滑剤は、1kgの前記基油に対して、2.67ml〜13.3mlの対応する色の前記蛍光剤を含む請求項3または4記載の印刷物の検査方法である。
請求項1に係る発明によれば、潤滑剤が蛍光剤を含んでいるために、例えば目視により印刷物を検査する場合であっても、印刷機に使用した潤滑剤による印刷物の汚れを容易に発見することができる。したがって、検査時間の短縮と、潤滑剤による汚れの検出精度が向上する効果が期待できる。また、例えば性能がそれほど高くない検査装置により印刷物を検査する場合であっても、潤滑剤が蛍光剤を含んでいることで、潤滑剤が付着した部分の反射光の輝度が大きくなる。これにより、潤滑剤による印刷物の汚れの検出精度が良くなるといった効果が期待できる。
請求項2に係る発明によれば、印刷機の摺動部の良好な潤滑効果が期待できる。
請求項3に係る発明によれば、潤滑剤が蛍光剤を含んでいるために、例えば目視により印刷物を検査する場合であっても、印刷機に使用した潤滑剤による印刷物の汚れを容易に発見することができる。したがって、検査時間の短縮と、潤滑剤による汚れの検出精度が向上する効果が期待できる。また、例えば性能がそれほど高くない検査装置により印刷物を検査する場合であっても、潤滑剤が蛍光剤を含んでいることで、潤滑剤が付着した部分の反射光の輝度が大きくなる。これにより、潤滑剤による印刷物の汚れの検出精度が良くなるといった効果が期待できる。
請求項4に係る発明によれば、印刷機各部の給油部に互いに色が異なる潤滑剤を給油することで、印刷物に付着した潤滑剤がどの給油部に給油された潤滑剤であるのかを特定することが容易になる。これにより、印刷機の給油不良などのメンテナンスが容易になる。
請求項5に係る発明によれば、印刷機の給油不良の給油部を特定することが容易になるとともに、十分な蛍光量を得ることができるため、検査精度を向上させることができる。
以下、本発明の潤滑剤及び、それを使用した印刷物の検査方法について、適宜図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る潤滑剤が使用される印刷機の一例の概略透視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る印刷物の検査方法を実行するための検査装置の概略斜視図である。
図1は本発明の一実施形態に係る潤滑剤が使用される印刷機の一例の概略透視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る印刷物の検査方法を実行するための検査装置の概略斜視図である。
図示例の印刷機1は、4色刷りの枚葉式オフセット印刷機であり、実施形態の潤滑剤Gは、印刷機1の各給油部に給油される。このように潤滑剤Gは、基油に蛍光剤を添加してなる潤滑剤Gであって、印刷機1に使用される。
印刷機1は、4ユニットの版胴2、ゴム胴3、圧胴4及び中間胴5を有している。給紙部6から給紙される印刷紙は、各ユニットで各色に印刷され、操紙部7まで送られる。各ユニットの版胴2、ゴム胴3、圧胴4及び中間胴5は円筒形状の回転体であり、それぞれ、回転軸に給油が必要である。このように、印刷機1で給油が必要な部分を給油部と称する。
潤滑剤Gの基油は、特に限定されないが、鉱油、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリ−α−オレフィン、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリカーボネート、ポリオールエステル、および、エーテル系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む。特に、パラフィン系鉱油を好適に使用することができる。
本実施形態の印刷物の検査方法は、印刷機1により印刷された印刷物を検査する方法であって、潤滑剤Gを準備する第1工程と、印刷機1の少なくとも1つの給油部に潤滑剤Gを給油する第2工程と、印刷機1を使用して印刷された印刷物に潤滑剤Gが付着しているか否かを光学的手法により判定する第3工程と、を備える。
図2に示すように、印刷機1により印刷された印刷物11は積み重ねた状態で検査台12に置かれる。紫外線ランプ13により印刷物11の印刷面またはその裏面に紫外線を照射し、例えば目視により各印刷物11を検査する。潤滑剤Gは蛍光剤を含んでいるために、紫外線ランプ13により印刷物11を照射すると、潤滑剤Gが付着した部分が他の部分よりも明るく光る。紫外線の中心波長としては、365nmから375nmが好ましく、この範囲の場合に潤滑剤Gがよく光る。
これにより、印刷機1の給油部に給油された潤滑剤Gが、例えば上記の回転体が回転したときの遠心力により飛散し、印刷物11に付着して引き起こされる不具合を容易に発見することができる。したがって、検査時間の短縮と、印刷物の不具合の見逃しを防止することができる。
これにより、印刷機1の給油部に給油された潤滑剤Gが、例えば上記の回転体が回転したときの遠心力により飛散し、印刷物11に付着して引き起こされる不具合を容易に発見することができる。したがって、検査時間の短縮と、印刷物の不具合の見逃しを防止することができる。
あるいは、目視の代わりに、図示しない撮像装置と画像処理装置とを備えた画像データ処理装置により印刷物11を検査することもできる。例えば、撮像装置(CCDなど)により撮像した画像データを画像処理装置により処理し、画像データに基準値よりも高い輝度を有する部分があれば、その部分に潤滑剤Gが付着していると判定する。
印刷機1は2以上の給油部を有することができる。このとき、色が互いに異なる2種以上の潤滑剤Gを準備する。そして、2以上の給油部に色が互いに異なる潤滑剤Gを給油し、その状態で、印刷物11を印刷する。
印刷が終了すると、上記の検査方法により印刷物11を検査する。これにより、潤滑剤Gが印刷物11への付着が発見されると、その色を確認する。これにより、2以上の給油部のうちのいずれに給油した潤滑剤Gが印刷物11に付着したのかを知ることができる。したがって、2以上の給油部のうちのいずれに給油不良があるかを容易に知ることができる。
潤滑剤Gの色は、例えばイエロー、グリーン、ブルー、レッド、またはそれらの混合色にすることができる。潤滑剤Gは、1kgの基油に対して、2.67ml〜13.3mlの対応する色の蛍光剤を含む。
以下、潤滑剤Gの組成物をさらに詳しく説明する。
以下、潤滑剤Gの組成物をさらに詳しく説明する。
(1)鉱油
基油に使用される鉱油としては、いわゆる高度精製鉱油が好ましく、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油あるいはナフテン基系原油を常圧蒸留するか、常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油を常法に従って精製することによって得られる精製油、あるいは精製後更に深脱ロウ処理することによって得られる深脱ろう油、更には水素化処理によって得られる水素化処理油などを挙げることができる。その際の精製法には特に制限はなく様々な方法が使用される。
基油に使用される鉱油としては、いわゆる高度精製鉱油が好ましく、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油あるいはナフテン基系原油を常圧蒸留するか、常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油を常法に従って精製することによって得られる精製油、あるいは精製後更に深脱ロウ処理することによって得られる深脱ろう油、更には水素化処理によって得られる水素化処理油などを挙げることができる。その際の精製法には特に制限はなく様々な方法が使用される。
(2)アルキルベンゼン
アルキルベンゼンは、特に限定されないが、アルキル基の総炭素数(アルキル基が複数の場合は、それぞれのアルキル基の総和)が20以上のアルキルベンゼン(モノアルキルベンゼン,ジアルキルベンゼン,トリアルキルベンゼン)が好ましく、総炭素数が20以上でしかもアルキル基を2個以上有するもの(ジアルキルベンゼンなど)が熱安定性の点からより好ましい。
アルキルベンゼンは、特に限定されないが、アルキル基の総炭素数(アルキル基が複数の場合は、それぞれのアルキル基の総和)が20以上のアルキルベンゼン(モノアルキルベンゼン,ジアルキルベンゼン,トリアルキルベンゼン)が好ましく、総炭素数が20以上でしかもアルキル基を2個以上有するもの(ジアルキルベンゼンなど)が熱安定性の点からより好ましい。
(3)アルキルナフタレン
アルキルナフタレンとしては、ナフタレン環にアルキル基が2つまたは3つ結合したものが好適に使用される。特に、このようなアルキルナフタレンとしては、熱安定性の点から総炭素数が20以上であるものが更に好ましい。本発明においては、これらのアルキルナフタレンは単独で用いてもよいし、また混合して用いてもよい。
アルキルナフタレンとしては、ナフタレン環にアルキル基が2つまたは3つ結合したものが好適に使用される。特に、このようなアルキルナフタレンとしては、熱安定性の点から総炭素数が20以上であるものが更に好ましい。本発明においては、これらのアルキルナフタレンは単独で用いてもよいし、また混合して用いてもよい。
(4)ポリ−α−オレフィン(PAO)
ポリ−α−オレフィンとしては、種々のものが使用可能であるが、通常は炭素数8から18までのα−オレフィンの重合体である。そのうち、好ましいものとしては、粘度指数、低温流動性、および蒸発減量の観点より、1−ドデセン、1−デセンあるいは1−オクテンの重合体などを挙げることができる。なお、ポリ−α−オレフィンとして、特にその水素化処理物が熱安定性の点から好ましく用いられる。これらのポリ−α−オレフィンは単独で用いてもよいし、また混合して用いてもよい。
ポリ−α−オレフィンとしては、種々のものが使用可能であるが、通常は炭素数8から18までのα−オレフィンの重合体である。そのうち、好ましいものとしては、粘度指数、低温流動性、および蒸発減量の観点より、1−ドデセン、1−デセンあるいは1−オクテンの重合体などを挙げることができる。なお、ポリ−α−オレフィンとして、特にその水素化処理物が熱安定性の点から好ましく用いられる。これらのポリ−α−オレフィンは単独で用いてもよいし、また混合して用いてもよい。
(5)ポリビニルエーテル
基油として用いられるポリビニルエーテルには、ビニルエーテルモノマーを重合して得られたもの(以下、ポリビニルエーテルガスケットIと称する。)、およびビニルエーテルモノマーとオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーとを共重合して得られたもの(以下ポリビニルエーテル共重合体IIと称する。)がある。
基油として用いられるポリビニルエーテルには、ビニルエーテルモノマーを重合して得られたもの(以下、ポリビニルエーテルガスケットIと称する。)、およびビニルエーテルモノマーとオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーとを共重合して得られたもの(以下ポリビニルエーテル共重合体IIと称する。)がある。
ポリビニルエーテルIの原料として用いるビニルエーテルモノマーとしては、例えばビニルメチルエーテル;ビニルエチルエーテル;ビニル−n−プロピルエーテル;ビニル−イソプロピルエーテル等が挙げられる。これらのビニルエーテル系モノマーは公知の方法により製造することができる。
ポリビニルエーテル共重合体IIの原料として用いられるビニルエーテルモノマーとしては、前記例示のビニルエーテルモノマーと同じものを挙げることができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、もう一つの原料であるオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーとしては、例えばエチレン、プロピレン、各種ブテン、各種ペンテン、各種ヘキセン、各種ヘプテン、各種オクテン、ジイソブチレン、トリイソブチレン、スチレン、α−メチルスチレン、各種アルキル置換スチレンなどを挙げることができる。
(6)ポリアルキレングリコール
本組成物において、基油として用いられるポリアルキレングリコールとしては、例えば下記式(11)で示される化合物が挙げられる。
R9−[(OR10)m1−OR11]n1 (11)
式中、R9は水素原子、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数2から10までのアシル基または結合部2個から6個までを有する炭素数1から10までの脂肪族炭化水素基、R10は炭素数2〜4のアルキレン基、R11は水素原子、炭素数1〜10までのアルキル基または炭素数2から10までのアシル基、n1は1から6までの整数、m1はm1×n1の平均値が6から80までとなる数を示す。
本組成物において、基油として用いられるポリアルキレングリコールとしては、例えば下記式(11)で示される化合物が挙げられる。
R9−[(OR10)m1−OR11]n1 (11)
式中、R9は水素原子、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数2から10までのアシル基または結合部2個から6個までを有する炭素数1から10までの脂肪族炭化水素基、R10は炭素数2〜4のアルキレン基、R11は水素原子、炭素数1〜10までのアルキル基または炭素数2から10までのアシル基、n1は1から6までの整数、m1はm1×n1の平均値が6から80までとなる数を示す。
このようなポリアルキレングリコール類としては、例えばポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)(オキシプロピレン)グリコールジメチルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジアセテートなどが、経済性および効果の点で好適である。
(7)ポリカーボネート
基油として用いられるポリカーボネート系化合物としては、1分子中にカーボネート結合を2個以上有するポリカーボネートを好ましく挙げることができる。
基油として用いられるポリカーボネート系化合物としては、1分子中にカーボネート結合を2個以上有するポリカーボネートを好ましく挙げることができる。
(8)ポリオールエステル
基油として用いられるポリオールエステル系化合物としては、ジオールあるいは水酸基を3個から20個程度まで有するポリオールと、炭素数1から24まで程度の脂肪酸とのエステルが好ましく用いられる。加水分解安定性の観点より特にポリオールが好ましく、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタンおよびペンタエリスリトールのエステルがより好ましく、冷媒との相溶性および加水分解安定性に特に優れることからペンタエリスリトールのエステルが最も好ましい。
基油として用いられるポリオールエステル系化合物としては、ジオールあるいは水酸基を3個から20個程度まで有するポリオールと、炭素数1から24まで程度の脂肪酸とのエステルが好ましく用いられる。加水分解安定性の観点より特にポリオールが好ましく、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタンおよびペンタエリスリトールのエステルがより好ましく、冷媒との相溶性および加水分解安定性に特に優れることからペンタエリスリトールのエステルが最も好ましい。
脂肪酸としては、潤滑性の点からは、炭素数3以上のものが好ましく、炭素数4以上のものがより好ましく、炭素数5以上のものがさらにより好ましく、炭素数10以上のものが最も好ましい。また、冷媒との相溶性の点からは、炭素数18以下のものが好ましく、炭素数12以下のものがより好ましく、炭素数9以下のものがさらにより好ましい。また、直鎖状脂肪酸、分岐状脂肪酸の何れであってもよく、潤滑性の点からは直鎖状脂肪酸が好ましく、加水分解安定性の点からは分岐状脂肪酸が好ましい。さらに、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の何れであってもよい。
(9)エーテル系化合物
下記式(1)で示される構造を有するエーテル系化合物が基油として好ましく挙げられる。
Ra―〔(ORb)n―(B)―(ORc)k〕x―Rd (12)
ここで、式中、Ra、Rdはそれぞれ水素原子、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数2から10までのアシル基または結合部2個から6個までを有する炭素数1から10までの炭化水素基、Rb、Rcはそれぞれ炭素数2から4までのアルキレン基、n、kは0から20までの整数であり、xは1から6までの整数である。(B)は、モノマー単位を3以上含んだ重合部である。
下記式(1)で示される構造を有するエーテル系化合物が基油として好ましく挙げられる。
Ra―〔(ORb)n―(B)―(ORc)k〕x―Rd (12)
ここで、式中、Ra、Rdはそれぞれ水素原子、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数2から10までのアシル基または結合部2個から6個までを有する炭素数1から10までの炭化水素基、Rb、Rcはそれぞれ炭素数2から4までのアルキレン基、n、kは0から20までの整数であり、xは1から6までの整数である。(B)は、モノマー単位を3以上含んだ重合部である。
前記したようなエーテル系化合物は、アルキレングリコール若しくはポリアルキレングリコール、またはそれらのモノエーテルを開始剤とし、ビニルエーテルモノマーを重合させることにより、製造することができる。
エーテル系化合物としては、次の末端構造を有するもの、すなわち末端が、式(12)においてRaが水素原子、n=0であり、かつ残りの末端が、Rdが水素原子、k=0で表される構造を有するものが合成反応の安定性の点で好ましい。
エーテル系化合物としては、次の末端構造を有するもの、すなわち末端が、式(12)においてRaが水素原子、n=0であり、かつ残りの末端が、Rdが水素原子、k=0で表される構造を有するものが合成反応の安定性の点で好ましい。
基油に添加される蛍光剤としては、例えばクマリン化合物が挙げられる。クマリン化合物のような共役系を有する化合物は、紫外線を当てることにより蛍光を発する。しかも、クマリン化合物である蛍光剤を配合してなる潤滑剤Gは熱的にも化学的にも安定である。
ここで、クマリン化合物とは、クマリン(coumarin化学式 C9H6O2)を基本骨格とする誘導体である。たとえば、10-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロ-4H,10H-11-オキサ-3a-アザ-1H-ベンゾ[de]アントラセン-9-カルボン酸エチル、7-(エチルアミノ)-4,6-ジメチル-2H-1-ベンゾピラン-2-オン、7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン等が挙げられる。
また、潤滑剤Gがグリースであれば、増稠剤として、カルシウム石鹸、リチウム石鹸、リチウムコンプレックス石鹸、カルシウムコンプレックス石鹸、アルミニウムコンプレックス石鹸、PTFE、ベントンなどを含ませることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例)
基油としてのパラフィン系鉱油に、増稠剤であるリチウムコンプレックス石鹸を含ませてなるグリース(ジータルブ201(Magna Industrial Co. Ltd.の登録商標))を準備した。蛍光剤として、株式会社リークラボ・ジャパン製の蛍光剤イエロー(品番、OIL−GLO44)、ブルー(品番、OIL−GLO45)、レッド(品番、OIL−GLO50)、グリーン(品番、OLI−GLO33)の4色を準備した。
基油としてのパラフィン系鉱油に、増稠剤であるリチウムコンプレックス石鹸を含ませてなるグリース(ジータルブ201(Magna Industrial Co. Ltd.の登録商標))を準備した。蛍光剤として、株式会社リークラボ・ジャパン製の蛍光剤イエロー(品番、OIL−GLO44)、ブルー(品番、OIL−GLO45)、レッド(品番、OIL−GLO50)、グリーン(品番、OLI−GLO33)の4色を準備した。
上記のグリースに上記各色の蛍光剤を様々な割合で混合し、蛍光剤入りの潤滑剤G(油(イエロー)、油(グリーン)、油(レッド)、油(ブルー))を調製した。そして、それらの潤滑剤Gをオプティマクッス社製の紫外線ランプにより照射し、蛍光が確認できる最小の蛍光剤の混合量を調べた。その結果、油(イエロー)、油(グリーン)、及び油(ブルー)は、いずれも、7.5kgのグリースに対して、20ml以上の蛍光剤を添加することで蛍光を視認し得ることが確かめられた。一方、油(レッド)は、25ml以上の蛍光剤を添加することで蛍光を視認し得ることが確かめられた。また、7.5kgのグリースに対して、蛍光剤の添加量を100ml以下に抑えることで、潤滑剤Gの十分な潤滑性と稠度とを得られることが確かめられた。以上の結果を表1に示す。
上記の潤滑剤Gをmanroland社製の枚葉印刷機(形式900XXL)の給油部のうちの4つの給油部に給油した。このとき、各色の蛍光剤の添加量は、上記の範囲内でより良好な蛍光状態が得られる添加量で最小の添加量(油(イエロー):50ml、油(グリーン):30ml、油(ブルー):40ml、油(レッド):60ml)に設定した。つまり、それ以上蛍光剤を増量しても、検出精度の向上に寄与しない量まで蛍光剤を添加した。また、比較例1として、蛍光剤を含んでいない上記のグリースを他の給油部に給油した。この給油部にも適当な量よりも若干多い量の潤滑剤Gを給油した。
以上の条件で、1000枚のテスト印刷を行った。そして、図2に示したような検査装置を使用し、目視により印刷物の検査(1回目検査)を行った。さらに、1回目検査で潤滑剤Gの付着が発見されずに良品と判定された印刷物について、2回目及び3回目の検査を行い、1回目検査で見逃された潤滑剤Gの付着箇所がないかを調べた。さらに、比較例2として、蛍光剤を含んでいない上記のグリースのみを給油部に給油した印刷機により1000枚のテスト印刷を行った。この給油部にも適当な量よりも若干多い量の潤滑剤Gを給油した。
以上の結果を表2に示す。
表2から明らかなように、適量の蛍光剤を含む潤滑剤では、潤滑剤の付着の見逃しは1件も発生しなかった。これに対して、蛍光剤を含んでいないグリースのみの場合には20%の見逃しが発生した。
また、蛍光剤入り潤滑剤を使用した印刷機では、検査時間が3分の2程度にまで、大幅に短縮できることが確かめられた。
本発明は、印刷物への潤滑剤の付着を検出するのに好適に利用されるものである。
1 印刷機
2 版胴
3 ゴム胴
4 圧胴
5 中間胴
6 給紙部
7 操紙部
11 印刷物
12 検査台
13 紫外線ランプ
G 潤滑剤
2 版胴
3 ゴム胴
4 圧胴
5 中間胴
6 給紙部
7 操紙部
11 印刷物
12 検査台
13 紫外線ランプ
G 潤滑剤
Claims (5)
- 基油に蛍光剤を添加してなる潤滑剤であって、
印刷機に使用されることを特徴とする潤滑剤。 - 前記基油は、鉱油、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリ−α−オレフィン、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリカーボネート、ポリオールエステル、および、エーテル系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1記載の潤滑剤。
- 印刷機により印刷された印刷物を検査する方法であって、
請求項1または2記載の潤滑剤を準備する第1工程と、
前記印刷機の少なくとも1つの給油部に前記潤滑剤を給油する第2工程と、
前記印刷機を使用して印刷された印刷物に前記潤滑剤が付着しているか否かを光学的手法により判定する第3工程と、を備える印刷物の検査方法。 - 前記印刷機は2以上の給油部を有し、
前記第1工程は、色が互いに異なる2種以上の前記潤滑剤を準備することを含み、
前記第2工程は、前記2以上の給油部に色が互いに異なる前記潤滑剤を給油することを含み、
さらに、前記印刷物に付着した前記潤滑剤の色を検知し、その色に基づいて、前記2以上の給油部のうちのいずれに給油不良があるかを判定する第4工程を備える請求項3記載の印刷物の検査方法。 - 前記潤滑剤の色は、イエロー、グリーン、ブルー、レッド、またはそれらの混合色であり、
前記潤滑剤は、1kgの前記基油に対して、2.67ml〜13.3mlの対応する色の前記蛍光剤を含む請求項3または4記載の印刷物の検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015101313A JP2016216576A (ja) | 2015-05-18 | 2015-05-18 | 潤滑剤及び、それを使用した印刷物の検査方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015101313A JP2016216576A (ja) | 2015-05-18 | 2015-05-18 | 潤滑剤及び、それを使用した印刷物の検査方法 |
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Family Applications (1)
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JP2015101313A Pending JP2016216576A (ja) | 2015-05-18 | 2015-05-18 | 潤滑剤及び、それを使用した印刷物の検査方法 |
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JP (1) | JP2016216576A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018150396A (ja) * | 2017-03-09 | 2018-09-27 | 住鉱潤滑剤株式会社 | 溶剤希釈型フッ素系潤滑剤組成物 |
JP2019147659A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-05 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | 乗客コンベアの油漏れ経路特定方法および油漏れ経路特定支援システム |
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2015
- 2015-05-18 JP JP2015101313A patent/JP2016216576A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018150396A (ja) * | 2017-03-09 | 2018-09-27 | 住鉱潤滑剤株式会社 | 溶剤希釈型フッ素系潤滑剤組成物 |
JP2019147659A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-05 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | 乗客コンベアの油漏れ経路特定方法および油漏れ経路特定支援システム |
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