JP2016216308A - 液面レベル検出装置用の電極及び液面レベル検出装置 - Google Patents

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晃之 塚本
Teruyuki Tsukamoto
晃之 塚本
正隆 関
Masataka Seki
正隆 関
祝雄 平林
Norio Hirabayashi
祝雄 平林
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Abstract

【課題】長寿命化を図ることができる液面レベル検出装置用の電極を提供する。
【解決手段】液面レベル検出装置10は、溶融ガラスGの液面Gaと接触して該溶融ガラスGと電気的に導通される電極13を備え、その電極13と溶融ガラスGとの電気的導通に基づいて溶融ガラスGの液面レベルが検出される。そして、電極13の表面の一部が、金属化合物の溶射によって成形された溶射膜20にて被覆される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば溶融ガラスの液面レベルを検出する液面レベル検出装置、及びその装置に用いられる電極に関するものである。
従来、ガラス成形装置のガラス溶融炉等において、溶融ガラスの液面レベルを検出するための液面レベル検出装置が設けられている。液面レベル検出装置は、例えば特許文献1に開示されるように、溶融ガラスの液面と接触して該溶融ガラスと電気的に導通される白金又は白金合金からなる電極を備え、電極と溶融ガラスとの電気的導通に基づいて溶融ガラスの液面レベルの検出を行う。
実開平6−47338号公報
しかしながら、上記のような液面レベル検出装置では、溶融ガラスの液面と接触する電極が高温状況下に曝されるため、電極(白金又は白金合金)が酸素等と反応して昇華したり溶損したりするおそれがある。そして、昇華や溶損によって電極が液面レベルを検出不能な状態となると、新しい電極に交換する必要が生じるため、電極の寿命の短さが製造コストの上昇に繋がってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、長寿命化を図ることができる液面レベル検出装置用の電極及び液面レベル検出装置を提供することにある。
上記課題を解決する液面レベル検出装置用の電極は、溶融物の液面と接触して該溶融物と電気的に導通される液面レベル検出装置用の電極であって、該電極の表面の少なくとも一部が、金属化合物の溶射によって成形された溶射膜にて被覆されている。
この構成によれば、溶融物の液面と接触する電極において、その表面の少なくとも一部が金属化合物の溶射によって成形された溶射膜にて被覆される。これにより、高温状況下で電極(白金又は白金合金)が酸素等と反応して昇華したり溶損したりすることを溶射膜によって抑制することができ、その結果、電極の寿命の長期化に寄与できる。
上記液面レベル検出装置用の電極において、溶融物と接触される先端部を含む範囲に、前記溶射膜が形成されていない非溶射部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、非溶射部においては電極自身の表面が露出され、その非溶射部は溶融物と接触される電極の先端部を含むように設けられる。これにより、電極の昇華や溶損を溶射膜によって抑制しつつも、溶融物との電気的導通性の悪化、つまり、溶融物の液面レベルの検出精度の悪化を抑えることができる。
上記液面レベル検出装置用の電極において、前記溶射膜の膜厚が0.05mm以上、0.3mm以下に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、溶射膜の膜厚を0.05mm以上、0.3mm以下に設定することで溶射膜が剥がれにくくなり(図2参照)、電極の取り扱いが容易となる。また、溶射膜が剥がれにくくなることで、溶射膜による電極の昇華や溶損の抑制効果をより好適に発揮させることができる。
上記液面レベル検出装置用の電極において、前記溶射膜は、ジルコニアを主成分として含有する金属酸化物の溶射にて成形されていることが好ましい。
この構成によれば、ジルコニアを主成分として含有する金属酸化物は耐熱性(遮熱性)に優れるため、そのジルコニアを主成分として含有する金属酸化物からなる溶射膜によって、電極の昇華や溶損をより好適に抑制することができる。
上記液面レベル検出装置用の電極において、無アルカリガラスの液面レベルの検出に用いられることが好ましい。
この構成によれば、無アルカリガラスは一般に作業粘度の温度が高く、溶融状態で高温となるため、溶射膜による電極の昇華や溶損の抑制効果をより顕著に得ることができる。
上記課題を解決する液面レベル検出装置は、上記電極を備え、前記電極と溶融物との電気的導通に基づいて溶融物の液面レベルを検出する装置である。
この構成によれば、高温状況下での電極の昇華や溶損を溶射膜によって抑制することができ、その結果、電極の寿命が長期化された液面レベル検出装置を提供することができる。
本発明の液面レベル検出装置用の電極及び液面レベル検出装置によれば、電極の長寿命化を図ることができる。
実施形態の液面レベル検出装置の概略図である。 溶射膜の膜厚を変更したときの寿命評価及び溶射膜の剥がれ評価を説明するための説明図である。
以下、液面レベル検出装置及び該装置用の電極の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の液面レベル検出装置10は、ガラス成形装置における例えばガラス溶解炉中の溶融ガラスG(無アルカリガラス)の液面レベルを検出するものである。液面レベル検出装置10は、支持台Bに載置固定されたアーム昇降機11と、アーム昇降機11から延出するアーム12と、先端13aが下方に指向するようにアーム12の先端部に固定された白金又は白金合金よりなる電極13とを備えている。
アーム昇降機11は、駆動源としてモータ(図示略)を有し、該モータの駆動に基づいてアーム12の少なくとも先端部が昇降するようにアーム12を作動させる。電極13は、長さが例えば10cm程度の針状をなし、その基端部に設けられた固定部13bがアーム12に固定されており、電極13の先端13aが下方を向くように取り付けられている。なお、アーム12及び固定部13bは、ステンレスよりなる。
また、液面レベル検出装置10は、溶融ガラスGと電気的に接続されたアース電極(図示略)を備えている。そして、ガラスが高温時に導電体となることから、電極13の先端13aが溶融ガラスGの液面Gaと接触することにより、アース電極−溶融ガラスG−電極13の電気回路が形成され、その電気回路の開閉に基づき溶融ガラスGの液面レベルの検出が可能となっている。
電極13の表面は、金属化合物の溶射によって形成された溶射膜20にて被覆されている。この溶射膜20は、電極13の先端を含む範囲を除いた部位に設けられている。つまり、電極13の先端を含む範囲には、溶射膜20が形成されていない非溶射部21が形成されている。非溶射部21では、電極13の表面(つまり、白金又は白金合金)が露出されている。この非溶射部21の長手方向幅W(電極13の長手方向に沿った幅)は、0.01mm以上、20mm以下の範囲に設定されることが好ましい。このように、電極13は、非溶射部21を除いた部位において、白金又は白金合金の露出を防ぐべく溶射膜20にて被覆されている。
溶射膜20を構成する金属化合物としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、チタニア、酸化ケイ素、及び酸化クロム等の金属酸化物、ならびに窒化クロム、窒化アルミニウム、及び窒化モリブデン等の金属窒化物が挙げられる。金属化合物は、単独種であってもよいし、複数種を組み合わせてもよい。金属化合物の中でも、耐熱性や断熱性等に優れることから、ジルコニアを主成分として含有する金属酸化物(ジルコニアの含有量が50質量%以上の金属酸化物)であることが好ましい。また、ジルコニアを主成分として含有する金属酸化物は、ジルコニア単体であってもよいし、ジルコニア以外に、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、又は酸化イットリウムが含有されていてもよい。なお、溶射方法は、特に限定されないが、例えば、HVOF溶射法(高速フレーム溶射法)を用いることができる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
電極13において溶射膜20が施された部位では、高温のガラス溶融炉内で白金又は白金合金が酸素等と反応して昇華することや溶損することが生じることが抑制されている。一方、電極13の先端13aを含む非溶射部21では白金又は白金合金の昇華や溶損が生じ、その非溶射部21の昇華や溶損によって、溶融ガラスGの液面Gaと接触する電極13の先端部での電気的導通性が低下して液面レベルの検出値に異常が見られるようになる。このときには、電極13の先端側の所定範囲における溶射膜20を除去し、溶融ガラスGの液面Gaと接触する電極13の先端部における電気的導通性を確保する。このように、電極13において溶融ガラスGの液面Gaと接触する先端部の白金又は白金合金を露出させるため、その露出部分の昇華や溶損によって電極13が短くなっていくものの、電極13に溶射膜20を設けない場合と比べると、昇華によって電極13が短くなっていくスピードは遅くなり、寿命の長期化を図ることができる。
ここで、図2には、溶射膜20の膜厚を変更したときの寿命評価及び溶射膜20の剥がれ評価を示している。寿命評価は、電極長が使用前の50%になった段階を寿命とし、溶射無しの電極の寿命を基準として評価した。具体的には、寿命が溶射無しの電極の寿命以下である場合を×、寿命が溶射無しの電極の寿命の1.5倍以上である場合を○とした。溶射膜剥がれ評価は、30日使用後に溶射膜の剥離により電極が露出した部分が有るか否かに基づいて評価した。具体的には、溶射部位が全面露出した場合を×、部分的に露出した場合を△、露出が無かった場合を○とした。
同図に示すように、溶射膜20の膜厚が0.05mm以上、0.4mm以下の範囲では、金属化合物を溶射しない場合(溶射膜20を設けない場合)と比較して寿命が長くなった。また、溶射膜20は、膜厚が厚くなるほど剥がれやすくなる傾向があり、膜厚が0.4mmの場合では、膜厚が0.05mm以上、0.3mm以下の場合と比較して、溶射膜20の剥がれが見られるものの、金属化合物を溶射しない場合と比較して寿命は長くなる。従って、溶射膜20の膜厚は、電極13の寿命の長期化を図る点のみを考えれば、0.05mm以上、0.4mm以下の範囲に設定されることが好ましく、更に、電極13の取り扱いやすさも考えれば、溶射膜20が剥がれにくい0.05mm以上、0.3mm以下の範囲に設定されることが好ましい。
なお、図2は、ジルコニアを主成分として含有する金属酸化物を溶射膜20に用いた場合の寿命評価及び溶射膜20の剥がれ評価を示しているが、アルミナを主成分として含有する金属酸化物(アルミナの含有量が50質量%以上の金属酸化物)を溶射膜20に用いた場合においても、寿命評価及び溶射膜20の剥がれ評価は略同様であった。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)電極13の表面が金属化合物の溶射によって成形された溶射膜20にて被覆されるため、高温状況下での電極13の昇華や溶損を溶射膜20によって抑制することができ、その結果、電極13の寿命の長期化に寄与できる。
(2)溶射膜20が形成されていない非溶射部21が、溶融ガラスGと接触される電極13の先端13aを含む範囲に設けられる。これにより、溶射膜20によって電極13の昇華や溶損を抑制しつつも、溶融ガラスGとの電気的導通性の悪化、つまり、溶融ガラスGの液面レベルの検出精度の悪化を抑えることができる。
(3)溶射膜20の膜厚が0.05mm以上、0.3mm以下に設定されるため、電極13の寿命の長期化を図りつつも、溶射膜20が剥がれにくくなることから電極13の取り扱いが容易となる(図2参照)。また、溶射膜20が剥がれにくくなることで、溶射膜20による電極13の昇華や溶損の抑制効果をより好適に発揮させることができる。
(4)溶射膜20は、ジルコニアを主成分として含有する金属酸化物の溶射にて成形されることが好ましい。ジルコニアを主成分として含有する金属酸化物は耐熱性(遮熱性)に優れるため、そのジルコニアを主成分として含有する金属酸化物からなる溶射膜20によって、電極13の昇華や溶損をより好適に抑制することができる。
(5)電極13は、無アルカリガラスの液面レベルの検出に用いられる。無アルカリガラスは一般に作業粘度の温度が高く、溶融状態で高温となるため、その無アルカリガラスを溶融する溶融炉内に配置される電極13に溶射膜20を設けることで、電極13の昇華や溶損の抑制効果をより顕著に得ることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、電極13の先端13aを含む範囲に、溶射膜20が形成されていない非溶射部21を設けたが、これ以外に例えば、電極13全体に溶射膜20を設けてもよい。この場合、電極13の昇華や溶損をより効果的に抑えることができるものの、溶融ガラスGの液面Gaと接触する先端13aにも溶射膜20が形成されることから溶融ガラスGとの電気的導通性が悪くなり、液面レベルの検出精度が低くなる場合がある。そのため、上記実施形態のように、電極13の先端13aを含む範囲に非溶射部21を設けることが、液面レベルの検出精度を向上させるためには好ましい。
・上記実施形態では、溶射膜20を構成する金属化合物として金属酸化物や金属窒化物を例に挙げたが、それら以外の金属化合物で溶射膜20を構成してもよい。なお、この場合、電極13(白金又は白金合金)よりも耐熱性や酸素バリア性に優れた金属化合物を用いることが電極13の長寿命化を図る点で好ましい。
・電極13の形状は針状に限定されるものではなく、構成に応じて適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、ガラス溶融炉内の無アルカリガラスの液面レベルを検出する液面レベル検出装置10に適用したが、これに特に限定されるものではなく、例えば、アルカリガラスの液面レベルを検出する液面レベル検出装置に適用してもよい。また、ガラス溶融炉以外における溶融ガラスGの液面レベルを検出する液面レベル検出装置に適用してもよい。加えて、フロート法の溶融スズバスなどの溶融金属の液面レベル検出装置に適用してもよい。
10…液面レベル検出装置、13…電極、20…溶射膜、21…非溶射部、G…溶融ガラス、Ga…液面。

Claims (6)

  1. 白金又は白金合金からなり、溶融物の液面と接触して該溶融物と電気的に導通される液面レベル検出装置用の電極であって、
    該電極の表面の少なくとも一部が、金属化合物の溶射によって成形された溶射膜にて被覆されていることを特徴とする液面レベル検出装置用の電極。
  2. 溶融物と接触される先端部を含む範囲に、前記溶射膜が形成されていない非溶射部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液面レベル検出装置用の電極。
  3. 前記溶射膜の膜厚が0.05mm以上、0.3mm以下に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液面レベル検出装置用の電極。
  4. 前記溶射膜は、ジルコニアを主成分として含有する金属酸化物の溶射にて成形されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液面レベル検出装置用の電極。
  5. 無アルカリガラスの液面レベルの検出に用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液面レベル検出装置用の電極。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極を備え、
    前記電極と溶融物との電気的導通に基づいて溶融物の液面レベルを検出することを特徴とする液面レベル検出装置。
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