JP2016215614A - 射出成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂流路を構成する分割構造の管路を樹脂の漏出を防ぎつつスライド自在に嵌合させるシール部のシール力を向上できる射出成形用金型を提供する。
【解決手段】溶融した樹脂が注入されるキャビティを備え、キャビティ内で樹脂を硬化させて成形品を成形する射出成形用金型であって、互いに連結されるスプルー部30とマニホールドパイプ40から一部が構成される、樹脂をキャビティに導く流路と、スプルー部の下流側端部の内面にマニホールドパイプの上流側端部の外面を密着させて、スプルー部の内側にマニホールドパイプをスライド自在に嵌合させるシール部110と、を有し、シール部は、マニホールドパイプの上流側の端面に上流側に向かって開く凹部112を備えてなり、凹部に流入した樹脂からの圧力をスプルー部の下流側端部の内面にマニホールドパイプの上流側端部の外面を押し付ける力に変換する、射出成形用金型。
【選択図】図3

Description

本発明は、射出成形用金型に関する。
従来から、射出成形用金型における樹脂成形品の成形は、溶融樹脂をキャビティに注入し、当該キャビティ内に注入された樹脂を硬化させることによりなされる。溶融樹脂は射出成形用金型の外部から供給され、射出成形用金型内に設けられた樹脂流路を介してキャビティ内に注入される。溶融樹脂は高温なため、樹脂流路は熱膨張による変形を考慮して設計する必要がある。
樹脂流路の熱膨張による長さ変化を吸収するために、流路の一部を分割構造の管路により構成し、一の管路と他の管路とをスライド自在に嵌合させることで熱膨張による長さの変化を吸収する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
実開平4−30916号公報
一の管路と他の管路とは、樹脂の漏出を防ぐためにシールされた状態で嵌合される。しかしながら、一の管路と他の管路とを樹脂の漏出を防ぎつつスライド自在に嵌合させるシール部のシール力を十分に確保できないという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、樹脂流路を構成する分割構造の管路を樹脂の漏出を防ぎつつスライド自在に嵌合させるシール部のシール力を向上できる射出成形用金型を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る射出成形用金型は、溶融した樹脂が注入されるキャビティを備え、当該キャビティ内で樹脂を硬化させて成形品を成形する射出成形用金型である。当該射出成形用金型は、互いに連結される2つの管路から少なくとも一部が構成される、樹脂をキャビティに導く流路を有する。当該射出成形用金型は、一の管路の下流側端部の内面に他の管路の上流側端部の外面を密着させて、一の当該管路の内側に他の当該管路をスライド自在に嵌合させるシール部をさらに有する。シール部は、他の管路の上流側の端面に上流側に向かって開く凹部を備えてなり、当該凹部に流入した樹脂からの圧力を一の管路の下流側端部の内面に他の管路の上流側端部の外面を押し付ける力に変換する。
本発明に係る射出成形用金型によれば、シール部において一の管路の内面に沿って他の管路の上流側端部がスライドすることにより、熱膨張による流路の長さの変化が吸収される。そして、シール部において一の管路の下流側端部の内面と他の管路の上流側端部の外面は密着されているから樹脂の漏出が防止される。さらに、シール部は、凹部に樹脂を流入させて静止した状態で保持する。これにより、樹脂からの圧力を管路の上流側端部の内面に管路の下流側端部の外面を押し付ける力に効率よく変換できる。従って、樹脂流路を構成する分割構造の管路を樹脂の漏出を防ぎつつスライド自在に嵌合させるシール部のシール力を向上できる。
本実施形態に係る射出成形用金型の概略図である。 図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する拡大図である。 図2の破線部Bによって囲まれる部分に対応する拡大図である。 図3の破線部Cによって囲まれる部分に対応する拡大図である。 図5(A)、(B)は同射出成形用金型のシール部の作用を説明する説明図であって、それぞれ図2および図3に対応する拡大図である。 図6(A)、(B)は同射出成形用金型のシール部が備える凹部の作用を説明する説明図であって、それぞれ樹脂が流れる様子および樹脂から作用される圧力を示す図4に対応する拡大図である。 同射出成形用金型のシール部が備える凹部の作用を説明する説明図であって、樹脂から作用される圧力が凹部によって変換される様子を示す図4に対応する拡大図である。 同射出成形用金型のマニホールドパイプが有する傾斜部の作用を説明する説明図であって、樹脂から作用される圧力が傾斜部によって変換される様子を示す図4に対応する拡大図である。 図9(A)、(B)は偏向部の作用を説明する説明図であって、偏向部を設置する前と設置した後の様子を示す図3に対応する拡大図である。 本発明の実施形態の変形例に係る射出成形用金型のシール部が備える凹部を示す概略図であって、図4に対応する拡大図である。 本発明の実施形態の別の変形例に係る射出成形用金型のシール部が備える凹部を示す概略図であって、図4に対応する拡大図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本実施形態に係る射出成形用金型100の概略図である。図2は、図1の破線部Aによって囲まれる部分に対応する拡大図である。図3は、図2の破線部Bによって囲まれる部分に対応する拡大図である。図4は、図3の破線部Cによって囲まれる部分に対応する拡大図である。図5(A)、(B)は射出成形用金型100のシール部110の作用を説明する説明図であって、それぞれ図2および図3に対応する拡大図である。図6(A)、(B)は射出成形用金型100のシール部110が備える凹部112の作用を説明する説明図であって、それぞれ樹脂210が流れる様子および樹脂210から作用される圧力を示す図4に対応する拡大図である。図7は射出成形用金型100のシール部110が備える凹部112の作用を説明する説明図であって、樹脂210から作用される圧力が凹部112によって変換される様子を示す図4に対応する拡大図である。図8は射出成形用金型100のマニホールドパイプ40が有する傾斜部42の作用を説明する説明図であって、樹脂210から作用される圧力が傾斜部42によって変換される様子を示す図4に対応する拡大図である。図9(A)、(B)は偏向部80の作用を説明する説明図であって、偏向部80を設置する前と設置した後の様子を示す図3に対応する拡大図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1を参照して、本実施形態に係る射出成形用金型100は、概説すると、溶融した樹脂210が注入されるキャビティ13を備え、キャビティ13内で樹脂210を硬化させて成形品200を成形する射出成形用金型100である。射出成形用金型100は、金型本体部10と、キャビティ13に樹脂210を導く流路20と、を有する。流路20の一部は、スプルー部30(一の管路に相当)とマニホールドパイプ40(他の管路に相当)とが互いに連結されることにより構成される。射出成形用金型100は、スプルー部30の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を密着させて、スプルー部30の内側にマニホールドパイプ40をスライド自在に嵌合させるシール部110をさらに有する。以下、射出成形用金型100について詳述する。
金型本体部10は、上型11(雄型)と、下型12(雌型)と、スペーサ14と、下部プレート15と、を有する。
上型11および下型12は、開閉可能に対をなして構成される。上型11および下型12は、上型11と下型12との間にキャビティ13を密閉自在に形成する。上型11と下型12との型締めは、プレス機などにより上型11または下型12に型締圧力を負荷することによりなされる。キャビティ13内を密閉状態にするために、上型11と下型12との合わせ面にシール部材等を設けてもよい。
キャビティ13は、キャビティ13内に樹脂210を注入する注入口16を備える。
注入口16は、下型12の上方部に設けられる。注入口16には、後述するホットノズル60が連通して接続される。キャビティ13内には、ホットノズル60から吐出される樹脂210が注入口16を介してキャビティ13の下方から注入される。
下部プレート15は、スペーサ14と協働して空間17を形成する。空間17には、流路20が配置される。
流路20は、スプルー部30と、マニホールドパイプ40と、連結部50と、ホットノズル60と、偏向部80と、加熱部90と、を有する。
スプルー部30は、射出成形用金型100の外部から供給される樹脂210をマニホールドパイプ40に分配する。スプルー部30は、管路31と、樹脂供給口32と、を有する。樹脂供給口32には、溶融した樹脂210が射出成形用金型100の外部から供給される。樹脂供給口32を介して供給される樹脂210は、管路31を通ってマニホールドパイプ40に分配される。
図5(B)を参照して、管路31内において、樹脂210は矢印a1a2で示す方向に流れる。a1は上流側、a2は下流側をそれぞれ示す。管路31の内径d1は、下流側端部において拡張されて内径d2となる。内径がd1の部分と内径がd2の部分とは、傾斜部33によって接続される。傾斜部33は、上流側から下流側に向かうにつれて管路31の軸との距離が大きくなる方向に傾斜する。傾斜部33は、内径がd1の部分から内径がd2の部分に変化する領域において、樹脂210が管路31の内壁に沿って滞留することなく流れることを促進する。
マニホールドパイプ40は、連結部50を介してスプルー部30から分配される樹脂210をホットノズル60に輸送する。マニホールドパイプ40は、管路41と、傾斜部42と、を有する。管路41は、管路31に連通している。管路31から管路41に流入される樹脂210は、管路41を介して連結部50へと輸送される。
マニホールドパイプ40の上流側端部は、管路31の内側に嵌合される。マニホールドパイプ40の外径Dは、管路31の下流側端部の拡張された内径d2とほぼ等しい。
傾斜部42は、マニホールドパイプ40の上流側端部に設けられる。傾斜部42は、マニホールドパイプ40の上流側から下流側に向かうにつれてマニホールドパイプ40の軸との距離が狭くなる方向に傾斜する。
図8を参照して、傾斜部42は、樹脂210から作用される圧力P2を、マニホールドパイプ40の上流側端部を径方向外方に押し広げる方向の力F2に変換する。
図2を参照して、連結部50は、マニホールドパイプ40とホットノズル60とを連結する。連結部50は、管路51と、段差部52と、を有する。管路51は、マニホールドパイプ40の管路41に連通している。段差部52には、マニホールドパイプ40の下流側端部の端面が当接される。管路41から管路51に流入される樹脂210は、管路51を介してホットノズル60に輸送される。
段差部52にマニホールドパイプ40の下流側端部の端面が当接されることにより、熱膨張によってマニホールドパイプ40の長さLmが変化しても、マニホールドパイプ40の下流側端部が移動することはない。
ホットノズル60は、スプルー部30、マニホールドパイプ40および連結部50を介して輸送される樹脂210をキャビティ13内に吐出する。ホットノズル60は、管路61と、吐出口62を有する。管路61は、連結部50の管路51に連通している。吐出口62は、キャビティ13の注入口16に連通している。管路51から管路61に流入される樹脂210は、管路61を介して吐出口62へと到達する。吐出口62へと到達した樹脂210は、注入口16を介してキャビティ13に注入される。
図3および図4を参照して、シール部110は、スプルー部30の管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を密着させるシール部材111を含む。具体的には、シール部材111は、マニホールドパイプ40の上流側端部に密着して設置される。そして、シール部材111の外面は、マニホールドパイプ40の外面の一部を形成して、スプルー部30の管路31の下流側端部の内面に密着される。シール部材111の上流側の端面S1は、マニホールドパイプ40の上流側の端面の一部を形成する。シール部材111として、例えば、Oリングを使用し得る。
シール部材111は、マニホールドパイプ40の上流側の端面S1に上流側に向かって開く凹部112を備える。後述するように、凹部112は、樹脂210からの圧力を管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力に変換する。
具体的には、凹部112は、開口部Mと、底部Bと、内面S2と、を備える。より具体的には、凹部112は、開口部Mから底部Bに向かって先細りする形状を備える。本実施形態において、凹部112は、上流側に向かって開くU字形状の断面を備える。
シール部材111を構成する材料は、次の条件(1)および(2)を満たす限りにおいて限定されない。すなわち、(1)樹脂210から凹部112の内面S2に作用される圧力P1によってシール部材111の外面が径方向外方に向かって押し広げられる。(2)溶融した樹脂210に接触することで溶解しない。
上述した条件(1)および(2)を満たすシール部材111を構成する材料として、例えば、ステンレス鋼などの金属材料、およびフッ素ゴムやパーフルオロエラストマーなどの耐熱性を備えた樹脂材料を使用できる。
シール部110においてマニホールドパイプ40の上流側端部が管路31の内面に沿ってスライドすることにより、熱膨張による流路20の長さの変化が吸収される。具体的には、図5(A)、(B)を参照して、熱膨張によりマニホールドパイプ40の長さLmが増加すると、マニホールドパイプ40の上流側端部が管路31の内面に沿ってスライドする。これにより、熱膨張によるマニホールドパイプ40の長さLmの増加が吸収される。このとき、シール部110において管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面が密着されているから樹脂の漏出が防止される。
凹部112によって、樹脂210からの圧力P1がスプルー部30の管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力F1(図7参照)に変換される。具体的には、図6(A)、(B)を参照して、マニホールドパイプ40の上流側端部の近傍には、樹脂210の流れが存在する。樹脂210の一部は、凹部112の内部に流入して凹部112の内面S2に圧力P1を作用させる。
図7を参照して、樹脂210からの圧力P1は凹部112を押し広げる。このとき、シール部材111の外面は、スプルー部30の管路31の下流側端部の内面に密着している。そのため、凹部112が押し広げられると、シール部材111の外面を管路31の下流側端部の内面に押し付ける力F1が生じる。すなわち、樹脂210からの圧力P1は、凹部112によって管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力F1に変換される。
また、凹部112は、内部に流入した樹脂210を静止した状態で保持する。これにより、樹脂210からの圧力をスプルー部30の管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力に効率よく変換できる。
具体的には、流路20内を流動する樹脂210は静圧と動圧を有する。静圧は樹脂210から作用される実際の圧力である。樹脂210は動圧によって流動されており、動圧は圧力としては作用しない。例えば、図6(A)を参照して、傾斜部42の近傍では樹脂210は流動している。そのため、傾斜部42の近傍の樹脂210は静圧と動圧を有するが、傾斜部42に実際に作用するのは静圧のみである。
一方で、動圧は、樹脂210の流動を静止させることにより静圧へと変換できる。すなわち、流路20内を流動する樹脂210を凹部112に流入させて静止した状態にすることにより、凹部112の内面S2には、凹部112に流入される前に樹脂210が有していた静圧だけでなく、動圧から変換された静圧も圧力として作用する。すなわち、凹部112が内部に流入した樹脂210を静止した状態で保持することにより、樹脂210からの圧力をスプルー部30の管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力F1に効率よく変換できる。
また、凹部112は、開口部Mから底部Bに向かって先細りする形状を備える。これにより、凹部112に流入した樹脂210からの圧力P1によって凹部112が押し広げられやすくなる。そのため、樹脂210からの圧力をスプルー部30の管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力F1により効率よく変換できる。
偏向部80は、シール部110の上流側に設置され、流路20の内壁に向かって樹脂210の流れを偏向させる。具体的には、偏向部80は、樹脂210の流れを流路20の軸まわりに対称に偏向する。より具体的には、偏向部80は、偏向部80の周辺において、流路20内の樹脂210の流速がほぼ一定となるように、樹脂210の流れを偏向する。さらに具体的には、偏向部80は、トーピード形状を備える。本実施形態において、偏向部80は、傾斜面81、82と、連結面83と、を有する。偏向部80は、流路20の軸に関して軸対称に形成される。
傾斜面81は、上流側から下流側に向かうにつれてスプルー部30の管路31の軸から管路31の内壁に向かって傾斜する。傾斜面82は、傾斜面81の下流側において、上流側から下流側に向かうにつれて管路31の内壁からスプルー部30の管路31の軸に向かって傾斜する。連結面83は、傾斜面81と傾斜面82とを接続する。
傾斜面81と傾斜部33との間の距離L1、連結面83と管路31の内壁との間の距離L2、傾斜面82と傾斜部42との間の距離L3はほぼ等しく設定される。これにより、樹脂210の流れは、流路20の軸まわりに対称に偏向される。また、偏向部80に沿った樹脂210の流速はほぼ等しくなる。
偏向部80が流路20の内壁に向かって樹脂210の流れを偏向させることにより、流路20の内壁に沿って樹脂210の流れが生じる。これにより、樹脂210がシール部110の上流側において滞留して劣化することを防げる。
具体的には、図9(A)を参照して、シール部110においてスプルー部30の管路31の内側にマニホールドパイプ40が嵌合されることにより、シール部110の上流側において流路20の断面積が変化する。そのため、シール部110の上流側において、樹脂210がスプルー部30の管路31の内壁に沿って滞留する領域Wが存在する。樹脂210は、領域Wにおいて滞留することにより劣化する。劣化した樹脂210がキャビティ13内に注入されると、成形品200の品質が低下する。
本実施形態では、図9(B)に示すように、シール部110の上流側に偏向部80を設置する。これにより、シール部110の上流側において流路20の内壁に沿って樹脂210の流れが生じる。そのため、領域Wにおいて樹脂210が滞留して劣化することを防げる。
また、偏向部80は、樹脂210の流れを流路20の軸まわりに対称に偏向する。これにより、シール部110の上流側において、流路20の軸回りに均等に樹脂210の流れを生じさせることができる。そのため、樹脂210が領域Wにおいて滞留して劣化することをより確実に防げる。
加熱部90は、流路20を流通する樹脂210を加熱する。加熱部90は、管路31、41、51および61を流通する樹脂210を加熱する。加熱部90は、管路31、41、51および61を流通する樹脂210を加熱し得る限りにおいて限定されない。例えば、加熱部90として電気ヒーターを使用し得る。また、油などの熱媒体を電気ヒーターによって加熱し、加熱部90の内部に熱媒体を循環させることによって管路31、41、51および61を流通する樹脂210を加熱し得る。
加熱部90が流路20を流通する樹脂210を加熱することにより、流路20内の樹脂210を硬化させることなく、キャビティ13内の樹脂210のみを硬化させることができる。これにより、流路20内から樹脂210を取り出すことなく連続して成形品を形成できる。
次に本実施形態に係る射出成形用金型100を使用した成形品200の成形方法を説明する。
成形品200の成形方法は、金型本体部10を型閉じする工程と、樹脂210を供給する工程と、樹脂210を硬化させる工程と、成形品200を脱型する工程と、を有する。以下、各工程について詳述する。
まず、金型本体部10を型閉じする。本実施形態では、プレス機(不図示)により金型本体部10に型締圧力を負荷することにより金型本体部10の上型11と下型12が接近して型閉じが進行する。金型本体部10の上型11が下型12に接触すると金型本体部10の型閉じが完了となる。このとき、上型11と下型12との間に、密閉されたキャビティ13が形成される。
次に、スプルー部30の樹脂供給口32を介して金型本体部10の外部から溶融した樹脂210を加圧した状態で供給する。
供給された樹脂210は、スプルー部30の管路31を流動しながら、シール部110の上流側に設置される偏向部80に達する。樹脂210の流れは、偏向部80によって流路20の内壁に向かって偏向される。これにより、シール部110の上流側において流路20の内壁に沿って樹脂210の流れが生じる。そのため、樹脂210はシール部110の上流側の領域W(図9(A)参照)において滞留しない(図9(B)参照)。また、偏向部80は、樹脂210の流れを流路20の軸まわりに対称に偏向するように形成されている。これにより、樹脂210は、シール部110の上流側において流路20の軸回りに均等に流れる。
偏向部80を通過した樹脂210は、シール部110に達する。シール部110において、管路31の下流側端部の内面とマニホールドパイプ40の上流側端部の外面は密着されているから樹脂210の漏出が防止される。
シール部110に到達した樹脂210の一部は、シール部110の凹部112に流入する。シール部110によって、凹部112に流入した樹脂210からの圧力がスプルー部30の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力に変換される。
凹部112が樹脂210で満たされると、樹脂210は凹部112内において静止した状態で保持される。これにより、樹脂210からの圧力は管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力F1に効率よく変換される。また、凹部112は、開口部Mから底部Bに向かって先細りする形状を備えて形成されている。これにより、凹部112に流入した樹脂210からの圧力P1によって凹部112が押し広げられやすくなる。そのため、樹脂210からの圧力はスプルー部30の管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力F1にさらに効率よく変換される。
シール部110を通過した樹脂210は、マニホールドパイプ40の管路41内を流動して連結部50の管路51へと到達する。
溶融した樹脂210は高温なため、樹脂210はマニホールドパイプ40内を流動するときにマニホールドパイプ40を熱する。マニホールドパイプ40は熱せられることにより熱膨張して長さLm(図5(A)参照)が増加する。マニホールドパイプ40の長さLmの増加は、マニホールドパイプ40の上流側端部が管路31の内面に沿ってスライドすることにより吸収される(図5(B)参照)。
連結部50の管路51に到達した樹脂210は、管路51内を流動してホットノズル60の管路61に到達する。
ホットノズル60の管路61に到達した樹脂210は、管路61内を流動してホットノズル60の吐出口62から注入口16を介してキャビティ13内に注入される。キャビティ13内に樹脂210が規定量注入されたら、樹脂210の供給を停止する。
次に、キャビティ13内の樹脂210が十分硬化するまで放置する。
次に、金型本体部10を開き、成形された成形品200を脱型する。成形品200を脱型すると成形が完了する。
規定数の成形品200が成形されるまで上述した工程を繰り返す。規定数の成形品200が成形されるまで、流路20は加熱部90により加熱されている。これにより、流路20内の樹脂210を硬化させることなく、キャビティ13内の樹脂210のみを硬化させることができる。そのため、流路20内から樹脂210を取り除くことなく連続して成形品200を形成できる。
以上説明したように、本実施形態に係る射出成形用金型100は、溶融した樹脂210が注入されるキャビティ13を備え、当該キャビティ13内で樹脂210を硬化させて成形品200を成形する射出成形用金型である。射出成形用金型100は、互いに連結されるスプルー部30とマニホールドパイプ40から一部が構成される、樹脂210をキャビティ13に導く流路20を有する。そして、射出成形用金型100は、スプルー部30の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を密着させて、スプルー部30の内側にマニホールドパイプ40をスライド自在に嵌合させるシール部110をさらに有する。シール部110は、マニホールドパイプ40の上流側の端面に上流側に向かって開く凹部112を備えてなり、凹部112に流入した樹脂210からの圧力をスプルー部30の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力に変換する。
このように構成した射出成形用金型100によれば、シール部110においてマニホールドパイプ40の上流側端部が管路31の内面に沿ってスライドすることにより、熱膨張による流路20の長さの変化が吸収される。そして、シール部110において管路31の下流側端部の内面とマニホールドパイプ40の上流側端部の外面は密着されているから樹脂210の漏出が防止される。さらに、シール部110は、凹部112に樹脂210を流入させて静止した状態で保持する。これにより、樹脂210からの圧力を管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力F1に効率よく変換できる。従って、樹脂流路を構成する分割構造の管路を樹脂の漏出を防ぎつつスライド自在に嵌合させるシール部のシール力を向上できる。
また、本実施形態に係る射出成形用金型100では、凹部112は、凹部112の開口部Mから底部Bに向かって先細りする形状を備える。
このように構成した射出成形用金型100によれば、凹部112に流入した樹脂210からの圧力P1によって凹部112が押し広げられやすくなる。そのため、樹脂210からの圧力をスプルー部30の管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力にさらに効率よく変換できる。従って、樹脂流路を構成する分割構造の管路を樹脂の漏出を防ぎつつスライド自在に嵌合させるシール部のシール力をさらに向上できる。
また、本実施形態に係る射出成形用金型100では、流路20は、流路20の内壁に向かって樹脂210の流れを偏向させる偏向部80をシール部110の上流側に有する。
このように構成した射出成形用金型100によれば、シール部110の上流側において流路20の内壁に沿って樹脂210の流れが生じる。これにより、樹脂210がシール部110の上流側において滞留して劣化することを防げる。従って、成形品の品質を向上できる。
また、本実施形態に係る射出成形用金型100では、偏向部80は、樹脂210の流れを流路20の軸まわりに対称に偏向する。
このように構成した射出成形用金型100によれば、シール部110の上流側において、流路20の軸回りに均等に樹脂210の流れを生じさせることができる。これにより、樹脂210が滞留して劣化することをより確実に防げる。従って、成形品の品質をより確実に向上できる。
また、本実施形態に係る射出成形用金型100では、流路20は、流路20を流通する樹脂210を加熱する加熱部90を備える。
このように構成した射出成形用金型100によれば、流路20内の樹脂210を硬化させることなく、キャビティ13内の樹脂210のみを硬化させることができる。これにより、流路20内から樹脂210を取り出すことなく成形品を連続して形成できる。従って、成形品の生産効率を向上できる。
(変形例1)
シール部の構成は、マニホールドパイプ40の上流側の端面S1に上流側に向かって開く凹部を備えてなり、凹部に流入した樹脂210からの圧力を管路31の下流側端部の内面にマニホールドパイプ40の上流側端部の外面を押し付ける力に変換する限りにおいて変更することが可能である。
例えば、上述した実施形態において凹部112はU字形状の断面を備えて形成されたが、凹部の断面形状はU字形状に限定されない。
図10は本変形例に係る射出成形用金型のシール部が備える凹部312を示す概略図であって、図4に対応する拡大図である。図10に示すように、シール部が備える凹部312の断面形状をV字形状としてもよい。
(変形例2)
シール部が備える凹部の断面形状をさらに別の形状としてもよい。
図11は本変形例に係る射出成形用金型のシール部が備える凹部412を示す概略図であって、図4に対応する拡大図である。図11に示すように、シール部が備える凹部412の断面形状をコの字形状としてもよい。
以上、実施形態および変形例を通じて射出成形用金型を説明したが、本発明は実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、上述した実施形態および変形例において、シール部が備える凹部はマニホールドパイプ40とは別体として形成されたシール部材111に設けられた。当該構成に限らず、シール部が備える凹部をマニホールドパイプ40の上流側端部の端面S1にマニホールドパイプ40と一体に設けてもよい。
10 金型本体部、
11 上型、
12 下型、
13 キャビティ、
14 スペーサ、
15 下部プレート、
16 注入口、
17 空間、
20 流路、
30 スプルー部(一の管路)、
31、41、51、61 管路、
32 樹脂供給口、
40 マニホールドパイプ(他の管路)、
42 傾斜部、
50 連結部、
52 段差部、
60 ホットノズル、
62 吐出口、
80 偏向部、
81、82 傾斜面、
83 連結面、
90 加熱部、
100 射出成形用金型、
110 シール部、
111 シール部材、
112、312、412 凹部、
200 成形品、
210 樹脂、
B 底部、
d1、d2 内径、
D 外径、
F1、F2 力、
L1、L2、L3 距離、
Lm 長さ、
M 開口部、
P1、P2 圧力、
S1 端面、
S2 内面、
W 領域。

Claims (5)

  1. 溶融した樹脂が注入されるキャビティを備え、当該キャビティ内で前記樹脂を硬化させて成形品を成形する射出成形用金型であって、
    互いに連結される2つの管路から少なくとも一部が構成される、前記樹脂を前記キャビティに導く流路と、
    一の前記管路の下流側端部の内面に他の前記管路の上流側端部の外面を密着させて、一の当該管路の内側に他の当該管路をスライド自在に嵌合させるシール部と、を有し、
    前記シール部は、他の前記管路の上流側の端面に上流側に向かって開く凹部を備えてなり、当該凹部に流入した前記樹脂からの圧力を一の前記管路の下流側端部の内面に他の前記管路の上流側端部の外面を押し付ける力に変換する、射出成形用金型。
  2. 前記凹部は、当該凹部の開口部から底部に向かって先細りする形状を備える、請求項1に記載の射出成形用金型。
  3. 前記流路は、当該流路の内壁に向かって前記樹脂の流れを偏向させる偏向部を前記シール部の上流側に有する、請求項1または請求項2に記載の射出成形用金型。
  4. 前記偏向部は、前記樹脂の流れを前記流路の軸まわりに対称に偏向する、請求項3に記載の射出成形用金型。
  5. 前記流路は、当該流路を流通する前記樹脂を加熱する加熱部を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形用金型。
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