JPH0316894B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、溶融樹脂の流路に形成される接続
個処を、射出圧で働く管状のシールアダプターの
接触圧によつて漏洩を防ぎ乍ら射出成形加工でき
るようにした合成樹脂射出成形方法およびその装
置に関する。

〔従来技術〕

従来、例えば第５図に示すような合成樹脂射出
成形装置が知られている。

図面について説明すれば、１は射出ノズル（図
示せず）と接続される溶融樹脂流入口、２は前記
流入口１と通ずる流路で、一つの主流路２ａに対
してその先端には二方向に分割された副流路２
ｂ，２ｂを有し、それぞれランナー部３，３を経
てゲート４，４よりキヤビテイ５，５と連通して
いる。６は前記流路１のうち、主流路２ａおよび
副流路２ｂ，２ｂを備えたマニホールド、７，７
は前記ランナー部３，３内に配設されるホツトラ
ンナー体を示し、ランナー部３，３との間で複数
に分岐した小流路２ｃ，２ｃを形成して前記流路
２の一部を形成している。そして、このホツトラ
ンナー体７，７は内部にヒータを配設し、ランナ
ー部３，３内の合成樹脂の冷却個化を防いで必要
な温度にホツトランナー体７，７の温度を維持で
きるようになつており、更に先端のチツプ部８，
８のみを射出成形操作と関連させて間欠的に加熱
できる構造とし、ゲート４，４部に貯溜する微量
の樹脂を局部的に加熱溶融することによりゲート
４，４をオン、オフしてキヤビテイ５，５で成形
される成形品の精密加工を可能とすることができ
る。９，９はＯリングなどのパツキンで、マニホ
ールド６とホツトランナー体７，７との流路２を
挟んで接続個処Ａ，Ａに配設され、溶融樹脂の漏
洩、漏出を防止する働きを呈するものである。

なお、符号１０は金型の必要な各処に穿設され
た冷却水流通孔、１１はヒータ体を示す。

叙上の構成に基づいて作用を説明する。

射出成形作用に伴ない、射出ノズルより溶融樹
脂流入口１を経て流路２に流入した溶融樹脂は、
マニホールド６の主流路２ａ、副流路２ｂ，２ｂ
より接続個処Ａ，Ａを経てホツトランナー体７，
７の小流路２ｃ，２ｃを通りランナー部３，３に
入り、さらにゲート４，４を通過してキヤビテイ
５，５内に流入し、冷却固化して所望形状の成形
品を得ることができる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところでこのような成形操作は、マニホールド
６とホツトランナー体７，７との接続個処Ａ，Ａ
での密着性、パツキン９，９による漏洩防止効果
が経時的に弱まり、ことにパツキン９のへたり、
或はパツキン９がゴムなどの弾性体の場合は劣
化、老化などで、絶えず交換取替などの面倒な金
型管理を行なわなければならないという不都合が
あつた。

〔発明の概要〕

この発明の叙上の点に着目して成されたもので
溶融樹脂の流路に形成されるホツトランナー体と
の接続個処に射出圧で働く管状のシールアダプタ
ーを配設し、このシールアダプターの一端をホツ
トランナー体側と緊密に接触させ、射出操作時に
流路の接続個処より樹脂が漏洩しないように構成
し、かつ、常時漏洩防止効果を図り得はるように
した新規な合成樹脂射出成形方法およびその装置
を提供することにある。

〔実施例〕

以下に、この発明の実施例を図面と共に説明す
る。なお、従来例と同一または相当する個処は同
一符号で表わし、その説明の詳細を省く。

まず、第１図は、この発明の最も基本的な実施
例を示し、従来例と同様にマニホールド６の主流
路２ａに対しそれぞれ左右直角に曲折して180度
異なる向に形成される副流路２ｂ，２ｂを備え
る。そして、この副流路２ｂ，２ｂ内にそれぞれ
管状のシールアダプターＸ，Ｘを配設して流路２
のマニホールド６とホツトランナー体７，７との
接続個処Ａにおいて管状のシールアダプターＸ，
Ｘの一端Xa，Xaが射出圧を受けてホツトランナ
ー体７，７の端面と衝接してシール作用を呈し、
射出操作時の高圧溶融樹脂が漏洩する不都合を完
全に防止している。

この管状のシールアダプターＸ，Ｘは、第１図
および第２図に示すように基本的には流路２ｂ，
２ｂ内に嵌挿され、かつ摺動できる外形を備え、
溶融樹脂の流入側の非接触側Xb，Xbで溶融樹脂
の無理のない通過を可能とするため内側をテーパ
ー状α，αとすると共にホツトランナー体７，７
との接触側すなわちXa，Xaを尖鋭状（ナイフエ
ツジ状）β，βとするのが好ましい。

叙上の構成になるので、流路２内を流通する溶
融樹脂は、射出成形操作により管状のシールアダ
プターＸ，Ｘをその射出圧によつてマニホールド
６の流路２ｂ，２ｂよりホツトランナー体７，７
側に圧接させ接続個処Ａ，Ａでの密接を確実に保
持させ乍ら溶融樹脂はホツトランナー体７，７の
小流路２ｃ，２ｃを経てランナー部３，３よりゲ
ート４，４を通つて円滑にキヤビテイ５，５内に
射出される。

射出成形操作終了後に射出圧が低下してもその
圧に相当した力で管状のシールアダプターＸ，Ｘ
の一端Xa，Xaは接続個処Ａ，Ａに接触して溶融
樹脂を漏出させるおそれがなく、完全に気密性を
保持できる。

なお、管状のシールアダプターＸ，Ｘは、マニ
ホールド６の副流路２ｂ，２ｂ内に単に挿通させ
るだけで良く、しかもその材質は金型と同一かあ
るいは耐摩耗性の高いセラミツクスなど金型の熱
膨張係数と均等な材料で形成するのが温度影響を
受けない上で最も好ましい。

次に第３図および第４図に示す実施例について
説明する。いづれの実施例も主流路２ａに対し副
流路２ｂ，２ｂを穿つたマニホールド６を具備
し、このマニホールド６と接するホツトランナー
体７，７の接続個処Ａ，Ａに副流路２ｂ，２ｂ側
に嵌挿した管状のシールアダプターＸ，Ｘを前述
の実施例と同様にホツトランナー体７，７と接触
させて射出成形時に作用する射出圧により圧接さ
せ、これにより溶融樹脂の漏出を防止し、円滑な
樹脂成形を可能とするものである。

そして、第３図は、マニホールド６の副流路２
ｂ，２ｂが主流路２ａに対して放射状に拡開して
分散する斜め方向に偏倚したホツトランナー体
７，７と接続できる構成を備える一方、第４図は
補助マニホールド６ａ，６ａを用い、互いにホツ
トランナー体７，７が相対向する向きに配置され
て構成される場合を示すもので、その他のすべて
の構成は、第１図と同一であつて異なる処はな
い。

〔効果〕

この発明によれば、溶融樹脂の流路に形成され
る接続個処を、射出圧で働く管状のシールアダプ
ターの接触圧（押圧力）によつて強固に閉止し溶
融樹脂の流路内に形成される接続個処を射出圧に
よつて確実に密接させ漏洩などの不都合を生じな
いので、円滑な射出成形が可能となると共に、従
来のようにゴムなどの緩衝材を用いることがない
ので長期の使用に耐えることができ、しかも流路
の接続個処での機密な接続効果を長期に亘つて維
持期待できる点で多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係る合成樹脂射出成形装
置の一実施例を示す説明断面図、第２図は同上の
管状のシールアダプターの他の実施例を示す断面
図、第３図および第４図はそれぞれ他の実施例の
説明断面図、第５図は従来例を示す説明断面図で
ある。 ２……流路、２ａ……副流路、２ｃ……小流
路、３……ランナー部、４……ゲート、５……キ
ヤビテイ、７……ホツトランナー体、８……先端
チツプ、Ａ……接続個処、Ｘ……管状のシールア
ダプター、Xa……管状のシールアダプターＸの
一端（接触側）、Xb……管状のシールアダプター
Ｘの一端（非接触側）、α……テーパー状、β…
…尖鋭状（ナイフエツジ状）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ マニールドの溶融樹脂流路内にホツトランナ
   ー体と端部が接触する管状のシールアダプターを
   配設し、該管状のシールアダプターを射出成形時
   に作用する射出圧によつてホツトランナー体側に
   圧接させて樹脂漏洩を防ぐようにして射出成形す
   ることを特徴とする合成樹脂射出成形方法。 ２ 溶融樹脂の流路、該流路のゲートに通ずるラ
   ンナー部、該ランナー部に配設されるホツトラン
   ナー体、該ホツトランナー体の端部と接触して流
   路を形成するマニホールド、該マニホールドの流
   路内に配設され、かつ前記ホツトランナー体の端
   部と接触して密接できる管状のシールアダプター
   とより成り、前記管状のシールアダプターは、摺
   動できる外形を有しホツトランナー体との接触側
   は尖鋭状に、流入側の内側はテーパー状に形成し
   て成ることを特徴とする合成樹脂射出成形装置。