以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠3とで構成される。遊技枠3は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤2を除く)とを含む構造体である。
遊技枠3の下部表面には打球供給皿(上皿)がある。打球供給皿の下部には、打球供給皿に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。また、遊技枠3の背面には、遊技盤2が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤2は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤2の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域が形成されている。
余剰球受皿を形成する部材には、例えば余剰球受皿の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における余剰球受皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
遊技領域の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示(可変表示ともいう)に同期した演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置5は、演出図柄の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリア5L,5C,5Rがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L,5C,5Rがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置5の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置5は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120が、第1特別図柄表示装置4Aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤2における演出表示装置5の右側には、識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示装置(第1変動表示手段)4Aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤2における演出表示装置5の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示装置(第2変動表示手段)4Bが設けられている。第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
本実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとを特別図柄表示装置と総称することがある。
なお、本実施例では、2つの特別図柄表示装置4A,4Bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示装置を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置5の下方には、第1始動入賞口を有する入賞装置6Aが設けられている。第1始動入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)を有する入賞装置6Aの下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bが設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81によって開状態とされる。可変入賞球装置6Bが開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置6Bが開状態になっている状態では、第1始動入賞口よりも、第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口に入賞しない。なお、可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口と第2始動入賞口とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、本実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置6Bが設けられているが、第1始動入賞口および第2始動入賞口のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置6Bが開放状態に制御されているときには可変入賞球装置6Bに向かう遊技球は第2始動入賞口に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口は演出表示装置5の直下に設けられているが、演出表示装置5の下端と第1始動入賞口との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口に導きづらくして、第2始動入賞口の入賞率の方を第1始動入賞口の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aの上部には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1保留表示部25Aが設けられている。第1保留表示部25Aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示装置4Aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
第2特別図柄表示装置4Bの下部には、第2始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2保留表示部25Bが設けられている。第2保留表示部25Bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示装置4Bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
また、演出表示装置5の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部5Dが設けられている。本実施例では、合算保留記憶表示部5Dにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順に並べて表示される。なお、合算保留記憶表示部5Dにおいて、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示されるようにしてもよい(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示されるようにしてもよい)。また、合算保留記憶表示部5Dに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
また、演出表示装置5の表示画面における合算保留記憶表示部5Dの左方には、実行中の変動表示に対応する保留表示をアクティブ表示(変動表示対応表示)として表示するアクティブ表示エリア5Fの表示領域が設けられている。
演出表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置5における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置5における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置5において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は開閉板を備え、第1特別図柄表示装置4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド82によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤2における演出表示装置5の左側には、普通図柄表示装置20が設けられている。普通図柄表示装置20は、例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様の7セグメント表示やドットマトリクスのLED等から構成され、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を変動表示する。
遊技球がゲート41を通過しゲートスイッチ21で検出されると、普通図柄表示装置20の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示装置20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置6Bの状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示装置20の近傍には、ゲート41を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通保留表示部25Cが設けられている。ゲート41への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ21によって遊技球が検出される毎に、普通保留表示部25Cは点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示装置20の変動表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示装置4A,4Bや演出表示装置5における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、本実施例では、時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置6Bが開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示装置20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示装置20における普通図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤2の遊技領域の周囲には、遊技中に点滅表示される遊技効果ランプ9が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口がある。また、遊技領域の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ8R,8Lが設けられている。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドルを操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域に入り、その後、遊技領域を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口に入り第1始動口スイッチ22Aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示装置4Aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口に入り第2始動口スイッチ22Bで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示装置4Bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)11における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、演出制御基板12等も示されている。主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103およびI/Oポート105を含む。本実施例では、ROM101およびRAM102は遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU103のほかRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート105は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ100には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路104が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてCPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路104は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路104は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路104は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bへの始動入賞が生じたときに乱数回路104から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給できなくなるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施例では、RAM102の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ100のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ100等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23及びアウト球スイッチ24からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に与えるスイッチ回路110も主基板11に搭載されている。また、可変入賞球装置6Bを開閉するソレノイド81、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7を開閉するソレノイド82を遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って駆動するソレノイド回路111も主基板11に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板11に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段(演出制御用CPU120で構成される。)が、中継基板15を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置5との表示制御を行う。
演出制御基板12は、演出制御用CPU120およびRAM122を搭載している。なお、RAM122は外付けであってもよい。演出制御基板12において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM121に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板15を介して入力される主基板11からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、表示制御部123に演出表示装置5の表示制御を行わせる。
また、演出制御用CPU120が備えるRAM122は、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給できなくなるまで)は、演出制御用CPU120が備えるRAMの一部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態を示すデータ(後述する、確変状態フラグや時短状態フラグ)は、バックアップRAMに保存される。ただし、本実施例では、後述する時短状態移行後の変動回数をカウントするための時短後回数カウンタの値は、バックアップRAMには保存されない。
本実施例では、演出制御用CPU120と共動して演出表示装置5の表示制御を行う表示制御部123が演出制御基板12に搭載されている。表示制御部123は、演出制御用CPU120とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、表示制御部123によって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、表示制御部123は、VRAM内の画像データを演出表示装置5に出力する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置5に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータを表示制御部123に出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板15から入力される演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板12において、まず、図示しない入力ドライバに入力する。中継基板15には、主基板11から入力された信号を演出制御基板12に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板12から中継基板15への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。
さらに、演出制御用CPU120は、図示しない出力ポートを介してランプ制御基板14に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポートを介して音声制御基板13に対して音番号データを出力する。
ランプ制御基板14において、LEDを駆動する信号は、図示しないLEDドライバに入力される。LEDドライバは、遊技盤側に設けられている遊技効果ランプ9に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプ制御基板14に搭載される。
音声制御基板13において、音番号データは、入力ドライバを介して図示しない音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ8R,8Lに出力する。音声合成用ICに接続された音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図10に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU103は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示部25A、第2保留表示部25B、普通保留表示部25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび普通図柄表示装置20については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU103は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示装置20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、演出制御用CPU120に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU103は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置(図示せず)を駆動する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU103は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を切り替える。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示装置20における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、本実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L,5C,5Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の変動表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置5における表示演出を「小当り」の変動表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、本実施例では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図3に示すように、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれおよび非リーチはずれが用意されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれおよび擬似連3スーパーはずれが用意されている。なお、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の変動表示を再度実行することである。また、図3に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれは、非リーチはずれに対応して設けられた、非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。
また、図3に示すように、本実施例では、特別図柄の変動表示結果が通常大当りまたは確変大当りになる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当りが用意されている。また、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマル当りを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパー当りを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパー当りを用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図3に示すように、本実施例では、特別図柄の変動表示結果が突然確変大当りまたは小当りになる場合に対応した変動パターンとして、特殊当りが用意されている。
なお、本実施例では、図3に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連(3回)ありのスーパーリーチの場合には変動時間が40秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチの場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、本実施例では、遊技状態が通常状態であって合計保留記憶数が2以下の場合と、通常状態であって合計保留記憶数が3以上の場合および時短状態である場合とで、変動時間が異なるように構成されているが(図6に示す例では、合計保留記憶数が3以上の場合および時短状態である場合には、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が、高くなるように判定値が設定されている)、これに限らず、通常状態では、合計保留記憶数によって変動時間が変化せずに、通常状態と時短状態とで変動時間が異なる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が異なる)ように構成してもよいし、また、時短状態においても、上記したように、合算保留記憶数に応じて、変動時間が異なる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が異なる)ように構成してもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、合計保留記憶数ではなく第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、合計保留記憶数ではなく第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
本実施例では、合計保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるように構成しており、表示結果がはずれであって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少なくなるように判定値が割り当てられる。
具体的には、通常状態であって合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルでは、図6に示すように、変動時間が比較的長い擬似連による2回の再変動を伴うスーパーリーチや擬似連による3回の再変動を伴うスーパーリーチに対して、判定値の割り当てがあるのに対し、通常状態であって合算保留記憶数が3〜8である場合および時短状態において用いられる変動パターン判定テーブルでは、図6に示すように、変動時間が比較的長い擬似連による2回の再変動を伴うスーパーリーチや擬似連による3回の再変動を伴うスーパーリーチに対して、判定値の割り当てがなく、これら変動時間が比較的長いスーパーリーチの変動パターンは、通常状態であって合算保留記憶数が3〜8である場合および時短状態において決定されることはない。但し、始動入賞時に合算保留記憶数が3以上であっても、変動開始時に合算保留記憶数が2以下であれば、擬似連による2回または3回の再変動を伴うスーパーリーチの変動パターンが決定可能となるので、始動入賞時において合算保留記憶数が3以上であることによりスーパーリーチではない(例えば短縮非リーチはずれ)と判定された場合であっても、変動開始時において合算保留記憶数が2以下であることにより、擬似連による2回または3回の再変動を伴うスーパーリーチの変動パターンが決定される場合、つまり、始動入賞時でスーパーリーチではないと判定された場合であってもスーパーリーチとなる場合が存在する。
また、合算保留記憶数が3以上である場合および時短状態の場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定される(図6参照)。このことによって、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができ、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、合算保留記憶数が3以上である場合及び時短状態に用いられる変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルとには、特定の演出(例えば、擬似連ではないスーパーリーチ)を伴う変動パターン(またはそのような変動パターンの集合)に対して、共通の判定値が割り当てられる。そのため、合算保留記憶数にかかわらず(つまり用いる変動パターン判定テーブルが異なっても)、始動入賞時において、抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値さえ確認すれば、特定の演出(例えば、擬似連ではないスーパーリーチ)を伴うか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した変動表示よりも以前に、特定の演出(例えば、擬似連ではないスーパーリーチ)を伴うことを報知することができ(例えば、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御用CPU120に送信し、演出制御コマンドを受信した演出制御用CPU120において先読み演出等の演出を実行することによって実現される)、遊技に対する興趣を向上させることができる。但し、この場合にあっては、全てのスーパーリーチを伴うことを報知することはできない。
なお、本実施例では、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、判定値の割り当てを異ならせる場合を示したが、これに限らず、例えば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に割り当てを異ならせてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数が0,1用の変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用の変動パターン判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターンや短縮変動の変動パターンに対する判定値の割り当てさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、本実施例では、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
図10に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、本実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図5(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図5(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図5(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図5(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図5(B),図5(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図5(B),図5(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図5(B),図5(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、本実施例では、図5(B),図5(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、本実施例では、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図5(D),図5(E)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図5(D)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図5(E)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、本実施例では、図5(D),図5(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して3個の判定値が割り当てられている(40分の3の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、本実施例では、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。なお、テーブルに設定される判定値は、個数が異なるとともに重複して割り当てられないようになっている。
なお、本実施例では、図5(D),図5(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、本実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
尚、本実施例では、大当り図柄が導出表示されることで移行する大当り遊技状態を特定遊技状態とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定遊技状態としては、小当り図柄が導出表示されることで移行する小当り遊技状態、大当り遊技終了後に移行する確変状態や時短状態等であっても良い。
本実施例では、図5(D),図5(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(本実施例では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するS142〜S145参照)。なお、本実施例では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するS134参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、本実施例では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(本実施例では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
なお、前述したように、本実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するS147〜S151参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU103は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図6は、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU103は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。なお、図6に示す例では、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合(%)が示されている。例えば、通常状態において変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ(保留2まで)」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、図6に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、変動表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変大当り/小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。
図6に示すように、例えば、通常状態において変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合であって、合計保留記憶数が2以下である場合(図6の「はずれ(保留2まで)」フィールド)においては、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「擬似連3スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、例えば、通常状態において変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合であって、合計保留記憶数が3以上である場合および時短状態である場合において変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ(保留3以上時、時短時)」フィールド)においては、「はずれ(保留2まで)」フィールドとは異なり、「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられているとともに、前述したように、変動時間が長い変動パターンである「擬似連2スーパーはずれ」や「擬似連3スーパーはずれ」と判定されることがない。このように設定することによって、合計保留記憶数が3以上である場合および時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
また、変動表示結果を「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がなされている場合(図6の「通常大当り/確変大当り」フィールド)においては、遊技状態に関係なく、擬似連演出を伴う変動パターンのうち、「擬似連3スーパー当り」と判定される割合が最も高く、「擬似連1ノーマル当り」と判定される割合が最も低くなるように判定値が割り当てられている。すなわち、「通常大当り/確変大当り」フィールドにおいては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち擬似連回数が多い方の変動パターンが選択されやすい。したがって、擬似連演出は、擬似連回数が多い方が、変動表示結果が大当りとなる期待度が高い。また、図6に示す例では、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)は、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)よりも、変動表示結果が「はずれ」のに選択されやすい。逆に、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)は、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)よりも、変動表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」のときに選択されやすい。したがって、本実施例では、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、変動表示結果が大当りとなる期待度が高い。
また、図6に示す例では、変動表示結果を「突然確変大当り」または「小当り」にする旨の判定がなされている場合(図6の「突然確変大当り/小当り」フィールド)においては、変動パターンは「特殊当り」と判定される。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図3に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置5において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU120は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。本実施例では、後述する入賞時判定処理(図14参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用CPU120に対して送信するための制御(送信設定)を行う。
図9は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示すように、本実施例では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「13(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、合計保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(合計保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、増加後の合計保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、合計保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(合計保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、減算後の合計保留記憶数を示す。
尚、本実施例では、合計保留記憶数についての保留記憶数加算指定コマンドや保留記憶数減算指定コマンドを送信する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1保留記憶数の増加や減少を通知するための第1保留記憶数加算指定コマンドや第1保留記憶数減算指定コマンドや、第2保留記憶数の増加や減少を通知するための第2保留記憶数加算指定コマンドや第2保留記憶数減算指定コマンドを送信して、演出制御基板12側において、これらの演出制御コマンドに基づいて、第1保留記憶数や第2保留記憶数を個別に管理するようにしても良い。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると、図7および図8に示された内容に応じて演出表示装置5の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声制御基板13に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する。
本実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図7および図8に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行う演出表示装置5などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、第1始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ22Aがオンしていたら、または第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ22Bがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにクリアされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用CPU120に、表示結果指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用CPU120に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置5において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU120に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU120に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU103は、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
本実施例では、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口または第2始動入賞口への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。本実施例では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(S1217)。そして、CPU103は、合計保留記憶数カウンタの値にもとづいて合計保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S1218)。
なお、S1218の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第1始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず合計保留記憶数加算指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
なお、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置6Bが設けられた第2始動入賞口に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図13(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU103は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく入賞時判定処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時判定処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100側では入賞時判定処理を常に行い、演出制御用CPU120側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、入賞時判定処理を実行する(S1228)。そして、CPU103は、合計保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S1229)。
なお、S1229の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第2始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず合計保留記憶数加算指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
図14は、S1217,S1218の入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU103は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。本実施例では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用CPU120によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU103は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(B),図5(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1228参照)を実行する場合)には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU103は、その時点の遊技状態と合計保留記憶数とを特定する処理を行う(S224)。本実施例では、CPU103は、S224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定するとともに、合計保留記憶数カウンタのカウンタ値に基づいて合計保留記憶数を特定する。なお、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
そして、CPU103は、S224の特定結果に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する(S225)。具体的には、CPU103は、特定した遊技状態が確変状態もしくは時短状態である場合、および特定した遊技状態が通常状態であって、特定した合計保留記憶数が3以上である場合には、図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(保留3以上時、時短時)」フィールドを選択する。また、特定した遊技状態が通常状態であって、特定した合計保留記憶数が2以下である場合には、図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(保留数2まで)」フィールドを選択する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU103は、図6に示す変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。(S226)。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S227)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、図5(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1228参照)を実行する場合)には、図5(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU103は、S227で判定した大当り種別に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する。(S228)。具体的には、CPU103は、「通常大当り」または「確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択する。また、「突然確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。
次いで、CPU103は、S225,S226,S228で設定した変動パターン判定テーブルのフィールドと、S1216,S1227で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターンを判定する(S229)。
そして、CPU103は、判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。具体的には、CPU103は、S229でいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、図9に示すような「00(H)」〜「51(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
例えば、第1始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217A参照)を実行する場合)には、S229で「非リーチはずれ」の変動パターンになると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」を設定する処理を行う。また、S229で「擬似連3スーパー当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「12(H)」を設定する処理を行う。
なお、本実施例では、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチなどを伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよいし、特定の変動パターン(例えば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になると判定されたときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、例えば、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるか否かを判定し、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、保留特定領域(図13(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、S52において第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認し、1以上であればS54に移行し、0であればS53に移行するようにする。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU103は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
なお、CPU103は、S56において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値にもとづいて第1保留表示部25Aまたは第2保留表示部25Bの表示を変更する制御も行う。
そして、CPU103は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM102の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
また、CPU103は、減算後の合計保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合計保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S59)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU103は、第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示装置における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにクリアされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでクリアされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU103は、小当り判定テーブル(図5(B),図5(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(B),図5(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図5(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU103は、第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図5(D),図5(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(S92のY)、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択し(S93)、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りでない場合には(S92のN)、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S94)。そして、S101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S96)。そして、S101に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S97)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにクリアされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでクリアされる。時短フラグがセットされていれば(S97のY)、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(保留3以上時、時短時)」フィールドを選択する(S98)。そして、S101に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(S97のN)、更に、その時点の合計保留記憶数が3以上であるか否かを合計保留記憶数カウンタの値に基づいて判定する(S97a)。合計保留記憶数が3以上である場合には、変動パターン判定テーブルの「はずれ(保留3以上時、時短時)」フィールドを選択する(S98)。そして、S101に移行する。一方、合計保留記憶数が3以上でない場合には、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(保留数2まで)」フィールドを選択する(S99)。そして、S101に移行する。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し(S101)、S93、S94、S96,S98またはS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU103は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S103)。また、CPU103は、特別図柄ポインタが示す図柄変動指定コマンドを、演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S104)。
また、特別図柄の変動を開始する(S105)。例えば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S107)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用CPU120に図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S140に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをクリアし(S134)、演出制御用CPU120に大当り開始指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM102に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU103は、演出制御用CPU120に通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。
S140では、CPU103は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。
次いで、CPU103は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S144)、時短フラグをクリアする(S145)。また、CPU103は、演出制御用CPU120に対して通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S146)。
次いで、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、演出制御用CPU120に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(S150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S151)。
小当りフラグもセットされていなければ(S147のN)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S152)。
図18は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをクリアし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S165のY)、CPU103は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(S166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU103は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S167)。また、CPU103は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(S168)。また、CPU103は、時短状態指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S169)。そして、S173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU103は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S170)。また、CPU103は、時短フラグをセットする(S171)。また、CPU103は、確変状態指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S172)。そして、S173に移行する。
なお、本実施例では、S167,S171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置6Bの開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU103は、普通図柄プロセス処理(S27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置6Bを開放する制御を行う。また、S167,S171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S173)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図19は、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用CPU120が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグのセットやデータを格納する処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御や効果音の出力制御や遊技効果ランプ9等の点灯制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
図20〜図21は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理において演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド受信バッファは、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが合計保留記憶数加算指定コマンドであれば(S614;Y)、演出制御用CPU120は、RAMに形成されている合計保留記憶数カウンタに1を加算することで、合計保留記憶数を1増加させせるとともに(S615)、図示していないが、該増加後の合計保留記憶数が、受信した合計保留記憶数加算指定コマンドにより特定される合計保留記憶数に一致するか否かを判定し、該判定で一致しない場合には、合計保留記憶数カウンタの値を受信した合計保留記憶数加算指定コマンドにより特定される合計保留記憶数に更新したのち、S611に戻る。
受信した演出制御コマンドが合計保留記憶数減算指定コマンドであれば(S616;Y)、演出制御用CPU120は、RAMに形成されている合計保留記憶数カウンタから1を減算することで、合計保留記憶数を1減少させせるとともに、図示していないが、該減少後の合計保留記憶数が、受信した合計保留記憶数減算指定コマンドにより特定される合計保留記憶数に一致するか否かを判定し、該判定で一致しない場合には、合計保留記憶数カウンタの値を受信した合計保留記憶数減算指定コマンドにより特定される合計保留記憶数に更新する。
そして、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示、具体的には、表示されている保留表示のうちの最もアクティブ表示エリア5Fから遠い位置に表示されている保留表示を1つ消去する保留表示減算更新処理(S618)を実行した後、保留表示更新済みフラグをセットして(S619)、S611に戻る。このように、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示が、合計保留記憶数減算指定コマンドの受信によって更新された場合には、保留表示更新済みフラグがセットされるようになっている。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621;Y)、演出制御用CPU120は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。
そして、保留表示更新済みフラグがセットされているか否か、つまり、受信した変動パターンコマンドに対応する変動表示の開始に伴って、保留表示を1つ消去する保留表示減算更新処理が実行済みであるか否かを判定する(S624)。
保留表示更新済みフラグがセットされている場合(S624;Y)には、保留表示を1つ消去する保留表示減算更新処理が既に実行済みであるので、セットされている保留表示更新済みフラグをクリアした後(S624a)、S611に戻る。一方、保留表示更新済みフラグがセットされていない場合(S624;N)には、合計保留記憶数減算指定コマンドが、何らかの理由で受信されることなく変動パターンコマンドを受信した場合であるので、前述したS618と同じく、保留表示を1つ消去する保留表示減算更新処理を実行した後、S611に戻る。
このように、S624、S624b等の処理が実行されることにより、図32に示すように、保留表示が確実に更新されるようになる。つまり、実行されていた演出図柄の変動表示が終了するタイミングでは、図32(a)に示すように、合算保留記憶表示部5Dにおいて3個の保留記憶が記憶されていることを示す保留表示がなされている。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される。
演出制御用CPU120が合算保留記憶数減算指定コマンドを正常に受信した場合には、図32(b)に示すように合算保留記憶表示部18cにおける保留表示が更新(減算)される。そして、変動パターンコマンドを正常に受信した場合には、図32(c)に示すように変動表示が開始される。
一方、演出制御用CPU120が合算保留記憶数減算指定コマンドを取りこぼした場合には、図32(d)に示すように保留表示が更新されないが、その後に、変動パターンコマンドを正常に受信した場合には、図32(e)に示すように合算保留記憶表示部5Dにおける保留表示が更新されるとともに変動表示が開始される。これにより、合算保留記憶数減算指定コマンドを正常に受信できなかった場合(図32(e))であっても、合算保留記憶数減算指定コマンドを正常に受信できた場合(図36(c))と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ100が記憶している合計保留記憶数と整合のとれた保留表示をおこなうことができ、保留表示について遊技者に違和感を与えることを防ぐことができる。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S625;Y)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S627;Y)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S664;Y)、演出制御用CPU120は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた格納領域(エントリ)に保存し(S665)、保留予告決定処理を行う(S671)。
なお、本実施例では、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218、S1229においては、合計保留記憶数加算指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用CPU120は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。なお、演出制御用CPU120は、S665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図9参照)。また、入賞時判定結果バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除される。
図21(A)及び図21(B)は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21(A)に示すように、本実施例では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数の各保留表示(保留記憶)に対応付けられた8個の格納領域が確保されている。また、図21(B)に示すように、アクティブ表示記憶バッファにおいてアクティブ表示(変動表示対応表示)に対応付けられた1個の格納領域が確保されている。各格納領域(エントリ)には、入賞時判定結果と、保留予告演出の対象であることを示す予告対象フラグと、保留表示またはアクティブ表示の表示態様を示す表示態様フラグと、がそれぞれ記憶可能となっている。
本実施例においては、入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファにおいて、予告対象フラグに「0」がセットされている場合は、当該保留記憶が保留予告演出の対象でないことを示し、予告対象フラグに「1」がセットされている場合は、当該保留記憶が保留予告演出の対象であること示す。
また、入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファにおいて、表示態様フラグに「0」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示またはアクティブ表示が通常態様(本実施例では白丸;「○」)で表示されることを示し、表示態様フラグに「1」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示またはアクティブ表示が第1特別態様(本実施例では黄色;「○」内にバツが含まれる)で表示されることを示し、表示態様フラグに「2」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示またはアクティブ表示が第2特別態様(本実施例では赤色;「○」内に2重バツが含まれる)で表示されることを示す。
後述するように、本実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示が消費されて変動表示が開始されるときに、変動表示の対象となる保留表示の表示態様が第1特別態様(黄色)または第2特別態様(赤色)である場合には、その表示態様が維持されたまま、アクティブ表示エリア5Fに移動してアクティブ表示となる。また、変動表示の対象となる保留表示の表示態様が通常態様である場合には、通常態様が維持されたまま、アクティブ表示エリア5Fに移動してアクティブ表示となる場合と、後述するS816のステップにおける再抽選によって、第1特別態様(黄色)または第2特別態様(赤色)にてアクティブ表示エリア5Fに移動してアクティブ表示となる場合がある。
尚、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを個別に用意するようにしてもよい。この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良く、また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良い。また、この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。なお、入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)は、演出制御用CPU120が備えるRAMに形成されれば良い。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S683)。そして、S611に移行する。
ここで、本実施例の保留予告演出について説明する。保留予告演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを、合算保留記憶表示部5Dにおける保留表示の表示態様を第1特別態様(黄色)または第2特別態様(赤色)にて表示することにより予告する予告演出のことである。
図22は、保留予告決定処理を示すフローチャートである。保留予告決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、保留予告決定制限フラグがセットされているか否かを判定する。
保留予告決定制限フラグがセットされている場合(S930;Y)には、S934に進み、表示態様フラグに、通常の表示態様である白に対応する「0」をセット(記憶)するとともに、通常態様である白丸「○」の保留表示を合算保留記憶表示部5Dに追加表示した後、当該保留予告決定処理を終了する。つまり、保留予告決定制限フラグがセットされている場合には、新たな保留予告の実行は決定されない。
一方、保留予告決定制限フラグがセットされていない場合(S930;N)には、更に、入賞時判定結果記憶バッファにおいて、当該保留予告決定処理の処理対象のエントリとは異なるいずれかエントリに、大当りの入賞時判定結果が格納されているか否か、つまり、当該保留予告決定処理の処理対象の保留記憶よりも前に記憶された保留記憶に、大当りとなる保留記憶が存在しているか否かを判定する(S931)。
他のエントリに大当りの入賞時判定結果が格納されている場合(S931;Y)には、通常の表示態様である白に対応する「0」をセット(記憶)するとともに、通常態様である白丸「○」の保留表示を合算保留記憶表示部5Dに追加表示した後、当該保留予告決定処理を終了する。つまり、他のエントリに大当りの入賞時判定結果が格納されている場合には、大当りとなることで遊技状態が、確変状態や時短状態に変化することにより、保留予告が不適切になってしまう可能性があるので、保留予告の実行は決定されないようになっている。
他のエントリに大当りの入賞時判定結果が格納されていない場合(S931;N)には、図23に示す保留予告決定テーブルを用いて、保留予告の実行・非実行を、入賞時判定結果に応じて決定する(S932)。
具体的に演出制御用CPU120は、図23に示す保留予告決定テーブルをセットするとともに、保留予告決定用乱数を抽出して、抽出した保留予告決定用乱数の値と、当該保留予告決定処理の処理対象のエントリ(格納領域)に格納されている入賞時判定結果指定コマンドとから特定される入賞時判定結果に対応する判定値とに基づいて、「非実行」、「実行」のいずれかを決定する。
本実施例では、図23に示すように、保留予告決定テーブルには、「非実行」、「実行」の各決定内容に対応して、「非リーチはずれ」、「ノーマル(N)リーチはずれ」、「スーパー(S)リーチはずれ」、「大当り」の各入賞時判定結果毎に、判定値が割り当てられている。
本実施例の保留予告決定テーブルで特徴的な部分は、「非実行」に対して割り当てられている判定値数が、「非リーチはずれ」、「ノーマル(N)リーチはずれ」、「スーパー(S)リーチはずれ」、「大当り」の順に少なくなるように設定されていることにより、「非リーチはずれ」よりも「ノーマル(N)リーチはずれ」の方が、「ノーマル(N)リーチはずれ」よりも「スーパー(S)リーチはずれ」の方が、「スーパー(S)リーチはずれ」よりも「大当り」の方が、保留予告演出の実行が決定されやすくなっている。
つまり、保留予告演出が実行される場合には、保留予告演出が実行されない場合よりもノーマルリーチやスーパーリーチや大当りとなり易いことになり、これらノーマルリーチやスーパーリーチや大当りとなり易いことが予告される。
尚、本実施例では、合計保留記憶数に関係なく、保留予告演出の「実行」・「非実行」を決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留予告演出の「実行」・「非実行」を、決定時の合計保留記憶数に応じて異なる割合、例えば、合計保留記憶数が多くなる程、保留予告演出の「実行」が決定される割合が大きくなるようにしても良い。
図22に戻り、S933においては、S932の処理によって「実行」を決定したか否かを判定する。
「実行」を決定していない場合(S933;N)には、S934に進み、通常の表示態様である白に対応する「0」を、当該格納領域(エントリ)の表示態様フラグにセット(記憶)するとともに、通常態様である白丸の保留表示を合算保留記憶表示部5Dに追加表示した後、保留予告決定処理を終了する。
一方、「実行」を決定した場合には(S933;Y)、図24に示す表示態様決定テーブルを用いて、保留表示の表示態様を、入賞時判定結果に応じて決定する(S939)。
具体的に、S939のステップにおいて演出制御用CPU120は、図24に示す表示態様決定テーブルをセットするとともに、表示態様決定用乱数を抽出し、該抽出した表示態様決定用乱数の値と、当該保留予告決定処理の処理対象のエントリ(格納領域)に格納されている入賞時判定結果指定コマンドとから特定される入賞時判定結果に対応する判定値とに基づいて、表示態様を「黄色」または「赤色」のいずれかに決定する。
本実施例の表示態様決定テーブルで特徴的な部分は、図24に示すように、「黄色」に対して割り当てられている判定値数が、「非リーチはずれ」、「ノーマル(N)リーチはずれ」、「スーパー(S)リーチはずれ」、「大当り」の順に少なくなるように設定されているとともに、「赤色」に対して割り当てられている判定値数が、「非リーチはずれ」、「ノーマル(N)リーチはずれ」、「スーパー(S)リーチはずれ」、「大当り」の順に多くなるように設定されていることで、「赤色」の保留表示が表示されたときには、「黄色」の保留表示が表示された場合よりも大当りとなり易い、つまり、「赤色」の保留表示の方が、大当りとなる期待度が高くなっている。
尚、本実施例では、保留予告演出における保留表示の表示態様を、第1特別態様である「黄色」と第2特別態様である「赤色」の2態様のみとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの態様を、大当りとなる期待度が異なる3以上としても良い。
図22に戻って、S939の処理を実行した後には、新たな保留予告演出の実行を制限するための保留予告決定制限フラグセットをセットした後(S940)、該S939において決定した表示態様が「赤色」であるか否かを判定する(S941)。
S939において決定した表示態様が「赤色」である場合には、S942に進んで、保留予告決定処理の処理対象のエントリ(格納領域)における表示態様フラグに、「赤色」に対応する「2」を表示態様フラグにセット(記憶)するとともに、第2特別態様である赤色の保留表示を合算保留記憶表示部5Dに追加表示した後、保留予告決定処理を終了する。
一方、S939において決定した表示態様が「黄色」である場合には、S943に進んで、保留予告決定処理の処理対象のエントリ(格納領域)における表示態様フラグに、「黄色」に対応する「1」を表示態様フラグにセット(記憶)するとともに、第1特別態様である黄色の保留表示を合算保留記憶表示部5Dに追加表示した後、保留予告決定処理を終了する。
以上のように、新たな始動入賞の発生に伴って、入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合には、保留予告演出の実行・非実行が決定され、非実行が決定された場合には、通常態様である白丸の保留表示が合算保留記憶表示部5Dに追加表示される一方、実行が決定された場合には、黄色または赤色の保留表示が合算保留記憶表示部5Dに追加表示される。
図25は、メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)の一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図26は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)の一例を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファのバッファ番号1のエントリに記憶されている記憶内容をアクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)に移動する(S810)。
次いで演出制御用CPU120は、アクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)に移動した入賞時判定結果記憶バッファのバッファ番号1のエントリの記憶データを消去するとともに、入賞時判定結果記憶バッファの各エントリをシフトする(S811)。すなわち、下位の格納領域(バッファ番号2〜8のエントリ)の内容を、1つずつ上位の格納領域にシフトする。
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出し(S812)、該読み出した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンのいずれかに該当するか否かを判定する(S813)。
スーパーリーチの変動パターンのいずれにも該当しない場合には、S818に進んでアクティブ表示更新処理が実行されることにより、S810における移動により更新された更新後のアクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)の表示態様フラグから特定される態様にてアクティブ表示が表示される。つまり、保留表示の段階における表示態様が通常表示の「白」の態様であれば通常表示の「白」のアクティブ表示が表示され、保留表示の段階における表示態様が第1特別態様の「黄色」の態様であれば第1特別態様の「黄色」のアクティブ表示が表示され、保留表示の段階における表示態様が第2特別態様の「赤色」の態様であれば第1特別態様の「赤色」のアクティブ表示が表示される。
一方、読み出した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンのいずれかに該当する場合には、アクティブ表示記憶バッファの表示態様フラグが、通常態様を示す「0」であるか否かを判定する(S814)。そして、通常態様を示す「0」でなければ(S814;N)、つまり、既に第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」の表示態様である場合には、S818に進んでアクティブ表示更新処理が実行されることにより、アクティブ表示エリア5Fに、保留記憶における表示態様と同じ表示態様(第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」)にてアクティブ表示が表示される。
また、通常態様を示す「0」であれば(S814;Y)、更に、予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファいずれかの格納領域(エントリ)に記憶されているか、つまり、保留予告によって、第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」の表示態様にて表示されている保留表示が存在するか否かを判定する(S815)。
予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファいずれかの格納領域(エントリ)に記憶されている場合には、S818に進んでアクティブ表示更新処理が実行されることにより、アクティブ表示エリア5Fに通常態様である白の態様にてアクティブ表示が表示される。つまり、既に、他の保留表示について保留予告が実行されている場合にアクティブ表示の表示態様を変化させないようになっており、このようにすることで、他の保留表示について保留予告が実行されている場合にアクティブ表示の表示態様を変化させてしまうことによって、既に実行している保留予告演出の興趣が損なわれてしまうことを防ぐことができる。
予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファいずれの格納領域(エントリ)にも記憶されていない場合(S815;N)には、図27に示す再抽選テーブルを用いて、アクティブ表示の表示態様を、通常態様から第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」に変化させるか否かを再決定する(S816)。
具体的には、図27に示す再抽選テーブルをセットするとともに、再抽選用乱数を抽出して、抽出した再抽選用乱数の値と、アクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)のエントリ(格納領域)に格納されている入賞時判定結果指定コマンドとから特定される入賞時判定結果(「はずれ」または「大当り」)に対応する判定値とに基づいて、「白色」(非変更に該当)、「黄色」(第1特別態様)、「赤色」(第2特別態様)のいずれかに決定する。
本実施例の再抽選テーブルは、図27に示すように、各表示態様(「白色(通常態様)」、「黄色(第1特別態様)」、「赤色(第2特別態様)」)に対応して、「はずれ」、「大当り」の入賞時判定結果毎に、図27に示す割合にて判定値が割り当てられている。
本実施例の再抽選テーブルで特徴的な部分は、「白色(通常態様)」にも判定値が割り当てられていることにより、再抽選でも「白色(通常態様)」が決定される場合、つまり、スーパーリーチの変動パターンであっても、「白色(通常態様)」のアクティブ表示が表示される場合があるようになっており、アクティブ表示が黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)に変化しない場合であっても、大当りとなる可能性が高いスーパーリーチが発生する場合がある、つまり、「白色(通常態様)」のアクティブ表示であっても、大当りとなることが期待できるようになっている。
また、図27に示すように、「白色(通常態様)」に対して割り当てられている判定値数は、「大当り」の方が「はずれ」よりも少なくなるように設定されていることにより、スーパーリーチとなって大当りとなる場合には、アクティブ表示として表示される際に、黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)に変化する割合が高くなるように設定されている。つまり、本実施例では、アクティブ表示として表示される際に、黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)に表示態様が変化する場合には、変化しない場合よりも「大当り」となる可能性(期待度)が高くなっている。
更に、図27に示すように、「はずれ」に対応する判定値の割り当てにおいては、黄色(第1特別態様)に対して赤色(第2特別態様)よりも多くの判定値が割り当てられているのに対し、「大当り」に対応する判定値の割り当てにおいては、逆に、赤色(第2特別態様)に対して黄色(第1特別態様)よりも多くの判定値が割り当てられていることで、黄色(第1特別態様)に変化する場合よりも、赤色(第2特別態様)に変化した場合の方が、「大当り」となる可能性(期待度)が高くなっている。
尚、本実施例では、アクティブ表示が赤色(第2特別態様)の表示態様となる場合は、始動入賞時に保留表示として赤色(第2特別態様)の表示態様とされたものがアクティブ表示として表示される場合(第1パターン)と、始動入賞時には白色(通常態様)にて表示されていたものがアクティブ表示として表示される際に赤色(第2特別態様)の表示態様に変化して表示される場合(第2パターン)とがあるが、図24に示す表示態様決定テーブルにおける「スーパーリーチはずれ」と「大当り」に対応する判定値の割り当て数と、図27の再抽選テーブルにおける「はずれ」と「大当り」に対応する判定値の割り当て数とを比較することにより解るように、赤色(第2特別態様)の表示態様が「はずれ」の場合に決定される割合は、図27の再抽選テーブルの方が少なく、且つ、赤色(第2特別態様)の表示態様が「大当り」の場合に決定される割合は、図27の再抽選テーブルの方が多く設定されていることにより、第2パターンであるアクティブ表示として表示される際に変化した赤色(第2特別態様)の表示態様の方が、第1パターンである保留表示の表示態様を引き継いだ赤色(第2特別態様)の表示態様よりも、「大当り」となる可能性(期待度)が高くなっており、このようにすることで、保留表示が表示される際に、白色(通常態様)にて表示されていたとしても、アクティブ表示として表示される際に、赤色(第2特別態様)の表示態様になるのではないかという期待感を遊技者に与えることができる、つまり、白色(通常態様)にて保留表示が表示されていたとしても遊技者の期待感を持続できるので、遊技興趣を向上することができる。
そして、アクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)のエントリ(格納領域)に格納されている表示態様フラグの値を、通常態様を示す「0」から、再決定により決定した表示態様に対応する値に更新する。具体的には、S816にて「黄色」(第1特別態様)を再決定した場合には、表示態様フラグの値を「黄色」(第1特別態様)を示す「1」に更新し、S816にて「赤色」(第2特別態様)を再決定した場合には、表示態様フラグの値を「赤色」(第2特別態様)を示す「2」に更新する。尚、S816にて「白色」を再決定した場合には、表示態様フラグの値は、既に、通常態様である「白色」を示す値である「0」であるので、更新する必要はない。
そして、S818に進んでアクティブ表示更新処理が実行されることにより、アクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)のエントリ(格納領域)に格納されている表示態様フラグの値に応じた表示態様にて、アクティブ表示エリア5Fにアクティブ表示が表示される。
具体的には、上記したように、S817を経由した後にS818に進んでアクティブ表示更新処理が実行される場合には、アクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)のエントリ(格納領域)に格納されている表示態様フラグの値に応じて、「白色」(通常態様)、「黄色」(第1特別態様)、「赤色」(第2特別態様)のいずれかのアクティブ表示がアクティブ表示エリア5Fに表示される。つまり、S817の再抽選による再決定において、「黄色」(第1特別態様)または「赤色」(第2特別態様)が決定された場合には、「黄色」(第1特別態様)または「赤色」(第2特別態様)のアクティブ表示がアクティブ表示エリア5Fに表示される。
一方、S817を経由することなくS818に進んでアクティブ表示更新処理が実行される場合、つまり、上記したように、スーパーリーチの変動パターンではないと判定された場合(S813;N)や、アクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)のエントリ(格納領域)に格納されている表示態様フラグの値が、通常態様である「白色」を示す値である「0」ではない場合には、保留表示における表示態様と同一の表示態様にてアクティブ表示エリア5Fにアクティブ表示が表示される。また、S815でYと判定される場合、つまり、予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファいずれかの格納領域(エントリ)に記憶されていて、保留表示について保留予告が実行されている場合には、アクティブ表示エリア5Fには、アクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)のエントリ(格納領域)に格納されている表示態様フラグの値は、必ず通常態様を示す「0」であるから、アクティブ表示エリア5Fには、「白色」(通常態様)のアクティブ表示が表示される。つまり、既に、保留表示について保留予告が実行されている場合には、アクティブ表示の表示態様を変化させないようになっている。
尚、本実施例は、図26に示すように、変動パターンがスーパーリーチではなく、保留表示の表示態様が通常態様である「白色」の表示態様であった場合であって、保留予告が実行されていない場合の変動表示についてのみ、S816の再抽選による再決定を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、全ての変動表示について、アクティブ表示の表示態様の再抽選による再決定を実行するようにしても良い。このように、全ての変動表示について再抽選による再決定を実行する場合には、保留表示の表示態様が、「黄色」(第1特別態様)や「赤色」(第2特別態様)であった場合にも再抽選による再決定を実行することになるが、これらの場合には、「黄色」(第1特別態様)から「白色」(通常態様)への再決定や、「赤色」(第2特別態様)から「黄色」(第1特別態様)や「白色」(通常態様)への再決定がされないように完全に制限したり、或いは、「黄色」(第1特別態様)から「白色」(通常態様)への再決定や、「赤色」(第2特別態様)から「黄色」(第1特別態様)や「白色」(通常態様)への再決定は可能であるが、その決定の割合が低いことにより、これら「黄色」(第1特別態様)から「白色」(通常態様)への再決定や、「赤色」(第2特別態様)から「黄色」(第1特別態様)や「白色」(通常態様)への再決定がされ難いように制限しても良い。
また、上記したように、保留表示の表示態様が、「黄色」(第1特別態様)や「赤色」(第2特別態様)であった場合において再抽選による再決定を実行する場合には、保留表示の表示態様である色毎に、異なる再抽選テーブル(白用再抽選テーブル、黄用再抽選テーブル、赤用再抽選テーブル)を用意しておき、保留表示の表示態様に応じた再抽選テーブルを用いて(セットして)、再抽選による再決定を実行するようにしても良い。
また、本実施例では、図26に示すように、変動開始時において実行される演出図柄変動開始処理にて再抽選による再決定をおこなう形態、つまり、アクティブ表示に対応する変動開始時に再抽選による再決定を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら再抽選による再決定を変動表示中のタイミング、例えば、擬似連の変動パターンであれば、擬似連の再変動のタイミングや、2つの演出図柄が停止してリーチ状態となるタイミングにて再抽選による再決定を行うようにしても良い。
また、本実施例では、アクティブ表示に対応する変動開始時に再抽選による再決定を行って、即時に決定した表示態様にてアクティブ表示を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、再抽選による再決定を変動開始時に実行しても、該再決定された表示態様によるアクティブ表示を、変動開始中の所定のタイミング、例えば、擬似連の変動パターンであれば擬似連の再変動のタイミングや、2つの演出図柄が停止してリーチ状態となるタイミングまでは行わず、これら擬似連の再変動のタイミングやリーチ状態となるタイミングにおいて変動開始時に再決定した表示態様に変化させるようにしても良い。尚、このように、変動表示中においてアクティブ表示の表示態様を変化させる場合にあっては、これらアクティブ表示に作用するキャラクタ等の作用演出用画像をアクティブ表示以外に表示して、キャラクタ等の作用演出用画像がアクティブ表示に作用する作用演出を、全ての変化または一部の変化について行って、アクティブ表示の表示態様を変化させるようにしても良い。
S818の処理を実行した後にはS822に進んで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する。
これら演出図柄の停止図柄(最終停止図柄)としては、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
大当り図柄を決定する際に、演出制御用CPU120は、S822の処理で、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
また、はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。
次いで、演出制御用CPU120は、変動中予告演出の実行の有無を決定する変動中予告演出決定処理を実行する(S823)。この変動中予告演出決定処理においては、キャラクタの登場や、背景画像の色や柄の変化等による変動中予告演出の実行・非実行並びに実行する場合における変動中予告演出の種類とが決定される。
変動中予告演出決定処理を実行した後、演出制御用CPU120は、変動パターンおよび変動中予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルを選択する(S824)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S825)。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(S826)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、プロセステーブルは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
これらプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。すなわち、各変動パターンや変動中予告演出の態様等に応じて予め用意されている。
そして、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し後(S827)、演出制御プロセスフラグの値を、演出図柄変動中処理(S802)を示す値に更新する(S828)。
図28は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)の一例を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(S840A,S840B)。
また、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S841)。タイマアウトしていない場合には、S850に移行する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S843)。
次いで、演出制御用CPU120は、変動中予告処理を行う(S850)。変動中予告処理では、S823の処理にて決定された変動中予告を実行するための処理、具体的には、S823の処理にて決定された種類の変動中予告の変動中予告プロセステーブルをセットし、該セットした変動中予告プロセステーブルを変動中予告プロセスタイマの更新に応じて順次実行することで、決定された種類の変動中予告を実行する。
変動中予告処理を行った後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S861)。ここで、変動時間タイマがタイマアウトしている場合は、後述するS863に進む。一方、変動時間タイマがタイマアウトしていない場合は、S862に進む。
S862において演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す図柄確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、図柄確定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、当該演出図柄変動中処理を終了する。一方、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合は、S863に進む。
S863において演出制御用CPU120は、保留予告決定制限フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、保留予告決定制限フラグがセットされていない場合は、後述するS866に進む。一方、保留予告決定制限フラグがセットされている場合は、S864に進む。
S864において演出制御用CPU120は、予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファまたはアクティブ表示バッファのいずれかの格納領域(エントリ)に記憶されているか否かを判定する。予告対象フラグが記憶されている場合は、S866に進む。一方、予告対象フラグが記憶されていない場合は、保留予告決定制限フラグをクリアし(S865)、S866に進む。
尚、保留予告決定制限フラグがセットされている状態で、入賞時判定結果記憶バッファのいずれの格納領域(エントリ)にも予告対象フラグがセットされていない場合とは、当該変動開始時に入賞時判定結果記憶バッファから予告対象フラグが消去された状態、つまり、当該変動表示が予告対象の変動表示であったことを示している。そして、予告対象の変動表示が終了することに応じて、新たな保留予告演出の実行決定を可能にするために、S865の処理で保留予告決定制限フラグをクリアする。
尚、複数の保留記憶がある場合において1のエントリに予告対象フラグがセットされているときに、該エントリに対応する変動表示が開始される前は、保留予告決定制限フラグがセットされている状態で(S863;Y)、予告対象フラグがいずれかのエントリにセットされている状態(S864;Y)となる。そのため、予告対象フラグがセットされているエントリに対応する変動表示が終わる状態となるまで保留予告決定制限フラグがセットされ続けることになる。
次いで、S866において演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新し、当該演出図柄変動中処理を終了する。
図29は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、前述の演出図柄変動開始処理(図26参照)におけるS822の処理で決定された停止図柄を導出表示する制御を行う(S870)。そして、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、図柄確定コマンド受信フラグをクリアする(S871)。
次いで、演出制御用CPU120は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(S875)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
ここで、大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S876)。一方、大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S877)。
次に、図30、図31を用いて、保留表示とアクティブ表示の表示態様について説明する。図30(a)に示すように、合算保留記憶表示部5Dにおいて通常態様である白の表示態様により3個の保留表示がなされており、アクティブ表示エリア5Fにも通常態様である白の表示態様によるアクティブ表示が表示されている状態において新たな始動入賞により、例えば、ノーマルリーチはずれの変動パターンと判定された保留記憶が発生した場合に、保留予告演出の実行が決定されなかったときには、図30(b1)に示すように、新たな始動入賞に対応する保留表示として、通常態様である白の保留表示が合算保留記憶表示部5Dに追加表示される。
一方、新たな始動入賞が発生した場合に、保留予告演出の実行が決定され、その表示態様として第1特別態様である黄色が決定された場合には、図30(b2)に示すように、黄色の保留表示が合算保留記憶表示部5Dに追加表示される。また、保留予告演出の実行が決定され、その表示態様として第2特別態様である赤色が決定された場合には、図30(b3)に示すように、赤色の保留表示が合算保留記憶表示部5Dに追加表示される。
そして、始動入賞が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、新たな変動表示が開始された場合には、図30(c1)、図30(c2)、図30(c3)に示すように、合算保留記憶表示部5Dにおいてアクティブ表示エリア5Fに最も近い保留表示がアクティブ表示エリア5Fに移動して表示されるとともに、該移動に伴って合算保留記憶表示部5Dの各保留表示が1つずつ、アクティブ表示エリア5F側にシフトされて表示される。
そして、3回の変動表示が終了して、4回目の変動表示が開始されるときには、図30(d1)、図30(d2)、図30(d3)に示すように、図30(b1)、図30(b2)、図30(b3)にて新たに表示された各表示態様の保留表示が、その表示態様を維持したまま、アクティブ表示エリア5Fに移動して、アクティブ表示として表示される。
一方、合算保留記憶表示部5Dにおいて通常態様である白の表示態様により3個の保留表示がなされており、アクティブ表示エリア5Fにも通常態様である白の表示態様によるアクティブ表示が表示されている状態において新たな始動入賞により、例えば、非リーチはずれの変動パターンと判定された保留記憶が発生することで、保留予告演出の実行が決定されなかったときには、図31(A)に示すように、新たな始動入賞に対応する保留表示として、通常態様である白の保留表示が合算保留記憶表示部5Dに追加表示される。
そして、図31(B)に示すように、3回の変動表示が終了した後、4回目の変動表示が開始されるときに、変動パターンとして、合計保留記憶数が減少したことに伴って、擬似連2スーパーリーチはずれの変動パターンが決定された場合には、変動パターンがスーパーリーチの変動パターンに該当することにより、前述した再抽選(S816)が実行される。そして、再抽選(S816)において白色が決定された場合には、図31(C1)に示すように、通常態様である白の表示態様のアクティブ表示がアクティブ表示エリア5Fに表示される。また、再抽選(S816)において第1特別態様である黄色が決定された場合には、図31(C2)に示すように、第1特別態様である黄色の表示態様のアクティブ表示がアクティブ表示エリア5Fに表示される。また、再抽選(S816)において第2特別態様である赤色が決定された場合には、図31(C3)に示すように、第2特別態様である赤色の表示態様のアクティブ表示がアクティブ表示エリア5Fに表示される。
以上、上記した本実施例によれば、再決定手段によって第1態様である白色の通常態様が、第2態様である黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)に決定し直されるので、保留表示の表示時において保留表示の表示態様を決定する保留予告演出決定処理における決定の仕様を変更することなく、対応表示であるアクティブ表示を第2態様である黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)にて表示することができるので、仕様変更に要する労力を低減することができる。
また、上記した本実施例によれば、特定演出となるスーパーリーチの演出を実行するか否か、つまり、スーパーリーチの変動パターンとするか否かを、変動表示の開始時に決定するようにしているので、保留予告演出の決定時である始動入賞時にあっては、これらスーパーリーチの変動パターンを完全に考慮した保留予告演出を実行することはできないが、当該変動表示となって特定演出となるスーパーリーチの演出を実行するか否かが決定された段階にて、表示態様を決定し直すので、最終的には、スーパーリーチの変動パターンを完全に考慮した保留予告演出を実行できる。つまり、変動表示の開始時における遊技状況(時短状態であるか否かや、合計保留記憶数)に応じてスーパーリーチ(特定演出)の実行の有無を決定することを可能としつつ、スーパーリーチ(特定演出)の実行の有無に応じて対応表示であるアクティブ表示の表示態様を決定し直すことができるので、遊技興趣を向上できる。
また、上記した本実施例によれば、図32に示すように、合計保留記憶数減算指定コマンドを取りこぼした場合でも、変動パターンコマンドの受信に応じて合算保留記憶表示部5Dの保留表示が1減算した表示状態に更新されるようになるので、図13(B)の第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに実際に記憶されている保留記憶の数と表示内容とに矛盾が生じることを防止することができ、対応表示について遊技者に違和感を与えることを防ぐことができる。
また、上記した本実施例によれば、第2態様である黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)への決定し直しが、該決定し直しされる対応表示がアクティブ表示(変動表示対応表示)として表示される際に行われるため、アクティブ表示に対応する変動表示が開始されるときに、表示態様が黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)に決定し直しされるのではないかという期待感を遊技者に与えることができるので、遊技者の期待感を対応する変動表示が開始されるまで継続させることができ、遊技興趣を向上できる。
また、上記した本実施例によれば、赤色(第2特別態様)の期待度が、保留表示の開始時に赤色(第2特別態様)となるのか、アクティブ表示となるときに赤色(第2特別態様)となるのかによって異なるので、第2態様である赤色(第2特別態様)の表示態様が表示される時期についても遊技者に注目させることができるようになるので、遊技興趣を向上できる。
また、上記した本実施例によれば、遊技状態が変化してしまう可能性のある大当りとなる保留記憶が存在する場合には、保留表示を黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)にて表示する保留予告演出の実行決定が制限されるので、保留予告演出の予告が不正確になってしまうことを防ぐことができる。
尚、上記した本実施例では、遊技状態が変化してしまう可能性のある大当りとなる保留記憶が存在する場合においては、保留予告演出の実行を制限する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの制御に代えて、大当りとなった場合に、例えば、大当りの終了時等において入賞時判定結果記憶バッファの全てのエントリの表示態様フラグの値を、「白色」(通常態様)に対応する「0」に更新することで、保留予告演出をクリアすることで、遊技状態が変化する大当りの発生前に決定された保留予告演出が、大当りとなって遊技状態が変化することによって不適切な演出なることを防ぐようにしても良く、このような場合であっても、上記した本実施例によれば、遊技状態が変化した後に開始される変動開始時において、変化後の遊技状態に応じて決定された変動パターンに基づいて、アクティブ表示の表示態様が再決定されるので、上記のように、大当りの発生によって保留予告演出をクリアしても、アクティブ表示の表示態様を「黄色」(第1特別態様)や「赤色」(第2特別態様)にて表示することができ、アクティブ表示の表示態様を「黄色」(第1特別態様)や「赤色」(第2特別態様)にて表示されなくなってしまうことによって遊技興趣が低下してしまうことを防ぐこともできる。
また、上記した本実施例によれば、再抽選による第2態様である黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)への決定し直しが、後の変動表示に対応する保留記憶が、始動入賞時の判定結果に基づいて予告対象となっているか否かにもとづいて実行されるため、後の変動表示の表示結果を推測できるようになるので、遊技興趣を向上できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、再抽選をアクティブ表示として表示するタイミング、つまり、保留表示に対応する変動表示が開始されるタイミングにおいて実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら再抽選を実行するタイミングを、例えば、合算保留記憶表示部5Dにおいてアクティブ表示エリア5Fに最も近い位置に移動したタイミング等において実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、再抽選を1回のみ行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら再抽選を、保留表示が合算保留記憶表示部5Dにおいて所定位置に移動した第1タイミングと、アクティブ表示として表示する第2タイミング等のように、複数のタイミングにて実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、アクティブ表示エリア5Fを設けてアクティブ表示を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらアクティブ表示を表示せずに、保留表示のみを合算保留記憶表示部5Dに表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、第2態様として、黄色や赤色の期待度が異なる複数の表示態様を決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第2態様は、例えば、赤色のみ、或いは黄色のみのように、1種類のみとしても良い。
また、前記実施例では、表示態様として、色の表示態様を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、色ではなく形状や大きさが異なるものとしたり、或いは、色や形状や大きさを組み合わせたものとして、これらの組み合わせが異なるものとしても良い。
また、前記実施例では、再抽選の対象を、通常態様である白色の表示態様のみを対象とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、期待度の低い表示態様が複数ある場合においては、これら期待度の低い複数の表示態様の全てを再抽選の対象としても良い。
また、前記実施例では、特定演出を大当り期待度が高いスーパーリーチとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特定演出は、期待度が一定の規定値よりも高い演出であれば、どのような演出であっても良い。また、期待度の対象についても、大当りに限定されるものではなく、これら期待度の対象となる有利状態としては、確変状態や時短状態等であっても良い。
また、前記実施例では、スーパーリーチの変動パターンを含む全ての変動パターンを変動表示の開始時に決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの変動パターンを始動入賞時等の変動表示の開始時以外のタイミングにおいて決定するようにしても良い。
また、前記実施例では、S224において、始動入賞時における合計保留記憶数を特定して、変動パターン判定テーブルにおいて、該特定した合計保留記憶数に応じたフィールドを選択して、変動パターンを判定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら合計保留記憶数は、実際に実行される変動パターンが決定されるタイミングである、当該始動入賞に対応する変動表示の開始受時とは異なる可能性が高いことから、遊技状態が確変状態もしくは時短状態でなければ、その時点の合計保留記憶数に関係なく、「はずれ(保留数2まで)」或いは「はずれ(保留3以上時、時短時)」のいずれかのフィールドのみを選択して判定を行うようにしても良い。
また、前記実施例では、全ての変動パターンうちのどの変動パターンとなるかを判定して始動入賞時判定結果として送信する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図33に示すように、始動入賞時に抽出した乱数が該当する判定値の範囲に応じた始動入賞時判定結果コマンドを送信するようにしても良い。
具体的には、図33に示すように、通常状態で合計保留記憶数が2以下のときに判定に使用されるテーブルであって、0〜99の判定値が「非リーチ」に、100〜199の判定値が「ノーマルリーチ」に、200〜299の判定値が「スーパーリーチ」に割り当てられたはずれ用変動パターン判定テーブルAと、通常状態で合計保留記憶数が3以上のときに判定に使用されるテーブルであって、0〜149の判定値が「非リーチ」に、150〜249の判定値が「ノーマルリーチ」に、250〜299の判定値が「スーパーリーチ」に割り当てられたはずれ用変動パターン判定テーブルBを使用することで、合計保留記憶数が多くなると、変動時間が短い変動パターンが決定されやすくなるように設定されている場合であれば、抽出した判定値が0〜99であれば始動入賞時判定結果コマンドAを送信し、抽出した判定値が100〜149であれば始動入賞時判定結果コマンドBを送信し、抽出した判定値が150〜199であれば始動入賞時判定結果コマンドCを送信し、抽出した判定値が200〜249であれば始動入賞時判定結果コマンドDを送信し、抽出した判定値が250〜299であれば始動入賞時判定結果コマンドEを送信するようにすれば良い。このようにすれば、始動入賞時判定結果コマンドAは、合計保留記憶数が変化しても、必ず非リーチとなるコマンドであり、始動入賞時判定結果コマンドBは、合計保留記憶数が変化することで、非リーチまたはノーマルリーチのいずれかとなるコマンドであり、始動入賞時判定結果コマンドCは、合計保留記憶数が変化しても、必ずノーマルリーチとなるコマンドであり、始動入賞時判定結果コマンドDは、合計保留記憶数が変化することで、スーパーリーチまたはノーマルリーチのいずれかとなるコマンドであり、始動入賞時判定結果コマンドEは、合計保留記憶数が変化しても、必ずスーパーリーチとなるコマンドとなるので、必ずスーパーリーチはずれとなる始動入賞時判定結果コマンドEの受信時は、例えば、必ず「赤色」の表示態様を決定する一方、スーパーリーチはずれまたはノーマルリーチはずれのいずれかとなる始動入賞時判定結果コマンドDの受信時は、「赤色」以外の表示態様、例えば白色の通常態様を決定可能とした場合に、変動開始時においてスーパーリーチはずれの変動パターンが決定された場合であって、保留表示の表示態様が「赤色」以外の表示態様(例えば、白色の通常態様)であれば、「赤色」を再決定することにより、スーパーリーチはずれの変動パターンが決定される判定値の範囲が合計保留記憶数によって変化する場合であっても、スーパーリーチはずれとなる場合には、必ず「赤色」を決定可能にできるようになる。
また、前記実施例では、アクティブ表示が表示されるタイミングで、表示態様が第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」に変化した場合には必ずスーパーリーチとなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記実施例におけるS813の処理において変動パターンがスーパーリーチではないと判定された場合においても、一定の少ない割合にて再抽選を実行して、スーパーリーチではない変動パターンであっても、アクティブ表示が表示されるタイミングで、表示態様が第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」に変化する場合があるようにしても良い。
また、前記実施例では、アクティブ表示となるときに赤色(第2特別態様)となる方が、保留表示の開始時に赤色(第2特別態様)となる場合よりも期待度が高い形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、保留表示の開始時に赤色(第2特別態様)となる方が、アクティブ表示となるときに赤色(第2特別態様)となる場合よりも期待度が高くなるようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技状態が変化してしまう可能性のある大当りとなる保留記憶が存在する場合には、保留予告演出の実行の決定を制限する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら大当りとなる保留記憶が存在する場合においても、保留予告演出の実行の決定を制限しないようにしても良い。
また、前記実施例では、予告フラグがセットされているエントリが入賞時判定結果記憶バッファに存在する場合には、再抽選を制限する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予告フラグに加えて、或いは予告フラグに代えて、大当りの判定結果が記憶されているエントリが入賞時判定結果記憶バッファに存在する場合に再抽選を制限するようにしても良いし、更には、これら再抽選の制限を行わないようにしても良い。
また、前記実施例においては、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13およびランプ制御基板14が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ8L,8Rなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、前記実施例においては、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU120に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板(例えば、図2に示す音声制御基板13やランプ制御基板14など、または音声制御基板13に搭載されている回路による機能とランプ制御基板14に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用CPU120に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声制御基板13、ランプ制御基板14、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用CPU120に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用CPU120は、上記の実施例における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声制御基板13、ランプ制御基板14または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、前記実施例では、変動時間およびリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドとしてリーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や擬似連等の変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用CPU120は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が実行する保留予告決定処理において、既に保留予告演出の実行が決定されている場合に、保留予告決定制限フラグがセットされ、他に新たな保留予告演出の実行を決定しないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留予告決定制限フラグをセットせずに、既に保留予告演出の実行が決定されている場合であっても、他に新たな保留予告演出の実行を決定するようにしても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。