以下、パチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機には、遊技盤10が備えられている。パチンコ遊技機に設けられている発射ハンドルが回動動作されることにより、遊技盤10へ遊技球が発射される。
遊技盤10の略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。また、遊技盤10の右下方には、複数の発光部材により構成される特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて行う特別図柄変動ゲームが行われる。また、演出表示装置11では、特別図柄表示装置12で行われる特別図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われる。具体的には、演出表示装置11では、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲームや、それに基づく表示演出が行われる。
そして、特別図柄変動ゲームにおいて特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて特別図柄を表示する。この特別図柄は、当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。なお、特別図柄表示装置12は、特別図柄の種類に応じて発光部材を点灯及び消灯することにより、特別図柄を表示する。一方、演出表示装置11で行われる図柄変動ゲームでは、複数種類の装飾図柄を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列に装飾図柄を表示する。この装飾図柄は、当りか否かの内部抽選の結果を示すとともに、表示演出を多様化するために用いられる図柄である。
そして、特別図柄表示装置12では、特別図柄変動ゲームの開始により同時に特別図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。また、演出表示装置11では、図柄変動ゲームの開始により同時に装飾図柄の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に装飾図柄が一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の装飾図柄が確定停止表示される。
なお、「変動表示」とは、図柄を表示する表示位置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である。一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態、例えば、ゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態(図柄変動ゲーム終了時に表示されている図柄で停止した状態)である。
また、特別図柄表示装置12と演出表示装置11では、同時に図柄変動ゲームが開始され、同時に終了する。すなわち、特別図柄と装飾図柄が同時に変動開始されるとともに、同時に確定停止表示される。
本実施形態において特別図柄表示装置12には、複数種類の特別図柄の中から、当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が特別図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置11では、各列に[1]〜[8]の8種類の数字が装飾図柄として表示される。そして、演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、装飾図柄は特別図柄に比較して大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に停止表示された図柄組み合わせから当り又ははずれを認識できる。演出表示装置11に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせから大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが装飾図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置11に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄と異なる種類の場合には、その図柄組み合わせからはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが装飾図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方法(本実施形態では、縦スクロール方向への変動)によって装飾図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の装飾図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に装飾図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせからリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の装飾図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の装飾図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが装飾図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
また、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示される。より詳しくは、特別図柄表示装置12に表示される特別図柄と、演出表示装置11に表示される装飾図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と装飾図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示される。例えば、特別図柄表示装置12に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、特別図柄に対する装飾図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の装飾図柄による図柄組み合わせの中から1つの装飾図柄による図柄組み合わせが選択される。このように、本実施形態では、演出表示装置11が表示手段として機能する。
図1に示すように、演出表示装置11の下方には、常時遊技球が入球可能な始動口13が配設されている。また、始動口13の内部には、始動口13へ入球した遊技球を検知する始動スイッチSW1が設けられている。始動スイッチSW1は、始動口13に入球した遊技球を検知することを契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。このように、本実施形態では、始動口13が始動手段として機能する。また、始動スイッチSW1は、始動口13に入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(3個)の遊技球を賞球として払い出す払出条件を付与する。
また、演出表示装置11の下方には、大入賞ソレノイドSOLの作動により開閉動作を行う大入賞口扉を備えた大入賞口14が配設されている。また、大入賞口14の内部には、大入賞口14へ入球した遊技球をカウントするカウントスイッチSW2が配設されている。大入賞口14のカウントスイッチSW2は、大入賞口14に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(15個)の遊技球を賞球として払い出す払出条件を付与する。
そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉が開状態となり、大入賞口14が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できる機会を得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できる機会を得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
図1に示すように、特別図柄表示装置12の下部には、保留表示装置15が配設されている。保留表示装置15は、始動口13に入球し、始動スイッチSW1により検知された遊技球を、始動保留球として機内部(主制御用RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を表示する表示装置である。保留表示装置15の表示内容によって保留されている図柄変動ゲームの回数が報知される。保留記憶数は、始動スイッチSW1により遊技球が検知される毎に、所定の上限数(本実施形態では4)に達するまで「1」加算され、図柄変動ゲームが開始される毎に「1」減算される。そして、保留表示装置15は、複数の発光手段で構成されており、保留記憶数に応じたパターンで発光手段が点灯及び消灯することにより、図柄変動ゲームの回数を表示(報知)する。
また、図1に示すように、パチンコ遊技機には、音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSpが配設されているとともに、発光演出を行う発光手段としての装飾ランプLaが配設されている。
また、画像表示部GHの下方領域には、実行中の図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像が画像表示される実行画像表示領域JGが形成されている。また、実行画像表示領域JGの下部には、実行が保留されている図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像が画像表示される表示画像領域HGが形成されている。表示画像領域HGは、保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域HG1、HG2、HG3、HG4によって構成されている。例えば、図柄変動ゲームが実行中であるとともに、保留記憶数が「2」であるとする。このとき、実行画像表示領域JGには、実行中の図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像Gが画像表示されるとともに、個別表示領域HG1、HG2には、保留されている図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像Gが画像表示される。
次に、本実施形態に規定する大当りの種類について説明する。
大当り遊技は、特別図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されて当該ゲームが終了した後、開始される。大当り遊技が開始すると、大入賞口14が開放されるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口14は、入球上限個数の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間、開放される。そして、全てのラウンド遊技が終了すると、大当り遊技は終了される。
次に、図2に基づき、本実施形態の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、当該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、当該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御するとともに、装飾ランプLaの発光態様や、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31について、その具体的な構成を説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図2に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、が設けられている。
主制御用CPU30aには、始動スイッチSW1及びカウントスイッチSW2が、各種スイッチが遊技球を検知した際に出力する検知信号を主制御用CPU30aが入力できるように接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12及び保留表示装置15が接続されている。また、主制御用CPU30aには、大入賞ソレノイドSOLが接続されている。
主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから当該図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間を特定し得る。また、変動パターンは、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpにて行われる演出の内容を特定し得る。変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンと、がある。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り抽選で用いられる大当り判定値が記憶されている。
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値等)が記憶される。
また、主制御基板30内では、大当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、大当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当りの種類を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数の取り得る値は、はずれ演出用の変動パターン及び大当り演出用の変動パターンで各別に、変動パターン毎に振り分けられている。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cと、が設けられている。
演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプLa及びスピーカSpが接続されている。演出制御用ROM31bには、各種画像表示データ(装飾図柄、背景画像、文字画像などの画像データ)、装飾ランプLaの発光用データ及びスピーカSpの音声用データが記憶されている。演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値等)が記憶される。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期毎に、各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、始動スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球の数を示す保留記憶数が上限個数未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、遊技球を始動保留球として記憶することとし、保留記憶数に「1」加算して、保留記憶数を書き換える。更に、主制御用CPU30aは、「1」加算後の保留記憶数を表すように保留表示装置15の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を書き換える毎に、保留記憶数を指定する保留指定コマンドを、演出制御用CPU31aに出力する。
また、保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、その値を主制御用RAM30cの記憶領域に記憶する。このように、各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、図柄変動ゲームの実行が保留される。
その後、主制御用CPU30aは、取得した各種乱数の値に基づき、先読みコマンドを生成する。先読みコマンドとは、取得した各種乱数の値に基づいて特定した先読み情報を通知するコマンドである。そして、主制御用CPU30aは、生成した先読みコマンドを演出制御用CPU31aに出力し、特別図柄入力処理を終了する。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、遊技球を始動保留球として記憶しないこととし、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得することなく、特別図柄入力処理を終了する。このように、本実施形態では、主制御用CPU30aが乱数取得手段として、主制御用RAM30cが記憶手段としてそれぞれ機能する。
ここで、取得した各種乱数の値に基づく先読みコマンドの生成について説明する。本実施形態における先読みコマンドには、はずれを示す先読みコマンドSC1と、大当りを示す先読みコマンドSC2の計2種類の先読みコマンドがある。
主制御用CPU30aは、始動スイッチSW1から検出信号を入力した場合、先読みコマンドSC1、SC2の何れかの先読みコマンドを生成する。具体的には、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当り判定値と不一致する場合、先読みコマンドSC1を生成する。また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致する場合、先読みコマンドSC2を生成する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技の生起中か否かの実行条件判定を実行する。実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を読み出し、当該保留記憶数が0(零)よりも大きいか否かの保留数判定を実行する。保留数判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、保留数判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を記憶順に基づいて読み出し、保留記憶数から「1」減算する。更に、主制御用CPU30aは、「1」減算後の保留記憶数を表すように保留表示装置15の表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を書き換える毎に、保留記憶数を指定する保留指定コマンドを、演出制御用CPU31aに出力する。
また、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。
そして、大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づいて、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる大当り図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数に基づき、複数種類の変動パターンの中から大当り演出用の変動パターンP2を決定する。そして、主制御用CPU30aは、大当り変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、はずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12にはずれ図柄を停止して表示させることを決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の変動パターンの中からはずれ演出用の変動パターンP1を決定する。そして、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的には、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力し、特別図柄を変動表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を確定停止表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、当該大当り抽選の当選対象となる図柄変動ゲームの終了後、大入賞ソレノイドSOLの開状態及び閉状態を制御することにより、大入賞口14の開放状態及び閉鎖状態を制御し、大当り遊技を生起させる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aからのコマンドに基づき、各種処理を行う。
具体的には、演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドにより特定可能な先読み情報を、演出制御用RAM31cの記憶領域に記憶する。
演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。具体的には、演出制御用CPU31aは、大当り図柄が指定された場合、大当りの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定された場合、はずれの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の装飾図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した装飾図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM31cの記憶領域に記憶されている先読み情報の中で最も先に記憶された先読み情報を消去する。つまり、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの入力を契機に実行される図柄変動ゲームに対応する先読み情報を消去する。
また、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている保留記憶数に基づいて演出表示装置11に表示されるゲーム表示画像の表示態様を制御する。ゲーム表示画像とは、実行中の図柄変動ゲームがある場合に当該実行中の図柄変動ゲームに対応して表示される画像及び、実行が保留されている図柄変動ゲームがある場合に当該実行が保留されている図柄変動ゲームに対応して表示される画像である。演出制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM31cに記憶されている保留記憶数を、保留指定コマンドに基づいて書き換える。そして、演出制御用CPU31aは、書き換えた保留記憶数に基づいてゲーム表示画像を表示するように、演出表示装置11を制御する。
図3に示すように、ゲーム表示画像Gは、丸型の画像である。また、ゲーム表示画像Gは、実行画像表示領域JG及び表示画像領域HG内の4つの個別表示領域HG1、HG2、HG3、HG4に、最大で合わせて5つ表示される。そして、実行画像表示領域JGは、実行中の図柄変動ゲームがある場合に、ゲーム表示画像Gが表示される領域である。また、表示画像領域HGは、保留されている図柄変動ゲームがある場合に、保留されている図柄変動ゲームに対応してゲーム表示画像Gが表示される領域である。そして、表示画像領域HG内の個別表示領域HG1〜HG4のうち最も左に位置する個別表示領域HG1は、実行中の図柄変動ゲームが終了してから1回目に実行される図柄変動ゲームがある場合に、ゲーム表示画像Gが表示される領域である。そして、個別表示領域HG1の右隣に位置する個別表示領域HG2〜HG4は、それぞれ実行中の図柄変動ゲームが終了してから2回目〜4回目に実行される図柄変動ゲームがある場合に、ゲーム表示画像Gが表示される領域である。
例えば、図柄変動ゲームの実行中であり、保留記憶数が「3」である場合、図3(a)に示すように、演出表示装置11では実行中の図柄変動ゲームに基づく変動が行われるとともに、実行画像表示領域JG及び個別表示領域HG1〜HG3には、ゲーム表示画像Gが表示され、個別表示領域HG4には表示されない。そして、実行中の図柄変動ゲームが終了し、個別表示領域HG1のゲーム表示画像に基づく図柄変動ゲームが実行されると、実行画像表示領域JGのゲーム表示画像が消去される。そして、個別表示領域HG1に表示されていたゲーム表示画像が実行画像表示領域JGに移動して表示されるとともに、実行される変動ゲームに基づくゲーム表示画像以外のゲーム表示画像は、1つ左隣の個別表示領域にそれぞれ移動して表示される。
具体的には、図3(b)に示すように、図3(a)において実行画像表示領域JGに表示されていたゲーム表示画像Gは消去され、個別表示領域HG1に表示されていたゲーム表示画像Gが実行画像表示領域JGに移動して表示される。そして、個別表示領域HG2、HG3に表示されていたゲーム表示画像Gはそれぞれ個別表示領域HG1、HG2に移動して表示される。
次に、本実施形態において実行される各種演出について説明する。本実施形態では、各種演出は演出表示装置11で表示される。このため、本実施形態では、演出表示装置11が各種演出を表示する演出表示手段として機能する。
本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて大当り表示結果が表示される期待度(大当り期待度)を複数の図柄変動ゲームに亘って示唆する事前演出が実行可能に構成されている。事前演出では、事前演出の実行契機となった図柄変動ゲームにおける大当り期待度が示唆される。本実施形態では、事前演出として、図柄エフェクト演出、カウントダウン演出、保留変化演出の3種類の事前演出が用意されている。
ここで、図柄エフェクト演出、カウントダウン演出、保留変化演出の3種類の事前演出について、それぞれ詳しく説明する。
まず、図柄エフェクト演出について説明する。
図柄エフェクト演出とは、複数の図柄変動ゲームに亘って、図柄変動ゲームが実行される毎に、当該図柄変動ゲームにおいて装飾図柄の変動が開始される際に図柄エフェクト画像を表示させる演出である。
ここで、図4を用いて、本実施形態における図柄エフェクト演出が実行される際の演出表示装置11の表示内容について説明する。
例えば、図4(a)に示すように、演出表示装置11では図柄変動ゲームが実行されているとともに、3回の図柄変動ゲームが保留されている場合であって、実行中の図柄変動ゲームが終了してから3回目に実行される図柄変動ゲームを対象に、図柄エフェクト演出の実行が決定されているとする。
そして、図4(b)に示すように、実行中の図柄変動ゲームが終了すると、演出表示装置11では、全図柄列が確定停止表示される。
そして、図4(c)に示すように、次の図柄変動ゲームが実行されると、演出表示装置11では、実行される図柄変動ゲームにおいて装飾図柄の変動が開始される際に、図柄の周りにハートを模した図柄エフェクト画像ZEが画像表示される。その後、演出表示装置11では、図柄エフェクト画像ZEが消去され、装飾図柄が変動する。
そして、図柄エフェクト演出においては、上記の表示演出が、図柄エフェクト演出によって大当り期待度が示唆される図柄変動ゲームが終了するまでの間、図柄変動ゲームが実行される毎に実行される。これにより、遊技者は図柄エフェクト演出が実行されていることを認識することができる。
次に、カウントダウン演出について説明する。
カウントダウン演出とは、複数のゲームに亘って、図柄変動ゲームが実行される毎に、装飾図柄の変動が開始される際に、カウントダウン演出の示唆対象とする図柄変動ゲームが実行されるまでの図柄変動ゲームの回数を示すカウントダウン画像を表示させる演出である。具体的には、カウントダウン演出の実行が決定されている場合、図柄変動ゲームが実行されると、装飾図柄の変動が開始される際に、カウントダウン演出の示唆対象とした図柄変動ゲームが実行されるまでの図柄変動ゲームの回数を示すカウントダウン画像が表示される。その後、カウントダウン画像が消去されて、装飾図柄が変動する。そして、カウントダウン演出においては、上記の表示演出が、カウントダウン演出によって大当り期待度が示唆される図柄変動ゲームが実行されるまでの間、図柄変動ゲームが実行される毎に実行される。これにより、遊技者はカウントダウン演出が実行されていることを認識することができる。
ここで、図5を用いて、本実施形態におけるカウントダウン演出が実行される際の演出表示装置11の表示内容について説明する。例えば、演出表示装置11において図柄変動ゲームが実行されているとともに、3回の図柄変動ゲームが保留されている場合であって、実行中の図柄変動ゲームが終了してから3回目に実行される図柄変動ゲームを対象に、カウントダウン演出の実行が決定されているとする。
このとき、図5(a)に示すように、演出表示装置11では図柄変動ゲームが実行されている。ここで、実行中の図柄変動ゲームが終了すると、次の図柄変動ゲームが実行され、カウントダウン画像が表示される。
このとき、図5(b)に示すように、演出表示装置11では、次の図柄変動ゲームにおいて装飾図柄の変動が開始される際に、カウントダウン演出の示唆対象とした図柄変動ゲームまであと何回の図柄変動ゲームが実行されるかを表すカウントダウン画像CDが画像表示される。ここでは、あと2回を表すカウントダウン画像CDが画像表示される。その後、演出表示装置11では、カウントダウン画像CDが消去され、装飾図柄が変動する。
このとき、図5(c)に示すように、演出表示装置11では、カウントダウン画像CDが消去され、実行中の図柄変動ゲームが表示される。その後、実行中の図柄変動ゲームが終了すると、次の図柄変動ゲームが実行されるとともに、カウントダウン画像が表示される。
このとき、図5(d)に示すように、演出表示装置11では、次の図柄変動ゲームにおいて装飾図柄の変動が開始される際に、カウントダウン演出の示唆対象とした図柄変動ゲームまであと何回の図柄変動ゲームが実行されるかを表すカウントダウン画像CDが画像表示される。ここでは、あと1回を表すカウントダウン画像CDが画像表示される。その後、演出表示装置11では、カウントダウン画像CDが消去され、装飾図柄が変動する。
このとき、図5(e)に示すように、演出表示装置11では、カウントダウン画像CDが消去され、実行中の図柄変動ゲームが表示される。その後、実行中の図柄変動ゲームが終了する。
このとき、図5(f)に示すように、演出表示装置11では、全図柄列が確定停止表示される。その後、カウントダウン演出の実行対象となった図柄変動ゲームが実行される。
このとき、図5(g)に示すように、演出表示装置11では、カウントダウン演出の示唆対象となった図柄変動ゲームが実行される。
また、本実施形態において、カウントダウン演出は、示唆対象とした図柄変動ゲームにおける大当り期待度が図柄エフェクト演出よりも高いことを示唆する事前演出である。このため、遊技者がカウントダウン演出が実行されていることを認識した場合には、図柄エフェクト演出が実行される場合よりも示唆対象とした図柄変動ゲームにおける大当り期待度が高いことを認識できる。
次に、保留変化演出について説明する。
保留変化演出とは、演出表示装置11において、表示画像領域HGに表示され、保留変化演出の対象とする図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像の表示態様を所定のタイミングで変化させ、変化した内容に応じて大当り期待度を示唆する演出である。具体的には、保留変化演出の対象とする図柄変動ゲームに対応する先読みコマンドに応じて保留変化演出の演出内容を決定し、決定した演出内容に基づいてゲーム表示画像の表示態様が変化される。これにより、遊技者は保留変化演出の対象となる図柄変動ゲームの実行時期と大当り期待度を認識することができる。本実施形態において、ゲーム表示画像が変化する態様は、黄色の表示態様と、黄色よりも大当り期待度が高いことを示唆する赤色の表示態様とがある。また、黄色の表示態様に変化した後、赤色の表示態様に変化することもある。そして、保留変化演出においてゲーム表示画像が赤色に変化された場合には、ゲーム表示画像が黄色に変化された場合よりも示唆対象とした図柄変動ゲームの大当り期待度が高いことを示唆する。
ここで、図6を用いて、保留変化演出が実行される場合の演出表示装置11の表示内容について説明する。例えば、演出表示装置11において図柄変動ゲームが実行されているとともに、2回の図柄変動ゲームが保留されているとする。
このとき、図6(a)に示すように、実行画像表示領域JGには、実行中の図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像Gが白色で表示されている。そして、個別表示領域HG1〜HG2には、保留されている図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像Gが白色でそれぞれ表示されている。そして、新たに1回の図柄変動ゲームが保留され、該図柄変動ゲームを対象に保留変化演出の実行が決定されたとする。ここでは、ゲーム表示画像の表示開始時に表示態様を黄色に変化させて表示するとともに、保留変化演出の実行契機となった先読みコマンド入力後、1回目の図柄変動ゲーム開始時にゲーム表示画像の表示態様を黄色から赤色に変化させて表示する演出内容が決定されたとする。
このとき、図6(b)に示すように、個別表示領域HG3には、決定された演出内容に基づき、保留変化演出の対象とした図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像Gaが黄色で表示される。
そして、図6(c)に示すように、次の図柄変動ゲームが実行されると、個別表示領域HG1、HG2に表示されていたゲーム表示画像Gは、それぞれ実行画像表示領域JG、個別表示領域HG1に移動して表示される。そして、個別表示領域HG3に表示されていたゲーム表示画像Gaは、決定された演出内容に基づき、赤色のゲーム表示画像Gbに変化して、個別表示領域HG2に移動して表示される。
また、本実施形態において、図柄エフェクト演出、カウントダウン演出、保留変化演出の3種類の事前演出は、演出内容全体がそれぞれ異なる。詳しく説明すると、演出を実行するタイミングや実行する領域等の演出態様がそれぞれ異なる。このため、同一の図柄変動ゲームを対象としてそれぞれ重複して実行することが可能である。具体的には、図柄エフェクト演出は、カウントダウン演出よりも実行タイミングが早いために、重複して実行させることが可能である。また、図柄エフェクト演出又はカウントダウン演出と、保留変化演出とでは、実行領域が異なるために、それぞれ重複して実行させることが可能である。
また、図柄エフェクト演出とカウントダウン演出とでは、示唆する大当り期待度が異なるとともに、演出内容全体がそれぞれ異なる。このため、本実施形態では、図柄エフェクト演出及びカウントダウン演出が第1事前演出に対応する。また、保留変化演出には、示唆する大当り期待度が異なる複数の演出内容があり、複数の演出内容は演出内容の一部がそれぞれ異なる。このため、本実施形態では、保留変化演出が第2事前演出に対応する。
以下、事前演出の実行に係る制御について説明する。演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力する毎に、事前演出を実行させるか否かを判定するための事前演出判定処理を行う。
図7に示すように、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドの出力契機となった図柄変動ゲームを対象に、事前演出が実行可能か否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドに対応する図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームの中で、事前演出の対象とされた図柄変動ゲームがあるか否かを判定する。そして、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドに対応する図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームの中で、事前演出の対象とされた図柄変動ゲームがある場合、ステップS11の判定結果を否定とし、事前演出判定処理を終了する。つまり、本実施形態において、異なる図柄変動ゲームを対象に、同時に事前演出を実行しない。
一方、入力した先読みコマンドに対応する図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームの中で、事前演出の対象とされた図柄変動ゲームがない場合、ステップS11の判定結果を肯定とする。その後、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドに対応する図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームが、全てはずれとなるか否かを判定する(ステップS12)。
具体的には、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから実行中の図柄変動ゲームの変動パターンを読み取り、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する。また、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドよりも前に保留された図柄変動ゲームの先読み情報を読み取り、大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致するものがあるか否かを判定する。そして、入力した先読みコマンドに対応する図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームの中に、大当りとなる図柄変動ゲームがある場合、演出制御用CPU31aはステップS12の判定結果を否定とし、事前演出判定処理を終了する。つまり、本実施形態において、入力した先読みコマンドに対応する図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームの中に大当りとなる図柄変動ゲームがある場合、事前演出を実行しない。
一方、入力した先読みコマンドに対応する図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームが全てはずれとなる場合、演出制御用CPU31aは、ステップS12の判定結果を肯定とする。その後、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドの出力契機となった図柄変動ゲームを対象に事前演出を実行させるか否かの事前演出判定抽選を行い、事前演出判定抽選に当選したか否かを判定する(ステップS13)。そして、演出制御用CPU31aは、事前演出判定抽選に非当選した場合、ステップS13の判定結果を否定とし、事前演出判定処理を終了する。
一方、ステップS13の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、実行させる事前演出の種類を、入力した先読みコマンドに基づいて、複数の事前演出パターンから選択する(ステップS14)。事前演出パターンとは、実行させる事前演出の種類を特定するパターンである。
図8に示すように、事前演出パターンには、実行させる事前演出の種類が異なる7種類の事前演出パターンJP1〜JP7がある。各事前演出パターンが選択されると、図柄エフェクト演出、カウントダウン演出、保留変化演出の3種類の事前演出について、それぞれ実行させるか否かが特定される。
ここで、事前演出パターンの選択方法について説明する。
図9に示すように、事前演出パターンは、入力された先読みコマンドに応じて選択される確率が異なる。各先読みコマンドには、選択可能な事前演出パターンが予め設定されており、先読みコマンド毎にそれぞれ異なる選択確率で事前演出パターンが選択される。
図7の説明に戻ると、演出制御用CPU31aは、事前演出パターンを選択すると、当該事前演出パターンを、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に記憶させる(ステップS15)。その後、演出制御用CPU31aは、保留変化演出が実行される場合には保留変化演出の演出内容を特定するために、まず、保留変化演出が実行されることが決定されたか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16において、演出制御用CPU31aは、ステップS14において選択された事前演出パターンが、保留変化演出を実行する事前演出パターンJP4〜JP7であるか否かを判定する。そして、演出制御用CPU31aは、ステップS14において選択された事前演出パターンが保留変化演出を実行する事前演出パターンJP4〜JP7でない場合、ステップS16の判定結果を否定とし、事前演出判定処理を終了する。
一方、ステップS16の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、実行する保留変化演出の演出内容を特定するパターンを、入力した先読みコマンドに基づいて、複数の保留変化パターンから選択する(ステップS17)。保留変化パターンとは、保留変化演出の演出内容を特定するパターンである。そして、演出制御用CPU31aは、決定された保留変化パターンを、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に記憶させ(ステップS18)、事前演出判定処理を終了する。
ここで、保留変化演出パターンについて説明する。
図10に示すように、保留変化パターンには、保留変化演出において特定する演出内容が異なる4つの保留変化パターンHP1〜HP4がある。各保留演出パターンが選択されると、保留変化演出においてゲーム表示画像の表示態様を変化させるタイミング及び変化させる態様が特定される。本実施形態においては、ゲーム表示画像の表示態様が変化する態様には、黄色の表示態様及び赤色の表示態様の2種類がある。また、ゲーム表示画像の変化は、保留変化演出の示唆対象とした図柄変動ゲームに対応する先読みコマンドの入力時、当該先読みコマンド入力後1回目の図柄変動ゲーム開始時及び保留変化演出の示唆対象とした図柄変動ゲームの実行中に実行することが可能である。
次に、保留変化パターンの選択方法について説明する。
図11に示すように、保留変化パターンは、入力された先読みコマンドに応じて選択される確率が異なる。各先読みコマンドには、選択可能な保留変化パターンが予め設定されており、先読みコマンド毎にそれぞれ異なる選択確率で保留変化パターンが選択される。
また、事前演出判定処理において、保留変化演出を実行することを示す事前演出パターンJP4〜JP7が決定され、複数の保留変化パターンの中から1つの保留変化パターンが選択された場合、演出制御用CPU31aは、所定の周期で保留変化演出を実行させる処理を実行する。具体的には、演出制御用CPU31aは、保留変化パターンを選択すると、当該保留変化パターンによって決定される内容で示唆対象とする図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像の表示態様を選択された保留変化パターンに従って変化させる。つまり、演出制御用CPU31aは、保留変化演出の実行が決定された場合、その実行契機となった先読みコマンド入力時に、保留変化演出を実行させる。
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に記憶されている保留変化パターンを読み出す。そして、演出制御用CPU31aは、入力された変動パターン指定コマンド及び読み出した保留変化パターンによって特定されたタイミングで、当該保留変化パターンによって特定された表示態様にゲーム表示画像の表示態様を変化させる。つまり、演出制御用CPU31aは、保留変化演出の示唆対象とした図柄変動ゲームに対応する先読みコマンド入力後、1回目の図柄変動ゲームの開始時及び保留変化演出の示唆対象とした図柄変動ゲームの実行中に、保留変化演出を実行させる。
そして、演出制御用CPU31aは、ゲーム表示画像の表示開始時及びゲーム表示画像の表示態様の変化時に、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に、ゲーム表示画像の表示態様を表す保留変化フラグを設定する。そして、保留変化演出の対象とした図柄変動ゲームが終了すると、演出制御用CPU31aは、設定した保留変化フラグを消去する。
ここで、保留変化フラグについて説明する。
保留変化フラグとは、保留変化演出において示唆対象となる図柄変動ゲームに対応するゲーム表示画像の表示態様に基づいて設定される、ゲーム表示画像の表示態様を表すフラグである。保留変化フラグは、ゲーム表示画像の表示開始時及び、ゲーム表示画像の表示態様の変化時に設定される。具体的には、保留変化フラグは、演出制御用RAM31c内の、事前演出実行用の記憶領域に記憶される。演出制御用CPU31aは、この保留変化フラグを参照することにより、ゲーム表示画像が変化した態様を認識することができる。保留変化フラグが「0」のときには、ゲーム表示画像が通常の表示態様である白色で表示されていることを示す。また、保留変化フラグが「1」のときには、ゲーム表示画像の表示態様が黄色に変化されて表示されていることを示す。そして、保留表示フラグが「2」のときには、ゲーム表示画像の表示態様が赤色に変化されて表示されていることを示す。
また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームが開始される毎に、図柄エフェクト演出及びカウントダウン演出を実行させるための事前演出実行処理を行う。
図12に示すように、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームが開始される際に、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に、事前演出パターンが記憶されているか否かを判定する(ステップS21)。そして、演出制御用CPU31aは、ステップS21の判定結果が否定の場合、事前演出実行処理を終了する。
一方、ステップS21の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている事前演出パターンを読み出す(ステップS22)。そして、演出制御用CPU31aは、読み出した事前演出パターンが、図柄エフェクト演出を実行させる事前演出パターンであるか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、演出表示装置11において図柄エフェクト演出を実行させる(ステップS24)。
そして、ステップS23の判定結果が否定の場合、又はステップS24が終了した場合、演出制御用CPU31aは、読み出した事前演出パターンが、カウントダウン演出を実行させる事前演出パターンであるか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、事前演出実行処理を終了する。
また、ステップS25の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、演出表示装置11においてカウントダウン演出を実行させる(ステップS26)。その後、演出制御用CPU31aは、事前演出実行処理を終了する。
また、本実施形態では、図柄変動ゲームの実行中に、当該図柄変動ゲームの大当り期待度を示唆する予告演出が実行可能に構成されている。予告演出では、演出表示装置11において、予告演出の対象とした1回の図柄変動ゲームの変動中に、1つ又は複数の予告画像をあらかじめ決められた順番で表示させる。表示させる予告画像の数は、原則として変動パターンに基づいて決定される。また、事前演出が実行されている場合に予告演出を実行する場合、表示される予告画像の数は、変動パターン及び実行中の事前演出に基づいて選択される。本実施形態における予告演出では、星形の予告画像が最大4個まで、所定のタイミングで上から下に流れるように1つずつ画像表示される。
次に、図13を用いて、予告演出が実行される場合の演出表示装置11の表示内容について説明する。例えば、演出表示装置11において図柄変動ゲームが実行中であるとともに、実行中の図柄変動ゲームを対象に、予告演出の実行が決定されているとする。ここでは、星形の予告画像を2つ表示させる予告演出が実行されるものとする。
このとき、図13(a)に示すように、演出表示装置11では、図柄変動ゲームが開始されると、全図柄列の変動が開始される。ここで、実行中の図柄変動ゲームを対象に、予告演出が実行される。
このとき、図13(b)に示すように、演出表示装置11では、予告演出が実行され、星形の予告画像YGが2つ表示される。その後、演出表示装置11では、予告画像YGが消去され、実行中の図柄変動ゲームが継続される。
次に、予告演出の実行に係る制御について説明する。演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力する毎に、予告演出を実行させるか否かを判定するための予告演出判定処理を行う。
図14に示すように、予告演出判定処理において演出制御用CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドの出力契機となった図柄変動ゲームを対象に予告演出を実行させるか否かの予告演出判定抽選を行い、予告演出判定抽選に当選したか否かを判定する(ステップS31)。そして、演出制御用CPU31aは、予告演出判定抽選に非当選した場合、ステップS31の判定結果を否定とし、予告演出判定処理を終了する。
一方、ステップS31の判定結果が肯定である場合、演出制御用CPU31aは、事前演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32において、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に、事前演出パターンが記憶されているか否かを判定する。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に、事前演出パターンが記憶されていない場合、ステップS32の判定結果を否定とし、複数の予告演出振分テーブルから、予告演出振分テーブルTb1を選択する(ステップS33)。予告演出振分パターンとは、予告演出の演出内容を決定する予告演出パターンの選択確率を決定するテーブルである。本実施形態では、予告演出振分テーブルTb1〜Tb3の全3種類がある。そして、予告演出パターンとは、予告演出において表示させる予告画像の数を決定するパターンである。本実施形態では、予告演出パターンYP1〜YP4の全4種類がある。
その後、演出制御用CPU31aは、選択された予告演出振分テーブルに基づいて、予告演出パターンを選択する(ステップS34)。その後、演出制御用CPU31aは、選択された予告演出パターンを演出制御用RAM31c内の予告演出実行用の記憶領域に記憶させ(ステップS35)、予告演出判定処理を終了する。つまり、本実施形態では、事前演出が実行されていない場合には、複数の予告演出振分テーブルの中から予め決められた予告演出振分テーブルを選択して、予告演出振分パターンを選択する。
一方、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に事前演出パターンが記憶されている場合、ステップS32の判定結果を肯定とし、記憶されている事前演出パターンを読み出す(ステップS36)。そして、演出制御用CPU31aは、読み出した事前演出パターンが、保留変化演出を実行させる事前演出パターンであるか否かを判定する(ステップS37)。ステップS37において、演出制御用CPU31aは、読み出した事前演出パターンが、保留変化演出を実行させる事前演出パターンJP4〜JP7であるか否かを判定する。
そして、ステップS37の判定結果を否定とした場合、演出制御用CPU31aは、読み出した事前演出パターンに基づいて、複数の予告演出振分テーブルから1つの予告演出振分テーブルを選択する(ステップS38)。その後、演出制御用CPU31aは、選択された予告演出振分テーブルに基づいて、予告演出パターンを選択する(ステップS34)。その後、演出制御用CPU31aは、選択された予告演出パターンを演出制御用RAM31c内の予告演出実行用の記憶領域に記憶させ(ステップS35)、予告演出判定処理を終了する。
一方、ステップS37の判定結果を肯定とした場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に記憶されている保留変化フラグの値を読み出す(ステップS39)。その後、演出制御用CPU31aは、読み出した事前演出パターン及び保留変化フラグの値に基づいて、複数の予告演出振分テーブルから1つを選択する(ステップS40)。
その後、演出制御用CPU31aは、選択された予告演出振分テーブルに基づいて、予告演出パターンを選択する(ステップS34)。その後、演出制御用CPU31aは、選択された予告演出パターンを演出制御用RAM31c内の予告演出実行用の記憶領域に記憶させ(ステップS35)、予告演出判定処理を終了する。このように、本実施形態において、演出制御用CPU31aが演出決定手段及び演出制御手段として機能する。
ここで、本実施形態における予告演出パターンについて説明する。
本実施形態における予告演出パターンは、予告演出パターンYP1〜YP4の全4種類があり、予告演出パターンYP1では、予告画像が1つ画像表示される。同様に、予告演出パターンYP2〜YP4では、予告画像がそれぞれ2つ〜4つ、順番に画像表示される。
また、本実施形態において、各予告演出パターンの選択確率を指定する予告演出振分テーブルは、予告演出を実行させる際に事前演出が実行されているか否かに応じて選択され、事前演出が実行されている場合には、更に事前演出の種類及び内容に応じて選択される。具体的には、事前演出の演出内容を決定する事前演出パターンと、保留変化フラグとに基づいて、参照する予告演出振分テーブルを決定する。
図15に示すように、予告演出振分テーブルは、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域を参照して選択される。具体的には、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に事前演出パターンが記憶されていない場合、つまり、事前演出が実行されていない場合には、予告演出振分テーブルTb1が選択される。また、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に保留変化演出が実行されない事前演出パターンJP1〜JP3が記憶されている場合には、保留変化フラグは設定されないため、事前演出パターンのみによって予告演出振分テーブルが選択される。図柄エフェクト演出のみが実行される事前演出パターンJP1が記憶されている場合には、予告演出振分テーブルTb1が選択される。そして、図柄エフェクト演出よりも大当り期待度が高いことを示唆するカウントダウン演出が実行される事前演出パターンJP2、JP3が記憶されている場合には、予告演出振分テーブルTb2が選択される。
また、演出制御用RAM31c内の事前演出実行用の記憶領域に保留変化演出が実行される事前演出パターンJP4〜JP7が記憶されている場合には、事前演出パターンと保留変化フラグの両方に基づいて参照する予告演出振分テーブルが選択される。具体的には、実行中の事前演出の種類と、保留変化演出の対象となった図柄変動ゲームに基づくゲーム表示画像の表示態様によって、選択されるテーブルが異なる。カウントダウン演出が実行されない事前演出パターンJP4、JP5が記憶されている場合、保留変化フラグが「1」のとき、つまり、保留変化演出の対象となった図柄変動ゲームに基づくゲーム表示画像が黄色の場合は、予告演出振分テーブルTb1が選択される。そして、保留変化フラグが「2」のとき、つまり、保留変化演出の対象となった図柄変動ゲームに基づくゲーム表示画像が赤色の場合は、予告演出振分テーブルTb2が選択される。また、カウントダウン演出が実行される事前演出パターンJP6、JP7が記憶されている場合、保留変化フラグが「1」のとき、つまり、保留変化演出の対象となった図柄変動ゲームに基づくゲーム表示画像が黄色の場合は、予告演出振分テーブルTb2が選択される。そして、保留変化フラグが「2」のとき、つまり、保留変化演出の対象となった図柄変動ゲームに基づくゲーム表示画像が赤色の場合は、予告演出振分テーブルTb3が選択される。
このように、本実施形態では、予告演出を実行する際に事前演出が実行されている場合、実行されている事前演出によって示唆されている大当り期待度に基づいて、予告演出振分テーブルが選択されることとなる。
次に、図16を用いて、各予告演出振分テーブルが決定された場合の予告演出パターンの選択確率について説明する。各予告演出振分テーブルには、変動パターン毎に選択可能な予告演出パターンが設定されているとともに、予告演出パターン毎に選択される確率が設定されている。
そして、図16(a)に示すように、予告演出振分テーブルTb1において、予告演出パターンYP2が選択された場合には、予告演出パターンYP1が選択された場合に比べて、大当りとなる期待度が高くなっている。同様に、予告演出パターンYP3が選択された場合には、予告演出パターンYP2が選択された場合に比べて、大当りとなる期待度が高くなっている。そして、予告演出パターンYP4は、大当りとなる変動パターンP2が選択された場合にのみ選択される。
同様に、図16(b)に示すように、予告演出振分テーブルTb2において、予告演出パターンYP4が選択された場合の予告演出による大当り期待度が最も高く、予告演出パターンYP4>予告演出パターンYP3>予告演出パターンYP2>予告演出パターンYP1という順番で大当り期待度が高い。
そして、図16(c)に示すように、予告演出振分テーブルTb3において、予告演出パターンYP4が選択された場合の予告演出による大当り期待度が最も高く、予告演出パターンYP4>予告演出パターンYP3>予告演出パターンYP2>予告演出パターンYP1という順番で大当り期待度が高い。
このため、本実施形態において、予告演出パターンYP4が選択された場合の予告演出による大当り期待度が最も高く、予告演出パターンYP4>予告演出パターンYP3>予告演出パターンYP2>予告演出パターンYP1という順番で大当り期待度が高い。つまり、本実施形態においては、予告演出において表示される予告画像の数が多いほど、大当り期待度が高くなっている。
また、予告演出振分テーブルTb2は、予告演出振分テーブルTb1が選択される場合よりも、大当り期待度が高いことが事前演出によって示唆されている場合に選択される。このため、予告演出振分テーブルTb2が選択された場合には、予告演出振分テーブルTb1が選択された場合に比べて、予告演出において表示される予告画像の数の期待値が高くなるように設定されている。同様に、予告演出振分テーブルTb3は、予告演出振分テーブルTb2が選択される場合よりも、大当り期待度が高いことが事前演出によって示唆されている場合に選択される。このため、予告演出振分テーブルTb3が選択された場合には、予告演出振分テーブルTb2が選択された場合に比べて、予告演出において表示される予告画像の数の期待値が高くなるように設定されている。つまり、本実施形態において、事前演出によって大当り期待度が高いことが示唆されている場合、予告演出において大当り期待度が高いことを示唆する予告演出パターンが決定され易くなっている。
また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームが実行される毎に、予告演出を実行させるための予告演出実行処理を行う。
予告演出実行処理において、演出制御用CPU31aは、実行される図柄変動ゲームを対象に、予告演出を実行させるか否かを判定する。そして、判定結果が否定の場合、つまり、実行される図柄変動ゲームを対象に予告演出を実行させない場合、演出制御用CPU31aは、予告演出実行処理を終了する。
一方、判定結果が肯定の場合、つまり、実行される図柄変動ゲームを対象に予告演出を実行させる場合、演出制御用CPU31aは、予告演出パターンを読み出し、当該予告演出パターンによって決定される演出内容で予告演出を実行させる。その後、演出制御用CPU31aは、実行される図柄変動ゲームに対応する演出制御用RAM31cの記憶領域に記憶されている予告演出パターンを消去し、予告演出実行処理を終了する。
次に、図17に基づき、事前演出に基づいて選択される予告演出振分テーブルについて説明する。
図17(a)では、はじめは事前演出が実行されていないとともに、時点T1において事前演出判定抽選に当選し、カウントダウン演出が実行され、時点T2においてカウントダウン演出が終了するものとして説明する。
図17(a)に示すように、事前演出が実行されていない間(時点T1以前)では、予告演出を実行させる場合、予告演出振分テーブルTb1が選択される。そして、事前演出判定抽選に当選し、カウントダウン演出が実行されると、カウントダウン演出の実行中(時点T1から時点T2の間)に、予告演出を実行させる場合には、予告演出振分テーブルTb2が選択される。その後、カウントダウン演出が終了した後に(時点T2以降)、予告演出を実行させる場合、予告演出振分テーブルTb1が選択される。
また、図17(b)では、はじめは事前演出が実行されていないとともに、時点T3において事前演出判定抽選に当選し、カウントダウン演出及び保留変化演出が実行され、ゲーム表示画像が黄色に変化されたとする。その後、時点T4において、ゲーム表示画像が赤色に変化され、時点T5においてカウントダウン演出及び保留変化演出が終了するものとして説明する。
図17(b)に示すように、事前演出が実行されていない間(時点T3以前)では、予告演出を実行させる場合、予告演出振分テーブルTb1が選択される。そして、事前演出判定抽選に当選し、カウントダウン演出及び保留変化演出が実行され、ゲーム表示画像が黄色に変化すると(時点T3)、このゲーム表示画像が黄色に変化されている間(時点T3から時点T4の間)に、予告演出を実行させる場合には、予告演出振分テーブルTb2が選択される。そして、保留変化演出において、ゲーム表示画像が赤色に変化されたとすると(時点T4)、このゲーム表示画像が赤色に変化されている間(時点T4から時点T5の間)に、予告演出を実行させる場合には、予告演出振分テーブルTb3が選択される。その後、事前演出が終了した後に(時点T5以降)、予告演出を実行させる場合、予告演出振分テーブルTb1が選択される。
このように、本実施形態では、事前演出の種類及び演出内容に応じて、予告演出振分テーブルが決定される。これにより、事前演出の種類及び演出内容に合わせて、予告演出の演出内容を決定することが可能となる。
以上、詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)予告演出において、事前演出が実行されているか否か及び実行されている事前演出を示す事前演出パターンに基づいて予告演出パターンを決定することとした。このような構成によれば、実行中の事前演出の演出内容に合わせて予告演出の演出内容を決定することができる。これにより、事前演出の演出内容と関連性のある予告演出を実行させることができ、遊技者の予告演出に対する興趣を向上させることができる。
すなわち、事前演出において大当り期待度が示唆されている際に、予告演出を実行させる場合には、事前演出において示唆されている大当り期待度に合わせて、予告演出の演出内容を決定することができる。このため、事前演出において大当り期待度が高いことを示唆しているにも関わらず、予告演出において大当り期待度が低いことを示唆することを抑制することができ、遊技者が落胆することを抑制することができる。
(2)事前演出には、大当り期待度に応じて演出内容全体が異なる図柄エフェクト演出及びカウントダウン演出と、大当り期待度に応じて演出内容の一部が異なる保留変化演出を設けた。これにより、図柄エフェクト演出又はカウントダウン演出が実行される場合には、最初から期待度を認識することができる。一方、保留変化演出が実行される場合には、演出内容の異なる箇所について注目させることができ、保留変化演出に対する興趣を向上させることができる。
また、図柄エフェクト演出と、カウントダウン演出と、保留変化演出とでは演出内容全体を異ならせたため、それぞれの事前演出を重複して実行することができる。これにより、事前演出に対する興趣を向上させることができる。
(3)予告演出を実行する際に、図柄エフェクト演出とカウントダウン演出が重複して実行されている場合には、より期待度が高いカウントダウン演出に基づいて予告演出振分テーブルを決定することとした。これにより、より期待度の高い事前演出の演出内容と関連性のある予告演出を実行させることができ、遊技者の予告演出に対する興趣を向上させることができる。
(4)予告演出を実行する際に、保留変化演出を含む複数の事前演出が重複して実行されている場合には、実行されている事前演出の種類及び保留変化演出の演出内容に基づいて予告演出振分テーブルを決定し、決定した予告演出振分テーブルに基づいて予告演出パターンを決定することとした。これにより、演出内容の一部が異なる保留変化演出が実行される場合であっても、それぞれの演出内容に関連性のある予告演出を実行させることができ、遊技者の予告演出に対する興趣を向上させることができる。
(5)予告演出を実行する際に、保留変化演出が実行されている場合には、予告演出が実行される時点での保留変化演出の演出内容に基づいて、予告演出振分テーブルを決定し、決定した予告演出振分テーブルに基づいて予告演出パターンを決定することとした。これにより、予告演出が実行される時点での保留変化演出の演出内容と、保留変化演出において最終的に表示される演出内容が異なる場合であっても、予告演出が実行される時点での演出内容に合わせて予告演出を実行することができる。このため、遊技者が認識している保留変化演出の演出内容と関連性のある予告演出を実行させることができ、遊技者の予告演出に対する興趣を向上させることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具現化できる。
・上記実施形態において、大当りの種類は適宜変更してもよい。例えば、規定ラウンド数や、大当り遊技中の演出などを変更してもよい。また、予告演出によって、付与される大当りの種類を示唆するようにしてもよい。
・上記実施形態において、リーチ演出の種類は適宜変更してもよい。また、予告演出によって、実行されるリーチ演出の種類を示唆してもよい。また、リーチ演出を実行させなくともよい。
・上記実施形態において、事前演出の演出態様や種類は適宜変更してもよい。例えば、演出態様を変更してもよいし、事前演出の種類を増やすなどしてもよい。また、事前演出を実行するタイミングを変更してもよい。
・上記実施形態において、事前演出同士を重複して実行させないようにしてもよい。また、一部の事前演出について重複して実行させないようにしてもよい。
・上記実施形態において、予告演出の演出態様や種類は適宜変更してもよい。例えば、予告演出の演出態様は、本実施形態のように予告画像の数によって大当り期待度を示唆する演出ではなく、異なる演出態様に変更してもよい。また、予告演出の種類を増やすなどしてもよいし、複数の予告演出を重複して実行させてもよい。また、予告演出を実行するタイミングを変更してもよい。
・上記実施形態において、予告演出振分テーブルの種類は適宜変更してもよい。例えば、各予告演出パターンの選択確率を変更してもよいし、予告演出振分テーブルの種類を増やすなどしてもよい。
・上記実施形態において、保留変化フラグを参照せず、保留変化パターンを参照することによって、予告演出振分テーブルを選択してもよい。また、保留変化演出によってゲーム表示画像が変化される態様に関わらず、保留変化演出が実行されるか否かによって予告演出振分テーブルを選択してもよい。
・上記実施形態において、保留変化演出の演出態様は適宜変更してもよい。例えば、図柄変動ゲームの実行中はゲーム表示画像の表示態様を変化させない等、変化させるタイミングや態様を変更してもよい。また、図柄変動ゲームの実行中にゲーム表示画像の表示態様を変化させない場合、実行中の図柄変動ゲームに基づくゲーム表示画像を表示する実行画像表示領域を設けなくてもよい。
・上記実施形態において、事前演出には、第2事前演出(保留変化演出)を設けず、第1事前演出(図柄エフェクト演出及びカウントダウン演出)のみとしてもよい。また、第1事前演出(図柄エフェクト演出及びカウントダウン演出)を設けず、第2事前演出(保留変化演出)のみとしてもよい。
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドにより特定される先読み情報を演出制御用RAM31cに記憶させることとしたが、先読み情報は各種乱数の値であってもよい。
・上記実施形態において、予告演出を実行させる際に事前演出が実行されている場合、事前演出によって示唆されている大当り期待度に合わせて予告演出の演出内容を決めることとしたが、大当り期待度に合わせなくてもよい。例えば、事前演出によって表示されている画像に関連した予告演出の演出内容を決定するなどしてもよい。
・上記実施形態において、入力した先読みコマンドに対応する図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームの中に、大当りとなる図柄変動ゲームがある場合には、事前演出を実行しないこととしたが、実行してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握される技術的思想を、以下に追記する。
(イ)上記の遊技機において、前記演出決定手段は、前記事前演出の実行中に前記予告演出の実行が決定された場合、実行中の当該事前演出の演出内容が示す期待度が高い場合には低い場合と比較して、前記予告演出の演出内容として期待度が高い演出内容を決定し易く構成される一方、実行中の当該事前演出の演出内容が示す期待度が低い場合には高い場合と比較して、前記予告演出の演出内容として期待度が低い演出内容を決定し易くするようにしてもよい。
(ロ)上記の遊技機において、前記記憶手段に図柄変動ゲームの実行が保留された場合、保留された図柄変動ゲームの数に応じて保留画像を表示させる保留表示手段を備え、前記第2事前演出は、保留画像の表示態様を前記期待度に応じて変化させる保留変化演出であり、前記保留変化演出では、保留画像の表示態様を段階的に異なる表示態様に変化させることが可能に構成されており、前記演出決定手段は、前記保留変化演出の実行中に前記予告演出の実行が決定された場合、実行中の当該保留変化演出によって変化された保留画像の表示態様に対応させて、前記予告演出の演出内容を決定するようにしてもよい。