JP2016214277A - 磁気共鳴撮像装置、情報処理装置および高周波磁場シミング方法 - Google Patents

磁気共鳴撮像装置、情報処理装置および高周波磁場シミング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数チャンネルを有する送信コイルを用いるMRI装置において、局所SARを予め定めた制限値以下に抑え、個々の撮影対象の患者毎に最適なRFシミングを行う。【解決手段】MRI装置は、複数のチャンネルを有する送信コイルと、各チャンネルから送信する高周波磁場のパラメータである送信高周波磁場パラメータを、関心領域内の高周波磁場分布を最適化するよう決定する高周波磁場シミングを行う高周波磁場シミング部213と、高周波磁場シミング部で決定した送信高周波磁場パラメータを用いて撮像する撮像部220とを備え、高周波磁場シミング部213は、高周波磁場の値により特定される関心領域内の高周波磁場分布の均一度を示す最適化指標、全身比吸収率、および局所比吸収率の少なくとも1つと、高周波磁場シミング時に除外する高周波磁場パラメータである除外パラメータを特定する情報とを用いて送信高周波磁場パラメータを決定する。【選択図】図3

Description

本発明は、磁気共鳴撮像(MRI:Magnetic Resonance Imaging)技術に関し、特に、磁気共鳴現象を誘起する回転磁界を生成するための高周波磁場の照射技術に関する。
MRI装置は、検査対象を横切る任意の断面内の原子核に磁気共鳴を起こさせ、発生する磁気共鳴信号からその断面内における断層像を得る医用画像診断装置である。検査対象に電磁波の一種であるラジオ波(Radio Frequency wave、以下、RF)を送信し、検査対象内の原子核のスピンを励起すると共に、その後、核スピンにより発生する核磁気共鳴信号を受信し、検査対象を画像化する。検査対象へのRFの送信は、RF送信用コイルによって、検査対象からの核磁気共鳴信号の受信は、RF受信用コイルによってなされる。
近年、画像のSNR(Signal to Noise Ratio)の向上を目指して、静磁場強度が大きくなる傾向があり、静磁場強度が3T(テスラ)以上の高磁場MRI装置(超高磁場MRI装置)の普及が始まっている。しかし、静磁場強度が大きくなるほど、SNRは向上するが、撮像画像に輝度のムラが生じやすいことが課題である。これは、高磁場化に伴って、磁気共鳴現象を誘起するために使用されるRFの周波数が高くなるためである。例えば、静磁場強度が3T(テスラ)のMRI装置(以下、3T MRI装置)では周波数128MHzのRFが使用されている。生体内では、このRFの波長は腹部断面とほぼ同スケールの30cm程度となり、その位相に変化が生じる。この位相の変化により、照射RF分布、およびそのRFにより生成され磁気共鳴現象を誘起する回転磁界(以下、高周波磁場分布、B1)の空間分布が不均一となり、輝度のムラを生じさせる。従って、超高磁場MRI装置で行われるRF照射において、回転磁界B1の分布の不均一を低減する技術が必要とされている。
1分布の不均一を低減するRF照射方法として、「RFシミング」と呼ばれる手法がある。これは、複数のチャンネルを持つ送信用コイルを用い、各チャンネルに与えるRFパルスの位相と振幅を制御して、撮像領域のB1不均一を低減させる手法である(例えば、特許文献1参照)。本撮像前に、各チャンネルのB1分布を予め計測し、そのB1分布を用いて、B1不均一を低減するために最適なRFパルス条件を算出する。また、傾斜磁場波形を変化させることによって、B1分布をより高精度に均一化するようなRFパルス条件を算出する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、MRI装置における撮影では、生体への安全性を考慮し、生体内でのRFの吸収量(SAR(Specific Absorption Rate:比吸収率))が所定範囲に収まるように規制されている。この規制を踏まえ、RFシミングにおいて、生体全体で吸収されるSAR(以下、全身SAR)ができるだけ小さくなるようにRFパルス条件を設定する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、考慮すべきSARは、全身SARだけでなく、生体内で局所的に生じるSAR(以下、局所SAR)もある。全身SARと同様に、局所SARにも制限値が定められており、最大局所SARが制限値以下となるようなRFパルス条件を設定する必要がある。
全身SARは、ある程度の精度で実測できるが、局所SARは、実測が困難である。そこで、局所SARについては、数値シミュレーションを用いて求めるのが主流であり、たとえば、複数種類の人体モデルについてSAR計算が行われている(例えば、非特許文献1)。また、本撮像の前に、患者の全身データを撮像して、人体モデルを作成し、その患者のSARをシミュレーションする方法も考案されている(例えば、非特許文献2)。
米国特許7078901号明細書 米国特許出願公開2003/0214294号明細書 特表2012−522563号公報
Manuel M.他著, "Local SAR enhancements in anatomically correct children and adult models as a function of position within 1.5 T MR body coil", Progress in Biophysics and Molecular Biology, NMR in Biomedicine, 2011, pp.428-433 Homman H.他著, "Toward Individualized SAR Models and In Vivo Validation", Magnetic Resonance in Medicine, 2011, pp.1767-1776.
特許文献3に記載の手法では、全身SARは低減するが、局所SARについては制御されていない。また、非特許文献1に記載の手法では、数値シミュレーション、および様々な形状の人体モデルを用いて、人体モデル内の局所SAR分布を求めている。しかしながら、撮影時の被検体である患者そのものの体型でシミュレーションしているわけではない。このため、RFシミング時に非特許文献1で算出した局所SAR分布を利用しても、撮影対象の被検体の局所SARを制御できるわけではない。さらに、非特許文献2に記載の手法では、患者の全身スキャンを行って数値人体モデルを作成し、患者ごとにシミュレーションを行う。しかしながら、局所SARを精度よく計算するために必要な、高精度な数値人体モデルを構築する為には、スキャンやモデル構築に多くの時間がかかる。従って、RFシミング時に適用することは難しい。
このように、撮影対象の個々の患者についての局所SARを見積もることは容易ではないため、RFシミング時に局所SARを規制の範囲内に収めつつ、均一度を向上させることは難しい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、複数チャンネルを有する送信コイルを用いるMRI装置において、局所SARを予め定めた制限値以下に抑え、個々の撮影対象の患者毎に最適なRFシミングを行う技術を提供することを目的とする。
本発明は、局所SARが、例えば、規制の上限値以下、といった予め定めた制限値以下となる高周波磁場パラメータ(RFパラメータ)の集合を使用可能RFパラメータとして特定し、当該使用可能RFパラメータの範囲で、RFシミングを行う。使用可能RFパラメータは、例えば、様々な種類の人体モデルで、使用するMRI装置で設定可能な全RFパラメータを用いたシミュレーションを行い、予め定めた範囲外となるRFパラメータを特定し、その残りのRFパラメータとして特定する。
本発明によれば、複数チャンネルを有する送信コイルを用いるMRI装置において、局所SARを予め定めた制限値以下に抑え、個々の撮影対象の患者毎に最適なRFシミングを行うことができる。
第一の実施形態のMRI装置のブロック図である。 (A)は、第一の実施形態の送信コイルを説明するための説明図である。(B)は、第一の実施形態の人体モデルを説明するための説明図である。 第一の実施形態の計算機の機能ブロック図である。 第一の実施形態の除外パラメータ決定処理のフローチャートである。 (A)は、第一の実施形態の属性データベースの一例を、(B)は、第一の実施形態の計算情報データベースの一例を、それぞれ説明するための説明図である。 (A)〜(E)は、第一の実施形態で用意する人体モデルをそれぞれ説明するための説明図である。 (A)〜(C)は、第一の実施形態で用意する人体モデルをそれぞれ説明するための説明図である。 (A)は、第一の実施形態の局所SAR値の分布と制限値との関係を説明するための説明図である。(B)は、第一の実施形態の除外パラメータを除外後の局所SAR値の分布を説明するための説明図である。 (A)および(B)は、第一の実施形態のGUI例をそれぞれ説明するための説明図である。 主成分分析の概念を説明するための説明図である。 (A)〜(G)は、第一の実施形態の除外パラメータに対して主成分分析を行った結果を説明するための説明図である。 (A)〜(C)は、第一の実施形態の除外パラメータ特定情報生成手法を説明するための説明図である。 (A)および(B)は、第一の実施形態の除外パラメータ特定情報生成手法の変形例を説明するための説明図である。 第一の実施形態の撮像処理のフローチャートである。 (A)〜(G)は、本発明の変形例の除外パラメータに対して主成分分析を行った結果の別の例を説明するための説明図である。 (A)および(B)は、本発明の変形例を説明するための説明図である。 (A)および(B)は、本発明の変形例の除外パラメータ特定情報をそれぞれ説明するための説明図である。 (A)および(B)は、本発明の変形例の除外パラメータ特定情報をそれぞれ説明するための説明図である。 本発明の変形例のシステム構成を説明するための説明図である。
<<第一の実施形態>>
本発明の第一の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、各実施形態を説明するための全図において、特に断らない限り、同一機能を有するものは、同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
なお、以下、本明細書では、あるRFパラメータでRF照射した際、生体(人体モデル)内において、局所SARが最も高くなる場所における局所SARの値を「最大局所SAR」と定義する。また、様々な高周波磁場条件(RFパラメータ)、もしくは、様々な人体モデルに渡って最大局所SARが計算された場合に、その中で最も大きな値を「最大局所SARの最大値」と定義する。
本実施形態では、被検体にそれぞれ高周波を送信する複数のチャンネルを有する送信コイルを備える磁気共鳴撮像装置(MRI装置)において、最大局所SARの最大値が予め定めた制限値以下となる高周波磁場条件(RFパラメータ)群(使用可能RFパラメータ)の中で、B1均一度を最良とするRFパラメータを決定する。使用可能RFパラメータは、予め、最大局所SARの最大値が制限値より大きくなるRFパラメータを除外することにより得る。本実施形態では、撮像領域毎に、想定される全人体モデルを用いて、全RFパラメータについて数値シミュレーションを行い、除外するRFパラメータを決定する。
[MRI装置の構成]
まず、本実施形態のMRI装置の全体構成について説明する。図1は、本実施形態のMRI装置100のブロック図である。
本図に示すように、本実施形態のMRI装置100は、静磁場を発生するマグネット101と、傾斜磁場を発生するコイル102と、静磁場均一度を調整するシムコイル112と、シーケンサ104と、高周波磁場(RF)を照射(送信)するRF送信用コイル(送信コイル)114と、被検体103から発生する核磁気共鳴信号を検出(受信)するRF受信用コイル(受信コイル)115と、被検体103を載置するテーブル107と、傾斜磁場電源105と、高周波磁場発生器106と、受信器108と、シム電源113と、MRI装置100の各部を制御し、撮像を実現する計算機109と、を備える。
傾斜磁場コイル102およびシムコイル112は、それぞれ傾斜磁場電源105およびシム電源113に接続される。また、送信コイル114および受信コイル115は、それぞれ、高周波磁場発生器106および受信器108に接続される。
シーケンサ104は、計算機109からの指示に従って、傾斜磁場電源105、シム電源113、および高周波磁場発生器106に命令を送り、それぞれ傾斜磁場およびRFを発生させる。RFは、送信コイル114を通じて被検体103に照射(送信)される。
RFを照射(送信)することにより被検体103から発生する核磁気共鳴信号は受信コイル115によって検出(受信)され、受信器108で検波が行われる。受信器108での検波の基準とする磁気共鳴周波数は、計算機109によりシーケンサ104を介してセットされる。
検波された信号はA/D変換回路を通して計算機109に送られ、ここで画像再構成などの信号処理が行われる。その結果は、計算機109に接続される表示装置110に表示される。検波された信号や測定条件は、必要に応じて、計算機109に接続される記憶装置111に保存される。
マグネット101とシムコイル112とシム電源113とは、静磁場空間を形成する静磁場形成部を構成する。傾斜磁場コイル102と傾斜磁場電源105とは、静磁場空間に傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加部を構成する。また、送信コイル114と高周波磁場発生器106とは、静磁場内に配置された被検体103に高周波磁場(RF)を照射(送信)する高周波磁場送信部を構成する。受信コイル115と受信器108とは、被検体103から発生する核磁気共鳴信号を検出(受信)する信号受信部を構成する。
本実施形態の送信コイル114は、それぞれ独自に被検体103に高周波磁場(RF)を送信する複数のチャンネルを備える多チャンネルコイルとする。図2(A)に、本実施形態の送信コイル114の例を示す。ここでは、送信コイル114が、4つのチャンネル(114a、114b、114c、114d)を備える4チャンネル(4ch)コイルである場合を例示する。
各チャンネル(114a、114b、114c、114d)から送信されるRFの振幅および位相は、個々独立に計算機109により設定される。本実施形態の高周波磁場発生器106は、計算機109からの制御に従って、各チャンネル(114a、114b、114c、114d)が備える給電点(117a、117b、117c、117d)を介し、それぞれのチャンネルに独立にRF波形(RFパルス)を送信する。なお、本図において116は、RFシールドである。
本実施形態の計算機109は、上述のように、MRI装置100の各部を制御し、撮像を実現する。本実施形態では、さらに、撮影空間の静磁場の均一度を調整する静磁場シミング処理および関心領域のB1分布の均一度を目的に応じて調整するRFシミング処理を行う。
[計算機の機能ブロック]
これらを実現するため、本実施形態の計算機109は、図3に示すように、撮像条件を設定する撮像条件設定部210と、撮像条件設定部210により設定された撮像条件に従って、画像データを収集する撮像を行う撮像部220と、を備える。また、撮像条件設定部210は、撮像位置を設定する撮像位置設定部211と、静磁場シミング処理を行う静磁場シミング部212と、RFシミング処理を行うRFシミング部213と、を備える。
計算機109が実現する各機能は、計算機109が備えるCPUが、記憶装置111に予め格納されたプログラムをメモリにロードして実行することにより実現される。
なお、各機能のうち、全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field−programmable gate array)などのハードウェアによって実現してもよい。また、各機能の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、記憶装置111に格納される。
以下、本実施形態の撮像条件設定部210の各部の詳細を説明する。
[撮像位置設定部]
撮像位置設定部211は、撮像位置(撮像断面)を設定する。撮像断面は、本撮像を行う前にスカウトスキャン等を実施し、得られた位置決め画像を用いて設定される。例えば、表示装置110に表示した位置決め画像上で、ユーザによる指定を受け付け、指定された位置を撮像断面として設定する。撮像断面として、部位毎に、予め定められた位置を、位置決め画像上の特徴点等を手がかりに自動的に設定してもよい。なお、撮像断面上の被検体103領域を撮像領域と呼ぶ。
[静磁場シミング部]
静磁場シミング部212では、静磁場分布を計測し、静磁場が出来る限り均一となるように調整を行う。調整は、シム電源113を介してシムコイル112を動作させることにより行う。なお、静磁場の均一度調整が不要な場合、静磁場シミング処理はおこなわなくてもよい。また、静磁場シミング部212、シム電源113、シムコイル112は、備えなくてもよい。
[RFシミング部]
本実施形態のRFシミング部213は、送信コイル114の各チャンネルから送信する高周波磁場のパラメータ(RFパラメータ)である送信高周波磁場パラメータ(送信RFパラメータ)を関心領域(ROI)内の高周波磁場分布(B1分布)を最適化するよう決定する。例えば、B1分布の不均一が補正されるよう決定する。
このとき、本実施形態のRFシミング部213は、撮像毎、あるいは、被検体103毎に、B1分布の均一度が最良となる最適なRFパラメータを決定する。決定するRFパラメータは、送信コイル114の各チャンネルから送信されるRFの振幅および位相の少なくとも一方である。
本実施形態では、RFシミング部213は、最適なRFパラメータを決定する際、局所SARも考慮する。上述のように、局所SARには、生体の安全性を考慮した規制がある。本実施形態のRFシミング部213は、RFシミング時に、局所SARが規制値(上限値)を考慮して定めた制限値を超えない範囲で、最適なRFパラメータを、送信RFパラメータと決定する。
これを実現するため、本実施形態のRFシミング部213は、図3に示すように、除外するRFパラメータ(除外パラメータ)の範囲を特定する情報を決定する除外パラメータ決定部214と、MRI装置100に設定可能なRFパラメータ(設定可能パラメータ)の中から、除外パラメータ決定部214が決定した除外RFパラメータを除外して得られるRFパラメータ群(使用可能RFパラメータ)の中でRFシミングを行い、最適なRFパラメータを送信RFパラメータと決定するRFパラメータ決定部215と、を備える。
また、除外パラメータ決定部214は、除外パラメータを決定する際に用いる閾値の入力を受け付ける受付部216と、除外パラメータ決定部214が、除外パラメータを決定する際に用いる人体モデルを登録する人体モデルデータベース(人体モデルDB)300と、を備える。なお、人体モデルDB300は、例えば、記憶装置111上に構築される。
[除外パラメータ決定部]
本実施形態の除外パラメータ決定部214は、RFシミング処理において除外するRFパラメータである除外パラメータを決定する。なお、本実施形態の除外パラータは、そのパラメータを適用してRFを送信した際、局所比吸収率(SAR)が予め定めた制限値より大きくなる可能性のある高周波磁場パラメータである。ここでは、制限値として、例えば、IEC(International Electrotechnical Commission)規格で定められた安全基準値といった、上限値(制限値)などを用いる。
本実施形態の除外パラメータ決定部214は、予め用意された様々な種類の人体モデルを用い、シミュレーションにより、設定可能RFパラメータ毎の局所SARを算出し、局所SARが制限値を超えるRFパラメータを除外パラメータと決定する。
すなわち、本実施形態の除外パラメータは、予め用意された人体モデルデータベース(人体モデルDB300)に登録される全ての人体モデルと、MRI装置100で設定可能な高周波磁場パラメータである設定可能パラメータの全てと、を用いてシミュレーションにより決定される。そして、除外パラメータは、そのシミュレーションにより得た局所比吸収率(SAR)が、制限値より大きい前記設定可能パラメータである。
この制限値は、受付部216を介してユーザが設定する。なお、制限値は、予めMRI装置100に登録されていてもよい。
そして、除外パラメータ決定部214は、決定した除外パラメータに対し、主成分分析を行い、その結果を、除外パラメータを特定する情報(除外パラメータ特定情報)として出力する。
[除外パラメータ決定処理]
以下、本実施形態の除外パラメータ決定部214による除外パラメータ決定処理の詳細を、図4の処理フローに従って説明する。なお、この除外パラメータ決定部214による除外パラメータ決定処理は、実際の撮像の実行前に行う。例えば、MRI装置100の出荷時、据え付け時、調整時などに行う。
(ステップS1101)
まず、除外パラメータ決定部214は、人体モデル毎にRFパラメータ(設定可能パラメータ)を変えて、それぞれ、局所SARを算出するシミュレーションである局所SAR算出シミュレーションを行う。そして、人体モデル毎に、単位時間当たりの全撮像スライス数の最大局所SARを算出する。
[局所SAR算出シミュレーション]
ここで行われる局所SAR算出シミュレーションを説明する。局所SAR算出シミュレーションは、図2(A)に示す4チャンネルの送信コイル114をモデル化し、その中に例えば、図2(B)に示す、数値人体モデル(人体モデル130)を配置して行う。
このとき、例えば、送信するRFの周波数は、例えば、3T MRI装置を想定して、128MHz等として行う。また、各チャンネル(114a、114b、114c、114d)それぞれの給電点(117a、117b、117c、117d)に以下の式(1)に示すsine波形の電圧を給電するものとして行う。
なお、A1、φ1は、それぞれチャンネル114aの給電点117aに給電されるsine波形電圧の振幅および位相、A2、φ2は、それぞれチャンネル114bの給電点117bに供給される同振幅および位相、A3、φ3は、それぞれチャンネル114cの給電点117cに供給される同振幅および位相、A4、φ4は、それぞれチャンネル114dの給電点117dに供給される振幅および位相を示す。
従って、設定可能パラメータは、設定可能な全A1、全A2、全A3、全A4、全φ1、全φ2、全φ3、全φ4の全組み合わせである。
局所SARは、人体モデル130それぞれの3次元空間内の各座標のSAR値で定義する。本実施形態の除外パラメータ決定部214は、各設定可能パラメータを用いて、人体モデル130毎にSAR分布を算出することにより、各座標のSAR値を得、当該設定可能パラメータによる、当該人体モデル130の最大局所SARを得る。
なお、上記式(1)で示されるRFを照射した際のSAR分布(SARdis)は、対象の被検体103(ここでは、人体モデル130)の密度ρおよび導電率σ、各チャンネルの電界分布、各チャンネルのRFパラメータ(振幅および位相)、を用い、以下の式(2)で表される。
なお、E1、E2、E3、E4は、それぞれ、ある基準の出力時における各チャンネル(114a、114b、114c、114d)の電界分布であり、rは空間座標を示す。
対象の人体モデル130の密度ρおよび導電率σ、および、各チャンネルの電界分布E1、E2、E3、E4といった上記計算に必要な情報は、人体モデルDB300から取得する。
一般に、SARは、所定期間の平均値で制限される。従って、除外パラメータ決定部214は、除外すべきか否かを判別するため、単位時間当たりの全撮像スライス数の最大局所SARを算出する必要がある。しかしながら、撮像は、予め定めた撮像シーケンスに従って行われ、撮像シーケンス毎に、単位時間に印加されるRFの回数、撮像スライス数は異なる。
そこで、本実施形態の除外パラメータ決定部214は、このような撮像シーケンスにより異なる単位時間当たりのRFの印加回数、撮像スライス数によらない手法で、最大局所SARを算出する。すなわち、1つのRFによる全身SARと、予め定めた全身SARの制限値とを用いて、単位時間当たりの全撮像スライス数の最大局所SARに相当する値を算出する。
1つのRFによる全身SAR(WholeBodySAR)は、例えば、全空間座標における局所SARの総和を算出することで求めることができる。従って、上記シミュレーション結果を用いて、以下の式(3)で表される。
また、1つのRFによる最大局所SAR(LocalSAR_max)は、例えば、上記シミュレーションにより得た全空間座標における局所SARのうちの最大値であり、以下の式(4)で表される。
よって、シミュレーションによって算出された結果を用い、全身SARと最大局所SARとの比(Local/WBSAR)を求めると、以下の式(5)で表される。
本実施形態の除外パラメータ決定部214は、予め定めた、当該人体モデル130の全身SARの上限値と、式(5)で求めたLocal/WBSARとの積をとることによって、各人体モデル130における、局所SARの上限値を得る。これが、単位時間当たりの全撮像スライス数の最大局所SARに相当する値である。算出結果は、最大局所SARとして、例えば、記憶装置111に記憶する。
なお、単位時間当たりのRFの印加数nおよびスライス数mが得られる場合は、以下の手法で単位時間当たりの最大局所SARを求めてもよい。
単位時間当たりのRFの印加数n、および、撮像スライス数mを用いると、単位時間当たりの、全撮像スライス数の、局所SARの値(SARunit)は、以下の式(6)で表される。
なお、単位時間当たりのRFパルスの印加数nおよび撮像スライス数mは、上述のように、予め定めておく。例えば、最もよく使用される撮像シーケンスが予め特定されている場合、当該撮像シーケンスの印加数nおよび枚数mを用いてもよい。
そして、除外パラメータ決定部214は、各人体モデル130について、全ての設定可能パラメータを用いて、上記式(6)を計算し、当該人体モデル130の全身の3次元空間における各座標での、単位時間当たりの全撮像スライス数の、局所SARを算出する。そして、人体モデル130内において、局所SARが最も高くなる場所における局所SARの値(最大局所SAR)を算出する。この場合も、算出結果は、例えば、記憶装置111に記憶する。
[人体モデルDB]
ここで、人体モデルDB300を説明する。本実施形態の人体モデルDB300には、様々な人体モデル130に対応づけて、密度ρおよび導電率σ、および、チャンネル(114a、114b、114c、114d)毎の電界分布データE1、E2、E3、E4等が保持される。図5(A)および図5(B)に人体モデルDB300の一例を示す。
これらの図に示すように、人体モデルDB300は、用意される人体モデル130毎に、当該人体モデルの特徴に応じた人体モデルID311を格納する属性データベース310と、各人体モデルID311に応じて、密度分布ρ、導電率分布σ、チャンネル毎の電界分布(E1、E2、E3、E4)等の計算に必要な情報が格納される計算情報データベース320とを備える。なお、密度分布ρ、導電率分布σ、チャンネル毎の電界分布(E1、E2、E3、E4)は、人体モデル130内の各空間座標に対して格納されてる。
属性データベース310には、各人体モデル130を特定する情報が格納される。例えば、人体モデル130を特定する情報として、人体のサイズ312、人体の配置313、および人体の姿勢314などの情報が格納される。人体のサイズ312には、例えば、身長および体重が、また、人体の配置313には、例えば、撮像位置および左右方向が、人体の姿勢314には、例えば、向きおよび四肢状態などが登録される。各人体モデルには、人体モデルID311が付与される。
身長、体重として登録される情報は、例えば、大、中、小などが登録される。また、撮像部位としては、例えば、頭部、頸部、脚部、足首部などが登録される。左右方向としては、例えば、真中、左オフセンタ(左)、右オフセンタ(右)などが登録される。向きとしては、例えば、仰向け(仰向)、うつ伏せ、等が登録される。四肢状態としては、例えば、腕上げ(腕上)、腕下げ、腕曲げなどが登録される。
用意される人体モデル130のサイズの例を図6(A)〜図6(E)に示す。なお、114は、上述のように、送信コイルである。これらの図に示すように、図6(A)は、身長、体重が小の人体モデル131、図6(B)は、身長、体重がともに中の人体モデル132、図6(C)は、身長が大、体重が中の人体モデル133、図6(D)は、身長が大、体重が小の、いわば痩せ型の人体モデル134、図6(E)は、身長が大、体重も大の人体モデル135である。このように、身長、体重として登録される情報は、例えば、幼児のサイズから成人のサイズまでの、痩せ型、肥満型などを網羅するよう、決定される。もちろん、用意される人体モデル130のサイズは、これらに限定されない。
また、図7(A)〜図7(C)に、人体モデル130の左右方向の配置の例を示す。図7(A)は、例えば、人体モデル131が送信コイル114に対し、右側にオフセンタ配置される配置例であり、図7(B)は、人体モデル131が、送信コイル114の中央に配置される配置例であり、図7(C)は、人体モデル131が、送信コイル114に対し、左側にオフセンタ配置される配置例である。
計算情報データベース320には、上記各属性情報で特定される人体モデル130毎の計算情報が、人体モデルID311に対応づけて登録される。
なお、計算情報のうち、密度ρおよび導電率σは、組織の種類ごと(脂肪、筋肉、骨など)に持つ物性値である。また、チャンネル毎の電界分布(E1、E2、E3、E4)は、様々な人体モデルにおける、1枚のスライス撮像時の、基準とする位相および振幅(それぞれ、基準位相、基準振幅と呼ぶ)で、例えば、単位時間に1回、各チャンネルから高周波磁場が照射された場合の値が保持される。例えば、基準位相は0度、基準振幅は1とする。この電界分布の値は、人体モデル130毎に、シミュレーションまたは実測により得る。
(ステップS1102)
次に、除外パラメータ決定部214は、算出した各最大局所SARの値の最大値(最大局所SARの最大値)を決定する。
最大局所SARの最大値は、制限値を超える局所SAR値となる設定可能パラメータの有無を判別するため算出する。ここでは、除外パラメータ決定部214は、設定可能な全RFパラメータ、および、全人体モデル130の最大局所SARのうち、最も大きい値を、最大局所SARの最大値とする。
(ステップS1103)
次に、除外パラメータ決定部214は、最大局所SARの最大値を、予め定めた制限値と比較する。この制限値は、例えば、ユーザが設定する。受付部216は、この制限値の設定を受け付ける。
[受付部]
ここで、本実施形態の受付部216による閾値受付処理について説明する。ここでは、閾値として、上記制限値を受け付けるものとする。
まず、局所SARシミュレーションにより算出した局所SAR値の分布を図8(A)に示す。ここでは、局所SARシミュレーション時に、各人体モデル130および各設定可能パラメータ(撮像条件)について、同時にB1分布も算出し、その均一度を合わせて算出する場合の例を示す。図8(A)では、横軸が、B1分布の均一度を示す指標の値(B1均一度)401であり、縦軸が局所SARの値402である。黒点403は、各撮像条件におけるB1均一度と局所SARの値で特定される座標点を示す。
また、本図において、破線404は、局所SARシミュレーションで得られた局所SARの最大値を示すラインであり、実線405は、制限値を示す。本実施形態の除外パラメータ決定部214は、実線405より局所SAR値が大きいRFパラメータ(設定可能パラメータ)を除外パラメータと決定する。本実施形態の受付部216は、この実線405の位置となる制限値をユーザから受け付ける。
受付部216は、表示装置110に、図9(A)および図9(B)に示す、GUI410および/または420を表示し、当該GUI410、420を介して、この制限値を受け付ける。
GUI410は、ユーザから制限値(局所SAR制限値)の入力を受け付ける受付ボックス411を備える。なお、受付ボックス412は、第二の実施形態のB1均一度閾値を受け付ける受付ボックスである。を用いる場合、ユーザは、受付ボックス411を介して、直接数値を入力することにより、制限値を設定する。
GUI420は、局所SARシミュレーション結果をプロットした画面上でユーザから制限値の設定を受け付ける画面例である。すなわち、受付部216は、局所SARシミュレーションにより得た設定可能パラメータ毎の局所比吸収率(局所SAR)のプロット結果を介して、制限値の入力を受け付ける。
GUI420は、局所SARシミュレーション結果を表示する表示領域425と、局所SAR制限値を表示する表示ボックス421と、を備える。ユーザは、プロット結果をみながら、表示領域425上で、局所SAR制限値ライン423を入力することにより、局所SAR制限値を設定する。なお、受付部216は、受け付けた局所SAR制限値を数値として表示ボックス421に表示させる。なお、表示ボックス421を介して直接数値の入力を受け付け、その結果に応じてライン423を表示領域425に表示するよう構成してもよい。また、局所SAR制限値ラインをマウスにてドラッグしたり、もしくはキーボードのキーにて移動したりすることによって、局所SAR制限値を設定してもよい。
なお、B1均一度閾値ライン424および表示ボックス422は、第二の実施形態のB1均一度の閾値を受け付ける構成である。
なお、制限値は、予め、記憶装置111に保持されていてもよい。この場合、例えば、IEC(International Electrotechnical Commission)などで定められたSAR上限値に基づいて決めても良い。例えば、腹部の局所SARの上限値が20W/kgと定められている場合は、20W/kgを制限値として設定する。この場合、受付部216は、備えなくてもよい。
また、その他の文献等で示された値に基づいて、制限値を設定しても良い。また、温度プローブを用いた実験等で得られた安全性に関するデータに基づいて、制限値を設定してもよい。さらに、経験的に安全と言える値が予め把握できている場合は、その値を制限値として設定しても良い。また、安全性評価に用いられる数値シミュレーションデータや、実験データに含まれる不確かさを考慮し、その不確かさ分を安全マージンと考えて、より厳しい制限値を設定しても良い。また、病院ごとに、安全性を考慮した上で決定した制限値を使用しても良い。
なお、制限値の設定は、除外パラメータ決定処理より前であれば、どのタイミングであってもよい。例えば、制限値の設定を出荷前に行う場合、ユーザは、出荷先に応じて制限値を設定することができる。
(ステップS1104)
比較の結果、最大局所SARの最大値が制限値を超えている場合、除外パラメータ決定部214は、ステップS1101で算出した最大局所SAR値の中で、制限値を超えている最大局所SAR値に対応づけて記憶されている設定可能パラメータを、除外パラメータとして抽出する。
なお、後述するように、本実施形態では、どの人体モデル130であるかは問わず、制限値を超える最大局所SAR値が算出された設定可能パラメータを、除外パラメータとする。例えば、算出した最大局所SAR値が10万個あり、そのうち、制限値を超える最大局所SAR値が1000個ある場合、この中には、同じ設定可能パラメータであっても異なる人体モデルで得られたものも含まれる。本実施形態では、設定可能パラメータにのみ着目して抽出する。従って、抽出される設定可能パラメータは、1000個以下となる。
(ステップS1104)
次に、除外パラメータ決定部214は、除外パラメータとして抽出された設定可能パラメータに対し、主成分分析を行う。これは、後述のRFパラメータ決定部215で除外パラメータを制約条件として用いる際、効率よく必要十分な除外パラメータの範囲を特定するためである。
[主成分分析]
本実施形態では、除外パラメータを、後述のRFパラメータ決定部215によるRFパラメータ決定処理において制約条件として用いやすくするため、所定の軸に沿った範囲で特定する。この際、軸を適切に設定しないと、本来除外すべきRFパラメータ以外のRFパラメータが多数除外されることとなり、RFパラメータ決定処理時に使用できるRFパラメータ数が減少する。その結果、患者ごとにB1均一度を最適とする際の自由度が低下する。
そこで、本実施形態では、必要最小限の除外を実現するために、除外パラメータに対し、主成分分析を行う。そして、主軸およびそれに直交する各軸を変数の数に応じて決定し、これらの軸に沿って、除外パラメータの範囲を規定する。
なお、主成分分析では、データの分散を考慮して主軸変換を行う。そして、各主軸の方向で特定される座標に、各データの座標を変換する。
主成分分析の概念を、図10を用いて説明する。ここでは、説明を簡単にするため、2つの直交軸で特定される場合、すなわち、パラメータ数が2の場合を例にあげて説明する。
図内、細線横軸501、細線縦軸502は、それぞれ、2つのパラメータの軸である。これらを、それぞれ、初期横軸501、初期縦軸502と呼ぶ。また、黒丸の点520は、除外パラメータである。なお、以後、除外パラメータ分布520と呼ぶ。
この除外パラメータ分布520に対し、主成分分析を行うことにより、除外パラメータの分散が最も大きい方向が主方向と決定され、第一の主軸511の方向が定まる。また、主軸511に直交する方向として、第二の主軸512が定まる。
除外パラメータ分布520の範囲を、初期横軸501および初期縦軸502で規定される座標系で特定する。各軸方向の最大値および最小値で特定される範囲は、図の破線521で特定される領域内部となる。
一方、第一の主軸511および第二の主軸512で規定される座標系で特定すると、各軸方向の最大値および最小値で特定される範囲は、図の一点鎖線522で特定される領域内部となる。
このように、主成分分析により決定した座標系を用いることにより、当初の座標系を用いる場合に比べて、より狭い領域を指定することができる。すなわち、必要最小限の除外パラメータを指定することができ、最も効率よく必要十分な除外パラメータの範囲を指定できる。
上述のように、本実施形態では、4チャンネルの送信コイル114を用い、それぞれから照射するRFの振幅および位相を決定する。従って、パラメータ数は8つである。従って、除外パラメータに対し、主成分分析を行った結果、8つの主軸が特定される。
初期の各軸の成分をxi(iは、1から8の整数)とし、主成分分析後の第一の主軸の成分をu1、残りの7つの主軸の成分をui(iは、2から8の整数)と表すと、この場合の主成分分析結果は、以下の式(7)で表される。
なお、オーバーラインが付されたxiは、初期の各軸成分の平均値、rij(jは1から8の整数)は、主軸変換によって求められた係数である。
実際に局所SARシミュレーションを行い、主成分分析を行った結果を図11(A)〜図11(G)に示す。各図において、主軸511(成分u1)を横軸に表し、それぞれ、主軸512(成分u2)、513(成分u3)、514(成分u4)、515(成分u5)、516(成分u6)、517(成分u7)、518(成分u8)を縦軸とする。
すなわち、図11(A)は、成分u1と成分u2との関係を、図11(B)は、同u1とu3との関係を、図11(C)は、同u1とu4との関係を、図11(D)は、同u1とu5との関係を、図11(E)は、同u1とu6との関係を、図11(F)は、同u1とu7との関係を、図11(G)は、同u1とu8との関係を、それぞれ示す。
成分u1〜u8のうち、成分u1の方向の分散が最も大きく、u2、u3となるにつれ、分散が小さくなっている様子が分かる。
(ステップS1106)
主成分分析を行った後、除外パラメータ決定部214は、その結果を用いて、除外パラメータの範囲を決定する。
ここで、主成分分析により決定した軸を用いて、除外パラメータ範囲を決定する手法を、図12(A)〜図12(C)を用いて説明する。ここでは、代表として、図11(A)、図11(B)、図11(C)に示す例を取り上げて説明する。また、例えば、主軸511をu1軸と呼ぶ等、各軸を、それぞれ、その成分で呼ぶ。
本実施形態の除外パラメータ決定部214は、主成分分析の結果を用い、各軸方向の最大値および最小値を特定し、その間を除外パラメータの範囲とする。
例えば、u1軸方向の範囲は、u1軸方向の最大値(Max511)および最小値(Min511)を用い、Minu1≦u1≦Maxu1と決定する。同様に、u2軸方向の範囲は、u2軸方向の最大値(Maxu2)および最小値(Minu2)を用いて、Minu2≦u2≦Maxu2と、u3軸方向の範囲は、u3軸方向の最大値(Maxu3)および最小値(Minu3)を用いて、Minu3≦u3≦Maxu3と、u4軸方向の範囲は、u4軸方向の最大値(Maxu4)および最小値(Minu4)を用いて、Minu4≦u1≦Maxu4と、それぞれ決定する。
なお、除外パラメータ範囲を決定する際、所定のマージンを設けてもよい。この場合の決定手法を図13(A)および図13(B)を用いて説明する。
例えば、図13(A)に示すように、除外パラメータ分布520の、各軸方向の最大値及び最小値に対して、予め定めた値幅分マージン531をとり、除外パラメータ範囲を設定する。なお、マージン531については、たとえばシミュレーションによる局所SAR算出時の不確かさに基づいて決めても良いし、ある定数として決めても良い。
また、例えば、図13(B)に示すように、除外パラメータ分布520を囲む(内部に含む)、例えば、楕円線532で、範囲指定を行ってもよい。この場合、この楕円線532を特定する数式を用い、除外パラメータ範囲を、例えば、以下の式(8)で指定してもよい。
なお、aおよびbは、予め定めた定数である。
このように、各軸方向の範囲指定を行う式には、二次の項を使っても良い。もちろん、三次以上の項を使っても良い。
(ステップS1107)
最後に、本実施形態の除外パラメータ決定部214は、決定結果、すなわち、各主軸を特定する情報および当該主軸で特定される除外パラメータの範囲を、除外パラメータ特定情報として生成し、処理を終了する。生成した除外パラメータ特定情報は、例えば、記憶装置111等に記憶する。
ここでは、除外パラメータ決定部214は、除外パラメータ分布520に対して主成分分析を行い、得られた各軸方向の除外パラメータ範囲を、除外パラメータ特定情報とする。すなわち、ui軸方向の最小値≦ui≦ui軸方向の最大値を除外パラメータ特定情報として生成する。
このように、本実施形態の除外パラメータ決定部214が出力する除外パラメータ特定情報は、この除外パラメータ分布を主成分分析した結果得られる各軸方向の除外パラメータの範囲となる。
なお、ステップS1103において、最大局所SARの最大値が、制限値以下の場合、除外パラメータ決定部214は、除外パラメータ特定情報として、除外パラメータはないことを示す情報を生成する。
図8(B)に、上記手法で除外パラメータ範囲を決定し、当該除外パラメータを除いた後のRFパラメータを用い、図8(A)と同条件でシミュレーションを行った際の局所SAR値の分布を示す。本図に示すように、制限値以下の点の分布はほとんど変化せず、制限値以上の点のみ取り除かれていることがわかる。
[RFパラメータ決定部]
次に、本実施形態のRFパラメータ決定部215を説明する。本実施形態のRFパラメータ決定部215は、高周波磁場の値(B1値)により特定される関心領域(ROI)内の高周波磁場分布(B1分布)の均一度を示す最適化指標と、高周波磁場シミング(RFシミング)時に除外する高周波磁場パラメータである除外パラメータを特定する情報(除外パラメータ特定情報)とを用いて送信高周波磁場パラメータを決定する。
すなわち、本実施形態のRFパラメータ決定部215は、除外パラメータ決定部214が作成した除外パラメータ特定情報を制約条件とし、最適化指標を目的関数とし、制約条件内で前記目的関数を最良とする高周波磁場パラメータ(RFパラメータ)を送信高周波磁場パラメータと決定する。
目的関数として用いる最適化指標には、例えば、以下の式(9)で示される指標USDがある。
なお、rは空間座標を、B1(r)はB1分布を、σ(B1(r))はB1値の標準偏差を、m(B1(r))はB1平均値を、それぞれ示す。すなわち、この最適化指標USDは規格化された標準偏差であり、最適化指標USDが小さいほど、値のばらつきが小さく、均一であることを示す。なお、最適化指標は、上記式(9)の指標に限定されない。
RFパラメータ決定部215は、除外パラメータ特定情報を用い、設定可能パラメータから除外パラメータを除いて得られるRFパラメータ(使用可能パラメータ)の範囲で、最も最適化指標USDを小さくするRFパラメータ(RFパラメータの最適解)を算出し、送信RFパラメータと決定する。
なお、目的関数として用いる関数は、上記最適化指標に限定されない。例えば、全身SARの値、局所SARの値、および、これらの組み合わせであってもよい。
RFパラメータの最適解の算出は、最適化問題の解法、例えば、最急降下法、勾配法、ニュートン法、最小二乗法、共役勾配法、線形計画法、非線形計画法、振幅および位相の値を網羅的に変化させることによって最適解を算出する方法、などを用いてもよい。
また、振幅および位相の値を網羅的に変化させて、目的関数を最小化する解を求めてもよい。たとえば、振幅および位相の値を、それぞれ、1dB、5度ずつ変化させて目的関数の値を計算し、最小となる場合の振幅および位相を求める。ただし、網羅的に振幅や位相を変化させる際に計算時間が膨大にかかる場合は、たとえば、振幅および位相の変化量をはじめは大きくした状態で目的関数の最小値をとる振幅および位相を求め、次に、その振幅および位相の値の近傍で、変化量を小さくした状態で振幅および位相を求めてもよい。これらの解法を行う場合の振幅および位相の初期値は、予め記憶装置111に保持される。また、予め最適な振幅や位相について、ある程度予測のつく場合には、その予測値を初期値として、その近傍の値のみについて、網羅的に振幅や位相を変化させてもよい。
また、実際に全使用可能パラメータを用いてRF送信を行い、撮像領域内のB1分布等を実測し、最適解を求めてもよい。
[撮像処理の流れ]
次に、本実施形態の撮像処理の流れを説明する。図14は、本実施形態の撮像処理の処理フローである。撮像処理は、ユーザから撮像開始の指示を受け付け、開始される。なお、ここでは、静磁場シミング部212による静磁場シミング処理は省略する。
撮像条件設定部210は、ユーザから撮像条件の設定を受け付ける(ステップS1201)。そして、受け付けた撮像条件に従って、撮像位置設定部211は、撮像位置を設定する(ステップS1202)。
次に、RFシミング部213は、RFシミング処理を行う(ステップS1203)。ここでは、RFパラメータ決定部215が、記憶装置111に記憶されている除外パラメータ決定部214が作成した除外パラメータ特定情報を制約条件とし、ROI内の均一度を最適とするRFパラメータを決定し、送信RFパラメータとする。
RFシミング部213は、決定した送信RFパラメータを撮像条件に反映し、撮像シーケンスを確定する(ステップS1204)。
撮像部220は、撮像シーケンスに従って、撮像を実行する(ステップS1205)。
なお、上述のように、除外パラメータの決定は、MRI装置100の出荷前、据え付け前など、撮像前であれば、どのタイミングで行ってもよい。例えば、MRI装置100の出荷前、据え付け前などに行う場合、除外パラメータ決定部214により決定された除外パラメータ特定情報を、記憶装置111に保持しておき、撮像時に当該情報を用いるよう構成してもよい。
さらに、除外パラメータ特定情報は、MRI装置100の計算機109とデータの送受信が可能な、外部の記憶装置に格納されていてもよい。この場合、MRI装置100は、必要に応じて、当該記憶装置にアクセスし、除外パラメータ特定情報を抽出し、処理に用いる。
また、除外パラメータ特定情報を予め作成し、記憶装置111または、MRI装置100外の記憶装置に記憶しておく場合、計算機109は、除外パラメータ決定部214を備えなくてもよい。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置は、それぞれ被検体に高周波磁場を送信する複数のチャンネルを有する送信コイル114と、前記各チャンネルから送信する高周波磁場のパラメータである送信高周波磁場パラメータを関心領域内の高周波磁場分布の不均一が補正されるよう決定する高周波磁場シミングを行う高周波磁場シミング部213と、前記高周波磁場シミング部213で決定した送信高周波磁場パラメータを用いて撮像する撮像部220と、を備え、前記高周波磁場シミング部213は、前記高周波磁場の値により特定される前記関心領域内の前記高周波磁場分布の均一度を示す最適化指標、全身比吸収率、および局所比吸収率の少なくとも1つと、前記高周波磁場シミング時に除外する高周波磁場パラメータである除外パラメータを特定する情報とを用いて前記送信高周波磁場パラメータを決定し、前記除外パラメータは、当該除外パラメータを前記送信高周波磁場パラメータとして前記高周波磁場を送信した際、前記局所比吸収率が予め定めた制限値より大きくなる可能性のある高周波磁場パラメータであること、を特徴とする。
そして、前記除外パラメータは、予め用意された人体モデルデータベースに登録される全ての人体モデルと、当該磁気共鳴撮像装置で設定可能な高周波磁場パラメータである設定可能パラメータの全てと、を用いてシミュレーションにより決定されてもよい。
また、前記除外パラメータは、前記シミュレーションにより得た前記局所比吸収率が、前記制限値より大きい前記設定可能パラメータとしてもよい。
前記除外パラメータを特定する情報は、当該除外パラメータ分布を主成分分析した結果得られる各軸方向の当該除外パラメータの範囲としてもよい。
また、前記高周波磁場シミング部213は、前記除外パラメータを決定する除外パラメータ決定部214を備えてもよい。そして、前記除外パラメータ決定部214は、前記除外パラメータを決定する際に用いる閾値の入力を受け付ける受付部216をさらに備えてもよい。
前記高周波磁場シミング部213は、前記除外パラメータを特定する情報を制約条件とし、前記最適化指標、前記全身比吸収率、および前記局所比吸収率の少なくとも1つを目的関数とし、前記制約条件内で前記目的関数を最良とする高周波磁場パラメータを前記送信高周波磁場パラメータと決定してもよい。
このように、本実施形態によれば、予め、あらゆる場合を想定し、制限値を超えるRFパラメータを除外しておく。また、この処理を、主成分分析を用いて行うため、効率よく、必要十分な除外すべきRFパラメータを、その後の最適化処理に適切な数式として特定することができる。
そして、使用可能なRFパラメータの範囲で、RFシミングを行うため、RFシミングにより得られる送信RFパラメータで撮像を行う場合、局所SARが制限値を超えることがない。従って、容易かつ確実に、患者毎に局所SARの制限値内でRFシミングを行うことができる。
特に、本実施形態では、人体モデルのバリエーションに配置が異なるものも含まれる。従来技術のように、実際に撮像する患者の局所SARを算出するアプローチの場合、実際の患者が右寄りか左寄りかなどの位置の判定を行う必要がある。しかしながら、本実施形態では、全ての配置も考慮してそれぞれ異なる人体モデルとして用意する。そして、全ての人体モデルにおいて、それぞれ、局所SARの高いRFパラメータが除外される。従って、患者の位置が右寄りか左寄りかを判定するシステムの必要がない。
すなわち、本実施形態によれば、実際に撮像し得るどのような患者に対しても、局所SARの観点で安全性を確保することができる。
<<第二の実施形態>>
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。第一の実施形態では、局所SARの最大値が制限値より大きくなる設定可能パラメータを除外パラメータと決定する。一方、本実施形態では、局所SARの最大値が制限値より大きくなる設定可能パラメータとともに、均一度が予め定めた条件を満たさない設定可能パラメータも、除外パラメータとする。
本実施形態のMRI装置100は、基本的に第一の実施形態のMRI装置100と同様の構成を備える。ただし、上記のようにRFパラメータを除外する要件が異なるため、除外パラメータ決定部214の処理が異なる。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
[除外パラメータ決定部]
本実施形態の除外パラメータ決定部214は、第一の実施形態同様、RFシミング処理において除外する設定可能パラメータである除外パラメータを決定する。本実施形態では、局所SARの最大値が予め定めた制限値を超える設定可能パラメータとB1均一度が予め定めた条件を満たさない設定可能パラメータとを除外パラメータと決定する。
局所SARの最大値が予め定めた制限値を超える設定可能パラメータの特定法は、第一の実施形態と同様である。このため、ここでは、説明を省略する。なお、以下、説明のため、局所SARの最大値が予め定めた制限値を超えるために除外される設定可能パラメータを局所SAR除外パラメータと呼ぶ。
本実施形態の除外パラメータ決定部214は、B1均一度が予め定めた条件を満たさない設定可能パラメータも、シミュレーションにより得られたB1分布を用いて決定する。例えば、局所SARシミュレーションと同様に、全人体モデルおよび全設定可能パラメータについてB1分布を算出する。そして、算出結果を用いて、予め定めたB1均一度を特定可能な指標、例えば、上記最適化指標USDを計算する。
除外パラメータ決定部214は、当該指標が、予め定めた指標閾値(B1均一度閾値)より大きい設定可能パラメータを除外パラメータと決定する。なお、以下、説明のため、均一度が予め定めた条件を満たさないため除外されるRFパラメータを、均一度除外パラメータと呼ぶ。
また、本実施形態の受付部216は、第一の実施形態で受け付ける制限値に加え、B1均一度閾値を受け付ける。
この場合、受付部216が表示装置110に表示するGUI410は、図9(A)に示すように、さらに、B1均一度閾値を受け付ける受付ボックス412を備える。また、GUI420では、図9(B)に示すように、さらに、表示領域425を介してB1均一度ライン424の入力を受け付ける。また、GUI420は、受け付けたB1均一度ライン424に相当する数値を表示する表示ボックス422を備える。本実施形態においても、表示ボックス422を介してB1均一度閾値を受け付け、その値をライン424として表示するよう構成してもよい。
なお、B1均一度閾値は、たとえば、画質の評価結果と、B1均一度との関係を示すデータに基づいて、診断に必要と考えられる画質評価を満たすために必要なB1均一度を閾値と決定してもよい。また、撮像部位ごとに異なるB1均一度の値を閾値として設定しても良い。また、病院ごとに異なるB1均一度を閾値として設定しても良い。また、脂肪抑制を行う撮像方法を使用する際に、脂肪抑制が十分可能となるB1均一度が予め把握できている場合は、脂肪抑制を可能とするようなB1均一度の値を閾値としても良い。
本実施形態の除外パラメータ決定部214は、局所SAR除外パラメータと均一度除外パラメータとの和集合に対し主成分分析を行い、除外パラメータ特定情報を生成する。
なお、局所SAR除外パラメータと均一度除外パラメータそれぞれに対し、主成分分析を行い、範囲を特定するよう構成してもよい。この場合、RFシミング処理では、局所SAR除外パラメータ範囲による制約条件および均一度除外パラメータによる制約条件の2つの制約条件を用いて、最適なRFパラメータを決定する。
なお、除外パラメータ決定処理では、均一度除外パラメータを決定し、残りのRFパラメータについてのみ、局所SAR除外パラメータを特定するシミュレーションを行ってもよい。また、逆に、局所SAR除外パラメータを決定し、残りのRFパラメータについてのみ、B1均一度を計算し、均一度除外パラメータを決定してもよい。
なお、その他の構成及び処理は第一の実施形態と同様であるため、ここでは、説明を省略する。本実施形態においても、第一の実施形態同様、予め除外パラメータ特定情報を保持している場合は、除外パラメータ決定部214は備えなくてもよい。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、第一の実施形態同様、送信コイル114と、高周波磁場シミング213と、撮像部220とを備える。そして、前記除外パラメータには、前記シミュレーションにより得た前記高周波磁場分布の均一度を示す指標の値が予め定めた指標閾値より大きい前記設定可能パラメータもさらに含まれてもよい。
このように、本実施形態によれば、第一の実施形態同様、RFシミングにおいて得られる送信RFパラメータを用いて撮像を行う場合、局所SARが制限値を超えることがない。従って、第一の実施形態同様、容易かつ確実に患者毎に局所SARの制限値内でのRFシミングを行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、所定の均一度を実現する範囲のRFパラメータの中から、最適化を行う。従って、より効率よく、均一度の高い、最適なRFパラメータを決定することができる。
なお、均一度除外パラメータの決定は、実測により行ってもよい。この場合、複数の体型の被検体103について、全設定可能パラメータを用いてRFの送信を行い、B1分布を実測する。そして、その結果を用いて、例えば、上記指標USDを計算し、均一度除外パラメータを決定する。
また、撮像直前に除外パラメータ決定処理を行う場合は、例えば、局所SAR除外パラメータの決定には、シミュレーション値を使用し、均一度除外パラメータの決定には、患者の実測値を使用してもよい。
<除外パラメータ特定情報の変形例>
なお、上記各実施形態では、主成分分析後、各主軸方向に対し、除外パラメータ範囲を1つの範囲として決定しているが、これに限定されない。例えば、主成分分析した結果、図15(A)〜図15(G)に示すように、除外パラメータ範囲が、各軸方向、複数の群520a、520bに分かれることがある。このような場合、主成分分析結果の群毎に除外パラメータ範囲を特定してもよい。すなわち、複数の群に分かれた主軸方向に関し、当該群の数だけ、不等式を作成する。
例えば、図15(A)〜図15(G)の例では、第一の主軸511の方向にのみ、2つの群に分かれている。この場合、第一の主軸511の方向には、2つの不等式が作成される。そして、他の7つの主軸方向には、それぞれ、1つの不等式が作成される。また、全ての主軸方向に2つの群に分かれる場合は、各軸方向に2つの不等式が作成され、計16個の不等式が作成される。
なお、このように複数の群に分かれるのは、局所SARシミュレーションにおいて、人体モデル130内に、最大局所SAR値を示す箇所が複数生じるためである。図15(A)〜図15(G)に示す例は、例えば、腹部内と腕内等、2箇所で最大局所SAR値が得られた場合の例である。このような場合、各々の場所で局所SARが高くなるRFパラメータの特徴が異なるため、除外パラメータ分布が2つの群に分かれる。
従って、主成分分析を行う前に、除外パラメータ分布を複数の群に分け、各群に属するRFパラメータに対し、それぞれ、主成分分析を行い、除外パラメータ特定情報を作成してもよい。
<除外パラメータ決定手法の変形例>
また、上記各実施形態では、用意された全人体モデル130について、全設定可能パラメータを用いて局所SARシミュレーションを行い、除外パラメータを特定するデータを取得しているが、この手法に限定されない。
例えば、予め定めた1以上の設定可能パラメータを用いて、用意された全人体モデル130について局所SARシミュレーションを行い、それぞれ、最大局所SAR値を得、その中で、最大局所SAR値が最大の人体モデル130をワーストモデルと決定する。そして、そのワーストモデルについてのみ、全設定可能パラメータについて局所SARシミュレーションを行うよう構成してもよい。
この場合、除外パラメータ決定部214は、ワーストモデルによる除外パラメータを主成分分析し、除外パラメータ特定情報を生成する。
均一度除外パラメータを決定する際も同様に、人体モデル130の中で、ワーストモデルを特定し、そのワーストモデルのみを用いて、均一度除外パラメータ範囲を特定する情報を生成してもよい。
<除外パラメータ決定単位の変形例>
また、上記各実施形態では、人体モデル130にかかわらず、制限値を超える局所SAR値を得る設定可能パラメータを除外パラメータとしている。しかしながら、除外パラメータの決定単位は、これに限定されない。例えば、除外パラメータは、人体モデル130毎に決定してもよい。
この場合、除外パラメータ決定部214は、全人体モデル130および全設定可能パラメータについてシミュレーションを行い、人体モデル130毎に、制限値を超える局所SAR値を得る設定可能パラメータを除外パラメータとする。従って、この場合の除外パラメータ特定情報は、人体モデル130毎に作成される。
本変形例では、除外パラメータ決定部214は、人体モデル毎に、当該人体モデルを特定する情報、例えば、上記人体モデルID311などに対応づけて、除外パラメータ特定情報を記憶する。
そして、RFパラメータ決定部215は、実際の撮像時に、撮像対象の被検体103のサイズ、配置、姿勢に最も近い人体モデル311に対応づけて記憶されている除外パラメータ特定情報を制約条件に用い、最適な送信RFパラメータを決定する。すなわち、高周波磁場シミング部213は、撮像対象の被検体103に最も近い人体モデルに対応づけて決定された除外パラメータを特定する情報(除外パラメータ特定情報)を制約条件とし、最適化指標、全身比吸収率および局所比吸収率の少なくとも一つを目的関数とし、制約条件内で目的関数を最良とする高周波磁場パラメータを送信高周波磁場パラメータ(送信RFパラメータ)と決定する。
なお、撮像対象の被検体103よりも大きいサイズ(身長もしくは体重)の人体モデルの中で、被検体103に最も近い人体モデルに対応づけて決定された除外パラメータを特定する情報を制約条件としてもよい。また、人体モデル130毎に、除外パラメータ特定情報を作成する場合も、上記第二の実施形態同様、B1均一度も考慮し、除外パラメータ特定情報を生成するよう構成してもよい。
人体モデル毎に除外パラメータを特定することにより、必要最小限のRFパラメータを除外パラメータとすることができ、実際の撮像時のRFシミング時の自由度が大きくなる。
さらに、例えば、人体モデル130毎ではなく、撮像部位毎に除外パラメータを決定し、除外パラメータ特定情報を生成するよう構成してもよい。この場合、上記B1均一度閾値についても、撮像部位毎に決定してもよい。
さらに、設定する可能性のあるROI毎に、除外パラメータを決定し、除外パラメータ特定情報を生成するよう構成してもよい。例えば、図16(A)および図16(B)に示すように、同じ撮像部位であっても、設定するROIの位置、大きさにより、最大局所SARの最大値とB1均一度との関係が変わる。
例えば、図16(A)に示すように、腹部全体をROI701と設定する場合、B1均一度の制限値406より大きくなるRFパラメータが発生する。この場合、除外パラメータ特定部214は、除外パラメータを特定し、除外パラメータ特定情報を生成する必要がある。
一方、図16(B)に示すように、腹部の一部をROI702と設定する場合、B1均一度の制限値406を超えるRFパラメータはない。従って、この場合は、実際の撮影時、RFパラメータ決定部215は、制約条件無しに、目的関数を最適化するRFパラメータを探索できる。
<除外パラメータ特定情報の変形例その1>
また、上記各実施形態および各変形例では、除外パラメータ決定部214において、局所SAR値が制限値より大きいRFパラメータを抽出し、除外パラメータと決定し、その範囲を除外パラメータ特定情報としているが、これに限定されない。逆に、局所SAR値が制限値以下のRFパラメータを使用可能なRFパラメータとして抽出し、抽出したRFパラメータに対し、主成分分析を行い、その結果を制約条件として記憶するよう構成してもよい。
<除外パラメータ特定情報の変形例その2>
また、上記各実施形態および変形例では、除外パラメータ決定部214は、除外パラメータ特定情報を、シミュレーション結果から得られた除外パラメータに対し、主成分分析を行うことにより作成している。しかしながら、除外パラメータ特定情報は、主成分分析結果に限定されない。例えば、データベースとして作成してもよい。
この場合、除外パラメータ決定部214は、除外パラメータ特定情報として、設定可能パラメータから除外パラメータを除いた高周波磁場パラメータである使用可能パラメータが登録されたデータベースを作成する。
すなわち、本変形例の除外パラメータ決定部214は、第一の実施形態同様、全人体モデル130および全設定可能パラメータを用いて局所SARシミュレーションを行う。そして、設定可能パラメータ毎の局所SAR値の最大値を得る。除外パラメータ決定部214は、局所SAR値の最大値が、制限値より大きい設定可能パラメータを、除外パラメータとする。そして、残りの設定可能パラメータを、使用可能パラメータとしてデータベース(使用可能パラメータDB)化する。
このとき作成される使用可能パラメータDB610の一例を図17(A)に示す。本図に示すように、使用可能パラメータDB610には、使用可能パラメータ611が登録される。なお、使用可能パラメータ611毎に、最大局所SARの最大値612がさらに登録されてもよい。
なお、この使用可能パラメータDB610は、例えば、以下の手法で作成する。
まず、全てのシミュレーション結果、つまり、全設定可能パラメータ毎の局所SARの最大値を1レコードとしてテーブル化する。そして、各レコードを、局所SARの最大値で昇順または降順にソートし、局所SARの最大値が制限値以下のレコードのみ抽出し、使用可能パラメータDB610とする。
なお、本変形例においては、RFパラメータ決定部215は、実際の撮影時に、第一の実施形態同様、除外パラメータ特定情報を制約条件、最適化指標を目的関数とし、制約条件内で目的関数を最良とするRFパラメータを送信RFパラメータと決定する。ここでは、使用可能パラメータDB610に登録されているRFパラメータ内で、B1均一度を最良とするRFパラメータを送信RFパラメータと決定する。
さらに、第二の実施形態同様、シミュレーションにより、全人体モデル130および全設定可能パラメータについて、所定の指標を用いて、ROI内の均一度も算出してもよい。この場合、例えば、図17(B)に示すように、使用可能パラメータDB620には、使用可能パラメータ621毎に、各人体モデルによる均一度指標の値の中で、例えば、最も悪い値(最大値)623を登録してもよい。なお、局所SARの最大値622も同時に登録してもよい。
この場合、除外パラメータ決定部214は、全てのシミュレーション結果、つまり、全設定可能パラメータ毎の局所SARの最大値および均一度指標の最大値を1レコードとしてテーブル化する。そして、各レコードを、局所SARの最大値で昇順または降順にソートし、局所SARの最大値が制限値以下のレコードのみ抽出する。次に、抽出されたレコードを、均一度指標の最大値で昇順または降順にソートし、均一度指標の最大値が指標閾値以下のレコードのみ抽出する。そして抽出結果を用いて使用可能パラメータDB620とする。
RFパラメータ決定部215は、上記同様、実際の撮影時に、使用可能パラメータDB620に登録されている使用可能パラメータの中で、B1均一度を最良とするRFパラメータを探索し、送信RFパラメータと決定する。
さらに、上記変形例のように、人体モデル毎に、使用可能パラメータDBを作成するよう構成してもよい。この場合、使用可能パラメータDBは、人体モデル毎に、各使用可能パラメータに局所SARの最大値が格納される。この場合の使用可能パラメータDB630の例を図18(A)に示す。
この場合の使用可能パラメータDB630は、人体モデルを特定する人体モデルID634に対応づけて、それぞれ、使用可能パラメータ631が登録される。このとき、局所SAR最大値632も併せて登録されてもよい。
この場合、RFパラメータ決定部215は、実際の撮影時に、使用可能パラメータDB630に登録されている人体モデルの中で、撮像対象の被検体103に最も近い人体モデルの人体モデルIDを特定し、当該人体モデルID634に対応づけて登録されている使用可能パラメータ631の中で、B1均一度を最良とするRFパラメータを探索し、送信RFパラメータとする。
また、第二の実施形態のように、さらにB1均一度も同時に使用可能パラメータDBに登録するよう構成してもよい。この場合の使用可能パラメータDB640の例を図18(B)に示す。
使用可能パラメータDB640では、人体モデルID644に対応づけて、使用可能パラメータ641が登録される。このとき、局所SARの最大値642およびB1均一度643も併せて登録されてもよい。
特に、B1均一度643が登録されている場合、RFパラメータ決定部215は、実際の撮影時に、使用可能パラメータDB640に登録されている人体モデルの中で、撮像対象の被検体103に最も近い人体モデルの人体モデルIDを特定し、当該人体モデルID644に対応づけて登録されている使用可能パラメータの中で、最もよいB1均一度643が登録されているレコードの使用可能パラメータを、送信RFパラメータとする。
すなわち、データベース(使用可能パラメータDB)640は、前記人体モデル毎に作成され、当該データベース(使用可能パラメータDB)に、さらに、使用可能パラメータ毎に、シミュレーションにより得た高周波磁場分布の均一度を示す指標の値643が登録される場合、高周波磁場シミング部(RFシミング部)215は、撮像対象の被検体103に最も近い人体モデルに対応づけてデータベース(使用可能パラメータDB)640に登録されている使用可能パラメータ641のうち、指標の値が最良の使用可能パラメータを、送信高周波磁場パラメータ(送信RFパラメータ)と決定する。
このように、使用可能RFパラメータの数が比較的少ない際には、データベース化することによって、最適化問題を解くよりも、計算時間が短縮できる。
<その他の変形例>
また、上記各実施形態および変形例では、主に撮像領域が2次元の場合について図示したが、3次元の場合でも同様の方法で、最適な高周波磁場条件を求めることができる。
また、上記各実施形態および変形例では、3T MRI装置、および、4チャンネルの送信コイルを例にあげて説明したが、MRI装置の構成はこれに限られない。3Tよりも高磁場、4チャンネルより多いチャンネル数の送信コイルを用いてもよい。
また、上記各実施形態および変形例では、MRI装置100が備える計算機109が撮像条件設定部210を備える場合を例にあげて説明したが、撮像条件設定部210の構築場所はこれに限定されない。図19に示すように、撮像条件設定部210の全部または一部の機能は、計算機109と、例えばネットワーク190を介して、データの送受信が可能な、MRI装置100とは独立した情報処理装置191上に構築されていてもよい。また、人体モデルDB300も、MRI装置100が備える記憶装置111上ではなく、計算機109がアクセス可能な独立した記憶装置192上に構築されていてもよい。
また、上記各実施形態および変形例の手法は、医用をはじめとする各種の撮像分野に適用可能である。また、上記各実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。
100:MRI装置、101:マグネット、102:傾斜磁場コイル、103:被検体、104:シーケンサ、105:傾斜磁場電源、106:高周波磁場発生器、107:テーブル、108:受信器、109:計算機、110:表示装置、111:記憶装置、112:シムコイル、113:シム電源、114:送信コイル、114a:チャンネル、114b:チャンネル、114c:チャンネル、114d:チャンネル、115:受信コイル、117a:給電点、117b:給電点、117c:給電点、117d:給電点、130:人体モデル、131:人体モデル、132:人体モデル、133:人体モデル、134:人体モデル、135:人体モデル、190:ネットワーク、191:情報処理装置、192:記憶装置、210:撮像条件設定部、211:撮像位置設定部、212:静磁場シミング部、213:RFシミング部、214:除外パラメータ決定部、215:RFパラメータ決定部、216:受付部、220:撮像部、300:人体モデルDB、310:属性データベース、311:人体モデルID、312:サイズ、313:配置、314:姿勢、320:計算情報データベース、322:密度、323:導電率、324:電界分布、401:B1均一度、402:局所SAR値、403:局所SARシミュレーション結果、404:局所SAR値の最大値、405:制限値、406:制限値、410:GUI、411:制限値受付ボックス、412:B1均一度閾値受付ボックス、420:GUI、421:制限値表示ボックス、422:B1均一度閾値表示ボックス、423:局所SAR制限値ライン、424:B1均一度閾値ライン、425:表示領域、501:初期横軸、502:初期縦軸、511:第一の主軸、512:第二の主軸、513:直交軸、514:直交軸、515:直交軸、516:直交軸、517:直交軸、518:直交軸、520:除外パラメータ分布、520a:除外パラメータ分布、520b:除外パラメータ分布、521:初期座標軸による除外パラメータ領域、522:主軸と直交軸とによる除外パラメータ領域、531:マージン、532:楕円線、610:使用可能パラメータDB、611:使用可能パラメータ、612:局所SAR最大値、620:使用可能パラメータDB、621:使用可能パラメータ、622:局所SAR最大値、623:B1均一度、630:使用可能パラメータDB、631:使用可能パラメータ、632:局所SAR最大値、634:人体モデルID、634:当該人体モデルID、640:使用可能パラメータDB、641:使用可能パラメータ、642:局所SAR最大値、643:B1均一度、644:人体モデルID、701:ROI、702:ROI

Claims (15)

  1. それぞれ被検体に高周波磁場を送信する複数のチャンネルを有する送信コイルと、
    前記各チャンネルから送信する高周波磁場のパラメータである送信高周波磁場パラメータを、関心領域内の高周波磁場分布を最適化するよう決定する高周波磁場シミングを行う高周波磁場シミング部と、
    前記高周波磁場シミング部で決定した送信高周波磁場パラメータを用いて撮像する撮像部と、を備え、
    前記高周波磁場シミング部は、前記高周波磁場の値により特定される前記関心領域内の前記高周波磁場分布の均一度を示す最適化指標、全身比吸収率、および局所比吸収率の少なくとも1つと、前記高周波磁場シミング時に除外する高周波磁場パラメータである除外パラメータを特定する情報とを用いて前記送信高周波磁場パラメータを決定し、
    前記除外パラメータは、当該除外パラメータを前記送信高周波磁場パラメータとして前記高周波磁場を送信した際、前記局所比吸収率が予め定めた制限値より大きくなる可能性のある高周波磁場パラメータであること、
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記除外パラメータは、予め用意された人体モデルデータベースに登録される全ての人体モデルと、当該磁気共鳴撮像装置で設定可能な高周波磁場パラメータである設定可能パラメータの全てと、を用いてシミュレーションにより決定されること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  3. 請求項2記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記除外パラメータは、前記シミュレーションにより得た前記局所比吸収率が、前記制限値より大きい前記設定可能パラメータであること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  4. 請求項3記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記除外パラメータには、前記シミュレーションにより得た前記高周波磁場分布の均一度を示す指標の値が予め定めた指標閾値より大きい前記設定可能パラメータもさらに含まれること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  5. 請求項3記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記除外パラメータを特定する情報は、当該除外パラメータ分布を主成分分析した結果得られる各軸方向の当該除外パラメータの範囲であること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  6. 請求項3記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記除外パラメータを特定する情報は、前記設定可能パラメータから前記除外パラメータを除いた高周波磁場パラメータである使用可能パラメータが登録されたデータベースであること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  7. 請求項1記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記高周波磁場シミング部は、前記除外パラメータを特定する情報を制約条件とし、前記最適化指標、前記全身比吸収率および前記局所比吸収率の少なくとも一つを目的関数とし、前記制約条件内で前記目的関数を最良とする高周波磁場パラメータを前記送信高周波磁場パラメータと決定すること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  8. 請求項2記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記除外パラメータは、前記人体モデル毎に決定されること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  9. 請求項8記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記高周波磁場シミング部は、撮像対象の被検体に最も近い前記人体モデルに対応づけて決定された前記除外パラメータを特定する情報を制約条件とし、前記最適化指標、前記全身比吸収率および前記局所比吸収率の少なくとも一つを目的関数とし、前記制約条件内で前記目的関数を最良とする高周波磁場パラメータを前記送信高周波磁場パラメータと決定すること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  10. 請求項6記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記データベースは、前記人体モデル毎に作成され、
    当該データベースには、さらに、前記使用可能パラメータ毎に、前記シミュレーションにより得た高周波磁場分布の均一度を示す指標の値が登録され、
    前記高周波磁場シミング部は、前記被検体に最も近い人体モデルに対応づけて前記データベースに登録されている前記使用可能パラメータのうち、前記指標の値が最良の使用可能パラメータを、前記送信高周波磁場パラメータと決定すること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  11. 請求項1記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記高周波磁場シミング部は、前記除外パラメータを決定する除外パラメータ決定部を備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  12. 請求項2記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記除外パラメータ決定部は、前記除外パラメータを決定する際に用いる閾値の入力を受け付ける受付部をさらに備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  13. 請求項12記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記受付部は、前記シミュレーションにより得た前記設定可能パラメータ毎の前記局所比吸収率のプロット結果を介して、前記制限値の入力を受け付けること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  14. それぞれ被検体に高周波磁場を送信する複数のチャンネルを有する磁気共鳴撮像装置の送信コイルから送信する高周波磁場のパラメータである送信高周波磁場パラメータを、関心領域内の高周波磁場分布の不均一を補正するよう決定する高周波磁場シミングを行う際、除外する高周波磁場パラメータである除外パラメータを決定する除外パラメータ決定部を備え、
    前記除外パラメータは、当該除外パラメータを用いて前記磁気共鳴撮像装置において前記送信コイルから前記高周波磁場を送信した際、局所比吸収率が予め定めた制限値より大きくなる可能性のある高周波磁場パラメータであること
    を特徴とする情報処理装置。
  15. それぞれ被検体に高周波磁場を送信する複数のチャンネルを有する磁気共鳴撮像装置の送信コイルから送信する高周波磁場のパラメータである送信高周波磁場パラメータを、関心領域内の高周波磁場分布の不均一を補正するよう決定する高周波磁場シミングを行い、
    前記高周波磁場シミングでは、前記高周波磁場の値により特定される前記関心領域内の前記高周波磁場分布の均一度を示す最適化指標と、前記高周波磁場シミング時に除外する高周波磁場パラメータである除外パラメータを特定する情報とを用いて前記送信高周波磁場パラメータを決定し、
    前記除外パラメータは、当該除外パラメータを前記送信高周波磁場パラメータとして前記高周波磁場を送信した際、局所比吸収率が予め定めた制限値より大きくなる可能性のある高周波磁場パラメータであること
    を特徴とする高周波磁場シミング方法。
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