JP2016214091A - 第9染色体短腕22.2領域の一塩基多型に基づく側弯症の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第9染色体短腕22.2領域(9p22.2領域)に存在する一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて側弯症の発症リスクおよび/または発症の有無を検査する。また、BNC2遺伝子のmRNAまたはタンパク質の発現量を測定し、該測定結果に基づいて側弯症を検査する。また、BNC2遺伝子の発現量を変化させる物質を選択することにより側弯症の予防又は治療薬のスクリーニングを行う。
【選択図】図1
Description
の内、日本で2%、世界では2〜3%であり、日本では毎年1万人程度が発症している。
ISと関連する遺伝子の候補が報告された(非特許文献12)。しかしながら、それらは、多重検定補正後のケース−コントロール関連解析においてはAISとの関連の再現性が得られていない。
[1]第9染色体短腕22.2領域のBNC2遺伝子内に存在する一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて側弯症を検査することを特徴とする、側弯症の発症リスクおよび/または発症の有無の判定方法。
[2]前記側弯症が、思春期特発性側弯症である、[1]に記載の方法。
[3]前記一塩基多型が、配列番号1に示す塩基配列の塩基番号101番目の塩基に相当する塩基、または該塩基と連鎖不平衡の関係にある塩基における一塩基多型である、[1]または[2]に記載の方法。
[4]前記該塩基と連鎖不平衡の関係にある塩基における一塩基多型が、配列番号14に示す塩基配列の塩基番号101番目の塩基に相当する塩基、配列番号15に示す塩基配列の塩基番号101番目の塩基に相当する塩基、または配列番号16に示す塩基配列の塩基番号101番目の塩基に相当する塩基である、[3]に記載の方法。
[5]配列番号1に示す塩基配列において、塩基番号101番目の塩基を含む10塩基以
上の配列、又はその相補配列を有する側弯症検査用プローブ。
[6]配列番号1に示す塩基配列において、塩基番号101番目の塩基を含む領域を増幅することのできる側弯症検査用プライマー。
[7]BNC2遺伝子またはBNC2遺伝子のプロモーターに連結されたレポーター遺伝子を発現する細胞に医薬候補物質を添加する工程、BNC2遺伝子またはレポーター遺伝子の発現量を測定する工程、及び前記発現量を低下させる物質を選択する工程を含む、側弯症の予防薬又は治療薬をスクリーニングする方法。
[8]BNC2遺伝子のmRNAまたはタンパク質の発現量を測定する工程を含む、側弯症の検査方法。
本発明の方法は、ヒトの第9染色体短腕22.2領域(9p22.2領域)に存在する一塩基多型(SNP)を分析し、該分析結果に基づいて側弯症を検査することを特徴とする、側弯症の発症リスクおよび/または発症の有無の判定方法である。すなわち、本発明において、「検査」とは側弯症の発症リスクの検査及び側弯症の発症の有無の検査を含む。本発明の方法においては、SNPの分析結果を、側弯症の発症リスクおよび/または発症の有無と関連付ける。本発明の方法においては、SNPを検査する試料を検査対象者から得る工程をさらに含めても良い。
。ここで、rs番号は、National Center for Biotechnology InformationのdbSNPデータベース(http//www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/)の登録番号を示す。rs3904778は、9p22.2領域のBNC2遺伝子が含まれる連鎖不平衡ブロックに位置する。よって、特に、当該
連鎖不平衡ブロックに存在するSNP、例えばBNC2遺伝子上に存在するSNPを解析することによって、側弯症を検査することができる。BNC2遺伝子としては、具体的には、GenBank Accession No. NC_000009.11の16409501〜16870786の領域が挙げられる。
シン(C)/グアニン(G)の多型を意味し、この塩基が表6のReverse配列においてG
である場合は側弯症の可能性または発症リスクが高い(表2及び4)。たとえば、この塩基がCである場合と比べて、この塩基がGである場合は、側弯症の可能性または発症リスクが1.15−1.27倍高い(表3)。また、遺伝子型を考慮して解析した場合は、GG>GC>CCの順で側弯症の可能性または発症リスクが高い。よって、この塩基がGである被験者には、側弯症の治療を行うことが考えられる。
1bpの長さの配列を、配列番号1に示した。配列番号1における101番目の塩基が多型を有し、この塩基がC(リスクアレル)である場合は側弯症の可能性または発症リスクが高いと判定する。
衡にある塩基の多型を分析してもよい。ここで「上記の塩基と連鎖不平衡にある塩基」とは、上記の塩基とr2>0.5、好ましくはr2>0.8、さらに好ましくはr2>0.9
の関係を満たす塩基をいう。r2は連鎖不平衡係数である。また上記の塩基と連鎖不平衡
にある塩基は、例えば、HapMapデータベース(http://www.hapmap.org/index.html.ja)等
を用いて同定することができる。もしくは、複数人(通常は20〜40人程度)から採取したDNAをシークエンサーにて配列解析し、連鎖不平衡にあるSNPを探索することにより同定することもできる。上記の塩基と連鎖不平衡にある塩基は、遺伝子型を考慮して解析した場合は、リスクアレルのホモ接合体 > リスクアレルと非リスクアレルのへテロ接合体 > 非リスクアレルのホモ接合体の順で側弯症の可能性または発症リスクが高い。
ニン(G)/シトシン(C)の多型を意味し、この塩基が表6のForward配列においてG
である場合は側弯症の可能性または発症リスクが高い(表4)。また、遺伝子型を考慮して解析した場合は、GG>GC>CCの順で側弯症の可能性または発症リスクが高い。よって、この塩基がGである被験者には、側弯症の治療を行うことが考えられる。
1bpの長さの配列を、配列番号14に示した。配列番号14における101番目の塩基が多型を有し、この塩基がC(リスクアレル)である場合は側弯症の可能性または発症リスクが高いと判定する。
シン(C)/チミン(T)の多型を意味し、この塩基が表6のReverse配列においてCで
ある場合は側弯症の可能性または発症リスクが高い(表4)。また、遺伝子型を考慮して解析した場合は、CC>CT>TTの順で側弯症の可能性または発症リスクが高い。よって、この塩基がCである被験者には、側弯症の治療を行うことが考えられる。
1bpの長さの配列を、配列番号15に示した。配列番号15における101番目の塩基が多型を有し、この塩基がC(リスクアレル)である場合は側弯症の可能性または発症リスクが高いと判定する。
である場合は側弯症の可能性または発症リスクが高い(表4)。また、遺伝子型を考慮して解析した場合は、AA>AC>CCの順で側弯症の可能性または発症リスクが高い。よって、この塩基がAである被験者には、側弯症の治療を行うことが考えられる。
NPの少なくとも1つと、側弯症と関連する既知のSNPs(非特許文献13等)や当該既知のSNPsと連鎖不平衡にあるSNPsとを組み合わせて解析してもよい。たとえば、rs3904778と、rs11190870、rs625039、rs11598564(特許文献1)、およびrs6570507(特許文献2)の1つ以上とを組み合わせることが挙げられる。側弯症と関連する複数のSNPsをまとめて解析すれば、側弯症の検査の精度が向上する。なお、いずれのSNPも、二本鎖DNAのどちらの鎖を解析してもよい。例えば、BNC2遺伝子の配列はセンス鎖を解析してもよいし、アンチセンス鎖を解析してもよい。
の解析結果から、該当する位置がどの種類の塩基であるかを決定することができる。なお、シークエンス反応の前に、あらかじめSNP部位を含む断片をPCRなどによって増幅しておくことが好ましい。
33379号公報)、SmartAmp法(特許第3897805号明細書)などによって増幅の有無を調べることもできる。その他、単鎖増幅法を用いてもよい。
本発明の方法により判定された結果は、必要に応じて医師等に提供される。結果を提供された医師等は、身体診察、X線検査、CT検査等の必要な検査を行った上で、発症のリス
クを診断することができる。医師等がAISの発症リスクが高いと診断した場合には、装具やギプスの装着や牽引等の治療を施すことができる。また、リスクが低いと診断した場合には、患者に取って負担が大きいこれらの治療を回避することができる。
本発明はまた、側弯症を検査するためのプライマーやプローブなどの検査試薬を提供する。このようなプローブとしては、上記SNP部位を含み、ハイブリダイズの有無によってSNP部位の塩基の種類を判定できるプローブが挙げられる。具体的には、配列番号1に示す塩基配列の101番目の塩基を含む配列、又はその相補配列を有する10塩基以上の長さのプローブや、当該塩基と連鎖不平衡の関係にある塩基を含む配列、又はその相補配列を有する10塩基以上の長さのプローブが挙げられる。なお、「当該塩基と連鎖不平衡の関係にある塩基」及びその前後の領域の塩基配列は、例えば、National Center for Biotechnology InformationのdbSNPデータベース(http//www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/)から取得できる。プローブの長さは好ましくは、15〜35塩基であり、より好ましくは20〜35塩基である。
本発明においては、後述のとおり、BNC2遺伝子を過剰発現する胚の多くは側弯症を示し、いくつかは重篤な体節奇形となることが示された。したがって、BNC2の発現を低下させる活性を指標にして薬剤をスクリーニングすることにより、側弯症の予防薬又は治療薬となりうる物質を得ることができる。
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子などが例示できる。これらのレポーター遺伝子をBNC2遺伝子のプロモーターに連結し、これを哺乳類細胞に遺伝子を導入するために用いられるプラスミドに組み込み、リポフェクションなどの通常の方法にて細胞にトランスフェクションする。
ができる。レポーター遺伝子の発現量はレポーター遺伝子の種類にもよるが、蛍光強度や発光強度、放射能強度などによって測定することができる。
本発明はまた、BNC2遺伝子のmRNAまたはタンパク質の発現量を測定する工程を含む、側弯症の検査方法(検査データを得る方法)を提供する。BNC2遺伝子のmRNAまたはタンパク質の発現量が健常人などの対照と比べて増加している場合、側弯症に罹患している、または側弯症の危険性が高いと判定することができる。本発明の検査方法においては、発現量を測定する試料を検査対象者から得る工程をさらに含めてもよい。
検査に用いる試料としては、血液、尿、髄液等の体液、子宮頸部や口腔粘膜などの細胞、毛髪等の体毛などが挙げられる。
配列番号2、3は、rs3904778のクローニング用フラグメントを示す。
配列番号4、5は、rs3850444のクローニング用フラグメントを示す。
配列番号6、7は、rs2383002のクローニング用フラグメントを示す。
配列番号8、9は、rs10738445のクローニング用フラグメントを示す。
配列番号10、11は、BNC2の定量的RT−PCRに用いたフォワードプライマーまたはリバースプライマーを、それぞれ示す。
配列番号12、13は、BNC2のPCRに用いたフォワードプライマーまたはリバースプラ
イマーを、それぞれ示す。
配列番号14は、rs3850444の前後100塩基を含む201塩基からなる配列を示す。
配列番号15は、rs2383002の前後100塩基を含む201塩基からなる配列を示す。
配列番号16は、rs10738445の前後100塩基を含む201塩基からなる配列を示す。
配列番号17、18は、BNC2遺伝子のcDNA配列およびBNC2蛋白質のアミノ酸配列を、それぞれ示す。
究する10の病院から、2009年2月〜2012年12月にわたって、GWASのために募集された。全ての患者は、側弯症専門の外科医による臨床的および放射線学的検査を受けた。GWASのために、11,144の対照群(7-96才)がバイオバンクジャパンプロジェクトおよびそれに関連するプロジェクトから、以前に記載したように集められた(Nature Genetics 46, (2014) 1012-1016、The BioBank Japan Project. Clin Adv Hematol Oncol 5, (2007) 696-697、Nature Genetics 44, (2012) 900-903)。
基準としてのハップマップデータに由来する、ヨーロッパ人(ユタ州の白人により代表される、CEU)、アフリカ人(イバダンからのヨルバ族に代表される、YRI)、東アジア人(東京からの日本人(JPT)および北京からの中国漢族(CHB)に代表される)を含む4つの基準集団を用いる主成分分析(PCA)を行った。JPT/CHBクラスターに属さない外れ値を有する人を特定するために上位2つの関連主成分(固有ベクトル)を用いて散布図をプロットした(図示せず)。次に、集団の下位構造をさらに評価するために患者群と対照群の遺伝子型の情報のみを使用するPCA分析を実施した。
連について調査された。起こり得る集団階層化を、予測P値(expected Pvalue)に対する
観察P値(observed P value)を使用して分位数‐分位数(Q‐Q)プロットを構築することにより検討し、各プラットフォームで1.06と0.97のゲノム拡張係数(genomic inflation factor)(λ値)を得た。このことは、集団構造に基づく偽陽性の関連である可能性や、潜在的関連性が低いことを意味している。
トファイルを用意した。GWASデータセットと0.16より大きい差を有する基準パネルとの間で、アレル頻度が同等であるSNPは、除外された。関連研究には、補完クオリティスコアRsq≧0.9のSNPが使用された。
を使用して、発見(discovery)と確認(validation)フェーズの複合解析のためのメタ
解析が実施され、2つのフェーズ間の異質性(heterogeneity)はBreslow-Dayテストにより評価され、P<0.05であるSNPは削除された。総計、2,109人の日本人AIS患者と11,140人のAIS患者でない対照群について、4,420789SNPの関連性を解析した。3部位がP < 5 × 10-8のゲノムワイド有意レベルを上回り、そのうちの2部位は以前に同定さ
れた10q24.31(Nature Genetics 43, (2011) 1237-1240)と6q24.1(Nature Genetics 45, (2013) 676-679)であった(表2)。
いてP < 1 × 10-5を上回った27SNPを選択し(表2)、以前記載されたように(Nature Genetics 45, (2013) 676-679)multiplex PCR-based Invader assay (Third Wave Technologies)を使用して、被検者を遺伝子型解析した。再現解析において、染色体9p22.2に存在するrs3904778SNPにより示される1部位についての関連の証拠を見いだした(P =
4.46 × 10-5 、ボンフェローニ補正後はP < 1.85 × 10-3;表3)。GWASと再現解析の結果を合わせると、rs3904778はP < 5 × 10-8のゲノムワイド有意性閾値に達した(複
合P = 5.08 × 10-11; OR = 1.21, 95% 信頼区間 (CI) = 1.14-1.28; 表3)。
の集団において再現された。全てのメタ解析のP値は2.46× 10-13で、ORは1.21であった (表3)。
たタンパク質である。マウスBnc2タンパクはヒトBNC2タンパクとは97.0%、ゼブラフィッシュとは60.8%の同一性を有する(Biochimie 93, 127-133 (2011))。BNC2は核スペックルに集まっており、mRNAの核プロセシングにおける機能を示唆している(Nature reviews. Molecular cell biology 4, 605-612 (2003))。マウスにおいて、Bnc2発現は卵巣、子宮、脳、および頭蓋顔面骨において観察されていた(Geno
mics 83, 821-833 (2004)、PNAS 101, 3468-3473 (2004)、PNAS 106, 14432-14437 (2009))。ゼブラフィッシュにおいては、Bnc2発現は卵巣および中枢神経系、すなわち知
覚神経節、後脳および眼において観察されていた(PLoS genetics 5, e1000744 (2009))。しかし、ヒト筋骨格組織におけるBNC2発現は調査されていなかった。そこで、定量的RT−PCRを用いて、種々のヒト組織におけるBNC2mRNAの発現を調査した(
表5)。その結果、BNC2は子宮と脊髄において最も多く発現しており、骨と軟骨がそ
れに続いた(図2)。
対して相互参照する発現の量的形質座位(eQTL)データにより、関連性を示したSNPの起こ
り得る機能的な効果を調査した(Yang, T.P., et al. Bioinformatics 26, 2474-2476 (2010))。rs10738445だけがデータベースにあり、その感受性アレルはBNC2発現レベルを顕著に増加させた(メキシコ人でP = 0.048)。また、関連を示すSNPと、ゲノムエレメントをアノテートしたDNAエレメントのエンサイクロペディア(エンコード)とのオーバーラッ
プを、UCSCゲノムブラウザを使用して評価した。rs3850444のみが、多数の組織にわたるDNase I-過敏性部位に位置した。3つのSNP(H1およびNHLF(正常ヒト肺線維芽
細胞)におけるrs3850444 とrs3904778、HSMM(ヒト骨格筋芽細胞)とNHLFにおけるrs10738445)は、エンハンサーヒストンマークを有していた。これらの発見は、SNPがBNC2
の転写活性を調節する可能性があることを示唆している。
結果は、rs10738445のリスクアレルはその配列が有するエンハンサー活性の増強によりAISと関連することを示唆した。他の細胞株(HEK293およびA172)を用いた試験も同様の結果
であった。
を使用して、HeLa細胞からの各抽出物を用いて電気泳動の移動度シフトアッセイ(EMSA)
を行った。その結果、リスクアレルを含むオリゴヌクレオチドに特異的なバンドが検出された(図3b)。次に、JASPARデータベースを使用して、リスクアレルに結合し得る転写因子を探したところ、rs10738445がYY1結合部位内に位置することを見出し、リスクアレル
と非リスクアレル間でその結合性が変化すると予測した。そこで、抗YY1抗体(Santa Cruz)を使用してEMSAを行ったところ、抗YY1抗体の付加によって、リスクアレル特異的なバンドはゲル上の上方へシフトした(図3b)。次に、ルシフェラーゼアッセイにより、rs10738445に対するYY1の効果を試験した。YY1発現ベクターは、そのコーディング配列をpcDNA3.1(+)にクローニングすることにより構築した。rs10738445レポーターベクターと、YY1発現ベクター又は空のpcDNA3.1(+)を、HeLa細胞にコトランスフェクションした。YY1発現ベクターは、リスクアレルおよび非リスクアレルのどちらに対しても、ルシフェラーゼ活性を有意に増加させた(図3c)。よって、YY1はrs10738445を含むエンハンサー配列に結合
し、BNC2発現を上方制御していることが確認された。
μl)と共に、RIKEN野生株(Danio Rerio、文部科学省のナショナルバイオリソースプロジ
ェクトにより供与された)の1細胞期胚(one-cell stage embryos)の中にコインジェク
ションした。βアクチンプロモーターの制御下でBNC2をゼブラフィッシュ胚において安定的に発現させ、受精後24〜72時間の間におけるトランスジェニックゼブラフィッシュ胚の初代(founder)を解析した。ゼブラフィッシュ胚におけるBNC2過剰発現は、異常な
体節形成(65%, n=150)および胚致死性(18%, n=41)を引き起こした。一方、EGFPを注入し
た対照の胚は、正常な発達を遂げた(図4a、b)。導入したBNC2遺伝子に由来する異常な胚の多くは側弯症を示し、いくつかは重篤な体節奇形を示し、一週間以内に死亡した。
配列をpcDNA3.1の中にクローニングし、キャップされたmRNAを合成し、そしてそれを10〜200pgの投与量で1細胞期胚に注入した。BNC2 mRNAの投与量増加は、側弯症および重篤な体節奇形の増加と関連しており、最も投与量が多い胚では色素形成の遅滞が示された(図
4c,d)。これらの結果は、BNC2発現の増加が側弯症の原因であることを強く示唆して
いる。
Claims (8)
- 第9染色体短腕22.2領域のBNC2遺伝子内に存在する一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて側弯症を検査することを特徴とする、側弯症の発症リスクおよび/または発症の有無の判定方法。
- 前記側弯症が、思春期特発性側弯症である、請求項1に記載の方法。
- 前記一塩基多型が、配列番号1に示す塩基配列の塩基番号101番目の塩基に相当する塩基、または該塩基と連鎖不平衡の関係にある塩基における一塩基多型である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記該塩基と連鎖不平衡の関係にある塩基における一塩基多型が、配列番号14に示す塩基配列の塩基番号101番目の塩基に相当する塩基、配列番号15に示す塩基配列の塩基番号101番目の塩基に相当する塩基、または配列番号16に示す塩基配列の塩基番号101番目の塩基に相当する塩基である、請求項3に記載の方法。
- 配列番号1に示す塩基配列において、塩基番号101番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有する側弯症検査用プローブ。
- 配列番号1に示す塩基配列において、塩基番号101番目の塩基を含む領域を増幅することのできる側弯症検査用プライマー。
- BNC2遺伝子またはBNC2遺伝子のプロモーターに連結されたレポーター遺伝子を発現する細胞に医薬候補物質を添加する工程、BNC2遺伝子またはレポーター遺伝子の発現量を測定する工程、及び前記発現量を低下させる物質を選択する工程を含む、側弯症の予防薬又は治療薬をスクリーニングする方法。
- BNC2遺伝子のmRNAまたはタンパク質の発現量を測定する工程を含む、側弯症の検査方法。
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