JP2016212373A - 画像表示装置 - Google Patents

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健富 徳原
Taketomi Tokuhara
健富 徳原
青児 西脇
Seiji Nishiwaki
青児 西脇
是永 継博
Tsuguhiro Korenaga
継博 是永
仁男 新保
Yoshio Shimbo
仁男 新保
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Abstract

【課題】高精細化を実現する画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置10は、2次元に配列された複数の発光エレメントを含み、各々が前記複数の発光エレメントの一部を含む複数の領域1a、1bを有する表示体1と、複数のレンズ3a、3bを含み、前記複数のレンズ3a、3bの各々が前記複数の領域1a、1bの1つに対応して位置し、前記複数の領域1a、1bの各々に表示された複数の画像をそれぞれ実像または虚像として結像するレンズアレイ3と、前記表示体1と電気的に接続され、前記複数の発光エレメントの各々の発光状態を制御する制御回路16であって、前記複数の発光エレメントのうち、第1部分の発光エレメントと、前記第1部分と異なる第2部分の発光エレメントとを異なるタイミングで発光させる制御回路16と、を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、画像表示装置に関する。
(1)水晶体の焦点調節、(2)両眼の視差(右眼による見え方と左眼による見え方の違い)、(3)両眼の輻輳(視線を交差させようとする両眼の動き)等の感覚によって、人間は映像を3次元的に認識できる。一般に、ゲーム機、テレビなどに使われるディスプレイは2次元の表示面を有する。その表示面に表示される画像(2次元像)を上記の(1)〜(3)の作用を利用することによって、3次元像としてユーザーに認識させることができる。特に、上記の(2)および(3)の作用を利用したディスプレイが商業化されている。例えば、特許文献1は、レンチキュラーレンズによる上記の(2)および(3)の作用を利用した構成を開示している。
図19は、特許文献1に開示された3次元画像表示装置を模式的に示す図である。液晶ディスプレイ等の2次元の発光体21は、多数の画素21Pで構成されている。画素21Pは、領域21Rおよび領域21Lの2つの領域に分割されている。発光体21の表面上には、レンチキュラーレンズ20が画素21Pの一つ一つに対応して配置されている。
レンチキュラーレンズ20の集光作用により、画素21P内の領域21Rで発生する光は集光点4Rに結像し、領域21Lで発生する光は集光点4Lに結像する。領域21Rと領域21Lとに視差を考慮した別々の画像が表示される。集光点4Rおよび集光点4Lのそれぞれに人間の右眼と左眼とを位置させれば、上記の(2)および(3)の効果により、画像が3次元の像として認識される。すなわち、右眼には領域21Rに表示される画像のみが感じられ、左眼には領域21Lに表示される画像のみが感じられる。これら2つの画像には視差情報が加えられている(両眼の視差)。右眼も左眼も発光体21の表面を注視することで視線が交差する(両眼の輻輳)。
特開平08−194273号公報
特許文献1に記載の3次元画像表示装置は、ユーザーへの視覚負担に関し改良の余地を有している。本開示の実施形態は、ユーザーへの視覚負担が少ない自然な画像、特に高精細な画像を表示することが可能な画像表示装置を提供する。
本開示の一態様に係る画像表示装置は、2次元に配列された複数の発光エレメントを含み、各々が前記複数の発光エレメントの一部を含む複数の領域を有する表示体と、複数のレンズを含み、前記複数のレンズの各々が前記複数の領域の1つに対応して位置し、前記複数の領域の各々に表示された複数の画像をそれぞれ実像または虚像として結像するレンズアレイと、前記表示体と電気的に接続され、前記複数の発光エレメントの各々の発光状態を制御する制御回路であって、前記複数の発光エレメントのうち、第1部分の発光エレメントと、前記第1部分と異なる第2部分の発光エレメントとを異なるタイミングで発光させる制御回路と、を備える。
本開示の他の態様に係る画像表示装置は、2次元に配列された複数の発光エレメントを含み、各々が前記複数の発光エレメントの一部を含む複数の領域を有する表示体と、複数のレンズを含み、前記複数のレンズの各々が前記複数の領域の1つに対応して位置し、前記複数の領域の各々に表示された複数の画像をそれぞれ実像または虚像として結像するレンズアレイと、前記レンズアレイと前記表示体との間に配置され、各々が前記複数の領域の1つに対応して配置された複数の電子シャッターと、前記複数の発光エレメントおよび前記複数の電子シャッターに電気的に接続され、前記複数の発光エレメントの発光状態および前記複数の電子シャッターの透光特性を制御する制御回路であって、前記複数の領域の1つに前記複数の画像の1つを表示させるタイミングに同期して、前記複数の電子シャッターのうち、前記複数の領域の1つに対応する電子シャッターを透光状態にし、前記複数の領域の1つに対応する前記電子シャッターに隣接する他の電子シャッターを遮光状態にする制御回路と、を備える。
本開示の一態様に係る画像表示装置によれば、画像を時間分割して表示することができるため、高精細な画像を表示できる。また、水晶体の焦点が調節されることによって像を認識できるため、ユーザーへの視覚負担が少ない。
図1は、実施形態1の画像表示装置における表示体、レンズ、制御回路、および表示画像の位置関係と、光路とを模式的に示す断面図である。 図2は、実施形態1における表示体、レンズ、制御回路、表示画像の位置関係を模式的に示す立体図である。 図3は、実施形態1における表示体の発光エレメントと、表示画像のピクセルの位置関係を模式的に示す断面図である。 図4Aは、実施形態1における制御回路の制御方法の一例を時間軸で示す図である。 図4Bは、実施形態1における制御回路の制御方法の一例を時間軸で示す図である。 図5は、実施形態1の変形例を示す立体図である。 図6は、ミラーレンズとビームスプリッタを用いる実施形態1の変形例における光路を示す断面図である。 図7は、実施形態1の変形例において、表示体、ビームスプリッタ、ミラーレンズ、および表示画像の位置関係を模式的に示す立体図である。 図8Aは、実施形態1の他の変形例を示す図である。 図8Bは、実施形態1における電子シャッターの構成を示す平面図である。 図9Aは、実施形態2の画像表示装置の構造を示す断面図である。 図9Bは、実施形態2の画像表示装置における表示体、レンズ、遮光体、および表示画像の位置関係および光路を模式的に示す図である。 図10Aは、遮光体の一例を示す図である。 図10Bは、遮光体の断面構造の一例を示す図である。 図10Cは、凹凸を有する遮光体の断面構造の一例を示す図である。 図10Dは、凹凸を形成するためのレジストパターンの一例を示す上面図である。 図10Eは、凹凸を形成するためのレジストパターンの一例を示す断面図である。 図10Fは、凹凸を形成するためのレジストパターンの他の例を示す断面図である。 図10Gは、遮光体の他の例を示す図である。 図11は、遮光体表面における反射特性を説明するための図である。 図12は、実施形態3の画像表示装置の構造と、表示体、レンズ、遮光体、および表示画像の位置関係および光路を模式的に示す断面図である。 図13は、実施形態3における表示体、レンズ、遮光体、および表示画像の位置関係を模式的に示す立体図である。 図14Aは、実施形態4における表示体、レンズ、2つの偏光子アレイ、および表示画像の位置関係を模式的に示す図である。 図14Bは、実施形態4における2つの偏光子アレイの構成を示す平面図である。 図15Aは、実施形態5における表示体、レンズ、電子シャッター、および表示画像の位置関係を模式的に示す図である。 図15Bは、実施形態5における制御の一例を説明するための図である。 図16Aは、実施形態5の第1の変形例を示す図である。 図16Bは、実施形態5の第2の変形例を示す図である。 図17Aは、実施形態5の第2の変形例における第1の状態を示す図である。 図17Bは、実施形態5の第2の変形例における第2の状態を示す図である。 図17Cは、実施形態5の第2の変形例における第3の状態を示す図である。 図17Dは、実施形態5の第2の変形例における第4の状態を示す図である。 図18Aは、実施形態5の第3の変形例における第1の状態を示す図である。 図18Bは、実施形態5の第3の変形例における第2の状態を示す図である。 図18Cは、実施形態5の第3の変形例における第3の状態を示す図である。 図18Dは、実施形態5の第3の変形例における第4の状態を示す図である。 図19は、従来の3次元画像表示装置の構造および光路を示す図である。 図20は、検討例の3次元画像表示装置における表示体、レンズ、表示画像の位置関係と、光路とを模式的に示す断面図である。 図21は、検討例1の表示体、レンズ、表示画像の位置関係を模式的に示す立体図である。 図22は、元画像のピクセルエレメントの配置を説明するための図である。 図23Aは、検討例における分割領域に表示された画像の中心、レンズの中心、および表示画像の中心の位置関係を示す図である。 図23Bは、z軸のプラス側からz軸に沿って見た、検討例における分割領域に表示された画像の中心、レンズの中心、および表示画像の中心の位置関係を示す図である。 図24Aは、検討例の変形例における分割領域に表示された画像の中心、レンズの中心、および表示画像の中心の位置関係を示す図である。 図24Bは、z軸のプラス側からz軸に沿って見た、検討例の変形例における分割領域に表示された画像の中心、レンズの中心、および表示画像の中心の位置関係を示す図である。 図24Cは、z軸のプラス側からz軸に沿って見た、検討例の他の変形例における分割領域に表示された画像の中心、レンズの中心、および表示画像の中心の位置関係を示す図である。 図25は、検討例2における表示体、レンズ、表示画像の位置関係を模式的に示す立体図である。 図26Aは、検討例1、2の表示画像における、ピクセル像の輝度分布を例示する図である。 図26Bは、検討例1、2の表示画像における、ピクセル像の輝度分布の重なりを示す図である。 図27は、検討例3の3次元画像表示装置の構造と、表示体、レンズ、表示画像の位置関係および光路を模式的に示す断面図である。 図28は、検討例3の表示体、レンズ、表示画像の位置関係を模式的に示す立体図である。
本開示の実施形態を説明する前に、従来技術を改良し、検討を重ねた内容(検討例)を説明する。
特許文献1の3次元画像表示装置によれば、ユーザーの目のピント(焦点)は、発光体21の表面に合わせられる。一方、視線の交差点は、立体像の位置にあり、発光体21の表面からずれている。水晶体の焦点が調節される位置と両眼の視差が交差する位置とが原理的に一致しない。このため、不自然な見え方がして、ユーザーへの視覚負担が大きい。この従来例の改良として、本発明者らは、複数のレンズを用いて異なる位置に虚像を結像させる構成(検討例)を検討した。以下、これらの検討例について、図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一または対応する構成要素には同一の参照符号を付している。
(検討例1)
図20および図21は、検討例における画像表示装置10の構成を模式的に示す図である。この画像表示装置10は、表示体1と、レンズアレイ3とを備えている。図20および図21には、一例として、4つのレンズ3a〜3dを有するレンズアレイ3が示されているが、レンズアレイ3に含まれるレンズの数は2個以上であればよい。添付の図面において、xy平面は表示体1の表示面に平行な平面である。y軸正方向は表示体1および画像表示装置10の上方向に相当する。z軸はxy平面に直交しており、z軸方向は表示体1の厚さ方向すなわち画像表示装置10の前後方向に相当する。z軸正方向が、画像表示装置10の前方(表示体1からユーザー4に向かう方向)に相当する。
表示体1は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどのディスプレイである。図21に示すように、表示体1は、表示面上に2次元に配列された複数の発光エレメント(丸、六角形、五角形、および四角形で表現)を有する。本検討例では、x方向に8個、y方向に8個の合計64個の発光エレメントが配列されている。合計64個の発光エレメントの配列によって基本領域2(4つの分割領域2a、2b、2c、2dの集合)が構成される。基本領域2は、表示体1の画像を表示する表示面の一部または全体である。基本領域2が表示面の一部である場合、基本領域2と同じ領域がx方向およびy方向に複数配列されて1つの表示面を構成する。これにより、大画面に対応した表示画像を形成できる。発光エレメントは、表示体1の画素またはカラー画素などの、表示される画像の最小単位であり得る。あるいは、同一形状の複数の画素またはカラー画素の集合を1つの発光エレメントとして扱ってもよい。
2次元に配列された複数の発光エレメントによって構成される基本領域2は、複数の分割領域2a、2b、2c、2dに分割されている。各分割領域は、複数の発光エレメントを含む。基本領域2に含まれる分割領域の数、および各分割領域に含まれる発光エレメントの数は、特に制限されない。本検討例では、各分割領域は、x方向に4個、y方向に4個の合計16個の発光エレメントを含む。4個の分割領域2a〜2dは、複数の発光エレメントの発光により、それぞれ個別に画像1a〜1dを表示する。なお、図20には、画像1a〜1dのうち、画像1a、1bのみが描かれている。ユーザー4から見て画像1a、1bの右側に、画像1c、1dもそれぞれ形成される。
図22は、表示体1に表示される画像の元画像11を示している。元画像11は、x方向に8個、y方向に8個のピクセルエレメントが配列された合計64個のピクセルエレメントによって構成される。これらのピクセルエレメントのうち、x方向およびy方向のそれぞれについて、ピクセル11a(丸で表示)は一つ置きに並んでいる。同様に、ピクセル11b(六角形で表示)、ピクセル11c(五角形で表示)、ピクセル11d(四角形で表示)もそれぞれ一つ置きに並んでいる。ピクセル11aの群によって構成される画像は、間を詰めて分割領域2aの発光エレメントによって表示される。ピクセル11bの群によって構成される画像は、間を詰めて分割領域2bの発光エレメントによって表示される。ピクセル11cの群によって構成される画像は、間を詰めて分割領域2cの発光エレメントによって表示される。ピクセル11dの群によって構成される画像は、間を詰めて分割領域2dの発光エレメントによって表示される。
レンズアレイ3は、表示体1の表面に近接して配置される。レンズアレイ3は、分割領域2a〜2dにそれぞれ対応して配置された個別のレンズ3a、3b、3c、3dを含む。ここで、1つの分割領域と1つのレンズとが「対応する」とは、その分割領域から出射した光束の多く(例えば半分以上)がそのレンズに入射する関係にあることを意味する。例えば、1つの分割領域と1つのレンズとが対向して配置されている場合には、両者は対応するといえる。分割領域とレンズとの間にミラーまたはビームスプリッタなどの光学系が挿入されることによって光線の経路が変化する場合には、分割領域とレンズとが対向する関係にはない。しかし、このような場合でも、ある分割領域から出射した光束の多くがそのレンズに入射する場合には、両者は対応する。
これらのレンズ3a〜3dの焦点距離(=f)は全て同じである。レンズ3a〜3dの各々と表示体1との距離をaとすると、f>aの関係を満たしている。したがって、レンズ3a〜3dは、分割領域2a〜2dにそれぞれ表示された画像1a〜1dを虚像として結像させる。画像1a〜1dの虚像が互いに重なるようにレンズ3a〜3dの位置が調整されている。画像1a〜1dの虚像は互いに重なって表示画像5を形成する。表示画像5は表示画像5a〜5dによって構成される。表示画像5a〜5dは、それぞれ画像1a〜1dの虚像である。表示画像5a〜5dの各々を構成する個々のピクセル虚像(図21において、それぞれ丸、六角形、五角形、四角形で表示)は、像面上で一つおきに並ぶ。それぞれのピクセル虚像は互いに隙間を埋めあうように配列される。全体として、表示画像5の並びは元画像11のピクセルの並びと同じになる。
ここで、図23Aおよび23Bを参照して、1つの分割領域に表示された画像の中心位置とレンズの中心位置との関係を説明する。図23Aは、一例として、レンズ3aと、それに対応する分割領域2aに表示された画像1aと、表示画像5aとの位置関係を模式的に示している。レンズ3aと画像1aとの距離をa、レンズ3aと表示画像5aとの距離をbとする。レンズ公式から、画像1aの中心1Aと、レンズ3aの中心3Aと、表示画像5aの中心5Aとは、一直線上に並ぶ。同様に、画像1bの中心1Bと、レンズ3bの中心3Bと、表示画像5bの中心5B(=5A)とは、一直線上に並ぶ。画像1cの中心1Cと、レンズ3cの中心3Cと、表示画像5cの中心5C(=5A)とは、一直線上に並ぶ。画像1dの中心1Dと、レンズ3dの中心3Dと、表示画像5dの中心5D(=5A)とは、一直線上に並ぶ。
図23Bは、z軸(光軸)のプラス側からz軸に沿って見た画像1a〜1dの中心1A〜1Dと、レンズ3a〜3dの中心3A〜3Dと、表示画像5a〜5dの中心5A〜5Dとの位置関係を模式的に示している。画像1aと、レンズ3aと、表示画像5aとをz軸に沿って見たとき、レンズ3aの中心3A、画像1aの中心1A、表示画像5aの中心5Aは、直線La上に並ぶように配置されている。同様に、画像1bと、レンズ3bと、表示画像5bとをz軸に沿って見たとき、レンズ3bの中心3B、画像1bの中心1B、表示画像5bの中心5B(=5A)は、直線Lb上に並ぶように配置されている。画像1cと、レンズ3cと、表示画像5cとをz軸に沿って見たとき、レンズ3cの中心3C、画像1cの中心1C、表示画像5cの中心5C(=5A)は、直線Lc上に並ぶように配置されている。画像1dと、レンズ3dと、表示画像5dとをz軸に沿って見たとき、レンズ3dの中心3D、画像1dの中心1D、表示画像5dの中心5D(=5A)は、直線Ld上に並ぶように配置されている。
なお、レンズ3a〜3dは、必ずしも隣接しなくてもよい。図24Aおよび24Bは、レンズ3a〜3dの間に別のレンズ3eが挟まれた構成例を示す図である。この構成例では、4行4列に配列された16個の分割領域のうち、1行1列目、1行3列目、3行1列目、3行3列目の分割領域が、分割領域2a、2b、2c、2dにそれぞれ該当する。他の分割領域上には、レンズ3a〜3dと同一または異なる焦点距離を有する別の複数のレンズが設けられ得る。レンズ3a〜3dと同一の焦点距離を有する別の複数のレンズが設けられる場合、それらのレンズとレンズ3a〜3dとが相補的に1つの表示画像を形成するように構成してもよい。図24Cは、複数の分割領域および複数のレンズの他の配列例を示している。図24Cの例では、レンズ3a、3cがx方向に2つおきに配置され、レンズ3b、3dがx方向に1つおきに配置されている。レンズ3a〜3dの配置間隔は一定でなくてもよい。図24Bおよび24Cの例において、対応するレンズが設けられていない分割領域が存在していてもよい。
この場合も、図24Aに示すように、画像1a(または1b、1c、1d)の中心1A(または1B、1C、1D)、レンズ3a(または3b、3c、3d)の中心3A(または3B、3C、3D)、および表示画像5a(または5b、5c、5d)の中心5A(=5B=5C=5D)は、一直線上に並ぶ。また、図24Bおよび24Cに示すように、z軸正方向から見たとき、レンズ3a(または3b、3c、3d)の中心3A(または3B、3C、3D)、画像1a(または1b、1c、1d)の中心1A(または1B、1C、1D)、表示画像5a(または5b、5c、5d)の中心5A(=5B=5C=5D)は直線La(またはLb、Lc、Ld)上に並ぶように配置されている。
y軸方向において、レンズ3aの中心3Aと表示画像5aの中心5Aとの距離をh2、画像1aの中心1Aと表示画像5aの中心5Aとの距離をh1とすると、以下の(式1)の関係が成立する。画像1b、画像1c、および画像1dについても同様である。
(式1)h1/h2=(b−a)/b
(式1)に従って、レンズまたは表示体をx、y、z方向に移動させてレンズの中心と分割領域に表示された画像の中心とを移動させることにより、表示画像の位置を自由に調整できる。これにより、複数の分割領域に表示された画像を同一像面上で重ねて結像させ、図22に示す元画像11と同じピクセル配列の表示画像5を形成することができる。
上記の様にして形成された表示画像5a、5b、5c、5dは、ユーザー4の目から見て実際にその位置に結像している画像である。本検討例では、表示面に表示された画像からユーザーによって視認される表示画像を1つのレンズを用いて形成する従来の構成と比較して、個々のレンズ3a〜3dのサイズを小さくすることができる。このため、各レンズの焦点距離を短くすることができ、装置の小型化および薄型化を図ることができる。
(検討例2)
次に、他の検討例を説明する。
図25は、4行4列に配列された16個の分割領域において、焦点距離faのレンズ3a〜3dと、faとは異なる焦点距離fbをもつレンズ3’a〜3’dを配置した場合の構成例を示す図である。ここで、レンズ3a〜3d、3’a〜3’dの各々の焦点距離は、上記の様に、従来の構成におけるレンズの焦点距離よりも短い。各レンズ3a〜3d、3’a〜3’dと表示体1との距離をaとすると、焦点距離fa、fbは、それぞれ、fa>a、fb>aの関係を満たしている。レンズ3a〜3dは、それぞれが対応する分割領域2a〜2dに表示された画像1a〜1dを、以下の(式2)で定まる距離baだけレンズ3a〜3dから−z方向に離れた位置に、虚像5として結像させる。レンズ3’a〜3’dは、分割領域2’a〜2’dに表示された画像1’a〜1’dを、以下の(式3)で定まる距離bbだけレンズ3’a〜3’dから−z方向に離れた位置に虚像5’として結像させる。
(式2)ba=fa×a/(fa−a)
(式3)bb=fb×a/(fb−a)
fbはfaとは異なるので、表示画像5と5’が形成される位置も、表示体1の厚さ方向L(z方向)において異なる。すなわち、ユーザー4の目のピント(焦点)は、表示画像5と5’の位置に合わせられる。その結果、画像表示装置10は、ユーザー4に対して距離感の異なる複数の表示画像を知覚させることができる。これにより、例えば、ユーザー4の目から相対的に遠い位置に形成される表示画像5に背景画像を割り当て、ユーザー4の目に相対的に近い位置に形成される表示画像5’に人物などのオブジェクトの画像を割り当てるといった使用法が可能である。
なお、この例におけるレンズ3a〜3dとレンズ3’a〜3’dとの組み合わせは、異なる焦点距離をもつレンズの組み合わせの一例にすぎない。レンズアレイ3を、焦点距離がそれぞれ異なる3つ以上のレンズ群に分けてもよい。また、各レンズ群における同じ焦点距離をもつ複数のレンズの組み合わせおよび配列の態様も上記の例に限定されない。
このような画像表示装置10は、ユーザー4の右眼および左眼の一方または両方に対応して配置され得る。ユーザー4の両眼に対応して2つの画像表示装置10が配置される場合、それらの画像表示装置10における表示体1には、左右の眼の視差を考慮した異なる画像が表示される。これにより、ユーザー4は、立体画像を知覚することができる。
検討例1、2では、単眼で見る場合でも(1)水晶体の焦点調節の条件を満足する。両眼で見る場合では更に(2)両眼の視差、(3)両眼の輻輳の条件も満たしている。このため、遠近差が水晶体の焦点調節で行われるので自然に感じられる。両眼で見る場合でもピントの位置と両眼の視線が交差する位置とが一致するので、ユーザー4への視覚負担が少ない。
なお、検討例1、2では、光を屈折させるレンズアレイを用いて説明したが、これらは複数の分割領域に対応して配置され、各々が複数の分割領域からの光を反射して虚像を形成する複数のミラーレンズのアレイとしてもよい。
以上、従来技術を改良した検討例1、2を説明した。しかしながら、これらの検討例では元画像11を高精細に表示できないという課題があった。これを図26Aと図26Bを参照して説明する。
図26Aは、表示画像5aを構成するピクセル像の一部であるa1〜a4の輝度分布の例を示している。輝度分布の形状は、用いられる表示体1およびレンズアレイ3の特性によって決まる。表示画像5a〜5dの輝度分布は、ある部分において図26Aとほぼ同一の分布をもつ。表示画像5aと5bは、互いのピクセル虚像の隙間を埋めあうように配列される。このため、表示画像5aと5bを同時に表示したときの輝度分布は、図26Bのようになる。表示画像5aと5bは、互いにピクセル像の輝度分布が重なり合う領域をもつ。表示画像5aと5bが互いに近い輝度値を有していれば、重なり領域の中央で輝度が高くなる。このような場合においては、ピクセル虚像a1〜a4の本来のピークが埋もれてしまうため、元画像11の精細度が低下して見えることになる。
(検討例3)
図27および図28は、第3の検討例における画像表示装置10の構成を模式的に示す図である。この画像表示装置10は、表示体1と、レンズアレイ3とを備えている。図27および図28には、一例として、4つのレンズ3a〜3dを有するレンズアレイ3が示されているが、レンズアレイ3に含まれるレンズの数は2個以上であればよい。
これらのレンズ3a〜3dは、焦点距離が互いに異なっている。レンズ3a、3b、3c、および3dの焦点距離は、それぞれ、fa、fb、fc、fdである。各レンズ3a〜3dと表示体1との距離をaとすると、焦点距離は、それぞれ、fa>a、fb>a、fc>a、およびfd>aの関係を満たしている。レンズ3aは、分割領域2aに表示された画像1aを、以下の(式4)で定まる距離baだけレンズ3aから−z方向に離れた位置に虚像5aとして結像させる。レンズ3bは、分割領域2bに表示された画像1bを、以下の(式5)で定まる距離bbだけレンズ3bから−z方向に離れた位置に虚像5bとして結像させる。レンズ3cは、分割領域2cに表示された画像1cを、以下の(式6)で定まる距離bcだけレンズ3cから−z方向に離れた位置に虚像5cとして結像させる。レンズ3dは、分割領域2dに表示された画像1dを、以下の(式7)で定まる距離bdだけレンズ3dから−z方向に離れた位置に虚像5dとして結像させる。
(式4)ba=fa×a/(fa−a)
(式5)bb=fb×a/(fb−a)
(式6)bc=fc×a/(fc−a)
(式7)bd=fd×a/(fd−a)
なお、図28では、表示画像5aと5c、5bと5dのz方向の表示位置を揃えて示しているが、この例のように、一部または全ての表示画像のz方向の表示位置が揃っていてもよい。レンズ3a〜3dの焦点距離fa〜fdが異なる場合、表示画像5a〜5dが形成される位置も、分割領域毎に表示体1の厚さ方向L(z方向)において異なる。その結果、画像表示装置10は、ユーザー4に対して距離感の異なる複数の表示画像を知覚させることができる。これにより、例えば、ユーザー4の目から相対的に遠い位置に形成される表示画像に背景画像を割り当て、ユーザー4の目に相対的に近い位置に形成される表示画像に人物などのオブジェクトの画像を割り当てるといった使用法が可能である。
本検討例では、表示画像5a〜5dが、互いのピクセル虚像の隙間を埋めあうようには配列されていないので、図26Aおよび図26Bを参照して説明した問題は生じにくい。しかし、ユーザー4の位置から見ると、各レンズを通して、そのレンズに対応しない隣接する分割領域に表示された画像も見える。例えば、レンズ3bを覗くと、分割領域2bの画像1bだけでなく隣接する分割領域2aの画像1aも見える。すなわち、ユーザー4は、距離感の異なる複数の表示画像(図27の例では画像5a、5b)だけでなく、これらの表示画像に隣接する不要な画像(図27の例では5a’、5b’)も見えてしまう。不要な画像5a’は、レンズ3bから覗ける分割領域2a上の画像1aに対する虚像である。不要な画像5b’は、レンズ3aから覗ける分割領域2b上の画像1bに対する虚像である。このように、検討例3の構成では、分割領域間のクロストークが発生する。
本発明者らは、検討例1〜3における上記の課題の少なくとも1つを解決し、より高精細な画像の表示を可能にする新規な構成に想到した。
本開示は、以下の項目に記載の画像表示装置を含む。
[項目1]
2次元に配列された複数の発光エレメントを含み、各々が前記複数の発光エレメントの一部を含む複数の領域を有する表示体と、
複数のレンズを含み、前記複数のレンズの各々が前記複数の領域の1つに対応して位置し、前記複数の領域の各々に表示された複数の画像をそれぞれ実像または虚像として結像するレンズアレイと、
前記表示体と電気的に接続され、前記複数の発光エレメントの各々の発光状態を制御する制御回路であって、前記複数の発光エレメントのうち、第1部分の発光エレメントと、前記第1部分と異なる第2部分の発光エレメントとを異なるタイミングで発光させる制御回路と、
を備える画像表示装置。
[項目2]
前記複数の画像の実像または虚像は、互いに補間される位置に形成される、項目1に記載の画像表示装置。
[項目3]
前記制御回路は、前記複数の領域の1つにおける前記複数の発光エレメントの前記一部のうち、互いに隣接する位置にある2つの発光エレメントを異なるタイミングで発光させる、項目1または項目2に記載の画像表示装置。
[項目4]
前記制御回路は、前記複数の領域のうちの1つにおける前記複数の発光エレメントの前記一部と、他の領域内の前記複数の発光エレメントの前記一部とを異なるタイミングで発光させる、項目1または項目2に記載の画像表示装置。
[項目5]
前記レンズアレイと前記表示体との間に配置され、各々が前記複数の領域の1つに対応して位置する複数の電子シャッターをさらに備え、
前記制御回路は、前記複数の電子シャッターに接続され、前記複数の電子シャッターの各々の透光特性を制御し、前記複数の発光エレメントの前記一部を発光させるタイミングに同期して、前記複数の電子シャッターのうち、前記一部の発光エレメントに対応する一部の電子シャッターを透光状態にし、他の電子シャッターを遮光状態にする、
項目4に記載の画像表示装置。
[項目6]
ビームスプリッタをさらに備え、
前記レンズアレイは、前記複数の領域からの光を反射し、虚像を形成するミラーレンズアレイであり、
前記ビームスプリッタは、前記表示体と前記ミラーレンズアレイとの間に配置され、前記光の一部を前記ミラーレンズアレイの方向に透過し、前記ミラーレンズアレイからの反射光の一部をユーザーの観察眼の方向に反射する、項目1から5のいずれかに記載の画像表示装置。
[項目7]
2次元に配列された複数の発光エレメントを含み、各々が前記複数の発光エレメントの一部を含む複数の領域を有する表示体と、
複数のレンズを含み、前記複数のレンズの各々が前記複数の領域の1つに対応して位置し、前記複数の領域の各々に表示された複数の画像をそれぞれ実像または虚像として結像するレンズアレイと、
前記レンズアレイと前記表示体との間に配置され、各々が前記複数の領域の1つに対応して配置された複数の電子シャッターと、
前記複数の発光エレメントおよび前記複数の電子シャッターに電気的に接続され、前記複数の発光エレメントの発光状態および前記複数の電子シャッターの透光特性を制御する制御回路であって、前記複数の発光エレメントの前記発光状態を制御することにより前記複数の領域の1つに前記複数の画像の1つを表示させるタイミングに同期して、前記複数の電子シャッターのうち、前記複数の領域の1つに対応する電子シャッターを透光状態にし、前記複数の領域の1つに対応する前記電子シャッターに隣接する他の電子シャッターを遮光状態にする制御回路と、
を備える画像表示装置。
[項目8]
前記制御回路は、前記複数の領域の1つに前記複数の画像の1つを表示させるとき、隣接する他の領域にも跨って前記複数の画像の1つを表示させる、項目7に記載の画像表示装置。
[項目9]
前記複数のレンズの各々と対応する前記複数の領域の1つとの間の光学的距離が前記複数のレンズの各々の焦点距離とは異なる、項目7に記載の画像表示装置。
[項目10]
複数の発光エレメントを有するディスプレイと、
前記ディスプレイの表示面から出射する光束の経路上に配置された複数のレンズを含むレンズアレイであって、各レンズが前記表示面に含まれる複数の分割領域の1つに対応して配置され、前記レンズと前記分割領域との間の光学的距離が前記レンズの焦点距離とは異なる、レンズアレイと、
前記ディスプレイと前記レンズアレイとの間に配置され、各々が前記複数の分割領域の1つに対応して配置された複数の電子シャッターと、
前記複数の発光エレメントおよび前記複数の電子シャッターに電気的に接続され、前記複数の発光エレメントの発光状態および前記複数の電子シャッターの透光特性を制御する制御回路であって、前記複数の分割領域の1つに画像を表示させるタイミングに同期して、前記複数の電子シャッターのうち、前記分割領域の1つに対応する電子シャッターを透光状態にし、前記電子シャッターに隣接する他の電子シャッターを遮光状態にする制御回路と、
を備える画像表示装置。
[項目11]
前記制御回路は、前記複数の分割領域の1つに前記画像を表示させるとき、隣接する他の分割領域にも跨って前記画像を表示させる、項目10に記載の画像表示装置。
[項目12]
2次元に配列された複数の発光エレメントを有し、前記複数の発光エレメントの配列によって構成される表示面が複数の分割領域に分割されている表示体と、
複数のレンズを有し、前記複数のレンズの各々が前記複数の分割領域の1つに対応して配置され、前記複数の分割領域の各々に表示された画像から、実像又は虚像を形成するレンズアレイと、
前記レンズアレイと前記複数の発光エレメントとの間に配置され、前記複数の分割領域の各々から、対応しないレンズに向かう光線の経路上に配置された遮光性の隔壁と、
を備える画像表示装置。
[項目13]
前記隔壁は、前記表示面に垂直な面に対して傾斜する面をもつ凹凸を有する、項目12に記載の画像表示装置。
[項目14]
前記隔壁の表面積の半分以上は前記傾斜する面で占められている、項目13に記載の画像表示装置。
[項目15]
前記凹凸は、前記表示面に略平行にストライプ状に延びた構造を有する、項目13または14に記載の画像表示装置。
[項目16]
2次元に配列された複数の発光エレメントを有し、前記複数の発光エレメントの配列によって構成される表示面が複数の分割領域に分割されている表示体と、
複数のレンズを有し、前記複数のレンズの各々が前記複数の分割領域の1つに対応して配置され、前記複数の分割領域の各々に表示された画像から、実像又は虚像を形成するレンズアレイと、
前記表示体と前記レンズアレイとの間に配置され、各々が前記複数の分割領域の1つに対応して配置された複数の第1の直線偏光子を有し、隣接する2つの第1の直線偏光子の偏光方向が略直交している第1の偏光子アレイと、
前記第1の偏光子アレイと前記レンズアレイとの間に配置され、各々が前記複数の分割領域の1つに対応して配置された複数の第2の直線偏光子を有し、隣接する2つの第2の直線偏光子の偏光方向が略直交する第2の偏光子アレイと、
を備え、
同一の前記分割領域に対応する前記第1の直線偏光子の偏光方向と前記第2の直線偏光子の偏光方向とは、略同一である、
画像表示装置。
[項目17]
ディスプレイと、
前記ディスプレイの表示面から出射する光束の経路上に配置された複数のレンズを含むレンズアレイであって、各レンズが前記表示面に含まれる複数の分割領域の1つに対応して配置され、前記レンズと前記分割領域との間の光学的距離が前記レンズの焦点距離とは異なる、レンズアレイと、
各レンズに対応する前記分割領域から、対応しないレンズに向かう光線の経路上に配置された遮光性の隔壁と、
を備える画像表示装置。
[項目18]
ディスプレイと、
前記ディスプレイの表示面から出射する光束の経路上に配置された複数のレンズを含むレンズアレイであって、各レンズが前記表示面に含まれる複数の分割領域の1つに対応して配置され、前記レンズと前記分割領域との間の光学的距離が前記レンズの焦点距離とは異なる、レンズアレイと、
前記ディスプレイと前記レンズアレイとの間に配置され、各々が前記複数の分割領域の1つに対応して配置された複数の第1の直線偏光子を有し、隣接する2つの第1の直線偏光子の偏光方向が略直交している第1の偏光子アレイと、
前記第1の偏光子アレイと前記レンズアレイとの間に配置され、各々が前記複数の分割領域の1つに対応して配置された複数の第2の直線偏光子を有し、隣接する2つの第2の直線偏光子の偏光方向が略直交する第2の偏光子アレイと、
を備え、
同一の前記分割領域に対応する前記第1の直線偏光子の偏光方向と前記第2の直線偏光子の偏光方向とは、略同一である、
画像表示装置。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一または対応する構成要素には同一の参照符号を付している。なお、以下の説明は、本開示の一例に関するものであり、本開示はこれらによって限定されるものではない。
(実施形態1)
図1および図2は、実施形態1における画像表示装置10を模式的に示す図である。この画像表示装置10は、表示体1と、制御回路16と、レンズアレイ3とを備えている。本実施形態では、画像表示装置10が複数の発光エレメントの各々の発光状態を制御する制御回路16を備えている点で、検討例1とは異なる。制御回路16を設けることにより、表示画像の画質の低下を抑制できる。この点を除き、本実施形態の構成は、検討例の構成と同じである。したがって、以下では、重複する内容についての説明を省略する場合がある。
表示体1は、例えば、透過型の液晶ディスプレイ、反射型の液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイなどである。図2に示すように、表示体1は、表示面上に2次元に配列された複数の発光エレメント(丸、六角形、五角形、および四角形で表示)を有する。本実施形態では、x方向に8個、y方向に8個の合計64個の発光エレメントが配列されている。合計64個の発光エレメントの配列によって基本領域2が構成される。基本領域2は、表示体1の画像を表示する表示面の一部または全体である。基本領域2が表示面の一部である場合、基本領域2と同じ領域がx方向およびy方向に複数配列されて1つの表示面を構成する。これにより、大画面に対応した表示画像を形成できる。発光エレメントは、表示体1の画素、カラー画素、または、同一形状の複数の画素もしくはカラー画素の集合であり得る。
2次元に配列された複数の発光エレメントによって構成される基本領域2は、複数の分割領域2a、2b、2c、2dに分割されている。各分割領域は、複数の発光エレメントを含む。基本領域2に含まれる分割領域の数、および各分割領域に含まれる発光エレメントの数は、特に制限されない。本実施形態では、各分割領域は、x方向に4個、y方向に4個の合計16個の発光エレメントを含む。4個の分割領域2a〜2dは、発光エレメントの発光により、それぞれ個別に画像1a〜1dを表示する。
レンズアレイ3は、表示体1の表面に近接して配置される。レンズアレイ3は、分割領域2a〜2dにそれぞれ対応して配置された個別のレンズ3a、3b、3c、3dを含む。これらのレンズ3a〜3dの焦点距離(=f)は全て同じである。レンズ3a〜3dの各々と表示体1との距離をaとすると、f>aの関係を満たしている。したがって、レンズ3a〜3dは、分割領域2a〜2dにそれぞれ表示された画像1a〜1dを虚像として結像させる。それぞれの虚像が互いに重なるようにレンズ3a〜3dの位置が調整されている。これにより、表示画像5a〜5dの各々を構成する個々のピクセル虚像(それぞれ丸、六角形、五角形、四角形で表示)は、像面上で一つおきに並ぶ。それぞれのピクセル虚像が互いに隙間を埋めあうように配列される。全体として、表示画像(虚像)5の並びは図22に示す元画像11と同じピクセルの並びになる。
(式1)に従って、レンズまたは表示体をx、y、z方向に移動させてレンズの中心と分割領域に表示された画像の中心とを移動させることにより、表示画像の位置を自由に調整できる。これにより、複数の分割領域に表示された画像を同一像面上で重ねて結像させ、図22に示す元画像11と同じピクセル配列の表示画像5を形成することができる。
続いて、制御回路16の動作について説明する。制御回路16は、図2に示すように、表示体1に電気的に接続され、複数の発光エレメントの各々の発光を制御する。制御回路16の制御対象には、複数の発光エレメントによって形成される単一、または複数の画像が含まれる。ここでは、図2に示す分割領域2a、2b、2c、2dにそれぞれ表示される分割画像1a、1b、1c、1dを構成する複数の発光エレメントの発光を制御する場合を例に説明する。
図3は、分割画像1a、1b、1c、1dのうち、それらを構成する複数の発光エレメントの一部を示している。すなわち、図3に示す発光エレメントa1〜a4は分割画像1aを構成する発光エレメントの一部(2×2の発光エレメントで表示)であり、他も同様である。
図4Aと図4Bは、発光エレメントa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4を、制御回路16によってどのタイミングで表示させるかを時間を軸として模式的に例示する図である。図4Aは、分割領域2a内の発光エレメントa1〜a4を同じタイミングで発光させ、他の分割領域2b〜2d内の発光エレメントb1〜b4、c1〜c4、d1〜d4とは異なるタイミングで発光させる場合の例を示す。この例では同様に、分割領域2b内の発光エレメントb1〜b4は同じタイミングで発光し、他の分割領域内の発光エレメントとは異なるタイミングで発光する。分割領域2c内の発光エレメントc1〜c4、及び分割領域2d内の発光エレメントd1〜d4についても同様である。これは、例えば分割画像1a〜1dをそれぞれ時間軸でタイミングをずらして表示する場合を含む。この例では、制御回路16は、複数の分割領域のうちの1つの分割領域に含まれる複数の発光エレメントと、他の分割領域に含まれる複数の発光エレメントとを異なるタイミングで発光させる。
図4Bは、異なる分割領域にある発光エレメントa1、b1、c1、d1を同じタイミングで発光させ、同じ分割領域内において、これらに隣接する位置にある他の発光エレメントa2〜a4、b2〜b4、c2〜c4、d2〜d4とは異なるタイミングで発光させる場合の例を示す。この表示方法は、例えば、発光エレメントa1、a2、a3、a4がカラー画素である場合に用いられる。具体的には、発光エレメントa1、a2、a3、a4がそれぞれ赤、緑、緑、青の画素である場合に用いられ得る。他の発光エレメントb1〜b4、c1〜c4、d1〜d4についても同様である。この例では、制御回路16は、複数の分割領域のうちの1つに含まれる複数の発光エレメントのうち、互いに隣接する位置にある2つの発光エレメントを異なるタイミングで発光させる。
このようにして、複数の発光エレメントのうち、一部の発光エレメントと他の一部の発光エレメントとを異なるタイミングで表示させることで、ピクセル像同士の輝度分布の重なりが低減される。これを周期的に、高速で切り替えることで、ユーザー4には各分割画像1a〜1dがそれぞれ高精細に投影されると共に、ユーザー4には分割画像1a〜1dが合成されて元画像11(図22)が知覚されるようになる。
なお、レンズアレイ3は、検討例2のように、異なる焦点距離をもつ複数のレンズを含んでいてもよい。あるいは、表示体1から各レンズの主面までの距離が異なる複数のレンズの組み合わせを含んでいてもよい。
図5は、検討例2のように、分割領域を4×4とし、これらの分割領域に対応する4×4のレンズアレイ3を有する画像表示装置10を模式的に示す図である。この例では、レンズ3a、3b、3c、3dの焦点距離をfaとし、レンズ3’a、3’b、3’c、3’dの焦点距離をfaとは異なる値fb(fa<fb)とした。レンズ3a〜3dと3’a〜3’d以外のレンズは、fa、fbとは異なる焦点距離にしてもよいし、fa、fbの一方と同じ焦点距離にしてもよい。図5においては、分割領域2a〜2dと2’a〜2’d以外の分割領域に表示される画像については省略している。
このような構成により、レンズ3a〜3dによって形成される画像5a〜5dと、レンズ3’a〜3’dによって形成される画像5a’〜5d’は、z方向に異なる位置に形成される。したがって、画像表示装置10は、ユーザー4に対して距離感の異なる複数の表示画像を知覚させることができる。これにより、例えば、ユーザー4の目から相対的に遠い位置に形成される表示画像5に背景画像を割り当て、ユーザー4の目に相対的に近い位置に形成される表示画像5’に人物などのオブジェクトの画像を割り当てるといった使用法が可能である。
このような画像表示装置10は、ユーザー4の右眼および左眼の一方または両方に対応して配置され得る。ユーザー4の両眼に対応して2つの画像表示装置10が配置される場合、それらの画像表示装置10における表示体1には、左右の眼の視差を考慮した異なる画像が表示される。これにより、ユーザー4は、高精細な立体画像を知覚することができる。
本実施形態では、光を屈折させるレンズアレイ3を用いて説明したが、図6に示すように、レンズアレイ3の代わりにミラーレンズアレイ30を用いてもよい。図6は、ミラーレンズアレイ30を有する画像表示装置10’の構成例を示す図である。画像表示装置10’は、表示体1とミラーレンズアレイ30との間に配置されたビームスプリッタ(例えばハーフミラー)18をさらに備える。複数の発光エレメントから出射される光は、ビームスプリッタ18の反射面18mを透過し、ミラーレンズアレイ30に入射する。ミラーレンズアレイ30は、複数の反射型レンズ(ミラーレンズ)の集合体である。レンズ表面の全面に金属膜が成膜されており、反射面として作用する。この面に入射する光は反射され、再び反射面18mに入射する。この際に反射面18mで反射される光の成分がユーザー4で視認される。
図7は、この実施形態において形成される画像の一例を示す図である。この例では、図7に示すように、ミラーレンズアレイ30を用いる場合もレンズアレイ3を用いる場合と同様に表示画像5および表示画像5’をユーザー4に視認させることができる。この実施形態では、制御回路16は、ビームスプリッタを介してミラーレンズアレイ30と対向する複数の発光エレメントの発光を制御する。なお、図2に示す実施形態のように、表示画像5’を形成しなくてもよい。
図8Aは、本実施形態の他の変形例を示す図である。図8Aに示す画像表示装置10は、レンズアレイ3と表示体1との間に配置された複数の電子シャッター14を備える。図8Bは、複数の電子シャッター14をユーザー4の側から見たときの配置を示す平面図である。この例における電子シャッター14は、4つの電子シャッター14a〜14dを含む。電子シャッター14a〜14dは、分割領域2a〜2dにそれぞれ対応して配置されている。このように、各電子シャッターは、複数の分割領域の1つに対応して配置される。
制御回路16は、表示体1および複数の電子シャッター14に接続されている。制御回路16は、複数の電子シャッター14a〜14dの各々の透光特性(すなわち光透過率)を制御することができる。ここで、「透光状態」とは、光の透過率が相対的に高い状態を意味し、「遮光状態」とは、光の透過率が相対的に低い状態を意味する。透光状態は、必ずしも透過率100%の状態に限らず、ある程度高い透過率であればよい。同様に、遮光状態は、必ずしも透過率0%の状態に限らず、ある程度低い透過率であればよい。
この例における制御回路16は、複数の発光エレメントの発光状態および複数の電子シャッター14の透光特性を制御する。複数の発光エレメントについては、図4Aに示す制御と同様、分割領域ごとに異なるタイミングで発光させる。制御回路16は、複数の分割領域の1つに画像を表示させるタイミングに同期して、複数の電子シャッター14のうち、その分割領域に対応する電子シャッターを透光状態にし、その電子シャッターに隣接する他の電子シャッターを遮光状態にする。このような制御により、発光している分割領域から、これに対応するレンズ以外のレンズを通過する光束を遮断することができる。このため、分割領域間のクロストークを抑制できるという効果が得られる。
電子シャッター14は、例えば、一対の直線偏光子の間に透明電極に挟まれた薄い層を形成し、そこに液晶を充填することによって作製することができる。一対の透明電極により、間に挟まれた液晶に電圧を印加して透過光の偏光方向を回転させることで、透過光のオン(透光状態)およびオフ(遮光状態)の切替が可能である。複数の電子シャッターは一方の透明電極をパターニングして分割し、個別に電圧制御することで構成できる。表示体1が液晶ディスプレイのような直線偏光の発光体の場合、表示体側の直線偏光子は省くことができる。
(実施形態2)
図9Aおよび図9Bは、実施形態2における画像表示装置10を模式的に示す図である。この画像表示装置10は、表示体1と、遮光体6と、レンズアレイ3とを備えている。本実施形態では、画像表示装置10が遮光性の隔壁を有する遮光体6を備えている点で、検討例3とは異なる。遮光体6を設けることにより、不要な光が各レンズに入射することを抑制できる。この点を除き、本実施形態の構成は、検討例3の構成と同じである。したがって、以下では、検討例3と重複する内容についての説明を省略する場合がある。
表示体1は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどのディスプレイである。図9Bに示すように、表示体1は、表示面上に2次元に配列された複数の発光エレメント(丸、六角形、五角形、および四角形で表示)を有する。本実施形態では、x方向に8個、y方向に8個の合計64個の発光エレメントが配列されている。合計64個の発光エレメントの配列によって基本領域2が構成される。基本領域2は、表示体1の画像を表示する表示面の一部または全体である。基本領域2が表示面の一部である場合、基本領域2と同じ領域がx方向およびy方向に複数配列されて1つの表示面を構成する。これにより、大画面に対応した表示画像を形成できる。発光エレメントは、表示体1の画素、カラー画素、または、同一形状の複数の画素もしくはカラー画素の集合であり得る。
2次元に配列された複数の発光エレメントによって構成される基本領域2は、複数の分割領域2a、2b、2c、2dに分割されている。各分割領域は、複数の発光エレメントを含む。基本領域2に含まれる分割領域の数、および各分割領域に含まれる発光エレメントの数は、特に制限されない。本実施形態では、各分割領域は、x方向に4個、y方向に4個の合計16個の発光エレメントを含む。4個の分割領域2a〜2dは、発光エレメントの発光により、それぞれ個別に画像1a〜1dを表示する。
レンズアレイ3は、表示体1の表面に近接して配置される。レンズアレイ3は、分割領域2a〜2dにそれぞれ対応して配置された個別のレンズ3a、3b、3c、3dを含む。レンズ3a〜3dは、焦点距離が互いに異なっている。レンズ3a、3b、3c、および3dの焦点距離は、それぞれ、fa、fb、fc、fdである。各レンズ3a〜3dと表示体1との距離をaとすると、焦点距離は、それぞれ、fa>a、fb>a、fc>a、およびfd>aの関係を満たしている。レンズ3aは、分割領域2aに表示された画像1aを、前述の(式4)で定まる距離baだけレンズ3aから−z方向に離れた位置に虚像5aとして結像させる。レンズ3bは、分割領域2bに表示された画像1bを、(式5)で定まる距離bbだけレンズ3bから−z方向に離れた位置に虚像5bとして結像させる。レンズ3cは、分割領域2cに表示された画像1cを、(式6)で定まる距離bcだけレンズ3cから−z方向に離れた位置に虚像5cとして結像させる。レンズ3dは、分割領域2dに表示された画像1dを、(式7)で定まる距離bdだけレンズ3dから−z方向に離れた位置に虚像5dとして結像させる。
このようにして、レンズ3a〜3dは、それぞれ異なった位置に表示画像5a〜5dを形成する。なお、図9Bでは、表示画像5aと5c、5bと5dのz方向の表示位置を揃えて示している。このように、一部または全ての表示画像のz方向の表示位置が揃っていてもよい。レンズ3a〜3dの焦点距離fa〜fdが異なる場合、表示画像5a〜5dが形成される位置も、分割領域毎に表示体1の厚さ方向L(z方向)において異なる。その結果、画像表示装置10は、ユーザー4に対して距離感の異なる複数の表示画像を知覚させることができる。これにより、例えば、ユーザー4の目から相対的に遠い位置に形成される表示画像に背景画像を割り当て、ユーザー4の目に相対的に近い位置に形成される表示画像に人物などのオブジェクトの画像を割り当てるといった使用法が可能である。
このような画像表示装置10は、ユーザー4の右眼および左眼の一方または両方に対応して配置され得る。ユーザー4の両眼に対応して2つの画像表示装置10が配置される場合、それらの画像表示装置10における表示体1には、左右の眼の視差を考慮した異なる画像が表示される。これにより、ユーザー4は、立体画像を知覚することができる。
続いて、本実施形態における遮光体6を説明する。
図10Aは、遮光体6の構成を模式的に示す斜視図である。遮光体6は、表示体1とレンズアレイ3の間に挿入される。遮光体6は、分割領域2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して配置された個別の遮光体6a、6b、6c、6dを含む。図9Bでは、このうち、遮光体6b、6cのみを例示している。遮光体6a〜6dの各々は筒状であり、隣り合う遮光体は筒の側面を介して互いに隣接している。これらの側面は、遮光性の隔壁として機能する。これらの隔壁は、複数の分割領域の各々から、対応しないレンズに向かう光線の経路上に位置している。これらの遮光体6a〜6dにより、各分割領域2a〜2dは互いに仕切られる。言い換えれば、各分割領域から生じる光は対応するレンズには伝搬できるが、これに隣接するレンズ(対応しないレンズ)への伝搬は遮られる。したがって、各レンズを通して、隣接する分割領域に表示される画像が見えることはない。検討例のように、表示画像に隣接する不要な画像(例えば図27に示す画像5a’、5b’)が見えることはない。
図10Bは、遮光体6の断面を示す図である。ここでは、一例として、xz平面に平行な隔壁部分の断面を示している。他の隔壁部分も同様の構造を有する。遮光体6は、例えば厚さt=0.1mmのステンレス板で形成され得る。遮光体6の表面は黒色クロムメッキ
等の処理によって反射率が抑えられる。ただし、この例に限定されず、遮光性の部材であればよい。
図11は、遮光体6の反射率特性を示す図である。図11における曲線9aは、反射率特性(入射角θに対する反射率の関係)の実測値を示す。入射角θが大きいほど、反射率が高くなる。特に、入射角θが60度を超えると、反射率が1%を超え、高くなる。発光エレメントから出射して遮光体6の表面に入射する光には、入射角θが60度を超える成分も存在する。このため、上記の表面処理を行っていても反射率が高くなり得る。この反射光もユーザー4の目には不要な画像として知覚される。
このような課題を解決するためには、図10Cに示すように、遮光体6の隔壁に、表示面に垂直な面(図示される例ではzx平面に平行な面)に対して傾斜する面をもつ凹凸を形成すればよい。ある例では、隔壁の表面積の半分以上が、このような傾斜する面で占められる。このような凹凸は、表示面(xy平面)と略平行にストライプ状に延びた構造を有する。図10Cの例では、各凸部(または各凹部)がx方向にストライプ状に延びている。
図10Cに示すような凹凸形状は、例えば以下のプロセスによって作製することができる。図10Dは、凹凸の作製過程で形成されるレジスト8のパターンを示す平面図である。図10Eは、図10DにおけるA−A’線断面図である。まず、図10Dおよび図10Eに示すように、所定の厚さtのステンレス板の両面にピッチΛのストライプ状のレジスト8がパターニングされる。ここで、ストライプの方向を表示面と略平行にする。本明細書において「略平行」とは、厳密に平行である場合のみならず、両者のなす角度が0°から15°の範囲に含まれる場合も含むものとする。ある実施例では、厚さtは0.1mm、ピッチΛは0.17mmに設定され得る。レジスト8を形成した後、両表面に対して、例えば深さd=0.03mmのエッチング処理が行われる。すると、サイドエッチングの効果により、図10Cに示すような凹凸の断面形状に加工することができる。
遮光体6の断面形状を傾斜角αの三角形状の斜面とすると、入射角θの光は一方の三角斜面に角度θ−αで入射する。θが大きく、θ>π/2−αの場合には、もう一方の側の三角斜面は入射光に対して影になり、光が入射しない。したがって、凹凸の効果により、反射率特性は、実効的に入射角が小さい側にシフトする。その結果、反射率を低減させることができる。
図11に示す曲線9bは、このような凹凸の表面に黒色クロムメッキ処理が施された遮光体6の光反射率特性を示している。入射角θが大きい場合でも反射率が低減できていることがわかる。この効果により、遮光体6の表面での反射に起因する不要な画像の発生を抑えることができる。
なお、レジスト8のパターンは他の形状であってもよい。例えば、図10Fに示すようなパターンや、チェッカーパターンでもよい。エッチングによって形成される凹凸の断面形状についても、三角形状に限られず、傾斜面が形成されればよい。
本実施形態では、個別の遮光体6a〜6dのそれぞれが筒状の構造を有しているが、このような構造に限定されない。遮光体6a〜6dの各々は、1つの分割領域から、それに対応しないレンズに向かう光束の少なくとも一部を遮るように配置された隔壁を有してさえいればよい。例えば、隣接する2つの分割領域の境界線を通り、表示面に垂直な平面上に、互いに分離された複数の平板状の遮光部材が設けられていてもよい。図10Gは、そのような遮光体6の一部を示す図である。この例では、図10Aに示す個別遮光体6a〜6dの各々の代わりに、4つの平板状の遮光部材が設けられる。このような構成であっても、不要な光束の少なくとも一部を遮断できるため、ユーザー4によって知覚される画像の質が向上する。
(実施形態3)
図12および図13は、実施形態3における画像表示装置10を模式的に示す図である。この画像表示装置10は、表示体1と、遮光体6と、レンズアレイ3とを備えている。本実施形態は、実施形態2と比較して、画像の配列方法および各レンズによって形成される虚像の結像位置の関係が違うだけで、他の構成は全く同じである。このため、以下では、実施形態2と重複する説明は省略することがある。
図13に示すように、本実施形態における画像の配列方法および各レンズによって形成される虚像の結像位置の関係は、検討例1および実施形態1におけるものと同じである。表示体1は、表示面上に2次元に配列された複数の発光エレメントを有する。本実施形態ではx方向に8個、y方向に8個の合計64個の発光エレメントが配列されている。合計64個の発光エレメントの配列によって基本領域2が構成される。発光エレメントは、表示体1の画素、カラー画素、または、同一形状の複数の画素もしくはカラー画素の集合体である。
2次元に配列された複数の発光エレメントによって構成される基本領域2は、複数の分割領域2a、2b、2c、2dに分割されている。各分割領域は、複数の発光エレメントを含む。基本領域2に含まれる分割領域の数、および各分割領域に含まれる発光エレメントの数は、特に制限されない。本実施形態では、各分割領域は、x方向に4個、y方向に4個の合計16個の発光エレメントを含む。4個の分割領域2a〜2dは、発光エレメントの発光により、それぞれ個別に画像1a〜1dを表示する。
レンズアレイ3は、表示体1の表面に近接して配置される。レンズアレイ3は、分割領域2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して配置されたレンズ3a、3b、3c、3dを含む。これらのレンズ3a〜3dの焦点距離(=f)は全て同じである。レンズ3a〜3dの各々と表示体1との距離をaとすると、f>aの関係を満たしている。したがって、レンズ3a〜3dは、分割領域2a〜2dにそれぞれ表示された画像1a〜1dを虚像として結像させる。それぞれの虚像が互いに重なるようにレンズ3a〜3dの位置が調整されている。これにより、表示画像5a〜5dの各々を構成する個々のピクセル虚像(それぞれ丸、六角形、五角形、四角形で表示)は、像面上で一つおきに並ぶ。それぞれのピクセル虚像が互いに隙間を埋めあうように配列される。全体として、虚像5の並びは元画像11(図22)と同じピクセルの並びになる。
なお、本実施形態においても、図22〜24を参照して説明した事項がそのまま当てはまる。よって、これらの説明は省略する。
実施形態2と同様に、遮光体6は、表示体1とレンズ3の間に挿入される。遮光体6は、分割領域2a〜2dにそれぞれ対応して配置された遮光体6a、6b、6c、6dを含む。遮光体6a〜6dは筒状であり、隣り合う遮光体は筒の側面を介して互いに隣接している。これらの遮光体6a〜6dにより、分割領域2a〜2dは互いに仕切られる。各分割領域から出射される光は対応するレンズには伝搬できるが、隣接するレンズへの伝搬は遮られる。従って、任意のレンズから隣接する分割領域上の画像が見えることはない。よって、検討例のように、表示画像に隣接する不要な画像(例えば図27に示す5a’、5b’)が見えることはない。
(実施形態4)
図14Aは、実施形態4に係る画像表示装置10を示す図である。この画像表示装置10は、表示体1と、第1の偏光子アレイ12と、第2の偏光子アレイ13と、レンズアレイ3とを備えている。本実施形態は、第1の偏光子アレイ12と第2の偏光子アレイ13とが、表示体1とレンズアレイ3との間に挿入されている点で検討例3とは異なる。他の構成は検討例3と全く同じであるので、重複する説明は省略する。
第1の偏光子アレイ12は、各々が複数の分割領域2a〜2dの1つに対応して配置された複数の第1の直線偏光子を有する。隣接する2つの第1の直線偏光子の偏光方向は、略直交している。第2の偏光子アレイ13は、第1の偏光子アレイ12とレンズアレイ3との間に配置される。第2の偏光子アレイ13は、各々が複数の分割領域2a〜2dの1つに対応して配置された複数の第2の直線偏光子を有する。隣接する2つの第2の直線偏光子の偏光方向は略直交する。同一の分割領域に対応する第1の直線偏光子の偏光方向と第2の直線偏光子の偏光方向とは、略同一である。ここで、「略直交」とは、厳密に90°の角度をなす場合に限らず、90°から±15°の範囲でずれた場合も含む。「略同一」とは、厳密に同一の場合に限らず、±15°の範囲でずれた場合も含む。「隣接する」とは、中心間の距離が最も近いことを意味する。
図14Bは、第1の偏光子アレイ12および第2の偏光子アレイ13の構成例を示す平面図である。第1の偏光子アレイ12は、分割領域2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して配置された個別の直線偏光子12a、12b、12c、12dを含む。対角位置にある直線偏光子12aと12d(または12bと12c)は同じ方向の直線偏光の光を透過させる検光子である。直線偏光子12a、12dと直線偏光子12b、12cとで、透過光の偏光方向は直交する関係にある。第2の偏光子アレイ13は、分割領域2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して配置された個別の直線偏光子13a、13b、13c、13dを含む。対角位置にある直線偏光子13aと13d(または13bと13c)は、直線偏光子12aと12d(または12bと12c)と同じ方向の直線偏光の光を透過させる検光子である。
各分割領域2a〜2dから出射される光は、対応する直線偏光子12a〜12dを透過することによって、直線偏光になる。配列方向(x方向およびy方向)に対して45度または135度の方向に近接する2つの直線偏光子を通過した光の偏光方向は互いに一致する。一方、配列方向(x方向およびy方向)に隣接する2つの直線偏光子を通過した光の偏光方向は互いに直交する。これらの光が直線偏光子13a〜13dを通過するとき、x方向およびy方向に隣接する分割領域から入射する光が遮られる。このため、検討例のように、1つのレンズを通して隣接する分割領域からの不要な画像(例えば図16に示す5a’、5b’)が見えることはない。ただし、x方向またはy方向に対して45度の方向に近接する分割領域上の画像は見えるので、完全ではないが、ある程度の効果は得られる。
なお、本実施形態では、分割領域2a〜2dから非偏光光が出射することを想定したが、表示体1が液晶ディスプレイのように偏光光を出射するディスプレイである場合もある。その場合、第1の偏光子アレイ12に代えて、x方向およびy方向に1つおきに配置された1/2波長板を配置してもよい。1/2波長板により、直線偏光の偏光方向を90°変化させるようにすれば、上述の第1の偏光子アレイ12と同等の機能を実現できる。この場合、第2の偏光子アレイ13における2種類の直線偏光子の一方の偏光透過軸の方向を1/2波長板を通過する直線偏光の方向と一致させ、他方の偏光透過軸の方向をそれに略直交する方向にすればよい。
本実施形態における複数の分割領域およびレンズアレイ3の構成は、検討例3および実施形態2の構成に限定されない。実施形態1などの他の構成を任意に採用してよい。
(実施形態5)
図15Aは、実施形態5に係る画像表示装置10の構成を示す図である。この画像表示装置10は、表示体1と、複数の電子シャッター14と、レンズアレイ3と、制御回路16とを備えている。本実施形態は、複数の電子シャッター14が挿入され、制御回路16が表示体1および電子シャッター14を制御する点で、検討例3とは異なる。他の構成は検討例3と全く同じであるので、重複する説明は省略する。
複数の電子シャッター14の構成は、図8Bに示す構成と同様である。複数の電子シャッター14は、分割領域2a、2b、2c、2dに対応してそれぞれ配置された個別の電子シャッター14a、14b、14c、14dを含む。電子シャッター14a〜14dは、それぞれの領域で独立して透過光のオン、オフを切り替えることができる。ここで、「オン」とは、光の透過率が相対的に高い状態(透光状態)を意味し、「オフ」とは、光の透過率が相対的に低い状態(遮光状態)を意味する。
電子シャッター14は、例えば、一対の直線偏光子の間に透明電極に挟まれた薄い層を形成し、ここに液晶を充填した構造を有する。一対の透明電極により、間に挟まれた液晶に電圧を印加して透過光の偏光方向を回転させることで、透過光のオン、オフの切替が可能である。複数の電子シャッターは一方の透明電極をパターニングして分割し、個別に電圧制御することで構成できる。表示体1が液晶ディスプレイのような直線偏光の発光体の場合、表示体側の直線偏光子は省くことができる。
制御回路16は、複数の発光エレメントおよび複数の電子シャッター14に電気的に接続されている。制御回路16は、複数の発光エレメントの発光状態および複数の電子シャッター14の透光特性を制御する。より具体的には、制御回路16は、複数の分割領域の1つに画像を表示させるタイミングに同期して、複数の電子シャッター14のうち、その分割領域に対応する電子シャッターを透光状態にし、その電子シャッターに隣接する他の電子シャッターを遮光状態にする。
本実施形態においても、複数の分割領域およびレンズアレイ3の構成は、検討例3および実施形態2の構成に限定されない。実施形態3などの他の構成を任意に採用してよい。
実施形態2におけるレンズおよび分割領域の配置では、分割領域2a〜2dの各々に表示される画像が独立している。このため、任意の単一の領域を発光させ、他の領域を発光させないようにすることができる。実施形態1または3で示したレンズおよび分割領域の配置においても、時分割で任意の領域を発光させ、他の領域を発光させないようにすることができる。各分割領域2a〜2dのオン、オフ(発光、未発光)を、対応する個別のシャッター14a〜14dのオン、オフ(透過、遮光)に同期させることにより、隣接する分割領域が同時に発光することを防止できる。このため、レンズ3a〜3dから隣接する分割領域上の画像が見えることはない。検討例のように、表示画像に隣接する不要な画像(例えば図13に示す画像5a’、5b’)が見えるという不具合は解消する。
図15Bは、本実施形態における制御の一例を示す図である。図15Bに示す表示体1は、多数の分割領域が2次元に配列された構成を有している。これらの分割領域の一部が、上述した各実施形態における分割領域2a〜2dであり得る。図15Bにおいて、白い分割領域は、発光エレメント(光源)が光っていることを表し、灰色の分割領域は、発光エレメントが光っていないことを表す。この例では、制御回路16は、ある期間では、配列方向(x方向およびy方向)に1つおきに配置された半数の分割領域のみを発光させ、他の期間では、残りの分割領域における発光エレメントのみを発光させる。また、分割領域の明滅に同期して、対応する電子シャッターのオンおよびオフの状態を切り替える。
このような2種類の発光状態を交互に繰り返すことにより、各分割領域に対応するレンズに、隣接する分割領域からの光が入射することを抑制できる。
なお、個別の画像(1a、1b、1c、1dなど)を表示する複数の発光エレメントによって形成される発光領域は、分割領域をはみ出してもよく、複数の分割領域にまたがってもよい。言い換えると、制御回路16は、複数の分割領域の1つに画像を表示させるとき、隣接する他の分割領域にもまたがってその画像を表示させてもよい。
例えば、図16Aに示すように、個別の画像を表示する発光領域をある方向(図示される例ではy方向)にずらしてもよい。図16Aに示す例では、画像1aを表示している状態では、隣接する画像1bが表示されないので、画像1aを分割領域2aから分割領域2b側にはみ出して表示することができる。このとき、電子シャッター14aはオン、電子シャッター14bはオフとなっているので、ユーザー4から見てy軸の−側に傾いた方向に画像1aが見える。画像1bを表示している状態でも、隣接する画像1aが表示されないので、画像1bを分割領域2bから分割領域2a側にはみ出して表示することができる。このとき、電子シャッター14bはオン、電子シャッター14aはオフとなっているので、ユーザー4から見てy軸の+側に傾いた方向に画像1bが見える。この方法を使えば各画像の視域を自由に調整できる。
また、図16Bに示すように、1つの分割領域よりも大きい範囲に個別の画像を表示してもよい。この場合も、複数の分割領域にまたがって1つの画像が表示される。
図16B、図17Aに示すように、画像1aを表示している状態では、周辺の画像(1b、1c、1d等)が表示されないので、画像1aを分割領域2aから周辺の分割領域にはみ出して表示することができる。このとき、電子シャッター14aはオン、周りの電子シャッター(14b、14c、14d等)はオフとなっているので、ユーザー4から見て広い画角の画像1aが見える。同様に、図17Bに示すように、画像1bを表示している状態では、周辺の画像(1c、1d、1a等)が表示されないので、画像1bを分割領域2bから周辺の分割領域にはみ出して表示することができる。このとき、電子シャッター14bはオン、周りの電子シャッター(14c、14d、14a等)はオフとなっているので、ユーザー4から見て広い画角の画像1bが見える。また、図17Cに示すように、画像1cを表示している状態では、周辺の画像(1d、1a、1b等)が表示されていないので、画像1cを分割領域2cから周辺の分割領域にはみ出して表示させることができる。このとき、電子シャッター14cはオン、周りの電子シャッター(14d、14a、14b等)はオフとなっているので、ユーザー4から見て広い画角の画像1cが見える。さらに、図17Dに示すように、画像1dを表示している状態では、周辺の画像(1a、1b、1c等)が表示されていないので、画像1dを分割領域2dから周辺の分割領域にはみ出して表示することができる。このとき、電子シャッター14dはオン、周りの電子シャッター(14a、14b、14c等)はオフとなっているので、ユーザー4から見て広い画角の画像1dが見える。この方法を使えば各画像の画角を自由に拡大、縮小できる。
図18Aから図18Dは、上記の発光および電子シャッターの制御を、周囲の分割領域にまで広げた例を示している。この例では、図18Aに示すように、電子シャッター14aに対応する分割領域を中心に画像1aが表示されているとき、その分割領域からx方向およびy方向の各方向について、1つおきに位置する分割領域にも同じ(または異なる)画像が表示される。以下同様に、電子シャッター14bに対応する分割領域を中心に画像1bが表示されているときは、図18Bに示すように、その分割領域からx方向およびy方向の各方向に1つおきに位置する分割領域にも同じ(または異なる)画像が表示される。電子シャッター14cに対応する分割領域を中心に画像1cが表示されているときは、図18Cに示すように、その分割領域からx方向およびy方向の各方向に1つおきに位置する分割領域にも同じ(または異なる)画像が表示される。電子シャッター14dに対応する分割領域を中心に画像1dが表示されているときは、図18Dに示すように、その分割領域からx方向およびy方向の各方向に1つおきに位置する分割領域にも同じ(または異なる)画像が表示される。これにより、各画像の画角を自由に拡大、縮小できるとともに、ほぼディスプレイの全画面で表示される画像の複数個分を、時分割で距離を変えて空間上に投影できる。このため、実質的な超解像(ディスプレイのピクセル数を超えた映像表現)が実現できる。
以上の実施形態では、レンズアレイ3に含まれる各レンズが、対応する分割領域に表示された画像から虚像を形成するものとしたが、実像を形成するように設計されていてもよい。各レンズが実像を形成するためには、そのレンズの焦点距離が、分割領域とレンズとの間隔よりも短ければよい。例えば、分割領域2aに対応するレンズが実像を形成する場合、(式4)の代わりに、次の(式8)を用いればよい。
(式8)ba=fa×a/(a―fa)
他の分割領域2b〜2dについても同様である。あるレンズが虚像ではなく実像を形成する場合、その実像は、表示面よりも前方に飛び出て見える。このため、特に表示面とレンズとの距離を長くすることが可能な大型ディスプレイなどに好適に適用できる。ヘッドマウントディスプレイのように、表示面とレンズとの距離が比較的短い用途では、典型的には虚像を形成するように設計されるが、実像を形成するレンズを含む場合もあり得る。
本開示の技術は、高精細な画像を表示できる画像表示装置として有用である。
1 表示体
1a〜1d、1’a〜1’d 表示面上の画像
2 表示面上の基本領域
2a〜2d、2’a〜2’d 表示面上の分割領域
3 レンズアレイ
3a〜3d、3’a〜3’d 分割領域に対応するレンズ
4 ユーザー
5a〜5d、5’a〜5’d 虚像として表示される画像
6 遮光体
6a〜6d 遮光体
7 入射光
8 レジスト
10、10’ 画像表示装置
12、13 偏光子アレイ
14 電子シャッター
16 制御回路
18 ハーフミラー
18m ハーフミラーの反射面
30 ミラーレンズアレイ
30a〜30d ミラーレンズ
a1〜a4 画像1aの発光エレメント、またはその像
b1〜b4 画像1bの発光エレメント、またはその像
c1〜c4 画像1cの発光エレメント、またはその像
d1〜d4 画像1dの発光エレメント、またはその像

Claims (9)

  1. 2次元に配列された複数の発光エレメントを含み、各々が前記複数の発光エレメントの一部を含む複数の領域を有する表示体と、
    複数のレンズを含み、前記複数のレンズの各々が前記複数の領域の1つに対応して位置し、前記複数の領域の各々に表示された複数の画像をそれぞれ実像または虚像として結像するレンズアレイと、
    前記表示体と電気的に接続され、前記複数の発光エレメントの各々の発光状態を制御する制御回路であって、前記複数の発光エレメントのうち、第1部分の発光エレメントと、前記第1部分と異なる第2部分の発光エレメントとを異なるタイミングで発光させる制御回路と、
    を備える画像表示装置。
  2. 前記複数の画像の実像または虚像は、それぞれが互いに補間される位置に形成される、請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記制御回路は、前記複数の領域の1つにおける前記複数の発光エレメントの前記一部のうち、互いに隣接する位置にある2つの発光エレメントを異なるタイミングで発光させる、請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記制御回路は、前記複数の領域のうちの1つにおける前記複数の発光エレメントの前記一部と、他の領域内の前記複数の発光エレメントの前記一部とを異なるタイミングで発光させる、請求項1または2に記載の画像表示装置。
  5. 前記レンズアレイと前記表示体との間に配置され、各々が前記複数の領域の1つに対応して位置する複数の電子シャッターをさらに備え、
    前記制御回路は、前記複数の電子シャッターに接続され、前記複数の電子シャッターの各々の透光特性を制御し、前記複数の発光エレメントの前記一部を発光させるタイミングに同期して、前記複数の電子シャッターのうち、前記一部の発光エレメントに対応する一部の電子シャッターを透光状態にし、他の電子シャッターを遮光状態にする、
    請求項4に記載の画像表示装置。
  6. ビームスプリッタをさらに備え、
    前記レンズアレイは、前記複数の領域からの光を反射し、虚像を形成するミラーレンズアレイであり、
    前記ビームスプリッタは、前記表示体と前記ミラーレンズアレイとの間に配置され、前記光の一部を前記ミラーレンズアレイの方向に透過し、前記ミラーレンズアレイからの反射光の一部をユーザーの観察眼の方向に反射する、請求項1から5のいずれかに記載の画像表示装置。
  7. 2次元に配列された複数の発光エレメントを含み、各々が前記複数の発光エレメントの一部を含む複数の領域を有する表示体と、
    複数のレンズを含み、前記複数のレンズの各々が前記複数の領域の1つに対応して位置し、前記複数の領域の各々に表示された複数の画像をそれぞれ実像または虚像として結像するレンズアレイと、
    前記レンズアレイと前記表示体との間に配置され、各々が前記複数の領域の1つに対応して配置された複数の電子シャッターと、
    前記複数の発光エレメントおよび前記複数の電子シャッターに電気的に接続され、前記複数の発光エレメントの発光状態および前記複数の電子シャッターの透光特性を制御する制御回路であって、前記複数の発光エレメントの前記発光状態を制御することにより前記複数の領域の1つに前記複数の画像の1つを表示させるタイミングに同期して、前記複数の電子シャッターのうち、前記複数の領域の1つに対応する電子シャッターを透光状態にし、前記複数の領域の1つに対応する前記電子シャッターに隣接する他の電子シャッターを遮光状態にする制御回路と、
    を備える画像表示装置。
  8. 前記制御回路は、前記複数の領域の1つに前記複数の画像の1つを表示させるとき、隣接する他の領域にも跨って前記複数の画像の1つを表示させる、請求項7に記載の画像表示装置。
  9. 前記複数のレンズの各々と対応する前記複数の領域の1つとの間の光学的距離が前記複数のレンズの各々の焦点距離とは異なる、請求項7に記載の画像表示装置。
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