(第1の実施形態)
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態に係る撮像システムの概略構成を示す。本発明の実施形態に係る撮像システムは、撮像装置であるカメラ本体100、カメラ本体100に着脱可能に装着されたレンズユニット200、カメラ本体100に着脱可能に装着された照明装置であるストロボ装置300を含む。なお、レンズユニット200がカメラ本体100から取り外しできないレンズ内蔵型の撮像装置を用いた撮像システムでもよい。また、図1と図2において同一のものは同じ符号をつけている。
まず、カメラ本体100内の構成について説明する。マイクロコンピュータCCPU(以下、カメラマイコン)101は、カメラ本体100の各部を制御する。カメラマイコン101は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/D、D/Aコンバータ等を含むマイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。そして、カメラマイコン101は、撮像システムの制御をソフトウェアで行えるもので、各種の条件判定を行う。
撮像素子102は、赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含むCCD、CMOS等の撮像素子であり、後述のレンズ群202によって撮影時に被写体像が結像される。シャッター103は撮像素子102を遮光する位置と、撮像素子102を露光する位置とに移動する。
主ミラー(ハーフミラー)104は、レンズ群202より入射する光の一部を反射し105のピント板に結像させる位置と、レンズ群202より入射する光の撮像素子102への光路(撮影光路)内から退避する位置とに移動する。ピント板105は、被写体像が結像され、結像された被写体像は不図示の光学ファインダーを介して撮影者により確認される。
測光回路(AE回路)106は、回路内に測光センサを備え、被写体を複数の領域に分割しそれぞれの領域で測光を行う。測光回路106内の測光センサは、後述するペンタプリズム114を介してピント板105に結像された被写体像を見込んでいる。焦点検出回路(AF回路)107は、回路内に複数点の測距ポイントを有する測距センサを備え、各測距点のデフォーカス量等の焦点情報を出力する。
ゲイン切り換え回路108は、撮像素子102から出力される信号を増幅させるものであり、ゲインの切り換えは、撮影の条件や撮影者の操作等に応じてカメラマイコン101により行われる。
A/D変換器109は、増幅された撮像素子102から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。タイミングジェネレータ(TG)110は、増幅された撮像素子102のアナログ信号の入力とA/D変換器109の変換タイミングを同期させる。
信号処理回路111は、A/D変換器109でデジタル信号に変換された画像データに対して信号処理を行う。
入力部112は、電源スイッチ、レリーズスイッチ、設定ボタン等の操作部を含んでいて、カメラマイコン101は、入力部112への入力に応じて各種処理を実行する。レリーズスイッチが1段階操作(半押し)されるとSW1がONとなり、カメラマイコン101は焦点調節や測光等の撮影準備動作を開始させる。また、レリーズスイッチが2段階操作(全押し)されるとSW2がONとなり、カメラマイコン101は露光や現像処理等の撮影動作を開始させる。また、入力部112の設定ボタン等を操作することで、カメラ本体100に装着されるストロボ装置300の各種設定を行うこともできる。更に無線通信が可能な場合は、カメラ本体100にストロボ装置300が直接装着されていなくても、装着している場合と同様に、複数台のストロボ装置の各種設定を行うことができる。
液晶装置や発光素子を有する表示部113は、各種設定されたモードやその他の撮影情報等を表示する。
ペンタプリズム114は、ピント板105の被写体像を測光回路106内の測光センサ及びファインダー117に導く。サブミラー115は、レンズ群202より入射し主ミラー104を透過した光を焦点検出回路107の測距センサへ導く。なお、本実施形態では、ペンタプリズム114を用いて被写体像をファインダー117に導く光学ファインダーを有する構成であるが、光学ファインダーの代わりに撮像素子102やその他の撮像素子で撮像された画像を表示する電子ファインダーであってもよい。
背面検知部116は、赤外LEDと受光部がモジュール化されファインダー117の近傍に設けられており、物体等が近接した場合に赤外光が物体に反射され、受光部での受光量によって物体を検知できるようになっている。なお、所定の検知範囲内の物体を検知することができる構成であれば、赤外LEDと受光部以外の公知の構成、例えば、照度センサや静電センサ等を用いた構成を背面検知部としてよい。また、物体までの距離を測定するセンサも、測定した距離から物体が所定の検知範囲内にあるか否かがわかるので、所定の検知範囲内にある物体を検知するためのセンサに含まれる。
通信ラインLC、SCは、カメラ本体100とレンズユニット200及びストロボ装置300とのインタフェースの信号ラインである。例えば、カメラマイコン101をホストとしてデータの交換やコマンドの伝達等の情報の通信を相互に行う。LC、SC通信の一例として、図1の端子120、端子130に3端子式のシリアル通信の例を示す。端子120は、カメラ本体100とレンズユニット200の通信の同期をとるためのSCLK_L端子、レンズユニット200にデータを送信するMOSI_L端子、レンズユニット200から送信されたデータを受信するMISO_L端子を含む。また、カメラ本体100とレンズユニット200との両方をつなぐGND端子も含む。
端子130は、カメラ本体100とストロボ装置300の通信の同期をとるためのSCLK_S端子、ストロボ装置300にデータを送信するMOSI_S端子、ストロボ装置300から送信されたデータを受信するMISO_S端子を含む。また、カメラ本体100とストロボ装置300との両方をつなぐGND端子も含む。
姿勢検出回路140は姿勢差を検出する回路で、140aは水平方向の姿勢差を検出する姿勢H検出部、140bは垂直方向の姿勢差を検出する姿勢V検出部、140cは前後方向(Z方向)の姿勢差を検出する姿勢Z検出部である。姿勢検出回路140には、例えば、角速度センサやジャイロセンサが用いられる。姿勢検出回路140により検出された各方向の姿勢差に関する姿勢情報はカメラマイコン101に入力される。この姿勢検出回路140の検出結果によって、カメラマイコン101は、カメラ本体100の姿勢を判別することができる。なお、本実施形態では、カメラ本体100におけるストロボ装置300を装着可能な側を上側、ファインダー117が設けられている側から見た左右をそれぞれ左側と右側とする。そして、重力方向に対するカメラ本体100の左右方向の傾きが45度以下のときはカメラ本体100が横位置状態であるとする。一方、重力方向に対するカメラ本体100の左右方向の傾きが45度を超えるときはカメラ本体100が縦位置状態であるとする。なお、縦位置状態には、カメラ本体100の上側が左側に傾いている左縦位置状態と右側に傾いている右縦位置状態とが存在するため、カメラ本体100の傾きかたに基づいて左縦位置状態か右縦位置状態かも区別する。また、横位置状態と縦位置状態とを区別する閾値は45度に限定されずその他の角度にしてもよい。
次に、レンズユニット200内の構成と動作について説明する。マイクロコンピュータLPU(以下、レンズマイコン)201は、レンズユニット200の各部を制御する。
レンズマイコン201は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/D、D/Aコンバータ等を含むマイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。
レンズ群202は、フォーカスレンズやズームレンズ等を含む複数枚のレンズで構成されている。なお、レンズ群202にはズームレンズは含まれなくてもよい。レンズ駆動部203は、レンズ群202に含まれるレンズを移動させる駆動系であり、レンズ群202の駆動量は、カメラ本体100内にある焦点検出回路107の出力に基づいてカメラマイコン101にて演算される。演算された駆動量は、カメラマイコン101からレンズマイコン201に送信される。エンコーダ204はレンズ群202の位置を検出し駆動情報を出力するエンコーダである。エンコーダ204からの駆動情報に基づき駆動量分だけレンズ駆動部203がレンズ群202を移動させて焦点調節を行う。通過する光量を調節する絞り205は、絞り制御回路206を介してレンズマイコン201により制御される。
次に、ストロボ装置300の構成について説明する。ストロボ装置300は、カメラ本体100に着脱可能に装着される本体部300aと、本体部300aに対して上下方向及び左右方向に回動可能に保持される可動部300bで構成されている。なお、本実施形態では、本体部300aにおける可動部300bと連結される側を上側、入力部312が設けられている側から見た左右をそれぞれ左側と右側として、可動部300bの回動方向を説明している。
マイクロコンピュータFPU(以下、ストロボマイコン)310は、ストロボ装置300の各部を制御する。ストロボマイコン310は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/D、D/Aコンバータ等を含むマイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。
電池301は、ストロボ装置300の電源(VBAT)として機能する。昇圧回路ブロック302は、昇圧部302a、電圧検出に用いる抵抗302b、302c、メインコンデンサ302dで構成される。昇圧回路ブロック302は、電池301の電圧を昇圧部302aにより数百Vに昇圧してメインコンデンサ302dに発光のための電気エネルギーを充電させる。
メインコンデンサ302dの充電電圧は抵抗302b、302cにより分圧され、分圧された電圧はストロボマイコン310のA/D変換端子に入力される。トリガー回路303は、後述の放電管305を励起させためのパルス電圧を放電管305に印加する。発光制御回路304は、放電管305の発光の開始及び停止を制御する。放電管305は、トリガー回路303から印加される数KVのパルス電圧を受け励起してメインコンデンサ302dに充電された電気エネルギーを用いて発光する。
積分回路309は、後述のフォトダイオード314の受光電流を積分し、その出力は後述するコンパレータ315の反転入力端子とストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子に入力される。コンパレータ315の非反転入力端子は、ストロボマイコン310内のD/Aコンバータ端子に接続され、コンパレータ315の出力は後述するANDゲート311の入力端子に接続される。ANDゲート311のもう一方の入力は、ストロボマイコン310の発光制御端子と接続され、ANDゲート311の出力は発光制御回路304に入力される。フォトダイオード314は、放電管305から発せられる光を受光するセンサであり、直接またはグラスファイバー等を介して放電管305から発せられる光を受光する。
反射傘306は、放電管305から発せられる光を反射させて所定の方向へ導く。光学パネル等を含むズーム光学系307は、放電管305との相対位置を変更可能に保持されていて、放電管305とズーム光学系307との相対位置を変更することにより、ストロボ装置300のガイドナンバー及び照射範囲を変化させることができる。ストロボ装置300の発光部は、主に、放電管305、反射傘306、ズーム光学系307で構成されていて、発光部の照射範囲は、ズーム光学系307の移動により変化し、発光部の照射方向は可動部300bの回動により変化する。なお、光源は放電管305の代わりにLEDなどを用いてもよい。
距離取得部308は、受光センサを備えており、放電管305から発せられ被写体や天井等で反射された光を受光センサで受光し、その受光した光量に基づいて被写体や天井等の距離に関する情報を演算することで被写体や天井等の距離に関する情報を取得する。後述するオートバウンスモードでは、距離取得部308は、被写体の距離に関する第1の情報を取得するとともに、被写体とは異なる方向の対象物の距離に関する第2の情報を取得する。なお、受光した光量に基づいて被写体や天井等の距離に関する情報を演算する方法は公知の方法でよい。また、放電管305から発せられる光の反射光を受光して距離に関する情報を演算するのではなく、専用の光源から発せられる光の反射光を専用の受光センサで受光して距離に関する情報を演算する構成でもよい。また、本実施形態では、第1の情報を取得する距離取得部及び第2の情報を取得する距離取得部が距離取得部308である構成を説明するが、それぞれの情報を取得するために別々の距離取得部を備えた構成でもよい。
入力部312は、電源スイッチ、ストロボ装置300の動作モードを設定するモード設定スイッチやオートバウンス動作を実行させるオートバウンス開始ボタン、その他各種パラメータを設定する設定ボタン等の操作部を含んでいる。なお、本実施形態では、ストロボ装置300で発光部の照射方向(放電管305からの光の照射方向)を決定し、決定された照射方向となるようにバウンス回路340を用いて可動部300bを回動させることをオートバウンスと呼ぶ。
ストロボマイコン310は、入力部312への入力に応じて各種処理を実行する。
液晶装置や発光素子を有する表示部313は、ストロボ装置300の各状態を表示する。
ズーム駆動回路330は、放電管305とズーム光学系307の相対位置に関する情報をエンコーダ等により検出するズーム検出部330aとズーム光学系307を移動させるためのモータを含むズーム駆動部330bで構成される。
ズーム光学系307の駆動量は、レンズマイコン201から出力される焦点距離情報を、カメラマイコン101を介して取得したストロボマイコン310によって、焦点距離情報に基づいて演算される。
背面検知部316は、赤外LEDと検知センサがモジュール化された構成となっており、物体等が近接した場合に赤外光が物体に反射され、検知センサでの受光量によって物体を検知できるようになっている。なお、所定の検知範囲内の物体を検知することができる構成であれば、赤外LEDと受光部以外の公知の構成、例えば、照度センサや静電センサ等を用いた構成を背面検知部としてよい。また、物体までの距離を測定するセンサも、測定した距離から物体が所定の検知範囲内にあるか否かがわかるので、所定の検知範囲内にある物体を検知するためのセンサに含まれる。物体までの距離を測定するセンサを用いる場合、センサの測定結果(センサの出力)に基づいて、所定の検知範囲内に物体を検知しているか否かを判定すればよい。ストロボマイコン310が背面検知部316の配置については図3を用いて後述する。
バウンス回路340は、可動部300bの駆動量(本体部300aに対する可動部300bの回動角度)を検出するバウンス角度検出回路340a、340cや可動部300bを回動させるバウンス駆動回路340b、340dで構成される。
バウンス角度検出回路(バウンスH検出回路)340aは、可動部300bの左右方向の駆動量、バウンス角度検出回路(バウンスV検出回路)340cは、可動部300bの上下方向の駆動量を、ロータリーエンコーダやアブソリュートエンコーダで検出する。
バウンス駆動回路(バウンスH駆動回路)340bは、可動部300bの左右方向の駆動、バウンス駆動回路(バウンスV駆動回路)340dは、可動部300bの上下方向の駆動を公知のモータを用いて行う。
姿勢検出回路360は、姿勢差を検出する回路で、360aは水平方向の姿勢差を検出する姿勢H検出部、360bは垂直方向の姿勢差を検出する姿勢V検出部、360cは前後方向(Z方向)の姿勢差を検出する姿勢Z検出部である。姿勢検出回路360には、例えば、角速度センサやジャイロセンサが用いられる。姿勢検出回路360により検出された各方向の姿勢差に関する姿勢情報はストロボマイコン310に入力される。この姿勢検出回路360の検出結果によって、ストロボマイコン310は、本体部300aの姿勢を判別することができる。なお、本実施形態では、本体部300aにおける可動部300bと連結される側を上側として、重力方向に対する本体部300aの左右方向の傾きが45度以下のときは本体部300aが横位置状態であるとする。一方、重力方向に対する本体部300aの左右方向の傾きが45度を超えるときは本体部300aが縦位置状態であるとする。なお、縦位置状態には、本体部300aの上側が左側に傾いている左縦位置状態と右側に傾いている右縦位置状態とが存在するため、本体部300aの傾きかたに基づいて左縦位置状態か右縦位置状態かも区別する。また、横位置状態と縦位置状態とを区別する閾値は45度に限定されずその他の角度にしてもよい。
次に、ストロボ装置300の各部のレイアウトについて図3を用いて説明する。なお、図3において、図1と図2で説明したものと同一のものには同一の符号をつけている。
図3(a)は、ストロボ装置300の外観を示す図であり、図3(b)はストロボ装置300の外装の一部を取り除いた外観を示す図である。
図3において、接続部317は、カメラ本体100の上面に設けられたアクセサリシューに本体部300aを装着するためのものであり、接続部317に設けられた端子130を介してカメラ本体100とストロボ装置300は通信可能である。図3(a)に示すように、背面検知部316は、本体部300aの背面における左右方向の中心であって、入力部312よりも下側に配置される。このように、背面検知部316は、接続部317を介してストロボ装置300がカメラ本体100に装着された状態にて、カメラ本体100のファインダー117を覗いている撮影者を検知可能な位置に配置されている。すなわち、背面検知部316の検知センサは、本体部300aをカメラ本体100に装着している状態にて、本体部300aにおける被写体側の面とは反対側の面に配置されている。
なお、背面検知部316の配置は図3に示す位置に限定されず、接続部317を介してストロボ装置300がカメラ本体100に装着された状態にて、カメラ本体100のファインダー117を覗いている撮影者を検知可能な位置であればよい。また、背面検知部316の検知範囲は、背面検知部316の検知センサの位置からの所定方向の距離が所定値未満の範囲とする。ただし、検知範囲が広すぎると撮影者がファインダー117から顔を離している状態でも撮影者の顔を検知してしまうので、例えば検知センサの位置から10cmくらいまでを検知範囲とするのが好ましい。また、背面検知部316の検知範囲は、接続部317を介してストロボ装置300がカメラ本体100に装着された状態にて、カメラ本体100のファインダー117を覗いている撮影者を検知しやすいように、下方に傾いていてもよい。
次に、オートバウンス発光撮影に係るストロボ装置300の発光に伴う処理を図4〜図7を用いて説明する。なお、図4〜図8では、バウンス発光撮影時の反射面として天井を用いる場合について説明する。
入力部312に含まれる電源スイッチがONされてストロボ装置300のストロボマイコン310が動作可能となると、ストロボマイコン310は、図4に示すフローチャートを開始させる。
ステップS401にてストロボマイコン310は、自身のメモリやポートの初期化を行う。また、入力部312に含まれるスイッチの状態や予め設定された入力情報を読み込み、発光量の決め方や、発光タイミング等様々な発光モードの設定を行う。また、バウンス駆動範囲の閾値(バウンス回路340により可動部300bを回動させるときの回動角度を制限する制限角度)の初期設定を行い、ステップS402へ移行する。初期設定では、閾値は後述する第1の値に設定されているものとし、閾値の詳細については後述する。
ステップS402にてストロボマイコン310は、昇圧回路ブロック302の動作を開始させてメインコンデンサ302dの充電を行う。メインコンデンサ302dの充電を開始した後、ステップS403へ移行する。
ステップS403にてストロボマイコン310は、カメラマイコン101から通信ラインSCを介して取得したレンズユニット200の焦点距離情報をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納する。なお、以前に焦点距離情報を格納していた場合には新たな焦点距離情報に更新する。焦点距離情報を格納後、ステップS404へ移行する。
ステップS404にてストロボマイコン310は、ストロボ光の照射範囲が取得した焦点距離情報に応じた範囲となるように、ズーム駆動回路330に指示してズーム光学系307を移動させる。ズーム光学系307を移動させた後、ステップS405へ移行する。なお、ズーム光学系307の移動中にステップS405へ移行してもよい。
ステップS405にてストロボマイコン310は、入力部312にて設定された発光モードに関する情報や取得した焦点距離情報に関する情報等を示す画像を表示部313に表示させる。その後、ステップS406へ移行する。
ステップS406にてストロボマイコン310は、設定されている発光モードがオートバウンス発光撮影を実行可能なオートバウンスモードであるか否か確認する。オートバウンスモードであればステップS407へ移行し、オートバウンス発光撮影を実行できない通常の発光モードであればステップS432へ移行する。なお、発光モードの設定は入力部312、もしくはカメラマイコン101及び通信ラインSCを介して入力部112から設定が可能である。
ステップS407にてストロボマイコン310は、メインコンデンサ302dの充電が完了しているか否かの確認を行う。充電が完了していればステップS408へ移行し、充電が完了していなければステップS407を繰り返す。
ステップS408にてストロボマイコン310は、入力部312に含まれるオートバウンス開始ボタンがONとなったか否かの確認を行う。オートバウンス開始ボタンがONとなっていればステップS409へ移行し、OFFの状態であればステップS435へ移行する。なお、カメラ本体100の入力部112を操作することでストロボ装置300にオートバウンス動作を実行させる指示をカメラ本体100からストロボ装置300に送信することができる構成の場合、カメラ本体100から指示があるか否かの確認も行う。
ステップS409にてストロボマイコン310は、カメラマイコン101へ通信ラインSCを介して、オートバウンス動作情報としてオートバウンス動作中であることを示す情報を送信する。
ステップS410にてストロボマイコン310は、天井距離に関する情報を取得するために放電管305を発光させるときの可動部300bの回動角度を決定するため、姿勢検出回路360の検出結果に基づいて本体部300aの姿勢を判別する。姿勢検出回路360の検出結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、横位置状態か縦位置状態かを判別する。横位置状態であればステップS411へ移行し、縦位置撮態であればステップS412へ移行する。なお、カメラ本体100にストロボ装置300を装着している状態では、カメラ本体100の姿勢と本体部300aの姿勢は対応関係にあるので、姿勢検出回路360の検出結果ではなく姿勢検出回路140の検出結果を用いてもよい。また、カメラ本体100にストロボ装置300を装着している状態では、カメラ本体100の姿勢が検出できれば本体部300aの姿勢を判別できるため、ストロボ装置300に姿勢検出回路を設けていなくてもよい。
ステップS411にてストロボマイコン310は、天井距離に関する情報を取得するために放電管305を発光させるときの可動部300bの回動角度を決定する制御として横位置角度制御を適用する。横位置角度制御が適用されると、横位置角度制御が適用されたことを示す情報をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、天井距離に関する情報を取得するためにバウンス駆動回路340dを用いて可動部300aを上方向に回動させる。なお、バウンス駆動回路340dを用いて可動部300aを上方向に回動させる処理など横位置角度制御が適用される処理は、後述するステップS419以降に行われる。横位置角度制御適用後、ステップS413へ移行する。
ステップS412にてストロボマイコン310は、天井距離に関する情報を取得するために放電管305を発光させるときの可動部300bの回動角度を決定する制御として縦位置角度制御を適用する。縦位置角度制御が適用されると、縦位置角度制御が適用されたことを示す情報をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、天井距離に関する情報を取得するためにバウンス駆動回路340bを用いて可動部300aを左方向または右方向に回動させる。なお、バウンス駆動回路340bを用いて可動部300aを左方向と右方向のどちらに回動させるかは、左縦位置状態か右縦位置状態に応じて決定される。
また、バウンス駆動回路340dを用いて可動部300aを左方向または右方向に回動させる処理など縦位置角度制御が適用される処理は、後述するステップS419以降に行われる。縦位置角度制御適用後、ステップS413へ移行する。
ステップS413にてストロボマイコン310は、バウンス駆動回路340を用いて発光部の照射方向が正面方向となるように可動部300bを回動させる。正面方向とは、カメラ本体100の撮影光軸と略平行な方向であって、本実施形態では、可動部300bの上下方向の回動角度が0度、左右方向の回動角度が0度のときに発光部の照射方向が正面方向となるものとする。なお、バウンス角度検出回路340a、340cの角度検出結果から既に正面方向を向いていると判断できた場合は、このステップを省略できる。その後、ステップS414へ移行する。
ステップS414にてストロボマイコン310は、発光部の照射方向が正面方向を向いているか否かをバウンス角度検出回路340a、340cの角度検出結果に基づいて判断する。現在のバウンス角度検出回路340a、340cの角度検出結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、発光部の照射方向が正面方向を向いていればステップS415へ移行し、向いていなければステップS416へ移行する。
ステップS415にてストロボマイコン310は、被写体距離に関する情報を取得するために放電管305を発光させる。発光後、ストロボマイコン310は、距離取得部308に指示して被写体からの反射光を受光センサで受光した結果に基づいて被写体距離に関する情報を演算させる。被写体距離に関する情報の演算結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、ステップS419へ移行する。
ステップS416にてストロボマイコン310は、カメラマイコン101から送信されるオートバウンス動作の終了指示を、通信ラインSCを介して取得したか否かを確認する。ストロボマイコン310がオートバウンス動作の終了指示を取得した場合はオートバウンス動作を終了させ、ステップS402へ戻る。取得していない場合はステップS417へ移行する。
ステップS417にてストロボマイコン310は、発光部の照射方向が正面方向となるように可動部300bを回動させ始めてから所定時間が経過したか否かを確認する。所定時間が経過している場合はステップS418へ移行し、所定時間が経過していない場合はステップS414へ移行する。
ステップS418にてストロボマイコン310は、カメラマイコン101へ対しオートバウンス動作情報としてオートバウンス動作がエラー状態であることを示す情報を通信ラインSCを介して送信し、ステップS402へ戻る。
ステップS419にてストロボマイコン310は、バウンス回路340を用いて発光部の照射方向が正面方向となるように可動部300bを回動させる。その後、ステップS420へ移行する。
ステップS420にてストロボマイコン310は、発光部の照射方向が天井方向を向いているか否かをバウンス角度検出回路340a、340cの角度検出結果に基づいて判断する。現在のバウンス角度検出回路340a、340cの角度検出結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、天井を向いていればステップS421へ移行し、向いていなければステップS422へ移行する。
ステップS421にてストロボマイコン310は、天井距離に関する情報を取得するために放電管305を発光させる。発光後、ストロボマイコン310は、距離取得部308に指示して天井からの反射光を受光センサで受光した結果に基づいて天井距離に関する情報を演算させる。天井距離に関する情報の演算結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、ステップS425へ移行する。
ステップS422にてストロボマイコン310は、カメラマイコン101から送信されるオートバウンス動作の終了指示を、通信ラインSCを介して取得したか否かを確認する。ストロボマイコン310がオートバウンス動作の終了指示を取得した場合はオートバウンス動作を終了させ、ステップS402へ戻る。取得していない場合はステップS423へ移行する。
ステップS423にてストロボマイコン310は、発光部の照射方向が天井方向となるように可動部300bを回動させ始めてから所定時間が経過したか否かを確認する。所定時間が経過している場合はステップS424へ移行し、所定時間が経過していない場合はステップS420へ移行する。
ステップS424にてストロボマイコン310は、カメラマイコン101へ対しオートバウンス動作情報としてオートバウンス動作がエラー状態であることを示す情報を通信ラインSCを介して送信し、ステップS402へ戻る。
ステップS425にてストロボマイコン310は、ステップS410の姿勢検出結果及び、ステップS415、S421の取得結果に基づいてバウンス発光撮影に適した発光部の照射方向を決定する。例えば、ステップS410の姿勢検出結果及び、ステップS415、S421の取得結果に基づいて可動部300bの回動角度を演算して、バウンス発光撮影に適した発光部の照射方向を決定する。
ここで、バウンス発光撮影に適した発光部の照射方向を決定する方法をについて、図7、図8を用いて説明する。図7はバウンス発光撮影を行うときにストロボ装置300から発せられる光と被写体との関係を示す図である。図7(a)は、可動部300bの回動角度が上方向に45度、左右方向に0度である場合を示す図であり、図7(b)は、可動部300bの回動角度が上方向に90度、左右方向に0度である場合を示す図である。
図7(a)、(b)に示すように可動部300bの回動角度が小さいほうが、天井からの拡散反射光は被写体に対してトップライトのように照射され、被写体の顎等の影が大きく濃く出やすくなる。逆に、可動部300bの回動角度が大きいほうが、被写体から見た天井の反射面は遠くなり、天井からの拡散反射光は浅い角度で被写体に入射し、被写体に生じる影は小さく薄くなる。ところが、被写体に入射する角度が浅くなりすぎると、被写体生じる影が薄くなりすぎて不自然になってしまう。
以上のように、バウンス発光撮影時に被写体に生じる影は、天井からの拡散反射光が被写体に入射する角度に影響される。
次に、バウンス発光撮影時に被写体に適度な影が生じるような可動部300bの回動角度を演算する方法の例を、図8を用いて説明する。なお、図8において、図中の左右方向の距離は重力方向と直交する方向の距離とし、ストロボ装置300は前後方向に傾いていないものとする。
図8は、バウンス発光撮影を行うときのストロボ装置300と被写体との位置関係を示す図である。図8では、ストロボ装置300の発光基準面から被写体までの距離(被写体距離)をx、発光基準面から天井までの距離(天井距離)をyとする。さらに、被写体と発光基準面とを結ぶ直線と天井反射部からの鉛直線との交点から被写体までの距離をx1、当該交点から発光基準面までの距離をx2とする。本実施形態では、発光基準面は、放電管305から発せられた光がストロボ装置300の外部に射出される面のことを表し、例えば、放電管305の前方に配置された光学パネルの光射出面に対応する。また、本実施形態では、天井反射部は、放電管305から発せられストロボ装置300の外部に射出される光束の中心軸と天井との交点を表している。
さらに、被写体へ入射する天井反射部からの拡散反射光の中心軸が被写体と発光基準面とを結ぶ直線となす角をθ1、ストロボ装置300の外部に射出される光束の中心軸が被写体と発光基準面とを結ぶ直線となす角をθ2とする。
ここで、被写体と発光基準面とを結ぶ直線と天井反射部からの鉛直線との交点から発光基準面までの距離をx2とすると、x2は、式(1)により求められる。
x2=x−(y/tanθ1) ・・・(1)
また、θ2は以下の式(2)により求められる。
θ2=tan−1{ytanθ1/(xtanθ1−y)} ・・・(2)
式(2)により、角度θ1を実験などにより予め決められた適正角度θ1´にすると、バウンス発光撮影に適した可動部300bの回動角度θ2´は、被写体距離xと天井距離yとに基づいて演算できる。例えば、適正角度θ1´が30度、被写体距離xが3m、天井距離yが1.4mである場合、回動角度θ2´は式(2)から約68度となる。また、図8(b)のような被写体とストロボ装置300とが比較的近い場合、例えば、適正角度θ1´が30度、被写体距離xが2m、天井距離yが1.4mである場合、回動角度θ2´は式(2)から約107度となる。
なお、バウンス発光撮影に適した発光部の照射方向を決定する方法は上記の方法に限らず、その他の公知の方法により決定してもよい。また、適正角度θ1´も30度以外の角度であってもよい。
ストロボマイコン310は、バウンス発光撮影に適した発光部の照射方向を決定した後、決定した結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、ステップS426に移行する。
ステップS426にてストロボマイコン310は、背面検知部316により物体が検知されているか否かを確認する。背面検知部316により物体が検知されている場合は、物体が検知されていることを示す情報をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納してステップS427aへ移行する。一方、背面検知部316により物体が検知されていない場合は、物体が検知されていないことを示す情報をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納してステップS427bへ移行する。なお、通信ラインSCを介してカメラマイコン101から背面検知部116の情報が取得できる場合は、背面検知部316の出力の代わりに背面検知部116の出力を用いてもよい。さらに、背面検知部116の出力と背面検知部316の出力の両方を組み合わせて用いてもよい。また、背面検知部316による検知処理は、常に検知範囲内に物体が存在するか否かを監視するように実行されてもよいし、定期的に実行されてもよい。また、ステップS426で用いる背面検知部316の出力は、最新の出力のほうが実際の状況との違いが少ないため、オートバウンス開始ボタンがONされる直前の出力やオートバウンス開始ボタンがONされた後の出力などが好ましい。
ステップS427aにてストロボマイコン310は、バウンス駆動範囲の閾値を第1の値にする再設定を行う。既に第1の値に設定されている場合はこのステップを省略しても構わない。閾値再設定後、設定した閾値をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、ステップS428へ移行する。
ステップS427bにてストロボマイコン310は、バウンス駆動範囲の閾値を第1の値よりも小さい第2の値にする再設定を行う。既に第2の値に設定されている場合はこのステップを省略しても構わない。閾値再設定後、設定した閾値をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、ステップS428へ移行する。
ステップS428にてストロボマイコン310は、ステップS425の演算結果と、バウンス角度検出回路340a、340cの検出結果と、ステップS427a、S427bで設定された閾値に基づいて、可動部300bを回動させるときの駆動量を演算する。
背面検知部316の出力とバウンス駆動範囲の閾値との関係について図9を用いて説明する。図9(a)に示すように、本実施形態のストロボ装置300は、初期設定では、発光部の照射方向が正面方向となる位置から、可動部300bを最大で上方向に120度、下方向に7度、左右方向にそれぞれ120度回動させることができるものとする。すなわち、第1の値が120度だとする。
バウンス駆動範囲の閾値が120度の場合、発光部の照射方向を変更する自由度が大きく、可動部300bを最大限回動させると本体部300bよりも後方に発光部からの光を照射することができる。
本体部300bよりも後方に発光部からの光を照射した場合、撮影者の顔の位置によっては撮影者の顔に発光部からの光が照射されてしまうことが考えられる。例えば、図9(b)に示すように、撮影者がカメラ本体100から顔を離している状態だと、本体部300bよりも後方に発光部からの光を照射すると撮影者の顔に発光部からの光が照射されてしまう可能性がある。一方、撮影者がカメラ本体100のファインダー117を覗くためにカメラ本体100に顔を近付けている状態だと、本体部300bよりも後方に発光部からの光を照射しても撮影者の顔に発光部からの光が照射されない。
以上のことから本実施形態では、本体部300bよりも後方に発光部からの光を照射しても撮影者の顔に発光部からの光が照射されないほど撮影者の顔がカメラ本体100に近づいているときはバウンス駆動範囲の閾値を大きくする。一方、撮影者の顔がカメラ本体100から離れていて本体部300bよりも後方に発光部からの光を照射すると撮影者の顔に発光部からの光が照射される可能性があるときはバウンス駆動範囲の閾値を小さくする。
本実施形態では、例えば、背面検知部316により物体が検知されていないときのほうが、背面検知部316により物体が検知されているときよりも、バウンス駆動範囲の閾値を小さくする。このように、バウンス駆動範囲の閾値を背面検知部316の出力に応じて変更することで、照明装置からの光が撮影者(ユーザ)に照射されることを低減することができる。
ステップS428では、ステップS425の演算結果の示す回動角度がバウンス駆動範囲の閾値である制限角度を超える場合は、制限角度を可動部300bの目標角度に設定して可動部300bを回動させるときの駆動量を演算する。ステップS425の演算結果の示す回動角度がバウンス駆動範囲の閾値である制限角度を超えない場合は、演算結果の示す回動角度を可動部300bの目標角度に設定して可動部300bを回動させるときの駆動量を演算する。
また、バウンス駆動量を演算する際にストロボ装置300の姿勢が傾いていた場合には、姿勢検出回路360の検出結果に基づき駆動量の補正も行う。例えば、姿勢検出回路360の各軸の傾き角度を検出し、演算した駆動量に傾き角度を打ち消すような補正駆動量を演算し、駆動量を補正する。ただし、駆動量を補正した結果、設定されているバウンス駆動範囲の閾値を超える場合には、背面検知部316の出力に応じて補正方法を切り替える。
背面検知部316により物体が検知されている場合は、設定されている閾値に対しても補正を行い、背面検知部316により物体が検知されていない場合は、設定されている閾値には補正を行わない。例えば、第1の閾値が設定され、演算結果が示す回動角度が120度であり補正駆動量がγであった場合、120+γ度までがバウンス駆動範囲となるように第1の閾値を補正する。背面検知部316により物体が検知されている場合、撮影者がカメラ本体100のファインダー117を覗くためにカメラ本体100に顔を近付けている状態と考えられ、バウンス駆動範囲を拡大させても照明装置からの光が撮影者(ユーザ)に照射されにくい。そこで、背面検知部316により物体が検知されている場合は、ストロボ装置300の姿勢に応じてバウンス駆動範囲を拡大する補正を行う。なお、バウンス駆動範囲を縮小する補正は行わない。
一方、第2の閾値が設定され、演算結果が示す回動角度が90度であり補正駆動量がγであった場合、第2の閾値には補正を行わず90度までをバウンス駆動範囲とする。背面検知部316により物体が検知されていない場合、撮影者がカメラ本体100から顔を離している状態と考えられ、バウンス駆動範囲を拡大させると照明装置からの光が撮影者(ユーザ)に照射されやすくなってしまう。そこで、背面検知部316により物体が検知されていない場合は、ストロボ装置300の姿勢に応じてバウンス駆動範囲を拡大する補正も縮小する補正も行わない。
なお、ここでも姿勢検出回路360の代わりに姿勢検出回路140の検出結果を用いてもよい。
駆動量の演算後、演算した結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、ステップS429へ移行する。
ステップS429にてストロボマイコン310は、ステップS428で演算した結果に基づき、バウンス回路340を用いて可動部300bを回動させる。その後、ステップS430へ移行する。
ステップS430にてストロボマイコン310は、バウンス角度検出回路340a、340cの検出結果に基づき、可動部300bが目標角度(演算位置)になっているか否かを判断する。目標角度になっている場合はステップS432へ移行し、目標角度になっていない場合はステップS431へ移行する。
ステップS431にてストロボマイコン310は、可動部300bを目標角度となるように回動させ始めてから所定時間が経過したか否かを確認する。所定時間が経過している場合はステップS432へ移行し、所定時間が経過していない場合はステップS430へ移行する。
ステップS432にてストロボマイコン310は、メインコンデンサ302dの充電電圧が所定値以上(充電完了)か否かを判別し、所定値以上であればステップS434へ移行し、所定値未満であればステップS433へ移行する。
ステップS433にてストロボマイコン310は、再度昇圧回路ブロック302を動作開始させてメインコンデンサ302dの充電を行う。充電後、ステップS434へ移行する。
ステップS434にてストロボマイコン310は、充電完了信号をカメラマイコン101へ送信するなどの充完処理を行い、ステップS435へ移行する。
ステップS435にてストロボマイコン310は、発光命令としてカメラマイコン101から発光開始信号を受信したか否かを判別し、受信していればステップS436へ移行し、受信していなければステップS402へ戻る。
ステップS436にてストロボマイコン310は、受信した発光開始信号に応じて発光制御回路304に発光指示を行い、発光制御回路304は、発光指示に従って放電管305を発光させ、発光終了後はステップS402へ戻る。なお、ステップS436では、調本発光量の演算用のプリ発光と本発光のように一連する発光については、一連の発光が終了後にステップS402へ戻る。
以上のようにして、オートバウンス動作を含めたストロボ装置300の発光に伴う処理が実行される。
なお、本実施形態で説明した各フローチャートはあくまで一例であって、不都合がなければ本実施形態で説明した各フローチャートと異なる順序で各種処理を実行しても構わない。また、本実施形態では、バウンス発光撮影時の反射面に天井を用いた場合を想定して説明しているが、天井に限らず壁等の撮影者の意図する方向へモード設定すれば任意の反射面に変更可能であることは言うまでもない。
以上のように、本実施形態では、バウンス発光撮影時に背面検知部316の出力に基づいてバウンス駆動範囲の制限角度を変更することで、効果的なバウンス発光撮影を行うことができるとともに、照明装置からの光がユーザに照射されることを低減できる。
(第2の実施形態)
以下、図10を参照して、本発明に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態の撮像システムは、第1の実施形態と同様の撮像システムであるため、撮像システムを構成する各装置の説明は省略する。本実施形態は、撮影者が手動で設定した発光部の照射方向をストロボマイコン310の内蔵メモリに記憶させ、自動駆動制御において記憶させた照射方向となるように可動部300bを回動させることが可能な点で、第1の実施形態とは異なる。本実施形態では、撮影者が手動で可動部300bを回動させた状態で入力部312のオートバウンス開始ボタンが操作されると、現在の可動部300bの回動角度が記憶される。次に、カメラ本体100のSW1がONとなることで、記憶された回動角度と回動角度を記憶させた時とのストロボ装置300の姿勢差とに応じて、回動角度を記憶させた時の発光部の照射方向と同じ照射方向となるように可動部300bを回動させる状態となる。以下では、このような、回動角度を記憶させた時の発光部の照射方向と同じ照射方向となるように可動部300bを回動させることをセミオートバウンスと呼ぶ。このように、セミオートバウンスでは、被写体の距離に関する第1の情報と被写体とは異なる方向の対象物の距離に関する第2の情報とに基づいて発光部の照射方向を演算する処理を行わない。なお、本実施形態では、第1の実施形態で説明したように、背面検知部316の出力に応じたオートバウンス発光撮影時のバウンス駆動範囲の設定を行い、かつ、下記のようなセミオートバウンス発光撮影時のバウンス駆動範囲の設定を行う。本実施形態における、背面検知部316の出力に応じたオートバウンス発光撮影時のバウンス駆動範囲の設定に係わる処理は、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
図10は、セミオートバウンス発光撮影に係るストロボ装置300の発光に伴う処理を説明する図である。図4に示すフローチャートと同様の処理を行うステップについては詳細な説明は省略する。
ステップS901にてストロボマイコン310は、ステップS401と同様に初期化や設定の読み込みを行う。また、回動角度の初期値の設定を読み込み、ステップS402へ移行する。回動角度の初期値は、例えば、発光部の照射方向が正面方向となる可動部300bの回動角度(上下方向が0度、左右方向が0度)とする。
ステップS902〜S905にてストロボマイコン310は、ステップS402〜S405と同様の処理を行いステップS906へ移行する。
ステップS906にてストロボマイコン310は、設定されている発光モードがセミオートバウンス発光撮影を実行可能なセミオートバウンスモードであるか否か確認する。セミオートバウンスモードであればステップS907へ移行し、セミオートバウンス発光撮影を実行できない通常の発光モードであればステップS916へ移行する。
ステップS907、S908にてストロボマイコン310は、ステップS407、S408と同様の処理を行い、オートバウンス開始ボタンがONとなっていればステップS909へ移行し、OFFの状態であればステップS910へ移行する。
ステップS909にてストロボマイコン310は、現在のバウンス角度検出回路340a、340cの検出結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、ステップS910へ移行する。
ステップS910にてストロボマイコン310は、カメラ本体100のSW1がONとなったことを示す情報が、カメラマイコン101から通信ラインSCを介してストロボマイコン310に伝えられたか否かの確認を行う。カメラ本体100のSW1がONとなったことを示す情報が伝えられていればステップS911へ移行し、カメラ本体100のSW1がONとなったことを示す情報が伝えられていない状態であればステップS912へ移行する。なお、ステップS910では、セミオートバウンスの実行指示信号がカメラマイコン101から通信ラインSCを介してストロボマイコン310に伝えられたか否かの確認を行うようにしてもよい。また、セミオートバウンスの実行指示信号は、入力部112のレリーズスイッチが1段階操作(半押し)されたことに応じてカメラマイコン101から送信されてもよいし、入力部112のレリーズスイッチ以外の対応ボタンが押されることで送信されてもよい。
ステップS911にてストロボマイコン310は、ステップS909で格納した検出結果と、現在のバウンス角度検出回路340a、340cの検出結果に基づいて、可動部300bを回動させるときの駆動量を演算する。
また、駆動量を演算する際にストロボ装置300の姿勢が傾いていた場合には、姿勢検出回路360の検出結果に基づき、駆動量の補正も行う。例えば、姿勢検出回路360の各軸の傾き角度を検出し、演算した駆動量に傾き角度を打ち消すような補正駆動量を演算し、駆動量を補正する。なお、セミオートバウンス発光撮影を行うときには、第1の実施形態のように、背面検知部316の出力に応じて駆動量の補正方法を切り替えることはしない。また、ここでも姿勢検出回路360の代わりに姿勢検出回路140の検出結果を用いてもよい。
駆動量の演算後、演算した結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納し、ステップS913へ移行する。
ステップS912にてストロボマイコン310は、オートバウンス開始ボタンがONとなってからカメラ本体100のSW1がONとならずに所定時間が経過したか否かを確認する。所定時間が経過している場合はステップS902へ移行し、所定時間が経過していない場合はステップS906へ移行する。
ステップS913にてストロボマイコン310は、ステップS911で演算した結果に基づき、バウンス回路340を用いて可動部300bを回動させる。その後、ステップS914へ移行する。
ステップS914〜S920にてストロボマイコン310は、ステップS430〜S436と同様の処理を行いステップS902へ移行する。
以上のようにして、セミオートバウンス発光撮影に係るストロボ装置300の発光に伴う処理が実行される。
このようにセミオートバウンスモードでは、オートバウンスモードとは異なり、背面検知部116、316の出力の有無にかかわらず、可動部300bの回動可能範囲を制限する閾値を設けない。これは、セミオートバウンスモードにおける発光部の照射方向は、ユーザが意図して設定した照射方向であり、発光部の照射方向を考慮して照明装置からの光が照射されない位置にユーザ自身で移動することが容易であるからである。また、ユーザが意図して照射方向を設定するため、できる限りユーザの意図を反映させることが好ましいからである。
以上のように、発光部の照射方向が自動的に演算される場合は、発光部の照射方向がどの方向になるかユーザが把握しにくいため、背面検知部316の出力に応じたオートバウンス発光撮影時のバウンス駆動範囲の設定を行う。一方、ユーザが発光部の照射方向を設定する場合は、発光部の照射方向がどの方向になるかユーザが把握しやすいため、背面検知部316の出力に応じたセミオートバウンス発光撮影時のバウンス駆動範囲の設定を行わない。そうすることで、できる限りユーザの意図を反映させながら、照明装置からの光が撮影者(ユーザ)に照射されることを低減することができる。
なお、本実施形態で説明した各フローチャートはあくまで一例であって、不都合がなければ本実施形態で説明した各フローチャートと異なる順序で各種処理を実行しても構わない。
(第3の実施形態)
以下、図11を参照して、本発明に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態の撮像システムは、第1、第2の実施形態と同様の撮像システムであるため、撮像システムを構成する各装置の説明は省略する。本実施形態は、カラーフィルター、拡散パネル、バウンスアダプター等の、放電管305の前方に配置された光学パネルの光射出面よりも照射方向側に位置するように固定される光学アクセサリを用いる場合ついて説明する。本実施形態のストロボ装置300は、カラーフィルター、拡散パネル、バウンスアダプター等の光学アクセサリ400を検出するアクセサリ検出手段であるアクセサリ検出部318を備えている点で、第1、第2の実施形態のストロボ装置300とは異なる。本実施形態では、アクセサリ検出部318の検出結果に基づき、オートバウンス発光撮影時のバウンス駆動範囲の閾値を変更する。
図11は、第3の実施形態に係る撮像システム(カメラ本体100、レンズユニット200、あるストロボ装置300、光学アクセサリ400を含む)の概略構成である。アクセサリ検出部318は、メカスイッチ、色検知センサ、静電センサ、磁気センサ等で構成された回路で、各種光学アクセサリの種類を区別して検出することが可能である。
本実施形態におけるオートバウンス発光撮影に係るストロボ装置300の発光に伴う処理は基本的に図4の処理と同様であるため、以下では第1の実施形態で説明した処理とは異なる処理のみを説明する。
ステップS401にてストロボマイコン310は、第1の実施形態と同様に初期化や設定の読み込みを行う。また、ストロボマイコン310は、アクセサリ検出部318の検出結果に基づいて光学アクセサリ400が取り付けられているか否かを確認し、その検出結果をストロボマイコン310の内蔵メモリに格納する。その後、アクセサリ検出部318の検出結果から取り付けられている光学アクセサリ400の種類に応じてバウンス駆動範囲の閾値の初期設定を行い、ステップS402へ移行する。ここでの閾値の初期設定は、例えば以下のように行う。カラーフィルターはストロボ光の色温度を調整することが目的であるため、アクセサリ検出部318によってストロボ装置300のカラーフィルターが検出された場合、アクセサリ検出部318によってなにも検出されていないときと同じ閾値を初期設定する。また、バウンスアダプターは発光部の照射範囲を広げ、被写体方向と天井方向に拡散光を照射することが目的であるため、発光部の照射方向は撮影者側に向きすぎない方がよい。そこで、アクセサリ検出部318によってバウンスアダプターが検出された場合、アクセサリ検出部318によってなにも検出されていないときよりも小さい値を閾値として初期設定する。この時設定される閾値は、第1の実施形態で説明した第1の閾値より小さければ、第2の閾値と同じ値であっても異なる値であってもよい。また、アクセサリ検出部318によって複数の光学アクセサリが検出された場合、検出された光学アクセサリに対応する閾値のなかでバウンス駆動範囲が最も制限される閾値を初期設定するのが好ましい。例えば、カラーフィルターとバウンスアダプターの両方が検出された場合は、バウンスアダプターに対応する閾値を初期設定するのが好ましい。
ステップS413〜S427においては、アクセサリ検出部318によって検出された光学アクセサリ400の種類に応じて省略するか否かの設定を、入力部312を用いて切り換え可能になっている。例えば、簡単にバウンス発光撮影の効果を得られることがバウンスアダプターの利点であるため、アクセサリ検出部318によってバウンスアダプターが検出された場合には、可動部300bの回動角度は上方向に90度にとなるようにしてもよい。そして、ステップS413〜S427の処理を省略する設定にしてもよい。この場合、バウンス駆動範囲の閾値を上限及び下限ともに90度に初期設定すればよい。
ステップS428にてストロボマイコン310は、第1の実施形態と同様に駆動量の演算を行う。但し、ステップS413〜S427の処理を省略する設定となっていた場合は、初期設定された閾値とバウンス角度検出回路340a、340cの検出結果とに基づいて、可動部300bの駆動量を演算する。
以降、第1の実施形態と同様の処理を行い、発光終了後はステップS402へ戻る。
以上のようにして、光学アクセサリの使用状態に応じたオートバウンス発光撮影に係るストロボ装置300の発光に伴う処理が実行される。
一方、セミオートバウンス発光撮影を行う場合は、光学アクセサリの使用状態に応じて処理は変えない。すなわち、光学アクセサリの使用状態によらず第2の実施形態と同様の処理を行う。これは、第2の実施形態で説明したように、セミオートバウンス撮影時はできる限りユーザの意図を反映させるためである。
なお、本実施形態で説明した各フローチャートはあくまで一例であって、不都合がなければ本実施形態で説明した各フローチャートと異なる順序で各種処理を実行しても構わない。
以上のように、本実施形態では、光学アクセサリの使用状態に応じて可動部300bの回動角度を制限する制限角度を設定することで、できる限りユーザの意図を反映させながら、照明装置からの光が撮影者(ユーザ)に照射されることを低減することができる。
なお、上記の3つの実施形態において、可動部300bの回動角度を制限する制限角度を設定する方法は限定されない。例えば、本体部300aと可動部300bの相対的な位置関係を制限するように制限角度を設定してもよい。この場合、本体部300aに対して可動部300bを左右方向に回動できる角度及び上下方向に回動できる角度を制限角度として設定する。あるいは、重力方向を基準に制限角度を設定してもよい。この場合、重力方向に対して発光部の照射方向を向けることができる角度を制限角度として設定する。
また、上記の3つの実施形態では、ストロボ装置300が可動部300bの回動角度を制限する制限角度を設定する例を説明したが、ストロボ装置300が実行した処理の少なくとも一部をカメラ本体100が実行するようにしてもよい。例えば、背面検知部116の出力に基づいてカメラ本体100が可動部300bの回動角度を制限する制限角度を設定し、カメラ本体100からストロボ装置300に設定された制限角度に関する情報を送信するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第3の実施形態では、セミオートバウンスモードについて説明していないが、第1及び第3の実施形態においてセミオートバウンスモードを備えていてもよい。また、第1の実施形態においてセミオートバウンスモードを備える場合、オートバウンスモードとセミオートバウンスモードとで制限角度の設定方法を変えずに、背面検知部316の出力に基づいて制限角度を設定してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。