〔実施形態1〕
本発明に係る一実施形態について、図1〜図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態以下の各実施形態においては、紫外線照度センサ1〜3が、図1の(a)に示すような、スマートフォン(携帯型電子機器)100に備えられているものとして説明する。スマートフォン100は、紫外線照度センサ1〜3によって測定された紫外光の強度をメモリ(図示せず)に記録させることにより、ユーザの健康情報を生成するとともに、該健康情報を管理することができる。
なお、紫外線照度センサ1〜3は、スマートフォン100の他、例えば、図1の(b)に示すようなリストバンド型活動量計(携帯型電子機器)200に備えられてもよい。この場合、リストバンド型活動量計200は、野外活動中のユーザの積算紫外線量を測定し、その測定データをスマートフォン等の外部通信端末300に送信することで(送信手段は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を利用)、積算紫外線量を外部通信端末に記録する。また、紫外線照度センサ1〜3は、例えば、液晶パネルを備えた小型の画像表示装置(図示せず)に備えられてもよい。
<紫外線照度センサ1の主要部の構成>
まず、図2を用いて、紫外線照度センサ1の主要部の構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る紫外線照度センサ1の主要部を示す回路ブロック図である。紫外線照度センサ1は、自センサへの入射光の光量から、該入射光の照度および紫外光の強度(入射光が太陽光の場合)を測定するセンサである。図2に示すように、紫外線照度センサ1は、第2受光素子PD_ir、第3受光素子PD_uv、第4受光素子PD_clear、アナログ−デジタル変換回路(以下、AD変換回路と略記する)ADC1〜ADC3および演算部10を備える。
第2受光素子PD_irは、赤外光領域に感度ピーク(約820nm、図3参照)を有するフォトダイオードである。第3受光素子PD_uvは、紫外光領域に感度ピーク(約350nm、図3参照)を有するフォトダイオードである。第4受光素子PD_clearは、可視光領域に感度ピークを有する第1受光素子PD_visの感度と、第2受光素子PD_irの感度とを足し合わせた感度(感度ピーク:約740nm、図3参照)を有するフォトダイオードである。これら3つの受光素子に光が入射した場合、入射光の分光特性および強度に応じた光電流(出力)が流れる。
上記3つの受光素子に流れる光電流は、それぞれの受光素子に接続されたAD変換回路ADC1〜ADC3によりデジタル値(CLEAR、IR、UV)に変換される。
演算部10は、AD変換回路ADC1から出力されたデジタル値CLEARと、AD変換回路ADC2から出力されたデジタル値IRとに基づいて、紫外線照度センサ1への入射光の演算照度(照度)を算出する。また、演算部10は、デジタル値UVに基づいて、上記入射光が太陽光の場合における、該太陽光に含まれる紫外光の強度を算出する。図2に示すように、演算部10は、第1の重み係数変更決定部11、第1の重みづけ部12、第2の重み係数変更決定部13、第2の重みづけ部14、照度演算部15および強度演算部16を備える。
第1の重み係数変更決定部11は、AD変換回路ADC2から出力されたデジタル値IRと、AD変換回路ADC1から出力されたデジタル値CLEARとの比(IR/CLEAR)に基づいて、第1重み係数αおよび第2重み係数βの少なくともいずれか一方の値を変更するか否か、決定する。
具体的には、紫外線照度センサ1の周囲に配置された各種光源(太陽光(AM1.5)、A光源(2856K)、白色LED、F06(普通形蛍光灯)、F08(高演色形蛍光灯)、F10(3波長形蛍光灯))の1ルクス時の分光スペクトルに基づいて(図4参照)、該各種光源のIR/CLEARの値を算出する(図5参照)。算出した各値は、各種光源のIR/CLEARの基準値として、予め第1の重み係数変更決定部11に記憶させておき、この基準値と入射光のIR/CLEARの値とを対比することで光源の種類を判別する。そして、判別結果に基づいて、光源による演算照度(照度)の誤差が最小になるよう、第1重み係数αおよび第2重み係数βの少なくともいずれか一方の値をどのように変更するか、決定する。
第1の重みづけ部12は、第1の重み付け変更決定部11から出力された決定結果に応じて第1重み係数αの値を維持または変更する。そして、AD変換回路ADC1から出力されたデジタル値CLEARに上記決定結果が反映された第1重み係数αを乗じることで重みづけを行う。
第2の重み係数変更決定部13は、AD変換回路ADC3から出力されたデジタル値UVと、AD変換回路ADC1から出力されたデジタル値CLEARとAD変換回路ADC2から出力されたデジタル値IRとの差であるデジタル値(CLEAR−IR)との比(UV/(CLEAR−IR))に基づいて、第2重み係数βの値を変更するか否か決定する。そして、UV/(CLEAR−IR)の値から紫外線照度センサ1への入射光が太陽光であると判定した場合、第2の重み係数変更決定部13は、第2重み係数βの値を変更することを決定する。
具体的には、上記各種光源の1ルクス時の分光スペクトルに基づいて(図4参照)、該各種光源のUV/(CLEAR−IR)の値を算出する(図6参照)。算出した各値は、各種光源のUV/(CLEAR−IR)の基準値として、予め第2の重み係数変更決定部13に記憶させておき、この基準値と入射光のUV/(CLEAR−IR)の値とを対比することで光源の種類を判別する。そして、判別結果に基づいて、光源による演算照度の誤差が最小になるよう、第2重み係数βの値をどのように変更するか決定する。
なお、太陽光と他の光源との差異が最も明確になり、太陽光が入射した場合の第2の重み係数変更決定部13による各重み係数の変更判定が最も容易になることから、本実施形態では、上記各重み係数の変更判定の基準値としてUV/(CLEAR−IR)の値を用いている。しかし、上記基準値はUV/(CLEAR−IR)の値に限定されず、例えば、UV/CLEAR、UV/VIS(VIS:第1受光素子PD_visに流れた光電流の信号がAD変換回路ADC1によってデジタル変換された値)およびUV/IRの各値を上記基準値として用いてもよい。換言すれば、第2の重み係数変更決定部13は、第3受光素子PD_uvからの出力に基づいて第2重み係数βの値を変更するか否かを決定すればよい。
また、第2の重み係数変更決定部13による決定対象となる重み係数は、第1重み係数αであってもよいし、第1重み係数αおよび第2重み係数βの両方であってもよい。換言すれば、第2の重み係数変更決定部13によって、第1重み係数αおよび第2重み係数βの少なくともいずれか一方の値が変更されていればよい。
第2の重みづけ部14は、第2の重み付け変更決定部13から出力された決定結果に応じて第2重み係数βの値を維持または変更する。そして、AD変換回路ADC2から出力されたデジタル値IRに上記決定結果が反映された第2重み係数βを乗じることで重みづけを行う。
照度演算部15は、第1の重みづけ部12から出力されたデジタル値(α・CLEAR)と、第2の重みづけ部14から出力されたデジタル値(β・IR)との差(α・CLEAR−β・IR)を求めることで、入射光の演算照度を算出する。
強度演算部16は、AD変換回路ADC3から出力されたデジタル値UVに第3重み係数γを乗じることで、入射光が太陽光の場合における、該太陽光に含まれる紫外光の演算強度(強度)を算出する。
<演算照度に関する従来の照度センサとの対比>
次に、図7を用いて、紫外線照度センサ1を用いた場合の演算照度の測定精度について説明する。図7は、各種光源から同一照度の光を受光したときの、紫外線照度センサ1によって算出された演算照度を示すグラフである。
図7に示すように、紫外線照度センサ1を用いた場合、光源が太陽光(AM1.5)の時に演算照度が約1.05となり、従来の照度センサ(演算照度は約1.6、図32参照)と比較して、照度の測定精度が向上している。このことから、太陽光が入射した場合に、UV/(CLEAR−IR)の値に応じて第2重み係数βの値を変更することにより照度の測定精度が向上することが明確になっている。
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、演算部10は、紫外線照度センサ1に太陽光が入射した場合、該太陽光に含まれる紫外光の影響を考慮して、具体的には、UV/(CLEAR−IR)の値に応じて第2重み係数βの値を変更することにより演算照度を算出する。それゆえ、紫外線照度センサ1は、入射光が太陽光の場合でも、その照度を精度高く測定することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図8〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、実施形態1と同様である。また、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。これらのことは、後述する他の実施形態でも同様である。
本実施形態に係る紫外線照度センサ2は、第1受光部PD1および第2受光部PD2で構成された受光部PD3、並びにUVカットフィルタ(光学フィルタ)21を備えている点で、実施形態1に係る紫外線照度センサ1と異なる。また、本実施形態に係る紫外線照度センサ2は、センサ回路部22を備えている点でも、実施形態1に係る紫外線照度センサ1と異なる。
<受光部PD3の構成>
まず、図8および図9を用いて、受光部PD3の構成について説明する。図8は、受光部を示す断面図である。また、図9は、上記受光部PD3を平面視した場合における、第1受光部PD1および第2受光部PD2の配置を示す概略図である。
受光部PD3は、該受光部PD3に照射された光(光の明るさ)に応じて光電流を流す、いわゆる光電交換を行う部材である。図8に示すように、受光部PD3は、第1受光部PD1および第2受光部PD2で構成されるとともに、第1受光部PD1の入射面H1上には、紫外光領域(波長400nm以下)の光を遮断するUVカットフィルタ21が配置されている。なお、UVカットフィルタ21は、第1受光部PD1の紫外光領域の感度と低下させる光学フィルタであればよい。
第1受光部PD1および第2受光部PD2は、ともに同じ断面構造を持つ。具体的には、P型半導体基板P−Sub(P型基板)にN型半導体領域N−Well(N型ウェル層)が形成され、N型ウェル層にP型半導体領域P−Well(P型ウェル層)が形成され、P型ウェル層にN型半導体領域N(N型拡散層)が形成された、4層構造となっている。P型基板、N型ウェル層およびP型ウェル層はグランドに接続されており、N型拡散層はグランドよりも高い電位の出力端子OUTに接続されている。
また、P型基板およびN型ウェル層(PN接合)により第2受光素子PD_irが形成され、N型ウェル層およびP型ウェル層(PN接合)により第1受光素子PD_visが形成され、P型ウェル層およびN型拡散層(PN接合)により第3受光素子PD_uvが形成されている。
上記各受光素子は、同じ半導体基板に形成されているが、接合部の深さの違いによってピーク感度波長が異なっている。つまりは、第2受光素子PD_irは最も深い位置に形成されていることから、ピーク感度波長が赤外光の波長域に属することとなる。第1受光素子PD_visは、第2受光素子PD_irに比して浅い位置に形成されていることから、ピーク感度波長が可視光の波長域に属することとなる。第3受光素子PD_uvは、第1受光素子PD_visよりもさらに浅い位置に形成されていることから、ピーク感度波長が紫外光の波長域に属することとなる。
さらに、受光部PD3を平面視した場合、図9に示すように、第1受光部PD1と第2受光部PD2とは、互いに隣り合った状態で配置されている。
<紫外線照度センサ2の主要部の構成>
図10は、本発明の一実施形態に係る紫外線照度センサ2の主要部を示す回路ブロック図である。図10に示すように、紫外線照度センサ2は、受光部PD3およびセンサ回路部22を備えている。
センサ回路部22は、受光部PD3に流れた光電流から紫外線照度センサ2への入射光の演算照度を算出する。センサ回路部22は、演算照度の算出をデジタル値で行い、算出結果をデジタル信号で出力する。センサ回路部22は、AD変換回路ADC4およびADC5、並びに減算部(演算部)22aを備えている。
AD変換回路ADC4は、入力部が第1受光部PD1に電気的に接続されているとともに、出力部が減算部22aに接続されている。第1受光部PD1が入射光を受光したときに流れる光電流の信号Iin1が、入力部からAD変換回路ADC4に入力される。AD変換回路ADC5は、入力部が第2受光部PD2に電気的に接続されているとともに、出力部が減算部22aに接続されている。第2受光部PD2が入射光を受光したときに流れる光電流の信号Iin2が、入力部からAD変換回路ADC5に入力される。
減算部22aは、AD変換回路ADC5からの出力信号ADCOUT2と、AD変換回路ADC4からの出力信号ADCOUT1との差を示すデジタル信号(ADCOUT2−ADCOUT1)を出力する。この出力信号(ADCOUT2−ADCOUT1)が、紫外線照度センサ2によって算出された、入射光の演算照度および紫外光の演算強度を示す信号となる。
<紫外線照度センサ2による紫外光の強度の測定>
次に、図11〜図13を用いて、紫外線照度センサ2による紫外光の強度の測定について説明する。図11は、UVカットフィルタの分光透過率特性を示すグラフである。図12は、第1受光部PD1が備えている第3受光素子PD_uvの分光特性の一例を示すグラフである。図13は、第2受光部PD2が備えている第3受光素子PD_uvの分光特性の一例を示すグラフである。
図11に示すように、UVカットフィルタ21は400nmより短い波長域の紫外光の透過率が低く、400nm以上の波長域の光の透過率は、ほぼ100%の特性を有している。したがって、第1受光部PD1が備えている第3受光素子PD_uvは、図12に示すように、UVカットフィルタによる紫外光(400nmより短い波長)の遮断効果の影響を受けて、400nmより短い波長域の紫外光に対しては、ほぼ感度を有しない。一方、第2受光部PD2が備えている第3受光素子PD_uvは、図13に示すように、400nmより短い波長域の紫外光に対しても一定程度の感度を有する。
それゆえ、減算部22aから出力される出力信号(ADCOUT2−ADCOUT1)は、第2受光部PD2が備えている第3受光素子PD_uvの分光特性と、第1受光部PD1が備えている第3受光素子PD_uvの分光特性との差分の分光特性を有する受光素子に流れた光電流の信号をAD変換したデジタル信号に相当することとなる。換言すれば、減算部22aは、第2受光部PD2が備えている第3受光素子PD_uvからの出力と第1受光部PD1が備えている第3受光素子PD_uvからの出力との差を求めることで、紫外線照度センサ2に入射した太陽光に含まれる紫外光の演算強度を算出する。
上記差分の分光特性を有する受光素子は、図14に示すように、400nmより短い波長域の紫外光に対してのみ感度を有することから、出力信号(ADCOUT2−ADCOUT1)は、紫外光の強度の実測値に近いものになる。
なお、紫外線照度センサ2は、紫外光の演算強度のみを算出する紫外線センサ(図示せず)として構成されてもよい。換言すれば、第1受光部PD1および第2受光部PD2は、少なくとも第3受光素子(紫外光領域に感度ピークを有する受光素子)PD_uvを含んでおり、減算部22aは、第2受光部PD2が備えている第3受光素子PD_uvからの出力と第1受光部PD1が備えている第3受光素子PD_uvからの出力との差を求めることで、太陽光に含まれる紫外光の演算強度のみを算出する強度演算部16のみから構成され、第1受光部PD1の入射面H上にUVカットフィルタ21が配置されていればよい。
上記紫外線センサによっても、該センサに入射する太陽光に含まれる紫外光の強度を精度高く測定できる。
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、紫外線照度センサ2は、第2受光部PD2が備えている第3受光素子PD_uvからの出力と、その入射面H1上にUVカットフィルタ21を配置した第1受光部PD1が備えている第3受光素子PD_uvからの出力との差を求めることで、紫外光の強度を精度高く測定できる。
また、紫外線照度センサ2は、単体で入射光の照度および紫外光の強度を両方測定できることから、照度測定用のセンサと紫外光の強度測定用のセンサとを別々に準備する場合と比較して、コストの削減を図ることができる。
なお、第1受光部PD1の入射面H上には、例えば干渉膜フィルタ等の他の光学フィルタを配置してもよい。しかし、紫外線照度センサ2に用いられているUVカットフィルタ21は、干渉膜フィルタ等よりも層数が少ないことから、本実施形態のように光学フィルタとしてUVカットフィルタ21を用いることで、コストの削減を図ることができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図15〜図28に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
<第1受光部PD1および第2受光部PD2とスイッチ回路31との接続>
まず、図15〜図20を用いて、紫外線照度センサ3が備えている第1受光部PD1および第2受光部PD2(以下、各受光部と記載する)と、受光素子選択用のスイッチ回路31との接続について説明する。
図15は、各受光部と上記スイッチ回路31との接続を示す概略図である。なお、図15は、第1受光部PD1の入射面H1上に配置されるUVカットフィルタ21については図示していない。このことは、図18〜図20についても同様である。
図15に示すように、各受光部が備えている、第1受光素子PD_vis、第2受光素子PD_irおよび第3受光素子PD_uvのアノードとカソードとは、スイッチ回路31と接続している。また、上記アノードおよびカソードはそれぞれ、スイッチ回路31のスイッチSW1〜SW5によって接続変更することができる。
スイッチSW1は、一方の端子が出力端子OUTに接続され、他方の端子がN型拡散層に接続されている。スイッチSW2は、一方の端子がスイッチSW1の他方端子および出力端子OUTに接続され、他方の端子がN型ウェル層に接続されている。スイッチSW3は、一方の端子がスイッチSW1の他方端子およびN型拡散層に接続され、他方の端子がグランドに接続されている。スイッチSW4は、一方の端子がP型ウェル層に接続され、他方の端子がスイッチSW3の他方端子およびグランドに接続されている。スイッチSW5は、一方の端子がスイッチSW2の他方端子およびN型ウェル層に接続され、他方の端子がスイッチSW4の他方端子およびP型ウェル層に接続されている。
そして、スイッチSW1〜SW5を適宜ON/OFF(開閉)制御することにより、ユーザがその測定を所望する、特定の波長域の入射光に対応した受光素子に流れる光電流を取り出すことができる。なお、上記ON/OFF制御は、スイッチ制御部(演算部)30(図15および図18〜図20においては図示せず、図21および図22参照)によってなされる。
ここで、各受光部が備えている各受光素子の分光特性を図16に示す。第1受光素子PD_visおよび第2受光素子PD_irの分光特性については、実施形態1と同様になる(図3参照)。また、第3受光素子PD_uvの分光特性については、実施形態2と同様になる(図13参照)。第4受光素子PD_clearについては、第1受光素子PD_visの出力と第2受光素子PD_irの出力とを足し合わせることによって構成すること(図19参照)から、その分光特性は、図16に示すように、第1受光素子PD_visの分光特性と第2受光素子PD_irの分光特性との和になる。
また、図17に示すように、紫外光の演算強度を算出する場合における、第2受光部PD2が備えている第3受光素子PD_uvの分光特性と、第1受光部PD1が備えている第3受光素子PD_uvの分光特性との差分の分光特性を有する受光素子PD_uv’については、400nmより短い波長域の紫外光に対してのみ感度を有する。
各受光部が備えている第3受光素子PD_uvに流れる光電流を取り出す場合、図18に示すように、「スイッチSW1=ON、スイッチSW2=OFF、スイッチSW3=OFF、スイッチSW4=ON、スイッチSW5=ON」とすることで、第3受光素子PD_uvは導通し、第1受光素子PD_visおよび第2受光素子PD_irは短絡する。したがって、各受光部では、第3受光素子PD_uvのみを用いることになる。
各受光部が備えている第4受光素子PD_clear、すなわち第1受光素子PD_visの感度と第2受光素子PD_irの感度とを足し合わせた感度を有する受光素子に流れる光電流を取り出す場合、図19に示すように、「スイッチSW1=OFF、スイッチSW2=ON、スイッチSW3=ON、スイッチSW4=ON、スイッチSW5=OFF」とすることで、第3受光素子PD_uvのみ短絡し、第1受光素子PD_visおよび第2受光素子PD_irは導通する。したがって、各受光部では、第4受光素子PD_clearのみを用いることになる。
各受光部が備えている第2受光素子PD_irに流れる光電流を取り出す場合、図20に示すように、「スイッチSW1=ON、スイッチSW2=ON、スイッチSW3=OFF、スイッチSW4=OFF、スイッチSW5=ON」とすることで、第2受光素子PD_irは導通し、第1受光素子PD_visおよび第3受光素子PD_uvは短絡する。したがって、各受光部では、第2受光素子PD_irのみを用いることになる。
なお、各受光部が備えている第1受光素子PD_visに流れる光電流を取り出す場合、第4受光素子PD_clearに流れる光電流Iclear(図示せず)を取り出し、かつ、第2受光素子PD_irに流れる光電流Iir(図示せず)を取り出した後、Iclear−Iirの演算を行うことで取り出す。
<紫外線照度センサ3による演算照度および演算強度の算出>
次に、図21〜図26を用いて、紫外線照度センサ3による入射光の演算照度および紫外光の演算強度について説明する。紫外線照度センサ3は、図21および図22に示すように、受光部PD3、スイッチ制御部30、減算部(演算部)30a、スイッチ回路31(図21および図22においては図示せず)、AD変換回路ADC6およびADC7、周波数カウンタF1およびF2、並びにデータレジスタ32を備える。データレジスタ32は、データレジスタD0(UVC)、データレジスタD1(UV)、データレジスタD2(CLEAR)およびデータレジスタD3(IR)を備えている。
(UVセンサモード)
図21に示すように、スイッチ制御部30は、各受光部と接続しているスイッチ回路31の各スイッチ(SW1〜SW5)を、図18に示すようにON/OFF制御することで、第1受光部PD1、第2受光部PD2ともに第3受光素子PD_uvのみ使用可能な状態にする。
次に、各受光部に太陽光が入射した場合、各受光部が備えている第3受光素子PD_uvに流れる光電流の信号をそれぞれ、AD変換回路ADC6およびADC7(以下、各AD変換回路と記載する)によってAD変換する。各AD変換回路から出力されたデジタル信号はそれぞれ、周波数カウンタF1およびF2によってパルス列のカウントが予め設定された期間行われてカウント値に変換される。そして、周波数カウンタF1から出力されたカウント値は、データレジスタD0(UVC)に格納され、周波数カウンタF2から出力されたカウント値は、データレジスタD1(UV)に格納される。なお、カウント値は、第1受光部PD1および第2受光部PD2における使用可能な受光素子の感度で換算した、入射光の光強度に比例する。
次に、減算部30aは、データレジスタD0(UVC)に格納されたカウント値とデータレジスタD1(UV)に格納されたカウント値とを呼び出し、D0〔15:0〕−D1〔15:0〕の演算を行うことで、入射した太陽光に含まれる紫外光の演算強度を算出する。上記演算は、実施形態2に係る減算部22aが行う演算(ADCOUT2−ADCOUT1)に相当し(図10参照)、かつ、図17に示す受光素子PD_uv’の分光特性に対応する。したがって、D0〔15:0〕−D1〔15:0〕の演算によって得られる演算強度は、紫外光の強度の実測値に近いものとなる。
(AD変換回路ADC6およびADC7の構成)
各AD変換回路は、入力電流Iinの電流量をデジタル値に変換して出力する積分型のAD変換回路である。図23に示すように、各AD変換回路は、充電回路33、比較回路34、制御回路35および放電回路36を備えている。また、各AD変換回路は、入力端子INおよび出力端子OUTを備えており、集積化されていてもよい。
充電回路33は、入力電流Iinにより充電される回路であり、アンプ回路AMP1と、入力電流Iinに応じた電荷を蓄えるコンデンサC1とを備えている。アンプ回路AMP1は、反転入力端子が入力端子INに接続され、非反転入力端子がグランドに接続され、出力端子が比較回路34に接続されている。コンデンサC1は、アンプ回路AMP1の反転入力端子と出力端子との間に設けられている。これにより、アンプ回路AMP1およびコンデンサC1は、積分回路を構成している。
比較回路34は、コンパレータCMP1、スイッチSW34aおよび基準電源V1を備えている。コンパレータCMP1は、非反転入力端子が充電回路33に接続され、反転入力端子がスイッチSW34aを介して充電回路33に接続されるとともに基準電源V1に接続され、出力端子が制御回路35に接続されている。スイッチSW34aは、スイッチ制御部30のON/OFF制御に応じて開閉し、充電回路33とコンパレータCMP1の反転入力端子との電気的接続を導通/遮断する。基準電源V1は、基準電圧VrefをコンパレータCMP1の反転入力端子に印加している。
制御回路35は、比較回路34の比較結果に基づいて、測定時間に放電回路36が放電を行った回数を数え、当該回数に応じたデジタル値を出力するものであり、フリップフロップ(FF)35aおよびカウンタ35bを備えている。FF35は、入力部が比較回路34に接続され、出力部がカウンタ35bに接続されるとともに放電回路36に接続されている。カウンタ35bの出力部は、出力端子OUTに接続されている。
放電回路36は、充電回路33の出力電圧が基準電圧Vrefを超えたときに充電回路33を放電させるものであり、電流源I1およびスイッチSW36aを備えている。スイッチSW36aは、一方の端子が電流源I1に接続され、他方の端子が充電回路33および入力端子INに接続されている。スイッチSW36aは、FF35aの出力CHARGEに応じて開閉し、充電回路33と電流源I1との電気的接続を導通/遮断する。
(AD変換回路ADC6およびADC7の動作)
ここで、一例として、ある大きさの光電流が入力したときの各AD変換回路の動作を、図23および図24を用いて説明する。
変換動作開始前は、スイッチSW34aが閉じている。これにより、充電回路33(積分回路)の出力Vsigは、基準電圧Vrefに充電されている。各AD変換回路は、スイッチSW34aが開くことによって、入力電流IinでコンデンサC1に充電を行うことが可能となり、変換動作を開始する。スイッチSW34aの開放時間がデータ変換時間(t_conv)となっており、後述する第1の測定時間および第2の測定時間に対応する。
まず、スイッチSW34aをOFFにすると、スイッチSW36aをONにして、放電回路36により、コンデンサC1から一定の電荷(Iref×t_clk)を放電させる。続いて、スイッチSW36aをONからOFFに切り替えると、各受光部に流れる光電流、すなわち入力電流Iinにより充電回路33が充電され、出力Vsigが上昇する。該出力Vsigが基準電圧Vrefを超えると、比較回路34の出力COMPがローレベルからハイレベルに切り替わる。これにより、FF35aの出力、すなわち制御回路35の出力CHARGEがローレベルからハイレベルに切り替わって、スイッチSW36aがONとなり、放電回路36によって一定の電荷(Iref×t_clk)が放電される。
続いて、放電により充電回路33の出力Vsigが下降していき、基準電圧Vrefを下回ると、比較回路34の出力COMPがハイレベルからローレベルに切り替わる。これにより、FF35aの出力、すなわち制御回路35の出力CHARGEがハイレベルからローレベルに切り替わって、スイッチSW36aがOFFとなり放電が停止する。
一方、データ変換時間(t_conv)の間、カウンタ35bは、FF35aの出力CHARGEがハイレベルとなった時間、すなわち放電時間の回数を数えている。そして、この回数、すなわちカウント値が、入力された電荷量に応じた値としてデジタル出力される。このカウンタ35bの出力は、各AD変換回路の出力ADCOUTとなる。
図24に、各AD変換回路の動作波形の一例を示す。なお、図中、clkは、クロック信号を示し、SW34aは、スイッチSW34aの開閉状態を示し、SW36aは、スイッチSW36aの開閉状態を示し、Vrefは、基準電源V1の電圧を示し、Vsigは、充電回路33の出力Vsigを示し、COMPは、比較回路34の出力COMPを示し、CHARGEは、スイッチSW36aの開閉に用いる制御回路35の出力CHARGEを示す。
各AD変換回路では、入力電流Iinにより充電された電荷量と、(Iref×t_clk)により放電された電荷量とが等しくなるように動作するので、「充電電荷量(Iin×t_conv)=放電電荷量(Iref×t_clk×count)」により、下記に式が成り立つ。
count=(Iin×t_conv)/(Iref×t_clk)
count:放電時間をカウントした値
t_conv:充電時間
Iref:基準電流値
t_clk:クロック周期
よって、放電時間をカウントした値(count)の最小分解能は、(Iref×t_clk)で決定されることになる。
このようにして、各AD変換回路からは、第1の測定時間および第2の測定時間にわたって、各受光部の感度(分光特性)で取り出された光電流に応じた、デジタル値の測定信号ADCOUTが出力される。
(照度センサモード)
図22に示すように、スイッチ制御部30は、第1受光部PD1と接続しているスイッチ回路31の各スイッチを、図19に示すようにON/OFF制御することで、第4受光素子PD_clear、すなわち第1受光素子PD_visおよび第2受光素子PD_irのみ使用可能な状態にする。また、スイッチ制御部30は、第2受光部PD2と接続しているスイッチ回路31の各スイッチを、図20に示すようにON/OFF制御することで、第2受光素子PD_irのみ使用可能な状態にする。
なお、第1受光部PD1において使用可能な受光素子と、第2受光部PD2において使用可能な受光素子とは、各受光部間で入れ替えてもよい。換言すれば、スイッチ制御部30は、入射光の演算照度を算出する場合、第1受光部PD1または第2受光部PD2のいずれか一方の出力については第1受光素子PD_visからの出力と第2受光素子PD_irからの出力との和(第4受光素子PD_clearの出力)とし、他方の出力については第2受光素子PD_irからの出力とするように、スイッチ回路31の各スイッチをON/OFF制御するものであればよい。
次に、各受光部が入射光を受光した場合、第1受光部PD1が備えている第4受光素子PD_clearに流れる光電流の信号は、AD変換回路ADC6によってAD変換される。AD変換回路ADC6から出力されたデジタル信号は、周波数カウンタF1によってカウント値に変換され、データレジスタD2(CLEAR)に格納される。一方、第2受光部PD2が備えている第2受光素子PD_irに流れる光電流の信号は、AD変換回路ADC7によってAD変換される。AD変換回路ADC7から出力されたデジタル信号は、周波数カウンタF2によってカウント値に変換され、データレジスタD3(IR)に格納される。
次に、減算部30aは、データレジスタD2(CLEAR)に格納されたカウント値とデータレジスタD3(IR)に格納されたカウント値とを呼び出し、D2〔15:0〕−D3〔15:0〕の演算を行うことで、入射光の演算照度を算出する。
ここで、スイッチ制御部30は、UVカットフィルタ21が第1受光部PD1の感度に及ぼす影響を考慮して、所定時間の経過に応じて、各受光部の感度(分光特性)を切り替える。換言すれば、スイッチ制御部30は、入射光の演算照度を算出する場合、所定時間の経過に応じて、第1受光部PD1と第2受光部PD2との間で、各々が備えている第1受光素子PD_visからの出力と第2受光素子PD_irからの出力との和(第4受光素子PD_clearのからの出力)、および第2受光素子PD_irからの出力を交互に切り替える。
本実施形態では、上記所定時間として、第1の測定時間および第2の測定時間を設定している(第1の測定時間=第2の測定時間、図24参照)。しかし、上記所定時間はこの場合に限定されず、任意に設定することができる。例えば、第1および第2の測定時間を短くしたり、長くしたりしてもよい。あるいは、第1の測定時間と第2の測定時間とを異ならせてもよい。
また、本実施形態では、スイッチ制御部30は、所定時間の経過に応じて各受光部の感度(分光特性)を切り替えている。しかし、前記感度の切り替えは、所定時間の経過を基準になされる必要はない。例えば、各受光部が受光する入射光の光量を検出する光量センサを設けておき、該光量センサが検出した、第1受光部PD1の光量と第2受光部PD2の光量との差が特定の閾値を超えた場合に、スイッチ制御部30は上記感度の切り替えを行ってもよい。
図25および図26に、第1の測定時間と第2の測定時間とで各受光部の感度を切り替える一例を示す。まず、第1の測定時間では、図25に示すように、センサ回路部37のスイッチSW37aおよびスイッチSW37dをONにし、スイッチSW37bおよびスイッチSW37cをOFFにすることにより、AD変換回路ADC6には第1受光部PD1が接続され、AD変換回路ADC7には第2受光部PD2が接続される。続いて、第2の測定時間では、図26に示すように、センサ回路部37のスイッチSW37aおよびスイッチSW37dをOFFにし、スイッチSW37bおよびスイッチSW37cをONにすることにより、AD変換回路ADC6には第2受光部PD2が接続され、AD変換回路ADC7には第1受光部PD1が接続される。
なお、AD変換回路ADC6からの出力信号ADCOUT1に乗じる係数αは、第2受光素子PD_irの感度(分光特性)を視感度に近づけるための定数であり、感度(分光特性)×αは、第2受光素子PD_irの感度(分光特性)の強度をα倍したものとなる。
また、図27および図28に示すように、受光部PD3内に第1受光部PD1および第2受光部PD2をそれぞれ2つずつ設け、2つの第1受光部PD1と2つの第2受光部PD2とを、平面視でたすき掛け状に配置して、各受光部の接続を切り替えてもよい。この場合、第1受光部PD1および第2受光部PD2をそれぞれ複数用いること、受光部PD3内における各受光部の配置に偏りがないことから、第1受光部PD1および第2受光部PD2が1つずつの場合と比較して、上記UVカットフィルタ21の影響、入射光の当たりムラおよび各受光部間での感度ばらつきを、より平均化して分散することができる。
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、紫外線照度センサ3は、受光部PD3内(第1受光部PD1、第2受光部PD2)で第1受光素子PD_vis〜第3受光素子PD_uvの共有化が実現されている。それゆえ、上記各受光素子をICチップ上の異なる場所に配置した場合と比較して、入射光の当たりムラによる照度等の測定誤差の発生を抑制することができる。また、紫外線照度センサ3の小型化および低コスト化を実現することができる。
また、本実施形態によれば、紫外線照度センサ3は、所定時間の経過に応じて、第1受光部PD1の感度(分光特性)と第2受光部PD2の感度とを切り替える。したがって、入射光の演算照度を算出する場合における、UVカットフィルタ21の影響、入射光の当たりムラおよび各受光部間での感度ばらつきを平均化して分散することができる。それゆえ、太陽光を含む入射光の照度の測定精度をより向上させることができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る紫外線照度センサ(1、2、3)は、可視光領域に感度ピークを有する第1受光素子(PD_vis)と、赤外光領域に感度ピークを有する第2受光素子(PD_ir)と、紫外光領域に感度ピークを有する第3受光素子(PD_uv)と、上記第1受光素子からの出力(VIS)と上記第2受光素子からの出力(IR)との和(CLEAR)を第1重み係数(α)で重みづけした値(α・CLEAR)と、上記第2受光素子からの出力を第2重み係数(β)で重みづけした値(β・IR)との差(α・CLEAR−β・IR)を求めることで、自センサへの入射光の照度を算出する演算部(10、減算部22aおよび30a)と、を備え、上記演算部は、上記第3受光素子からの出力(UV)に基づいて上記入射光が太陽光であると判定した場合、上記第1重み係数および上記第2重み係数の少なくともいずれか一方の値を変更する。
上記構成によれば、演算部は、第3受光素子からの出力に基づいて自センサへの入射光が太陽光であると判定した場合、入射光の照度の算出に用いられる第1重み係数および第2重み係数の少なくともいずれか一方の値を変更する。すなわち、演算部は、太陽光が入射した場合、該太陽光に含まれる紫外線の影響を考慮して照度を算出する。それゆえ、紫外線照度センサは、入射光が太陽光の場合でも、その照度を精度高く測定することができる。
本発明の態様2に係る紫外線照射センサ(2、3)は、上記態様1において、上記第1受光素子(PD_vis)と上記第2受光素子(PD_ir)と上記第3受光素子(PD_uv)とを含む、第1受光部(PD1)および第2受光部(PD2)を備え、上記第1受光部の入射面上には、上記第1受光部の紫外光領域の感度を低下させる光学フィルタ(UVカットフィルタ21)が配置されており、上記演算部(減算部22aおよび30a)は、上記第2受光部が備えている上記第3受光素子からの出力(UV)と上記第1受光部が備えている上記第3受光素子からの出力との差を求めることで、自センサに入射した紫外光の強度を算出してもよい。
一般に、紫外光の強度を測定するセンサにおいて、紫外光のみを透過させるフィルタが用いられた受光素子で上記強度を測定する場合、400nmより長い波長で上記受光素子の感度を完全にゼロにすることは困難である。また、上記受光素子には紫外光のみを透過させるフィルタが用いられていることから、上記センサは可視光領域の感度が低下しており、可視光の照度を精度よく測定できない。したがって、紫外光の強度を測定するセンサで可視光の照度も測定する場合、該センサとは別に、可視光領域に感度ピークを有する受光素子を備えたセンサを準備する必要がある。
その点、上記構成によれば、紫外線照度センサは、第1受光素子と第2受光素子と第3受光素子とを備えた2つの受光部(第1受光部、第2受光部)を備えている。また、演算部は、第2受光部が備えている第3受光素子からの出力と、その入射面上に光学フィルタを配置した第1受光部が備えている第3受光素子からの出力との差を求めることで、自センサに入射した太陽光に含まれる紫外光の強度を算出する。
それゆえ、紫外光の強度を測定する場合、紫外線照度センサをトータルで見れば、400nmより長い波長の感度がゼロになっている、すなわち、波長が400nm以下の紫外光領域にのみ感度を有することから、紫外光の強度を精度高く測定できる。また、紫外線照度センサは、第1受光部および第2受光部にそれぞれ備えられた第1受光素子および第2受光素子を用いて入射光の照度も測定できることから、紫外線照度センサ単体で、入射光の照度および太陽光に含まれる紫外光の強度を両方測定することができる。
本発明の態様3に係る紫外線照度センサ(3)は、上記態様2において、上記演算部(スイッチ制御部30、減算部30a)は、上記照度を測定する場合、上記第1受光部(PD1)または上記第2受光部(PD2)のいずれか一方の出力については上記第1受光素子(PD_vis)からの出力(VIS)と上記第2受光素子(PD_ir)からの出力(IR)との和(CLEAR)とし、他方の出力については上記第2受光素子(PD_ir)からの出力(IR)としてもよい。
上記構成によれば、紫外線照度センサは、入射光の演算照度を算出する場合、演算部によって、第1受光部または第2受光部のいずれか一方の出力については第1受光素子からの出力と第2受光素子からの出力との和とし、他方の出力については第2受光素子からの出力とする。なおかつ、紫外線照度センサは、各受光部が備える第3受光素子からの出力に基づいて、太陽光が入射した場合における紫外光の強度も測定する。したがって、紫外線照度センサによって、紫外光領域、可視光領域および赤外光領域にそれぞれ感度ピークを有する各受光素子の共有化を実現することができる。それゆえ、紫外線照度センサを含めてICチップ上に集積化する場合にダイサイズを縮小化することができ、コストダウンを図ることができる。
また、紫外光領域、可視光領域および赤外光領域にそれぞれ感度ピークを有する各受光素子を、ICチップ上の異なる場所に配置した場合、入射光の当たりムラによって上記各受光素子への入射光に光量差が発生し、照度等の測定誤差が生じる。その点、上記構成によれば、上記各受光素子の共有化が実現していることから、紫外線照度センサを備えたICチップ上への入射光の当たりムラによる、上記測定誤差の発生を抑制できる。
本発明の態様4に係る紫外線照度センサ(3)は、上記態様3において、上記演算部(スイッチ制御部30)は、上記照度を測定する場合、上記第1受光部(PD1)と上記第2受光部(PD2)との間で、上記第1受光素子(PD_vis)からの出力(VIS)と上記第2受光素子(PD_ir)からの出力(IR)との和(CLEAR)、および上記第2受光素子(PD_ir)からの出力(IR)を交互に切り替えてもよい。
上記構成によれば、第1受光部と第2受光部との間で、第1受光素子からの出力と第2受光素子からの出力との和、および第2受光素子からの出力を交互に切り替えることによって、入射光の照度を測定する場合における光学フィルタの影響を、平均化して分散させることができる。また、第1受光部と第2受光部との間の感度ばらつき、第1受光部および第2受光部への入射光の当たりムラについても、平均化して分散させることができる。それゆえ、太陽光を含む入射光の照度の測定精度をより向上させることができる。
本発明の態様5に係る携帯型電子機器(スマートフォン100)は、上記態様1から4のいずれか一の態様に係る紫外線照度センサ(1、2、3)を備えていてもよい。
上記構成によれば、太陽光の照度を精度高く測定できる携帯型電子機器を実現することができる。
本発明の態様6に係る紫外線センサ(2、3)は、紫外光領域に感度ピークを有する受光素子(PD_uv)を含む、第1受光部(PD1)および第2受光部(PD2)と、上記第2受光部が備えている上記受光素子からの出力(UV)と上記第1受光部が備えている上記受光素子からの出力との差を求めることで、自センサに入射した太陽光に含まれる紫外光の強度を算出する強度演算部(減算部22aおよび30a)と、を備え、上記第1受光部の入射面上には、上記第1受光部の紫外光領域の感度を低下させる光学フィルタ(UVカットフィルタ21)が配置されている。
上記構成によれば、紫外線センサは、紫外光領域に感度ピークを有する受光素子を含む2つの受光部(第1受光部、第2受光部)を備えている。また、強度演算部は、第2受光部が備えている受光素子からの出力と、その入射面上に光学フィルタを配置した第1受光部が備えている受光素子からの出力との差を求めることで、自センサに入射した太陽光に含まれる紫外光の強度を算出する。
それゆえ、紫外光の強度を測定する場合、紫外線センサをトータルで見れば、400nmより長い波長の感度がゼロになっている、すなわち、波長が400nm以下の紫外光領域にのみ感度を有することから、紫外光の強度を精度高く測定できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。