JP2016211710A - 鉛ダンパーおよびこれを備える免震装置 - Google Patents

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西村 拓也
Takuya Nishimura
拓也 西村
神野 靖夫
Yasuo Jinno
靖夫 神野
郁夫 ▲高▼橋
郁夫 ▲高▼橋
Ikuo Takahashi
淳一 宮腰
Junichi Miyakoshi
淳一 宮腰
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Abstract

【課題】繰り返しの変形に伴う鉛部材の温度上昇を抑制してエネルギー吸収能の低下を抑えることのできる鉛ダンパーおよびこれを備える免震装置を提供する。【解決手段】断面形状が実質的に円形で、湾曲した形状の湾曲部16を有する鉛部材18からなる免震装置用鉛ダンパー10において、湾曲部16の上端部および下端部の少なくとも一方の表面26に、熱を外部に放熱するための突出物28を設けるようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば免震建物の免震層などに設置される免震装置用鉛ダンパーおよびこれを備える免震装置に関するものである。
従来、図2に示すような免震建物1の免震層2に設置される符号3の免震装置用鉛ダンパーが知られている(例えば、特許文献1を参照)。鉛ダンパーの設置目的は、地震によるエネルギーを吸収して、免震構造に減衰性能を付与し、上部構造の応答加速度を抑える免震システムの効果を阻害することなく、免震層の過大な変形を抑制することにある。
この鉛ダンパーは、図3に示すように、略くの字状に湾曲した純度99.99%の密実な鉛からなる鉛鋳造部4と、この鉛鋳造部4の上下に位置する補強部5と、鋼製の固定フランジ6とからなる。補強部5と固定フランジ6は、溶接面に少量の錫と亜鉛を溶かして異種材料間の親和性を高めたホモゲン溶接によって固着されている。ダンパー上下の固定フランジ6に相対水平変位が生じると、鉛鋳造部4が塑性変形してエネルギーを吸収する。相対水平変形が繰り返されると、塑性変形が累積していき、形状が元の状態から変化することになり、図4(1)に示す初期状態から、最終的には図4(2)に示すような態様で鉛鋳造部が破断する。
図5は、繰り返し正弦波加振時における鉛ダンパーの水平方向荷重変形関係の一例を示したものである。この図に示すように、水平変形の繰り返しにより鉛ダンパーの荷重値は低減する。これは、荷重変形曲線が囲む面積が低下することを意味し、水平変形の繰り返しによって初期状態からエネルギー吸収能が低下する。
ところで、文部科学省の地震調査研究推進本部は、海溝型地震の発生による「長周期地震動予測地図」を発表しており、この中で特に堆積層の厚い平野部において、固有周期の長い構造物の応答が大きくなり、揺れの継続時間が長くなるとしている。このような地震を受けた場合、構造物は多数回の水平変形の繰り返しを受けることとなり、免震装置の減衰性能が低下する。よって、免震装置用鉛ダンパーのエネルギー吸収能の低下抑制策が望まれる。
免震装置用鉛ダンパーのエネルギー吸収能低下の原因の一つは、鉛の温度上昇による力学特性の変化である。繰り返しの相対水平変形により、鉛ダンパーは地震によるエネルギーを蓄積していく。そのエネルギーにより鉛鋳造部の温度が上昇する。実験結果より、鉛鋳造部の湾曲部の上下端にて温度上昇が激しいことが確認されている。図6(1)は加振中の鉛ダンパーの外観写真、(2)はサーモグラフィによる加振中の鉛ダンパーの表面温度分布を示したものである。鉛の力学特性(応力−ひずみ曲線)は図7(非特許文献1より引用)に示されるような温度依存性を有しており、温度が上昇するにつれ応力−ひずみ曲線が低下していく傾向にある。
なお、エネルギー吸収能低下のもう一つの原因は、図4(2)でも示したように、鉛の形状変化が考えられる。
特許第3292244号公報
J.A.Bailey, A. R.E Singer, Effect of Strain Rate and Temperature on Resistance to Deformation of Aluminium, Two Aluminium Alloys, and Lead, Journal of institute of metals, vol. 92, pp.404−408, 1964
このため、繰り返しの変形に伴う鉛鋳造部(鉛部材)の温度上昇を抑制してエネルギー吸収能の低下を抑える技術の開発が望まれていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、繰り返しの変形に伴う鉛部材の温度上昇を抑制してエネルギー吸収能の低下を抑えることのできる鉛ダンパーおよびこれを備える免震装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鉛ダンパーは、断面形状が実質的に円形で、湾曲した形状の湾曲部を有する鉛部材からなる免震装置用鉛ダンパーにおいて、湾曲部の上端部および下端部の少なくとも一方の表面に、熱を外部に放熱するための突出物を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の鉛ダンパーは、上述した発明において、突出物を、所定の間隔で複数設けた針状物で構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る免震装置は、上述した鉛ダンパーを備える免震装置である。
本発明に係る鉛ダンパーによれば、断面形状が実質的に円形で、湾曲した形状の湾曲部を有する鉛部材からなる免震装置用鉛ダンパーにおいて、湾曲部の上端部および下端部の少なくとも一方の表面に、熱を外部に放熱するための突出物を設けたので、この突出物を設けた部分の表面積が増加し、この部分の放熱特性が改善する。つまり、繰り返しの変形に伴う鉛部材の温度上昇が顕著な発熱部である湾曲部の上端部および下端部の少なくとも一方の放熱特性が高められる。これにより、繰り返しの変形に伴う鉛部材の温度上昇を従来よりも抑制して、温度による鉛部材の力学特性の変化を従来のものよりも小さくすることができる。したがって、エネルギー吸収能の低下を抑えることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の鉛ダンパーによれば、突出物を、所定の間隔で複数設けた針状物で構成したので、温度上昇が顕著な発熱部の表面積が複数の針状物により増加し、この発熱部の放熱効率が高められる。これにより、繰り返しの変形に伴う鉛部材の温度上昇をより効率的に抑制してエネルギー吸収能の低下を抑えることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る免震装置によれば、上述した鉛ダンパーを備える免震装置であるので、鉛ダンパーが多数回の繰り返しの変形を受けても、エネルギー吸収能の低下が抑えられる。このため、免震装置の減衰性能の低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る鉛ダンパーおよびこれを備える免震装置の実施の形態を示す図であり、(1)は側面図、(2)は(1)のA−A線に沿った断面図である。 図2は、従来の免震建物の概略側面図である。 図3は、従来の鉛ダンパーの概略側面図である。 図4は、従来の鉛ダンパーの一例を示す写真図であり、(1)は初期状態、(2)は漸増連続正弦波加振30サイクル目における状態を示す図である。 図5は、繰り返し正弦波加振時における鉛ダンパーの水平方向荷重変形関係を示す図である。 図6は、鉛ダンパーの表面温度分布測定状況図であり、(1)は加振中の鉛ダンパーの外観写真図、(2)はサーモグラフィによる加振中の鉛ダンパーの表面温度分布図である。 図7は、鉛の応力−ひずみ曲線の温度依存性を説明する図である。
以下に、本発明に係る鉛ダンパーおよびこれを備える免震装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る鉛ダンパー10は、上下に対向配置された上部構造物12、下部構造物14間に設けられる免震装置用鉛ダンパーである。鉛ダンパー10の上端面は上部構造物12に、下端面は下部構造物14に連結固定されている。
この鉛ダンパー10は、断面形状が実質的に円形で、略くの字状に湾曲した形状の湾曲部16を有する純度99.99%の密実な鉛からなる鉛鋳造部18(鉛部材)と、この鉛鋳造部18の上下に位置する補強部20と、鋼製の固定フランジ22とからなる。また、本実施の形態に係る免震装置100は、この鉛ダンパー10を備えたものである。補強部20と固定フランジ22は、溶接面に少量の錫と亜鉛を溶かして異種材料間の親和性を高めたホモゲン溶接によって固着されている。鉛ダンパー10上下の固定フランジ22に相対水平変位が生じると、鉛鋳造部18が塑性変形してエネルギーを吸収する。
なお、この鉛ダンパー10は、上記の従来の特許文献1と同様に、補強部20と湾曲部16の境界部分に湾曲の向きが変わる変曲部24があり、この変曲部24の断面の直径は湾曲部16の断面の直径よりも小さく、湾曲部16の断面の直径が変曲部24に向かって滑らかに減少する構成となっている。変曲部24の断面の直径としては、隣接する湾曲部16の断面の最大直径の50〜95%とすることができる。
この鉛ダンパー10には、湾曲部16の上端部および下端部の表面26に、熱を外部に放熱するための突出物28を設けている。突出物28は、表面26から外部に向けて放射状に突出する針状物30で構成されている。針状物30は、鉛鋳造部18の表面26の周方向に所定の間隔で複数設けられるとともに、鉛鋳造部18の軸方向に沿って所定の間隔で複数設けられる。
本実施の形態によれば、複数の針状物30を設けた部分の表面積が増加し、この部分の放熱特性が改善する。つまり、繰り返しの変形に伴う鉛鋳造部18の温度上昇が顕著な発熱部である湾曲部16の上端部および下端部の放熱特性が高められる。これにより、繰り返しの変形に伴う鉛鋳造部18の温度上昇を従来よりも抑制して、温度による鉛鋳造部18の力学特性の変化を従来のものよりも小さくすることができる。したがって、エネルギー吸収能の低下を抑えることができる。
なお、上記の実施の形態においては、突出物28の一例として針状物30を湾曲部16の上端部および下端部の表面26の双方に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、湾曲部16の上端部または下端部の表面26のいずれか一方に針状物30を設けた構成とすることもできる。
以上説明したように、本発明に係る鉛ダンパーによれば、断面形状が実質的に円形で、湾曲した形状の湾曲部を有する鉛部材からなる免震装置用鉛ダンパーにおいて、湾曲部の上端部および下端部の少なくとも一方の表面に、熱を外部に放熱するための突出物を設けたので、この突出物を設けた部分の表面積が増加し、この部分の放熱特性が改善する。つまり、繰り返しの変形に伴う鉛部材の温度上昇が顕著な発熱部である湾曲部の上端部および下端部の少なくとも一方の放熱特性が高められる。これにより、繰り返しの変形に伴う鉛部材の温度上昇を従来よりも抑制して、温度による鉛部材の力学特性の変化を従来のものよりも小さくすることができる。したがって、エネルギー吸収能の低下を抑えることができる。
また、本発明に係る他の鉛ダンパーによれば、突出物を、所定の間隔で複数設けた針状物で構成したので、温度上昇が顕著な発熱部の表面積が複数の針状物により増加し、この発熱部の放熱効率が高められる。これにより、繰り返しの変形に伴う鉛部材の温度上昇をより効率的に抑制してエネルギー吸収能の低下を抑えることができる。
また、本発明に係る免震装置によれば、上述した鉛ダンパーを備える免震装置であるので、鉛ダンパーが多数回の繰り返しの変形を受けても、エネルギー吸収能の低下が抑えられる。このため、免震装置の減衰性能の低下を抑制することができる。
以上のように、本発明に係る鉛ダンパーおよびこれを備える免震装置は、免震建物の免震層などに設置される免震装置用鉛ダンパーおよびこれを備える免震装置に有用であり、特に、繰り返しの変形に伴う鉛部材の温度上昇を抑制してエネルギー吸収能の低下を抑え、鉛ダンパーの繰り返し劣化特性を改善するのに適している。
10 鉛ダンパー
12 上部構造物
14 下部構造物
16 湾曲部
18 鉛鋳造部(鉛部材)
20 補強部
22 固定フランジ
24 変曲部
26 表面
28 突出物
30 針状物
100 免震装置

Claims (3)

  1. 断面形状が実質的に円形で、湾曲した形状の湾曲部を有する鉛部材からなる免震装置用鉛ダンパーにおいて、
    湾曲部の上端部および下端部の少なくとも一方の表面に、熱を外部に放熱するための突出物を設けたことを特徴とする鉛ダンパー。
  2. 突出物を、所定の間隔で複数設けた針状物で構成したことを特徴とする請求項1に記載の鉛ダンパー。
  3. 請求項1または2に記載の鉛ダンパーを備える免震装置。
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