JP2016211424A - 立軸ポンプの点検方法および立軸ポンプ - Google Patents

立軸ポンプの点検方法および立軸ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】特殊な治具を用いることなく、安価で、かつ短時間でポンプケーシングを安全に点検することができる立軸ポンプの点検方法を提供する。
【解決手段】立軸ポンプの点検方法は、一定水位に制御された吸込水槽15内の水中にポンプケーシング1の吸込口1cを浸漬させ、揚水管3またはポンプケーシング1の内部で音を所定の音圧レベルで発生させ、発生させた音をポンプケーシング1の外部で捉え、捉えた音の音圧レベルを測定し、測定された音圧レベルと、同一条件下で過去に測定された音圧レベルとの差に基づいて、ポンプケーシング1に欠陥があるか否かを判断する。
【選択図】図4

Description

本発明は河川水や海水などの液体を移送する立軸ポンプの点検方法および立軸ポンプに関するものである。
立軸ポンプは、一般に、吸込水槽内に配置された羽根車を有しており、吸込水槽の上方に配置された駆動源により羽根車を駆動して揚水する。このため、羽根車を収容するポンプケーシングは、吐出エルボ管から揚水管を介して吸込水槽内に吊り下げられる。このような立軸ポンプは、揚水管やポンプケーシングの一部が常に水中に浸漬された状態で運転されるため、運転時間の経過とともに揚水管やポンプケーシングが徐々に腐食、摩耗する。このため、立軸ポンプの点検作業を定期的に行ってこれら部材の損傷状況を確認する必要がある。特に、ポンプケーシングの損傷や摩耗などの欠陥はポンプ全体の使用限界に直結するため、このような点検作業は重要項目の1つである。
このような点検作業の際、ポンプの主要部分は建屋の床下部分に位置しているため、吐出エルボ管に設けられた点検口から特殊な治具を挿入して目視でポンプケーシングを点検することが行われている。しかしながら、ポンプ床下は暗渠で、かつポンプケーシング内には羽根車のみならずガイドベーンが収容されているため、ポンプケーシング内の所望の位置に治具を進入させることが難しく、点検作業に多大な時間がかかる。特に、プラントなどの取水ポンプ設備ではポンプを常時運転しているため、長期間の点検作業はプラントの操業に影響を与えかねない。
特許文献1に記載されているように、導管内にファイバースコープや水中カメラなどの撮像装置を挿入してポンプケーシングを点検する方法もあるが、このような点検方法を実施するためには、予め導管をポンプ設備に設置する必要がある。また、導管は、既設のポンプ設備には設置できない場合もある。
これら以外の点検方法として、例えば、吸込水槽内の水中に人が潜り込み、ポンプケーシング内を目視で点検する方法もあるが、このような方法は危険性を伴うため、往々にして実施できない。
特開2009−41503号公報
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、特殊な治具を用いることなく、安価で、かつ短時間でポンプケーシングを安全に点検することができる立軸ポンプの点検方法および立軸ポンプを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、羽根車を収容するポンプケーシングと、該ポンプケーシングを吸込水槽内に吊り下げる揚水管とを備えた立軸ポンプの点検方法において、一定水位に制御された前記吸込水槽内の水中に前記ポンプケーシングの吸込口を浸漬させ、前記揚水管または前記ポンプケーシングの内部で音を所定の音圧レベルで発生させ、前記発生させた音を前記ポンプケーシングの外部で捉え、前記捉えた音の音圧レベルを測定し、前記測定された音圧レベルと、同一条件下で過去に測定された音圧レベルとの差に基づいて、前記ポンプケーシングに欠陥があるか否かを判断することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記測定された音圧レベルと前記過去に測定された音圧レベルとの差が所定のしきい値に達した場合は、前記ポンプケーシングに穴が空いていると判断することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記揚水管または前記ポンプケーシングの内部で、音の周波数を掃引しながら前記音を発生させ、前記発生させた音を前記ポンプケーシングの外部で捉え、前記捉えた音の音圧レベルおよび周波数を測定し、前記測定された音の音圧レベルのピークから前記ポンプケーシングの現在のコインシデンス周波数を決定し、前記現在のコインシデンス周波数と、同一条件下で過去に決定されたコインシデンス周波数との差に基づいて前記ポンプケーシングの減肉を検出することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記発生させた音を前記ポンプケーシングの外部の複数箇所で捉え、前記複数箇所で捉えた音のそれぞれの音圧レベルを測定し、前記測定された音圧レベル間の差異に基づいて前記ポンプケーシングの欠陥箇所を特定することを特徴とする。
本発明の他の態様は、羽根車と、前記羽根車を収容するポンプケーシングと、前記ポンプケーシングを吸込水槽内に吊り下げる揚水管と、前記揚水管の上端に接続される吐出エルボ管と、前記揚水管をポンプ据付床に固定する吊下ケーシングとを備え、前記吐出エルボ管には、音源を前記揚水管の内部または前記ポンプケーシングの内部に配置するための点検口が設けられており、前記吊下ケーシングには、前記音源から発生された音を前記ポンプケーシングの外部で捉えるためのマイクロフォンを通す複数の孔が設けられていることを特徴とする立軸ポンプである。
本発明によれば、測定された音圧レベルと過去に測定された音圧レベルとの差に基づいて、ポンプケーシングに欠陥があるか否かが判断される。したがって、特殊な治具を用いることなく、安価で、かつ短時間でポンプケーシングを点検することができる。また、吸込水槽内の水中に人が潜り込む必要がないので、危険を伴わずにポンプケーシングを点検することができる。さらに、音源とマイクロフォンは比較的簡単に所定の位置に設置することができるので、同一の測定条件を容易に再現することができる。したがって、ポンプケーシングの欠陥具合の傾向を容易に管理することができる。
本発明の一実施形態に係る立軸ポンプの全体構成を示す断面図である。 吊下ケーシングおよび吐出エルボ管の概略図である。 図2に示す吊下ケーシングの上面図である。 点検口を通して吊り下げられた音源およびピット覗き孔を通して吊り下げられた複数のマイクロフォンを示す図である。 音響分析部によって測定された音の音圧レベルおよび周波数を示す図である。 ポンプケーシングに穴が空いているときの音圧レベルおよび周波数を示す図である。 音響分析器によって測定された、音源からの音の音圧レベルおよび周波数を示す図である。 ポンプケーシングが減肉しているときの音圧レベルおよび周波数を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1乃至図8において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は本発明の一実施形態に係る立軸ポンプの全体構成を示す断面図である。図1に示すように、立軸ポンプは、吸込ベルマウス1aおよび吐出ボウル1bを有するポンプケーシング1と、ポンプケーシング1を吸込水槽15内に吊り下げる揚水管3と、揚水管3の上端に接続される吐出エルボ管4と、ポンプケーシング1内に収容される羽根車10と、羽根車10が固定される回転軸6とを備えている。
揚水管3は、吸込水槽15上部のポンプ据付床22に形成されたポンプ挿通孔24を通して下方に延びている。ポンプ据付床22には吊下ケーシング23が固定されており、揚水管3の上端は吊下ケーシング23に接続されている。回転軸(立軸)6は、吐出エルボ管4、揚水管3、およびポンプケーシング1内を通って鉛直方向に延びている。吐出エルボ管4には吐出管5が接続されており、吐出管5には吐出バルブ9が取り付けられている。
吸込ベルマウス1aは下方を向いた吸込口1cを有し、吸込ベルマウス1aの上端は吐出ボウル1bの下端に固定されている。羽根車10は回転軸6の下端に固定されており、羽根車10と回転軸6とは一体的に回転するようになっている。この羽根車10の上方(吐出側)には複数のガイドベーン(静翼)14が配置されている。これらガイドベーン14は吐出ボウル1bの内周面に固定されている。回転軸6は、吐出エルボ管4に固定された外軸受11と、吐出ボウル1b内に設けられた水中軸受12により回転自在に支持されている。水中軸受12を支持する支持部材7はボウルブッシュ13の内面に固定されており、さらに、ボウルブッシュ13はガイドベーン14を介してポンプケーシング1に支持されている。水中軸受12は、回転軸6に滑り接触する、いわゆる滑り軸受である。
回転軸6は吐出エルボ管4から上方に突出して、駆動源18に連結されている。駆動源18により回転軸6を介して羽根車10を回転させると、吸込水槽15内の水(取扱液)が吸込ベルマウス1aの吸込口1cから吸い込まれ、吐出ボウル1b、揚水管3、吐出エルボ管4を通って吐出管5に移送される。立軸ポンプ揚水時においては、羽根車10は、吸込水槽15内の水面よりも下に位置している。
図2は吊下ケーシング23および吐出エルボ管4の概略図であり、図3は図2に示す吊下ケーシング23の上面図である。図3において、吐出エルボ管4の図示は省略されている。図2に示すように、吐出エルボ管4には点検口19が設けられている。この点検口19には点検蓋21が取り付けられており、立軸ポンプ運転時には、点検口19は点検蓋21で閉じられている。図3に示すように、吊下ケーシング23には複数(本実施形態では4個)のピット覗き孔20が形成されている。吊下ケーシング23は円錐台形状を有しており、その斜面に4個のピット覗き孔20が形成されている。しかしながら、ピット覗き孔20の数は4個に限定されない。例えば、3個以下のピット覗き孔20を吊下ケーシング23に形成してもよいし、5個以上のピット覗き孔20を吊下ケーシング23に形成してもよい。ピット覗き孔20は吊下ケーシング23の円周方向において等間隔に設けられている。図3に示すように、ピット覗き孔20には蓋25が取り付けられており、立軸ポンプ運転時には、ピット覗き孔20は蓋25で閉じられている。
図4は点検口19を通して吊り下げられた音源(例えばスピーカー)30およびピット覗き孔20を通して吊り下げられた複数のマイクロフォン(集音器)31を示す図である。図4に示すように、音源30は、吊り下げ部材34の下端に取り付けられており、点検口19を通じて揚水管3の内部に配置される。音源30は、ポンプケーシング1の内部(例えば、吐出ボウル1bの内部)に配置されてもよい。音源30は所定の音圧レベルおよび所定の周波数を有する音を発生するように構成されている。音源30は、点検蓋21(図3参照)が開かれた状態で揚水管3(またはポンプケーシング1)内の所定位置に配置される。音源30が発生する音は、単一の周波数を持つ純音であることが好ましい。
複数のマイクロフォン31は複数の吊り下げ部材35の下端にそれぞれ取り付けられており、ピット覗き孔20を通じてポンプケーシング1の外部の所定位置にそれぞれ配置されている。図4では2個のマイクロフォン31のみが図示されているが、本実施形態では、4個のマイクロフォン31がポンプケーシング1の外部の所定位置に配置される。マイクロフォン31は音源30から発生された音をポンプケーシング1の外部で捉えるように構成されている。それぞれのマイクロフォン31は、蓋25(図3参照)が開かれた状態で吸込水槽15内に吊り下げられる。これらマイクロフォン31はポンプケーシング1の周囲において同じ高さに配置され、ポンプケーシング1の円周方向において等間隔に配置される。
音源30が所定の周波数の音を所定の音圧レベルで発生すると、その音はポンプケーシング1の壁を通ってポンプケーシング1の外部に伝わる。マイクロフォン31は、音源30から発せられた音をポンプケーシング1の外で捉え、音を電気信号に変換する。マイクロフォン31は、マイクロフォン31によって捉えられた音の音圧レベルおよび周波数を測定する音響分析器50に接続されている。音は電気信号として音響分析器50に送信され、音響分析器50は、マイクロフォン31によって捉えられた音の音圧レベルと周波数を測定する。より具体的には、音響分析器50は、音を周波数に従って分解し、周波数ごとの音圧レベルを測定することができるように構成されている。
音響分析器50はポンプケーシング1に欠陥があるか否かを判定する音響監視器40に接続されている。ポンプケーシング1の欠陥とは、例えばポンプケーシング1の腐食や摩耗などの原因により、ポンプケーシング1の肉厚が減少(減肉)すること、およびポンプケーシング1に穴(開口または隙間など)が空くことである。
図4に示すように、音源30は音響監視器40に接続されている。音響監視器40は、音響分析器50によって測定された音圧レベルおよび周波数を記憶する記憶部45と、ポンプケーシング1に欠陥があるか否かを判断する判断部46と、音源30から発生させる音の音圧レベルおよび周波数を制御する制御部47とを備えている。音源30は制御部47に接続されている。
音源30は揚水管3の内部で所定の音圧レベルおよび所定の周波数を有する音を発生し、マイクロフォン31は音源30から発生された音を捉えて電気信号に変換し、音響分析器50は電気信号に変換された音の音圧レベルおよび周波数を測定する。
マイクロフォン31は音源30から発せられた音のほか、周りの騒音も捉える。音響分析器50はマイクロフォン31によって捉えられた音の音圧レベルおよび周波数を測定する。図5は音響分析器50によって測定された音の音圧レベルおよび周波数を示す図である。図5において、縦軸は音圧レベル[dB]を示しており、横軸は音の周波数[Hz]を示している。図5に示すように、マイクロフォン31によって捉えられた音には様々な周波数の音が含まれる。そこで、音源30から発せられた音を特定するために、つまり音源30から発せられた音を他の音から区別するために、音源30は、予め定められた周波数の音を発生する。その結果、図5に示すように、様々な周波数の音の中から音源30から発生された音を特定することができる。
ポンプケーシング1の点検は、同一測定条件下で周期的に行われる。この点検は、例えば、1ヶ月ごとに行ってもよいし、1年ごとに行ってもよい。記憶部45は、点検が行われるたびに、測定された音圧レベルおよび周波数(すなわち、音源30から発生された音の音圧レベルおよび周波数)を記憶するように構成されている。判断部46は記憶部45に記憶された過去の音圧レベルに基づいてポンプケーシング1に欠陥があるか否かを判断する。ポンプケーシング1に穴が空いていなければ、測定された音の音圧レベルはほとんど変化しない。しかしながら、ポンプケーシング1に穴が空いている場合、測定された音の音圧レベルは高くなる。
図6はポンプケーシング1に穴が空いているときの音圧レベルおよび周波数を示す図である。図6において、縦軸は音圧レベル[dB]を示しており、横軸は音の周波数[Hz]を示している。もし、ポンプケーシング1に穴が空いていれば、音源30から発生された音はポンプケーシング1の穴を通じて外部に漏れるため、過去に測定された音圧レベルよりも大きな音圧レベルが測定される。判断部46は、測定された現在の音圧レベルと、同一条件下で過去に測定された音圧レベル、すなわち、記憶部45に記憶されている音圧レベルとを比較し、これらの音圧レベルの差が所定のしきい値に達した場合、ポンプケーシング1に穴が空いていると判断する。
以下、具体的なポンプケーシング1の点検方法について説明する。まず、吐出バルブ9を閉じ、立軸ポンプの運転を停止する。点検蓋21を開いて点検口19から音源30を揚水管3(またはポンプケーシング1)の内部に吊り下げ、音源30を揚水管3(またはポンプケーシング1)内の所定位置に配置する。蓋25を開いてピット覗き孔20を通してマイクロフォン31をポンプケーシング1の外部の所定位置に吊り下げる。このとき、4個のマイクロフォン31は、そのすべてがポンプケーシング1の周囲において同じ高さになるように、かつポンプケーシング1の円周方向において等間隔に配置される。
図1および図4に示すように、吸込水槽15の底部には、吸込水槽15の水位を一定にするための水中ポンプ42が設置されており、さらに吸込水槽15の水位を計測する水位計43が吸込水槽15に設置されている。水中ポンプ42の運転は、水位計43によって測定される吸込水槽15の水位が所定の高さで一定に保たれるように制御部47によって制御される。吸込水槽15の水位の所定の高さは、吸込ベルマウス1aの吸込口1cが水中に浸漬される高さである。
もし、吸込ベルマウス1aの吸込口1cが水中に浸漬されていない場合、音源30から発生された音は吸込口1cを通じて外部に漏れてしまい、音響を利用したポンプケーシング1の正確な点検が出来ない。このような理由から、点検中は、吸込ベルマウス1aの吸込口1cが水面下に位置するように、制御部47によって吸込水槽15の水位が制御される。また、ポンプケーシング1の点検をするたびに吸込水槽15の水位が異なると、立軸ポンプの内部空間の容積が変化し、反響による音の増幅量が変化してしまう。このような音の増幅量の変化を防ぐため、ポンプケーシング1の点検をするときは毎回、吸込水槽15の水位は予め定められた同じ高さに保たれる。
吸込水槽15の水位が予め定められた高さに保たれた状態で、音源30から揚水管3の内部で所定の周波数の音を所定の音圧レベルで発生させ、マイクロフォン31によって音源30から発生された音を捉え、その捉えた音の音圧レベルおよび周波数を音響分析器50で測定する。その後は、上述したように、測定された音圧レベルと、同一条件下で過去に測定された音圧レベルとを比較し、これらの音圧レベルの差が所定のしきい値に達した場合、判断部46はポンプケーシング1に穴が空いていると判断する。
音源30は無指向性の音源であることが好ましく、マイクロフォン31は無指向性のマイクロフォンであることが好ましい。無指向性の音源30は、揚水管3およびポンプケーシング1の全周に向けて所定の周波数の音を所定の音圧レベルで均一に発生することができる。さらに、無指向性のマイクロフォン31は、その向きや角度に関係なく音を均一に捉えることができる。
本実施形態では、4個のマイクロフォン31は、そのすべてが同じ高さになるように、かつポンプケーシング1の円周方向において等間隔になるように配置されている。もし、ポンプケーシング1に穴が空いている場合、穴の近傍に位置するマイクロフォン31は、他のマイクロフォン31よりも大きな音圧レベルの音を捉えることになる。音響分析器50は、マイクロフォン31が複数箇所で捉えた音のそれぞれの音圧レベルを測定し、判断部46は測定された音圧レベル同士を比較して、音圧レベル間の差異に基づいて穴が空いている箇所を特定する。
本実施形態によれば、特殊な治具を用いる必要はなく、安価で、かつ短時間でポンプケーシング1を点検することができる。さらに、本実施形態によれば、吸込水槽15内の水中に人が潜り込む必要はないので、危険を伴うことなく、ポンプケーシング1を点検することができる。音源30およびマイクロフォン31をそれぞれ所定位置に配置し、かつ吸込水槽15の水位を一定にするという条件は、比較的容易に再現することができる。このように、同一の条件の下でポンプケーシング1を周期的に点検することができるため、ポンプケーシング1の欠陥具合の傾向を容易に管理することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。特に説明しない構成は上述した実施形態の構成と同じであるので、その重複する説明を省略する。一般に、物体を通過する音の周波数が高くなるほど、透過損失、つまり、物体の遮音性能は質量則に従って上昇する。しかしながら、ある周波数においては、透過損失は質量則に従わずに低下する。このような周波数はコインシデンス周波数と呼ばれている。本実施形態では、音響監視器40はコインシデンス周波数の変化に基づいてポンプケーシング1の減肉を検出するように構成されている。
コインシデンス周波数fcは次式で表される。
Figure 2016211424
上記式(1)において、c(=331.5×√(T/273)、Tは絶対温度[K]を示す)は音速[m/s]を表し、mは面密度[N/m≒kgf/m]を表し、Bは単位面積当たりの曲げかたさを表し、tは板厚[m](本実施形態ではポンプケーシング1の肉厚)を表し、ρは密度[N/m≒kgf/m](本実施形態ではポンプケーシング1の密度)を表し、Eはヤング率[N/m](本実施形態ではポンプケーシング1のヤング率)を表している。
なお、上記式(1)は平板(平面)の場合の式である。本実施形態では、ポンプケーシング1の面は曲面であるが、局所的に見れば、ポンプケーシング1の面を平面と考えることができる。したがって、上記式(1)を用いてポンプケーシング1のコインシデンス周波数を算出することは可能である。
例えば、ポンプケーシング1の肉厚tが22mmである場合、ρ=7250kg/m、E=107.8GPa、c=340m/sとすると、コインシデンス周波数fcは751Hzである。ポンプケーシング1の腐食や摩耗によって、ポンプケーシング1が1mmだけ減肉した場合(つまり、ポンプケーシング1の肉厚tが21mmである場合)、コインシデンス周波数fcは787Hzとなる。
このように、ポンプケーシング1が減肉すると、コインシデンス周波数は高くなる。したがって、音響監視器40はコインシデンス周波数の変化に基づいてポンプケーシング1の減肉を判定することができる。
上述のように、音速cは絶対温度Tに依存して変わる。したがって、上述したコインシデンス周波数fcの式(1)によれば、コインシデンス周波数は外気温度の影響を僅かながら受ける。そこで、音響分析器50は、外気温度の変化の影響を小さくする補正機能を備えてもよい。
音源30は、揚水管3(またはポンプケーシング1)の内部で一定の音圧レベルで、コインシデンス周波数を含む周波数帯域内で周波数を掃引しながら音を発生させる。マイクロフォン31は音源30から発生された音を捉え、音響分析器50はマイクロフォン31が捉えた音の音圧レベルおよび周波数を測定する。
図7は音響分析器50によって測定された、音源30からの音の音圧レベルおよび周波数を示す図である。図8はポンプケーシング1が減肉しているときの音圧レベルおよび周波数を示す図である。図7および図8において、横軸は音の周波数[Hz]を示しており、縦軸は音圧レベル[dB]を示している。図7に示すように、一定の音圧レベルで音の周波数を掃引すると、コインシデンス周波数において音圧レベルが高くなる。したがって、測定された音の音圧レベルのピークからポンプケーシング1の現在のコインシデンス周波数を決定することができる。記憶部45は、決定されたコインシデンス周波数を記憶する。
上記式(1)から分かるように、コインシデンス周波数fcは物体の厚さtに依存して変わる。したがって、ポンプケーシング1が減肉していると、図8に示すように、コインシデンス周波数は高くなる。図8に示す一点鎖線はポンプケーシング1が減肉していないときのコインシデンス周波数であり、図8に示す実線はポンプケーシング1が減肉しているときのコインシデンス周波数である。判断部46は、同一条件下で過去に決定されたコインシデンス周波数、つまり、記憶部45に記憶されているコインシデンス周波数と現在のコインシデンス周波数とを比較する。現在のコインシデンス周波数が過去のコインシデンス周波数から変化している場合、判断部46はポンプケーシング1の減肉を判断する。例えば、現在のコインシデンス周波数と過去に決定されたコインシデンス周波数との間の差がしきい値を超えた場合は、判断部46は、ポンプケーシング1の減肉を判断してもよい。
ポンプケーシング1に穴が空いている場合、音響分析器50によって測定される音の音圧レベルは全体的に高くなる。したがって、判断部46は、測定された現在の音圧レベルと過去に測定された音圧レベルとの差に基づいてポンプケーシング1に穴が空いていると判断することができる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1 ポンプケーシング
1a 吸込ベルマウス
1b 吐出ボウル
1c 吸込口
3 揚水管
4 吐出エルボ管
5 吐出管
6 回転軸
7 支持部材
9 吐出バルブ
10 羽根車
11 外軸受
12 水中軸受
13 ボウルブッシュ
14 ガイドベーン
15 吸込水槽
18 駆動源
19 点検口
20 ピット覗き孔
21 点検蓋
23 吊下ケーシング
25 蓋
30 音源
31 マイクロフォン
34,35 吊り下げ部材
40 音響監視器
42 水中ポンプ
43 水位計
45 記憶部
46 判断部
47 制御部
50 音響分析器

Claims (5)

  1. 羽根車を収容するポンプケーシングと、該ポンプケーシングを吸込水槽内に吊り下げる揚水管とを備えた立軸ポンプの点検方法において、
    一定水位に制御された前記吸込水槽内の水中に前記ポンプケーシングの吸込口を浸漬させ、
    前記揚水管または前記ポンプケーシングの内部で音を所定の音圧レベルで発生させ、
    前記発生させた音を前記ポンプケーシングの外部で捉え、
    前記捉えた音の音圧レベルを測定し、
    前記測定された音圧レベルと、同一条件下で過去に測定された音圧レベルとの差に基づいて、前記ポンプケーシングに欠陥があるか否かを判断することを特徴とする立軸ポンプの点検方法。
  2. 前記測定された音圧レベルと前記過去に測定された音圧レベルとの差が所定のしきい値に達した場合は、前記ポンプケーシングに穴が空いていると判断することを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプの点検方法。
  3. 前記揚水管または前記ポンプケーシングの内部で、音の周波数を掃引しながら前記音を発生させ、
    前記発生させた音を前記ポンプケーシングの外部で捉え、
    前記捉えた音の音圧レベルおよび周波数を測定し、
    前記測定された音の音圧レベルのピークから前記ポンプケーシングの現在のコインシデンス周波数を決定し、
    前記現在のコインシデンス周波数と、同一条件下で過去に決定されたコインシデンス周波数との差に基づいて前記ポンプケーシングの減肉を検出することを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプの点検方法。
  4. 前記発生させた音を前記ポンプケーシングの外部の複数箇所で捉え、
    前記複数箇所で捉えた音のそれぞれの音圧レベルを測定し、
    前記測定された音圧レベル間の差異に基づいて前記ポンプケーシングの欠陥箇所を特定することを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプの点検方法。
  5. 羽根車と、
    前記羽根車を収容するポンプケーシングと、
    前記ポンプケーシングを吸込水槽内に吊り下げる揚水管と、
    前記揚水管の上端に接続される吐出エルボ管と、
    前記揚水管をポンプ据付床に固定する吊下ケーシングとを備え、
    前記吐出エルボ管には、音源を前記揚水管の内部または前記ポンプケーシングの内部に配置するための点検口が設けられており、
    前記吊下ケーシングには、前記音源から発生された音を前記ポンプケーシングの外部で捉えるためのマイクロフォンを通す複数の孔が設けられていることを特徴とする立軸ポンプ。
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