JP7104605B2 - ポンプシステム - Google Patents
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Description
また、人が目視で観察するため定量的に計測ができなかった。
また、ポンプ運転中には、吐出圧側にある水中軸受の水圧が大気圧より高い圧力であり、ポンプ内から導管を伝って外部に揚水が噴出することを避けるため、導管を閉止する必要があるので、ファイバースコープを導管に挿入したまま水中軸受を運転時も継続して観察することはできなかった。
(3)上記(2)に記載されたポンプ装置であって、前記滑り軸受は、水中軸受であってもよい。
(4)上記(1)~(3)に記載されたポンプ装置であって、前記投光部は、前記点検光を発する複数の発光部を有し、前記複数の発光部は、は、前記滑り軸受の軸心と同心円上に配置されていてもよい。
(5)上記(1)~(4)に記載されたポンプ装置であって、前記受光部は、前記点検光を受ける複数の検出部を有し、前記複数の検出部は、前記滑り軸受の軸心と同心円上に配置されていてもよい。
(6)上記(1)~(5)に記載されたポンプ装置であって、前記投光部は、前記隙間に対し、軸方向と交差する方向に前記点検光を投光してもよい。
(9)上記(7)または(8)に記載されたポンプシステムであって、前記回転軸の回転角度を計測する回転角度センサを有し、前記制御装置は、さらに、前記回転角度センサの計測結果に基づいて、前記摩耗が前記回転軸で発生したのか前記滑り軸受で発生したのかを判定してもよい。
(10)上記(7)~(9)に記載されたポンプシステムであって、前記投光部は、前記回転軸が回転しているときに、前記点検光を投光してもよい。
立軸ポンプ1(ポンプ装置)は、羽根車2及び羽根車2が固定された回転軸3を含む回転部1Bと、回転部1Bのうち回転軸3を支持する滑り軸受4(軸受)及び滑り軸受4と回転部1Bを収容するポンプケーシング10(ケーシング)を含む静止部1Cと、を備える。なお、回転軸3は、鉛直方向に延び、その上端部はポンプケーシング10を貫通して上方に延びている。
図2に示すように、回転軸3には、円筒状の軸スリーブ31が固定されている。中間軸受42は、軸スリーブ31の外周面と対向する円筒状の軸受本体42aと、軸受本体42aを支持する軸受ベース42bと、を備える。
投光部50には、図5に示すように、複数の光ファイバー51(光ファイバーアレイ)の端部51bが接続されている。なお、図5に示す複数の光ファイバー51は、部分的に束ねられているが、束ねられていなくてもよい。
この構成によれば、中間軸受42と関連付けられた座標位置で受光した点検光Lの光量を測定することで、中間軸受42が全面的に観察して、どのような向きに、どのような特徴のある摩耗のしかたをしているのかを把握することが可能となる。
図6に示すように、下部軸受41においても、上述した中間軸受42と同様に、投光部50及び受光部60が取り付けられている。すなわち、下部軸受41は、回転軸3に固定された軸スリーブの外周面と対向する軸受本体と、当該軸受本体を支持する軸受ベースと、を備え、当該軸受ベースの上下面に投光部50及び受光部60が取り付けられている。これら投光部50及び受光部60に接続される光ファイバー51,61は、ポンプケーシング10の外部の図示しないLDやLEDなどの光源53、および同じく図示しないPDやCCDなどの光電変換装置63と接続している。これら光ファイバー51,61は、ガイドベーン18に沿って、または、ガイドベーン18の内部を通して配設してもよい。
図7に示すように、変位センサ25は、平面視において互いに直交するように2つ配置されている。すなわち、2つの変位センサ25のうちの一方は、回転軸3のX方向の変位を計測し、他方は回転軸3のY方向の変位を計測する。これら2つの変位センサ25は、例えば、非接触型の変位測定器である。
制御装置70は、図3に示すように、滑り軸受4の軸方向一方側に配置された投光部50から隙間Sに向かって点検光Lを投光し、滑り軸受4の軸方向他方側に配置された受光部60によって隙間Sを通過した点検光Lを受光し、その受光量を検出する(ステップS1)。この受光量の検出は、回転軸3が回転しているときに行うとよい。すなわち、回転軸3の静止状態では、回転軸3が偏心して滑り軸受4に寄っているケースがあるためである。
制御装置70は、受光部60の受光量が閾値未満の場合(ステップS2が「YES」の場合)、回転軸3と滑り軸受4との間に摩耗が発生していない(図10(a)参照)と判定し、図示しないディスプレイなどへの警告表示をOFFにする(ステップS3)。一方、制御装置70は、受光部60の受光量が閾値以上の場合(ステップS2が「NO」の場合)、回転軸3と滑り軸受4との間に摩耗が発生している(図10(b)参照)と判定し、図示しないディスプレイなどへの警告表示をONにする(ステップS4)。
そして、制御装置70は、キー位置または軸変位信号に基づいて、回転軸3と滑り軸受4との摩耗の状況を、図示しないディスプレイなどに出力する。
制御装置70は、変位センサ25の計測結果に基づいて、摩耗S1が全周摩耗か部分摩耗なのかを判定する。すなわち、変位センサ25によって回転軸3と滑り軸受4との相対位置を把握し、光量との関係を明らかにすることで部分的な摩耗なのか、全周的な摩耗なのかを評価することができる。例えば、隙間Sの周方向における光量の分布と、回転軸3の径方向における上述したリサジュー図形が略一致していれば、それは全周摩耗と判定することができる。また、隙間Sの周方向における光量の分布と、回転軸3の径方向におけるリサジュー図形が略一致していなければ、それは部分摩耗と判定することができる。
制御装置70は、回転角度センサ26の計測結果に基づいて、摩耗S1ないし摩耗S2が回転軸3で発生したのか滑り軸受4で発生したのかを判定する。すなわち、制御装置70は、軸連結部22のキー80を回転角度センサ26によって検出し、回転軸3の回転角度を把握し、回転軸3の回転角度の変化に伴い、隙間Sの周方向における光量の分布が変化したか否かで、摩耗が回転軸3で発生したのか滑り軸受4で発生したのかを評価する。
以上のような判定を出力したら滑り軸受4の点検が終了する。なお、上記判定は、下部軸受41及び中間軸受42のそれぞれで行う。
また、上記構成によれば、同一条件を再現し易いため、以下説明するような傾向管理も容易である。
制御装置70は、図13に示すように、定期的に滑り軸受4の点検を行い、受光部60の受光量の変化に基づいて滑り軸受4の傾向管理(例えば部品交換時期などの予測)をすることができる。具体的には、制御装置70は、定期的な点検(例えば1カ月ごとの点検)で計測される光量の変化を記憶部に蓄積し、現在の計測値と前回の計測値とを結ぶ直線と、前回の計測値と前々回の計測値とを結ぶ直線との角度の差θが、所定の角度以上であれば、異常の予兆(摩耗の発生の予兆)を検知したと判定する。異常の予兆を検知したら、図示しないディスプレイなどに、滑り軸受4の部品交換時期を表示するとよい。なお、この判定は、上述した摩耗の発生の有無を判定する閾値未満で行うとよい。すなわち、摩耗が発生していない基準光量に対し、例えば上下に閾値を設定し、その許容範囲内で行うとよい。
図14に示す給水ポンプ100(ポンプ装置)は、火力発電などで使用される超臨界圧向け二重胴バレル型の給水ポンプである。バレル型の外ケーシング101(ケーシング,静止部)の内部には、上下二つ割りの内ケーシング102(ケーシング,静止部)が収められ、外ケーシング101の端部は、カバー103(ケーシング,静止部)で覆われている。その内ケーシング102の内部には、ポンプ軸120(回転軸,回転部)に固定された複数の羽根車121(回転部)が収められている。このポンプ軸120の一端は、内ケーシング102に取付けられたブラケット122(ケーシング,静止部)に、ベアリング124(滑り軸受,静止部)を介して回転自在に支持され、メカニカルシール125により内ケーシング102との間がシールされている。
上記構成の給水ポンプ100においても、ベアリング124を軸方向で挟んで投光部50及び受光部60を取り付けることにより、上記実施形態と同様にベアリング124における摩耗状態を全体的かつ定量的に点検することができる。すなわち、投光部50及び受光部60は、ブラケット122,123の内部に配置され、その内部は真暗な空間であるため、受光部60の受光量の増加は、ベアリング124における摩耗の増加以外にあり得ないからである。
さらに、当該記憶データにて閾値(異常値)が出た際に警報を発する装置を付加してもよい。
また、当該記憶データと共に回転軸3の主軸位置を把握することで摩耗位置を判定してもよい。
図15は、一実施形態の変形例に係る下部軸受41の構成図である。
図15に示すように、下部軸受41においても、上述した中間軸受42と同様に、投光部50及び受光部60が取り付けられている。すなわち、下部軸受41は、回転軸3に固定された軸スリーブの外周面と対向する軸受本体と、当該軸受本体を支持する軸受ベースと、を備え、当該軸受ベースの上下面に投光部50及び受光部60が取り付けられている。
なお、図15において、回転軸3よりも紙面左側において二点鎖線で示すように、電源90が投光部50に電気ケーブル55により直接接続されていてもよい。この場合、投光部50には、LDやLEDなどの複数の発光素子が組み込まれ、電源90は、これら発光素子を点灯させる電力を供給する。LDやLED(発光部)は通常の照明に比べて指向性に優れているので、観察対象の特定した範囲に照射できる。すなわち、無駄な光にエネルギーを割くことがない。また、これらは低電力で必要とする光量を発光するので、電源90のようなバッテリーにより長時間の使用が可能である。
なお、受光部60には、上述の実施形態で説明した光ファイバー61を接続して、ポンプケーシング10の外部の図示しないPDやCCDなどの光電変換装置63と接続させてもよい。
そして、上述の実施形態と同様に、ポンプ運転中に、ポンプケーシング10内の吐出圧の揚水がポンプケーシング10外に漏洩することを防止する一方で、電源ケーブル65や光ファイバー61により、下部軸受41の摩耗の状況を、ポンプ運転中停止中を問わず、継続的に、下部軸受41の摩耗状態を全体的・全周的に直接観察して点検できる。すなわち、どのような向きに、どのような特徴のある摩耗の仕方をしているのかを把握することが可能となる。
1A ポンプシステム
1B 回転部
1C 静止部
2 羽根車
3 回転軸
4 滑り軸受(水中軸受)
10 ポンプケーシング(ケーシング)
25 変位センサ
26 回転角度センサ
31 軸スリーブ
41 下部軸受
42 中間軸受
42a 軸受本体
42b 軸受ベース
50 投光部
51 光ファイバー
51b 端部(発光部)
52 リング部材
52a テーパー面
53 光源
54 中継コネクター
60 受光部
61 光ファイバー(有線)
61b 端部(検出部)
62 リング部材
63 光電変換装置
64 中継コネクター
70 制御装置
80 キー
100 給水ポンプ(ポンプ装置)
122 ブラケット(ケーシング)
123 ブラケット(ケーシング)
124 ベアリング(滑り軸受,静止部)
L 点検光
S 隙間
Claims (9)
- 羽根車と、
前記羽根車が固定された回転軸と、
前記回転軸を回転自在に支持する滑り軸受と、
前記羽根車、前記回転軸、及び前記滑り軸受を収容するケーシングと、
前記滑り軸受を軸方向で挟んで取り付けられ、前記滑り軸受と前記回転軸との隙間に点検光を投光する投光部、及び、前記隙間を通過した前記点検光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した前記点検光に係る情報を、前記ケーシングの外部へ伝送する有線と、
前記受光部が受光した前記点検光の光量に基づいて、前記滑り軸受と前記回転軸との摩耗の発生を判定する制御装置と、を備えるポンプシステムであって、
前記回転軸の径方向における変位を計測する変位センサを有し、
前記制御装置は、さらに、前記変位センサの計測結果に基づいて、前記摩耗が全周摩耗か部分摩耗なのかを判定する、ことを特徴とするポンプシステム。 - 前記有線は、前記滑り軸受を支持する支持部材に沿って固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載のポンプシステム。
- 前記滑り軸受は、水中軸受である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のポンプシステム。
- 前記投光部は、前記点検光を発する複数の発光部を有し、
前記複数の発光部は、前記滑り軸受の軸心と同心円上に配置されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のポンプシステム。 - 前記受光部は、前記点検光を受ける複数の検出部を有し、
前記複数の検出部は、前記滑り軸受の軸心と同心円上に配置されている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のポンプシステム。 - 前記投光部は、前記隙間に対し、軸方向と交差する方向に前記点検光を投光する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のポンプシステム。
- 前記回転軸の回転角度を計測する回転角度センサを有し、
前記制御装置は、さらに、前記回転角度センサの計測結果に基づいて、前記摩耗が前記回転軸で発生したのか前記滑り軸受で発生したのかを判定する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のポンプシステム。 - 羽根車と、
前記羽根車が固定された回転軸と、
前記回転軸を回転自在に支持する滑り軸受と、
前記羽根車、前記回転軸、及び前記滑り軸受を収容するケーシングと、
前記滑り軸受を軸方向で挟んで取り付けられ、前記滑り軸受と前記回転軸との隙間に点検光を投光する投光部、及び、前記隙間を通過した前記点検光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した前記点検光に係る情報を、前記ケーシングの外部へ伝送する有線と、
前記受光部が受光した前記点検光の光量に基づいて、前記滑り軸受と前記回転軸との摩耗の発生を判定する制御装置と、を備えるポンプシステムであって、
前記回転軸の回転角度を計測する回転角度センサを有し、
前記制御装置は、さらに、前記回転角度センサの計測結果に基づいて、前記摩耗が前記回転軸で発生したのか前記滑り軸受で発生したのかを判定する、ことを特徴とするポンプシステム。 - 前記投光部は、前記回転軸が回転しているときに、前記点検光を投光する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のポンプシステム。
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2018
- 2018-10-23 JP JP2018199150A patent/JP7104605B2/ja active Active
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