JP2016210157A - ガラス積層体および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

ガラス積層体および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温条件下の長時間の処理の後でもガラス基板を容易に剥離できるガラス積層体の提供。
【解決手段】支持基板12及び支持基板12上に配置された無機層14を有する無機層14付き支持基板16と、無機層14上に剥離可能に積層されたガラス基板18と、を備え、無機層14のマルテンス硬さが3000N/mm2以下であり、好ましくは、上記無機層12中の水分濃度が1.5原子%以上であり、無機層12の厚さが70nm以下である、ガラス積層体10。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス積層体および電子デバイスの製造方法に関する。
近年、太陽電池(PV)、液晶パネル(LCD)、有機ELパネル(OLED)などの電子デバイス(電子機器)の薄型化、軽量化が進行しており、これらの電子デバイスに用いるガラス基板の薄板化が進行している。一方、薄板化によりガラス基板の強度が不足すると、電子デバイスの製造工程において、ガラス基板のハンドリング性が低下する。
そこで、最近では、上記の課題に対応するため、無機薄膜付き支持ガラスの無機薄膜上にガラス基板を積層した積層体を用意し、積層体のガラス基板上に素子の製造処理を施した後、積層体からガラス基板を分離する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2011−184284号公報
近年、電子デバイスの高性能化の要求に伴い、電子デバイスの製造の際により高温条件下での処理の実施が望まれている。
本発明者らは、特許文献1に具体的に記載された積層体を用いて、高温条件下(例えば400℃以上)での処理を施したところ、処理後に積層体からガラス基板を剥離できない場合があることを明らかにした。この態様では、高温条件下でのデバイス製造後に、素子が形成されたガラス基板を積層体から剥離できないという問題が生じる。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、高温条件下の長時間処理の後であっても、ガラス基板を容易に剥離できるガラス積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、支持基板上に特定の無機層を形成することにより、ガラス基板を容易に剥離できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供する。
[1]支持基板および上記支持基板上に配置された無機層を有する無機層付き支持基板と、上記無機層上に剥離可能に積層されたガラス基板と、を備え、上記無機層のマルテンス硬さが3000N/mm2以下である、ガラス積層体。
[2]上記無機層中の水分濃度が1.5原子%以上である、上記[1]に記載のガラス積層体。
[3]上記無機層の厚さが70nm以下である、上記[1]または[2]に記載のガラス積層体。
[4]上記無機層が金属フッ化物を含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のガラス積層体。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載のガラス積層体が備える上記ガラス基板の上記無機層側とは反対側の表面上に電子デバイス用部材を形成し、電子デバイス用部材付き積層体を得る部材形成工程と、上記電子デバイス用部材付き積層体から上記無機層付き支持基板を剥離し、上記ガラス基板および上記電子デバイス用部材を有する電子デバイスを得る分離工程と、を備える電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、ガラス基板を容易に剥離できるガラス積層体を提供できる。
本発明のガラス積層体の一実施形態を示す模式的断面図である。 本発明の電子デバイスの製造方法の好適実施態様における各工程を順に示す模式的断面図である。
以下、本発明のガラス積層体および電子デバイスの製造方法の好適形態について図面を参照して説明するが、本発明は、以下の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、以下の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
以下においては、まず、ガラス積層体の好適態様について詳述し、その後、このガラス積層体を使用した電子デバイスの製造方法の好適態様について詳述する。
[ガラス積層体]
図1は、本発明のガラス積層体の一実施形態を示す模式的断面図である。
図1に示すように、ガラス積層体10は、支持基板12および無機層14からなる無機層付き支持基板16と、ガラス基板18とを有する。
ガラス積層体10においては、無機層付き支持基板16の無機層14の第1主面14a(無機層14の支持基板12側とは反対側の表面)と、ガラス基板18の第1主面18a(ガラス基板18の無機層14側の表面)とを積層面として、無機層付き支持基板16とガラス基板18とが剥離可能に積層している。
つまり、無機層14は、その一方の面が支持基板12の層に固定されると共に、その他方の面がガラス基板18の第1主面18aに接し、無機層14とガラス基板18との界面は剥離可能に密着されている。言い換えると、無機層14は、ガラス基板18の第1主面18aに対して易剥離性を具備している。
本発明において、上記固定と上記(剥離可能な)密着とは剥離強度(すなわち、剥離に要する応力)に違いがあり、固定は密着に対し剥離強度が大きいことを意味する。具体的には、無機層14と支持基板12との界面の剥離強度が、無機層14とガラス基板18との界面の剥離強度よりも大きくなる。
また、剥離可能な密着とは、剥離可能であると同時に、固定されている面の剥離を生じさせることなく剥離可能であることも意味する。つまり、ガラス積層体10において、ガラス基板18と支持基板12とを分離する操作を行った場合、密着された面(無機層14とガラス基板18との界面)で剥離し、固定された面では剥離しないことを意味する。したがって、ガラス積層体10をガラス基板18と支持基板12とに分離する操作を行うと、ガラス積層体10はガラス基板18と無機層付き支持基板16との2つに分離される。
もっとも、ガラス積層体10に対して高温条件下(例えば400℃以上)での処理を施した場合には、無機層14とガラス基板18との界面の剥離強度が、無機層14と支持基板12との界面の剥離強度と同程度まで高くなり、その結果、ガラス積層体10からのガラス基板18の剥離が困難になる可能性もある。
しかしながら、本発明においては、無機層14のマルテンス硬さを3000N/mm2以下とすることで、ガラス積層体10に対して高温条件下での処理を施した後にガラス基板18を剥離する場合にも、その剥離の際に無機層14自身に凝集破壊が生じ(図2(B)参照)、ガラス積層体10からガラス基板18を容易に剥離できる。
以下では、まず、ガラス積層体10を構成する無機層付き支持基板16およびガラス基板18について詳述し、その後ガラス積層体10の製造の手順について詳述する。
〔無機層付き支持基板〕
無機層付き支持基板16は、支持基板12と、その表面上に配置(固定)される無機層14とを備える。無機層14は、後述するガラス基板18と剥離可能に密着するように、無機層付き支持基板16中の最外側に配置される。
以下に、支持基板12、および、無機層14の態様について詳述する。
〈支持基板〉
支持基板12は、第1主面と第2主面とを有し、第1主面上に配置された無機層14と協働して、ガラス基板18を支持して補強し、後述する部材形成工程(電子デバイス用部材を製造する工程)において電子デバイス用部材の製造の際にガラス基板18の変形、傷付き、破損などを防止する基板である。
支持基板12としては、例えば、ガラス板、プラスチック板、SUS板などの金属板などが用いられる。支持基板12は、部材形成工程が熱処理を伴う場合、ガラス基板18との線膨張係数の差の小さい材料で形成されることが好ましく、ガラス基板18と同一材料で形成されることがより好ましく、支持基板12はガラス板であることが好ましい。特に、支持基板12は、ガラス基板18と同じガラス材料からなるガラス板であることが好ましい。
支持基板12の厚さは、後述するガラス基板18よりも厚くてもよいし、薄くてもよい。好ましくは、ガラス基板18の厚さ、無機層14の厚さ、および後述するガラス積層体10の厚さに基づいて、支持基板12の厚さが選択される。
例えば、現行の部材形成工程が厚さ0.5mmの基板を処理するように設計されたものであって、ガラス基板18の厚さおよび無機層14の厚さの和が0.1mmの場合、支持基板12の厚さを0.4mmとする。支持基板12の厚さは、通常の場合、0.2〜5.0mmであることが好ましい。
支持基板12がガラス板の場合、ガラス板の厚さは、扱いやすく、割れにくいなどの理由から、0.08mm以上であることが好ましい。また、ガラス板の厚さは、電子デバイス用部材形成後に剥離する際に、割れずに適度に撓むような剛性が望まれる理由から、1.0mm以下であることが好ましい。
支持基板12とガラス基板18との25〜300℃における平均線膨張係数(以下、単に「平均線膨張係数」という)の差は、好ましくは500×10-7/℃以下であり、より好ましくは300×10-7/℃以下であり、さらに好ましくは200×10-7/℃以下である。差が大き過ぎると、部材形成工程における加熱冷却時に、ガラス積層体10が激しく反るおそれがある。ガラス基板18の材料と支持基板12の材料とが同じ場合、このような問題が生じるのを抑制できる。
〈無機層〉
無機層14は、ガラス積層体10において、支持基板12の主面上に配置(固定)され、ガラス基板18の第1主面18aと直接接触する層である。
そして、上述したように、本発明においては、無機層14のマルテンス硬さを3000N/mm2以下とする。なお、マルテンス硬さ(ISO 14577)は、試験荷重が負荷された状態で測定される硬さであり、負荷増加時の荷重−押込み深さ曲線の値から求められる。
これにより、ガラス積層体10に対して高温条件下(例えば400℃以上)での処理を施した後にガラス積層体10からガラス基板18を剥離する場合にも、その剥離の際に比較的脆弱な無機層14自身に凝集破壊が生じることで(図2(B)参照)、ガラス積層体10からガラス基板18を容易に剥離できる。すなわち、剥離性に優れる。
なお、剥離したガラス基板18の第1主面18aには、凝集破壊した無機層14の残渣が付着し得るが、無機層14を薄膜にすることで、残渣の付着量はわずかとなり、実用上の問題は生じない。
剥離性がより優れるという理由から、無機層14のマルテンス硬さは、2800N/mm2以下が好ましく、2500N/mm2以下がより好ましい。一方、下限は特に限定されないが、無機層14が脆弱すぎないという観点からは、例えば、200N/mm2以上である。
また、無機層14は、その水分濃度を高くすることにより、高温条件下(例えば400℃以上)での処理を経ても脆弱性を維持しやすくなり、無機層14自身の凝集破壊による剥離性がより良好になる。
したがって、無機層14の水分濃度は、1.5原子%以上が好ましく、2.0原子%以上がより好ましく、2.2原子%以上がさらに好ましい。一方、上限は特に限定されないが、無機層14の構造が崩れにくいという観点からは、例えば、10原子%以下である。
なお、本発明における無機層14の水分濃度の測定方法は、後出の[実施例]において詳述する。
無機層14の第1主面14aの表面粗さ(Ra)は、2.0nm以下が好ましく、1.2nm以下がより好ましい。下限値は特に制限されないが例えば0nm超である。上記範囲であれば、ガラス基板18との密着性が良好となり、ガラス基板18の位置ずれなどをより抑制することができると共に、ガラス基板18の剥離性もより優れる。
Raは、JIS B 0601(2001年改正)に従って測定される。
また、上述したように、ガラス基板18の第1主面18aには凝集破壊した無機層14の残渣が付着し得る。残渣の付着量は、無機層14が薄いほど少なくなり好ましい。
したがって、無機層14の厚さは、70nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましい。一方、下限は特に限定されないが、例えば、5nm以上である。
なお、無機層14は、図1では単層として示されているが、2層以上の積層であってもよい。2層以上の積層の場合、各層ごとが異なる組成であってもよい。この場合、「無機層の厚さ」は全ての層の合計の厚さを意味するものとする。
無機層14は、通常、図1に示すように、支持基板12の一方の主面の全体に設けられるが、本発明の効果を損なわない範囲で、支持基板12の一方の主面の一部に設けられていてもよい。
このような無機層14は、Fを含有するF含有無機層を含有することが好ましい。無機層14は、F含有無機層のみから構成されていてもよいし、F含有無機層以外の無機層を含有する複数層であってもよい。なお、無機層14が複数層である場合、無機層14の厚さ方向におけるF含有無機層の位置は特に限定されないが、ガラス基板18の第1主面18aと接する最表層であることが好ましい。
また、無機層14が含有するF含有無機層は、金属フッ化物およびフッ素ドープ金属酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましい。金属フッ化物およびフッ素ドープ金属酸化物は、それぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
フッ素ドープ金属酸化物としては、例えば、フッ素ドープ酸化スズ、フッ素ドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化チタン、フッ素ドープ酸化アルミニウム、フッ素ドープ酸化ケイ素、フッ素ドープ石英等が挙げられ、なかでも、フッ素ドープ酸化スズが好ましい。
金属フッ化物の組成は特に制限されないが、ガラス基板18の剥離性がより優れる点で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Inおよびランタノイドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ここで、アルカリ金属としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられる。
また、アルカリ土類金属としては、例えば、Mg、Ca、Sr、Baが挙げられる。
また、ランタノイドは、LaからLuまでであり、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm等が挙げられる。
より具体的には、金属フッ化物としては、例えば、RF、R′F2、ScF3、VF3、CrF3、MnF2、FeF3、CoF2、NiF2、CuF2、ZnF2、AlF3、GaF3、InF3およびLF3などが挙げられる。ここで、Rはアルカリ金属、R′はアルカリ土類金属、Lはランタノイドを指す。
なお、金属フッ化物は、その一部が酸化されていてもよい。
金属フッ化物は脆い場合が多いことから、無機層14は、少なくとも金属フッ化物を含有することが好ましい。より具体的には、無機層14全量に対する金属フッ化物の総含有量は、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下がさらに好ましい。
無機層14が金属フッ化物を含有する場合において、無機層14の形成過程で取り込まれる酸素(O)の濃度が一定程度まで高くなると、高温条件下(例えば400℃以上)での処理後における、無機層14自身の凝集破壊による剥離性がより良好になる。
したがって、無機層14が金属フッ化物を含有する場合において、無機層14における酸素濃度は、1.5原子%以上が好ましく、2.5原子%以上がより好ましく、5.5原子%以上がさらに好ましく、8.0原子%以上が特に好ましい。一方、上限は、例えば、20.0原子%以下が好ましい。
すなわち、無機層14が金属フッ化物を含有する場合、金属フッ化物以外の含有成分としては、例えば、金属酸化物が挙げられる。この金属酸化物は、金属フッ化物と同様に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Inおよびランタノイドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
無機層14全量に対する金属酸化物の総含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
〈無機層付き支持基板の製造方法〉
支持基板12上に無機層14を形成する方法としては、蒸着法または特定条件下でのスパッタリング法が好適に挙げられる。
スパッタリング法は、一般的には、真空中にArガスなど不活性ガスを導入しながら、基板とターゲットとの間に直流高電圧を印加し、イオン化したArをターゲットに衝突させて、はじき飛ばされたターゲット物質を基板に成膜させる方法である。
本発明におけるスパッタリング法では、不活性ガスと共に、酸素(O2)ガスを導入することが好ましい。これにより、例えば金属フッ化物を含有する無機層14を形成する場合において、無機層14に酸素が取り込まれ、酸素濃度が高くなる。上述したように、無機層14の酸素濃度が一定程度まで高くなると、高温条件下での処理後における剥離性がより良好になる。
本発明におけるスパッタリング法において、酸素ガスと不活性ガスとの体積流量比(酸素ガス/不活性ガス)は、0.005〜0.25が好ましく、0.01〜0.10がより好ましい。
なお、不活性ガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)ガス、窒素(N2)ガス等が挙げられる。
無機層14を形成した後、無機層14の第1主面14aに対して、アルカリ処理、プラズマ処理、UV処理などの親水化処理を施してもよい。アルカリ処理の後は、純水でリンスし、次いで、乾燥させることが好ましい。なお、無機層14に親水化処理を施した後は、なるべく短時間でガラス基板18を積層させることが好ましい。
その他に、必要に応じて、支持基板12上に形成された無機層14の表面性状(例えば、表面粗さRa)を制御するために、無機層14の表面を削る処理を施してもよく、そのような処理としては、例えば、研磨、イオンスパッタリング法などが挙げられる。
〔ガラス基板〕
ガラス基板18の種類は、一般的なものであってよく、例えば、LCD、OLEDなどの表示装置用のガラス基板などが挙げられる。ガラス基板18は耐薬品性、耐透湿性に優れ、かつ、熱収縮率が低い。熱収縮率の指標としては、JIS R 3102(1995年改正)に規定されている線膨張係数が用いられる。
ガラス基板18は、ガラス原料を溶融し、溶融ガラスを板状に成形して得られる。このような成形方法は、一般的なものであってよく、例えば、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法、フルコール法、ラバース法などが用いられる。また、特に厚さが薄いガラス基板は、いったん板状に成形したガラスを成形可能温度に加熱し、延伸などの手段で引き伸ばして薄くする方法(リドロー法)で成形して得られる。
ガラス基板18のガラスは、特に限定されないが、無アルカリホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、高シリカガラス、その他の酸化ケイ素を主な成分とする酸化物系ガラス等も使用できる。酸化物系ガラスとしては、酸化物換算による酸化ケイ素の含有量が40〜90質量%のガラスが好ましい。
ガラス基板18のガラスとしては、デバイスの種類やその製造工程に適したガラスが採用される。例えば、液晶パネル用のガラス基板は、アルカリ金属成分の溶出が液晶に影響を与えやすいことから、アルカリ金属成分を実質的に含まないガラス(無アルカリガラス)からなる(ただし、通常アルカリ土類金属成分は含まれる)。このように、ガラス基板18のガラスは、適用されるデバイスの種類およびその製造工程に基づいて適宜選択される。
ガラス基板18の厚さは、特に限定されないが、ガラス基板18の薄型化および/または軽量化の観点から、例えば0.8mm以下であり、好ましくは0.3mm以下であり、より好ましくは0.15mm以下である。0.8mm超の場合、ガラス基板18の薄型化および/または軽量化の要求を満たせない場合がある。0.3mm以下の場合、ガラス基板18に良好なフレキシブル性を与えることが可能である。0.15mm以下の場合、ガラス基板18をロール状に巻き取ることが可能である。また、ガラス基板18の厚さは、ガラス基板18の製造が容易であること、ガラス基板18の取り扱いが容易であることなどの理由から、0.03mm以上が好ましい。
ガラス基板18は2層以上からなっていてもよく、この場合、各々の層を形成する材料は同種材料であってもよいし、異種材料であってもよい。この場合、「ガラス基板の厚さ」は全ての層の合計の厚さを意味するものとする。
なお、ガラス積層体10において、無機層14の第1主面14aと、ガラス基板18の第1主面18aとは、直接接触していることが好ましい。すなわち、ガラス基板18の第1主面18a(無機層14側の面)上には、無機薄膜層が設けられておらず、特に、金属フッ化物からなる無機薄膜層が設けられていないことが好ましい。
ガラス基板の第1主面上に例えば金属フッ化物からなる層が設けられている場合、金属フッ化物層付きガラス基板と無機層付き支持基板との密着性は、高温処理後に悪くなり、両者が自発的に剥離をしてしまい、ガラス積層体としては使用できない。
〔ガラス積層体の製造方法〕
ガラス積層体10の製造方法は特に制限されないが、具体的には、常圧環境下で無機層付き支持基板16とガラス基板18とを重ねた後、ロールやプレスを用いて圧着させる方法が挙げられる。ロールやプレスで圧着することにより無機層付き支持基板16とガラス基板18とがより密着するので好ましい。また、ロールまたはプレスによる圧着により、無機層付き支持基板16とガラス基板18との間に混入している気泡が比較的容易に除去されるので好ましい。
真空ラミネート法や真空プレス法により圧着すると、気泡の混入の抑制や良好な密着の確保が好ましく行われるのでより好ましい。真空下で圧着することにより、微小な気泡が残存した場合でも、加熱により気泡が成長することがなく、ゆがみ欠陥につながりにくいという利点もある。
無機層付き支持基板16とガラス基板18とを剥離可能に密着させる際には、無機層14およびガラス基板18の互いに接触する側の面を十分に洗浄し、クリーン度の高い環境で積層することが好ましい。
さらに、得られたガラス積層体10には、例えば400℃以上の高温条件下での処理が施され得る。温度条件の上限は特に限定されないが、通常、700℃以下の場合が多い。
ガラス積層体10は、種々の用途に使用することができ、例えば、後述する表示装置用パネル、PV、薄膜2次電池、表面に回路が形成された半導体ウェハ等の電子部品を製造する用途などが挙げられる。なお、この用途では、ガラス積層体10が高温条件(例えば、400℃以上)で曝される(例えば、10分間以上)場合が多い。
ここで、表示装置用パネルとは、LCD、OLED、電子ペーパー、プラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションパネル、量子ドットLEDパネル、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッターパネル等が含まれる。
[電子デバイスおよびその製造方法]
次に、電子デバイスおよびその製造方法の好適実施態様について詳述する。
図2は、本発明の電子デバイスの製造方法の好適実施態様における各工程を順に示す模式的断面図であり、図2(A)は部材形成工程を示し、図2(B)は分離工程を示す。すなわち、本発明の電子デバイスの製造方法は、部材形成工程および分離工程を備える。
以下に、図2を参照しながら、各工程で使用される材料およびその手順について詳述する。まず、部材形成工程について詳述する。
〔部材形成工程〕
部材形成工程は、ガラス積層体中のガラス基板上に電子デバイス用部材を形成する工程である。
より具体的には、図2(A)に示すように、ガラス基板18の第2主面18b上に電子デバイス用部材20が形成され、電子デバイス用部材付き積層体22が製造される。
まず、本工程で使用される電子デバイス用部材20について詳述し、その後工程の手順について詳述する。
〈電子デバイス用部材(機能性素子)〉
電子デバイス用部材20は、ガラス基板18の第2主面18b上に形成され電子デバイスの少なくとも一部を構成する部材である。より具体的には、電子デバイス用部材20としては、表示装置用パネル、太陽電池、薄膜2次電池、表面に回路が形成された半導体ウェハ等の電子部品などに用いられる部材が挙げられる。表示装置用パネルとしては、液晶パネル、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションパネル等が含まれる。
例えば、太陽電池用部材としては、シリコン型では、正極の酸化スズなど透明電極、p層/i層/n層で表されるシリコン層、および負極の金属等が挙げられ、その他に、化合物型、色素増感型、量子ドット型などに対応する各種部材等を挙げることができる。
また、薄膜2次電池用部材としては、リチウムイオン型では、正極および負極の金属または金属酸化物等の透明電極、電解質層のリチウム化合物、集電層の金属、封止層としての樹脂等が挙げられ、その他に、ニッケル水素型、ポリマー型、セラミックス電解質型などに対応する各種部材等を挙げることができる。
また、電子部品用部材としては、CCDやCMOSでは、導電部の金属、絶縁部の酸化ケイ素や窒化珪素等が挙げられ、その他に圧力センサ・加速度センサなど各種センサやリジッドプリント基板、フレキシブルプリント基板、リジッドフレキシブルプリント基板などに対応する各種部材等を挙げることができる。
〈工程の手順〉
上述した電子デバイス用部材付き積層体22の製造方法は特に限定されず、電子デバイス用部材の構成部材の種類に応じて従来公知の方法にて、ガラス基板18の第2主面18bの表面上に、電子デバイス用部材20を形成する。
なお、電子デバイス用部材20は、ガラス基板18の第2主面18bに最終的に形成される部材の全部(以下、「全部材」という)ではなく、全部材の一部(以下、「部分部材」という)であってもよい。部分部材付きガラス基板を、その後の工程で全部材付きガラス基板(後述する電子デバイスに相当)とすることもできる。また、全部材付きガラス基板には、その剥離面(第1主面)に他の電子デバイス用部材が形成されてもよい。また、全部材付き積層体を組み立て、その後、全部材付き積層体から無機層付き支持基板16を剥離して、電子デバイスを製造することもできる。さらに、全部材付き積層体を2枚用いて電子デバイスを組み立て、その後、全部材付き積層体から2枚の無機層付き支持基板16を剥離して、電子デバイスを製造することもできる。
例えば、OLEDを製造する場合を例にとると、ガラス基板18の第2主面18bの表面上に有機EL構造体を形成するために、透明電極を形成する、さらに透明電極を形成した面上にホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する、裏面電極を形成する、封止板を用いて封止する、等の各種の層形成や処理が行われる。これらの層形成や処理として、具体的には、成膜処理、蒸着処理、封止板の接着処理等が挙げられる。
また、例えば、TFT−LCDの製造方法は、ガラス積層体10のガラス基板18の第2主面18b上に、レジスト液を用いて、CVD法およびスパッタ法など、一般的な成膜法により形成される金属膜および金属酸化膜等にパターン形成して薄膜トランジスタ(TFT)を形成するTFT形成工程、別のガラス積層体10のガラス基板18の第2主面18b上に、レジスト液をパターン形成に用いてカラーフィルタ(CF)を形成するCF形成工程、ならびに、TFT付きデバイス基板とCF付きデバイス基板とを積層する貼り合わせ工程等の各種工程を有する。
TFT形成工程やCF形成工程では、周知のフォトリソグラフィ技術やエッチング技術等を用いて、ガラス基板18の第2主面18bにTFTやCFを形成する。この際、パターン形成用のコーティング液としてレジスト液が用いられる。
なお、TFTやCFを形成する前に、必要に応じて、ガラス基板18の第2主面18bを洗浄してもよい。洗浄方法としては、周知のドライ洗浄やウェット洗浄を用いることができる。
貼り合わせ工程では、TFT付き積層体と、CF付き積層体との間に液晶材を注入して積層する。液晶材を注入する方法としては、例えば、減圧注入法、滴下注入法がある。
なお、部材形成工程では、例えば400℃以上の高温条件下での処理が施される。
〔分離工程〕
分離工程は、上記部材形成工程で得られた電子デバイス用部材付き積層体22から無機層付き支持基板16を剥離して、電子デバイス用部材20およびガラス基板18を含む電子デバイス24(電子デバイス用部材付きガラス基板)を得る工程である。つまり、電子デバイス用部材付き積層体22を、無機層付き支持基板16と電子デバイス24とに分離する工程である。
ところで、前工程である部材形成工程で高温条件下での処理が施された場合には、無機層14とガラス基板18との界面の剥離強度が、無機層14と支持基板12との界面の剥離強度と同程度まで高くなり、分離が困難になる可能性がある。
しかしながら、この際、無機層14に凝集破壊が生じることによって、無機層付き支持基板16と電子デバイス24とに分離する。
無機層付き支持基板16と電子デバイス24とに分離する方法は、特に限定されない。
例えば、無機層14近辺に鋭利な刃物状のものを差し込み、剥離のきっかけを与えた上で、水と圧縮空気との混合流体を吹き付けたりして剥離することができる。好ましくは、電子デバイス用部材付き積層体22の支持基板12が上側、電子デバイス用部材20側が下側となるように定盤上に設置し、電子デバイス用部材20側を定盤上に真空吸着し(両面に支持基板が積層されている場合は順次行う)、この状態でまず刃物を侵入させる。そして、その後に支持基板12側を複数の真空吸着パッドで吸着し、刃物を差し込んだ箇所付近から順に真空吸着パッドを上昇させる。そうすると、無機層14に凝集破壊が起こって無機層付き支持基板16を容易に剥離できる。
電子デバイス24を剥離する際の剥離強度は、特に制限されないが、工業的な点からは、2.0N/25mm以下が好ましく、1.2N/25mm以下がより好ましい。
なお、電子デバイス24を剥離する際の剥離強度は、ガラス基板18を剥離する際の剥離強度とも言い換えることができる。
上記工程によって得られた電子デバイス24は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型PCなどのモバイル端末に使用される小型の表示装置の製造に好適である。表示装置は主としてLCDまたはOLEDであり、LCDとしては、TN型、STN型、FE型、TFT型、MIM型、IPS型、VA型等を含む。基本的にパッシブ駆動型、アクティブ駆動型のいずれの表示装置の場合でも適用することができる。
なお、上記手順にて分離された無機層付き支持基板16に新たなガラス基板18を積層して、新たなガラス積層体10としてもよい。
以下に、実施例等により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
以下の実施例および比較例では、ガラス基板として、無アルカリホウケイ酸ガラスからなるガラス板(縦100mm、横100mm、板厚0.2mm、線膨張係数38×10-7/℃、旭硝子社製商品名「AN100」)を使用した。
また、支持基板としては、同じく無アルカリホウケイ酸ガラスからなるガラス板(縦100mm、横100mm、板厚0.5mm、線膨張係数38×10-7/℃、旭硝子社製商品名「AN100」)を使用した。
〈実施例1〉
まず、支持基板の一方の主面を純水洗浄し、その後アルカリ洗浄して清浄化した。
次いで、清浄化した支持基板の一方の主面に、RFスパッタリング法(室温成膜、成膜圧力:3mTorr、O2ガスとArガスとの体積流量比(O2/Ar):0.02、パワー密度:5.3W/cm2)により、厚さ20nmのMgF2含有層(無機層に相当)を形成し、ガラス積層体A1用の無機層付き支持基板を得た。
なお、無機層の厚さは、触針式膜厚計により測定した(以下、同様)。
また、無機層の組成(不純物を除く)は、MgF2:69質量%、MgO:31質量%であった。無機層の組成は、X線光電子分光装置(PHI5000VersaProbe、アルバックファイ社製)を用いて測定した(以下、同様)。
(表面粗さ(Ra))
得られた無機層付き支持基板の無機層の第1主面の表面粗さ(Ra)は、0.4nmであった。表面粗さ(Ra)は、AFM(機種:L−trace(Nanonavi)、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、JIS B 0601(2001年改正)に準拠して、測定した(以下、同様)。
(マルテンス硬さ)
得られた無機層付き支持基板の無機層のマルテンス硬さは、1247N/m2であった。マルテンス硬さは、ISO 14577に準拠して、微小硬さ試験機(PICODENTOR HM500、FISCHER社製)を用い、0.5N/sの速度で荷重をかけ、クリープは5秒として測定し、10点の測定結果の平均値とした(以下、同様)。
(水分濃度)
得られた無機層付き支持基板の無機層の水分濃度は、2.2原子%であった。水分濃度は、高分解能ERDA(High Resolution Elastic Recoil Detection Analysis(HR−ERDA))法により測定した。
測定には、HRBS500(神戸製鋼所社製)を用いた。測定時の帯電を防ぐため、試料である無機層の表面(試料面)には、数nmのカーボン膜を蒸着した。
480keVのN+イオンを、試料面法線に対して70度の角度で入射し、反跳水素イオンを設定散乱角30度にて検出した。
蒸着カーボン膜には炭素および水素のみが存在すると仮定し、水素濃度既知試料の測定値を用いて校正し、厚さ方向の水素濃度分布を算出した。
算出においては、蒸着カーボン膜の密度を2.25g/cm3と仮定し、MgF2の密度を3.15g/cm3、MgOの密度を3.58g/cmと仮定した。
厚さ方向に算出された水素濃度分布のうち、蒸着カーボン膜の影響がなくなり濃度が一定となった領域の平均濃度を、無機層の水分濃度とした(以下、同様)。
(酸素濃度)
得られた無機層付き支持基板の無機層の酸素濃度は、15.8原子%であった。酸素濃度は、X線光電子分光装置(PHI5000VersaProbe、アルバックファイ社製)を用いて測定した(以下、同様)。
(積層性)
次に、ガラス基板の一方の主面を純水洗浄し、その後アルカリ洗浄して清浄化した。次いで、無機層付き支持基板の無機層の第1主面と、ガラス基板の清浄化した第1主面とを、室温下で真空プレスにより貼り合わせ、ガラス積層体A1を得た。
得られたガラス積層体A1においては、無機層付き支持基板とガラス基板とは、気泡を発生することなく密着しており、歪み状欠点もなく、平滑性も良好であった。
(剥離性(550℃))
幅25mm×長さ70mmのガラス積層体A1を10個用意して、窒素雰囲気にて、550℃で10分間加熱処理を施した。次いで、オートグラフAG−20/50kNXDplus(島津製作所社製)を用いて、ガラス基板の剥離を行った。
具体的には、加熱処理後のガラス積層体A1の無機層近辺に、厚さ0.1mmのステンレス製ナイフを挿入させて剥離のきっかけ部を形成した後、ガラス基板を完全に固定し、支持基板を引き上げることで、ガラス基板の剥離を行った。なお、剥離速度は30mm/minとした。
その結果、10個全ての試験体で、支持基板やガラス基板に割れが生じることなく、ガラス基板を剥離することができた。
この剥離に際しては、無機層が凝集破壊した。剥離したガラス基板および支持基板の表面上には、凝集破壊した無機層の残渣の付着が確認された。
このとき、550℃の加熱処理後においてガラス基板を剥離できた試験体の剥離強度は、0.5N/25mmであった。荷重を検知した地点を0とし、その位置から2.0mm引き上げた位置での剥離強度を測定値とした(以下、同様)。
(剥離性(600℃))
幅25mm×長さ70mmのガラス積層体A1を10個用意して、窒素雰囲気にて、600℃で10分間加熱処理を施した。次いで、上記と同様にして、ガラス基板の剥離を行った。
その結果、10個全ての試験体で、支持基板やガラス基板に割れが生じることなく、ガラス基板を剥離することができた。
〈実施例2〉
まず、支持基板の一方の主面を純水洗浄し、その後アルカリ洗浄して清浄化した。
次いで、清浄化した支持基板の一方の主面に、蒸着法により、厚さ30nmのCaF2含有層(無機層に相当)を形成し、ガラス積層体A2用の無機層付き支持基板を得た。
無機層の形成には真空蒸着装置(昭和真空社製、SEC−16CM)を用いた。蒸着源にCaF2のペレットを用い10-5Torr以下まで排気した後に、室温にて成膜を行った。
無機層の組成(不純物を除く)は、CaF2:93質量%、CaO:7質量%であった。
(表面粗さ(Ra)、マルテンス硬さ、水分濃度、および、酸素濃度)
得られた無機層付き支持基板の無機層について、表面粗さ(Ra)、マルテンス硬さ、水分濃度、および、酸素濃度を測定した。測定結果は以下の表1に示す。
なお、水分濃度の測定においては、CaF2の密度を3.18g/cm3、CaOの密度を3.35g/cm3と仮定した。
(積層性)
実施例1と同様にして、無機層付き支持基板の無機層の第1主面と、ガラス基板の第1主面とを貼り合わせ、ガラス積層体A2を得た。
得られたガラス積層体A2においては、無機層付き支持基板とガラス基板とは、気泡を発生することなく密着しており、歪み状欠点もなく、平滑性も良好であった。
(剥離性)
ガラス積層体A2について、実施例1と同様にして、剥離強度を測定すると共に、剥離性を評価した。
その結果、550℃の加熱処理後においては、10個全ての試験体で支持基板やガラス基板に割れが生じることなくガラス基板を剥離することができたが、600℃の加熱処理後においては5個の試験体で割れが生じた。なお、剥離したガラス基板および支持基板の表面上には、凝集破壊した無機層の残渣の付着が確認された。
なお、550℃の加熱処理後における剥離強度は、0.4N/25mmであった。
〈実施例3〉
まず、支持基板の一方の主面を純水洗浄し、その後アルカリ洗浄して清浄化した。
次いで、清浄化した支持基板の一方の主面に、実施例2と同様にして、蒸着法により、厚さ30nmのCeF3含有層(無機層に相当)を形成し、ガラス積層体A3用の無機層付き支持基板を得た。
無機層の組成(不純物を除く)は、CeF3:94質量%、CeO2:6質量%であった。
(表面粗さ(Ra)、マルテンス硬さ、水分濃度、および、酸素濃度)
得られた無機層付き支持基板の無機層について、表面粗さ(Ra)、マルテンス硬さ、水分濃度、および、酸素濃度を測定した。測定結果は以下の表1に示す。
なお、水分濃度の測定においては、CeF3の密度を6.16g/cm3、CeO2の密度を7.65g/cm3と仮定した。
(積層性)
実施例1と同様にして、無機層付き支持基板の無機層の第1主面と、ガラス基板の第1主面とを貼り合わせ、ガラス積層体A3を得た。
得られたガラス積層体A3においては、無機層付き支持基板とガラス基板とは、気泡を発生することなく密着しており、歪み状欠点もなく、平滑性も良好であった。
(剥離性)
ガラス積層体A3について、実施例1と同様にして、剥離強度を測定すると共に、剥離性を評価した。
その結果、550℃の加熱処理後においては、10個全ての試験体で支持基板やガラス基板に割れが生じることなくガラス基板を剥離することができたが、600℃の加熱処理後においては4個の試験体で割れが生じた。なお、剥離したガラス基板および支持基板の表面上には、凝集破壊した無機層の残渣の付着が確認された。
なお、550℃の加熱処理後における剥離強度は、0.4N/25mmであった。
〈比較例1〉
まず、支持基板の一方の主面を純水洗浄し、その後アルカリ洗浄して清浄化した。
次いで、清浄化した支持基板の一方の主面に、マグネトロンスパッタリング法(室温成膜、成膜圧力:3mTorr、O2ガスとArガスとの体積流量比(O2/Ar):0.20、パワー密度:1.65W/cm2)により、厚さ30nmのCeO2層を形成し、ガラス積層体B1用の無機層付き支持基板を得た。
(表面粗さ(Ra)、および、マルテンス硬さ)
得られた無機層付き支持基板の無機層について、表面粗さ(Ra)、および、マルテンス硬さを測定した。測定結果は以下の表1に示す。
(積層性)
実施例1と同様にして、無機層付き支持基板の無機層の第1主面と、ガラス基板の第1主面とを貼り合わせ、ガラス積層体B1を得た。
得られたガラス積層体B1においては、無機層付き支持基板とガラス基板とは、気泡を発生することなく密着しており、歪み状欠点もなく、平滑性も良好であった。
(剥離性)
ガラス積層体B1について、実施例1と同様にして、剥離性を評価したところ、550℃および600℃のいずれの加熱処理後においても、10個全ての試験体に割れが発生した。したがって、剥離強度の測定はできなかった。
〈比較例2〉
まず、支持基板の一方の主面を純水洗浄し、その後アルカリ洗浄して清浄化した。
次いで、清浄化した支持基板の一方の主面に、マグネトロンスパッタリング法(室温成膜、成膜圧力:3mTorr、O2ガスとArガスとの体積流量比(O2/Ar):0.20、パワー密度:1.65W/cm2)厚さ20nmのZrO2層を形成し、ガラス積層体B2用の無機層付き支持基板を得た。
(表面粗さ(Ra)、および、マルテンス硬さ)
得られた無機層付き支持基板の無機層について、表面粗さ(Ra)、および、マルテンス硬さを測定した。測定結果は以下の表1に示す。
(積層性)
実施例1と同様にして、無機層付き支持基板の無機層の第1主面と、ガラス基板の第1主面とを貼り合わせ、ガラス積層体B2を得た。
得られたガラス積層体B2においては、気泡の発生および歪み状欠点が確認された。
(剥離性)
ガラス積層体B2について、実施例1と同様にして、剥離性を評価したところ、550℃および600℃のいずれの加熱処理後においても、10個全ての試験体に割れが発生した。したがって、剥離強度の測定はできなかった。
〈比較例3〉
2ガスとArガスとの混合ガスではなく、Arガスのみを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、厚さ30nmのMgF2層を形成し、ガラス積層体B3用の無機層付き支持基板を得た。
(表面粗さ(Ra)、マルテンス硬さ、水分濃度、および、酸素濃度)
得られた無機層付き支持基板の無機層について、表面粗さ(Ra)、マルテンス硬さ、水分濃度、および、酸素濃度を測定した。測定結果は以下の表1に示す。
(積層性)
実施例1と同様にして、無機層付き支持基板の無機層の第1主面と、ガラス基板の第1主面とを貼り合わせ、ガラス積層体B3を得た。
得られたガラス積層体B3においては、無機層付き支持基板とガラス基板とは、気泡を発生することなく密着しており、歪み状欠点もなく、平滑性も良好であった。
(剥離性)
ガラス積層体B3について、実施例1と同様にして、剥離性を評価したところ、550℃および600℃のいずれの加熱処理後においても、10個全ての試験体に割れが発生した。したがって、剥離強度の測定はできなかった。
〈比較例4〉
まず、支持基板の一方の主面を純水洗浄し、その後アルカリ洗浄して清浄化した。
次いで、清浄化した支持基板の一方の主面に、マグネトロンスパッタリング法(加熱温度:300℃、成膜圧力:5mTorr、O2ガスとArガスとの体積流量比(O2/Ar):0.10、パワー密度:4.9W/cm2)により、厚さ20nmのITO層(酸化インジウムスズ層)を形成し、ガラス積層体B4用の無機層付き支持基板を得た。
(表面粗さ(Ra)、および、マルテンス硬さ)
得られた無機層付き支持基板の無機層について、表面粗さ(Ra)、および、マルテンス硬さを測定した。測定結果は以下の表1に示す。
(積層性)
実施例1と同様にして、無機層付き支持基板の無機層の第1主面と、ガラス基板の第1主面とを貼り合わせ、ガラス積層体B4を得た。
得られたガラス積層体B4においては、無機層付き支持基板とガラス基板とは、気泡を発生することなく密着しており、歪み状欠点もなく、平滑性も良好であった。
(剥離性)
ガラス積層体B4について、実施例1と同様にして、剥離性を評価したところ、550℃および600℃のいずれの加熱処理後においても、10個全ての試験体に割れが発生した。したがって、剥離強度の測定はできなかった。
上記実施例1〜3および比較例1〜4の結果を以下の表1にまとめて示す。
以下の表1中、「積層性」の欄には、気泡を発生することなく密着しており、歪み状欠点もなく、平滑性も良好であった場合には「○」を記載し、それ以外の場合には「×」を記載した。実用上、「○」であることが好ましい。
また、以下の表1中、「剥離性」の欄には、全ての試験体で支持基板やガラス基板に割れが生じることなくガラス基板を剥離することができた場合には「○」を記載しそれ以外の場合には「×」を記載した。実用上、「○」であることが好ましい。
なお、以下の表1中、「水分濃度」および「剥離強度」の欄には、水分濃度および剥離強度を測定しなかった(測定できなかった)場合には「−」を記載した。
表1に示すように、無機層のマルテンス硬さが3000N/mm2以下である実施例1〜3は、高温条件下の処理後においても、ガラス基板を容易に剥離することができ、
剥離性が良好であった。
また、実施例1〜3を対比すると、500℃の処理後における剥離性は同等であったが、600℃の処理後における剥離性は、実施例2および3よりも、無機層の酸素濃度が高い実施例1の方が、より良好であった。
これに対して、無機層のマルテンス硬さが3000N/mm2以下ではない比較例1〜4は、高温条件下の処理後における剥離性が不十分であった。
〈実施例4〉
本例では、実施例1で製造された、加熱処理前のガラス積層体A1を用いてOLEDを作製した。なお、以下のプロセスにおける加熱処理温度としては400℃以上の処理が実施される。
より具体的には、ガラス積層体A1におけるガラス基板の第2主面上に、スパッタリング法によりモリブデンを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりゲート電極を形成した。次に、プラズマCVD法により、ゲート電極を設けたガラス基板の第2主面側に、さらに窒化シリコン、真性アモルファスシリコン、n型アモルファスシリコンの順に成膜し、続いてスパッタリング法によりモリブデンを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより、ゲート絶縁膜、半導体素子部およびソース/ドレイン電極を形成した。次に、プラズマCVD法により、ガラス基板の第2主面側に、さらに窒化シリコンを成膜してパッシベーション層を形成した後に、スパッタリング法により酸化インジウム錫を成膜して、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより、画素電極を形成した。
続いて、ガラス基板の第2主面側に、さらに蒸着法により正孔注入層として4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、正孔輸送層としてビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン、発光層として8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)に2,6−ビス[4−[N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル]アミノスチリル]ナフタレン−1,5−ジカルボニトリル(BSN−BCN)を40体積%混合したもの、電子輸送層としてAlq3をこの順に成膜した。次に、ガラス基板の第2主面側にスパッタリング法によりアルミニウムを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより対向電極を形成した。次に、対向電極を形成したガラス基板の第2主面上に、紫外線硬化型の接着層を介してもう一枚のガラス基板を貼り合わせて封止した。上記手順によって得られた、ガラス基板上に有機EL構造体を有するガラス積層体は、電子デバイス用部材付き積層体に相当する。
続いて、電子デバイス用部材付き積層体の封止体側を定盤に真空吸着させたうえで、コーナー部の無機層近辺に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、無機層付き支持基板を分離して、OLEDパネル(電子デバイスに相当。以下パネルAという)を得た。作製したパネルAにICドライバを接続し、常温常圧下で駆動させたところ、駆動領域内において表示ムラは認められなかった。
〈実施例5〉
本例では、実施例1で製造された、加熱処理前のガラス積層体A1を用いてLCDを作製した。なお、以下のプロセスにおける加熱処理温度としては400℃以上の処理が実施される。
ガラス積層体A1を2枚用意し、まず、片方のガラス積層体A1におけるガラス基板の第2主面上に、スパッタリング法によりモリブデンを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりゲート電極を形成した。次に、プラズマCVD法により、ゲート電極を設けたガラス基板の第2主面側に、さらに窒化シリコン、真性アモルファスシリコン、n型アモルファスシリコンの順に成膜し、続いてスパッタリング法によりモリブデンを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより、ゲート絶縁膜、半導体素子部およびソース/ドレイン電極を形成した。次に、プラズマCVD法により、ガラス基板の第2主面側に、さらに窒化シリコンを成膜してパッシベーション層を形成した後に、スパッタリング法により酸化インジウム錫を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより、画素電極を形成した。次に、画素電極を形成したガラス基板の第2主面上に、ロールコート法によりポリイミド樹脂液を塗布し、熱硬化により配向層を形成し、ラビングを行った。得られたガラス積層体を、ガラス積層体X1と呼ぶ。
次に、もう片方のガラス積層体A1におけるガラス基板の第2主面上に、スパッタリング法によりクロムを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより遮光層を形成した。次に、遮光層を設けたガラス基板の第2主面側に、さらにダイコート法によりカラーレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法および熱硬化によりカラーフィルタ層を形成した。次に、ガラス基板の第2主面側に、さらにスパッタリング法により酸化インジウム錫を成膜し、対向電極を形成した。次に、対向電極を設けたガラス基板の第2主面上に、ダイコート法により紫外線硬化樹脂液を塗布し、フォトリソグラフィ法および熱硬化により柱状スペーサを形成した。次に、柱状スペーサを形成したガラス基板の第2主面上に、ロールコート法によりポリイミド樹脂液を塗布し、熱硬化により配向層を形成し、ラビングを行った。次に、ガラス基板の第2主面側に、ディスペンサ法によりシール用樹脂液を枠状に描画し、枠内にディスペンサ法により液晶を滴下した後に、上述したガラス積層体X1を用いて、2枚のガラス積層体のガラス基板の第2主面側同士を貼り合わせ、紫外線硬化および熱硬化によりLCDパネルを有する積層体を得た。ここでのLCDパネルを有する積層体を以下、パネル付き積層体X2という。
次に、実施例4と同様に、パネル付き積層体X2から両面の無機層付き支持基板を分離し、TFTアレイを形成した基板およびカラーフィルタを形成した基板からなるLCDパネルB(電子デバイスに相当)を得た。
作製したLCDパネルBにICドライバを接続し、常温常圧下で駆動させたところ、駆動領域内において表示ムラは認められなかった。
10 ガラス積層体
12 支持基板
14 無機層
14a 第1主面(無機層の支持基板側とは反対側の表面)
16 無機層付き支持基板
18 ガラス基板
18a 第1主面(ガラス基板の無機層側の表面)
18b 第2主面(ガラス基板の無機層側とは反対側の表面)
20 電子デバイス用部材
22 電子デバイス用部材付き積層体
24 電子デバイス(電子デバイス用部材付きガラス基板)

Claims (5)

  1. 支持基板および前記支持基板上に配置された無機層を有する無機層付き支持基板と、
    前記無機層上に剥離可能に積層されたガラス基板と、を備え、
    前記無機層のマルテンス硬さが3000N/mm2以下である、ガラス積層体。
  2. 前記無機層中の水分濃度が1.5原子%以上である、請求項1に記載のガラス積層体。
  3. 前記無機層の厚さが70nm以下である、請求項1または2に記載のガラス積層体。
  4. 前記無機層が金属フッ化物を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス積層体が備える前記ガラス基板の前記無機層側とは反対側の表面上に電子デバイス用部材を形成し、電子デバイス用部材付き積層体を得る部材形成工程と、
    前記電子デバイス用部材付き積層体から前記無機層付き支持基板を剥離し、前記ガラス基板および前記電子デバイス用部材を有する電子デバイスを得る分離工程と、
    を備える電子デバイスの製造方法。
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