JP2016210114A - 繊維強化プラスチック成形体及びその製造方法、並びに積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
マトリクス樹脂組成物としては、含浸性や耐熱性に優れる点から、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を含有する熱硬化性樹脂組成物が用いられることが多い。なかでも、耐熱性、成形性に優れ、より機械強度が高い繊維強化プラスチック成形体が得られるため、エポキシ樹脂組成物が幅広く使用されている。
しかし、プリプレグ積層体の表面に樹脂フィルムを積層して成形を行う場合、高圧下において、温度上昇により樹脂フィルムに含まれる熱硬化性樹脂組成物の粘度が低下することで、表面近傍の熱硬化性樹脂組成物が金型のエッジ部から過度に流出することがある。このように、表面の熱硬化性樹脂組成物が金型外へ過度に流出すると、得られる成形体の表面において、樹脂枯れにより繊維が露出したり、樹脂の過剰な流動に伴う繊維蛇行が生じたりする等の外観不良が発生する。この場合、成形体表面を塗装しても外観不良となる。
積層工程:強化繊維基材(A)に熱硬化性樹脂組成物(B)が含浸されたシート状のプリプレグ基材を複数積層したプリプレグ積層体の少なくとも一方の表面に、下記熱可塑性樹脂粒子(c1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(C)で形成された樹脂フィルムを積層して積層体を得る工程。
成形工程:金型により前記積層体を加熱加圧して繊維強化プラスチック成形体を得る工程。
熱可塑性樹脂粒子(c1):ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド及びポリエーテルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する粒子。
前記熱可塑性樹脂粒子(c1)の平均粒子径は、0.1〜100μmであることが好ましい。
前記強化繊維基材(D)は、強化繊維からなる不織布であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂粒子(c1)のガラス転移温度は、前記成形工程の金型温度以上であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂粒子(c1)は、ポリエーテルスルホン粒子であることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物(C)は、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物(B)は、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法は、前記成形工程に先立ち、前記積層工程で得た前記積層体を賦形してプリフォームを得る賦形工程をさらに有し、前記成形工程の前記積層体として該プリフォームを用いてもよい。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、本発明の積層体が加熱加圧されて成形された繊維強化プラスチック成形体である。
本発明の積層体を用いれば、表面における樹脂枯れや繊維蛇行等の外観不良の発生、及び繊維が透けて見えることが抑制された繊維強化プラスチック成形体が得られる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、表面における樹脂枯れや繊維蛇行等の外観不良の発生、及び繊維が透けて見えることが抑制されている。
本発明の繊維強化プラスチック成形体の製造方法は、下記の積層工程及び成形工程を有する。
積層工程:強化繊維基材(A)に熱硬化性樹脂組成物(B)が含浸されたシート状のプリプレグ基材を複数積層したプリプレグ積層体の少なくとも一方の表面に、熱可塑性樹脂粒子(c1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(C)で形成された樹脂フィルムを積層して積層体を得る工程。
成形工程:金型により前記積層体を加熱加圧して繊維強化プラスチック成形体を得る工程。
本発明では、強化繊維プラスチック成形体の材料として、強化繊維基材(A)に熱硬化性樹脂組成物(B)が含浸されたシート状のプリプレグ基材と、熱可塑性樹脂粒子(c1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(C)で形成された樹脂フィルムとを用いる。
積層工程においては、プリプレグ積層体の少なくとも一方の表面に樹脂フィルムを積層する。すなわち本発明では、プリプレグ積層体の片面(すなわち一方の最外層の表面)のみに樹脂フィルムを積層してもよく、プリプレグ積層体の両面(すなわち両方の最外層の表面)に樹脂フィルムを積層してもよい。
複数のプリプレグ基材の積層操作、及びプリプレグ積層体と樹脂フィルムの積層操作は、成形工程で用いる金型の外で行ってもよく、金型内で行ってもよい。
本発明に用いる積層体は、プリプレグ基材が複数積層されたプリプレグ積層体の少なくとも一方の表面に樹脂フィルムが積層されている。例えば、図1に示すように、シート状のプリプレグ基材10が複数枚積層されたプリプレグ積層体12の上に、樹脂フィルム14がさらに積層されて積層体1とされる。
本発明に用いるプリプレグ基材は、強化繊維基材(A)に熱硬化性樹脂組成物(B)が含浸されたシート状のプリプレグ基材である。
強化繊維基材(A)を構成する強化繊維としては、特に限定されず、例えば、無機繊維、有機繊維、金属繊維、又はこれらを組み合わせたハイブリッド構成の強化繊維等を使用できる。
無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、その他一般のナイロン繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。金属繊維としては、ステンレス、鉄等の繊維が挙げられ、また金属を被覆した炭素繊維でもよい。これらの中では、強化繊維プラスチック成形体の強度等の機械物性を考慮すると、炭素繊維が好ましい。
クロス材の織り方としては、例えば、平織、綾織、朱子織、三軸織等が挙げられる。
熱硬化性樹脂(b1)としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱硬化性樹脂組成物(B)には、さらに硬化助剤が含有されていることが好ましい。例えば熱硬化性樹脂(b1)がエポキシ樹脂の場合、硬化助剤としては、尿素化合物が好ましい。
また、熱硬化性樹脂組成物(B)には、無機微粒子等の添加剤が含有されていてもよい。
プリプレグ基材の積層数は、特に限定されず、要求される特性等に応じて適宜決定できる。
本発明に用いる樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂粒子(c1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(C)で形成された樹脂フィルムである。
熱可塑性樹脂粒子(c1)は、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド及びポリエーテルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する粒子である。
なお、熱可塑性樹脂粒子(c1)の平均粒子径は、レーザー回折法で測定される体積基準での累積頻度50%の粒径(D50)を意味する。
熱硬化性樹脂組成物(C)に用いる熱硬化性樹脂(c2)としては、耐熱性と機械的強度の点から、エポキシ樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物(C)には、さらに硬化助剤が含有されていることが好ましい。例えば熱硬化性樹脂(c1)がエポキシ樹脂の場合、硬化助剤としては、尿素化合物が好ましい。
また、熱硬化性樹脂組成物(C)には、熱可塑性樹脂粒子(c1)を分散させるための分散剤、無機微粒子等の添加剤が含有されていてもよい。
強化繊維基材は、長尺のものがロール状に巻き取られた状態とされ、その状態から引き出されつつ使用されることが多い。この場合、ロール状の状態から引き出される際にその張力によって強化繊維基材が幅方向に収縮しやすい。強化繊維基材(D)の強化繊維としては、ロール状の状態から引き出されて使用される場合でも基材が幅方向に収縮しにくく、また吸水性が低い強化繊維を用いることが好ましい。具体的には、強化繊維基材(D)の強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維が好ましい。
強化繊維基材(D)の形態としては、多数の長繊維を一方向に揃えてUDシート(一方向シート)とする形態、長繊維を製織してクロス材(織物)とする形態、短繊維からなる不織布とする形態等が挙げられる。なかでも、表面の平滑性に優れた繊維強化プラスチックが得られやすい点から、強化繊維基材(D)としては強化繊維からなる不織布が好ましい。
強化繊維基材(D)の繊維目付の下限値は、強化繊維基材(D)の製造が容易になる点から、1g/m2が好ましい。
なお、樹脂フィルムのVfは、プリプレグ基材のVfと同様の方法で測定される値を意味する。
なお、本発明に用いる樹脂フィルムは、強化繊維基材(D)を含有しない樹脂フィルムであってもよい。
積層工程で得た積層体を、金型により加熱加圧して繊維強化プラスチック成形体を得る。
金型を用いた積層体の成形方法としては、公知の成形方法を採用でき、例えば、オートクレーブ成形、オーブン成形、内圧成形、プレス成形等が挙げられる。
プレス成形は、他の成形方法に比べて、表層に樹脂フィルムから形成された樹脂層を有する繊維強化プラスチック成形体を得ることが容易であるものの、成形圧力が高く、金型外に樹脂が流出しやすい傾向がある。そのため、成形時の金型からの樹脂流出を抑制できる本発明は、成形工程でプレス成形を採用する場合により有効であり、ハイサイクルプレス成形を採用する場合に特に有効である。
次いで、図2(b)に示すように、上型120を下型110に近接させて金型100を閉じ、積層体1を加熱加圧して成形する。金型100により加圧されながら加熱されることで、積層体1中の熱硬化性樹脂組成物(B)及び熱硬化性樹脂組成物(C)が流動しつつ硬化する。このとき、樹脂フィルム14に熱可塑性樹脂粒子(c1)が含有されていることで熱硬化性樹脂組成物(C)が過度に流動することが抑制されるため、金型100のエッジ部から熱硬化性樹脂組成物(C)が流出することが抑制される(つまり過度な流出を防ぐことができる)。
硬化後、図2(c)に示すように、金型100を開いて繊維強化プラスチック成形体2を取り出す。
成形時の金型温度は、100〜180℃が好ましく、120〜160℃がより好ましい。
成形時の面圧は、1〜15MPaが好ましく、4〜10MPaがより好ましい。
成形時間は、1〜15分が好ましく、2〜5分がより好ましい。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法においては、成形工程に先立ち、積層工程で得た積層体を賦形してプリフォームを得る賦形工程をさらに有していてもよい。すなわち、本発明の繊維強化プラスチックの製造方法においては、積層工程、賦形工程及び成形工程をこの順に行う方法であってもよい。この場合は、積層工程で得た積層体を賦形工程において賦形してプリフォームを得た後、該プリフォームを成形工程で加熱加圧して成形することで繊維強化プラスチックを製造する。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形体の製造方法においては、プリプレグ積層体の表面に樹脂フィルムを積層して成形を行うため、得られる繊維強化プラスチック成形体の表面において繊維が透けて見えることも抑制される。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、前述した積層体を加熱加圧して成形された繊維強化プラスチック成形体である。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、プリプレグ積層体から形成された複合材料部と、該複合材料部の表面において樹脂フィルムから形成された樹脂層と、を備える。前記複合材料部は、強化繊維基材(A)及び熱硬化性樹脂組成物(B)の硬化物を含有する。前記樹脂層は、熱硬化性樹脂組成物(C)の硬化物、及び必要に応じて用いられる強化繊維基材(D)を含有する。
本発明の繊維強化プラスチック成形体の形状及び大きさは、特に限定されず、用途に応じて適宜決定できる。
また、この例の繊維強化プラスチック成形体2は、平板部3の両方の端部から、樹脂層22と反対側に向かって側部4が垂直に延出した態様になっている。
[平均粒子径の測定]
熱可塑性樹脂粒子を空気中に分散させ、日機装株式会社製AEROTRAC SPR MDEL:7340を用いてレーザー回折法にて体積基準の粒度分布を測定し、該粒度分布における累積頻度50%の粒径(D50)を熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径とした。
樹脂組成物の粘度は、以下の測定条件で測定した。
装置:レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製、「VAR−100」)、
使用プレート:25φパラレルプレート、
プレートギャップ:0.5mm、
測定周波数:10rad/秒、
昇温速度:2℃/分、
測定開始温度:30℃、
応力:300Pa。
各例における成形前の積層体の質量をM0(g)とし、成形後にバリを除いた繊維強化プラスチック成形体の質量をM1(g)として、下式を用いて樹脂フロー率(質量%)を算出した。
樹脂フロー率(%)=[(M0−M1)/M0]×100
(評価基準)
樹脂フローの評価は以下の基準に従って行った。
○:樹脂フロー率が2%未満である。
×:樹脂フロー率が2%以上である。
塗装外観評価は、以下のように行った。
成形体表面におよそ80μm厚みの塗装を行い、50℃、95%RHの条件下で240時間保持した後の塗膜表面を目視で評価した。
(評価基準)
塗装外観評価は以下の基準に従って行った。
○:繊維の透けが認められない。
×:繊維の透けが認められる。
本実施例に使用した原料を以下に示す。
(熱硬化性樹脂(c2))
c2−1:エポキシ樹脂A(粘度(90℃):1.3Pa・s)。
c2−1:エポキシ樹脂B(粘度(30℃):5.0Pa・s)。
c1−1:ポリエーテルスルホン粒子(製品名「Uldtrasone E2020SR micro」、BASF社製、平均粒子径(D50):22μm)。
x−1:フェノキシ樹脂粒子(製品名「PKHP−80」、InChem社製、平均粒子径(D50):60μm)。
x−2:ポリアミド12粒子(製品名「Vestosint2158」、Evonik Industries AG社製、平均粒子径(D50):21μm)。
x−3:アクリル樹脂粒子(製品名「LP−3121」、三菱レイヨン社製、平均粒子径(D50):70μm)。
y−1:ポリエーテルスルホン(製品名「Uldtrasone E2020SR micro」、BASF社製、エポキシ樹脂に溶解させて使用)。
e−1:3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)(製品名「DCMU−99」、保土ヶ谷化学社製)。
e−2:イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤(製品名「ノバキュアHX3722」、旭化成イーマテリアルズ社製)。
e−3:イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤(製品名「キュアゾール2PHZ−PW」、四国化成社製)。
熱硬化性樹脂(c2−1)95質量部と熱硬化性樹脂(c2−2)12.5質量部とを溶解釜に投入し、80℃に加熱して混合した後に60℃程度まで冷却した。さらに熱可塑性樹脂粒子(c1−1)5質量部と、硬化剤(e−1)5質量部と、硬化剤(e−2)10質量部と、硬化剤(e−3)5質量部とを加え、60℃で撹拌混合して熱硬化性樹脂組成物(C−1)を得た。
次いで、ヒラノテクシード製マルチコーター M−500型を用いて、離型紙上に熱硬化性樹脂組成物(C−1)を塗布し、樹脂含有量が150g/m2のシートを得た。
次いで、離型紙から剥離した前記シートをガラス繊維不織布(10g/m2、H&V社製)に含浸させて、樹脂フィルムを得た。
パイロフィルプリプレグ(製品名「TR366E250S」、三菱レイヨン社製)を、強化繊維の繊維軸方向が揃うように5枚積層したプリプレグ積層体の上面に、前記樹脂フィルムを配置して積層体とした。図1に例示した金型100により、面圧8MPa、金型温度140℃、成形時間5分の条件で前記積層体をプレス成形し、繊維強化プラスチック成形体(成形板)を得た。
各成分の組成及び樹脂含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物(C−2)〜(C−5)を調製し、樹脂フィルムを作製した。該樹脂フィルムを用いて、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
熱可塑性樹脂粒子(c1−1)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物(X−1)を調製した。熱硬化性樹脂組成物(X−1)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを用いて実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
熱硬化性樹脂(c2−1)95質量部と、熱硬化性樹脂(c2−2)12.5質量部と、熱可塑性樹脂(y−1)7.7質量部とを溶解釜に投入し、80℃に加熱して混合した後に60℃程度まで冷却した。さらに硬化剤(e−1)5質量部と、硬化剤(e−2)10質量部と、硬化剤(e−3)5質量部とを加え、60℃で撹拌混合して熱硬化性樹脂組成物(X−2)を得た。熱硬化性樹脂組成物(X−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを用いて実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
表1に示すように、熱可塑性樹脂粒子(c1−1)の代わりに他の熱可塑性樹脂粒子(x−1)〜(x−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物(X−3)〜(X−5)を調製した。熱硬化性樹脂組成物(X−3)〜(X−5)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを用いて実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
なお、表1における最低粘度の温度の欄は、最低粘度が測定されたときの樹脂組成物の温度を意味する。
樹脂フィルムに熱可塑性樹脂粒子(c1)を用いない比較例1、熱可塑性樹脂粒子(c1)の代わりに粒子状でない熱可塑性樹脂(y−1)を用いた比較例2、及び熱可塑性樹脂粒子(c1)の代わりに他の熱可塑性樹脂粒子(x−1)を用いた比較例3では、熱硬化性樹脂組成物の過度な流動が充分に抑制されず、塗装外観が劣っていた。
熱可塑性樹脂粒子(c1)の代わりに熱可塑性樹脂粒子(x−2)、(x−3)を用いた比較例4、5では、塗装外観が劣っていた。
2 繊維強化プラスチック成形体
3 平板部
4 側部
10 プリプレグ基材
12 プリプレグ積層体
14 樹脂フィルム
20 複合材料部
22 樹脂層
100 金型
110 下型
112 凸部
120 上型
122 凹部
Claims (11)
- 下記の積層工程及び成形工程を有する繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
積層工程:強化繊維基材(A)に熱硬化性樹脂組成物(B)が含浸されたシート状のプリプレグ基材を複数積層したプリプレグ積層体の少なくとも一方の表面に、下記熱可塑性樹脂粒子(c1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(C)で形成された樹脂フィルムを積層して積層体を得る工程。
成形工程:金型により前記積層体を加熱加圧して繊維強化プラスチック成形体を得る工程。
熱可塑性樹脂粒子(c1):ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド及びポリエーテルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する粒子。 - 前記樹脂フィルムが、繊維目付が50g/m2以下の強化繊維基材(D)を含有する、請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂粒子(c1)の平均粒子径が0.1〜100μmである、請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記強化繊維基材(D)が、強化繊維からなる不織布である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂粒子(c1)のガラス転移温度が前記成形工程の金型温度以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂粒子(c1)がポリエーテルスルホン粒子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記熱硬化性樹脂組成物(C)がエポキシ樹脂を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記熱硬化性樹脂組成物(B)がエポキシ樹脂を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記成形工程に先立ち、前記積層工程で得た前記積層体を賦形してプリフォームを得る賦形工程をさらに有し、
前記成形工程の前記積層体として該プリフォームを用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。 - 強化繊維基材(A)に熱硬化性樹脂組成物(B)が含浸されたシート状のプリプレグ基材を複数積層したプリプレグ積層体の少なくとも一方の表面に、下記熱可塑性樹脂粒子(c1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(C)で形成された樹脂フィルムがさらに積層された積層体。
熱可塑性樹脂粒子(c1):ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド及びポリエーテルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する粒子。 - 請求項10に記載の積層体が加熱加圧されて成形された繊維強化プラスチック成形体。
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