JP2016209965A - 工作機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工作機械は、支持部分に支持された移動部分であるラム16を水平移動させるZ軸移動機構23を有する。Z軸移動機構23は、荷重支持用案内機構37を有し、荷重支持用案内機構37は、ラム16に設置された荷重支持用移動部材38と、支持部分に形成されて荷重支持用移動部材38と摺動する荷重支持用案内面とを有し、前記荷重支持用移動部材38は、荷重支持用案内面に対する支持荷重の中心位置がラム16の重心位置Gに合わせて設置されている。
【選択図】図3
Description
例えば、ワークを載置するテーブルの支持構造あるいは工具を装着するヘッドの支持構造には、三次元移動を可能とするために、X軸、Y軸、Z軸の各軸に沿った直線移動機構が採用される。また、テーブルあるいはヘッドの向きを変えるために、回転移動機構が採用される。
このような案内機構では、案内精度が高いこと、つまり直線運動はなるべく直線に、回転運動はなるべく真円に、という幾何学的精度が求められる。さらに、案内機構においては、高負荷容量で、低摩擦であり、減衰性能(吸振性能)が高いことが求められる。
油静圧案内機構では、一対の摺動面のうち一方に静圧室を形成し、この静圧室に潤滑油を供給し、その静圧により他方の摺動面との間で荷重伝達を行う。つまり、一対の摺動面には潤滑油が介在するだけであり、一対の摺動面どうしは非接触状態となるので、摺動抵抗を大幅に低減できる。
すべり案内機構は、それぞれ平滑に形成された一対の摺動面の間に潤滑油を供給しつつ、各々を摺動させるものである。一対の摺動面は、潤滑油による潤滑がなされるものの、相互に固体接触が維持される。
ただし、すべり案内機構は、負荷容量が小さく、摩擦係数が大きく、とくに起動時や低速時の摩擦係数が増大するため、動作が円滑でなくなることがあり、位置決め精度に影響することがある。
あるいは、主軸ヘッドの支持構造として、主軸ヘッドの重心位置を挟む2位置で支持する構成を採用し、主軸ヘッドの自重による傾きを防止するものがある(特許文献4)。
例えば、工作機械には、基礎上に設置された支持部分と、支持部分に支持された移動部分と、支持部分に対して移動部分を水平方向へ移動させる移動機構と、が設置される。移動機構には、前述したすべり案内機構や油静圧案内機構などの案内機構が用いられる。
このような構造では、主軸を含むラムが水平移動する移動部分であり、ヘッドないしコラムが移動部分を支持する支持部分である。そして、案内機構として、ラムの外側面と、これに対向するヘッドの表面(ラムが挿通されるためにヘッドに形成された挿通孔の内側面など)との間に、前述したすべり案内機構や油静圧案内機構が形成される。
このように、動作に伴って水平位置が変化する場合、前述した特許文献4のような、重心位置に対する機械的な配置により傾きを防止する対策は、用いることができない。
また、前述した特許文献3のような、逆モーメント付与手段を用いるとしても、動作に伴って重心位置が変化し、相殺すべきモーメントが変化するため、逆モーメント付与手段において煩雑な制御が必須となり、構造的な複雑化も避けられない。
例えば、案内機構のヘッド側部分を、ラムが挿通されるヘッドの挿通孔などの両端開口のそれぞれ間近に配置し、両端に一対の案内機構の間隔が最大となるようにしている。
このような一対の案内機構により、ラムが繰り出されて重心が大きく移動し、ラムの自重によるヘッドに対する傾きモーメントが最大になった場合でも、ラムの傾きを効果的に防止できるようにする。
このような問題は、支持部分に対して水平移動(略水平ないし水平成分を含む他の方向への移動を含む)する移動部分を有する工作機械において、共通する問題である。
このため、移動部分は、支持部分に対して任意の位置へ移動しても、常に重心位置を支持されるため、その位置に応じてモーメントが変化して傾きや倒れなどを生じることがない。
従って、本発明により、構造が簡素で、水平移動する移動部分の傾きを防止できる工作機械を提供することができる。
さらに、鉛直方向以外への移動は水平方向の成分を含み、本発明においてはその水平成分の移動を水平移動として取り扱うことができる。ただし、本発明が有効であるのは、水平成分による重心移動が顕著となる場合、具体的には、水平方向および水平に対して45度程度である。しかし、水平に対して45度以上傾いた方向への移動であっても、移動部分の重心移動による影響が大きい場合、本発明は有効である。
荷重支持用移動部材は、重心位置の直下に単独で配置するものに限らず、例えば、移動部分の下面あるいは移動部材の側面に、重心位置をとりまくように複数の荷重支持用移動部材を配置し、それらによる支持荷重の合力が重心位置と一致するように構成してもよい。
荷重支持用移動部材を単独で配置する場合、荷重支持用案内面に対して摺動する面積に限界があるが、後述する油静圧案内機構を用いれば、狭い面積でも十分に高い負荷容量を確保することができる。
本発明において、荷重支持用移動部材を、アタッチメントが非装着状態での重心の直下と、アタッチメントが装着された状態の重心の直下に、それぞれ設置するための具体的構成としては、複数の荷重支持用移動部材を各重心位置に設置すること、各重心位置にまたがる長尺の荷重支持用移動部材を用いること、などが採用できる。
各重心位置に対応した複数の荷重支持用移動部材を用いる場合には、アタッチメントの有無に応じて、対応する重心位置の荷重支持用移動部材を有効にし、対応しない荷重支持用移動部材を停止させる、などの切り替えを行ってもよい。
さらに、複数の荷重支持用移動部材の間に重心位置がくるような他のアタッチメントを用いる場合、2つの荷重支持用移動部材の負荷荷重バランスを調整し、2つの荷重支持用移動部材の中間にくる重心を支えるようにしてもよい。
とくに、姿勢保持用案内機構では、支持部材の離れた2箇所、たとえば移動部分が挿通される挿通孔の両側開口近傍の2箇所で摺動させて支持することで、移動部分の移動方向に対する傾きを規制し、移動方向に対する精度を一層高めることができる。
移動機構において、油静圧案内機構とすべり案内機構を共存させた場合でも、回収経路で潤滑油を回収することで、油静圧案内機構から溢れ出す潤滑油を減らす、ないし、無くすことができ、すべり案内機構あるいは工作機械の他の部分に好ましくない影響(異種の潤滑油が混合する等)を及ぼす可能性を解消できる。
流通式の油静圧構造において、回収経路から回収された潤滑油を、供給経路に再利用することで、循環式の油静圧構造とすることができる。
これらの供給経路および回収経路には、それぞれ潤滑油を駆動するポンプ、潤滑油を貯留するタンクなどを接続することができ、その途中に潤滑油の圧力や流量などの状態を検知する計器等を設置してもよい。
なお、回収経路においては、外部から密閉される配管に限らず、外気開放された経路、例えば樋などの従来の油静圧案内機構に利用されていた回収経路を用いることもできる。
このような潤滑油の中心回収を行うことで、油静圧式案内機構としての潤滑油の流量を低減することができる。
これに対し、本発明では、中心回収を行うために、圧力保持部は回収用の開口周辺に形成すればよく、その周長は格段に短くて済む。このため、潤滑油の流量を大幅に低減させることができ、潤滑油の供給装置、供給経路および回収経路を小型化、簡素化することができる。
この際、静圧室内の潤滑油は、供給経路から静圧室に供給され、静圧室内において荷重支持用案内面からの荷重を支持するとともに、静圧室の外周側から内側向きに移動し、中心部の回収経路から全量が回収される。
そして、静圧室の外周においては、静圧室を包囲するシール部により、潤滑油はシール部よりも外側へ漏れ出すことがなく、これにより密閉式の油静圧案内機構を形成することができる。
さらに、前述した通り、静圧室の中心部に接続された回収経路により、潤滑油の中心回収を行うことで、潤滑油の流量を低減させることができ、潤滑油の供給装置、供給経路および回収経路を小型化、簡素化することができる。
静圧室においては、静圧室に同心円状の等圧溝を形成して静圧室を内側と外側とに区画し、内側を圧力保持部(ランド)とし、外側を静圧室本体(リセス)とすることができる。内側の圧力保持部と外側の静圧室本体とが同じ深さでも、これらより深い等圧溝を形成することで、内側の圧力保持部によって静圧室本体における圧力保持効果を生じさせることができる。これにより、静圧室本体において、潤滑油の静圧による荷重負担を行うことができ、油静圧案内構造としての機能を得ることができる。
静圧室の平面形状は、例えば円形、楕円形あるいは長円形とすることができ、正方形や長方形などの矩形あるいは他の多角形状としてもよい。矩形や多角形とする場合も、各々の頂点は円弧状などとし、角張った部分を丸めることが望ましい。
シール部材としては、静圧室の底面と対向する案内面とにそれぞれ密接することでシール性を確保するものが好ましく、静圧室の深さより高さが大きなエラストマ素材による成形品などが利用できる。例えば耐油性のOリング等も利用可能であるが、静圧室内の高圧に対応できかつ潤滑油の漏出を防止できるように、適宜リップシール等を追加することも有効である。
シール部の平面形状は、静圧室の輪郭に沿った形状とすればよく、静圧室に準じた円形、矩形あるいは他の形状とすることができる。
供給経路は、静圧室の回収経路よりも外周側に連通されていればよく、静圧室の外周近傍あるいはシール部のシール溝の内側などに連通させてもよい。この際、供給経路はシール溝の任意の位置に連通されていればよいが、周方向にむらができないように、シール部の複数箇所に連通させてもよい。
本発明において、支持部分に対する移動部分の荷重支持は、前述した荷重支持用案内機構により行われており、姿勢保持用案内機構としては、専ら移動部分の姿勢保持を行えばよい。
本発明では、姿勢保持用案内機構にすべり案内機構を用いることで、姿勢保持用に必要な高い案内精度および減衰性能が得られるとともに、構造的に簡素にすることができる。
図1から図8には、本発明に基づく第1実施形態が示されている。
図1において、工作機械10は、基台11の上面に、テーブル12およびコラム13を有する。
テーブル12は、円板状に形成され、鉛直方向の軸線まわり(B軸)に回転可能に支持されている。基台11とテーブル12との間には、テーブル12を基台11に対して回転させるために、B軸移動機構21が設置されている。
コラム13とヘッド14との間には、ヘッド14をコラム13に沿って昇降、つまり鉛直方向(Y軸方向)へ移動させるために、Y軸移動機構22が設置されている。
Y軸移動機構22が形成されるコラム13およびヘッド14の一部は、カバー19で覆われている。
本実施形態ではラム16(角形断面)を用いるが、クイル(円形断面)等を用いてもよい。
本実施形態において、ヘッド14が本発明の支持部分であり、ラム16が本発明の移動部分であり、Z軸移動機構23が移動部分を支持部分に対して水平移動させる移動機構である。
図2において、Z軸移動機構23は、挿通孔15の4つの内側面(上内側面15A、下内側面15B、左右の内側面15C,15D)と、各々に対向するラム16の外側面(上外側面16A、下外側面16B、左右の外側面16C,16D)との間に、ヘッド14に対するラム16の姿勢を保持するための姿勢保持用案内機構30(第1〜第4の姿勢保持用案内機構30A〜30D)を備えている。さらに、Z軸移動機構23は、挿通孔15の下内側面15Bと、対向するラム16の下外側面16Bとの間に、ラム16の荷重を受けてヘッド14に支持させる荷重支持用案内機構37を備えている。
図2および図3において、姿勢保持用案内機構30は、挿通孔15の内側面(上内側面15A、下内側面15B、左右の内側面15C,15D)に沿った第1〜第4の姿勢保持用案内機構30A〜30Dとされ、それぞれ姿勢保持用移動部材31(第1〜第4の姿勢保持用移動部材31A〜31D)を備えている。
姿勢保持用移動部材31は、Z軸方向に延びる板材で形成され、挿通孔15の内側面の両側に沿って2本ずつ一対に設置されている。
本実施形態では、姿勢保持用案内機構30として、後述するすべり案内機構50(図6,図7参照)が採用されている。
図2および図3において、荷重支持用案内機構37は、挿通孔15の下内側面15Bに沿って移動する荷重支持用移動部材38を備えている。
荷重支持用移動部材38は、ラム16の重心位置Gの直下に、水平位置が重心位置Gと重なるように設置されている。
本実施形態では、荷重支持用案内機構37として、後述する油静圧案内機構40(図4,図5参照)が採用されている。
ただし、プリロードを付与するため等の理由で、前述した荷重支持用移動部材38および荷重支持用案内機構37と同様な構成を、ラム16の上外側面16Aと挿通孔15の上内側面15Aとの間に設置してもよい。
図4および図5において、すべり案内機構50は、2組が姿勢保持用移動部材31の両端に離れて形成されている。
すべり案内機構50は、姿勢保持用移動部材31の両端で、それぞれ摺動面51と、姿勢保持用案内面であるラム16の外周面(上外側面16A、下外側面16B、左右の外側面16C,16D)とを接触させることで、ラム16とヘッド14とのZ軸方向の姿勢を正確に保持可能である。
さらに、摺動面51には、縦横に連続した給油溝52が形成され、給油溝52には給油経路53が連通されている。従って、給油経路53に潤滑油を供給すれば、供給された潤滑油が給油溝52により摺動面51の全体に拡散される。
このような摺動面51により、姿勢保持用案内面であるラム16の外周面との間で高い案内精度を確保しつつ、摺動抵抗および摩耗を軽減することができる。
潤滑油供給装置60は、潤滑油を貯留するタンク69と、タンク69内の潤滑油をすべり案内機構50に供給する供給配管66とを有する。供給配管66の途中には、通過する潤滑油を濾過するフィルタ68と、同潤滑油を適量ずつ間欠的に圧送するポンプ67とが設置されている。
図6および図7において、油静圧案内機構40は、荷重支持用移動部材38に2組並べて形成されている。
油静圧案内機構40は、案内面と摺動する平滑面49を有する。平滑面49には、全面にわたって、4フッ化エチレンなどの低摩擦性材料で形成されたシートが貼られている。
さらに、平滑面49には、凹状に形成された円形の静圧室41と、その周囲を環状に連続して包囲するシール部42とが形成されている。
静圧室41の底面には、その中央に回収経路44の連通孔441が連通されているとともに、その開口と同心で環状溝411が形成されている。
静圧室41の底面は、環状溝411を境に、内側部分412と、外側部分413とに区画されている。外側部分413の一部には、環状溝411からシール部42に至る径方向の連通溝414が形成されている。
シール溝421の一部には、シール部材422よりも内側(静圧室41側)に、供給経路43の連通孔431が連通されている。
潤滑油供給装置60は、潤滑油を貯留するタンク61と、タンク61から供給経路43に至る供給配管63と、回収経路44からタンク61に戻る回収配管64と、を有する。
供給配管63の途中には、通過する潤滑油を濾過するフィルタ65と、同潤滑油を加圧するポンプ62とが設置されている。
一方、静圧室41内の潤滑油は、その中心から回収経路44に回収され、回収配管64を経てタンク61に全量が戻される。
この際、静圧室41内の潤滑油は、その静圧により案内面である挿通孔15の上下の内側面(上内側面15A、下内側面15B)を浮上支持し、これにより油静圧案内機構40としての機能が得られる。
一方、静圧室41内の潤滑油は、回収経路44から全量回収される。さらに、静圧室41の周囲がシール部42でシールされているため、潤滑油が外部に漏れ出すことが防止される。
さらに、内側部分412と外側部分413とは、同じ高さに設定されている。つまり、内側部分412における静圧室41の深さ(平滑面49に対する)は、外側部分413における深さと同じである。
ただし、内側部分412と外側部分413との間には、環状溝411が形成され、この環状溝411は連通溝414でシール溝421に連通されている。このため、外側部分413においては、連通孔431を通して供給される供給経路43からの潤滑油の圧力と同一の圧力に保持される。
つまり、内側部分412の外側(環状溝411に面した領域)では、外側部分413と同じ圧力であるが、内側に向けて流れるに従って漸次圧力が下がり、回収経路44の連通孔441に至ると大気圧程度となる。
さらに、静圧室41内の潤滑油による静圧支持が、外周側にあって静圧室41のうち主に面積が大きい外側部分413で行われることになり、受圧領域面積を拡大できるとともに、流入したての高圧の潤滑油による効率的な静圧支持を行うことができる。
本実施形態においては、ラム16がヘッド14に対して水平移動しても、荷重支持用案内機構37により、ラム16の自重が常にその重心位置Gで受けられる。そして、ラム16のヘッド14に対する姿勢は、姿勢保持用案内機構30により正確に維持される。従って、ラム16の水平移動があっても、ラム16がヘッド14に対して傾くあるいは倒れることが防止される。
図8(B)のように、ラム16が反対向き(図中左側)へ水平移動した場合、ラム16の反対側がヘッド14から大きく張り出すとともに、ラム16の重心位置Gはヘッド14および挿通孔15の左端近傍まで移動する。
このため、ラム16がヘッド14に対して水平移動しても、ラム16がヘッド14に対して傾くあるいは倒れることが防止される。
このような本実施形態によれば、移動部分であるラム16は、支持部分であるヘッド14に支持されるとともに、Z軸移動機構23により所定の移動方向へ移動させることができる。
すなわち、ラム16は、荷重支持用案内機構37により、その自重をヘッド14に伝達されて支持される。荷重支持用案内機構37では、荷重支持用移動部材38がラム16と一体に移動し、ヘッド14の荷重支持用案内面(上内側面15A,下内側面15B)に対して摺動する。
このように、ラム16は、ヘッド14に対して任意の位置へ移動しても、常に重心位置Gを支持される。このため、ラム16の水平位置に応じてモーメントが変化し、ヘッド14に対してラム16が傾きや倒れなどを生じることがない。
従って、本実施形態によれば、構造が簡素で、水平移動する移動部分の傾きを防止できる工作機械10を提供することができる。
この際、荷重支持用案内面である下内側面15Bに対して摺動する面積に限界があり、十分に広い面積が確保できないこともあるが、荷重支持用案内機構37として油静圧案内機構40を用いたため、狭い面積でも十分に高い負荷容量を確保することができる。
とくに、姿勢保持用案内機構30では、ヘッド14の挿通孔15における離れた2箇所である両側開口近傍で摺動させて支持することで、ラム16の移動方向に対する傾きを規制し、移動方向に対する精度を一層高めることができる。
さらに、荷重支持用案内機構37を油静圧案内機構40とするとともに、姿勢保持用案内機構30としてすべり案内機構50を用いたため、高い案内精度および減衰特性をも確保することができ、各々の特性を補完的に用いることで、ラム16の案内性能を高めることができる。
図9には、本発明に基づく第2実施形態が示されている。
本実施形態において、工作機械10、姿勢保持用案内機構30、荷重支持用案内機構37、油静圧案内機構40およびすべり案内機構50の基本構成は共通であり、重複する説明は省略するとともに、相違する構成について、以下に説明する。
なお、本実施形態において、内側部分412の深さは前述した第1実施形態と同様な数十ミクロン程度であり、外側部分413の深さは、内側部分412よりも深い。
図10には、本発明に基づく第3実施形態が示されている。
本実施形態において、工作機械10、姿勢保持用案内機構30、荷重支持用案内機構37、油静圧案内機構40およびすべり案内機構50の基本構成は共通であり、重複する説明は省略するとともに、相違する構成について、以下に説明する。
これに対し、本実施形態では、重心位置Gの直下でない位置に、複数の荷重支持用移動部材38を配置し、各々の支持荷重の合力が重心位置Gに合うように構成されている。
本実施形態では、挿通孔15の上下の内側面15A,15Bに設置される姿勢保持用案内機構30(第1および第2の姿勢保持用案内機構30A,30B)として、各1本ずつの姿勢保持用移動部材31(第1および第2の姿勢保持用移動部材31A,31B)が設置されている。
一対の荷重支持用案内機構37は、ラム16の重心位置Gを挟んで対称に配置されている。従って、2つの荷重支持用案内機構37で負担される荷重の合力は、重心位置Gに一致させることができる。
さらに、ラム16の下側でその自重を受ける荷重支持用移動部材38が2個一対となるため、第1実施形態と同じ荷重支持用移動部材38を用いても、荷重負担する面積を2倍にすることができる。
図11には、本発明に基づく第4実施形態が示されている。
本実施形態において、工作機械10、姿勢保持用案内機構30、荷重支持用案内機構37、油静圧案内機構40およびすべり案内機構50の基本構成は共通であり、重複する説明は省略するとともに、相違する構成について、以下に説明する。
拡張部材151は、その上面151Bが挿通孔15の下内側面15Bと連続するように形成されるとともに、ラム16の自重を受けるのに十分な強度に形成されている。
すなわち、ラム16がさらに繰り出された状態では、荷重支持用移動部材38が挿通孔15の外部に出てしまうが、下内側面15Bと連続する上面151Bに載せ替えることで、拡張部材151によって荷重支持が継続される。
従って、本実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様な効果が得られるほか、ラム16の水平移動範囲を拡張することができる。
図12には、本発明に基づく第5実施形態が示されている。
本実施形態において、工作機械10、姿勢保持用案内機構30、荷重支持用案内機構37、油静圧案内機構40およびすべり案内機構50の基本構成は共通であり、重複する説明は省略するとともに、相違する構成について、以下に説明する。
このようなアタッチメント181を装着した状態では、移動部分であるラム16の重心位置はG1である。一方、アタッチメント181を取り外した状態(ラム16に工具18が直接装着された状態)では、移動部分であるラム16の重心位置はG0(図8に示す第1実施形態の重心位置Gと同じ)である。
すなわち、アタッチメント181を装着しない状態の重心位置G0の直下には荷重支持用移動部材38が設置されている。荷重支持用移動部材38は、前述した第1実施形態と同様である。
一方、アタッチメント181を装着した状態の重心位置G1の直下には補助荷重支持用移動部材381が設置されている。
そして、このような切り替えにより、アタッチメント181の装着の有無に応じて重心位置G0,G1が変化しても、その直下および直上で荷重支持を行うことができる。
なお、本発明は、前述した実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形等は本発明に含まれる。
ただし、循環式に限らず、単なる流通式の油静圧構造としてもよい。例えば、回収経路44から回収した潤滑油をタンク61に戻さず、供給経路43から静圧室41に潤滑油を供給し、静圧室41で静圧を発生させた後、回収経路44で回収するだけとしてもよい。
Claims (8)
- 支持部分と、前記支持部分に支持された移動部分と、前記移動部分を前記支持部分に対して水平移動させる移動機構とを有する工作機械であって、
前記移動機構は、荷重支持用案内機構を有し、
前記荷重支持用案内機構は、前記移動部分に設置された荷重支持用移動部材と、前記支持部分に形成されて前記荷重支持用移動部材と摺動する荷重支持用案内面とを有し、
前記荷重支持用移動部材は、前記荷重支持用案内面に対する支持荷重の中心位置が前記移動部分の重心に合わせて設置されていることを特徴とする工作機械。 - 請求項1に記載した工作機械において、
前記荷重支持用移動部材は、前記移動部分の下面の前記移動部分の重心の直下となる部位に設置されていることを特徴とする工作機械。 - 請求項2に記載した工作機械において、
前記移動部分にはアタッチメントが装着可能であり、
前記荷重支持用移動部材は、前記アタッチメントが非装着状態での前記移動部分の重心の直下、および前記アタッチメントが装着された状態での前記移動部分の重心の直下に、それぞれ設置されていることを特徴とする工作機械。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載した工作機械において、
前記移動機構は、姿勢保持用案内機構を有し、
前記姿勢保持用案内機構は、前記移動部分に形成されて前記移動方向に延びる姿勢保持用案内面と、前記支持部分に設置されかつ前記移動方向に離れた2箇所で前記姿勢保持用案内面と摺動する姿勢保持用移動部材とを有することを特徴とする工作機械。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載した工作機械において、
前記荷重支持用案内機構は、外周をシールされた静圧室と、前記静圧室に潤滑油を供給する供給経路と、前記静圧室から潤滑油を回収する回収経路と、を有する油静圧案内機構であることを特徴とする工作機械。 - 請求項5に記載した工作機械において、
前記供給経路は、前記静圧室の外周側に潤滑油を供給し、
前記回収経路は、前記静圧室の中心部から潤滑油を回収することを特徴とする工作機械。 - 請求項5または請求項6に記載した工作機械において、
前記荷重支持用移動部材には、前記荷重支持用案内面に対向する前記静圧室と、前記静圧室を包囲するシール部とが形成されていることを特徴とする工作機械。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載した工作機械において、
前記姿勢保持用案内機構は、すべり案内機構であることを特徴とする工作機械。
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- 2015-05-11 JP JP2015096845A patent/JP6512930B2/ja active Active
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