JP2016209531A - 体圧支持クッションとそれを用いたマットレス - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたクッション性による体圧分散を実現しながら、構造の簡略化やコストの低減などにも対応することが可能とされた、新規な構造の体圧支持クッションとそれを用いたマットレスとを提供すること。【解決手段】使用者を載せる支持面54に流体室34を形成する拡縮変形可能なセル24が配された体圧支持クッション10であって、複数のセル24の各流体室34が第一の連通路38によって相互に連通されてセルユニット22が構成されていると共に、補助流体室46を形成する容積可変のセル拡縮補助体42が設けられており、補助流体室46がセル24の流体室34に対して第二の連通路48を通じて連通されている。【選択図】図1
Description
本発明は、ベッドの上面や椅子の座面などに敷かれて使用者を載せる支持面を構成するものであって、特に支持面が流体室を備えて拡縮変形可能なセルの複数によって構成された体圧支持クッションと、それを用いたマットレスに関するものである。
従来から、高齢者や身体障害者の褥瘡防止や、寝心地や座り心地の改善などを目的とする体圧支持クッションが提案されている。体圧支持クッションは、たとえば特開2013−27535号公報(特許文献1)に記載されているように、空気などを充填される流体室を形成する拡縮変形可能なセルの複数によって使用者を支持する支持面を構成した構造を有している。そして、使用者が支持面に載って及ぼす荷重(体重)によってセルが変形することにより、使用者の体圧の分散化が図られて、褥瘡の防止や支持面の緩衝性の向上などが実現されるようになっている。
ところで、特許文献1では、セルの流体室に流体を給排するポンプ装置を備えた態様が例示されている。このような態様では、セルの内圧をポンプ装置で積極的に調節することによって、体圧の分散化をより有利に実現することもできる。
しかし、流体給排用のポンプやバルブを設けると、寝具として用いられる場合などには、ポンプやバルブの作動音が快適性に影響するおそれがある。さらに、ポンプやバルブによって流体の給排を制御可能とするためには、構造と制御の複雑化やそれに伴う大型化および大重量化、コストアップなどが問題になる場合もある。
また、特許第2656817号公報(特許文献2)では、セルの流体室に副エアー室が連通された構造を有するマットレスが提案されている。これによれば、セルに使用者の体重などが作用すると、流体室と副エアー室の間で空気が流動することにより、セルの大きな変形が許容されることから、体圧の分散化が有効に実現されるものと考えられる。
ところが、特許文献2に記載の構造では、特許文献2の図1にも示されているように、ベッド上の支持面が少数のセルで構成されており、各セルの上面が何れも支持面全体に対して大きな面積比となっていることから、支持面による使用者の支持が不安定になって、不快な浮遊感に起因する寝心地の悪化などが問題になり易い。すなわち、使用者の体重が作用する領域に対して各セルの上面の面積が大きすぎると、体重が作用していない部分が膨らむことで、体重の作用部分が必要以上に大きな変形を許容されて、使用者を安定して支えられずに底突きなどの不具合が生じ易くなると共に、支持面上で体重の作用位置が変化する際に、セル内の空気がそれに追従して移動し易く、船酔いの如き不快感を感じさせるおそれがある。
しかも、特許文献2においても、セルの内圧を変更するためのポンプとバルブは必須とされており、十分な体圧分散効果と安定した支持とを実現しながら、構造の簡略化やコストの低減などの要望に応えることは難しかった。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、優れたクッション性による体圧分散を実現しながら、構造の簡略化やコストの低減などにも対応することが可能とされた、新規な構造の体圧支持クッションとそれを用いたマットレスとを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、使用者を載せる支持面に流体室を形成する拡縮変形可能なセルが配された体圧支持クッションであって、複数の前記セルの各前記流体室が第一の連通路によって相互に連通されてセルユニットが構成されていると共に、補助流体室を形成する容積可変のセル拡縮補助体が設けられており、該補助流体室が該セルの該流体室に対して第二の連通路を通じて連通されていることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた体圧支持クッションによれば、複数のセルの流体室が第一の連通路によって相互に連通されてセルユニットが構成されていることから、使用者の体重が作用したセルの変形が流体室間での流体の流動によって許容されて、体圧の分散化が図られる。その結果、使用者と支持面の接触面において局所的に大きな荷重が作用するのを防いで、圧迫性壊疽(褥瘡)の防止や支持面の柔軟性の向上などが図られる。
しかも、セルユニットを構成する複数のセルにそれぞれ流体室が形成されており、それらセルの流体室が狭窄された第一の連通路を通じて相互に連通されている。それ故、各流体室間での流体の移動がある程度制限されて、セルの急激な変形が防止されることにより、十分なクッション性(柔軟な変形特性)を実現しながら、底突きなどの不具合を回避することができる。加えて、略独立した構造を有する複数のセルの流体室を第一の連通路で相互に連通することにより、各流体室内で流体が移動することによるセルの変形を制限し易くなって、セルの過大な変形による不快な浮遊感などを回避することも可能になる。
さらに、セルユニットを構成するセルの流体室は、第二の連通路によってセル拡縮補助体の補助流体室に連通されており、流体室と補助流体室の間で第二の連通路を通じた流体流動が許容されている。これにより、セルの変形が、流体室間での流体流動だけでなく、流体室と補助流体室の間での流体流動によっても許容されるようになっており、セルの変形ストロークをより大きく設定することができて、体圧分散をより有利に実現することができる。
しかも、セルの流体室とセル拡縮補助体の補助流体室が、狭窄された第二の連通路を通じて連通されていることから、流体室と補助流体室の間での流体流動もある程度制限されて、セルの急激な変形による底突きなどの不具合も回避される。
また、各流体室間の第一の連通路を通じた連通と、流体室と補助流体室との第二の連通路を通じた連通とによって、支持面への荷重の作用に対して流体流動が受動的に生ぜしめられる場合であっても、優れたクッション性と使用者の安定した支持が実現されるようになっている。それ故、ポンプやバルブなどを用いることなく、簡単且つ安価な構造と制御によって、目的とする機能を備えた支持面を構成することも可能であり、その場合には、ポンプなどの作動音を回避することもできることから、寝具としてのマットレスや枕などにより好適な体圧支持クッションを実現することができる。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記セルユニットが複数設けられていると共に、該セルユニットごとに前記セル拡縮補助体が設けられているものである。
第二の態様によれば、セルユニットごとにセル拡縮補助体を設けることにより、セルの最大変形量や柔軟性、非荷重状態での流体室内の圧力などを、セルユニットごとに設定することができて、各セルユニットが構成する支持面の部位に応じた変形特性によって、体圧の分散化と支持面による安定した支持とをより有利に実現することができる。
本発明の第三の態様は、第一または第二の態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記セル拡縮補助体が前記支持面を外れて配されているものである。
第三の態様によれば、セル拡縮補助体に使用者の体重が作用するのを防いで、セル拡縮補助体の変形が安定して許容されるようにすることで、支持面への荷重作用時にセルの変形が安定して生じることから、目的とする支持面のクッション性などが安定して発揮される。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか一つの態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記セルの前記流体室に弾性体が収容されているものである。
第四の態様によれば、セルの変形量が弾性体によって弾性的に制限されることから、たとえば使用者が支持面に乗る際の過大な荷重の作用によって、使用者が底突きによる痛みを感じるなどの不具合を回避することができる。なお、流体室に収容される弾性体は、クッション性を有するものであれば特に限定されるものではないが、優れた緩衝性能を有することに加えて、流体流動を妨げ難いなどの理由から、発泡弾性体がより好適である。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記セル拡縮補助体が前記セルユニットに対して着脱自在に接続されているものである。
第五の態様によれば、セルユニットを交換することなく、セル拡縮補助体の交換をすることができて、損傷したセル拡縮補助体を新しいものに交換したり、容積などが異なるセル拡縮補助体に交換して支持面の変形特性を変更したりすることができる。さらに、セル拡縮補助体を交換することなく、セルユニットを交換することも可能であり、変形特性の異なるセルユニットに交換したり、損傷したセルユニットを新しいものに交換したりすることもできる。
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか一つの態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記セルユニットを構成する前記複数のセルと前記第一の連通路が一体成形されているものである。
第六の態様によれば、セルと第一の連通路が一体成形されることで、部品点数の削減や製造の容易化などが実現される。さらに、セルと第一の連通路が別体形成される場合に比して、セルと第一の連通路の接続部分の流体密性を容易に確保できると共に、当該部位の耐久性の向上なども図られ得る。
本発明の第七の態様は、第一〜第六の何れか一つの態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記セルユニットを構成する前記複数のセルが、前記流体室が前記補助流体室に前記第二の連通路で直接的に連通された直接連通セルと、前記流体室が該補助流体室に対して前記第一の連通路を通じて連通された該直接連通セルの該流体室を介して間接的に連通された間接連通セルとを、含んで構成されているものである。
第七の態様によれば、各セルの流体室とセル拡縮補助体の補助流体室とを、簡単な構造の第二の連通路によって相互に連通することができる。
なお、第一の連通路と第二の連通路の形状などを調節することにより、直接連通セルの流体室では、第一の連通路による他のセルの流体室との直接的な連通に加えて、第二の連通路によるセル拡縮補助体の補助流体室との直接的な連通によって、流体の流入および流出を生じ易く設定できる。一方、間接連通セルの流体室は、補助流体室に第一の連通路と直接連通セルの流体室とを介して間接的に連通されており、直接連通セルの流体室に比して、流体の流入および流出が制限されるように設定し易い。このように、セルユニットを構成する複数のセルを、変形のし易さが異なる直接連通セルと間接連通セルを含んで構成することにより、体圧分散効果をより有利に得ることも可能となり得る。
しかも、このような直接連通セルと間接連通セルの特性の違いは、流体室に対する第二の連通路の直接的な連通の有無によって設定できることから、たとえばそれらセルの形状や大きさ、材質などを略同じにしながら、変形特性の違いを容易に設定することができる。
本発明の第八の態様は、第一〜第七の何れか一つの態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記セル拡縮補助体における前記補助流体室の容積を変更設定する調節用アクチュエータが設けられているものである。
第八の態様によれば、たとえばセル拡縮補助体を調節用アクチュエータによって押圧して容積を強制的に小さくすることにより、セル拡縮補助体の補助流体室からセルの流体室へ流体を送入して、セルの内圧を高めたり、セルの高さ寸法を大きくすることができる。一方、たとえばセル拡縮補助体を調節用アクチュエータによって引くことで容積を強制的に大きくすれば、流体室から補助流体室へ流体を引き入れて、セルの内圧を低くしたり、セルの高さ寸法を小さくすることができる。このように調節用アクチュエータでセル拡縮補助体の容積を強制的に変更することにより、セルを拡縮変形させて、支持面の使用者への当接圧を能動的に調節することができて、使用者に対するマッサージ効果を得たり、圧迫性壊疽のより効果的な防止を実現したりすることができる。
本発明の第九の態様は、第一〜第八の何れか一つの態様に記載された体圧支持クッションにおいて、複数の前記セル拡縮補助体の前記補助流体室が前記セルユニットを構成する前記セルの前記流体室に対して前記第二の連通路によって連通されていると共に、該第二の連通路には各該補助流体室と該流体室の連通と遮断を切り替える切替手段が設けられているものである。
第九の態様によれば、補助流体室を流体室に対して切替手段で選択的に連通させることにより、流体室に連通される補助流体室の容積や壁ばね剛性などの違いに基づいてセルの変形特性を切り替えることができる。なお、複数のセル拡縮補助体の補助流体室は、互いに同じ容積であっても、流体室に連通させる補助流体室の数を切替手段で変更することにより、セルの特性を切り替えることができる。さらに、複数のセル拡縮補助体の補助流体室を互いに異なる容積で形成すれば、それら補助流体室を流体室に選択的に連通させることによって、セルの変形特性を切り替えることができる。
また、セルユニットに対して複数のセル拡縮補助体が設けられていることにより、たとえば一つのセル拡縮補助体が損傷して機能を失っても、他のセル拡縮補助体の補助流体室をセルの流体室に連通させることにより、支持面を維持して底突きなどを防ぐことができることから、高い信頼性も実現される。
本発明の第十の態様は、第一〜第九の何れか一つの態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記第二の連通路を通じて流動する流体の流量を調節する第一の流量調節装置が設けられているものである。
第十の態様によれば、第二の連通路の単位時間当たりの流量を変更することで、セルの変形の速さを調節することが可能とされる。すなわち、第二の連通路の流量を大きく設定すれば、入力に対してセルが速やかに変形して、入力初期の緩衝性を高めることができる。一方、第二の連通路の流量を小さく設定すれば、入力に対してセルが緩やかに変形して、入力初期の支持面の安定感を高めることができる。
本発明の第十一の態様は、第一〜第十の何れか一つの態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記セル拡縮補助体が複数設けられており、それらセル拡縮補助体の前記補助流体室を相互に連通する第三の連通路が設けられているものである。
第十一の態様によれば、複数のセル拡縮補助体の補助流体室が第三の連通路によって相互に連通されていることにより、補助流体室間での流体流動によってセルの拡縮変形がより大きなストロークで許容され得る。
しかも、複数のセル拡縮補助体の補助流体室を第三の連通路で相互に連通する構造としたことにより、1つの大きな補助流体室を設ける場合に比して、補助流体室間を流動する流体の流量が制限されることから、流体の急速な移動によってセルが急激に変形するのを防いで、使用者に不快な浮遊感を与え難くすることができる。
本発明の第十二の態様は、第十一の態様に記載された体圧支持クッションにおいて、複数の前記セル拡縮補助体と前記第三の連通路が一体形成されているものである。
第十二の態様によれば、セル拡縮補助体と第三の連通路を一体形成することにより、構造の簡略化や製造の容易化が図られる。
本発明の第十三の態様は、第十一又は第十二の態様に記載された体圧支持クッションにおいて、前記第三の連通路を通じて流動する流体の流量を調節する第二の流量調節装置が設けられているものである。
第十三の態様によれば、第二の流量調節装置で第三の連通路を通じて流動する流体の流量を調節することにより、たとえば、流量を大きくしてセルの変形を速やかに生じさせることで柔軟な変形特性を実現したり、流量を小さくしてセルの変形をゆっくりと生じさせることで硬い変形特性を実現したりすることが可能であり、セルの変形特性を調節することができる。
本発明の第十四の態様は、マットレスであって、第一〜第十三の何れか一つの態様に記載された体圧支持クッションを含んで構成されていることを、特徴とする。
このような第十四の態様に従う構造とされたマットレスによれば、優れた体圧分散効果によって、褥瘡などの発生が有効に防止されると共に、寝返りなどによる荷重作用位置の変化に対して安定した支持が実現されることから、不快な浮遊感なども回避される。
さらに、ポンプやバルブによるセル内圧の制御は必須ではなく、それらを用いることで高性能なマットレスを実現可能である一方で、それらポンプやバルブを用いない構造とすれば、構造や制御の簡略化に伴う小型軽量化や低コスト化が図られると共に、ポンプの作動音などが眠りを妨げるのも回避できる。
本発明の第十五の態様は、第十四の態様に記載されたマットレスにおいて、前記セルユニットを構成する前記複数のセルが長さ方向に並んで配置されていると共に、複数の該セルユニットが幅方向に並んで配置されているものである。
第十五の態様によれば、人体の表面の凹凸が主として体幹方向に並んでいることから、セルユニットを構成する複数のセルが人体の凹凸に合わせて拡縮することで、体圧の分散化や支持面による人体の安定した支持などがより有利に実現される。しかも、セルユニットの複数が幅方向に並んで配置されていることから、たとえば寝返りなどによって使用者が幅方向へ移動しても、使用者が幅方向に並ぶセルユニットによって安定して支持される。
本発明によれば、複数のセルの流体室が、第一の連通路によって相互に連通されているとともに第二の連通路によってセル拡縮補助体の補助流体室に連通されていることにより、セルの変形が流体室間および流体室と補助流体室との間での流体流動によって許容されて、体圧の分散化が実現される。また、流体が狭窄された連通路を通じて流動することにより、セルの変形がある程度制限されて、支持面の安定化も図られる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明に従う構造とされた体圧支持クッションの第一の実施形態として、マットレス10が示されている。マットレス10は、ベース12に対して肩支持弾性体14と脚支持弾性体16と調圧支持体18が取り付けられた構造を有している。
より詳細には、ベース12は、発泡ウレタンなどの弾性体で形成された溝形の部材であって、溝内に肩支持弾性体14と脚支持弾性体16と調圧支持体18とが収容されている。なお、ベース12は、端座位の使用者を安定して支持できるように、溝幅方向両端部の上下弾性変形量が大きくなり過ぎないことが望ましく、たとえば独立気泡の発泡ウレタンなどで形成される。
また、肩支持弾性体14は、略矩形板形状の図示しない板状底部に対して、略円錐台形状を呈する緩衝突起20の多数が一体形成されて上方へ突出した構造を有しており、それら緩衝突起20の突出先端部が後述する支持面54を構成するようになっている。肩支持弾性体14の形成材料は、特に限定されるものではないが、上下方向の圧縮荷重に対してある程度の変形剛性を有することが望ましく、たとえばベース12と同様に独立気泡の発泡ウレタンで形成され得て、緩衝突起20が設けられた形状によってベース12の溝幅方向両端部よりも上下方向に弾性変形し易くされる。
また、脚支持弾性体16は、肩支持弾性体14と略同じ構造および材質で形成されており、本実施形態では肩支持弾性体14よりも長さ方向の寸法を大きくされている。なお、肩支持弾性体14と脚支持弾性体16の具体的な構造は、特に限定されるものではなく、たとえばより柔らかい材質で形成することにより、緩衝突起20をもたない単純な矩形板状のものなども採用され得る。
そして、肩支持弾性体14と脚支持弾性体16は、溝形状のベース12にそれぞれ嵌め込まれており、長さ方向で相互に離れて配置されている。なお、本実施形態では、肩支持弾性体14と脚支持弾性体16がベース12とは別体で形成された構造を例示したが、それら肩支持弾性体14と脚支持弾性体16はベース12と一体でも形成され得る。
調圧支持体18は、図2に示すように、複数のセルユニット22を備えている。セルユニット22は、図3,4に示すように、四つのセル24,24,24,24が直列的に連続して設けられた構造を有している。
セル24は、図5〜7に示すように、中空の角丸四角袋状とされており、伸縮し難い合成樹脂シートなどで形成されている。本実施形態では、各四つの凹部26,26,26,26を備えた上下の合成樹脂シート28,30が、各凹部26,26,26,26の開口部を相互に突き合わせるように重ね合わされて溶着されることにより、四つのセル24,24,24,24が連続して一体成形されている。本実施形態では、各凹部26の開口周縁にフランジ状の溶着片32が一体形成されており、それら溶着片32が溶着されることで、上下の合成樹脂シート28,30が相互に固着されて、四つのセル24,24,24,24が形成される。
なお、セル24の形状や大きさは特に限定されず、たとえば平面視で略円形であっても良い。また、マットレス10に用いられるセル24の平面形状は、セル24の上面の過大な変形を防止するために、最大拡張状態において最も長い部分が20cm以下とされていることが望ましく、本実施形態では長さ方向および幅方向の寸法が何れも10cm程度とされている。
また、セル24の内部には、流体室34が形成されている。流体室34は、上下の合成樹脂シート28,30の凹部26,26の開口部が相互に突き合わせられて固着されることにより、上下の合成樹脂シート28,30の間に形成されており、本実施形態では流体としての空気が入っている。さらに、流体室34は、壁部が可撓性の合成樹脂シート28,30で形成されていることから、流体室34に対する空気の流出および流入、空気の圧縮などによって容積が変化し得るようになっており、それによってセル24の拡縮変形が許容されている。本実施形態では、流体室34内の流体として空気が例示されているが、流体は特に限定されるものではなく、空気以外の気体の他、水などの液体であっても良い。
さらに、セル24の流体室34には、弾性体36が収容されている。弾性体36は、略矩形ブロック状であって、セル24に対して平面形状が小さくされていると共に、上下方向の高さ寸法が小さくされている。弾性体36は、非発泡の弾性材料で形成しても良いが、軽量で柔軟性に優れる発泡性のものが望ましく、特に空気の流動を妨げ難い連続気泡の発泡弾性体がより好適であることから、本実施形態では連続気泡の発泡ウレタンによって形成されている。そして、流体室34に収容された弾性体36は、下端の角部がセル24の内面に接触して、下面の少なくとも一部が流体室34の下壁内面から離れた状態で支持される。
また、隣り合って配されたセル24,24の間には、第一の連通路38が形成されている。第一の連通路38は、上下の合成樹脂シート28,30の間に形成されて、セルユニット22において四つのセル24,24,24,24が並んだ長さ方向に延びており、隣り合って配されたセル24,24の流体室34,34が第一の連通路38によって相互に連通されている。さらに、第一の連通路38の通路断面積は、流体室34の同方向での断面積よりも充分に小さくされており、隣り合うセル24,24の流体室34,34の連通部分が、狭窄された第一の連通路38とされている。
さらに、本実施形態の第一の連通路38は、上下の合成樹脂シート28,30に形成された溝部40,40の開口部を相互に突き合わせて固着することで形成されており、セル24と一体成形されている。これにより、セル24と第一の連通路38を別体で形成して接続する場合に比して、部品点数が少なくなって簡単に製造できると共に、セル24と第一の連通路38の接続部分の気密性や耐久性を容易に確保することができる。なお、凹部26および溝部40を備えた上下の合成樹脂シート28,30は、たとえば合成樹脂の真空成形によって形成することができ、本実施形態では相互に同一構造の二枚のシートを上下逆向きに重ね合わせることで、それら二枚のシートを上下の合成樹脂シート28,30とすることができる。
このように、隣り合うセル24,24の流体室34,34が第一の連通路38によって相互に連通されて、流体室34,34に充填された空気が第一の連通路38を通じて流動することにより、セル24の拡縮変形が許容されている。なお、第一の連通路38を通じた流体流動によって各セル24の拡縮変形を十分に許容するためには、第一の連通路38によって相互に連通された四つのセル24,24,24,24が拡張変形を許容された状態となるように、流体室34内の空気圧が適宜に調節される。
以上のように、本実施形態のセルユニット22は、直線的に並ぶ四つのセル24,24,24,24の流体室34,34,34,34が、三つの第一の連通路38,38,38によって直列的に連通された構造を有している。そして、セルユニット22は、上下の合成樹脂シート28,30の間に四つの弾性体36,36,36,36を配設して、それら上下の合成樹脂シート28,30を相互に重ね合わせて固着することにより形成されている。
かくの如き構造とされたセルユニット22は、図8〜11に示すように、セル拡縮補助体としての補助エア袋42が取り付けられて、拡縮補助体付ユニット44とされる。補助エア袋42は、セルユニット22の四つのセル24,24,24,24とは別体で形成されており、セル24と略同じ構造とされて、内部に補助流体室46を有していると共に、補助流体室46に対する空気の流出および流入によって拡縮変形可能とされて、補助流体室46の容積が可変とされている。補助流体室46には、セル24の流体室34と同様に弾性体が収容されていても良いが、本実施形態において弾性体は配設されていない。また、本実施形態のマットレス10では、後述するように複数のセルユニット22が設けられており、セルユニット22ごとに一つの補助エア袋42が設けられている。
そして、補助エア袋42は、セルユニット22に対して第二の連通路48によって接続されている。第二の連通路48は、セル24に設けられて流体室34に連通されたポート50aと、補助エア袋42に設けられて補助流体室46に連通されたポート50bとを、管体52によって相互につないだ構造を有している。本実施形態の第二の連通路48は、セル24および補助エア袋42とは別体とされており、ポート50a,50bがセル24と補助エア袋42に固着されている。また、本実施形態では、管体52がポート50a,50bに対して着脱自在に取り付けられていることによって、補助エア袋42がセルユニット22に対して着脱自在に接続されており、補助エア袋42をセルユニット22とは独立して交換することが可能とされている。
このようにして、補助エア袋42の補助流体室46は、セル24の流体室34に対して、第二の連通路48によって連通されている。そして、セル24の拡縮変形に応じて流体室34と補助流体室46の間で第二の連通路48を通じた空気の流動が生じることにより、補助エア袋42が拡縮変形するようになっている。これにより、セル24の拡縮変形が第一の連通路38で連通された流体室34間の流体流動に加えて、第二の連通路48で連通された流体室34と補助流体室46の間での流体流動によっても許容されることから、セル24の拡縮変形の上下ストロークがより大きく確保される。
本実施形態では、セルユニット22を構成する四つのセル24,24,24,24のうちで、端に位置する一つがポート50aを備えた直接連通セル24aとされており、直接連通セル24aの流体室34が、第二の連通路48によって補助エア袋42の補助流体室46に直接的に連通されている。一方、他の三つのセル24,24,24は、ポート50を持たない間接連通セル24bとされており、それら間接連通セル24bの流体室34は、第一の連通路38と直接連通セル24aの流体室34とを介して第二の連通路48および補助流体室46に間接的に連通されている。これにより、直接連通セル24aでは、荷重の入力に対して、第一の連通路38を通じた流体流動と、第二の連通路48を通じた流体流動とによって、拡縮変形が速やかに生じることから、間接連通セル24bよりも柔軟な変形特性を有している。
そして、複数の拡縮補助体付ユニット44によって、図2に示す調圧支持体18が構成される。すなわち、本実施形態の調圧支持体18では、長さ方向で相互に対称構造とされた拡縮補助体付ユニット44a,44bが、セルユニット22が補助エア袋42よりも長さ方向内側に位置するように、長さ方向で2行に並んで配置されていると共に、それら拡縮補助体付ユニット44a,44bが幅方向で7列に並んで配置されている。これにより、調圧支持体18では、長さ方向の中央部分に56個のセル24が8行×7列で配置されて、各セルユニット22を構成する四つのセル24,24,24,24が何れも長さ方向に並んで配置されていると共に、長さ方向の両端部分に各7個の補助エア袋42が幅方向に並んで配置されている。なお、本実施形態では、14個の拡縮補助体付ユニット44のセルユニット22が、発泡ウレタン等で形成された1つの底板53に取り付けられており、それらセルユニット22が相互に位置決めされている。
このような調圧支持体18は、図1に示すように、ベース12の溝内に配設されて、マットレス10を構成する。すなわち、調圧支持体18の14個のセルユニット22が肩支持弾性体14と脚支持弾性体16の間に配設されると共に、補助エア袋42が肩支持弾性体14と脚支持弾性体16に対して長さ方向の外側に配設される。そして、肩支持弾性体14と脚支持弾性体16と複数のセル24とによって、使用者を載せて支持する支持面54が構成されている。なお、マットレス10の支持面54は、使用者が寝る際に荷重を及ぼすことを想定した中央部分であって、ベース12の左右両端部と、補助エア袋42が配された長さ方向両端部は、本実施形態の支持面54を外れている。
このような構造とされたマットレス10は、図示しないベッド上に敷かれて、使用者を支持するようになっている。なお、図中では示されていないが、たとえば、ベース12に肩支持弾性体14と脚支持弾性体16と調圧支持体18とを取り付けた後で、ベース12の上開口部に対して弾性材料で形成された薄い板状の蓋部材を取り付けて、支持面54および補助エア袋42の上方を覆うようにしても良い。また、マットレス10の表面をシーツなどで覆って、マットレス10の汚れなどを防ぐようにもできる。
ここにおいて、マットレス10では、使用者の体重がセル24に上下方向で入力されると、セル24が入力の大きさに応じて上下に拡縮変形するようになっている。以下、図12を用いてセル24の作動について説明する。なお、以下の説明において、分かり易さのために、図12に示された四つのセルを、左から順にセル24A、セル24B、セル24C、セル24Dと称する。
図12では、上下入力に対するセル24の拡縮変形がモデル的に示されている。図12(a)に示す静置状態において、各セル24は人の体重が作用しても底突きを生じず、かつ拡張変形を許容される程度に膨らんでいると共に、補助エア袋42が収縮した状態とされている。なお、荷重入力がない静置状態において、各セル24の形状は流体室34に収容された弾性体36に基づいて設定されており、各セル24の高さ寸法が弾性体36の高さ寸法と略同じとされている。
そして、図12(b)に示すように、特定のセル24Dに荷重が入力されると、当該セル24Dが荷重入力によって上下に圧縮されて、流体室34の内圧が上昇することから、セル24Dの流体室34から第一の連通路38へ空気が押し出されて、押し出された空気が他のセル24C,24B,24Aへ順次流入する。これにより、荷重が入力されたセル24Dが収縮変形して高さ寸法が小さくなるに従って、セル24A〜24Cは拡張変形して高さ寸法が大きくなる。したがって、使用者が載ることで荷重が入力されたセル24Dにおいて、人体と支持面54の当接圧(体圧)が低減されるとともに、セル24A〜24Cの人体への当接圧が大きくなって、体圧の分散化が図られる。
図12では、分かり易さのために、セル24Dだけに荷重が入力された場合について説明したが、セルユニット22を構成する四つのセル24A〜24Dは、人体の体幹方向となる長さ方向で並んで配されていることから、大きさの違う荷重が幾つかのセル24に同時に作用する場合もある。このような場合には、大きな荷重が作用したセル24において上下の収縮変形量が大きくなると共に、小さな荷重が作用したセル24において上下の収縮変形量が小さくなることから、人体と支持面54の当接圧が均等化されて、体圧分散による圧迫性壊疽(褥瘡)の防止や、寝心地の改善などが図られる。
さらに、図12では、セル24Aの流体室34が第二の連通路48を通じて補助エア袋42の補助流体室46に連通されていることから、セル24Aの流体室34から補助エア袋42の補助流体室46へ空気が流入するようになっている。これにより、セル24Dの収縮変形がより大きなストロークで許容されて、セル24Dにおいて作用する体圧がより一層低減され易くなる。本実施形態では、セルユニット22を構成するセル24A〜24Dのうちでセル24Aだけに第二の連通路48が接続されており、第二の連通路48の構造の簡略化が図られている。しかも、セル24A〜24Dの各流体室34が第一の連通路38を通じて相互に連通されていることから、それらセル24A〜24Dの各流体室34が何れも補助流体室46に連通されている。
図12において、セル24Dの流体室34は、補助エア袋42の補助流体室46に対して、セル24A〜24Cの各流体室34と第一の連通路38,38,38とを通じて、間接的に連通されている。それ故、流体室34が補助流体室46に直接的に連通されている場合に比して、荷重入力に対するセル24Dの変形を緩やかに生じさせ易く、使用者に安定した支持を感じさせることができる。
一方、流体室34が補助流体室46に直接的に連通されたセル24Aに荷重が入力されると、圧迫されたセル24Aの流体室34からは、第一の連通路38を通じたセル24Bの流体室34への空気の流出と同時に、第二の連通路48を通じた補助エア袋42の補助流体室46への空気の流出が生じる。これにより、セル24Aでは、荷重入力に対する変形がセル24Dに比して速やかに生じさせ易く、使用者に支持面54の柔軟さを感じさせることができる。
さらに、四つのセル24A〜24Dの中間に位置するセル24Bに荷重が入力されると、セル24Bの流体室34の空気が両隣のセル24A,24Cの流体室34,34へ同時に流入することから、入力初期の流体室34からの流体流出量が、端に位置するセル24Dへの荷重入力時に比して大きくなって、入力に対する変形が速やかに生じ易くなっている。なお、セル24Cへの荷重入力時にも、セル24Bへの荷重入力時と同様に、速やかな変形による柔らかい支持が実現される。
このように、図12で示すセルユニット22を構成する四つのセル24A〜24Dは、流体室34間および流体室34と補助流体室46の連通態様の違いに応じて変形特性が異なっている。本実施形態のマットレス10では、図12のセル24A〜24Cに相当する柔らかめのセルが、大きな荷重が作用し易い人体の背中や臀部を支持する部分に配置されていると共に、セル24Dに相当する硬めのセルが、荷重が比較的に作用し難い人体の腰部を支持する部分に配置されている(図1参照)。
以上のようにして、拡縮変形を許容されたセル24で構成される支持面54において、人体への当接圧が分散されて、寝心地の改善や褥瘡の発生防止などが図られる。さらに、複数のセル24の流体室34が第一の連通路38で連通されたセルユニット22を構成することにより、各セル24をコンパクトな構造としながら、セル24の流体室34間で第一の連通路38を通じた流体流動を生じさせて、セル24の拡縮変形を大きなストロークで実現できるようにした。したがって、セル24の拡縮変形による体圧の分散化が有効に実現されると共に、各セル24の流体室34内での空気の流動が制限されて各セル24の上面の変形量が低減されることから、セル24の上面の変形に伴う船酔いの如き不快感が生じ難い。
さらにまた、セル24の流体室34が補助エア袋42の補助流体室46に連通されていることから、セル24の拡縮変形が流体室34と補助流体室46の間での流体流動によっても許容される。それ故、セル24の拡縮変形ストロークをより大きく得ることができて、体圧の分散化がより有利に実現される。特に本実施形態では、補助エア袋42が支持面54を外れてマットレス10における長さ方向の両端部に配されており、補助エア袋42が圧迫されるなどしてセル24の拡縮変形が妨げられるのを回避できることから、第二の連通路48を通じた流体流動によってセル24の拡縮変形のストロークが有効に確保される。
さらに、補助エア袋42がセルユニット22ごとに設けられており、セルユニット22を構成するセル24の流体室34が補助エア袋42の補助流体室46に連通されている。これにより、セル24の拡縮変形量をセルユニット22ごとに設定することが可能とされて、セル24の拡縮変形量を十分に大きく確保しながら、特定のセル24が大きく変形して底突きするといった不具合を回避できる。
また、セルユニット22を構成するセル24の流体室34が第一の連通路38によって相互に連通されていると共に、セル24の流体室34と補助エア袋42の補助流体室46が第二の連通路48によって連通されており、流体室34と補助流体室46に比べて狭窄された第一, 第二の連通路38,48を通じて流体流動が生じるようになっている。それ故、荷重の入力初期において、支持面54が使用者をしっかりと支持して、使用者に安心感を与えるとともに底突きも回避される一方、荷重の入力から時間が経過することによって、支持面54が人体の表面に沿って十分に変形して、体圧の分散化が有効に実現される。
さらに、本実施形態では、セルユニット22を構成する四つのセル24,24,24,24がマットレス10の長さ方向で直線的に並んで配置されていることから、長さ方向の中間に位置する二つのセル24,24では、流体室34が第一の連通路38,38によって両隣のセル24,24の流体室34,34に連通されており、第一の連通路38,38を通じた流体流動による変形が速やかに生ぜしめられ易い。これにより、長さ方向の中間に位置する二つのセル24,24は、荷重の入力初期において、速やかに変形することで、人体の当接圧を可及的速やかに低減することができる。
さらにまた、第二の連通路48を構成するポート50aを備えた直接連通セル24aが、セルユニット22における長さ方向外側端に配されている。この直接連通セル24aの流体室34は、隣り合う間接連通セル24の流体室34に対して第一の連通路38を通じて連通されていると共に、補助エア袋42の補助流体室46に対して第二の連通路48を通じて連通されている。それ故、荷重の入力初期において、直接連通セル24aの変形が第一, 第二の連通路38,48を通じた流体流動によって速やかに生ぜしめられ易く、体圧の分散化が有利に図られる。
本実施形態のマットレス10では、セルユニット22を構成する四つのセル24,24,24,24が、人体表面の凹凸が並ぶ体幹方向に並んで配されていることから、セル24の幾つかが人体表面の凹部を支持すると共に、他のセル24が人体表面の凸部を支持することとなり易い。その結果、セルユニット22を構成するセル24が流体室34間での流体流動によって人体表面に沿って変形して、体圧の分散化が有効に図られる。
また、セル24の流体室34に弾性体36が収容配置されていることにより、マットレス10の支持面54に使用者が載ってセル24の上面に下向きの荷重が作用しても、セル24の上壁部と下壁部が直接接触する底突きが、それら上下壁部の間に配された弾性体36によって防止される。さらに、セル24に対する荷重入力が解除されると、弾性体36の弾性復元力によってセル24の上壁部と下壁部が初期の位置まで復帰せしめられて、各流体室34内および補助流体室46内の空気量が初期状態にリセットされることから、使用者が次にマットレス10を使用する際にも、底突きなどの不具合を生じることなく良好な寝心地を提供することができる。なお、セル24が破損して流体室34の空気が外部に漏れる状態になったとしても、流体室34に弾性体36が配設されていることにより、ある程度のクッション性が弾性体36によって維持される。
また、補助エア袋42がセルユニット22に対して着脱自在に接続されていることから、セル24に要求される拡縮変形ストロークに応じて容積の異なる補助エア袋42を選択的に取り付けたり、破損した補助エア袋42をセルユニット22から取り外して交換したりすることができる。さらに、後述するような調節用アクチュエータや切替手段、流量制御装置を備えた構造も、セルユニット22を共通化しながら適宜に選択することが可能となり得る。
図13には、本発明の第二の実施形態としての体圧支持クッションを構成する拡縮補助体付ユニット60が示されている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより説明を省略する。また、複数の拡縮補助体付ユニット60の配置を含む図示されていない部分については、第一の実施形態のマットレス10と同様の構造が採用され得る。
より詳細には、図13に示す拡縮補助体付ユニット60は、補助エア袋42の容積を変更する調節用アクチュエータ62を備えている。調節用アクチュエータ62は、補助エア袋42の補助流体室46の最大容積を変更設定するものであって、その構造は特に限定されるものではなく、空気圧シリンダや油圧シリンダ、ボールねじアクチュエータ、リニアモータアクチュエータなど、各種公知のアクチュエータが採用され得る。
このような本実施形態に従う構造とされた拡縮補助体付ユニット60では、補助エア袋42の容積を調節用アクチュエータ62によって能動的に変更設定可能とされている。すなわち、本実施形態では、調節用アクチュエータ62が作動によって補助エア袋42に矢印方向の圧迫力を及ぼし得るものとされており、図13に示すように補助エア袋42が調節用アクチュエータ62によって圧迫されることで、補助エア袋42の補助流体室46の容積が小さくなって、補助流体室46からセル24の流体室34へ空気が送り込まれるようになっている。これにより、セル24の内圧が高められて、セル24上面の人体に対する当接圧が大きくされることから、比較的に硬い変形特性による安定した支持が実現される。
さらに、調節用アクチュエータ62による補助エア袋42の圧迫とその解除を定期的に繰り返すことにより、使用者に対してマッサージ効果を及ぼすことも可能となる。マッサージ効果を得る場合には、たとえば、幾つかのセルユニット22につながる補助エア袋42を調節用アクチュエータ62によって圧迫すると共に、他のセルユニット22につながる補助エア袋42に対する調節用アクチュエータ62の圧迫力を解除し、さらに圧迫する補助エア袋42と圧迫力を解除する補助エア袋42とを一定時間で切り替えることが有効である。
なお、調節用アクチュエータ62は、補助エア袋42の最大容積を所定の大きさに調節して維持可能であることが望ましい。これによれば、たとえば、セル24の変形特性(硬さ)を使用者の好みに合わせて調節用アクチュエータ62で調節すると共に、調節用アクチュエータ62が補助エア袋42の最大容積を調節した状態に維持することにより、使用者にとって最適な硬さの体圧支持クッションを提供することができる。さらに、硬めや柔らかめなど、複数の調節状態を記憶する記憶装置を設けると共に、記憶装置に記憶させた調節状態を簡単に再現できるようにすれば、複数人が使用する場合にも体圧支持クッションの硬さを使用者の好みに近づけることができる。また、調節用アクチュエータ62は、補助エア袋42に及ぼす圧迫力を、予め設定された大きさに維持するように制御されても良い。
図14には、本発明の第三の実施形態としての体圧支持クッションを構成する拡縮補助体付ユニット70が示されている。この拡縮補助体付ユニット70は、セルユニット22を構成するセル24に対して、セル拡縮補助体としての第一の補助エア袋72および第二の補助エア袋74が、第二の連通路76によってつながれた構造とされている。
第一の補助エア袋72と第二の補助エア袋74は、何れも、中空袋状で拡縮変形可能とされており、第一の補助エア袋72が第一の補助流体室78を備えていると共に、第二の補助エア袋74が第二の補助流体室80を備えている。第一の補助流体室78と第二の補助流体室80は、何れも空気が入っていると共に、第一の補助流体室78が第二の補助流体室80よりも容積を小さくされている。なお、セル24に荷重が入力されていない静置状態において、第一の補助エア袋72と第二の補助エア袋74は、ある程度収縮した状態とされている。
そして、直接連通セル24aに設けられたポート50aに対して、第一の補助エア袋72に設けられたポート50bと、第二の補助エア袋74に設けられたポート50cが、何れも管体82によって接続されている。この管体82の途中には、切替手段としての三方弁84が設けられており、管体82が第一, 第二の補助エア袋72,74側において二股に分岐していると共に、かかる管体82の分岐部分の連通と遮断が三方弁84によって切り替えられるようにされて、第一の補助流体室78と第二の補助流体室80が、直接連通セル24aの流体室34に選択的に連通されるようになっている。なお、本実施形態の第二の連通路76は、管体82とポート50a,50b,50cに加えて、三方弁84を含んで構成されている。
このように、本実施形態に従う構造とされた拡縮補助体付ユニット70では、セル24の流体室34に連通される補助エア袋を、容積の小さな第一の補助流体室78を備える第一の補助エア袋72と、容積の大きな第二の補助流体室80を備える第二の補助エア袋74から選択することができて、それによって、セル24の入力に対する変形特性(硬さ)が切り替えられるようになっている。
すなわち、三方弁84によって第一の補助エア袋72の第一の補助流体室78をセル24の流体室34に連通させると共に、第二の補助エア袋74の第二の補助流体室80と流体室34の間での流体流動を遮断すると、流体室34から流出可能な空気の量が少なく設定されて、セル24の変形量が制限される。それ故、セル24の変形による人体への当接圧の低減作用が抑制されて、セル24の変形特性が比較的に硬く設定される。
一方、三方弁84によって第一の補助流体室78と流体室34の間での流体流動を遮断すると共に、第二の補助流体室80を流体室34に連通させると、流体室34から流出可能な空気の量が多く設定されて、セル24の変形量が比較的に大きく許容される。それ故、セル24の変形特性が比較的に柔らかく設定されて、セル24の変形による人体への当接圧の低減作用が有利に発揮される。このように、セル24の流体室34に対して第一の補助流体室78と第二の補助流体室80を選択的に連通させることにより、セル24の変形特性(柔軟性)を切り替えることができて、荷重入力に対するセル24の変形の応答性を変更設定することができる。
なお、第一の補助流体室78と第二の補助流体室80の両方を流体室34に連通させて、流体室34の拡縮変形のストロークをより大きく得ることもできる。さらに、第一の補助流体室78と第二の補助流体室80の両方を流体室34に対して遮断することにより、流体室34の拡縮変形のストロークをより小さく制限するようにしても良い。
また、三つ以上のセル拡縮補助体の補助流体室が、セル24の流体室34に対して選択的に連通されるようにしても良く、セル24の硬さをより多様に切り替えることが可能になる。
さらに、同じ容積の補助流体室を備えた複数のセル拡縮補助体が、セル24に対して選択的に連通されるようにしても良く、たとえば、セル24の流体室34に連通される補助流体室の数を切り替えることにより、セル24の拡縮変形ストロークを変更することができる。また、一つのセル拡縮補助体が破損して機能を失った場合には、別のセル拡縮補助体に切り替えることで、機能を回復させることもできる。
図15には、本発明の第四の実施形態としての体圧支持クッションを構成する拡縮補助体付ユニット90が示されている。この拡縮補助体付ユニット90では、セル24の流体室34と補助エア袋42の補助流体室46とを連通する第二の連通路48の途中に、流量制御装置としての流量制御弁92が設けられている。
流量制御弁92は、第二の連通路48内を流動する流体の単位時間当たりの流量を当接するものであって、本実施形態では、第二の連通路48の実質的な通路断面積を変更設定することによって、第二の連通路48の流量を調節できるようになっている。
そして、流量制御弁92の開度を大きくすると、第二の連通路48を通じた単位時間当たりの流体流動量が多くなって、荷重入力に対してセル24が速やかに変形することから、柔らかく追従性の高い支持面54を得ることができる。一方、流量制御弁92の開度を小さくすると、第二の連通路48を通じた単位時間当たりの流体流動量が少なくなって、荷重入力に対してセル24が遅れて変形することから、入力初期に変形の少ない安定した支持面54を得ることができる。
なお、流量制御装置は、必ずしもバルブに限定されるものではなく、たとえば第二の連通路48の管体52を変形させるアクチュエータとされて、管体52の曲げを調節することによって第二の連通路48の流動抵抗を変化させて、流速を変更設定するようにしても実現され得る。
また、第一〜第四の実施形態で説明した構造は、一つの体圧支持クッションにおいて組み合わせて採用することも可能である。また、それら各実施形態の構造を一つの拡縮補助体付ユニットに組み合わせて適用しても良いし、複数の拡縮補助体付ユニットに対して各実施形態の構造を選択的に採用して、それら拡縮補助体付ユニットを組み合わせることで体圧支持クッションを構成しても良い。
図16〜18には、本発明の第五の実施形態としての体圧支持クッションを構成する拡縮補助体付ユニット100が示されている。拡縮補助体付ユニット100は、七つのセルユニット22と七つのセル拡縮補助体としての補助エア袋42とを備えている。
セルユニット22は、第一の実施形態と同様にベッド長さ方向に並ぶ四つのセル24の流体室34が第一の連通路38によって相互に連通された構造を有しており、本実施形態ではベッド幅方向に並んで配された七つのセルユニット22が一体で連続して形成されている。即ち、ベッド長さ方向に四列且つベッド幅方向に七列で配された二十八個の凹部26を備えた上合成樹脂シート28と下合成樹脂シート30が、凹部26の開口部を相互に突き合わされて溶着されることにより、各四つのセル24を備えた七つのセルユニット22が一体形成されている。なお、本実施形態において、第一の連通路38は、ベッド長さ方向に並んでセルユニット22を構成する四つのセル24の間に形成されており、異なるセルユニット22を構成するセル24の流体室34は、後述する補助エア袋42の補助流体室46を介して間接的に連通されているにすぎず、第一の連通路38によって直接的には連通されていない。
本実施形態の補助エア袋42は、ベッド幅方向に並ぶ七つが一体で形成されており、各七つの凹部114を備えた上合成樹脂膜110と下合成樹脂膜112が、凹部114の開口部を相互に突き合わされた状態で溶着されることにより、七つの補助エア袋42が一体形成されている。また、中空構造とされた補助エア袋42の内部空間、換言すれば、上合成樹脂膜110の凹部114と下合成樹脂膜112の凹部114の間には、補助流体室46が形成されている。なお、補助流体室46には、空気だけが収容されていても良いし、弾性体36のようなポリウレタン発泡体が収容されていても良い。
そして、一体形成された七つの補助エア袋42が、一体形成された七つのセルユニット22に対してベッド長さ方向の外側に配されており、補助エア袋42の補助流体室46とセルユニット22のセル24の流体室34が第二の連通路48を通じて相互に連通されている。なお、本実施形態の補助エア袋42では、ポート50bが底壁部を貫通して設けられており、補助エア袋42の補助流体室46とセル24の流体室34を連通する第二の連通路48が下方に設けられている。
また、七つの補助エア袋42の補助流体室46を相互に連通する第三の連通路118が設けられている。第三の連通路118は、図18,19に示すように、ベッド幅方向で隣り合って配置された補助エア袋42の間に設けられており、それら補助エア袋42の補助流体室46を相互に連通している。本実施形態の第三の連通路118は、上下の合成樹脂膜110,112の間に形成されており、より詳細には、上下の合成樹脂膜110,112において隣り合う凹部114,114を繋ぐように設けられた溝部120の開口部を相互に突き合わせて固着することにより形成されている。これにより、第三の連通路118は、補助エア袋42と一体形成されており、部品点数の削減や構造の簡略化が図られている。
このように、複数の補助エア袋42の補助流体室46が第三の連通路118によって相互に連通されていることにより、任意のセル24に対して直接的および間接的に連通される補助流体室46の総容積が大きくされて、流体室34と補助流体室46との間で許容される流体流動の量が多くされる。これにより、セルユニット22のセル24と第二の連通路48で直接的に接続された一つの補助エア袋42の補助流体室46だけが流体流動を許容される場合に比して、セル24の変形を大きなストロークで許容することができて、体圧の分散化をより有利に実現することができる。
さらに、複数の補助エア袋42の補助流体室46が狭窄された第三の連通路118によって相互に連通されていることから、補助流体室46間での流体流動の流量が小さく、大きな容積の補助流体室を有する一つのセル拡縮補助体を配した構造に比して、補助流体室34の容積変化(セル24の変形)が緩やかに生じる。それ故、セル24の急激な変形に起因する不快な浮遊感が防止されて、大きな変形ストロークによる優れた体圧分散効果を得ながら、良好な寝心地を実現することができる。
なお、本実施形態では、七つの補助エア袋42の補助流体室46が六つの第三の連通路118によって全て連通された構造が例示されているが、第三の連通路118によって相互に連通される補助流体室46の数や配置などによって、セル24の変形特性を調節することができる。即ち、たとえば幾つかの補助エア袋42の補助流体室46を第三の連通路118によって相互に連通すると共に、他の補助エア袋42の補助流体室46を独立させることにより、独立した補助流体室46と第二の連通路48で連通されたセル24の変形特性を、他のセル24の変形特性よりも硬くすることができる。また、三つの補助エア袋42の補助流体室46が相互に連通されると共に、他の四つの補助エア袋42の補助流体室46が相互に連通されるなど、複数ずつに分かれて連通されるように第三の連通路118が設けられていても良い。
図20には、本発明の第六の実施形態としての体圧支持クッションを構成する拡縮補助体付ユニット130が示されている。拡縮補助体付ユニット130は、複数のセルユニット22とそれらセルユニット22ごとに設けられたセル拡縮補助体としての補助エア袋42とを備えている。
本実施形態の補助エア袋42は、第一の実施形態と同様に互いに独立して形成されていると共に、それら補助エア袋42の補助流体室46が第三の連通路132によって相互に連通されている。これにより、複数の補助エア袋42の補助流体室46間において空気の流動が許容されている。第三の連通路132は、補助エア袋42と一体で形成しても良いし、第二の連通路48のように補助エア袋42とは別体の管体が補助流体室46に連通されたポートに接続されて形成されていても良い。
さらに、本実施形態では、第三の連通路132に第二の流量調節装置としてのバルブ134が設けられている。バルブ134は、第三の連通路132を通じて流動可能な空気の流量を調節するものであって、玉形弁やボール弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁などの各種公知のものが採用され得る。本実施形態では、第三の連通路132において幅方向で隣接する補助エア袋42,42を繋ぐ部分にそれぞれ設けられており、補助エア袋42の流量をそれらバルブ134が設けられた任意の箇所で制御可能とされている。
このような本実施形態に従う構造とされた拡縮補助体付ユニット130によれば、補助エア袋42の補助流体室46を第三の連通路132で相互に連通することにより、セル24の拡縮変形量を大きく得ることができると共に、バルブ134によって第三の連通路132の流量を調節することによって、セル24の変形特性を調節することができる。即ち、バルブ134によって第三の連通路132の流量を小さく設定すれば、セル24の変形がゆっくりと生じて、セル24の変形特性が硬くなる一方、バルブ134によって第三の連通路132の流量を大きく設定すれば、セル24の変形が速やかに生じて、セル24の変形特性が柔らかくなる。このように、バルブ134によってセル24の変形特性を適宜に変更設定することが可能であることから、使用者の体格や好みに合わせた調節が容易に実現される。
しかも、補助エア袋42はマットレスにおける支持面54を外れた端部に配されることが望ましいことから、第三の連通路132に配されるバルブ134もマットレスの端部付近に配置し易く、外部から操作し易い位置にバルブ134を配することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。たとえば、セルユニット22を構成するセル24の数は、適宜に変更され得る。さらに、セルユニット22を構成するセル24は、必ずしも直線的に並んだ配置に特に限定されず、たとえば長さ方向に複数のセル24が並ぶとともに幅方向にも複数のセル24が並ぶように配置されていても良い。
また、セルユニット22を構成する複数のセル24は、互いに別体で形成されていても良い。さらに、セルの具体的な構造はあくまでも例示であって、たとえば、合成樹脂薄膜で形成された筒状体の両端開口部を、同じく合成樹脂薄膜で形成された一対の蓋体で覆って、それら筒状体と一対の蓋体を流体密に相互に固着することにより、内部に流体室を備えた中空のセルを形成することもできる。なお、セル拡縮補助体の構造も限定されるものではなく、たとえば上記の如き別態様のセルと同様の構造を採用することもできる。
さらに、それら複数のセル24を相互に連通する第一の連通路は、セル24と別体で形成されていても良く、たとえば第二の連通路48のように、各セル24に設けられるポートと、それらポートをつなぐ管体とによって、第一の連通路を形成することもできる。
また、前記実施形態においてセル24の流体室34に配されている弾性体36は、必須ではない。さらに、ポンプやバルブを用いて流体室34の空気量(内圧)を調整しても良く、ポンプによってセル24の内圧を能動的に制御することもできる。なお、ポンプを用いる際には、セル24の流体室34にポンプを接続して、流体室34の空気量を直接的に調節するようにしても良いが、たとえば、支持面54から外れて配されるセル拡縮補助体の補助流体室にポンプを接続して、補助流体室内の空気量をポンプで調節することにより、セル24の流体室34の空気量を間接的に調節すれば、ポンプを支持面54から遠ざけることができて、作動音の影響などを低減することができる。
また、セルとセル拡縮補助体を一体成形によって得ることも可能であり、たとえば前記実施形態において四つのセルを一体成形したのと同様に、上下の合成樹脂シート28,30において、四つの凹部26,26,26,26に加えて、それら凹部26,26,26,26から離れた位置にもう一つの凹部26を形成することにより、セルとセル拡縮補助体を一体成形することができる。なお、第二の連通路は、前記実施形態の第一の連通路38と同様にして、セルとセル拡縮補助体との少なくとも一方と一体成形することもできる。
また、補助エア袋42の補助流体室46は、第二の連通路48によって、セルユニット22を構成する二つ以上のセル24の流体室34に連通されていても良い。更に、全ての補助エア袋42の補助流体室46が、セル24の流体室34に対して、第二の連通路48によって直接的に連通されている必要はなく、例えば第三の連通路を通じて連通された他の補助エア袋42の補助流体室46を介して間接的に連通された補助エア袋42があっても良い。
さらに、セル拡縮補助体として、セルと略同じ構造の補助エア袋42を例示したが、セル拡縮補助体はセル24と異なる構造であっても良い。具体的には、たとえば、セル拡縮補助体が硬質の中空箱状とされて、内部に補助流体室が形成されていると共に、セル拡縮補助体の壁部の一部が変位可能とされていることで、補助流体室の容積が可変とされていても良い。また、セル拡縮補助体は、全てが同じ形状やサイズ、構造とされている必要はなく、複数種類のセル拡縮補助体を組み合わせて採用することもできる。この場合には、それら複数種類のセル拡縮補助体の補助流体室を第三の連通路によって任意の組み合わせで相互に連通することができ、多様な要求特性に対応することが可能となり得る。
また、前記実施形態では、支持面54が部分的にセル24で構成されているが、支持面54の全体をセル24で構成することもできる。また、支持面54の一部が第二の連通路48および補助エア袋42をもたないセルユニット22で構成されていても良い。すなわち、マットレスにおける支持面54の左右両端部分は、使用者の腕部が位置する程度で体重が作用し難いことに加えて、手をついて起き上がる際に体を支え易くすることが望ましく、比較的に硬い変形特性を有することが望ましい。そこで、支持面54の左右両端部分を構成するセルユニット22では、補助エア袋42の容積変化によるセル24の拡縮変形補助をなくすことにより、より簡略な構造で比較的に硬い特性を実現するようにもできる。
本発明に係る体圧支持クッションは、マットレスに適用される他、枕や車椅子の座面用クッションなどにも適用され得る。特に、枕に適用する場合には、セル24の流体室34内の空気量を調節するポンプやバルブなどが使用中に作動しないようにすれば、作動音を回避しながら、圧力の分散化による良好な寝心地などが有効に発揮される。
10:マットレス(体圧支持クッション)、18:調圧支持体、22:セルユニット、24:セル、34:流体室、36:弾性体、38:第一の連通路、42:補助エア袋(セル拡縮補助体)、44,60,70,90,100,130:拡縮補助体付ユニット、46:補助流体室、48,76:第二の連通路、54:支持面、62:調節用アクチュエータ、72:第一の補助エア袋(セル拡縮補助体)、74:第二の補助エア袋(セル拡縮補助体)、78:第一の補助流体室、80:第二の補助流体室、84:三方弁(切替手段)、92:流量制御弁(第一の流量調節装置)、118,132:第三の連通路、134:バルブ(第二の流量調節装置)
Claims (15)
- 使用者を載せる支持面に流体室を形成する拡縮変形可能なセルが配された体圧支持クッションであって、
複数の前記セルの各前記流体室が第一の連通路によって相互に連通されてセルユニットが構成されていると共に、
補助流体室を形成する容積可変のセル拡縮補助体が設けられており、該補助流体室が該セルの該流体室に対して第二の連通路を通じて連通されていることを特徴とする体圧支持クッション。 - 前記セルユニットが複数設けられていると共に、該セルユニットごとに前記セル拡縮補助体が設けられている請求項1に記載の体圧支持クッション。
- 前記セル拡縮補助体が前記支持面を外れて配されている請求項1または2に記載の体圧支持クッション。
- 前記セルの前記流体室に弾性体が収容されている請求項1〜3の何れか一項に記載の体圧支持クッション。
- 前記セル拡縮補助体が前記セルユニットに対して着脱自在に接続されている請求項1〜4の何れか一項に記載の体圧支持クッション。
- 前記セルユニットを構成する前記複数のセルと前記第一の連通路が一体成形されている請求項1〜5の何れか一項に記載の体圧支持クッション。
- 前記セルユニットを構成する前記複数のセルが、
前記流体室が前記補助流体室に前記第二の連通路で直接的に連通された直接連通セルと、
前記流体室が該補助流体室に対して前記第一の連通路を通じて連通された該直接連通セルの該流体室を介して間接的に連通された間接連通セルと
を、含んで構成されている請求項1〜6の何れか一項に記載の体圧支持クッション。 - 前記セル拡縮補助体における前記補助流体室の容積を変更設定する調節用アクチュエータが設けられている請求項1〜7の何れか一項に記載の体圧支持クッション。
- 複数の前記セル拡縮補助体の前記補助流体室が前記セルユニットを構成する前記セルの前記流体室に対して前記第二の連通路によって連通されていると共に、該第二の連通路には各該補助流体室と該流体室の連通と遮断を切り替える切替手段が設けられている請求項1〜8の何れか一項に記載の体圧支持クッション。
- 前記第二の連通路を通じて流動する流体の流量を調節する第一の流量調節装置が設けられている請求項1〜9の何れか一項に記載の体圧支持クッション。
- 前記セル拡縮補助体が複数設けられており、それらセル拡縮補助体の前記補助流体室を相互に連通する第三の連通路が設けられている請求項1〜10の何れか一項に記載の体圧支持クッション。
- 複数の前記セル拡縮補助体と前記第三の連通路が一体形成されている請求項11に記載の体圧支持クッション。
- 前記第三の連通路を通じて流動する流体の流量を調節する第二の流量調節装置が設けられている請求項11又は12に記載の体圧支持クッション。
- 請求項1〜13の何れか一項に記載の体圧支持クッションを含んで構成されていることを特徴とするマットレス。
- 前記セルユニットを構成する前記複数のセルが長さ方向に並んで配置されていると共に、複数の該セルユニットが幅方向に並んで配置されている請求項14に記載のマットレス。
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