JP2016209513A - 遊技機 - Google Patents

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敏男 小倉
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Abstract

【課題】放射ノイズを抑制する。
【解決手段】拡散制御部151B1は、クロック生成回路151Cにより生成される駆動クロックについて、基準クロックを周波数変調することによるスペクトラム拡散を行うか否かや、スペクトラム拡散を行う場合におけるクロック変調パラメータなどを設定する。初期制御状態や省エネ制御状態といった通常制御状態とは異なる演出制御状態にて制御信号の送信が行われない期間に、周波数変調の設定などを行う。通常制御状態である場合には、周波数変調の設定などが終了した後に、制御信号をシリアル信号方式で送信する。また、この場合には、制御信号の送信が行われていないと判定されたときに、周波数変調の設定などを行う。
【選択図】図11

Description

本発明は、所定の遊技を行う遊技機に関する。
遊技機の一例として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて、所定の遊技価値を付与可能としたパチンコ遊技機がある。また、遊技機の他の一例として、メダルやコイン、あるいは、パチンコ遊技機と同様の遊技球といった遊技媒体を用いて1ゲームに対する所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による表示図柄の可変表示を開始し、導出された表示結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能としたスロットマシンがある。
こうした遊技機において、シリアル信号方式で出力された制御信号を用いて、演出用の電気部品を制御することが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2008−73438号公報
特許文献1に記載の技術では、電気部品の制御を行う回路構成や通信速度の高速化などにより、放射ノイズが発生して電波障害の規制値を超えてしまうおそれがある。
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、放射ノイズを抑制できる遊技機の提供を目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、所定の遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、電気部品による演出の実行を制御可能な演出制御手段(演出制御用CPU120、表示制御部123、シリアル信号中継装置151など)と、前記電気部品を駆動可能な駆動手段(例えば発光体駆動部152など)とを備え、前記演出制御手段は、前記電気部品を制御するための制御信号をシリアル信号方式で前記駆動手段に送信する送信手段(例えばLVDSドライバ144−1〜144−4、シリアル信号中継装置151など)と、前記送信手段の設定を行う送信設定手段(例えば中継制御部151B0、拡散制御部151B1、出力制御部151B2など)とを含み、前記駆動手段は、前記送信手段から受信した前記制御信号に基づいて駆動信号を前記電気部品に出力する出力手段(例えば発光体ドライバ411S、411DU、411DDなど)を含み、前記送信手段は、基準クロックを所定変調方式で変調(例えば周波数変調など)した変調クロックを用いて、前記制御信号をシリアル信号方式で送信し(例えば図14を参照)、前記送信設定手段は、前記送信手段による送信が行われない期間に、前記所定変調方式の設定を行う(例えば図27のステップS203、S205〜S208および図30を参照)。
このような構成によれば、放射ノイズを抑制できる。
(2)上記(1)の遊技機において、前記送信手段および前記出力手段は、前記演出制御手段が搭載された基板(例えば演出制御基板12など)と前記駆動手段が搭載された基板(例えば発光体回路基板61〜64など)との間に設けられたシリアル信号配線(例えばケーブルCB1など)を含む信号経路を介して接続されているように構成されてもよい。
このような構成においては、シリアル信号配線からの放射ノイズを抑制できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、複数系統のシリアル信号配線に接続された複数の制御回路(例えば図11に示す複数の発光体ドライバなど)を含み、前記送信設定手段は、前記シリアル信号配線の系統に応じて異なる変調の設定を行うように構成されてもよい。
このような構成においては、複数系統のシリアル信号配線からの放射ノイズを抑制できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、前記電気部品は、発光部品(例えば発光体ユニット71〜74など)を含み、前記送信手段は、前記制御信号として、前記発光部品の駆動制御に用いられる駆動制御信号(例えばストローブ側の発光体ドライバ411Sでラッチされて駆動制御データとなるシリアルデータなど)と、前記発光部品の階調制御に用いられる階調制御信号(例えばデジット上側の発光体ドライバ411DUおよびデジット下側の発光体ドライバ411DDでラッチされて階調データとなるシリアルデータなど)とを含む信号を送信するように構成されてもよい。
このような構成においては、発光部品の駆動制御や階調制御を行う場合の放射ノイズを抑制できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、シリアル信号配線を被覆するシールド部材(例えばシールドSHIなど)を備えるように構成されてもよい。
このような構成においては、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、シリアル信号配線が設けられた基板は、一対の接地導体層(例えばグランド接続層GND1、GND2など)の間に信号配線層(例えば回路形成層LY1など)が挟まれた多層構造(例えば図13(B)を参照)を有するように構成されてもよい。
このような構成においては、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、シリアル信号配線は、該シリアル信号配線の共振周波数がシリアル信号方式のクロック周波数にマッチングしない配線長を有するように構成されてもよい。
このような構成においては、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
(8)上記(1)から(7)のいずれかの遊技機において、前記送信設定手段は、複数の前記電気部品の間で前記変調クロックが同期しないように設定を行うように構成されてもよい。
このような構成においては、放射ノイズを抑制できる。
(9)上記(1)から(8)のいずれかの遊技機において、前記送信手段は、第1送信手段(例えばLVDSドライバ144−1〜144−4など)と、該第1送信手段から受信した前記制御信号を前記駆動手段に送信する第2送信手段(例えばシリアル信号中継装置151など)とを含み、前記第1送信手段は、前記第2送信手段よりも低電圧で伝送可能なシリアル信号方式(例えば低電圧差動信号方式など)で前記制御信号を送信し、前記送信設定手段は、前記第1送信手段が用いるクロックの変調を行わないように設定を行うように構成されてもよい(図13を参照)。
このような構成においては、放射ノイズを抑制できる。
(10)上記(1)から(9)のいずれかの遊技機において、前記送信設定手段は、複数の前記電気部品の種類に応じて異なるスペクトラム拡散の設定を行うように構成されてもよい。
このような構成においては、放射ノイズを抑制できる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 複数の可動部材が進出状態となった場合を示す図である。 演出可動機構の構成例を示す図である。 上側機構の動作例を示す図である。 下側機構の動作例を示す図である。 演出可動機構の動作例を示す図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 表示制御部の構成例を示す図である。 発光体制御回路の構成例を示す図である。 複数のブロックに分割する設定例を示す図である。 発光体回路基板の構成例を示す図である。 発光体ドライバの構成例を示す図である。 シリアル通信方式の設定例などを示す図である。 発光体回路基板ごとのクロック信号を例示する図である。 遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターンの設定例を示す図である。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御パターンの構成例などを示す図である。 可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。 VDPが実行する画像データ処理の一例を示すフローチャートである。 表示データの作成例と出力例を示す図である。 バッファメモリエリアの設定例を示す図である。 アドレス特定テーブルの構成例を示す図である。 点灯データ生成テーブルの選択設定例などを示す図である。 演出可動機構による表示演出の実行例を示す図である。 周波数変調設定処理の一例を示すフローチャートである。 信号出力制御処理の一例を示すフローチャートである。 変調プロファイルの設定例を示す図である。 変調設定と信号出力の実行例を示すタイミング図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。なお、図1では、後述する演出可動機構50を破線で示している。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下側)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、メイン画像表示装置5MAが設けられている。メイン画像表示装置5MAは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。メイン画像表示装置5MAの画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、メイン画像表示装置5MAの表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、それぞれに対応した飾り図柄が可変表示される。この場合、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、メイン画像表示装置5MAの画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)を含んで構成されていればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
メイン画像表示装置5MAの画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
メイン画像表示装置5MAの右側には、メイン画像表示装置5MAとは別個に複数種類の演出画像を含む各種画像の表示を行うサブ画像表示装置5SUが設けられている。なお、メイン画像表示装置5MAとサブ画像表示装置5SUの設置箇所は、遊技盤2における遊技領域の中央付近に限定されず、例えばメイン画像表示装置5MAは遊技領域の中央付近に設置される一方、サブ画像表示装置5SUは遊技領域の外部や遊技機用枠3の前面上部、前面下部、前面側方といった、パチンコ遊技機1における任意の位置に設置されてもよい。
メイン画像表示装置5MAの下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図7に示す普通電動役物用となるソレノイド27によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド27がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド27がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図7に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図7に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図7に示す大入賞口扉用となるソレノイド28によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図7に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート26を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車や多数の障害釘などが設けられている。第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技盤2には、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出を実行可能な可動部材として、演出可動機構50が設けられている。演出可動機構50は、複数(例えば4つ)の可動部材を有している。演出可動機構50は、複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの画面上下に分かれて位置する退避状態と、複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの画面前方に位置する進出状態とに変化することができる。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右前後方向を説明する。
図1に示された演出可動機構50は、退避状態となった場合のものである。この実施の形態では、例えば樹脂などで構成される図示しない透明板によって遊技盤2の遊技領域が構成されており、演出可動機構50は、この透明板の後方に配置されて、遊技球は演出可動機構50の前方を流下する。ただし、こうした例に限定されず、演出可動機構50の複数の可動部材の少なくとも1つが、遊技領域を形成する透明板の前方に配置されてもよい。
図2は、演出可動機構50に設けられた複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの前面に位置する進出状態となった場合を示している。図3は、演出可動機構50の構成例を示している。演出可動機構50は、退避状態においてメイン画像表示装置5MAの画面上側に位置する2つの可動部材51、52を備えた上側機構50Tと、退避状態においてメイン画像表示装置5MAの画面下側に位置する2つの可動部材53、54を備えた下側機構50Bとに分離可能である。すなわち、演出可動機構50は、互いに離間または近接して配置可能な上側機構50Tと下側機構50Bとを含んで構成される。上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに離間することで、第1状態としての退避状態となる。一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに近接することで、第2状態としての進出状態となる。
上側機構50Tや下側機構50Bには、退避状態と進出状態とに変化させる駆動手段が設けられている。上側機構50Tは、2つの可動部材51、52の他に、上側支持ユニット55と、装飾部材57とを備えている。下側機構50Bは、2つの可動部材53、54の他に、下側支持ユニット56を備えている。
上側支持ユニット55は、メイン画像表示装置5MAの画面上側を覆うようにコの字型に構成されたフレームを備え、このフレームが遊技盤2本体に固定されることで、上側機構50Tの各構成部材を支持する。上側支持ユニット55は、可動部材51に係合した動力伝達部を備え、可動用モータ(図7に示す可動用モータ60に含まれる)からの動力を可動部材51に伝達させる。上側支持ユニット55のフレームには、可動部材51を回動可能に軸支する回動支軸、可動部材51の回動動作をガイドするガイド孔が形成されるとともに、装飾部材57の移動を補助する上下方向に沿ったガイドスリットが形成されている。装飾部材57は、2つの可動部材51、52の左端を軸支し、可動部材51、52は、装飾部材57に対して回動する。装飾部材57は、可動部材51に可動用モータからの動力が出力されることにより、可動部材51の動作に伴って上下に移動する。上側支持ユニット55は、可動部材51の位置を直接的または間接的に把握する位置検出センサを備えていればよい。
下側支持ユニット56は、メイン画像表示装置5MAの画面下側を覆う形状に構成されたフレームを備え、このフレームが遊技盤2本体に固定されることで、下側機構50Bの各構成部材を支持する。下側支持ユニット56は、可動部材53に連結されるとともに可動部材54に係合したリンク機構を備え、可動用モータからの動力がリンク機構に係合した動力伝達部などを介して可動部材53、54に伝達されることで、可動部材53、54を可動させる。下側支持ユニット56のフレームには、リンク機構を支持するための突起やガイド孔などが形成されている。
上側機構50Tにおいて、可動部材51、52のそれぞれは、マトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。すなわち、可動部材51と可動部材52のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材51にて整列配置された複数の発光体は、図7に示す発光体ユニット71を構成する。可動部材52にて整列配置された複数の発光体は、図7に示す発光体ユニット72を構成する。
発光体ユニット71、72を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材51と可動部材52は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット71と発光体ユニット72にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット73および発光体ユニット74は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材51、52が備える発光体ユニット71、72にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材51、52の区画体の前面には、可動部材51、52を装飾する前面板が設けられている。
下側機構50Bにおいて、可動部材53、54のそれぞれは、上側機構50Tの可動部材51、52のそれぞれと同様に、マトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。すなわち、可動部材53と可動部材54のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材53にて整列配置された複数の発光体は、図7に示す発光体ユニット73を構成する。可動部材54にて整列配置された複数の発光体は、図7に示す発光体ユニット74を構成する。
発光体ユニット73、74を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材53と可動部材54は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット73と発光体ユニット74にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット73および発光体ユニット74は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材53、54が備える発光体ユニット73、74にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材53、54の区画体の前面には、可動部材53、54を装飾する前面板が設けられている。
可動部材51〜54に設けられた区画体は、例えば樹脂といった、透光性が低い材料、または透光性を有しない材料で形成されている。こうした区画体が可動部材51〜54のそれぞれに設けられた発光体ユニット71〜74に対応して設けられる。これにより、可動部材51〜54のそれぞれにおいて、発光体ユニット71〜74を構成するように整列配置された複数の発光体のそれぞれを、容易に区画することができる。また、区画体の材料や各発光体を区画する部分の厚さなどを変更することによって、発光体からの光量を低減(調整)したり、発光体からの光を乱反射させることができる。区画体は、例えば樹脂などの板材に対して格子状に複数の孔を形成することで形成したり、型枠に対して樹脂材などを射出成形することで作成すればよい。なお、複数の発光体としては、フルカラーLEDを用いるものに限定されず、例えば単色または複数色のLEDを用いてもよいし、LED以外の発光体を用いてもよい。区画体としては、立体的に格子状に形成された部材に限定されず、例えば格子状の模様が印刷や切込みなどで透明または半透明な板材に形成されることで構成されてもよい。区画体は、複数の発光体を1つずつ区画するように構成されるものに限定されず、複数の発光体を所定数ずつ区画するように構成されてもよいし、所定方向(例えば横方向および縦方向)に沿って区画するように構成されてもよい。さらに、こうした区画体を備えなくてもよい。
可動部材51〜54に設けられた前面板は、例えばアルミニウムなどによって表面に金属薄膜層が形成され、外側からの光を反射させるとともに内側からの光を透過させる半透明状に構成されている。これにより、複数の発光体が発光しないときに、可動部材51〜54の見栄え(外観)を向上させることができる。装飾部材57についても、このような金属薄膜層が形成されるとともに内側に発光体が設けられてもよい。可動部材51〜54は、表面に金属薄膜層が形成されて構成されるものに限定されず、透明または半透明の塗料による装飾が施されて構成されるなどしてもよい。
図4は、パチンコ遊技機1の前方からみた上側機構50Tの動作例を示している。上側機構50Tが備える可動部材51、52は、装飾部材57に軸支されて回動可能であり、可動部材51と可動部材52とで回動範囲が異なっている。すなわち、可動部材52は、可動部材51に対して退避した位置と進出した位置とに回動できる。可動部材51は、複数の発光体が設けられた前面部の後方にベース体が配置されて構成されており、前面部とベース体との間に可動部材52を保持する。上側機構50Tが退避状態であるときには、例えば図4(a)に示すように、可動部材51の長手方向が略水平方向に沿った状態で上側に位置する。そして、上側機構50Tが退避状態から進出状態へと変化するときには、例えば図4(d)に示すように、可動用モータからの動力により装飾部材57の下方への移動を伴って可動部材51、52が回動する。一方、上側機構50Tが進出状態から退避状態へと変化するときには、可動用モータからの動力により装飾部材57の上方への移動を伴って可動部材51、52が回動する。
図4(a)および図4(c)に示すように、可動部材51と可動部材52の回動量が同程度であるときには、可動部材51と可動部材52のそれぞれに配置された複数の発光体の配列方向が一致せず、その配列が揃わない。すなわち、上側機構50Tが退避状態であるときには、可動部材51や可動部材52において縦横に整列配置された複数の発光体は、可動部材51と可動部材52とで配列方向が一致しない。これに対して、図4(c)および図4(d)に示すように、可動部材51と可動部材52とで回動量の差分が最大であるときには、可動部材51と可動部材52のそれぞれに配置された複数の発光体の配列方向が一致して、その配列が揃った状態となる。すなわち、上側機構50Tが進出状態であるときには、可動部材51や可動部材52において複数列に配置された複数の発光体は、可動部材51と可動部材52とで配列方向が一致する。
図4(a)に示すように、可動部材51および可動部材52がいずれも上方に位置する状態では、上側機構50Tが退避状態であることに対応して、メイン画像表示装置5MAの表示画面(破線参照)に対する視認を妨げず、遊技者はメイン画像表示装置5MAの表示画面と可動部材51とを視認することができる。このように、上側機構50Tが退避状態であるときには、可動部材51と可動部材52とがメイン画像表示装置5MAの表示画面に重ならない。図4(d)に示すように、可動部材51および可動部材52が回動して最も離れた状態では、上側機構50Tが進出状態であることに対応して、メイン画像表示装置5MAの表示画面に対する視認が妨げられる。このように、上側機構50Tが進出状態であるときには、可動部材51と可動部材52とがメイン画像表示装置5MAの表示画面に重なる。これにより、遊技者に可動部材51、52を注目させることができ、可動部材51、52のそれぞれに整列配置された複数の発光体を用いて表示演出を実行することによって演出の興趣を向上させることができる。また、上側機構50Tが進出状態であるときには、可動部材51、52のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致する。これにより、可動部材51、52における表示演出に一体感をもたせて、演出効果を向上させることができる。
図5は、パチンコ遊技機1の前方からみた下側機構50Bの動作例を示している。下側機構50Bが備える可動部材53、54は、所定のリンク機構を介して下側支持ユニット56のフレームに連結され、可動用モータ60C(図7に示す可動用モータ60に含まれる)の動力により所定範囲で移動することができる。リンク機構には、例えば図5(b)に示すリンク部材642a、642bやリンク部材645a、645bなどが含まれている。リンク部材645a、645bは、一端がフレームに軸支されるとともに、他端が可動部材54の下端付近に軸支され、可動部材54の移動をガイドする。
下側機構50Bが退避状態であるときには、例えば図5(a)に示すように、可動部材53、54のそれぞれが下方に位置するとともに、可動部材53が可動部材54の後方に位置して、遊技者は可動部材53をほとんど視認することができない。そして、下側機構50Bが退避状態から進出状態へと変化するときには、例えば図5(b)に示すように、可動部材53が可動部材54の裏側から若干の回動を伴って上方に移動する。さらに可動用モータ60Cからの動力が出力されると、例えば図5(c)に示すように、可動部材54が可動部材53の移動に伴って上方に移動する。一方、下側機構50Bが進出状態から退避状態へと変化するときには、可動用モータ60Cからの動力により可動部材53、54のそれぞれが下方に移動してから、可動部材53が可動部材54の裏側に移動する。
図5(a)に示すように、下側機構50Bが退避状態であるときには、可動部材53や可動部材54において縦横に整列配置された複数の発光体は、可動部材53と可動部材54とで配列方向が一致しない。これに対して、図5(c)に示すように、下側機構50Bが進出状態であるときには、可動部材53と可動部材54のそれぞれに配置された複数の発光体の配列方向が一致して、その配列が揃った状態となる。すなわち、下側機構50Bが進出状態であるときには、可動部材53や可動部材54において複数列に配置された複数の発光体は、可動部材53と可動部材54とで配列方向が一致する。
図6は、演出可動機構50の動作例を示している。図6では、可動部材51〜54の表面に整列配置された複数の発光体の配列方向を実線で示している。上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに離間した退避状態では、可動部材51〜54がメイン画像表示装置5MAの表示画面(表示領域)に重ならない。したがって、上側機構50Tと下側機構50Bとが退避状態であるときには、図6(a)に示すように、メイン画像表示装置5MAの表示画面が視認可能となる。一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに近接した進出状態では、可動部材51〜54がメイン画像表示装置5MAの表示画面(表示領域)に重なる。したがって、上側機構50Tと下側機構50Bとが進出状態であるときには、図6(b)に示すように、メイン画像表示装置5MAの表示画面が視認困難または視認不可能となる。
また、上側機構50Tと下側機構50Bとが退避状態であるときには、図6(a)に示すように、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致しない。一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが進出状態であるときには、図6(b)に示すように、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致する。このように、進出状態であるときに可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が揃うことで、可動部材51〜54のそれぞれにおける表示演出に一体感をもたせることができる。特に、進出状態であるときに複数の可動部材51〜54で一体の表示演出を実行することにより、演出の興趣を向上させることができる。加えて、複数の可動部材51〜54の位置によってメイン画像表示装置5MAの表示画面に対する視認性が変化するので、演出が単調となることを防止して、演出の興趣を向上させることができる。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、メイン画像表示装置5MAの周縁部に配置されたフレーム部材など)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が検出された場合、図7に示す演出制御基板12によってメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示演出が変更されたり、演出可動機構50における動作やスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図7に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、可動機構制御基板16、発光体回路基板61〜64といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド27、28に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SU、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、発光体ユニット71〜74、演出可動機構50といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUにおける表示動作や、発光体ユニット71〜74における点灯態様の全部または一部、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部、演出可動機構50の動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(例えば、シリアル信号方式)などに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。可動機構制御基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられた演出可動機構制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、可動部材51〜54の移動動作制御を行うためのモータドライバ回路などが搭載されている。発光体回路基板61〜64は、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体ユニット制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、発光体ユニット71〜74における点灯/消灯駆動を行う発光体ドライバ回路などか搭載されている。
図7に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンド、演出可動機構50の動作などを制御するために用いられる可動機構制御コマンドなどが含まれている。発光体ユニット71〜74の点灯動作を制御するために用いられる演出制御コマンドは、表示制御コマンドやランプ制御コマンドに含まれてもよいし、これらとは別個の演出制御コマンドとして送受信されてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線(シリアル信号通信配線)、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、可動機構制御基板16に対して可動用モータ60の駆動により可動部材51〜54を移動させるための指令や制御データを示す情報信号としての可動制御信号を伝送するための配線、発光体回路基板61〜64に対して発光体ユニット71〜74を発光駆動させる発光駆動データを示す情報信号としての発光制御信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線も接続されている。
図7に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。この実施の形態において、表示制御部123は、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体が構成する発光体ユニット71〜74の点灯態様による表示演出を実行させるための制御を行う。
演出制御基板12に搭載された乱数回路124は、演出動作の制御に用いられる各種の乱数値を示す数値データを更新可能にカウントする。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。I/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
図8は表示制御部123の構成例を示している。図8に示す表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)130と、画像データメモリ131と、VRAM(Video RAM)132Aと、フレームバッファ132Bと、メインLCD駆動回路133Aと、サブLCD駆動回路133Bと、発光体制御回路134とを備えている。なお、VDP130は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。画像データメモリ131は、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
実行させるための制御を行う。
VDP130は、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサである。画像データメモリ131は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。例えば、画像データメモリ131が記憶する画像データには、メイン画像表示装置5MAにおいて可変表示される複数種類の飾り図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データが含まれている。その他、画像データメモリ131は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号など、および背景画像の画像データをあらかじめ記憶している。この実施の形態では、画像データメモリ131に記憶されている画像データを用いて、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を点灯制御するためデータ(点灯データ)が作成される。
発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するためのデータは、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の画像データに付加されて、画像データメモリ131に予め記憶されてもよい。あるいは、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するためのデータは、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の画像データとは別個の画像データとして画像データメモリ131に予め記憶され、VDP130が描画処理を実行するときには、点灯データの作成に用いられる表示データが、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データに付加されてもよい。
VRAM132Aは、画像データメモリ131から読み出された画像データを一時記憶して、VDP130が画像データ処理を実行するためのワークエリアを提供する。VRAM132Aの記憶領域には、例えばパレットデータが配置されるパレット領域、画像データメモリ131から読み出されたキャラクタ画像データが格納されるキャラクタ用バッファ、CG用バッファなどの各領域が割り当てられている。CG用バッファは、VDP130による描画処理が実行されるときにキャラクタの表示色が定義されたパレットデータを一時的に保存したり、描画処理により作成される演出画像の表示データを一時的に保存したりするために用いられる。
フレームバッファ132Bは、VDP130による描画処理などにより作成される演出画像の表示データなどが展開記憶される仮想表示領域を提供する。フレームバッファ132Bに展開記憶される表示データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)などに基づいてVDP130が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。なお、フレームバッファ132Bには、例えばメイン画像表示装置5MAの画面上に表示される各種画像の表示データを記憶する実表示領域と、メイン画像表示装置5MAの画面上には表示されない各種画像の表示データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。あるいは、フレームバッファ132Bの仮想表示領域にてメイン画像表示装置5MAの表示画面と同じ大きさの画面表示を行うための表示データが作成され、VDP130により読み出された仮想表示領域の表示データがメインLCD駆動回路133Aへと供給されることで、メイン画像表示装置5MAの側に出力されるようにしてもよい。VRAM132Aとフレームバッファ132Bは、同一の半導体メモリ(SDRAMなど)における別個の記憶領域として確保されたものであってもよいし、別個の半導体メモリを用いて構成されたものであってもよい。
フレームバッファ132Bの記憶領域には、画像表示領域と、画像描画領域とが割り当てられる。画像表示領域には、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。画像描画領域には、描画処理により作成された各演出画像の表示データが格納される。画像表示領域と画像描画領域は、Vブランクが発生するごとに互いに切り替わるようにしてもよい。Vブランクは、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが開始されるごとに、VDP130から演出制御用CPU120に対してVブランク割込信号が出力されるとともに、その他各種割込信号が、VDP130から演出制御用CPU120に対して出力される。
Vブランクが発生するごとに画像表示領域と画像描画領域とを切り替えることで、あるVブランク周期(第1描画表示期間)において画像描画領域として割り当てられた記憶領域では各演出画像の表示データを作成する描画処理が行われるとともに、次のVブランク周期(第2描画表示期間)おいては、この記憶領域が画像表示領域に切り替わる。したがって、第1描画表示期間における描画処理で作成された表示データは、第2描画表示期間にてメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに向けて出力され、また、第2描画表示期間にて画像描画領域が割り当てられた記憶領域では、描画処理で作成された表示データの格納が行われることになる。
フレームバッファ132Bにおいて画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられてもよい。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置5MAの画面上に演出画像を表示させるための表示データなどが格納される。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置5SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データと、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するための表示データとが格納される。このように、サブフレームバッファに格納された表示データの一部を用いて、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を点灯制御するための点灯データが作成される。
演出制御用CPU120は、例えばVDP130が備えるCPUインタフェースを介して、VDP130に内蔵されたシステムレジスタやアトリビュートレジスタにアクセスする。そして、演出制御パターンに含まれる表示制御データなどのプロセスデータに従ってシステムレジスタおよびアトリビュートレジスタに各種指令やデータを格納する。こうして、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUにおける表示動作や、発光体ユニット71〜74における点灯動作を、間接的に制御する。
プロセスデータには、Vブランクが発生するごとに演出制御用CPU120がVDP130のシステムレジスタやアトリビュートレジスタに対して行う設定内容が示されている。システムレジスタの設定内容としては、描画、データ転送の指令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタの設定内容は、演出画像の描画処理に使用されるパラメータとしてのアトリビュートを示していればよい。プロセスデータでは、Vブランクが発生するごとに画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。これにより、画像の更新を、Vブランクが発生するごとに行うことができる。
メインLCD駆動回路133Aは、VDP130から出力された表示データに応じた色信号(階調制御信号)を作成するとともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)をメイン画像表示装置5MAに出力することなどにより、メイン画像表示装置5MAの画面上に各種画像を表示させる回路である。サブLCD駆動回路133Bは、発光体制御回路134を介してVDP130から伝送された表示データに応じた色信号(階調制御信号)を作成するとともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)をサブ画像表示装置5SUに出力することなどにより、サブ画像表示装置5SUの画面上に各種画像を表示させる回路である。
発光体制御回路134は、VDP130がフレームバッファ132Bのサブフレームバッファから読み出した表示データを分離した一部のデータを用いて、発光体ユニット71〜74における複数の発光体による点灯態様(発光状態)を制御する回路である。発光体制御回路134は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)といった、専用ICを用いて構成されたものであればよい。あるいは、発光体制御回路134は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)といったプログラム可能な集積回路を用いて構成されたものであってもよい。あるいは、発光体制御回路134は、例えばDSPといった、汎用ICを用いて構成されたものであってもよい。発光体制御回路134によって分離した表示データのうち、発光体ユニット71〜74の点灯制御に用いられない残りの表示データは、サブLCD駆動回路133Bへと出力される。
VDP130は、表示データを出力するためのデータ信号出力系統として、メイン表示出力系統と、サブ表示出力系統といった、2系統の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。この2つのデータ信号出力系統のうち一方の出力系統であるメイン表示出力系統は、メインLCD駆動回路133Aを介してメイン画像表示装置5MAに接続され、メイン画像表示装置5MAの画面表示に使用される表示データのデータ信号を伝送する。2つのデータ信号出力系統のうち他方の出力系統であるサブ表示出力系統は、発光体制御回路134を介して発光体回路基板61〜64とサブLCD駆動回路133Bとに接続され、サブLCD駆動回路133Bからは、さらにサブ画像表示装置5SUへと接続されている。こうしたサブ表示出力系統では、サブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示に使用される表示データのデータ信号が伝送されるとともに、発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される表示データのデータ信号が伝送される。発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される表示データは、発光体制御回路134において点灯データへと変換された後に、発光体回路基板61〜64へと伝送される。なお、メインLCD駆動回路133AやサブLCD駆動回路133B、発光体制御回路134は、演出制御基板12とは異なる別個の基板に搭載されてもよい。
図9は、発光体制御回路134の構成例を示している。発光体制御回路134は、VDP130から出力された表示データの一部に基づき点灯制御情報に応じた制御信号を生成することなどにより、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体を点灯制御する。発光体制御回路134は、信号分離回路140と、バッファメモリ141と、点灯データ生成回路142と、パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4と、LVDSドライバ144−1〜144−4とを備えている。
信号分離回路140は、VDP130から出力された表示データのうち、発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される一部の表示データを分離して、バッファメモリ142に一時記憶させる。発光体制御回路134には、VDP130から出力された表示データのうち、サブ表示出力系統に対応して出力された表示データが入力される。信号分離回路140は、発光体制御回路134に入力された表示データのうちで、さらに発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される一部の表示データを分離する。例えば信号分離回路140は、所定の同期信号(水平同期信号または垂直同期信号)やクロック信号(ドットクロック信号)に基づいて、点灯制御に使用される表示データを特定する。こうして特定した表示データを、バッファメモリ141における先頭の記憶領域(バッファメモリエリア)から所定順序で書き込んで一時記憶させる。
点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141に一時記憶されている表示データを読み出し、所定の変換処理を実行することで、点灯制御情報を構成する点灯データを生成する。バッファメモリ141にはVDP130からサブ表示出力系統に対応して出力された表示データの一部が記憶される。したがって、点灯データ生成回路142は、VDP130によって作成された表示データの一部を点灯データに変換する。点灯データ生成回路142によって生成される点灯データには、発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データと、発光体の各発光色に対応した輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データとが、含まれていればよい。
点灯データ生成回路142は、可動部材51〜54のそれぞれに設けられた発光体ユニット71〜74に含まれる複数の発光体が配置された領域を複数のブロックに分割し、それらのブロックごとに発光体の点灯データを作成する。この実施の形態では、複数のブロックとして、発光体ブロックB01〜B42が予め設定されている。点灯データ生成回路143は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応する点灯データを生成する。
図10は、可動部材51における複数の発光体が整列配置された領域について、複数のブロックに分割する設定例を示している。可動部材51にて複数の発光体が配置された領域は、図10(a)に示すような発光体ブロックB01〜B06と、図10(b)に示すような発光体ブロックB07〜B15とに分割される。可動部材51以外の可動部材52〜54についても、可動部材51と同様に、複数の発光体が配置された領域を複数のブロックに分割するように設定する。これにより、可動部材51〜54のそれぞれに設けられた発光体ユニット71〜74の全体では、発光体ブロックB01〜B42に分割されている。なお、発光体ブロックの分割数は、演出可動機構50を構成する可動部材の数や、複数の発光体が配置された領域の大きさなどに基づいて、任意に設定されたものであればよい。
発光体ブロックB01〜B42のそれぞれは、長方形または正方形といった方形状を基本形状としている。そのため、可動部材51〜54の形状などによって、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて複数の発光体が配置された領域のうちには、方形状の発光体ブロックに収まりきれず、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域が生じることがある。また、複数の発光体ブロックのうちには、方形状の一部に発光体が配置されていない空き領域が生じることがある。そこで、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域を、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含めることで、複数の発光体に対する点灯制御の処理負担を軽減させる。
この実施の形態では、4つの可動部材51〜54に設けられた発光体ユニット71〜74に対応して、4つの発光体回路基板61〜64が設けられている。発光体制御回路134は、4つの発光体回路基板61〜64に対応して制御信号を出力するためのシリアル出力系統として、4系統に対応する4組の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。より具体的に、パラレル−シリアル変換回路143−1およびLVDSドライバ144−1を含む第1組の信号出力構成と、パラレル−シリアル変換回路143−2およびLVDSドライバ144−2を含む第2組の信号出力構成と、パラレル−シリアル変換回路143−3およびLVDSドライバ144−3を含む第3組の信号出力構成と、パラレル−シリアル変換回路143−4およびLVDSドライバ144−4を含む第4組の信号出力構成とを備えている。
パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4には、点灯データ生成回路142が生成した点灯データに対応する点灯制御情報を含む制御信号が入力される。各パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4は、例えばアドレスバスとデータバスを介して点灯データ生成回路142に接続されている。また、各パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4は、シリアル信号配線を介して、予め対応付けられたLVDSドライバ144−1〜144−4のいずれかに接続されている。各パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4では、点灯データ生成回路142から入力された制御信号が、パラレル信号形式からシリアル信号形式に変換(シリアル変換)される。変換後の制御信号は、対応するLVDSドライバ144−1〜144−4のいずれかに入力される。より具体的には、パラレル−シリアル変換回路143−1からの出力信号はLVDSドライバ144−1に入力され、パラレル−シリアル変換回路143−2からの出力信号はLVDSドライバ144−2に入力され、パラレル−シリアル変換回路143−3からの出力信号はLVDSドライバ144−3に入力され、パラレル−シリアル変換回路143−4からの出力信号はLVDSドライバ144−4に入力される。
各パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4には、固有のアドレスが予め付与されており、点灯データ生成回路142は、そのアドレスを指定してパラレルデータを出力することで、パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4のいずれかに制御信号を伝送できればよい。一例として、パラレル−シリアル変換回路143−1にはアドレスPS01が付与され、パラレル−シリアル変換回路143−2にはアドレスPS02が付与され、パラレル−シリアル変換回路143−3にはアドレスPS03が付与され、パラレル−シリアル変換回路143−4にはアドレスPS04が付与されている。
各パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4は、複数(例えば8個)のDフリップフロップを備え、点灯データ生成回路143からのパラレルデータがビット単位でいずれかのDフリップフロップに入力される。各Dフリップフロップには、所定周期で取込信号(ラッチ信号)が入力され、その立上りタイミングでパラレルデータが各Dフリップフロップにラッチされる。また、各Dフリップフロップにはクロック信号が入力され、クロック信号の立上りタイミングで順次シフト動作を行う。これにより、パラレルに入力した制御信号をシリアルデータに変換して出力することになる。
LVDSドライバ144−1〜144−4は、パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4にてシリアル変換された信号をLVDS(Low Voltage Differential Signal)方式で伝送することが可能な出力回路である。LVDSは、データ伝送用の差動インタフェース規格の1つであり、低電圧差動信号伝送方式あるいは小振幅差動信号伝送方式ともいう。なお、LVDSの規格に適合する信号伝送方式に限定されず、RSDS(Reduced Swing Differencial Signaling)方式やmini-LVDS方式、SLVS(Scalable Low Voltage Signaling)方式といった、所定の差動インタフェース規格に適合する信号伝送方式の他、CML(Current Mode Logic)やLVPECL(Low Voltage Positive-referenced Emitter Coupled Logic)といった所定仕様の信号伝送技術を用いたものであってもよい。
各LVDSドライバ144−1〜144−4は、所定量の電流(例えば3.5mA)を供給する定電流源を備え、2本のデータ線(ツイストペア線)の電位差により信号レベルが決定される差動信号を生成する。差動信号は、シングルエンド信号に比べて外来ノイズに対する耐性が高いという性質を有している。また、差動信号は、シングルエンド信号よりも小さい振幅でのデータ伝送が可能であり、消費電力を低減することができる。差動信号では小さい振幅でのデータ伝送が可能であることに加え、2本のデータ線が結合することにより放射する電界を打ち消しあうので、放射ノイズを低減することができる。デジタル信号の最大速度は、信号のスルー・レート(立上り/立下り電圧変化量)で規定することができ、同じスルー・レートでは振幅が小さいほど速度が上がることになる。したがって、振幅が小さい差動信号を用いることで、振幅が大きいシングルエンド信号よりも高速でデータ伝送を行うことができる。
図11は、発光体回路基板61の構成例を示している。発光体回路基板62〜64についても、同様の構成を有するものであればよい。発光体回路基板61は、演出制御基板12に搭載された発光体制御回路134のLVDSドライバ144−1から伝送された制御信号に基づいて、可動部材51に配置された複数の発光体を発光させるための各種回路を備えている。可動部材51に配置されて発光体ユニット71を構成する複数の発光体は、図10(a)に示す発光体ブロックB01〜B06と、図10(b)に示す発光体ブロックB07〜B15とのうち、いずれかの発光体ブロックに含まれて、それぞれの発光状態が制御される。発光体回路基板62は、発光体制御回路134のLVDSドライバ144−2から伝送された制御信号に基づいて、可動部材52に配置された複数の発光体を発光させるための各種回路を備えている。可動部材52に配置されて発光体ユニット72を構成する複数の発光体は、発光体ブロックB16〜B26のうち、いずれかの発光体ブロックに含まれて、それぞれの発光状態が制御される。発光体回路基板63は、発光体制御回路134のLVDSドライバ144−3から伝送された制御信号に基づいて、可動部材53に配置された複数の発光体を発光させるための各種回路を備えている。可動部材53に配置されて発光体ユニット73を構成する複数の発光体は、発光体ブロックB27〜B34のうち、いずれかの発光体ブロックに含まれて、それぞれの発光状態が制御される。発光体回路基板64は、発光体制御回路134のLVDSドライバ144−4から伝送された制御信号に基づいて、可動部材54に配置された複数の発光体を発光させるための各種回路を備えている。可動部材54に配置されて発光体ユニット74を構成する複数の発光体は、発光体ブロックB35〜B42のうち、いずれかの発光体ブロックに含まれて、それぞれの発光状態が制御される。発光体回路基板61には、LVDSレシーバ150、シリアル信号中継装置151の他、発光体駆動部152を構成する複数の発光体ドライバなどが搭載されている。
LVDSレシーバ150は、演出制御基板12の発光体制御回路134からLVDS方式で伝送された受信データの信号レベルを、TTLレベル(例えば電源電圧5.0Vに対応するデジタル信号レベル)またはCMOSレベル(例えば電源電圧3.3Vに対応するデジタル信号レベル)に変換する。LVDSレシーバ150では、LVDS方式で使用される2本のデータ線が100Ω程度の終端抵抗に接続され、伝送経路となるデータ線上の電流が終端抵抗の両端に電圧を発生させる。また、LVDSレシーバ150は、差動コンパレータを備え、終端抵抗の両端に発生した電圧の比較結果をデジタル信号として出力する。
発光体回路基板61に搭載されたLVDSレシーバ150は、発光体制御回路134のLVDSドライバ144−1と2本のデータ線を介して接続され、LVDSドライバ144−1から伝送された差動信号が入力される。すなわち、発光体回路基板61に搭載されたLVDSレシーバ150は、発光体制御回路134が備える第1組の信号出力構成に対応して伝送されたシリアルデータを受信する。発光体回路基板62に搭載されたLVDSレシーバ150は、発光体制御回路134のLVDSドライバ144−2と2本のデータ線を介して接続され、LVDSドライバ144−2から伝送された差動信号が入力される。すなわち、発光体回路基板62に搭載されたLVDSレシーバ150は、発光体制御回路134が備える第2組の信号出力構成に対応して伝送されたシリアルデータを受信する。発光体回路基板63に搭載されたLVDSレシーバ150は、発光体制御回路134のLVDSドライバ144−3と2本のデータ線を介して接続され、LVDSドライバ144−3から伝送された差動信号が入力される。すなわち、発光体回路基板63に搭載されたLVDSレシーバ150は、発光体制御回路134が備える第3組の信号出力構成に対応して伝送されたシリアルデータを受信する。発光体回路基板64に搭載されたLVDSレシーバ150は、発光体制御回路134のLVDSドライバ144−4と2本のデータ線を介して接続され、LVDSドライバ144−4から伝送された差動信号が入力される。すなわち、発光体回路基板64に搭載されたLVDSレシーバ150は、発光体制御回路134が備える第4組の信号出力構成に対応して伝送されたシリアルデータを受信する。
シリアル信号中継装置151は、演出制御基板12の発光体制御回路134から伝送された制御信号を中継して、発光体駆動部152に供給するための各種回路を備えている。例えばシリアル信号中継装置151は、シリアルデータバッファ回路151Aと、中継制御部151B0と、クロック生成回路151Cとを備えている。シリアルデータバッファ回路151Aは、LVDSレシーバ150から出力されたデジタル信号としてのシリアルデータを一時記憶する。中継制御部151B0は、シリアル信号中継装置151において制御信号を中継するための各種制御を行う。中継制御部151B0は、拡散制御部151B1と、出力制御部151B2とを含んでいる。
拡散制御部151B1は、クロック生成回路151Cにより生成される駆動クロックについて、基準クロックを周波数変調することによるスペクトラム拡散を行うか否かや、スペクトラム拡散を行う場合におけるクロック変調パラメータを設定する。クロック変調パラメータは、スペクトラム拡散の特性に対応するパラメータとして、例えば、中心周波数(変調タイプあるいは拡散方向ともいう)、拡散量(拡散率あるい周波数変調率ともいう)、変調周期などのうち、少なくともいずれか1つの異なる設定に応じて、異なる値となるものであればよい。例えば拡散制御部151B1は、予めROMやレジスタなどの記憶装置に記憶されている変調設定データを読み出してクロック生成回路151Cに供給する。変調設定データは、クロック変調パラメータを含んでいる。拡散制御部151B1によって読み出された変調設定データは、クロック生成回路151Cの内蔵レジスタにセットされるようにすればよい。これにより、クロック変調パラメータの設定が行われる。このように、拡散制御部151B1は、制御信号をシリアル信号方式で発光体駆動部152に送信するための設定として、クロック生成回路151Cにより生成される駆動クロックの設定を行う。スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、スペクトラム拡散を行う場合におけるクロック変調パラメータなどの設定は、発光体回路基板61〜64のそれぞれに応じて予め異なる設定がなされていればよい。なお、拡散制御部151B1が読み出した変調設定データをクロック生成回路151Cの内蔵レジスタにセットするものに限定されず、例えば拡散制御部151B1が読み出した変調設定データに基づいて、クロック生成回路151Cにダウン信号とアップ信号のいずれかが定期的に供給されたり、ダウン信号の供給とアップ信号の供給とが切り替えられたりしてもよい。ダウン信号は、クロック生成回路151Cが生成するクロック信号の位相を遅らせることで周波数を減少させる信号である。アップ信号は、クロック生成回路151Cが生成するクロック信号の位相を進めることで周波数を増加させる信号である。
より具体的に、拡散制御部151B1は、各発光体回路基板61〜64により発光状態が制御される発光体ユニット71〜74のそれぞれに含まれる発光体の個数(発光体数)に応じて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、スペクトラム拡散を行う場合における拡散量の設定を異ならせてもよい。一例として、発光体ユニット71〜74のうち配置された発光体数が所定数未満である発光体ユニットの発光状態を制御する発光体回路基板では、拡散制御部151B1において、スペクトラム拡散を行わない設定、または拡散量を少量の第1拡散量とする設定にしてもよい。これに対して、発光体ユニット71〜74のうち配置された発光体数が所定数以上である発光体ユニットの発光状態を制御する発光体回路基板では、拡散制御部151B1において、スペクトラム拡散を行う設定、または拡散量を第1拡散量よりも多い第2拡散量とする設定にしてもよい。
あるいは、拡散制御部151B1は、例えば各発光体回路基板61〜64におけるシリアルデータ通信量に応じて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、スペクトラム拡散を行う場合における拡散量の設定を異ならせてもよい。一例として、各発光体回路基板61〜64におけるシリアルデータ通信量が所定量未満である場合には、放射ノイズの発生が特に問題とならないことから、スペクトラム拡散を行わない設定、または拡散量を少量の第1拡散量とする設定にしてもよい。これに対して、各発光体回路基板61〜64におけるシリアルデータ通信量が所定量以上である場合には、放射ノイズの発生が問題となることから、スペクトラム拡散を行う設定、または拡散量を第1拡散量よりも多い第2拡散量とする設定にしてもよい。
拡散量を多くすることにより、駆動クロックの周波数をより拡散させることが可能になる。一方、拡散量を多くするに従って、各種回路の動作速度が低下するおそれがある。また、拡散量が予め定められた規制量よりも多くなると、使用が禁止される帯域にも周波数成分を有する電磁波が放射されるおそれがある。そこで、放射ノイズの強度を許容上限値に抑制するために必要な最小限の拡散量に設定することで、動作速度の低下や不適切な周波数成分の発生を防止してもよい。
出力制御部151B2は、シリアル信号中継装置151からの信号出力を制御する。例えば出力制御部151B2は、発光体制御回路134から伝送された制御信号などに基づいて、発光体駆動部152に対する制御信号の出力開始タイミングと出力停止タイミングを特定し、各タイミングにて信号出力状態と出力停止状態との切替制御を行う。また、出力制御部151B2は、シリアル信号中継装置151における信号出力を行う信号出力実行条件が成立したときに、拡散制御部151B1によるクロック変調パラメータの設定状態に応じて、出力停止状態から信号出力状態に切り替えるか出力停止状態で待機するかの判定を行う。
クロック生成回路151Cは、発光体回路基板61〜64の各基板内において、シリアル信号中継装置151から発光体駆動部152にシリアルデータを伝送するために用いられる駆動クロックとして、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロック(SSC:Spread Spectrum Clock)を生成する。基準クロックは、例えば発光体回路基板61〜64の各基板に搭載された水晶振動子により生成されてもよい。あるいは、基準クロックは、演出制御基板12に搭載された水晶振動子などにより生成され、クロック信号線を介して各発光体回路基板61〜64へと伝送されてもよい。クロック生成回路151Cは、例えばPLL(Phase Locked Loop)に用いられる分周器の分周比を、互いに異なる複数種類の値に切り替えることで、周波数変調を行うことができればよい。あるいは、クロック生成回路151Cは、基準クロックの位相を調整して出力する位相補間器を備え、拡散制御部151B1からのアップ信号とダウン信号に基づいて、基準クロックを周波数変調した駆動クロックを出力してもよい。
各発光体回路基板61〜64では、発光体制御回路134のLVDSドライバ144−1〜144−4から受信した制御信号を、シリアル信号中継装置151において複数系統に分離する。例えば図11に示す発光体回路基板61では、発光体制御回路134のLVDSドライバ144−1から受信した制御信号を、シリアル信号中継装置151において3系統に分離した後、発光体駆動部152に送信する。図11に示すシリアル信号中継装置151は、制御信号を出力するためのシリアル出力系統として、3系統の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。各出力回路に接続されるシリアルクロック配線およびシリアルデータ配線は、シリアル信号中継装置151の内部でバス形式に接続され、シリアルデータバッファ回路151Aから読み出されたシリアルデータが伝送される。各出力回路には、固有のアドレスが予め付与されており、シリアル信号中継装置151は、そのアドレスを指定することで、シリアルデータバッファ回路151Aから読み出したシリアルデータを出力回路に供給できればよい。一例として、図11に示すシリアル信号中継装置151において、3系統の信号出力構成のうち、第1系統の信号出力構成に含まれる出力回路にはアドレスAD01が付与され、第2系統の信号出力構成に含まれる出力回路にはアドレスAD02が付与され、第3系統の信号出力構成に含まれる出力回路にはアドレスAD03が付与されている。なお、シリアル信号中継装置151において分離される系統数は、発光体回路基板61〜64および発光体ユニット71〜74の構成や、制御信号を伝送するために用いられるシリアル信号方式の仕様などに応じて、予め任意に設計されたものであればよい。
図11に示す発光体回路基板61に搭載されたシリアル信号中継装置151では、LVDSレシーバ150により受信したシリアルデータをシリアルデータバッファ回路151Aに一時記憶させ、クロック生成回路151Cで生成された駆動クロックに応じて読み出したシリアルデータを3系統に分離して、駆動クロックとともに発光体駆動部152へ供給する。アドレスAD01が付与された出力回路には、第1系統に対応するシリアル信号配線が接続され、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で出力する。アドレスAD02が付与された出力回路には、第2系統に対応するシリアル信号配線が接続され、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で出力する。アドレスAD03が付与された出力回路には、第3系統に対応するシリアル信号配線が接続され、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で出力する。このように、シリアル信号中継装置151は、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で複数系統のシリアル信号配線に出力する。シリアル信号中継装置151には、3系統のシリアル出力系統のそれぞれに対応するシリアル信号配線が接続され、各配線にシリアル信号方式で、点灯制御情報を含む制御信号を出力する。
図11に示す発光体回路基板61に搭載されたシリアル信号中継装置151において、第1系統に対応するシリアル信号配線は発光体ブロックB01〜B06を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続され、第2系統に対応するシリアル信号配線は発光体ブロックB07〜B10を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続され、第3系統に対応するシリアル信号配線は発光体ブロックB11〜B15を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されていればよい。すなわち、第1系統のシリアル出力系統には発光体ブロックB01〜B06が割り当てられ、第2系統のシリアル出力系統には発光体ブロックB07〜B10が割り当てられ、第3系統のシリアル出力系統には発光体ブロックB11〜B15が割り当てられている。なお、いずれの系統に対応して、いずれの発光体ブロックに含まれる発光体を点灯制御するかの設定は、発光体回路基板61〜64および発光体ユニット71〜74の構成や、制御信号を伝送するために用いられるシリアル信号方式の仕様などに応じて、予め任意に設計されたものであればよい。
発光体駆動部152は、複数の発光体ブロックにそれぞれ分割された領域に含まれる複数の発光体を点灯(発光)させる複数の発光体ドライバを含んで構成されている。一例として、発光体回路基板61に搭載された発光体駆動部152において、第1系統に対応するシリアル信号配線に接続された複数の発光体ドライバは、発光体ブロックB01〜B06のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を発光させる。また、第2系統に対応するシリアル信号配線に接続された複数の発光体ドライバは、発光体ブロックB07〜B10のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を発光させる。第3系統に対応するシリアル信号配線に接続された複数の発光体ドライバは、発光体ブロックB11〜B15のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を発光させる。
1のシリアル出力系統に割り当てられた発光体ブロックに含まれる発光体の点灯制御を行う複数の発光体ドライバは、シリアル信号配線を介したデイジーチェーン方式で接続されていればよい。例えば図11に示す発光体回路基板61に搭載された発光体駆動部152において、第1系統に対応するシリアル信号配線には、まず、発光体ブロックB01を点灯制御するために設けられた複数の発光体ドライバがデイジーチェーン方式で接続され、シリアル信号中継装置151から伝送されたシリアルデータが入力される。次に、発光体ブロックB02を点灯制御するために設けられた複数の発光体ドライバがデイジーチェーン方式で接続され、以降は同様に、発光体ブロックB03〜B06を点灯制御するために設けられた複数の発光体ドライバが順にデイジーチェーン方式で接続されていればよい。なお、デイジーチェーン方式で接続されるものに限定されず、複数の発光体ドライバがシリアルバス方式で接続されてもよい。
各発光体ドライバは、シリアル信号配線を介して伝送された制御信号で示される点灯制御情報に基づいて、複数の発光体における発光状態を変化させることができる。各発光体ドライバは、例えばデータラッチ部、シフトレジスタ、データバッファを含んで構成され手いる。各発光体ドライバのデータラッチ部は、例えばラッチ回路によって構成され、シリアル信号中継装置151から伝送された駆動クロックを用いてシリアルデータを1ビットごとにラッチし、シフトレジスタに出力する。例えばデータラッチ部は、シリアル信号中継装置151から伝送されたスペクトラム拡散クロックである駆動クロックの立上りタイミングで入力データをラッチする。
各発光体ドライバのシフトレジスタは、データラッチ部から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタは、シリアル信号中継装置151から伝送された駆動クロックを用いて格納データを1ビットずつシフトする。例えばシフトレジスタは、シリアル信号中継装置151から伝送されたスペクトラム拡散クロックである駆動クロックの立上りタイミングで順次シフト動作を行う。このように繰返し格納データを先頭のレジスタ(先頭ビット)から末尾のレジスタ(最終ビット)へと1ビットずつシフトしていくことによって、シリアル信号中継装置151から伝送されたシリアルデータが格納される。末尾のレジスタまでデータがシフトされた後、さらに駆動クロックの立上りタイミングに達したときには、末尾のレジスタにおける格納データが出力され、デイジーチェーン方式で接続された後段の発光体ドライバへと伝送される。各発光体ドライバのデータバッファは、例えばラッチレジスタによって構成され、所定の取込タイミングでシフトレジスタに格納されているデータをラッチして一時記憶する。データバッファにラッチされたデータは、パラレル信号方式で複数の信号線に出力される。
複数の発光体ドライバはそれぞれ、駆動制御信号で示される駆動制御データに応じて発光体の駆動制御を行う駆動制御回路となるストローブ側の発光体ドライバと、階調データ信号で示される階調データに応じて発光体の階調制御を行う階調制御回路となるデジット側の発光体ドライバとのうち、いずれかに分類される。発光体ブロックB01〜B42のそれぞれでは、ストローブ側の発光体ドライバと、デジット側の発光体ドライバとを用いて、発光体ブロックごとに複数の発光体のダイナミック点灯制御が行われる。
図12は、具体的な一例として、発光体ブロックB11に対応する発光体ドライバの構成例を示している。図12に示す構成例では、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバとして、ストローブ側の発光体ドライバ411Sと、デジット上側の発光体ドライバ411DUと、デジット下側の発光体ドライバ411DDとが設けられている。シリアル信号中継装置151からの出力信号を伝送するシリアル信号配線は、まず発光体ブロックB11に対応するストローブ側の発光体ドライバ411Sに接続され、次にデジット上側の発光体ドライバ411DUに接続され、さらにデジット下側の発光体ドライバ411DDに接続されるという順に、デイジーチェーン方式で接続されていればよい。発光体ブロックB11に対応するデジット下側の発光体ドライバ411DDから引き出されたシリアル信号配線は、続いて発光体ブロックB12に対応して設けられた発光体ドライバへとデイジーチェーン方式で接続されていればよい。以降も同様に、発光体ブロックB13〜B15に対応して設けられた発光体ドライバへとデイジーチェーン方式で接続されていればよい。
シリアル信号配線には、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックを伝送するシリアルクロック配線と、シリアルクロックに同期したシリアルデータを伝送するシリアルデータ配線とが含まれていればよい。シリアル信号配線に接続された発光体ドライバは、シリアルクロックに同期したシリアルデータとして伝送される駆動制御データまたは階調データを取り込んで、複数の発光体の発光状態を制御(点灯制御)する。シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックは、シリアル信号中継装置151のクロック生成回路151Cによって生成され、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックとすることができる。図12に示す発光体ブロックB11に対応する発光体ドライバは、発光体回路基板61に搭載されていることに対応して、シリアルクロックSC1を伝送するシリアルクロック配線と、シリアルデータSD1を伝送するシリアルデータ配線とに接続されている。発光体回路基板62に搭載されている発光体ドライバは、シリアルクロックSC2を伝送するシリアルクロック配線と、シリアルデータSD2を伝送するシリアルデータ配線とに接続されていればよい。発光体回路基板63に搭載されている発光体ドライバは、シリアルクロックSC3を伝送するシリアルクロック配線と、シリアルデータSD3を伝送するシリアルデータ配線とに接続されていればよい。発光体回路基板64に搭載されている発光体ドライバは、シリアルクロックSC4を伝送するシリアルクロック配線と、シリアルデータSD4を伝送するシリアルデータ配線とに接続されていればよい。なお、シリアルクロックを伝送するシリアルクロック配線が設けられるものに限定されず、例えばシリアルデータに所定の同期ビットを含ませて、各発光体ドライバにてクロックデータリカバリ(CDR)を行うことにより、スペクトラム拡散クロックに同期してシリアルデータを伝送可能なものとしてもよい。
図12に示す構成例において、シリアル信号中継装置151から出力されたシリアルデータは、まず、発光体ブロックB11に対応するストローブ側の発光体ドライバ411Sに入力される。その後、駆動クロックであるシリアルクロックSC1の立上りタイミングで、デジット上側の発光体ドライバ411DU、デジット下側の発光体ドライバ411DDへと順に転送される。さらに、発光体ブロックB12〜B15に対応して設けられた複数の発光体ドライバへと順に転送される。シリアル信号中継装置151は、デイジーチェーン方式で接続された複数の発光体ドライバのうち、終端に接続された発光体ドライバに供給するシリアルデータを最初に出力し、次に終端よりも1つ前段に接続された発光体ドライバに供給するシリアルデータを出力するといったように、終端の発光体ドライバから前段の発光体ドライバに向かう順に供給するシリアルデータを出力して、最後には、始端に接続された発光体ドライバ(例えば図12に示す発光体ブロックB11に対応するストローブ側の発光体ドライバ411S)に供給するシリアルデータを出力する。こうしてデイジーチェーン方式で接続された複数の発光体ドライバにシリアルデータが順に転送され、各発光体ドライバに供給するシリアルデータの入力が完了した後に取込タイミングとなることで、各発光体ドライバのシフトレジスタに格納されているデータをラッチしてデータバッファに一時記憶させればよい。
例えば発光体ブロックB11は、デジット上側の発光体ドライバ411DUによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Uと、デジット下側の発光体ドライバ411DDによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Dとの組合せで構成されている。このように、各発光体ブロックは、その発光体ブロックよりも小さいモジュールとなるハーフブロックの組合せで構成されていればよい。なお、複数の発光体ブロックは、2つのハーフブロックの組合せで構成されたものに限定されない。例えば、複数の発光体ブロックのうちには、2つのハーフブロックを組み合わせて構成された発光体ブロックの他に、1つのハーフブロックのみで構成された発光体ブロックが含まれていてもよい。発光体ブロックB11が1つのハーフブロックのみで構成される場合には、ストローブ側の発光体ドライバ411Sと、デジット上側の発光体ドライバ411DUとを備える一方、デジット下側の発光体ドライバ411DDを備えない構成とすればよい。このように、各発光体ブロックは、ストローブ側の発光体ドライバを1つ備えるとともに、デジット側の発光体ドライバを1つまたは2つ備えるように構成されればよい。
ハーフブロックB11UとハーフブロックB11Dはそれぞれ、発光体の数が同数となるように構成されていればよい。例えば、ストローブ側の発光体ドライバ411Sは、12本のストローブ信号線が接続され、12列に整列配置された複数の発光体を駆動制御するための駆動制御信号となるストローブ信号を出力する。デジット上側の発光体ドライバ411DUとデジット下側の発光体ドライバ411DDはそれぞれ、8本のデジット信号線が接続され、8行に整列配置された複数の発光体を階調制御するための階調データ信号となるデジット信号を出力する。したがって、デジット上側に対応するハーフブロックB11Uとデジット下側に対応するハーフブロックB11Dはいずれも、ストローブ側の12列およびデジット側の8行からなる合計96個の発光体を含むように形成されている。発光体ブロックB11以外の発光体ブロックを構成するハーフブロックについても同様に、合計96個の発光体を含むように形成されていればよい。このように、発光体ブロックを構成するモジュールとしてのハーフブロックは、いずれも同数の発光体を点灯制御できるように構成されていればよい。
なお、1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、合計96個に限定されず、発光体ドライバの仕様や設計などに基づいて予め定められた任意の個数であればよい。例えば、ストローブ信号線を8本構成として、8列に整列配置された複数の発光体を駆動制御する場合には、ストローブ側の8列およびデジット側の8行からなる合計64個の発光体が、1つのハーフブロックに含まれるように形成すればよい。また、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数と、実際に1つのハーフブロックに含まれている発光体の数とは、必ずしも常に一致していなくてもよい。例えば、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数が96個である一方、実際に1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、発光体ユニット71〜74における発光体の配置などにより、96個よりも少なくなる場合があってもよい。このように、複数の発光体が配置された領域を分割した複数のブロックよりも小さいモジュールとしてのハーフブロックごとに、所定数以下の発光体を点灯制御するように構成されていればよい。
点灯データ生成回路142は、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御するための点灯データを生成する。例えば発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データとして、ストローブ信号線ごとに異なるタイミングで複数の発光体を時分割駆動するための制御データを生成する。また、各デジット信号線に接続された複数の発光体に応じたPWM(Pulse Width Modulation)制御により発光色ごとの輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データを生成する。なお、デジット側の発光体ドライバは、PWM制御方式のようにパルス信号の出力期間に応じて発光体の階調制御を行うものに限定されず、例えば一定期間内に出力するパルス信号の数(パルス数)や、パルス信号の振幅(駆動電流値)といった、パルス信号の物理量(パルス量)に応じて発光体の階調制御を行うものであればよい。
各発光体ブロックに対応して設けられたストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データに基づくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。各発光体ブロックに対応して設けられたデジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データに基づくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、発光体ユニット71〜74のそれぞれでは、整列配置された複数の発光体が、ストローブ信号がオンとなる発光駆動期間にてデジット信号に応じたデューティ比で発光して、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、ダイナミック点灯方式(パルス点灯方式、デューティ点灯方式、時分割点灯方式ともいう)により点灯態様を変化させることができる。このように、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとにダイナミック点灯制御を行うように構成することで、発光体駆動部144では、複数の発光体ドライバを用いた点灯制御の並列実行が可能になる。
図13(A)は、各通信経路におけるシリアル通信方式の設定例を示している。以下では、演出制御基板12に搭載された発光体制御回路134から各発光体回路基板61〜64へとシリアルデータを伝送するシリアル信号配線を含む通信経路(信号経路)を第1通信経路と称し、各発光体回路基板61〜64の基板上において、シリアル信号中継装置151から発光駆動部152を構成する各発光体ドライバへとシリアルデータを伝送するシリアル信号配線を含む通信経路(信号経路)を第2通信経路と称する。
図13(A)に示す設定例において、第1通信経路ではシリアル通信方式としてLVDS方式が用いられる一方、第2通信経路ではシリアル通信方式としてSPI(Serial Peripheral Interface)方式が用いられる。このようなシリアル通信方式の相違に対応して、第1通信経路では電源(電圧)が3.3Vであり振幅(電圧)が約0.35Vである一方、第2通信経路では電源(電圧)が5.0Vであり振幅(電圧)が約4.0Vである。したがって、第1通信経路では、電源と振幅の電圧がいずれも第2通信経路よりも低電圧のシリアル信号方式で制御信号が伝送される。すなわち、演出制御基板12に搭載された発光体制御回路134から各発光体回路基板61〜64に対して制御信号をシリアル信号方式で出力するLVDSドライバ144−1〜144−4は、各発光体回路基板61〜64において受信した制御信号を複数系統に分離してシリアル信号方式で各発光体ドライバに出力するシリアル信号中継装置151よりも、低電圧で伝送可能なシリアル信号方式で制御信号を出力する。第1通信経路は、演出制御基板12と各発光体回路基板61〜64とを接続する基板間のシリアル信号配線を含み、配線長が長くなって放射ノイズが発生しやすくなることがある。そこで、第1通信経路では電源と振幅の電圧がいずれも第2通信経路よりも低電圧のシリアル信号方式で制御信号が伝送されることにより、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
また、第1通信経路では基準クロック周波数が10MHzである一方、第2通信経路では基準クロック周波数が2〜4MHzである。したがって、第1通信経路では、データ通信速度が第2通信経路よりも高速のシリアル信号方式で制御信号が伝送される。すなわち、演出制御基板12に搭載された発光体制御回路134から各発光体回路基板61〜64に対して制御信号をシリアル信号方式で出力するLVDSドライバ144−1〜144−4は、各発光体回路基板61〜64において受信した制御信号を複数系統に分離してシリアル信号方式で各発光体ドライバに出力するシリアル信号中継装置151よりも、高速のシリアル信号方式で制御信号を出力する。第1通信経路は、演出制御基板12と各発光体回路基板61〜64とを接続する基板間のシリアル信号配線を含み、配線長が長くなることが多い。そこで、第1通信経路ではデータ通信速度が第2通信経路よりも高速のシリアル信号方式で制御信号が伝送され、各発光体回路基板61〜64に搭載されたシリアル信号中継装置151にて制御信号を複数系統に分離して中継することで、基板間の配線数が増大することを防止して製造コストを抑制するとともに、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
第1通信経路では基準クロックをそのまま用いることでスペクトラム拡散が行われない一方、第2通信経路では基準クロックを周波数変調することによるスペクトラム拡散が行われる。このように、低電圧で伝送可能なシリアル信号方式となるLVDS方式が用いられる第1通信経路では、基準クロックの変調を行わないように設定するのに対し、第2通信経路では、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロック(SSC)を用いたシリアル信号方式で制御信号が伝送される。例えば振幅(電圧)が約0.35Vといった低電圧のシリアル信号方式では、高電圧の場合よりも放射ノイズが抑制されやすいので、スペクトラム拡散を行わなくても放射ノイズが増大しにくくなり、回路構成が簡単になり製造コストの増加を防止することができる。なお、第1通信経路でも、スペクトラム拡散クロックを用いたシリアル信号方式で制御信号が伝送されてもよい。こうしたスペクトラム拡散クロックを用いたシリアル信号方式で制御信号が伝送されることにより、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
図13(B)は、発光体回路基板61〜64の物理的な基板構成例を示している。図13(B)に示す基板構成例において、各発光体回路基板61〜64は、一対の接地導体層となるグランド接続層GND1、GND2の間に、信号配線層となる回路形成層LY1が挟まれた多層構造を有している。このような多層構造を有することにより、各発光体回路基板61〜64からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
各発光体回路基板61〜64は、ケーブルCB1を介して演出制御基板12と接続され、演出制御基板12に搭載された発光体制御部134のLVDSドライバ144−1〜144−4から伝送されるシリアルデータを受信する。ケーブルCB1は、LVDS方式でシリアルデータを伝送することに適した構成を有し、一端に設けられたケーブル側コネクタCN1を、各発光体回路基板61〜64に設置された基板側コネクタCN2に差し込むことで接続される。
図13(C)は、図13(B)に示す断面PVにおけるケーブルCB1の構成例を示している。ケーブルCB1は、電源線V+と、データ線D+と、データ線D−と、接地線GNDとを含んで構成されている。また、ケーブルCB1には、シリアル信号配線を被覆するシールド部材となるシールドSHIと、外部保護皮膜となるシースSHEとが設けられている。シールドSHIによって被覆されるシリアル信号配線には、少なくともデータ線D+およびデータ線D−が含まれていればよい。このように、ケーブルCB1には、シリアル信号配線を被覆するシールド部材が設けられている。これにより、ケーブルCB1からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
ケーブルCB1の長さ(ケーブル長)は、所定の周波数帯における放射ノイズが各種の規制範囲内となるように構成されていればよい。例えば情報処理機器から放射される電磁波の強度は、CISPR(国際無線障害特別委員会)やVCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協会)などにより許容上限値が規制されている。そこで、ケーブルCB1の長さは、演出制御基板12から各発光体回路基板61〜64へと制御信号を伝送するためのシリアル信号方式におけるクロック周波数にマッチングしない配線長としてもよい。より具体的に、シリアル信号方式のクロック周波数における1/4波長の整数倍と合致しないように、ケーブルCB1の長さを設定してもよい。あるいは、各種規制における周波数帯域(例えば150kHzから30MHzの範囲、あるいは320MHzから6GHzの範囲など)における1/4波長の整数倍となる範囲に含まれないように、ケーブルCB1の長さを設定してもよい。このように、シリアル信号配線の共振周波数がシリアル信号方式のクロック周波数などにマッチングしない配線長を有するように構成されてもよい。これにより、ケーブルCB1からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
なお、演出制御基板12に搭載された発光体制御回路134から各発光体回路基板61〜64へとシリアルデータを伝送するシリアル信号配線を含む第1通信経路は、ケーブルCB1によって接続される基板間の配線だけでなく、例えば図13(B)に示す基板側コネクタCN2からLVDSレシーバ150までのシリアル信号配線といった発光体回路基板61〜64の基板内における配線や、演出制御基板12の基板内における配線も含んでいる。すなわち、第1通信経路は、基板間の配線を少なくとも一部に含む信号経路であればよく、基板間の配線のみで構成されるものに限定されない。
図14は、発光体回路基板61〜64のそれぞれにおいて用いられるクロック信号の具体例を示している。各発光体回路基板61〜64では、シリアル信号中継装置151が備える中継制御部151B0の拡散制御部151B1により、基準クロックを周波数変調することによるスペクトラム拡散を行うか否かや、スペクトラム拡散を行う場合におけるクロック変調パラメータが設定される。クロック生成回路151Cは、拡散制御部151B1の設定に応じてスペクトラム拡散クロックを生成することができる。図14に示す例では、発光体回路基板61〜64のそれぞれにおいて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量などの変調設定を異ならせている。例えば図14(A)に示すように、発光体回路基板61では、基準クロックを周波数変調することなく、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックSC1に用いる。一方、図14(B)〜(D)に示すように、発光体回路基板62〜64では、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックを、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックSC2〜SC4に用いる。
図9に示すような発光体制御回路134では、4つの発光体回路基板61〜64に対応して制御信号を出力するためのシリアル出力系統として、4系統の信号出力構成に対応するパラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4やLVDSドライバ144−1〜144−4が設けられている。そして、発光体回路基板61〜64ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、クロック変調パラメータに応じた変調の設定を異ならせることで、4系統のシリアル出力系統ごとに、基準クロックを周波数変調してスペクトラム拡散クロックを生成するための設定を異ならせることができる。このように、シリアル信号配線の系統に応じて異なる周波数変調の設定を行うことにより、発光体回路基板61〜64の全体における放射ノイズを好適に抑制することができる。
図14に示す例では、発光体回路基板61〜64ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量などの変調設定を異ならせている。これに対して、発光体回路基板の基板内でも、シリアルデータを分離して供給する複数系統のシリアル出力系統ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量などの変調設定を異ならせてもよい。例えば図11に示す発光体回路基板61に搭載されたシリアル信号中継装置151のように、シリアルデータを3系統に分離して発光体駆動部152へ供給する場合には、第1系統〜第3系統のシリアル出力系統ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量などの変調設定を異ならせてもよい。このように、発光体回路基板の基板内でも、シリアル信号配線の系統に応じて異なる周波数変調の設定を行うことにより、各発光体回路基板61〜64からの放射ノイズをさらに抑制することができる。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図7に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどに基づいて第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて第1開始条件が成立する。こうして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
遊技領域に向けて発射された遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図7に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて、第2開始条件が成立する。こうして、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。なお、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bでは、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づいて、電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。開放制御や拡大開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態としての拡大開放状態であるときに、第2始動入賞口を遊技球が通過容易または通過可能になる。普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件は、通過ゲート41を通過した遊技球が図7に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて成立する。普図始動条件が成立した後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図7に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、メイン画像表示装置5MAの画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、メイン画像表示装置5MAにおいて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、メイン画像表示装置5MAの画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、大入賞口スイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて遊技状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(「有利遊技状態」ともいう)となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
メイン画像表示装置5MAにおいて、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出が含まれる可変表示をリーチ可変表示という。リーチ態様は、飾り図柄の変動パターンなどに対応して予め複数種類が用意されており、リーチ態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。リーチ演出のうちには、ノーマルのリーチ演出と、ノーマルのリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ演出とが含まれていればよい。そして、メイン画像表示装置5MAの画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
メイン画像表示装置5MAの画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる。加えて、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定と変動パターンの判定結果などに基づいて報知画像を表示するような演出も実行される。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出)される。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、遊技制御プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる遊技制御プロセス処理では、RAM102に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶されればよい。
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、ステップS13の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図16は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用CPU120では、所定の演出制御メイン処理が実行される。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の起動時処理を実行する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。こうしたタイマ割込みフラグをオン状態にする割込みは、演出制御用のタイマ割込みとなる。演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込みが発生するまで待機する。
演出制御用のタイマ割込みが発生してタイマ割込フラグがオンになったときには、これをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。なお、演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。演出制御用のタイマ割込処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上における演出画像の表示動作、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体における点灯動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、発光体ユニット71〜74とは異なる遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった各種発光部材における点灯動作、演出用模型の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図17は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS170〜S176の処理が含まれている。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、メイン画像表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、メイン画像表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像をメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させたり、発光体ユニット71〜74による表示演出を実行させたりすること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態に対応した大当り中演出を実行可能にする。大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行される大当り終了演出(エンディング演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像の表示や果音の出力、各種発光部材の点灯/消灯/点滅、その他の演出動作を制御して、大当り遊技状態の終了に対応した大当り終了演出を実行可能にする。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図18は、図17のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。ステップS401の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS401の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS402)。ステップS402の処理では、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出決定テーブルを用いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様などが決定されればよい。予告演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や演出態様の決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無や演出態様を決定すればよい。
ステップS402の処理に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS403)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS402の処理による予告演出の決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
図19(a)は、演出制御パターンの構成例を示している。図19(a)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミングなどを示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。この実施の形態では、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体による点灯態様を制御する点灯データの作成に用いられる表示データが、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データに付加されている。したがって、表示制御データによりサブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定すれば、発光体ユニット71〜74を構成するように整列配置された複数の発光体による点灯態様も指定することができる。なお、表示制御データにより発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯態様を指定するものに限定されず、表示制御データとは別個の制御データを用いて、複数の発光体における点灯態様が指定されてもよい。
音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体ユニット71〜74以外の各種発光部材における点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、各種発光部材の点灯動作を指定するデータである。
可動部材制御データには、例えば可動部材51〜54を回動させたり移動させたりする可動用モータ60の駆動態様を示すデータといった、可動部材51〜54の動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、可動部材制御データは、可動部材51〜54の回動動作や移動動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタンに対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図19(b)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像をメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる制御を行う。この実施の形態では、表示制御データにより指定される態様で発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体を点灯させて表示演出を実行する制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の各種発光部材を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(メイン画像表示装置5MA、サブ画像表示装置5SU、発光体ユニット71〜74、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9を含む各種発光部材、可動部材51〜54など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、可動部材制御データ#1〜可動部材制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えばVDP130がその指令に示される画像データ(画像要素データ)を画像データメモリ131から読み出してVRAM132Aに一時記憶させる。また、VDP130は、VRAM132Aに記憶されている画像データから、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示画面に応じた画像データを選択し、選択した画像データをピクセルデータに変換するなどしてフレームバッファ132Bの所定位置(画像表示装置5の表示領域における表示位置を示す情報等によって示される位置)に配置する。これにより、フレームバッファ132Bに1画面分の表示データを作成する。このとき、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データには、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するために使用される表示データが付加される。その他、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図18に示すステップS403の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS404)。そして、メイン画像表示装置5MAにおける飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS405)。このときには、例えばステップS404にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP130に対して伝送させることなどにより、メイン画像表示装置5MAの画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図20は、図17のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、各種演出の実行期間であるか否かを判定する(ステップS452)。各種演出の実行期間は、例えば図18に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。各種演出の実行期間ではないときには(ステップS452;No)、可変表示中演出処理を終了する。各種演出の実行期間であるときには(ステップS452;Yes)、演出制御処理を実行してから(ステップS453)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS454)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS454;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS454にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS454;Yes)、例えば表示制御部123のVDP130に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS455)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS456)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS457)、可変表示中演出処理を終了する。
図20に示すステップS453の演出制御処理では、図18に示すステップS403の処理で決定された演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンなど)から演出制御プロセスタイマ値に基づいて読み出されたプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われる。例えば、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判定を行い、タイムアウトしたらプロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う。すなわち、図19(a)に示すようなプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている表示制御データに基づいて、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示制御と、発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体の点灯制御とが行われる。また、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている音声制御データに基づいてスピーカ8L、8Rの音声出力制御が行われる。さらに、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されているランプ制御データに基づいて遊技効果ランプ9や装飾LEDの点灯制御が行われる。プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている可動部材制御データに基づいて可動用モータ60の駆動制御が行われる。その他にも、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている操作検出制御データに基づいてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bによる指示操作の検出制御が行われる。
演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示制御と、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体の点灯制御を行うために、表示制御部123のVDP130に対して各種の表示制御指令を送信する。演出制御用CPU120がVDP130に対して送信する表示制御指令には、例えば転送指令、展開指令、出力指令が含まれていればよい。
転送指令は、画像データメモリ131に記憶されている複数種類の画像データ(画像要素データ)から、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUでの画面表示に用いられる画像データと、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる画像データとを読み出して、VRAM132Aに一時記憶させることを示す。例えば、転送指令は、画像データメモリ131における画像データの読出位置や、画像データを展開記憶させた場合の画像サイズなどを、VDP130に通知するためのデータを含んでいればよい。ここで、画像データメモリ131における画像データの読出位置は、画像データメモリ131における読出アドレスであってもよいし、読出対象となる画像データに対応する画像要素に付された特定情報(例えば画像要素データに対応するキャラクタ画像のキャラクタ番号)などといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
展開指令は、VRAM132Aに一時記憶されている画像データから、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示領域に応じた画像データと、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体に応じた画像データとを選択し、選択した画像データに基づく描画処理を実行して、表示データをフレームバッファ132Bの画像描画領域に作成することを示す。例えば、展開指令は、VRAM132Aに一時記憶されている画像データを指定するためのデータや、フレームバッファ132Bにおける画像要素の配置(設定位置)を指定するためのデータを含んでいればよい。ここで、VRAM132Aに一時記憶されている画像データを指定するためのデータは、VRAM132Aにおける読出アドレスを指定するデータであってもよいし、選択対象となる画像データに対応する画像要素に付された特定情報などといった任意の情報を示すデータであってもよい。
出力指令は、フレームバッファ132Bの画像描画領域と画像表示領域とを切り替え、画像表示領域となった記憶領域に格納されている表示データをメイン表示出力系統やサブ表示出力系統に供給して、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUおよび発光体ユニット71〜74の側に出力することを示す。VDP130は、出力指令を受信するごとに、フレームバッファ132Bから読み出した1画面分の表示データを出力するとともに、垂直同期信号を供給して、垂直同期信号と同じ周期でVブランク割込みを発生させてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、VDP130からのVブランク割込みの発生に同期して、描画に関わる処理を実行すればよい。
演出制御用CPU120は、転送指令や展開指令、出力指令の他にも、各種の表示制御指令を表示制御部123のVDP130に対して送信できればよい。例えば、表示データを出力するために設定されたフレームバッファ132Bの画像表示領域における記憶内容をVRAM132Aに複写することを示す複写指令や、フレームバッファ132Bの画像描画領域における内容とエフェクト用画像に応じた画像データとの間で演算(例えば加算や減算、半透明化処理を実現するための演算など)を行うことを示す描画指令などが、演出制御用CPU120から表示制御部123のVDP130に対して送信されてもよい。
図21は、表示制御部123のVDP130によって実行される画像データ処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す画像データ処理において、VDP130は、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令が転送指令であるか否かを判定する(ステップS701)。そして、転送指令である場合には(ステップS701;Yes)、画像データメモリ131から読み出した画像データをVRAM132Aに書き込んで一時記憶させる(ステップS702)。
ステップS701にて転送指令ではない場合や(ステップS701;No)、ステップS702の処理を実行した後には、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令が展開指令であるか否かを判定する(ステップS703)。そして、展開指令である場合には(ステップS703;Yes)、VRAM132Aにおける指定された記憶領域の画像データを選択してフレームバッファ132Bの画像描画領域に書き込む(ステップS704)。こうしてフレームバッファ132Bの画像描画領域に選択された画像データが書き込まれることなどにより、演出画像の表示や点灯データの生成に用いられる表示データが作成される。VRAM132Aに一時記憶されている画像データを選択するときには、1の画像要素に対応する画像データ(画像要素データ)のうち、一部の画像データだけを抽出(クリッピング)してフレームバッファ132Bに書き込むようにしてもよい。
ステップS703にて展開指令ではない場合や(ステップS703;No)、ステップS704の処理を実行した後には、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令が出力指令であるか否かを判定する(ステップS705)。このとき、出力指令ではない場合には(ステップS705;No)、画像データ処理を終了する。一方、出力指令である場合には(ステップS705;Yes)、フレームバッファ132Bにおける画像描画領域と画像表示領域とを切り替えて、切替後の画像表示領域から表示データを読み出し、メインLCD駆動回路133Aを含むメイン表示出力系統、またはサブLCD駆動回路133Bと発光体制御回路134とを含むサブ表示出力系統に、読み出された表示データを出力する(ステップS706)。
このような画像データ処理を実行することにより、VDP130は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、演出画像の表示に必要なキャラクタ画像データといった各種の画像データを画像データメモリ131から読み出して、VRAM132Aの所定領域に配置する。演出画像を表示するときには、何度も同じキャラクタ画像が繰返し表示されることがある。画像データメモリ131に記憶されている画像データが圧縮されている場合には、これを読み出した後に伸長するための時間を要する。そこで、演出画像の表示を開始する段階で、必要なキャラクタ画像データなどをVRAM132Aの記憶領域に配置することで、各フレームに対応して画像データメモリ131から読出しを行うのに比較して、描画に要する時間を短縮することができる。
演出制御用CPU120は、演出画像の表示が開始された後、Vブランクが発生するごとに、VDP130のアトリビュートレジスタにアトリビュートを設定してから、アトリビュートの読込実行を指示する。これに応じて、VDP130は、アトリビュートを読み込む。この読込みが完了すると、VDP130から演出制御用CPU120に対して読込終了割込信号が出力される。演出制御用CPU120は、読込終了割込信号を受けると、描画処理の実行を指示する。こうして、VDP130は、読み込んだアトリビュートに従ってフレームバッファ132Bに表示データを書き込むことによる描画処理を実行する。
フレームバッファ132Bにおいて画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる複数の記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられている。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置5MAの画面上にて画像表示するための表示データが格納される。例えば、メインフレームバッファには、横方向(X軸方向)に800ドット、縦方向(Y軸方向)に600ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置5SUの画面上にて画像表示するための表示データと、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる表示データとが格納される。例えば、サブフレームバッファには、横方向(X軸方向)に480ドット、縦方向(Y軸方向)に885ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。
図22は、VDP130の描画処理などによる表示データの作成例と出力例を示している。演出画像の表示や表示演出が実行されるときに、VDP130は、スプライト画像の画像データをVRAM132Aから読み出して、メインフレームバッファとサブフレームバッファに表示データを書き込む描画処理を実行する。画像データメモリ131から読み出されてVRAM132Aに一時記憶されるスプライト画像の画像データのうち、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる画像データは、例えば図22(a)に示すように、横方向(X軸方向)に320ドット、縦方向(Y軸方向)に320ドットの画像サイズに対応している。
VDP130は、点灯データ作成用の画像データを、横方向(X軸方向)に80ドット、縦方向(Y軸方向)に80ドットの画像サイズに縮小する。縮小された画像サイズは、複数の発光体が整列配置された発光体ユニット71〜74の解像度に対応している。このように、点灯データ作成用の画像データは、発光体ユニット71〜74の解像度よりも高い解像度を有している。こうして、スーパーサンプリングといったアンチエイリアシング処理を行い、複数の発光体による表示の解像度よりも高い解像度を有する画像データを用いて、点灯データに変換される表示データを作成する。これにより、例えばキャラクタ画像などの輪郭に発生するジャギーを抑制して、発光体ユニット71〜74における表示の円滑性を高めることができる。特に、キャラクタ画像などの演出画像を移動表示させるときには、輪郭部分を円滑に表示して、発光体ユニット71〜74における表示演出の興趣を向上させることができる。なお、画像サイズの縮小は、VDP130による画像データの変形処理や表示データの描画処理において行われてもよいし、所定のスケーラ回路を用いて行われてもよい。スケーラ回路は、フレームバッファ132Bから読み出した表示データの画素数を変換することで、所定の縮小率(例えば1/4)で画像サイズを縮小できればよい。このように、表示データのサイズ変更は、ハードウェア回路によって実現されてもよいし、ソフトウェアとしての所定プログラムを実行することで実現されてもよい。
VDP130は、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて複数の発光体が配置された領域を複数の発光体ブロックに分割したことによる各発光体のブロック割当設定に応じて、表示データの一部移動といった変形処理を行う。例えば図22(b)に示すように、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域に含まれる発光体が、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含められることに対応して、表示データの一部(図22(b)に示す例では「A」を示す画像の上端部分)を切り取り、他の画像位置に移動させる。高機能な描画処理を実行可能なVDP130を用いて表示データの変形処理を実行することにより、発光体制御回路134における点灯データの処理負担を軽減することができる。
フレームバッファ132Bに割り当てられたサブフレームバッファには、例えば図22(c)に示すような表示データが格納される。この表示データは、サブ画像表示用のデータと、発光体制御用のデータとを含み、1フレーム分の画像表示に対応している。サブ画像表示用のデータは、横方向(X軸方向)に480ドット、縦方向(Y軸方向)に800ドットの画像サイズ(サブ画像表示装置5SUの解像度と同一)に対応して、サブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示に用いられる。発光体制御用のデータは、横方向(X軸方向)に80ドット、縦方向(Y軸方向)に80ドットの画像サイズに対応して、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる。
サブフレームバッファに格納される表示データにおいて、サブ画像表示用のデータと、発光体制御用のデータとの間には、例えば5ドットといった、所定のライン数に相当する境界データが設けられている。こうした所定データ量の境界データを設定して、サブ画像表示用のデータと発光体制御用のデータとを離間する。これにより、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示される演出画像の表示データと、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データに変換される表示データとを、容易に分離可能として、点灯データの生成に伴う処理負担を軽減させることができる。
VDP130は、こうしてサブフレームバッファに格納された表示データを、所定順序で読み出してサブ表示出力系統へと出力する。一例として、図22(c)における左上端のドットから水平方向に右上端のドットまで読み出し、続いて1ドット下のデータを同様に読み出す読出動作を、右下端のドットに達するまで繰り返す。こうして表示データを読み出した順にサブ表示出力系統へと出力することで、例えば図22(d)に示すように、まずは所定の第1表示出力期間にてサブ画像表示用のデータが出力され、続いて第1表示出力期間より後の第2表示出力期間にて発光体制御用のデータが出力される。サブ画像表示用のデータと発光体制御用のデータとの間には境界データが設定されているので、サブ画像表示用のデータが出力される第1表示出力期間と、発光体制御用のデータが出力される第2表示出力期間との間に、所定のインターバル期間が設けられる。
サブフレームバッファに格納された表示データは、例えば1フレーム分が1/60秒(約16.7ミリ秒)で出力される。これにより、サブ画像表示装置5SUは、1/60秒のフレーム周期で表示画像を更新することができる。発光体制御用のデータも、サブ画像表示用のデータに付加されていることから、1/60秒の周期で出力される。発光体制御回路134では、サブ表示出力系統へと出力された表示データに含まれる発光体制御用のデータを、信号分離回路140にて分離してバッファメモリ141に一時記憶させる。したがって、バッファメモリ141には、VDP130が1フレーム分の表示データを出力する1/60秒の周期で、表示データのうちから分離された発光体制御用のデータが格納される。
図22(d)に示すように、サブフレームバッファに格納された表示データが出力される期間のうちで、発光体制御用のデータが出力される期間(第2表示出力期間)は、1フレーム分の表示データが出力される全期間(1/60秒間)よりも十分に短くなる。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141に格納されたデータを、例えばサブ画面表示用のデータが出力される期間(第1表示出力期間)といった、バッファメモリ141に対するデータ書込みが行われない残余期間にて読み出し、点灯データへの変換を行うようにすればよい。
点灯データ生成回路142は、例えばサブ画像表示装置5SUといった、LCD(液晶表示装置)を用いた画像表示装置のフレーム周期(1/60秒など)よりも、短い周期で複数の発光体を点灯制御するための点灯データを生成する。具体的な一例として、点灯データ生成回路142は、1/120秒(約8.3ミリ秒)の周期で発光体を点灯制御するための点灯データを生成する。このように、点灯データ生成回路130は、VDP130による表示データの出力周期(1/60秒)よりも短い周期(1/120秒)で発光体の点灯データを生成して、パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4やLVDSドライバ144−1〜144−4により点灯データに基づく制御信号をシリアル通信方式で発光体回路基板61〜64へと出力させる。この場合、バッファメモリ141は、VDP130から出力される1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータ、すなわち、80ドット×80ドットの発光体制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。また、比較的に短い周期で発光体を点灯させることで、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体で実行される表示演出におけるフリッカー(ちらつき)を抑制して、表示演出の興趣を向上させることができる。発光体の点灯制御は、表示データの出力周期に対して1/2の周期で行われるものに限定されず、例えば、より短い周期(例えば1/3の周期など)といった、表示データの出力周期よりも短い任意の周期で行われるものであればよい。
発光体制御回路134は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータがバッファメモリ141に書き込まれる所要時間よりも長い周期で、点灯データ生成回路142によって生成された点灯データに対応する制御信号の出力を行うように設定されてもよい。このように、点灯データに対応する制御信号が出力される周期よりも短い時間で、1フレーム分に対応する発光制御用のデータをバッファメモリ141に一時記憶させる。これにより、1フレーム分に対応する発光制御用のデータを一時記憶できる記憶データ容量のバッファメモリ141を使用した場合でも、点灯データに対応する制御信号の出力周期よりも短い時間で、点灯データの生成を完了させることができる。
なお、バッファメモリ141は、例えば2フレーム分の画像表示に対応した表示データといった、複数フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していてもよい。この場合、バッファメモリ141の記憶領域には、複数のバッファ領域が割り当てられる。各バッファ領域は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。
そして、点灯データ生成回路142は、複数のバッファ領域のうち、1のバッファ領域にてデータ書込みが行われているときに、他のバッファ領域に格納されているデータを読み出し、点灯データへの変換を行うようにしてもよい。具体的な一例として、バッファメモリ141が、2フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを格納できる記憶データ容量を有しているものとする。この場合、バッファメモリ141の記憶領域を2つの領域に分割し、それぞれ第1バッファ領域と第2バッファ領域に割り当てる。そして、VDP130から複数フレームのうちの第1フレームに対応する表示データが出力されている第1フレーム期間では、信号分離回路140にて分離された発光制御用のデータを、第1バッファ領域に書き込んで一時記憶させる。次に、第1フレームに続く第2フレームに対応する表示データが出力される第2フレーム期間では、信号分離回路140にて分離された発光制御用のデータを、第2バッファ領域に書き込んで一時記憶させる。この第2フレーム期間において、点灯データ生成回路142は、第1期間にてデータ書込みが完了した第1バッファ領域に格納されているデータを読み出し、点灯データへの変換を行う。さらに次のフレーム期間では、第1バッファ領域と第2バッファ領域とを切り替えて、データの書込みと、読出データを用いた点灯データの生成(変換)とが行われるようにすればよい。このように、バッファメモリ142は、ダブルバッファ方式で発光制御用のデータを一時記憶して、点灯データへの変換を可能にするものであってもよい。ただし、この場合にはバッファメモリ142の記憶データ容量が増加することに伴い、製造コストも増加するという問題が生じる。一方、発光体制御用のデータが出力される期間を表示データの全出力期間よりも十分に短い時間に設定するとともに、点灯データ生成回路142がVDP130による表示データの出力周期よりも短い周期で発光体の点灯データを生成する場合には、バッファメモリ141の記憶データ容量を低減して、製造コストの増加を防止することができる。
点灯データ生成回路142は、表示データから分離された発光制御用のデータを記憶しているバッファメモリ141の記憶位置(読出アドレスなど)に応じて、そのデータを複数のデータ範囲に区分けする。例えば、バッファメモリ141の記憶領域は、その記憶アドレスなどに応じて、複数のバッファメモリエリアに分割される。点灯データ生成回路142は、いずれのバッファメモリエリアに格納されているデータを読み出したかに基づいて、複数の発光体ブロックB01〜B42のうち、いずれの発光体ブロックに含まれる発光体の点灯データに変換するかを特定する。
図23は、バッファメモリエリアの設定例を示している。図23に示す設定例では、バッファメモリ141の記憶領域を、横方向(X軸方向)にエリアインデックスBX0〜BX7が付与された8つのエリアと、縦方向(Y軸方向)にエリアインデックスBY0〜BY7が付与された8つのエリアとに、区分けしている。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141の読出アドレスなどに基づいて、横方向のエリアインデックスBX0〜BX7と、縦方向のエリアインデックスBY0〜BY7を、1つずつ組み合わせたエリア指定情報(BXi,BYj)として、バッファメモリ141の記憶データがいずれのデータ範囲に属するかを特定できればよい。なお、エリア指定情報(BXi,BYj)における添字i、jは、「0」〜「7」のいずれかであることを示している。
バッファメモリ141に一時記憶された表示データは、複数に区分けされたデータ範囲ごとに、発光体ブロックB01〜B42のいずれかに割り当てられる。点灯データ生成回路142は、予め用意された変換設定情報となるアドレス特定テーブルを参照することで、バッファメモリ141において各発光体ブロックB01〜B42に割り当てられたデータ範囲を特定することができる。アドレス特定テーブルは、点灯データ生成回路142に内蔵または外付されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。
図24は、点灯データ生成回路142によって参照されるアドレス特定テーブルTA1の構成例を示している。アドレス特定テーブルTA1では、発光体ブロックB01〜B42ごとに、1のエリア指定情報または2のエリア指定情報で特定されるバッファメモリエリアが割り当てられている。例えば図24に示された発光体ブロックB01〜B12のうち、発光体ブロックB01〜B08は、デジット上側の発光体ドライバを備える一方、デジット下側の発光体ドライバを備えておらず、1つのハーフブロックのみで構成されている。これに対して、図24に示された発光体ブロックB01〜B12のうち、発光体ブロックB09〜B12は、デジット上側およびデジット下側の発光体ドライバの双方を備えており、2つのハーフブロックの組合せで構成されている。このような発光体ブロックの構成に対応して、発光体ブロックB01〜B08のそれぞれには、1のエリア指定情報で特定される1つのバッファメモリエリアが割り当てられている。1のエリア指定情報は、横方向(X軸方向)のエリアインデックスBX0〜BX7と、縦方向(Y軸方向)のエリアインデックスBY0〜BY7とを、それぞれ1種類ずつ組み合わせて構成される。一方、発光体ブロックB09〜B12のそれぞれには、2のエリア指定情報で特定される2つのバッファメモリエリアが割り当てられている。2のエリア指定情報は、例えば横方向のエリアインデックスBX0〜BX7が1種類と、縦方向のエリアインデックスBY0〜BY7が2種類とを、組み合わせて構成される。
点灯データ生成回路142は、アドレス特定テーブルTA1にてバッファメモリエリアが割り当てられた発光体ブロックB01〜B42ごとに、点灯データを供給するシリアル信号配線の系統や供給順序を決定すればよい。例えば発光体回路基板61が発光体ブロックB01〜B15に含まれる発光体の発光状態を制御する場合、点灯データ生成回路142は、アドレス特定テーブルTA1にて発光体ブロックB01〜B15に割り当てられたバッファメモリエリアの記憶データに基づいて生成した点灯データを、発光体回路基板61に対応する第1組の信号出力構成であるパラレル−シリアル変換回路143−1およびLVDSドライバ144−1へ供給することに決定する。また、発光体回路基板61では、例えば図11に示すようなシリアル信号中継装置151においてシリアルデータを3系統に分離して、各系統のシリアル信号配線を介したデイジーチェーン方式で接続されている複数の発光体ドライバへと伝送される。このような構成を考慮して、点灯データ生成回路142では、点灯データの供給順序が決定されればよい。より具体的に、発光体回路基板61で第1系統に対応するシリアル信号配線に接続された終端の発光体ドライバである発光体ブロックB06のデジット側の発光体ドライバに対する点灯データを最初に供給し、続いて発光体ブロックB06のストローブ側の発光体ドライバに対する点灯データを供給する。次に、発光体ブロックB06に対応する発光体ドライバの前段に接続された発光体ブロックB05の発光体ドライバに対する点灯データを供給し、以降は同様に、終端の発光体ドライバから前段の発光体ドライバに向かう順に点灯データを供給すればよい。
また、点灯データ生成回路142によって生成される点灯データには、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光素子の階調制御量を示す階調データが含まれている。例えば、階調データは、PWM制御におけるパルス信号の出力期間(パルス幅)を、階調制御量として示すものであればよい。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141から読み出された表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)に基づいて、予め用意された色変換設定情報となる点灯データ生成テーブルを参照することで、階調制御量を示す階調データを生成する。点灯データ生成テーブルは、予め複数種類が用意され、所定の選択設定に基づいて、いずれかの点灯データ生成テーブルが使用テーブルとして選択される。
図25(a)は、点灯データ生成テーブルの選択設定例を示している。この設定例では、各発光体に含まれる発光素子の発光色ごとに、異なる点灯データ生成テーブルが選択される。例えば発光体ブロックB01〜B06の場合に、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR01が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG01が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB01が選択される。それぞれの点灯データ生成テーブルは、VDP130が作成した表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)を、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量に変換するテーブルデータなどを含んで構成されていればよい。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141から読み出した表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)に基づいて、選択された点灯データ生成テーブルを参照することにより、点灯データで指定される階調制御量を決定する。
こうした点灯データ生成回路142が点灯データを生成するために参照する点灯データ生成テーブルは、点灯データ生成回路142に内蔵または外付されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)と、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量との対応関係は、各発光色に対応する発光素子の特性(例えば発光効率)やホワイトバランスなどを考慮して、予め決定されていればよい。一例として、各発光体を構成する発光素子となる発光ダイオードは、印加電圧が所定値に達すると、急激に電流量が増加する非線形特性を有している。したがって、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例した階調制御量に変換すると、例えば白飛びや黒潰れといった、複数の発光体による表示演出の不都合が生じてしまうおそれがある。そこで、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光色に対応した発光素子が、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)と同等の発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておく。また、発光素子の特性は、発光色に応じて異なることがある。そこで、発光体を構成する各発光素子の発光色に応じて、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)との対応関係が異なる階調制御量に変換されるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておく。
図25(a)に示す設定例では、発光体ブロックに応じて、異なる点灯データ生成テーブルが選択されることがある。例えば発光体ブロックB01〜B06の場合には、発光色に応じて点灯データ生成テーブルTR01、TG01、TB01のそれぞれが選択される。一方、発光体ブロックB07、B08、B15の場合には、発光色に応じて点灯データ生成テーブルTR02、TG02、TB02のそれぞれが選択される。
このように、各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置に応じて異なる点灯データ生成テーブルを用いて、表示データを点灯データに変換する。発光体ユニット71〜74のそれぞれでは、複数の発光体が整列配置された領域の広さや、各発光体ユニットの前後関係などにより、複数の発光体それぞれの配置に応じて、同一階調で発光させても遊技者には異なる印象を与える場合がある。そこで、各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置によらず、同一の表示色に対応して可能な限り均一に近い印象を与えられる発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておく。
図25(b)は、表示データで示される各表示色の階調数と、点灯データに含まれる階調データに基づく発光体の階調制御による各発光色の階調数との比較を示している。点灯データ生成回路142によって生成される点灯データは、変換に用いた表示データに基づいて表示される画像の階調数よりも少ない階調数に対応している。VDP130から出力されてバッファメモリ141に一時記憶される表示データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「255」のうちいずれかのレベルとなるように、256段階で階調制御を可能にする。このように、VDP130から出力される表示データに基づいて表示される画像の階調数は「256」である。点灯データ生成回路142によって生成される点灯データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「63」のうちいずれかのレベルとなるように、64段階で階調制御を可能にする。このように、点灯データ生成回路142によって生成される点灯データは、「256」よりも少ない「64」の階調数を示している。
こうして、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)だけでなく、発光体を構成する複数の発光素子ごとの発光特性や、複数の発光体の配置などに応じて、それぞれの発光体に応じた階調制御量を示す階調データが生成される。これにより、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んだ発光体が、発光体ユニット71〜74の所定領域にて整列配置されている場合でも、色の再現性を高めて演出の興趣を向上させる。点灯データ生成回路142は、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバに供給する階調データが含まれる点灯データを生成して、パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4やLVDSドライバ144−1〜144−4により発光体回路基板61〜64へと出力させる。
さらに、点灯データ生成回路142によって生成される点灯データには、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御する駆動制御データが含まれている。点灯データ生成回路142は、生成された点灯データを供給するシリアル信号配線の系統や供給順序の決定結果に応じて、パラレル−シリアル変換回路143−1〜143−4やLVDSドライバ144−1〜144−4により発光体回路基板61〜64へと出力させる。
発光体回路基板61〜64では、LVDSレシーバ150により受信したシリアルデータを、シリアル信号中継装置151において複数系統に分離して発光体駆動部152に供給する。このとき、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックSC1〜SC4は、発光体回路基板61〜64ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量の設定を異ならせている。シリアル信号中継装置151のクロック生成回路151Cにより生成されたシリアルクロックは、シリアル信号配線を介して、発光体駆動部152に含まれる複数の発光体ドライバのそれぞれに供給される。各発光体ドライバは、シリアルクロックに同期して伝送されたシリアルデータを受信する。
このように、発光体回路基板61〜64ごとに、シリアルクロックSC1〜SC4のスペクトラム拡散に関する設定が異なることから、駆動制御データや階調データを含む制御信号が各発光体ドライバへと伝送されるタイミングを、発光体回路基板61〜64に対応する複数系統のシリアル信号配線ごとに異ならせることができる。同一のタイミングで制御信号を出力した場合には、発光体駆動部152に含まれる多数の発光体ドライバによって、同一のタイミングで多数の発光体の点灯制御が開始されることがある。この場合、短期間で大量の駆動電流が突入電流となって流れることで、放射ノイズが発生するおそれがある。また、大量の駆動電流を生成するための電源回路が必要となることに伴い、製造コストが増加する場合もある。これに対して、シリアルデータとなる制御信号を、発光体回路基板61〜64に対応する複数系統のシリアル信号配線ごとに異なるタイミングで出力することにより、突入電流の発生を抑制して、放射ノイズの発生や製造コストの増加を防止することができる。なお、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックをスペクトラム拡散することに加えて、各発光体ドライバが備えるシフトレジスタの格納データをラッチしてデータバッファに一時記憶させる取込タイミングを、発光体回路基板61〜64に対応する複数系統のシリアル信号配線ごとに異ならせてもよい。
発光体駆動部152において、各発光体ドライバは、受信したシリアルデータをシフトレジスタに格納し、シリアルクロックに応じて順次シフト動作を行う。また、シフトレジスタに格納された最終ビットを出力して、デイジーチェーン方式で接続された後段の発光体ドライバへと伝送させる。こうしてデイジーチェーン方式で接続された全部の発光体ドライバにシリアルデータが伝送された後、取込タイミングに達することでシフトレジスタの格納データをラッチしてデータバッファに一時記憶することで、シリアルデータをパラレルデータに変換し、これに基づく発光体の点灯制御を行う。例えばストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データに基づくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。また、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データに基づくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体のダイナミック点灯制御を行い、演出可動機構50を構成する可動部材51〜54が備える発光体ユニット71〜74のそれぞれにて、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が行われる。
演出可動機構50による具体的な表示演出の一例として、上側機構50Tと下側機構50Bとが離間してメイン画像表示装置5MAの表示画面が視認可能な退避状態(第1状態)では、遊技者が視認可能な可動部材51〜54に配置された複数の発光体を用いた表示演出を、メイン画像表示装置5MAによる表示演出に連動させて実行する。退避状態のときには、可動部材51、52が上方に位置するとともに下側機構50Bの可動部材53、54が下方に位置している。このように可動部材51〜54が回動動作していない退避状態のとき(停止しているとき)には、複数の発光体のうちで、パチンコ遊技機1の前方から視認可能な発光体のみを点灯制御する。これにより、電力消費を低減することができる。こうした発光体の点灯制御による表示演出としては、例えば文字やシンボルを表示させたり、複数の発光体における点滅や発光色を所定順序で移動させて、メイン画像表示装置5MAによる可変表示に合わせた可変表示演出などが実行されてもよい。また、リーチ演出が実行されるときには、可動部材51〜54の少なくとも1つを可動(振動、進出など)させたり、複数の発光体を用いて「リーチ」などの文字やシンボルを表示してもよい。
一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが近接してメイン画像表示装置5MAの表示画面が視認困難または視認不可能な進出状態(第2状態)では、可動部材51〜54に配置された複数の発光体をすべて用いた表示演出を、メイン画像表示装置5MAによる表示演出に連動させて、あるいはメイン画像表示装置5MAによる表示演出とは別個独立に、実行する。進出状態のときには、上側機構50Tにおける装飾部材57の下方への移動に伴って可動部材51、52が回動するとともに下側機構50Bの可動部材53、54が上方に位置している。このように可動部材51〜54が回動動作している進出状態のとき(動作しているとき)には、複数の発光体をすべて点灯制御する。
図26は、演出可動機構50による「7」の数字を象った表示演出の実行例を示している。このように、上側機構50Tと下側機構50Bとが近接した進出状態(第2状態)のときには、可動部材51〜54のそれぞれで複数の発光体の配列方向が同一方向に一致する。したがって、可動部材51〜54で一体の表示演出を実行するときに、表示形式の円滑性を高めて表示演出を実行することができる。可動部材51〜54における一体の表示演出としては、可動部材51〜54にて複数の発光体が整列配置された領域をすべて用いて、例えば文字、図形、記号などのシンボル、キャラクタやそのシルエットなどの表示をすることができる。
可動部材51〜54における一体の表示演出は、上側機構50Tと下側機構50Bとが退避状態から進出状態へと変化する前または変化している最中に、開始されてもよい。このように、可動部材51〜54が回動しているときには、パチンコ遊技機1の前方から視認可能か否かにかかわらず、複数の発光体をすべて点灯させて表示演出を実行すればよい。これにより、可動部材51〜54の回動動作の演出効果を大きくすることができる。また、パチンコ遊技機1の前方から視認可能か否かにかかわらず複数の発光体をすべて点灯させることで、簡易な制御によって、点灯制御を行っていない発光体が遊技者に視認されてしまうのを抑制できる。
発光体回路基板61〜64のそれぞれに搭載されたシリアル信号中継装置151では、中継制御部151B0において、スペクトラム拡散クロックを生成するための変調設定が行われるとともに、シリアル信号の出力制御が行われる。これらの変調設定と出力制御とを行うために、中継制御部151B0では、周波数変調設定処理と信号出力制御処理とが実行される。周波数変調設定処理および信号出力制御処理は、中継制御部151B0において、例えば拡散制御部151B1と出力制御部151B2とにより並行して実行されてもよいし、逐次処理として順次に実行されてもよい。
図27は、中継制御部151B0において実行される周波数変調設定処理の一例を示すフローチャートである。中継制御部151B0では、例えば拡散制御部151B1により周波数変調設定処理が実行されることで、クロック生成回路151Cにて生成される駆動クロックの周波数(クロック周波数)を変調して周波数スペクトラムを拡散するための設定が行われる。
図27に示す周波数変調設定処理では、まず、変調設定実行条件が成立したか否かを判定する(ステップS201)。変調設定実行条件は、クロック生成回路151Cによりクロック信号の周波数を変調させるための設定を行う条件として、予め定められていればよい。例えば所定時間が経過した場合や、可変表示の実行回数が所定回数に達したこと、大当り遊技状態が終了したことなど、パチンコ遊技機1における遊技制御の進行に応じた特定の遊技制御タイミングとなった場合、発光体ユニット71〜74を点灯させることによる演出の実行回数が所定回数に達したこと、デモンストレーション表示が行われたことなど、パチンコ遊技機1における演出制御の進行に応じた特定の演出制御タイミングとなった場合、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせた特定タイミングとなった場合に、変調設定実行条件が成立すればよい。
あるいは、変調設定実行条件は、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯輝度が第1基準量よりも高くなる場合または第2基準量よりも低くなる場合に、成立するようにしてもよい。点灯輝度が高い場合には、発光体ユニット71〜74の点灯による消費電力が増加する。点灯輝度が低い場合には、発光体ユニット71〜74の点灯による消費電力が減少する。消費電力が減少したときには、放射ノイズが増大しにくいので、スペクトラム拡散を行わない設定、または拡散量を少量の第1拡散量とする設定を行うための変調設定実行条件が成立してもよい。これに対して、消費電力が増加したときには、放射ノイズが増大しやすくなるので、スペクトラム拡散を行う設定、または拡散量を第1拡散量よりも多い第2拡散量とする設定を行うための変調設定実行条件が成立してもよい。
ステップS201にて変調設定実行条件が成立したと判定された場合には(ステップS201;Yes)、演出制御状態を特定する(ステップS202)。ステップS202にて特定される演出制御状態には、初期制御状態、通常制御状態、省エネ制御状態が含まれていればよい。初期制御状態は、電源投入後に演出制御の初期設定を行う制御状態であり、シリアル信号の出力が行われない制御状態である。通常制御状態は、初期設定が行われた後に演出装置を用いて通常の各種演出を実行可能な制御状態であり、信号出力実行条件の成立に基づいてシリアル信号の出力が行われる制御状態である。省エネ制御状態は、消費電力が通常制御状態よりも少なくなるように、演出装置の動作を停止あるいは動作量を低下させる制御状態であり、シリアル信号の出力が行われない制御状態である。通常制御状態となった後に、例えば遊技が行われることなく所定時間が経過した場合など、予め定められた省エネ制御期間になると、演出制御状態が通常制御状態から省エネ制御状態へと切り替えられる。省エネ制御状態となった後には、例えば遊技が開始された場合などに、演出制御状態が省エネ制御状態から通常制御状態へと切り替えられる。省エネ制御状態では、例えば発光体ユニット71〜74の点灯による演出を行わないようにするなど、消費電力量の範囲を定めるとともに演出装置の動作に限界を定めることで、演出装置による演出の実行に制限が設けられる。
その後、ステップS202にて特定された演出制御状態は、通常制御状態であるか否かを判定する(ステップS203)。このとき通常制御状態であると判定された場合には(ステップS203;Yes)、信号出力中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。信号出力中フラグは、シリアル信号が出力中である場合にオンとなり、シリアル信号の出力が停止されている場合にオフとなる。より具体的に、信号出力中フラグは、図28に示された信号出力制御処理のステップS223によりオン状態にセットされ、ステップS232によりクリアされてオフ状態となる。
ステップS203にて通常制御状態とは異なる演出制御状態であると判定された場合や(ステップS203;No)、ステップS204にて信号出力中フラグがオフであると判定された場合には(ステップS204;No)、変調設定中フラグをオン状態にセットする(ステップS205)。続いて、変調設定データを読み出す(ステップS206)。変調設定データは、中継制御部151B0などに内蔵されたROMといったデータメモリに予め記憶されていればよい。変調設定データとして、クロック変調パラメータに応じて異なる値を示す複数のデータが予め用意されていればよい。
ステップS206による読出データは、クロック生成回路151Cにセットされる(ステップS207)。例えば、ステップS206にて読み出された変調設定データは、クロック生成回路151Cの内蔵レジスタにセットされる。これにより、クロック変調パラメータの設定が行われる。このときには、変調設定中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS208)。
ステップS208に続いて、変調設定待機フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS209)。変調設定待機フラグは、ステップS204にて信号出力中フラグがオンであると判定された場合に、ステップS211においてオン状態にセットされる。ステップS209にて変調設定待機フラグがオフであると判定された場合には(ステップS209;No)、ステップS201に戻る。ステップS209にて変調設定待機フラグがオンであると判定された場合には(ステップS209;Yes)、変調設定待機フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS210)、ステップS201に戻る。
ステップS204にて信号出力中フラグがオンであると判定された場合には(ステップS204;Yes)、変調設定待機フラグをオン状態にセットしてから(ステップS211)、ステップS201に戻る。
ステップS201にて変調設定実行条件が成立していないと判定された場合には(ステップS201;No)、変調設定待機フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS212)。このとき、変調設定待機フラグがオフであると判定された場合には(ステップS212;No)、ステップS201に戻る。これに対し、変調設定待機フラグがオンであると判定された場合には(ステップS212;Yes)、ステップS204に進み、信号出力中フラグがオフであればクロック生成回路151Cの設定を可能にする。
図28は、中継制御部151B0において実行される信号出力制御処理の一例を示すフローチャートである。中継制御部151B0では、例えば出力制御部151B2により信号出力制御処理が実行されることで、クロック生成回路151Cにて生成された駆動クロックを用いてシリアル信号を出力するための制御が行われる。
図28に示す信号出力制御処理では、まず、信号出力実行条件が成立したか否かを判定する(ステップS221)。信号出力実行条件は、シリアル信号中継装置151から発光体駆動部152を構成する複数の発光体ドライバに対してシリアル信号を出力するための条件として、予め定められていればよい。例えばシリアルデータバッファ回路151Aに一時記憶されたシリアルデータが特定の記憶量に達したことや、クロック生成回路151Cによる駆動クロックの生成が開始されたことなど、シリアル信号を出力可能な特定の信号出力タイミングとなった場合に、信号出力実行条件が成立すればよい。
ステップS221にて信号出力実行条件が成立したと判定された場合には(ステップS221;Yes)、変調設定中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS222)。変調設定中フラグは、クロック生成回路151Cによりクロック信号を周波数変調させるための設定が行われている場合にオンとなり、このような設定が行われていない場合にオフとなる。より具体的に、変調設定中フラグは、図27に示された周波数変調設定処理のステップS205によりオン状態にセットされ、ステップS208によりクリアされてオフ状態となる。
ステップS222にて変調設定中フラグがオフであると判定された場合には(ステップS222;No)、信号出力中フラグをオン状態にセットする(ステップS223)。続いて、シリアル信号の出力を開始させるための制御を行う(ステップS224)。例えば出力制御部151B2は、シリアル信号中継装置151に設けられたシリアル信号の出力回路を制御して、シリアルデータバッファ回路151Aに一時記憶されているシリアルデータの読出しを開始させ、クロック生成回路151Cから供給される駆動クロックを用いたシリアル信号の出力を可能にする。
ステップS224による制御が行われた後には、信号出力待機フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS225)。信号出力待機フラグは、ステップS222にて変調設定中フラグがオンであると判定された場合に、ステップS227においてオン状態にセットされる。ステップS225にて信号出力待機フラグがオフであると判定された場合には(ステップS225;No)、ステップS221に戻る。ステップS225にて信号出力待機フラグがオンであると判定された場合には(ステップS225;Yes)、信号出力待機フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS226)、ステップS221に戻る。
ステップS222にて変調設定中フラグがオンであると判定された場合には(ステップS222;Yes)、信号出力待機フラグをオン状態にセットしてから(ステップS227)、ステップS221に戻る。
ステップS221にて信号出力実行条件が成立していないと判定された場合には(ステップS221;No)、信号出力待機フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS228)。このとき、信号出力待機フラグがオンであると判定された場合には(ステップS228;Yes)、ステップS222に進み、変調設定中フラグがオフであればシリアル信号の出力を可能にする。
ステップS228にて信号出力待機フラグがオフであると判定された場合には(ステップS228;No)、信号出力中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS229)。このとき、信号出力中フラグがオフであると判定された場合には(ステップS229;No)、ステップS221に戻る。ステップS229にて信号出力中フラグがオンであると判定された場合には(ステップS229;Yes)、シリアル信号の出力が完了したか否かを判定する(ステップS230)。このとき、信号出力が完了していないと判定された場合には(ステップS230;No)、ステップS221に戻る。
ステップS230にて信号出力が完了したと判定された場合には(ステップS230;Yes)、シリアル信号の出力を終了させる制御を行う(ステップS231)。このときには、シリアル信号中継装置151に設けられたシリアル信号の出力回路に対する電源電圧の供給を停止することで、消費電力の増大を防止してもよい。ステップS231による制御が行われた後には、信号出力中フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS232)、ステップS221に戻る。
図29は、クロック変調パラメータの設定に応じて周波数変調における中心周波数と拡散量を変更可能とした変調プロファイルの設定例を示している。変調プロファイルは、時間に対するクロック信号の周波数変化を示している。図29(A)は、周波数変調における中心周波数が基準クロックの周波数(基準周波数)と共通になるセンタースプレッドの場合を示している。図29(B)は、周波数変調における中心周波数が基準周波数よりも低下するダウンスプレッドの場合を示している。図29に示す設定例では、クロック変調パラメータに応じた拡散量の設定として、例えば周波数変調率(拡散率)を±0.5%、±1.0%、±1.5%、±2.0%のいずれかといった、複数種類の拡散量から選択して設定できればよい。
図29(A)に示すセンタースプレッドの場合には、周波数変調における中心周波数fc0が、基準クロックの周波数である基準周波数frと共通(同一)になっている。この場合のうちで、変調プロファイルPR01は周波数変調率(拡散率)が±0.5%に設定され、変調プロファイルPR02は周波数変調率(拡散率)が±1.0%に設定され、変調プロファイルPR03は周波数変調率(拡散率)が±1.5%に設定され、変調プロファイルPR04は周波数変調率(拡散率)が±2.0%に設定されている。
図29(B)に示すダウンスプレッドの場合には、周波数変調における中心周波数fc1〜fc4がいずれも、基準周波数frよりも低下している。この場合のうちで、変調プロファイルPR11は中心周波数がfc1で周波数変調率(拡散率)が±0.5%に設定され、変調プロファイルPR12は中心周波数がfc2で周波数変調率(拡散率)が±1.0%に設定され、変調プロファイルPR13は中心周波数がfc3で周波数変調率(拡散率)が±1.5%に設定され、変調プロファイルPR14は中心周波数がfc4で周波数変調率(拡散率)が±2.0%に設定されている。
なお、変調プロファイルに対応する中心周波数と周波数変調率(拡散率)の設定は、図29(A)、(B)に示された場合のものに限定されず、クロック生成回路151Cの仕様に応じて任意に設定できるものであればよい。図27に示すステップS206、S207では、変調プロファイルに対応する中心周波数や周波数変調率(拡散率)の設定に応じた変調設定データを読み出して、クロック変調パラメータがクロック生成回路151Cにセットされるようにすればよい。
図27に示す周波数変調設定処理では、ステップS203にて通常制御状態ではないと判定された場合に、そのままステップS205に進み、ステップS206、S207の処理によりクロック変調パラメータなどの設定を可能にする。初期制御状態や省エネ制御状態といった、通常制御状態とは異なる演出制御状態である場合には、シリアル信号の出力が行われない。そこで、初期制御状態や省エネ制御状態である期間のように、シリアル信号中継装置151からシリアル信号を出力することによるシリアルデータの送信が行われない期間では、中継制御部151B0の拡散制御部151B1などにより、クロック変調パラメータの設定といったクロック信号の周波数変調を実行可能にする設定が行われる。
一方、図27に示すステップS203にて通常制御状態であると判定された場合には、ステップS204にて信号出力中フラグがオンであるか否かを判定する。このとき、シリアル信号を出力中であるために信号出力中フラグがオンである場合には、ステップS211にて変調設定待機フラグをオン状態にセットして待機する。その後、ステップS204にて信号出力中フラグがオフであると判定されたときに、ステップS205に進み、ステップS206、S207の処理によりクロック変調パラメータなどの設定を可能にする。このように、通常制御状態である場合には、ステップS204にて信号出力中フラグがオフであると判定されて、シリアル信号中継装置151から発光体駆動部152に対して制御信号をシリアル信号方式で出力することによる送信が行われていないと判定されたときに、中継制御部151B0の拡散制御部151B1などにより、クロック変調パラメータの設定といったクロック信号の周波数変調を実行可能にする設定が行われる。すなわち、制御信号の送信が終了したと確認されたことを条件に、周波数変調を実行可能にする設定が行われる。また、制御信号の送信が終了した後に、周波数変調を実行可能にする設定が行われる。シリアル信号中継装置151による制御信号の送信が送信実行期間にて行われる場合に、その送信実行期間が終了したと判定されたときに、周波数変調を実行可能にする設定が行われる。
他方、図28に示す信号出力制御処理では、ステップS221にて信号出力実行条件が成立したと判定された場合に、ステップS222にて変調設定中フラグがオンであるか否かを判定する。このとき、周波数変調を実行可能にする設定が行われているために変調設定中フラグがオンである場合には、ステップS227にて信号出力待機フラグをオン状態にセットして待機する。その後、ステップS222にて変調設定中フラグがオフであると判定されたときに、ステップS223に進み、ステップS224の処理によりシリアル信号の出力を開始させる制御を行う。このように、シリアル信号を出力する場合には、ステップS222にて変調設定中フラグがオフであると判定されて、中継制御部151B0の拡散制御部151B1などによる周波数変調の設定が終了した後に、中継制御部151B0の出力制御部151B2などにより、シリアル信号を出力させて発光体駆動部152への制御信号をシリアル信号方式で送信する。すなわち、周波数変調の設定が行われていないと判定されたときに、制御信号を送信する。また、周波数変調の設定が終了したと確認されたことを条件に、制御信号を送信する。駆動クロックの周波数変調に関する設定が変調設定期間にて行われる場合に、その変調設定期間が終了した後に、制御信号を送信する。
図30は、変調設定と信号出力の実行例を示すタイミング図である。図30に示すタイミングT01では、図30(A)に示す演出制御状態が初期制御状態であり、シリアル信号の出力が行われない。このとき、図30(B)に示すように変調設定実行条件が成立すると(図27のステップS201;Yes)、演出制御状態が通常制御状態とは異なる初期制御状態であるので(図27のステップS203;No)、図30(C)に示すように変調設定中フラグをオン状態にセットするとともに(図27のステップS205)、図30(D)に示すようにクロック生成回路151Cでは周波数変調を実行可能にする設定が行われる(図27のステップS206、S207)。
その後、タイミングT02にて図30(A)に示す演出制御状態が初期制御状態から通常制御状態に切り替わり、図30(E)に示すように信号出力実行条件が成立すると(図28のステップS221;Yes)、図30(C)に示すように変調設定中フラグがオフであるので(図28のステップS222;No)、図30(F)に示すように信号出力中フラグをオン状態にセットするとともに(図28のステップS223)、図30(G)に示すようにシリアル信号の出力を開始して制御信号を送信する(図28のステップS224)。
タイミングT03にて図30(B)に示すように変調設定実行条件が成立したときには、図30(A)に示す演出制御状態が通常制御状態であり(図27のステップS203;Yes)、図30(F)に示すように信号出力中フラグがオンになっているので(図27のステップS204;Yes)、クロック生成回路151Cの設定は変更されない。続いて、タイミングT04にて図30(G)に示すようにシリアル信号の出力が終了し、図30(F)に示す信号出力中フラグがオフになると(図27のステップS204;No)、クロック変調パラメータなどの設定が可能になり、クロック生成回路151Cの設定を変更することができる。
タイミングT05にて図30(B)に示すように変調設定実行条件が成立したときには、図30(A)に示す演出制御状態が通常制御状態であり、図30(F)に示すように信号出力中フラグがオフになっているので、直ちにクロック変調パラメータなどの設定が可能になり、クロック生成回路151Cの設定を変更することができる。次に、タイミングT06にて図30(E)に示すような信号出力実行条件が成立したときには、図30(C)に示すように変調設定中フラグがオンであるので(図28のステップS222;Yes)、シリアル信号の出力は開始されない。続いて、タイミングT07にて図30(D)に示すクロック生成回路151Cにおける周波数変調の設定が終了し、図30(C)に示す変調設定中フラグがオフになると(図28のステップS222;No)、シリアル信号の出力が可能になり、制御信号を送信することができる。
タイミングT08では、図30(A)に示す演出制御状態が省エネ制御状態であり、シリアル信号の出力が行われない。このとき、図30(B)に示すように変調設定実行条件が成立すると、演出制御状態が通常制御状態とは異なる省エネ制御状態であるので、図30(C)に示すように変調設定中フラグをオン状態にセットするとともに、図30(D)に示すようにクロック生成回路151Cではクロック変調パラメータなどの設定が可能であり、クロック生成回路151Cの設定を変更することができる。
このように、図11に示すような発光体回路基板61などに設けられたシリアル信号中継装置151が備える中継制御部151B0では、例えば拡散制御部151B1により周波数変調といった変調方式の設定が行われ、出力制御部151B2により制御信号をシリアル信号方式で出力して発光体駆動部152へと送信するための制御が行われる。そして、例えば初期制御状態や省エネ制御状態といった、演出制御状態が通常制御状態とは異なりシリアル信号が出力されず制御信号が送信されない状態である期間に、クロック生成回路151Cに対するクロック変調パラメータなどの設定を行う。これにより、例えばシリアル信号を出力するための初期設定を行う前でも、クロック生成回路151Cによる駆動クロックの周波数変調に関する設定を行うことができる。
演出制御状態が通常制御状態である場合には、クロック生成回路151Cの設定が終了した後に、制御信号をシリアル信号方式で送信する。また、制御信号の送信が行われていないと判定されたときに、クロック生成回路151Cの設定を行う。これにより、クロック変調パラメータの設定といった駆動クロックの周波数変調に関する設定と、シリアル信号方式での制御信号の送信とが、同一期間にて競合することによる送信動作の不安定を回避して、変調方式の設定を確実に行うことができるとともに、制御信号の送信を確実に行うことができる。
図27に示す周波数変調設定処理のステップS201では、例えば中継制御部151B0の拡散制御部151B1により、変調設定実行条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定されたことに基づいてステップS206、S207によるクロック変調パラメータなどの設定を可能にする。このように、発光体回路基板61〜64のそれぞれに搭載されたシリアル信号中継装置151では、中継制御部151B0の拡散制御部151B1などにより、演出制御基板12から特別なコマンド(制御指令)を受けることなく、クロック変調パラメータなどの設定を行うことが決定されてもよい。あるいは、中継制御部151B0の拡散制御部151B1などでは、演出制御基板12から伝送された特別なコマンド(制御指令)を受けることにより、クロック変調パラメータなどの設定を行うことが決定されてもよい。
図28に示す信号出力制御処理のステップS221では、例えば中継制御部151B0の出力制御部151B2により、信号出力実行条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定されたことに基づいてステップS224によるシリアル信号の出力を開始する制御を可能にする。このように、発光体回路基板61〜64のそれぞれに搭載されたシリアル信号中継装置151では、中継制御部151B0の出力制御部151B2などにより、演出制御基板12から特別なコマンド(制御指令)を受けることなく、制御信号をシリアル信号方式で送信することが決定されてもよい。あるいは、中継制御部151B0の出力制御部151B2などでは、演出制御基板12から伝送された特別なコマンド(制御指令)を受けることにより、制御信号をシリアル信号方式で送信することが決定されてもよい。
発光体制御回路134は、VDP130により作成された表示データの一部を用いて、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて整列配置された複数の発光体を点灯制御する点灯データを生成し、発光体ブロックB01〜B42ごとにダイナミック点灯制御を行う。したがって、VDP130は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上における演出画像の表示データと同様に、汎用の表示データを作成して出力することで、演出可動機構50による表示演出の実行内容を設定できるので、回路構成が複雑化することを抑制しつつ、多様な演出の実行による興趣を向上させることができる。
また、演出制御基板12の表示制御部123に設けられた発光体制御回路134が備えるLVDSドライバ144−1〜144−4や、発光体回路基板61〜64に搭載されたシリアル信号中継装置151は、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における発光状態を制御するための制御信号をシリアル信号方式で複数の発光体ドライバに向けて送信する。ここで、例えばシリアル信号中継装置151では、クロック生成回路151Cが基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックを用いて、制御信号をシリアル信号方式で発光体駆動部152の各発光体ドライバに送信することにより、放射ノイズを抑制できる。
演出制御基板12に搭載された発光体制御回路134から各発光体回路基板61〜64へとシリアルデータを伝送するシリアル信号配線を含む第1通信経路では、LVDS方式といった低電圧のシリアル信号方式で制御信号を伝送する。各発光体回路基板61〜64に搭載されたシリアル信号中継装置151は、第1通信経路を介して受信した制御信号を複数系統に分離して、SPI方式といったシリアル信号方式で複数の発光体ドライバに向けて送信する。このように、第1通信経路では、低電圧で伝送可能なシリアル信号方式で制御信号を伝送することにより、放射ノイズを抑制できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示された全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、演出可動機構50が備える複数の可動部材51〜54に設けられた発光体ユニット71〜74のそれぞれに、複数の発光体が整列配置されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、1つの可動部材に設けられた発光体ユニットに複数の発光体が整列配置されたものであってもよいし、固定された表示手段としての発光体ユニットに複数の発光体が整列配置されたものであってもよい。
上記実施の形態では、演出可動機構50が備える複数の可動部材51〜54に設けられた発光体ユニット71〜74に対応した発光体回路基板61〜64を設け、演出制御基板12の表示制御部123に設けられた発光体制御回路134においてシリアルデータを4系統に分離して各発光体回路基板61〜64へと送信するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、複数の発光体ユニットに対応する単一の発光体回路基板を設け、発光体制御回路134はシリアルデータを分離することなく発光体回路基板へと送信するものであってもよい。あるいは、演出制御基板12と発光体回路基板61〜64との間に中継基板を接続して、中継基板に搭載されたシリアル信号中継装置151によりシリアルデータを複数系統に分離して、各発光体回路基板61〜64へと送信するようにしてもよい。その他、シリアルデータを複数の発光体ドライバに向けて伝送するための基板構成は、予め任意に設計されたものであればよい。
上記実施の形態では、発光体回路基板61〜64のそれぞれにおいて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量の設定を異ならせることで、シリアル信号配線の系統に応じて異なる周波数変調の設定を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば発光体回路基板61〜64のそれぞれにおいて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量の設定は共通の設定とする一方、拡散コード(PNコード)を異ならせることで、シリアル信号配線の系統に応じて異なる周波数変調の設定を行うものであってもよい。クロック生成回路151Cは、拡散制御部151B1の設定によらず、一定のスペクトラム拡散処理を実行するものであってもよい。複数のパチンコ遊技機1ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量の設定、拡散コード(PNコード)の設定などを異ならせてもよい。
上記実施の形態では、各発光体回路基板61〜64に搭載されたクロック生成回路151Cにより、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックを生成して、第2通信経路における制御信号の伝送に用いるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、シリアル信号方式で制御信号を伝送するために使用可能な任意の変調方式で変調した変調クロックを用いるものであればよい。例えばデジタル信号である基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックは、パルス幅変調方式(PWM:Pulse width Modulation)で変調した場合でも、同様の波形にすることができる。また、位相変調を含めた角度変調方式で変調してもよい。さらに、基準クロックを変調するときには、水晶振動子などから出力された一定周波数のクロック信号を変調するものに限定されず、例えば電圧制御水晶発振器(VCXO:Voltage Controlled Crystal Oscillator)により生成されるクロック信号の周波数を直接に変化させてもよい。シリアル信号中継装置151は、クロック生成回路151Cにより所定変調方式で変調された変調クロックとしての駆動クロックを用いて、発光体駆動部152への制御信号をシリアル信号方式で送信できればよい。
上記実施の形態では、各発光体回路基板61〜64において、演出制御基板12の発光体制御回路134からLVDS方式で伝送された受信データの信号レベルを、LVDSレシーバ150によりTTLレベルまたはCMOSレベルに変換して、SPI方式などのシリアル信号方式で各発光体ドライバに伝送させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば各発光体回路基板61〜64の基板上におけるシリアル信号配線においても、LVDS方式といった低電圧で伝送可能なシリアル信号方式で制御信号が伝送されてもよい。LVDS方式を用いたシリアル通信と、スペクトラム拡散クロックを用いたシリアル通信との組合せは、予め任意に設計されたものであればよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12の発光体制御回路134から各発光体回路基板61〜64に対してシリアル信号方式で制御信号を伝送する一方向のシリアル通信が行われ、各発光体回路基板61〜64に搭載されたシリアル信号中継装置151から発光体駆動部152の各発光体ドライバに対してシリアル信号方式で制御信号を伝送する一方向のシリアル通信が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、双方向でのシリアル通信が可能な構成を備えるものであってもよい。一例として、各発光体回路基板61〜64に搭載されたシリアル信号中継装置151は、演出制御基板12の発光体制御回路134から伝送された所定の制御信号を受信したことに応答する応答信号を、シリアル信号方式で演出制御基板12に対して返信するための構成を備えていてもよい。他の一例として、可動部材51〜54の一部または全部に、遊技球や遊技者の手といった所定の検知対象物を検知するセンサを設け、その検知結果を示すセンサ信号を各発光体回路基板61〜64から演出制御基板12に対してシリアル信号方式で伝送するための構成を備えていてもよい。
複数の発光体ドライバがシリアルバス方式で接続される場合には、各発光体ブロックに対応して設けられたストローブ側の発光体ドライバやデジット側の発光体ドライバに対して、シリアル出力系統ごとに一意に定められた発光体ドライバアドレスが割り当てられればよい。この場合、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応して、ストローブ側の発光体ドライバが1つずつ設けられている。したがって、ストローブ側の発光体ドライバに対しては、複数の発光体ブロックB01〜B42にかかわらず、各発光体ブロックに対応して1の発光体ドライバアドレスを指定するアドレス情報が割り当てられればよい。このように、駆動制御回路となるストローブ側の発光体ドライバに対して、複数の発光体ブロックにかかわらず同数のアドレス情報が割り当てられる。一方、デジット側の発光体ドライバは、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれが構成するハーフブロックが1つであるか、2つであるかに応じて、1つの発光体ドライバ(デジット上側のみ)が用いられる場合もあれば、2つの発光体ドライバ(デジット上側およびデジット下側)が用いられる場合もある。したがって、デジット側の発光体ドライバに対しては、複数の発光体ブロックB01〜B42のいずれであるかに応じて、1の発光体ドライバアドレスを指定するアドレス情報または2の発光体ドライバアドレスを指定するアドレス情報が割り当てられればよい。このように、階調制御回路となるデジット側の発光体ドライバに対して、複数の発光体ブロックに応じた所定数のアドレス情報が割り当てられる。こうして、1の発光体ブロックに対応して設けられたストローブ側の発光体ドライバおよびデジット側の発光体ドライバのそれぞれに対応して、少なくとも1の発光体ドライバアドレスを指定するアドレス情報が割り当てられている。点灯データ生成回路142は、アドレス情報が含まれる点灯データを生成して、各発光体ドライバに向けてシリアルデータを出力させればよい。各発光体ドライバは、受信したシリアルデータに含まれるアドレス情報で示される発光体ドライバアドレスと、自分に割り当てられた発光体ドライバアドレスとが合致するか否かを確認する。このとき、合致していれば駆動制御データや階調データとなるシリアルデータを取り込んで、パラレルデータに変換し、これに基づく発光体の点灯制御を行う。
上記実施の形態では、複数の発光体ブロックB01〜B42のそれぞれが、各発光体ブロックよりも小さいモジュールとなるハーフブロックの組合せで構成されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、複数の発光体ブロックのうちには、複数のハーフブロックの組合せで構成されるものと、ハーフブロックに分割されず全体で1つの発光体ブロックを構成するものとが含まれていてもよい。一例として、横方向(X軸方向)に12個(12列)の発光体が並ぶとともに、縦方向(Y軸方向)に16個(16行)の発光体が並んだ領域については、ハーフブロックに分割することなく、全体が1つの発光体ブロックに割り当てられるように設定してもよい。このように、複数の発光体が整列配置された広い領域については、ハーフブロックに分割することなく一括して多数の発光体を点灯制御する。これにより、回路構成を簡単化して製造コストを低減したり、点灯制御に伴う処理負担を軽減したりすることができる。
上記実施の形態では、図25(a)に示すような設定により、発光体ブロックに応じて異なる点灯データ生成テーブルが選択される。この場合、同一の発光体ブロックに対応する発光体については、共通の点灯データ生成テーブルを用いて、表示データから点灯データへの変換が行われる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、同一の発光体ブロックに対応する発光体であっても、その配置などに応じて異なる点灯データ生成テーブルが選択されるようにしてもよい。具体的な一例として、バッファメモリ141から表示データが読み出された記憶アドレ スに応じて、異なる点灯データ生成テーブルが選択されるようにしてもよい。このように、より詳細な発光体の配置などに応じて、表示データから点灯データに変換するための設定情報を異ならせてもよい。
点灯データ生成回路142は、点灯データ生成テーブルに代えて、所定の演算処理によって表示データから点灯データへの変換を行うようにしてもよい。表示データから点灯データへの変換に使用可能な複数種類の演算処理プログラムを予め用意しておき、点灯データ生成回路142は、発光体の発光色や配置(発光体ブロックなど)に応じていずれかの演算処理プログラムを選択して実行することで、表示データを点灯データに変換してもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの前面側に設けられた演出可動機構を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、複数の発光体の発光状態を制御するための制御信号をシリアル信号方式で送受信する場合に、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックを用いて送受信するように構成されていればよい。あるいは、複数の発光体の発光状態を制御するための制御信号をシリアル信号方式で伝送する第1通信経路と、第1通信経路を介して受信した制御信号を複数系統に分離してシリアル信号方式で各発光体ドライバに伝送する第2通信経路とがある場合に、第1通信経路では、第2通信経路よりも低電圧で伝送可能なシリアル信号方式で制御信号を送受信するように構成されていればよい。
複数の発光体といった発光部品の発光状態を制御する場合に限定されず、所定の遊技を行う遊技機において、演出用の電気部品を制御する演出制御手段の出力手段から入力された制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変換して演出用の電気部品に出力する複数のシリアル−パラレル変換回路を備え、各シリアル−パラレル変換回路は1系統の配線を介して接続されるとともに、予め相互に異なるアドレス情報が割り当てられ、自己のアドレス情報が付加された制御信号のみをパラレル信号方式に変換して出力するものにおいて、制御信号をシリアル信号方式で出力するときに、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックを用いて送受信するように構成されてもよい。あるいは、制御信号をシリアル信号方式で伝送する第1通信経路と、第1通信経路を介して受信した制御信号を複数系統に分離してシリアル信号方式で伝送する第2通信経路とがある場合に、第1通信経路では、第2通信経路よりも低電圧で伝送可能なシリアル信号方式で制御信号を送受信するように構成されてもよい。例えば複数のシリアル−パラレル変換回路には、遊技盤2に設けられた盤側シリアル−パラレル変換回路と、遊技機用枠3に設けられた枠側シリアル−パラレル変換回路とがあり、盤側シリアル−パラレル変換回路はパラレル信号方式に変換した制御信号を演出用の電気部品のうち遊技盤2に設けられた電気部品に出力する一方、枠側シリアル−パラレル変換回路はパラレル信号方式に変換した制御信号を演出用の電気部品のうち遊技機用枠3に設けられた電気部品に出力する構成において、遊技盤2に設けられた電気部品を制御するための制御信号を出力するときには、盤側シリアル−パラレル変換回路を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力し、遊技機用枠3に設けられた電気部品を制御するための制御信号を出力するときには、枠側シリアル−パラレル変換回路を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力してもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには発光体ユニットや遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
図11に示すシリアル信号中継装置151では、制御信号が送信されない期間にクロック変調パラメータなどの設定を行うこと、クロック変調パラメータなどの設定が終了した後に制御信号を送信すること、制御信号の送信が行われていないと判定されたときにクロック変調パラメータなどの設定を行うことのうち、少なくともいずれか1の設定や制御を行うことができればよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、各発光体回路基板61〜64に搭載されたシリアル信号中継装置151のクロック生成回路151Cなどにより基準クロックを周波数変調することで生成されたスペクトラム拡散クロックを用いて、制御信号をシリアル信号方式で送受信する。これにより、複数の発光体における発光状態を制御するための制御信号をシリアル信号方式で送受信するときの放射ノイズを抑制することができる。
例えば演出制御基板12と各発光体回路基板61〜64との間を接続するケーブルCB1を含めたシリアル信号配線を含む信号経路において、スペクトラム拡散クロックを用いてシリアルデータが伝送されてもよい。これにより、基板間のシリアル信号配線を含む信号経路における放射ノイズを抑制できる。
例えば発光体回路基板61〜64に対応した複数系統のシリアル信号配線といった、シリアル信号配線の系統ごとに異なる周波数変調の設定を行う。これにより、複数系統のシリアル信号配線からの放射ノイズを抑制できる。
例えば各発光体回路基板61〜64に搭載されたシリアル信号中継装置151は、演出制御基板12に搭載された発光体制御回路134が備えるLVDSドライバ144−1〜144−4から送信されたシリアルデータに基づいて、発光ユニット71〜74を構成する複数の発光体の駆動制御に用いられる駆動制御データとなるシリアルデータと、複数の発光体の階調制御に用いられる階調データとなるシリアルデータとを含む制御信号を送信する。そして、スペクトラム拡散クロックを用いて制御信号を送受信することにより、発光体の駆動制御や階調制御を行う場合の放射ノイズを好適に抑制できる。
また、演出制御基板12に搭載された発光体制御回路134から各発光体回路基板61〜64に対して制御信号をシリアル信号方式で出力するLVDSドライバ144−1〜144−4と、各発光体回路基板61〜64において受信した制御信号を複数系統に分離してシリアル信号方式で各発光体ドライバに出力するシリアル信号中継装置151とを備えるように構成されている。そして、LVDSドライバ144−1〜144−4は、シリアル信号中継装置151よりも低電圧で伝送可能なシリアル信号方式で制御信号を送信する。これにより、分離前の制御信号を低電圧のシリアル信号方式で伝送して、放射ノイズを抑制することができる。
例えばLVDSドライバ144−1〜144−4は、シリアル信号中継装置151よりも高速のシリアル信号方式で制御信号を送信する。これにより、分離前の制御信号による放射ノイズを好適に抑制することができる。
例えばLVDSドライバ144−1〜144−4は、演出制御基板12と各発光体回路基板61〜64との間を接続するケーブルCB1を含めたシリアル信号配線を含む第1通信経路を介して制御信号を伝送させる。一方、シリアル信号中継装置151は、各発光体回路基板61〜64の基板上に設けられたシリアル信号配線を含む第2通信経路を介して制御信号を伝送させる。これにより、第1通信経路では、第2通信経路よりも低電圧で伝送可能なシリアル信号方式で制御信号が伝送され、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制できる。
例えばLVDSドライバ144−1〜144−4は、LVDS方式といった差動信号方式で制御信号を送信する。これにより、ノイズの影響を受けにくい通信が可能になる。
その他、例えばケーブルCB1が備えるシールドSHIのように、シリアル信号配線を被覆するシールド部材を設けることにより、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。また、各発光体回路基板61〜64は、例えばグランド接続層GND1、GND2のような一対の接地導体層の間に、回路形成層LY1のような信号配線層が挟まれた多層構造を有することにより、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。さらに、例えばケーブルCB1の長さを、クロック周波数における1/4波長の整数倍とは異なる配線長とするなど、シリアル信号配線の共振周波数がシリアル信号方式のクロック周波数にマッチングしない配線長とすることにより、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
また、本実施形態では、発光体回路基板に搭載したシリアル信号中継装置151に、シリアルデータバッファ回路151Aと、中継制御部151B0(拡散制御部151B1および出力制御部151B2を含む)と、クロック生成回路151Cとを備え、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、スペクトラム拡散を行う場合における変調設定などを行っているが、これに代えてまたは加えて、音声制御基板13、ランプ制御基板14、可動機構制御基板16に、シリアル信号中継装置151と同様のシリアル信号中継装置を搭載し、シリアルデータバッファ回路151Aと、中継制御部151B0(拡散制御部151B1および出力制御部151B2を含む)と、クロック生成回路151Cとの機能により、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、スペクトラム拡散を行う場合における変調設定などを行うように構成してもよい。これによれば、発光体ユニット71〜74を制御するための制御信号と、スピーカ8L、8Rを制御するための信号とを、シリアル信号配線の系統(各系統に対応する電気部品としての演出装置)に応じて異なる周波数変調の設定を行うことができるので、放射ノイズを抑制できる。また、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、可動用モータ60の制御信号も同様に放射ノイズを抑制することができる。こうして、複数の電気部品に応じて異なるスペクトラム拡散の設定を行うことができ、また、複数の電気部品の間で変調クロックとしての駆動クロックが同期しないように周波数変調の設定を行うことができる。
なお、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、可動用モータ60を動作させるためのドライバは、発光体ドライバと同様に、例えばデータラッチ部、シフトレジスタ、データバッファを含んで構成されている。各発光体ドライバのデータラッチ部は、例えばラッチ回路によって構成され、シリアル信号中継装置151と同様のシリアル信号中継装置から伝送された駆動クロックを用いてシリアルデータを1ビットごとにラッチし、シフトレジスタに出力する。例えばデータラッチ部は、伝送されたスペクトラム拡散クロックである駆動クロックの立上りタイミングで入力データをラッチするように構成されている。
また、発光体回路基板61〜64のシリアル信号中継装置151または、音声制御基板13、ランプ制御基板14、可動機構制御基板16のシリアル信号中継装置に、シリアルデータバッファ回路151Aと、中継制御部151B0(拡散制御部151B1および出力制御部151B2を含む)と、クロック生成回路151Cを搭載するようにしてもよいが、これに代えて、シリアルデータバッファ回路151Aと、中継制御部151B0(拡散制御部151B1および出力制御部151B2を含む)と、クロック生成回路151Cを演出制御基板12に搭載するようにしてもよく、演出制御基板12側で、各シリアル信号配線の系統(各系統に対応する電気部品としての演出装置)に応じて異なる周波数変調の設定を行うようにしてもよい。このようにしても、複数の電気部品に応じて異なるスペクトラム拡散の設定を行うことができ、また、複数の電気部品の間で変調クロックとしての駆動クロックが同期しないように周波数変調の設定を行うことができる。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5MA … メイン画像表示装置
5SU … サブ画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
16 … 可動機構制御基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
50 … 演出可動機構
51〜54 … 可動部材
71〜74 … 発光体ユニット
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部
130 … VDP
131 … 画像データメモリ
132A … VRAM
132B … フレームバッファ
133A … メインLCD駆動回路
133B … サブLCD駆動回路
134 … 発光体制御回路
140 … 信号分離回路
141 … バッファメモリ
142 … 点灯データ生成回路
143−1〜143−4 … パラレル−シリアル変換回路
144−1〜144−4 … LVDSドライバ
150 … LVDSレシーバ
151 … シリアル信号中継装置
151A … シリアルデータバッファ回路
151B0 … 中継制御部
151B1 … 拡散制御部
151B2 … 出力制御部
151C … クロック生成回路
152 … 発光体駆動部
B01〜B42 … 発光体ブロック

Claims (1)

  1. 所定の遊技を行う遊技機であって、
    電気部品による演出の実行を制御可能な演出制御手段と、
    前記電気部品を駆動可能な駆動手段とを備え、
    前記演出制御手段は、
    前記電気部品を制御するための制御信号をシリアル信号方式で前記駆動手段に送信する送信手段と、
    前記送信手段の設定を行う送信設定手段とを含み、
    前記駆動手段は、前記送信手段から受信した前記制御信号に基づいて駆動信号を前記電気部品に出力する出力手段を含み、
    前記送信手段は、基準クロックを所定変調方式で変調した変調クロックを用いて、前記制御信号をシリアル信号方式で送信し、
    前記送信設定手段は、前記送信手段による送信が行われない期間に、前記所定変調方式の設定を行う、
    ことを特徴とする遊技機。
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